(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】複数の積層ダイを有する集積回路デバイスおよびその集積回路デバイスを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20241004BHJP
H01L 25/065 20230101ALI20241004BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20241004BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20241004BHJP
H01L 27/092 20060101ALI20241004BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20241004BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20241004BHJP
G11C 5/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H01L25/08 C
H01L27/092 K
H01L27/092 G
H01L27/088 E
G11C5/04 220
(21)【出願番号】P 2022502070
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(86)【国際出願番号】 US2020036697
(87)【国際公開番号】W WO2021011115
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-06-02
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リン, チー
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-277870(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0120021(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0310242(US,A1)
【文献】米国特許第05430859(US,A)
【文献】米国特許第09106229(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 21/8238
H01L 21/8234
G11C 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積層ダイを有する集積回路デバイスであって、前記集積回路デバイスは、
入力信号を受信するように構成された入出力要素を有する、前記複数の積層ダイのうちの第1のダイであって、前記第1のダイが、前記複数の積層ダイの各ダイに前記入力信号を提供するように構成された信号ドライバ回路と、前記複数の積層ダイのために複数のチップ選択信号を生成するためのチップ選択回路とを備える、第1のダイと、
前記第1のダイに結合された、前記複数の積層ダイのうちの第2のダイ
と、を備え、
前記第2のダイ
は、
前記入力信号を受信するように構成された機能ブロックを有し、
前記第2のダイに対応する、前記複数のチップ選択信号のうちのチップ選択信号に応答して前記入力信号を受信
し、
かつ
データ入力において前記信号ドライバ回路から前記入力信号を受信し、イネーブル入力において前記チップ選択回路から前記チップ選択信号を受信するように構成された、レジスタを備える、
集積回路デバイス。
【請求項2】
前記第1のダイが、前記機能ブロックの出力信号を受信するように構成された受信機を備える、請求項1に記載の集積回路デバイス。
【請求項3】
前記
第2のダイがメモリ要素を備える、請求項1に記載の集積回路デバイス。
【請求項4】
前記第2のダイが、前記機能ブロックに関連するデータを記憶するように構成されたメモリをさらに備える、請求項1に記載の集積回路デバイス。
【請求項5】
前記第2
のダイに結合された、前記複数の積層ダイのうちの第3のダイをさらに備え、前記第3のダイが、データ入力において前記信号ドライバ回路から前記入力信号を受信し、イネーブル入力において前記チップ選択回路から前記チップ選択信号を受信するように構成された、
別のレジスタを備える、請求項1に記載の集積回路デバイス。
【請求項6】
複数の積層ダイを有する集積回路デバイスを実装する方法であって、前記方法は、
入出力要素において入力信号を受信するように複数の積層ダイのうちの第1のダイを構成することと、
前記複数の積層ダイの各ダイに前記入力信号を提供するように前記第1のダイの信号ドライバ回路を構成することと、
前記複数の積層ダイのために複数のチップ選択信号を生成するためのチップ選択回路を構成することと、
前記複数の積層ダイのうちの第2のダイを前記第1のダイに結合することであって、前記第2のダイが、前記入力信号を受信するように構成された機能ブロックを有する、前記複数の積層ダイのうちの第2のダイを前記第1のダイに結合することと、
前記第2のダイに対応する、前記複数のチップ選択信号のうちのチップ選択信号に応答して前記第2のダイにおいて前記入力信号を受信することと
、を含み、
前記第2のダイのレジスタは、データ入力において前記信号ドライバ回路から前記入力信号を受信することと、イネーブル入力において前記チップ選択回路から前記チップ選択信号を受信することとを行うように構成された、
方法。
【請求項7】
前記機能ブロックの出力信号を受信するように前記第1のダイの受信機を構成することをさらに含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記出力信号を受信するように前記第1のダイの第2の入出力要素を結合することをさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記
第2のダイがメモリ要素を備える、請求項
6に記載の方法。
【請求項10】
前記機能ブロックに関連するデータを前記第2のダイのメモリに記憶することをさらに含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項11】
前記レジスタの出力
は前記メモリの入力
へのものである、請求項1
0に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の積層ダイのうちの第3のダイを前記第2
のダイに結合することをさらに含み、前記第3のダイが、データ入力において前記信号ドライバ回路から前記入力信号を受信し、イネーブル入力において前記チップ選択回路から前記チップ選択信号を受信するように構成された、
別のレジスタを備える、請求項
6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、集積回路デバイスに関し、特に、複数の積層ダイを有する集積回路デバイス、および複数の積層ダイを有する集積回路デバイスを実装する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路デバイスの実装は、集積回路デバイスの、サイズを低減するための努力、電力を低減するための努力、および性能を増加させるための努力により変化し続けている。異なるタイプの集積回路デバイスが、一般にチップとも呼ばれる複数のダイを含み得る。複数のダイを有する集積回路デバイスは、しばしば、3D集積回路デバイスと呼ばれる。複数のダイを有するいくつかの3D集積回路デバイスは、インターポーザを含み得、しばしば、積層シリコン相互接続技術(SSIT)を実装するデバイスと呼ばれる。たとえば、複数のダイが、互いの上に積層されるのではなく、インターポーザの表面上に個々に置かれ得る。ダイの各々をインターポーザに接続するために、マイクロバンプとスルーシリコンビア(TSV)とが使用され得る。しかしながら、マイクロバンプのサイズにより、ダイ間の接続が限定されることがある。より最近の世代の3D ICデバイスは、シリコンインターポーザを含まないことがあり、ここで、ダイ間の接続は、ハイブリッドバンプとスルーシリコンビアとを使用して実装され得る直接接続によって提供される。ハイブリッドバンプのサイズは、概して、マイクロバンプよりも小さく、これは、ダイ間のより多くの接続を可能にする。
【0003】
積層集積回路デバイスにおけるダイの積層は集積回路デバイスの論理容量を増加させるが、その積層はまた、ダイエッジ幅と、集積回路デバイス自体のコンタクトによってアクセスされ得るダイのコンタクトパッドを有するダイ表面積とを減少させる。ダイ表面積のこの低減の結果として、積層集積回路デバイス上のコンタクトからアクセス可能であるダイの上部のより少数のパッドが、テスト、および集積回路デバイスのダイへの他のアクセスのために利用可能である。上部ダイ上の利用可能なパッドの低減された数のために、上部ダイ上の電源パッドおよび接地パッドの数が、従来のモノリシック集積回路デバイス、またはインターポーザの表面上に個々に置かれた複数のダイを有する集積回路デバイスと比較して、低減されなければならないことがある。また、上部ダイ上の、しばしば入出力(IO)パッドと呼ばれるIOコンタクトの利用可能性が、テスト機能など、積層ICデバイスのいくつかの必要な機能に影響を及ぼし得る。
【0004】
したがって、積層ダイの上部ダイ上のIOコンタクトの低減された数に関連する問題など、積層ダイに関連する問題を克服する、積層ダイを有する集積回路デバイスを実装するための回路および実装する方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
複数の積層ダイを有する集積回路デバイスが説明される。集積回路デバイスは、入力信号を受信するように構成された入出力要素を有する、複数の積層ダイのうちの第1のダイであって、第1のダイが、複数の積層ダイの各ダイに入力信号を提供するように構成された信号ドライバ回路と、複数の積層ダイのために複数のチップ選択信号を生成するためのチップ選択回路とを備える、第1のダイと、第1のダイに結合された、複数の積層ダイのうちの第2のダイであって、第2のダイが、入力信号を受信するように構成された機能ブロックを有し、第2のダイが、第2のダイに対応する、複数のチップ選択信号のうちのチップ選択信号に応答して入力信号を受信する、第2のダイとを備える。
【0006】
複数の積層ダイを有する集積回路デバイスを実装する方法も説明される。方法は、入出力要素において入力信号を受信するように複数の積層ダイのうちの第1のダイを構成することと、複数の積層ダイの各ダイに入力信号を提供するように第1のダイの信号ドライバ回路を構成することと、複数の積層ダイのために複数のチップ選択信号を生成するためのチップ選択回路を構成することと、複数の積層ダイのうちの第2のダイを第1のダイに結合することであって、第2のダイが、入力信号を受信するように構成された機能ブロックを有する、複数の積層ダイのうちの第2のダイを第1のダイに結合することと、第2のダイに対応する、複数のチップ選択信号のうちのチップ選択信号に応答して第2のダイにおいて入力信号を受信することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】例示的な積層集積回路デバイスのブロック図である。
【
図2】
図1の集積回路デバイスなど、例示的な積層集積回路デバイスの断面図である。
【
図3】積層集積回路ダイを有する集積回路デバイスの一部分のブロック図である。
【
図4】積層集積回路デバイスのダイにおいて実装され得るチップ選択回路のブロック図である。
【
図5】積層集積回路ダイを有する集積回路デバイスの一部分の別のブロック図である。
【
図6】積層集積回路デバイスのダイにおいて実装され得る、集積回路デバイスのダイ間で信号を送信するための信号ドライバ回路のブロック図である。
【
図7】積層集積回路デバイスのダイにおいて実装され得る信号ドライバ回路のシフトレジスタを使用して送信され得る例示的なデータの図である。
【
図8】集積回路デバイスにおいて信号を送信するための回路および方法を実装することができるプログラマブル論理デバイスのブロック図である。
【
図9】
図8のプログラマブル論理デバイスの構成可能論理要素のブロック図である。
【
図10】積層集積回路デバイスにおいて複数のダイを実装する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
積層ダイを有する集積回路デバイスを実装するための回路および方法は、ダイのIOコンタクトと積層ダイのうちの1つまたは複数の他のダイ上の機能ブロックとの間の制御回路を含む。複数の積層ダイのうちの1つのダイ上の制御回路が、プログラミング目的、テスト目的、または動作目的を含む、任意の目的のために、複数の積層ダイのうちの他のダイへのアクセスを可能にする。たとえば、信号ドライバ回路からの信号が、機能ブロックなど、複数の積層ダイのうちの他のダイのうちの1つの回路にルーティングされることを可能にするために、第1のダイ上のチップ選択回路が使用され得る。すなわち、チップ選択回路を使用することによって、他のダイのうちのどれがチップ選択回路によって選択されたかに応じて他のダイの各々に信号を送信するために、共通の信号ドライバ回路が使用され得る。いくつかの実装形態によれば、回路および方法は、プログラマブル論理デバイス(PLD)とともに使用され得、データが、機能ブロックに関係する、しばしば構成ランダムアクセスメモリ(CRAM)と呼ばれる構成メモリアレイにルーティングされ得る。回路および方法はまた、3D積層ダイ技術におけるテスタビリティを改善するために使用され得る。積層ダイ配置における他のダイの回路要素にアクセスするためにダイ上の制御回路を使用することによって、ダイの上部の少数のIOパッドが、積層ダイの各々における、CRAMまたは機能ブロックなど、テスト回路に割り振られ得る。
【0009】
本明細書は、新規と見なされる本発明の1つまたは複数の実装形態の特徴を定義する特許請求の範囲を含むが、回路および方法は、図面とともにその説明を考慮することにより、より良く理解されると考えられる。様々な回路および方法が開示されるが、それらの回路および方法は、本発明の配置の例にすぎず、様々な形態で具現され得ることを理解されたい。したがって、本明細書内で開示される特定の構造的および機能的詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に、特許請求の範囲のための基礎として、およびほぼすべての適切に詳細な構造において本発明の配置を様々に採用するように当業者に教示するための代表的基礎として解釈されるべきである。さらに、本明細書で使用される用語および句は、限定するものではなく、むしろ、回路および方法の理解可能な説明を提供するものである。
【0010】
まず
図1を参照すると、例示的な積層集積回路デバイス100のブロック図が示されている。より詳細には、パッケージ基板として例としてここに示されている基板102が、
図2でより詳細に説明されるように、相互接続要素によって電気的に接続される複数のダイを受けるように構成される。パッケージ基板は、はんだボール103を備え、はんだボール103は、たとえば回路板への取付けのために使用され得、パッケージ基板に取り付けられたダイに信号を提供するかまたはそれらのダイから信号を受信するために使用され得る。代替的に、基板は、パッケージ基板上に位置するインターポーザ、または、集積回路デバイスのダイを受けるために使用される任意の他の要素を備えることができる。
図1に示されているように、ダイの第1のスタックが、パッケージ基板に信号をルーティングすることを可能にする相互接続要素を含む対応する相互接続層108を有する第1の基板106を備える。相互接続要素は、たとえば、はんだバンプ、ハイブリッド相互接続技術、またはダイにおよびダイから信号をルーティングするための任意の他の導電要素を含み得る。第2の基板110が、信号をルーティングすることを可能にする相互接続要素を含む対応する相互接続層112を有する。第3の基板116が、同じく信号をルーティングすることを可能にする相互接続要素を含む対応する相互接続層118を有する。第4の基板120が、同じく信号をルーティングすることを可能にする相互接続要素を含む対応する相互接続層122を有する。第5の基板124が、同じく信号をルーティングすることを可能にする相互接続要素を含む対応する相互接続層126を有する。基板124を覆うかまたは複数のダイをカプセル化するために、パッケージリッド128が含まれ得る。示されている基板および相互接続層ペア(106および108、110および112、ならびに116および118、120および122、124および126)が、5つのダイを形成し、
図2を参照して以下でより詳細に説明されるように、ダイ間で信号をルーティングするように構成される。相互接続層108は、はんだボール103とつながることを可能にするために、はんだバンプ130(たとえばC4バンプ)によってパッケージ基板の対応するコンタクトパッド132に接続され得る。
【0011】
図1の配置が、例として積層ダイの一般的な配置を示すことが意図されており、ダイの特定の配置が、(アクティブオンアクティブ(AoA:Active-on-Active)ダイとしても知られる)フェースツーフェース(Face-to-Face)ダイとフェースツーバック(Face-to-Back)ダイとの異なる構成を有することができ、ここで、フェースが金属層側バックエンドオブライン(BEOL:back end-of-line)を表し、バックが基板を表すことを理解されたい。相互接続要素は、ダイの構成に応じて、ダイのTSVまたはBEOL金属層を含むことができる。フェースツーバック接合では、ダイ間の相互接続は、(たとえばTSVを使用して)基板において実装される。一例によれば、相互接続層112は、基板110(すなわちバック)のビアに結合された金属層(すなわちフェース上)を含み得、相互接続層112と基板110とが一緒に1つのダイ層を作る。あるダイから別のダイへの相互接続または基板パッケージとダイとの間の相互接続は、ダイの配向に応じて、金属層(たとえばハイブリッドバンプ)またはTSVを含み得る。例示的な積層集積回路デバイス100が例として示されているが、ダイの複数のスタックを含む、他の配置のダイが埋め込まれ得ることを理解されたい。
【0012】
次に
図2を参照すると、
図1の集積回路デバイスの一部分の断面図であり得る、例示的な積層集積回路デバイス200の一部分の断面図が示されている。積層集積回路デバイス200は、ダイ1~ダイ5として例としてここに示されている、複数のダイを備える。ダイの各々は、概して、シリコン、金属トレースおよびビアにおいて形成されたアクティブ要素など、同じタイプの要素を備え得、同じタイプの要素は、同じ参照番号で、ダイの各々において示される。たとえば、各ダイは、ウェル領域209におけるソース206およびドレイン208と、ゲート領域210とを備えるトランジスタとして例としてここに示されている、アクティブ要素204を有する基板202を備え得る。
【0013】
ダイの基板のアクティブ要素は、互いにおよび他のダイの要素に相互接続要素として接続され、これは、非導電層によって分離された金属層の金属トレースと、非導電層を通して金属層の部分を接続するビアとを備え得る。より詳細には、様々な層における相互接続要素212は、示されているように、ビア214によって互いに結合され得る。しばしばスルーシリコンビア(TSV)と呼ばれる、基板を通って延びるビア216が、基板のバックサイド上のコンタクト要素218から延び、コンタクト要素218はコンタクト要素220に結合され得、これは、外部接続を提供するための、絶縁層224を通って延びるコンタクトパッド222への接続を可能にする。コンタクトパッド222は、コンタクトパッド132上のはんだバンプ130への接続を可能にするための相互接続層108のコンタクトパッドに対応することができ、基板102の相互接続要素は、ICデバイスから信号を送信することまたはICデバイスにおいて信号を受信することを行うための、はんだボール103への接続を可能にする。他のコンタクト要素も、ダイ間の電気的接続を提供するために実装され得る。たとえば、第1のダイの第1のコンタクト要素226が第2のダイの第2のコンタクト要素228に電気的に結合され得、ここで、コンタクト要素226および228は、ハイブリッドコンタクト要素230の一部であり得る。
図2の例は、以下でより詳細に説明される、
図3および
図4の回路が実装され得る、デバイスの一例を示すために提供される。
【0014】
図2の回路は、例として示されており、任意の配向において実装され得る、任意の数のダイを含むことができる。ダイのフェースツーフェースダイ配置がダイ1とダイ2との間で示されており、フェースツーバックサイド(face-to-backside)配置が他のダイの接続において示されているが、ダイの他の配向が実装され得ることを理解されたい。ダイの一部または全部が、プログラマブル論理デバイス(PLD)など、同じタイプのデバイスであり得るか、あるいは、異なるダイにおける、メモリまたは論理など、特定の機能を有し得る。
【0015】
次に
図3を参照すると、積層集積回路ダイを有する集積回路デバイスの一部分300のブロック図が示されている。集積回路デバイスは、
図1および
図2に示されているように実装され得、集積回路デバイス上のIOコンタクトによってアクセスされ得る、ドライバ回路などの回路の使用を可能にするための、集積回路デバイスの異なるダイにおける要素の配置が例として示されている。複数の積層ダイのうちの他のダイの各々への信号を駆動するために、複数の積層ダイのうちの第1のダイ上のドライバ回路など、共通の回路を使用することによって、第1のダイ上の同じIOコンタクトが、機能ブロックなど、他のダイの各々の回路にアクセスするために使用され得る。すなわち、複数の積層ダイのうちの1つのダイ上の回路にアクセスするために必要な1つまたは複数の同じIOコンタクトが、複数の積層ダイのうちの他のダイの各々の回路にアクセスするために使用され得る。
【0016】
特に
図3のダイの要素を参照すると、
図3の集積回路デバイスの一部分は、例として、(上部ダイとしても知られ、たとえば
図2のダイ1に対応し得る)第1のダイ302と、第2のダイ304と、第3のダイ306と、第4のダイ308と、第5のダイ310とを含む5つの積層ダイを備える。上部ダイのIO回路312が、集積回路の外部にアクセス可能であるコンタクト要素を備え得る。IO回路312は制御回路313に結合され、IO回路312は、IO回路312のコンタクト要素における受信された入力(INPUT)信号であり得る信号を制御回路313に提供するものとしてここに例として示されている。たとえば、IO回路312は、たとえば
図2のコンタクト要素222に結合され得る。IO回路は、制御回路の動作、あるいは信号ドライバ回路から信号を受信する機能ブロックまたは他の回路の機能性に応じて、専用入力回路として実装され得るか、専用出力回路として実装され得るか、あるいは入力信号を受信することまたは出力信号を生成することの両方を行うように機能し得ることを理解されたい。機能ブロックの例が、
図8および
図9を参照して以下でより詳細に説明される。
【0017】
制御回路313は、信号ドライバ回路314とチップ選択回路316とを備え得る。すなわち、制御回路は、チップ選択回路316によって生成されたチップ選択信号を使用することによって複数のダイのうちの別のダイの回路への信号の転送を可能にし、ここで、チップ選択信号は、選択されたチップ上の回路が信号ドライバ回路314から信号を受信することを可能にするためのイネーブル信号として動作し得る。より詳細には、信号ドライバ回路314は、信号線318を介してダイ304~310の各々に信号を提供する。単一の信号線318が示されているが、単一の線318が、異なる信号(たとえばアドレス信号、データ信号および制御信号)を送信するための信号バスなど、多線の信号線であり得ること、または複数の信号線が信号ドライバ回路によって駆動され得ることを理解されたい。信号線318は、信号入力322においてレジスタ320に提供される。
【0018】
チップ選択回路316は、チップ選択信号線323上のチップ選択信号を生成し、チップ選択信号線323のうちの第1の信号線からの信号がレジスタ320のイネーブル入力324にルーティングされる。
図3の実装形態によれば、選択信号線323は、4つの線を含み、ここで、4つのダイ304~310の各々が、チップ選択信号線のうちの対応する1つに結合される。他の実装形態によれば、ダイの各々に提供された単一の線上の信号は、データがそのダイを対象とするかどうかを決定するために、復号され得る。チップ選択回路316は、
図4を参照してより詳細に説明されるように、イネーブル選択信号(aおよびb)に応答してあるダイに受け渡されるイネーブル(ENABLE)信号を受信し得る。チップ選択信号は、たとえばクロック信号など、レジスタ320をイネーブルする任意のタイプの信号であり得る。信号ドライバ回路314によって駆動される信号は、以下でより詳細に説明されるように、メモリに記憶されたデータ、PLDの回路についての構成メモリにおける構成データ、制御信号、または集積回路デバイスの様々な回路をテストするためのテスト信号であり得る。レジスタ320の出力325が機能ブロック328の入力326に提供され、機能ブロックの出力が出力329において生成される。
【0019】
信号ドライバ回路314によって生成された信号はまた、信号線318を介して他のダイ306~310の機能ブロックに提供される。より詳細には、ダイ306は、信号入力332において信号線318上のデータ信号を受信し、イネーブル入力334において複数の信号線323のうちの第2の信号線上のイネーブル信号を受信するように適応された、レジスタ330を備える。レジスタ330の出力335において生成されたデータが機能ブロック338の入力336に提供され、機能ブロックの出力が出力339において生成される。同様に、ダイ308は、信号入力342において信号線318上のデータ信号を受信し、イネーブル入力344において複数の信号線323のうちの第3の信号線上のイネーブル信号を受信するように適応された、レジスタ340を備える。レジスタ340の出力345において生成されたデータが機能ブロック348の入力346に提供され、機能ブロックの出力が出力349において生成される。さらに、ダイ310は、信号入力352において信号線318上のデータ信号を受信し、イネーブル入力354において複数の信号線323のうちの第4の信号線上のイネーブル信号を受信するように適応された、レジスタ350を備える。レジスタ350の出力355において生成されたデータが機能ブロック358の入力356に提供され、機能ブロックの出力が出力359において生成される。機能ブロックによって生成されたデータが、信号受信機362の入力364に結合された信号線363を介して、その信号受信機を有する制御回路360にルーティングされ得る。制御信号は、IO回路366において出力(OUTPUT)信号を生成し得る。
【0020】
図3に示されているように、信号線318上で提供された信号が、たとえば
図2を参照して上記で説明されたハイブリッドボンド(hybrid bond)またはTSVを介してなど、複数のダイに提供され、信号線318上の信号は、チップ選択回路316によって生成されたチップ選択信号に基づいて特定の1つまたは複数のダイによって受信され得る。したがって、IO回路312のボンドパッドなど、単一のコンタクト要素のみが、ダイ304~310の機能ブロック328、338、348、および358に信号をルーティングするために必要であることが諒解され得る。すなわち、共通のIOコンタクトと共通の信号ドライバ回路とが、第1のダイにおいて生成されたチップ選択信号に基づいて、異なる積層ダイにおける機能ブロックに信号を選択的にルーティングするために使用され得る。
【0021】
したがって、複数の積層ダイのうちの1つのダイ上の制御回路313が、プログラミング目的、テスト目的、または動作目的を含む、任意の目的のために、複数の積層ダイのうちの他のダイへのアクセスを可能にするために使用され得る。いくつかの実装形態によれば、回路および方法は、
図8および
図9を参照して以下でより詳細に説明されるように、PLDとともに使用され得、データが、
図5を参照して以下でより詳細に説明されるように、機能ブロックに関係する、CRAMなど、構成メモリアレイにルーティングされ得る。回路および方法はまた、3D積層ダイ技術におけるテスタビリティを改善するために使用され得る。積層ダイ配置における他のダイの回路要素にアクセスするためにダイ上の制御回路を使用することによって、ダイの上部の少数のテストパッドが、積層ダイの各々におけるCRAMまたは機能ブロックをテストするのに十分である。制御回路を有するダイ302も機能ブロックを含み得、信号が、ダイ302の機能ブロックのテスト動作または機能的動作を可能にするために、制御回路によって機能ブロックにルーティングされ得ることに留意されたい。さらに、構成、テストおよび他の動作のための入力信号および出力信号がIO回路(たとえば312および366)を介して提供されるが、ダイ304~310のいずれかにルーティングされるかまたはダイ304~310のいずれかから受信される信号が、ダイ302に記憶されるかまたはダイ302において生成され得ることを理解されたい。単一の機能ブロックが、ダイ304~310の各々において示されており、ダイ302にデータを提供するためのIO回路またはダイ302から信号をルーティングするためのIO回路を介してアクセスされるが、多くの機能ブロックおよびIO回路が、上記で説明されたようにダイにおいて実装され、
図8および
図9を参照して以下で説明されるように相互接続され得ることを理解されたい。回路は、機能ブロックのグループにテスト信号または他の信号を提供するラッパー回路の一部として実装され得、これは、ラッパーと呼ばれることがある。
【0022】
次に
図4を参照すると、積層集積回路デバイスのダイにおいて実装され得るチップ選択回路400のブロック図が示されている。
図4に示されているように、たとえばチップ選択回路316に結合されたイネーブル信号など、イネーブル(ENABLE)信号が、イネーブル選択信号a、a_バー、b、およびb_バーを使用して生成され得、イネーブル信号は、イネーブル選択信号の値に基づいてダイのうちの1つに提供される。より詳細には、イネーブル選択信号aは、インバータ402の入力に提供され、a_バーは、インバータ402の出力において生成される。同様に、イネーブル選択信号bは、インバータ404の入力に提供され、イネーブル選択信号b_バーは、インバータ404の出力において生成される。イネーブル選択信号aおよびb(したがってa_バーおよびb_バー)は、ダイ2~ダイ5のうちの1つにイネーブル信号をルーティングするために選択される。すなわち、イネーブル選択信号aは、ダイ2にイネーブル信号をルーティングするためにトランジスタ406のゲートに提供され、ダイ3にイネーブル信号をルーティングするためにトランジスタ408のゲートに提供される。イネーブル選択信号a_バーは、ダイ4にイネーブル信号をルーティングするためにトランジスタ410のゲートに提供され、ダイ5にイネーブル信号をルーティングするためにトランジスタ412のゲートに提供される。イネーブル選択信号bは、ダイ2にイネーブル信号をルーティングするためにトランジスタ414のゲートに提供され、ダイ4にイネーブル信号をルーティングするためにトランジスタ416のゲートに提供される。イネーブル選択信号b_バーは、ダイ3にイネーブル信号をルーティングするためにトランジスタ418のゲートに提供され、ダイ5にイネーブル信号をルーティングするためにトランジスタ420のゲートに提供される。
図4に示されているように、aとbとの4つの組合せが、4つのダイのうちのいずれか1つを選択して、それらのダイにデータ信号をルーティングすることを可能にすることができる。チップ選択回路400が例として示されているが、他の同様の回路が、ダイのうちの1つまたは複数にイネーブル信号を提供するために実装され得ることを理解されたい。
【0023】
次に
図5を参照すると、積層集積回路ダイを有する集積回路デバイスの一部分500の別のブロック図が示されている。
図5の配置によれば、集積回路デバイスの異なる部分のために、異なるIO回路が使用される。
図5の集積回路配置は、
図1および
図2を参照して上記で説明されたように実装され得るダイ502~510を含む、5つのダイを備え、ダイ間の接続が、たとえばハイブリッドボンドまたはTSVを使用して実装され得る。IO回路512が、ダイ502のコンタクトパッドなど、コンタクト要素において集積回路デバイスへの入力信号を受信するように構成され、受信された入力信号は制御回路513に提供される。制御回路513は、異なるダイにおける様々な回路ブロックに信号を選択的に提供するように信号ドライバ回路514およびチップ選択回路515を制御するように適応される。たとえば、信号ドライバ回路によって駆動される信号は、以下でより詳細に説明されるように、メモリに記憶されたデータ、データを記憶または受信するためのアドレス、構成メモリに記憶されたPLDの回路についての構成データ、制御信号、または集積回路デバイスの様々な回路をテストするためのテスト信号であり得る。
【0024】
信号ドライバ回路514は、ダイ504~510の回路への信号を駆動するように構成され、チップ選択回路515は、チップ選択信号線516からの信号に基づいて、信号ドライバ回路514から信号を受信するダイを選択するように構成される。
図5の実装形態によれば、信号出力518において生成された第1の出力信号が第1の信号線519上で提供され、信号出力520において生成された第2の出力信号が信号線521上で提供され、信号線519および521はダイ504~510の各々にルーティングされる。
図5の実装形態のダイの各々は、メモリと機能ブロックの両方を備え、メモリは、以下でより詳細に説明されるように、機能ブロックについての構成データを備え得る。
【0025】
ダイの各々は、CRAMアレイとして例としてここに示されているメモリ524のためのデータを受信するように適応されたレジスタ522と、メモリ524とレジスタ529とに結合されたビット線バッファ528のためのデータを受信するための別のレジスタ526とを含み、レジスタ529は、たとえば、ダイに関連するチップ選択信号をも受信するシフトレジスタであり得る。より詳細には、たとえばアドレス信号であり得る信号線521からの信号が入力530に結合され、複数のチップ選択信号線516のうちの第1のチップ選択信号線からのチップ選択信号がイネーブル入力532に結合される。チップ選択信号が、レジスタ522をイネーブルするための任意のタイプのイネーブル信号であり得、入力530に提供されたデータを受信するためのクロック信号を含み得ることを理解されたい。レジスタ522は、メモリ524に記憶されるべきデータに関連するアドレスを提供するためのシフトレジスタを備え得る。レジスタ522の出力534において生成されたデータがメモリ524の入力536に提供される。メモリ524は、インターフェース538を介してビット線バッファ528と通信し、これは、メモリ524からビット線バッファへのデータを読み取ることまたはビット線バッファからメモリ524へのデータを書き込むことを可能にする。ダイ502は、制御回路544の受信機回路542をも備える。受信機回路542は、受信機回路542の入力546に結合された信号線545を介して、選択されたダイのビット線バッファのレジスタ529の出力を受信するように構成される。
【0026】
信号線519は入力551に結合され、複数のチップ選択信号線516のうちの第1のチップ選択信号線は、レジスタ526のイネーブル入力552に結合され、出力547が、ビット線バッファ528の入力549に結合される。ビット線バッファ528に提供されたデータがメモリ524に書き込まれ得るか、またはメモリ524から読み取られ、ビット線バッファに提供されたデータが、ビット線バッファ528の出力559において生成され、レジスタ529に提供され得る。ダイ502は、テスト中になど、レジスタ529を介して受信機回路542に提供された信号に基づいて出力を生成することを可能にするIO回路548をも備える。すなわち、制御回路は、受信機回路542によって受信された信号をIO回路548に提供することができる。別の実装形態によれば、ビット線バッファ528の出力はトライステート値において保持され得、これは、ビット線バッファ528の出力におけるレジスタ529の要件をなくすことになる。
【0027】
図5の回路配置は機能ブロックをも含み得、制御回路550が、IO回路557に結合され、ドライバ553と、複数のチップ選択線555に結合されたチップ選択回路554とをも備える。ダイの各々は、レジスタ556と機能ブロック558とを含み、ここで、ドライバ553の出力560において生成された信号がレジスタ556の入力562に結合される。レジスタ556は、機能ブロックのための信号と、入力564において複数のチップ選択線555のうちの第1のチップ選択線からのチップ選択信号とを受信するように構成される。レジスタ556の出力566が機能ブロック558の入力568に結合される。機能ブロックの出力570が、信号線572によって、制御回路550の受信機回路575の入力574に提供され得る。機能ブロックの出力は、選択されたダイの機能ブロックの出力のみが信号線572上で提供されるようなトライステート値において保持され得る。代替的に、ビット線バッファ528の出力におけるレジスタ529など、レジスタが出力570において実装され得る。
【0028】
機能ブロックが設計された後に、通常、この機能ブロックをテストすることを容易にすることができる回路、たとえば走査チェーン回路を設計することが必要である。
図3および
図5の制御回路は、複数の積層ダイの各ダイの回路のテストを容易にするための単一の回路を実装することによって、テスタビリティを向上させ、回路要件を低減するために実装される。制御回路は、IO回路と、テストされる、機能ブロックなど、ダイの回路との間のインターフェースとして働く。たとえば、テストパターンおよび制御信号が、IO回路から、制御回路513または550などの制御回路にロードされ得る。これらのパターンおよび信号は、次いで、別のダイ上の機能ブロックをテストするために使用される。テストした後に、テスト結果が、別の制御回路にロードされ、IO回路に提供されて、集積回路デバイスによって出力され得る。いくつかの実装形態によれば、制御回路は、機能ブロックをテストするための入力データおよび制御データを記憶し得る。たとえば、数学プロセッサをテストするために、input_A=00001、input_B=00010、control=00=>input_A+input_Bであり、if control=01=>input_A×input_Bである。
【0029】
様々なブロックの入力および出力が、チップ選択信号によって選択された特定のダイに信号をルーティングする適用例のために示されていること、機能ブロックなどの様々なブロックが他の出力を有し得ること、ならびに、示されている様々なブロックの出力が集積回路デバイスの他の部分に提供され得ることに留意されたい。ダイの回路要素への様々な接続が、ダイの各々、および特に、チップ選択信号によって選択されたダイの回路に信号をルーティングするために、第1のダイ(たとえばダイ502)から別のダイ(たとえばダイ504~510のうちの1つ)へのデータのルーティングを可能にする一実装形態を示すために提供される。いくつかの実装形態によれば、データが、たとえばテスト動作中になど、第1のダイにおいて、選択されたダイから受信され得る。
【0030】
図5の回路配置は、メモリおよび機能ブロックに信号をルーティングするための制御回路の使用を示すが、複数の積層ダイのうちのダイに信号をルーティングする回路および方法が、
図8および
図9において以下で説明される任意のタイプの回路ブロックなど、任意のタイプの回路ブロックを使用して実装され得ることを理解されたい。さらに、ダイの各々における同様の回路ブロック(すなわち関連するビット線バッファと機能ブロックとを有するCRAMアレイ)の使用が例として示されている。ダイのいずれも同じ回路を有することが必要でないことと、異なるダイが、同様の回路を含むことができるかまたは異なる回路を含むことができることとを理解されたい。たとえば、ダイのうちの1つが主にメモリ要素を含むことができ、他のダイのうちの2つが、主に、PLDに関連する機能ブロックを含むことができる。
【0031】
次に
図6を参照すると、積層集積回路デバイスのダイにおいて実装され得る、集積回路デバイスのダイ間で信号を送信するための信号ドライバ回路600のブロック図が示されている。信号ドライバ回路600は、
図3の信号ドライバ回路314または
図5の信号ドライバ回路514および553として実装され得る。信号ドライバ回路600は、アドレス入力603においてアドレスを受信するように構成された第1のシフトレジスタ602を備える。シフトレジスタ602の出力がアドレスデコーダ604に提供され得る。ワード線制御回路606が、復号されたアドレスを受信し、ワード線ドライバ608に出力を提供するように構成される。ワード線ドライバによって生成されたアドレスが信号ドライバ回路600の出力として生成される。たとえば、アドレスは、レジスタ522の入力530に提供され得る。このアドレスは、特定のダイにおけるフレームアドレスを選択するために使用され得る。信号ドライバ回路600は、ビット線データ入力611においてデータを受信するように構成されたシフトレジスタ610をも備え得る。シフトレジスタ610の出力がビット線デコーダ612に提供される。復号された値を表す出力がビット線制御回路614に提供され、ビット線制御回路614は、信号ドライバ回路600によって出力されるデータを生成する。このデータは、選択されたフレームアドレス上のCRAMセルのデータ線に適用され得る。また、制御信号が、入力618に提供された入力制御ビットに応答してシフトレジスタ616によって生成される。これらの制御ビットは、読取りおよび書込み動作など、選択されたCRAMセルの動作を制御するために使用される。
【0032】
図7に示されているように、積層集積回路デバイスのダイにおいて実装され得る信号ドライバ回路のシフトレジスタを使用して送信され得る例示的なデータの図が示されている。一実装形態によれば、アドレスは、マイナーアドレスと、メジャーアドレスと、積層(stacked layer)と含む、複数のフィールドを含み得る。
図7の例示的なシフトレジスタによれば、最上行は「ラベル」であり、最下行は、各小さいブロック(「0」、「1」、...)が1ビット(ビット0、ビット1、ビット2...)を記憶する、シフトレジスタである。
図7のシフトレジスタは、多くのセクタに分割された各チップ上のCRAMアレイのためのCRAMアドレスを記憶することに専用であり得る。各セクタは、ある密度のCRAMセルを含んでいることがある。「積層」(ビット0~ビット2)は、「チップアドレス」(たとえばチップ2、チップ3、チップ4、チップ5)を記憶するために使用され得、「メジャーアドレス」(ビット3~ビット7)は、セクタアドレスを記憶するために使用され得、「マイナーアドレス」(ビット8~ビン(n-1))は、ワード線アドレス(WL0、WL1、WL2....)を記憶するために使用され得る。これらのアドレスビットは、選択されたチップのメモリアレイに関連する、1つのチップ、1つのセクタおよび1つのワード線を選択するために復号され得る。
【0033】
次に
図8を参照すると、積層集積回路デバイスにおいて信号を送信するための回路および方法を実装することができるプログラマブル論理デバイスのブロック図が示されている。プログラマブルリソースを有するデバイスは、プログラマブルリソースを有する特定用途向け集積回路(ASIC)など、任意のタイプの集積回路デバイスにおいて実装され得るが、他のデバイスは、専用プログラマブル論理デバイス(PLD)を備える。1つのタイプのPLDが複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)である。CPLDは、相互接続スイッチマトリックスによって一緒に接続されたおよび入出力(I/O)リソースに接続された2つまたはそれ以上の「機能ブロック」を含む。CPLDの各機能ブロックが、プログラマブル論理アレイ(PLA)またはプログラマブルアレイ論理(PAL)デバイスにおいて使用されるものと同様の、2レベルAND/OR構造を含む。別のタイプのPLDが、様々な機能ブロックを有するフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である。典型的なFPGAでは、構成可能論理ブロック(CLB)のアレイがプログラマブル入出力ブロック(IOB)に結合される。CLBとIOBとは、プログラマブルルーティングリソースの階層によって相互接続される。これらのCLB、IOB、およびプログラマブルルーティングリソースは、典型的にはオフチップメモリから、FPGAの構成メモリセルに構成ビットストリームをロードすることによって、カスタマイズされた機能ブロックを備える。これらのタイプのプログラマブル論理デバイスの両方について、デバイスの機能性は、その目的でデバイスに提供された、構成ビットストリームの構成データビット(または部分的再構成中に送られた構成データビット)によって制御される。構成データビットは、揮発性メモリ(たとえば、FPGAおよびいくつかのCPLDの場合のような、スタティックメモリセル)、不揮発性メモリ(たとえば、いくつかのCPLDの場合のようなフラッシュメモリ)、または任意の他のタイプのメモリセルに記憶され得る。
【0034】
図8のデバイスは、マルチギガビットトランシーバ(MGT:multi-gigabit transceiver)801、CLB802、ランダムアクセスメモリブロック(BRAM)803、入出力ブロック(IOB)804、構成およびクロッキング論理(CONFIG/CLOCKS)805、デジタル信号処理ブロック(DSP)806、特殊な入出力ブロック(I/O)807(たとえば、構成ポートおよびクロックポート)、ならびにデジタルクロックマネージャ、アナログデジタル変換器、システム監視論理などの他のプログラマブル論理808を含む、プログラマブルタイルとして実装される多数の異なる機能ブロックを有するFPGAアーキテクチャ800を備える。いくつかのFPGAは、たとえば、ソフトウェアアプリケーションを実装するために使用され得る、専用プロセッサブロック(PROC)810をも含む。
【0035】
いくつかのFPGAでは、各プログラマブルタイルは、プログラマブル相互接続要素(INT)811を含み、INT811は、各隣接するタイル中の対応する相互接続要素との間の規格化された接続を有する。したがって、プログラマブル相互接続要素は、まとめると、示されているFPGAのためのプログラマブル相互接続構造を実装する。プログラマブル相互接続要素811は、
図8の上部に含まれる例によって示されているように、同じタイル内のプログラマブル論理要素との間の接続をも含む。
【0036】
たとえば、CLB802は、ユーザ論理を実装するようにプログラムされ得る構成可能論理要素(CLE)812と、単一のプログラマブル相互接続要素811とを含み得る。BRAM803は、1つまたは複数のプログラマブル相互接続要素に加えてBRAM論理要素(BRL)813を含み得る。BRAMは、構成論理ブロックの分散RAMとは別個の専用メモリを含む。典型的には、タイル中に含まれる相互接続要素の数は、タイルの高さに依存する。描かれている実装形態では、BRAMタイルは、5つのCLBと同じ高さを有するが、他の数も使用され得る。DSPタイル806は、適切な数のプログラマブル相互接続要素に加えてDSP論理要素(DSPL)814を含み得る。IOB804は、たとえば、プログラマブル相互接続要素811の1つのインスタンスに加えて入出力論理要素(IOL)815の2つのインスタンスを含み得る。回路および方法は、IOL815を使用して実装され得る。デバイスの接続のロケーションが、その目的でデバイスに提供された、構成ビットストリームの構成データビットによって制御される。プログラマブル相互接続は、構成ビットストリームのビットに応答して、相互接続線を備える接続が、プログラマブル論理において実装された回路、あるいはBRAMまたはプロセッサなどの他の回路に様々な信号を結合するために使用されることを可能にする。
【0037】
描かれている実装形態では、ダイの中心の近くの列状エリアが、構成、クロック、および他の制御論理のために使用される。この列から延びる構成/クロック分散領域809が、FPGAの幅にわたってクロックおよび構成信号を分散させるために使用される。
図8に示されているアーキテクチャを利用するいくつかのFPGAは、FPGAの大部分を構築する規則的な列状構造を損なう追加の論理ブロックを含む。追加の論理ブロックは、プログラマブルブロックおよび/または専用の論理であり得る。たとえば、
図8に示されているプロセッサブロックPROC810は、CLBおよびBRAMのいくつかの列にまたがる。
【0038】
図8は、例示的なFPGAアーキテクチャを示すことを意図されているにすぎないことに留意されたい。1つの列中の論理ブロックの数、列の相対幅、列の数および順序、列中に含まれる論理ブロックのタイプ、論理ブロックの相対サイズ、および
図8の上部に含まれる相互接続/論理実装形態は、例にすぎない。たとえば、実際のFPGAでは、CLBの2つ以上の隣接する列は、典型的には、ユーザ論理の効率的な実装を容易にするために、CLBが現れるところならどこでも含まれる。
図8の実装形態は、プログラマブルリソースを有する集積回路に関係するが、上記に記載された回路および方法が、プログラマブルリソースとハードブロックとの組合せを有する任意のタイプのデバイスにおいて実装され得ることを理解されたい。
【0039】
次に
図9を参照すると、
図8のプログラマブル論理デバイスの構成可能論理要素のブロック図が示されている。特に、
図9は、
図8の構成論理ブロック802の、プログラマブル論理の一例である構成可能論理要素を簡略化された形式で示す。
図9の実装形態では、スライスM901が、6つのLUTデータ入力端子A1~A6、B1~B6、C1~C6、およびD1~D6によって各々が駆動され、2つのLUT出力信号O5およびO6を各々が提供する、4つのルックアップテーブル(LUTM)901A~901Dを含む。LUT901A~901DからのO6出力端子は、それぞれ、スライス出力端子A~Dを駆動する。LUTデータ入力信号が、プログラマブル相互接続要素911によって実装され得る入力マルチプレクサを介してFPGA相互接続構造によって供給され、LUT出力信号も相互接続構造に供給される。スライスMは、出力端子AMUX~DMUXを駆動する出力選択マルチプレクサ911A~911Dと、メモリ要素902A~902Dのデータ入力端子を駆動するマルチプレクサ912A~912Dと、組合せマルチプレクサ916、918、および919と、バウンスマルチプレクサ回路922~923と、(一緒に入力クロック経路上で随意の反転を提供する)インバータ905およびマルチプレクサ906によって表される回路と、マルチプレクサ914A~914D、915A~915D、920~921および排他的ORゲート913A~913Dを有するキャリー論理とをも含む。これらの要素のすべてが、
図9に示されているように互いに結合される。選択入力が、
図9に示されているマルチプレクサについて示されていない場合、選択入力は、構成メモリセルによって制御される。すなわち、構成メモリセルに記憶された構成ビットストリームの構成ビットが、マルチプレクサへの正しい入力を選択するためにマルチプレクサの選択入力に結合される。よく知られているこれらの構成メモリセルは、明快のために
図9から省略され、ならびに本明細書の他の選択された図から省略される。
【0040】
描かれている実装形態では、各メモリ要素902A~902Dは、同期または非同期フリップフロップまたはラッチとして機能するようにプログラムされ得る。同期機能性と非同期機能性との間の選択が、同期/非同期選択回路903をプログラムすることによって、スライスにおけるすべての4つのメモリ要素について行われる。S/R(セット/リセット)入力信号がセット機能を提供するようにメモリ要素がプログラムされたとき、REV入力端子がリセット機能を提供する。S/R入力信号がリセット機能を提供するようにメモリ要素がプログラムされたとき、REV入力端子はセット機能を提供する。メモリ要素902A~902Dは、クロック信号CKによってクロック制御され、クロック信号CKは、たとえば、グローバルクロックネットワークによってまたは相互接続構造によって提供され得る。そのようなプログラマブルメモリ要素は、FPGA設計の分野でよく知られている。各メモリ要素902A~902Dは、登録された出力信号AQ~DQを相互接続構造に提供する。各LUT901A~901Dが、2つの出力信号O5およびO6を提供するので、LUTは、5つの共有入力信号(IN1~IN5)をもつ2つの5入力LUTとして、または入力信号IN1~IN6を有する1つの6入力LUTとして機能するように構成され得る。
【0041】
図9の実装形態では、各LUTM901A~901Dは、いくつかのモードのいずれかにおいて機能し得る。ルックアップテーブルモードにあるとき、各LUTは、入力マルチプレクサを介してFPGA相互接続構造によって供給される6つのデータ入力信号IN1~IN6を有する。64個のデータ値のうちの1つが、信号IN1~IN6の値に基づいて構成メモリセルからプログラマブルに選択される。RAMモードにあるとき、各LUTは、単一の64ビットRAM、または共有アドレス指定をもつ2つの32ビットRAMとして機能する。RAM書込みデータが、(LUT901A~901Cのためのマルチプレクサ917A~917Cを介して)入力端子DI1を介して64ビットRAMに供給されるか、または入力端子DI1およびDI2を介して2つの32ビットRAMに供給される。LUT RAMにおけるRAM書込み動作は、クロックイネーブル信号CEまたは書込みイネーブル信号WEのいずれかを選択的に受け渡し得る、マルチプレクサ906からのクロック信号CKによっておよびマルチプレクサ907からの書込みイネーブル信号WENによって制御される。シフトレジスタモードでは、各LUTは、2つの16ビットシフトレジスタとして機能するか、または2つの16ビットシフトレジスタが、単一の32ビットシフトレジスタを作成するために直列に結合した状態で、機能する。シフトイン信号が、入力端子DI1およびDI2の一方または両方を介して提供される。16ビットおよび32ビットシフトアウト信号がLUT出力端子を通して提供され得、32ビットシフトアウト信号はまた、LUT出力端子MC31を介してより直接的に提供され得る。LUT901Aの32ビットシフトアウト信号MC31はまた、出力選択マルチプレクサ911DおよびCLE出力端子DMUXを介して、シフトレジスタチェイニングのための一般的な相互接続構造に提供され得る。したがって、上記に記載された回路および方法は、
図8および
図9のデバイスなどのデバイス、または任意の他の好適なデバイスにおいて実装され得る。
【0042】
図10は、積層集積回路デバイスにおいて複数のダイを実装する方法を示すフローチャートである。ブロック1002において、たとえば
図3または
図5の積層ダイなど、複数の積層ダイのうちの第1のダイが、入出力要素において入力信号を受信するように構成される。複数の積層ダイを有し、入力信号を受信するように構成された、集積回路が、たとえば
図1および
図2を参照して上記で説明されたように、または積層ダイを有する集積回路デバイスを形成するための他の方法を使用して、形成され得る。ブロック1004において、信号ドライバ314または514など、第1のダイの信号ドライバ回路が、複数の積層ダイの各ダイに入力信号を提供するように構成される。ブロック1006において、複数の積層ダイのために複数のチップ選択信号を生成するためのチップ選択回路が構成される。ブロック1008において、複数の積層ダイのうちの第2のダイが第1のダイに結合され、第2のダイは、入力信号を受信するように構成された、機能ブロック328などの機能ブロックを有する。ブロック1010において、入力信号は、第2のダイに対応する、複数のチップ選択信号のうちのチップ選択信号に応答して第2のダイにおいて受信される。
【0043】
方法は、機能ブロックの出力信号を受信するように第1のダイの受信機を構成することと、出力信号を受信するように第1のダイの第2の入出力要素を結合することとをも含み得る。さらに、方法は、データ入力において信号ドライバ回路から入力信号を受信することと、イネーブル入力においてチップ選択回路からチップ選択信号を受信することとを行うように第2のダイのレジスタを構成することを含み得る。また、機能ブロックに関連するデータが第2のダイのメモリに記憶され得る。方法は、データ入力において信号ドライバ回路から入力信号を受信することと、イネーブル入力においてチップ選択回路からチップ選択信号を受信することとを行うように第1のレジスタ第2のダイを構成することと、第1のレジスタの出力をメモリの入力に結合することとをさらに含み得る。また、第2のレジスタが、データ入力において信号ドライバ回路からアドレス信号を受信し、イネーブル入力においてチップ選択回路からチップ選択信号を受信するように構成され得、第2のダイのビット線バッファも、データ入力においてアドレス信号を受信し、イネーブル入力においてチップ選択回路からチップ選択信号を受信するように構成され得る。いくつかの実装形態によれば、複数の積層ダイのうちの第3のダイを第2の積層ダイに結合することなどによって、追加のダイが積層され得、第3のダイは、データ入力において信号ドライバ回路から入力信号を受信し、イネーブル入力においてチップ選択回路からチップ選択信号を受信するように構成された、レジスタを備える。
【0044】
図10の方法は、説明された
図1~
図9の回路を使用して、またはいくつかの他の好適な回路を使用して実装され得る。方法の特定の要素が説明されたが、方法の追加の要素またはそれらの要素に関係するさらなる詳細が
図1~
図9の開示に従って実装され得ることを理解されたい。
【0045】
したがって、積層集積回路デバイスを実装するための新しい回路および積層集積回路デバイスを実装する方法が説明されたことが諒解され得る。開示される発明を組み込む多数の代替形態および等価物が存在することがわかることが、当業者によって諒解されよう。その結果、本発明は、上記の実装形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。