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特許7566009側面取り付けホイール、片持ちチェーンステーおよびベルトテンショナーを備えたベルトドライブペダルサイクル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】側面取り付けホイール、片持ちチェーンステーおよびベルトテンショナーを備えたベルトドライブペダルサイクル
(51)【国際特許分類】
   B62M 9/16 20060101AFI20241004BHJP
   B62M 11/16 20060101ALI20241004BHJP
   B62K 25/10 20060101ALI20241004BHJP
   B62K 15/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B62M9/16 B
B62M11/16 F
B62K25/10
B62K15/00
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022507364
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-11
(86)【国際出願番号】 GB2020051876
(87)【国際公開番号】W WO2021023992
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】1911221.8
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518032111
【氏名又は名称】カーボン キネティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ソープ リチャード
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-278160(JP,A)
【文献】特開平08-127384(JP,A)
【文献】特開昭63-240486(JP,A)
【文献】国際公開第2019/086064(WO,A1)
【文献】特開昭62-020786(JP,A)
【文献】特開平07-251781(JP,A)
【文献】特開平06-147292(JP,A)
【文献】特開昭63-184585(JP,A)
【文献】特表2006-521964(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1795122(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0236819(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03100939(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0050758(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0065704(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0235379(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 9/16
B62M 11/16
B62K 25/10
B62K 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダル駆動サイクルであって、
動力入力スプロケットおよび従動スプロケット(6)に結合された片持ちフレーム部材と、
前記動力入力スプロケットを前記従動スプロケットに接続するベルトドライブと、
多段ギアハブに解放可能に結合された側面取り付けリアホイールであって、前記多段ギアハブが前記側面取り付けリアホイールと同軸であり、前記多段ギアハブが前記従動スプロケットに結合されている、一側面取り付けリアホイールと、
前記従動スプロケットを前記片持ちフレーム部材に結合する張力調整機構であって、前記張力調整機構は、前記片持ちフレーム部材の少なくとも一部に沿って摺動可能に移動可能であり、それにより前記ベルトドライブの張力を調整し、ギアハブハウジングおよびトルクアームを備え、前記ギアハブハウジングおよび前記トルクアームは、前記片持ちフレーム部材の両側に配置され、前記片持ちフレーム部材にクランプされる、張力調整機構と、を備えるペダル駆動サイクル。
【請求項2】
前記片持ちフレーム部材の少なくとも一部が、前記ペダル駆動サイクルの前後中心線からオフセットされている、請求項1に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項3】
前記ギアハブハウジングは、前記リアホイールと前記ベルトドライブとの間に前記多段ギアハブを保持し、そのため、前記ベルトドライブは前記側面取り付けリアホイールを取り外さずに取り外し可能であり、前記側面取り付けリアホイールは、前記ベルトドライブを取り外すことなく、または調整することなく取り外し可能である、請求項1または2に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項4】
前記多段ギアハブは、1つ以上の軸受によって前記ギアハブハウジング内に保持される、請求項3に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項5】
前記多段ギアハブは、遊星ギアハブである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項6】
前記トルクアームは、前記多段ギアハブから前記片持ちフレーム部材にトルクを伝達するためのものである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項7】
前記張力調整機構は、1つ以上の調整ねじによって調整可能である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項8】
前記ギアハブハウジングは調整ねじを備える、請求項7に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項9】
前記トルクアームは調整ねじを備える、請求項7に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項10】
前記片持ちフレーム部材は、前記張力調整機構を受け入れるためのスロットを備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項11】
偏心ボトムブラケット張力調整システムをさらに備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項12】
前記片持ちフレーム部材は、前記側面取り付けリアホイールのタイヤの周りに湾曲するように成形されている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項13】
前記片持ちフレーム部材の主要な構造的荷重経路が前記ベルトドライブと交差する平面内にある、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項14】
前記片持ちフレーム部材の断面積が前記ベルトドライブと交差する平面で最大である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項15】
前記ペダル駆動サイクルの前後中心線に垂直な平面における前記片持ちフレーム部材の断面積が、前記側面取り付けリアホイールとの間のクリアランスが最小の点で最大となる、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項16】
前記片持ちフレーム部材が、前記ベルトドライブの移動長の少なくとも一部に沿った前記ベルトドライブの側面プロファイルと実質的に一致する側面プロファイルを有する、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項17】
前記片持ちフレーム部材と前記ベルトドライブとの間のクリアランスが、前記ベルトドライブの移動長の少なくとも大部分に沿って0.5mm~12mmである、請求項16に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項18】
前記片持ちフレーム部材は、前記側面取り付けリアホイールの軸に垂直な平面に突出するリップを備え、前記リップは前記ベルトドライブの第1の側縁に隣接する、請求項16または17に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項19】
前記側面取り付けリアホイールの前記軸に垂直な平面に突出する第2のリップをさらに備え、前記第2のリップは、前記ベルトドライブの第2の側縁に隣接する、請求項18に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項20】
前記ペダル駆動サイクルを折り畳むためのヒンジをさらに備える、請求項1乃至19のいずれか一項に記載のペダル駆動サイクル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
ペダル駆動サイクル、例えば自転車の大部分は、金属製の連結されたローラー形チェーンを採用して、乗り手が入力した動力を、ペダルクランクを介してリアホイールに伝達する。ローラーチェーンの利点は、よく知られており、非常に効率的で、耐久性があり、コンパクトで、比較的低コストであることが含まれる。連結されたローラー形チェーンの他の利点は、それらがスプロケット間の広範囲の張力にわたって効率的に動作できるだけでなく、横方向の柔軟性も高いため、よく理解されている多段ディレイラーギアシステムと組み合わせて使用できることである。しかしながら、自転車のローラーチェーンには、効率的に作動させるために、また腐食および錆を防止するための油潤滑が必要になるなどの特定の不利な点がある。時間の経過とともに、使用状況および雨などの気象条件によって潤滑が低下し、その時点で、チェーンに再度潤滑剤を塗らないと、チェーンは、錆びるかまたは腐食し、きしみさえするほどより大きなノイズを生じさせる傾向があるであろう。油潤滑は、乗り手の衣服、居住空間、および皮膚を損なう可能性のある汚れを集める可能性がある。連結されたローラー形チェーンの別の問題は、乗り手の衣服が、従動および駆動スプロケットの歯とチェーンとの境界面に挟まれるか、または引き込まれる傾向があることである。
【0003】
油が付いたチェーンが乗り手の衣服、居住空間、および皮膚を損なうという欠点に対処し、また雨または汚れがチェーンに溜まるのを防止し、かつ乗り手の衣服がチェーンとスプロケットとの間に挟まれるのを防止するために、設計者は、チェーンドライブ全体を覆い、囲むためのいわゆるチェーンカバーを採用している。これらの保護チェーンカバーは、100年近く使用されており、よく知られている。保護チェーンカバーの設計者が考慮しなければならない重要な属性は、通常の動作中にチェーンが、カチャカチャまたはガタガタした音などの容認できないノイズを引き起こすことになる、保護チェーンカバーとの接触をしないように、カバーの内側とチェーンとの間に十分なクリアランスを提供することである。チェーンの幅および高さは、それが、保護チェーンカバーの最小サイズおよび形状を決定するため、非常に重要である。実用上および商業上の重要な利点として最も一般的に受け入れられており、望ましいのは、保護チェーンカバーが、側面から見たときに外側のチェーンの周囲から突出しないように、できるだけ小さくコンパクトに設計されていることである。保護チェーンカバーは、交換またはサービスのためにチェーンへのアクセスを可能にする必要があり、したがって、通常、自転車の上部から見たときにチェーンのほぼ中心線上で結合する内側および外側の半分で構成されている。2つの保護チェーンの半分の接合部はまた、一般に、水を遮断し、油を保持するように重なるであろう。この重なりには、保護チェーンカバーの壁部分の厚さが本質的に2倍になるという欠点があるため、側面から見たとき、保護チェーンカバーは、チェーンドライブの外周を超えてさらに大きくする必要がある。いくつかの保護チェーンカバーは、乗り手の衣服がチェーンおよびスプロケットに挟まれるのを防止することにのみ焦点を当てているため、駆動スプロケットおよびペダルクランクアセンブリに対するチェーンの領域のみをカバーする。これらのカバーはまた、一般に、単一の外側保護チェーンカバーのみで構成されている。
【0004】
従来の金属製の連結されたローラー形チェーンの代わりに非金属製の歯付きベルトドライブを採用することにより、自転車ローラーチェーンの欠点に対処するために過去50年にわたって多くの試みがあった。歯付きベルトドライブは、自動車のエンジンタイミングアプリケーション、医療分野、および食品加工業界で成功裏に使用されている。歯付きベルトドライブの重要な利点は、いかなる潤滑剤をも必要としないため、乗り手の衣服、皮膚、または居住空間を損なうことがないことである。歯付きベルトドライブの別の利点は、金属製のローラーチェーンよりもノイズが少ないことである。歯付きベルトドライブは、1つの連続した無端ループで作製され、連結がなく、例えば、ナイロン、カーボン、またはアラミドなどの動力を伝達するための高強度繊維が埋め込まれたゴムなどの複数の種類の材料で作製される。これは、歯付きベルトドライブが特定の長さで製造されており、駆動されるベルトスプロケットの結合に適合するときにベルトの張力を調整するための機構が必要であることを意味する。ベルトドライブの柔軟性、重量、および動力伝達能力は、過去10年間で劇的に向上し、歯付きベルトドライブは、現在、自転車に連結されたローラーチェーンの効率に近づくことができるようになり、ペダル動作可能なサイクルがますますベルトドライブに装着されるようになっている。
【0005】
しかしながら、自転車などのペダル動作サイクルの分野に関して、ベルトドライブには、連結されたローラーチェーンと比較した場合にある特定の欠点がある。効率的に動作するために、ベルトドライブは、張力および位置合わせの狭い許容範囲内で動作する必要があり、そのため、すべての自転車フレームは、ベルトがその寿命にわたって摩耗するにつれて、ベルトの張力を調整するための機構を有する必要があり、自転車フレームは、ベルトを信頼できないように作動させたり、寿命を縮めたりする可能性があるねじれに耐えるのに足りるほど頑健である必要がある。調整機構は、よく知られかつ理解されており、通常、いわゆる偏心ボトムブラケット式、またはいわゆる水平スロットリアドロップアウト式である。偏心ボトムブラケット式の調整の顕著な欠点は、フロント駆動スプロケットの軸の位置が垂直方向と前後方向で変化することである。これにより、上下のベルトラインに沿って垂直方向のスペースの制約が存在する場合、位置合わせの問題が発生する可能性がある。ベルト張力を調整するこれらの2つの方法は、最も広く使用されており、張力は、ペダル入力駆動スプロケットの軸とリアホイール従動スプロケットの軸との間の距離を長くしたり短くしたりするだけで変化する。他のあまり一般的ではない種類のベルトドライブ張力調整は、自動車のタイミングベルトアプリケーションに見られるような、よく知られている、いわゆるアイドラープーリーシステムである。一般的に、ベルトの張力は、何百マイルもの使用量にわたって時折調整される。
【0006】
連結されたローラー形チェーンと比較したベルトドライブの別の欠点は、それらの幅が広いことである。これは、ベルトとリアタイヤ、フレーム、ペダルクランクとギア構成要素との間に十分なクリアランスを有し、また、人間工学的かつ効率的で快適なペダルクランク動作のために位置付けられるために、自転車の重大ないわゆる「チェーンライン」を慎重に検討する必要があるという点で、設計者にとって問題となる場合がある。
【0007】
ベルトドライブは、横方向に準拠しておらず、長さが固定されており、効率的に動作するには正確な張力が必要であるため、多段ディレイラーギアシステムには好適ではない。したがって、すべてのベルト駆動ペダルサイクルは、単一のスピードシステムに制限されるか、またはドイツ製のPinion(登録商標)ブランドの自転車変速機など、よく理解されている多段リア内部ハブギアシステムもしくはフロントペダルクランク配置の内部ギアシステムを採用する。これらの内部ギアシステムは、一定の固定されたいわゆる「チェーンライン」で動作する。
【0008】
ベルトドライブが装着された自転車は、リアホイールの取り外し(removal)にはプロセス中にベルト張力の解放および再調整が必要になるので、リア従動ホイールにパンクしたタイヤを固定することに関連した追加の複雑さおよび欠点がある。よく理解されているものの、ベルト張力およびホイール位置合わせを再調整するこのプロセスは複雑で時間がかかる。
【0009】
ベルトドライブも、連結されたローラーチェーンと同じ問題を抱えており、乗り手の衣服がベルトとスプロケットとの間に挟まれる可能性がある。ベルトドライブの人気が高まっている一方で、設計者は、保護ベルトカバーを追加することによってこの重要な欠点に広く対処していない。これの主な理由は、連結されたローラーチェーンと比較してベルトの幅が広いため、連結されたローラーチェーン自転車で使用される従来の設計の変種の保護ベルトドライブカバーが大きくなりすぎてかさばり、商業的に魅力的ではないためである。重なる接合部でカバーを結合する必要があると、カバーのサイズがさらに大きくなり、カバー内に水が閉じ込められるという欠点がある。さらに、結合された密閉カバーは、開放カバーよりも多くのノイズを共振させる可能性がある。さらに、重大なベルト張力を維持および調整するための受け入れられたベストプラクティスは、よく知られている偏心ボトムブラケット調整または水平スロットリアドロップアウト調整によるものであり、それは、フロント駆動ペダルクランクスプロケットの軸およびリア従動ホイールスプロケットの軸からの距離を変化させるので、スプロケットの可能な最大中心距離を考慮し、さらにベルトと保護ベルトカバーの内側との間に適切なクリアランスを提供するために、さらにより大きなクリアランスを保護ベルトカバーに入れて設計しなければならない。これは、従来の保護チェーンカバーよりもさらに大きな保護ベルトカバーをもたらし、視覚的にかさばり、魅力がなく、望ましくないコストが追加され、望ましくない重量が追加されるという、一般に乗り手にとって望ましくないものとして受け入れられる。
【0010】
ベルトドライブ自転車の分野では、これらの自転車の大部分は、フロントホイールおよびリアホイールの回転可能な固定を容易にするフレーム設計を採用しており、そのため、ホイールは通常、2つの固定点、非回転ハブアクセルの両側でフォークフレーム部材を用いて自転車のフレームに取り付けられる。設計者がベルトドライブ自転車に両側取り付けリアホイールを選択する主な理由は、この配置が従来の自転車遊星ハブギアシステムのよく知られた装着を提供し、ベルトドライブが確実に動作するように、リアホイール軸のねじれに耐えるのに十分な剛性を提供するためである。例えば、推奨される最大0.3度のリア軸のねじれは、よく知られているGates(登録商標)ブランドの自転車ベルトドライブで許容される。
【0011】
従来の両側取り付けホイール自転車フレームには、ホイールが自転車に装着されたままでパンクしたタイヤを固定できないという欠点がある。タイヤおよびインナーチューブに効果的にアクセスしたり、タイヤおよびインナーチューブを交換したりするには、ホイールを自転車のフレームから取り外す(detach)必要がある。従来の両側取り付けホイール自転車フレームに関するフロントホイールの取り外しは、よく知られて理解されているいわゆるクイックリリーススキュワーを使用すると比較的簡単で、通常、ユーザーの手にグリースを塗る必要はない。しかしながら、両側取り付けホイール自転車のリアホイールの取り外しは、通常、はるかに複雑、面倒でやっかいな動作であり、リアディレイラーのギアおよびチェーンシステムからの油または汚れでユーザーの手または衣服が汚れるという結果になる。ホイールを取り外すために制動システムを解放し、ホイールをフレームに再装着した後に安全に再調整することを保証するという追加の複雑さがある。リアホイール自転車遊星スタイルの多段ギアハブを採用する従来の両側取り付けホイール自転車フレームでは、通常、いわゆる「水平リアドロップアウト」または偏心ボトムブラケット調整配置を用いてチェーンまたはベルトの張力をユーザーが調整する必要があるという追加の複雑さがある。
【0012】
リアホイールフレームの三角形に対して従来のダイアモンドフレーム配置を有し、ローラーリンクチェーンの代わりにベルトドライブシステムで動作するように設計される両側取り付けホイールフレーム設計に関して、リアホイール用のフレームは、ローラーリンクチェーンのように分離できないベルトをフロントペダルクランクアセンブリおよびリアホイールスプロケットから取り外して装着するために、後三角の領域で分離または分割できる能力が必要である。
【0013】
両側取り付けホイールフレーム設計のさらなる不利な点は、折り畳まれたときにフロントホイールおよびリアホイールを同軸構成に位置決めする折り畳みヒンジ機構を有する折り畳み式自転車に装着された場合に明らかである。両側取り付けホイールフレームは、この折り畳まれたホイール軸を横切る折り畳まれた自転車の幅を広げ、折り畳まれた自転車のパッケージエンベロープをより大きくし、よりかさばらせるので、望ましくない。
【0014】
ベルトドライブ自転車および片側取り付けホイールの利点を組み合わせるためにいくつかの試みがなされてきた。よく知られている例は、Strida(登録商標)折り畳み自転車である。一部のStrida(登録商標)自転車モデルには、ペダルクランクアセンブリ軸と同軸に取り付けられた多段遊星ギアリングシステムがあるが、これらモデルの構成はほとんどすべて単一のスピードであり、リアホイールと同軸に取り付けられた多段遊星ギアリングシステムはない。ペダルクランクアセンブリ軸と同軸に取り付けられた多段遊星ギアリングシステムの欠点は、コストが高く、重量が大きいことであり、Pinion(登録商標)ギアシステムを除いて、ギアリングが2つまたは3つのギアに制限され、合計ギア比は通常200%未満に制限される。Strida(登録商標)自転車は、ベルトの張力を調整するために、よく知られて理解されている偏心ボトムブラケットの配置を特徴としている。Strida(登録商標)のリアフレーム構成は、非片持ち三角形配置であり、本質的には、従来のダイアモンドチューブ自転車フレームの従来の後三角の片側である。この構成では、リアホイールアセンブリを垂直方向および縦方向に効率的な位置決めを提供するが、Strida(登録商標)による非片持ちリアフレーム構成は、ねじり剛性および横方向の剛性が非常に低いという欠点がある。これは、Strida(登録商標)による後三角フレーム構造チューブ部材の断面積が比較的小さいためである。
【発明の概要】
【0015】
一態様によれば、動力入力スプロケットおよび従動スプロケットに結合された片持ちフレーム部材と、動力入力スプロケットを従動スプロケットに接続するベルトドライブと、多段ギアハブに解放可能に結合された側面取り付けリアホイールであって、多段ギアハブが側面取り付けリアホイールと同軸であり、多段ギアハブが従動スプロケットに結合されている、側面取り付けリアホイールと、
従動スプロケットを片持ちフレーム部材に結合する張力調整機構であって、張力調整機構は、片持ちフレーム部材の少なくとも一部に沿って摺動可能に移動可能であり、それにより、ベルトドライブの張力を調整し、第1の部材および第2の部材を備え、第1および第2の部材は、片持ちフレーム部材の両側に配置され、片持ちフレーム部材にクランプされる、張力調整機構と、を備えるペダル駆動サイクルが存在する。
【0016】
ベルトドライブシステム、リアホイール軸と同軸に取り付けられた多段遊星ハブギア、および片側取り付けホイールの利点を組み合わせるというこの問題に対する新規で独創的な解決策は、ベルト張力を調整し、ねじれおよび横方向の剛性を最大化するための構造的に最適な形状を有する新しく新規な手段、および片側取り付けリアホイールに対してリアホイール軸と同軸の多段自転車遊星ハブギアを取り付けるための手段を有するリア片側片持ちフレーム部材を採用する独特な自転車設計にある。
【0017】
「側面取り付け」という語句は、片側においてのみのように、片側に取り付けられることを意味することを意図する。
【0018】
リア片側片持ちフレーム部材の革新的な新しい設計は、乗り手をベルトとスプロケットとの間に衣服または身体部分が挟まれることから保護するために、上下のベルトラインに極めて接近して実質的に従った形状を採用している。本発明の独特な特徴は、ペダルクランクアセンブリ、上下のベルトライン、およびリアホイールアセンブリが交差する垂直平面をリア片側片持ちフレーム部材が通過するときに、上記の部品間の最小ギャップクリアランスをまだ維持しながら最適な剛性と強度特性を生み出すために、リア片側片持ちフレーム部材の断面形状を最大化(すなわち、それの最も大きい状態)することである。
【0019】
本発明は、自転車のフレームからホイールを取り外す必要なしにパンクしたタイヤを固定するための容易なアクセスを提供するホイールおよびタイヤへの自由なアクセスを可能にし、ベルト張力を解放および再調整し、リア駆動ホイールを再位置合わせするための必要をなくす。本発明はまた、ベルト張力に影響を与えるか、または再調整する必要なしにリアホイールを取り外すことを可能にする。本発明はまた、フレームが分離可能なリンクまたはジョイント機能を有するという必要なしにベルトを装着または交換することを可能にする。
【0020】
本発明の好ましい実施形態は、好ましくはよく知られて理解された複合繊維樹脂成形プロセスを使用して構成される同様の材料タイプのモノリシック構造を有する前方フレーム部材の部分と均一なリア片側片持ちフレーム部材を備える。同様に、本発明は、よく知られて理解されているアルミニウムハイドロフォーミングおよび溶接プロセスなどの方法を使用して構成される、あるいは通常2つの半体で垂直に構成され、ボルトもしくは他の留め具を使用して一緒に接続されるか、またはシーム溶接される、同様の材料タイプによるモノリシック構造を有することができる。構成方法は、よく知られて理解されている金属注入またはダイカストプロセス、あるいは金属成形またはプレスプロセスであり得る。本発明は、リアディスク制動システムおよびリアホイール軸と同軸に取り付けられた多段遊星ハブギアを回転可能に取り付けるための手段を十分なクリアランスで収容するために、独特なモノリシック片持ちスポーク設計を有する片側取り付けホイールを含んで示される。
【0021】
本発明は、ベルトの張力を調整するための新規な手段を採用し、理想的には、ベルト張力を設定するための調整ねじの配置と、トルクアームハウジング固定ボルトによってリア片側片持ちフレーム部材にしっかりと保持されるトルクアームおよびリアハブギア主軸受ハウジングのクランプ配置とを備える。
【0022】
本発明の代替の実施形態は、ユーザーの衣服または身体部分がベルトとスプロケットとの間に挟まれないように保護するために、十分なクリアランスを提供しつつ、上下のベルトラインに実質的に従い、フロントおよびリアスプロケットの前後方向に延在した形状を有するスロット付きリア片側片持ちフレーム部材を備える。スロット付きリア片側片持ちフレーム部材が、ペダルクランクアセンブリ、上下のベルトライン、およびリアホイールアセンブリが交差する垂直面を通過するときのスロット付きリア片側片持ちフレーム部材の断面形状は、ベルトとスプロケットとの間での衣服または身体部分の挟み込みからの保護のレベルを高めるために、ベルトの重なりをさらに向上するための変種を含み得る。
【0023】
本発明のさらなる代替の実施形態は、フロントフレーム部材に枢動可能に取り付けられ、リアホイールのサスペンションを提供し、乗り手により高いレベルの快適さを提供するためにばね部材で制御されるリア片側片持ちリアフレーム部材を備える。
【0024】
本発明のさらなる実施形態は、よく知られて理解されている折り畳みヒンジアセンブリを用いて前方のフレーム部材に接続され、容易な保管および輸送のために本発明をよりコンパクトなサイズに折り畳みできるリア片側片持ちリアフレーム部材を提供し、上記の折り畳みヒンジアセンブリは、本発明を折り畳んだ後、フロントホイールアセンブリ軸およびリアホイールアセンブリ軸が実質的に同軸に位置決めされるように位置決めされる。
【0025】
本発明のさらなる実施形態は、トルクおよび動力をリア片側片持ちリアフレーム部材からペダルクランクアセンブリに伝達することができる、よく知られて理解されている電気機械の変種のペダルクランクモータアセンブリを有するリア片側片持ちリアフレーム部材を備える。
【0026】
本発明のさらに別の実施形態は、フロントホイールアセンブリと同軸に取り付けられたフロントモータアセンブリを備える。上記のフロントモータアセンブリは、片側取り付けフロントホイールアセンブリに適合された独特で新規な装着配置を有する遊星減速ギアシステムを採用する、よく知られて理解されている電気機械の変種である。
【0027】
片持ちフレーム部材の少なくとも一部が、ペダル駆動サイクルの前後の中心線からオフセットされ得る。
【0028】
ペダル駆動サイクルは、リアホイールとベルトドライブとの間に多段ギアハブを保持する片持ちフレーム部材に結合されたギアハブハウジングをさらに備え得、そのため、ベルトドライブは、側面取り付けリアホイールを取り外さずに取り外し可能であり、側面取り付けリアホイールはベルトドライブを取り外さず、または調整せずに取り外し可能である。
【0029】
多段ギアハブは、1つ以上の軸受によってギアハブハウジング内に保持され得る。
【0030】
多段ギアハブは、遊星ギアハブであってもよい。
【0031】
ペダル駆動サイクルは、多段ギアハブから片持ちフレーム部材にトルクを伝達するためのトルクアームをさらに備え得る。
【0032】
張力調整機構は、1つ以上の調整ねじによって調整することができる。
【0033】
第1の部材は、調整ねじを備え得る。
【0034】
追加的または代替的に、第2の部材は調整ねじを備え得る。
【0035】
第2の部材はトルクアームであってもよい。
【0036】
片持ちフレーム部材は、張力調整機構を受け入れるためのスロットを備え得る。
【0037】
ペダルサイクルは、偏心ボトムブラケット張力調整システムをさらに備え得る。
【0038】
片持ちフレーム部材は、側面取り付けリアホイールのタイヤの周りで湾曲するように成形することができる。
【0039】
片持ちフレーム部材の主要な構造的荷重経路は、ベルトドライブが交差する平面内にあってもよい。
【0040】
片持ちフレーム部材の断面積は、ベルトドライブが交差する平面で最大化(すなわち最も大きい状態)することができる。
【0041】
ペダル駆動サイクルの前後中心線に垂直な平面における片持ちフレーム部材の断面積は、側面取り付けリアホイールとのクリアランスが最小になる点で最大化(すなわち最も大きい状態)することができる。
【0042】
側面取り付けリアホイールのタイヤと片持ちフレーム部材との間のクリアランスは、2mm~15mmであり得る。
【0043】
片持ちフレーム部材とペダル駆動サイクルのペダルクランクアセンブリとの間のクリアランスは、2mm~15mmであり得る。
【0044】
片持ちフレーム部材は、その移動長の少なくとも一部に沿ったベルトドライブの側面プロファイルと実質的に一致する側面プロファイルを有し得る。
【0045】
片持ちフレーム部材とベルトドライブとの間のクリアランスは、ベルトドライブの移動長の少なくとも大部分に沿って0.5mm~12mmであり得る。
【0046】
片持ちフレーム部材は、側面取り付けリアホイールの軸に垂直な平面に突出するリップを備え得、リップは、ベルトドライブの第1の側縁に隣接する。
【0047】
ペダル駆動サイクルは、側面取り付けリアホイールの軸に垂直な平面に突出する第2のリップをさらに備え得、第2のリップは、ベルトドライブの第2の側縁に隣接し得る。
【0048】
片持ちフレーム部材は、ペダル駆動サイクルの前方フレーム部材に枢動可能に結合することができる。
【0049】
ペダル駆動サイクルは、リアホイールのサスペンションを提供する、片持ちフレーム部材および前方フレーム部材に接続されたばね部材をさらに備え得る。
【0050】
ギアハブは、ブレーキローターを受け入れるように配置することができる。
【0051】
側面取り付けリアホイールは、片持ちスポークを備えていてもよい。片持ちスポークは、モノリシック材料で形成されてもよい。追加的または代替的に、スポークは、側面取り付けリアホイールのリムがペダル駆動サイクルの中心線と整列し、側面取り付けリアホイールのハブがペダル駆動サイクルの中心線からオフセットされるように湾曲され得る。スポークは非三角形スポークであってもよい。
【0052】
ペダル駆動サイクルは、トルクをペダルクランクアセンブリに伝達することができるモータをさらに備え得る。
【0053】
ペダル駆動サイクルは、ホイールと同軸に取り付けられたモータをさらに備え得る。モータはフロントホイールと同軸に取り付けられてもよい。
【0054】
ペダル駆動サイクルは、ペダル駆動サイクルを折り畳むためのヒンジをさらに備え得る。
【0055】
ベルトドライブは、非金属ベルトドライブであってもよい。
【0056】
単一の駆動スプロケットしかない場合、および/または単一の従動スプロケットしかない場合がある。ベルトドライブは、駆動スプロケットおよび従動スプロケットを回すだけでよい。これは、ジョッキーホイールまたはローラー/回転可能なテンション装置がない場合があることを意味する。
【0057】
ここで、添付の図面を参照して本発明の例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】側面取り付けホイールを備えたベルトドライブ自転車の側面図である。
図2図1のベルト駆動自転車の側面取り付けベルトドライブリアホイールフレームシステムの斜視図を示す。
図3】側面取り付けベルトドライブリアホイールフレームシステムの上面断面図を示す。
図4】側面取り付けベルトドライブリアホイールフレームシステムの側面図を示す。
図5】スロット付きリア片側片持ちフレーム部材を備えた側面取り付けベルトドライブリアホイールフレームシステムの代替実施形態の斜視図を示す。
図6】スロット付きリア片側片持ちフレーム部材を備えた側面取り付けベルトドライブリアホイールフレームシステムの代替実施形態の上面断面図を示す。
図7】スロット付きリア片側片持ちフレーム部材を備えた側面取り付けベルトドライブリアホイールフレームシステムの代替実施形態の側面図を示す。
図8】リアタイヤとスロット付きリア片側片持ちフレーム部材との間の最小クリアランスの点を通して取られた垂直正面断面図を示す。
図9】リアタイヤとスロット付きリア片側片持ちフレーム部材との間の最小クリアランスの点を通して取られた別の代替実施形態の垂直前部断面図を示す。
図10】旋回式リア片側片持ちフレーム部材を備えた側面取り付けベルトドライブリアホイールフレームシステムのさらなる代替実施形態の斜視図を示す。
図11】リア片側片持ちフレーム部材を備えた折り畳み自転車の一実施形態の斜視図を示す。
図12図11の実施形態の側面図を示す。
図13】折り畳んだ状態の図11の実施形態の斜視図を示す。
図14】ペダルクランクモータアセンブリが装着された側面取り付けベルトドライブリアホイールフレームシステムを備えた自転車の一実施形態の斜視図を示す。
図15図14に示す実施形態のペダルクランクアセンブリおよびペダルクランクモータの斜視図を示す。
図16図14のペダルクランクアセンブリ軸およびペダルクランクモータアセンブリのペダルクランクモータ軸を通して取られた垂直正面断面図を示す。
図17】フロントフォークアセンブリおよびフロントモータアセンブリが装着された側面取り付けホイールを備えたベルト駆動自転車のさらなる実施形態の右側斜視図である。
図18図17のフロントモータアセンブリの垂直断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、側面取り付けベルトドライブリアホイールフレームシステム96を備えた側面取り付けホイールを備えたベルト駆動自転車1を備える第1の実施形態を示す。
【0060】
図2の斜視図に示されるように、図示の実施形態は、ベルト3と係合するためのフロントスプロケット5を有し、リア片側片持ちフレーム部材2に回転可能に取り付けられるペダルクランクアセンブリ4を備える。リア片側片持ちフレーム部材2は、トルクアーム9と、トルクアームハウジング固定ボルト12によってしっかりとクランプされたリアリアハブギア主軸受ハウジング10とを受け入れるように形成されている。トルクアーム9は、ハブギアトルク留め具16によってトルクアーム9に固定される多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15を受け入れるように形成され、そのため、リアスプロケット6の回転入力から生じ、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15およびリア片側取り付けホイールアセンブリ7を介して反応されるトルクが多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15からトルクアーム9に伝達される。リアハブギア主軸受ハウジング10は、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15の回転可能な取り付けを可能にするように形成されている。リア片側取り付けホイールアセンブリ7が、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15に片側で取り付けられている。多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15は、リア片側取り付けホイールアセンブリ7の制動を提供するために、リアディスクブレーキキャリパー14と係合するリアディスクローター13を受け入れるように形成されている。
【0061】
図3に示すように、トルクアーム9は、調整中にベルト3に張力をかけるために、ベルト張力調整ボルト11用の固定具を有する。ベルト張力調整ボルト11を回すと、リアハブギア主軸受ハウジング10およびトルクアーム9は、リア片側片持ちフレーム部材2に対して移動され、リアホイール回転軸19とペダルクランクアセンブリ回転軸20との間の距離が変化し、それによりベルト3の張力に影響を与える。ベルト3の張力を調整した後、トルクアーム9およびリアハブギア主軸受ハウジング10は、トルクアームハウジング固定ボルト12を用いて、リア片側片持ちフレーム部材2にしっかりとクランプすることができる。リアハブギア主軸受ハウジング10は、リアホイール回転軸19を中心にした、リアハブギア主軸受ハウジング10に相対的な多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15の回転を可能にするために、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15にインターフェースで連結する多段自転車遊星ハブギアアセンブリ主軸受18を受け入れるように形成される。多段自転車遊星ハブギアアセンブリ主軸受18の配置は、1つのみの軸受または複数の軸受を備えることができ、深溝ボール、針、またはアンギュラ玉の変種であり得る。多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15は、リア片側取り付けホイールアセンブリ7をリアホイールアセンブリ留め具17でしっかりと取り付けるために形成され、そのため、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15からのトルクが、リアディスクローター13またはハブギアトルク留め具16のいずれかによって、リア片側取り付けホイールアセンブリ7に伝達され、リア片側取り付けホイールアセンブリ7が多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15から緩むという結果にはならない。多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15へのリア片側取り付けホイールアセンブリ7の取り付けの配置はまた、ねじ切りまたはスプラインの変種であってもよく、あるいは、プラスチック射出オーバーモールド、または、リア片側取り付けホイールアセンブリ7の多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15への融合もしくは結合などによって均一な連続部品としてピン留めまたは成形してもよい。リア片側取り付けホイールアセンブリ7は、リアハブギア主軸受ハウジング10およびリアディスクローター13のためのスペースを容易にするために、実質的に片持ち配置に成形された片持ちホイールスポーク91を有する。リアハブギア主軸受ハウジング10およびトルクアーム9の構造の性質は、金属または複合成形であってよく、インベストメント鋳造または鋳造であってよく、あるいはCNC機械加工であってもよい。リア片側片持ちフレーム部材2は、ペダルクランクアセンブリ回転軸20から後方に延在し、リア片側取り付けホイールアセンブリ7とペダルクランクアセンブリ4との間の自転車中心線97の片側に通過するように成形されており、そのようにして、リア片側片持ちフレーム部材2の構造的剛性を最大化するために、リア片側取り付けホイールアセンブリ7のタイヤとリア片側片持ちフレーム部材2との間、およびリア片側片持ちフレーム部材2とペダルクランクアセンブリ4との間の最小クリアランスが守られる。リア片側取り付けホイールアセンブリ7のタイヤとリア片側片持ちフレーム部材2との間、およびリア片側片持ちフレーム部材2とペダルクランクアセンブリ4との間の最小クリアランスは2~15mmである。リア片側片持ちフレーム部材2はまた、ベルト3の張力を調整するために、トルクアーム9およびリアハブギア主軸受ハウジング10が1つのユニットとして一体的かつしっかりと接着または均一に接合され、ペダルクランクアセンブリ4の装着のためのよく知られて理解されている偏心ボトムブラケットを受け入れることができるように形成され得る。
【0062】
図4は、ベルト3と係合するためのフロントスプロケット5を有し、リア片側片持ちフレーム部材2に回転可能に取り付けられるペダルクランクアセンブリ4を備えた図示の実施形態の右側面図を示す。リア片側片持ちフレーム部材2の形状は、ベルト3の周囲内に含まれるように見え、主要な構造的荷重経路は、上部ベルト経路と下部ベルト経路との間を通過している。片持ちフレーム部材2は、ベルト3の上下の経路が交差する平面において片持ちフレーム部材2の断面積を最大化するために、ベルト3の一部についてベルト3のプロファイルと実質的に一致するプロファイルで成形されている。
【0063】
リア片側片持ちフレーム部材2がトルクアーム9に適合するときのリア片側片持ちフレーム部材2の形状の性質は、トルクアーム9にほぼ平行で、自転車の中心線97にほぼ平行であるように見え、そのため、トルクアームハウジング固定ボルト12が緩められると、ベルト3の張力を変化させるために、リアスプロケット6とフロントスプロケット5との間の距離を変更するように、トルクアーム9は、リア片側片持ちフレーム部材2に対してスライドすることができる。リアディスクブレーキキャリパー14をリアハブギア主軸受ハウジング10にしっかりと取り付けるための特徴を有するリアハブギア主軸受ハウジング10が示されている。
【0064】
図5は、代替の実施形態の斜視図である。代替の実施形態は、ベルト3と係合するためのフロントスプロケット5を有し、スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24に回転可能に取り付けられるペダルクランクアセンブリ4を有する。スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24は、スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24にスロット付きベルト張力留め具25によってしっかりとクランプされるスロット付きトルクアーム22およびスロット付きリアハブギア主軸受ハウジング23を受け入れるように形成される。スロット付きトルクアーム22は、ハブギアトルク留め具16によってスロット付きトルクアーム22に固定されている多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15を受け入れるように形成され、そのため、リアスプロケット6の回転入力から生じ、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15およびリア片側取り付けホイールアセンブリ7を介して反応されるトルクが、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15からスロット付きトルクアーム22に伝達される。スロット付きリアハブギア主軸受ハウジング23は、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15の回転可能な取り付けを可能にするように形成されている。リア片側取り付けホイールアセンブリ7が、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15に片側で取り付けられている。多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15は、リア片側取り付けホイールアセンブリ7の制動を提供するために、リアディスクブレーキキャリパー14と係合するリアディスクローター13を受け入れるように形成されている。
【0065】
図6に示すように、スロット付きトルクアーム22は、調整中にベルト3に張力をかけるために、ベルト張力調整ボルト11のための固定具を有する。スロット付きベルト張力留め具25を緩めた後、スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24に対して、ベルト張力調整スロット26を介して、スロット付きトルクアーム22およびスロット付きリアハブギア主軸受ハウジング23を動かすために、ベルト張力調整ボルト11を回して、リアホイール回転軸19とペダルクランクアセンブリ回転軸20との間の距離を変更することができ、それによりベルト3の張力に影響を与えることができる。ベルト3の張力を調整した後、スロット付きトルクアーム22およびスロット付きリアハブギア主軸受ハウジング23は、スロット付きベルト張力留め具25を締めることにより、スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24にしっかりとクランプすることができる。スロット付きリアハブギア主軸受ハウジング23は、リアホイール回転軸19を中心にした、スロット付きリアハブギア主軸受ハウジング23に相対的な多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15の回転を可能にするために、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15にインターフェースで連結する多段自転車遊星ハブギアアセンブリ主軸受18を受け入れるように形成される。多段自転車遊星ハブギアアセンブリ主軸受18の配置は、1つだけの軸受18または複数の軸受18を備えることができ、深溝ボール、針、またはアンギュラ玉の変種であってもよい。多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15は、リア片側取り付けホイールアセンブリ7をリアホイールアセンブリ留め具17でしっかりと取り付けるために形成され、そのため、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15からのトルクが、リアディスクローター13またはハブギアトルク留め具16のいずれかによって、リア片側取り付けホイールアセンブリ7に伝達され、リア片側取り付けホイールアセンブリ7が多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15から緩む結果にはならない。リア片側取り付けホイールアセンブリ7の多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15への取り付けの配置はまた、ねじ込みまたはスプライン式の変種であってもよく、あるいは、プラスチック射出オーバーモールド、または、リア片側取り付けホイールアセンブリ7の多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15への融合もしくは結合などによって均一な連続部品としてピン留めまたは成形してもよい。リア片側取り付けホイールアセンブリ7は、スロット付きリアハブギア主軸受ハウジング23およびリアディスクローター13のためのスペースを容易にするために、実質的に片持ち配置に成形された片持ちホイールスポーク91を有する。スロット付きトルクアーム22およびスロット付きリアハブギア主軸受ハウジング23の構造の性質は、金属または複合成形であってよく、インベストメント鋳造または鋳造であってもよく、あるいはCNC機械加工であってもよい。スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24は、ペダルクランクアセンブリ回転軸20から後方に延在し、リア片側取り付けホイールアセンブリ7とペダルクランクアセンブリ4との間の自転車中心線97の片側に通過するように成形されており、そのようにして、スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24の構造的剛性を最大化するために、リア片側取り付けホイールアセンブリ7のタイヤとスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24との間、およびスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24とペダルクランクアセンブリ4との間の最小クリアランスが守られる。リア片側取り付けホイールアセンブリ7のタイヤと後部片側片持ちフレーム部材2との間、および後部片側片持ちフレーム部材2とペダルクランクアセンブリ4との間の最小クリアランスは2~15mmである。
【0066】
図7は、代替の実施形態の右側面図を示している。スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24の形状は、ベルト3の周囲内に含まれ、主要な構造的荷重経路が上経路と下ベルト経路との間にあるように見える。片持ちフレーム部材24は、乗り手の衣服または身体部分が、ベルト3とスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24との間、ベルト3とフロントスプロケット5との間、およびベルト3とリアスプロケット6との間に挟まれるリスクを低減するために、最小のベルトクリアランスギャップ29でベルト3に厳密に従った形状を有する。この形状はまた、ベルト3の上下の経路が交差する平面において片持ちフレーム部材24の断面積を最大化する。ベルトクリアランスギャップ29のサイズは、0.5~12mmの範囲であり得る。スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24の形状はまた、乗り手の衣類または身体部分が、スロット付き片側片持ちフレーム部材24とフロントスプロケット5との間、およびスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24とリアスプロケット6との間に挟まれるのを防ぐために、フロントスプロケット5の形状およびリアスプロケット6の形状に厳密に従うことも可能である。スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24がスロット付きトルクアーム22に適合するときのインターフェースの性質は、自転車の中心線97にほぼ平行であり、そのため、スロット付きベルト張力25が緩められると、ベルト3の張力を変化させるために、スロット付きトルクアーム22は、リアスプロケット6とフロントスプロケット5との間の距離を変更するように、スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24に対してスライドすることができる。リアディスクブレーキキャリパー14をリアハブギア主軸受ハウジング10にしっかりと取り付けるための特徴を有するリアハブギア主軸受ハウジング10が示されている。
【0067】
図8は、リア片側取り付けホイールアセンブリ7のタイヤとスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24との間の最小クリアランスの点を通して取られた垂直正面断面図を示している。スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24の形状は、ペダルクランクアセンブリ4とスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24との間、リア片側取り付けホイールアセンブリ7のタイヤとスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24との間、上ベルト30とスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24との間、および、下ベルト31とスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24との間で最小クリアランスとなるように、最大化される。ベルトクリアランスギャップ29は、0.5~12mmであり得る。スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24の形状は、上ベルト30、下ベルト31、ペダルクランクアセンブリ4およびリア片側取り付けホイールアセンブリ7の制約内で高度の回転剛性を提供するように最適化されている。
【0068】
図9は、リア片側取り付けホイールアセンブリ7のタイヤとスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24との間の最小クリアランスの点を通して取られた、スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24のさらなる代替実施形態の垂直正面断面図を示す。スロット付きリア片側片持ちフレーム部材24の形状は、乗り手の衣服または身体部分が、上ベルト30とスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24との間、および下ベルト31とスロット付きリア片側片持ちフレーム部材24との間に挟まれることからの保護を提供するために、上ベルト30および下ベルト31と部分的に重なるように形成される。片持ちフレーム部材のスロット形状は、側面取り付けリアホイールの軸に垂直な平面に突出するリップ(このリップはベルトドライブの第1の側縁に隣接している)と、側面取り付けリアホイールの軸に垂直な平面に突出しており、ベルトドライブの第2の側縁に隣接している第2のリップとによって与えられる。
【0069】
図10は、ベルト3と係合するためのフロントスプロケット5を有し、旋回式リア片側片持ちフレーム部材32に回転可能に取り付けられるペダルクランクアセンブリ4を備えた別の代替の実施形態である。旋回式リア片側片持ちフレーム部材32は、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15の回転可能な取り付けを可能にするように形成されたスロット付きリアハブギア主軸受ハウジング23を受け入れるように形成されている。リア片側取り付けホイールアセンブリ7が、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15に片側で取り付けられている。多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15は、リア片側取り付けホイールアセンブリ7の制動を提供するために、リアディスクブレーキキャリパー14と係合するためのリアディスクローター13を受け入れるように形成されている。旋回式リア片側片持ちフレーム部材32は、サスペンションフロントフレーム34に対する旋回式リア片側片持ちフレーム部材32の動きを制御するために、ブッシングまたは軸受を介してショックアブソーバ33を用いて、サスペンションフロントフレーム34に枢動可能に取り付けられる。この代替の実施形態の目的は、乗り手からのサスペンションおよびより高度な快適さを提供することである。
【0070】
図11は、ベルト3と係合するためのフロントスプロケット5を有し、折り畳みリア片側片持ちフレーム部材35に回転可能に取り付けられるペダルクランクアセンブリ4を備えるさらなる代替の実施形態である。折り畳みリア片側片持ちフレーム部材35は、トルクアームハウジング固定ボルト12によってしっかりとクランプされたトルクアーム9およびリアハブギア主軸受ハウジング10を受け入れるように形成されている。トルクアーム9は、ハブギアトルク留め具16によってトルクアーム9に固定される多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15を受け入れるように形成され、そのため、リアスプロケット6の回転入力から生じ、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15およびリア片側取り付けホイールアセンブリ7のギアリングを介して反応されるトルクが多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15からトルクアーム9に伝達される。リアハブギア主軸受ハウジング10は、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15の回転可能な取り付けを可能にするように形成されている。リア片側取り付けホイールアセンブリ7が、多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15に片側で取り付けられている。多段自転車遊星ハブギアアセンブリ15は、リア片側取り付けホイールアセンブリ7の制動を提供するために、リアディスクブレーキキャリパー14と係合するためのリアディスクローター13を受け入れるように形成されている。折り畳みリア片側片持ちフレーム部材35は、折り畳みラッチアセンブリ37を備えた折り畳みフロントフレーム36を受け入れるように形成されている。折り畳みリア片側片持ちフレーム部材35は、シートポスト8を受け入れるように形成されている。
【0071】
図12は、図11に示されるさらなる代替実施形態の側面図であり、リアホイール位置92とフロントホイール位置93との間の中央に位置し、垂直折り畳みヒンジ軸94を有する折り畳みラッチアセンブリ37の一般的な位置を示す。
【0072】
図13は、図11に示されるさらなる代替の実施形態の斜視側面図であり、折り畳まれた構成の実施形態を示す。折り畳みラッチアセンブリ37は、折り畳みリア片側片持ちフレーム部材35に対して折り畳みフロントフレーム36が垂直折り畳みヒンジ軸94を中心にして回転され、リア片側取り付けホイールアセンブリ7およびフロント片側取り付けホイールアセンブリ64が、リアホイール回転軸19と同軸で並んで配置される結果になるように開いた構成で示されている。
【0073】
図14は、よく知られて理解されている電気機械および遊星ギアおよびベルト比の低減の変種であり得るペダルクランクモータアセンブリ40が装着されたモータリア片側片持ちフレーム部材39を備えるさらなる代替実施形態の左側斜視図である。ペダルクランクモータアセンブリ40の好ましい実施形態を図15および16に示すが、ペダルクランクモータアセンブリ40の性質およびペダルクランクモータアセンブリ40のモータリア片側片持ちフレーム部材39への装着の性質は、よく知られて理解されている自転車ペダルクランク電気モータ駆動システムの変種であり得る。
【0074】
図15は、ペダルクランクモータアセンブリ40の右側面図であり、これは、ペダルクランクモータ遊星キャリアシャフト出力軸受50およびペダルクランクモータ遊星キャリアシャフトエンド軸受51によって回転可能に支持されるペダルクランクモータ遊星キャリア53でペダルクランクモータ遊星変速機リングギアハウジング49に接続されるペダルクランクモータアウターハウジング48を備える。モータベルト45は、ペダルクランクモータ軸41を中心にして回転可能であり、モータベルトアイドラープーリーアセンブリ46によって制御される適切な張力でモータベルト出力スプロケット47に接続されている。モータベルト出力スプロケット47は、ボトムブラケットスピンドル42がモータベルト出力スプロケット47に対して一方向にのみ自由かつ独立して回転できるように、よく知られて理解されている一方向スプラグタイプのクラッチ軸受の変種であり得るボトムブラケット一方向クラッチ44によってボトムブラケットスピンドル42に接続されている。ボトムブラケットスピンドル42は、ペダルクランクアセンブリ回転軸20を中心にして回転可能であり、モータベルト出力スプロケット47のいずれかの側にあるボトムブラケット軸受43によって支持されている。
【0075】
図16は、ペダルクランクアセンブリ回転軸20およびペダルクランクモータ軸41を通して取られたペダルクランクモータアセンブリ40の垂直断面正面図である。モータ後部片持ちフレーム部材39は、ペダルクランクモータステータ59およびペダルクランクモータピニオンアウター軸受62を備えるペダルクランクモータアウターハウジング48を受け入れるように形成されている。ペダルクランクモータマグネットロータリー60は、ペダルクランクモータピニオン58に装着され、ペダルクランクモータ遊星ギア54とインターフェースで連結するために、フロントモータアセンブリ63およびペダルクランクモータピニオンインナー軸受61によって回転可能に支持される。ペダルクランクモータ遊星ギア54は、ペダルクランクモータ遊星シャフト55によってペダルクランクモータ遊星キャリア53に接続され、ペダルクランクモータ遊星変速機リングギアハウジング49とインターフェースで連結する。上記の部品のインターフェース配置は、よく知られて理解されている遊星ギア減速の変種である。ペダルクランクモータ遊星キャリア53は、ペダルクランクモータ遊星変速機リングギアハウジング49に固定されているペダルクランクモータ遊星キャリアシャフト入力軸受57を介して、ペダルクランクモータピニオンインナー軸受61によって、および、ペダルクランクモータ遊星キャリアシャフト出力軸受50とペダルクランクモータ遊星キャリアシャフトエンド軸受51によって回転可能に支持されている。ペダルクランクモータ軸41を中心にしたペダルクランクモータピニオン58からの回転入力は、ペダルクランクモータ遊星キャリア53の2と10~1との間の回転速度の減速をもたらす。ペダルクランクモータ遊星キャリア53は、それにモータベルト45とインターフェースで連結するペダルクランクモータベルト入力スプロケット52を取り付け、モータベルト45は、2と10~1との間のさらなるいわゆるギア減速の第2段階を提供するモータベルト出力スプロケット47に順番に接続される。いわゆるギア減速の第2段階も、遊星ギア減速の変種であり得る。モータベルト出力スプロケット47は、ボトムブラケットスピンドル42がモータベルト出力スプロケット47に対して一方向にのみ自由かつ独立して回転できるように、よく知られて理解されている一方向スプラグタイプのクラッチ軸受の変種であり得るボトムブラケット一方向クラッチ44によってボトムブラケットスピンドル42に接続されている。ボトムブラケットスピンドル42は、ペダルクランクアセンブリ回転軸20を中心にして回転可能であり、モータベルト出力スプロケット47のいずれかの側にあるボトムブラケット軸受43によって支持されている。モータリア片側片持ちフレーム部材39は、ボトムブラケット軸受43を受け入れるように形成されている。
【0076】
図17は、フロントフォークアセンブリ67およびフロントモータアセンブリ63が装着された側面取り付けホイール1を有するベルト駆動自転車を備えたさらなる代替実施形態の右側斜視図である。フロントモータアセンブリ63は、遊星減速ギアシステムを採用する、よく知られて理解されている電気機械の変種であり得、片側取り付けフロントホイールアセンブリを支持するように適合された独特で新しい装着配置を有する。
【0077】
図18は、フロントモータアセンブリ63の垂直断面正面図であり、これは、フロントモータハウジング68を受け入れることができるフロントフォークアセンブリ67に接着剤、圧入、ねじまたはボルトタイプの留め具によって取り付けられたフロントモータ遊星変速機入力フランジ82を備える。フロントモータハウジング68は、フロントモータステータ69と、フロントモータマグネットロータリー70にしっかりと取り付けられたフロントモータピニオン71を回転可能に支持するフロントモータピニオンインナー軸受72とを収容するように形成されている。フロントモータピニオン71は、フロントモータピニオンアウター軸受73によって回転可能に支持され、このフロントモータピニオンアウター軸受73は、フロントモータ遊星変速機入力フランジ82内に収容されたフロントモータ遊星キャリアインナー軸受86に回転可能に取り付けられたフロントモータ遊星キャリア84に接続される。フロントモータ遊星キャリア84は、フロントモータピニオン71およびフロントモータ遊星変速機リングギア83と噛み合うべく、フロントモータ遊星ギアシャフト88およびフロントモータ遊星ギア85をよく知られて理解されている遊星ギア配置で支持し、そのため、フロントモータ遊星キャリア84の出力回転速度は、フロントモータピニオン71の入力回転速度に対して2~10の係数で減速される。フロントモータ遊星キャリア84は、フロントモータ遊星変速機リングギア83内に収容されているフロントモータ遊星キャリアアウター軸受87によってさらに回転可能に支持されている。フロントモータ遊星キャリア84は、よく知られて理解されている一方向スプラグタイプのクラッチであり得るフロントモータ一方向クラッチ89によってフロントホイールハブアウター77に回転可能に接続されており、そのため、アセンブリの回転軸65を中心にしたフロントホイールハブアウター77の回転は、フロントモータ遊星キャリア84に対して一方向だけとなる可能性がある。フロント片側取り付けホイールアセンブリ64は、フロントホイールアセンブリ留め具66を用いてフロントホイールハブアウター77に片側でしっかりと取り付けられている。フロントホイールハブアウター77は、フロントホイールハブアウター軸受81を備えたフロントモータ遊星変速機リングギア83に回転可能に取り付けられ、フロントディスクローター留め具79がフロントディスクローター78を通過することにより、フロントホイールハブインナー76にしっかりと接続される。フロントホイールハブインナー76は、フロントモータ大型ホイールハブインナー軸受90によって、フロントモータ遊星変速機入力フランジ82に回転可能に取り付けられている。フロントホイールブレーキキャリパー98は、フロント片側取り付けホイールアセンブリ64に制動力を提供するために、よく知られた方法でフロントディスクローター78の周りに配置されている。
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