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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】コンクリート建築部材の付加造型法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/02 20060101AFI20241004BHJP
   E04C 1/41 20060101ALI20241004BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20241004BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20241004BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20241004BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20241004BHJP
【FI】
E04B2/02 270
E04C1/41
B28B1/30
B33Y80/00
B33Y10/00
B33Y70/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022521565
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 EP2020078294
(87)【国際公開番号】W WO2021069601
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】1911181
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509207070
【氏名又は名称】サン-ゴバン ウェベル
(73)【特許権者】
【識別番号】502425053
【氏名又は名称】サン-ゴバン イゾベール
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン ボーモン
(72)【発明者】
【氏名】エレーナ ドゥネバ
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム ジル
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1911404(KR,B1)
【文献】特開2019-157336(JP,A)
【文献】特開2020-026099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00ー 2/96
E04C 1/00ー 1/42
E04F 13/00ー13/30
B28B 1/30
B29C 64/00ー64/40
B29C 67/00ー67/08
B29C 67/24ー69/02
B29C 73/00ー73/34
B29D 1/00ー29/10
B29D 33/00、99/00
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加造型法によってコンクリート建築部材(1)を得るための方法であって、
重ね合わされるモルタル層を、順次的に堆積させることにより、互いに対向した2つの壁面(2、4)を形成するとともに、空洞(3)を形成し、さらに、それぞれが前記壁面(2、4)の一方から前記空洞(3)に向けて延びる複数の補強部材(21、41、22、42)を形成し、各補強部材(21、41、22、42)を、その起点をなす壁面に対して対向した前記壁面(2、4)に対しても、また、その起点をなす壁面に対して対向した前記壁面(2、4)から延びる補強部材(21、41、22、42)に対しても、接触していないものとし、
前記方法が、断熱材料によって前記空洞を充填するステップをさらに含む、
方法。
【請求項2】
前記建築部材(1)は、壁部材である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの前記補強部材(21、41)は、前記壁面の一方から直線的に延びるとともに前記壁面(2、4)に対して横方向に延びる第1部分(21a、41a)を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの前記補強部材(21、41)は、前記第1部分(21a、41a)から延びるとともに前記第1部分に対して横方向に延びる第2直線部分(21b、41b)をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの前記補強部材(21、41)は、T字形状プロファイル又はL字形状プロファイルを有している、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
2つの連続した前記補強部材(21、41)は、異なる2つの前記壁面(2、4)から延びている、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記壁面(21、41)がなす平面内において、前記壁面から延びる2つの連続した前記補強部材(21、41)どうしの間の距離と、前記壁面(2、4)どうしの間の距離と、の比が0.5~10である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記建築部材の直線1メートルあたりにおける前記補強部材の数は、1~5である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記断熱材料は、ミネラルフォーム、オーガニックフォーム、ミネラルウール、ミネラルバインダと軽量骨材とを含むモルタル、及び、天然材料に基づく断熱材、から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
各補強部材(21、41、22、42)が、その起点をなす前記壁面(2、4)、及び前記空洞(3)を充填している断熱材料に対してのみ接触している、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記建築部材(1)は、単一の空洞(3)のみを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記建築部材(1)は、2つの補強部材(22、42)を含み、これら2つの補強部材のそれぞれは、前記壁面(2、4)の一方に沿って配置されるとともに規則的なパターンを形成し、これにより、複数のセルを区画している、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法に従って取得され得るコンクリート建築部材(1)であって、
空洞(3)を形成するようにして互いに対向した2つの壁面(2、4)と、前記壁面(2、4)と一体的に製造されかつそれぞれが前記壁面(2、4)の一方から前記空洞(3)に向けて延びる複数の補強部材(21、41、22、42)と、を含み、各補強部材(21、41、22、42)は、その起点をなす壁面に対して対向した前記壁面(2、4)に対しても、また、その起点をなす壁面に対して対向した前記壁面(2、4)から延びる補強部材(21、41、22、42)に対しても、接触しておらず、
前記コンクリート建築部材(1)の前記空洞(3)は、断熱材料によって充填されている、
コンクリート建築部材(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築分野に関する。本発明は、より詳細には、付加製造技術を使用したコンクリート建築部材の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
「3Dプリント」としても知られているように、付加造型法(アディティブ・マニュファクチャリング)とは、コンピュータ制御されたロボットが、材料を一層ずつ連続的に堆積させることにより、3次元物体を製造する方法である。このような技術は、とりわけ、複雑な形状の物体を製造することを可能とする。
【0003】
コンクリート又はモルタルの付加造型法により、設計プロセス、計画プロセス、及び施工プロセスを統合し得るとともに、それらを自動化して効率化することができる。この技術の他の利点は、とりわけ、人件費の削減、損失の削減及び材料消費の削減、型枠工事の廃止、さらに、プロジェクト期間及び投資期間の短縮、である。
【0004】
本明細書では、コンクリート及びモルタルの双方は、水硬性バインダと骨材とを含む材料を意味することが、意図されている。公知の技術では、乾式モルタルと水とを混合して得られた湿潤モルタルを圧送し、ロボット又はガントリに対して固定されたプリントヘッドであってその動作がコンピュータ制御されているプリントヘッドへと、搬送する。湿潤モルタル層は、一般にノズルから押し出されながら、先に堆積したモルタル層上に、堆積する。プリントヘッドは、完成品をなす物体を製造するために、所定の計画に従って継続的に駆動される。
【0005】
例えば、付加造型法は、互いに平行に対向した平面状壁面をプリントするとともに、これら壁面によって形成された空洞の内部に、「ジグザグ」構造を、すなわち、凸角及び凹角を交互に形成しつつそれら2つの壁面を接続する折線に沿う構造を、プリントすることにより、コンクリート壁を製造するために、採用されてきた。よって、この構造は、コンクリートの厚さの分だけ互いに離間した複数の空洞を規定する。韓国特許第10-1911404号明細書には、例えば、ジグザグ構造によって対向壁面どうしがそれぞれ接続された3つの壁面を含むそのような壁が開示されている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、特に、圧縮、曲げ、及び剪断の観点で良好な機械的強度を有した、並びに、断熱の観点で良好な性能を有した、建築部材を、特に壁部材を、製造することを目的とする。
【0007】
この目的のために、本発明の主題は、付加造型法によってコンクリート建築部材を得るための方法であって、重ね合わされるモルタル層を、順次的に堆積させることにより、互いに対向した2つの壁面を形成するとともに、空洞を形成し、さらに、それぞれが壁面の一方から空洞に向けて延びる複数の補強部材を形成し、各補強部材を、その起点をなす壁面に対して対向した壁面に対しても、また、その起点をなす壁面に対して対向した壁面から延びる補強部材に対しても、接触していないものとする、方法である。
【0008】
本発明の別の主題は、本発明の方法に従って取得され得るコンクリート建築部材であって、空洞を形成するようにして互いに対向した2つの壁面と、壁面と一体的に製造されかつそれぞれが壁面の一方から空洞に向けて延びる複数の補強部材と、を含み、各補強部材は、その起点をなす壁面に対して対向した壁面に対しても、また、その起点をなす壁面に対して対向した壁面から延びる補強部材に対しても、接触していない、コンクリート建築部材である。
【0009】
建築部材は、最も一般的には、壁又は壁部材とされ、特に、外壁又は内部耐力壁のためのものとされる。建築部材は、また、床部材であってもよい。建築部材は、一般に、建築物の構造内に統合されることが意図されている。
【0010】
重ね合わされるモルタル層の順次的な堆積は、2つの壁面と複数の補強部材とを形成するようにして、実行される。補強部材は、壁面と一緒にプリントされることのために、したがって壁面と一体的であることのために、このようにして製造される建築部材に対して、良好な機械的強度を与えることを可能とする。建築部材は、好ましくは、2つの対向する壁面と、補強部材と、からなり、任意選択的に、空洞を充填した断熱材料を含む。
【0011】
公知の壁では、ジグザグ構造は、壁の補強も可能とするけれども、この構造は、対向した壁面どうしをこの構造が接続していることにより、それら壁面どうしの間に、不都合な熱的架橋を生成しているものと考えられる。韓国特許第10-1911404号明細書では、例えば、各ジグザグ補強部材は、対になって、互いに対向した壁面に対して接触している。驚くべきことに、壁の許容可能な機械的強度を維持しながら、これらの熱的架橋を大幅に低減し得ることが判明した。補強部材が、その起点をなす壁面に対して対向した壁面に対しても、また、その起点をなす壁面に対して対向した壁面から延びる補強部材に対しても、接触していないことのために、補強部材は、熱的架橋を形成することがない。「対向した壁面」とは、真向かいで対向した壁面を意味することが、すなわち、壁面が、補強部材が延びている壁面に対して直接的に対向していることを意味することが、意図されている。言い換えれば、補強部材は、対向した壁面に対しても、また、対向した壁面から延びる補強部材に対しても、直接的にも、追加的な壁面や中間壁面を介しても、接触しておらず、これは、なぜなら、そのような壁面が熱的架橋を形成してしまうからである。一般的に言えば、任意選択的に建築部材の側方端部を除いて、モルタルのみを通過することだけで、建築部材の厚さを通過し得るものであってはならない。
【0012】
各補強部材は、好ましくは、その起点をなす壁面に対してのみ、接触している。それでもなお、本明細書において後述するように、補強部材が、空洞を充填している任意選択的な断熱材料と接触することは、排除できない。補強部材は、また、それと同じ壁面から延びている別の補強部材に対して接触してもよい。本明細書では、接触とは、直接的な接触を意味することが、意図されている。
【0013】
ジグザグ構造が複数の別々の空洞を区画する公知の壁とは異なり、本発明による建築部材における補強部材は、一般に、建築部材がただ1つの空洞を含むものとされている。本明細書において後述するように、この空洞は、断熱材料によって充填することができる。単一の空洞の存在は、断熱の観点から有利であることとは別に、充填プロセスを容易とすることができる。
【0014】
空洞は、水平面内において(プリントされたままで部材が配置された状態で)及び壁面の一般的な方向において、モルタル層を通過することなく、建築部材の全体を通過して、内部に線を描画し得るようなものであるべきである。
【0015】
壁面は、好ましくは平面であり、互いに平行である。代替的には、壁面は、湾曲形状あるいは折線などの、他の形状を有してもよい。
【0016】
壁面は、好ましくは、矩形形状を有し、その結果、幅と長さを有している。それでもなお、他の形状も可能である。
【0017】
一般に、重ね合わされる層の堆積を必要とする付加製造技術の使用のために、少なくとも1つの補強部材は、特に各補強部材は、壁面がなす平面内において、及び、壁面の1つの寸法に沿って、直線的に延びている。一般に、各補強部材は、モルタル層がなす平面に対して垂直な軸線に沿って実質的に延びるプロファイルを有している。矩形をなす壁面の場合には、少なくとも1つの補強部材は、特に各補強部材は、壁面がなす平面内において、及び、壁面の幅に沿って又は壁面の長さに沿って、延びてもよい。その最終的な使用では、壁部材は、その幅又はその長さが鉛直方向に配置されるようにして、また、補強部材が鉛直方向又は水平方向に延び得るようにして、配置されてもよい。
【0018】
補強部材の形状や分布は、得られる建築部材の機械的強度及び断熱特性に影響を与える。
【0019】
好ましくは、各補強部材は、同一の形状を有している。代替的には、建築部材は、異なる形状を有した補強部材を含んでもよい。
【0020】
補強部材は、周期的に配置されてもよく、また、周期的に配置されなくてもよい。
【0021】
有利な実施形態によれば、少なくとも1つの補強部材は、特に各補強部材は、壁面の1つから直線的に延びかつその壁面に対して横方向に延びる第1部分を含む。この第1部分と壁面とによって形成される角度αは、好ましくは75°~105°であり、特に80°~100°であり、さらには85°~95°である。この角度は、有利には、直角である。壁面が平面でない時には、この角度は、部材の起点をなす領域における壁面に対しての接線平面を考慮することにより、測定することができる。
【0022】
第1部分の延在方向(壁面に対する横方向)において、この第1部分の長さと、壁面どうしの間の距離と、の比は、好ましくは0.2~0.8であり、特に0.3~0.7である。
【0023】
この実施形態によれば、少なくとも1つの補強部材は、特に各補強部材は、その起点をなす壁面に対して突出するフィンを形成してもよい。フィンは、特に、矩形プロファイルを有してもよい。
【0024】
少なくとも1つの補強部材は、特に各補強部材は、第1部分から延びるとともに第1部分に対して横方向に延びる第2直線状部分を、さらに含んでもよい。補強部材は、例えば、T字形状プロファイル又はL字形状プロファイルを有してもよい。この第2部分の長さと、壁面どうしの間の距離と、の比は、好ましくは0.1~0.7であり、特に0.2~0.6である。「横方向」とは、第1部分と第2部分との間の角度が直角であることを、必ずしも意味しない。第1部分と第2部分との間の角度βは、好ましくは70°~110°であり、特に80°~100°である。そのような角度は、L字形状プロファイル又はT字形状プロファイルを有した部材の場合には、直角であってもよい。
【0025】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの補強部材は、特に各補強部材は、一方の壁面のところで、少なくとも1つのセルを区画する閉曲線を、特にそれ自体で閉じた曲線を、形成している。この場合、壁部材は、複数の空洞を含む、すなわち、壁面によって区画された単一の空洞と、補強部材の内部に位置したセルと、を含む。
【0026】
好ましくは、建築部材の機械的強度を最適化するために、そして補強部材の形状に関係なく、2つの連続した補強部材は、異なる2つの壁面から延びている。その場合、建築部材は、各壁面から交互に延びた複数の補強部材を含む。
【0027】
一方の壁面がなす平面内においては、当該壁面から延びる2つの連続した補強部材どうしの間の距離と、壁面どうしの間の距離と、の比は、好ましくは0.5~10であり、特に2~8である。
【0028】
熱的特性と機械的特性との間の良好な妥協を確保するために、建築部材の直線1メートルあたりにおける補強部材の数は、好ましくは1~5であり、特に1~4であり、さらには2~3である(限界値を含む)。
【0029】
別の実施形態によれば、建築部材は、2つの補強部材を含み、これら2つの補強部材のそれぞれは、壁面の一方に沿って配置され、好ましくは壁面の全長にわたって配置され、例えば正弦波又は折線などの規則的なパターンを形成し、これにより、複数のセルを区画している。
【0030】
壁面に対して直交した平面内における断面では、言い換えれば、モルタル層がなす平面内における断面では、壁面の厚さは、好ましくは10mm~200mmであり、特に40mm~120mmである。建築部材の厚さは、好ましくは20cm~100cmであり、特に30cm~80cmである。
【0031】
建築部材の横方向の寸法は、好ましくは1m~4mであり、特に1m~3mである。
【0032】
モルタルは、好ましくは、水硬性バインダと骨材とを含む。
【0033】
乾式モルタルを水に対して混合することにより、ペースト状の湿潤モルタルが形成される。乾式モルタルとは、粉状の混合物を意味することが、意図されている。固化して硬化した後に、最終的なモルタルは、硬化モルタル又は「コンクリート」と称される。
【0034】
水硬性バインダは、好ましくは、ポルトランドセメント、アルミナセメント、スルホアルミネートセメント、消石灰、高炉スラグ微粉砕物、フライアッシュ、及びこれらの混合物、から選択される。水硬性バインダは、好ましくは、ポルトランドセメントを含む。水硬性バインダは、有利には、ポルトランドセメントからなる。
【0035】
骨材は、好ましくは、珪質、石灰石、ドロマイト骨材、及びこれらの混合物、から選択される。骨材の最大サイズは、圧送デバイス及びプリントヘッドノズルの断面が縮小されていることを考慮すれば、好ましくは最大3mmであり、特に最大2mmであり、さらには最大1mmである。
【0036】
乾燥モルタルは、好ましくは、少なくとも1つの添加剤を含み、添加剤は、特に、超可塑剤、増粘剤、促進剤、及び遅延剤、から選択される。乾燥モルタルは、有利には、湿潤モルタルの静止時の降伏強度を増大させ得る、例えば膨張粘土などの、無機増粘剤を含む。促進剤及び遅延剤により、水硬性バインダの硬化及び固化に必要な時間を調整することができる。
【0037】
乾式モルタルの組成は、好ましくは、湿潤モルタルがチクソトロピックな挙動を示すように、調整される。好ましくは、湿潤モルタルの粘度は、湿潤モルタルがプリントノズルを離れた後に、わずか1秒で少なくとも50倍に増加する。湿潤モルタルは、高剪断速度に対して低粘度であるため、容易に圧送して搬送し得るけれども、プリントヘッドノズルを離れるとすぐにその構造安定性が即座に増大し、これにより、固化及び硬化の前にその上にある層を支持することができる。モルタルのなおも湿潤した層上へのこの堆積により、連続した層どうしの間の接着性を向上させることができ、よって、壁部材の最終的な機械的強度を向上させることができる。対照的に、慣用的な方法では、モルタルの固化及び硬化を大幅に促進させ得る促進剤を使用して、既に硬化したモルタル層上へと堆積させることのために、プリント時の寸法安定性を確保し得るものの、連続した層どうしの間の接着性が損なわれてしまう。
【0038】
本方法は、重ね合わされるモルタル層を順次的に堆積させることを含む。上述したように、層は、好ましくは、まだ固化していない又はまだ硬化していない下層上へと、堆積される。
【0039】
本方法は、好ましくは、ペースト状の湿潤モルタルを得るために、乾燥モルタル組成物を水に対して混合するステップを含む。湿潤モルタルは、好ましくは、一般的にはパイプを通して、プリンタのプリントヘッドへと、圧送して搬送される。プリントヘッドは、特に、湿潤モルタルが押し出されるノズルを含む。プリンタは、例えば、プリントヘッドを付帯した産業用ロボット又はガントリであり、その動作は、コンピュータによって制御される。コンピュータは、特に、データセット又は3Dモデルが格納されている記録媒体と、コンピュータによって実行された時にはコンピュータにプリントヘッドの動作(軌道、速度、等)を制御させる命令と、を含む。
【0040】
プリント速度は、典型的には30mm/s~1000mm/sであり、特に50mm/s~300mm/sである。湿潤モルタル層の厚さ(鉛直方向の寸法であることから、すなわち、高さ)は、好ましくは5mm~40mmであり、特に10mm~20mmである。モルタル層の幅は、好ましくは10mm~100mmであり、特に20mm~60mmである。
【0041】
本明細書において詳細に後述するように、各層に関して、プリンタは、最初に、外側ストリップと称されるモルタルストリップを堆積することで、壁部材の外側エンベロープを形成することができ、次に、外側ストリップに隣接してその外側ストリップに対して接触した内側ストリップでありかつ外側ストリップに対して平行な部分を含む内側ストリップを堆積することで、外側ストリップと共に壁面を形成することができ、さらに、空洞に向けて延びる部分を堆積することで、補強部材を形成することができる。
【0042】
好ましくは、本方法は、断熱材料によって、空洞(又は、空洞の少なくとも一部)を充填するステップをさらに含む。補強部材がセルを区画している場合には、同じステップの際に又は後続のステップの際に、セルも、また、断熱材料によって充填することができる。
【0043】
断熱材料は、例えば、ミネラルであっても、また、オーガニックであっても、よい。
【0044】
断熱材料は、有利には、ミネラルフォーム、オーガニックフォーム、ミネラルウール、ミネラルバインダと軽量骨材とを含むモルタル、及び、特に天然繊維(植物繊維又は動物繊維)に基づく断熱材などの、天然材料に基づく断熱材、から選択される。
【0045】
充填方法は、選択された材料に応じて適したものとされ、場合によっては、空洞の内部でその場で形成するペースト材料又は粒状材料を、流し込むことにより、又は注入することにより、又は噴霧することにより、あるいは、そのような材料の前駆体化合物を噴霧することにより、実行されてもよい。充填方法は、ロボットによって実行されてもよく、適切であれば、3Dプリントを実行するロボットと同じロボットによって実行されてもよい。
【0046】
ミネラルフォームは、特に、シリカフォームであり、あるいは、例えばセメントフォームやモルタルフォームやコンクリートフォームなどの、水硬性バインダに基づくフォームである。ミネラルフォームは、特に、湿潤したコンクリート又はモルタルを、水性フォームと混合することによって、取得してもよい。このような場合、充填ステップは、好ましくは、ペースト状態のミネラルフォームを空洞内へと流し込むことによって、実行される。フォームは、その後、空洞の内部で硬化することができる。充填ステップは、壁部材の硬化前に実行することができ、特に、壁部材の製造と同時に実行することができる、あるいは、壁部材の硬化後に実行することができる。硬化後には、ミネラルフォームは、好ましくは200kg/m未満という、特に150kg/m未満という、さらには100kg/m未満という、密度を有している。コンクリートフォームは、特に、LafargeHolcim社によってAiriumという名称で販売されているフォームであってもよい。
【0047】
オーガニックフォームは、例えば、ポリウレタンフォーム又はポリイソシアヌレートフォームである。このようなフォームは、空洞の内部でその場で形成されてもよく、その場合、充填ステップは、空洞内へと、イソシアネート組成物とアルコールとを同時に噴霧することにより、実行される。
【0048】
ミネラルウールは、特に、グラスウール、ロックウール、あるいは、スラグウールである。ミネラルウールは、特に、吹き込み用ウール(又はルーズウール)であってもよい、すなわち、フレークの形態であってもよい。この場合、充填ステップは、空洞内へとフレークを噴霧することにより、実行される。ミネラルウールは、特にセメント系バインダなどの水硬性バインダと組み合わされてもよい。
【0049】
また、ミネラルバインダと軽量骨材とを含むモルタルによっても、断熱特性を付与することができる。ミネラルバインダは、好ましくは、例えばポルトランドセメントなどの、水硬性バインダである。軽量骨材は、好ましくは、最大で200kg/mという密度を有している。軽量骨材は、好ましくは、発泡ポリスチレンビーズ、エアロゲル、パーライト、発泡ガラスビーズ、バーミキュライト、発泡粘土、コルク、及びセノスフェア、から選択される。
【0050】
天然材料に基づく断熱材は、特に、セルロース系材料(コルク、木材繊維、セルロース繊維、等)に基づくもの、あるいは、アニマルウール(羊毛、等)に基づくもの、である。
【0051】
採用された方法にかかわらず、単一の空洞の存在により、充填ステップを単純化し得るとともに、複数の空洞を順次的に充填するに際して、空洞ごとに1つのノズルを使用する必要がなく、また、移動可能でなければならない可動ノズルを使用する必要がなく、例えば、単一の充填ノズルを、任意選択的には固定された充填ノズルを、使用することができる。
【0052】
壁面及び補強部材を構成するモルタルに対して断熱材料を接着する時には、断熱材料は、構造的な機能を有してもよく、これにより、建築部材の機械的特性を向上させることができる。これは、例えば、断熱材料が、ミネラルバインダを含む場合であり、特に、水硬性ミネラルバインダを含む場合である。次に、本発明による方法は、部材の側方端部を切断するステップを含んでもよい。これにより、プリント時に形成されたコンクリートエッジを除去し得るとともに、壁部材の熱的性能を向上させることができる。
【0053】
また、建築部材は、壁面とは一体的ではない補強ピースを含んでもよく、これら補強ピースは、壁面どうしの間に延びてもよい。これら補強ピースは、特に、建築部材の製造後に又は建築部材の製造時に、壁面に対して機械的に取り付けられてもよい。これら補強ピースは、好ましくは、熱的架橋を制限する目的で、ポリマー材料から形成されることとなる。
【0054】
建築部材は、建築物の外壁又は内壁(例えば、内部の耐力壁)を形成する目的で、例えばモルタルを使用して、建築現場で組み立てることを意図した、プレハブ部材であってもよい。また、建築部材は、建築現場で直接的に製造されてもよく、建築物の完全な壁を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
(原文に記載なし)
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明及びその利点は、添付の図1図10を参照しつつ、建築部材の非限定的な例に関する以下の説明を使用して、より良好に理解されるであろう。適切な例では、これらは、壁部材であるけれども、他のタイプの建築部材とすることができる。
【0057】
本明細書で例示する壁部材は、互いに平行な2つの平面状壁面でありかつ「壁面がなす平面」とも称される平面XZに沿って延びる2つの平面状壁面を含む矩形平行六面体部材である。この明細書では、「壁面がなす平面」は、平面XZに対して平行な任意の平面として定義される。Y軸は、壁面がなす平面に対して直交した軸線である。Z軸は、層がなす平面(平面XY)に対して直交した軸線である。
【0058】
図1図10は、補強部材の異なる例を例示する目的で、これら部材の一部を、平面XYに沿った断面図で、図示している。部材の端部は、図示されておらず、プリント時には、端部は、例えば、2つの壁を接続するY軸に沿った返りを形成する。上述したように、これらの端部は、いくつかの場合には、切断されてもよく、したがって、最終的な壁部材では、もはや存在していなくてもよい。
【0059】
図示したすべての場合において、補強部材は、壁面がなす平面において、Z軸に沿って(層がなす平面に対して垂直に)、直線的に延びている。言い換えれば、補強部材は、母線Zを有した円筒体である。補強部材の、X軸に沿った位置及び形状は、Z軸に沿った高さには依存しない。それでもなお、付加製造技術は、わずかに異なる設計を可能とする、すなわち、補強部材は、例えば、(Z軸に沿って)壁面の高さの一部にわたってのみ延びてもよく、及び/又は、X軸に沿った補強部材の位置若しくは補強部材の形状は、Z軸に沿った高さに依存してもよい。
【0060】
図示したすべての場合において、補強部材は、規則的に構成されている。それでもなお、付加製造法では、非常に多様で非常に複雑な形状を製造し得ることのために、異なる方法で進めることができる。
【0061】
完全な壁部材の、X軸に沿った幅は、例えば、1m~3mである。壁部材の、Z軸に沿った高さは、例えば、1m~3mである。壁部材の、Y軸に沿った厚さは、例えば、20cm~100cmであり、特に、30cm~80cmである。
【0062】
図1は、従来技術による壁部材100の一部を示しており、この壁部材は、折線に沿って凸角及び凹角を交互に形成しつつ2つの壁120、130を接続している単一の補強部材110を含む。このタイプの壁部材は、一般に、所与の層に関して、最初に、壁面120及び130を(さらには、図示していない側縁部も)プリントすることにより、次に、補強部材110をプリントすることにより、さらに、このステップを繰り返すことにより、製造される。韓国特許第10-1911404号明細書は、このタイプの壁の一変形例を開示しており、その場合、構造は、2重とされ、壁は、3つの壁面と、それぞれが2つの対向壁面を接続する2つのジグザグ補強部材と、を含む。
【0063】
図2は、本発明の一実施形態による壁部材1の一部を示している。
【0064】
この部材は、第1壁面2と、第2壁面4と、を含み、空洞3を収容している。図示の例では、断面平面XY内における各壁面の断面は、隣接した2つのモルタルストリップによって形成されている、すなわち、外側ストリップ5と、内側ストリップ6と、によって形成されている。所与の層(Z軸に沿った所与の高さ位置)に関して、プリンタは、平面XY内で移動し、例えば、最初に、壁部材の外側輪郭を形成する外側ストリップ5(図示していない端部を含めて)をプリントしてもよく、次に、外側ストリップ5によって規定された領域の内部で、内側ストリップ6をプリントしてもよい。この内側ストリップ6は、X軸に沿って延びる部分でありかつ壁面の一部を一緒に形成する部分と、壁面から方向Yに延びる部分、言い換えれば、補強部材と、を含む。
【0065】
壁部材は、複数の補強部材21、41を含み、各補強部材は、T字形状プロファイルを有するとともに、壁面2、4の一方から空洞3に向けて延びている。各補強部材は、平面YZ内において(壁面がなす平面と直交して)壁面2、4から延びる第1直線部分21a、41aと、平面XZ内において第1部分21a、41aから延びる、したがって、壁面がなす平面に対して平行に延びる、第2直線部分21b、41bと、を含む。
【0066】
複数の補強部材は、第1壁面2から延びる複数の第1補強部材21と、第2壁面4から延びる複数の第2補強部材41と、を含む。補強部材は、交互に配置されており、複数の第1補強部材と複数の第2補強部材との一方からの各補強部材は、他方の複数の補強部材をなす2つの補強部材によって、直接的に取り囲まれている。
【0067】
図示の例では、Tの横方向アーム(第2部分21b及び41b)は、すべてが同じ平面内にあり、ここでは、2つの壁面間の中間平面が、折線によって概略的に図示されている。
【0068】
補強部材は、それらの起点をなす壁面に対してのみ、接触している。図面に示すように、補強部材は、他方の壁面に対しても、また、いかなる他の補強部材に対しても、接触していない。
【0069】
図3は、Tの横方向アームが、壁面がなす平面に対して平行な2つの異なる平面内にあるという、一変形例を図示している。より詳細には、複数の第1補強部材(21)の補強部材21bに関する横方向アームは、壁面がなす平面に対して平行な第1平面内にあり、複数の第2補強部材(41)の補強部材41bに関する横方向アームは、壁面がなす平面に対して平行な第2平面内にある。
【0070】
図4は、第1補強部材21の横方向アーム21bが、隣接した第2補強部材41のアーム41bと部分的に対向するようにして、Tの横方向アーム(21b及び41b)が拡張されているという、さらに別の変形を描いている。
【0071】
図5は、補強部材21及び41がL字形状プロファイルを有しているという、別の変形例を図示している。よって、各補強部材は、第1部分(21a、41a)と、第2部分(21b、41b)と、を含み、第2部分は、第1部分の返りを形成している。
【0072】
図6は、補強部材21、41が、壁面から突出した直線状フィンを形成しているという、一変形例を図示している。各補強部材は、ここでは、第1直線状部分(21a、41a)のみを含む、言い換えれば、I字形状プロファイルを有している。
【0073】
図7は、各補強部材22、42が、その起点をなす壁面のところでそれ自身が閉塞した曲線を形成し、これにより、セルを区画しているという、一変形例を図示している。
【0074】
提示された様々な変形例では、補強部材は、交互に配置され、複数の第1補強部材と複数の第2補強部材との一方からの各補強部材は、他方の複数の補強部材をなす2つの補強部材によって、直接的に取り囲まれている。
【0075】
図8は、壁部材が、2つの補強部材のみを含むという、すなわち、第1壁面2に沿って配置された第1補強部材22と、第2壁面4に沿って配置された第2補強部材42と、を含むという、別の実施形態を示している。第1補強部材22は、規則的なパターンを、この場合には正弦波を、形成しているとともに、第2補強部材42に対して対向している。
【0076】
図9は、図8の実施形態の一変形例を示しており、ここでは、2つの規則的なパターンは、半周期の分だけオフセットされている。
【0077】
図8及び図9の実施形態では、プリンタは、例えば、平面XY内において、最初に、壁部材の外側輪郭を形成する壁面2及び4をプリントしてもよく、次に、これら壁面によって規定された領域の内部で、補強部材22及び42をプリントしてもよい。
【0078】
図10は、補強部材21、41が、一連をなす折線からなるという、一変形例を示している。
【0079】
デジタルシミュレーションにより、本発明による壁部材(図2に図示したタイプの幾何形状)の等価熱伝導率を、従来技術による壁部材(図1に図示したタイプのジグザグ幾何形状)の等価熱伝導率と、比較することができた。場合に応じて、空洞は、ポリウレタンフォーム(22mW.m-1.K-1の熱伝導率)によって、又はグラスウール(35mW.m-1.K-1の熱伝導率)によって、充填された。硬化したモルタルの熱伝導率は、750mW.m-1.K-1である。
【0080】
従来技術による壁の場合、等価熱伝導率は、ポリウレタンフォーム充填で200mW.m-1.K-1であり、グラスウール充填で220mW.m-1.K-1であった。
【0081】
本発明による壁の場合、等価熱伝導率は、それぞれ、100mW.m-1.K-1及び140mW.m-1.K-1であった。
本開示は下記の態様を含む。
<態様1>
付加造型法によってコンクリート建築部材(1)を得るための方法であって、
重ね合わされるモルタル層を、順次的に堆積させることにより、互いに対向した2つの壁面(2、4)を形成するとともに、空洞(3)を形成し、さらに、それぞれが前記壁面(2、4)の一方から前記空洞(3)に向けて延びる複数の補強部材(21、41、22、42)を形成し、各補強部材(21、41、22、42)を、その起点をなす壁面に対して対向した前記壁面(2、4)に対しても、また、その起点をなす壁面に対して対向した前記壁面(2、4)から延びる補強部材(21、41、22、42)に対しても、接触していないものとする、方法。
<態様2>
前記建築部材(1)は、壁部材である、態様1に記載の方法。
<態様3>
少なくとも1つの前記補強部材(21、41)は、前記壁面の一方から直線的に延びるとともに前記壁面(2、4)に対して横方向に延びる第1部分(21a、41a)を含む、態様1又は2に記載の方法。
<態様4>
少なくとも1つの前記補強部材(21、41)は、前記第1部分(21a、41a)から延びるとともに前記第1部分に対して横方向に延びる第2直線部分(21b、41b)をさらに含む、態様3に記載の方法。
<態様5>
少なくとも1つの前記補強部材(21、41)は、T字形状プロファイル又はL字形状プロファイルを有している、態様4に記載の方法。
<態様6>
2つの連続した前記補強部材(21、41)は、異なる2つの前記壁面(2、4)から延びている、態様1~5のいずれか一項に記載の方法。
<態様7>
前記壁面(21、41)がなす平面内において、前記壁面から延びる2つの連続した前記補強部材(21、41)どうしの間の距離と、前記壁面(2、4)どうしの間の距離と、の比が、好ましくは0.5~10であり、特に2~8である、態様6に記載の方法。
<態様8>
前記建築部材の直線1メートルあたりにおける前記補強部材の数は、1~5であり、特に1~4である、態様6又は7に記載の方法。
<態様9>
断熱材料によって前記空洞を充填するステップをさらに含む、態様1~8のいずれか一項に記載の方法。
<態様10>
前記断熱材料は、ミネラルフォーム、オーガニックフォーム、ミネラルウール、ミネラルバインダと軽量骨材とを含むモルタル、及び、天然材料に基づく断熱材、から選択される、態様9に記載の方法。
<態様11>
各補強部材(21、41、22、42)が、その起点をなす前記壁面(2、4)に対してのみ接触しており、必要に応じて前記空洞(3)を充填している断熱材料と接触している、態様1~10のいずれか一項に記載の方法。
<態様12>
前記建築部材(1)は、単一の空洞(3)のみを含む、態様1~11のいずれか一項に記載の方法。
<態様13>
前記建築部材(1)は、2つの補強部材(22、42)を含み、これら2つの補強部材のそれぞれは、前記壁面(2、4)の一方に沿って配置されるとともに、例えば正弦波又は折線などの規則的なパターンを形成し、これにより、複数のセルを区画している、態様1、2、9、又は10のいずれか一項に記載の方法。
<態様14>
態様1~13のいずれか一項に記載の方法に従って取得され得るコンクリート建築部材(1)であって、
空洞(3)を形成するようにして互いに対向した2つの壁面(2、4)と、前記壁面(2、4)と一体的に製造されかつそれぞれが前記壁面(2、4)の一方から前記空洞(3)に向けて延びる複数の補強部材(21、41、22、42)と、を含み、各補強部材(21、41、22、42)は、その起点をなす壁面に対して対向した前記壁面(2、4)に対しても、また、その起点をなす壁面に対して対向した前記壁面(2、4)から延びる補強部材(21、41、22、42)に対しても、接触していない、コンクリート建築部材(1)。
<態様15>
前記建築部材の前記空洞(3)は、断熱材料によって充填されている、態様14に記載のコンクリート建築部材(1)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10