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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20241004BHJP
   A63H 3/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
A63H33/00 301Z
A63H3/00 L
A63H33/00 301B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022116766
(22)【出願日】2022-07-21
(65)【公開番号】P2024014144
(43)【公開日】2024-02-01
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】光石 よう子
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特許第7081026(JP,B1)
【文献】特開2021-154041(JP,A)
【文献】特開2021-151405(JP,A)
【文献】特許第7062811(JP,B1)
【文献】国際公開第2010/073910(WO,A1)
【文献】特開2023-014138(JP,A)
【文献】特開2003-275476(JP,A)
【文献】特開2019-181278(JP,A)
【文献】特開2020-054657(JP,A)
【文献】特開2020-065732(JP,A)
【文献】特開2020-074872(JP,A)
【文献】ディズニープリンセス ガシャポン ヒロインドールストーリーズ 全3種,YouTube[online][video],2021年01月29日,[2024年03月22日検索], <URL: https://www.youtube.com/watch?v=8KqtlTvC1jk>,特に動画時間[07:55]-[10:49]を参照
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1形態、及び第2形態をとり得る形態変化可能な玩具であって、
頂部を含んでいる第1外殻部と、
頂部を含んでいる第2外殻部と、
頂部を含まず、第1部品と第2部品から構成されている主体部と、
前記主体部内に収容されている副体部と、を備え、
前記第1外殻部、前記第2外殻部、及び前記主体部は、前記第1形態において、外殻を成し、前記第2形態において、前記主体部が人形体の載置部を成し、前記第1外殻部及び前記第2外殻部が人形体の載置部を成さ
前記第2部品は、第1パーツ部、第2パーツ部、及び第3パーツ部から構成され、前記第1パーツ部と前記第2パーツ部とは、左右対称の形状に構成され、前記第3パーツ部は、前記第1パーツ部、及び前記第2パーツ部とは、異なる形状に構成されている、
玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具であって
前記第1形態において、前記第1部品、及び前記第2部品が連結している状態を成し、
前記第2形態において、前記第1部品、及び前記第2部品が分離している状態を成している、
玩具。
【請求項3】
請求項1に記載の玩具であって、
前記主体部は、前記第1形態において、球型形状を成し、前記第2形態において、非球型形状を成している、
玩具。
【請求項4】
請求項1に記載の玩具であって、
前記第2部品は、前記第2形態において、前記第1部品の装飾部を成している、
玩具。
【請求項5】
請求項4に記載の玩具であって、
前記第2部品は、前記第2形態において、前記装飾部として波を模した態様を成している、
玩具。
【請求項6】
請求項1に記載の玩具であって、
前記第1部品は、皿型形状を成し、その開口端部の少なくとも一部が波状に形成されている、
玩具。
【請求項7】
請求項1に記載の玩具であって、
前記第1部品は、その内部底面が平面部を成し、前記平面部において前記人形体を載置可能な載置部を成している、
玩具。
【請求項8】
請求項に記載の玩具であって、
前記載置部は、前記人形体を支持可能な支持部を載置可能に構成されている、
玩具。
【請求項9】
請求項1に記載の玩具であって、
前記副体部は、前記第2形態において、前記第1部品に連結可能に構成されている、
玩具。
【請求項10】
請求項1に記載の玩具であって、
前記副体部は、前記第1形態、及び前記第2形態において、前記第2部品に連結不可能に構成されている、
玩具。
【請求項11】
請求項1に記載の玩具であって、
前記第1部品、及び前記第2部品は、各々の外表面に異なる模様が形成されている、
玩具。
【請求項12】
請求項1に記載の玩具であって、
前記第2部品は、その内表面と外表面において凹凸が形成されている、
玩具。
【請求項13】
請求項1に記載の玩具であって、
少なくとも前記第2部品は、光透過性の部材にて構成されている、
玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カプセル内部に人形などを収納して自動販売機で販売されるカプセル玩具がある。例えば特許文献1においては、カプセル構成部材で構成されるカプセル内部には、玩具を組立てるための部品が収納されている。カプセル構成部材の切り口には、切欠が所定数設けられており、この切欠に部品の一部又は全てを嵌入させて玩具を形成し得るようになっている。また、カプセルの離脱防止策として、カプセル構成部材の内壁には、カプセル構成部材の切り口を狭持するためのリブが所定数設けられている構成、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平07-148358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、カプセル自体を玩具の部品とし利用する構造が記載されている。しかしながら、カプセルを玩具の一部として使用する際のカプセルの使用形態としては、販売時の球形状であるため、玩具の形状がカプセルの球形状に左右される。このため、本来のキャラクターのイメージを維持することが難しくなり、キャラクターによっては、カプセル形状によってその形状が大きく変わってしまい、キャラクター自体の品質上の問題を生じ、また、その興趣性を維持できない課題を有していた。また、玩具自体の全体的な形状が球形を基本とするために、玩具の展示状態が不安定で安定感がない、また、展示形態の自由度が無いなどの問題がある。
【0005】
本発明は、従来に比べより興趣性の高い玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の玩具は、第1形態、及び第2形態をとり得る形態変化可能な玩具であって、第1部品、及び第2部品から構成されている主体部と、主体部内に収容されている副体部と、を備え、主体部は、第1形態において、第1部品、及び第2部品が外殻を成し、第2形態において、第1部品が載置部を成し、第2部品が載置部を成さない、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性の高い玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の態様の玩具における第1形態を示す正面図である。
図2図1に示す玩具を斜め方向から見た側面図である。
図3図1に示す玩具の外殻部分を分解した状態の側面図である。
図4】玩具の第2形態の斜視図である。
図5】副体部の組み立て方の一例を示す分解斜視図である。
図6】第1部品の組み立て状態と人形体を示す斜視図である。
図7】第2部品の配置状態の一例を示す斜視図である。
図8】第1部品と第2部品の配置状態を示す後方側から見た斜視図である。
図9】本発明の第2の態様の玩具における第1形態を示す側面図である。
図10図9に示す玩具の外殻部分を分解した状態の側面図である。
図11】第1部品と副体部との組み立て方を示す分解斜視図である。
図12】第2の態様の玩具における第2形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の態様)
以下、本発明の一つの側面を表す第1の態様の玩具1について、図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、第2形態2Fの図示においては、第2形態2Fにおける動きがイメージされており、その動きのイメージの方向に沿って、動く前方側を前、後方側を後、前後方向に対して左右に直交する方向を左右、として記載し、図示においても方向を適宜記載する。
【0010】
図1は、第1の態様の玩具1における第1形態1Fを示す正面図である。図2は、図1に示す玩具1を斜め側面から見た側面図である。
図1、及び図2に示すようにカプセル形態の第1形態1Fと、展示形態である第2形態2F(図4参照)と、をとり得る形態変化可能な玩具1である。
第1形態1Fは、外観的には球形を成しており、その外殻を構成する部品には、例えば、図1及び図2に示すように、図において、横方向に形成されて上下方向に並んだ第1分割ラインD1、第2分割ラインD2、第3分割ラインD3、第4分割ラインD4と、第2分割ラインD2と第3分割ラインD3の間の縦方向の第5分割ラインD5と、が形成されている。このように、第1部品11と複数の第2部品12からなる主体部10と、非主体部の上外殻部品13、及び下外殻部品14と、を備えている。また、第1形態1Fにおいては、主体部10は、単なる外殻部品ではあるが、その表面が適宜凹凸の模様40が施されている。
【0011】
また、主体部10は、その内部が中空の内部空間SPを形成するようになっている。そして、この内部空間SPには、第2形態2Fにおいて使用する副体部20、人形体Cが収容されている。
【0012】
また、第1部品11、第2部品12、及び上下外殻部品13,14は、例えば合成樹脂を素材として形成され適宜剛性を備えており、図1に示す球形状の第1形態1Fにおいては、外殻を構成する各部材は、例えば、ラッピングフィルム80によって包まれており、それ自体が転がり易い転動可能な構成である。したがって、第1形態1Fの玩具1は、物品供給装置からの供給・販売形態をとることができる。物品供給装置は、ラッピングフィルム80にて覆われている状態の玩具1をランダムな配置で複数収容可能な収容部と、収容部から一つずつ玩具1を無作為に選択して供給可能な供給部と、供給部をロックするロック部と、代価の支払いを条件としてロック部のロックを解除し供給部を回転すべく操作可能な操作部と、収容部から供給口へと玩具1を転動可能に通過させる通路部とを備えている。玩具1は、転動し易い形状としたことで、物品供給装置からの供給の際の分離や破損等を回避しつつ、ユーザの手元に供給可能な構成となっている。また、第1形態1Fおける内部空間SPには、例えば、図4に示すようなキャラクター等の人形体C、副体部20を収容することができる。
【0013】
図3は、図1に示す玩具1の外殻部分を分解した側面図である。
主体部10は、図3に示すように、船形状をした第1部品11の上に第2部品12が重ねられ(第3分割ラインD3を構成)、第2部品12の上に他の第2部品12が重なる(第2分割ラインD2を構成)ように組合わされている。また、下側の第2部品は、第5分割ラインD5によって左右対称形状に分離される(図2及び図7参照)。また、上部と下部に設けられた上外殻部品13と下外殻部品14は、第2形態においては、特に使用しない外殻部品である。
【0014】
図4は、玩具1の第2形態2Fを示す斜視図である。
主体部10の第1部品11、及び第2部品12は、第1形態1Fにおいて、前掲のように球形の構成としているが、第2形態2Fにおいては、図4に示すように、第1形態1Fにおける球形とは全く異なる非球形の配置形態で使用される。例えば、後述する副体部20が装着された第1部品11と、この第1部品11を中心に第2部品12が玩具載置部60の上に配置される。このように、ボート型の第1部品11に対して、第2部品12は、ボート型の第1部品11の周りの波形を表している。また、第2部品12は、図示の如く、例えば、第1部品11の左右両側と後方側との3か所に位置されているが、この配置によって、ボートが進む方向とそれによって生じる波形状を演出する。
【0015】
図5は、第1部品11と副体部20との組み立て方の一例を示す分解斜視図である。
図5に示すように、第1部品11は、平面部の内部底面11bを囲むようにボート側面を模した側壁面11dが設けられた皿型形状を成している。そして、側壁面11dの上端を構成する開口端部11eは、前掲の第3分割ラインD3を構成する部分であって、その全体が舳先部11a側から後方に向って高さが変化する波状に形成されている。また、側壁面11dの外表面11u、及び内表面11iには横板状のラインが形成されており、ボート側面の板構造を演出した模様が施されている。
【0016】
また、舳先部11aは、開口端部11eから上方に突出しており、この舳先部11aの突出先端が、前部の副体部21に設けられた嵌合凹部21cに嵌合される。この前部の副体部21は、例えば、下端に前輪21bが付いた馬のような形状をした頭部に左右に延びるハンドル21aが取り付けられた構成となっている。これにより、特定のキャラクターを表す構成となっている。
【0017】
舳先部11aとは反対側の後部には、切欠き部11c及び切欠き部11c内に突起11fが設けられている。そして、この切欠き部11cの凹凸形状に対応した嵌合部22cを備えた後部の副体部22が嵌着される。この後部の副体部22は、例えば、ジェットを吹き出すノズル形状の部品であって、ボートの推進部分を模している。また、舳先部11aの下部側には、操作ペダル11g(図6参照)を模した造形が施されている。
【0018】
前部の副体部21、及び後部の副体部22は、図示は省略するが、例えば、図5に示すよう最終的な形状ではなく、より細かく分解されて提供されており、内部空間SP内に収容し易い小さい部品となっている。
【0019】
なお、この第1部品11と副体部20(前部の副体部21、後部の副体部22)とは、互いに嵌合する凹凸形状が設けられているが、第2部品12は、波形形状の装飾が施されているだけで、副体部20を装着できるような突起も切欠きも設けられていない(図7参照)。したがって、第1形態1F、及び第2形態2Fの何れにおいても、副体部20を第2部品12に連結するようなことはない。
【0020】
図6は、第1部品11の組み立て状態及び人形体Cを示す斜視図である。
人形体Cは、図6に示すように、支持部50によって立った状態で支持される構成となっている。例えば、支持部50は、円形の載置プレート52上に立設された逆L形状の縦軸51の先端が、人形体Cの後方部に形成された取付孔(不図示)に嵌合して支持される構成となっている。
副体部20が装着されていたボートを模した第1部品11には、図6に示すように、内部底面11bが、略円形の平面部を構成している。したがって、載置プレート52を平坦な内部底面11b上に置くことで、人形体Cは、安定して載置され、更に、その向きが変更自在な状態で第1部品11上に載置される。
【0021】
このように、人形体Cの載置部を構成する内部底面11bは、載置プレート52の形状(構造)に対応するように平坦な構成となっている。これは、複数のキャラクターを表した形状やポーズの異なる人形体Cであっても、支持部50が同じものであれば、各種(異なったキャラクター、或いは異なったポーズのもの)の人形体Cを選ぶことなく載置することができる。
【0022】
図7は、玩具1の第2形態2Fにおける第2部品12を示す斜視図である。
第2部品12は、図7に示すように、第1パーツ部121、第2パーツ部122、及び第3パーツ部123から構成されている。第1部品11の左右両側に配置される第1パーツ部121と第2パーツ部122は、左右対称の形状に構成された一対の部材であり、底部分がない円弧形状に構成されている。また、第3パーツ部123は、第1パーツ部121、及び第2パーツ部122とは異なり、平坦な底部123bを有した皿型形状に構成されている。また、第1パーツ部121、第2パーツ部122、及び第3パーツ部123の外表面12u、及び内表面12iには、表裏反対の波形の凹凸の模様40が形成されている。
【0023】
第1パーツ部121、及び第2パーツ部122は、その下端部121d,122dが波型形状の小さい側として、玩具載置部60に接する下端側となる一方、上端部121e,122eが波のうねる大きい波形を構成している。また、第1パーツ部121、及び第2パーツ部122の側面視の高さは、一端側(前方側)の低い高さ(h1)から他端側(後方側)の高い高さ(h2)になるような傾斜形状(図3参照)となっている。すなわち、第1パーツ部121、及び第2パーツ部122は、ボートの舳先が水を切り裂いて進む切り裂き波の模様41(40)を表現した構造である。
【0024】
第3パーツ部123は、平坦な底部123bが玩具載置部60に接した状態で第1部品11の後方に位置されて、ボート後方の波を演出している。また、この第3パーツ部123は、側面視において、一端側(前方側)の低い高さ(h3)から他端側(後方側)に高い高さ(h4)に向って傾斜するような形状(図3参照)に構成されている。
【0025】
図8は、第2部品12の第1パーツ部121、第2パーツ部122、及び第3パーツ部123の配置状態を示す後方側から見た斜視図である。
図8に示すように、第2部品12は、第2形態2Fにおいて、第1パーツ部121、及び第2パーツ部122が第1部品11の左右両側方部に配置され、第3パーツ部123が第1部品11の後方部に配置される。したがって、第1パーツ部121、及び第2パーツ部122に設けられた舳先側の切り裂き波の模様41と、第3パーツ部123に設けられた後方側の模様42とは、異なる模様形状となっている。すなわち、舳先側の模様41は、舳先によって切り裂かれて大きく舞い上がるような激しい動きの形状である一方、これに対して、後方側の模様42は、後部の副体部22から吹き出すジェットによって広がる波形を表現した形状となっている。
【0026】
また、第2部品12が光透過性の部材にて構成されている場合には、例えば、側面視おいて、第2部品12を通して第1部品11を見ることができる。すなわち、波越しにボート及び人形体Cを見る演出が可能となり、水の透明感の演出がされる。
【0027】
(第2の態様)
以下、本発明の他の一側面を表す他の態様の玩具1について、図9図12を参照して説明する。なお、図9図12においては、前掲の態様と同じ構成要素には、同じ符号付し説明を適宜省略する。
【0028】
図9は、本発明の第2の態様の玩具1における第1形態第1Fを示す側面図である。図10は、図9に示す玩具1の外殻部分を分解した側面図である。
図9及び図10に示すように、本態様の玩具1の第1形態1Fにおいても、外殻を構成する主体部10は、1つのボート型の第1部品11と、3つの波形の第2部品12とにより構成されている。しかし、図9に示す第1部品11は、その開口端部11eの形状においては、前掲の第1部品11のように全体が波形ではなく、2ヶ所に略半円形の半円形部11kにて波形を構成している。この部分に、後述する副体部20の一部が取り付けられる部分となっている。また、第2部品12については、第1部品11の開口端部11eに対応する半円凹み部121kを有する第3分割ラインD3のところ以外は略同じ形状に構成されている。
【0029】
図11は、第1部品11と副体部20との組み立て方を示す分解斜視図である。
第1部品11は、前掲のものに比べてクラシカルな構造のボートを模したものである。例えば、第1部品11は、ボート後部に設けられた蒸気エンジン部11jの動力によって左右のパドル型の副体部24が駆動される構造の蒸気船型ボートである。また、後部には、舵型の副体部25が取り付けられ、舳先側には、例えば、角23aを有する動物の頭を模した前部の副体部23が取り付けられる。なお、各副体部20の取り付け方については、特に詳述しないが、適宜凹凸による連結であっても良いし、接着剤等による連結であっても良い。
【0030】
図12は、第2の態様における第2形態2Fを示す斜視図である。
このように構成された副体部20を取り付けた第1部品11は、図12に示すように、第2形態2Fにおいては、第1部品11の人形載置部を構成する内部底面11bに人形体Cを載置して展示する。この場合においても、第1部品11の左右両側の第1、第2パーツ部121,122、及び後部側に非連結状態にて配置した第3パーツ部123の波形装飾によって、人形体Cが操縦するボートが、波を立てて前進する動きのある演出展示がされている。
【0031】
以上述べたように、本態様の玩具1は、第1形態1Fにおいては、主体部10は、第1形態1Fにおいて、第1部品11、及び複数の第2部品12が外殻を成すように構成されて球形状に構成されている。また、第2形態2Fにおいては、第1部品11がキャラクターの人形体Cの載置部を成す一方で、第2部品12は、人形体Cの載置とは関わらないフリーな構造物とされている。この結果、第2部品12を第1部品11の周辺の装飾部材として用いることができ、例えば、第2部品12が、例えば、ボートを模した第1部品11の周りの波を演出する部材として利用することができ、動きのある展示形態を演出することができる。
【0032】
また、本態様の玩具1においては、第2部品12は、波を模した装飾部材として第1部品11の周りの配置する構成であるので、その設置位置は、予め決められたものではなく自由に選択することができ、使用者の好みの演出で異なった動きの演出が可能である。
【0033】
また、本態様の玩具1では、主体部10は、第1形態1Fにおいて、第1部品11、第2部品12が連結している球形状態を成すことで、内部空間SPを形成して、副体部20などの他の構成部品を収容することができる。一方、第1部品11、第2部品12は、第2形態2Fにおいては、分離状態の非球形の形で利用する構成となっているので、第2形態2Fの展示形態を、第1形態1Fに比して大きな構造物として展示することができる。
【0034】
本態様の玩具1においては、第2部品12は、左右対称な一対の第1パーツ部121、第2パーツ部122の波形パーツとして構成されているので、当該第1パーツ部121、及び第2パーツ部122によって、ボートの舳先側の波を演出することができる。一方、第3パーツ部123は、第1部品11の後方側に非連結状態にて配置されて、ボート後方の波を演出することができる。また、第3パーツ部123の模様42と、第1パーツ部121、及び第2パーツ部122の模様41とは、異なる形状となっているので、ボートの周囲のできる波の特徴を端的に表した効果的な演出をすることができる。
【0035】
また、本態様の玩具1では、第1部品11は、開口端部11eが波状を有しているので、第1形態1Fにおいては、第1パーツ部121,第2パーツ部122との間で第3分割ラインD3を形成でき、また、第1パーツ部121、第2パーツ部122の波形の演出に寄与することができる。
【0036】
本態様の玩具1においては、第1部品11は、皿型形状を成し、その内部底面11bが平面部を成しているので、当該平面部に人形体Cを支持した支持部50を載置し易い構成となっている。
【0037】
本態様の玩具1は、第2形態2Fにおいて、副体部20は、第1部品11に連結可能に構成されている一方、第2部品12には連結不可能に構成されているので、間違って取り付けることが無く、組み立て性が良い。
【0038】
また、本態様の玩具1では、第2部品12は、その内表面12iと外表面12uにおいて凹凸の模様40が設けられているので、波の演出が第2部品12の表裏両側において行うことができ、立体感の効果的演出ができる。
【0039】
本態様の玩具1においては、第2部品12は、光透過性の部材にて構成されている場合には、第2部品12を通して第1部品11及び人形体Cを見ることができ、水の演出がより効果的にできる。また、第2部品12が光透過性の部材の場合には、凹凸の模様40によって、光の屈折や濃淡の変化によって、さらに効果的な演出を得ることができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、第2部品12を3つの部品としたが、この構成に限るものではなく、例えば、更に数を増やした構成であっても良い。また、第1部品11においても、1つの部品にて構成する必要なく、複数の部品にて構成されていてもよい。
【0041】
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0042】
(1)
第1形態、及び第2形態をとり得る形態変化可能な玩具であって、
第1部品、及び第2部品から構成されている主体部と、
上記主体部内に収容されている副体部と、を備え、
上記主体部は、上記第1形態において、上記第1部品、及び上記第2部品が外殻を成し、上記第2形態において、上記第1部品が載置部を成し、上記第2部品が載置部を成さない、
玩具。
【0043】
(2)
(1)に記載の玩具であって、
上記主体部は、上記第1形態において、上記第1部品、及び上記第2部品が連結している状態を成し、
上記第2形態において、上記第1部品、及び上記第2部品が分離している状態を成している、
玩具。
【0044】
(3)
(1)又は(2)に記載の玩具であって、
上記主体部は、上記第1形態において、球型形状を成し、上記第2形態において、非球型形状を成している、
玩具。
【0045】
(4)
(1)~(3)のいずれかに記載の玩具であって、
上記第2部品は、上記第2形態において、上記第1部品の装飾部を成している、
玩具。
【0046】
(5)
(4)に記載の玩具であって、
上記第2部品は、上記第2形態において、上記装飾部として波を模した態様を成している、
玩具。
【0047】
(6)
(4)又は(5)に記載の玩具であって、
上記第2部品は、上記第2形態において、上記第1部品の周囲に配置可能に構成されている、
玩具。
【0048】
(7)
(4)~(6)の何れかに記載の玩具であって、
上記第2部品は、上記第2形態において、上記第1部品の側方部、及び後方部に配置可能に構成されている、
玩具。
【0049】
(8)
(1)~(7)の何れかに記載の玩具であって、
上記第2部品は、第1パーツ部、第2パーツ部、及び第3パーツ部から構成され、
上記第1パーツ部と上記第2パーツ部とは、左右対称の形状に構成され、
上記第3パーツ部は、上記第1パーツ部、及び上記第2パーツ部とは異なる形状に構成されている、
玩具。
【0050】
(9)
(1)~(8)の何れかに記載の玩具であって、
上記第1部品は、皿型形状を成し、その開口端部の少なくとも一部が波状に形成されている、
玩具。
【0051】
(10)
(1)~(9)の何れかに記載の玩具であって、
上記第1部品は、その内部底面が平面部を成し、上記平面部において人形体を載置可能な載置部を成している、
玩具。
【0052】
(11)
(10)に記載の玩具であって、
上記載置部は、上記人形体を支持可能な支持部を載置可能に構成されている、
玩具。
【0053】
(12)
(1)~(11)の何れかに記載の玩具であって、
上記副体部は、上記第2形態において、上記第1部品に連結可能に構成されている、
玩具。
【0054】
(13)
(1)~(12)の何れかに記載の玩具であって、
上記副体部は、上記第1形態、及び上記第2形態において、上記第2部品に連結不可能に構成されている、
玩具。
【0055】
(14)
(1)~(13)の何れかに記載の玩具であって、
上記第1部品、及び上記第2部品は、各々の外表面に異なる模様が形成されている、
玩具。
【0056】
(15)
(1)~(14)の何れかに記載の玩具であって、
上記第2部品は、その内表面と外表面において凹凸が形成されている、
玩具。
【0057】
(16)
(1)~(15)の何れかに記載の玩具であって、
少なくとも上記第2部品は、光透過性の部材にて構成されている、
玩具。
【符号の説明】
【0058】
1 玩具
1F 第1形態
2F 第2形態
10 主体部
11 第1部品
11b 内部底面(人形体の載置部)
11e 開口端部
11i、12i 内表面
11u、12u 外表面
12 第2部品
20 副体部
50 支持部
60 玩具載置部
121 第1パーツ部
122 第2パーツ部
123 第3パーツ部
C 人形体
SP 内部空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12