IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電池モジュールおよび電池 図1
  • 特許-電池モジュールおよび電池 図2
  • 特許-電池モジュールおよび電池 図3
  • 特許-電池モジュールおよび電池 図4
  • 特許-電池モジュールおよび電池 図5
  • 特許-電池モジュールおよび電池 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電池モジュールおよび電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/55 20210101AFI20241004BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20241004BHJP
   H01G 11/12 20130101ALI20241004BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20241004BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20241004BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/131 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20241004BHJP
【FI】
H01M50/55 101
H01G4/228 J
H01G11/12
H01G11/74
H01G11/78
H01M50/103
H01M50/131
H01M50/15
H01M50/209
H01M50/505
H01M50/51
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022123931
(22)【出願日】2022-08-03
(65)【公開番号】P2024021232
(43)【公開日】2024-02-16
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】南田 善隆
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-16425(JP,A)
【文献】特開2004-265840(JP,A)
【文献】特開2019-096512(JP,A)
【文献】国際公開第2019/123539(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/123535(WO,A1)
【文献】実開昭63-153476(JP,U)
【文献】国際公開第2017/208804(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/008681(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/147809(WO,A1)
【文献】特開2011-154898(JP,A)
【文献】国際公開第2020/129154(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極および負極を有する電極体と、
開口、該開口に対向する略矩形状の底面、および、該底面の一対の対向する第1辺から延びた一対の対向する第1側面を有する、前記電極体を内部に収容する外装体と、
前記開口を封口する略矩形状の封口板と、
前記正極に電気的に接続される正極端子、および、前記負極に電気的に接続される負極端子と、
を備える複数の単電池であって、前記第1側面を対向させて並べられた複数の単電池、および、
前記複数の単電池が並べられた方向において隣接する2つの単電池に架渡され、該2つの単電池を電気的に接続するバスバー、
を備える電池モジュールであって、
前記封口板は、対向する一対の第1端辺部と、該第1端辺部の両端に配置された、対向する一対の第2端辺部と、を有しており、
前記封口板の一の面には、前記正極端子および前記負極端子が取り付けられており、
前記一の面において、前記一対の第2端辺部の各中点を通り、前記一対の第1端辺部が延びた方向に沿った直線を直線Aとしたとき、前記正極端子と前記負極端子とのうちの少なくともいずれか一方が、該直線Aよりも前記一対の第1端辺部のうちの一方の第1端辺部に寄った部位に取り付けられており、
前記複数の単電池が並べられた方向において隣接する2つの単電池は、同方向において隣接する前記正極端子と前記負極端子とを2組有しており、該2組の前記正極端子と前記負極端子とのうちの、端子間の距離が相対的に短い前記正極端子と前記負極端子とに、前記バスバーが架渡されている、電池モジュール。
【請求項2】
前記一の面において、前記直線Aよりも、前記一対の第1端辺部のうちの一方の第1端辺部に寄った部位に前記正極端子が取り付けられ、他方の第1端辺部に寄った部位に前記負極端子が取り付けられている、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記複数の単電池が並べられた方向における前記バスバーの長さは、前記第2端辺部の長さよりも小さい、請求項1または2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記第2端辺部の長さは、前記複数の単電池が並べられた方向における前記正極端子の長さおよび、同方向における前記負極端子の長さ、のうちの少なくとも一方の2倍以上である、請求項1または2に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記底面は、前記第1辺の両端に配置された一対の対向する第2辺を有しており、
前記第1辺の長さWと、前記第2辺の長さDと、の比(W/D)が5以下である、請求項1または2に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池モジュールおよび電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(BEV)等の車両に搭載される駆動用電源として好適に用いられている。
【0003】
これに関して、例えば特許文献1に開示された蓄電装置は、電極組立体と、電池ケースと、正負極端子と、を備えている。電極組立体には、正負極端子に接続される同極のタブが設けられている。この蓄電装置では、正極端子の先端と負極端子の先端とを結ぶ方向を幅方向と規定したとき、正極端子が正極タブよりも幅方向における電極組立体の中心に近い位置に設けられ、負極端子が負極タブよりも同方向における電極組立体の中心に近い位置に設けられている。そして、正極タブは、幅方向における電極組立体の一端から離間し、幅方向における電極組立体の中心と該一端との間に設けられ、負極タブは、幅方向における電極組立体の他端から離間し、幅方向における電極組立体の中心と該他端との間に設けられている。この公報には、蓄電装置において、電極組立体における正極端子と負極端子との間の距離を電極タブに遮られることなく可及的に小さくすることができるため、電池モジュールにおける複数の蓄電装置が幅方向において互いに傾斜して組み付けられても、電極端子の先端の位置ズレを抑制することができると記載されている。
【0004】
特許文献2に開示される単電池では、蓄電要素を収納する容器の蓋に、正極端子および負極端子が設けられている。正極端子および負極端子は、蓋の面方向の中心から互いに反対方向に偏った位置にある。この公報には、かかる構成によって、端子間距離が長くなって外部短絡の可能性が低くなると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6476726号公報
【文献】特開2003-257386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年では、電池を高容量化する要求が高まり、例えば、電池を大型化する技術の開発が精力的に行われるようになってきた。これにともなって、大型化した電池を組み込んだ電池モジュールを軽量化することに対する要求が高まってきている。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電池モジュールを軽量化する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここで開示される技術によると、電池モジュールが提供される。ここで開示される電池モジュールは、正極および負極を有する電極体と、開口、該開口に対向する略矩形状の底面、および、該底面の一対の対向する第1辺から延びた一対の対向する第1側面を有する、上記電極体を内部に収容する外装体と、上記開口を封口する略矩形状の封口板と、上記正極に電気的に接続される正極端子、および、上記負極に電気的に接続される負極端子と、を備える複数の単電池であって、上記第1側面を対向させて並べられた複数の単電池;および、上記複数の単電池が並べられた方向において隣接する2つの単電池に架渡され、該2つの単電池を電気的に接続するバスバー;を備える。上記封口板は、対向する一対の第1端辺部と、該第1端辺部の両端に配置された、対向する一対の第2端辺部と、を有している。また、上記封口板の一の面には、上記正極端子および上記負極端子が取り付けられている。そして、上記一の面において、上記一対の第2端辺部の各中点を通り、上記一対の第1端辺部が延びた方向に沿った直線を直線Aとしたとき、上記正極端子と上記負極端子とのうちの少なくともいずれか一方が、該直線Aよりも上記一対の第1端辺部のうちの一方の第1端辺部に寄った部位に取り付けられている。
【0009】
かかる構成の電池モジュールでは、組み込まれる単電池に関して、封口板の電極端子設置面において、正極端子および負極端子のいずれか少なくとも一方を、直線Aよりも一方の第1端辺部に寄せて取り付けている。これによって、相互に隣接する正極端子と負極端子との距離を小さくすることができ、延いては、端子間に架渡されるバスバーの長さを小さくすることができる。このため、電池モジュールを軽量化することができる。
【0010】
また、ここで開示される技術によると、正極および負極を有する電極体と、開口、該開口に対向する略矩形状の底面、および、該底面の一対の対向する第1辺から延びた一対の対向する第1側面を有する、上記電極体を内部に収容する外装体と、上記開口を封口する略矩形状の封口板と、上記正極に電気的に接続される正極端子、および、上記負極に電気的に接続される負極端子と、を備える電池が提供される。この電池では、上記封口板は、対向する一対の第1端辺部と、該第1端辺部の両端に配置された、対向する一対の第2端辺部と、を有している。また、上記封口板の一の面には、上記正極端子および上記負極端子が取り付けられている。そして、上記一の面において、上記一対の第2端辺部の各中点を通り、上記一対の第1端辺部が延びた方向に沿った直線を直線Aとしたとき、上記正極端子と上記負極端子とのうちの少なくともいずれか一方が、該直線Aよりも上記一対の第1端辺部のうちの一方の第1端辺部に寄った部位に取り付けられている。
【0011】
かかる構成の電池では、封口板の電極端子設置面において、正極端子および負極端子のいずれか少なくとも一方を、直線Aよりも一方の第1端辺部に寄せて取り付けている。このため、かかる構成の電池を、電池モジュールを構成する単電池として用いることで、相互に隣接する正極端子と負極端子との距離を小さくすることができ、延いては、端子間に架渡されるバスバーの長さを小さくすることができる。これによって、電池モジュールを軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、電池モジュール100の斜視図である。
図2図2は、単電池1の斜視図である。
図3図3は、図2のIII-III断面図である。
図4図4は、単電池1の断面模式図である。
図5図5は、電極体20の模式図である。
図6図6は、単電池2の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、ここで開示される電池モジュールの一実施形態を説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特にここで開示される技術を限定することを意図したものではない。ここで開示される技術は、特に言及されない限りにおいて、ここで説明される実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、数値範囲を示す「A~B」の表記は、特に言及されない限りにおいて「A以上B以下」を意味するとともに、「Aを上回り、かつ、Bを下回る」の意味をも包含する。
【0014】
本明細書において「二次電池」とは、電解質を介して一対の電極(正極および負極)の間で電荷担体が移動することによって充放電反応が生じる蓄電デバイス一般をいう。かかる二次電池は、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の蓄電池の他に、電気二重層キャパシタ等のキャパシタをも包含する。以下では、上述した二次電池の一例として、リチウムイオン二次電池を対象とした場合の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、二次電池を単に「電池」とも称する。
【0015】
図1は、電池モジュール100の斜視図である。なお、以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表す。また、図面中の符号Xは、単電池1の短辺方向を示し、符号Yは、単電池1の長辺方向を示し、符号Zは、単電池1の上下方向を示す。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、電池モジュール100および単電池1の設置形態を何ら限定するものではない。
【0016】
図1に示されているように、電池モジュール100は、複数の単電池1、および、バスバー150を備えている。図1に示されているように、複数の単電池1は、幅広面12bを対向させて並べられている。図1において、複数の単電池1が並べられた方向を矢印Pで示している。以下の説明において、矢印Pで示された方向を「方向P」とも称する。図1に示されているように、バスバー150は、方向Pにおいて隣接する2つの単電池1に架渡され、この2つの単電池1を電気的に接続している。かかる接続は、隣接する2つの単電池1のうちの一方の単電池1の正極端子30と、他方の単電池1の負極端子40との間にバスバー150が配置されることによって、実現されている。バスバー150と、正極端子30または負極端子40とは、例えば、レーザ溶接等の溶接接合によって電気的に接続されている。なお、電極端子とバスバー150との接続については、後でさらに述べる。
【0017】
図1に示された実施形態では、電池モジュール100は、単電池1として、第1単電池1aと第2単電池1bとを備えている。図1に示されているように、電池モジュール100において、第1単電池1aと第2単電池1bとが交互に並べられている。この実施形態では、「方向Pにおいて隣接する2つの単電池1」は、方向Pにおいて隣接する第1単電池1aと第2単電池1bとで構成されている。第1単電池1aと第2単電池1bとでは、封口板14における正極端子30および負極端子40の取り付け部位が異なるが、それ以外の構成は同じである。このため、以下の説明において、第1単電池1aと第2単電池1bとを特に区別する必要がない場合には、単に「単電池1」と称する。なお、第1単電池1aと第2単電池1bとの違いについては、後でさらに述べる。
【0018】
バスバー150は、例えば、板状(棒状)の部材である。バスバー150は、ここでは方向Pに延びた略矩形状である。方向Pにおけるバスバー150の長さは、例えば、単電池1のサイズ(例えば封口板14の短辺部14c,14d)の長さに応じて適宜設定され得るため、特に限定されない。一方で、例えば、バスバー150の長さが短くなるほど、バスバー150が軽くなるため、電池モジュール100を軽量化する効果が高まり得る。かかる観点から、方向Pにおけるバスバー150の長さは、短辺部14c,14dの長さよりも小さいことが好ましい。例えば、方向Pにおいて隣接する2つの単電池1において、バスバー150を介して接続される一方の単電池1の正極端子30と他方の単電池1の負極端子40との距離を小さくすることによって、バスバー150のサイズを所望のサイズとすることができる。
【0019】
バスバー150の材質は、特に限定されない。バスバー150は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属で構成されているとよい。
【0020】
図示は省略しているが、並べられた複数の単電池1は、例えば、方向Pにおいて拘束されている。例えば、複数の単電池1は、一対のエンドプレートで、方向Pの両端部から挟み込まれている。また、かかる一対のエンドプレートがバインドバーで架橋されることによって、複数の単電池1に、所定の拘束圧が付与されている。
【0021】
図2は、単電池1の斜視図である。図3は、図2のIII-III断面図である。図4は、単電池1の断面模式図である。図3には、外装体12の幅広面12b側からみた、単電池1の断面構造が示されている。ただし、図3では、負極端子40側の断面構造の図示が省略されている。図4には、図3における外装体12の左(L)側の幅狭面12c側からみた、単電池1の断面構造が模式的に示されている。図2図4に示されているように、単電池1は、電池ケース10と、電極体20と、正極端子30と、負極端子40と、を備えている。図示は省略するが、単電池1は、ここではさらに電解液を備えている。
【0022】
電池ケース10は、例えば、電極体20を内部に収容する筐体である。図1に示されているように、電池ケース10は、いずれも有底の直方体形状(角形)を有しており、同一形状を有している。電池ケース10の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。電池ケース10は、金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等からなることがより好ましい。図1および図2に示されているように、電池ケース10は、外装体12と、封口板14とを有している。電池ケース10のサイズは、例えば、ケース内に収容する電極体20の個数、サイズに応じて適宜設定され得る。
【0023】
外装体12は、例えば、電極体20を内部に収容する部材である。外装体12は、図1図4に示されているように、開口12h、底面12a、一対の幅広面12b、および、一対の幅狭面12cを有している。この実施形態では、底面12aは、略矩形状であり、開口12hに対向している。また、一対の幅広面12bは、底面12aの一対の対向する長辺から延びている。また、一対の幅狭面12cは、底面12aの一対の対向する短辺から延びている。この実施形態では、幅広面12bの面積は、幅狭面12cの面積よりも大きい。また、開口12hは、略矩形状であり、封口板14が装着される。そして、開口12hの周縁に封口板14が接合されることによって、外装体12と封口板14とが一体化され、電池ケース10が気密に封止される。なお、「幅広面12b」は、ここで開示される電池モジュールおよび電池における「第1側面」の一例である。底面12aの「長辺」は、ここで開示される電池モジュールおよび電池における「第1辺」の一例である。また、「幅狭面12c」は、ここで開示される電池モジュールおよび電池における「第2側面」の一例である。底面12aの「短辺」は、ここで開示される電池モジュールおよび電池における「第2辺」の一例である。
【0024】
外装体12のサイズは、例えば、ケース内に収容する電極体20の個数、サイズに応じて適宜設定され得る。このため、特に限定するものではないが、外装体12のサイズは、底面12aの長辺の長さWと、底面12aの短辺の長さDと、の比(W/D)が5以下であるように設定されるとよい。比(W/D)が小さくなるほど、方向Pにおける単電池1の長さ(以下、「単電池1の厚み」ともいう。)が大きくなる。単電池1の厚みが大きくなるほど、電池モジュール100の重量が大きくなり得る。このため、ここで開示される技術は、厚みが大きい単電池1(ここでは、比(W/D)≦5を満たす単電池1)に好ましく適用され得る。比(W/D)が小さくなるほど、よりよく電池モジュール100を軽量化する効果を実現することができる。かかる観点から、比(W/D)は、例えば、4以下がより好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい。また、比(W/D)は、例えば1より大きい値であるとよい。
【0025】
封口板14は、例えば、開口12hを封口する平板状の部材である。図1図3に示されているように、封口板14には、例えば、注液孔15と、排出弁17と、が設けられている。注液孔15は、外装体12に封口板14を組み付けた後に電解液を注液するためのものである。注液孔15は、封止部材16により封止されている。排出弁17は、電池ケース10内の圧力が所定値以上になったときに破断して、電池ケース10内のガスを外部に排出するように構成された薄肉部である。
【0026】
封口板14の形状は、開口12hの形状に応じた形状であるとよい。この実施形態では、封口板14は、略矩形状である。図2に示されているように、封口板14は、対向する一対の長辺部14a,14bと、長辺部14a,14bの両端に配置された、対向する一対の短辺部14c,14dと、を有している。以下の説明において、一対の長辺部14a,14bのうちの、一方の長辺部14a(図1および図2では奥(Rr)側の長辺部)を「第1長辺部14a」と称し、他方の長辺部14b(図1および図2では手前(F)側の長辺部)を「第2長辺部14b」と称する。また、一対の短辺部14c,14dのうちの、一方の短辺部14c(図1および図2では左(L)側の短辺部)を「第1短辺部14c」と称し、他方の短辺部14d(図1および図2では右(R)側の短辺部)を「第2短辺部14d」と称する。なお、「長辺部14a,14b」は、ここで開示される電池モジュールおよび電池における「第1端辺部」の一例である。「短辺部14c,14d」は、ここで開示される電池モジュールおよび電池における「第2端辺部」の一例である。
【0027】
封口板14のサイズは、例えば、外装体12の開口12hのサイズに応じて適宜設定され得る。このため、特に限定するものではないが、例えば、短辺部14c,14dの長さは、方向Pにおける正極端子30の長さおよび負極端子40の長さの少なくとも一方の2倍以上大きくなるように設定されることが好ましい。短辺部14c,14dの長さの1/2以下の長さの電極端子を用いることによって、バスバー150のサイズ(例えば、方向Pにおけるバスバー150の長さ)を小さくすることができる。このため、よりよく電池モジュール100を軽量化することができる。かかる観点から、短辺部14c,14dの長さは、方向Pにおける正極端子30の長さおよび負極端子40の長さの少なくとも一方の3倍以上が好ましく、4倍以上がより好ましく、概ね10倍以下または5倍以下とするとよい。なお、方向Pにおける正極端子30の長さおよび負極端子40の長さは、例えば、同方向における第2導電部材32の長さおよび第2導電部材42の長さによって規定され得る。
【0028】
図1および図2に示されているように、封口板14の一の面には、正極端子30および負極端子40が取り付けられている。この実施形態では、正極端子30および負極端子40は、封口板14の外表面に取り付けられている。本明細書では、封口板14の面に関して、開口12hを封口したときに底面12aと対向する面を内表面とし、該内表面と反対側の面を外表面としている。封口板14の外表面では、正極端子30および負極端子40は、それぞれ、注液孔15および排出弁17を挟んで一対の長辺部14a,14bの両端にそれぞれ取り付けられている。
【0029】
図2に示されているように、封口板14の外表面において、一対の短辺部14c,14dの各中点Cを通り、一対の長辺部14a,14bが延びた方向に沿った直線を直線Aとする。例えば、単電池1では、直線Aよりも、一対の長辺部14a,14bのうちの一方の長辺部(ここでは、第1長辺部14a)に寄った部位に正極端子30が取り付けられ、直線Aよりも他方の長辺部(ここでは、第2長辺部14b)に寄った部位に負極端子40が取り付けられている。直線Aよりも、一方の長辺部に正極端子30を寄せて取り付け、他方の長辺部に負極端子40を寄せて取り付けることによって、複数の単電池1を方向Pに並べたときに、隣接する2つの単電池1(ここでは、後述の第1単電池1aおよび第2単電池1b)における正極端子30と負極端子40との間の距離を小さくすることができる。このため、バスバー150のサイズを小さくすることができ、延いては、電池モジュール100をよりよく軽量化することができる。
【0030】
なお、本明細書において、「正極端子30または負極端子40が直線Aよりも第1長辺部14aまたは第2長辺部14bに寄った部位に取り付けられている」とは、封口板14に取り付けられた正極端子30の中心点MPまたは負極端子40の中心点MNが、直線Aよりも第1長辺部14aまたは第2長辺部14bに寄った部位にあることをいう(図2参照)。「直線Aよりも第1長辺部14aまたは第2長辺部14bに寄った部位にある」とは、例えば、中心点MPまたは中心点MNが、第1長辺部14aまたは第2長辺部14bから直線Aに向かって、第1長辺部14aまたは第2長辺部14bから中点Cまでの最短距離の75%以内の領域に存在することをいう。正極端子30の中心点MPは、例えば、第2導電部材32の一対の短辺の中点を通過する直線CP1と、第2導電部材32の一対の長辺の中点を通過する直線CP2と、の交点である(図2参照)。負極端子40の中心点MNは、例えば、第2導電部材42の一対の短辺の中点を通過する直線CN1と、第2導電部材42の一対の長辺の中点を通過する直線CN2と、の交点である(図2参照)。
【0031】
この実施形態では、方向Pにおいて隣接する2つの単電池1は、同方向において隣接する正極端子30と負極端子40とを2組有している。該2組の正極端子30と負極端子40とのうちの、端子間の距離が相対的に短い正極端子30と負極端子40とに、バスバー150が架渡されている。上記のとおり、この実施形態では、方向Pにおいて、第1単電池1aと第2単電池1bとが隣接している。第1単電池1aと第2単電池1bとでは、図1に示されているように、例えば、正極端子30または負極端子40が取り付けられた一対の長辺部14a,14bの端部が相互に異なっている。図1に示されているように、第1単電池1aでは、一対の長辺部14a,14bの端部のうちの、第1短辺部14c側の端部に正極端子30が取り付けられ、第2短辺部14d側に負極端子40が取り付けられている。また、第2単電池1bでは、一対の長辺部14a,14bの端部のうちの、第1短辺部14c側の端部に負極端子40が取り付けられ、第2短辺部14d側に正極端子30が取り付けられている。
【0032】
例えば、図1における手前(F)側から1つ目の第1単電池1aと、手前(F)側から2つ目の第2単電池1bとでは、方向Pにおいて隣接する正極端子30と負極端子40との組が2つある。図1では、かかる2つの組にT1,T2の符号を付している。図1に示されているように、組T1における端子間の距離は、組T2における端子間の距離よりも短い。この実施形態では、組T1における正極端子30と負極端子40とに、バスバー150が架渡されている。また、図1における手前(F)側から2つ目の第2単電池1bと、手前(F)側から3つ目の第1単電池1aとでは、方向Pにおいて隣接する正極端子30と負極端子40との組が2つある。図1では、かかる2つの組にT3,T4の符号を付している。図1に示されているように、組T3における端子間の距離は、組T4における端子間の距離よりも短い。この実施形態では、組T3における正極端子30と負極端子40とに、バスバー150が架渡されている。また、図1における手前(F)側から3つ目の第1単電池1aと、手前(F)側から4つ目の第2単電池1bとに関しても、同様であるため、ここでの説明を省略する。隣接する2つの単電池1(ここでは、第1単電池1aおよび第2単電池1b)において、方向Pで隣接する正極端子30および負極端子40について、相対的に端子間の距離が短い正極端子30と負極端子40とにバスバー150を架渡すことによって、同方向におけるバスバー150の長さを小さくすることができる。このため、電池モジュール100をより軽量化することができる。
【0033】
図3に示されているように、正極端子30および負極端子40は、端子引出孔に挿通され、封口板14の外表面に露出している。正極端子30は、例えば、電極体20の正極(ここでは正極板22。図5参照。)に電気的に接続される部材である。正極端子30は、例えば、第1導電部材31と、第2導電部材32とを有している。図3に示されているように、第1導電部材31は、軸部31aとベース部31bとを有している。軸部31aは、例えば、円筒状であり、端子引出孔18と第2導電部材32の貫通孔に挿通される部位である。ベース部31bは、例えば、平板状であり、封口板14の外表面に沿って配置される部位である。第2導電部材32は、例えば、平板状であり、バスバー150と接続される(図1参照)。第2導電部材は、例えば、封口板14の外表面に沿って配置される。この実施形態では、第2導電部材32は、矩形状である。第1導電部材31と第2導電部材32とは、電池ケース10の外側において相互に接続されている。第1導電部材31は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成され得る。第2導電部材32は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等で構成され得る。
【0034】
負極端子40は、例えば、電極体20の負極(ここでは負極板24。図5参照。)に電気的に接続される部材である。負極端子40は、例えば、第1導電部材41と、第2導電部材42とを有している。第1導電部材41は、例えば、銅または銅合金で構成され得る。その他、負極端子40は、正極端子30と同様の構成を有し得る。このため、負極端子40の構成についての説明は、ここでは省略する。
【0035】
この実施形態では、電池ケース10内に、1個の電極体20が収容されている。ただし、電池ケース10内に収容される電極体20の数は特に限定されず、複数個(2個以上、3個以上、または4個以上)であってもよい。電極体20の構造については後でさらに述べるが、この実施形態では、正極タブ群25と負極タブ群27とが電極体20から封口板14側に突出している(図3図5参照)。この実施形態では、正極タブ群25は、正極集電部材50と接合された状態で湾曲している(図3および図4参照)。また、負極タブ群27は、負極集電部材(図示なし)と接合された状態で湾曲している(図3および図4参照)。
【0036】
正極集電部材50は、例えば、電極体20の正極タブ群25と正極端子30とを電気的に接続する部材である。正極集電部材50は、例えば、板状の導電部材である。図3に示されているように、正極集電部材50は、封口板14の内表面に沿って、第1長辺部14a(図2参照)が延びた方向(図中の矢印Y)に延びている。正極集電部材50の一方の端部(ここでは第2短辺部14d側の端部。図2および図3参照)は、正極タブ群25と電気的に接続されている。正極集電部材50の他方の端部(ここでは第1短辺部14c側の端部。図2および図3参照)は、正極端子30の下端部(ここでは、軸部31aの下端部)と電気的に接続されている。正極集電部材50は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成され得る。
【0037】
図示は省略しているが、負極集電部材は、例えば、電極体20の負極タブ群27と負極端子40とを電気的に接続する部材である。負極集電部材は、例えば、板状の導電部材である。図示は省略するが、負極集電部材は、封口板14の内表面に沿って、第1長辺部14a(図2参照)が延びた方向(図中の矢印Y)に延びている。負極集電部材の一方の端部(ここでは第1短辺部14c側の端部。図2参照)は、負極タブ群27と電気的に接続されている。負極集電部材の他方の端部(ここでは第2短辺部14d側の端部。図2参照)は、負極端子40の下端部(ここでは、図示されない軸部の下端部)と電気的に接続されている。負極集電部材は、例えば、銅または銅合金で構成され得る。
【0038】
単電池1では、種々の絶縁部材が用いられ得る。例えば、図2および図4に示されているように、正極端子30の第2導電部材32と負極端子40の第2導電部材42とは、外部絶縁部材92によって封口板14との導通が防止されている。また、図3に示されているように、封口板14の端子引出孔18の内周には、ガスケット90が装着されている。これによって、正極端子30の第1導電部材31と負極端子40第1導電部材41とが、封口板14との導通が防止されている。また、正極集電部材50と封口板14との間、および、負極集電部材と封口板14との間には、インシュレータ94が配置されている(図3および図4参照)。これによって、正極集電部材50と封口板14との間、および、負極集電部材と封口板14との間の導通が防止されている。
【0039】
また、図3に示された実施形態では、単電池1は、電極体ホルダ29を備えている。電極体ホルダ29は、例えば、絶縁性の樹脂シートからなる部材である。この実施形態では、電極体20は、電極体ホルダ29に覆われた状態で外装体12の内部に配置されている。これによって、例えば、電極体20と外装体12の内壁との間の導通が防止されている。なお、上述した種々の絶縁部材の材質は、特に限定されない。絶縁部材の構成材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン樹脂;パーフルオロアルコキシアルカン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;等の合成樹脂材料が挙げられる。
【0040】
電極体20は、単電池1の発電要素であり、正極および負極を有する。図5は、電極体20の模式図である。図5に示されているように、電極体20は、長尺な帯状の正極板22と、長尺な帯状の負極板24とが、2枚の長尺な帯状のセパレータ70を介して絶縁された状態で積層され、捲回軸WLを中心として長手方向に捲回されて構成されている。電極体20は、図5に示されているように、外径が扁平形状である。電極体20は、例えば、正極板22と負極板24とセパレータ70とを捲回して筒状体とし、かかる筒状体をプレス成形することによって作製され得る。なお、図5における符号LDは、正極板22と、負極板24と、セパレータ70との長手方向を示している。符号WDは、長手方向LDと略直交する方向であり、電極体20およびセパレータ70の捲回軸方向を示している。
【0041】
図3および図5に示されているように、単電池1では、電極体20は、捲回軸方向WDと上下方向Zとが略平行になるように、外装体12に収容されている。この実施形態では、電極体20は、捲回軸方向WDが、幅広面12bと幅狭面12cと略平行になり、かつ、底面12aと封口板14と略垂直になるように、外装体12に収容されている。また、この実施形態では、単電池1において、電極体20の一方の端面が底面12aと対向しており、他方の端面が封口板14と対向している。電極体20の端面は、ここでは、正極板22と負極板24とセパレータ70との積層面であり、開放面である。
【0042】
正極板22は、長尺な帯状の正極集電箔22c(例えばアルミニウム箔)と、正極集電 箔22cの少なくとも一方の表面上に固着された正極活物質層22aとを有する。特に限定するものではないが、正極板22の捲回軸方向WDにおける一方の側縁部には、必要に応じて、正極保護層22pが設けられていてもよい。なお、正極活物質層22aや正極保護層22pを構成する材料は、この種の二次電池(この実施形態では、リチウムイオン二次電池)において使用されるものを特に制限なく使用することができ、ここで開示される技術を特徴づけるものではないため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0043】
正極集電箔22cの捲回軸方向WDの一方の端部(図5の上端部)には、複数の正極タブ22tが設けられている。複数の正極タブ22tは、捲回軸方向WDの一方の端部(図5の上端部)に向かって突出している。複数の正極タブ22tは、正極板22の長手方向LDに沿って間隔を置いて(間欠的に)設けられている。正極タブ22tは、正極集電箔22cの一部であり、正極集電箔22cの正極活物質層22aが形成されていない部分(活物質層未形成部)である。図5に示された実施形態では、正極タブ22tの基端側には、保護層22pが形成されている。この実施形態では、複数の正極タブ22tは、セパレータ70よりも捲回軸方向WDに突出する。複数の正極タブ22tは捲回軸方向WDの一方の端部(図5の上端部)で積層され、正極タブ群25を構成する。このため、各々の正極タブ22tの高さ(捲回軸方向WDにおける長さ)と、各々の正極タブ22tの幅(長手方向LDにおける長さ)は、同じでなくてもよい。図3に示されているように、正極タブ群25には、正極集電部材50が接合される。
【0044】
負極板24は、長尺な帯状の負極集電箔24c(例えば銅箔)と、負極集電箔24cの少なくとも一方の表面上に固着された負極活物質層24aとを有する。なお、負極活物質層24aを構成する材料は、この種の二次電池(この実施形態では、リチウムイオン二次電池)において使用されるものを特に制限なく使用することができ、ここで開示される技術を特徴づけるものではないため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0045】
負極集電箔24cの捲回軸方向WDの一方の端部(図5の上端部)には、複数の負極タブ24tが設けられている。複数の負極タブ24tは、捲回軸方向WDの一方の端部(図5の上端部)に向かって突出している。複数の負極タブ24tは、負極板24の長手方向LDに沿って間隔を置いて(間欠的に)設けられている。負極タブ24tは、負極集電箔24cの一部であり、負極集電箔24cの負極活物質層24aが形成されていない部分(活物質層未形成部)である。この実施形態では、複数の負極タブ24tは、セパレータ70よりも捲回軸方向WDに突出する。例えば、複数の負極タブ24tは捲回軸方向WDの一方の端部(図5の上端部)で積層され、負極タブ群27を構成する。このため、各々の負極タブ24tの高さ(捲回軸方向WDにおける長さ)と、各々の負極タブ24tの幅(長手方向LDにおける長さ)は、同じでなくてもよい。図示は省略しているが、負極タブ群27には、負極集電部材が接合される。
【0046】
セパレータ70は、正極板22の正極活物質層22aと、負極板24の負極活物質層24aと、を絶縁する部材である。セパレータ70は、この実施形態では、電極体20の外表面を構成している。セパレータ70としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂からなる樹脂製の多孔性シートが用いられる。
【0047】
図5に示されているように、電極体20では、セパレータ70の下端P3が最も下(D)側であり、次いで負極板24の下端P2があり、正極板22の下端P1が最も上(U)側にある。各シートの幅(図5では、捲回方向WDにおける長さ。ただし、正極タブ22tおよび負極タブ24tを除く。)は、セパレータ70、負極板24、正極板22の順に大きい。
【0048】
電池モジュール100は、各種用途に利用可能であるが、例えば、乗用車、トラック等の車両に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle(PHEV))、ハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle(HEV))、電気自動車(Battery Electric Vehicle(BEV))等が挙げられる。
【0049】
上述した電池モジュール100では、該電池モジュールに組み込まれる単電池1に関して、封口板14の電極端子設置面(ここでは、外表面)において、正極端子30および負極端子40のいずれか少なくとも一方を、封口板14の短辺部14c,14dの各中点Cを通った直線Aよりも一方の長辺部(ここでは、第1長辺部14aまたは第2長辺部14b)に寄せて取り付けている。これによって、電池モジュール100を構築するときに、単電池1のサイズ(例えば単電池1の厚み)を大きくしても、相互に隣接する正極端子30と負極端子40との距離を小さくすることができる。端子間の距離が小さくなることで、端子間に架渡されるバスバー150の長さを小さくすることができる。このため、電池モジュール100を軽量化することができる。
【0050】
以上、ここで開示される技術の実施形態を説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0051】
上記実施形態では、封口板14の外表面において、正極端子30と負極端子40とのそれぞれが、直線Aよりも第1長辺部14aまたは第2長辺部14bに寄った状態で取り付けられていた。しかし、これに限定されない。例えば、単電池として、封口板14の外表面において、正極端子30と負極端子40とのうちの一方の電極端子が直線Aよりも一対の長辺部14a,14bのうちの一方の長辺部に寄った部位に取り付けられ、他方の電極端子が直線A上に取り付けられた単電池を備えていてもよい。ここで、電極端子が直線A上に取り付けられているとは、例えば、正極端子30の中心点MPまたは負極端子40の中心点MNが(図2参照)、ほぼ直線A上にあることをいう。「中心点MPまたは中心点MNがほぼ直線A上にある」とは、例えば、中心点MPまたは中心点MNが、直線Aから第1長辺部14aまたは第2長辺部14bに向かって、中点Cから第1長辺部14aまたは第2長辺部14bまでの最短距離の25%未満の領域に存在することをいう。
【0052】
図6は、単電池2の平面図である。図6に示されているように、単電池2では、封口板14の外表面において、直線A上に正極端子30が取り付けられており、直線Aよりも第2長辺部14bに寄った部位に負極端子40が取り付けられている。
【0053】
電池モジュール100における複数の単電池は、必ずしも上述した単電池1でなくてもよく、単電池2を含んでいてもよい。また、ここで開示される技術の効果を実現できる限り、電池モジュール100は、図示は省略しているが、封口板14の外表面において、直線A上に負極端子40が取り付けられ、直線Aよりも第2長辺部14bに寄った部位に正極端子30が取り付けられた単電池、正極端子30および負極端子40がいずれも直線A上に取り付けられた単電池等を含んでいてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、底面12aと封口板14とが長方形状であった。しかし、これに限定されない。底面12aと封口板14とは、正方形状であってもよい。この場合、底面において、対向する一対の第1辺の長さと、対向する一対の第2辺の長さと、は同じであり得る。また、一対の第1辺から延びた一対の対向する第1側面の面積と、一対の第2辺から延びた一対の対向する第2側面の面積と、は同じであり得る。また、封口板において、対向する一対の第1端辺部の長さと、対向する一対の第2端辺部の長さと、は同じであり得る。
【0055】
また、上述の実施形態では、電極体20が捲回電極体であった。しかし、これに限定されず、積層電極体を用いてもよい。
【0056】
以上のとおり、ここで開示される技術の具体的な態様として、以下の各項に記載のものが挙げられる。
項1:
正極および負極を有する電極体と、
開口、該開口に対向する略矩形状の底面、および、該底面の一対の対向する第1辺から延びた一対の対向する第1側面を有する、前記電極体を内部に収容する外装体と、
前記開口を封口する略矩形状の封口板と、
前記正極に電気的に接続される正極端子、および、前記負極に電気的に接続される負極端子と、
を備える複数の単電池であって、前記第1側面を対向させて並べられた複数の単電池、および、
前記複数の単電池が並べられた方向において隣接する2つの単電池に架渡され、該2つの単電池を電気的に接続するバスバー、
を備える電池モジュールであって、
前記封口板は、対向する一対の第1端辺部と、該第1端辺部の両端に配置された、対向する一対の第2端辺部と、を有しており、
前記封口板の一の面には、前記正極端子および前記負極端子が取り付けられており、
前記一の面において、前記一対の第2端辺部の各中点を通り、前記一対の第1端辺部が延びた方向に沿った直線を直線Aとしたとき、前記正極端子と前記負極端子とのうちの少なくともいずれか一方が、該直線Aよりも前記一対の第1端辺部のうちの一方の第1端辺部に寄った部位に取り付けられている、電池モジュール。
項2:
前記一の面において、前記直線Aよりも、前記一対の第1端辺部のうちの一方の第1端辺部に寄った部位に前記正極端子が取り付けられ、他方の第1端辺部に寄った部位に前記負極端子が取り付けられている、項1に記載の電池モジュール。
項3:
前記複数の単電池が並べられた方向において隣接する2つの単電池は、同方向において隣接する前記正極端子と前記負極端子とを2組有しており、該2組の前記正極端子と前記負極端子とのうちの、端子間の距離が相対的に短い前記正極端子と前記負極端子とに、前記バスバーが架渡されている、項1または2に記載の電池モジュール。
項4:
前記複数の単電池が並べられた方向における前記バスバーの長さは、前記第2端辺部の長さよりも小さい、項1~3のいずれか一つに記載の電池モジュール。
項5:
前記第2端辺部の長さは、前記複数の単電池が並べられた方向における前記正極端子の長さおよび前記負極端子の長さの少なくとも一方の2倍以上大きい、項1~4のいずれか一つに記載の電池モジュール。
項6:
前記底面は、前記第1辺の両端に配置された一対の対向する第2辺を有しており、
前記第1辺の長さWと、前記第2辺の長さDと、の比(W/D)が5以下である、項1~5のいずれか一つに記載の電池モジュール。
項7:
正極および負極を有する電極体と、
開口、該開口に対向する略矩形状の底面、および、該底面の一対の対向する第1辺から延びた一対の対向する第1側面を有する、前記電極体を内部に収容する外装体と、
前記開口を封口する略矩形状の封口板と、
前記正極に電気的に接続される正極端子、および、前記負極に電気的に接続される負極端子と、
を備える電池であって、
前記封口板は、対向する一対の第1端辺部と、該第1端辺部の両端に配置された、対向する一対の第2端辺部と、を有しており、
前記封口板の一の面には、前記正極端子および前記負極端子が取り付けられており、
前記一の面において、前記一対の第2端辺部の各中点を通り、前記一対の第1端辺部が延びた方向に沿った直線を直線Aとしたとき、前記正極端子と前記負極端子とのうちの少なくともいずれか一方が、該直線Aよりも前記一対の第1端辺部のうちの一方の第1端辺部に寄った部位に取り付けられている、電池。
【符号の説明】
【0057】
100 電池モジュール
1 単電池
10 電池ケース
12 外装体
14 封口板
15 注液孔
16 封止部材
17 排出弁
18 端子引出孔
20 電極体
22 正極板
24 負極板
25 正極タブ群
27 負極タブ群
29 電極体ホルダ
30 正極端子
40 負極端子
50 正極集電部材
70 セパレータ
90 ガスケット
92 外部絶縁部材
94 インシュレータ
150 バスバー

図1
図2
図3
図4
図5
図6