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特許7566043スウェリング吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール及びそれを含むバッテリーパック、並びに自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】スウェリング吸収可能な構造を有するバッテリーモジュール及びそれを含むバッテリーパック、並びに自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/262 20210101AFI20241004BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/264 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241004BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M50/211
H01M50/264
H01M50/249
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022572783
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 KR2021019893
(87)【国際公開番号】W WO2022145909
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0186475
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ドン-ウク・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ギ-ユン・チェ
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-042648(JP,A)
【文献】国際公開第2019/187314(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/166972(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0123762(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルを含むセル積層体と、
前記セル積層体の上面及び下面を各々カバーする上部エンドプレート及び下部エンドプレートと、
前記上部エンドプレートの上に位置し、前記上部エンドプレートの長手方向における一側及び他側から中心部に向かって各々延びる第1上部補強プレート及び第2上部補強プレートと、
前記下部エンドプレートの上に位置し、前記下部エンドプレートの長手方向における一側及び他側から中心部に向かって各々延びる第1下部補強プレート及び第2下部補強プレートと、
前記セル積層体の長手方向における一側に位置し、前記第1上部補強プレート、上部エンドプレート、下部エンドプレート及び第1下部補強プレートを貫通する第1締結ボルトと、
前記セル積層体の長手方向における他側に位置し、前記第2上部補強プレート、上部エンドプレート、下部エンドプレート及び第2下部補強プレートを貫通する第2締結ボルトと、
を含む、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記第1上部補強プレート及び第2上部補強プレートは、互いに向かって延びた形態を有し、かつ互いに離隔し、
前記第1下部補強プレート及び第2下部補強プレートは、互いに向かって延びた形態を有し、かつ互いに離隔することを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記第1締結ボルト及び前記第2締結ボルトは、前記バッテリーモジュールの幅方向に沿って一側端部及び他側端部に各々一対ずつ備えられることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記第1上部補強プレート及び前記第1下部補強プレートは、前記バッテリーモジュールの幅方向に沿って一側端部及び他側端部に各々一対ずつ備えられ、
前記第2上部補強プレート及び前記第2下部補強プレートは、前記バッテリーモジュールの幅方向に沿って一側端部及び他側端部に各々一対ずつ備えられることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記第1上部補強プレート及び前記第1下部補強プレートは、各々一対の前記第1締結ボルトによって上部エンドプレート及び下部エンドプレートに締結され、
前記第2上部補強プレート及び前記第2下部補強プレートは、各々一対の前記第2締結ボルトによって前記上部エンドプレート及び前記下部エンドプレートに締結されることを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記第1締結ボルト及び前記第2締結ボルトは各々、互いに離隔した上部ボルト及び下部ボルトを含み、
前記バッテリーモジュールは、前記上部ボルトと前記下部ボルトとを連結する圧力緩和カプラーをさらに含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記圧力緩和カプラーは、
前記上部ボルトに結合する第1メインヒンジと、
前記下部ボルトに結合する第2メインヒンジと、
前記第1メインヒンジと第2メインヒンジとの間に締結される第1連結バーと、
を含むことを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記圧力緩和カプラーは、前記第1連結バーを中心にして一側及び他側に備えられ、前記第1メインヒンジ及び第2メインヒンジに各ヒンジ結合する一対の第1サブ連結バーアセンブリーをさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記第1サブ連結バーアセンブリーは、
前記第1メインヒンジ及び第2メインヒンジに各々ヒンジ結合する一対の第1サブ連結バーと、
前記一対の第1サブ連結バーの間にヒンジ結合する第1サブヒンジと、
を含むことを特徴とする、請求項8に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記一対の第1サブ連結バーの長さの和は、前記第1連結バーの長さよりも長いことを特徴とする、請求項8又は9に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記圧力緩和カプラーは、前記第1連結バーを中心にして一側及び他側に備えられ、前記第1サブ連結バーアセンブリーよりも外側に位置し、前記第1メインヒンジ及び前記第2メインヒンジに各々ヒンジ結合する一対の第2サブ連結バーアセンブリーをさらに含むことを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記第2サブ連結バーアセンブリーは、
前記第1メインヒンジ及び第2メインヒンジに各々ヒンジ結合する一対の第2サブ連結バーと、
前記一対の第2サブ連結バーの間にヒンジ結合する第2サブヒンジと、
を含むことを特徴とする、請求項11に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
前記一対の第2サブ連結バーの長さの和は、前記一対の第1サブ連結バーの長さの和よりも長いことを特徴とする、請求項12に記載のバッテリーモジュール。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、バッテリーパック。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スウェリングを吸収できる構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車に関し、エンドプレートの厚さを増加することなくエンドプレートの耐反り性を向上させてバッテリーセルのスウェリングを効果的に吸収可能な構造を有するバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2020年12月29日出願の韓国特許出願第10-2020-0186475号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
図1に示したような従来のバッテリーモジュールは、バッテリーセル1及びスウェリング吸収パッド2を含むセル積層体3の積層方向における両側にエンドプレート4が配置され、一対のエンドプレート4は、締結ボルト5によって固定された構造を有する。
【0004】
このようなバッテリーモジュール構造においては、エンドプレート4がバッテリーセル1のスウェリングによる変形を拘束する。スウェリング吸収パッド2は、バッテリーセル1のスウェリングによる変形を一次的に吸収するように、隣接するバッテリーセル1の間及び/またはセル積層体3の最外郭に配置される。
【0005】
また、スウェリング吸収パッド2が吸収可能な水準を超えるスウェリングが発生する場合には、エンドプレート4によってバッテリーセル1の体積膨張が制限され、エンドプレート4がスウェリングを拘束しすぎないようにエンドプレート4が適切な剛性を有しなければならない。このために、反復される充放電によるバッテリーセル1のスウェリング特性試験を行い、この結果に基づいてバッテリーモジュールの構造的損傷が発生しないように検証過程を経なければならない。
【0006】
なお、充放電サイクルの回数が増加するにつれ、モジュールに加えられるスウェリングフォース(swelling force)が次第に増加し、これによってバッテリーセル1の性能が低下し、寿命も短縮され得る。バッテリーセル1において局部的にスウェリングフォースが大きく作用する場合、バッテリーセル1の内部の分離膜が部分的に圧縮されてバッテリーセル1の性能が低下し得る。一方、加圧力が弱すぎる場合には、バッテリーセル1の内部のガス生成などによる問題が発生し得る。
【0007】
従来のバッテリーモジュール構造において、軽量化のためにエンドプレート4の厚さを減少させる場合、エンドプレート4が有する曲げ剛性が足りなくなり、スウェリングフォースによってバッテリーセル1の中心部に対応するエンドプレート4の部分に反り変形が集中的に発生するようになる。エンドプレート4のこのような部分的な変形によってセル積層体3を構成する複数のバッテリーセル1に対する加圧偏差及び一つのバッテリーセル1内で位置による加圧偏差が増加するようになり、これはバッテリーモジュールの性能低下につながる。
【0008】
そこで、バッテリーセル1のスウェリング発生時、セル積層体3に全体的に均一な力が加えられるようにするバッテリーモジュール構造の開発が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、エンドプレートの厚さを増加させることなく、スウェリングによるエンドプレートの反り変形量を減少させてバッテリーセルに加えられる圧力を均一にすることを目的とする。
【0010】
また、本発明は、エンドプレートの反り変形量の減少によってバッテリーセルに加えられる圧力が余り大きくなることを防止することを他の目的とする。
【0011】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するための本発明の一実施例によるバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルを含むセル積層体と、前記セル積層体の上面及び下面を各々カバーする上部エンドプレート及び下部エンドプレートと、前記上部エンドプレートの上に位置し、前記上部エンドプレートの長手方向における一側及び他側から中心部に向かって各々延びる第1上部補強プレート及び第2上部補強プレートと、前記下部エンドプレートの上に位置し、前記下部エンドプレートの長手方向における一側及び他側から中心部に向かって各々延びる第1下部補強プレート及び第2下部補強プレートと、前記セル積層体の長手方向における一側に位置し、前記第1上部補強プレート、上部エンドプレート、下部エンドプレート及び第1下部補強プレートを貫通する第1締結ボルトと、前記セル積層体の長手方向における他側に位置し、前記第2上部補強プレート、上部エンドプレート、下部エンドプレート及び第2下部補強プレートを貫通する第2締結ボルトと、を含む。
【0013】
前記第1上部補強プレート及び第2上部補強プレートは、互いに向かって延びた形態を有し、かつ互いに離隔し、前記第1下部補強プレート及び第2下部補強プレートは、互いに向かって延びた形態を有し、かつ互いに離隔し得る。
【0014】
前記第1締結ボルト及び第2締結ボルトは、前記バッテリーモジュールの幅方向に沿って一側端部及び他側端部に各々一対ずつ備えられ得る。
【0015】
前記第1上部補強プレート及び第1下部補強プレートは、前記バッテリーモジュールの幅方向に沿って一側端部及び他側端部に各々一対ずつ備えられ、前記第2上部補強プレート及び第2下部補強プレートは、前記バッテリーモジュールの幅方向に沿って一側端部及び他側端部に各々一対ずつ備えられ得る。
【0016】
前記第1上部補強プレート及び第1下部補強プレートは、各々一対の第1締結ボルトによって前記上部エンドプレート及び下部エンドプレートに締結され、前記第2上部補強プレート及び第2下部補強プレートは、各々一対の第2締結ボルトによって前記上部エンドプレート及び下部エンドプレートに締結され得る。
【0017】
前記第1締結ボルト及び第2締結ボルトは各々、互いに離隔した上部ボルト及び下部ボルトを含み、前記バッテリーモジュールは、前記上部ボルトと下部ボルトとを連結する圧力緩和カプラーをさらに含み得る。
【0018】
前記圧力緩和カプラーは、前記上部ボルトに結合する第1メインヒンジと、前記下部ボルトに結合する第2メインヒンジと、前記第1メインヒンジと第2メインヒンジとの間に締結される第1連結バーと、を含み得る。
【0019】
前記圧力緩和カプラーは、前記第1連結バーを中心にして一側及び他側に備えられ、前記第1メインヒンジ及び第2メインヒンジに各ヒンジ結合する一対の第1サブ連結バーアセンブリーをさらに含み得る。
【0020】
前記第1サブ連結バーアセンブリーは、前記第1メインヒンジ及び第2メインヒンジに各々ヒンジ結合する一対の第1サブ連結バーと、前記一対の第1サブ連結バーの間にヒンジ結合する第1サブヒンジと、を含み得る。
【0021】
前記一対の第1サブ連結バーの長さの和は、前記第1連結バーの長さよりも長く形成され得る。
【0022】
前記圧力緩和カプラーは、前記第1連結バーを中心にして一側及び他側に備えられ、前記第1サブ連結バーアセンブリーよりも外側に位置し、前記第1メインヒンジ及び第2メインヒンジに各々ヒンジ結合する一対の第2サブ連結バーアセンブリーをさらに含み得る。
【0023】
前記第2サブ連結バーアセンブリーは、前記第1メインヒンジ及び第2メインヒンジに各々ヒンジ結合する一対の第2サブ連結バーと、前記一対の第2サブ連結バーの間にヒンジ結合する第2サブヒンジと、を含み得る。
【0024】
前記一対の第2サブ連結バーの長さの和は、前記一対の第1サブ連結バーの長さの和よりも長く形成され得る。
【0025】
なお、本発明の一実施例によるバッテリーパック及び自動車は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一面によれば、エンドプレートの厚さを増加させることなくスウェリングによるエンドプレートの反り変形量を減少させて、バッテリーセルに加えられる圧力を均一にすることができる。
【0027】
また、本発明の他面によれば、エンドプレートの反り変形量が減少することによってバッテリーセルに加えられる圧力が余りに大きくなることを防止することができる。
【0028】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】従来のバッテリーモジュールを示す図である。
図2】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを示す側面図である。
図3図2に示したバッテリーモジュールを示す平面図である
図4図2に示したバッテリーモジュールを示す平面図である。
図5】本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールを示す側面図である。
図6】本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールに適用される圧力緩和カプラーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0031】
図2を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールは、セル積層体10、エンドプレート20、補強プレート40及び締結ボルト30を含む。
【0032】
前記セル積層体10は、複数のバッテリーセル11を含む。前記バッテリーセル11は、例えば、パウチ型のバッテリーセルであり得る。図示していないが、前記バッテリーセル11は、バッテリーセル11の長手方向(X軸に平行な方向)に沿ってバッテリーセル11の外側へ延びる一対の電極リード(図示せず)を備える。前記一対の電極リードは、互いに同じ方向または互いに反対方向に引き出され得る。前記複数のバッテリーセル11は、上下方向(Z軸に平行な方向)に沿って積層される。
【0033】
前記セル積層体10は、互いに隣接するバッテリーセル11の間及び/またはセル積層体10の積層方向(Z軸に平行な方向)における最外郭に配置されるスウェリング吸収パッド12をさらに含み得る。前記スウェリング吸収パッド12は、反復的な充放電によるバッテリーセル11のスウェリング発生時に圧縮され、バッテリーセル11の体積膨張を吸収できる。
【0034】
前記エンドプレート20は、セル積層体10の上面をカバーする上部エンドプレート21と、セル積層体10の下面をカバーする下部エンドプレート22と、を含む。前記上部エンドプレート21及び下部エンドプレート22は、互いに対応する面積を有する。上部エンドプレート21及び下部エンドプレート22は、締結ボルト30による締結が容易になるようにセル積層体10よりも大きい面積を有する。
【0035】
前記上部エンドプレート21及び下部エンドプレート22は、セル積層体10を外部衝撃から保護し、スウェリングによる体積膨張を抑制できるように十分な剛性を有する。前記上部エンドプレート21及び下部エンドプレート22は、このような機能を考慮して金属材質からなり得る。
【0036】
前記補強プレート40は、上部エンドプレート21の上に位置する第1上部補強プレート41及び第2上部補強プレート42を含み、下部エンドプレート22の上に位置する第1下部補強プレート43及び第2下部補強プレート44を含む。
【0037】
前記第1上部補強プレート41は、上部エンドプレート21の長手方向(X軸に平行な方向)の一側から中心部に向かって延びた形態を有する。前記第2上部補強プレート42は、上部エンドプレート21の長手方向における他側から中心部に向かって延びた形態を有する。前記第1上部補強プレート41及び第2上部補強プレート42は、互いに向かって延びた形態を有し、互いに離隔する。
【0038】
前記第1下部補強プレート43は、下部エンドプレート22の長手方向(X軸に平行な方向)の一側から中心部に向かって延びた形態を有する。前記第2下部補強プレート44は、下部エンドプレート22の長手方向における他側から中心部に向かって延びた形態を有する。前記第1下部補強プレート43及び第2下部補強プレート44は、互いに向かって延びた形態を有し、互いに離隔する。
【0039】
前記バッテリーセル11のスウェリング発生時、体積膨張が集中的に起こる領域は、バッテリーセル11の長手方向(X軸に平行な方向)における中心部である。前記上部エンドプレート21及び下部エンドプレート22は、その長さ方向(X軸に平行な方向)の中心部に集中的な圧力を受けるようになる。
【0040】
前記第1上部補強プレート41及び第2上部補強プレート42は、部分的に上部エンドプレート21の剛性を補強し、これによってスウェリング圧力による上部エンドプレート21の変形率が減少する。同様に、前記第1下部補強プレート43及び第2下部補強プレート44は、部分的に下部エンドプレート22の剛性を補強し、これによってスウェリング圧力による下部エンドプレート22の変形率が減少する。
【0041】
前記第1上部補強プレート41及び第2上部補強プレート42は、上部エンドプレート21を部分的に補強するものであるため、バッテリーモジュールの重量を大きく増加させないながらも効果的に上部エンドプレート21の曲げ剛性を補強できる。また、前記第1上部補強プレート41及び第2上部補強プレート42は互いに連結されておらず、離隔しているため、スウェリングによる体積膨張を抑制しすぎることが防止できる。同様に、前記第1下部補強プレート43及び第2下部補強プレート44は、下部エンドプレート22を部分的に補強するものであるため、バッテリーモジュールの重量を大きく増加させないながらも効果的に下部エンドプレート22の曲げ剛性を補強できる。また、前記第1下部補強プレート43及び第2下部補強プレート44は、互いに連結されておらず、離隔しているため、スウェリングによる体積膨張を抑制しすぎることが防止できる。
【0042】
前記締結ボルト30は、セル積層体10の長手方向(X軸に平行な方向)の一側に位置する第1締結ボルト31と、セル積層体10の長手方向における他側に位置する第2締結ボルト32と、を含む。
【0043】
前記第1締結ボルト31は、第1上部補強プレート41、上部エンドプレート21、下部エンドプレート22及び第1下部補強プレート43の各々の長手方向(X軸に平行な方向)における一側端部を貫通する。前記第1締結ボルト31によって、上部エンドプレート21及び下部エンドプレート22は、セル積層体10に密着して固定される。前記第1締結ボルト31によって、第1上部補強プレート41及び第1下部補強プレート43は各々、上部エンドプレート21及び下部エンドプレート22に密着して固定される。
【0044】
前記第2締結ボルト32は、第2上部補強プレート42、上部エンドプレート21、下部エンドプレート22及び第2下部補強プレート44の各々の長手方向(X軸に平行な方向)における他側端部を貫通する。前記第2締結ボルト32によって、上部エンドプレート21及び下部エンドプレート22は、セル積層体10に密着して固定される。前記第2締結ボルト32によって、第2上部補強プレート42及び第2下部補強プレート44は各々、上部エンドプレート21及び下部エンドプレート22に密着して固定される。
【0045】
図2及び図3を参照すると、前記第1締結ボルト31及び第2締結ボルト32は、バッテリーモジュールの幅方向(Y軸に平行な方向)に沿って一側端部及び他側端部に各々一対ずつ備えられ得る。この場合、前記第1上部補強プレート41及び第1下部補強プレート43は、バッテリーモジュールの幅方向に沿って一側端部及び他側端部に各々一対ずつ備えられ得る。同様に、前記第2上部補強プレート42及び第2下部補強プレート44は、バッテリーモジュールの幅方向に沿って一側端部及び他側端部に各々一対ずつ備えられ得る。
【0046】
図2及び図4を参照すると、図3に示したこととは異なり、前記第1上部補強プレート41及び第1下部補強プレート43は、バッテリーモジュールの長手方向における一側端部に一つずつ備えられ得る。この場合、前記第1上部補強プレート41及び第1下部補強プレート43は各々、バッテリーモジュールの幅方向に沿って一側端部から他側端部に向かって延びた形態を有し、一対の第1締結ボルト31によって上部エンドプレート21及び下部エンドプレート22に締結される。
【0047】
同様に、前記第2上部補強プレート42及び第2下部補強プレート44は、バッテリーモジュールの長手方向における他側端部に一つずつ備えられ得る。この場合、前記第2上部補強プレート42及び第2下部補強プレート44は各々、バッテリーモジュールの幅方向に沿って一側端部から他側端部に向かって延びた形態を有し、一対の第2締結ボルト32によって上部エンドプレート21及び下部エンドプレート22に締結される。
【0048】
図5及び図6を参照すると、前記第1締結ボルト31及び第2締結ボルト32は各々、互いに離隔した上部ボルト30a及び下部ボルト30bを含み得る。この場合、前記バッテリーモジュールは、上部ボルト30aと下部ボルト30bとを連結する圧力緩和カプラー50をさらに含み得る。
【0049】
前記圧力緩和カプラー50は、上部ボルト30aに結合する第1メインヒンジ51と、下部ボルト30bに結合する第2メインヒンジ52と、第1メインヒンジ51と第2メインヒンジ52との間に締結される第1連結バー53と、を含む。前記第1連結バー53は、補強プレート40を適用することで曲げ剛性が強化したエンドプレート20によってバッテリーセル11に加えられる圧力が増加しすぎることを防止する。
【0050】
このような機能の果たすために、前記第1連結バー53は、締結ボルト30を構成する上部ボルト30a及び下部ボルト30bよりも薄い厚さを有するバー(bar)形状を有する。前記上部ボルト30a及び下部ボルト30bと第1連結バー53は、いずれも金属材質からなり、相対的に厚い厚さを有する上部ボルト30a及び下部ボルト30bは、スウェリングによる圧力によってエンドプレート20が上下方向(Z軸に平行な方向)へ力を受けてもほとんど延伸が起こらない。これに対し、相対的に薄い厚さを有する第1連結バー53は、エンドプレート20に大きい力が加えられる場合、一定の長さが延伸しながらセル積層体10に加えられる圧力を緩和し得る。前記セル積層体10に加えられる圧力が余りに高くなる場合、バッテリーセル11の内部の分離膜の気孔が閉塞することがあり、これによってバッテリーセル11の性能低下が発生し得る。前記圧力緩和カプラー50は、このようなバッテリーセル11の性能低下を防止するために適用される構成要素である。
【0051】
一方、前記圧力緩和カプラー50は、第1連結バー53を中心にして一側及び他側に各々備えられ、第1メインヒンジ51及び第2メインヒンジ52に各々結合する少なくとも一対の第1サブ連結バーアセンブリー54をさらに含み得る。
【0052】
前記第1サブ連結バーアセンブリー54は、第1メインヒンジ51及び第2メインヒンジ52に各々ヒンジ結合する一対の第1サブ連結バー54a、54bと、一対の第1サブ連結バー54a、54bの間にヒンジ結合する第1サブヒンジ54cと、を含む。
【0053】
前記一対の第1サブ連結バー54a、54bは金属材質からなり、上部ボルト30a及び下部ボルト30bよりも薄い厚さを有する。前記一対の第1サブ連結バー54a、54bの長さの和は、第1連結バー53の長さよりも長く形成される。これによって、スウェリング圧力の増加によって第1連結バー53が延伸することで第1サブヒンジ54cは図6の矢印方向に沿って第1連結バー53に向かって移動するようになる。前記第1サブヒンジ54cがもう以上移動できない位置に至ると、第1サブ連結バー54a、54bにはスウェリング圧力による張力が加えられ、これによって第1サブ連結バー54a、54bは第1連結バー53と共に延伸しながらスウェリングによる圧力を緩和するようになる。
【0054】
前記圧力緩和カプラー50は、第1連結バー53を中心にして一側及び他側に各々備えられ、第1サブ連結バーアセンブリー54よりも外側に位置する少なくとも一対の第2サブ連結バーアセンブリー55をさらに含み得る。前記一対の第2サブ連結バーアセンブリー55は、第1メインヒンジ51及び第2メインヒンジ52に各々ヒンジ結合する。
【0055】
前記第2サブ連結バーアセンブリー55は、第1メインヒンジ51及び第2メインヒンジ52に各々ヒンジ結合する一対の第2サブ連結バー55a、55bと、一対の第2サブ連結バー55a、55bの間にヒンジ結合する第2サブヒンジ55cと、を含む。
【0056】
前記一対の第2サブ連結バー55a、55bは金属材質からなり、上部ボルト30a及び下部ボルト30bよりも薄い厚さを有する。前記一対の第2サブ連結バー55a、55bの長さの和は、一対の第1サブ連結バー54a、54bの長さの和よりも長く形成される。これによって、スウェリング圧力の増加によって第1サブ連結バー54a、54bが延伸することで、第2サブヒンジ55cは、図6の矢印方向に沿って第1サブ連結バーアセンブリー54に向かって移動するようになる。前記第2サブヒンジ55cがもう以上移動できない位置に至ると、第2サブ連結バー55a、55bにはスウェリング圧力による張力が加えられ、これによって第2サブ連結バー55a、55bは、第1連結バー53及び第1サブ連結バー54a、54bと共に延伸しながらスウェリングによる圧力を緩和するようになる。
【0057】
本発明の図面では、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールが第1サブ連結バーアセンブリー54を備える場合と、第1サブ連結バーアセンブリー54及び第2サブ連結バーアセンブリー55を備える場合のみを示したが、本発明はこれに限定されない。即ち、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールは、第1サブ連結バーアセンブリー54及び第2サブ連結バーアセンブリー55の他にも、追加的なサブ連結バーアセンブリーをさらに含み得る。
【0058】
一方、本発明の一実施例によるバッテリーパックは、上述したような本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを含む。また、本発明の一実施例による自動車は、上述したような本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを含む。
【0059】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野におけり通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0060】
1 バッテリーセル
2 スウェリング吸収パッド
3 セル積層体
4 エンドプレート
5 締結ボルト
10 セル積層体
11 バッテリーセル
12 スウェリング吸収パッド
20 エンドプレート
21 上部エンドプレート
22 下部エンドプレート
30 締結ボルト
30a 上部ボルト
30b 下部ボルト
31 第1締結ボルト
32 第2締結ボルト
40 補強プレート
41 第1上部補強プレート
42 第2上部補強プレート
43 第1下部補強プレート
44 第2下部補強プレート
50 圧力緩和カプラー
51 第1メインヒンジ
52 第2メインヒンジ
53 第1連結バー
54 第1サブ連結バーアセンブリー
54a 第1サブ連結バー
54b 第1サブ連結バー
54c 第1サブヒンジ
55 第2サブ連結バーアセンブリー
55a 第2サブ連結バー
55b 第2サブ連結バー
55c 第2サブヒンジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6