(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】輸液監視デバイス及び患者指示遵守システム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/13 20180101AFI20241004BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G16H20/13
A61M5/142 520
(21)【出願番号】P 2022541287
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(86)【国際出願番号】 US2020051460
(87)【国際公開番号】W WO2021137903
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2023-09-15
(32)【優先日】2020-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522266553
【氏名又は名称】ベレンソン コンサルティング グループ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベレンソン、ミッチェル、トーマス
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-531454(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0224603(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0057058(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0059377(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
A61M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液監視デバイス(102;200)であって、前記輸液監視デバイス(102;200)は、
本体部(110;210)とこれに取り付けられたキャップ(112;212)とを有する筐体であって、前記キャップ(112;212)は閉位置と開位置との間で移動可能であり、前記キャップ(112;212)は前記本体部(110;210)に対向する表面にキャップ・チャネル(220)を含み、前記本体部(110;210)は前記キャップ・チャネル(220)に対応する筐体チャネル(222)を含み、前記キャップ・チャネル(220)及び前記筐体チャネル(222)は、前記キャップ(112;212)が前記閉位置にあるときにトンネル(116;216)を形成する、筐体と、
前記筐体内の制御回路(302)と、
前記制御回路(302)に接続された、前記筐体内のメモリ(304;316)と、
前記制御回路(302)に接続された、前記筐体上のユーザ・インタフェース(318)と、
前記制御回路(302)に接続された、前記筐体内の通信回路(308)であって、前記通信回路(308)はネットワーク(402)との無線通信を促進する、通信回路(308)と、
前記制御回路(302)に接続された温度センサ(312;314)であって、前記温度センサ(312;314)は、前記筐体内で前記トンネル(116;216)に隣接して位置付けられ、前記トンネル(116;216)における温度を測定するように構成される、温度センサ(312;314)と
を備え、
前記輸液監視デバイス(102;200)の動作中に、前記筐体は、輸液ポンプ(104)から延在するチューブ(106;508)に取り付けられ、それによって、前記筐体は前記トンネル(116;216)において前記キャップ(112;212)と前記本体部(110;210)との間で前記チューブ(106;508)を把持し、前記温度センサ(312;314)は前記チューブ(106;508)の温度を測定し、
前記制御回路(302)は、前記温度センサ(312;314)から温度測定値を周期的に受信し、前記温度測定値を前記メモリ(304;316)に記憶し、前記温度測定値は、輸液監視デバイス温度勾配パターンを形成し、
前記制御回路(302)は、前記通信回路(308)を使用して前記温度測定値を前記ネットワーク(402)に送り、
前記メモリ(304:316)は患者治療プラン情報とベースライン温度勾配パターンとを記憶し、
前記制御回路(302)は、ユーザが医療的治療に従ったかを判定するために前記ベースライン温度勾配パターンを前記輸液監視デバイス温度勾配パターンと比較し、
前記制御回路(302)は前記ユーザ・インタフェース(318)上に指示遵守指標を出力する、輸液監視デバイス(102;200)。
【請求項2】
前記制御回路(302)は、ユーザが前記患者治療プラン情報に従ったかを判定するために前記患者治療プラン情報を前記輸液監視デバイス(102;200)の動作データと比較し、前記指示遵守指標は、パラメータの指示遵守に更に基づく、請求項1に記載の輸液監視デバイス(102;200)。
【請求項3】
前記メモリ(304;316)が取り外し可能である、請求項1に記載の輸液監視デバイス(102;200)。
【請求項4】
輸液ポンプ(104)指示遵守システムであって、
輸液監視デバイス(102;200)であって、前記輸液監視デバイス(102;200)は、
本体部(110;210)とこれに取り付けられたキャップ(112;212)とを有する筐体であって、前記キャップ(112;212)は閉位置と開位置との間で移動可能であり、前記キャップ(112;212)は前記本体部(110;210)に対向する表面にキャップ・チャネル(220)を含み、前記本体部(110;210)は前記キャップ・チャネル(220)に対応する筐体チャネル(222)を含み、前記キャップ・チャネル(220)及び前記筐体チャネル(222)は、前記キャップ(112;212)が前記閉位置にあるときにトンネル(116;216)を形成する、筐体と、
前記筐体内の制御回路(302)と、
前記制御回路(302)に接続された、前記筐体内のメモリ(304;316)と、
前記制御回路(302)に接続された、前記筐体上のユーザ・インタフェース(318)と、
前記制御回路(302)に接続された、前記筐体内の通信回路(308)であって、前記通信回路(308)はネットワーク(402)との無線通信を促進する、通信回路(308)と、
前記制御回路(302)に接続された温度センサ(312;314)であって、前記温度センサ(312;314)は、前記筐体内で前記トンネル(116;216)に隣接して位置付けられ、前記トンネル(116;216)における温度を測定するように構成される、温度センサ(312;314)と
を備え、
前記輸液監視デバイス(102;200)の動作中に、前記筐体は、輸液ポンプ(104)から延在するチューブ(106;508)に取り付けられ、それによって、前記筐体は前記トンネル(116;216)において前記キャップ(112;212)と前記本体部(110;210)との間で前記チューブ(106;508)を把持し、前記温度センサ(312;314)は前記チューブ(106;508)の温度を測定し、
前記制御回路(302)は、前記温度センサ(312;314)から温度測定値を周期的に受信し、前記温度測定値を前記メモリ(304;316)に記憶し、前記温度測定値は、輸液監視デバイス温度勾配パターンを形成し、
前記制御回路(302)は、前記通信回路(308)を使用して前記温度測定値を前記ネットワーク(402)に送る、輸液監視デバイス(102;200)と、
指示遵守システム・ネットワーク(402)であって、
前記ネットワーク(402)と通信するデータベースであって、前記データベースは、患者治療プランと、前記患者治療プランにおいて特定される薬剤のためのベースライン温度勾配パターンとを記憶する、データベースと、
ネットワーク通信回路と分析回路とを有する指示遵守コンピュータ(406)とを備える指示遵守システム・ネットワーク(402)と
を備え、
前記輸液ポンプ(104
)指示遵守システムの動作中に、
前記制御回路(302)が、薬剤治療の開始時間から終了時間まで前記温度測定値を受信して集合的に輸液監視デバイス温度勾配パターンを形成し、
前記指示遵守コンピュータ(406)は、前記輸液監視デバイス(102;200)が治療指示遵守を示しているかに基づいて指示遵守ステータスを判定し、前記治療指示遵守は、前記輸液監視デバイス温度勾配パターンを前記ベースライン温度勾配パターンと比較することによって判定され、勾配パターンの一致は指示遵守を示し、勾配パターンの不一致は指示不遵守を示し、
前記指示遵守コンピュータ(406)は、前記指示遵守ステータスに基づいて、フィードバックを提供する指示遵守通知を生成する、輸液ポンプ(104)指示遵守システム。
【請求項5】
場所判定回路(310)を備え、
前記制御回路(302)は、前記輸液監視デバイス(102;200)が前記チューブ(106;508)に取り付けられたときに、場所判定回路(310)から前記輸液監視デバイス(102;200)の場所を受信する、請求項1又は4に記載の輸液監視デバイス(102;200)。
【請求項6】
前記輸液監視デバイス(102;200)の前記制御回路(302)が、前記薬剤治療の前記開始時間を前記ネットワーク(402)に送信し、前記指示遵守コンピュータ(406)が、前記
薬剤治療が前記患者治療プランに従ったかを判定するために、前記開始時間を前記患者治療プランにおいてスケジュールされた開始時間と比較する、請求項4に記載の輸液ポンプ(104)指示遵守システム。
【請求項7】
前記指示遵守コンピュータ(406)の前記ネットワーク(402)通信回路(308)が、前記ユーザ・インターフェース(318)を介して前記輸液監視デバイス(102;200)のユーザに出力するための遵守通知を前記輸液監視デバイス(102;200)に送る、請求項4に記載の輸液ポンプ(104)指示遵守システム。
【請求項8】
前記指示遵守コンピュータ(406)の前記ネットワーク(402)通信回路(308)は、前記ユーザ・インターフェース(318)を介して、前記輸液監視デバイス(102;200)のユーザに関連付けられた携帯デバイスに前記
指示遵守通知を送信する、請求項4に記載の輸液ポンプ(104)指示遵守システム。
【請求項9】
前記ユーザ・インターフェース(318)は、前記輸液監視デバイス(102;200)のユーザから社会的フィードバックを収集し、前記
指示遵守通知は、前記社会的フィードバックにも基づく、請求項4に記載の輸液ポンプ(104)指示遵守システム。
【請求項10】
輸液ポンプ(104)医療的治療の患者指示遵守を遠隔監視するための方法であって、前記方法は、
指示遵守システム・ネットワーク(402)が、患者のための患者治療プランを受信するステップであって、前記患者治療プランは、薬剤及び治療を提供し、前記指示遵守システム・ネットワーク(402)は、データベースと、ネットワーク(402)通信回路(308)及び分析回路を有する指示遵守コンピュータ(406)とを含み、前記データベースは複数のベースライン温度勾配パターンを記憶し、前記複数のベースライン温度勾配パターンの各々は前記薬剤のためのものである、ステップと、
IMDコードを使用して輸液監視デバイス(102;200)を前記患者と関連付けるステップであって、前記輸液監視デバイス(102;200)は、
輸液ポンプ(104)から延在するチューブ(106;508)の周りに嵌合するように構成されたトンネル(116;216)を有する筐体と、
前記筐体内の制御回路(302)と、
前記制御回路(302)に接続された、前記筐体内のメモリ(304;316)と、
前記制御回路(302)に接続された、前記筐体内の通信回路(308)であって、前記通信回路(308)はネットワーク(402)との無線通信を促進する、通信回路(308)と、
前記制御回路(302)に接続された温度センサ(312;314)であって、前記温度センサ(312;314)は、前記筐体内で前記トンネル(116;216)に隣接して位置付けられ、前記トンネル(116;216)における温度を測定するように構成される、温度センサ(312;314)と、
を備える、関連付けるステップと、
前記輸液監視デバイス(102;200)の動作中に、前記制御回路(302)は、輸液ポンプ(104)治療の開始時間から終了時間まで周期的に前記温度センサ(312;314)から温度測定値を受信し、前記温度測定値は、集合的に輸液監視デバイス温度勾配パターンを形成する、ステップと、
前記指示遵守コンピュータ(406)
によって、前記輸液監視デバイス(102;200)から前記IMDコード及び前記輸液監視デバイス(102;200)温度勾配パターンを受信するステップと、
前記指示遵守コンピュータ(406)によって、前記IMDコードによって前記輸液監視デバイス(102;200)に対応する前記データベースにおける前記患者治療プランを特定するステップと、
前記指示遵守コンピュータ(406)によって、勾配パターンずれを特定するために、前記輸液監視デバイス(102;200)温度勾配パターンを前記患者治療プランにおいて特定された前記薬剤のための前記ベースライン温度勾配パターンと比較するステップと、
前記指示遵守コンピュータ(406)によって、前記勾配パターンずれが前記患者が前記患者治療プランにおいて提供された前記治療に従ったことを示すかに基づいて指示遵守ステータスを判定するステップであって、閾値内の前記勾配パターンずれは指示遵守を示し、閾値を外れた前記勾配パターンずれは指示不遵守を示す、ステップと、
前記指示遵守コンピュータ(406)によって、前記指示遵守ステータスに基づいて、指示遵守通知を生成するステップと
を備える、輸液ポンプ(104)医療的治療の患者指示遵守を遠隔監視するための方法。
【請求項11】
前記輸液監視デバイス(102;200)は、前記輸液ポンプ(104)治療の開始時間における前記輸液監視デバイス(102;200)の場所を特定する場所判定回路を更に備える、請求項10に記載の輸液ポンプ(104)医療的治療の患者指示遵守を遠隔監視するための方法。
【請求項12】
前記指示遵守システム・ネットワーク(402)が、前記ネットワーク(402)を通じて前記輸液ポンプ(104)治療の前記開始時間を受信するステップと、
前記指示遵守システム・ネットワーク(402)が、前
記治療が前記患者治療プランに従ったかを判定するために前記開始時間を前記患者治療プランにおいてスケジュールされた開始時間と比較するステップと
を更に備える、請求項10に記載の輸液ポンプ(104)医療的治療の患者指示遵守を遠隔監視するための方法。
【請求項13】
前記指示遵守システム・ネットワーク(402)が、前記輸液ポンプ(104)治療の前記開始時間に基づいて前記患者治療プランにおける後続の輸液ポンプ(104)治療のスケジュールを更新するステップ
を更に備える、請求項12に記載の輸液ポンプ(104)医療的治療の患者指示遵守を遠隔監視するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、指示遵守システムのためのセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
輸液システムは、患者が病院などの医療施設を退院した後に、自身の医療的治療を家庭又は遠隔地において継続することを可能とする。このようなシステムは、患者内への薬物のゆっくりとした安定的な流動を促進する。治療プランは、症状を完全に治療するために一定期間にわたって持続的で周期的な治療を必要とすることがある。しかしながら、患者は定められた治療プランに常に従うわけではなく、自身の治療を完全に拒絶する者もいる。指示遵守訪問が期待される場合、患者の中には、指示遵守を偽装するために薬剤を捨ててしまう者さえもいる。このような指示遵守を行わない患者は、切断術、再入院、及び死亡に至ることさえもあるなど、健康状態が悪化する結果になる可能性がより高い。
【0003】
輸液治療は、電子輸液ポンプ(すなわち、電気モータ又はドライバに基づいて動作するポンプ)又は機械的輸液ポンプ(すなわち、非電気的な機械的力を使用するポンプ)を使用し得る。多くの病院及び医療施設は電子輸液ポンプを使用する一方、多くの遠隔又は家庭での治療は、エラストマー・ボール・ポンプなどの機械的輸液ポンプを使用する。エラストマー・ポンプは、容器における弾性によって駆動され、患者への流量を制御するためにスチール・カニューレなどの流量調整弁を含む。
【0004】
可搬型のものなどを含む電子輸液ポンプは、低温保管庫に保管された薬物又は輸液流体の温度を上昇させるための加熱機構を含み得る。患者への流体の温度を管理することは、患者の快適さのために、及び低温の流体の導入に起因して起こり得る生理学的な悪影響を回避するために重要である。
【0005】
機械的輸液ポンプでは、輸液流体を含むポンプは、典型的には、流体温度を室温に向かって上昇させることを可能とする所与の時間を設定している。設定された時間が経過した後、機械的輸液ポンプは、患者ラインに接続され、治療が始まる。
【0006】
治療プランに従わない患者もいるので、指示遵守プロトコルが、遠隔地又は家庭において患者によって管理される治療のために実現され得る。指示遵守は、患者に利益をもたらすとともに、再発の可能性又は死亡の可能性さえも減少させることによって病院、支払人、保険会社、メディケアなどにも利益をもたらす。
【0007】
いくつかの可搬型電子輸液ポンプは、治療を記録する電子データ・ログ記録機構を有する。これらのデータ・ログ記録は、電子メモリ・デバイスに記録され、患者が医療施設にいるとき、又は巡回臨床医が患者を訪問したときに周期的に収集され得る。いくつかの電子ポンプは、データ・ログ記録をデータベースに送るためのコンピュータ接続又は通信コンポーネントを含み得る。これらのデバイスは、加熱コンポーネント、圧力センサ、及び不適切な送出を防止する規制システムも含み得る。
【0008】
電子ポンプとは異なり、機械的輸液ポンプは、データ・ログ記録機能又は治療が適切に行われていることを確認するための一体化されたシステムを有さない。これらのポンプは、典型的には、使用後に人が廃棄する使い捨てポンプである。そのため、指示遵守は、しばしば、治療を観察するため又は貯蔵された薬剤をチェックして正しい量が残されているかを調べるために遠隔地又は家庭を訪問する人物を必要とする。このことは、患者が正しい時間に正しいやり方で適切に治療を施しているか、又は患者が薬物を廃棄しているかなど、的確に確認され得ない指示不遵守のために多くの抜け道を残している。
【0009】
米国特許出願公開第2011/0224603号は、直列接続を通る流量および/またはチューブ内に閉塞があるかどうかを検出するための圧力センサー装置を開示している。この装置において、圧力センサーは、流体の流れに適用される制限の周囲に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許出願公開第2011/0224603号明細書
【発明の概要】
【0011】
本開示は、輸液監視デバイス(IMD:Infusion Monitoring Device)、及び輸液ポンプのための患者指示遵守システムを教示する。指示遵守システムは、エラストマー・ボール・ポンプなどの機械的輸液ポンプを含む全ての輸液ポンプについて動作する。IMDは輸液ポンプを不可知であるので、以前は使用可能な指示遵守テスト援助オプションを有していなかった遠隔及び家庭輸液環境に適用可能な指示遵守テスト援助を提供する。IMDは、更に、例えば、患者は、孤独であるせいで、薬剤を服用しているかについて誰も関心を持っていないと思い込むなど、指示不遵守につながることがある孤独に関連する心理的影響を減少させ得る。いくつかの実施例において、IMDは、患者の社会的及び臨床的支援組織と連絡を取る。
【0012】
いくつかの実施例において、IMDは、閉位置へと付勢される折り畳み式キャップを有する筐体を含み、折り畳み可能キャップは筐体の側部に当接する。実施例は、折り畳み式キャップを筐体に接続するばね、弾性体、又は他の付勢機構を含み得る。折り畳み式キャップ及び当接する筐体の側部は、チューブが嵌合されるトンネル又は通路を画定し得る。実施例は、折り畳み式キャップと筐体の側部とに対応するチャネルを含み得、これらは組み合わさってチューブ・トンネルを形成する。指示遵守システムにおいて使用されるとき、トンネルは、輸液ポンプ・チューブの周りに嵌合し得、センサをチューブに保持し得る。
【0013】
いくつかの実施例において、筐体は、流量センサ(例えば、温度センサ、気泡センサ、圧力センサなど)、制御電子回路(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット、マイクロコントローラなど)、通信コンポーネント(例えば、セルラー方式チップ、Wi-Fiチップなど)、メモリ、及び電源を含む。いくつかの実施例において、場所特定コンポーネント(例えば、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)モジュール、LORANモジュールなど)が含まれてもよい。いくつかの実施例において、IMDは、ユーザがデバイスを制御するための、スイッチ又はボタンなどの制御インタフェースを含み得る。いくつかの実施例は、ユーザに動作フィードバックを提供するライト、ディスプレイ、スピーカ、又は他の出力部を含み得る。
【0014】
いくつかの実施例において、温度センサは、チューブの温度を測定するために、トンネル内に又はトンネルに当接して位置され得る。温度センサは、周期的に温度を測定し、又は、一定の温度情報を提供する。温度情報は、メモリに記憶され得る。いくつかの実施例において、温度情報は、通信コンポーネントを介して、直接的に又は記憶されたメモリを介して間接的に、他のシステム・コンポーネントに送られ得る。
【0015】
いくつかの実施例において、IMDは、機械的輸液ポンプから延在するチューブに取り付けられる。IMDをチューブに取り付けるために、折り畳み式キャップが開かれ、チューブが筐体の側部のチャネルに置かれ、次いで、折り畳み式キャップがチューブに対して閉じられる。IMDは、チューブの温度などを測定し得る。いくつかの実施例において、温度センサ又は制御電子回路は、チューブ内の流体の温度を判定するように構成され得る。
【0016】
いくつかの実施例において、IMDは、折り畳み式キャップを筐体に対して保持するコネクタ又はラッチを含み得る。コネクタは、スナップ嵌め、ボタン、摩擦コネクタ又は他のコネクタ・コンポーネントを含み得る。いくつかの実施例において、IMDは、コネクタの係合を解除する解除装置を含む。いくつかの実施例において、別個のセンサが、コネクタが係合されているか又は係合解除されているかを判定し得る。
【0017】
IMDの実施例は、動作を開始するための追加的なセンサを含み得る。いくつかの実施例において、IMDがチューブに接続されたとき、係合センサが監視プロセスを開始させ得る。IMDが移動されたときにプロセスを開始するために、慣性測定ユニットが内蔵され得る。充電式の実施例においては、IMDは、充電センサを含み得、充電接続が係合解除されたときにプロセスを開始し得る。
【0018】
いくつかの実施例において、IMDは、指示遵守システムの機構である。指示遵守システムは、IMDと、通信ネットワークと、クラウド・システムと、IMDから指示遵守情報を受信及び記憶する指示遵守データベースを有する監視システムとを含み得る。
【0019】
いくつかの実施例において、指示遵守データベースは、IMDに対応する患者治療プランも受信し得る。システムは、匿名化されたデータを使用して治療プランをIMDからの指示遵守情報とリンクさせ得る。いくつかの実施例において、監視システムは、受信された指示遵守情報が治療プランから期待される治療に従っているかを判定する、分析システムなどのコンピュータを含む。
【0020】
いくつかの実施例において、システムは、患者又は患者の医師、代理人、代行者、若しくは意思決定者などの他の指定人物のためのユーザ・デバイスも含み得る。指示遵守の齟齬が特定されるイベントにおいて、コンピュータ又は指示遵守データベースは、患者又は患者の指定人物に通信を送り得る。いくつかの実施例において、システムは、任意の指示遵守関連事項に先立ってリマインダ通信文を送るように設計され得る。
【0021】
いくつかの実施例において、IMDの通信モジュールは、システムから信号を受信するように構成され得る。IMDは、更に、リマインダ・ライト、音響的ビープ音、又は振動アラートなどのシステム信号に基づいて、患者に出力を提供し得る。いくつかの実施例において、IMDは、指示遵守通知及びリマインダに対応する記憶されたメッセージを表示するディスプレイを含み得る。他の実施例において、指示遵守通知及びリマインダは、表示のためにユーザの携帯電話に送られ得る。
【0022】
指示遵守システムのいくつかの実施例において、患者は、薬物、インシュリン、抗生物質などの輸液流体を含む機械的輸液ポンプを低温保管庫から取り出し、IMDを輸液ポンプ・チューブに取り付ける。IMDが取り付けられると、IMDは、チューブの温度の感知を自動的に、又はユーザの選択に基づいて開始し得る。次いで、流体温度が室温に向かって上昇する間、患者はポンプ及びIMDを所定の時間の間そのまま放置しておく。放置の間、IMDは、温度の感知を継続し、読み取り値を記憶又は送信する。
【0023】
次に、単なる例示として、添付の図面を参照して、実施例が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】輸液ポンプ及び輸液監視デバイスの実施例である。
【
図1B】輸液ポンプ及び輸液監視デバイスの実施例である。
【
図3】輸液監視デバイスの実施例のブロック図である。
【
図4】輸液監視デバイスを有する指示遵守システムの実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は多くの異なる形態において具現化され得るが、本開示は本発明の原理の例示と見なされるべきであり、本発明の広範な態様を示された実施例に限定することが意図されるものではないという理解の下で、本発明の好ましい実施例が本明細書において詳細に説明される。本発明は、本発明の精神又は中心的特徴から逸脱することなく、他の特定の形態において具現化され得ることは理解されよう。したがって、本実施例は、あらゆる観点において例示的であって、制限的ではないと見なされるべきであり、本発明は、本明細書において与えられる詳細に限定されるべきものではない。
【0026】
提供される実例の文脈において、デバイスは「輸液監視デバイス」と称される。教示されるデバイスは追加的な環境及び文脈において使用され得るチューブ監視デバイスであることを、当業者は理解されよう。
【0027】
図1Aは、輸液ポンプ104から延在するチューブ106に取り付けられた輸液監視デバイス(IMD)102を示す。この実施例における輸液ポンプ104は、薬物又は他の輸液流体をチューブ106を通って移動させるために、弾性力によって生み出された圧力を使用するエラストマー・ボール輸液ポンプとして示されている。エラストマー・ボール輸液ポンプは、機械的輸液ポンプの実例である。当業者は、IMD102は他の輸液ポンプとともに使用され得ることを認識されよう。加えて、IMD102は、他の輸液ポンプ、流体送達システム、又は他のコンポーネントから延在するチューブ106に取り付けられ得る。
【0028】
IMD102は、本体部又は筐体110と、滑動可能キャップ112とを含む。筐体110の側部と滑動可能キャップ112とは、滑動可能キャップ112が筐体110に対して閉じられたときにトンネル116を形成する対応するチャネルを含む。別の実施例において、ヒンジ式キャップなど、滑動可能キャップ112に対する代替的な可動キャップ構成が、開位置及び閉位置を可能とするために使用され得る。トンネル116は、チューブ106の周りに嵌合し、IMD102をチューブ106に取り付ける。キャップ制御器114は、チューブ106を定位置に嵌合させるために、ユーザが滑動可能キャップ112を開位置に移動させることを可能とする。
【0029】
図1Bは、キャップ制御器114が第2の位置へ移動されて滑動可能キャップ112を開構成にした状態のIMD102を図示する。この開構成において、IMD102は、チューブ106に接続され得、又はこれから取り外され得る。
【0030】
この実施例において、IMD102は、主筐体110上にスイッチ118を含む。スイッチ118は、IMD102の電源をオン及びオフにする制御器として使用され得る。他の実施例は、IMD102の運動又は動作に基づいて自動的に電源をオン及びオフにするように構成され得る。例えば、IMD102は、キャップ制御器114によって滑動可能キャップ112が開かれ、次いで閉じられたときに、電源をオンにされて監視プロセスを開始し得る。このような実施例において、チューブ106がトンネル116内に存在するかを判定するために、IMD102はトンネル116内に又はこれに隣接してセンサ又は他のコンポーネントを含み得る。もしもチューブ106が存在するならば、IMD102の電源がオンされる。これとは逆に、チューブ106が存在しないとき、IMD102の電源はオフにされ得、又はオフを維持し得る。
【0031】
図2は、輸液監視デバイス200の代替的な実施例を示す。IMD102と同様に、この実施例は、本体部210とヒンジ式キャップ212とを含む。IMD200は、ヒンジ式キャップ212がジョイント216において本体部210に取り付けられた状態で、開構成において図示されている。ジョイント216は、2つの部品を1つに結合するヒンジ式接続でよい。代替的に、本体部210及びヒンジ式キャップ212は、ヒンジ式キャップ212が開位置と閉位置との間で屈曲することを可能とするように構成されたジョイント216とともに一体に作成されてよい。例えば、ジョイント216は、筐体よりも肉薄のプラスチック又はポリマー部分を有し得る。より肉薄の部分は曲げ又は屈曲を可能とし得る。
【0032】
いくつかの実施例において、ジョイント216は、ヒンジ式キャップ212を、本体部210の側部に当接する閉位置へと付勢するばね又は他の弾性的コンポーネントを含み得る。IMD200は、ヒンジ式キャップ212が閉位置になるとこれを定位置に保持するラッチ、クリップ又は他の機構を含み得る。
【0033】
IMD200は、IMD200を制御するボタン214も含む。いくつかの実施例において、ボタン214は、IMD200をチューブ106から取り外すため又はチューブ106に接続するために、ヒンジ式キャップ212を本体部210から解除するラッチ機構を制御し得る。或いは、ボタン214は、動作を選択するために、又はシステム・フィードバックを提供するために使用され得る。
【0034】
筐体チャネル222は、筐体210の側部に位置され、キャップ・チャネル220はヒンジ式キャップ212内に位置される。筐体210とヒンジ式キャップ212とが閉構成にあるとき、筐体チャネル222及びキャップ・チャネル220は整列してトンネルを作り出す。IMD200の動作中に、チューブはこのトンネル内に保持される。
【0035】
IMD200は、チューブ情報を測定するセンサを含む。例えば、IMD200は、チューブ温度を判定する温度センサを含み得る。筐体チャネル222内に又はこれに対して感知面を有する追加的なセンサが筐体210内に存在してよい。例えば、流量センサがトンネルに向けられてよい。いくつかの実施例において、センサは、光センサのレンズなどの感知機構を筐体チャネル222に向けてよい。
【0036】
この実施例において、IMD200は、一連のライト、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)226、を有する。これらは、個別のLEDであっても、又は、LEDアレイであってもよい。LED226は各々、定められた色を有してよく、又は、1つ又は複数のLED226は、各LEDが複数の色オプションを示すことを可能とするRGB(赤、緑、青)LEDであってよい。加えて、LED226は各々、フェード・イン及びフェード・アウト、点滅などの代替的な表示オプションを提供するように構成され得る。これと併せて、LED226は、協調的な表示を提供し得る。例えば、4つ全てが点灯した後に、各LEDが1つずつ暗くなってよい。
【0037】
LED226は、IMD200のステータスを示すために使用され得る。例えば、1つのLED226は、デバイスの動作ステータス(例えば、動作中又は動作停止中)を示し得る。別のLED226は、バッテリ状態を示し得る(例えば、フル充電であると緑、充電が減ると黄色、ほとんど空であると赤)。第3のLED226は、データ記憶動作を示し得る(例えば、オンボード・メモリにデータをログ記録しているときにライトが点灯し得る)。最後に、第4のLED226は、通信ステータスを示し得る(例えば、青いライトが、ネットワーク化されたシステムとの通信が進行中であることを示し得る)。
【0038】
IMD200は、ボタン230及び232も含む。これらは、ユーザ制御又は情報収集のために使用され得る。例えば、ユーザは、ユーザが楽しい又はポジティブな気分であることを示すためにボタン230を押すことができ、又は、ユーザが悲しい又はネガティブな気分であることを示すためにボタン232を押すことができる。いくつかの実施例において、ボタン230及び232を押す回数が、ユーザが現在感じている楽しさ又は悲しさのレベルを示し得る。例えば、ユーザは、ユーザが非常に楽しいことを示すためにボタン230を3回押してよい。或いは、ユーザは、少々憂鬱であることを示すためにボタン232を1回押してよい。IMD200は、治療中のいろいろな時間にオプションを選択するようにユーザを促し得る。例えば、ボタン230及び232は、IMD200がチューブに取り付けられたとき、ユーザが治療を開始したとき、及びユーザが治療を完了したときに明滅してよい。
【0039】
図3は、輸液監視デバイス300のブロック図を提供する。この実施例において、IMD300は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)302と、メモリ304と、電源306と、通信回路308と、全地球測位衛星システム(GPS:Global Positioning Satellite System)受信器310と、温度センサ312と、温度センサ314と、取り外し可能メモリ316と、ユーザ・インタフェース318とを含む。
【0040】
実施例は、代替的な又は追加的なコンポーネントも含み得る。例えば、IMD300は、IMD300がチューブに接続されているかを確認する圧力センサを含み得る。圧力センサは、チューブ内の圧力が変化したかを判定するためにも含まれ得る。加えて、チューブ・センサは、気泡がチューブを通過したかを判定する気泡センサを含み得る。流体がチューブを通って流動しているかを判定するために流量センサが使用されてよい。
【0041】
制御回路302は、CPUとして図示されており、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラム可能集積回路、又は他のコンピュータ・チップであってよい。制御回路302は、動作命令を有するプログラムにアクセスするようにプログラム又は構成される。いくつかの実施例において、制御回路302は、動作プログラムを有する一体化されたメモリ・コンポーネントを含み得る。制御回路302は、メモリ304に接続され、これは、データ・ログ記録命令、分析命令、指示遵守基準、及びIMD300におけるセンサによって取得されたデータを記憶し得る。制御回路302は、メモリ304に直接的に有線接続され得、又はバス若しくは別のコンポーネントを通じて間接的に接続され得る。制御回路302は、通信回路308、GPS受信器310、温度センサ312及び314、並びにユーザ・インタフェース318にも直接的又は間接的に接続される。
【0042】
いくつかの実施例において、IMD300は、メモリ304に加えて、SDカードなどの取り外し可能メモリ316も含む。いくつかの実施例において、メモリ304は、動作命令のためのオンボード・メモリであってよく、取り外し可能メモリ316は、センサ情報、ユーザ・インタフェース情報、及び任意の追加的なデバイス・ログ記録データなどの動作中に取得されたデータを受信及び記憶し得る。このような実施例において、IMD300は、施設に返却され得、取り外し可能メモリ316は、取り出されて、新たな取り外し可能メモリ316と交換され得る。新たな取り外し可能メモリを有するIMD300は、ユーザ・データが伝達される如何なるリスクもなく、別のユーザに送られ得る。いくつかの実施例において、IMD300は、メモリ304又は取り外し可能メモリ316のうちの一方の形態のメモリだけを含み得る。他の実施例において、IMD300は、複数のメモリ・コンポーネントを含み得る。メモリ304及び取り外し可能メモリ316は、ランダム・アクセス・メモリ、読み取り専用メモリ、プログラム可能読み取り専用メモリ、プログラム可能読み書きメモリ、固体状態メモリ又は任意の他のタイプのメモリであってよい。
【0043】
IMDにおける各コンポーネントに電力を提供するために電源306も含まれる。電源306は、リチウム-イオン・ボタン電池又は別の電力蓄積コンポーネントなどのバッテリであってよい。
【0044】
通信回路308は、通信チップ及びアンテナなどの通信構造を集合的に指す。この実施例において、通信回路308は、セルラー方式通信チップとして示されている。通信モジュール308の実例としては、BLUETOOTH(登録商標)通信モジュール、Wi-Fi通信モジュール、セルラー方式通信モジュール、及び他の通信ネットワーク・モジュールなどがある。この実施例において、通信回路308は、セルラー方式ネットワーク上での通信を提供するセルラー方式ネットワーク・カードであってよい。
【0045】
この実施例において、IMD300はGPS受信器310を含み、これはIMD300の場所を判定する。他の実施例は、代替的な場所判定回路又はシステムを使用し得る。例えば、既知の場所からの又は既知の場所への三角測量など、いくつかの知られた技術を通じてIMD300の位置を特定するために、通信システムが使用され得る。デバイス内の場所判定システムのためのローカルな受信器又は構造コンポーネントは、位置判定受信器と称され得る。
【0046】
このIMD300は、2つの温度センサ312及び314を含み、これらはIMD300のチャネル又はトンネルに沿って離間されている。温度センサ312及び314は、サーモメータ、サーミスタ、サーモカップル、抵抗温度検出器、及び半導体に基づく温度センサなど、温度を測定するように動作可能な任意のタイプの接触又は非接触温度計であってよい。いくつかの実施例において、温度センサ312及び314は同一のタイプのセンサである。他の実施例において、温度センサ312及び314は異なるセンサ・タイプである。
【0047】
IMD300がチューブに取り付けられると、温度センサ312及び314は温度を周期的に取得し、センサ・データはメモリ304に記録される。いくつかの実施例において、温度センサ312及び314は、感知された情報をセンサ・データがメモリ304に記憶される前に温度出力に変換するハードウェア、ファームウェア又はソフトウェアを内蔵する。他の実施例において、温度変換は、制御回路302内で行われ得る。なおも他の実施例において、記録されたデータ(電流又は電圧など)は維持され、温度勾配分析が、記録されたデータを温度出力に変換することなく使用する。
【0048】
IMD300上のユーザ・インタフェース318は、1つ又は複数のボタン、スイッチ、タッチ・スクリーン制御器、ノブ、音声作動式制御器などの任意のタイプのユーザ・インタフェースであってよい。ユーザ・インタフェース318は、入力及び出力コンポーネントを含み得る。出力コンポーネントは、ライト及びディスプレイなどの視覚的出力、音声出力、触覚的出力、振動出力、又は情報をユーザに通信する他の出力を含み得る。いくつかの実施例において、ユーザ・インタフェース318は、通信回路308を通じて補助され得る。例えば、ユーザは、電話アプリケーションを通じて入力を提供し得る。これらの入力は、電話からIMD300の通信回路308に送られ得る。加えて、通信回路308は、ユーザの電話に出力を送り得る。例えば、通信回路308は、IMD300がチューブに取り付けられたことのアラートを送り得る。続いて、温度センサ312及び314が薬物の投与の準備の完了を示したときに、IMD300はユーザの電話に通知を送り得る。
【0049】
ユーザ・インタフェース318は、動作制御又は情報収集のためのユーザ入力のために使用され得る。動作制御の実例としては、オン/オフ制御、開始/停止制御、通信制御、タイマ制御、又はIMD300の動作のための任意の他の制御などがある。情報収集のためのオプションとしては、ユーザが、識別データ、社会的情報(気分情報など)、又はIMD300の動作とは別の他のデータを提供することを可能とする入力制御などがあり得る。
【0050】
図4は、輸液ポンプ104に取り付けられたIMD102のためのネットワーク化されたシステムを示す。IMD102に加えて、図示されたシステムは、ネットワーク402と、データベース404と、指示遵守コンピュータ406と、携帯デバイス408とを含む。IMD102は、ネットワーク402と通信する通信コンポーネントを含む。この通信は、インターネットへのセルラー方式接続などの直接的な接続であってよく、又は、インターネットへのアクセスを提供するネットワーク化されたルータへのWIFI接続などの間接的な接続であってよい。
【0051】
ネットワーク402は、遠隔通信を促進する任意のタイプのネットワークであってよい。例えば、ネットワーク402はインターネットであってよい。いくつかの実施例において、ネットワーク402は、データを収容及び集約する、より大きなクラウド・ベースのネットワークの一部としてデータベース404と一体化される。いくつかの実施例において、データベース404は、より大きなネットワーク402から独立し得、又は、データベース404は、ネットワーク402内の一部分及びスタンドアロンのサーバ若しくはコンピュータの場所の一部分を含み得る。
【0052】
指示遵守コンピュータ406は、スマート・フォン、ラップトップ、デスクトップ、タブレット又は他のコンピュータであってよい。指示遵守コンピュータ406は、ユーザが自身の薬剤を適切に投与したか判定するためにデータベース404からのデータを評価する。指示遵守評価に加えて、指示遵守コンピュータ406は、他の情報のためのデータも評価し得る。例えば、指示遵守コンピュータは、個人が示した気分が治療プランの指示遵守と関連するかを判定するために、IMD102のユーザから受信された社会的指標を評価し得る。これらの社会的指標は、指示遵守に関連のない事柄に対処するために個人の訪問、電話又は通信がスケジュールされ得るかにも影響を与え得る。
【0053】
携帯デバイス408は、スマート・フォン、タブレット、ラップトップ・コンピュータなどの任意のタイプの携帯デバイスであってよい。携帯デバイス408は、患者、患者の臨床医、代行者又は代理人などの患者の薬剤の管理者に連絡して使用される任意のデバイスであってよい。ユーザの携帯デバイス408は、ユーザの指示遵守を反映したデータベースから通知、リマインダ、又は他の情報を受信し得る。例えば、ユーザが適切に治療を施したことの確認を指示遵守コンピュータ406がデータベース404に送信すると、データベース404は、携帯デバイス408に肯定的なフィードバック応答を送って、治療の成功を促進し得る。いくつかの実施例において、データベース404は、最初の治療後に指定された時間が経過したときにリマインダを送るためのトリガを有し得る。例えば、データベース404は、朝の治療の8時間後に、次の輸液ポンプ104を取り出してIMD102を取り付けるために、リマインダを携帯デバイス408に送り得る。
【0054】
当業者は、これはネットワーク化されたシステムの実例であることを認識されよう。システムは、他のネットワーク、接続ポイント、コンポーネント及び構成によって実現され得る。例えば、システムは、ネットワーク402、データベース404及び指示遵守コンピュータ406を一体化されたコンポーネントとして有するクラウド環境において構築され得る。システムは、IMD102から受信されたデータをクラウド・データベース404内に自動的に集約し得、クラウド・ベースの指示遵守コンピュータ406を通じて指示遵守チェックを行い得る。指示遵守チェックに続いて、システムは、通知又は他の出力を携帯デバイス408に送り得る。
【0055】
患者が薬剤の遠隔投与のために医療施設から退院すると、患者は、家庭輸液を委ねられ得る。家庭輸液供給業者は、支払人からの承認を求め、指示遵守システム・データベース404のために必要なデータを登録する。
【0056】
データは、薬物のタイプ及び量、治療期間及びスケジュールなどの患者のための医療的治療プラン、並びに往診のためのユーザ、臨床医、家庭輸液供給業者、代理人の連絡先情報、又は他の権限保持者の連絡先情報を含む。当業者は、個別の医療的投薬ガイドライン、薬物概要、治療プラン用にカスタマイズされた調整、社会的分析ベースライン情報、及び他の情報など、特定の状況のために他の情報が必要とされ得ることを認識されよう。データは、データベース404内で記憶及び編成され得る。
【0057】
いくつかの実施例において、このデータは、患者データの保護を可能とする程度まで暗号化及び匿名化され得る。いくつかの実施例において、患者識別情報は、家庭輸液供給業者のデータベースに維持され得、通知が送られたときにだけ使用可能とされ得る。このような事例において、割り当てられたIMD102、治療プラン及び指示遵守システムにおいて必要なデータは、個人情報から独立した安全な識別子と関連付けられ得る。
【0058】
IMD102のリクエストと関連データを受信すると、指示遵守サービスは、全ての指示遵守チェックのために固有の識別子をIMD102に割り当て、IMD102を使用するための指導情報とともにIMD102を送付する。いくつかの実施例において、指示遵守サービスは、ユーザの携帯デバイス408の番号を有し得、携帯デバイス408を介して指導情報をユーザに送り得る。このプロセスは、アカウントを設定するために任意の追加的な情報をリクエストすることを含み得る。いくつかの状況において、家庭輸液供給業者又は指示遵守サービスは、IMD102及び輸液ポンプ104をどのように使用するかを教示又は実演する最初のアプリケーションとともにIMD102を配達し得る。
【0059】
IMD102を使用するために、患者は、冷凍装置又は冷却装置から輸液ポンプ104を取り出し得、輸液ポンプ104から延在するチューブ106にIMD102を取り付け得る。例えば、キャップ112が開かれ、チューブ106がトンネル116を形成するチャネル内で配置され、次いで、キャップ112が閉じられる。いくつかの実施例において、IMD102は、カメラ、無線タグ・リーダ、光学的リーダ、又は他の照合機構などの照合コンポーネントを含み得る。例えば、カメラは、輸液ポンプ104の画像を撮影することによってなど、患者が正しい薬剤を選択したかを照合するために使用され得る。別の実例として、カメラは、輸液ポンプ104上の薬剤コードを読み取り、薬剤が患者の治療プランに対応していることを示す出力を提供するために使用され得る。照合コンポーネントは、IMD102の筐体内において外側に面する任意の場所に構築され得る。いくつかの実施例において、照合コンポーネントはIMD102の上部に存在し得、患者コードが輸液ポンプ104の底部に取り付けられ得る。IMD102がチューブに適切に取り付けられると、照合コンポーネントは、治療のための適切な薬剤であることを確認するために患者コードを読み取ることができる。照合情報は、ネットワーク402に送られ得、データベース404に記憶され得る。
【0060】
IMD102がチューブ106に取り付けられると、IMD102はチューブ106の温度の測定を開始し得る。IMD102は、IMD102がチューブにいつ取り付けられたかについての開始時間も記憶し得る。他の実施例において、IMD102は、周囲室温を先ず判定するために、キャップ112が開いたときに温度の測定を開始し得る。
【0061】
IMD102は、3ミリ秒ごと、秒ごと、1分間に3回又は他の任意のレートなどの所与のテスト・レートでチューブ温度の測定を継続する。デフォルトのレートは、温度変化の期待されるレート、電力使用量、薬剤、治療タイムライン及び他の要因に基づき得る。例えば、もしも薬剤が平均室温において秒ごとに1度だけ変化することが知られているならば、同一の温度で多くの読み取りを行うことなく温度における変化を追跡するために十分な読み取り値をIMD102が捕捉するように、デフォルトのレートは10ミリ秒ごとであってよい。もしもIMD102が延長された治療プランのために用いられるならば、電力使用量を減少させてIMD102のバッテリの寿命を延ばすために、デフォルトのレートは、25ミリ秒ごとまで減少されてよい。レートは、動作中に、現在のバッテリ充電量、現在の温度、期待される治療タイムライン及び他の要因にも基づいて変わり得る。例えば、温度を適切に上昇させるには時間がかかるので、温度読み取りのレートは、ゆっくりと始まってよく、温度が薬物の投与温度に近づくにつれて速度を増してよい。
【0062】
動作中に、IMD102は、ネットワーク402にデータを送り得る。いくつかの実施例において、データは、IMD102がチューブ106に接続されたときのため、もしも温度スパイクが発生したときのため、薬剤が流れ始めたときのため、及びIMD102が取り外されたときのための通知並びに他の通知を含み得る。データは、気分のための社会的ボタン指標又はユーザからの他の個人的指標も含み得る。取り外し可能メモリに記憶された温度読み取り値の完全なログ記録は、治療が終了したときに送られ得る。いくつかの実施例において、温度読み取り値は、2分ごとの温度読み取り値のパケットなどの小さなパケットで周期的に送られ得る。
【0063】
IMD102は、始まり(例えば、チューブへの取り付け)、治療の開始、及び治療の終了に関連する特定の時間を収集し得る。これらの時間は、クリップの開閉、薬剤の流動開始、及び薬剤の流動終了によって判定され得る。IMD102は、気泡センサ、流量モニタ、及び輸液ポンプ104の動作を監視する他の機構を含み得る。
【0064】
他の実施例において、IMD102は、指示遵守コンピュータ406が詳細なデータ・ログ記録を求めるリクエストを送るときにだけ通知を送るようにしてよい。例えば、IMD102は、保管庫からの輸液ポンプ104の取り出し及びユーザの治療の開始に関連する個別の温度測定値及びタイミング情報を送り得る。指示遵守コンピュータ406は、タイミング及び温度情報が治療指示遵守に合致しているかを確認し得る。もしも合致していないならば、又は指示遵守コンピュータ406が治療を監査するフラグを含むならば、指示遵守コンピュータ406は、指定されたデータ・セットを求めるリクエストをIMD102に送り得る。
【0065】
もしもデータがデータベース404とは別にネットワーク402に関連付けられた記憶装置に存在するなら、データは、指示遵守コンピュータ406による更なる処理及び分析のためにデータベース404にも送られ得る。指示遵守コンピュータ406は、輸液システム提供業者、保険会社、又は医療施設とは独立しているか又はその一部であってよい指示遵守監視会社に関連付けられ得る。
【0066】
いくつかの実施例において、データベース404は、通知及び温度データを、治療とほぼリアルタイムで受信し、指示遵守コンピュータ406は、ユーザの治療プランに対する指示遵守チェックを行う。指示遵守チェックは、治療ウィンドウによって薬剤が温まることを可能とするように薬剤が保管庫から適切な時間フレームにおいて取り出されたことを確認することを含み得る。指示遵守チェックは、所与の治療ウィンドウ内に治療が開始されたことも確認し得る。例えば、朝の治療をAM8:00に行う患者治療プランについて、指示遵守チェックは、IMD102が輸液ポンプに6:45から7:15の間に取り付けられ、IMDの取り付けの30分後から45分後の間に治療が開始されたことを確認し得る。もしも治療プランが12時間ごとの治療を要求しているならば、ウィンドウは前回の治療に従うように調整し得る。例えば、最初の治療がAM8:00にスケジュールされていたが、ユーザがAM9:00に遅れて治療を施したならば、次の治療は、指示遵守コンピュータ406によってPM9:00にスケジュールされる。データベース404は、指示遵守コンピュータ406によって設定された更新スケジュール情報を記憶し得る。
【0067】
指示遵守チェックは、IMD102によってログ記録された温度勾配変化も追跡し、温度変化が指定された薬剤の温度において期待される変化と合致したことを保証するために、この勾配変化パターンをデータベース404に記憶された勾配変化パターンと比較する。各薬剤は、冷却された保管庫から取り出されて周囲室温環境に置かれたときに予期される温度勾配パターンを有し得る。データベース404は、複数の薬物、開始温度、周囲温度及び治療温度のための複数の温度勾配パターンを含み得る。
【0068】
指示遵守コンピュータ406は、IMD102からの対応するデータ・ポイントに近い開始チューブ温度及び周囲室温を有するベースライン勾配パターンのセットを選択し、これらの勾配パターンを平均化することによってベースライン勾配パターンを決定し得る。次いで、指示遵守コンピュータ406は、ベースライン勾配パターンをIMD102からの現在の勾配パターンと比較し得る。もしも現在の勾配パターンが、ベース勾配パターンと同一であるかベース勾配パターンの設定されたずれ以内であるならば、指示遵守コンピュータ406は、輸液ポンプ104を保管庫から取り出し、薬剤が治療温度に到達することを可能とするための治療プロセスを決定する。許容されるずれは、複数の同様の状況における勾配パターンのずれ分析に基づき得る。この決定の際に、指示遵守コンピュータ406は、ユーザが適切なプロセスに従ったことを反映するようにデータベース404を更新し得る。もしもユーザが適切なプロセスに従い、他の指示遵守要件(例えば、治療の時間、治療の持続時間など)にも合致するならば、システムは、プロセス全体を通じて更なる指示遵守を行うように励ます肯定的なメッセージを患者又は介護者に送り得る。例えば、システムは、治療の成功を示すテキスト・メッセージをユーザの携帯デバイス408及び介護者の電話に送り得る。
【0069】
もしも現在の勾配パターンが、予期される勾配パターンからの許容されるずれを超えてずれているならば、指示遵守コンピュータ406は、データベースにおいてアラートを作成し、ずれを特定する。指示遵守コンピュータ406は、取扱いにおける誤り、不注意による指示不遵守、又は意図的な指示不遵守をずれが示していることを判定し得、この判定に基づいてアラートを設定し得る。例えば、もしも輸液ポンプ104が不注意によって、周囲温度よりも暖かいが薬剤を損なうほど暖かくはない面上に置かれたならば、勾配パターンにおけるずれは、プロセスの初期に温度の急速な上昇を示し得、これは予期されるパターンに戻っていき、治療の実施は期待されるタイムライン及び適切な温度変化に合致するように見える。指示遵守コンピュータ406は、歪曲された勾配パターンが治療の全体的な指示遵守の妨害を示すものではないことを判定し得る。このような事例において、指示遵守コンピュータ406は、このずれを示すパターンの再発生をチェックするフラグによってデータベース404を更新し得る。歪曲されたパターンが初めて判定されたとき、システムは同一の肯定的な指示遵守出力を提供してよい。しかし、もしもパターンが出現したならば、指示遵守の連絡先は、このずれがなぜ生じているかを判定するために事態を更に調査するように通知を受信し得る。
【0070】
別の実例について、指示遵守コンピュータ406は、温度が十分に上昇する前にユーザが治療を開始したことをIMD102のデータが示すことを判定し得る。使用のパターンは、この誤りは指示不遵守となるような意図的な試みでないことを示し得る。例えば、もしもデータベース404が指示遵守された適切なIMD102及び輸液ポンプ104の使用の履歴を示すならば、指示不遵守のこの1回の些細な事例は、不注意によるものであると分類され得る。指示遵守コンピュータ406は、指示不遵守及び不注意への分類を示すようにデータベース404を更新し得る。次いで、システムは、患者の携帯デバイス408に、輸液ポンプ104が適切な温度に到達することを可能とする追加的なリマインダとともに肯定的な応答を送ってよい。
【0071】
別の実例について、指示遵守コンピュータ406は、ユーザが意図的な指示不遵守だったことを判定し得る。例えば、IMD102のデータは、薬剤が期待されるよりも速い流速で流動したこと、及び温度が正しい投与温度に到達する前に流動を開始したことを示し得る。別の実例として、データは、温度が高速で上昇したことを示し得、これは薬剤が高温に晒されたことによって損なわれたかもしれないことを示す。もしも、これらの又は他のデータが意図的な指示不遵守を示すと指示遵守コンピュータ406が判定したならば、指示遵守コンピュータ406は、問題に対処するように家庭介護供給業者、医療施設、又は他の関係者に通知するアラートによってデータベース404を更新する。加えて、システムは、前回の治療が予期されるプロセスに従っていなかったこと示す応答をユーザに送り得る。これは、適切に治療プランに従うようにユーザを励ます、やる気を喚起するテキストとして携帯電話408に提示され得る。
【0072】
システムは、家庭介護提供業者、保険会社、医療施設又は指示遵守の更新を受信する権限を有する他のグループにも更新を送り得る。システムは、関与する関係者のためのレポートも作成し得る。レポートは、医療的治療の向上及び他の目的のために使用され得る。例えば、医療ファイルにおける肯定的な指示遵守レポートは、もしも患者が再入院したならば医師が治療プランを調整して向上させることを可能とする。これとは対照的に、否定的な指示遵守レポートは、薬剤プランは適切であるかもしれないが、新たな投与方法又は追加的な監督が薬剤プランの成功のために必要であるかもしれないことを示し得る。
【0073】
システムは、患者が示した態度に最も合うように応答を調節することを助けるためにユーザからの社会的応答も使用し得る。いくつかの適用例において、患者は、治療プラン全体を通じた追加的な指標が分析され得るベースラインを確立する心理社会的な概観を提供する。応答及び訪問スケジュールは、医療的治療のためのユーザの指示遵守を向上させることを目的としてIMD102を通じて取得される心理社会的分析及び指示遵守パターンに基づいて確立され得る。
【0074】
システムは、データベース404内の比較データの展開を継続し得、時間経過とともに着信する温度勾配を集約及び分析することによって予期される温度勾配の正確性を向上させ得る。データベース404は、指示遵守治療に関連するとフラグ付けされたものに関して新たな勾配パターンの集約を制限し得る。システムは、集約されたシステム内に構築される全ての温度勾配情報を匿名化し得る。
【0075】
加えて、システムは、集約されたユーザ・パターン及び輸液監視デバイスからのユーザ固有のパターンの学習を継続する。展開を継続し得るこれらのパターンに基づいて、システムは、ユーザに対する通信行動を修正する。もしも特定の薬剤についてある期間において指示遵守問題が生じ得る可能性をシステムが検出したならば、システムは、治療プランの遵守を継続するように患者を励ますために、通知をその期間の前に送り得る。例えば、抗生物質のための10日間の治療プランは、しばしば、多くの患者がよくなったと感じ、指示遵守がもはや必要ないと感じる7日目に指示遵守問題をもたらすことがある。システムは、再発防止を助けるために10日間のプランを適切に完了することが必要であることのリマインダを送り得る。別の実例として、システムは、社会的指標のパターンが、しばしば、起こり得る指示遵守問題を示すことを認識し得、指示遵守を奨励する通信を増加し得る。代替的に、特定の結果は、追加的な通信及びリマインダから利益を得ることのない指示遵守の成功のパターンを示し得る。
【0076】
図5は、輸液監視デバイス502の別の実施例を示す。IMD102と同様に、この実施例は、本体部504と、キャップ506とを含む。IMD502は、チューブ508の周りでキャップ506が本体部504に当接した状態で、閉構成において図示されている。キャップ506は、スライド接続、ヒンジ接続、可撓接続、又は他の接続によって本体部504に接続され得る。
【0077】
いくつかの実施例において、キャップ506は、本体部504の側部に当接する閉位置へとキャップ506を付勢するばね又は他の弾性コンポーネントを含み得る。IMD502のこの実施例は、キャップ506が閉位置になるとキャップ506を定位置に保持するラッチを含む。ラッチは、キャップ506に取り付けられた2つの突起510と、本体部504から延在する矢印型突起512とを備える。キャップ506がチューブ508の周りで閉ざされたときに、突起510は矢印型突起512の側部のそばを通過し、矢印型突起512は内側に撓んで突起の通過を可能とする。次いで、矢印型突起512の側部は突起510の背後で撓んで開位置へと戻り、キャップ506が開くことを防止する。いくつかの実施例において、ラッチは、動作中にキャップ506を定位置に保持するが、チューブ508を取り外して別の輸液ポンプにおいてIMD502を使用するためにユーザがキャップ506を再度開くことは可能とするように構成され得る。
【0078】
この実施例において、IMD502は、視覚的出力514を有し、これは、ライト・アレイ、ライト・バー、又はディスプレイであってよい。いくつかの実施例において、視覚的出力514は、バーに沿って種々の視覚的情報が提示されることを可能とするように区画され得る。視覚的出力514は、英数字出力による表示としてフィードバック情報も提供し得る。
図2において論じられたように、視覚的出力514は、様々なステータス情報を示す種々のライティング特性を提供し得る。
【0079】
このように本発明が説明され、特許請求の範囲において更に説明されるが、本発明が多くのやり方で変形され得ることは明白であろう。このような変形は、本発明の精神及び範囲からの逸脱と見なされるべきものではなく、当業者には明白であるように、全てのこのような変更は、説明される装置及び方法の範囲内に含まれると意図される。