(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】うつ病の治療に使用するための5-HT2Aアゴニスト
(51)【国際特許分類】
C07D 211/20 20060101AFI20241004BHJP
C07D 211/22 20060101ALI20241004BHJP
A61K 31/451 20060101ALI20241004BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20241004BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20241004BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
C07D211/20
C07D211/22 CSP
A61K31/451
A61P25/18
A61P25/20
A61P25/24
(21)【出願番号】P 2022525596
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(86)【国際出願番号】 EP2020081357
(87)【国際公開番号】W WO2021089824
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-10-13
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522172302
【氏名又は名称】ロホラ エペィエス
【氏名又は名称原語表記】LOPHORA APS
【住所又は居所原語表記】Gyldenlundsvej 21,1.,DK-2920 Charlottenlund(DK)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリステンセン,イェスパー ランゴー
(72)【発明者】
【氏名】イェンセン,アナス アスビョルン
(72)【発明者】
【氏名】メルシャー-ローステッド,エミル
(72)【発明者】
【氏名】レス-ピーターセン,セバスチャン
【審査官】中村 政彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-527300(JP,A)
【文献】特表2004-501147(JP,A)
【文献】JUNCOSA, J. I. et al.,Extensive Rigid Analogue Design Maps the Binding Conformation of Potent N-Benzylphenethylamine 5-HT2A Serotonin Receptor Agonist Ligands,ACS Chemical Neuroscience,2012年,Vol. 4, No. 1,pp. 96-109,DOI: 10.1021/cn3000668
【文献】CAS REGISTRY No. 1898119-24-8等,DATABASE REGISTRY,[検索日:2023.11.21],[online],2016年04月26日,Retrieved from: STN
【文献】CAS REGISTRY No. 1897965-85-3等,DATABASE REGISTRY,[検索日:2023.11.21],[online],2016年04月26日,Retrieved from: STN
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 211/00
A61K 31/00
A61P 25/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩:
【化1】
式中、
*は、(S)立体異性体を表し;
Xは、I、CN、S-(C
1-C
3アルキル)、S-(C
1-C
3フルオロアルキル)、C
2-C
4アルキル、およびC
1-C
4フルオロアルキルからなる群から選択され;
Y
1およびY
2は独立して、OおよびSからなる群から選択され;
R
1およびR
2は独立して、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3フルオロアルキル、およびC
3-C
5シクロアルキルからなる群から選択され;
zは、R
3基の数を表し、0、1、2、または3の値を有する整数であり;
R
3は独立して、F、CH
3、およびCF
3からなる群から選択され;
R
4は、Hである。
【請求項2】
R
1およびR
2が独立して、C
1-C
2アルキル、C
1-C
2フルオロアルキル、およびシクロプロピルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記1つ以上のR
3基が、ピペリジン中の2位、3位または6位に存在する、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物:
【化4】
【請求項5】
医薬の製造における、
以下の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩の使用:
【化4】
【請求項6】
一般式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、薬学的に許容され得る担体と、を含む、医薬組成物:
【化3】
式中、
*は、(R)もしくは(S)立体異性体またはそれらの任意の混合物を表し;
Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C
1-C
3アルキル)、S-(C
1-C
3フルオロアルキル)、C
1-C
4アルキル、およびC
1-C
4フルオロアルキルからなる群から選択され;
Y
1およびY
2は独立して、OおよびSからなる群から選択され;
R
1およびR
2は独立して、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3フルオロアルキル、およびC
3-C
5シクロアルキルからなる群から選択され;
zは、R
3基の数を表し、0、1、2、または3の値を有する整数であり;
R
3は独立して、F、CH
3、およびCF
3からなる群から選択され;
R
4は、HまたはCH
3である。
【請求項7】
大うつ病性障害(MDD)(臨床的うつ病、単極性うつ病としても知られている)、メランコリー、精神病性うつ病、産前うつ病、産後うつ病、双極性障害、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、気分変調性障害または季節性情動障害、治療抵抗性うつ病性障害(TRD)および重度の治療抵抗性うつ病性障害からなるリストから選択されるうつ病性障害の治療のための、請求項
6に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5-HT2Aセロトニン受容体のアゴニストに関する。一態様では、本発明は5-HT2Aアゴニストに関する。別の態様では、本発明は選択的5-HT2Aアゴニストに関する。さらに別の態様では、本発明は混合型5-HT2A/5-HT2Cアゴニストに関する。さらに別の態様では、本発明は、特にうつ病性障害の治療に使用するための、より具体的には治療抵抗性うつ病の治療に使用するための医薬としての使用のための5-HT2Aアゴニスト、5-HT2Aアゴニストに関する。
【背景技術】
【0002】
うつ病は、長い間、心の病気と考えられていたが、現在は脳の障害と見なされている。生体アミン、特にノルエピネフリン(ノルアドレナリン(NA)とも呼ばれる)およびセロトニン(5-ヒドロキシトリプタミン、5-HT)が脳内で神経伝達物質として作用するという発見後、パラダイムシフトが50年以上前に始まった。モノアミン(NA、5-HTおよびドーパミン)に本質的に言及するうつ病のモノアミン仮説が最初に提案され、その後、セロトニンの可能な役割が強調された。セロトニンは、例えば、気分、感情および睡眠などの脳における多様な生体機能に関与し、調節する。したがって、セロトニン作動系およびセロトニン受容体は、うつ病の治療に関連して、ならびに他の精神障害に関連して数十年にわたって研究されてきた。その初期の策定では、うつ病に対する5-HT仮説は、主因としての脳における5-HTレベルの欠損が、うつ病患者において正常な機能を回復させると思われる抗うつ薬によって逆転されると仮定された。
【0003】
大うつ病性障害(MDD)に対する現在の「第一選択」治療法は、3つのクラス:選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、およびノルエピネフリン-ドーパミン再取り込み阻害剤(NDRI)に分類することができる。これらの再取り込み阻害剤は、3種のモノアミンの取り込みを媒介する3種のトランスポータに対して様々な程度の選択性を示し、SSRIはノルエピネフリンおよびドーパミントランスポータに対する親和性が無視できる。今日のうつ病の治療に使用されている主な薬剤は、旧世代の抗うつ薬にほとんど取って代わっているSSRI、例えば、三環系抗うつ薬(TCA)およびモノアミンオキシダーゼ阻害剤である。セルトラリン(Zoloft、Lustral)、エスシタロプラム(Lexapro、Cipralex)、フルオキセチン(Prozac)、パロキセチン(Seroxat)およびシタロプラム(Celexa)などのいくつかのSSRIが存在する。SSRIは、シナプス前細胞へのセロトニンの再取り込みを制限することによってその細胞外レベルの増加を介してそれらの効果を発揮し、それにより、シナプス前セロトニン受容体およびシナプス後セロトニン受容体に結合して活性化するために利用可能な、シナプス間隙におけるセロトニンのレベルを増加させると考えられている。現代のクラスの抗うつ薬は、TCAなどの古い薬剤よりも優れた耐容性および安全性を提供するが、現在のところ、MDDのための普遍的に有効な薬理学的治療がない。それ故、有効な疾患管理には、薬剤応答および副作用の管理の慎重な注意および継続的な評価が必要である。したがって、薬剤のSSRIクラスには欠点がないわけではなく、これらの中で最も注目すべきは、薬物の抗うつ効果の遅発性(数週間~数ヶ月)、および患者の約半数が「非応答者」である、すなわちSSRIにそれほど応答しないという事実である。さらに、SSRIの投与は、悪心、体重増加および性欲減退などの有害作用を伴う。それにもかかわらず、TCAと比較したSSRIの有意な安全性および忍容性の利点、ならびにSNRIと比較したそれらの控えめであるが実際の忍容性の利点により、MDDの軽度から中程度に重度のエピソードに対して抗うつ薬を選択するときに最初にこのクラスの薬剤を考慮することが正当化される。
【0004】
非抗うつ薬によるいくつかの追加療法がうつ病内で検討されている。これらの追加療法は、抗うつ薬の有効性を高め、場合によっては治療抵抗性うつ病の人々に有効であることが示されている。そのような追加療法には、ベンゾジアゼピン、非定型抗精神病薬、ならびにアンフェタミンおよびメチルフェニデート(Ritalin)などの刺激薬が含まれる。一例として、非定型抗精神病薬のアリピプラゾールは、MDDの治療のための抗うつ薬の補助剤として米国食品医薬品局によって承認されている。さらに、NMDA受容体拮抗薬ケタミンは、治療抵抗性うつ病のための即効性抗うつ薬としての効果を示している。しかし、これらの治療法のいくつかには重大な副作用があり、刺激薬の場合には薬物乱用の可能性もある。したがって、うつ病の治療のための新しい薬剤、特に治療抵抗性うつ病における使用に有効な新しい薬剤のさらなる開発に対する満たされていない必要性が依然として存在する。
【0005】
最近の研究努力は、古典的な幻覚剤が、精神障害、例えば大うつ病、重度のうつ病、治療抵抗性うつ病、アルコール依存症、アルコール使用障害、ニコチン依存症、コカイン関連障害、ヘロイン依存症、強迫性障害、摂食障害、全般不安症、末期がん患者の死亡関連不安症、PTSD、アルツハイマー病、軽度認知障害、窮迫、悲嘆、片頭痛、外傷後頭痛、群発性頭痛、パーキンソン病、および精神病の治療に有用であり得ることを示している1,2(非特許文献1及び2)。幻覚剤は、その一次作用がセロトニン受容体アゴニズムを介して幻覚体験を誘発し、思考および視覚/聴覚変化ならびに意識状態の変化をもたらすことである薬物のクラスである。古典的な幻覚剤としては、メスカリン(ペヨーテサボテン(peyote cactus)の活性成分)、リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)、シロシビン(一般に「マジックマッシュルーム」として知られているシロシビンマッシュルームの活性成分)およびN,N-ジメチルトリプタミン(DMT)(アヤワスカの活性成分)が挙げられる。ほとんどの古典的な幻覚薬物は、トリプタミン、フェネチルアミンまたはエルゴリンの3つのファミリーのうちの1つに分類される。エルゴリンは独自の基を構成するが、実際にはトリプタミンでもフェネチルアミンでもある。
【0006】
古典的な幻覚剤は、多重薬理学を示し、すなわち、多数の神経伝達物質受容体に対する効果を媒介する。例えば、LSDは、多数のモノアミン作動性受容体において完全アゴニスト/部分アゴニストとして作用し、シロシン(シロシビンの活性代謝産物)は、多数の5-HT受容体においてアゴニスト/部分アゴニストとして作用する。しかしながら、これらの古典的な幻覚剤の迅速な抗うつ効果は、主に5-HT2A受容体の活性化に起因するとされてきた3(非特許文献3)。
【0007】
セロトニン受容体ファミリーは、サブファミリー(5-HT1~5-HT7)に分けられる少なくとも14の異なる受容体サブタイプを含む。5-HT2受容体ファミリーは、サブタイプ5-HT2A、5-HT2Bおよび5-HT2Cによって構成される。上述のように、5-HT2Aは、古典的な幻覚剤の抗うつ効果を媒介する一次標的であると考えられている。対照的に、5-HT2Bは主に末梢組織で発現され、非選択的セロトニン受容体アゴニストの心臓副作用を媒介することが知られている。したがって、うつ病における推定標的としての5-HT2Aの可能性を探索することを目的とした研究努力は、5-HT2Bを標的としない5-HT2A/5-HT2Cアゴニスト、特に5-HT2Bも5-HT2Cも標的としない5-HT2A選択的アゴニストを開発することに焦点をあててきた。しかし、5-HT2Bおよび5-HT2Cは5-HT2Aと密接に相同であるため、これは困難であることが判明している。さらに、真に選択的なアゴニストの発見は、放射性リガンド競合結合アッセイで決定される結合親和性(KiまたはIC50)に関する選択性が機能アッセイでの同じ選択性に変換され得ないので、機能アッセイでアゴニストの効力および有効性を決定することを必要とする。5-HT2A>5-HT2Cの選択性を示すアゴニストの一開示は、非特許文献4において、4-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-2,5-ジメトキシベンゾニトリル骨格を使用して報告されている。一例として、化合物25CN-NBOHは、2つの蛍光ベースのCa2+イメージングアッセイで測定した場合、5-HT2Aに対して5-HT2Cより高い機能的選択性を示した(20倍または127倍)。しかしながら、これらの化合物は、一般に、薬物様特性の点であまり適しておらず、代謝的に不安定および/または毒性である4-5(非特許文献5及び6)。5-HT2A>5-HT2Cの選択性を示すアゴニストの別の開示は、非特許文献7において、2,5-ジアリール-ピペリジン骨格、4-アリール-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン骨格および2-ベンジル-6-アリールピペリジン骨格を使用して報告されている。シリーズ中の2-ベンジル-6-アリールピペリジン骨格の1つは、結合親和性に関して5-HT2Aに対して5-HT2Cより高い合理的な選択性を示し(124倍)、該化合物のラセミ混合物は、機能的イノシトールリン酸(IP)アッセイにおいて5-HT2Aアゴニズムを示した。しかしながら、化合物は5-HT2Cで機能的に試験されておらず、結合アッセイにおけるその5-HT2A>5-HT2Cの選択性は、機能アッセイにおける同様の程度の選択性に必ずしも変換されない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】CMAJ 2015,187(14),1054-1059
【文献】The Lancet Psychiatry 2016,3(7),619-627
【文献】Neuropsychopharmacology 2019,44(7),1328-1334
【文献】J.Pharmacol.Exp.Ther.2017,361,441-453
【文献】Chem.Res.Toxicol.2016,29(1),96-100
【文献】Psychosomatics.Elsevier Inc.March 1,2015,pp 129-139
【文献】ACS Chem.Neurosci.2013,4,96-109
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
非特許文献7で報告された2-ベンジル-6-アリールピペリジン骨格8aおよび8bは、結合親和性に関して中程度の5-HT2A>5-HT2Cの選択性を示し(それぞれ13倍および27倍)、本発明の骨格とのいくつかの構造的類似性のために本発明者らによってさらに特性評価された。本発明者らは、化合物8aのみが、機能的Ca2+/Fluo-4アッセイおよび機能的イノシトールリン酸(IP)アッセイにおいてそれぞれ最大50μMおよび100μMの濃度で、5-HT2Aで有意なアゴニスト応答を誘起し、化合物8bはこれらのアッセイにおいてアゴニスト応答を全く示さなかったことを実証した(表1aおよび4を参照されたい)。したがって、化合物8bは5-HT2Aアゴニストではない。さらに、化合物8aは、IPアッセイにおいて5-HT2Cおよび5-HT2Bに対して5-HT2Aより高い選択性を示し、Ca2+/Fluo-4アッセイにおいて5-HT2A に対して5-HT2Cよりもわずかに高い選択性しか示さなかった(表1aおよび4を参照されたい)。さらに、これらの骨格は両方とも、それらがN-ベンジル化アミンも含むため、4-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-2,5-ジメトキシベンゾニトリル骨格と同じ、代謝的に不安定および/または毒性であるという欠点に悩まされ得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
様々な精神医学的状態に対するシロシンおよび他の古典的な幻覚剤の効果は、主にそれらの5-HT2Aアゴニスト成分から生じることが提唱されているので、本発明者らは、これらの薬物によって示される迅速な抗うつ効果を得るためにこれらの受容体を単独で活性化することで十分であり得ると仮定した。CNS薬物様特性を有する選択的5-HT2Aアゴニストの欠如は、これまで、そのような薬物の治療可能性の探求を妨げてきた。さらに、うつ病障害の多様性および複雑性に照らして、一部の患者群は混合型5-HT2A/5-HT2Cアゴニストから利益を得ることができるが、他の患者群では、選択的5-HT2Aアゴニストで十分であり得るか、または混合型5-HT2A/5-HT2Cアゴニストよりもさらに良好であり得ると仮定することができる。したがって、本発明の第1の目的は、5-HT2Aアゴニストを提供することである。本発明の第2の目的は、5-HT2Cおよび/または5-HT2Bよりも選択的である選択的5-HT2Aアゴニストを提供することである。本発明の別の目的は、混合型5-HT2A/5-HT2Cアゴニストを提供することである。さらに、本発明の目的は、うつ病の治療に使用するための、特に治療抵抗性うつ病の治療に使用するための化合物を提供することである。本発明者らは、驚くべきことに、全てが5-HT2Aアゴニストとして作用する3-(2,4,5三置換フェニル)ピペリジン、3-(2,4-二置換フェニル)ピペリジンまたは3-(3,4-二置換フェニル)ピペリジンを含む新規クラスの化合物を見出し、これらの化合物のサブグループ(すなわち、(S)-エナンチオマー)が、(特に5-HT2Cおよび/または5-HT2Bに対して)選択的5-HT2Aアゴニストとして作用することを見出した。さらに、本発明者らは、驚くべきことに、5-HT2Aおよび5-HT2Cでほぼ同等の活性を有する非常に強力なアゴニストとして作用する3-(2,4,5三置換フェニル)アゼチジンまたは3-(2,4,5三置換フェニル)ピロリジンを含むさらに別のクラスの化合物を見出した。これらの化合物は全て、うつ病の治療、特に治療抵抗性うつ病に罹患している個体の治療において有益であり得る。
【0011】
したがって、第1の態様において、本発明は、3-(2,4,5三置換フェニル)ピペリジン、3-(2,4-二置換フェニル)ピペリジンまたは3-(3,4-二置換フェニル)ピペリジンを含む5-HT2Aアゴニストに関する。第2の態様では、本発明は、5-HT2Aに対して5-HT2Cおよび/または5-HT2Bよりも選択性が高い、第1の態様による化合物のサブグループ(すなわち、(S)-エナンチオマー)に関する。第3の態様において、本発明は、5-HT2A/5-HT2Cアゴニスト、好ましくは5-HT2Bよりも選択性が高い5-HT2A/5-HT2Cアゴニストに関する。本発明のさらなる態様は、医薬としての使用のための、特にうつ病性障害の治療における医薬としての使用のための、より具体的には治療抵抗性うつ病の治療における医薬としての使用のための、第1、第2および/または第3の態様の化合物を含む。
【0012】
定義:
【0013】
本発明によれば、C1-C5アルキルは、nが1~5である、すなわち1~5個の炭素原子が含まれるアルカン(CnH2n+2)から、任意の炭素原子から水素原子を除去することによって誘導される一価の基として理解されるべきである。C1-C5アルキルは、直鎖(-CnH2n+1)または分枝鎖(-CnH2n+1)であり得る。同様に、C3-C5シクロアルキル(-CnH2n-1)は、nが3~5である、すなわち3~5個の炭素原子が含まれるシクロアルカン(CnH2n)から、任意の炭素原子から水素原子を除去することによって誘導される一価の基として理解されるべきである。C1-C5などのCx-Cyは、一般に、アルケニルおよびアルキニルについても炭素原子の総数を指す。C2-C5アルケニルおよびC2-C5アルキニルは、直鎖または分枝鎖であり得る。さらに、C2-C5アルケニルまたはアルキニルは、1つ以上のアルケンまたはアルキンを含有し得る。
【0014】
本発明によれば、フルオロアルキルは、1つ以上の水素(-H)原子が、1または複数のフッ素(-F)原子によって置換されているアルキル基として理解されるべきである。したがって、本文脈において、フルオロアルキルは、完全にフッ素化されていてもよく、モノフッ素化されていてもよく、またはその間の任意のものであってもよい。非限定的な例として、C2-フルオロアルキルは、例えば、CF2CF3、-CF2CHF2、-CF2CH2F、-CF2CH3、-CHFCF3、-CHFCHF2、-CHFCH2F、-CHFCH3、-CH2CF3、-CH2CHF2、-CH2CH2Fを指し得る。別の非限定的な例として、C1-フルオロアルキルは、-CF3、-CF2Hまたは-CFH2を指し得る。フルオロアルケニルおよびフルオロアルキニルは、同様の方法で理解されるべきである。フッ素化は、例えば、部位が代謝されるのを防ぐのに適していると思われる。
【0015】
本発明の態様1および3によれば、5-HT2Aアゴニストは、実験の項に記載の機能的Ca2+/Fluo-4アッセイで測定した場合、12μM未満、例えば10μM未満、例えば5μM未満、好ましくは3μM未満、例えば2μM未満、より好ましくは1μM未満、さらにより好ましくは0.5μM未満のEC50で5-HT2A受容体を活性化するアゴニストとして理解されるべきである。
【0016】
本発明の態様2および4によれば、5-HT2A選択的アゴニストは、Ca2+/Fluo-4機能アッセイで測定した場合、5μM未満、例えば3μM未満、好ましくは2μM未満、より好ましくは1μM未満、さらにより好ましくは0.5μM未満、例えば0.25μM未満、より好ましくは0.15μM未満、例えば0.12μM未満、さらにより好ましくは0.1μM未満、例えば90nM未満、最も好ましくは80nM未満、例えば70nM未満のEC50で5-HT2A受容体を活性化し、さらに、機能的Ca2+/Fluo-4アッセイ(実験の項に記載)で測定した場合、5-HT2Aに対して5-HT2Cより高い選択性、および/または機能的イノシトールリン酸(IP)アッセイ(実験の項に記載)で測定した場合、5-HT2Aに対して5-HT2Bより高い選択性示すアゴニストとして理解されるべきである。機能的Ca2+/Fluo-4アッセイで試験された濃度範囲において5-HT2C受容体で化合物によって示される有意なアゴニスト活性の欠如は、受容体での非常に低いアゴニスト効力、アッセイで検出できないほど低い受容体でのアゴニスト効力を有する化合物、または化合物が競合的アンタゴニストであり、したがって定義によれば受容体でアゴニスト効力を有さないことのいずれかの結果であり得る。最も好ましくは、5-HT2A選択的アゴニストは、Ca2+/Fluo-4機能アッセイにおいてアゴニスト活性(有効性)を全く示さない。したがって、好ましくは、5-HT2Aの5-HT2Cに対する選択性(すなわちEC50
5-HT2C/EC50
5-HT2A)は、5-HT2Aおよび5-HT2CのEC50値が実験の項に記載されるようなCa2+/Fluo-4機能アッセイにおいて測定される場合、少なくとも2倍、例えば少なくとも3倍、例えば少なくとも4倍、より好ましくは少なくとも5倍、例えば少なくとも6倍、例えば少なくとも7倍、さらにより好ましくは少なくとも8倍、例えば少なくとも9倍、さらにより好ましくは少なくとも10倍、例えば少なくとも11倍、例えば少なくとも12倍、さらにより好ましくは少なくとも20倍、例えば少なくとも30倍、最も好ましくは少なくとも100倍である。好ましくは、選択的5-HT2Aアゴニストは、5-HT2Bを有意に活性化しない。したがって、好ましくは、5-HT2Bに対する選択性(すなわちEC50
5-HT2B/EC50
5-HT2A)は、5-HT2Aおよび5-HT2BのEC50値が実験の項に記載の機能的IPアッセイにおいて測定される場合、少なくとも2倍、例えば3倍、例えば4倍、より好ましくは少なくとも5倍、例えば6倍、例えば7倍、さらにより好ましくは少なくとも8倍である。
【0017】
本発明の態様3および6によれば、混合型5-HT2A/5-HT2Cアゴニストは、実験の項に記載の機能的Ca2+/Fluo-4アッセイで測定した場合、5μM未満、例えば3μM、例えば2μM未満、好ましくは1μM未満、例えば0.5μM未満、より好ましくは0.25μM未満、さらにより好ましくは100nM未満の5-HT2AEC50値、ならびに5μM未満、例えば3μM未満、例えば2μM未満、好ましくは1μM未満、例えば0.5μM未満、より好ましくは0.25μM未満、さらにより好ましくは100nM未満の5-HT2C EC50値で、5-HT2Aおよび5-HT2Cの両方を活性化するアゴニストとして理解されるべきである。好ましくは、5-HT2A EC50値は、90nM未満、例えば80nM未満、例えば70nM未満、より好ましくは60nM未満、例えば50nM未満、さらにより好ましくは40nM未満、例えば30nM未満、最も好ましくは20nM未満、例えば10nM未満である。好ましくは、5-HT2C EC50値は90nM未満、例えば80nM未満、好ましくは70nM未満、より好ましくは60nM未満、最も好ましくは50nM未満である。好ましくは、5-HT2Aと5-HT2Cとの間の選択性(すなわちEC50
5-HT2C/EC50
5-HT2A)は、20倍未満、例えば15倍未満、より好ましくは10倍未満、例えば8倍未満、最も好ましくは7倍未満、例えば6倍未満である。好ましくは、混合型5-HT2A/5-HT2Cアゴニストは5-HT2Bを活性化しない。同様に、好ましくは、5-HT2Aの5-HT2Bに対する選択性(すなわちEC50
5-HT2B/EC50
5-HT2A)は、5-HT2Aおよび5-HT2BのEC50値が実験の項に記載のIPアッセイにおいて測定される場合、少なくとも2倍、例えば3倍、例えば4倍、より好ましくは少なくとも5倍、例えば6倍、例えば7倍、さらにより好ましくは少なくとも8倍である。
【0018】
本発明による化合物はまた、実験の項に記載の結合アッセイで測定した場合、他のモノアミン作動性受容体、例えば、他のセロトニン受容体サブファミリー(5-HT1、5-HT3、5-HT5、5-HT6および5-HT7)のメンバー、ノルエピネフリン受容体ファミリー(α1A、α1B、α1C、α2A、α2B、α2C)のメンバーおよびドーパミン受容体(D1、D2、D3、D4、D5)のメンバーと比較して、化合物8について例示されるように、5-HT2受容体での結合親和性に関して高い選択性(より低いKi値)を有することが示されている(表3を参照されたい)。したがって、本発明によれば、5-HT2Aアゴニストは、実験の項に記載のドーパミン受容体結合アッセイで測定した場合、好ましくは、1000nM超、例えば2000nM超、好ましくは3000nM超、例えば4000nM超、より好ましくは5000nM超、例えば6000nM超、さらにより好ましくは7000nM超、例えば8000nM超、最も好ましくは9000nM超、例えば10000nM超のD1~D5に対するKi値を有するべきである。同様に、本発明によれば、5-HT2Aアゴニストは、実験の項に記載のノルエピネフリン受容体結合アッセイで測定した場合、好ましくは、1000nM超、例えば2000nM超、好ましくは3000nM超、例えば4000nM超、より好ましくは5000nM超、例えば6000nM超、さらにより好ましくは7000nM超、例えば8000nM超、最も好ましくは9000nM超、例えば10000nM超のα1A、α1Bおよびα2Cに対するKi値を有し、200nM超、例えば250nM超、好ましくは300nM超、例えば350nM超、より好ましくは400nM超、例えば450nM超、さらにより好ましくは500nM超、例えば550nM超、最も好ましくは550nM超、例えば600nM超のα2Aおよびα2Bに対するKi値を有するべきである。同様に、本発明によれば、5-HT2Aアゴニストは、実験の項に記載のセロトニン受容体結合アッセイで測定した場合、好ましくは、1000nM超、例えば2000nM超、好ましくは3000nM超、例えば4000nM超、より好ましくは5000nM超、例えば6000nM超、さらにより好ましくは7000nM超、例えば8000nM超、最も好ましくは9000nM超、例えば10000nM超の5-HT3および5-HT5Aに対するKi値を有し、好ましくは、100nM超、例えば150nM超、好ましくは200nM超、例えば250nM超、より好ましくは300nM超の5-HT1A、5-HT1D、5-HT6および5-HT7に対するKi値を有するべきである。
【0019】
本発明によれば、治療抵抗性うつ病(TRD)は、所望の臨床結果に達することができるように、公知の抗うつ薬および/または心理療法では十分に治療することができない(すなわち、不十分な応答が観察された)うつ病性障害、好ましくは大うつ病性障害(MDD)として理解されるべきである。不十分な応答とは、臨床的応答がない(例えば、うつ病症状の改善なし)またはうつ病症状の完全な寛解を達成しない人として理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の概要
【0021】
第1の態様では、本発明は、一般式(I)の5-HT
2Aアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化1】
【0022】
式中、
*は、(R)もしくは(S)立体異性体またはそれらの任意の混合物を表し;
Xは、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C2-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルおよびC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC1-C3アルキニルからなる群から選択され;
R4は、HまたはCH3から選択され;
ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0023】
第2の態様では、本発明は、一般式(II)の選択的5-HT
2Aアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化2】
【0024】
式中、
Xは、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C2-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルおよびC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC2-C3アルキニルからなる群から選択され;
ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0025】
第3の態様では、本発明は、一般式(III)の混合型5-HT
2A/5-HT
2Cアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化3】
【0026】
式中、
Xは、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C2-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルおよびC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
*は、キラル中心が存在する場合、(R)もしくは(S)立体異性体またはそれらの任意の混合物を表し;
nは、1、2、3または4の値を有する整数であり、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパン環系を形成し;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC2-C3アルキニルからなる群から選択され;
R4は、HまたはCH3から選択され;
ただし、n=3の場合、*は(R)立体異性体を表し、さらにY1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0027】
第4の態様では、本発明は、医薬としての使用のための一般式(I)の5-HT
2Aアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化4】
【0028】
式中、
*は、(R)もしくは(S)立体異性体またはそれらの任意の混合物を表し;
Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルおよびC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC2-C3アルキニルからなる群から選択され;
R4は、HまたはCH3から選択され;
ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0029】
第5の態様では、本発明は、医薬としての使用のための一般式(II)の選択的5-HT
2Aアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化5】
【0030】
式中、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルおよびC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC2-C3アルキニルからなる群から選択され;
ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0031】
第6の態様では、本発明は、医薬としての使用のための一般式(III)の混合型5-HT
2A/5-HT
2Cアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化6】
【0032】
式中、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルおよびC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
*は、キラル中心が存在する場合、(R)もしくは(S)立体異性体またはそれらの任意の混合物を表し;
nは、1、2、3または4の値を有する整数であり、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパン環系を形成し;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC2-C3アルキニルからなる群から選択され;
R4は、HまたはCH3から選択され;
ただし、n=3の場合、*は(R)立体異性体を表し、さらにY1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0033】
本発明の第7の態様は、本発明の第1~第6の態様のいずれかによる化合物の合成方法に関する。
【0034】
第8の態様は、本発明による化合物の特定の医学的使用に関する。
【0035】
第9の態様は、本発明による1つ以上の化合物を含む医薬組成物に関する。
【0036】
以下の実施形態において、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1A】アゴニストとして試験した場合の機能的Ca
2+/Fluo-4アッセイにおいて、5-HT
2A発現細胞株、5-HT
2B発現細胞株および5-HT
2C発現細胞株において化合物8によって誘発される濃度依存的応答を示す図である。
【
図1B】アンタゴニストとして試験した場合の化合物8によって媒介される同じアッセイにおける5-HT
2C発現細胞株での5-HT EC
80誘導性応答の濃度依存的阻害を示す図である。アッセイは、実験の項に記載のように行った。
【
図2A】マウスにおいて化合物8によって誘導された頭部単収縮反応(HTR)を示す。5-HT
2Aアゴニストが齧歯類においてこの特徴的なHTRを誘発することは十分に確立されており、したがって、行動効果は、インビボでのCNS曝露および5-HT
2Aアゴニズムの実証を表す
6、7。
図2Aは、雄のC57BL/6Jマウスにおける化合物8(皮下投与)によって媒介されるHTRの用量依存的増大を示す図である。
【
図2B】ラットにおいて化合物8によって誘導された頭部単収縮反応(HTR)を示す。5-HT
2Aアゴニストが齧歯類においてこの特徴的なHTRを誘発することは十分に確立されており、したがって、行動効果は、インビボでのCNS曝露および5-HT
2Aアゴニズムの実証を表す。
6、7図2Bは、Sprague Dawley雄ラットにおける化合物8(腹腔内投与)によって媒介されるHTRの用量依存的増大を示す図である。
【
図3】強制水泳試験におけるFlinders Sensitive Line(FSL)ラットの不動時間に対する化合物8および(S)-ケタミン(別のクラスの即効性抗うつ薬に属する)の効果を示す図である。FSLは、動物が食欲低下、運動性低下、無快感および睡眠異常を示す、うつ病の遺伝子齧歯類モデルである。
8 Flinders Resistant Line(FRL)は、これらのうつ病様症状のいずれも示さない対照系統である。化合物8(1.5mg/kg、i.p.)および(S)-ケタミン(15mg/kg、i.p.)の両方が、腹腔内投与の1時間後にビヒクル処置FSLラットと比較して不動時間を減少させる。
【
図4A】強制水泳試験における副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)で処置したラットの不動時間に対する化合物8およびTCAイミプラミンの効果を示す図である。ラットへのACTHの長期投与は、TCA(例えば、イミプラミンなど)の抗うつ効果を無効にし、したがって、これは、治療抵抗性うつ病の有効なストレス誘発性齧歯類モデルである。
9
【
図4B】ビヒクル処置ラット(陽性対照)におけるイミプラミン(15mg/kg、i.p.)の有意な抗うつ薬様効果を示し、これは、ACTH処置ラットにおける同用量のイミプラミンの効果の欠如と対照的である(
図4A)。
【0038】
発明の詳細な説明
態様1-一般式(I)の5-HT2Aアゴニスト
【0039】
本発明者らは、3-(2,4,5三置換フェニル)ピペリジン、3-(2,4-二置換フェニル)ピペリジンまたは3-(3,4-二置換フェニル)ピペリジンを含む化合物が強力な5-HT2Aアゴニストとして作用し、抗うつ薬として有望な結果を示すことを見出した。したがって、1つの全体的な発明概念は、5-HT2Aアゴニストおよび医薬としてのそれらの使用、好ましくは抗うつ薬としてのそれらの使用に関し、該5-HT2Aアゴニストは、3-(2,4,5三置換フェニル)ピペリジン、3-(2,4-二置換フェニル)ピペリジンまたは3-(3,4-二置換フェニル)ピペリジンを含む。
【0040】
第1の態様では、本発明は、一般式(I)またはその薬学的に許容され得る塩の5-HT
2Aアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化7】
【0041】
式中、
*は、(R)もしくは(S)立体異性体またはそれらの任意の混合物を表し;
Xは、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C2-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルまたはC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC2-C3アルキニルからなる群から選択され;
R4は、HまたはCH3から選択され;
ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0042】
置換基X
【0043】
本発明者らは、式(I)中の置換基Xが5-HT2Aアゴニストの効力に重要であり、Xが様々な親油性置換基を許容することを見出した。当業者は、親油性置換基としての役割を果たすのに適した一連の置換基を認識している。したがって、本発明の一実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、C2-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキルから選択される。好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C2-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキルから選択される。より好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C2-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキルから選択される。さらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択される。本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択される。さらにまたより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3から選択される。非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、S-CH3から選択される。本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、XはIまたはCF3から選択される。本発明の最も好ましい実施形態では、XはCF3である。
【0044】
置換基Y1およびY2
【0045】
本発明者らはさらに、Y1およびY2が、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンから選択され得るが、但し、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とすることを見出した。したがって、Y1がH、ハロゲン、C1-C3フルオロアルキルまたはC1-C3アルキルである場合には、R1は存在しない(欠失している)。同様に、Y2がH、ハロゲン、C1-C3フルオロアルキルまたはC1-C3アルキルである場合には、R2は存在しない(欠失している)。本発明の一実施形態では、Y1はO、S、CH3またはハロゲンから選択され、Y2はO、S、CH3またはハロゲンから選択される。本発明の好ましい実施形態では、Y1はO、S、Hまたはハロゲンから選択され、Y2はO、S、Hまたはハロゲンから選択される。さらに好ましい実施形態では、Y1はO、SまたはCH3から選択され、Y2はO、SまたはCH3から選択される。本発明のより好ましい実施形態では、Y1はO、SまたはHから選択され、Y2はO、SまたはHから選択される。さらにより好ましい実施形態では、Y1はOまたはSから選択され、Y2はOまたはSから選択される。さらに好ましい実施形態では、Y1はOまたはSであり、Y2はH、ハロゲン、OまたはSから選択される。特に、Y1およびY2中のヘテロ原子の存在により、強力な5-HT2A化合物が提供される。したがって、本発明の一実施形態では、Y1はOであり、Y2はSである。本発明の別の実施形態では、Y1はSであり、Y2はOである。さらに別の実施形態では、Y1およびY2はSである。本発明の最も好ましい実施形態では、Y1およびY2はOである。
【0046】
置換基R1およびR2
【0047】
本発明者らは、驚くべきことに、式(I)中のR1およびR2が占めるファーマコフォアが、化合物の5-HT2A活性および効力を維持しながら、小さな親油性置換基を可能にすることを見出した。したがって、本発明の一実施形態では、R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルまたはC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択される。本発明の好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルまたはC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択される。さらにより好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択される。本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、およびシクロプロピルからなる群から選択される。さらにより好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、およびC1-C3フルオロアルキルからなる群から選択される。非常に好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C2アルキル、およびC1-C2フルオロアルキルからなる群から選択される。別の非常に好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルからなる群から選択される。さらにより好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、メチル(CH3)およびトリフルオロメチル(CF3)からなる群から選択される。本発明の最も好ましい実施形態では、R1およびR2は両方ともメチル(CH3)である。
【0048】
(1または複数の)R3置換基のタイプ
【0049】
本発明の一実施形態では、(1または複数の)R3基は独立して、F、C1-C3アルキル、およびC1-C3フルオロアルキルからなる群から選択される。本発明の好ましい実施形態では、(1または複数の)R3基は独立して、F、C1-C2アルキル、およびC1-C2フルオロアルキルからなる群から選択される。本発明の非常に好ましい実施形態では、(1または複数の)R3基は独立して、F、メチル(CH3)およびトリフルオロメチル(CF3)からなる群から選択される。本発明の最も好ましい実施形態では、(1または複数の)R3基は独立して、Fおよびメチル(CH3)からなる群から選択される。
【0050】
(1または複数の)R3置換基の数(z)および好ましい位置
【0051】
本発明者らはさらに、ピペリジン環系の炭素原子を小さな親油性置換基(R3)で置換できることを見出した。したがって、本発明によれば、1つ以上(1または複数)のR3置換基(存在する場合)は、以下の式(I)に示す(2)、(3)、(4)、(5)および/または(6)の位置のいずれかに存在する。より好ましくは、1つ以上(1または複数)のR3置換基(存在する場合)は、以下の式(I)に示す(2)、(3)および/または(6)の位置のいずれか、最も好ましくは以下の式(I)に示す(2)または(3)の位置に存在する。したがって、2つのR3置換基が同じ位置(炭素原子)に存在してもよい。本発明者らは、ピペリジン環系中の第二級アミン(遊離NH)が5-HT2A受容体において高いアゴニスト活性を維持するために非常に重要であるのに対して、窒素置換基(第三級アミン)が、5-HT2Aでの効力の有意な喪失をもたらした(化合物8と比較して、化合物59(N-Et)については約80倍、化合物61(N-Me)については約20倍)ことを見出した。いくつかのあまり好ましくない実施形態では、他の特性、例えばADME特性を変化させるために、効力の喪失にもかかわらず、ピペリジンをN-メチル化することができる。
【0052】
【0053】
したがって、本発明の一実施形態では、zは0~4であり、したがってピペリジンは非置換であるか、または1~4個のR3基で置換される。本発明の好ましい実施形態では、zは0~3であり、したがってピペリジンは非置換であるか、または1~3個のR3基で置換される。本発明のより好ましい実施形態では、zは0~2であり、したがってピペリジンは非置換であるか、または1~2個のR3基で置換される。本発明のさらにより好ましい実施形態では、zは0~1であり、したがってピペリジンは非置換であるか、または1個のR3基で置換される。本発明の最も好ましい実施形態では、zは0であり、R3置換基は存在しない。
【0054】
本発明の非常に好ましい実施形態では、zは0または1であり、したがって、ピペリジンが非置換であるかまたは1つのR3基で置換され、1つのR3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置に存在する。
【0055】
立体化学
【0056】
第1の態様では、式(I)の化合物は、*で表されるキラル中心での(R)および(S)立体異性体の両方を含む。したがって、化合物は、単一の立体異性体または任意の比の(R)および(S)立体異性体の混合物、例えば*で表される中心での立体異性体の1:1混合物(すなわち、R3基が存在しない場合はラセミ体)であり得る。ピペリジン上のR3置換基の場合、1つ以上の追加のキラル中心が分子中に存在し得ることは当業者には明らかである。これらの他のキラル中心はまた、カーン・インゴルド・プレローグ優先順位則に従って(R)および(S)配置のいずれかであり得る。可能な立体異性体の数は、存在するキラル中心の数に依存し、2n(nは追加のキラル中心の数)として計算することができる。本文脈において、本発明は、可能なすべての単一の立体異性体ならびにそれらの任意の混合物を網羅することを意図する。本発明による立体異性体は、当技術分野における従来の方法を用いて分離することができる。したがって、ジアステレオマーは、選択的結晶化、液体カラムクロマトグラフィー、例えば従来のシリカゲルクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(逆相および順相)によって分離することができる。さらに、エナンチオマーは、キラルHPLC、キラルSFCなどのキラル分割を使用して、またはキラル誘導体化剤でジアステレオマーを形成し、上記の従来の方法のいずれかで分離することによって、分離することができる。
【0057】
好ましい実施形態
【0058】
本発明の好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択される。R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がH、CH3またはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、シクロプロピルからなる群から選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、CH3またはCF3から選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0059】
本発明の別の好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、H、OまたはSから選択され;Y2は、H、OまたはSから選択される。R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がHである場合には存在せず、R2は、Y2がHである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、シクロプロピルからなる群から選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、CH3またはCF3から選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0060】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C2アルキル)、S-(C1-C2フルオロアルキル)、C2-C3 アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択される。R1およびR2は、独立して、非存在(R1は、Y1がH、CH3またはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0061】
本発明の別の好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C2アルキル)、S-(C1-C2フルオロアルキル)、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、H、OまたはSから選択され;Y2は、H、OまたはSから選択される。R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がHである場合には存在せず、R2は、Y2がHである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0062】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C2アルキル)、S-(C1-C2フルオロアルキル)、C2-C3 アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択される。R1およびR2は、独立して、非存在(R1は、Y1がCH3またはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0063】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C2アルキル)、S-(C1-C2フルオロアルキル)、C2-C3 アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択される。R1およびR2は、独立して、非存在(R1は、Y1がCH3またはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、シクロプロピルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0064】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C2アルキル)、S-(C1-C2フルオロアルキル)、C2-C3 アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択され得る。R1およびR2は、独立して、非存在(R1は、Y1がCH3またはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在し;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0065】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、OまたはSから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択される。R1は、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;R2は、非存在(R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキル、またはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0066】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、OまたはSから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;R1は、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0または1であり;R3はF、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;R2は、非存在(R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;R3はF、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0067】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、OまたはSから選択され;Y2は、H、OまたはSから選択され;R1は、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;R3はF、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;R2は、非存在(R2は、Y2がHである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;R3はF、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0068】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、OまたはSから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択される。R1は、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;R2は、非存在(R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;R3はF、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれかの位置、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0069】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、OまたはSから選択され;Y2は、H、OまたはSから選択され;R1は、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;R2は、非存在(R2は、Y2がHである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;R3はF、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0070】
本発明のより好ましい実施形態ではXは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0071】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0072】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0073】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0074】
本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立してOまたはSからであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0075】
本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0076】
本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3、から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0077】
本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0078】
本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3、から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0079】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、シクロプロピルからなる群から選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0080】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、シクロプロピルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0081】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、シクロプロピルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0082】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、CH3、CF3から選択される。
【0083】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、CH3、CF3から選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0084】
本発明の非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-(C1-C2アルキル)、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSとして選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、シクロプロピルからなる群から選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0085】
本発明のさらに非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-(C1-C2アルキル)、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSとして選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、シクロプロピルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0086】
本発明の非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0087】
本発明のさらに非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0088】
本発明の非常により好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0089】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0090】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキル、C1-C2フルオロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0091】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、S-CH3、S-CF3から選択され、Y1はOであり、Y2はOまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0092】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、IまたはCF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2はメチル(CH3)であり;zは0または1であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され、最も好ましくはメチル(CH3)であり、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0093】
本発明の最も好ましい実施形態では、XはCF3であり;Y1およびY2はOであり;R1およびR2はメチル(CH3)であり、ならびにzは0である。
【0094】
上記の実施形態のいずれかでは、R4は最も好ましくはHとして選択される。上記の実施形態のいずれかでは、Y1およびY2は最も好ましくはOとして選択される。上記の実施形態のいずれかでは、zは最も好ましくは0または1である。上記の実施形態のいずれかにおいて、R3は、最も好ましくはメチル(CH3)である。
【0095】
態様2-選択的5-HT2Aアゴニスト
【0096】
第2の態様では、本発明は、一般式(II)の選択的5-HT
2Aアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化9】
【0097】
式中、
Xは、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C2-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルおよびC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルまたはC2-C3アルキニルからなる群から選択され;
ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0098】
置換基X
【0099】
本発明者らは、式(II)中の置換基Xが5-HT2Aアゴニストの効力に重要であり、Xが様々な親油性置換基を許容することを見出した。当業者は、親油性置換基としての役割を果たすのに適した一連の置換基を認識している。したがって、本発明の一実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、C2-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキルから選択される。好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C4アルキル)、S-(C1-C4フルオロアルキル)、C2-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキルから選択される。さらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択される。さらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C2-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキルから選択される。より好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択される。本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択される。さらにまたより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3から選択される。非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、S-CH3から選択される。本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、XはIまたはCF3から選択される。本発明の最も好ましい実施形態では、XはCF3から選択される。
【0100】
置換基Y1およびY2
【0101】
本発明者らはさらに、Y1およびY2が独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンから選択され得るが、但し、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とすることを見出した。したがって、Y1がH、ハロゲン、C1-C3フルオロアルキルまたはC1-C3アルキルである場合には、R1は存在しない(欠失している)。同様に、Y2がH、ハロゲン、C1-C3フルオロアルキルまたはC1-C3アルキルである場合には、R2は存在しない(欠失している)。本発明の一実施形態では、Y1はO、S、CH3またはハロゲンから選択され、Y2はO、S、CH3またはハロゲンから選択される。本発明の好ましい実施形態では、Y1はO、S、Hまたはハロゲンから選択され、Y2はO、S、Hまたはハロゲンから選択される。さらに好ましい実施形態では、Y1はO、SまたはCH3から選択され、Y2はO、SまたはCH3から選択される。本発明のより好ましい実施形態では、Y1はO、SまたはHから選択され、Y2はO、SまたはHから選択される。さらにより好ましい実施形態では、Y1はOまたはSから選択され、Y2はOまたはSから選択される。さらに好ましい実施形態では、Y1はOまたはSから選択され、Y2はH、ハロゲン、OまたはSから選択される。特に、Y1およびY2中のヘテロ原子の存在により、強力な5-HT2Aアゴニストが提供される。したがって、本発明の一実施形態では、Y1はOであり、Y2はSである。本発明の別の実施形態では、Y1はSであり、Y2はOである。さらに別の実施形態では、Y1およびY2はSである。本発明の最も好ましい実施形態では、Y1およびY2はOである。
【0102】
置換基R1およびR2
【0103】
本発明者らは、驚くべきことに、式(II)中のR1およびR2が占めるファーマコフォアが、化合物の5-HT2A活性および効力を維持しながら、小さな親油性置換基を可能にすることを見出した。したがって、本発明の一実施形態では、R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルおよびC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択される。本発明の好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルおよびC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択される。さらにより好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、およびC3-C5シクロアルキルからなる群から選択される。本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、およびシクロプロピルからなる群から選択される。さらにより好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、およびC1-C3フルオロアルキルからなる群から選択される。非常に好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C2アルキル、およびC1-C2フルオロアルキルからなる群から選択される。別の非常に好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルから選択される。さらにより好ましい実施形態では、R1およびR2は独立して、メチル(CH3)およびトリフルオロメチル(CF3)からなる群から選択される。本発明の最も好ましい実施形態では、R1およびR2は両方ともメチル(CH3)である。
【0104】
(1または複数の)R3置換基の数(z)および好ましい位置
【0105】
本発明者らはさらに、ピペリジン環系の炭素原子を小さな親油性置換基(R3)で置換できることを見出した。したがって、本発明によれば、1つ以上(1または複数)のR3置換基(存在する場合)は、以下の式(II)に示す(2)、(3)、(4)、(5)および/または(6)の位置のいずれかに存在する。より好ましくは、1つ以上(1または複数)のR3置換基(存在する場合)は、以下の式(II)に示す(2)、(3)および/または(6)の位置のいずれか、最も好ましくは以下の式(II)に示す(2)または(3)の位置に存在する。したがって、2つのR3置換基が同じ位置(炭素原子)に存在してもよい。本発明者らは、ピペリジン環系中の第二級アミン(遊離NH)が5-HT2A受容体において高いアゴニスト活性を維持するために非常に重要であるのに対して、窒素置換基(第三級アミン)が、5-HT2Aでの効力の有意な喪失をもたらした(化合物8と比較して、化合物59(N-Et)については約80倍、化合物61(N-Me)については約20倍)ことを見出した。さらに、ピペリジンのN-メチル化は、化合物8と比較して化合物61について示されるように、5-HT2Aに対する5-HT2Cより高い選択性の喪失をもたらした。したがって、第2の態様では、ピペリジンは第2級アミン(遊離NH)を含む(すなわち、ピペリジンはN-メチル化されていない)。
【0106】
【0107】
したがって、本発明の一実施形態では、zは0~4であり、したがってピペリジンは非置換であるか、または1~4個のR3基で置換される。本発明の好ましい実施形態では、zは0~3であり、したがってピペリジンは非置換であるか、または1~3個のR3基で置換される。本発明のより好ましい実施形態では、zは0~2であり、したがってピペリジンは非置換であるか、または1~2個のR3基で置換される。本発明のさらにより好ましい実施形態では、zは0~1であり、したがってピペリジンは非置換であるか、または1個のR3基で置換される。本発明の最も好ましい実施形態では、zは0であり、R3置換基は存在しない。
【0108】
本発明の好ましい実施形態では、zは0または1であり、したがって、ピペリジンが非置換であるかまたは1つのR3基で置換され、1つのR3基は、上記式(II)に示される(2)、(3)、(4)、(5)または(6)の位置、好ましくは上記式(II)に示される(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(II)の(2)または(3)のとして示される位置のいずれかに存在する。
【0109】
(1または複数の)R3置換基のタイプ
【0110】
本発明の一実施形態では、(1または複数の)R3基は独立して、F、C1-C3アルキル、またはC1-C3フルオロアルキルからなる群から選択される。本発明の好ましい実施形態では、(1または複数の)R3基は独立して、F、C1-C2アルキル、またはC1-C2フルオロアルキルからなる群から選択される。本発明の非常に好ましい実施形態では、(1または複数の)R3基は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)からなる群から選択される。本発明の最も好ましい実施形態では、(1または複数の)R3基は独立して、F、メチル(CH3)からなる群から選択され、最も好ましくはメチル(CH3)である。
【0111】
立体化学
【0112】
第2の態様では、化合物は、式(II)に示されるようなキラル中心に絶対立体化学を有する立体異性体(すなわち、(S)-立体異性体)である。ピペリジン上のR3置換基の場合、1つ以上の追加のキラル中心が分子中に存在し得ることは当業者には明らかである。これらの他のキラル中心は、カーン・インゴルド・プレローグ優先順位則に従って(R)および(S)配置のいずれかであり得る。可能な立体異性体の数は、存在するキラル中心の数に依存し、2n(nは追加のキラル中心の数)として計算することができる。本文脈において、本発明は、可能なすべての単一の立体異性体ならびにそれらの任意の混合物を網羅することを意図する。本発明による立体異性体は、当技術分野における従来の方法を用いて分離することができる。したがって、ジアステレオマーは、選択的結晶化、液体カラムクロマトグラフィー、例えば従来のシリカゲルクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(逆相および順相)によって分離することができる。さらに、エナンチオマーは、キラルHPLC、キラルSFCなどのキラル分割を使用して、または上記の従来の方法のいずれかで分離することができるジアステレオマーを形成するためにキラル誘導体化剤を使用して分離することができる。
【0113】
好ましい実施形態
【0114】
本発明の好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C2-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルまたはC2-C5フルオロアルキニルから選択され;Y1およびY2は独立して、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がH、CH3またはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルまたはC3-C5フルオロシクロアルキルから選択され;zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC2-C3アルキニルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0115】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がCH3またはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がCH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、またはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0116】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、O、CH3またはSから選択され;R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がCH3である場合には存在せず、R2は、Y2がCH3である場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0117】
本発明のより好ましい実施形態では、Xは、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、またはC1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0118】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0119】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはシクロプロピルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0120】
本発明の非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはシクロプロピルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0121】
本発明の非常により好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルからなる群から選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0122】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0123】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0124】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0125】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、IまたはCF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2はメチル(CH3)であり;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0126】
本発明の最も好ましい実施形態では、XはCF3であり;Y1およびY2はOであり;R1およびR2はメチル(CH3)であり、ならびにzは0である。
【0127】
さらに、態様1で述べられる任意の好ましい実施形態は、式(II)の化合物についての態様2に等しく十分に適用される。
【0128】
態様3-混合型5-HT2A/5-HT2Cアゴニスト
【0129】
第3の態様では、本発明は、一般式(III)の5-HT
2A/5-HT
2Cアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化11】
【0130】
式中、
Xは、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C2-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルまたはC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
*は、キラル中心が存在する場合、(R)もしくは(S)立体異性体またはそれらの任意の混合物を表し;
nは、1、2、3または4の値を有する整数であり、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパン環系を形成し;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC2-C3アルキニルからなる群から選択され;
R4は、HまたはCH3から選択され;
ただし、n=3の場合、*は(R)立体異性体を表し、さらにY1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0131】
第3の態様では、X、Y1、Y2、R1、R2、zおよびR3は、態様1または2と同じ優先度で選択される。したがって、「置換基X」、「置換基Y1およびY2」、「置換基R1およびR2」、「(1または複数の)R3置換基の数(z)および好ましい位置」および「R3置換基のタイプ」というすべての見出しの実施形態は、態様3に等しく適用される。同様に、態様1および2に記載された好ましい実施形態は、全ての環系(すなわち、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパン環系)について態様3に等しく適用される。
【0132】
最も好ましい実施形態では、R4はHである。
【0133】
立体化学(*)
【0134】
本発明者らは、驚くべきことに、本明細書に記載のCa
2+/Fluo-4機能アッセイで測定した場合、以下に示す式(IV)、(V)および(VI)の(R)および(S)-立体異性体の両方が、5-HT
2A受容体に対して5-HT
2C受容体よりわずかに上回る選択性を有する強力な5-HT
2A/5-HT
2Cアゴニストをもたらすことを見出した(EC
50値でおよそ2~5倍)。場合によっては、キラル中心が存在しないことに留意されたい(例えば、n=1の場合、R
3置換基を有さないアゼチジンを形成する)。同様に、式(VII)に示される(R)-立体異性体(すなわち、(R)-ピペリジン)もまた、混合型5-HT
2A/5-HT
2Cアゴニストプロファイルを有し、Ca
2+/Fluo-4機能アッセイで測定した場合、5-HT
2A受容体に対して5-HT
2C受容体よりわずかに高い(EC
50でおよそ2~10倍)選択性を有する5-HT
2Aアゴニストを提供した。しかしながら、これらのアゴニストは、効力の有意な喪失を有した((R)-ピロリジンと比較した場合、5-HT
2Aでは約13~70倍および5-HT
2Cでは20~70倍)。したがって、態様3および6の好ましい実施形態では、nは1、2または4の値を有する整数であり、より好ましくはnは1または2の値を有する整数であり、最も好ましくはnは1の値を有する整数である。
【化12】
【0135】
本発明の態様3および6では、(*)は、上記に示される式(IV)、(V)、(VI)の(R)および(S)-立体異性体の両方(すなわち、他のキラル中心が存在しない場合のエナンチオマー)ならびにそれらの任意の混合物ならびに式(VII)の(R)-立体異性体を包含することが意図される。飽和ヘテロシクリル(すなわち、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパン環系)上のR3置換基の場合、1つ以上の追加のキラル中心が分子中に存在し得ることは当業者には明らかである。可能な立体異性体の数は、存在するキラル中心の数に依存し、2n(nはキラル中心の数)として計算することができる。本文脈において、本発明は、可能なすべての単一の立体異性体ならびにそれらの任意の混合物を網羅することを意図する。本発明による立体異性体は、態様1に記載の当技術分野における従来の方法を用いて分離することができる。
【0136】
態様4-5-HT2Aアゴニストの医学的使用
【0137】
第4の態様では、本発明は、医薬としての使用のための一般式(I)の5-HT
2Aアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化13】
【0138】
式中、
*は、(R)もしくは(S)立体異性体またはそれらの任意の混合物を表し;
Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルおよびC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC2-C3アルキニルからなる群から選択され;
R4は、HまたはCH3から選択され;
ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0139】
第4の態様では、Y1、Y2、R1、R2、zおよびR3は、態様1および2と同じ優先度で選択される。したがって、態様1および2の「置換基Y1およびY2」、「置換基R1およびR2」、「R3置換基の数(z)および好ましい位置」および「(1または複数の)R3置換基のタイプ」という見出しの実施形態は、態様4に等しく適用される。さらに、態様1および2の好ましい実施形態は、態様4にも適用される。さらに、態様1の「立体化学」という見出しの記載は、態様4にも等しく適用される。
【0140】
芳香環上の置換基X
【0141】
態様4、5および6(すなわち、医学的使用の態様)では、XはCH3、F、ClおよびBrをさらに含む。したがって、態様4、5または6の一実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、C1-C5アルキルまたはC1-C5フルオロアルキルから選択される。好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C1-C5アルキルまたはC1-C5フルオロアルキルから選択される。さらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C4アルキル)、S-(C1-C4フルオロアルキル)、C1-C4アルキルまたはC1-C4フルオロアルキルから選択される。さらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C1-C3アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルから選択される。さらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C2アルキル)、S-(C1-C2フルオロアルキル)、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。さらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C2アルキル)、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。より好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルから選択される。本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CH3、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択される。さらにまたより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CNまたはS-CH3から選択される。非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3またはS-CH3から選択される。別の非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、IまたはCF3から選択される。さらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、IまたはCF3から選択される。さらにまたより非常に好ましい実施形態では、Xは、IまたはCF3から選択される。本発明の最も好ましい実施形態では、XはCF3から選択される。
【0142】
好ましい実施形態
【0143】
本発明の好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C1-C3 アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択される。R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がH、CH3またはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはシクロプロピルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、CH3またはCF3から選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0144】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C1-C3アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、H、OまたはSから選択され;Y2は、H、OまたはSから選択される。R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がHである場合には存在せず、R2は、Y2がHである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、シクロプロピルからなる群から選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、CH3またはCF3から選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0145】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C2アルキル)、S-CF 3、C1-C3 アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択され得る。R1およびR2は、独立して、非存在(R1は、Y1がCH3またはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0146】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C2アルキル)、S-CF3、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択される。R1およびR2は、独立して、非存在(R1は、Y1がCH3またはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0147】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C2アルキル)、S-CF3、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、O、S、CH3またはハロゲンから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択される。R1およびR2は、独立して、非存在(R1は、Y1がCH3またはハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0148】
本発明の好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、OまたはSから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択され得る。R1は、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;R2は、非存在(R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0149】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、OまたはSから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択される。R1は、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;R2は、非存在(R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0または1であり;R3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0150】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1は、OまたはSから選択され;Y2は、H、O、S、CH3またはハロゲンから選択される。R1は、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;R2は、非存在(R2は、Y2がH、CH3またはハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0または1であり;R3はF、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0151】
本発明のより好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0152】
本発明のさらにより好ましい実施形態ではXは、F、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0153】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3はF、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0154】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CH3、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0155】
本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CH3、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0156】
本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CH3、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0157】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CH3、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0158】
本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CH3、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0159】
本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0160】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはシクロプロピルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0161】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはシクロプロピルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0162】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはシクロプロピルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0163】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、CH3、CF3から選択される。
【0164】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、CH3、CF3から選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0165】
本発明の非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-(C1-C2アルキル)またはS-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、シクロプロピルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0166】
本発明のさらに非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-(C1-C2アルキル)またはS-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはシクロプロピルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0167】
本発明のさらに非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0168】
本発明のさらに非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0169】
本発明の非常により好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0170】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0171】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0172】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0173】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、S-CH3またはS-CF3から選択され、Y1はOであり、Y2はOまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルから選択され;zは0または1であり;ならびにR3は、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、IまたはCF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2はメチル(CH3)であり;zは0または1であり;R3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され、最も好ましくはメチル(CH3)であり、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0174】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、IまたはCF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2はメチル(CH3)であり;zは0または1であり;R3は、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され、最も好ましくはメチル(CH3)であり、該R3基は、上記式(I)の(2)、(3)、(4)、(5)または(6)として示される位置のいずれか、好ましくは上記式(I)の(2)、(3)または(6)として示される位置のいずれか、最も好ましくは上記式(I)の(2)または(3)として示される位置のいずれかに存在する。
【0175】
本発明の最も好ましい実施形態では、XはCF3であり;Y1およびY2はOであり;R1およびR2はメチル(CH3)であり、ならびにzは0である。
【0176】
上記の実施形態のいずれにおいても、R4は最も好ましくはHとして選択される。
【0177】
態様5-選択的5-HT2Aアゴニストの医学的使用
【0178】
第5の態様では、本発明は、医薬としての使用のための一般式(II)の選択的5-HT
2Aアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化14】
【0179】
式中、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルまたはC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC2-C3アルキニルからなる群から選択され;
ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0180】
第5の態様では、Y1、Y2、R1、R2、zおよびR3は、態様1および2と同じ優先度で選択される。したがって、態様1および2の「置換基Y1およびY2」、「置換基R1およびR2」、「R3置換基の数(z)および好ましい位置」および「(1または複数の)R3置換基のタイプ」という見出しの実施形態は、態様5に等しく適用される。さらに、態様1、2および4の好ましい実施形態は、態様5にも適用される。さらに、態様2の「立体化学」という見出しの記載は、態様5にも等しく適用される。
【0181】
芳香環上の置換基X
【0182】
態様4、5および6(すなわち、医学的使用の態様)では、XはCH3、F、ClおよびBrもまた含む。したがって、態様4、5または6の一実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、C1-C5アルキルまたはC1-C5フルオロアルキルから選択される。好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C1-C5アルキルまたはC1-C5フルオロアルキルから選択される。より好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルから選択される。さらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルから選択される。本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択される。本発明のさらにまたより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、S-CH3、S-CF3から選択される。さらにまたより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CNまたはS-CH3から選択される。非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3またはS-CH3から選択される。別の非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、IまたはCF3から選択される。さらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、IまたはCF3から選択される。さらにまたより非常に好ましい実施形態では、Xは、IまたはCF3から選択される。本発明の最も好ましい実施形態では、XはCF3から選択される。
【0183】
好ましい実施形態
【0184】
本発明の好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C1-C3アルキルまたはC1-C3 フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、O、CH3またはSから選択され;R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がCH3である場合には存在せず、R2は、Y2がCH3である場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0185】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C1-C3 アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、H、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がHである場合には存在せず、R2は、Y2がHである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、またはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0186】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C3アルキル)、S-(C1-C3フルオロアルキル)、C1-C3アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、ハロゲン、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0187】
本発明の好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、O、CH3またはSから選択され;R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がCH3である場合には存在せず、R2は、Y2がCH3である場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0188】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキルまたはC1-C3 フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、H、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がHである場合には存在せず、R2は、Y2がHである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、またはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0189】
本発明のさらに好ましい実施形態では、Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、ハロゲン、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、非存在(R1は、Y1がハロゲンである場合には存在せず、R2は、Y2がハロゲンである場合には存在しない)、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、またはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;ただし、Y1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0190】
本発明のより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキル、またはC1-C3フルオロアルキルから選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0191】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3、またはS-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0192】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3、またはS-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはシクロプロピルから選択され;zは0、1、2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0193】
本発明の非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、またはシクロプロピルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0194】
本発明のさらに別の非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキル、またはC1-C2フルオロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0195】
本発明のさらに別の非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキル、またはC1-C2フルオロアルキルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0196】
本発明のより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、またはCF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキル、またはC1-C2フルオロアルキルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0197】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、またはCF3から選択され;Y1およびY2は独立して、OまたはSから選択され;R1およびR2は独立して、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0198】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはC3-C5シクロアルキルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0199】
本発明のさらにより好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはシクロプロピルから選択され;zは0、1、2であり;ならびにR3は独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される。
【0200】
本発明の非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはシクロプロピルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0201】
本発明の別の非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3またはS-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;zは0、1、2または3であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0202】
本発明のさらに別の非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0203】
本発明のより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、IまたはCF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0204】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、IまたはCF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2は独立して、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択され;zは0、1または2であり;ならびにR3は独立して、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0205】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、Cl、Br、IまたはCF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2はメチル(CH3)であり;zは0、1または2であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0206】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、IまたはCF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2はメチル(CH3)であり;zは0、1または2であり;ならびにR3は、F、メチル(CH3)またはトリフルオロメチル(CF3)から選択される。
【0207】
本発明のさらにより非常に好ましい実施形態では、Xは、IまたはCF3から選択され;Y1およびY2はOであり;R1およびR2はメチル(CH3)であり;zは0、1または2であり;ならびにR3は、Fまたはメチル(CH3)から選択される。
【0208】
本発明の最も好ましい実施形態では、XはCF3であり;Y1およびY2はOであり、R1およびR2はメチル(CH3)であり;ならびにzは0である。
【0209】
さらに、態様1、2、または4で述べられた任意の好ましい実施形態は、態様5にも等しく適用される。
【0210】
態様6-5-HT2A/5-HT2Cアゴニストの医学的使用
【0211】
第6の態様では、本発明は、医薬としての使用のための一般式(III)の5-HT
2A/5-HT
2Cアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩に関する:
【化15】
【0212】
式中、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C1-C5アルキル)、S-(C1-C5フルオロアルキル)、S-(C2-C5アルケニル)、S-(C2-C5フルオロアルケニル)、S-(C2-C5アルキニル)、S-(C2-C5フルオロアルキニル)、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニルおよびC2-C5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y1およびY2は独立して、H、O、S、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R1は、Y1がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R2は、Y2がH、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R1およびR2が存在する場合、これらは独立して、C1-C5アルキル、C1-C5フルオロアルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5フルオロアルケニル、C2-C5アルキニル、C2-C5フルオロアルキニル、C3-C5シクロアルキルおよびC3-C5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
*は、キラル中心が存在する場合、(R)もしくは(S)立体異性体またはそれらの任意の混合物を表し;
nは、1、2、3または4の値を有する整数であり、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパン環系を形成し;
zは、R3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R3は独立して、F、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、C2-C3アルケニルおよびC2-C3アルキニルからなる群から選択され;
R4は、HまたはCH3から選択され;
ただし、n=3の場合、*は(R)立体異性体を表し、さらにY1またはY2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0213】
第6の態様では、Y1、Y2、R1、R2、z、R3は、態様1、2および3と同じ優先度で選択される。したがって、態様1および2の「置換基Y1およびY2」、「置換基R1およびR2」、「R3置換基の数(z)および好ましい位置」および「(1または複数の)R3置換基のタイプ」という見出しの実施形態は、態様6に等しく適用される。さらに、第6の態様では、Xは、態様4および5と同じ優先度で選択される。したがって、態様4および5の「置換基X」という見出しの下の実施形態は、態様6に等しく適用される。さらに、態様3の「立体化学」という見出しの記載は、態様6にも等しく適用される。最後に、態様1~5に記載された好ましい実施形態は、全ての環系(すなわち、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパン環系)について態様6に等しく適用される。最も好ましくは、これらの実施形態のいずれにおいても、R4はHとして選択される。
【0214】
態様7-本発明による化合物の合成
【0215】
アゼチジンまたはピロリジンを含む態様3または6に記載の化合物を、以下の反応スキーム1に例示するように、ボロン酸とジアゾ化合物(アリールスルホニルヒドラゾンからその場で生成)との間のメタルフリー還元的クロスカップリングによって合成した。アリールヒドラゾンは、アリールスルホニルヒドラジドと適切な3-オキソ-複素環との間の縮合によって調製した。大量のアリールボロン酸は市販されており、または従来の化学、例えばハロゲン金属交換、その後のホウ酸塩によるクエンチ、または遷移金属触媒の存在下でのハロゲン化アリールと例えばビス(ピナコラト)ジボロンとの間のクロスカップリング反応を使用して、ハロゲン化アリールから調製することができる。同様に、アゼチジン-3-オン、ピロリジン-3-オン、ピペリジン-3-オンまたはアゼパン-3-オンなどのケトンを含む複素環は市販されており、または従来の化学を使用して数工程で調製することができる。
【0216】
【0217】
反応スキーム1.
【0218】
ピペリジンを含む態様1~6による化合物は、例えば、3-ハロ-ピリジンとアリールボロン酸との間またはその逆(すなわち、ピリジン-3-イルボロン酸およびハロゲン化アリール)のSuzuki-クロスカップリングなどの適切なクロスカップリング反応を使用して容易に合成された。クロスカップリング生成物中のピリジンは、続いて、Adams触媒(PtO2)などの適切な触媒を使用した水素化によってピペリジンに還元され得る。以下の反応スキーム2は、3-ハロ-ピリジンおよびボロン酸を使用して、本発明の態様1~6によるピペリジンを含む化合物を合成する1つの方法を例示する。
【0219】
【0220】
反応スキーム2.
【0221】
置換基Xは、反応の化学選択性を妨害せず、水素化を許容する場合、クロスカップリング中にボロン酸構成要素中に存在してもよく、または代替的に、所望のXは、例えば、求電子芳香族置換(ハロゲン化)、次いで任意選択的にさらなる反応、例えば、アルキルチオールとのUllmann型クロスカップリングまたはRosenmund-von Braun反応によって導入されてもよい。
【0222】
構成要素としての大量の置換3-ハロ-ピリジンおよび置換ハロゲン化アリールは市販されており、直接使用することができる。あるいは、そのような構成要素は、当業者に周知の従来の化学を使用して、数ステップで市販の構成要素から調製することができる。そのような化学としては、例えば、求電子芳香族置換、SNAR、クロスカップリング、ハロゲン-金属交換およびSandmeyer化学などを挙げることができる。同様に、大量のアリールボロン酸は市販されており、または従来の化学、例えばハロゲン金属交換、およびホウ酸塩によるクエンチ、または例えば、ビス(ピナコラト)ジボロンとのクロスカップリング反応を使用して、ハロゲン化アリールから調製することができる。
【0223】
態様8-本発明による化合物の医学的使用
【0224】
本発明による化合物は、医薬としての使用のためのものであり、より具体的には、うつ病性障害の治療における使用のためのものである。うつ病性障害は、大うつ病性障害(MDD)(臨床的うつ病、単極性うつ病としても知られている)、治療抵抗性うつ病性障害(TRD)、重度の治療抵抗性うつ病性障害、メランコリー、精神病性うつ病、産前うつ病、産後うつ病、双極性障害、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、気分変調性障害または季節性情動障害からなるリストから選択することができる。本発明の非常に好ましい実施形態では、本発明による化合物は、上記のうつ病性障害のいずれかの中のTRDまたは重度の治療抵抗性うつ病の治療における使用のためのものである。本発明の別の非常に好ましい実施形態では、本発明による化合物は、MDD、治療抵抗性うつ病性障害(TRD)または重度の治療抵抗性うつ病の治療における使用のためのものである。最も好ましい実施形態では、本発明による化合物は、MDDまたはMDDの中のTRDの治療における使用のためのものである。
【0225】
さらに、5-HT2Aアゴニスト(例えば、シロシビンなど)は、上記のうつ病性障害に加えて、いくつかの疾患、障害および嗜癖の治療において有用であることが示されている。したがって、別の好ましい実施形態では、態様4~6による化合物は、アルツハイマー病、パーキンソン病、自閉症、全般性不安、実存的不安、終末不安、末期がん関連終末不安、てんかん、睡眠覚醒障害、神経認知障害、強迫性障害(OCD)、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、ストレス、急性ストレス障害、ホルトン頭痛、慢性群発性頭痛、片頭痛、一般的局所炎症、筋炎症、関節炎症、肺炎症、喘息、関節炎、禁煙、断酒、コカイン離脱、ヘロイン離脱、オピオイド離脱、メタンフェタミン離脱、一般嗜癖療法、強迫性摂食障害などの摂食障害、拒食症、過食嘔吐症、過食性障害、異食症、反芻症、回避的/制限的食物摂取障害、夜食症候群、他の特定の栄養補給または摂食障害(OSFED)、身体醜形恐怖症、排出性障害、疼痛、慢性疼痛障害、睡眠覚醒障害または身体リハビリテーションからなるリストから選択される疾患、障害、嗜癖または乱用の治療における使用のためのものである。非常に好ましい実施形態では、態様4~6による化合物は、慢性群発性頭痛、双極性II型障害、身体醜形恐怖症の治療における使用のためのものである。
【0226】
図4Aおよび4Bの結果は、うつ病および治療抵抗性うつ病のげっ歯類モデルにおける化合物8の効果を示す。したがって、非常に好ましい実施形態では、本発明は、任意のうつ病性障害、最も好ましくはMDDにおける治療抵抗性うつ病の治療における使用のための、態様3の選択的5-HT
2Aアゴニストの使用に関する。したがって、本発明の化合物は、SSRIなどの現在の抗うつ治療に十分に応答しない個体の治療における使用を特に意図している。本発明の一実施形態では、治療抵抗性うつ病の治療は、SSRIの遅発性を回避するための即効性抗うつ薬として、本発明による化合物の初期共投与を含み得る。本発明の別の実施形態では、治療抵抗性うつ病の治療は、抗うつ薬を本発明による化合物に置き換えることを含み得る。
【0227】
態様9-医薬組成物
【0228】
本発明の別の態様は、本発明の態様1~6による化合物と、薬学的に許容され得る担体と、任意選択的に1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤とを含む、医薬組成物に関する。本文脈において、医薬組成物は、例えば、非経口(parental)親、経口、吸入または局所投与を意図した任意の従来型の製剤として理解されるべきである。非経口(Parental)製剤は、静脈内、皮下または筋肉内投与を意図し得る。適切な経口製剤には、経口投与のための錠剤、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁剤または持続放出製剤が含まれ得る。他の適切な製剤は、局所投与のためのクリーム、軟膏、ゲル、ペーストまたはパッチを含み得る。適切な非経口(parental)製剤は、非経口(parental)投与の前に溶解するための液体、凍結乾燥または噴霧乾燥粉末を含み得る。好ましくは、製剤は、錠剤などの経口製剤または液体などの非経口(parental)製剤である。当業者は、様々なタイプの製剤の製造に精通しており、異なる製剤タイプで使用するのに適した賦形剤は、例えばHandbook of Pharmaceutical Excipientsに見出すことができる。本発明の態様2または4による化合物を含む医薬組成物において、(S)-立体異性体は、好ましくは少なくとも80%ee、例えば85%ee、例えば90%ee、例えば95%ee、例えば96%ee、好ましくは97%ee、より好ましくは98%ee、さらにより好ましくは少なくとも99%ee、最も好ましくは(S)-立体異性体のみで存在すべきである。
【0229】
薬学的に許容され得る塩
【0230】
化合物1~57のリストで例示される本発明による化合物はいずれも、それらが全て塩基性部分(すなわち、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパン中の第2級アミン)を含むので、薬学的に許容され得る塩の形態であり得る。したがって、化合物は、薬学的に許容され得る酸付加塩の形態であり得る。塩は、非晶質生成物または結晶生成物のいずれであってもよく、塩は異なる多形として存在してもよい。当業者は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Saltsに見られるように、薬学的に許容され得る塩の形成に適した多数の酸を認識している。典型的な薬学的に許容され得る酸付加塩は、本発明による化合物と、限定するものではないが、例えば酢酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、炭酸、カンファースルホン酸、HCl、HBr、HI、クエン酸、デカン酸、エチレンジアミン四酢酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、硝酸、リン酸、プロピオン酸、酒石酸、トシル酸、硫酸、サリチル酸またはコハク酸からなる群から選択される酸との間に形成され得る。当業者は、医薬塩の重要性を十分に認識している。したがって、有利な特性を有する適切な結晶生成物を同定するために、塩スクリーニングがしばしば行われる。生成物の異なる塩または結晶形態は、化合物の物理化学的特性に影響を及ぼし得る。したがって、塩は、例えば、化学的および物理的安定性、吸湿性、融点、溶解度、溶解速度およびバイオアベイラビリティに影響を及ぼし得る。したがって、本文脈において、薬学的に許容され得る塩は、非晶質形態および結晶形態の両方ならびにそれらの異なる多形のすべての適切な酸付加塩を含むことが意図される。
【0231】
併用療法
【0232】
本発明による化合物は、単独で(すなわち、単剤療法で)、または1つ以上の公知の抗うつ薬と組み合わせて(すなわち、併用療法で)使用され得る。したがって、併用療法には、限定するものではないが、SSRI、SNRI、NDRI、TCA、ベンゾジアゼピン、非定型抗精神病薬、刺激薬、例えばアンフェタミンおよびメチルフェニデート、ケタミン、古典的幻覚剤、例えばメスカリン、リセルグ酸ジエチルアミド(LSD)、シロシビンおよびN,N-ジメチルトリプタミン(DMT)などの他の治療有効成分との組合せが含まれ得る。併用療法の場合、他の治療有効成分は、別個の剤形で、または本発明による1つ以上の化合物を1つ以上の他の治療有効成分と組み合わせて含む単一剤形として投与することができる。特に、上記のような例えばSSRIの遅発性のため、場合によっては、抗うつ効果の遅延を回避するために、例えばSSRIと共に、またはそれに続いて本発明による1つ以上の化合物による治療を開始することが有益であり得る。
【実施例】
【0233】
インビトロ薬理学の一般情報
【0234】
Ca2+/Fluo-4アッセイ
【0235】
化合物の機能的特性を、ヒト5-HT2A受容体またはヒト5-HT2C受容体を安定に発現する安定なHEK293細胞株において、本質的に以前に記載されたようにCa2+/Fluo-4アッセイにおいて特性評価した10。簡潔には、細胞を、透明な底部を有するポリ-D-リシン被覆黒色96ウェルプレートに分割した(6×104細胞/ウェル)。翌日、培養培地を吸引し、細胞を、6mM Fluo-4/AMを補充した50μlアッセイバッファー[20mM HEPES、1mM CaCl2、1mMmgCl2、2.5mMプロベネシド、pH7.4を含有するハンクス緩衝生理食塩水]中で37℃において1時間インキュベートした。次に、緩衝液を吸引し、細胞を100μlのアッセイ緩衝液で一回洗浄し、次いで、100μlのアッセイ緩衝液を細胞に添加した(アンタゴニスト実験では、化合物をこの時点で添加した)。96ウェルプレートを、FLEXStation3 Plate Reader(Molecular Devices、Crawley、United Kingdom)でアッセイし、33.3μlの試験化合物溶液をアッセイ緩衝液に添加する前および添加してから最大90秒後に485nMで励起することによって引き起こされる525nMにおける発光(蛍光単位)を測定した。化合物を各細胞株で少なくとも3回2連で特性評価した。アンタゴニスト試験では、5-HT(EC80)をアゴニストとして使用した。
【0236】
【0237】
表1a 安定なh5-HT2A-およびh5-HT2C-HEK293細胞株においてカルシウムフルオロフォアFluo-4を使用したCa2+イメージングアッセイで試験した場合の、本発明による化合物によって示されるアゴニスト効力(EC50値)および有効性(最大応答、Rmax値)。
【0238】
EC50値をnMで示し、pEC50値を括弧内に示し、Rmax値を、それぞれの受容体における5-HTのRmaxに対する%で示す。化合物のEC50
5-HT2C/EC50
5-HT2A比は、それらの5-HT2A>5-HT2Cの選択性の度合いの尺度として与えられる。化合物を、ACS Chem.Neurosci.2013,4,96-109による参照化合物8aおよび8b、ならびにN-アルキル化類似体58~61と比較して示す。
データは、両方の受容体で行われた全ての化合物についての3回または4回の個々の実験に基づく(n=3~4)a。n.a.、アゴニスト活性なし:化合物は、最大50μMの濃度で有意な応答を誘発しなかったb。w.a.、弱いアゴニスト活性:化合物は、示された濃度でのみ有意な応答を誘発した。したがって、完全な濃度応答曲線を当てはめることができず、EC50およびRmax値を決定することができなかったc。化合物によって示されるアゴニスト濃度-応答関係は、50μMで完全には飽和しなかった。したがって、EC50およびRmax値は、フィッティングされた曲線から推定され、個々の実験で得られた値の間隔として与えられるd。n.d.、判定不可e。5-HT2CでのEC50値を決定することができなかったので、化合物について与えられたEC50
5-HT2C/EC50
5-HT2A比は、5-HT2A EC50と、5-HT2Cでの化合物の有効濃度によって誘起されるアゴニスト応答のサイズに基づく控えめな推定値である。
【0239】
本発明による化合物はすべて、低μM~低nM範囲の様々な程度の効力を有する5-HT
2Aアゴニストであった。一般に、(S)-エナンチオマーは、5-HT
2Aに対して5-HT
2Cより高い選択性を示し、いくつかの(S)-エナンチオマーは、最大50μMの濃度でh5-HT
2C-HEK293細胞において有意なアゴニスト応答を誘発しなかった(
図1Bの化合物8について例示)。
【0240】
【0241】
表1b.安定なh5-HT2A-およびh5-HT2C-HEK293細胞株においてカルシウムフルオロフォアFluo-4を使用したCa2+イメージングアッセイで試験した場合の、本発明による化合物のアゴニスト効力(EC50)および有効性(Rmax)。
【0242】
EC50値をnMで示し、pEC50値を括弧内に示し、Rmax値を、それぞれの受容体における5-HTのRmaxに対する%で示す。データは、両方の受容体におけるすべての化合物についての3~4回の実験に基づく(n=3~4)。
【0243】
化合物8の機能的特性を、同様の蛍光ベースのCa2+イメージングアッセイ(Eurofinsによって実施)で、ヒト5-HT2B受容体を安定に発現する細胞株において特性評価した。簡潔には、標準的な手順に従って、細胞株を冷凍庫ストックから増殖させた。細胞を、黒色壁の透明底のポリ-D-リジン被覆384ウェルマイクロプレートに総体積20μLで播種し、試験前に37℃において適切な時間インキュベートした。アッセイは、HBSS/20mM HEPES(pH7.4)中1×色素、1×添加剤Aおよび2.5mMプロベネシドからなる1×色素負荷緩衝液中で行った。細胞に、試験前に色素を負荷した。培地を細胞から吸引し、20μLのDye Loading Bufferと交換し、細胞を37℃において30~60分間インキュベートした。色素負荷後、細胞をインキュベーターから取り出し、10μLのHBSS/20mM HEPESを添加した。細胞を暗所で室温において30分間インキュベートしてプレート温度を平衡化した。サンプルストックの中間希釈を実施して、アッセイバッファー中4Xのサンプルを生成した。化合物のアゴニスト活性をFLIPR Tetra(MDS)で測定した。カルシウム動員を2分間モニターし、10μLのHBSS/20mM HEPES中4×サンプルをアッセイの5秒後に細胞に添加した。
【0244】
【0245】
表2.安定なh5-HT2B細胞株において経口ベースのCa2+イメージングアッセイ(Eurofinsにより実施)で試験した場合の、本発明による化合物8のアゴニスト効力(EC50)および有効性(Rmax)。EC50値をnMで示し、Rmax値を、受容体における5-HTのRmaxに対する%で示す。5-HT2A-HEK293細胞株における化合物8の薬理学的データ(表1aから)を比較のために示す。
【0246】
IPアッセイ
【0247】
化合物のアゴニスト特性を、ヒト5-HT2A、ヒト5-HT2Bまたはヒト5-HT2C受容体を発現するHEK293細胞株において本質的に以前に記載したようにIPアッセイにおいて特性評価した19。試験は、Eurofinsによって実施した。アッセイでは、受容体での化合物のアゴニスト活性を、均一時間分解蛍光(HTRF)検出法を使用して、細胞内のIP1産生に対するその効果を測定することによって調べる。簡潔には、アッセイの当日に、細胞を、10mM Hepes/NaOH(pH7.4)、4.2mM KCl、146mM NaCl、1mM CaCl2、0.5mMmgCl2、5.5mMグルコースおよび50mM LiClを含有する緩衝液に懸濁し、次いで、1.5×104細胞/ウェルの密度でマイクロプレートに分配し、緩衝液(基礎対照)、試験化合物または参照アゴニストの存在下、37℃において30分間インキュベートした。刺激されたコントロール測定のために、1μMの5-HT(5-HT2Bおよび5-HT2C)または10μMの5-HT(5-HT2A)を含有する別個のアッセイウェルが含まれた。インキュベーション後、細胞を溶解し、蛍光アクセプター(D2標識IP1)および蛍光ドナー(ユウロピウムクリプテートで標識された抗IP1抗体)を添加した。室温で60分後、マイクロプレートリーダー(Envision、Perkin Elmer)を用いてλex=337nMならびにλem=620および665nMで蛍光移動を測定した。試験化合物を、3つの細胞株のそれぞれにおいて2連で8つの異なる濃度で特性評価した。参照アゴニスト5-HTを各実験で試験した。異なるウェル中のIP1濃度を、665nMで測定したシグナルを620nMで測定したシグナルで割ることによって決定した(比)。試験化合物のデータを、5-HTのRmaxに対する対照応答のパーセントとして表した。
【0248】
【0249】
表3.ヒト5-HT2Aおよびヒト5-HT2B受容体においてEurofins functional IPアッセイで試験した場合の、本発明による選択された化合物によって示されるアゴニスト効力(EC50)および有効性(Rmax)。EC50(nM)およびRmax(それぞれの受容体における5-HTのRmaxに対する%)は、2連の測定に基づく。化合物のEC50
5-HT2B/EC50
5-HT2A比は、それらの5-HT2A-over-5-HT2B選択性の度合いの尺度として与えられるa。n.a.、アゴニスト活性なし:化合物は、最大100μMの濃度で有意な応答を誘発しなかったb。判定不可c。5-HT2BでのEC50値を決定することができなかったので、化合物について示されたEC50
5-HT2B/EC50
5-HT2A比は、その5-HT2AのEC50および100μMでの5-HT2Bでの有意なアゴニスト応答の欠如に基づく控えめな推定値である。表3から分かるように、化合物の大部分は、5-HT2Aに対して5-HT2Bより高い選択性を示した。
【0250】
【0251】
表4.公知の5-HT2Aアゴニストである4-トリフルオロメチル-2,5-ジメトキシフェネチルアミン(2C-TFM)、2,5-ジメトキシ-4-ヨードアンフェタミン(DOI)および4-(2-((2-ヒドロキシベンジル)アミノ)エチル)-2,5-ジメトキシベンゾニトリル 25CN-NBOHの、ヒト5-HT2A、5-HT2Bおよび5-HT2CにおいてEurofins IPアッセイでACS Chem.Neurosci.2013,4,96-109による化合物8aおよび8bと比較した機能的特性。EC50(nM)およびRmax(5-HTのRmaxに対する%)は、2連の測定に基づく。化合物のEC50
5-HT2C/EC50
5-HT2A比は、それらの5-HT2A>5-HT2Cの選択性の度合い尺度として示されるa。n.a.、アゴニスト活性なし:化合物は、最大100μMの濃度で有意な応答を誘発しなかったb。w.a.、弱いアゴニスト活性:化合物は、100μMでのみ有意な応答を誘発した。したがって、完全な濃度-応答曲線を当てはめることができず、EC50およびRmax値を決定することができなかったc。n.d.、判定不可。表4から分かるように、化合物8bは、5-HT2A、5-HT2Bおよび5-HT2Cにおいてアゴニストとして作用しない。さらに、化合物8aは、5-HT2Aおよび5-HT2Cにおいてアゴニストであるが、5-HT2Cに対して5-HT2Aより高い選択性を有する。
【0252】
放射性リガンド結合アッセイ。
【0253】
様々なモノアミン作動性受容体におけるシロシンおよび化合物8の表5に示される結合親和性を、Assay Protocol Book,Version IIIに記載の実験に従って、Psychiatric Drug Screening Programによる放射性リガンド競争結合アッセイで決定した。11、16 示されるように、化合物8は、様々なモノアミン作動性受容体に対してシロシンと比較してより低い親和性を示す。
【0254】
【0255】
表5.放射性リガンド結合競合アッセイにおいて様々なモノアミン作動性受容体においてシロシンおよび化合物8によって示される結合親和性(Ki)。シロシンおよび化合物8の結合データをPsychiatric Drug Screening Programによって決定した。11
【0256】
【0257】
表6.安定な5-HT2A細胞株及び5-HT2C細胞株並びに5-HT2Bを一過性トランスフェクトした細胞においてホスホイノシチド加水分解アッセイで試験した場合の、シロシン(シロシビンの活性代謝産物)のアゴニスト効力(EC50)及び有効性(Rmax)。EC50±S.D.値をnMで示し、Rmax±S.D.値を、それぞれの受容体における5-HTのRmaxに対する%で示す。データは、Sard,H.et al15からのものである。
【0258】
インビボ薬理学の一般情報
【0259】
頭部単収縮反応モデル1(マウス)
【0260】
動物。
【0261】
Jackson Laboratories(Bar Harbor,ME,USA)から入手した雄C57BL/6Jマウス(6~8週齢)を、実験動物の世話および処置に関する連邦および州のすべての要件を満たすAAALAC承認動物施設の動物飼養場に収容した。マウスを逆光サイクル(1900時間で点灯、0700時間で消灯)で気候制御室に1ケージあたり4匹まで収容し、行動試験中を除いて、食物および水を自由に摂取できるようにした。試験は1000~1800時間行った。全ての動物実験は、NIHガイドラインに従って実施した。
【0262】
頭部単収縮反応の研究。
【0263】
頭部単収縮反応(HTR)を、頭部装着型磁石および磁力計検出コイル12を使用して評価した。
【0264】
簡潔には、マウスを麻酔し、頭皮に小さな切開を行い、歯科用セメントを使用して頭蓋の背面に小さなネオジム磁石を取り付けた。2週間の回復期間の後、HTR実験を明るい部屋で行い、持ち越し効果を回避するためにセッションの間を少なくとも7日間空けた。化合物8を、0.06mg/mL、0.2mg/mL、0.6mg/mL、2mg/mLおよび6mg/mLの濃度で等張食塩水(ビヒクル)に溶解し、5mL/kgの体積で腹腔内(IP)注射した。マウスに化合物8またはビヒクルを注射し、次いで、HTR活性を、磁力計コイルに取り囲まれたガラスシリンダー中で30分間記録した。コイル電圧を、ローパスフィルタリングし(カットオフ周波数2~10kHz)、増幅し、Powerlab/8SPおよびLabChart v7.3.2(ADInstruments、Colorado Springs、CO、USA)を使用してデジタル化し(サンプリングレート20kHz)、次いで、オフラインでフィルタリングした(バンドパス40~200Hz)。頭部単収縮を以下の基準に基づいて手動で特定した:1)正弦波ウェーブレット;2)周波数≧40Hzの少なくとも3回の連続した頭部運動(通常は双極ピークとして示される)のエビデンス;3)バックグラウンドノイズのレベルを超える振幅;4)持続時間<0.15秒;5)各応答の直前および直後の安定したコイル電圧。
【0265】
データ分析
【0266】
頭部単収縮数を、一元配置分散分析(ANOVA)を用いて分析した。選択された群間の事後ペアワイズ比較を、テューキーの範囲検定法を使用して行った。HTR用量-応答実験についての中央有効用量(ED50値)および95%信頼区間(95%CI)を非線形回帰によって計算した(Prism7.00、GraphPadソフトウェア)。ガウス分布を使用して、二相性HTR用量応答データを当てはめた(
図2Aを参照されたい)。
【0267】
頭部単収縮反応モデル2(ラット)
【0268】
動物
【0269】
合計8匹の雄Sprague Dawley(SD)ラット(9~10週齢、体重300~450g)を、化合物8の用量応答HTR試験に使用した(n=2動物/用量)。ラットを、Aarhus大学のTranslational Neuropsychiatry Unit(TNU)で飼育し、収容した。これらの動物を、ペアで(ケージ1291HユーロスタンダードIII型H、425×266×185mm、Techniplast、Buguggiate、Italy)20±2℃において12時間の明/暗サイクル(07:00AMに点灯)で収容し、固形飼料ペレットおよび水道水を自由に摂取させた。動物コロニーを外部ノイズから保護し、すべての実験手順を、動物飼養場内の特別に装備された部屋で行った。デンマーク動物実験倫理委員会により、実験開始前にすべての動物手順は承認されていた(2016-15-0201-01105)。
【0270】
薬物
【0271】
化合物8の用量は、文献12に記載されているフェニルアルキルアミンのクラスの古典的な幻覚剤であるセロトニン作動性幻覚性薬物の使用に従って確立した。0.375、0.75、1.5および3.0mg/kgの濃度の化合物8を、生理食塩水-NaCl溶液-9mg/mL(VEH)(Fresenius lab、Bad Homburg v.d.H、Germany)の投与と比較して試験した。
【0272】
スケールを較正し、化合物を1.5mLエッペンドルフチューブ内で秤量し、NaCl溶液-9mg/mL(Fresenius lab、Bad Homburg v.d.H、Germany)に希釈し、実験日の前に15mLチューブに移した。薬物を翌日の使用のために-4℃で保存した。全ての用量を計算し、最終容量1mL/kgの注射用に調製した。
【0273】
手順
【0274】
動物を無作為化し、実験の1日前に体重を量った。ケージを、動物を順応させるために、実験開始の1時間前に動物飼養場から実験室に移した。注射前に、様々な用量の薬物を含むチューブを室温に保った。各動物を記録するために2つのカメラを使用してセットアップを構築した。カメラ1をケージの上部に配置し、動物を上から記録し、一方、正面カメラ2は横から記録した。0.5mLの29G滅菌注射器(BDウルトラファインインスリン注射器、Beckton Dickinson、Franklin Lakes、NJ、USA)に、個々の動物の体重に従って計算した容量を充填した。薬物をi.p.投与した。動物を、セットアップされたカメラルームに移し、蓋のない新しい透明ケージ(482×267×210mm)に入れた。動物を1時間観察し、一方、ビヒクル群は30分間観察した。
【0275】
記録後、動物を水および食物が自由な元のケージに入れ、さらに30分間放置した。エンドポイント1.5時間で、動物を断頭によって安楽死させた。前頭皮質、視床下部および海馬の脳構造を収集し、さらなる分子分析のために粉末ドライアイス上で凍結した。組織を-80℃で保存した。
【0276】
HTRスコア
【0277】
ビデオ記録からのMTSファイルをコンピュータに転送し、分析した。頭部の揺れを引き起こす応答をカウントし、タイムラインで報告した(
図2Bを参照されたい)。
【0278】
Flinders Sensitive Line(FSL)モデル
【0279】
動物
【0280】
Aarhus University(元々はthe University of North Carolina、USAのコロニーに由来する)(TNU)で維持されたコロニー由来の雄のFlinders系統ラット(Flinders Sensitive Line(FSL)およびそれらの対照Flinders Resistant Line(FRL);9~11週齢;228~336g)を、ペアで(ケージ1291HユーロスタンダードIII型H、425×266×185mm、Techniplast、Buguggiate、Italy)20±2℃において12時間の明/暗サイクル(07:00 AMに点灯)で収容した。動物は、固形飼料ペレットおよび水道水を自由に摂取した。動物コロニーを外部ノイズから保護し、すべての実験手順を、動物飼養場内の特別に装備された部屋で行った。デンマーク動物実験倫理委員会により、実験開始前にすべての動物手順は承認されていた(2016-15-0201-01105)。
【0281】
行動試験
【0282】
オープンフィールド試験:化合物8を生理食塩水に溶解し、1.5mg/kgでi.p.投与した。以下の群を実験に含めた:FRL-ビヒクル(n=10)、FSL-ビヒクル(n=10)、FSL-ケタミン(15mg/kgのS-ケタミン、Pfizer)(n=8)およびFSL-化合物8(1.5mg/kg)(n=10)。ビヒクルまたは化合物8のいずれかを注射した50分後、自発運動活性をオープンフィールドで評価して、強制水泳試験(FST)での性能を混乱させる可能性のある阻害または刺激薬の効果を検出した。約5ルクスの光強度を有する正方形のオープンフィールドアリーナ(プラスチック;50×50×37cm)を使用した。各ラットを5分間自由に移動させた。嗅覚合図の影響を最小限に抑えるために、試験アリーナを各ラット間で70%エタノールで十分に清浄化した。フィールドの中心の真上に位置するカメラがセッションを記録し、移動した総距離を、EthoVision XTビデオ追跡ソフトウェア(バージョン11.0.928;Noldus Information Technology、Wageningen、Netherlands)を使用して定量化した。
【0283】
強制水泳試験:オープンフィールド試験(OFT)の後、およびビヒクルまたは化合物8のいずれかの注射の60分後、抗うつ薬の可能性を修正FSTで評価した13。FSLラットは本質的にうつ病様表現型を示すので、水泳前セッションは必要ではなかった。ラットを、40cmの水(25±1℃)を含有するアクリルプラスチックシリンダー(高さ60cm、直径24cm)に7分間入れた。シリンダの直前に配置したカメラでセッションを記録した。処置に対して盲目である経験豊富な調査員が、もがいている時間(シリンダ壁を登る試みまたは潜水する試みとして定義される)、水泳する時間(水面での前進推進力として定義される)、および不動である時間(頭部を水面上に保つのに必要な活動を除いて運動がないこととして定義される)を測定した。結果を表3に示す。
【0284】
副腎皮質刺激ホルモンモデル
【0285】
副腎皮質刺激ホルモンモデル(ACTH)モデルを前述のように行った14。雄のSprague Dawleyラットを使用した(7週齢、N=50)(Taconic Biosciences A/S、Lille Skensved、Denmark)。1週間の馴化後、ラットに、100μgのACTH/動物/日(副腎皮質刺激ホルモン1-24(China Peptides、China))を午前10時に14日間(n=30)、または0.9%生理食塩水からなるビヒクル(VEH)(n=20)のいずれかを皮下投与した。14日目に、ラットを水泳前試験(15分)に供した。水泳前試験の後、ACTH群のラット(n=30)に、イミプラミン(n=10)(IMI、15mg/kg(Sigma-Aldrich、Denmark、i.p.)の3回の注射、化合物8(n=10)(1.5mg/kg i.p.)、またはビヒクル(n=10)の1回の注射のいずれかを投与した。VEH群のラット(n=20)に、イミプラミン(n=10)またはビヒクル(n=10)のいずれかを3回注射し、各群10匹の動物の5つの群を作製した(VEH-VEH、VEH-IMI、ACTH-VEH、ACTH-IMI、ACTH-化合物8)。3回のIMI注射を、15日目の強制水泳試験(FST)の24時間前、18時間前、および1時間前に行った。
【0286】
化合物8をFSTの1時間前に投与した。FSTに先立って、ラットのベースライン運動性を(OFT)で決定した。OFTおよびFSTは上記のように行った。結果を
図4Aおよび4Bに示す。
【0287】
化学合成の一般的実験の詳細
【0288】
特に明記しない限り、全ての反応はアルゴン雰囲気下で行った。試薬および出発物質は商業的供給源から入手し、受け取ったまま使用した。溶媒は、クロマトグラフィーグレードのものであったか、またはSG水溶媒精製システムによって(DCM、DMF、THF)、もしくは3Åの分子篩で(DMSO、トルエン、MeCN、Et2O、EtOH、DMEおよびMeOH)のいずれかで乾燥させた。無水反応を、火力乾燥またはオーブン乾燥(150℃)させたガラス器具中でN2またはアルゴン下において実行した。カラムクロマトグラフィーおよび乾燥真空カラムクロマトグラフィー(DCVC)による精製を、Merck Kieselgel60(それぞれ40~63μmまたは15~40μmメッシュ)を使用して、標準的な手順に従って行った。マイクロ波支援反応を、密封バイアルにおいて温度モニタリングのための外面センサを使用して、Biotage Initiator装置で行った。
【0289】
薄層クロマトグラフィー(TLC)
【0290】
TLC分析のために、メルクから購入したプレコートシリカゲル60F254プレートを使用した。EtOAc、n-ヘプタン、アセトン、トルエン、DCM、Et2O、MeOH、Et3N、およびそれらの混合物を溶離剤として使用した。化合物の可視化を、UV光(254nM)、シリカまたは過マンガン酸カリウム上のヨウ素、アニスアルデヒド、ニンヒドリンまたは塩化第二鉄染色で達成した。示された保持率(Rf)は、0.05の位に四捨五入した。
【0291】
液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)
【0292】
LC/MS分析を、Applied Biosystems API2000質量分析計、カラムPhenomenex Gemini 5μm C18;50×2mm、溶離剤 MeCN(+0.1%HCOOH)/H2O(+0.1%HCOOH)に接続されたShimadzu Prominenceクロマトグラフで行った。
【0293】
高速液体クロマトグラフィー法(HPLC)
【0294】
HPLC保持時間(tR)を分(min)で報告し、括弧内に示す異なる方法によって決定した。
【0295】
方法A:HPLCを、Thermo Scientific Dionex3000 Diode Array Detectorに接続されたThermo Scientific Dionex3000 UltiMate機器で、Gemini-NX 3μm C 18 110 A(250×4.6mm)カラムと205、210、254nMおよび280nMのUV検出とによって記録した。移動相(MP)A:H2O中0.1% TFA(v/v)。MP B:MeCN中0.1% TFA、10% H2O(v/v/v)。流速:1.0mL/分。勾配:0~30分:0~100%MP B。
【0296】
方法B:HPLCを、Thermo Scientific Dionex3000 Diode Array Detectorに接続されたThermo Scientific Dionex3000UltiMate機器で、Gemini-NX3μm C 18 110A(250×4.6mm)カラムと205、210、254nMおよび280nMのUV検出とを使用して記録した。MP A:H2O中0.1% TFA(v/v)。MP B:MeCN中0.1%TFA、10% H2O(v/v/v)。流速:1.0mL/分。勾配:0~20分:0~100%MP B。
【0297】
方法C(分取HPLC):分取HPLCを、Thermo Scientific Dionex3000 photodiode array detectorに接続されたThermo Scientific Dionex3000 ultimate機器で、Gemini-NX5u RP C18カラム(250×21.2mm)と254nMおよび280nMのUV検出とを使用して行った。MP A:0.1%TFA、100%H2O(v/v)。MP B:0.1%TFA、10%H2O、90%MeCN(v/v/v)。流速:20mL/分。勾配:0~25分:0~100%MP B、25~30分:100%MP B。
【0298】
方法D(キラルHPLC):所望のエナンチオマーのエナンチオマー過剰率(ee)を、Thermo Scientific Dionex 3000 Diode Array Detectorに接続されたThermo Scientific Dionex3000 UltiMateを使用して、分析用Phenomenex Lux 5 Amylose-2(250×4.6mm)キラルカラムと205、210、254nMおよび280nMのUV検出とを使用して決定した。MP A:ヘプタン中0.1%ジエチルアミン(v/v)。MP B:EtOH中0.1%ジエチルアミン(v/v)。流速:アイソクラティックグラジエント:10%MP Bを使用して10.0mL/分。
【0299】
高分解能質量分析(HRMS)
【0300】
マトリックス支援レーザーイオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF)によって実行される。分析は、AP-SMALDI 10イオン源(TransmitMIT、Giessen、Germany)を備え、m/z200において質量分解能140,000で動作するThermo QExactive Orbitrap質量分析計(Thermo Scientific、Bremen、Germany)で、MALDIイオン化を用いて陽イオンモードで行った。2,5-ジヒドロキシ安息香酸を、マトリックスおよび内部質量較正のためのロックマスとして使用し、3ppm以上の質量精度を得た。サンプルを、マトリックスとして2,5-ジヒドロキシ安息香酸を使用して調製した。
【0301】
融点(MP)
【0302】
融点は、Stanford Research System OptiMelt毛細管融点装置で目視検査により再結晶化合物について測定し、値は0.5℃単位で四捨五入した範囲で報告する。
【0303】
核磁気共鳴分光法(NMR)
【0304】
nMR実験は、300、400または600MHzのBruker装置またはVarian Mercury(400MHz)装置で行った。得られたスペクトルを、MestReNova 11.0ソフトウェアを使用し、典型的にはWhittaker smootherのベースライン補正を使用して分析した。化学シフトは、使用した重水素化溶媒を基準にしてppm(δ)で報告する。カップリング定数(J)は、ヘルツ(Hz)で報告する。多重項パターンは、以下の略語またはそれらの組み合わせで呼ばれる:br(ブロード)、m(多重項)、s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、p(五重項)、sex(六重項)およびhep(七重項)。
【0305】
一般的手順
【0306】
水素化手順A.Parr装置を用いたフェニルピリジンの水素化
【0307】
フェニルピリジン(1当量)を水素化フラスコ中の氷AcOH(1.0M)に溶解した。PtO2(0.1当量)を添加し、反応容器をH2雰囲気(50~60psi)下でParr-装置において24時間振盪した。完了したら、反応混合物をCeliteパッドを通してEtOAc(25mL)で洗浄し、濾液を35%NaOH水溶液を用いて塩基性化した。相を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出した。合わせた有機相をMgSO4で脱水し、濾過し、真空中で蒸発させた。
【0308】
水素化手順B.Thalesnano H-Cubeを用いたフェニルピリジンの水素化
【0309】
フェニルピリジンを氷AcOH(0.01M)に溶解した。Thalesnano H-Cubeに新しい触媒カートリッジ(Pd(OH)2/C)を装填した。装置を100℃および80バールで作動するように設定した。反応後、TLCを行った。出発物質が完全に消費されたら、AcOHを真空中で除去した。
【0310】
一般手順C.フェニルピリジンの合成
【0311】
撹拌棒および冷却器を装備し、N2ガスをバックフィルした火炎乾燥丸底フラスコに、適切なボロン酸(1当量)、3-ブロモピリジン(1.1当量)、トリフェニルホスフィン(0.15当量)およびDME(10M)を装入した。2MのNa2CO3水溶液(2.7当量)を添加した後、Pd/C(0.15mmol)を加えた。反応物を、80℃において17時間、N2雰囲気下で撹拌した。反応物を周囲温度に冷却し、次いで、Celiteパッドで濾過した。濾液をH2OおよびEtOAcで希釈した。相を分離し、水相をEtOAcでさらに抽出した。合わせた有機相をH2Oおよびブラインで洗浄し、その後MgSO4で脱水し、濾過し、真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
【0312】
一般手順D.遊離アミンのエナンチオマー混合物の分離
【0313】
分析量のラセミ体をMeOH、EtOHおよびジエチルアミン(10:17:0.1)の混合物に溶解し、特に明記しない限り、エナンチオマー分離法1、2または3によって分離した。塩酸塩を、生成物を最小量のEt2Oに溶解し、この溶液をジオキサン中4MのHClで処理することによって調製した。沈殿物をデカンテーションによって単離し、最小量のMeOHに再溶解した。核形成が観察されるまでEt2Oを滴下し、溶液を-4℃で一晩結晶化させ、純粋な表題化合物を白色またはオフホワイト色の固体として得た。所望のエナンチオマーのエナンチオマー過剰率(EE)を、キラルHPLC方法1を使用して、決定した(ee>95%)。(S)-エナンチオマーが最初に溶出された。他のすべての分析データは、両方のエナンチオマーについて同一であった。
【0314】
エナンチオマー分離方法1.-キラルHPLC
【0315】
分析量のラセミ体を、MeOH、EtOHおよびジエチルアミン(10:17)の混合物に溶解し、Thermo Scientific Dionex3000 Diode Array Detector に接続されたThermo Scientific Dionex3000 UltiMate機器で、Phenomenex Lux5 Amylose-2(250×10mm)キラルカラムと205、210、254nMおよび280nMのUV検出とによって分離した。MP A:ヘプタン中0.1%ジエチルアミン(v/v)。MP B:EtOH中0.1%ジエチルアミン(v/v)。流速:30~10%MP Bのアイソクラティックグラジエントを使用して10.0mL/分。負荷は1回の注射につき1~3mL(3~5mg/mL)であった。(S)-エナンチオマーは、負荷に応じて2分~18分の保持時間で溶出した。所望のエナンチオマーのエナンチオマー過剰率(EE)を、Phenomenex Lux 5 Amylose-2(250×4.6mm)キラルカラムを使用して同一の機器で決定した。
【0316】
エナンチオマー分離方法2.-キラルSFC
【0317】
塩酸塩としてのラセミアミンをMeOHに溶解し、分取超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって分離した。分離を、50mL/分で35℃および100バールの背圧において動作するBerger Multigram IIに接続されたDiacell AD-H chiralpakカラム(250×21.2mm)で積層注入を使用して行った。MP:CO2(75%)およびエタノール+0.1%ジエチルアミン(25%)。290nMのUV検出により、エナンチオマーのエナンチオマー過剰率(EE)を、4mL/分で40℃および150バールの背圧において動作するAurora Fusion A 5/Agilent SFCシステムに接続されたDiacell AD-H chiralpakカラム 3μ15cm(150×4.6mm)において測定した。MP:CO2(75%)およびエタノール+0.1%ジエチルアミン(25%)。
【0318】
エナンチオマー分離方法3.-キラル塩の形成と結晶化による分割
【0319】
ラセミアミン(1当量)を室温でMeOH(0.5M)に溶解し、MeOH(70mM)中のL(+)酒石酸(1当量)の沸騰溶液に5分間かけて添加した。添加が完了したら、反応物を室温に48時間冷却し、白色結晶性固体を得て、これを濾過によって単離した。濾液を4℃で一晩放置し、第2の固体産出物を得て、濾過によって単離した。産出物を合わせ、沸騰MeOH(40mL)に再溶解し、室温に冷却して白色固体を得て、これを再び沸騰MeOH(20mL)からの再結晶に供し、最終的に透明なプリズム状結晶(全収率5%、エナンチオマー過剰率96%)を得た。
【0320】
所望のエナンチオマーのエナンチオマー過剰率(EE)を、Thermo Scientific Dionex 3000 Diode Array Detectorに接続されたThermo Scientific Dionex 3000 UltiMate機器を使用して、Phenomenex Lux 5 Amylose-2(250×4.6mm)キラルカラムと205、210、254nMおよび280nMのUV検出とによって決定した。MP A:ヘプタン中0.1%ジエチルアミン(v/v)。MP B:EtOH中0.1%ジエチルアミン(v/v)。流速:30~10%MP Bのアイソクラティックグラジエントを使用して10.0mL/分。
【0321】
一般手順E.フェニルアゼチジンおよびフェニルピロリジンを得るための官能化スルホニルヒドラジンとボロン酸とのカップリング。
【0322】
アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥マイクロ波バイアルに、スルホニルヒドラゾン(1当量)、ボロン酸(2当量)および乾燥Cs2CO3(1.1当量)を装入した。バイアルの内容物を密封し、高真空に2時間供した後、アルゴン雰囲気を再確立した。バイアルの内容物を無水1,4ジオキサン(0.12M)に懸濁した。懸濁液を完全に脱気し、その後バイアルに蓋をした。反応物を激しく撹拌しながら110℃に加熱した。18時間後、反応物を周囲温度に冷却し、Celiteのプラグで濾過した。濾液を真空中で濃縮し、直ちにフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:2EtOAc/ヘプタン)による精製に供して、少量の不純物を含む所望の化合物を透明な油状物として得た。
【0323】
粗カルボキシレートをジオキサン中4MのHCl(1mL)に溶解し、周囲温度で24時間撹拌した。純粋なアミン塩酸塩をEt2O(25mL)の添加によって沈殿させ、デカンテーションによって単離して、表題化合物を得た。
【0324】
一般方法F.ピリジルボロン酸と臭化アリールとのカップリング
【0325】
撹拌棒を装備し、アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥マイクロ波バイアルに、対応するボロン酸(1当量)および[1,1´-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(5mol%)をグローブボックス内で装入し、密封した。脱気したK3PO4水溶液(0.9M、1.5当量)を添加し、続いて脱気ジオキサン(0.3M)中の対応する臭化アリール(1当量)を添加した。得られた混合物を100℃で1時間マイクロ波照射によって加熱し、次いで、周囲温度に冷却し、シリカパッドで濾過し、EtOAcでさらに溶出し、次いで、真空中で蒸発させた。残渣を、石油エーテル/EtOAcの移動相混合物を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0326】
一般手順G.フェノールの臭素化。
【0327】
撹拌棒およびゴム製セプタムを装備し、アルゴンガスをバックフィルした火炎丸底フラスコに、DCMおよびAcOH(2:1、0.1M)中の対応するフェノール(1当量)を装入し、元素臭素を0℃において滴下した(1.05当量)。反応混合物を周囲温度に一晩ゆっくり温め、次いで、真空中で直接蒸発させた。残渣を、石油エーテル/EtOAcの移動相混合物を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0328】
一般手順H.フェノールのメチル化。
【0329】
撹拌棒を装備し、アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥マイクロ波バイアルに、アセトン(0.25M)中の対応するフェノール(1当量)を装入した。K2CO3(8当量)を添加した後、ヨウ化メチル(6当量)を添加した。バイアルを密封し、反応混合物を60℃で5時間撹拌し、次いで、真空中で直接蒸発させ、DCMとH2Oとで分配した。相を分離し、水相をDCMでさらに抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣を、石油エーテル/EtOAcの移動相混合物を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0330】
一般手順J.フェノールのエチル化。
【0331】
撹拌棒を装備し、アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥マイクロ波バイアルに、アセトン(0.25M)中の対応するフェノール(1当量)を装入し、K2CO3(8当量)を添加し、続いてブロモエタン(5当量)を添加した。バイアルを密封し、反応混合物を60℃で5時間撹拌し、次いで、真空中で直接蒸発させ、DCMとH2Oとで分配した。相を分離し、水相をDCMでさらに抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣を、石油エーテル/EtOAcの移動相混合物を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0332】
一般的手順I.圧力反応器を用いたピリジンの水素化。
【0333】
氷AcOH(0.25M)中の基質(1当量)の撹拌溶液に、PtO2(15mol%)を添加した。反応混合物を、周囲温度においてBuchiティニクレーブスティール圧力反応器中で、10バールのH2の圧力下で水素化した。16時間後、反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、真空中で蒸発させた。残渣をDCMとNaHCO3飽和水溶液との間で分配した。
【0334】
有機相を分離し、水相をDCMでさらに抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣をさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0335】
一般手順K.Boc保護基の導入。
【0336】
丸底フラスコにアミン(1当量)を装入し、Boc2O(1.5当量)およびEt3N(2当量)を添加した。得られた混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで、真空中で蒸発乾固させた。残渣を、石油エーテル/EtOAcの移動相混合物を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0337】
一般手順L.Boc保護基の切断。
【0338】
丸底フラスコにカルボキシレート(1当量)を装入し、エーテル性HCl(40当量)を添加した。溶液を周囲温度で3~7日間撹拌して完全な変換を達成し、最終的に所望の生成物を白色沈殿物として得た。スラリーを遠心分離し、エーテル層を廃棄した。得られた固体をEt2Oで洗浄し、真空中で蒸発乾固させた。
【0339】
一般的手順M.還元的アミノ化。
【0340】
撹拌棒およびゴム製セプタムを備えた火炎乾燥丸底フラスコに、アミン(1当量)およびMeOH(61.5mM)を装入した。対応するアルデヒド(5当量)を添加し、続いて1滴のAcOHを添加した。得られた混合物を0℃に冷却し、次いで、NaCNBH3(3当量)を添加した。反応混合物を一晩室温まで温めた。DCMを添加し、混合物を1 M NaOHおよびブラインで洗浄した。有機相を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、蒸発させた。残渣をEt2Oに溶解し、エーテル性2M HCl(5当量)で処理した。得られた懸濁液を遠心分離した。上清を廃棄し、固体をエーテルで洗浄し、真空中でさせた。
【0341】
一般的手順N.ブロモベンゼンからのチオアニソール誘導体合成
【0342】
撹拌棒およびゴム製セプタムを装備し、アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥丸底フラスコに、乾燥THF(0.4M)中の1,4-ジブロモ-2,5-ジメトキシベンゼン(1当量)を装入した。得られた溶液を-78℃に冷却し、ヘキサン(1.1当量)中2.5Mのn-BuLiを滴下した。反応混合物をこの温度で1時間撹拌した後、適切なジスルフィド(1.1当量)を滴下した。混合物を周囲温度に温め、1時間撹拌し、次いで、1 M HClでクエンチした。混合物を、減圧下で初期体積の半分まで濃縮した。Et2Oを添加し、相を分離した。有機相をH2OおよびNaHCO3で洗浄し、次いで、真空中で濃縮した。残渣を、石油エーテル/EtOAcの移動相混合物を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0343】
一般的手順O.フルオロベンゼンからのチオアニソール誘導体合成
【0344】
撹拌棒および冷却器を装備し、アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥丸底フラスコに、3-(5-フルオロ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン(1当量)および無水DMF(233M)を装入した。この懸濁液に適切なナトリウムチオレート(1.5当量)を添加した。得られた混合物を50℃に24時間加熱した。周囲温度に冷却した後、反応混合物を真空中で濃縮し、得られた粗残渣をEt2OとH2Oとの間で分配した。有機相を単離し、水相をEt2Oでさらに抽出した。合わせた有機抽出物を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣を、石油エーテル/EtOAcの移動相混合物を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0345】
化合物1および2の合成
【0346】
4-メトキシベンゼンスルホノヒドラジド
【0347】
撹拌棒およびゴム製セプタムを装備した丸底フラスコに、THF(125mL)中の4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド(5.17g、25mmol)を装入し、0℃に冷却した。50%ヒドラジン水溶液(3.90mL、62.5mmol)を滴下により添加した。反応混合物を0℃において1時間撹拌した後、真空中で蒸発させた。粗残渣をH2O(50mL)とEtOAc(100mL)に分配し、相を分離した。水相をEtOAc(2×100mL)でさらに抽出した。合わせた有機相をH2O水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空中で蒸発させると、表題化合物が無色非晶質固体(3.79g、75%)として得られた。1H-NMR(600MHz,CDCl3)δ7.85(d,J=8.9Hz,2H),7.02(d,J=8.9Hz,2H),5.55(s,1H),3.89(s,3H),3.59(s,2H);13C-NMR(151MHz,CDCl3)δ163.86,130.63,127.64,114.68,55.86。
【0348】
tert-ブチル3-(2-((4-メトキシフェニル)スルホニル)ヒドラジネイリデン)アゼチジン-1-カルボキシレート
【0349】
アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥マイクロ波バイアルに、4-メトキシベンゼンスルホノヒドラジド(3.83g、18.91mmol)およびtert-ブチル3-オキソアゼチジン-1-カルボキシレート(3.24g、18.93mmol)を添加した。バイアルの内容物を無水DMSO(13mL)に溶解した。バイアルに蓋をし、60℃に加熱した。反応後、H-NMRを行った。完了したら、反応混合物をH2O(350 mL)中に注ぎ入れ、水性混合物をEt2O(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をH2O(5×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空中で蒸発させて、粗化合物を定量的収率で、わずかな不純物を含むオフホワイトの固体として得た。生成物は、さらに精製することなくその後の反応に使用するのに十分な純度であると考えられた。TLC Rf=0.1(ヘプタン中33% EtOAc v/v);1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.70(dd,J=8.9,3.4Hz,3H),7.08(dd,J=8.8,4.2Hz,3H),4.48-4.34(m,3H),3.80(d,J=3.1Hz,4H),1.33(bs,9H);13C-NMR(101MHz,DMSO-d6)δ163.13,156.17,148.44,130.86,130.00,114.85,79.96,56.16,28.38。
【0350】
(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)ボロン酸
【0351】
アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥容器に、1,4-ジブロモ-2,5-ジメトキシベンゼン(2.22g、7.5mmol)および無水THF(75mL)を添加した。反応物を-78℃に冷却した後、n-BuLi溶液(2.17M、7.5mmol)をゆっくり滴下した。溶液を-78℃で20分間撹拌した後、ホウ酸トリイソプロピル(5.19mL、22.5mmol)を添加した。冷却源を除去し、反応物を周囲温度に到達させ、さらに20時間撹拌し続けた後、2MのHCl水溶液(15mL)を慎重に添加することによってクエンチした。水性混合物をEt2O(100mL)で希釈し、相を分離した。水相をEt2O(2×100mL)でさらに抽出した。合わせた有機相をH2O(50mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、シリカプラグを通して濾過し、蒸発させて、表題化合物をわずかな不純物を含む粗白色固体として得た。生成物は、さらに精製することなくその後の反応に使用するのに十分な純度であると考えられた。
【0352】
(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸
【0353】
アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥容器に、1-ブロモ-2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.00g、3.52mmol)および無水THF(75mL)を装入して冷却(-78℃)した後、n-BuLi(2.3M、7.04mmol)をゆっくり滴下した。溶液を-78℃で20分間撹拌した後、ホウ酸トリイソプロピル(5.19mL、22.5mmol)を添加した。冷却源を除去し、反応物を周囲温度に到達させ、さらに20時間撹拌し続けた後、0.5MのHCl水溶液(25mL)、続いてH2O(50mL)を慎重に添加することによって反応物をクエンチした。反応物を真空中で濃縮し、残りの水性混合物をDCM(50mL)で希釈し、相を分離した。水相をDCM(2×50mL)でさらに抽出した。合わせた有機相をH2O(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、シリカプラグを通して濾過し、蒸発させて、粗化合物を定量的収率で、わずかな不純物を含むオフホワイトの固体として得た。生成物は、さらに精製することなくその後の反応に使用するのに十分な品質であると考えられた。
【0354】
3-(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)アゼチジン塩酸塩(1)
【化18】
【0355】
tert-ブチル3-(2-((4-メトキシフェニル)スルホニル)ヒドラジネイリデン)アゼチジン-1-カルボキシレート(249mg、0.70mmol)、(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)ボロン酸(365mg、1.40mmol)を使用して、一般手順Eに従って合成した。表題化合物を無色結晶性固体として単離した(26mg、12%)。TLC Rf=0.1(ヘプタン中33%EtOAc v/v);1H-NMR(600MHz,MeOD)δ 7.22(s,1H),6.91(s,1H),4.35(d,J=3.3Hz,2H),4.33(s,2H),4.30-4.25(m,1H),3.85(s,6H);13C-NMR(151MHz,MeOD)δ153.17,151.74,127.91,117.33,113.85,112.06,57.57,56.69,52.50,34.73;HRMSm/z[C11H15BrNO2]+(Mfree base+H)についての計算値272.0281;実測値:272.0282。
【0356】
3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アゼチジン塩酸塩(2)
【化19】
【0357】
tert-ブチル3-(2-((4-メトキシフェニル)スルホニル)ヒドラジネイリデン)アゼチジン-1-カルボキシレート(257mg、0.72 mmol)、(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)ボロン酸(362mg、1.45 mmol)を使用して、一般手順Eに従って合成した。表題化合物を無色結晶性固体として単離した(15.3mg、7%)。1H-NMR(600MHz,MeOD)δ7.19(s,1H),7.04(s,1H),4.39-4.34(m,5H),3.89(s,6H);13C-NMR(151MHz,MeOD)δ151.61,150.72,131.66,124.36,112.79,109.08,109.04,55.81,55.20,51.00,33.38;HRMSm/z[C12H15F3NO2]+(M遊離塩基+H)についての計算値262.1049;実測値:262.1051.
【0358】
化合物3および4の合成
【0359】
tert-ブチル(E)-3-(((4-メトキシフェニル)スルホニル)ジアゼニル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0360】
アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥マイクロ波バイアルに、4-メトキシベンゼンスルホノヒドラジド(1.6g、7.9mmol)およびtert-ブチル3-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(1.46g、7.9mmol)および無水MeOH(35mL)を装入した。バイアルに蓋をし、60℃に18時間加熱した。反応後、1H-NMRを行った。完了したら、反応混合物をH2O(350mL)中に注ぎ入れ、Et2O(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をH2O(5×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空中で蒸発させて、粗化合物を定量的収率で、わずかな不純物を含むオフホワイトの固体として得た。生成物は、さらに精製することなくその後の反応に使用するのに十分な品質であると考えられた。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.88(d,J=8.9Hz,2H),7.04-6.92(m,2H),3.99(bs,1H),3.92(bs,1H),3.87(bs,3H),3.80(bs,1H),3.75(bs,1H),2.68(m,2H),2.54(s,1H),1.44(s,10H);13C-NMR(101MHz,CDCl3)δ26.3(br),28.4,30.6(br),43.9(br),46.5(br),49.5(br),55.6,80.1,80.4,114.3,129.6,131.3,154.1,159.9,163.5。
【0361】
tert-ブチル3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0362】
tert-ブチル(E)-3-(((4-メトキシフェニル)スルフィニル)ジアゼニル)ピロリジン-1-カルボキシレート(369.4mg,1mmol)、(2,5-ジメトキシフェニル)ボロン酸(363.9mg、2mmol)で、一般手順Eに従って合成した。表題化合物を茶色油状物として単離した(42.6mg、13%)。TLC Rf0.3(ヘプタン中20% EtOAc v/v);1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ6.83-6.66(m,3H),3.79(s,4H),3.76(s,4H),3.64(tt,J=9.7,6.9Hz,1H),3.56(ddd,J=11.2,8.1,3.3Hz,1H),3.38(ddd,J=10.7,9.0,6.9Hz,1H),3.25(dd,J=10.5,8.6Hz,1H),2.17(dtd,J=12.8,6.6,3.3Hz,1H),2.05-1.92(m,1H),1.47(s,9H)。13C-NMR(151MHz,CDCl3)δ154.74,153.79,151.88,131.10,113.78,111.45,111.40,79.19,56.08,51.13,45.66,37.71,31.34,28.71。
3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピロリジン塩酸塩
【0363】
撹拌棒を装備した丸底フラスコに、tert-ブチル3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピロリジン-1-カルボキシレート(72mg、0.23mmol)およびMeOH(2mL)を装入し、ジオキサン中4M HCl(0.5mL)を添加した。反応物を周囲温度で2時間撹拌し、塩酸塩を沈殿させた。沈殿物をデカンテーションによって単離し、最小量のMeOHに溶解した。核形成が観察されるまでEt2Oを滴下し、溶液を-4℃で一晩結晶化させ、純粋な表題化合物を白色固体として得た(54mg、94%)。1H-NMR(600MHz,MeOD)δ6.97(dd,J=8.4,0.9Hz,1H),6.88-6.85(m,2H),3.86(s,3H),3.78(s,3H),3.77-3.70(m,1H),3.72-3.66(m,1H),3.58(ddd,J=11.8,8.4,3.6Hz,1H),3.38(ddd,J=11.6,9.7,7.2Hz,1H),3.26(dd,J=11.0,9.3Hz,1H),2.40(dh,J=14.1,3.6,3.2Hz,1H),2.22(dtd,J=13.0,9.7,8.4Hz,1H);13C-NMR(151MHz,MeOD)155.30,152.98,129.00,115.59,113.43,112.93,56.30,56.15,50.73,46.84,40.06,30.92;HPLC tR=9.88(方法B)。
【0364】
(R)-3-(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)ピロリジン(3)臭化水素酸塩および(S)-3-(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)ピロリジン臭化水素酸塩(4)
【化20】
【0365】
アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥容器に、3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピロリジン塩酸塩(63.3mg、0.26mmol)および氷AcOH(1mL)を装入した。氷AcOH(1mL)中の元素状臭素(14μL、0.28mmol)の溶液を滴下した。反応物を遮光し、周囲温度において撹拌した。反応を、TLCによってモニターした。完了したら、反応物をH2O(5mL)で希釈し、Et2O(10mL)で洗浄した。水性混合物を10% NaOH水溶液で塩基性化し、EtOAc(15mL)で抽出し、続いてEtOHとクロロホルム(1:2)の混合物(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、真空中で蒸発させて、粗臭化水素酸塩が褐色固体として高純度で得られた(59mg、62%)。ラセミ混合物の分析量を、25% MP Bのアイソクラティックグラジエントを使用する一般手順Dを使用して、それらの塩酸塩としての2つの個々のエナンチオマーとして分離および単離した。エナンチオマー1(化合物4):Rt18.03、エナンチオマー2(化合物3):Rt2=26.02;1H-NMR(600MHz,DMSO-d6)δ8.88(s,2H),7.25(s,1H),7.06(s,1H),3.84(s,3H),3.80(s,3H),3.64(tt,J=9.7,7.8Hz,1H),3.53(dd,J=11.3,8.2Hz,1H),3.41(ddd,J=11.9,8.4,3.8Hz,1H),3.25(ddd,J=11.5,9.3,7.2Hz,1H),3.13(dd,J=11.3,9.7Hz,1H),2.26(dtd,J=12.5,7.3,3.8 Hz,1H),2.08-1.99(dtd,1H).);13C-NMR(151MHz,DMSO-d6)δ151.42,149.60,127.90,116.11,112.57,109.15,56.88,56.39,48.85,44.88,36.98,29.92;HPLC tR=18.30(方法A);HRMSm/z[C12H16BrNO2]+(M遊離塩基+H)についての計算値286.0437、実測値286.0439。
【0366】
化合物5および6の合成
【0367】
(R)-3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン(5)および(S)-3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン(6)
【化21】
【0368】
アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥マイクロ波バイアルに、tert-ブチル(E)-3-(((4-メトキシフェニル)スルホニル)ジアゼニル)ピロリジン-1-カルボキシレート(841mg、2.27mmol)、(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸(860mg、3.45mmol)および乾燥Cs2CO3(1.12g、3.45mmol)を装入した。バイアルの内容物を密封し、高真空に1時間供した後、アルゴン雰囲気を再確立した。バイアルの内容物を無水1,4ジオキサン(0.12M)に懸濁した。懸濁液を完全に脱気し、その後バイアルに蓋をした。反応物を激しく撹拌しながらマイクロ波照射によって150℃に加熱した。1時間後、反応物を周囲温度に冷却し、Celiteのプラグで濾過して、EtOAc(20mL)で洗浄した。濾液をH2O(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、真空中で蒸発させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(1:2EtOAc/ヘプタン)による精製に供し、主要な不純物を除去して、わずかな不純物を含むboc保護アミンを褐色油状物として得た。粗生成物をPrep HPLC(HPLC方法C)によってさらに精製して、純粋なラセミ混合物を白色固体(69.9mg、6%)として得た。分析量のラセミ混合物を分離し、15%MP Bのアイソクラティックグラジエントを用いた一般手順Dを使用して、2つの個々のエナンチオマーをそれらの塩酸塩として単離した。エナンチオマー1(化合物6):Rt6.16、エナンチオマー2(化合物5):Rt7.36。
【0369】
両方の化合物を分取HPLC(HPLC方法C)によって再精製し、最後に表題化合物を分析量のそれらのトリフルオロ酢酸塩として単離した。1H-NMR(600MHz,MeOD)δ7.20(s,1H),7.12(s,1H),3.91(s,3H),3.91(s,3H),3.82(tt,J=9.1Hz,1H),3.72(dd,J=11.4,8.4Hz,1H),3.61(ddd,J=11.8,8.4,3.6 Hz,1H),3.44-3.37(ddd,1H),3.36-3.35(m,1H),2.45(dtd,J=14.0,7.3,3.5Hz,1H),2.27(dtd,J=12.9,9.8,8.3Hz,1H);13C-NMR(151MHz,MeOD)δ 151.63,150.83,132.34,126.20(q),117.95(q),112.99,109.30(q),55.77,55.20,48.96,45.47,38.80,29.44;HPLC tR=19.87(方法A);HRMSm/z[C13H17F3NO2]+(M遊離塩基+H)についての計算値276.1206、実測値276.1206。
【0370】
化合物7および8の合成
【0371】
1,4-ジメトキシ-2(トリフルオロメチル)ベンゼン
【0372】
アルゴンガスをバックフィルし、無水脱気DMSO(150mL)中のナトリウムメトキシド(40.52g、750mmol)の溶液を含む火炎乾燥丸底フラスコに、1-フルオロ-4-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(14.56g、75mmol)を添加した。反応物を、NMRによって出発物質の完全な消費が観察されるまで、120℃において19時間撹拌した。反応物を氷H2O(700mL)でクエンチし、有機物をEt2O(3×200mL)で抽出した。合わせた有機相を、H2O(2×200mL)、次いでブライン(200mL)で洗浄し、次いでMgSO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮して、所望のジメトキシベンゼンを透明な油状物として得た。油状物は数日間かけて固体に結晶化し、さらに精製することなく使用するのに十分に高い純度であった(15.21g、98%)。TLC Rf=0.45(ヘプタン中20% EtOAc v/v);1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.12(d,J=3.1Hz,1H),7.02(dd,J=9.0,3.1Hz,1H),6.94(d,J=9.0Hz,1H),3.86(s,3H),3.80(s,3H).);13C-NMR(151MHz,CDCl3)δ153.12,151.70,126.27,124.47,122.66,120.85,119.90,119.69,119.49,119.28,118.27,113.77,113.00,112.96,56.75,56.06;HPLC tR=26.79 分(方法A)
【0373】
1-ブロモ-2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン
アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥丸底フラスコに、1,4-ジメトキシ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(5.15g、25mmol)および無水DCM(50mL)を装入した。反応物を遮光し、氷浴で冷却した後、TfOH(4.43mL、50mmol)を添加した。反応混合物を2分間撹拌した後、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(3.57g、12.5mmol)を一度に添加した。反応混合物をさらに5分間撹拌し続けた後、周囲温度まで温め、合計で3時間撹拌し続けた。次いで、反応物を、Na2S2O3飽和水溶液(7mL)、続いてNaHCO3飽和水溶液(30mL)を注意深く添加することによってクエンチした。得られた二相系を分離し、水相をDCM(2×50mL)でさらに抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、次いで、濾過し、真空中で濃縮して、オフホワイトの粗固体を得、これを沸騰イソプロパノールに溶解し、周囲温度まで冷却した。濁りが観察されるまでEt2Oを滴下し、次いで、反応物を4℃において一晩放置して、所望の臭化物(4.63g、65%)を無色結晶性固体として得た。TLC Rf=0.6(ヘプタン中10%EtOAc v/v)1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.23(s,1H),7.09(s,1H),3.87(d,J=10.6Hz,6H);13C-NMR(151MHz,CDCl3))δ151.77,149.86,123.21(q,JCF=270.9Hz),118.51(q,JCF=31.3),118.23,116.37,110.86(q,JCF=3.6Hz),57.16,56.95。
【0374】
HPLC tR=28.64分(方法A)
【0375】
3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン
【0376】
アルゴンガスをバックフィルした20mLの火炎乾燥マイクロ波バイアルに、1-ブロモ-2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(909mg、3.1mmol)、続いてピリジン-3-イルボロン酸(762mg、6.2mmol)および無水脱気1,4-ジオキサン(3.5mL)を添加した。混合物をさらに10分間脱気した後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(109mg、0.155mmol、5mol%)を添加し、続いてトルエン中1Mのトリ-tert-ブチルホスフィンの溶液(0.155mL、0.155mmol)を添加した。最後に、脱気した2MのNa2CO3水溶液(3.1mL、6.2mmol)を添加した後、反応バイアルを密封した。反応物を、マイクロ波照射を用いて80分間、120℃に加熱した。反応を、TLCによってモニターした。臭化物を完全に消費させた。反応混合物をEtOAc(7mL)で希釈し、EtOAc(10mL)およびH2O(20mL)を含有する分液漏斗に移した。相を分離し、水相をEtOAc(10mL)でさらに抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮して混合された湿潤固体を得た。粗生成物を、すぐにフラッシュカラムクロマトグラフィー(2:5、EtOAc:ヘプタン)によって精製した。所望のフェニルピリジンをオフホワイト色の固体として得た。TLC Rf=0.18(ヘプタン中40%EtOAc v/v);1H-NMR(400MHz,CDCl3))δ8.75(d,J=2.1 Hz,1H),8.60(dd,J=4.9,1.7Hz,1H),7.86(dt,J=7.9,2.0Hz,1H),7.40-7.31(m,1H),7.19(s,1H),6.97(s,1H),3.90(s,3H),3.80(s,3H).;13C-NMR(151MHz,CDCl3)δ151.76,150.14,150.05,148.88,136.88,133.22,131.63,123.49(q,JCF=273.6Hz),123.13,118.99(q,JCF=31.3Hz),115.28,110.76(q,JCF=5.4Hz),56.85,56.49.;HPLC tR=20.23(方法A)
【0377】
(R)-3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(7)および(S)-3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(8)
【化22】
【0378】
3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン(4g、14.12mmol)を使用して水素化手順AまたはBに従って合成した。塩酸塩を、生成物を最小量のEt2Oに溶解し、この溶液を4Mのジオキサン性HClで処理することによって調製した。沈殿物をデカンテーションによって単離し、最小量のMeOHに再溶解した。核形成が観察されるまでEt2Oを滴下し、溶液を-4℃で一晩結晶化させ、純粋な表題化合物を白色固体として得た(2.82g、69%)。ラセミ混合物を分離し、10%MP Bのアイソクラティックグラジエントを用いた一般手順Dを使用して、2つの個々のエナンチオマーをそれらの塩酸塩として単離した。エナンチオマー1(化合物8):Rt7.22、エナンチオマー2(化合物7):Rt11.247。
【0379】
エナンチオマー分離方法2および3を使用して、キラル分割も達成した。
【0380】
MP 239~241℃;TLC Rf=0.3(EtOAc中5%TEAおよび10% MeOH v/v/v);1H-NMR(400MHz,CDCl3))δ7.19(s,1H),7.12(s,1H),3.92(s,3H),3.90(s,3H),3.59-3.42(m,3H),3.20(t,J=12.3Hz,1H),3.15-3.04(m,1H),2.16-2.07(m,1H),2.05-1.88(m,3H);13C-NMR(151MHz,CDCl3))δ153.18,151.73,135.59,124.92(q,J=271.6Hz),118.81(q,J=31.3Hz),113.75,110.62(q,J=5.4Hz),57.22,56.73,45.19,35.41,28.84,23.98;HPLC tR=11.75(方法A);HRMSm/z[C14H19F3NO2]+(M遊離塩基+H)についての計算値290.1362、実測値290.1377.
【0381】
化合物9および10の合成
【0382】
3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピリジン
【0383】
(2,5-ジメトキシフェニル)ボロン酸(2.184g、2.3mmol)を使用して一般手順Cに従って合成した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中40%EtOAc v/v)によって精製して、表題化合物を定量的収率で、わずかな不純物を含む透明な油状物として得た。生成物は十分な純度であると考えられ、さらに精製することなくその後の反応に使用した。TLC Rf=0.3(ヘプタン中40% EtOAc v/v);1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.77(d,J=1.8Hz,1H),8.54(dd,J=4.7,1.6Hz,1H),7.84(dt,J=7.9,1.9Hz,1H),7.30(ddd,J=7.9,4.8,0.9Hz,1H),6.92-6.85(m,3H),3.78(s,3H),3.73(s,3H).);13C-NMR(101MHz,CDCl3)δ153.89,150.83,150.16,148.03,136.77,134.10,127.91,122.90,116.56,113.92,112.66,56.19,55.79;HPLC tR=9.88(方法B)。
【0384】
3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン
【0385】
3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピリジン(6.012g、27.93mmol)を使用して一般手順Bに従って合成した。塩酸塩を、生成物を最小量のEt2Oに溶解し、この溶液をジオキサン中4 MのHClで処理することによって調製した。沈殿物をデカンテーションによって単離し、最小量のMeOHに再溶解した。核形成が観察されるまでEt2Oを滴下し、溶液を-4℃で一晩結晶化させ、純粋な表題化合物を大型の白色結晶として得た(3.44g、48%)。TLC Rf=0.2(EtOAc中5%TEAおよび10% MeOH v/v/v);1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ9.84(s,1H),9.44(s,1H),6.80-6.63(m,3H),3.75(s,3H),3.74(s,3H),3.59-3.39(m,3H),3.06(q,J=11.4Hz,1H),2.85(q,J=12.1,11.6Hz,1H),2.24-2.05(m,1H),1.96(q,J=13.4,12.3Hz,3H),1.83-1.65(m,1H);13C-NMR(101MHz,CDCl3)δ153.66,151.38,129.72,114.23,112.32,111.65,55.78,55.75,47.57,44.08,35.35,28.28,22.85;HPLC tR=17.04(方法A)。
【0386】
(R)-3-(4-クロロ-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(9)および(S)-3-(4-クロロ-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(10)
【化23】
【0387】
アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥丸底フラスコに、3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(500mg、1.93mmol)、N-クロロスクシンイミド(310mg、2.32mmol)およびMeCNを装入した。溶液を冷却し(0℃)、TiCl4(0.2mL、1.93mmol)をゆっくり添加し、反応物を10分間撹拌した。冷却源を除去し、反応物をさらに5分間撹拌した後、MeOH(8mL)でクエンチした。反応物を周囲温度に温め、次いで、NaOH水溶液(10%v/v)により白色固体の沈殿下で塩基性化した(約pH9)。溶液をフリットガラス漏斗で濾過することによって清澄化し、EtOAc(50mL)で洗浄した。濾液をNa2CO3飽和水溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮して、最小の不純物を含む粗遊離塩基を黄色固体として得た(529mg、粗収率94%)。分析量のラセミ混合物を分離し、30%MP Bのアイソクラティックグラジエントを用いた一般手順Dを使用して、2つの個々のエナンチオマーをわずかな不純物を含むそれらの塩酸塩として単離した。エナンチオマー1(化合物10):Rt6.943、エナンチオマー2(化合物9):Rt13.493。
【0388】
両方のエナンチオマーを、EtOAc、イソプロパノールおよびEt2Oの混合物から再び再結晶化させて、両方のエナンチオマーを高純度で得た。MP235~236℃;TLC Rf=0.2(EtOAc中5% TEAおよび10% MeOH v/v/v);1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.07(s,1H),6.99(s,1H),3.88(s,3H),3.85(s,3H),3.49-3.38(m,3H),3.15-3.09(m,1H),3.06(td,J=12.8,3.5Hz,1H),2.15-2.04(m,1H),2.01-1.86(m,3H);13C-NMR(101MHz,CDCl3)δ152.55,150.87,129.61,122.80,114.52,113.63,57.50,56.74,49.05,45.18,35.17,28.95,24.05;HPLC tR=18.54(方法A);HRMS m/z[C13H18ClNO2]+(M遊離塩基+H)についての計算値 256.1099、実測値256.1102。
【0389】
化合物11および12の合成
【0390】
(R)-3-(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(11)および(S)-3-(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(12)
【化24】
【0391】
撹拌棒を装備した丸底フラスコに、3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(1g、3.87mmol)および氷AcOH(19mL)を装入した。氷AcOH(10mL)中の元素状臭素の溶液(0.19mL、3.87mmol)を滴下した。生成物が白色固体として完全に沈殿するまで、混合物を30分間撹拌した。反応物をEt2O(20mL)で希釈し、固体を濾過によって単離した。生成物を沸騰MeOH、イソプロパノールおよびEt2Oの混合物から再結晶化させて、生成物を白色固体として得た(853.5mg、58%)。分析量のラセミ混合物を分離し、25%MP Bのアイソクラティックグラジエントを用いた一般手順Dを使用して、2つの個々のエナンチオマーをそれらの塩酸塩として単離した。エナンチオマー1(化合物12):Rt7.200、エナンチオマー2(化合物11):Rt12.160。
【0392】
MP 253~254℃;TLC Rf=0.15(EtOAc中0.01% TEAおよび25%MeOH v/v/v);1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.22(s,1H),6.97(s,1H),3.87(d,J=9.6Hz,6H),3.45(t,J=12.9Hz,3H),3.22-2.99(m,2H),2.11(d,J=10.7Hz,1H),2.04-1.84(m,3H);13C-NMR(101MHz,MeOD)δ152.76,151.94,130.33,117.44,113.33,111.54,57.61,56.79,45.23,35.27,28.90,24.06。
【0393】
HPLC tR=14.07(方法A);HRMS m/z[C13H18BrNO2]+(M遊離塩基+H)についての計算値300.0594、実測値300.0588。
【0394】
化合物13および14の合成
【0395】
(R)-3-(4-ヨード-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(13)および(S)-3-(4-ヨード-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(14)
【化25】
【0396】
撹拌棒を装備し、アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥丸底フラスコに、3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(500mg、1.9mmol)、TEA(0.53mL、3.8mmol)およびDCMを装入した。反応混合物を氷浴上で0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸無水物(483.06mg、2.3mmol)を激しく撹拌しながら慎重に添加した。反応物を0℃において5分間撹拌した後、周囲温度に温め、40分間撹拌した。反応をTLCでモニターした。完了したら、反応物をH2O(20mL)でクエンチし、相を分離した。水相をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出した。合わせた有機相を、H2O(50mL)、およびブライン(50mL)で洗浄し、次いでMgSO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮して、定量的収率で粗トリフルオロアセトアミドを得た。TLC Rf=0.5(ヘプタン中33%EtOAc v/v)。粗生成物をMeOH(20mL)に溶解し、アルゴンガス流でパージした。反応物を氷浴上で0℃に冷却し、アルミニウム箔で遮光した。AgNO3(355mg、2.09mmol)を一度に添加し、続いてI2(578mg、2.28mmol)を数回に分けて少量ずつ添加した。反応物を0℃で1.75時間撹拌し、次いで、celiteプラグ上で洗浄して氷とNaHSO3飽和水溶液の混合物とした。
【0397】
混合物を周囲温度に温め、有機物を真空中で蒸発させた。残りの水性混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を、H2O(50mL)およびブラインで(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮して、粗ヨウ化物を黄色の油状物として得た。主な不純物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中33% EtOAc v/v)によって除去した。保護されたヨウ化物をMeOH(15mL)に懸濁し、25%のNaOH水溶液(2ml)を添加した。反応物を、完全な溶液になるまでヒートガンで穏やかに温め、TLCがアミンの完全な脱保護を示すまで撹拌したままにした。反応物を真空中で濃縮し、EtOAc、DCMおよびH2Oの混合物(1:1:2、v/v)に分配した。水相をDCM(2×50mL)でさらに抽出した。合わせた有機相を、H2O(50mL)およびブラインで(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮して、純粋なヨウ化物を透明な油状物として得た(471mg、71%)。分析量のラセミ混合物を分離し、30% MP Bのアイソクラティックグラジエントを用いた一般手順Dを使用して、2つの個々のエナンチオマーをそれらの塩酸塩として単離した。エナンチオマー1(化合物14):Rt6.95、エナンチオマー2(化合物13):Rt 10.163。
【0398】
MP 252~255℃;TLC Rf=0.15(EtOAc中5% TEAおよび10% MeOH v/v/v)1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.38(s,1H),6.87(s,1H),3.85(s,3H),3.84(s,3H),3.48-3.38(m,3H),3.12(t,J=13.0Hz,1H),3.06(td,J=11.2,9.9,2.2Hz,1H),2.14-2.06(m,1H),2.02-1.87(m,3H).;13C-NMR(101MHz,CDCl3)δ154.58,152.99,131.38,123.26,111.92,84.88,57.66,56.78,48.94,45.18,35.40,28.85,24.03;HPLC tR=18.96(方法A);HRMSm/z[C13H18INO2]+(M遊離塩基+H)についての計算値348.0455 実測値348.0453。
【0399】
化合物15および16の合成
【0400】
tert-ブチル3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0401】
撹拌棒を装備し、アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥丸底フラスコに、3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(1g、3.87mmol)、およびジ-tert-ブチル字カルボネート(931.39mg、4.26mmol)を装入した。容器の内容物を、TEAとDCMとの混合物(1:10v/v)(12mL)に懸濁した。反応を、室温で18時間撹拌した。反応を、TLCによってモニターした。カルボキシレートへの完全な変換後、反応物を真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中20% EtOAc v/v)によって主な不純物を除去して、定量的収率で保護アミンを透明な油状物として得た。生成物は、その後の反応に使用するのに十分な純度であると考えられ、さらに精製することはなかった。TLC Rf=0.35(ヘプタン中20%EtOAc v/v);1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ6.80(d,J=8.7Hz,1H),6.75(d,J=3.0Hz,1H),6.71(dd,J=8.7,3.0Hz,1H),4.17(s,2H),3.80(s,3H),3.77(s,3H),3.11-2.96(m,1H),2.70(dd,J=12.8,11.2Hz,2H),1.94(d,J=8.2Hz,1H),1.80-1.68(m,1H),1.67-1.53(m,2H),1.46(s,9H);13C-NMR(101MHz,CDCl3)δ155.00,153.79,151.60,133.33,114.11,111.58,110.98,79.34,56.19,55.85,36.07,32.04,28.66,25.75,22.84,14.26;HPLC tR=17.04(方法A)。
【0402】
tert-ブチル3-(4-ホルミル-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0403】
撹拌棒を装備し、アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥丸底フラスコに、tert-ブチル3-(2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.03g、3.2mmol)、および無水DCM(7mL)を装入した。反応物を冷却し(-78℃)、TiCl4(0.87mL、8.0mmol)を添加した後、ジクロロメチルメチルエーテル(1103.50g、9.6mmol)を添加し、TLCによってモニターした。完了したら、反応物を撹拌下で0℃に温め、次いで氷(50mL)に注いだ。氷を融解させた後、混合物をNaHCO3飽和水溶液(100mL)および濃NaOHの液滴で塩基性化し、相を分離した。水層を、EtOHとCHCl3との混合物(1:2 v/v)(3×150mL)でさらに抽出した。合わせた有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮して、粗生成物を黄色固体として得た。アミンの完全な保護を確実にするために、粗生成物を、TEAとDCMとの混合物(1:10v/v)(10mL)に懸濁し、ジ-tert-ブチルジカーボネート(769mg、3.5mmol)を添加した。混合物を16時間撹拌したままにした。反応混合物を真空中で濃縮し、繰り返しフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中25%EtOAc)によって精製した。2回の精製により、純粋な表題化合物を透明な油状物として得た(786mg、70%)。TLC Rf=0.3(ヘプタン中25%EtOAc v/v)(発色剤:ニンヒドリン);1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ10.40(s,1H),7.29(s,1H),6.82(s,1H),4.26-4.01(m,2H),3.89(s,3H),3.83(s,3H),3.12(tt,J=10.8,3.7Hz,1H),2.81(s,2H),2.01-1.90(m,1H),1.75(d,J=10.6Hz,1H),1.67-1.56(m,2H),1.46(s,9H);13C-NMR(101MHz,CDCl3)δ189.12,156.77,154.78,151.40,141.08,123.14,108.41,79.46,56.24,55.85,36.67,31.87,29.00,28.47,25.25,22.68,14.10。
【0404】
tert-ブチル3-(4-シアノ-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0405】
撹拌棒を装備し、アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥丸底フラスコに、tert-ブチル3-(4-ホルミル-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート(786mg、2.24mmol)、NaN3(219mg、3.38mmol)およびMeCN(5mL)を装入した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.59mL、6.75mmol)を約1分間かけて滴下した。反応物を室温で3分間撹拌した後、真空中で濃縮し、H2O(2mL)で希釈した。水性混合物を、NaHCO3飽和水溶液(5mL)およびNaOH(約pH10)の液滴で塩基性化した。塩基性水性懸濁液を、EtOHとCHCl3との混合物(1:2)(3×50 mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で脱水し、濾過し、真空中で蒸発させて、褐色のゴム状物を得た。アミンの完全な保護を確実にするために、粗生成物を、TEAとDCMとの混合物(11mL、1:10v/v)に懸濁し、ジ-tert-ブチルジカーボネート(540mg、2.47mmol)を添加した。混合物を16時間撹拌したままにした。反応混合物を真空中で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中25%EtOAc)によって精製して、純粋なニトリルを白色固体として得た(298mg、38%)。TLC Rf=0.3(ヘプタン中25%EtOAc v/v)(発色剤:ニンヒドリン);1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ6.97(s,1H),6.79(s,1H),4.30-3.96(m,2H),3.89(s,3H),3.81(s,3H),3.09(ddt,J=10.7,7.3,3.7Hz,1H),2.80(s,2H),1.98-1.88(m,1H),1.74(s,1H),1.69-1.54(m,3H),1.46(s,10H);13C-NMR(101MHz,CDCl3)δ156.08,154.89,151.07,139.55,116.77,114.55,111.13,99.27,79.67,56.62,56.20,36.61,28.61,27.56,25.33
【0406】
(R)-2,5-ジメトキシ-4-(ピペリジン-3-イル)ベンゾニトリル(15)および(S)-2,5-ジメトキシ-4-(ピペリジン-3-イル)ベンゾニトリル(16)
【化26】
【0407】
撹拌棒を装備した丸底フラスコに、tert-ブチル3-(4-シアノ-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート(150mg.0.44mmol)およびMeOH(5mL)を装入した。4Mのジオキサン性HClを2時間かけて徐々に添加した(1.7mL、6.8mmol)。反応を、TLCによってモニターした。完全に変換したら、核形成が観察されるまで追加のEt2Oを添加し、反応物を-4℃で一晩結晶化させたままにして、塩酸塩として純粋なニトリルをオフグリーン結晶として得、これをデカンテーションによって単離し、次いで、真空中で少量の残留溶媒を除去し、さらに減圧下で乾燥させた(78mg、62%)。分析量のラセミ混合物を分離し、30% MP Bのアイソクラティックグラジエントを用いた一般手順Dを使用して、2つの個々のエナンチオマーを定量的収率でそれらの塩酸塩として単離した。エナンチオマー1(化合物16):Rt8.527、エナンチオマー2(化合物15:Rt11.860。
【0408】
MP 252~254℃ TLC Rf=0.1(ヘプタン中25% EtOAc v/v)(発色剤:ニンヒドリン)1H-NMR(400 MHz,CDCl3)δ7.27(s,1H),7.10(s,1H),3.97(s,3H),3.90(s,3H),3.61-3.41(m,3H),3.19(t,J=12.3Hz,1H),3.15-3.03(m,1H),2.13(dd,J=10.0,3.4Hz,1H),1.98(tdd,J=16.3,15.0,6.7,3.4Hz,3H);13C-NMR(101MHz,CDCl3)δ156.13,150.75,136.30,115.68,114.75,111.26,99.60,55.83,55.42,43.77,34.24,27.30,22.52;HPLC tR=9.75(方法B);)。IR vmax(neat)/cm-1 2225,11(CN);HRMSm/z[C18H14N2O2]+(M遊離塩基+H)についての計算値247.1441、実測値247.1446。
【0409】
化合物17および18の合成
【0410】
(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)(メチル)スルファン
【0411】
表題化合物を、1,4-ジブロモ-2,5-ジメトキシベンゼン(500mg、1.689 mmol)から出発して、一般手順Nに従って調製した。表題化合物860mg(49%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ7.01(s,1H),6.78(s,1H),3.87(s,3H),3.85(s,3H),2.44(s,3H)。
【0412】
3-(2,5-ジメトキシ-4-(メチルチオ)フェニル)ピリジン
【0413】
表題化合物を(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)(メチル)スルファン(568mg、2.158mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物351mg(62%)を調製した。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ:8.76(dd,J=2.3,0.9Hz,1H);8.55(dd,J=4.8,1.7Hz,1H);7.85(ddd,J=7.9,2.3,1.7Hz,1H);7.32(ddd,J=7.9,4.8,0.9Hz,1H);6.86(s,1H);6.80(s,1H);3.90(s,3H);3.79(s,3H);2.50(s,3H)。MS:m/z262[M+H]+。
【0414】
(R)-3-(2,5-ジメトキシ-4-(メチルチオ)フェニル)ピペリジン塩酸塩(17)および(S)-3-(2,5-ジメトキシ-4-(メチルチオ)フェニル)ピペリジン塩酸塩(18)
【化27】
【0415】
表題化合物を、3-(2,5-ジメトキシ-4-(メチルチオ)フェニル)ピリジン(350mg、1.339mmol)から出発して、一般手順Iに従って調製した。物質を、触媒の濾過および蒸発後に得た。化合物を、移動相にMeOH/EtOAc(+5% Et3N)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。エナンチオマーを、Daicel Chiralpak IG 250×30mm、5μm;移動相:30%イソプロパノール/70%ヘプタン(+0.1%ジエチルアミン);溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分において分離した。分析カラム:Chiralpak IG250×4.6mm、5μm;移動相:30%イソプロパノール/70%ヘプタン(+0.1%ジエチルアミン);溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:1mL/分。エナンチオマー1:Rt16.70分(35mg、10%)。エナンチオマー2:Rt 21.75分(35mg、10%)。両方のエナンチオマーを、一般手順Lを使用して、定量的収率で対応する塩酸塩にさらに変換した。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ:6.83(s,1H),6.81(s,1H),3.85(s,3H),3.82(s,3H),3.45-3.34(m,3H),3.10-2.98(m,2H),2.41(s,3H),2.10-2.03(m,1H),1.97-1.84(m,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD)δ152.9,152.3,128.5,127.1,111.6,111.2,57.2,56.7,49.3,45.2,35.1,29.1,24.1,14.8。
【0416】
MS:m/z268[M+H]+
【0417】
化合物19および20の合成
【0418】
2-ブロモ-4-エトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0419】
表題化合物を、市販の4-エトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェノール(2.00g、9.701mmol)から出発して、一般手順Gに従って調製した。表題化合物2.60g(94%)を調製した。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.23(s,1H),7.10(s,1H),4.04(q,J=7.2Hz,2H),1.42(t,J=7.2Hz,3H)。
【0420】
1-ブロモ-5-エトキシ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン
【0421】
表題化合物を、2-ブロモ-4-エトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェノール(1.14g、4.013mmol)から出発して、一般手順Hに従って調製した。表題化合物1.07g(89%)を調製した。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.22(s,1H),7.08(s,1H),4.07(q,J=6.8Hz,2H),3.88(s,3H),1.42(t,J=6.8Hz,3H)。
【0422】
3-(5-エトキシ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン
【0423】
表題化合物を、1-ブロモ-5-エトキシ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.00mg、3.343mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物801mg(81%)を調製した。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.75(s,1H),8.61(s,1H),7.87(dt,J=8.0,1.8Hz,1H),7.38(dd,J=7.9,4.8Hz,1H),7.18(s,1H),6.97(s,1H),4.12(q,J=7.0Hz,2H),3.80(s,3H),1.44(t,J=7.0Hz,3H)。MS:m/z298[M+H]+。
【0424】
(R)-3-(5-エトキシ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(19)および(S)-3-(5-エトキシ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(20)
【化28】
【0425】
表題化合物を、3-(5-エトキシ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するter-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IG250×30mm、5μm;移動相:5%イソプロパノール/95%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV 210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物19):Rt15.35分(95mg、74%)、エナンチオマー2(化合物20):Rt 26.79分(90mg、77%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的収率で得た。この塩酸塩を、Thermo Scientific Dionex3000Diode Array Detector に接続されたThermo Scientific Dionex3000UltiMate機器を使用して、Phenomenex Lux5Amylose-2(250×4.6mm)キラルカラム と205、210、254nMおよび280nMのUV検出とによってさらに分析した。MP A:ヘプタン中0.1%ジエチルアミン(v/v)。MP B:EtOH中0.1%ジエチルアミン(v/v)。流速:正確な立体化学を確実にするために10%MP Bのアイソクラティックグラジエントを使用して10.0mL/分。エナンチオマー1(化合物20):Rt5.300、エナンチオマー2(化合物19):Rt5.970。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ:7.15(s,1H);7.05(s,1H);4.12(q,2H,J=7.0Hz);3.86(s,3H);3.52-3.36(m,3H);3.17-2.98(m,2H);2.13-2.03(m,1H);2.02-1.84(m,3H);1.39(t,3H,J=7.0Hz)。13C-NMR(100MHz,MeOD;1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ:152.6,151.7,135.5,124.9(q,J=271.6Hz),119.3(q,J=31.0Hz),114.8,110.4(q,J=5.5Hz),66.5,56.7,45.2,35.3,28.8,24.0,15.1。
【0426】
MS:m/z304[M+H]+。
【0427】
化合物21および22の合成
【0428】
1-ブロモ-2,5-ジエトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン
【0429】
表題化合物を、2-ブロモ-4-エトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェノール(1.14mg、4.013mmol)から出発して、一般手順Jに従って調製した。表題化合物1.18mg(94%)を調製した。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ:7.20(s,1H),7.08(s,1H),4.07(qd,J=7.0,2.7Hz,4H)1.44(dt,J=14.8,7.0Hz,6H)。
【0430】
3-(2,5-ジエトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン
【0431】
表題化合物を、1-ブロモ-2,5-ジエトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.12mg、3.577mmol)から出発して、一般手順Eに従って調製した。表題化合物768mg(69%)を調製した。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ:8.78(s,1H),8.60(s,1H),7.90(dt,J=7.9,1.9Hz,1H),7.38(dd,J=7.9,4.9Hz,1H),7.18(s,1H),6.97(m,1H),4.12(q,J=7.0Hz,2H),4.01(q,J=7.0Hz,2H),1.43(t,J=7.0Hz,3H),1.32(t,J=6.9Hz,3H)。MS:m/z312[M+H]+
【0432】
(R)-3-(2,5-ジエトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(21)および(S)-3-(2,5-ジエトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(22)
【化29】
【0433】
表題化合物を、3-(2,5-ジエトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するter-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IG250×30mm、5μm;移動相:5%イソプロパノール/95%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物21):Rt7.03分(45mg、34%)、エナンチオマー2(化合物22):Rt8.69分(30mg、34%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的(quantative)収率で得た。この塩酸塩を、Thermo Scientific Dionex 3000 Diode Array Detector に接続されたThermo Scientific Dionex 3000 UltiMate機器を使用して、Phenomenex Lux 5 Amylose-2(250×4.6mm)キラルカラムと205、210、254nMおよび280nMのUV検出とによってさらに分析した。MP A:ヘプタン中0.1%ジエチルアミン(v/v)。MP B:EtOH中0.1%ジエチルアミン(v/v)。流速:正確な立体化学を確実にするために10% MP Bのアイソクラティックグラジエントを使用して10.0mL/分。エナンチオマー1(化合物22):Rt5.850、エナンチオマー2(化合物21):Rt6.490。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ:7.13(s,1H);7.05(s,1H);4.17-4.03(m,4H);3.54-3.38(m,3H);3.19-2.98(m,2H);2.15-2.03(m,1H);2.02-1.85(m,3H);1.44(t,3H,J=7.0Hz);1.39(t,3H,J=7.0Hz)。13C-NMR(100MHz,MeOD;1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ:152.5,151.0,135.6,125.0(q,J=271.6Hz),119.3(q,J=31.0Hz),114.8,111.5(q,J=5.4Hz),66.5,65.9,45.2,35.4,28.9,24.0,15.2,15.1。
【0434】
MS:m/z318[M+H]+。
【0435】
化合物23および24の合成
【0436】
3-(2,5-ジメトキシ-4-メチルフェニル)ピリジン
【0437】
表題化合物を、1-ブロモ-2,5-ジメトキシ-4-メチルベンゼン(277mg、1.20mmol)から出発して、一般手順Eに従って調製した。表題化合物263mg(95%)を調製した。
【0438】
1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.77(s,1H);8.54(d,J=4.8Hz,1H);7.87(dt,J=7.9,1.9Hz,1H);7.33(dd,J=7.9,4.8Hz,1H);6.84(s,1H);6.80(s,1H);3.83(s,3H);3.76(s,3H),2.28(s,3H)。MS:m/z230[M+H]+
【0439】
(R)-3-(2,5-ジメトキシ-4-メチルフェニル)ピペリジン塩酸塩(23)および(S)-3-(2,5-ジメトキシ-4-メチルフェニル)ピペリジン塩酸塩(24)
【化30】
【0440】
表題化合物を、3-(2,5-ジメトキシ-4-メチルフェニル)ピリジンから出発して、一般手順Iに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するter-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IG250×30mm、5μm;移動相:5%イソプロパノール/95%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物24):Rt9.38分(50mg、39%)、エナンチオマー2(化合物23):Rt12.84分(40mg、45%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的収率で得た。1H-NMR(400MHz,CD3OD)6.81(s,1H);6.76(s,1H);3.80(s,3H);3.79(s,3H);3.45-3.33(m,3H);3.10-2.97(m,2H);2.17(s,3H);2.10-2.02(m,1H);1.98-1.84(m,3H)。13C-NMR(100MHz,CD3OD,1つの信号がCD3ODと重複している)δ:153.4,152.0,127.6,127.5,115.2,110.9,56.6,56.5,45.2,35.3,29.1,24.1,16.2。
【0441】
MS:m/z336[M+H]+
【0442】
化合物25および26の合成
【0443】
(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)(イソプロピル)スルファン
【0444】
表題化合物を、1,4-ジブロモ-2,5-ジメトキシベンゼン(1.50mg、5.068mmol)から出発して、一般手順Nに従って調製した。表題化合物794mg(54%)を調製した。MS:m/z232[M+H]+
【0445】
3-(4-(イソプロピルチオ)-2,5-ジメトキシフェニル)ピリジン
【0446】
表題化合物を(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)(イソプロピル)スルファン(789mg、2.709mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物589mg(75%)を調製した。MS:m/z290[M+H]+
【0447】
(R)-3-(4-(イソプロピルチオ)-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(25)および(S)-3-(4-(イソプロピルチオ)-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン(26)
【化31】
【0448】
表題化合物を、3-(4-(イソプロピルチオ)-2,5-ジメトキシフェニル)ピリジン(590mg、2.039mmol)から出発して、一般手順Iに従って調製した。触媒の濾過および蒸発後に得られた物質を、移動相にMeOH/EtOAc(+5%Et3N)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。エナンチオマーを、Daicel Chiralpak IG250×30mm、5μm;移動相:15%イソプロパノール/85%ヘプタン(+0.1%ジエチルアミン);溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分において分離した。分析カラム:Chiralpak IG250×4.6mm、5μm;移動相:15%イソプロパノール/85%ヘプタン(+0.1%ジエチルアミン);溶出:アイソクラティック;検出:UV 210nM;流速:1mL/分。エナンチオマー1(化合物26):Rt13.01 分(41mg、7%)。エナンチオマー2(化合物25):Rt18.13分(40mg、7%)。両方のエナンチオマーを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩にさらに変換し、表題化合物を定量的収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ6.97(s,1H),6.85(s,1H),3.82(s,3H),3.81(s,3H),3.49(p,J=6.6Hz,1H),3.44-3.31(m,3H),3.12-2.96(m,2H),2.10-2.01(m,1H),1.99-1.82(m,3H),1.22(s,3H),1.21(s,3H)。13C-NMR(100 MHz,MeOD,1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ154.6,152.2,129.8,124.6,117.2,112.3,57.2,56.6,45.2,37.4,35.2,29.0,24.1,23.3。
【0449】
MS:m/z296[M+H]+。
【0450】
化合物27および28の合成
【0451】
(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)(エチル)スルファン
【0452】
表題化合物を、1,4-ジブロモ-2,5-ジメトキシベンゼン(1.50mg、5.068 mmol)から出発して、一般手順Nに従って調製した。表題化合物610mg(43%)を調製した。
【0453】
3-(4-(エチルチオ)-2,5-ジメトキシフェニル)ピリジン
【0454】
表題化合物を(4-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)(エチル)スルファン(589mg、2.125mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物407mg(69%)を調製した。MS:m/z276[M+H]+
【0455】
(R)-3-(2,5-ジメトキシ-4-(エチルチオ)フェニル)ピペリジン塩酸塩(27)および(S)-3-(2,5-ジメトキシ-4-(エルチオ)フェニル)ピペリジン塩酸塩(28)
【化32】
【0456】
表題化合物を、3-(2,5-ジメトキシ-4-(エチルチオ)フェニル)ピリジン(407mg、1.478mmol)から出発して、一般手順Iに従って調製した。触媒の濾過および蒸発後に得られた物質を、移動相にMeOH/EtOAc(+5%Et3N)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。エナンチオマーを、Daicel Chiralpak IG250×30mm、5μm;移動相:15%イソプロパノール/85%ヘプタン(+0.1%ジエチルアミン);溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分において分離した。分析カラム:Chiralpak IG250×4.6mm、5μm;移動相:150%イソプロパノール/85%ヘプタン(+0.1%ジエチルアミン);溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:1mL/分。エナンチオマー1(化合物28)のエナンチオマー:Rt14.92分(45mg、11%)。エナンチオマー2(化合物27):Rt19.30分(59mg、14%)。両方のエナンチオマーを、一般手順Lを使用して、定量的収率で対応する塩酸塩にさらに変換した。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ6.91(s,1H),6.83(s,1H),3.83(s,3H),3.83(s,3H),3.45-3.33(m,3H),3.12-2.97(m,2H),2.91(q,J=7.4Hz,2H),2.11-2.02(m,1H),1.99-1.82(m,3H),1.26(t,J=7.4Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD,1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ153.4,152.5,128.4,125.9,114.1,112.1,57.1,56.7,45.2,35.2,29.0,27.0,24.1,14.69。
【0457】
MS:m/z282[M+H]+
【0458】
化合物29および30の合成
【0459】
1-ブロモ-2-エトキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン
【0460】
表題化合物を、2-ブロモ-4-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェノール(700mg、2.583mmol)から出発して、一般手順Jに従って調製した。表題化合物767mg(99%)を調製した。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.21(s,1H),7.09(s,1H),4.05(q,J=6.0Hz),1.46(t,J=6.0Hz)。
3-(2-エトキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン
【0461】
表題化合物を、1-ブロモ-2-エトキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(755mg、2.52mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物540mg(72%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.78(dd,J=2.3,0.9Hz,1H),8.60(dd,J=4.8,1.7Hz,1H),7.89(ddd,J=7.9,2.3,1.7Hz,1H),7.36(ddd,J=7.9,4.9,0.9Hz,1H),7.19(s,1H),6.98(s,1H),4.01(q,J=7.0Hz,2H),3.90(s,3H),1.32(t,J=7.0Hz,3H)。MS:m/z298[M+H]+。
【0462】
(R)-3-(2-エトキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(29)および(S)-3-(2-エトキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(30)
【化33】
【0463】
表題化合物を、3-(2-エトキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するter-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IG250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物29):Rt8.65分(85mg、32%)、エナンチオマー2(化合物30):Rt9.43分(91mg、32%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的収率で得た。この塩酸塩を、Thermo Scientific Dionex3000 Diode Array Detectorに接続されたThermo Scientific Dionex3000UltiMate機器を使用して、Phenomenex Lux5Amylose-2(250×4.6mm)キラルカラムと205、210、254nMおよび280nMのUV検出とによってさらに分析した。MP A:ヘプタン中0.1%ジエチルアミン(v/v)。MP B:EtOH中0.1%ジエチルアミン(v/v)。流速:正確な立体化学を確実にするために10%MP Bのアイソクラティックグラジエントを使用して10.0mL/分。エナンチオマー1(化合物30):Rt 5.600、エナンチオマー2(化合物29):Rt6.31。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.14(s,1H),7.07(s,1H),4.08(q,J=7.0Hz,2H),3.88(s,3H),3.55-3.39(m,3H),3.17(t,J=12.3Hz,1H),3.11-2.98(m,1H),2.14-2.03(m,1H),2.02-1.86(m,3H),1.44(t,J=7.0Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD;1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ153.1,151.0,135.8,124.9(q,J=271.5Hz),118.8(q,J=31.0Hz),113.6,111.7(q,J=5.4Hz),65.9,57.2,45.2,35.4,28.9,24.0,15.2。
【0464】
MS:m/z304[M+H]+。
【0465】
化合物31および32の合成
【0466】
2-ブロモ-5-エチル-4-メトキシフェノール
【0467】
表題化合物を、公知の3-エチル-4-メトキシフェノール(2.083g、13.687mmol)から出発して、一般手順Gに従って調製した。表題化合物1.810g(57%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:6.88(s,1H),6.84(s,1H),3.76(s,3H),2.55(q,J=6.1Hz,2H),1.16(t,J=6.1Hz,1H)。
【0468】
1-ブロモ-4-エチル-2,5-ジメトキシベンゼン
【0469】
表題化合物を、2-ブロモ-5-エチル-4-メトキシフェノール(1.46g,6.318mmol)から出発して、一般手順Hに従って調製した。表題化合物400g(26%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.04(s,1H),6.78(s,1H),3.88(s,3H),3.81(s,3H),2.62(q,J=6.1Hz,2H),1.21(t,J=6.1Hz,3H)。
【0470】
3-(4-エチル-2,5-ジメトキシフェニル)ピリジン
【0471】
表題化合物を、1-ブロモ-4-エチル-2,5-ジメトキシベンゼン(400mg、1.632mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物163mg(41%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.78(s,1H);8.55(s,1H);7.87(d,J=8.0Hz,1H);7.39-7.28(m,1H);6.85(s,1H);6.82(s,1H);3.83(s,3H);3.77(s,3H);2.69(q,J=7.5Hz,2H);1.24(t,J=7.5Hz,3H)。MS:m/z244[M+H]+
【0472】
(R)-3-(4-エチル-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン塩酸塩(31)および(S)-3-(4-エチル-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン塩酸塩(32)
【化34】
【0473】
表題化合物を、3-(4-エチル-2,5-ジメトキシフェニル)ピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するter-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IG250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物32):Rt11.35分(32mg、49%mg)、エナンチオマー2(化合物31):Rt14.10分(32mg、49%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的(quantative)収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ6.80(s,1H),6.78(s,1H),3.81(s,3H),3.79(s,3H),3.46-3.33(m,3H),3.12-2.97(m,2H),2.60(q,J=7.5Hz,2H),2.11-2.01(m,1H),1.98-1.83(m,3H),1.15(t,J=7.5Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD;1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ153.0,152.2,133.7,127.7,113.8,111.3,56.6,56.5,45.2,35.3,29.1,24.4,24.1,14.9。
【0474】
MS:m/z250[M+H]+
【0475】
化合物33および34の合成
【0476】
2-ブロモ-4-エトキシ-5-エチルフェノール
【0477】
表題化合物を、公知の3-エチル-4-エトキシフェノール(1.96g、11.792mmol)から出発して、一般手順Gに従って調製した。表題化合物930mg(32%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:6.88(s,1H),6.84(s,1H),3.94(q,J=6.4Hz,2H),2.57(q,J=6.3Hz,2H),1.39(t,J=6.4Hz,3H),1.16(t,J=6.3Hz,3H)。
【0478】
1-ブロモ-5-エトキシ-4-エチル-2-メトキシベンゼン
【0479】
表題化合物を、2-ブロモ-4-エトキシ-5-エチルフェノール(950mg、3.876mmol)から出発して、一般手順Hに従って調製した。表題化合物860 g(86%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.00(s,1H),6.75(s,1H),3.97(q,J=6.3Hz,2H),3.85(s,3H)2.60(q,J=6.2Hz,2H),1.39(t,J=6.3Hz,3H),1.18(t,J=6.2Hz,3H)。
【0480】
3-(5-エトキシ-4-エチル-2-メトキシフェニル)ピリジン
【0481】
表題化合物を、1-ブロモ-5-エトキシ-4-エチル-2-メトキシベンゼン(860mg、3.139mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物380mg(44%)を調製した。
【0482】
1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.76(d,J=1.8Hz,1H);8.53(dd,J=4.9,1.7Hz,1H);7.86(ddd,J=7.9,2.3,1.6Hz,1H);7.31(ddd,J=7.9,4.8,0.9Hz,1H);6.84(s,1H);6.81(s,1H);4.03(q,J=7.0Hz,2H);3.77(s,3H);2.70(q,J=7.5Hz,2H);1.42(t,J=7.0Hz,3H);1.25(t,J=7.5Hz,3H)。MS:m/z258[M+H]+
【0483】
(R)-3-(5-エトキシ-4-エチル-2-メトキシフェニル)ピペリジン塩酸塩(33)および(S)-3-(5-エトキシ-4-エチル-2-メトキシフェニル)ピペリジン塩酸塩(34)
【化35】
【0484】
表題化合物を、3-(5-エトキシ-4-エチル-2-メトキシフェニル)ピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するter-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IG 250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物34):Rt10.06分(22mg、13%)、エナンチオマー2(化合物33):Rt14.35分(20mg、11%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的(quantative)収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ6.79(s,1H),6.77(s,1H),4.00(q,J=7.0Hz,2H),3.80(s,3H),3.45-3.32(m,3H),3.10-2.97(m,2H),2.61(q,J=7.5Hz,2H),2.10-1.99(m,1H),1.97-1.84(m,3H),1.38(t,J=7.0Hz,3H),1.16(t,J=7.5Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD)δ152.2,152.2,134.1,127.7,113.7,112.8,65.7,56.5,49.4,45.2,35.2,29.2,24.4,24.1,15.4,15.0。
【0485】
MS:m/z264[M+H]+
【0486】
化合物35の合成
【0487】
3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-メチルピリジン
【0488】
表題化合物を、1-ブロモ-2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(500mg、1.75mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物521mg(99%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.54(dd,J=5.0,1.8Hz,1H);7.47(dd,J=7.6,1.8Hz,1H);7.20(ddd,J=7.6,4.9,0.7Hz,1H);7.17(s,1H);6.82(s,1H);3.87(s,3H);3.76(s,3H);2.38(s,3H)。
【0489】
MS:m/z298[M+H]+
【0490】
3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-メチルピペリジン塩酸塩(35)
【化36】
【0491】
表題化合物を、3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-メチルピリジン(515mg、1.732mmol)から出発して、一般手順Iに従って調製した。表題化合物を、分取HPLC:Xbridge Peptide BEH C18 250×19mm、10μm;移動相:H2O/MeOH+0.1% HCOOH;溶出:勾配30%~50%MeOH(+0.1% HCOOH)、45分;検出:UV 210nM;流速:20mL/分で精製した。単一のジアステレオマーを得た。少量の画分を廃棄した。生成物を含む画分を蒸発させた。NaHCO3水溶液(50mL)およびEt2O(50mL)を残渣に添加し、Et2O層を分離し、水相をEt2O(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、蒸発させた。残渣をEt2Oに溶解し、エーテル性HCl(2M、2mL)で処理した。得られた懸濁液を遠心分離した。上清を廃棄し、固体をエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥させた。表題化合物83mg(14%)を調製した。単離されたジアステレオマーの相対立体化学(すなわち、シスまたはトランスのいずれか)は解明されなかった。ジアステレオマーのエナンチオマーを分離することはできなかった。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.16(s,1H),6.97(s,1H),4.07-3.97(m,1H),3.88(s,3H),3.88(s,3H),3.66(dt,J=13.2,3.7Hz,1H),3.25-3.18(m,2H),2.31(qd,J=13.1,J=3.8Hz,1H),2.16-2.08(m,1H),1.96-1.84(m,1H),1.82-1.75(m,1H),1.11(d,J=7.1Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD)δ153.0,151.7,134.8,124.9(q,J=271.5Hz,118.9(q,J=31.1Hz),114.3,110.2(q,J=5.4Hz),57.2,56.6,51.3,38.9,38.4,24.0,21.7,10.3。
【0492】
MS:m/z304[M+H]+。
【0493】
化合物36の合成
【0494】
3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチルピリジン
【0495】
表題化合物を、1-ブロモ-2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(500mg、1.75mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物308mg(59%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.55(s,1H);8.44(s,1H);7.66(s,1H);7.19(s,1H);6.95(s,1H);3.90(s,3H);3.80(s,3H);2.41(s,3H)。MS:m/z298[M+H]+
【0496】
シスまたはトランス3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチルピペリジン塩酸塩(36)
【化37】
【0497】
表題化合物を、3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチルピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。ジアステレオマーを、一般手順Kを用いて対応するter-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IG250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。単一のジアステレオマーを単離した。ジアステレオマー1:Rt19.07分(17mg、11%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的収率で得た。単離されたジアステレオマーの相対立体化学(すなわち、シスまたはトランスのいずれか)は解明されなかった。ジアステレオマーのエナンチオマーを分離することはできなかった。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ:7.16(s,1H),7.07(s,1H),3.88(s,3H),3.86(s,3H),3.52(tt,J=12.4,3.5Hz,1H),3.44-3.34(m,2H),3.06(t,J=12.3Hz,1H),2.70(t,J=12.3Hz,1H),2.09-1.95(m,2H),1.64(q,J=12.4Hz,1H),1.08(d,J=6.6Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD)δ:153.2,151.7,135.3,124.9(q,J=271.5Hz),118.8(q,J=31.0Hz),113.6,110.6(q,J=5.4Hz),57.1,56.7,50.7,48.2,37.4,35.1,30.6,18.9。
【0498】
MS:m/z304[M+H]+。
【0499】
化合物37および38の合成
【0500】
5-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-メチルピリジン
【0501】
表題化合物を、1-ブロモ-2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(500mg、1.75mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物335mg(64%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.64(dd,J=2.3,0.8Hz,1H),7.76(dd,J=8.0,2.3Hz,1H),7.23(d,J=8.0Hz,1H),7.18(s,1H),6.96(s,1H),3.90(s,3H),3.80(s,3H),2.62(s,3H)。MS:m/z298[M+H]+
【0502】
5-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-メチルピペリジン
【0503】
表題化合物を、5-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-メチルピリジン(335mg、1.127mmol)から出発して、一般手順Iに従って調製した。表題化合物315mg(92%)を調製した。MS:m/z304[M+H]+
【0504】
シスおよびトランス5-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-メチルピペリジン塩酸塩
【化38】
【0505】
Boc保護を、5-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-メチルピペリジン(181mg、0.597mmol)から出発して、一般手順Kに従って行った。表題化合物213mg(88%)を調製した。Boc保護ジアステレオマーを、Daicel Chiralpak IF250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分で分離した。2つの画分を単離した。Boc-ジアステレオマー1:Rt8.89(69mg、31%)およびBoc-ジアステレオマー2:Rt 16.99(65mg、30%)。Boc-ジアステレオマー1を、tert-ブチル5-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(Boc-ジアステレオマー1、69mg、0.171mmol)から出発して、一般手順Lに従って脱保護した。表題化合物32mg(55%)を調製した。相対立体化学はさらには解明されなかった。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.16(s,1H),7.11(s,1H),3.90(s,3H),3.88(s,3H),3.82-3.75(m,1H),3.44-3.35(m,2H),3.27-3.18(m,1H),2.24-2.05(m,2H),1.95-1.92(m,1H),1.85-1.78(m,1H),1.50(d,J=7.0Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD)δ153.2,151.8,135.4,124.9(q,J=271.5Hz),118.8(q,J=31.0Hz),114.1,110.59(q,J=5.4Hz),57.2,56.6,49.2,42.6,36.2,28.9,23.2,14.6。
【0506】
MS:m/z304[M+H]+
【0507】
Boc-ジアステレオマー2を、tert-ブチル5-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(Boc-ジアステレオマー2、65mg、0.161mmol)から出発して一般手順Lに従って脱保護した。表題化合物27mg(50%)を調製した。単離されたジアステレオマーの相対立体化学はさらには解明されなかった。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ8.72(s,1H),8.67(s,1H),5.46(s,3H),5.44(s,3H),5.38-5.30(m,1H),5.01-4.90(m,2H),4.83-4.73(m,1H),3.80-3.60(m,2H),3.51-3.44(m,1H),3.41-3.34(m,1H),3.06(d,J=7.0Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD)δ153.2,151.8,135.4,124.9(q,J=271.5Hz),118.90(q,J=31.1Hz),114.1,110.6(q,J=5.4Hz),57.2,56.6,49.2,42.6,36.2,28.9,23.2,14.6。
【0508】
MS:m/z304[M+H]+。
【0509】
化合物39の合成
【0510】
1-ブロモ-2-(フルオロメトキシ)-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン
【0511】
撹拌棒を装備し、アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥丸底フラスコに、2-ブロモ-4-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェノール(700mg、2.583 mmol)およびMeCN(4mL)を装入した。Cs2CO3(1.262g、3.874mmol)を添加し、フラスコを密封した後、セプタムを通して注射器でICH2F(0.186mL、2.767mmol)を添加した。得られた混合物を周囲温度で一晩撹拌した。完了したら、反応混合物をH2O(20mL)中に注ぎ入れ、Et2O(3×20mL)中に抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、蒸発させた。残渣を、石油エーテル/EtOAcの移動相を使用して、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。表題化合物604mg(77%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.40(s,1H),7.22(s,1H),5.67(d,J=54.1Hz,2H),3.89(s,3H)。
【0512】
3-(2-(フルオロメトキシ)-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン
【0513】
表題化合物を、1-ブロモ-2-(フルオロメトキシ)-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(604mg、1.993mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物517mg(86%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.74(s,1H);8.64(s,1H);7.86(dt,J=7.9,1.9Hz,1H);7.48(s,1H);7.40(dd,J=7.9,4.8Hz,1H);6.98(s,1H);5.58(d,J=54.2Hz,2H);3.93(s,3H)。MS:m/z302[M+H]+
【0514】
(S)-3-(2-(フルオロメトキシ)-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン(39)
【化39】
【0515】
表題化合物を、3-(2-(フルオロメトキシ)-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するtert-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IG250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。単一のエナンチオマーのみを単離した。エナンチオマー1:Rt16.17分(30mg、33%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.40(s,1H),7.14(s,1H),5.78(d,J=54.3Hz,2H),3.93(s,3H),3.59-3.39(m,3H),3.25-3.03(m,2H),2.13-1.88(m,4H)。13C-NMR(100MHz,MeOD,1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ155.3,148.6,137.9,124.5(q,J=271.6Hz),119.3(q,J=31.5Hz),116.2(q,J=5.2Hz),113.1,103.4,(d,J=218.3Hz),57.1,45.1,35.1,29.1,23.9。
【0516】
MS:m/z308[M+H]+。
【0517】
化合物40および41の合成
【0518】
1-ブロモ-2,5-ジエトキシ-4-エチルベンゼン
【0519】
表題化合物を、2-ブロモ-5-エチル-4-エトキシフェノール(930mg、3.794mmol)から出発して、一般手順Jに従って調製した。表題化合物407mg(39%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:6.99(s,1H),6.75(s,1H),4.10-3.90(m,4H),2.58(q,J=7.5Hz,2H),1.47-1.32(m,6H),1.17(t,J=7.5Hz,3H)。
【0520】
3-(2,5-ジエトキシ-4-エチルフェニル)ピリジン
【0521】
表題化合物を、1-ブロモ-2,5-ジエトキシ-4-エチルベンゼン(407mg、1.490mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物287mg(71%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.81-8.76(m,1H);8.55-8.49(m,1H);7.90(ddd,J=8.0,2.3,1.7Hz,1H);7.32(ddd,J=7.8,4.8,0.8Hz,1H);6.84(s,1H);6.81(s,1H);4.03(q,J=7.0Hz,2H);3.97(q,J=6.9Hz,2H);2.68(q,J=7.5Hz,2H);1.41(t,J=7.0Hz,3H);1.36-1.21(m,6H)。MS:m/z272[M+H]+
【0522】
(R)-3-(2,5-ジエトキシ-4-エチルフェニル)ピペリジン塩酸塩(40)および(R)-3-(2,5-ジエトキシ-4-エチルフェニル)ピペリジン塩酸塩(41)
【化40】
【0523】
表題化合物を、3-(2,5-ジエトキシ-4-エチルフェニル)ピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するter-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IC250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物41):Rt8.04分(49mg、31%)、エナンチオマー2(化合物40):Rt10.06分(30mg、18%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的(quantative)収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ6.78(s,1H),6.76(s,1H),4.06-3.97(m,4H),3.43-3.36(m,3H),3.10-2.98(m,2H),2.59(q,J=7.5Hz,2H),2.07-2.05(m,1H),1.94-1.85(m,3H),1.39(dt,J=12.4,7.0Hz,6H),1.15(t,J=7.5Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD;1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ152.3,151.5,134.1,127.9,114.9,112.6,65.7,65.5,45.2,35.3,29.2,24.4,24.1,15.4,15.0。
【0524】
MS:m/z278[M+H]+
【0525】
化合物42および43の合成
【0526】
1-ブロモ-2-エトキシ-4-エチル-5-メトキシベンゼン
【0527】
表題化合物を、2-ブロモ-5-エチル-4-メトキシフェノール(1.00g、4.327mmol)から出発して、一般手順Jに従って調製した。表題化合物813mg(72%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.00(s,1H),6.76(s,1H),4.05(q,J=6.4Hz,2H),3.78(s,3H),2.57(q,J=6.1Hz,2H),1.43(t,J=6.4Hz,3H),1.16(q,J=6.1Hz,3H)。
【0528】
3-(2-エトキシ-4-エチル-5-メトキシフェニル)ピリジン
【0529】
表題化合物を、1-ブロモ-2-エトキシ-4-エチル-5-メトキシベンゼン(813mg、3.134mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物543mg(67%)を調製した。
【0530】
1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.80(s,1H);8.53(d,J=4.1Hz,1H);7.91(dt,J=7.9,1.8Hz,1H);7.33(dd,J=7.9,4.8Hz,1H);6.85(s,1H);6.82(s,1H);3.98(q,J=7.0Hz,2H);3.83(s,3H);2.67(q,J=7.5Hz,2H);1.30(t,J=7.0Hz,3H);1.23(t,J=7.5Hz,3H)。MS:m/z258[M+H]+。
【0531】
(R)-3-(2-エトキシ-4-エチル-5-メトキシフェニル)ピペリジン(42)および(S)-3-(2-エトキシ-4-エチル-5-メトキシフェニル)ピペリジン(43)
【化41】
【0532】
表題化合物を、3-(2-エトキシ-4-エチル-5-メトキシフェニル)ピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するtert-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IC250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物43):Rt8.99分(50mg、34%)、エナンチオマー2(化合物42):Rt11.48分(49mg、36%).カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的収率で得た。1H-NMR(300MHz,MeOD)δ6.81(s,1H),6.79(s,1H),4.05(q,J=7.0,2H),3.81(s,3H),3.46-3.36(m,3H),3.14-3.00(m,2H),2.60(q,J=7.5,2H),2.12-2.06(m,1H),1.99-1.89(m,3H),1.43(t,J=7.0,3H),1.16(t,J=7.5,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD;1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ153.0,151.5,133.7,128.0,115.0,111.2,66.5,56.6,45.2,35.3,29.2,24.3,24.1,15.4,15.0。
【0533】
MS:m/z264[M+H]+。
【0534】
化合物44および45の合成
【0535】
2-ブロモ-4-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0536】
表題化合物を、市販の4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノール(8.00g、44.420mmol)から出発して、一般手順Gに従って調製した。表題化合物5.15g(45%)を調製した。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.36(d,J=6.0Hz,1H),7.24(d,J=6.0Hz,1H)。MS:m/z260[M+H]+。
【0537】
1-ブロモ-5-フルオロ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン
【0538】
表題化合物を、2-ブロモ-4-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノール(8.67g、33.483mmol)から出発して、一般手順Hに従って調製した。表題化合物6.10g(67%)を調製した。
【0539】
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.45(d,J=8.0Hz,1H),7.04(d,J=8.0Hz,1H),3.92(s,3H)。MS:m/z274[M+H]+
【0540】
3-(5-フルオロ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン
【0541】
表題化合物を、1-ブロモ-5-フルオロ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(2.00g、7.325mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物1.51g(76%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.75(d,J=2.2Hz,1H);8.62(d,J=4.6Hz,1H);7.84(dt,J=7.9,1.9Hz,1H);7.37(dd,J=7.9,4.9Hz,1H);7.19(d,J=10.3Hz,1H);7.14(d,J=5.7Hz,1H);3.85(s,3H)。MS:m/z272[M+H]+
【0542】
3-(2-メトキシ-5-(メチルチオ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン
【0543】
表題化合物を、3-(5-フルオロ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン(700mg、2.581mmol)から出発して、一般手順Oに従って調製した。表題化合物515mg(67%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ8.76(s,1H),8.62(s,1H),7.86(dt,J=7.9,1.9Hz,1H),7.42(s,1H),7.38(dd,J=7.7,4.9Hz,1H),7.27(s,1H),3.86(s,3H),2.50(s,3H)。MS:m/z300[M+H]+
【0544】
(R)-3-(2-メトキシ-5-(メチルチオ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(44)および(S)-3-(2-メトキシ-5-(メチルチオ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(45)
【化42】
【0545】
表題化合物を、3-(2-メトキシ-5-(メチルチオ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するtert-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IF250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物45):Rt7.94分(90mg、14%)、エナンチオマー2(化合物44):Rt9.71分(88mg、14%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的(quantative)収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.46(s,1H),7.26(s,1H),3.92(s,3H),3.51-3.42(m,3H),3.18-3.04(m,2H),2.50(s,3H),2.11-2.06(m,1H),2.00-1.89(m,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD;1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ156.7,134.8,131.8,130.8(q,J=30.4Hz),130.1,125.1(q,J=273.1Hz),110.4(q,J=6.0Hz),56.5,45.2,35.2,28.7,24.0,18.4。
【0546】
MS:m/z306[M+H]+。
【0547】
化合物46および47の合成
【0548】
3-(2-メトキシ-5-(エチルチオ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン
【0549】
表題化合物を、3-(5-フルオロ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン(700mg、2.581mmol)から出発して、一般手順Oに従って調製した。表題化合物460mg(57%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ8.75(dd,J=2.3,0.9Hz,1H),8.61(dd,J=4.8,1.7Hz,1H),7.84(ddd,J=7.9,2.3,1.7Hz,1H),7.51(d,J=0.9Hz,1H),7.37(ddd,J=7.9,4.9,0.9Hz,1H),7.28(s,1H),3.87(s,3H),2.93(q,J=7.4Hz,2H),1.29(t,J=7.4Hz,3H)。MS:m/z314[M+H]+。
【0550】
(R)-3-(2-メトキシ-5-(エチルチオ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(46)および(S)-3-(2-メトキシ-5-(エチルチオ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(47)
【化43】
【0551】
表題化合物を、3-(2-メトキシ-5-(エチルチオ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するtert-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IG250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物47):Rt9.59分(90mg、9%)、エナンチオマー2(化合物46):Rt11.09分(98mg、10)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.46(s,1H),7.20(s,1H),3.86(s,3H),3.44-3.36(m,3H),3.10-2.98(m,2H),2.88(q,J=7.3Hz,2H),2.03-2.01(m,1H),1.92-1.84(m,3H),1.17(t,J=7.3Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD;1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ157.2,134.6,134.5,132.6(q,J=29.9Hz),127.8,125.0(q,J=273.0Hz),110.3(q,J=5.8Hz),56.5,45.1,35.0,30.8,28.8,23.9,14.6。
【0552】
MS:m/z320[M+H]+。
【0553】
化合物48および49の合成
【0554】
3-(3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン
【0555】
表題化合物を、4-ブロモ-2-メトキシ-1-(トリフルオロメチル)ベンゼン(500mg、1.96mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物391mg(79%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.86(s,1H);8.66(d,J=4.7Hz,1H);7.90(d,J=7.9Hz,1H);7.67(d,J=8.0Hz,1H);7.43(dd,J=7.9,4.8Hz,1H);7.20(d,J=8.1Hz,1H);7.16(s,1H);3.99(s,3H)。MS:m/z254[M+H]+。
【0556】
(R)-3-(3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(48)および(S)-3-(3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(49)
【化44】
【0557】
表題化合物を、3-(3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジンから出発して、一般手順Iに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するtert-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IF250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物49):Rt10.15分(131mg、49%)、エナンチオマー2(化合物48):Rt13.22分(122mg、45%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.54(d,J=8.0Hz,1H),7.13(s,1H),7.00(d,J=8.0Hz,1H),3.93(s,3H),3.47-3.43(m,2H),3.19(t,J=12.1Hz,1H),3.15-3.07(m,2H),2.11-2.06(m,2H),1.99-1.82(m,2H)。13C-NMR(100MHz,MeOD;1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ159.3,148.9,128.4(q,J=5.3Hz),125.1(q,J=271.3Hz),119.7,118.8(q,J=31.1 Hz),112.5,56.6,45.0,41.6,30.6,23.8。
【0558】
MS:m/z260[M+H]+
【0559】
化合物50および51の合成
【0560】
(R)-3-(5-フルオロ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(50)および(S)-3-(5-フルオロ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(51)
【化45】
【0561】
表題化合物を、3-(5-フルオロ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジンから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するtert-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IC250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV 210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物51):Rt9.38分(36mg、23%mg)、エナンチオマー2(化合物50):Rt 18.16分(38、20%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.29(d,J=11.2Hz,1H),7.21(d,J=5.8Hz,1H),3.92(s,3H),3.54-3.43(m,3H),3.10-3.01(m,2H),2.11-2.07(m,1H),2.04-1.81(m,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD;1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ155.2(d,J=247.6Hz),154.5,137.0(d,J=7.4Hz),124.0(q,J=271.3Hz),118.0(td,J=33.1,13.5Hz),117.3(d,J=23.6Hz),109.7(d,J=5.1Hz),56.9,45.1,34.9,28.7,23.8。
【0562】
MS:m/z278[M+H]+。
【0563】
化合物52および53の合成
【0564】
3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン
【0565】
表題化合物を、1-ブロモ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(500mg、1.960 mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物392mg(79%)を調製した。MS:m/z254[M+H]+
【0566】
(R)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(52)および(S)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(53)
【化46】
【0567】
表題化合物を、3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジンから出発して、一般手順Iに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するtert-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IG 250×30mm、5μm;移動相:5%イソプロパノール/95%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1(化合物53):Rt9.11分(22mg、31%)、エナンチオマー2(化合物52):Rt10.31分(19mg、32%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.44(d,J=7.9Hz,1H),7.27(d,J=8.0Hz,1H),7.24(s,1H),3.94(s,3H),3.54-3.42(m,3H),3.12-3.02(m,2H),2.12-2.05(m,1H),2.01-1.88(m,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD;1つのシグナルがCD3ODと重複している)δ158.7,134.5,131.8(q,J=32.3Hz),128.9,125.5(q,J=271.4Hz),118.7(q,J=4.0Hz),108.5(q,J=3.7Hz),56.4,45.2,35.0,28.9,24.0。
【0568】
MS:m/z260[M+H]+
【0569】
化合物54および55の合成
【0570】
1-ブロモ-2-シクロプロポキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン
【0571】
アルゴンをバックフィルした火炎乾燥マイクロ波バイアルに、2-ブロモ-4-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェノール(1.00g、3.690mmol)、Cs2CO3(3.606g、11.069mmol)、NaI(55mg、0.369mmol、0.1当量)、ブロモシクロプロパン(1.178mL、1.785g、14.758mmol)および乾燥DMF(6mL)を装入した。反応物を150℃で10時間加熱した。完了したら、反応物を周囲温度まで冷却し、NH4Cl 飽和水溶液に注ぎ入れ、NH4Clを添加し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、蒸発させた。残渣を、石油エーテル/EtOAc移動相を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。表題化合物590mg(51%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ7.43(s,1H),7.20(s,1H),3.86(s,3H),3.83-3.75(m,1H),0.86-0.81(m,4H)。
【0572】
tert-ブチル5-(2-シクロプロポキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【0573】
アルゴンガスをバックフィルした火炎乾燥マイクロ波バイアルに、グローブボックス内でtert-ブチル5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(1.173g、3.793mmol)、Pd(dppf)Cl2*DCM(77mg、0.095mmol、5mol%)、K2CO3(524mg、3.793mmol)および1-ブロモ-2-シクロプロポキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(590mg、1.896mmol)を装入し、密封した。脱気したH2O(3.5mL)およびジオキサン(7mL)を添加し、得られた混合物をマイクロ波照射を用いて100℃で16時間加熱し、次いで、周囲温度に冷却した。反応混合物をシリカパッドを通して濾過し、EtOAcでさらに溶出して、真空中で蒸発させた。残渣を、H2O/MeOH移動相を用いて、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。表題化合物735mg(89%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ7.40(s,1H),6.81(s,1H),5.94-5.83(m,1H),4.13(brs,2H),3.87(s,3H),3.76-3.68(m,1H),3.55(t,J=5.8Hz,2H),2.34-2.25(m,2H),1.48(s,9H),0.82-0.72(m,4H)。MS:m/z414[M+H]+
【0574】
tert-ブチル3-(2-シクロプロポキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0575】
撹拌棒を備えた丸底フラスコに、tert-ブチル5-(2-シクロプロポキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(230mg、0.556mmol、1当量)およびEtOH(7 mL)を装入し、次いで、10%Pd/C(59mg、0.056mmol、10mol%)を添加した。フラスコを排気し、H2を8回バックフィルし、次いで、H2雰囲気下で16時間撹拌した。完了したら、触媒を濾別し、揮発性物質を真空中で蒸発させた。残渣を分取で精製した。HPLC:Xbridge Peptide BEH C18 250×19mm、10μm;移動相:H2O/MeCN+0.1%AcOH;溶出:勾配20%~80%MeCN(+0.1%AcOH)、1時間;検出:UV210nM;流速:20mL/分。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ7.40(s,1H),6.82(s,1H),4.22-3.98(m,2H),3.86(s,3H),3.78-3.68(m,1H),3.07-2.94(m,1H),2.86-2.63(m,2H),1.97-1.86(m,1H),1.79-1.52(m,3H),1.46(s,9H),0.87-0.69(m,4H)。MS:m/z416[M+H]+
【0576】
(R)-3-(2-シクロプロポキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(54)および(S)-3-(2-シクロプロポキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩(55)
【化47】
【0577】
表題化合物を、3-(2-シクロプロポキシ-5-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-1-カルボキシレートから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、Daicel Chiralpak IF250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV 210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。化合物55:Rt7.74分(35mg、53%)。化合物54:Rt9.85分(36mg、53%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させ、表題化合物を定量的収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.49(s,1H),7.07(s,1H),3.88(s,3H),3.87-3.82(m,1H),3.47-3.34(m,3H),3.17-3.00(m,2H),2.12-2.02(m,1H),1.99-1.83(m,3H),0.88-0.72(m,4H)。13CNMR(100MHz,MeOD)δ153.4,150.9,135.3,124.9(q,J=271.6Hz),118.8(q,J=31.0Hz),113.5,112.4(q,J=5.3Hz),57.2,52.5,48.7,45.2,35.3,28.8,23.9,6.8。
【0578】
MS:m/z316[M+H]+
【0579】
化合物56および57の合成
【0580】
2-ブロモ-5-ブチル-4-メトキシフェノール
【0581】
表題化合物を、公知の3-ブチル-4-メトキシフェノール(1.15g、6.380mmol)から出発して、一般手順Gに従って調製した。表題化合物934mg(56%)を調製した。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ6.88(s,1H),6.82(s,1H),3.76(s,3H),2.53(t,J=10.0Hz,2H),1.58-1.47(m,2H),1.34(dd,J=15.1,7.3Hz,2H),0.91(t,J=8.0Hz,3H)。
【0582】
1-ブロモ-4-ブチル-2,5-ジメトキシベンゼン
【0583】
表題化合物を、2-ブロモ-5-ブチル-4-メトキシフェノール(934mg、3.604mmol)から出発して、一般手順Hに従って調製した。表題化合物343g(35%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ7.01(s,1H),6.73(s,1H),3.84(s,3H),3.77(s,3H),2.59-2.53(m,2H),1.59-1.49(m,2H),1.36(dd,J=15.3,7.2Hz,2H),0.93(t,J=7.3Hz,3H)。
【0584】
3-(4-ブチル-2,5-ジメトキシフェニル)ピリジン
【0585】
表題化合物を、1-ブロモ-4-ブチル-2,5-ジメトキシベンゼン(340mg、1.245mmol)から出発して、一般手順Fに従って調製した。表題化合物308mg(91%)を調製した。1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.78(s,1H);8.54(d,J=4.0Hz,1H);7.92(d,J=7.9Hz,1H);7.36(dd,J=7.9,4.9Hz,1H);6.82(s,1H);6.81(s,1H);3.82(s,3H);3.77(s,3H);2.69-2.60(m,2H);1.67-1.54(m,2H);1.48-1.33(m,2H);0.96(t,J=7.3Hz,3H)。MS:m/z272[M+H]+
【0586】
(R)-3-(4-ブチル-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン塩酸塩(56)および(S)-3-(4-ブチル-2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン塩酸塩(57)
【化48】
【0587】
表題化合物を、3-(4-ブチル2,5-ジメトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレートから出発して、一般手順Lに従って調製した。エナンチオマーを、一般手順Kを用いて対応するtert-ブチルカルボキシレートに変換し、Daicel Chiralpak IF 250×30mm、5μm;移動相:2%イソプロパノール/98%ヘプタン;溶出:アイソクラティック;検出:UV210nM;流速:40mL/分を使用して分離した。エナンチオマー1:Rt8.08分(90、48%mg)、エナンチオマー2:Rt11.15分(100mg、52%)。カルボキシレートを、一般手順Lを使用して対応する塩酸塩として遊離させた。表題化合物を定量的収率で得た。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ6.78(s,2H),3.80(s,3H),3.79(s,3H),3.45-3.34(m,3H),3.10-2.99(m,2H),2.60-2.55(m,2H),2.10-2.04(m,1H),1.97-1.85(m,3H),1.57-1.49(m,2H),1.38-1.29(m,2H),0.93(t,J=7.3Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD)δ153.1,152.0,132.3,127.7,114.4,111.3,56.6,56.5,45.2,35.2,33.5,30.9,24.1,23.6,14.3。
【0588】
MS:m/z278[M+H]+。
【0589】
(R)-3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-エチルピペリジン(58)
【化49】
【0590】
表題化合物を、3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩 エナンチオマー2(60mg、0.184mmol)およびアセトアルデヒドから出発して、一般手順Mに従って調製した。表題化合物54mg(92%)を調製した。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.16(s,1H),7.10(s,1H),3.89(s,3H),3.87(s,3H),3.68-3.52(m,3H),3.23(q,J=7.3Hz,2H),3.17(t,J=12.3Hz,1H),3.01(t,J=12.5Hz,1H),2.19-2.10(m,1H),2.05-1.88(m,3H),1.38(t,J=7.3Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD)δ153.2,151.7,135.2,124.9(q,J=271.6Hz),118.9(q,J=31.1Hz),113.8,110.7(q,J=5.3Hz),57.2,56.8,56.6,53.7,53.2,36.0,28.6,24.5,9.6。
【0591】
MS(m/z):318[M+H]+。
【0592】
(S)-3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-エチルピペリジン(59)
【化50】
【0593】
表題化合物を、3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩 エナンチオマー1(60mg、0.184mmol)およびアセトアルデヒドから出発して、一般手順Mに従って調製した。表題化合物57mg(97%)を調製した。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.16(s,1H),7.10(s,1H),3.89(s,3H),3.87(s,3H),3.67-3.52(m,3H),3.23(q,J=7.3Hz,2H),3.16(t,J=12.4Hz,1H),3.01(t,J=12.4Hz,1H),2.19-2.10(m,1H),2.04-1.89(m,3H),1.38(t,J=7.3Hz,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD)δ153.2,151.7,135.1,124.9(q,J=271.5Hz),118.9(q,J=31.1Hz),113.8,110.7(q,J=5.3Hz),57.2,56.8,56.6,53.7,53.2,36.0,28.6,24.5,9.6。
【0594】
MS(m/z):318[M+H]+。
【0595】
(R)3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-メチルピペリジン(60)
【化51】
【0596】
表題化合物を、3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩 エナンチオマー2(34mg,0.104mmol)およびホルマリンから出発して、一般手順Mに従って調製し、表題化合物27mg(85%)を調製した。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.17(s,1H),7.07(s,1H),3.89(s,3H),3.87(s,3H),3.61-3.47(m,3H),3.20(t,J=12.8Hz,1H),3.06(t,J=12.3Hz,1H),2.92(s,3H),2.18-2.08(m,1H),2.02-1.83(m,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD)δ153.2,151.7,135.0,124.9(q,J=271.7Hz),119.0(q,J=31.1Hz),113.7,110.6(q,J=5.5Hz),58.7,57.2,56.7,55.6,44.3,36.2,28.0,24.7。
【0597】
MS(m/z):304[M+H]+。
【0598】
(S)3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-メチルピペリジン(61)
【化52】
【0599】
表題化合物を、3-(2,5-ジメトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン塩酸塩 エナンチオマー1(40mg、0.123mmol)およびホルマリンから出発して、一般手順Mに従って調製し、表題化合物35mg(94%)を調製した。1H-NMR(400MHz,MeOD)δ7.17(s,1H),7.08(s,1H),3.89(s,3H),3.87(s,3H),3.62-3.47(m,3H),3.21(t,J=12.6Hz,1H),3.06(t,J=12.0Hz,1H),2.92(s,3H),2.18-2.08(m,1H),2.03-1.83(m,3H)。13C-NMR(100MHz,MeOD)δ153.2,151.7,135.0,124.9(q,J=271.5Hz),119.0(q,J=31.0Hz),113.7,110.7(q,J=5.3Hz),58.7,57.2,56.7,55.5,44.3,36.2,28.1,24.7。
【0600】
MS(m/z):304[M+H]+。
【0601】
エナンチオマー同一性の解明
【0602】
分離したエナンチオマーの絶対立体化学を解明するために、例として59および58のX線結晶構造を生成した。化合物59(最も速く溶出するエナンチオマー)は(S)-エナンチオマーであると決定され、化合物58(最も遅く溶出するエナンチオマー)は(R)エナンチオマーであると決定された。残りの化合物の立体化学を、溶出の順序(すなわち、保持時間に基づく初期または二次溶出)に基づいて割り当てた。
【0603】
塩酸塩を用いたXRD分析に適した結晶の調製
【0604】
10mLバイアル中で、基質(20~40mg)をEtOAc/クロロホルム(1:1)(3~4mL)に溶解した。バイアルを、ゴム製セプタムインサートを備えたスクリューキャップで密封した。プリズム状結晶の形成が観察されるまで、サンプルを72時間にわたって蒸発させた。
【0605】
化合物58および59のX線構造の生成
【0606】
適切な結晶0.18×0.13×0.11mm3を選択し、適切な支持体に取り付け、Rigaku、XtaLAB Synergy、Dualflex、HyPix回折計を使用して分析した。データ収集中、結晶を一定のT=150.0(1)Kに保った。Intrinsic Phasing溶液法を用いて、ShelXT構造解明プログラム17を用いて構造を解明した。モデルを、Gauss-Newton最小化18を使用してプログラムolex2.refineのバージョンで改良した。
【0607】
本発明の実施形態(項目)
【0608】
1.
一般式(III)の5-HT
2Aアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩:
【化53】
式中、
Xは、I、CN、S-(C
1-C
5アルキル)、S-(C
1-C
5フルオロアルキル)、S-(C
2-C
5アルケニル)、S-(C
2-C
5フルオロアルケニル)、S-(C
2-C
5アルキニル)、S-(C
2-C
5フルオロアルキニル)、C
2-C
5アルキル、C
1-C
5フルオロアルキル、C
2-C
5アルケニル、C
2-C
5フルオロアルケニル、C
2-C
5アルキニルおよびC
2-C
5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y
1およびY
2は独立して、H、O、S、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R
1は、Y
1がH、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R
2は、Y
2がH、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R
1およびR
2が存在する場合、これらは独立して、C
1-C
5アルキル、C
1-C
5フルオロアルキル、C
2-C
5アルケニル、C
2-C
5フルオロアルケニル、C
2-C
5アルキニル、C
2-C
5フルオロアルキニル、C
3-C
5シクロアルキルおよびC
3-C
5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
*は、キラル中心が存在する場合、(R)もしくは(S)立体異性体またはそれらの任意の混合物を表し;
nは、1、2、3または4の値を有する整数であり、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパン環系を形成し;
zは、R
3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R
3はそれぞれ独立して、F、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3フルオロアルキル、C
2-C
3アルケニルおよびC
2-C
3アルキニルからなる群から選択され;
R
4は、HまたはCH
3であり;
ただし、Y
1またはY
2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0609】
2.
nが、1、2、3または4の値を有する整数であり、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパン環系を形成し、但し、n=3である場合、*が、(R)立体異性体を表す、項目1に記載の5-HT2A/5-HT2Cアゴニスト。
【0610】
3.
nが値3を有する整数であり、ピペリジンを形成し、(*)が一般式(II)の(S)立体異性体を表す、項目1に記載の選択的5-HT
2Aアゴニスト
【化54】
【0611】
4.
Xが、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、エチニル、フルオロエチニルおよびシクロプロピルからなる群から選択され;R1およびR2が独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、およびC3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zが0、1、2または3であり;ならびにR3が独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される、項目1から3のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0612】
5.
Xが、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキルおよびC1-C3フルオロアルキルからなる群から選択される、項目1から4のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0613】
6.
Xが、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキルおよびC1-C2フルオロアルキルからなる群から選択される、項目1から5のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0614】
7.
Xが、I、CN、S-CH3、S-CF3、エチルおよびCF3からなる群から選択される、項目1から6のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0615】
8.
Xが、I、CNおよびCF3からなる群から選択される、項目1から7のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0616】
9.
XがCF3である、項目1から8のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0617】
10.
Y1およびY2が独立して、O、S、C1-C2アルキルおよびC1-C2フルオロアルキルからなる群から選択される、項目1から9のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0618】
11.
Y1およびY2が独立して、O、S、CH3およびCF3からなる群から選択される、項目1から10のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0619】
12.
Y1およびY2が独立して、O、CH3およびCF3からなる群から選択される、項目1から11のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0620】
13.
Y1およびY2が独立して、OおよびCH3からなる群から選択される、項目1から12のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0621】
14.
R1およびR2が独立して、非存在(欠失している)、C1-C3アルキルおよびC1-C3フルオロアルキルからなる群から選択される、項目1から13のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0622】
15.
R1およびR2が独立して、C1-C3アルキルおよびC1-C3フルオロアルキルからなる群から選択され、Y1およびY2がOである、項目1から14のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0623】
16.
zが0、1、2または3である、項目1から15のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0624】
17.
zが0、1または2である、項目1から16のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0625】
18.
zが0または1である、項目1から17のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0626】
19.
zが0である、項目1から18のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0627】
20.
R3が独立して、F、CH3またはCF3から選択される、項目1から18のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0628】
21.
R3が独立して、FまたはCH3から選択される、項目1から18のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0629】
22.
R3がCH3である、項目1から18のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0630】
23.
Ca2+/Fluo-4アッセイで測定した場合に100nM未満の5-HT2A EC50値を有する、項目1から22のいずれか一項に記載の5-HT2Aアゴニスト。
【0631】
24.
医薬としての使用のための一般式(III) の5-HT
2Aアゴニスト、またはその薬学的に許容され得る塩:
【化55】
式中、
Xは、F、Cl、Br、I、CN、S-(C
1-C
5アルキル)、S-(C
1-C
5フルオロアルキル)、S-(C
2-C
5アルケニル)、S-(C
2-C
5フルオロアルケニル)、S-(C
2-C
5アルキニル)、S-(C
2-C
5フルオロアルキニル)、C
1-C
5アルキル、C
1-C
5フルオロアルキル、C
2-C
5アルケニル、C
2-C
5フルオロアルケニル、C
2-C
5アルキニルおよびC
2-C
5フルオロアルキニルからなる群から選択され;
Y
1およびY
2は独立して、H、O、S、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3フルオロアルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
R
1は、Y
1がH、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R
2は、Y
2がH、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3フルオロアルキルまたはハロゲンである場合には存在せず;
R
1およびR
2が存在する場合、これらは独立して、C
1-C
5アルキル、C
1-C
5フルオロアルキル、C
2-C
5アルケニル、C
2-C
5フルオロアルケニル、C
2-C
5アルキニル、C
2-C
5フルオロアルキニル、C
3-C
5シクロアルキルおよびC
3-C
5フルオロシクロアルキルからなる群から選択され;
*は、キラル中心が存在する場合、(R)もしくは(S)立体異性体またはそれらの任意の混合物を表し;
nは、1、2、3または4の値を有する整数であり、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパン環系を形成し;
zは、R
3基の数を表し、0、1、2、3または4の値を有する整数であり;
R
3はそれぞれ独立して、F、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3フルオロアルキル、C
2-C
3アルケニルおよびC
2-C
3アルキニルからなる群から選択され;
R
4は、HまたはCH
3であり;
ただし、Y
1またはY
2の少なくとも一方がOまたはSとして選択されることを条件とする。
【0632】
25.
nが、1、2または4の値を有する整数であり、アゼチジン、ピロリジンまたはアゼパン環系を形成する、項目24に記載の使用のための5-HT2A/5-HT2Cアゴニスト。
【0633】
26.
nが値3を有する整数であり、ピペリジンを形成し、(*)が一般式(II)の(S)立体異性体を表す、項目24に記載の使用のための選択的5-HT
2Aアゴニスト
【化56】
【0634】
27.
Xが、F、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、エチニル、フルオロエチニルおよびシクロプロピルからなる群から選択され;R1およびR2が独立して、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、およびC3-C5シクロアルキルからなる群から選択され;zが0、1または2であり;ならびにR3が独立して、F、C1-C2アルキルまたはC1-C2フルオロアルキルから選択される、項目24から26のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0635】
28.
Xが、F、Cl、Br、I、CF3、CN、S-CH3、S-CF3、C1-C3アルキルおよびC2-C3フルオロアルキルからなる群から選択される、項目24から27のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0636】
29.
Xが、F、Cl、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、C2-C3アルキルおよびC1-C2フルオロアルキルからなる群から選択される、項目24から28のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0637】
30.
Xが、Br、I、CN、S-CH3、S-CF3、CH3およびCF3からなる群から選択される、項目24から29のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0638】
31.
Xが、Br、IおよびCF3からなる群から選択される、項目24から30のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0639】
32.
XがCF3である、項目24から31のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0640】
33.
Y1およびY2が独立して、O、S、C1-C2アルキルおよびC1-C2フルオロアルキルからなる群から選択される、項目24から32のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0641】
34.
Y1およびY2が独立して、O、S、CH3およびCF3からなる群から選択される、項目24から33のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0642】
35.
Y1およびY2が独立して、O、CH3およびCF3からなる群から選択される、項目24から34のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0643】
36.
Y1およびY2が独立して、OおよびCH3からなる群から選択される、項目24から35のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0644】
37.
R1およびR2が独立して、非存在、またはC1-C3アルキルおよびC1-C3フルオロアルキルからなる群から選択されるかのいずれかである、項目24から36のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0645】
38.
R1およびR2が独立して、C1-C3アルキルおよびC1-C3フルオロアルキルからなる群から選択され、Y1およびY2がOである、項目24から37のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0646】
39.
zが0、1、2または3である、項目24から38のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0647】
40.
zが0、1または2である、項目24から39のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0648】
41.
zが0または1である、項目24から40のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0649】
42.
zが0である、項目24から41のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0650】
43.
R3が独立して、F、CH3およびCF3からなる群から選択される、項目24から41のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0651】
44.
R3が独立して、FおよびCH3からなる群から選択される、項目24から41のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0652】
45.
R3がCH3である、項目24から41のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0653】
46.
Ca2+/Fluo-4アッセイで測定した場合に100nM未満の5-HT2A EC50値を有する、項目24から41のいずれか一項に記載のための5-HT2Aアゴニスト。
【0654】
47.
うつ病性障害の治療における、項目24から46のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0655】
48.
MDDの治療における、項目24から47のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0656】
49.
治療抵抗性うつ病の治療における、項目24から48のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0657】
50.
医薬が、0.1mg~500mgの用量範囲で規則的な間隔で投与される、項目24から49のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0658】
51.
規則的な間隔が、1日1回、1週間に1回、2週間に1回および1ヶ月に1回からなる群から選択される、項目24から50のいずれか一項に記載の使用のための5-HT2Aアゴニスト。
【0659】
52.
項目1から51のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容され得る担体と、任意選択的に1つ以上の賦形剤とを含む、医薬組成物。
【0660】
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