IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特許7566044ロック要素を備えるバッテリ、およびバッテリを配置するためのレセプタクルを備える車両
<>
  • 特許-ロック要素を備えるバッテリ、およびバッテリを配置するためのレセプタクルを備える車両 図1
  • 特許-ロック要素を備えるバッテリ、およびバッテリを配置するためのレセプタクルを備える車両 図2
  • 特許-ロック要素を備えるバッテリ、およびバッテリを配置するためのレセプタクルを備える車両 図3
  • 特許-ロック要素を備えるバッテリ、およびバッテリを配置するためのレセプタクルを備える車両 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ロック要素を備えるバッテリ、およびバッテリを配置するためのレセプタクルを備える車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/296 20210101AFI20241004BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/256 20210101ALI20241004BHJP
【FI】
H01M50/296
H01M50/244 A
H01M50/249
H01M50/256 101
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022574399
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 EP2021064549
(87)【国際公開番号】W WO2021245027
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】102020206984.0
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】ティーフェンバッハ,アンディ
(72)【発明者】
【氏名】グライター,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】マンカ,ダニエル
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-123806(JP,A)
【文献】特開2018-116770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリセル、特にリチウムイオンバッテリセルを備えるバッテリであって、
前記複数のバッテリセルは、互いに直列および/または並列に電気的に接続され、前記バッテリ(1)のハウジング要素(2)に収容されており、
前記バッテリ(1)の前記ハウジング要素(2)は、第1の端面(31)に、前記バッテリ(1)の第1の電気接続部(41)および前記バッテリ(1)の第2の電気接続部(42)を有し、
前記バッテリ(1)の前記ハウジング要素(2)は、第2の端面(32)にロック要素(5)を有し、
前記ロック要素(5)が第1の位置に配置されるとき、前記バッテリ(1)の前記第1の電気接続部(41)および前記バッテリ(1)の前記第2の電気接続部(42)は、レセプタクル(7)の第1の接続部(61)およびレセプタクル(7)の第2の接続部(62)と電気的および機械的に接触するように配置され、
前記ロック要素(5)が第2の位置に配置されるとき、前記バッテリ(1)の前記第1の電気接続部(41)および前記バッテリ(1)の前記第2の電気接続部(42)は、前記レセプタクル(7)の前記第1の接続部(61)および前記レセプタクル(7)の前記第2の接続部(62)から電気的および機械的に分離して配置されており
前記ロック要素(5)は、前記第1の位置に配置されるときに、前記ハウジング要素(2)の前記第2の端面(32)に配置された凹部(8)に収容されている、
ことを特徴とするバッテリ。
【請求項2】
複数のバッテリセル、特にリチウムイオンバッテリセルを備えるバッテリであって、
前記複数のバッテリセルは、互いに直列および/または並列に電気的に接続され、前記バッテリ(1)のハウジング要素(2)に収容されており、
前記バッテリ(1)の前記ハウジング要素(2)は、第1の端面(31)に、前記バッテリ(1)の第1の電気接続部(41)および前記バッテリ(1)の第2の電気接続部(42)を有し、
前記バッテリ(1)の前記ハウジング要素(2)は、第2の端面(32)にロック要素(5)を有し、
前記ロック要素(5)が第1の位置に配置されるとき、前記バッテリ(1)の前記第1の電気接続部(41)および前記バッテリ(1)の前記第2の電気接続部(42)は、レセプタクル(7)の第1の接続部(61)およびレセプタクル(7)の第2の接続部(62)と電気的および機械的に接触するように配置され、
前記ロック要素(5)が第2の位置に配置されるとき、前記バッテリ(1)の前記第1の電気接続部(41)および前記バッテリ(1)の前記第2の電気接続部(42)は、前記レセプタクル(7)の前記第1の接続部(61)および前記レセプタクル(7)の前記第2の接続部(62)から電気的および機械的に分離して配置されており、
前記バッテリ(1)の前記ハウジング要素(2)は、前記第2の端面(32)に、少なくとも1つの保持要素をさらに有し、
前記ロック要素(5)が前記第1の位置に配置されるとき、前記少なくとも1つの保持要素は、前記レセプタクル(7)の保持接続部と機械的に接触するように配置されており、
前記ロック要素(5)が前記第2の位置に配置されるとき、前記少なくとも1つの保持要素は、前記レセプタクル(7)の前記保持接続部から機械的に分離して配置されている、
ことを特徴とするバッテリ。
【請求項3】
複数のバッテリセル、特にリチウムイオンバッテリセルを備えるバッテリであって、
前記複数のバッテリセルは、互いに直列および/または並列に電気的に接続され、前記バッテリ(1)のハウジング要素(2)に収容されており、
前記バッテリ(1)の前記ハウジング要素(2)は、第1の端面(31)に、前記バッテリ(1)の第1の電気接続部(41)および前記バッテリ(1)の第2の電気接続部(42)を有し、
前記バッテリ(1)の前記ハウジング要素(2)は、第2の端面(32)にロック要素(5)を有し、
前記ロック要素(5)が第1の位置に配置されるとき、前記バッテリ(1)の前記第1の電気接続部(41)および前記バッテリ(1)の前記第2の電気接続部(42)は、レセプタクル(7)の第1の接続部(61)およびレセプタクル(7)の第2の接続部(62)と電気的および機械的に接触するように配置され、
前記ロック要素(5)が第2の位置に配置されるとき、前記バッテリ(1)の前記第1の電気接続部(41)および前記バッテリ(1)の前記第2の電気接続部(42)は、前記レセプタクル(7)の前記第1の接続部(61)および前記レセプタクル(7)の前記第2の接続部(62)から電気的および機械的に分離して配置されており、
前記第1の端面(31)と前記第2の端面(32)とは、互いに対向して配置されていることを特徴とするバッテリ。
【請求項4】
前記ロック要素(5)は、前記バッテリ(1)の持ち運び用ハンドル(50)として構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のバッテリ。
【請求項5】
前記バッテリ(1)の前記第1の電気接続部(41)および/または前記バッテリ(1)の前記第2の電気接続部(42)は、少なくとも1つの電気接続部(9)を含み、前記電気接続部(9)が、前記レセプタクル(7)の少なくとも1つの電気接続部(10)と接続されるように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項6】
前記バッテリ(1)の前記ハウジング要素(2)は、前記第2の端面(32)に、前記バッテリ(1)の少なくとも1つの電気接続部(9)を有し、
前記ロック要素(5)が前記第1の位置に配置されるとき、前記バッテリ(1)の前記少なくとも1つの電気接続部(9)は、前記レセプタクル(7)の電気接続部(10)に接触するように配置されており、
前記ロック要素(5)が第2の位置に配置されるとき、前記バッテリ(1)の前記少なくとも1つの電気接続部(9)は、前記レセプタクル(7)の前記電気接続部(10)から分離して配置されている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項7】
前記第1の端面(31)と前記第2の端面(32)とは、互いに垂直に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバッテリ。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載のバッテリ(1)を収容するように構成されたレセプタクル(7)を備える車両であって、前記バッテリ(1)の前記第1の電気接続部(41)と電気的および機械的に接触するように構成された第1の接続部(61)と、前記バッテリ(1)の前記第2の電気接続部(42)と電気的および機械的に接触するように構成された第2の接続部(62)とを備える、車両。
【請求項9】
前記車両(100)の前記レセプタクル(7)は、ばねダンパ要素(11)を含むことを特徴とする請求項に記載の車両。
【請求項10】
前記レセプタクル(7)に、請求項1からのいずれか一項に記載のバッテリ(1)が配置されていることを特徴とする請求項またはに記載の車両。
【請求項11】
請求項10に記載の車両(100)を製造するための方法であって、
請求項1からのいずれか一項に記載のバッテリ(1)を、前記車両(100)の前記レセプタクル(7)に配置し、
その間に前記ロック要素(5)を前記第2の位置に配置し、次いで前記ロック要素(5)を前記第1の位置に配置する、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項のプリアンブルに記載のバッテリに基づくものである。また、本発明の主題は、車両およびその製造方法である。
【背景技術】
【0002】
従来技術によれば、バッテリモジュールは複数の個々のバッテリセルから構成されてよく、それぞれのバッテリセルが相互接続されてバッテリモジュールを形成するようにそれらのバッテリセルが互いに直列および/または並列に電気的に接続されていてもよいことが知られている。
【0003】
さらに、そのようなバッテリモジュールが相互接続されてバッテリまたはバッテリシステム全体が構成される。
【0004】
ここで、特に、バッテリセルはリチウムイオンバッテリセルとして構成されている。そのようなリチウムイオンバッテリセルを用いて、比較的高いエネルギー密度が実現可能であり、バッテリのよりコンパクトな設計様式を可能にする。したがって、そのようなバッテリは持ち運び可能に構成可能であり、特にe-バイク(eBike)などの電動自転車や軽電気車両(LeV)などの車両での用途に使用され得る。これは、例えば、交換ステーションで空のバッテリを満充電のバッテリに迅速に交換できること、または特に車両専用のガレージがないときに自宅で夜間にバッテリをより快適に充電できることなどの、いくつかの利点をもたらす。
【発明の概要】
【0005】
独立請求項の特徴を備えたバッテリは、一方で、動作中に例えば車両にバッテリが比較的堅牢に取り付けることができるものであり、それにより振動または機械的な衝撃の影響を受けにくくなり、他方で、簡単に比較的迅速にバッテリを取り外すことができ、かつ簡単に比較的迅速に設置することができるものという利点を提供する。
【0006】
このために、複数のバッテリセルを備えるバッテリが提供される。ここで、バッテリセルは、特にリチウムイオンバッテリセルとして構成される。さらに、バッテリセルは、互いに直列および/または並列に電気的に接続されている。このために、バッテリセルは、例えば、セルコネクタによって互いに直列および/または並列に電気的に接続されている正電圧タップおよび負電圧タップをそれぞれ有することができる。そのような導電相互接続により、複数のバッテリセルが少なくとも1つの正の全電圧タップと少なくとも1つの負の全電圧タップとを有し、そこで複数のバッテリセルを電気的に接触させて、例えば全電圧を取り出したり、またはバッテリセルを充電したりすることができる。
【0007】
バッテリは、バッテリセルが収容されているハウジング要素をさらに含む。特に、ハウジング要素は円筒形状を有する。当然、ハウジング要素は立方形状を有することもできる。
【0008】
ここで、バッテリのハウジング要素は、第1の端面に、バッテリの第1の電気接続部を有する。ここで、特に、第1の電気接続部は、バッテリの正極接続部である。
【0009】
ここで、バッテリのハウジング要素は、第1の端面に、バッテリの第2の電気接続部を有する。ここで、特に、第2の電気接続部は、バッテリの負極接続部である。
【0010】
この点で、例えばバッテリの第1の電気接続部が少なくとも1つの正の全電圧タップに電気的に接続されており、例えばバッテリの第2の電気接続部が少なくとも1つの負の全電圧タップに電気的に接続されていることに留意されたい。
【0011】
ここで、バッテリのハウジング要素は、第2の端面にロック要素を有する。ここで、特に、第2の端面が第1の端面とは異なる。
【0012】
ロック要素が第1の位置に配置されるとき、バッテリの第1の接続部およびバッテリの第2の接続部が、レセプタクルの第1の接続部およびレセプタクルの第2の接続部と電気的および機械的に接触可能に配置されている。
【0013】
ロック要素が第2の位置に配置されるとき、バッテリの第1の接続部およびバッテリの第2の接続部が、レセプタクルの第1の接続部およびレセプタクルの第2の接続部から電気的および機械的に分離可能に配置されている。
【0014】
従属請求項に記載された手段により、独立請求項に記載された装置の有利な発展形態および改良形態が可能となる。
【0015】
バッテリの本発明による実施形態の特別な利点は、バッテリの第1の接続部およびバッテリの第2の接続部が、バッテリの機械的固定とバッテリの電気的接触との両方を形成することができることである。特に、バッテリの第1の接続部およびバッテリの第2の接続部は、アルミニウム、銅、およびニッケルの中から選択される金属材料で形成されている。ここで、電気的接触とは、バッテリがレセプタクルに電気的に接続されていることを意味し、その結果例えば複数のバッテリセルから電圧が取り出され得る。
【0016】
ここで、機械的接触とは、バッテリがレセプタクルに機械的に固定され、例えばレセプタクルからの脱落を防止されていることを意味する。したがって、バッテリを機械的に保護することができる。
【0017】
ここで、ハウジング要素は、特に、複数のバッテリセルが完全に収容されている内部空間を有することができる。ここで、内部空間は周囲から遮断されていてもよい。
【0018】
ロック要素が第1の位置に配置されるとき、バッテリの第1の接続部およびバッテリの第2の接続部は、好ましくはハウジング要素に対して横方向外側に突出する。これにより、安定した機械的固定が実現可能となる。
【0019】
この点で、ロック要素は、好ましくは、第1の位置および第2の位置に機械的に配置され得る機械的なロック要素であることに留意されたい。しかし、ロック要素が電気的なロック要素であることも可能である。
【0020】
ここで、ロック要素がバッテリの持ち運び用ハンドルとして構成されているとき、特に有利である。これにより、バッテリを持ち運ぶことができる。この点で、持ち運び用ハンドルまたはロック要素は、特にバッテリをレセプタクルから取り外すために、およびレセプタクルに設置するために使用されることに留意すべきである。さらに、ロック要素が持ち運び用ハンドルとして構成されるとき、本発明は、通常は人手を使用して持ち運ばれ得るバッテリに限定されていることにも留意されたい。そのようなバッテリは通常、50kg未満、好ましくは25kg未満、特に15kg未満の重量を有する。
【0021】
ロック要素は、第1の位置に配置されるときに、ハウジング要素の第2の端面に配置された凹部に収容されることが好適である。これは、バッテリの動作中にロック要素が外部の影響から保護されているという利点を提供する。したがって、特に持ち運び用ハンドルとして構成されたロック要素において、持ち運び用ハンドルは、バッテリの動作中に意図しない接触、特に第2の位置への配置から保護され得る。これは、特にバッテリがe-バイクや軽電気車両などの車両に配置されるとき、信頼性の高いバッテリ収容に有利である。言い換えると、これは、動作中にレセプタクルに収容された状態で、持ち運び用ハンドルが凹部に平らに一体化されており、したがって同時に最小の設置スペースも実現できることを意味する。
【0022】
この点で、バッテリをレセプタクルから取り外すために、持ち運び用ハンドルまたはロック要素を凹部から取り出し、第2の位置に配置し得ることに留意されたい。これにより、バッテリがレセプタクルから機械的および電気的に分離される。バッテリは、抵抗なく容易に取り外され得る。さらにこの点で、バッテリをレセプタクルに設置するために、持ち運び用ハンドルまたはロック要素を凹部に設置し、第2の位置に配置し得ることに留意されたい。これにより、バッテリはレセプタクルと機械的および電気的に接触される。したがって、バッテリは容易に設置され得る。
【0023】
バッテリのハウジング要素が、第2の端面に少なくとも1つの保持要素をさらに有すると好ましい。ここで、ロック要素が第1の位置に配置されるとき、少なくとも1つの保持要素が、レセプタクルの保持接続部と機械的に接触するように配置されている。さらに、ロック要素が第2の位置に配置されるとき、少なくとも1つの保持要素が、レセプタクルの保持接続部から機械的に分離して配置されている。したがって、この点で、バッテリは、バッテリの第1の接続部およびバッテリの第2の接続部に加えて、少なくとも1つの保持要素をさらに含むことができることに留意されたい。これにより、バッテリの機械的固定を改良することができる。好ましくは、バッテリはそのような保持要素を2つ有し、2つの保持要素ならびにバッテリの第1の接続部および第2の接続部は、効率的な機械的固定を確保するために、第2の端面の円周にわたって対称的に、例えばそれぞれ90度の間隔で配設される。
【0024】
バッテリの第1の接続部および/またはバッテリの第2の接続部が少なくとも1つの電気接続部を含むことが好適である。ここで、少なくとも1つの電気接続部は、レセプタクルの少なくとも1つの電気接続部と接続されるように構成されている。ここで、特に、ロック要素が第1の位置に配置されるとき、少なくとも1つの電気接続部は、レセプタクルの少なくとも1つの電気接続部と接触するように構成されている。ここで、特に、ロック要素が第2の位置に配置されるとき、少なくとも1つの電気接続部は、少なくとも1つの電気接続部から分離して構成されている。
【0025】
バッテリのハウジング要素が、第2の端面にバッテリの少なくとも1つの電気接続部を有することも好適である。ここで、ロック要素が第1の位置に配置されるとき、バッテリの少なくとも1つの電気接続部が、レセプタクルの電気接続部に接触するように配置されている。ここで、ロック要素が第2の位置に配置されるとき、バッテリの少なくとも1つの電気接続部が、レセプタクルの電気接続部から分離して配置されている。
【0026】
したがって、この点で、バッテリは、バッテリの第1の接続部およびバッテリの第2の接続部に加えて、少なくとも1つの電気接続部をさらに含むことに留意されたい。これにより、バッテリをレセプタクルに電気的に接続することができる。したがって、特に、例えばバッテリ管理システム(BMS)を電気的に接続しることができ、バッテリ管理システムは、例えばCANバスを介して車両と通信することができる。
【0027】
有利には、第1の端面と第2の端面とは、互いに対向して配置されている。これにより、バッテリはレセプタクルに容易に配置され得る。
【0028】
有利には、第1の端面と第2の端面とは、互いに垂直に配置されている。これにより、バッテリはレセプタクルに容易に配置され得る。
【0029】
バッテリの第1の接続部とバッテリの第2の接続部とは、好ましくは互いに電気的に絶縁されている。バッテリの第1の接続部とバッテリの第2の接続部とは、好ましくはバッテリのハウジング要素に対して絶縁されている。
【0030】
また、本発明の対象は、レセプタクルを備える車両である。特に、車両は、電動車両(バイク)または電動スクータ(軽電気車両)などの二輪車である。ここで、レセプタクルは、上述したバッテリを配置するように構成されている。レセプタクルは、バッテリの第1の接続部と電気的および機械的に接触するように構成された第1の接続部を有する。レセプタクルは、バッテリの第2の接続部と電気的および機械的に接触するように構成された第2の接続部を有する。
【0031】
これにより、レセプタクルによって車両とのバッテリの信頼性の高い電気的接触が形成され得る。さらに、動作中の車両内でのバッテリの安定した機械的固定が提供され得る。
【0032】
車両のレセプタクルがばねダンパ要素を含むことが好適である。これにより、バッテリをレセプタクル内に特に安全に配置することが可能になる。特に、バッテリの自重を使用してばねダンパ要素を所定のとおりに変形させて、バッテリを所定のとおりにレセプタクル内に配置することができる。
【0033】
また、本発明の主題は、レセプタクルに、本発明によるバッテリが配置されている車両である。
【0034】
また、本発明の主題は、上述したバッテリを備えた上述した車両を製造するための方法である。これに関し、バッテリが車両のレセプタクルに配置され、その間にロック要素が第2の位置に配置されており、次いでロック要素が第1の位置に配置される。これにより、信頼性の高い機械的および電気的接続が形成され得る。
【0035】
本発明の例示的実施形態を図面に示し、以下の説明でより詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明によるバッテリの実施形態の斜視図である。
図2】本発明によるバッテリの機能的動作を示す断面図である。
図3】本発明によるバッテリの実施形態の平面図である。
図4】本発明による車両の実施形態の側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明によるバッテリ1の実施形態を斜視図で示す。バッテリ1は、特にリチウムイオンバッテリセルとして構成されており、互いに直列および/または並列に電気的に接続された複数のバッテリセルを含む。ここで、バッテリセルは、バッテリ1のハウジング要素2に収容されている。バッテリセルは、図1では見ることができない。
【0038】
バッテリ1のハウジング要素2は、第1の端面31に、バッテリ1の第1の電気接続部41およびバッテリ1の第2の電気接続部42を有する。ここでのバッテリ1の第1の接続部41は、バッテリ1の正電圧タップであり、ここでのバッテリ1の第2の接続部42は、バッテリ1の負電圧タップである。特に、ハウジング要素2は円筒形状を有する。当然、ハウジング要素2は立方形状を有することもできる。
【0039】
バッテリ1のハウジング要素2は、第2の端面32にロック要素5を有する。図1に示される例示的実施形態によれば、ロック要素5は持ち運び用ハンドル50として構成されている。ここで、ハウジング要素2は、第2の端面32に配置された凹部8を有する。ロック要素5または持ち運び用ハンドル50が第1の位置に配置されるとき、ロック要素5または持ち運び用ハンドル50は凹部8に収容されていてもよい。
【0040】
図1は、第1の位置でのロック要素5の配置を示す。ここで、バッテリ1の第1の接続部41およびバッテリ1の第2の接続部42は、レセプタクル7の第1の接続部61(図1では見えない)およびレセプタクル7の第2の接続部62(図1では見えない)と電気的および機械的に接触するように配置されている。
【0041】
ここで、第1の端面31と第2の端面32とは、互いに対向して配置されている。
【0042】
さらに、バッテリ1の第1の接続部41および/またはバッテリ1の第2の接続部42は、電気接続部9を有する。ここで、電気接続部9は、レセプタクル7の電気接続部10に接続されるように構成されている。
【0043】
この点で、バッテリ1が、バッテリ1の少なくとも1つの電気接続部9を追加で有することもできることにさらに留意されたい。電気接続部9の機能は、第1の接続部31または第2の接続部32と同様である。唯一の相違点は、それにより電気的および機械的な接触のみが形成されることである。
【0044】
この点で、バッテリ1が、その機能が第1の接続部31または第2の接続部32と同様の保持要素を有することもできることにさらに留意されたい。唯一の相違点は、それにより機械的な接触のみが形成されることである。
【0045】
図2は、本発明によるバッテリ1の機能動作を断面図で示す。
【0046】
ここでは、第1の端面31に配置されたバッテリ1の第1の接続部41と、第1の端面31に配置されたバッテリ1の第2の接続部42とを見ることができる。
【0047】
まず、図2は、ロック要素5が第1の位置でレセプタクル7の第1の接続部61およびレセプタクル7の第2の接続部62と電気的および機械的に接触するように配置されているときの、バッテリ1の第1の接続部41およびバッテリ1の第2の接続部の配置を実線で示す図である。
【0048】
図2は、第2の位置にあるロック要素5の配置を破線で示す図である。ここで、バッテリ1の第1の接続部41およびバッテリ1の第2の接続部42は、それぞれレセプタクル7の第1の接続部61(図2では見えない)およびレセプタクル7の第2の接続部62(図2では見えない)から電気的および機械的に分離して配置されている。
【0049】
図3は、本発明によるバッテリ1の実施形態を平面で示す図である。
【0050】
ここでは、ロック要素5または持ち運び用ハンドル50が見える。ここで、ロック要素5または持ち運び用ハンドル50は第1の位置に配置されており、凹部8に配置されている。
【0051】
図1に示されるバッテリ1の実施形態とは異なり、図3に示されるバッテリ1の実施形態では、ロック要素5または持ち運び用ハンドル50は対称的に構成されている。特に、持ち運び用ハンドル50の軸は、第2の端面32の対称軸上に延在している。
【0052】
図4は、本発明による車両100の実施形態の側方断面図である。
【0053】
ここで、車両100はレセプタクル7を含む。ここで、レセプタクル7は、図1~3に関連して述べたバッテリ1を収容するように構成されている。
【0054】
ここで、車両100のレセプタクル7は、第1の接続部61および第2の接続部62を含む。ここで、第1の接続部61は、バッテリ1の第1の接続部41と電気的および機械的に接触するように構成されている。ここで、第2の接続部62は、バッテリ1の第2の接続部42と電気的および機械的に接触するように構成されている。この点で、図4に示されているようにロック要素5が第1の位置に配置されるとき、バッテリ1の第1の接続部41は、レセプタクル7の第1の接続部61と電気的および機械的に接触しており、バッテリ1の第2の接続部42は、レセプタクル7の第2の接続部62と電気的および機械的に接触していることに留意されたい。
【0055】
さらに、レセプタクル7は、レセプタクル7の電気接続部10も含み、電気接続部10は、それぞれバッテリ1の第1の接続部41の電気接続部9およびバッテリ1の第2の接続部42の電気接続部9に接続され得る。
【0056】
さらに、車両100のレセプタクル7は、ばねダンパ要素11も含む。
【0057】
この点で、図4の図とは異なり、バッテリ1全体が収容され得るようにレセプタクル7が構成されていてもよいことに留意されたい。
図1
図2
図3
図4