(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】調整装置及び医療システム
(51)【国際特許分類】
F16M 11/12 20060101AFI20241004BHJP
F16M 11/10 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F16M11/12 Z
F16M11/10 Z
(21)【出願番号】P 2022577631
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2021100349
(87)【国際公開番号】W WO2021254390
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202010546894.X
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517396261
【氏名又は名称】アンコン メディカル テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANKON MEDICAL TECHNOLOGIES (SHANGHAI) CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Floor 1,No.435,Chuanqiao Road,Pilot Free Trade Zone,Pudong New Area,Shanghai,201206,China
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100207217
【氏名又は名称】樋口 智夫
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン シャオバン
(72)【発明者】
【氏名】シェン ユェユェ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ホンタオ
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-204611(JP,A)
【文献】特開平09-224955(JP,A)
【文献】米国特許第05855344(US,A)
【文献】中国特許出願公開第104110560(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104197160(CN,A)
【文献】特開2009-265572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 11/00-11/42
A61B 1/00- 1/32、90/00-90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器(2)の位置を調整するための調整装置であって、
前記調整装置(1)は、
前記調整装置(1)を吊り上げるための第1接続部(11)と、
前記医療機器(2)に接続するための第2接続部(12)と、
回動軸(13)と、
ロック機構(14)と、を備え、
前記第1接続部(11)と前記第2接続部(12)とが相対回動するように、前記第1接続部(11)と前記第2接続部(12)とが前記回動軸(13)を介して回動接続され、
前記ロック機構(14)は、ロック状態及びアンロック状態を有し、前記アンロック状態では、前記医療機器(2)が鉛直位置になるまで調整されるように、前記第1接続部(11)及び/又は前記第2接続部(12)が前記回動軸(13)に対して回動し、前記ロック状態では、前記医療機器(2)が鉛直状態を維持するように、前記ロック機構(14)が前記第1接続部(11)及び/又は前記第2接続部(12)の前記回動軸(13)に対する回動を規制
し、
前記ロック機構(14)は、ストッパ部(141)、第1ロック部(142)及び第2ロック部(143)を含み、
前記第1ロック部(142)と前記第2ロック部(143)とのうち、一方が前記第1接続部(11)及び/又は前記第2接続部(12)に接続され、他方が前記回動軸(13)に接続され、
前記第1ロック部(142)には、収容キャビティ(142a)が設けられ、前記ロック機構(14)が前記アンロック状態となるように、前記第2ロック部(143)の少なくとも一部が前記収容キャビティ(142a)に沿って運動し、
前記ストッパ部(141)は、前記ロック機構(14)が前記ロック状態となるように、前記第2ロック部(143)と前記第1ロック部(142)との相対運動を規制することを特徴とする調整装置。
【請求項2】
前記収容キャビティ(142a)の側壁には、スルーホール(142a1)が開設され、
前記第2ロック部(143)の前記スルーホール(142a1)に向かう側には、複数のロック溝(143a)が設けられ、複数の前記ロック溝(143a)は、前記第2ロック部(143)の軸方向(B)に沿って配列され、
前記ストッパ部(141)は、前記スルーホール(142a1)を経由して前記収容キャビティ(142a)内に入り込み、前記ロック溝(143a)に係合することにより、前記第2ロック部(143)と前記第1ロック部(142)との相対運動を規制することを特徴とする請求項
1に記載の調整装置。
【請求項3】
前記ロック機構(14)は、バルブ(144)を更に含み、前記バルブ(144)のバルブステムは、前記ストッパ部(141)であることを特徴とする請求項
1に記載の調整装置。
【請求項4】
前記収容キャビティ(142a)の側壁には、凹み部(142a2)が設けられ、前記凹み部(142a2)の長さは、前記第1ロック部(142)の軸方向(B)に沿って延在し、
前記第2ロック部(143)には、突起部(143b)が設けられ、前記突起部(143b)の少なくとも一部は、前記凹み部(142a2)内に位置し、且つ前記凹み部(142a2)内で運動し、前記凹み部(142a2)の前記第1ロック部(142)の軸方向(B)に沿う2つの側壁は、前記突起部(143b)の運動距離を規制することを特徴とする請求項
1に記載の調整装置。
【請求項5】
前記収容キャビティ(142a)の側壁には、スルーホール(142a1)が開設され、
前記第2ロック部(143)の前記スルーホール(142a1)に向かう側には、複数のロック溝(143a)が設けられ、
前記第1ロック部(142)の軸方向(B)において、前記凹み部(142a2)のサイズは、複数の前記ロック溝(143a)が配列された長さ以下であることを特徴とする請求項
4に記載の調整装置。
【請求項6】
医療機器(2)の位置を調整するための調整装置であって、
前記調整装置(1)は、
前記調整装置(1)を吊り上げるための第1接続部(11)と、
前記医療機器(2)に接続するための第2接続部(12)と、
回動軸(13)と、
ロック機構(14)と、を備え、
前記第1接続部(11)と前記第2接続部(12)とが相対回動するように、前記第1接続部(11)と前記第2接続部(12)とが前記回動軸(13)を介して回動接続され、
前記ロック機構(14)は、ロック状態及びアンロック状態を有し、前記アンロック状態では、前記医療機器(2)が鉛直位置になるまで調整されるように、前記第1接続部(11)及び/又は前記第2接続部(12)が前記回動軸(13)に対して回動し、前記ロック状態では、前記医療機器(2)が鉛直状態を維持するように、前記ロック機構(14)が前記第1接続部(11)及び/又は前記第2接続部(12)の前記回動軸(13)に対する回動を規制し、
前記回動軸(13)は、少なくとも第1回動軸(131)及び第2回動軸(132)を含み、前記第1回動軸(131)と前記第2回動軸(132)とは、互いに垂直に接続され、
前記第1接続部(11)は、前記第1回動軸(131)に回動接続され、前記第2接続部(12)は、前記第2回動軸(132)に回動接続されていることを特徴とす
る調整装置。
【請求項7】
前記第1接続部(11)と前記第2回動軸(132)との間には、前記ロック機構(14)が取り付けられ、
前記ロック機構(14)の両端は、それぞれ前記第1接続部(11)と前記第2回動軸(132)とに回動接続され、
前記ロック機構(14)は、前記ロック状態であるとき、前記第2接続部(12)が前記第1回動軸(131)周りに回動することを規制し、前記ロック機構(14)は、前記アンロック状態であるとき、前記第2接続部(12)が前記第1回動軸(131)周りに回動するように、前記第2回動軸(132)を前記第1接続部(11)に対して回動可能にさせることを特徴とする請求項
6に記載の調整装置。
【請求項8】
前記第2接続部(12)と前記第1回動軸(131)との間には、前記ロック機構(14)が取り付けられ、
前記ロック機構(14)の両端は、それぞれ前記第2接続部(12)と前記第1回動軸(131)とに回動接続され、
前記ロック機構(14)は、ロック状態であるとき、前記第2接続部(12)が前記第2回動軸(132)周りに回動することを規制し、前記ロック機構(14)は、前記アンロック状態であるとき、前記第2接続部(12)が前記第2回動軸(132)周りに回動するように、前記第2接続部(12)を前記第1回動軸(131)に対して回動可能にさせることを特徴とする請求項
6に記載の調整装置。
【請求項9】
前記第1回動軸(131)、前記第2回動軸(132)、前記第1接続部(11)及び前記第2接続部(12)の何れにも、ヒンジベース(15)が接続され、対応する前記ロック機構(14)は、前記ヒンジベース(15)に回動接続されていることを特徴とする請求項
6に記載の調整装置。
【請求項10】
医療システムであって、
医療機器(2)と、
請求項1~
9の何れか一項に記載の調整装置(1)と、を含み、
前記調整装置(1)は、前記医療機器(2)に接続されて前記医療機器(2)の位置を調整することを特徴とする医療システム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本願は、2020年06月16日に中国専利局へ出願された、出願番号が202010546894.Xであって発明の名称が「調整装置及び医療システム」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は、引用によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、医療システムの技術分野に関し、特に調整装置及び医療システムに関する。
【背景技術】
【0003】
医療機器は、医学科学技術レベルの基礎的な条件を向上させ、近代化程度の重要なマークである。医療機器は、既に現代の医療の重要な分野となっている。医療機器とは、人体に単独又は組み合わせて使用されるインストルメント、機器、器具、材料又はその他の物品を指す。
【0004】
一般的に、医療機器は、ベースを介して接続される一連の部品を有する。吊り下げられた一部の医療機器は、重力の作用で鉛直状態にある。医療機器とベースとの間が固定的な方式で接続されるため、ベースは、絶対的な水平でなければならないが、一般的に非常に保証されにくい。絶対的な水平でないベースは、医療機器に接続された全体機構を鉛直方向に分力を発生させ、全体機構の疲労又は破損を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、接続された医療機器を鉛直状態に可能にする調整装置及び医療システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例は、調整装置を提供する。当該調整装置は、医療機器の位置を調整するためのものであり、前記調整装置は、前記調整装置を吊り上げるための第1接続部と、前記医療機器に接続するための第2接続部と、回動軸と、ロック機構と、を備え、前記第1接続部と前記第2接続部とが相対回動するように、前記第1接続部と前記第2接続部とが前記回動軸を介して回動接続され、
前記ロック機構は、ロック状態及びアンロック状態を有し、前記アンロック状態では、前記医療機器が鉛直位置になるまで調整されるように、前記第1接続部及び/又は前記第2接続部が前記回動軸に対して回動し、前記ロック状態では、前記医療機器が鉛直状態を維持するように、前記ロック機構が前記第1接続部及び/又は前記第2接続部の前記回動軸に対する回動を規制する。
【0007】
1つの可能な設計において、前記ロック機構は、ストッパ部、第1ロック部及び第2ロック部を含み、
前記第1ロック部と前記第2ロック部とのうち、一方が前記第1接続部又は前記第2接続部に接続され、他方が前記回動軸に接続され、前記第1ロック部には、収容キャビティが設けられ、前記ロック機構が前記アンロック状態となるように、前記第2ロック部の少なくとも一部が前記収容キャビティに沿って運動し、
前記ストッパ部は、前記ロック機構が前記ロック状態となるように、前記第2ロック部と前記第1ロック部との相対運動を規制する。
【0008】
1つの可能な設計において、前記収容キャビティの側壁には、スルーホールが開設され、
前記第2ロック部の前記スルーホールに向かう側には、複数のロック溝が設けられ、複数の前記ロック溝は、前記第2ロック部の軸方向に沿って配列され、
前記ストッパ部は、前記スルーホールを経由して前記収容キャビティ内に入り込み、前記ロック溝に係合することにより、前記第2ロック部と前記第1ロック部との相対運動を規制する。
【0009】
1つの可能な設計において、前記ロック機構は、バルブを更に含み、前記バルブのバルブステムは、前記ストッパ部である。
【0010】
1つの可能な設計において、前記収容キャビティの側壁には、凹み部が設けられ、前記凹み部の長さは、前記第1ロック部の軸方向に沿って延在し、
前記第2ロック部には、突起部が設けられ、前記突起部の少なくとも一部は、前記凹み部内に位置し、且つ前記凹み部内で運動可能であり、前記凹み部の前記第1ロック部の軸方向に沿う2つの側壁は、前記突起部の運動距離を規制する。
【0011】
1つの可能な設計において、前記第1ロック部の軸方向において、前記凹み部のサイズは、複数の前記ロック溝が配列された長さ以下である。
【0012】
1つの可能な設計において、前記回動軸は、少なくとも第1回動軸及び第2回動軸を含み、前記第1回動軸と前記第2回動軸とは、互いに垂直に接続され、
前記第1接続部は、前記第1回動軸に回動接続され、前記第2接続部は、前記第2回動軸に回動接続されている。
【0013】
1つの可能な設計において、前記第1接続部と前記第2回動軸との間には、前記ロック機構が取り付けられ、
前記ロック機構の両端は、それぞれ前記第1接続部と前記第2回動軸とに回動接続され、
前記ロック機構は、前記ロック状態であるとき、前記第2接続部が前記第1回動軸周りに回動することを規制し、前記ロック機構は、前記アンロック状態であるとき、前記第2接続部が前記第1回動軸周りに回動するように、前記第2回動軸を前記第1接続部に対して回動可能にさせる。
【0014】
1つの可能な設計において、前記第2接続部と前記第1回動軸との間には、前記ロック機構が取り付けられ、
前記ロック機構の両端は、それぞれ前記第2接続部と前記第1回動軸とに回動接続され、
前記ロック機構は、ロック状態であるとき、前記第2接続部が前記第2回動軸周りに回動することを規制し、前記ロック機構は、前記アンロック状態であるとき、前記第2接続部が前記第2回動軸周りに回動するように、前記第2接続部を前記第1回動軸に対して回動可能にさせる。
【0015】
1つの可能な設計において、前記第1回動軸、前記第2回動軸、前記第1接続部及び前記第2接続部の何れにも、ヒンジベースが接続され、対応する前記ロック機構は、前記ヒンジベースに回動接続されている。
【0016】
本発明の実施例は、医療システムを更に提供する。前記医療システムは、医療機器と、上記調整装置とを含み、前記調整装置は、前記医療機器に接続されて前記医療機器の位置を調整する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に関わる技術的解決手段は、以下の技術的効果を達成することができる。
【0018】
調整装置は、医療機器の位置を調整して鉛直状態にさせ、かつロックすることで鉛直状態を維持させることができ、外部の推力による医療機器の回動を回避することができる。
【0019】
上述した一般的な説明及び後の詳細な説明が単に例示的なものであり、本発明を制限できるものではないことは、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に関わる調整装置の1つの具体的な実施例における構成模式図である。
【
図4】本発明に関わるロック状態であるときのロック機構の断面模式図である。
【
図6】本発明に関わるアンロック状態であるときのロック機構の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここでの図面は、明細書に組み込まれて本発明の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示しながら、明細書とともに本発明の仕組みを解釈するために用いられる。
【0022】
本発明の技術的解決手段をよりよく理解するために、以下に図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。
【0023】
明らかに、説明される実施例は、単に本発明の一部の実施例である。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0024】
具体的な実施例において、以下に具体的な実施例により図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
【0025】
医療機器は、医学科学技術レベルの基礎的な条件を向上させ、近代化程度の重要なマークである。医療機器は、既に現代の医療の重要な分野となっている。医療の発展は、機器の発展に大きく依存し、更に医療業界の発展において、その突破のボトルネックも決定的な役割を果たす。医療機器とは、人体に単独又は組み合わせて使用されるインストルメント、機器、器具、材料又はその他の物品を指す。医療機器は、診断機器類、治療機器類及び補助機器類、例えば磁気制御カプセル胃鏡機器であってもよい。
【0026】
医療機器は、ベースを介して互いに接続される一連の部品を有する。例えば、吊り下げられた一部の医療機器は、重力の作用で鉛直状態にある。一部の医療機器とベースとの間が固定的な方式で接続されるため、ベースは、絶対的な水平でなければならないが、一般的に非常に保証されにくい。絶対的な水平でないベースは、医療機器に接続された全体機構を鉛直方向に分力を発生させ、全体機構の疲労又は破損を引き起こす。
【0027】
上記技術的問題を解決するために、
図1~
図7に示すように、本発明の実施例は、医療システムを提供し、前記医療システムは、医療機器2及び調整装置1を含み、調整装置1は、医療機器2に取り外し可能に接続される/又は固定接続される。ここで、調整装置1は、医療機器2の位置を調整することで医療機器2を鉛直状態にさせる。この医療機器2は、X線診断機器、超音波診断機器、機能検査機器、内視鏡検査機器、核医学機器、実験診断機器、病理診断装置、内視鏡制御機器の磁石等であってもよい。調整装置1は、第1接続部11、第2接続部12、回動軸13及びロック機構14を含む。第1接続部11は、調整装置1を吊り上げるために用いられ、すなわち当該調整装置1が取付座に取り付けられる場合、具体的には、調整装置1の第1接続部11を取付座に吊り上げることにより、当該調整装置1を取付座に吊り上げることができる。第2接続部12は、医療機器2に接続するために用いられ、第1接続部11と第2接続部12とは、回動軸13を介して回動接続され、それにより第1接続部11と第2接続部12は、相対回動することができ、かつ両者が相対回動する過程において、第2接続部12に接続された医療機器2の位置を調整することができる。
【0028】
ロック機構14は、ロック状態及びアンロック状態を有し、ロック機構14がアンロック状態にあるとき、第1接続部11及び/又は第2接続部12は、回動軸13に対して回動することができ、それにより医療機器2が鉛直位置にあるように調整する。ロック機構14がロック状態にあるとき、ロック機構14は、医療機器2が鉛直状態を維持するように、第1接続部11及び/又は第2接続部12が回動軸13に対して回動することを規制するこのように。医療機器2がベースに接続された後に傾斜状態にあることを回避し、医療機器2全体の構造接続性を保証する。
【0029】
本発明の実施例において、医療機器2の鉛直状態は、医療機器2が地面に垂直な状態である。具体的には、医療機器2が第2接続部12に接続されるとき、両者の接続点と医療機器2の重心との間の接続線は、地面に垂直であり、又は両者の接続点と医療機器2の重心との間の接続線は、医療機器2の重力と平行である。医療機器2が鉛直状態でない場合、ロック機構14がアンロックするように制御され、医療機器2は、自身の重力により第2接続部12の回動を駆動し、鉛直状態に調整する。医療機器2が鉛直状態まで調整された後、ロック機構14がロックするように制御され、医療機器2が鉛直状態を維持し、且つ外部の推力により回動軸13周りに回動することを回避する。このように、医療機器2が傾斜して動作する時における他の方向の分力の発生による医療機器2の疲労動作更に引いては破損リスクを低減させる。
【0030】
更に、本願の1つの好適な実施例において、第1接続部11と第2接続部12は、U字形構造とされてもよく、第1接続部11は、第2接続部12の上方に位置し、両者は、垂直に設置され、第1接続部11と第2接続部12との開口は、対向して設置され、回動軸13は、第1接続部11と第2接続部12とで囲まれた空間内に位置し、両者に回動接続される。無論、第1接続部11と第2接続部12は、他の構造形態であってもよく、第2接続部12が第1接続部11に対して回動可能であり且つ医療機器2を鉛直状態に調整できることを確保できればよく、ここでは説明を省略する。
【0031】
図1~
図3に示すように、1つの可能な設計において、回動軸13は、少なくとも第1回動軸131及び第2回動軸132を含み、第1回動軸131と第2回動軸132は、互いに垂直であり、かつ両者が接続される。ここで、第1回動軸131と第2回動軸132は、交差して互いに垂直であってもよく、異なる面に位置して互いに垂直であってもよい。第1接続部11は、第1回動軸131に回動接続され、第2接続部12は、第2回動軸132に回動接続され、それにより、第1接続部11と第2接続部12との接続を実現し、かつ両者が相対回動することができる。ロック機構14がアンロック状態にあるとき、第2接続部12は、第1回動軸131及び/又は第2回動軸132の周りに回動することができ、第2接続部12は、医療機器2に接続されることで、医療機器2を第1回動軸131及び/又は第2回動軸132の周りに回動させることができ、それにより医療機器2の位置を調整する。また、1つの好適な実施例において、第1回動軸131は、第2回動軸132に垂直に接続されることで、医療機器2は、前後、左右の位置の調整を行うことができ、第1回動軸131と第2回動軸132とが他の角度で交差することと比べると、医療機器2のその周方向に沿って位置を調整する範囲を増大させる。無論、第1回動軸131と第2回動軸132は、他の角度で交差してもよい。
【0032】
医療機器2は、鉛直状態になるまで調整された後、第1回動軸131と第2回動軸132で形成された平面は、鉛直方向と垂直であってもよく、鉛直方向と他の角度で交差してもよい。
【0033】
図1及び
図2に示すように、1つの可能な設計において、第1接続部11と第2回動軸132との間には、ロック機構14が取り付けられる。ロック機構14の一端は、第1接続部11に回動接続され、ロック機構14の他端は、第2回動軸132に回動接続される。ロック機構14は、ロック状態にあるとき、第2接続部12が第1回動軸131周りに回動することを規制することができ、それにより第2接続部12の第1接続部11に対する回動を規制して医療機器2の回動を規制する。ロック機構14がアンロック状態にあるとき、第2回動軸132が第1接続部11に対して回動することができ、それにより第2接続部12が第1回動軸131周りに回動することができ、医療機器2の位置を調整する。
【0034】
図1及び
図3に示すように、更に、第2接続部12と第1回動軸131との間にもロック機構14が取り付けられる。ロック機構14の一端は、第2接続部12に回動接続され、他端は、第1回動軸131に回動接続される。ロック機構14は、ロック状態にあるとき、第2接続部12が第2回動軸132周りに回動することを規制することができ、それにより第2接続部12の第1接続部11に対する回動を規制して医療機器2の回動を規制する。ロック機構14がアンロック状態にあるとき、第2接続部12は、第1回動軸131に対して回動することができ、それにより、第2接続部12は、第2回動軸132周り回動することができ、医療機器2の位置を調整する。
【0035】
更に、第1接続部11と第2回動軸132との間のロック機構14、及び、第2接続部12と第1回動軸131との間のロック機構14は、同時にアンロック状態又はロック状態にあることができ、それにより医療機器2の位置をより迅速に調整することができる。
【0036】
例えば、第1接続部11と第2回動軸132との間のロック機構14、及び、第2接続部12と第1回動軸131との間のロック機構14が同時に開かれ、医療機器2は、その自身の重力の影響を受けて第2接続部12が第1回動軸131周りに回動するように駆動することにより、医療機器2の第2回動軸132に沿う方向の位置調整を実現する。ここで、第2回動軸132に沿う方向とは、第2回動軸132の軸方向に沿うことを指す。同時に、医療機器2は、その自身の重力の影響を受けて第2接続部12が第2回動軸132周りに回動するように駆動することにより、医療機器2の第1回動軸131に沿う方向の位置調整を実現し、それにより医療機器2を鉛直状態に迅速に調整することができる。ここで、第1回動軸131に沿う方向とは、第1回動軸131の軸方向に沿うことを指す。毎回そのうちの1つのロック機構のみを開くと、医療機器が一方向のみに沿って調整されるため、鉛直状態に達するのに複数回の調整を行う必要がある。
【0037】
図1~
図3に示すように、1つの可能な設計において、第1回動軸131、第2回動軸132、第1接続部11及び第2接続部12の何れにもヒンジベース15が接続され、対応するロック機構14は、ヒンジベース15に回動接続される。本発明の実施例において、ロック機構14は、ヒンジベース15を介して第1接続部11、第2接続部12、第1回動軸131及び第2回動軸132に回動接続される。ここで、ヒンジベース15が第1接続部11及び第2接続部12に固定接続され、ヒンジベース15が第1回動軸131及び第2回動軸132に回動接続されることにより、第2接続部12が第1回動軸131周りに回動するときに第1回動軸131とその上に取り付けられたヒンジベース15とが相対回動可能であり、且つ第2接続部12が第2回動軸132周りに回動するときに第2回動軸132とその上に取り付けられたヒンジベース15とが相対回動可能であることは、確保される。注意すべきことは、本発明の他の可能な設計において、ロック機構14の一端がヒンジベース15を介して第1接続部11に接続され、他端がヒンジベース15を介して第2接続部12接続されることにより、第1接続部11と第2接続部12とが相対回動することができる。
【0038】
図4及び
図6に示すように、1つの可能な設計において、ロック機構14は、ストッパ部141、第1ロック部142及び第2ロック部143を含み、第1ロック部142と第2ロック部143とのうち、一方は、第1接続部11又は第2接続部12に接続され、他方は、回動軸13に接続される。第1ロック部142には、収容キャビティ142aが設置され、第2ロック部143の少なくとも一部は、収容キャビティ142aに沿って移動することができ、それによりロック機構14は、アンロック状態にある。ストッパ部141は、第2ロック部143と第1ロック部142との相対運動を規制することにより、ロック機構14がロック状態にある。本発明の実施例において、第2ロック部143は、収容キャビティ142aに沿って移動することができ、ロック機構14の長さを変更することができ、それにより第2接続部12は、第1回動軸131又は第2回動軸132の周りに回動ことができ、この時、ロック機構14は、アンアンロックにある。ストッパ部141によって第2ロック部143の収容キャビティ142aに沿う運動を規制することで、ロック機構14の長さを維持し、それにより第2接続部12が第1回動軸131又は第2回動軸132の周りに回動することを規制し、この時、ロック機構14は、ロックロックにある。
【0039】
具体的には、医療機器2が鉛直方向に対して傾斜した状態にあるとき、ロック機構14をアンロック状態に制御し、医療機器2は、自身の重力の影響を受けて第2接続部12が第1回動軸131又は第2回動軸132の周り回動するように駆動することができ、それによりロック機構14の第1ロック部142又は第2ロック部143に一定の推力又は引張力を作用し、第2ロック部143を収容キャビティ142aに沿って相対運動させ、第2接続部12を第1接続部11に対して回動させ、それにより医療機器2を鉛直状態に調整する。ロック機構14が鉛直状態に調整されかつ静止した後、ロック機構14をロック状態に制御し、ストッパ部141によって第2ロック部143の収容キャビティ142aに沿う運動を規制することにより、第2接続部12の第1接続部11に対する回動を規制し、医療機器2を鉛直状態に維持する。
【0040】
図4~
図7に示すように、1つの可能な設計において、収容キャビティ142aの側壁には、スルーホール142a1が開設される。第2ロック部143のスルーホール142a1に向かう側には、複数のロック溝143aが設けられ、かつ複数のロック溝143aは、第2ロック部143の軸方向Bに沿って配列される。ストッパ部141は、スルーホール142a1を経由して収容キャビティ142a内に入り込み、かつロック溝143aと係合することにより、第2ロック部143と第1ロック部142との相対運動を規制することができる。本実施例において、ストッパ部がロック溝143aから離れるように制御されて第2ロック部143が収容キャビティ142aに沿って移動することができ、それにより、第2接続部12は、第1接続部11に対して回動することができる。ストッパ部141が収容キャビティ142a内に入り込んでそのうちの1つロック溝143aと係合するように制御されて、第2ロック部143の収容キャビティ142aに沿う移動を規制することにより、第2接続部12の第1接続部11に対する回動を規制する。
【0041】
ここで、第2ロック部143の軸方向Bは、第2ロック部143の軸心線に平行な方向である。
【0042】
更に、ロック溝143aのノッチから溝底方向にかけて、ロック溝143aの横断面積が徐々に減少し、複数のロック溝143aがラック構造に配列され、ストッパ部141がロック溝143aと係合する一部の構造がロック溝143aに対応し、ストッパ部141のロック溝143a内への入り込みを容易にし、ロック機構14の動作信頼性を保証する。無論、ロック溝143aとストッパ部141の形状は、これに限定されず、両者の係合によって第1ロック部142と第2ロック部143との間の相対運動を規制することができる構造であればよく、ここでは、説明を省略する。
【0043】
図4及び
図6に示すように、1つの可能な設計において、ロック機構14は、バルブ144を更に含み、バルブ144のバルブステムは、ストッパ部141である。バルブ144は、バルブステムがスルーホール142a1に沿って移動したり、ロック溝143aに挿入されたり離れたりするように制御することにより、ロック機構14のロック状態又はアンロック状態を実現する。
【0044】
更に、バルブ144は、電磁弁であってもよく、電磁弁は、第1接続部142の外壁に取り付けられ、バルブステムがスルーホール142a1に沿って移動するように制御することができる。電磁弁は、オンにされたとき、バルブステムがスルーホール142a1に沿ってロック溝143aから遠ざかる方向へ移動するように制御することにより、それをロック溝143aから離れさせ、ロック機構14をアンロックする。電磁弁がオフにされた後、バルブステムは、スルーホール142a1に沿ってロック溝143aに近づく方向へ移動し、かつそのうちの1つのロック溝143aと係合することにより、ロック機構14をロックする。注意すべきことは、他の可能な設計において、ストッパ部141とバルブステムは、互いに独立した部材であり、かつバルブステムによりストッパ部141の移動を駆動することができる。無論、バルブ144は、他の種類のバルブであってもよく、本実施例ではストッパ部141の構造形態が限定されない。
【0045】
図4及び
図6に示すように、1つの可能な設計において、収容キャビティ142aの側壁には、凹み部142a2が設けられ、凹み部142a2の長さは、第1ロック部142の軸方向Bに沿って延在する。第2ロック部143には、突起部143bが設けられ、突起部143bの少なくとも一部は、凹み部142a2内に位置し、凹み部142a2内で運動することができ、凹み部142a2は、第1ロック部142の軸方向Bに沿う両側壁が突起部143bの運動距離を規制するために用いられる。本発明の実施例において、突起部143bは、凹み部142a2内で運動することができ、突起部143bは、第1ロック部142に固定接続され、凹み部142a2の長さは、第2ロック部143が第1ロック部142に対して移動する範囲であり、それにより突起部143bの運動距離を規制する。このように、第2ロック部143の移動量が大きすぎて第1ロック部142の収容キャビティ142aから脱出することは、回避される。更に、凹み部142a2の長さは、医療機器2の回動範囲であり、医療機器2の回動角度が制御可能な範囲内にあることを確保し、医療機器2の回動角度が大きすぎることによる機器又は作業者への傷害を低減する。
【0046】
図4及び
図6に示すように、1つの可能な設計において、第1ロック部142の軸方向Bにおいて、凹み部142a2の寸法は、複数のロック溝143aが配列された長さ以下である。このように、第2ロック部143の移動距離が大きすぎることによりストッパ部141が収容キャビティ142aに入り込んた後で係合可能なロック溝143aがないことや、第2ロック部143の側壁に衝突してロック機構14をロックすることができないことは、回避される。
【0047】
更に、ロック機構は、他の構造形態、例えば、油圧シリンダ、気筒などであってもよい。油圧シリンダを例とすると、当該油圧シリンダのピストンロッドは、シリンダ本体に沿って移動することができ、かつ当該シリンダ本体及びピストンロッドは、それぞれ第1接続部又は第2接続部と回動軸とに接続される。
【0048】
なお、本特許出願書類の一部は、著作権で保護されたコンテンツを含む。特許庁の特許文献又は記録された特許文書内容に対してコピーを作成する以外に、著作権者は、著作権を保留する。
【符号の説明】
【0049】
1 調整装置
11 第1接続部
12 第2接続部
13 回動軸
131 第1回動軸
132 第2回動軸
14 ロック機構
141 ストッパ部
142 第1ロック部
142a 収容キャビティ
142a1 スルーホール
142a2 凹み部
143 第2ロック部
143a ロック溝
143b 突起部
144 バルブ
15 ヒンジベース
2 医療機器