(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20241004BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20241004BHJP
【FI】
H02M3/28 Y
H02M7/48 Z
(21)【出願番号】P 2022524515
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(86)【国際出願番号】 JP2021018982
(87)【国際公開番号】W WO2021235485
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】P 2020088943
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉見 雄太
(72)【発明者】
【氏名】藤井 健太
(72)【発明者】
【氏名】白形 雄二
(72)【発明者】
【氏名】矢原 寛之
(72)【発明者】
【氏名】清永 浩之
(72)【発明者】
【氏名】福田 智仁
【審査官】東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】特許第3086623(JP,B2)
【文献】特開2009-165327(JP,A)
【文献】特開平10-248198(JP,A)
【文献】特開2007-209184(JP,A)
【文献】特開2010-187504(JP,A)
【文献】特開2010-10468(JP,A)
【文献】特開2008-305949(JP,A)
【文献】特開平5-145208(JP,A)
【文献】特開2016-152234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00-7/98
H05K 1/14
H05K 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部品および第2部品を含む電子部品と、
前記電子部品の前記第1部品が搭載された第1主面と前記第1主面に対向する第2主面とを有する第1基板と、
前記第1基板の前記第2主面に熱的に接続された第1冷却体と、
前記電子部品の前記第2部品が搭載された第3主面と前記第3主面に対向する第4主面とを有する第2基板と、
前記第2基板の前記第4主面に熱的に接続された第2冷却体と、
配線部材とを備え、
前記第2冷却体は、前記第1基板の前記第2主面から前記第1主面に向かう方向に延びており、
前記配線部材は、前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続する第1配線部材を含み、
前記第1基板の前記第2主面と前記第1冷却体との間に配置された第1絶縁部材をさらに備え、
前記第1基板の前記第1主面には、前記第1配線部材が接合される第1接合部が設けられており、
前記第1基板の前記第2主面と前記第1冷却体の間において少なくとも前記第1接合部の裏面に前記第1絶縁部材が配置され、
前記第1基板の前記第2主面と平行な前記第1冷却体
の面が支持体の底面を構成しており、
前記第2基板の前記第4主面と平行な前記第2冷却体
の面が前記支持体の側面を構成しており、
前記第1基板の前記第2主面とは垂直な側面が、前記第2冷却体と対向する、電力変換装置。
【請求項2】
前記第2基板の前記第4主面と前記第2冷却体との間に配置された第2絶縁部材をさらに備え、
前記第2基板の前記第3主面には、前記第1配線部材が接合される第2接合部が設けられており、
前記第2基板の前記第4主面と前記第2冷却体の間において少なくとも前記第2接合部の裏面に前記第2絶縁部材が配置される、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記電子部品は第3部品を含み、
前記電子部品の前記第3部品が搭載された第5主面と前記第5主面に対向する第6主面とを有する第3基板と、
前記第3基板の前記第6主面に熱的に接続された第3冷却体と、
前記第3基板の前記第6主面と前記第3冷却体との間に配置された第3絶縁部材とをさらに備え、
前記配線部材は、前記第1基板と前記第3基板とを電気的に接続する第2配線部材を含み、
前記第3冷却体は、前記第1基板の前記第2主面から前記第1主面に向かう方向に延びており、
前記第3基板の前記第5主面には、前記第2配線部材が接合される第3接合部が設けられており、
前記第3基板の前記第6主面と前記第3冷却体の間において少なくとも前記第3接合部の裏面に前記第3絶縁部材が配置される、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記配線部材は、前記第2基板と前記第3基板とを電気的に接続する第3配線部材を含み、
前記第2基板の前記第3主面には、前記第3配線部材が接合される第4接合部が設けられており、
前記第3基板の前記第5主面には、前記第3配線部材が接合される第5接合部が設けられており、
前記第2基板の前記第3主面と前記第2冷却体の間において少なくとも前記第4接合部の裏面に前記第2絶縁部材が配置され、
前記第3基板の前記第6主面と前記第3冷却体の間において少なくとも前記第5接合部の裏面に前記第3絶縁部材が配置される、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第2基板および前記第3基板の各々は、前記第1基板の前記第2主面から前記第1主面に向かう方向に延びており、
前記第2基板と前記第3基板とは互いに隣り合うように配置されている、請求項3または4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記第2基板および前記第3基板の各々は、前記第1基板の前記第2主面から前記第1主面に向かう方向に延びており、
前記第2基板と前記第3基板とは互いに向かい合うように配置されている、請求項3または4に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記第1冷却体は、前記第1基板の前記第2主面に前記第1絶縁部材を介して熱的に接続されており、
前記第2冷却体は、前記第2基板の前記第4主面に前記第2絶縁部材を介して熱的に接続されており、
前記第3冷却体は、前記第3基板の前記第6主面に前記第3絶縁部材を介して熱的に接続されている、請求項3~6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記配線部材は、0.05mm以上0.3mm未満の厚さであり、電流密度50A/mm
2以上100A/mm
2以下を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記配線部材は、複数の折れ曲がり部を有する、請求項8に記載の電力変換装置。
【請求項10】
複数の前記折れ曲がり部のうち隣り合う前記折れ曲がり部は互いに重なるように配置されている、請求項9に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記電子部品は第4部品を含み、
前記電子部品の前記第4部品が搭載された第7主面と前記第7主面に対向する第8主面とを有する第4基板と、
前記第1基板の前記第2主面から前記第1主面に向かう方向に延びる第4冷却体と、
前記第4基板の前記第8主面と前記第4冷却体との間に配置された第4絶縁部材とをさらに備え、
前記第4冷却体は、前記第4基板の前記第8主面に前記第4絶縁部材を介して熱的に接続されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記電子部品は第5部品を含み、
前記電子部品の前記第5部品が搭載された第9主面と前記第9主面に対向する第10主面とを有する第5基板と、
前記第1基板の前記第2主面から前記第1主面に向かう方向に延びる第5冷却体と、
前記第5基板の前記第10主面と前記第5冷却体との間に配置された第5絶縁部材とをさらに備え、
前記第5冷却体は、前記第5基板の前記第10主面に前記第5絶縁部材を介して熱的に接続されている、請求項1~11のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記第1基板に前記第1主面と前記第2主面とを貫通するスルーホールが設けられており、
前記スルーホールは、前記第1接合部の直下に配置されている、請求項1~12のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記折れ曲がり部が接触して前記配線部材の通電経路が短くなる、請求項10に記載の電力変換装置。
【請求項15】
前記配線部材は、冷却体で構成される空間の内部にたわみ部を有する、請求項8に記載の電力変換装置。
【請求項16】
前記配線部材は、前記第1冷却体と前記第2冷却体が組み上がった状態では、前記配線部材の中央付近が円弧状に膨らみ、膨らんだ前記配線部材は前記第1基板と前記第2基板の内側に配置されている、請求項15に記載の電力変換装置。
【請求項17】
円弧状に膨らんだ前記配線部材は、屈曲部同士が接触する、請求項16に記載の電力変換装置。
【請求項18】
前記配線部材は、前記たわみ部が屈曲した状態で放熱部材を介してコアと接触しており、
前記コアは、前記第2部品であり、トランスを構成する、請求項15に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置および電力変換装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に電力変換装置には、スイッチング素子、整流素子、磁性部品などの電子部品が含まれる。これらの電子部品は、電力変換装置の動作に伴い発熱する。これらの電子部品で発生した熱は、放熱経路を通じて冷却体へと伝わり、冷却体から放熱される。このようにして、これらの電子部品の温度は、各々の電子部品の許容温度以下に抑制される。
【0003】
近年、電力変換装置の小型化および高出力化に対する需要の高まりを受け、電力変換装置に搭載される電子部品の発熱量は増加している。このため、電力変換装置の放熱性を高めることおよび電力変換装置の温度上昇を抑制することが強く求められている。
【0004】
電力変換装置の一例として、特許第4231626号公報(特許文献1)には自動車用モータ駆動装置が記載されている。この公報に記載された自動車用モータ駆動装置においては、筐体内に収められている電子部品のうち、高発熱部品である電力変換素子は筐体底面に配置されている。電力変換素子が配置された筐体底面は冷却体と一体になっている。また、制御素子が搭載されたプリント基板は、筐体内側に形成された板状基板据え付け部に固定されている。制御素子で発生した熱は、板状基板据え付け部を介して筐体へと伝わる。また、プリント基板は、電力変換素子の上に積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記公報に記載された自動車用モータ駆動装置では、高発熱部品である電力変換素子が筐体底面に配置されている。したがって、電力変換装置の出力増加により高発熱部品の数が増加すると、これらの高発熱部品を配置するために、筐体底面の面積を拡大する必要がある。その結果、電力変換装置が大型化する。また、上記公報に記載された自動車用モータ駆動装置では、制御素子で発生した熱は、板状基板据え置き部を介して筐体へと伝わる。したがって、放熱経路が長くなる。その結果、放熱性が低下する。また、上記公報に記載された自動車用モータ駆動装置では、部品およびプリント基板の間における電気的な接続技術は詳しく記載されていない。したがって、例えば、2つのプリント基板が互いにハーネスとハーネスを固定するねじおよび端子台とで接続されている場合、ねじおよび端子台に発生したジュール熱によって電力変換装置の温度が上昇する。
【0007】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力変換装置の底面積の拡大を抑制することができ、かつ放熱性を向上させることができるとともに電力変換装置の温度上昇を抑制することができる電力変換装置および電力変換装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の電力変換装置は、電子部品と、第1基板と、第1冷却体と、第2基板と、第2冷却体と、配線部材とを備えている。電子部品は、第1部品および第2部品を含む。第1基板は、電子部品の第1部品が搭載された第1主面と第1主面に対向する第2主面とを有する。第1冷却体は、第1基板の第2主面に熱的に接続されている。第2基板は、電子部品の第2部品が搭載された第3主面と第3主面に対向する第4主面とを有する。第2冷却体は、第2基板の第4主面に熱的に接続されている。第2冷却体は、第1基板の第2主面から第1主面に向かう方向に延びている。配線部材は、第1基板と第2基板とを電気的に接続する第1配線部材を含む。電力変換装置は、第1基板の第2主面と第1冷却体との間に配置された第1絶縁部材をさらに備えている。第1基板の第1主面には、第1配線部材が接合される第1接合部が設けられている。第1基板の第2主面と第1冷却体の間において少なくとも第1接合部の裏面に第1絶縁部材が配置されている。第1基板の第2主面と平行な第1冷却体の面が支持体の底面を構成している。第2基板の第4主面と平行な第2冷却体の面が支持体の側面を構成している。第1基板の第2主面とは垂直な側面が、第2冷却体と対向する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の電力変換装置によれば、電子部品は、第1基板だけでなく、第2基板に搭載されている。このため、高発熱部品である電子部品の数が増加する場合においても、電子部品を第2基板に搭載することにより、第1冷却体の拡大を抑制することができる。したがって、電力変換装置の底面積の拡大を抑制することができる。また、電子部品を第2基板に搭載することにより、第2基板に搭載された電子部品で発生した熱が第2冷却体に伝わる放熱距離を短くすることができる。したがって、第2基板の放熱性を向上させることができる。また、第1配線部材は、第1基板の第1主面および第2基板の第3主面にそれぞれ直接接続およびはんだ付け接合のいずれかで接続されている。このため、基板間の接続において、ねじおよび端子台を使用しないため、ねじおよび端子台に発生するジュール熱が削減されるので、第1配線部材の温度上昇を抑制することができる。したがって、電力変換装置の温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る電力変換装置の回路図である。
【
図2】実施の形態1に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る電力変換装置の第1プリント基板モジュールの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る電力変換装置の第2プリント基板モジュールの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る電力変換装置の第3プリント基板モジュールの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る電力変換装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図7】実施の形態1に係る電力変換装置のプリント基板モジュール間の電気的接続を説明するための斜視図である。
【
図8】実施の形態1に係る電力変換装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態1の変形例1に係る電力変換装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図10】実施の形態1の変形例2に係る電力変換装置のプリント基板モジュール間の電気的接続を説明するための斜視図である。
【
図11】実施の形態1の変形例2に係る電力変換装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図12】実施の形態1の変形例3に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図13】実施の形態1の変形例4に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図14】実施の形態1の変形例5に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図15】実施の形態1の変形例6に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図16】実施の形態2に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図17】実施の形態2の変形例に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図18】実施の形態3に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図19】実施の形態3に係る電力変換装置のプリント基板モジュール間の電気的接続を説明するための斜視図である。
【
図20】実施の形態3の変形例に係る電力変換装置のプリント基板モジュール間の電気的接続を説明するための斜視図である。
【
図21】実施の形態4に係る電力変換装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図22】実施の形態5に係る電力変換装置のプリント基板モジュール間の電気的接続を説明するための斜視図である。
【
図23】実施の形態6に係る電力変換装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図24】実施の形態6の変形例1に係る電力変換装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図25】実施の形態6の変形例2に係る電力変換装置の構成を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下においては、同一または相当する部分に同一の符号を付すものとし、重複する説明は繰り返さない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電力変換装置の回路図の一例である。
図1の回路図に示される電力変換装置は、例えば、電気自動車に搭載され、DC100V~300Vのリチウムイオン電池の入力電圧を、DC12~15Vの電圧に変換して出力し、鉛蓄電池を充電するDC-DCコンバータである。
図1の回路図に示される電力変換装置は、入力コンデンサ1と、4つのスイッチング素子2a、2b、2c、2dで構成されるインバータ回路部11と、トランス3、4で構成される変圧部12と、8つの整流素子5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5hで構成される整流回路部13と、リアクトル6、7と平滑コンデンサ8で構成される平滑回路部14と、入力端子9と、出力端子10と、制御回路部15と、を備える。なお、
図1に回路記号で示す各電子部品は、任意個数の直列構成、並列構成としてもよい。
【0013】
スイッチング素子2a、2b、2c、2dの各々は、トランジスタ、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のパワー半導体素子である。整流素子5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5hは、ダイオード、MOSFET、サイリスタ等のパワー半導体素子である。
【0014】
図1の回路図に示される電力変換装置は、インバータ回路部11を、制御回路部15によりスイッチング制御することで、入力端子9から入力される直流電圧を交流電圧に変換する。変圧部12は、インバータ回路部11によって変換された交流電圧をトランス3、4の巻き数比によって任意の電圧に変換する。また、トランス3、4は、入力端子9と出力端子10の間を、電気的に絶縁する。整流回路部13は、トランス3、4から供給される交流電圧を、再度、直流電圧に変換する。平滑回路部14は、整流回路部13によって変換された直流電圧を平滑して、出力電圧を安定させる。
【0015】
このように構成された
図1の回路図に示される電力変換装置では、4つのスイッチング素子2a、2b、2c、2dと、トランス3、4と、8つの整流素子5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5hと、リアクトル6、7と、が高発熱部品となる。これらの高発熱部品で発生した熱を放熱し、高発熱部品の温度を各部品の許容温度以下にする必要がある。各部品の許容温度は、例えば、100℃以上120℃以下である。
【0016】
また、これら高発熱部品を電気的に接続する配線には、大きな電流が流れるため、配線自体の電気抵抗により、配線にジュール熱が発生する。よって、高発熱部品を電気的に接続する配線自体も高い発熱量を発生する。よって、プリント基板の上、または内部に形成した回路パターンで、高発熱部品を電気的に接続する場合、回路パターンで発生した熱を放熱し、プリント基板を許容温度以下にする必要がある。プリント基板の許容温度は、例えば、100℃以上120℃以下である。
【0017】
図2は、実施の形態1に係る電力変換装置100の斜視図である。
図3は、電力変換装置100に含まれる第1プリント基板モジュール71の斜視図である。
図4は、電力変換装置100に含まれる第2プリント基板モジュール72の斜視図である。
図5は、電力変換装置100に含まれる第3プリント基板モジュール73の斜視図である。なお、
図2~
図5では説明の便宜のため、後述する配線部材86および接合部87は図示されていない。
【0018】
図2~
図5に示されるように、電力変換装置100は、外部冷却体21と、第1プリント基板31と、第1絶縁部材41と、第1冷却体51と、第1固定部材61と、第2プリント基板32と、第2絶縁部材42と、第2冷却体52と、第2固定部材62と、第3プリント基板33と、第3絶縁部材43と、第3冷却体53と、第3固定部材63と、電子部品と、配線部材86とを備えている。外部冷却体21は、主面21aを有している。
【0019】
第1プリント基板(第1基板)31は、電子部品(第1部品)が搭載された表面(第1主面)S1と、第1冷却体51と対向する裏面(第2主面)S2とを有している。第2主面S2は第1主面S1に対向する。第1絶縁部材41は、第1プリント基板31の第2主面S2と第1冷却体51との間に配置されている。第1冷却体51は、第1プリント基板31の第2主面S2に熱的に接続されている。第1冷却体51は、第1プリント基板31の第2主面S2に第1絶縁部材41を介して熱的に接続されている。第1冷却体51は、外部冷却体21と熱結合している。外部冷却体21は、第1冷却体51に熱的に接続されている。第1冷却体51は、第1プリント基板31の第2主面S2に熱的に接続されている。第1固定部材61は、第1プリント基板31を、第1冷却体51に固定するように構成されている。
【0020】
第2プリント基板(第2基板)32は、電子部品(第2部品)が搭載された表面(第3主面)S3と、第2冷却体52と対向する裏面(第4主面)S4とを有している。第4主面S4は第3主面S3に対向する。第2絶縁部材42は、第2プリント基板32の第4主面S4と第2冷却体52との間に配置されている。第2冷却体52は、第2プリント基板32の第4主面S4に熱的に接続されている。第2冷却体52は、第2プリント基板32の第4主面S4に第2絶縁部材42を介して熱的に接続されている。第2冷却体52は、第1冷却体51の第1プリント基板31と対向する面51aに接続される面を底面として、上下に伸びるように構成されている。第2冷却体52は、第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びている。第2冷却体52は、第1冷却体51に熱的に接続されている。第2固定部材62は、第2プリント基板32を、第2冷却体52に固定するように構成されている。
【0021】
第3プリント基板(第3基板)33は、電子部品(第3部品)が搭載された表面(第5主面)S5と、第3冷却体53と対向する裏面(第6主面)S6とを有している。第6主面S6は第5主面S5に対向する。第3絶縁部材43は、第3プリント基板33の第6主面S6と第3冷却体53との間に配置されている。第3冷却体53は、第3プリント基板33の第6主面S6に熱的に接続されている。第3冷却体53は、第3プリント基板33の第6主面S6に第3絶縁部材43を介して熱的に接続されている。第3冷却体53は、第1冷却体51の面51aに接続される面を底面として、上下に伸びるように構成されている。第3冷却体53は、第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びている。第3冷却体53は、第1冷却体51に熱的に接続されている。第3固定部材63は、第3プリント基板33を、第3冷却体53に固定するように構成されている。
【0022】
第2プリント基板32および第3プリント基板33の各々は、第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びている。第2プリント基板32と第3プリント基板33とは互いに向かい合うように配置されている。
【0023】
本実施の形態では、第1プリント基板31、第2プリント基板、第3プリント基板33が冷却体で構成される空間の内部に構成されている。
【0024】
また、本実施の形態では、第2プリント基板32と第3プリント基板33が向かい合うように配置されているが、隣り合うように配置されていてもよい。その際、第2プリント基板32と第3プリント基板33は熱結合されている。
【0025】
なお、上下方向とは、外部冷却体21の主面21aに対して略垂直な方向とする。第1冷却体51は、電力変換装置100の支持体の底面を構成する。第2冷却体52と、第3冷却体53は、電力変換装置100の支持体の側面を構成する。
【0026】
入力電力は、第2冷却体52または第3冷却体53の上側の開口部から、例えばハーネスまたはプリント基板などの配線によって第1プリント基板31に接続される(図示せず)。
【0027】
出力電力は、第2プリント基板32もしくは第3プリント基板33から出力される。第2プリント基板32もしくは第3プリント基板33には、出力電力を出力するための、例えばハーネスまたはプリント基板の配線が筐体の上側の開口部から接続される(図示せず)。
【0028】
制御回路部15は、第2冷却体52または第3冷却体53の上側に配置される(図示せず)。
【0029】
外部冷却体21は、1.0W/(m・K)以上、好ましくは10.0W/(m・K)以上、さらに好ましくは100.0W/(m・K)以上の熱伝導率を有する。外部冷却体21は、銅、鉄、アルミニウム、鉄合金、アルミニウム合金などの金属材料、または、熱伝導率の高い樹脂などで形成される。外部冷却体21は、内部に冷却水を通すための配管を備えても良い。また、外部冷却体21は、周囲の大気への放熱を促進するため、放熱フィン等を備えてもよい。
【0030】
第1プリント基板31、第2プリント基板32および第3プリント基板33の各々は、その表面または内部に、図示しない回路パターンが形成されていてもよい。この回路パターンは、厚さが1μm以上2000μm以下である。また、この回路パターンは、導電性材料から形成される。この回路パターンは、例えば、銅、ニッケル、金、アルミニウム、銀、錫などまたはそれらの合金などから形成される。第1プリント基板31、第2プリント基板32および第3プリント基板33の各々を構成する材料は、たとえばガラス繊維強化エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などとすればよい。言い換えると、第1プリント基板31、第2プリント基板32および第3プリント基板33の各々は、一般に熱伝導率が低いとされる材料で構成されていてもよい。つまり、第1プリント基板31、第2プリント基板32および第3プリント基板33の各々は、汎用のプリント基板であってもよい。また、第1プリント基板31、第2プリント基板32および第3プリント基板33の各々は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪素などのセラミックスで構成されてもよい。
【0031】
第1絶縁部材41、第2絶縁部材42および第3絶縁部材43の各々は、電気絶縁性を有している。また、第1絶縁部材41、第2絶縁部材42および第3絶縁部材43の各々は、弾性を有してもよい。また、第1絶縁部材41、第2絶縁部材42および第3絶縁部材43の各々は、1MPa以上100MPa以下のヤング率を有してもよい。第1絶縁部材41、第2絶縁部材42および第3絶縁部材43の各々は、0.1W/(m・K)以上、好ましくは1.0W/(m・K)以上の熱伝導率を有する。第1絶縁部材41、第2絶縁部材42および第3絶縁部材43の各々は、たとえば、シリコン、ウレタンなどのゴム材、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリフェニレンサルファニド(PPS)、フェノールなどの樹脂材、ポリイミドなどの高分子材料、アルミナ、窒化アルミニウムなどのセラミックス材料、シリコンを主原料とするフェイズチェンジマテリアルなどから構成されてもよい。また、第1絶縁部材41、第2絶縁部材42および第3絶縁部材43の各々は、シリコン樹脂に酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などの粒子を混入させた材料から構成されてもよい。
【0032】
第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53の各々は、1.0W/(m・K)以上、好ましくは10.0W/(m・K)以上、さらに好ましくは100.0W/(m・K)以上の熱伝導率を有する。第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53の各々は、銅、鉄、アルミニウム、鉄合金、アルミニウム合金などの金属材料、または、熱伝導率の高い樹脂などで形成される。本実施の形態では、第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53は板状のアルミニウム合金で構成されている。また、第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53の各々の電位がアースと同じ電位になるよう、他の部材と電気的に接続されていてもよい。また、第2冷却体52および第3冷却体53の各々は、直接または他の部材を介して、第1冷却体51に接続および固定されている。第2冷却体52および第3冷却体53の各々は、第1冷却体51に熱的に接続されている。
【0033】
第1冷却体51と第2冷却体52との接触面と、第1冷却体51と第3冷却体53との接触面とに、熱伝導性グリス、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤などの熱伝導部材(第1熱伝導性部材)HC1が配置されてもよい。熱伝導部材(第1熱伝導性部材)HC1は、熱伝導性グリス、熱伝導性シートおよび熱伝導性接着剤の少なくともいずれを含んでいる。第1冷却体51は、第2冷却体52および第3冷却体53の各々と熱伝導部材(第1熱伝導性部材)HC1を介して熱的に接続されている。
【0034】
第1冷却体51は、外部冷却体21と面接触してもよい。第1冷却体51と外部冷却体21とが面接触する場合、第1冷却体51と外部冷却体21との接触面に、熱伝導性グリス、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤などの熱伝導部材が配置されてもよい。
【0035】
第1冷却体51と外部冷却体21とは熱結合しているため、第1プリント基板モジュール71で発生する熱に対する放熱性は、第2プリント基板モジュール72および第3プリント基板モジュール73で発生する熱に対する放熱性と比べて、高い。よって、第1プリント基板モジュール71、第2プリント基板モジュール72、第3プリント基板モジュール73に配置する電子部品は、入れ替えて良いが、第1プリント基板モジュール71に、特に高い発熱量を発生する電子部品(高発熱部品)を配置することが好ましい。本実施の形態では、スイッチング素子2a、2b、2c、2dの各々が、特に高発熱部品であると仮定して、スイッチング素子2a、2b、2c、2dの各々を、第1プリント基板モジュール71に配置する。
【0036】
スイッチング素子よりも発熱の小さい整流素子5a、5b、5c、5e、5f、5g、5hまたはトランス3、4は第2プリント基板モジュール72、第3プリント基板モジュール73に配置される。
【0037】
続いて、
図3~
図5を参照して、第1プリント基板モジュール71、第2プリント基板モジュール72および第3プリント基板モジュール73の一例を説明する。
【0038】
図3に示されるように、第1プリント基板モジュール71は、第1プリント基板31と、第1絶縁部材41と、第1冷却体51と、第1固定部材61と、電子部品(第1部品)とを備えている。電子部品(第1部品)は、第1プリント基板31の上に搭載される。電子部品(第1部品)は、特に高発熱部品であるスイッチング素子2a、2b、2c、2dの各々である。第1絶縁部材41は、第1プリント基板31と第1冷却体51との間に設けられる。第1絶縁部材41は、第1プリント基板31と、第1冷却体51とに、面接触することが好ましい。第1固定部材61は、第1プリント基板31を第1冷却体51に固定する。
【0039】
第1プリント基板31の、第1冷却体51と対向する面と反対の面31a上には、入力コンデンサ1と、スイッチング素子2a、2b、2c、2dとが搭載されている。面31a上には、図示しない、入力端子9が搭載されている。面31a上には、その他の電子部品が搭載されていてもよい。また、第1プリント基板31の、第1冷却体51と対向する面上に、その他の電子部品が搭載されていてもよい。第1プリント基板31の第1冷却体51と対向する面は第2主面S2に該当する。第1プリント基板31の第1冷却体51と対向する面と反対の面31aは第1主面S1に該当する。
【0040】
図4に示されるように、第2プリント基板モジュール72は、第2プリント基板32と、第2絶縁部材42と、第2冷却体52と、第2固定部材62と、電子部品(第2部品)とを備えている。電子部品(第2部品)は、第2プリント基板32の上に搭載される。電子部品(第2部品)は、特に高発熱部品であるトランス3、4と、整流素子5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5hである。第2絶縁部材42は、第2プリント基板32の第4主面S4と第2冷却体52との間に設けられる。第2絶縁部材42は、第2プリント基板32と、第2冷却体52とに、面接触することが好ましい。第2固定部材62は、第2プリント基板32を第2冷却体52に固定する。
【0041】
第2プリント基板32の、第2冷却体52と対向する面と反対の面32a上には、整流素子5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5hと、トランス3、4が搭載されている。面32a上には、その他の電子部品が搭載されていてもよい。また、第2プリント基板32の、第2冷却体52と対向する面上に、その他の電子部品が搭載されていてもよい。第2プリント基板32の第2冷却体52と対向する面は第4主面S4に該当する。第2プリント基板32の第2冷却体52と対向する面と反対の面32aは第3主面S3に該当する。
【0042】
図5に示されるように、第3プリント基板モジュール73は、第3プリント基板33と、第3絶縁部材43と、第3冷却体53と、第3固定部材63と、電子部品(第3部品)とを備えている。電子部品(第3部品)は、第3プリント基板33の上に搭載される。電子部品(第3部品)は、特に高発熱部品であるリアクトル6、7である。第3絶縁部材43は、第3プリント基板33と第3冷却体53との間に設けられる。第3絶縁部材43は、第3プリント基板33と、第3冷却体53とに、面接触することが好ましい。第3固定部材63は、第3プリント基板33を第3冷却体53に固定する。
【0043】
第3プリント基板33の、第3冷却体53と対向する面と反対の面33a上には、平滑コンデンサ8と、リアクトル6、7とが搭載されている。また、面33a上には、図示しない、出力端子10が搭載されている。また、面33a上には、その他の電子部品が搭載されていてもよい。また、第3プリント基板33の、第3冷却体53と対向する面上に、その他の電子部品が搭載されていてもよい。第3プリント基板33の第3冷却体53と対向する面は第6主面S6に該当する。第3プリント基板33の第3冷却体53と対向する面と反対の面33aは第5主面S5に該当する。
【0044】
図1に示す制御回路部15は、第1プリント基板31、第2プリント基板32、第3プリント基板33のいずれの上に搭載されてもよい。また、制御回路部15は、第1プリント基板31、第2プリント基板32および第3プリント基板33のうち、少なくとも2つ以上のプリント基板の上に、分割して搭載されてもよい。
【0045】
図2、
図6および
図7を参照して、配線部材86についてさらに詳しく説明する。
図2に示されるように実施の形態1に係る電力変換装置100は、外部冷却体21と、第1プリント基板モジュール71と、第2プリント基板モジュール72と、第3プリント基板モジュール73とを備えている。第1プリント基板モジュール71と第2プリント基板モジュール72の間、および、第1プリント基板モジュール71と第3プリント基板モジュール73との間が、配線部材86で電気的に接続される。
【0046】
配線部材86は、第1配線部材86aと、第2配線部材86bとを含んでいる。第1配線部材86aは、第1プリント基板モジュール71の第1プリント基板31と第2プリント基板モジュール72の第2プリント基板32とを電気的に接続する。第2配線部材86bは、第1プリント基板モジュール71の第1プリント基板31と第3プリント基板モジュール73の第3プリント基板33とを電気的に接続する。
【0047】
第1配線部材86aは、第1プリント基板31の第1主面S1および第2プリント基板32の第3主面S3にそれぞれ直接接続およびはんだ付け接合のいずれかで接続されている。第2配線部材86bは、第1プリント基板31の第1主面S1および第3プリント基板33の第5主面S5にそれぞれ接合されている。ここでの接合とは、はんだ付け、超音波接合、導電性接着剤、溶接などによる接合を指す。
【0048】
第1プリント基板モジュール71の第1主面S1に接合部87が設けられている。第2プリント基板モジュール72の第3主面S3に接合部87が設けられている。第3プリント基板モジュール73の第5主面S5に接合部87が設けられている。配線部材86は接合部87に電気的に接続されている。配線部材86と接合部87とには0~300Aの電流が流れる。
【0049】
配線部材86は導電性材料から形成される。配線部材86は銅、ニッケル、金、アルミニウム、銀、錫などまたはそれらの合金などから形成される。
【0050】
配線部材86の形状については、厚みが薄すぎたり、幅が狭すぎたり、長さが長すぎたりすると、配線部材86に通電した時の発熱量が大きくなる。このため、配線部材86の温度上昇が増大する。そのため、配線部材86の形状は、以下の条件を満たすことが好ましい。
【0051】
配線部材86は厚さ0.05mm以上0.3mm未満であることが好ましい。配線部材86は幅3mm以上50mm未満であることが好ましい。配線部材86は長さ10mm以上100mm未満であることが好ましい。配線部材86は電流密度50A/mm2以上100A/mm2以下であることが好ましい。また、配線部材86の縦横比は1:300よりも小さいことが好ましい。配線部材86は、例えば、厚さ0.1mm、幅10mm、長さ50mmであり、電流90Aを通電するものであればよい。
【0052】
図6は、電力変換装置100の構成を模式的に示す断面図である。なお、説明の便宜のため、
図6にはハッチングは付されていない。
【0053】
図7は、電力変換装置100の第1プリント基板モジュール71、第2プリント基板モジュール72および第3プリント基板モジュール73の展開図である。
【0054】
配線部材86の厚みが大きいと、
図7に示される状態から、第2プリント基板モジュール72と第3プリント基板モジュール73とが
図6に示されるように折り曲げられる際、配線部材86と接合部87のはんだづけ部にクラックが発生しやすい。厚さが0.
3mm未満であれば、第2プリント基板モジュール72と第3プリント基板モジュール73とが第1プリント基板モジュール71に対しZ軸方向の向きに垂直に折り曲げられた際に、Y軸方向にたわみが生じる。このたわんだ部分がY軸方向に変形することにより、位置ずれを吸収することができる。そのため、厚さが薄ければ薄いほど、Y軸方向の位置ずれをより吸収することができる。
【0055】
また、配線部材86の幅が狭ければ狭いほど、第2プリント基板モジュール72と第3プリント基板モジュール73とが第1プリント基板モジュール71に対しZ軸方向の向きに垂直に折り曲げられた際のY軸方向の位置ずれをより吸収することができる。
【0056】
また、配線部材86が長ければ長いほど、第2プリント基板モジュール72と第3プリント基板モジュール73とが第1プリント基板モジュール71に対しZ軸方向の向きに垂直に折り曲げられた際のY軸方向の位置ずれをより吸収することができる。
【0057】
図6に示されるように、配線部材86は直角に折り曲げられ、接合部87に接続されている。接合部87は回路パターンの一部である。配線部材86は、直角だけでなく、0度から180度まで、どの角度にも折り曲げることができる。配線部材86を折り曲げることにより、
図6に示されるように、第2プリント基板モジュール72と第3プリント基板モジュール73とを第1プリント基板モジュール71に対してZ軸方向に折り曲げることができる。このため、第2プリント基板モジュール72および第3プリント基板モジュール73の各々を外部冷却体21に対して垂直に配置することができる。それにより、外部冷却体21に対し、第1プリント基板モジュール71、第2プリント基板モジュール72および第3プリント基板モジュール73が組み立てられた構造の底面積を小さくして、この構造を外部冷却体21に実装することができる。
【0058】
図7に示されるように、長方形の薄板上の配線部材86の長手方向に対して平行な方向をX軸とし、長手方向に対し垂直な方向をY軸とする。また、冷却面に対して垂直な方向をZ軸方向とする。接合部87の位置は、プリント基板モジュールを冷却体にネジ締めした際に、設計上の位置からY軸方向にずれることがある。接合部87が配線部材86に接続される際に、Y軸方向の位置ずれが生じることがある。また、
図6に示される状態では、第2プリント基板モジュール72と第3プリント基板モジュール73が第1プリント基板モジュール71に対しZ軸方向の向きに垂直に折り曲げられた際に、配線部材86にたわみが生じる。このため、配線部材86は、Z軸方向に位置ずれを吸収することができる。
【0059】
次に、
図6、
図7および
図8を参照して、実施の形態1に係る電力変換装置100の製造方法について説明する。
【0060】
図6、
図7および
図8に示されるように、電力変換装置100は、準備工程S100と、組み立て工程S200と、接続工程S300とを経て製造される。
【0061】
準備工程S100では、第1部品、第2部品および第3部品を含む電子部品と、第1プリント基板31、第2プリント基板および第3プリント基板33、第1冷却体51および第2冷却体52、配線部材86が準備される。プリント基板は、1枚の基板から分割されてよい。この場合、1枚の基板に形成されたミシン目がルーターで切断されることによって各プリント基板に分割される。
【0062】
組み立て工程S200において、各プリント基板は接合部87を介して配線部材86によって接続されていてもよい。このミシン目は、配線部材86と重ならないように配置されていてもよい。
【0063】
組み立て工程S200では、第1プリント基板モジュール71、第2プリント基板モジュール72および第3プリント基板モジュール73がそれぞれ組み立てられる。また、組み立て工程S200では、第1プリント基板モジュール71、第2プリント基板モジュール72および第3プリント基板モジュール73の各々は、電子部品搭載工程と、プリント基板組み合わせ工程と、プリント基板固定工程とを経て製造される。
【0064】
第1プリント基板モジュール71の組み立て工程について説明する。電子部品搭載工程では、第1プリント基板31の第1主面S1に、電子部品(第1部品)が、フローはんだ付け、またはリフローはんだ付け等で搭載される。プリント基板組み合わせ工程では、第1冷却体51と、第1絶縁部材41と、電子部品が面31aに搭載された第1プリント基板31とが組み合わされる。この際、第1プリント基板31の第1主面S1に対向する第2主面S2に第1冷却体51が熱的に接続される。プリント基板固定工程では、第1固定部材61で、第1絶縁部材41を介して、第1プリント基板31が第1冷却体51に固定される。
【0065】
第2プリント基板モジュール72の組み立て工程について説明する。電子部品搭載工程では、第2プリント基板32の第3主面S3に、電子部品(第2部品)が、フローはんだ付け、またはリフローはんだ付け等で搭載される。プリント基板組み合わせ工程では、第2冷却体52と、第2絶縁部材42と、電子部品が面32aに搭載された第2プリント基板32とが組み合わされる。また上下のコアが組み合わされる。この際、第2プリント基板32の第3主面S3に対向する第4主面S4に第2冷却体52が熱的に接続される。プリント基板固定工程では、第2固定部材62で、第2絶縁部材42を介して、第2プリント基板32が第2冷却体52に固定される。
【0066】
第3プリント基板モジュール73の組み立て工程について説明する。電子部品搭載工程では、第3プリント基板33の第5主面S5に、電子部品(第3部品)が、フローはんだ付け、またはリフローはんだ付け等で搭載される。プリント基板組み合わせ工程では、第3冷却体53と、第3絶縁部材43と、電子部品が面33aに搭載された第3プリント基板33とが組み合わされる。また上下のコアが組み合わされる。この際、第3プリント基板33の第5主面S5に対向する第6主面S6に第3冷却体53が熱的に接続される。プリント基板固定工程では、第3固定部材63で、第3絶縁部材43を介して、第3プリント基板33が第3冷却体53に固定される。
【0067】
配線部材86の第1配線部材86aが第1プリント基板31と第2プリント基板32とを電気的に接続する。第1配線部材86aは第1プリント基板31の第1主面S1および第2プリント基板32の第3主面S3にそれぞれ直接接続およびはんだ付け接合のいずれかで接続される。第1プリント基板31が第1冷却体51に固定される前でありかつ第2プリント基板32が第2冷却体52に固定される前に、第1配線部材86aは、第1プリント基板31と第2プリント基板32とを電気的に接続してもよい。また、第1プリント基板31が第1冷却体51に固定された後でありかつ第2プリント基板32が第2冷却体52に固定された後に、第1配線部材86aは、第1プリント基板31と第2プリント基板32とを電気的に接続してもよい。
【0068】
配線部材86の第2配線部材86bが第1プリント基板31と第3プリント基板33とを電気的に接続する。第2配線部材86bは第1プリント基板31の第1主面S1および第3プリント基板33の第5主面S5にそれぞれ直接接続およびはんだ付け接合のいずれかで接続される。第1プリント基板31が第1冷却体51に固定される前でありかつ第3プリント基板33が第3冷却体53に固定される前に、第1配線部材86aは、第1プリント基板31と第3プリント基板33とを電気的に接続してもよい。また、第1プリント基板31が第1冷却体51に固定された後でありかつ第3プリント基板33が第3冷却体53に固定された後に、第1配線部材86aは、第1プリント基板31と第3プリント基板33とを電気的に接続してもよい。
【0069】
図7に示されるように、第1プリント基板モジュール71に、第2プリント基板モジュール72および第3プリント基板モジュール73の各々が配線部材86で電気的に接続される。また、第1プリント基板31、第2プリント基板32、第3プリント基板33の各々に接合部87が搭載されている。配線部材86は接合部87に電気的に接続される。そして、配線部材86と接合部87とが固定されることで、第1プリント基板モジュール71に第2プリント基板モジュール72および第3プリント基板モジュール73の各々が電気的に接続される。また、
図7では、第1プリント基板31が第2プリント基板32および第3プリント基板33に配線部材86を用いて接続されているが、1枚の基板に対し、3枚以上の基板が接続されてもよい。
【0070】
接合部87は、回路パターンの一部であり、ねじおよび端子台などの締結部材を使用せず、はんだ付けで接合部87に接続される。また接合部87は、はんだ付けだけでなく、溶接、かしめ、超音波接合などで接合部87に接続されてもよい。
【0071】
組み立て工程S200において、第2プリント基板32および第3プリント基板33の各々に設けられた溝Gに電子部品(第2部品)および電子部品(第3部品)の各々がそれぞれ固定される。
【0072】
接続工程S300では、第1プリント基板モジュール71に第2プリント基板モジュール72および第3プリント基板モジュール73の各々が接続および固定される。この際、第2冷却体52は、第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びるように配置される。
【0073】
また、第3冷却体53は、第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びるように配置される。
【0074】
接続工程S300では、第1プリント基板モジュール71に含まれる第1冷却体51に、第2プリント基板モジュール72に含まれる第2冷却体52と、第3プリント基板モジュール73に含まれる第3冷却体53とが、直接または他の部材を介して接続および固定される。この際、第2冷却体52および第3冷却体53の各々が第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びるように配置される。第1冷却体51は、外部冷却体21と面接触する等の方法で、外部冷却体21と熱結合される。
【0075】
接続工程S300において、第1冷却体51に第2冷却体52および第3冷却体53が熱的に接続される。その時、第1冷却体51に第2冷却体52および第3冷却体53が
図7の状態から
図6のように組み立てられる際に、第1プリント基板31および第2プリント基板32の向かい合う接合部87同士の位置、ならびに、第1プリント基板31および第3プリント基板33の向かい合う接合部87同士の位置がずれることがある。接合部87同士の位置がずれた場合でも配線部材86の変形によって接続を保つことができる。
【0076】
次に、実施の形態1に係る電力変換装置100の効果について説明する。
実施の形態1に係る電力変換装置によれば、電子部品は、第1プリント基板31だけでなく、第2プリント基板32に搭載されている。このため、高発熱部品である電子部品の数が増加する場合においても、電子部品を第2プリント基板32に搭載することにより、第1冷却体51の拡大を抑制することができる。したがって、電力変換装置100の底面積の拡大を抑制することができる。また、電子部品を第2プリント基板32に搭載することにより、第2プリント基板32に搭載された電子部品で発生した熱が第2冷却体52に伝わる放熱距離を短くすることができる。したがって、第2プリント基板32の放熱性を向上させることができる。また、第1配線部材86aは、第1プリント基板31の第1主面S1および第2プリント基板32の第3主面S3にそれぞれ直接接続およびはんだ付け接合のいずれかで接続されている。このため、基板間の接続において、ねじおよび端子台を使用しないため、その分の通電経路が短くなるので電気抵抗が低減される。よって、ねじおよび端子台に発生するジュール熱が削減されるので、第1配線部材86aの温度上昇を抑制することができる。したがって、電力変換装置100の温度上昇を抑制することができる。その結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0077】
実施の形態1に係る電力変換装置100によれば、電子部品は、第3プリント基板33にも搭載されている。このため、高発熱部品である電子部品の数が増加する場合においても、電子部品を第3プリント基板33に搭載することにより、第1冷却体51の拡大を抑制することができる。したがって、電力変換装置100の底面積の拡大を抑制することができる。また、電子部品を第3プリント基板33に搭載することにより、第3プリント基板33に搭載された電子部品で発生した熱が第3冷却体53に伝わる放熱経路を短くすることができる。したがって、第3プリント基板33の放熱性を向上させることができる。また、第2配線部材86bは、第1プリント基板31の第1主面S1および第3プリント基板33の第5主面S5にそれぞれ直接接続およびはんだ付け接合のいずれかで接続されている。このため、基板間の接続において、ねじおよび端子台を使用しないため、その分の通電経路が短くなるので電気抵抗が低減される。よって、ねじおよび端子台に発生するジュール熱が削減されるので、第2配線部材86bの温度上昇を抑制することができる。したがって、電力変換装置100の温度上昇を抑制することができる。
【0078】
比較例と対比して実施の形態1に係る電力変換装置100を説明する。比較例では、第1プリント基板31および第2プリント基板32の端部に設けられた接合部87にそれぞれ設置された端子台がねじおよびハーネスを用いて接続される。第2プリント基板32が第1プリント基板31に対して、垂直かつ接近して実装されると、第2プリント基板32の接合部87に設置された端子台およびねじ等が、第1プリント基板31の端部に設置された端子台、ねじ、電子部品等と干渉する。そのため、第1プリント基板31および第2プリント基板32の各々の部品同士が干渉しないように、第1プリント基板31と第2プリント基板32とを離して実装しなければならない。そうすると、電力変換装置100の体積および底面積が大きくなる。
【0079】
一方、実施の形態1に係る電力変換装置100によれば、ねじおよび端子台などを使用せずに第1プリント基板31と第2プリント基板32との間の配線部材86として薄いリボン状の銅板を用いて、はんだ付けにより第1プリント基板31および第2プリント基板32のそれぞれの接合部87同士が接続される。そうすることにより、第2プリント基板32が第1プリント基板31に対して、垂直かつ接近して実装される時に、基板同士を離すことなく電力変換装置100を組み立てることができる。その結果、省スペースの配線を実現することができる。したがって、実施の形態1に係る電力変換装置100を更に小型化することができる。
【0080】
また、実施の形態1に係る電力変換装置100によれば、配線部材86の形状は同じ断面積の円形の配線部材と比較すると、空気に触れる表面積が大きい。このため、配線部材の通電により発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を向上できる。したがって、電力変換装置100に流す電流を増やすことができる。その結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0081】
実施の形態1に係る電力変換装置100によれば、第2プリント基板32と第3プリント基板33とは互いに向かい合うように配置されている。このため、電力変換装置100を小型化することができる。
【0082】
実施の形態1に係る電力変換装置100は、第1冷却体51に熱的に接続された外部冷却体21を備えている。第1プリント基板31の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第1プリント基板31に搭載されている高発熱部品である、スイッチング素子2a、2b、2c、2dで発生した熱を、放熱する放熱経路として、第1プリント基板31と、第1絶縁部材41と、第1冷却体51とを介して、外部冷却体21に放熱する第1放熱経路を形成できる。このため、第1プリント基板31の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第1プリント基板31の上に搭載される高発熱部品で発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0083】
また、第1絶縁部材41を、第1プリント基板31と、第1冷却体51とに、面接触させる場合、第1絶縁部材41と第1プリント基板31の接触面の面積と、第1絶縁部材41と第1冷却体51の接触面の面積と、を広くできるため、第1絶縁部材41と第1プリント基板31の接触面の接触熱抵抗と、第1絶縁部材41と第1冷却体51の接触面の接触熱抵抗と、を低減でき、第1放熱経路の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0084】
また、第2プリント基板32の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第2プリント基板32に搭載されている高発熱部品である、整流素子5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5hと、トランス3、4とで発生した熱を、放熱する放熱経路として、第2プリント基板32と、第2絶縁部材42と、第2冷却体52と第1冷却体51とを介して、外部冷却体21に放熱する第2放熱経路を形成できる。第2放熱経路は、特許文献1に記載の構成と比較して、板状基板据え付け部を含まないため、放熱経路の長さを短くでき、放熱性を向上できる。このため、第2プリント基板32の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第2プリント基板32の上に搭載される高発熱部品で発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0085】
また、第2絶縁部材42を、第2プリント基板32と、第2冷却体52とに、面接触させる場合、第2絶縁部材42と第2プリント基板32の接触面の面積と、第2絶縁部材42と第2冷却体52の接触面の面積と、を広くできるため、第2絶縁部材42と第2プリント基板32の接触面の接触熱抵抗と、第2絶縁部材42と第2冷却体52の接触面の接触熱抵抗と、を低減でき、第2放熱経路の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0086】
また、コアの下面が、第2冷却体52と直接接触している場合、または、コアの下面が、熱伝導性グリス、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤などの熱伝導部材を介して第2冷却体52と接触している場合、あるいは、コアの下面が、絶縁部材を介して第2冷却体52と接触している場合、トランス3、4で発生した熱を、第2冷却体52と、第1冷却体51を介して、外部冷却体21に放熱できるため、トランス3、4で発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0087】
また、第3プリント基板33の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第3プリント基板33に搭載されている高発熱部品である、リアクトル6、7で発生した熱を、放熱する放熱経路として、第3プリント基板33と、第3絶縁部材43と、第3冷却体53と、第1冷却体51を介して、外部冷却体21に放熱する第3放熱経路を形成できる。第3放熱経路は、特許文献1に記載の構成と比較して、板状基板据え付け部を含まないため、放熱経路の長さを短くでき、放熱性を向上できる。このため、第3プリント基板33の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第3プリント基板33の上に搭載される高発熱部品で発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0088】
また、第3絶縁部材43を、第3プリント基板33と、第3冷却体53とに、面接触させる場合、第3絶縁部材43と第3プリント基板33の接触面の面積と、第3絶縁部材43と第3冷却体53の接触面の面積と、を広くできるため、第3絶縁部材43と第3プリント基板33の接触面の接触熱抵抗と、第3絶縁部材43と第3冷却体53の接触面の接触熱抵抗と、を低減でき、第3放熱経路の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0089】
また、コアの下面が、第3冷却体53と直接接触している場合、または、コアの下面が、熱伝導性グリス、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤などの熱伝導部材を介して第3冷却体53と接触している場合、あるいは、コアの下面が、絶縁部材を介して第3冷却体53と接触している場合、リアクトル6、7で発生した熱を、第3冷却体53と、第1冷却体51を介して、外部冷却体21に放熱できるため、リアクトル6、7で発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0090】
また、第1冷却体51と外部冷却体21とは熱結合しているため、第2放熱経路および第3放熱経路の放熱性と比較して、第1放熱経路の放熱性は、高くなる。よって、第1プリント基板31上に、高発熱の電子部品の中でも、特に高発熱の電子部品を搭載することで、これらの部品で発生した熱に対する、電力変換装置100の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0091】
第1冷却体51の、第1プリント基板31の面31aと略垂直方向の厚さは、薄くすることが好ましい。これにより、第1放熱経路と第2放熱経路と第3放熱経路の長さを短くできるため、放熱性を向上できる。
【0092】
第2冷却体52の、第2プリント基板32の面32aと略垂直方向の厚さは、厚くすることが好ましい。これにより、第2放熱経路に含まれる第2冷却体52の熱抵抗を低減できるため、放熱性を向上できる。
【0093】
第3冷却体53の、第3プリント基板33の面33aと略垂直方向の厚さは、厚くすることが好ましい。これにより、第3放熱経路に含まれる第3冷却体53の熱抵抗を低減できるため、放熱性を向上できる。
【0094】
また、実施の形態1に係る電力変換装置100では、第1冷却体51は、第1プリント基板31に第1絶縁部材41を介して熱的に接続することができる。第2冷却体52は、第2プリント基板32に第2絶縁部材42を介して熱的に接続することができる。第3冷却体53は、第3プリント基板33に第3絶縁部材43を介して熱的に接続することができる。
【0095】
また、実施の形態1に係る電力変換装置100では、第2冷却体52は第1冷却体51に熱的に接続されており、第3冷却体53は第1冷却体51に熱的に接続されている。このため、第2プリント基板32に搭載された電子部品で発生した熱を第2冷却体52を介して第1冷却体51から放熱することができ、第3プリント基板33に搭載された電子部品で発生した熱を第3冷却体53を介して第1冷却体51から放熱することができる。
【0096】
また、実施の形態1に係る電力変換装置100では、第1冷却体51は、第2冷却体52および第3冷却体53の各々と第1熱伝導性部材HC1を介して熱的に接続されている。このため、第1熱伝導性部材HC1により、第2冷却体52から第1冷却体51への伝熱効率を向上させることができ、第3冷却体53から第1冷却体51への伝熱効率を向上させることができる。
【0097】
実施の形態1に係る電力変換装置100によれば、配線部材86は、0.05mm以上0.3mm未満の厚さであり、電流密度50A/mm2以上100/mm2以上を有する。このため、厚さの薄い配線部材86に大電流で通電することができる。
【0098】
また、特許文献1に記載の構成では、筐体に形成した空間内に電子部品を配置する。この特許文献1に記載の構成において、本実施の形態と同様に、絶縁部材を介して、筐体の底面と側面にプリント基板を固定する場合、略囲まれた空間内で、絶縁部材の配置、プリント基板の配置、プリント基板の固定、プリント基板間の電気的接続を行う必要があり、作業性が悪い。その結果、絶縁部材の厚みにバラツキが生じやすくなり、それを考慮した熱設計が必要となる。
【0099】
これに対して、実施の形態1に係る電力変換装置100の製造方法は、準備工程S100と、組み立て工程S200と、接続工程S300とを備えている。よって、支持体の底面を構成する第1冷却体51と、支持体の側面を構成する第2冷却体52および第3冷却体53に、第1絶縁部材41、第2絶縁部材42、第3絶縁部材43を配置し、第1プリント基板31、第2プリント基板32、第3プリント基板33を固定する作業と、第1プリント基板モジュール71、第2プリント基板モジュール72、第3プリント基板モジュール73の間を電気的に接続する作業と、を略囲まれた空間で行う必要がなくなる。その結果、作業性の悪さに起因する、第1絶縁部材41、第2絶縁部材42、第3絶縁部材43の厚みバラツキを考慮した熱設計が不要となる。
【0100】
また、実施の形態1に係る電力変換装置100の製造方法では、第2冷却体52は、第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びるように配置される。第1配線部材86aが第1プリント基板31と第2プリント基板32とを電気的に接続する。第1配線部材86aは第1プリント基板31の第1主面S1および第2プリント基板32の第3主面S3にそれぞれ直接接続およびはんだ付け接合のいずれかで接続される。したがって、電力変換装置100を小型化し、かつ放熱性を向上させることができるとともに電力変換装置100の温度上昇を抑制することができる。
【0101】
実施の形態1に係る電力変換装置100の製造方法によれば、高発熱部品であるスイッチング素子2a、2b、2c、2dは第1プリント基板モジュール71に配置される。スイッチング素子よりも発熱の小さい整流素子5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5hまたはトランス3、4は第2プリント基板モジュール72、第3プリント基板モジュール73に配置される。こうすることにより、高発熱部品は外部冷却体までの熱抵抗を低減することができる。したがって、電力変換装置100を小型化し、かつ放熱性を向上させることができるとともに電力変換装置100の温度上昇を抑制することができる。
【0102】
また、実施の形態1に係る電力変換装置100の製造方法では、第3冷却体53は、第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びるように配置される。第2配線部材86bが第1プリント基板31と第3プリント基板33とを電気的に接続する。第2配線部材86bは第1プリント基板31の第1主面S1および第3プリント基板33の第5主面S5にそれぞれ直接接続およびはんだ付け接合のいずれかで接続される。したがって、電力変換装置100を小型化し、かつ放熱性を向上させることができるとともに電力変換装置100の温度上昇を抑制することができる。
【0103】
また、実施の形態1に係る電力変換装置100の製造方法では、接続工程S300において、第1冷却体51に第2冷却体52および第3冷却体53が熱的に接続される。したがって、電力変換装置100を小型化し、かつ放熱性を向上させることができるとともに電力変換装置100の温度上昇を抑制することができる。
【0104】
また、実施の形態1に係る電力変換装置100の製造方法では、組み立て工程S200において、第2プリント基板32および第3プリント基板33の各々に設けられた溝Gに電子部品(第2部品)および電子部品(第3部品)の各々がそれぞれ固定される。したがって、電力変換装置100を小型化し、かつ放熱性を向上させることができるとともに電力変換装置100の温度上昇を抑制することができる。さらに、電子部品を確実に固定することができる。
【0105】
次に、実施の形態1の変形例に係る電力変換装置100について説明する。実施の形態1の変形例は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成、動作および効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0106】
図9を参照して、実施の形態1の変形例1に係る電力変換装置100について説明する。
図9は、第1冷却体51と第2冷却体52と第3冷却体53を
図2のように組み立てた後の状態を示す断面図である。なお、説明の便宜のため、
図9にはハッチングは付されていない。
【0107】
実施の形態1の変形例1に係る電力変換装置100は、基本的には実施の形態1に係る電力変換装置100と同様の構成を備える。実施の形態1の変形例1に係る電力変換装置100は、実施の形態1に係る電力変換装置100に比べて、配線部材86の形状が異なる。
【0108】
第1冷却体51と第2冷却体52と第3冷却体53を組み立てる前の
図7と同様の状態において、配線部材86の形状は直線上になっている。プリント基板モジュールが折り曲げられた際に、配線部材86が複数回折り曲がるようにあらかじめ配線部材86に折り線がついている。その後、
図9に示すように、配線部材86は複数の折り曲げ部BPを有する蛇腹状に構成される。つまり、配線部材86は複数の折り曲げ部BPを有している。複数の折れ曲がり部BPのうち隣り合う折れ曲がり部BPは互いに重なるように配置されている。
【0109】
次に、実施の形態1の変形例1に係る電力変換装置100の効果について説明する。実施の形態1の変形例1に係る電力変換装置100によれば、配線部材86は複数の折り曲げ部BPを有するため、折りたたまれることで配線部材86が小型化される。また、複数の折れ曲がり部BPのうち隣り合う折れ曲がり部BPは互いに重なるように配置されている。したがって、配線部材86が折り曲げられた際に、折り曲げられた配線部材86の山と山が重なり、配線部材86の通電経路が短くなる。これにより、配線部材86の電気抵抗が更に小さくなるため発熱を低減できる。その結果、実施の形態1の変形例1に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0110】
図10および
図11を参照して、実施の形態1の変形例2に係る電力変換装置100について説明する。なお、説明の便宜のため、
図11にはハッチングは付されていない。
【0111】
実施の形態1の変形例2に係る電力変換装置100は、基本的には実施の形態1に係る電力変換装置100と同様の構成を備える。実施の形態1の変形例2に係る電力変換装置100は、実施の形態1に係る電力変換装置100に比べて、配線部材86の形状が異なる。
【0112】
図10に示されるように、第1冷却体51と第2冷却体52と第3冷却体53が組み立てられる前の状態において、配線部材86はZ軸正方向にあらかじめアーチ状に撓んでおり、配線部材86中央下部に空間を有する構造となっている。配線部材86は、配線部材86の両端にある接合部87に隣り合うように屈曲した形状を有する。そして、配線部材86のZ軸正方向に撓ませた中央下部の空間に部品を設置することができる。
【0113】
図11に示される状態において、配線部材86の中央が円弧状に膨らみ、配線部材86の接合部87と対向した形状となり、配線部材86に設けられた2つの屈曲部CP同士が近接する。配線部材86の屈曲部CPが、第1プリント基板31、第2プリント基板32および第3プリント基板33の端部に隣り合うように設けられ、配線部材86の屈曲部CP同士が接触してもよい。配線部材86の屈曲部CP同士が接触することによって、プリント基板モジュール同士が近づけられた際に通電経路が短くなる。
【0114】
次に、実施の形態1の変形例2に係る電力変換装置100の効果について説明する。実施の形態1に係る電力変換装置100によれば、配線部材86の中央がアーチ状に膨らむことによって、配線部材86が接合部87と対向する。配線部材86に設けられた2つの屈曲部CP同士が接触することによって、通電経路が短くなる。これにより、配線部材86の電気抵抗が小さくなるため発熱を低減できる。その結果、実施の形態1の変形例2に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0115】
図12を参照して、実施の形態1の変形例3に係る電力変換装置100について説明する。
【0116】
実施の形態1の変形例3に係る電力変換装置100は、基本的には実施の形態1に係る電力変換装置100と同様の構成を備える。実施の形態1の変形例3に係る電力変換装置100は、実施の形態1に係る電力変換装置100に比べて、第1冷却体51と、第2冷却体52と、第3冷却体53との配置が異なる。
【0117】
実施の形態1の変形例3に係る電力変換装置100では、第1冷却体51は、第2冷却体52と、第3冷却体53とに挟まれて配置されている。
【0118】
図13を参照して、実施の形態1の変形例4に係る電力変換装置100について説明する。
【0119】
実施の形態1の変形例4に係る電力変換装置100は、基本的には実施の形態1に係る電力変換装置100と同様の構成を備える。実施の形態1の変形例4に係る電力変換装置100は、実施の形態1に係る電力変換装置100に比べて、第1冷却体51および外部冷却体21の構成が異なる。
【0120】
実施の形態1の変形例4に係る電力変換装置100では、第1冷却体51は、外部冷却体21と一体形成されている。この場合、第1冷却体51が外部冷却体21を兼ねる。第1冷却体51は、外部冷却体21と一体形成する等の方法で、外部冷却体21と熱結合される。
【0121】
図14を参照して、実施の形態1の変形例5に係る電力変換装置100について説明する。
【0122】
実施の形態1の変形例5に係る電力変換装置100は、基本的には実施の形態1に係る電力変換装置100と同様の構成を備える。実施の形態1の変形例5に係る電力変換装置100は、実施の形態1に係る電力変換装置100に比べて、第2プリント基板モジュール72の配置が異なる。
【0123】
実施の形態1の変形例5に係る電力変換装置100では、第2プリント基板モジュール72と第3プリント基板モジュール73とは互いに隣り合うように配置されている。第2プリント基板32と第3プリント基板33と互いに隣り合うように配置されている。
【0124】
実施の形態1の変形例5に係る電力変換装置100によれば、第2プリント基板32と第3プリント基板33と互いに隣り合うように配置されている。このため、電力変換装置100を小型化することができる。
【0125】
図15を参照して、実施の形態1の変形例6に係る電力変換装置100について説明する。
【0126】
実施の形態1の変形例6に係る電力変換装置100は、基本的には実施の形態1に係る電力変換装置100と同様の構成を備える。実施の形態1の変形例6に係る電力変換装置100は、実施の形態1に係る電力変換装置100に比べて、第3プリント基板モジュール73の配置されていない点で異なる。
【0127】
実施の形態1の変形例6に係る電力変換装置100は、第3プリント基板モジュール73を有していない。
【0128】
実施の形態2.
次に、
図16を参照して、実施の形態2に係る電力変換装置100について説明する。実施の形態2は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成、動作および効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0129】
実施の形態2に係る電力変換装置100は、基本的には実施の形態1に係る電力変換装置100と同様の構成を備える。実施の形態2に係る電力変換装置100は、実施の形態1に係る電力変換装置100に比べて、第4冷却体54と、第5冷却体55とを備える点が異なる。
【0130】
第4冷却体54は、第1冷却体51の面51aに接続される面を底面として、上下に伸びるように構成されている。第4冷却体54は、第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びている。第5冷却体55は、第1冷却体51の面51aに接続される面を底面として、上下に伸びるように構成されている。第5冷却体55は、第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びている。
【0131】
第4冷却体54および第5冷却体55の各々は、直接または他の部材を介して、第1冷却体51、第2冷却体52、第3冷却体53のうち、少なくとも1つ以上の冷却体に接続および固定されている。第4冷却体54および第5冷却体55の各々は、第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53の各々と熱的に接続されている。第4冷却体54は、第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53に熱的に接続されている。第5冷却体55は、第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53に熱的に接続されている。
【0132】
第4冷却体54および第5冷却体55の各々と、第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53の各々との接触面に、熱伝導性グリス、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤(第2熱伝導性部材)HC2などの熱伝導部材が配置されてもよい。熱伝導部材(第2熱伝導性部材)HC2は、熱伝導性グリス、熱伝導性シートおよび熱伝導性接着剤の少なくともいずれを含んでいる。第4冷却体54は、第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53の各々と熱伝導部材(第2熱伝導性部材)HC2を介して熱的に接続されている。第5冷却体55は、第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53の各々と熱伝導部材(第2熱伝導性部材)HC2を介して熱的に接続されている。第4冷却体54および第5冷却体55の各々は、電力変換装置100の支持体の側面を構成する。
【0133】
このようにしても、実施の形態2に係る電力変換装置100は、実施の形態1に係る電力変換装置100と同等の効果を得ることができる。さらに、第2プリント基板32の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第2プリント基板32に搭載されている高発熱部品である、整流素子5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5hと、トランス3、4とで発生した熱を、放熱する放熱経路として、第2プリント基板32と、第2絶縁部材42と、第2冷却体52と、第1冷却体51とを介して、外部冷却体21に放熱する第2放熱経路に加え、次の2つの放熱経路が形成される。1つめは、第2プリント基板32と、第2絶縁部材42と、第2冷却体52と、第4冷却体54と、第1冷却体51とを介して、外部冷却体21に放熱する放熱経路である。2つめは、第2プリント基板32と、第2絶縁部材42と、第2冷却体52と、第5冷却体55と、第1冷却体51とを介して、外部冷却体21に放熱する放熱経路である。このため、第2プリント基板32の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第2プリント基板32の上に搭載される高発熱部品で発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を高めることができる。また、第3プリント基板33の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第3プリント基板33に搭載されている高発熱部品である、リアクトル6、7で発生した熱を、放熱する放熱経路として、第3プリント基板33と、第3絶縁部材43と、第3冷却体53と、第1冷却体51とを介して、外部冷却体21に放熱する第3放熱経路に加え、次の2つの放熱経路が形成される。1つめは、第3プリント基板33と、第3絶縁部材43と、第3冷却体53と、第4冷却体54と、第1冷却体51とを介して、外部冷却体21に放熱する放熱経路である。2つめは、第3プリント基板33と、第3絶縁部材43と、第3冷却体53と、第5冷却体55と、第1冷却体51とを介して、外部冷却体21に放熱する放熱経路である。このため、第3プリント基板33の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第3プリント基板33の上に搭載される高発熱部品で発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を高めることができる。その結果、実施の形態2に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0134】
また、実施の形態2に係る電力変換装置100では、第4冷却体54は、第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53の各々と熱伝導部材(第2熱伝導性部材)HC2を介して熱的に接続されている。第5冷却体55は、第1冷却体51、第2冷却体52および第3冷却体53の各々と熱伝導部材(第2熱伝導性部材)HC2を介して熱的に接続されている。このため、第2熱伝導性部材HC2により、第4冷却体54から第1冷却体51、第2冷却体52、第3冷却体53への伝熱効率を向上させることができ、第5冷却体55から第1冷却体51、第2冷却体52、第3冷却体53への伝熱効率を向上させることができる。
【0135】
図17に示されるように、実施の形態2に係る電力変換装置100は、第1冷却体51が、第4冷却体54と第5冷却体55とに挟まれて配置されるように構成されてもよい。
【0136】
実施の形態3.
次に、
図18および
図19を参照して、実施の形態3に係る電力変換装置100について説明する。実施の形態3は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成、動作および効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0137】
実施の形態3に係る電力変換装置100は、基本的には実施の形態2に係る電力変換装置100と同様の構成を備える。実施の形態3に係る電力変換装置100は、実施の形態2に係る電力変換装置100に比べて、第4プリント基板モジュール74と、第5プリント基板モジュール75とを備える点が異なる。
【0138】
第4プリント基板モジュール74は、第4プリント基板34と、第4絶縁部材44と、第4冷却体54と、第4固定部材64と、電子部品と、配線部材86とを備えている。
【0139】
第4プリント基板(第4基板)34は、電子部品(第4部品)が搭載された表面(第7主面)S7と、第4冷却体54と対向する裏面(第8主面)S8とを有している。第7主面S7は第8主面S8に対向する。第4絶縁部材44は、第4プリント基板34の第8主面S8と第4冷却体54との間に配置されている。第4冷却体54は、第4プリント基板34の第8主面S8に熱的に接続されている。第4冷却体54は、第4プリント基板34の第8主面S8に第4絶縁部材44を介して熱的に接続されている。第4冷却体54は、第1冷却体51の第1プリント基板31と対向する面51aに接続される面を底面として、上下に伸びるように構成されている。第4冷却体54は、第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びている。第4冷却体54は、第1冷却体51、第2冷却体52、第3冷却体53の各々に熱的に接続されている。第4固定部材64は、第4プリント基板34を、第4冷却体54に固定するように構成されている。
【0140】
第5プリント基板モジュール75は、第5プリント基板35と、第5絶縁部材45と、第5冷却体55と、第5固定部材65と、電子部品とを備えている。
【0141】
第5プリント基板(第5基板)35は、電子部品(第5部品)が搭載された表面(第9主面)S9と、第5冷却体55と対向する裏面(第10主面)S10とを有している。第9主面S9は第10主面S10に対向する。第5絶縁部材45は、第5プリント基板35の第10主面S10と第5冷却体55との間に配置されている。第5冷却体55は、第5プリント基板35の第10主面S10に熱的に接続されている。第5冷却体55は、第5プリント基板35の第10主面S10に第5絶縁部材45を介して熱的に接続されている。第5冷却体55は、第1冷却体51の第1プリント基板31と対向する面51aに接続される面を底面として、上下に伸びるように構成されている。第5冷却体55は、第1プリント基板31の第2主面S2から第1主面S1に向かう方向に延びている。第5冷却体55は、第1冷却体51、第2冷却体52、第3冷却体53の各々に熱的に接続されている。第5固定部材65は、第5プリント基板35を、第5冷却体55に固定するように構成されている。
【0142】
第4プリント基板34および第5プリント基板35にそれぞれ接合部87が設けられている。第1プリント基板31および第4プリント基板34、ならびに、第1プリント基板31および第5プリント基板35はそれぞれ配線部材86によって接合部87において電気的に接続されている。
【0143】
第4プリント基板モジュール74、第5プリント基板モジュール75も実施の形態1と同様の準備工程、組み立て工程および接続工程となる。
【0144】
実施の形態3の電力変換装置100では、
図19に示されるように、第2プリント基板32および第4プリント基板34、ならびに、第3プリント基板33および第4プリント基板34にそれぞれ接合部87が設けられている。第2プリント基板32および第4プリント基板34、ならびに、第3プリント基板33および第4プリント基板34はそれぞれ配線部材86によって接合部87において電気的に接続されている。同様に、第2プリント基板32および第5プリント基板35、ならびに、第3プリント基板33および第5プリント基板35がそれぞれ配線部材86によって接合部87において電気的に接続されていてもよい。第2プリント基板32および第4プリント基板34、ならびに、第3プリント基板33および第4プリント基板34を接続する配線部材86の形状は、
図19ではL字型の形状であるが、これに限定されない。配線部材86の形状は、第1プリント基板31に対して第2プリント基板32と第4プリント基板34とがZ軸方向に折り曲げられた時に、第2プリント基板32と第4プリント基板34のZ軸方向の位置ずれが緩和できる形状であればよい。また、配線部材86の形状は、第1プリント基板31に対して第3プリント基板33と第4プリント基板34とがZ軸方向に折り曲げられた時に、第3プリント基板33と第4プリント基板34のZ軸方向の位置ずれが緩和できる形状であればよい。
【0145】
実施の形態3に係る電力変換装置100では、
図20に示すように、第2プリント基板32と第3プリント基板33とが電気的に接続されていてもよい。この場合、配線部材86は、第3配線部材86cを含んでいる。第3配線部材86cは、第2プリント基板32と第3プリント基板33とを電気的に接続する。第3配線部材86cは、第2プリント基板32の第3主面S3および第3プリント基板33の第5主面S5にそれぞれ直接接続およびはんだ接合のいずれかで接続されている。
【0146】
次に、実施の形態3に係る電力変換装置100の効果について説明する。
実施の形態3に係る電力変換装置100によれば、第2プリント基板32から第4プリント基板34に通電する際に、第1プリント基板31を通らずに直接通電できるため、第2プリント基板32から第4プリント基板34の通電経路が最短になり、かつ第1プリント基板の通電パターンを省略することができる。これにより、通電パターンの電気抵抗が小さくなるため、発熱を低減できる。また、第1プリント基板31の面積も小さくすることができるため、第1プリント基板31を小型化できる。その結果、実施の形態3に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0147】
また、第3プリント基板33から第4プリント基板34に通電する際に、第1プリント基板31を通らずに直接通電できるため、第3プリント基板33から第4プリント基板34の通電経路が最短になり、かつ第1プリント基板の通電パターンを省略することができる。これにより、通電パターンの電気抵抗が小さくなるため、発熱を低減できる。また、第1プリント基板31の面積も小さくすることができるため、第1プリント基板31を小型化できる。その結果、実施の形態3に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0148】
実施の形態3に係る電力変換装置100は、実施の形態2に係る電力変換装置100と同等の効果を得ることができる。さらに、実施の形態3に係る電力変換装置100では、第4プリント基板34の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第4プリント基板34に搭載されている高発熱部品である、平滑コンデンサ8と、リアクトル6とで発生した熱を、放熱する放熱経路として、第4プリント基板34と、第4絶縁部材44と、第4冷却体54と、第1冷却体51を介して、外部冷却体21に放熱する第4放熱経路を形成できる。第4放熱経路は、特許文献1に記載の構成と比較して、板状基板据え付け部を含まないため、放熱経路の長さを短くできるため、放熱性を向上できる。このため、第4プリント基板34の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第4プリント基板34の上に搭載される高発熱部品で発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態3に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0149】
また、第4絶縁部材44を、第4プリント基板34と、第4冷却体54とに、面接触させる場合、第4絶縁部材44と第4プリント基板34との接触面の面積と、第4絶縁部材44と第4冷却体54との接触面の面積と、を広くできる。このため、第4絶縁部材44と第4プリント基板34との接触面の接触熱抵抗と、第4絶縁部材44と第4冷却体54との接触面の接触熱抵抗と、を低減できるため、第4放熱経路の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態3に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0150】
また、第5プリント基板35の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第5プリント基板35に搭載されている高発熱部品である、平滑コンデンサ8と、リアクトル7とで発生した熱を、放熱する放熱経路として、第5プリント基板35と、第5絶縁部材45と、第5冷却体55と、第1冷却体51を介して、外部冷却体21に放熱する第5放熱経路を形成できる。第5放熱経路は、特許文献1に記載の構成と比較して、板状基板据え付け部を含まないため、放熱経路の長さを短くできるため、放熱性を向上できる。このため、第5プリント基板35の、表面または内部に形成された回路パターンで発生する熱と、第5プリント基板35の上に搭載される高発熱部品で発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態3に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0151】
また、第5絶縁部材45を、第5プリント基板35と、第5冷却体55とに、面接触させる場合、第5絶縁部材45と第5プリント基板35との接触面の面積と、第5絶縁部材45と第5冷却体55との接触面の面積と、を広くできるため、第5絶縁部材45と第5プリント基板35との接触面の接触熱抵抗と、第5絶縁部材45と第5冷却体55との接触面の接触熱抵抗と、を低減できるため、第5放熱経路の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態3に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0152】
第4冷却体54の、第4プリント基板34の面34aと略垂直方向の厚さは、厚くすることが好ましい。これにより、第4放熱経路に含まれる第4冷却体54の熱抵抗を低減できるため、放熱性を向上できる。
【0153】
第5冷却体55の、第5プリント基板35の面35aと略垂直方向の厚さは、厚くすることが好ましい。これにより、第5放熱経路に含まれる第5冷却体55の熱抵抗を低減できるため、放熱性を向上できる。
【0154】
また、第1プリント基板31、第2プリント基板32、第3プリント基板33に加え、第4プリント基板34および第5プリント基板35の各々に対しても、高発熱部品を搭載することができる。よって、プリント基板に搭載した高発熱部品間の距離を長くできるため、各高発熱部品で発生した熱の熱干渉を抑制することができ、各高発熱部品で発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を向上できる。その結果、実施の形態3に係る電力変換装置100は、高出力で動作できる。
【0155】
また、第1プリント基板31、第2プリント基板32、第3プリント基板33に加え、第4プリント基板34および第5プリント基板35の各々に対しても、電子部品を搭載することができる。このため、部品実装面積が増えるため、実施の形態1、2と比較して、第1プリント基板31、第2プリント基板32、第3プリント基板33を小型化できる。その結果、実施の形態3に係る電力変換装置100を、小型化できる。
【0156】
実施の形態3に係る電力変換装置100は、第5プリント基板35と、第5絶縁部材45と、第5固定部材65と、を含まなくてもよい。言い換えると、電力変換装置100は、外部冷却体21と、第1プリント基板モジュール71、第2プリント基板モジュール、第3プリント基板モジュール73および第4プリント基板モジュール74と、第5冷却体55とを備えていてもよい。第1プリント基板モジュール71、第2プリント基板モジュール72、第3プリント基板モジュール73、第4プリント基板モジュール74の間は、配線部材86によって接合部87で電気的に接続される。
【0157】
また、第1プリント基板モジュール71、第2プリント基板モジュール72、第3プリント基板モジュール73、第4プリント基板モジュール74、第5プリント基板モジュール75に配置される電子部品は、入れ替えて良いが、第1プリント基板モジュール71に、特に高発熱部品が配置されることが好ましい。
【0158】
実施の形態3に係る電力変換装置100によれば、第3配線部材86cは、第2プリント基板32の第3主面S3および第3プリント基板33の第5主面S5にそれぞれ直接接続およびはんだ接合のいずれかで接続されている。これにより、電力変換装置100を小型化することができる。
【0159】
実施の形態4.
次に、
図21を参照して、実施の形態4に係る電力変換装置100について説明する。実施の形態4は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成、動作および効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図21は、第1冷却体51と第2冷却体52と第3冷却体53を
図2のように組み立てた後の状態を示す断面図である。なお、説明の便宜のため、
図21にはハッチングは付されていない。
【0160】
図21に示されるように、実施の形態4に係る電力変換装置100では、第1プリント基板31に第1主面S1と第2主面S2とを貫通するスルーホールTHが設けられている。第2プリント基板32に第3主面S3と第4主面S4とを貫通するスルーホールTHが設けられている。第3プリント基板33に第5主面S5と第6主面S6とを貫通するスルーホールTHが設けられている。
【0161】
スルーホールTHでは、例えばプリント基板に開けられた貫通孔の内壁に厚さ数十μmの銅のメッキが施されている。スルーホールTHの材質は、図示しない回路パターンと同様である。スルーホールTHの材質は、図示しない回路パターンと同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0162】
スルーホールTHは、接合部87を介して配線部材86と同電位になっていてもよい。スルーホールTHは、第1絶縁部材41、第2絶縁部材42、第3絶縁部材43により第1冷却体51、第2冷却体52、第3冷却体53とそれぞれ絶縁される。
【0163】
スルーホールTHは、少なくとも接合部(第1接合部)87の直下に配置されていればよい。さらに、スルーホールTHが接合部87の直下だけでなく接合部87の周囲にも配置されていれば、放熱性が向上する。
【0164】
配線部材86の発熱は、主に、接合部87、プリント基板、絶縁部材、冷却体を通って放熱される。配線部材86の放熱経路においてプリント基板の熱抵抗が最も大きいため、プリント基板の熱抵抗を低減する必要がある。
【0165】
実施の形態4に係る電力変換装置100によれば、スルーホールTHにより接合部87の直下のプリント基板の厚さ方向の熱伝導率が増加する。これにより、プリント基板の厚さ方向の熱抵抗が低減する。したがって、配線部材86で発生した熱の放熱性を向上させることができる。
【0166】
実施の形態5.
次に、
図22を参照して、実施の形態5に係る電力変換装置100について説明する。実施の形態5は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成、動作および効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図22は、電力変換装置100の第1プリント基板モジュール71、第2プリント基板モジュール72および第3プリント基板モジュール73の展開図である。
【0167】
図22に示されるように、実施の形態5に係る電力変換装置100では、配線部材86の表面が絶縁被覆86Xで覆われている。絶縁被覆86Xの材料は、例えば、塩化ビニル、フッ素樹脂、ポリイミドなどである。
【0168】
第1プリント基板モジュール71に対して第2プリント基板モジュール72と第3プリント基板モジュール73とが折り曲げられる際に、屈曲した配線部材86が周囲の電子部品、冷却体、回路パターンなどの意図しない箇所に接触して短絡が発生する恐れがある。
【0169】
また、配線部材86は空気と接しているため、プリント基板を介して冷却体へ放熱する経路以外にも配線部材86から空気へ直接放射によって放熱する経路が存在する。しかし、配線部材86は金属で構成されているため、配線部材86の表面の放射率が低い。このため、空気への放射性が低い。
【0170】
実施の形態5に係る電力変換装置100によれば、絶縁被覆86Xにより配線部材86が屈曲した際に周りの電子部品などに配線部材86が接触しても短絡の発生を防ぐことができる。また、絶縁被覆86Xにより配線部材86の表面の放射率を向上させることができるため、空気への放熱性を向上させることができる。
【0171】
実施の形態6.
次に、
図23を参照して、実施の形態6に係る電力変換装置100について説明する。実施の形態6は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成、動作および効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図23は、第1冷却体51と第2冷却体52と第3冷却体53を
図2のように組み立てた後の状態を示す断面図である。なお、説明の便宜のため、
図23にはハッチングは付されていない。
【0172】
図23に示されるように、実施の形態6に係る電力変換装置100では、実施の形態1に係る電力変換装置100に比べて配線部材86の形状が異なっている。
【0173】
第1冷却体51と、第2冷却体52と、第3冷却体53とが組み立てられている状態において、配線部材86は、屈曲した状態で放熱部材Qを介してコアKと接触している。コアKは、トランス3、4またはリアクトル6、7を構成する部材である。配線部材86で発生した熱は、放熱部材Q、コアK、第2冷却体52、第3冷却体53へと伝わり放熱される。放熱部材Qは、電気絶縁性を有し、熱伝導の良い材料で構成される。
【0174】
本実施の形態では、放熱部材Qとして電気絶縁性を有する接着剤が用いられている。放熱部材Qとしてシリコーン樹脂に熱伝導が良く電気絶縁性を有する酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムなどの粒子を混入させたシートまたはグリスが用いられてもよい。
【0175】
電力変換装置100の製造時に、配線部材86の長さが長くなる場合がある。このとき、配線部材86の電気抵抗値が増加するとともに配線部材86の放熱経路が長くなるため、配線部材86の温度上昇が増加する。
【0176】
実施の形態6に係る電力変換装置100によれば、配線部材86は屈曲した状態で放熱部材Qを介してコアKと接触している。コアKと接触した配線部材86の中心部は、接合部87を通って冷却体へ放熱される経路と空気へ放熱される経路以外にも、コアKから冷却体へ放熱することができる。このため、より放熱性を向上させることができる。
【0177】
次に、実施の形態6の変形例に係る電力変換装置100について説明する。実施の形態6の変形例は、特に説明しない限り、上記の実施の形態6と同一の構成、動作および効果を有している。したがって、上記の実施の形態6と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0178】
図24を参照して、実施の形態6の変形例1に係る電力変換装置100について説明する。なお、説明の便宜のため、
図24にはハッチングは付されていない。
【0179】
配線部材86は、コアK以外の構造物に接触して放熱してもよい。
図24に示されるように、配線部材86は、コアKを固定する板金ALに接触して放熱してもよい。本実施の形態では、コアKは、ねじNと板金ALによって固定されている。第2プリント基板32、第3プリント基板33の各々にはねじNが貫通する穴が設けられている。ねじNは、貫通穴を通って第2冷却体52、第3冷却体53の各々に固定されている。
【0180】
また、配線部材86と接触する対象物が絶縁されていれば、例えば、第1冷却体51、第2冷却体52、第3冷却体53、第1プリント基板31、プリント基板の回路パターン(図示せず)等、配線部材86が接触する対象物は自由である。
【0181】
実施の形態6の変形例1に係る電力変換装置100によれば、配線部材86で発生した熱の放熱性を向上させることができる。
【0182】
図25を参照して、実施の形態6の変形例2に係る電力変換装置100について説明する。なお、説明の便宜のため、
図25にはハッチングは付されていない。
【0183】
図25に示されるように、配線部材86の一部が接触して通電経路が短くなっていてもよい。
【0184】
実施の形態6の変形例2に係る電力変換装置100によれば、配線部材86の通電経路が短くなる。これにより、配線部材86の電気抵抗が更に小さくなるため、発熱を低減することができる。
【0185】
また、上記の各実施の形態を適宜組み合わせることが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0186】
21 外部冷却体、31 第1プリント基板、32 第2プリント基板、33 第3プリント基板、34 第4プリント基板、35 第5プリント基板、41~45 第1絶縁部材~第5絶縁部材、51~55 第1冷却体~第5冷却体、61~65 第1固定部材~第5固定部材、71~75 第1プリント基板モジュール~第5プリント基板モジュール、86 配線部材、86a 第1配線部材、86b 第2配線部材、86c 第3配線部材、87 接合部、100 電力変換装置、BP 折れ曲がり部、CP 屈曲部、HC1 第1熱伝導性部材、HC2 第2熱伝導性部材、S1~S10 第1主面~第10主面、S100 準備工程、S200 組み立て工程、S300 接続工程。