(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2022021936
(22)【出願日】2022-02-16
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧野 香子
(72)【発明者】
【氏名】中本 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-102996(JP,A)
【文献】特開2021-144671(JP,A)
【文献】特開2021-026677(JP,A)
【文献】特開2005-266960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える業務支援装置であって、
前記制御部は、
建設工事を請け負う仕入先を識別する情報と、当該仕入先への前記建設工事の見積依頼に要する情報と
、当該仕入先へ依頼される建設工事の見積期間と、を含む見積依頼データを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した見積依頼データと、建設工事の請け負いに係るルールにより規定された基準を格納し
、前記見積期間の基準日数を含む基本情報マスタと、建設工事を請け負う仕入先に関係する情報であって仕入先が前記ルールにより規定された要件を満たしているか否かの判断に用いる情報を仕入先毎に格納した仕入マスタと、に基づいて、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先が前記要件を満たしているか否かを判断する判断手段と、
を備え
、
前記制御部は、前記見積依頼データが含む見積期間の日数が前記基準日数以上である場合、前記要件で規定された見積期間が設けられていると判断することを特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
前記見積依頼データは、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先へ依頼される建設工事の種別を含み、
前記判断手段は、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先と、前記見積依頼データが含む建設工事の種別に対応付けて、当該種別の建設工事の許可を受けている情報が前記仕入マスタに格納されている場合、前記要件を満たしていると判断する
請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記仕入マスタは、前記ルールにより規定された保険への加入状態を含み、
前記判断手段は、前記仕入マスタにおいて、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先に対応付けられている前記加入状態が、加入していることを示す場合、前記要件を満たしていると判断する
請求項1又は請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記見積依頼データは、
前記仕入先へ依頼される建設工事の注文書区分を含み、
注文書区分毎に前記見積期間のチェック区分を格納した注文書区分マスタを有し、
前記制御部は、前記見積依頼データが含む前記注文書区分が、前記見積期間をチェックしない区分の場合には前記見積依頼データが含む見積期間の判断を行わず、前記見積期間をチェックする区分の場合には前記見積依頼データが含む見積期間の判断を行なう
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の業務支援装置。
【請求項5】
制御部を備える業務支援装置で実行される業務支援方法であって、
前記制御部で実行される、
建設工事を請け負う仕入先を識別する情報と、当該仕入先への前記建設工事の見積依頼に要する情報と
、当該仕入先へ依頼される建設工事の見積期間と、を含む見積依頼データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した見積依頼データと、建設工事の請け負いに係るルールにより規定された基準を格納し
、前記見積期間の基準日数を含む基本情報マスタと、建設工事を請け負う仕入先に関係する情報であって仕入先が前記ルールにより規定された要件を満たしているか否かの判断に用いる情報を仕入先毎に格納した仕入マスタと、に基づいて、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先が前記要件を満たしているか否かを判断する判断ステップと、
前記見積依頼データが含む見積期間の日数が前記基準日数以上である場合、前記要件で規定された見積期間が設けられていると判断するステップと、
を備えることを特徴とする業務支援方法。
【請求項6】
コンピュータに、
建設工事を請け負う仕入先を識別する情報と、当該仕入先への前記建設工事の見積依頼に要する情報と
、当該仕入先へ依頼される建設工事の見積期間と、を含む見積依頼データを取得する取得処理と、
前記取得処理で取得した見積依頼データと、建設工事の請け負いに係るルールにより規定された基準を格納し
、前記見積期間の基準日数を含む基本情報マスタと、建設工事を請け負う仕入先に関係する情報であって仕入先が前記ルールにより規定された要件を満たしているか否かの判断に用いる情報を仕入先毎に格納した仕入マスタと、に基づいて、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先が前記要件を満たしているか否かを判断する判断処理と、
前記見積依頼データが含む見積期間の日数が前記基準日数以上である場合、前記要件で規定された見積期間が設けられていると判断する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、工事の元請業者が元請端末を介して支援サーバに見積書の作成を依頼する情報を入力し、工事の施工者である協力会社が協力端末を介して支援サーバに入力された情報等を確認することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建設工事において元請け業者が下請け業者へ見積書の作成を依頼する際には、下請け業者が法律、施行令、施行規則、国土交通省のガイドラインなどで規定された要件を満たしている必要がある。下請け業者が法律、施行令、施行規則、国土交通省のガイドラインなどで規定された要件を満たしているかを判断するには、元請け業者で依頼を行う作業者が法律、施行令、施行規則、国土交通省のガイドラインなどを熟知している必要がある。この判断を誤ると違法となって会社の信用を落とすこととなるため、この判断の作業は作業者にとって負荷となる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、建設工事の見積を依頼する業務において作業者の負荷を減らして効率良く取引先を選ぶことを可能とする業務支援装置、業務支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、制御部を備える業務支援装置であって、前記制御部は、建設工事を請け負う仕入先を識別する情報と、当該仕入先への前記建設工事の見積依頼に要する情報と、当該仕入先へ依頼される建設工事の見積期間と、を含む見積依頼データを取得する取得手段と、前記取得手段で取得した見積依頼データと、建設工事の請け負いに係るルールにより規定された基準を格納し、前記見積期間の基準日数を含む基本情報マスタと、建設工事を請け負う仕入先に関係する情報であって仕入先が前記ルールにより規定された要件を満たしているか否かの判断に用いる情報を仕入先毎に格納した仕入マスタと、に基づいて、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先が前記要件を満たしているか否かを判断する判断手段と、を備え、前記制御部は、前記見積依頼データが含む見積期間の日数が前記基準日数以上である場合、前記要件で規定された見積期間が設けられていると判断すること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記見積依頼データは、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先へ依頼される建設工事の種別を含み、前記判断手段は、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先と、前記見積依頼データが含む建設工事の種別に対応付けて、当該種別の建設工事の許可を受けている情報が前記仕入マスタに格納されている場合、前記要件を満たしていると判断するようにしてもよい。
【0008】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記仕入マスタは、前記ルールにより規定された保険への加入状態を含み、前記判断手段は、前記仕入マスタにおいて、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先に対応付けられている前記加入状態が、加入していることを示す場合、前記要件を満たしていると判断するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記見積依頼データは、前記仕入先へ依頼される建設工事の注文書区分を含み、注文書区分毎に前記見積期間のチェック区分を格納した注文書区分マスタを有し、前記制御部は、前記見積依頼データが含む前記注文書区分が、前記見積期間をチェックしない区分の場合には前記見積依頼データが含む見積期間の判断を行わず、前記見積期間をチェックする区分の場合には前記見積依頼データが含む見積期間の判断を行なうようにしてもよい。
【0010】
また、本発明に係る業務支援方法は、制御部を備える業務支援装置で実行される業務支援方法であって、前記制御部で実行される、建設工事を請け負う仕入先を識別する情報と、当該仕入先への前記建設工事の見積依頼に要する情報と、当該仕入先へ依頼される建設工事の見積期間と、を含む見積依頼データを取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した見積依頼データと、建設工事の請け負いに係るルールにより規定された基準を格納し、前記見積期間の基準日数を含む基本情報マスタと、建設工事を請け負う仕入先に関係する情報であって仕入先が前記ルールにより規定された要件を満たしているか否かの判断に用いる情報を仕入先毎に格納した仕入マスタと、に基づいて、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先が前記要件を満たしているか否かを判断する判断ステップと、前記見積依頼データが含む見積期間の日数が前記基準日数以上である場合、前記要件で規定された見積期間が設けられていると判断するステップと、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータに、建設工事を請け負う仕入先を識別する情報と、当該仕入先への前記建設工事の見積依頼に要する情報と、当該仕入先へ依頼される建設工事の見積期間と、を含む見積依頼データを取得する取得処理と、前記取得処理で取得した見積依頼データと、建設工事の請け負いに係るルールにより規定された基準を格納し、前記見積期間の基準日数を含む基本情報マスタと、建設工事を請け負う仕入先に関係する情報であって仕入先が前記ルールにより規定された要件を満たしているか否かの判断に用いる情報を仕入先毎に格納した仕入マスタと、に基づいて、前記見積依頼データが含む情報で特定される仕入先が前記要件を満たしているか否かを判断する判断処理と、前記見積依頼データが含む見積期間の日数が前記基準日数以上である場合、前記要件で規定された見積期間が設けられていると判断する処理と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、建設工事の見積を依頼する業務において作業者の負荷を減らして効率良く取引先を選ぶことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態に係る業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る記憶部が記憶する工事基本情報データ、契約情報データ、及び見積依頼データの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る記憶部が記憶する基本情報マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る記憶部が記憶する仕入先マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る記憶部が記憶する仕入先建設業許可マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る記憶部が記憶する注文書区分マスタの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る業務支援装置で表示される見積依頼伝票登録画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る業務支援装置で実行される処理の手順の一例を示すフロー図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る業務支援装置で実行される処理の手順の一例を示すフロー図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る業務支援装置で実行される処理の手順の一例を示すフロー図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る業務支援装置で実行される処理の手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る業務支援装置、業務支援方法およびプログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
建築業界においては、業務の依頼先となる取引先を選定するにあたり、取引先が法律、施行令、施行規則、国土交通省のガイドラインなどで規定された要件を満たしている必要がある。具体的には、取引先を選定する際には以下の(1)-1と、(1)-2の要件を満たしている必要がある。
(1)-1:注文する工事の請負代金が建設業法に規定する金額を超える場合に、見積を依頼する工事業種に関する建設業許可を取引先が受けている。
(1)-2:取引先が工事業を請け負うにあたって加入を求められる保険に加入している。
(1)-1の要件については、建設業法(第三条)及び建設業法施工令(第一条の二)で規定されている。(1)-2の要件については、建設業法(第七条)、建設業法施行規則(第七条第二号)、及び国土交通省「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」で規定されている。
【0016】
また、取引先へ見積依頼を行うにあたり、以下の(2)-1の要件を満たす必要がある。
(2)-1:見積依頼金額に応じて建設業法に規定する一定の見積期間を設けなければならない。
(2)-1の要件については、建設業法施工令(第六条)で規定されている。
【0017】
このように、取引先を選定して見積を取引先へ依頼するにあたり、依頼元の担当者は、法律、施行令、施行規則、ガイドラインを熟知している必要があり、違反していないか判断を行なうのは大きな負担となる。そこで、本実施形態においては、見積を依頼する業務において作業者の負荷を減らして効率良く取引先を選定することができる業務支援装置、業務支援方法、及びプログラムを提供している。以下、具体的な構成及び動作について説明する。
【0018】
[2.構成]
本実施形態にかかる業務支援装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態にかかる業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
業務支援装置100は、例えば、建設工事を下請業者へ発注する建設業の元請業者の事業所に設置される。業務支援装置100は、例えば、元請業者から下請業者へ発注する建設工事の見積依頼に係る情報を登録し、取引先である下請業者への見積依頼の管理を行う装置である。
【0020】
業務支援装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。ただし、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型の情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型の情報処理装置であってもよい。
【0021】
業務支援装置100は、制御部102、通信インターフェース部104、記憶部106、及び入出力インターフェース部108を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納され、制御部102が処理するデータは、サーバ200から取得してもよい。
【0023】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0025】
記憶部106には、例えば、データとして、工事基本情報データ106a、契約情報データ106b、及び見積依頼データ106cが格納されている。
図2に工事基本情報データ106a、契約情報データ106b、及び見積依頼データ106cの一例を示す。また、記憶部106には、例えばマスタとして、基本情報マスタ106d、仕入先マスタ106e、仕入先建設業許可マスタ106f、及び注文書区分マスタ106gが格納されている。
図3に基本情報マスタ106dの一例を示し、
図4に仕入先マスタ106eの一例を示し、
図5に仕入先建設業許可マスタ106fの一例を示し、
図6に注文書区分マスタ106gの一例を示す。
【0026】
図2に示す工事基本情報データ106aは、業務支援装置100を有する元請業者が建設工事の発注者から受注した建設工事に係る項目を含むデータである。工事基本情報データ106aは、プロジェクト番号、プロジェクト名、工期開始日、工期終了日などを含む。なお、
図2に示す工事基本情報データ106aにおいては、本発明に係る項目以外の図示を省略している。工事基本情報データ106aは、
図2で示した項目以外を含むものであってもよい。プロジェクト番号は、発注者から受注した建設工事のプロジェクトを識別するための番号である。プロジェクト名は、建設工事の発注者から受注した建設工事のプロジェクトの名称である。工期開始日は、プロジェクト番号で識別される建設工事の開始日であり、工期終了日は、プロジェクト番号で識別される建設工事の終了日である。
【0027】
図2に示す契約情報データ106bは、プロジェクト番号で識別される建設工事の発注者と元請業者との間の契約に係る項目を含むデータである。契約情報データ106bは、プロジェクト番号、受注番号、契約名、契約開始日、契約終了日などを含む。なお、
図2に示す契約情報データ106bにおいては、本発明に係る項目以外の図示を省略している。契約情報データ106bは、
図2で示した項目以外を含むものであってもよい。受注番号は、発注者から受注した建設工事の契約を識別するための番号である。契約名は、受注した建設工事の契約の名称である。契約開始日は、受注した建設工事の契約の開始日であり、契約終了日は、受注した建設工事の契約の終了日である。
【0028】
図2に示す見積依頼データ106cは、業務支援装置100を有する元請業者が下請業者へ依頼する見積依頼に係る項目を含むデータである。見積依頼データ106cは、見積依頼番号、見積依頼日、見積提出期限日、仕入先、建設業許可業種区分、注文書区分、プロジェクト番号、受注番号、受注明細番号、及び見積依頼金額合計を含む。見積依頼番号は、見積依頼を識別するための番号である。見積依頼日は、見積依頼を行う日付である。見積提出期限日は、下請業者へ依頼した見積の提出期限日である。仕入先は、見積の依頼先である下請業者である。建設業許可業種区分は、仕入先が受けている建設業許可業種区分である。注文書区分は、元請業者が下請業者に対して依頼する業務に係る注文書の区分である。受注明細番号は、元請業者から下請業者へ発注する建設工事を識別する番号である。見積依頼金額合計は、見積の依頼先へ発注する建設工事の予定金額である。
【0029】
図3に示す基本情報マスタ106dは、見積依頼を行うにあたり必要な要件に係る情報を格納するマスタである。仕入マスタとしての基本情報マスタ106dは、建設業許可チェック区分、建設業法発注基準金額、建設業法見積期間チェック基準金額1、建設業法見積期間チェック基準金額2、建設業法見積期間チェック日数1、及び建設業法見積期間チェック日数2を含む。例えば、見積依頼を行うにあたり必要な要件が法改正により変更された場合、マスタの内容を編集することにより対応することができる。
【0030】
図4に示す仕入先マスタ106eは、元請業者からの建設工事の依頼先となる下請業者に係る情報を格納するマスタである。仕入マスタとしての仕入先マスタ106eは、仕入先コード、仕入先名、健康保険区分、年金保険区分、雇用保険区分、建設業許可管理区分、及び注文書区分を含む。
【0031】
図5に示す仕入先建設業許可マスタ106fは、元請業者からの建設工事の依頼先となる下請業者が受けている建設業許可に係る情報を格納するマスタである。仕入マスタとしての仕入先建設業許可マスタ106fは、仕入先コード、建設業許可業種区分、特定一般区分、建設業許可区分、建設業許可番号、許可有効期限(開始)、及び許可有効期限(終了)を含む。
【0032】
図6に示す注文書区分マスタ106gは、元請業者からの建設工事の依頼先となる下請業者の保険への加入確認や下請業者への見積依頼の期限確認を行う際に使用されるマスタである。注文書区分マスタ106gは、注文書区分、注文書区分名、社会保険チェック区分、見積依頼建設業許可チェック区分、及び見積依頼期限チェック区分を含む。
【0033】
制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラムや各種の処理手順等を規定したプログラム、所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、取得部102a、判断部102b、及び報知部102cを備えている。
【0034】
取得手段としての取得部102aは、後述する見積依頼伝票登録画面に対して入力装置112により入力された情報、見積依頼データ106cとして取得する。
【0035】
判断手段としての判断部102bは、取得した見積依頼データ106cと、基本情報マスタ106d、仕入先マスタ106e、仕入先建設業許可マスタ106f、及び注文書区分マスタ106gに基づいて、建設工事を請け負う仕入先が法律、施行令、施行規則、国土交通省のガイドライン等の建設工事の請け負いに係るルールにより規定された要件を満たしているか判断する。
【0036】
報知手段としての報知部102cは、判断部102bの判断結果を出力装置114で報知する。
【0037】
登録手段としての登録部102dは、取得部102aが取得した見積依頼データ106cを、仕入先へ見積依頼を行うための見積依頼伝票に係るデータとして登録する。
【0038】
[3.処理の具体例]
ここでは、業務支援装置100で実行される処理の具体例について、
図7から
図11を参照して説明する。
【0039】
図7は、元請業者から下請業者へ発注する建設工事の見積を下請業者へ依頼するにあたり、業務支援装置100が表示する見積依頼伝票登録画面の一例を示す図である。オペレーターは、入力装置112を操作し、建設工事の依頼先となる下請業者へ見積を依頼するにあたり、見積に必要となる情報を出力装置114で表示される見積依頼伝票登録画面501に入力する。なお、注文書区分については、仕入先が入力されると、仕入先マスタ106eにおいて入力された仕入先コードに対応付けられている注文書区分が自動的に入力される。自動的に入力された注文書区分は、オペレーターが入力装置112を操作することにより変更することができる。また、見積依頼番号については、自動的に採番される構成としてもよい。
【0040】
オペレーターが入力装置112を操作して見積依頼伝票登録画面501に情報を入力した後、見積依頼伝票登録画面501に表示されている「登録」ボタンをクリックする操作がオペレーターにより行われると、制御部102は、
図8~
図11に示す処理を実行する。
【0041】
まず、制御部102は、見積依頼伝票登録画面501に入力された情報を見積依頼データとして取得する(ステップS11)。次に制御部102は、ステップS11で取得した情報のうち、仕入先の情報を変数Sに格納する(ステップS12)。また、制御部102は、ステップS11で取得した情報のうち、注文書区分の情報を変数Cに格納する(ステップS13)。
【0042】
次に制御部102は、基本情報マスタ106dに格納されている情報を変数に格納する。具体的には、制御部102は、基本情報マスタ106dに格納されている建設業法発注基準金額を変数Kに格納する(ステップS14)。制御部102は、基本情報マスタ106dに格納されている建設業法見積期間チェック基準金額1を変数M1に格納する(ステップS15)。制御部102は、基本情報マスタ106dに格納されている建設業法見積期間チェック基準金額2を変数M2に格納する(ステップS16)。制御部102は、基本情報マスタ106dに格納されている建設業法見積期間チェック日数1を変数MK1に格納する(ステップS17)。また、制御部102は、基本情報マスタ106dに格納されている建設業法見積期間チェック日数2を変数MK2に格納する(ステップS18)。
【0043】
次に制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、変数C、即ち取得した注文書区分に対応付けられている社会保険チェック区分が0であるか判断する(ステップS21)。制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている社会保険チェック区分が0である場合(ステップS21でYES)、ステップS31へ処理の流れを移す。
【0044】
制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている社会保険チェック区分が0ではない場合(ステップS21でNO)、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている社会保険チェック区分が1であるか判断する(ステップS22)。制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている社会保険チェック区分が1である場合(ステップS22でYES)、仕入先マスタ106eにおいて、変数S、即ち取得した仕入先が工事業を請け負うにあたって加入を求められる保険に加入しているか判断する(ステップS23)。具体的には、ここで制御部102は、仕入先マスタ106eにおいて、取得した仕入先に対応付けられている健康保険区分、年金保険区分及び雇用保険区分の全てが加入となっているか判断する。制御部102は、仕入先マスタ106eにおいて、取得した仕入先に対応付けられている健康保険区分、年金保険区分及び雇用保険区分の全てが加入となっている場合(ステップS23でYES)、ステップS31へ処理の流れを移す。
【0045】
制御部102は、仕入先マスタ106eにおいて、取得した仕入先に対応付けられている健康保険区分、年金保険区分及び雇用保険区分の全てが加入となっていない場合(ステップS23でNO)、法律、施行規則及びガイドライン等で規定されている要件を仕入先が満たしていないことを警告する警告文と、見積依頼伝票の登録処理を続行するか否かを問う文を含む画面を出力装置114に表示させる(ステップS24)。
【0046】
次に制御部102は、オペレーターが入力装置112を操作し、ステップS24で表示した画面に対して見積依頼伝票の登録処理を続行する操作を行ったか判断する(ステップS25)。制御部102は、見積依頼伝票の登録処理を続行する操作が行われた場合(ステップS25でYES)、ステップS31へ処理の流れを移す。制御部102は、見積依頼伝票の登録処理を中止する操作が行われた場合(ステップS25でNO)、見積依頼伝票の登録処理を終了する。
【0047】
ステップS22の説明に戻り、制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている社会保険チェック区分が1ではない場合(ステップS22でNO)、ステップS23と同じく、仕入先マスタ106eにおいて、取得した仕入先が工事業を請け負うにあたって加入を求められる保険に加入しているか判断する(ステップS26)。ここで制御部102は、仕入先マスタ106eにおいて、取得した仕入先に対応付けられている健康保険区分、年金保険区分及び雇用保険区分の全てが加入となっているか判断する。制御部102は、仕入先マスタ106eにおいて、取得した仕入先に対応付けられている健康保険区分、年金保険区分及び雇用保険区分の全てが加入となっている場合(ステップS26でYES)、ステップS31へ処理の流れを移す。制御部102は、仕入先マスタ106eにおいて、取得した仕入先に対応付けられている健康保険区分、年金保険区分及び雇用保険区分の全てが加入となっていない場合(ステップS26でNO)、エラー画面を表示し(ステップS27)、見積依頼伝票の登録処理を終了する。
【0048】
次にステップS31以降の処理について説明する。制御部102は、注文書区分マスタ106gを参照し、変数C、即ち取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼建設業許可チェック区分が0であるか判断する(ステップS31)。制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼建設業許可チェック区分が0である場合(ステップS31でYES)、ステップS41へ処理の流れを移す。
【0049】
制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼建設業許可チェック区分が0ではない場合(ステップS31でNO)、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼建設業許可チェック区分が1であるか判断する(ステップS32)。制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼建設業許可チェック区分が1である場合(ステップS32でYES)、ステップS11で取得した見積依頼金額合計が変数K未満であるか判断する(ステップS33)。制御部102は、ステップS11で取得した見積依頼金額合計が変数K未満である場合(ステップS33でYES)、ステップS41へ処理の流れを移す。
【0050】
制御部102は、ステップS11で取得した見積依頼金額合計が変数K未満ではない場合(ステップS33でNO)、仕入先建設業許可マスタ106fにおいて、変数S及び建設業許可業種区分の組、即ち取得した仕入先と建設業許可業種区分の組に対応付けられている建設業許可区分が許可有りであるか判断する(ステップS34)。制御部102は、仕入先建設業許可マスタ106fにおいて、取得した仕入先と建設業許可業種区分の組に対応付けられている建設業許可区分が許可有りである場合(ステップS34でYES)、ステップS41へ処理の流れを移す。
【0051】
制御部102は、仕入先建設業許可マスタ106fにおいて、取得した仕入先と建設業許可業種区分の組に対応付けられている建設業許可区分が許可なしである場合(ステップS34でNO)、法律、施行規則及びガイドライン等で規定されている要件を仕入先が満たしていないことを警告する警告文と、見積依頼伝票の登録処理を続行するか否かを問う文を含む画面を出力装置114に表示させる(ステップS35)。
【0052】
次に制御部102は、オペレーターが入力装置112を操作し、ステップS35で表示した画面に対して見積依頼伝票の登録処理を続行する操作を行ったか判断する(ステップS36)。制御部102は、見積依頼伝票の登録処理を続行する操作が行われた場合(ステップS36でYES)、ステップS41へ処理の流れを移す。制御部102は、見積依頼伝票の登録処理を中止する操作が行われた場合(ステップS36でNO)、見積依頼伝票の登録処理を終了する。
【0053】
ステップS32の説明に戻り、制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼建設業許可チェック区分が1ではない場合(ステップS32でNO)、ステップS11で取得した見積依頼金額合計が変数K未満であるか判断する(ステップS37)。制御部102は、ステップS11で取得した見積依頼金額合計が変数K未満である場合(ステップS37でYES)、ステップS41へ処理の流れを移す。
【0054】
制御部102は、ステップS11で取得した見積依頼金額合計が変数K未満ではない場合(ステップS37でNO)、ステップS34と同じく、仕入先建設業許可マスタ106fにおいて、変数S及び建設業許可業種区分の組、即ち取得した仕入先と建設業許可業種区分の組に対応付けられている建設業許可区分が許可有りであるか判断する(ステップS38)。制御部102は、仕入先建設業許可マスタ106fにおいて、取得した仕入先と建設業許可業種区分の組に対応付けられている建設業許可区分が許可有りである場合(ステップS38でYES)、ステップS41へ処理の流れを移す。
【0055】
制御部102は、仕入先建設業許可マスタ106fにおいて、取得した仕入先と建設業許可業種区分の組に対応付けられている建設業許可区分が許可なしである場合(ステップS38でNO)、エラー画面を表示し(ステップS39)、見積依頼伝票の登録処理を終了する。
【0056】
次にステップS41以降の処理について説明する。制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、変数C、即ち取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼期限チェック区分が0であるか判断する(ステップS41)。制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼期限チェック区分が0である場合(ステップS41でYES)、ステップS11で取得した情報を見積依頼データ106cとして記憶部106に記憶させ、仕入先へ見積依頼を行うための見積依頼伝票に係るデータとして登録する(ステップS42)。
【0057】
制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼期限チェック区分が0ではない場合(ステップS41でNO)、取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼期限チェック区分が1であるか判断する(ステップS43)。制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼期限チェック区分が1である場合(ステップS43でYES)、ステップS11で取得した見積依頼金額合計の金額が変数M1未満、変数M1以上変数M2未満、変数M2以上のいずれであるか判断する(ステップS44)。制御部102は、ステップS11で取得した見積依頼金額合計の金額が変数M1未満である場合(ステップS44で変数M1未満)、ステップS42の処理を実行する。
【0058】
制御部102は、ステップS11で取得した見積依頼金額合計の金額が変数M1以上変数M2未満である場合(ステップS44で変数M1以上変数M2未満)、ステップS11で取得した見積依頼日から見積提出期限日までの期間である見積期間が変数MK1以上であるか判断する(ステップS45)。制御部102は、見積期間が変数MK1以上である場合(ステップS45でYES)、ステップS42の処理を実行する。
【0059】
制御部102は、見積期間が変数MK1以上ではない場合(ステップS45でNO)、入力した見積依頼日から見積提出期限日までの期間が定められた日数に足りていないことを警告する警告文と、見積依頼伝票の登録処理を続行するか否かを問う文を含む画面を出力装置114に表示させる(ステップS46)。
【0060】
次に制御部102は、オペレーターが入力装置112を操作し、ステップS46で表示した画面に対して見積依頼伝票の登録処理を続行する操作を行ったか判断する(ステップS47)。制御部102は、見積依頼伝票の登録処理を続行する操作が行われた場合(ステップS47でYES)、ステップS42の処理を実行する。制御部102は、見積依頼伝票の登録処理を中止する操作が行われた場合(ステップS47でNO)、エラー画面を表示し(ステップS54)、見積依頼伝票の登録処理を終了する。
【0061】
ステップS44の説明に戻り、制御部102は、ステップS11で取得した見積依頼金額合計の金額が変数M2以上である場合(ステップS44で変数M2以上)、ステップS11で取得した見積依頼日から見積提出期限日までの期間である見積期間が変数MK2以上であるか判断する(ステップS48)。制御部102は、見積期間が変数MK2以上である場合(ステップS48でYES)、ステップS42の処理を実行する。
【0062】
制御部102は、見積期間が変数MK2以上ではない場合(ステップS48でNO)、入力した見積依頼日から見積提出期限日までの期間が定められた日数に足りていないことを警告する警告文と、見積依頼伝票の登録処理を続行するか否かを問う文を含む画面を出力装置114に表示させる(ステップS49)。
【0063】
次に制御部102は、オペレーターが入力装置112を操作し、ステップS49で表示した画面に対して見積依頼伝票の登録処理を続行する操作を行ったか判断する(ステップS50)。制御部102は、見積依頼伝票の登録処理を続行する操作が行われた場合(ステップS50でYES)、ステップS42の処理を実行する。制御部102は、見積依頼伝票の登録処理を中止する操作が行われた場合(ステップS50でNO)、見積依頼伝票の登録処理を終了する。
【0064】
ステップS43の説明に戻り、制御部102は、注文書区分マスタ106gにおいて、取得した注文書区分に対応付けられている見積依頼期限チェック区分が1ではない場合(ステップS43でNO)、ステップS11で取得した見積依頼金額合計の金額が変数M1未満、変数M1以上変数M2未満、変数M2以上のいずれであるか判断する(ステップS51)。制御部102は、ステップS11で取得した見積依頼金額合計の金額が変数M1未満である場合(ステップS51で変数M1未満)、ステップS42の処理を実行する。
【0065】
制御部102は、ステップS11で取得した見積依頼金額合計の金額が変数M1以上変数M2未満である場合(ステップS51で変数M1以上変数M2未満)、ステップS11で取得した見積依頼日から見積提出期限日までの期間である見積期間が変数MK1以上であるか判断する(ステップS52)。制御部102は、見積期間が変数MK1以上である場合(ステップS52でYES)、ステップS42の処理を実行する。制御部102は、見積期間が変数MK1以上ではない場合(ステップS52でNO)、エラー画面を表示し(ステップS54)、見積依頼伝票の登録処理を終了する。
【0066】
ステップS51の説明に戻り、制御部102は、ステップS11で取得した見積依頼金額合計の金額が変数M2以上である場合(ステップS51で変数M2以上)、ステップS11で取得した見積依頼日から見積提出期限日までの期間である見積期間が変数MK2以上であるか判断する(ステップS53)。制御部102は、見積期間が変数MK2以上である場合(ステップS53でYES)、ステップS42の処理を実行する。制御部102は、見積期間が変数MK2以上ではない場合(ステップS53でNO)、エラー画面を表示し(ステップS54)、見積依頼伝票の登録処理を終了する。
【0067】
なお、本実施形態においては、前述の建設業法、建設業法施工令、建設業法施行規則、ガイドラインで規定される要件だけでなく、他の法律、施行令、施行規則、ガイドラインで規定される要件についても、要件に係る情報をマスタに格納し、取引先が要件を満たしているか否かを判断するようにしてもよい。また、本実施形態においては、仕入先マスタ106eと仕入先建設業許可マスタ106fが一体であってもよい。
【0068】
[4.実施形態の効果]
実施形態の業務支援装置100によれば、依頼する工事に係る請負代金が建設業法に規定する金額を超えるか否かを業務支援装置100が判断するため、オペレーターよる判断の負荷を減らすことができる。また、業務支援装置100によれば、依頼する工事に係る請負代金が建設業法に規定する金額を超える場合に、依頼先が建設業許可を受けているか否かを業務支援装置100が判断するため、オペレーターよる判断の負荷を減らすことができる。また、業務支援装置100によれば、工事の依頼先が工事業を請け負うにあたって加入を求められる保険に加入しているか否かを業務支援装置100が判断するため、オペレーターによる判断の負荷を減らして効率良く建設工事の依頼先を選定することができる。また、業務支援装置100によれば、見積依頼金額に応じて建設業法に規定する見積期間が設けられているか否かを業務支援装置100が判断するため、オペレーターによる判断の負荷を減らすことができる。まとめると、見積を依頼する業務において、確認に必要な要件及び確認に要する情報をマスタで管理することにより、作業者の負荷を減らして効率良く取引先を選定することができる。また、ルールを遵守してオペレーターによる取引先の選定の誤りを削減することができる。
【0069】
[5.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0070】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0072】
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0073】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0074】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0075】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0076】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を業務支援装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0077】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0078】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0079】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0080】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0081】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の業務支援装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該業務支援装置100として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該業務支援装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0082】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、建設工事を発注する建設業者において有用である。
【符号の説明】
【0084】
100 業務支援装置
102 制御部
102a 取得部
102b 判断部
102c 報知部
102d 登録部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 工事基本情報データ
106b 契約情報データ
106c 見積依頼データ
106d 基本情報マスタ
106e 仕入先マスタ
106f 仕入先建設業許可マスタ
106g 注文書区分マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置(キーボード)
114 出力装置(モニタ)
200 サーバ
300 ネットワーク
501 見積依頼伝票登録画面