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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】店舗システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241004BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G07G1/12 301E
G07G1/00 311E
G07G1/00 331Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023109296
(22)【出願日】2023-07-03
(62)【分割の表示】P 2019130581の分割
【原出願日】2019-07-12
(65)【公開番号】P2023115389
(43)【公開日】2023-08-18
【審査請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 祥也
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147252(JP,A)
【文献】特開2019-86944(JP,A)
【文献】特開2009-238043(JP,A)
【文献】国際公開第2018/148613(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内で使用される可搬型のスキャナ装置と通信を行う通信手段と、
表示部の表示制御を行う表示制御手段と、
前記店舗内での前記スキャナ装置の存在位置を特定する第1の特定手段と、
前記スキャナ装置を介して読み取られた商品を登録する商品登録手段と、
前記店舗内で販売される各商品と、当該商品の前記店舗内での配置位置とを対応付けた情報に基づいて、前記商品登録手段で登録された商品の配置位置を特定する第2の特定手段と、
前記第1の特定手段が特定した前記存在位置と、前記第2の特定手段が特定した前記配置位置との位置関係が、予め設定された条件を充足するか否かを判定する判定手段と、
前記条件を充足しないと判定された場合に報知を行う報知手段と、
を備える顧客が操作する商品登録装置と、
前記商品登録装置で登録された商品の商品情報を取得し、店員の操作に応じて前記商品情報に基づいた精算処理を行う第1の会計装置と、
前記商品登録装置で登録された商品の商品情報を取得し、顧客の操作に応じて前記商品情報に基づいた精算処理を行う第2の会計装置と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記条件を充足しないと判定された場合、前記第1の会計装置で精算を行うことを指示するメッセージを前記表示部に表示させ、
前記報知手段は、前記条件を充足しないと判定された場合、前記第1の会計装置に報知情報を送信する、店舗システム。
【請求項2】
前記商品登録装置は、
前記条件を充足しないと判定された場合、前記商品登録手段で登録された商品の精算に使用可能な会計装置を、前記第1の会計装置に制限する制限手段を更に備える、請求項1に記載の店舗システム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記第1の特定手段が特定した前記存在位置と、前記第2の特定手段が特定した前記配置位置との間の離間距離が、前記条件して設定された閾値を上回る場合に、前記条件を充足しないと判定する、請求項1に記載の店舗システム。
【請求項4】
前記判定手段は、前記店舗内に存在する複数の販売エリアのうち、前記第1の特定手段が特定した前記存在位置と、前記第2の特定手段が特定した前記配置位置との各々が属する販売エリアが、同一エリアの条件を満たさない場合、前記条件を充足しないと判定する、請求項1又は3に記載の店舗システム。
【請求項5】
前記商品登録装置は、前記スキャナ装置とともに前記店舗内で使用される移動体に取り付けられる、請求項1~4の何れか一項に記載の店舗システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、店舗システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の店舗では、ショッピングカート(以下、カート)が使用されている。顧客は、カートを押しながら店舗内を移動し、購入を希望する商品をカートに載置又は設けられたカゴに入れることで買物を行っている。
【0003】
また、近時では、バーコード等のコードシンボル読み取り用のスキャナ装置が取り付けられたカートが登場している。かかるカートを使用する顧客は、カートを押しながら店舗内を移動し、購入を希望する商品に付されたコードシンボルをスキャナ装置に読み取らせることで、商品の登録を自ら行う。そして、顧客は、登録した商品をカゴに入れ精算装置に運ぶことで、商品の精算を顧客自身が行うことも可能となっている。
【0004】
ところで、顧客は、カートを押しながら店舗内を移動している最中に、カートを置いたまま当該位置から離れた位置にある商品を取りに向かうような場合がある。この場合、顧客は、手にした商品をカートまで運びコードシンボルの読み取りを行うことになるが、例えば悪意ある顧客が、カート近傍の商品のコードシンボルを、より安価な遠くの商品のコードシンボルと張り替えて登録するような不正行為を行う可能性がある。また、顧客が不在のままカートが放置されるため、悪意ある他の顧客が、登録済みの商品をカゴから取り出したり、意図しない商品を登録したりする等の不正行為を行う可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、商品登録に係る不正行為の抑止を図ることが可能な店舗システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の店舗システムは、店舗内で使用される可搬型のスキャナ装置と通信を行う通信手段と、表示部の表示制御を行う表示制御手段と、前記店舗内での前記スキャナ装置の存在位置を特定する第1の特定手段と、前記スキャナ装置を介して読み取られた商品を登録する商品登録手段と、前記店舗内で販売される各商品と、当該商品の前記店舗内での配置位置とを対応付けた情報に基づいて、前記商品登録手段で登録された商品の配置位置を特定する第2の特定手段と、前記第1の特定手段が特定した前記存在位置と、前記第2の特定手段が特定した前記配置位置との位置関係が、予め設定された条件を充足するか否かを判定する判定手段と、前記条件を充足しないと判定された場合に報知を行う報知手段と、を備える顧客が操作する商品登録装置と、前記商品登録装置で登録された商品の商品情報を取得し、店員の操作に応じて前記商品情報に基づいた精算処理を行う第1の会計装置と、前記商品登録装置で登録された商品の商品情報を取得し、顧客の操作に応じて前記商品情報に基づいた精算処理を行う第2の会計装置と、を有し、前記表示制御手段は、前記条件を充足しないと判定された場合、前記第1の会計装置で精算を行うことを指示するメッセージを前記表示部に表示させ、前記報知手段は、前記条件を充足しないと判定された場合、前記第1の会計装置に報知情報を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る店舗システムの一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るカートの一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る商品マスタのデータ構成の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るカート端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る商品登録テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係るカート端末の機能構成の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係るカート端末が実行する商品登録処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2の実施形態に係る店舗サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る商品登録テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図10図10は、第2の実施形態に係る店舗サーバの機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明に係る商品登録装置の実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係る店舗システムの一例を示す図である。図1に示すように、店舗システム1は、カート10と、アクセスポイント20と、ビーコン端末30と、店舗サーバ40とを備える。ここで、アクセスポイント20及びビーコン端末30は、店舗サーバ40に接続される。また、カート10は、アクセスポイント20を介して店舗サーバ40と通信可能に接続される。
【0010】
カート10は、スーパーマーケット等の店舗内で使用される移動体の一例である。本実施形態において、カート10は、店舗内での商品の運搬に用いられるショッピングカートである。
【0011】
図2は、カート10の一例を示す図である。図2に示すように、カート10は、取っ手11、カゴ載置部12、キャスター13、スキャナ装置14、及びカート端末15等を備える。
【0012】
取っ手11は、顧客が把持してカート10を移動させるための部位である。カゴ載置部12は、商品を収納するカゴKを載置する台である。キャスター13は、カート10に4脚備えられる。それぞれのキャスター13が個別に回転することで、カート10は顧客に押されて店舗内を自由に移動することができる。
【0013】
スキャナ装置14は、可搬型のスキャナ装置の一例である。スキャナ装置14は、カート10に取り付けられ、カート10の移動とともに店舗内を移動する。スキャナ装置14は、顧客が購入する商品に付されたバーコード等のコードシンボル(商品を特定するための情報)を読み取る装置である。スキャナ装置14は、コードシンボルを光学的または撮像して読み取る。スキャナ装置14は、読み取ったコードシンボルをデコードし、当該コードシンボルに含まれた商品コードを抽出する。スキャナ装置14は、抽出した商品コードをカート端末15に送信する。なお、スキャナ装置14は、カート10に対し着脱自在に取り付けてもよい。
【0014】
カート端末15は、商品登録装置の一例である。カート端末15は、カート10に取り付けられ、カート10の移動とともに店舗内を移動する。カート端末15は、本体部15aと、表示部151と、操作部152とを有する。本体部15aは、カート10を操作する顧客と対向する面側に開口部が設けられた薄い箱状の筐体である。表示部151は、例えば液晶ディスプレイ等の、板状の表示デバイスである。表示部151は、本体部15aの開口部に配置される。操作部152は、表示部151の表面に重ねられたタッチ入力デバイス(タッチパネル)である。かかるカート端末15は、例えばタブレット型コンピュータ(タブレット端末)によって実現される。
【0015】
カート端末15は、有線又は無線によりスキャナ装置14と通信可能に接続される。カート端末15は、スキャナ装置14で読み取られたコードシンボル(商品コード)に基づいて、当該商品コードに係る商品情報(商品名、価格等)を取得して、売上登録処理を実行する。ここで、売上登録処理は、スキャナ装置14で読み取られた商品コードに基づいて、当該商品コードに対応する商品の商品情報(商品名、価格等)を後述する商品マスタM1(図3参照)から読み出し、読み出した当該商品の商品情報を後述する商品登録テーブルT1(図5参照)に登録(記憶)する処理を意味する。
【0016】
図1に戻り、アクセスポイント20は、無線LAN等の通信規格に準拠した通信装置である。アクセスポイント20は、店舗内の全域をカバーするよう店舗内に複数設けられる。アクセスポイント20は、カート10と店舗サーバ40との間の通信を中継する。
【0017】
ビーコン端末30は、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))等の近距離無線通信を行うことが可能な通信装置である。ビーコン端末30は、店舗内の各位置に設けられ、自端末の設置位置を示す情報をビーコン信号として送信する。ここで、ビーコン信号として送信する位置特定のための情報のデータ形式は特に問わず、種々の形式を使用することが可能である。
【0018】
例えば、ビーコン端末30は、自端末が置かれた店舗内での位置座標を表す情報をビーコン信号として送信する。また、例えば、ビーコン端末30は、店舗内に存在する販売エリア毎に設けられ、当該販売エリアを特定可能な情報をビーコン信号として送信する。後者の場合、例えば、販売エリアは、店舗内に設けられた各商品棚であり、ビーコン端末30は、自端末が設けられた商品棚を特定可能な識別子(棚番号等)をビーコン信号として送信する。
【0019】
また、例えば、ビーコン端末30は、自己の端末を識別するための識別子をビーコン信号として送信してもよい。この場合、各ビーコン端末30の識別子を、当該ビーコン端末30の設置位置に対応する店舗内のマップ上の位置に対応付けたマップ情報を別途参照することで、店舗内での位置を特定することができる。
【0020】
店舗サーバ40は、例えば、店舗のバックヤード等に設置され、店舗内で販売される商品に関するデータを管理する。店舗サーバ40は、自装置に接続されたアクセスポイント20を介して、カート10(カート端末15)との間で各種データの授受を行う。例えば、店舗サーバ40は、カート10の各々に対し商品マスタM1を提供する。
【0021】
図3は、商品マスタM1のデータ構成の一例を示す図である。図3に示すように、商品マスタM1は、各商品に一意に割り当てられた商品コードに対応付けて、その商品の名称(商品名)、価格(単価)、商品分類等の商品に関する商品情報を記憶する。また、商品マスタM1は、商品コードに対応付けて、その商品が配置された店舗内での配置位置(陳列位置等)を示した配置位置情報を記憶する。
【0022】
ここで、配置位置情報は、店舗内での商品の配置位置を位置座標等で示した情報であってもよい。また、配置位置情報は、商品が販売されている販売エリアを特定可能な情報(棚番号等)であってもよい。なお、配置位置情報は、上述したビーコン端末30のビーコン信号が表す位置と比較することが可能なデータ形式とすることが好ましい。
【0023】
また、店舗内には、カート10のカート端末15で登録された商品の精算処理を行う会計装置(図示せず)が設けられている。具体的には、店舗内には、店員(キャッシャ)が精算を行う会計装置(以下、セミセルフ型精算装置)と、顧客自身が精算を行う精算装置(以下、セルフ型精算装置)との2種類の会計装置が設けられている。何れの精算装置も、カート端末15で登録された各商品の商品情報を、カート端末15から直接又は店舗サーバ40を介して取得することが可能であり、取得した商品情報を基に精算処理を実行する。
【0024】
次に、上述したカート端末15の構成について説明する。まず、図4を参照して、カート端末15のハードウェア構成について説明する。ここで、図4は、カート端末15のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0025】
図4に示すように、カート端末15は、上述した表示部151及び操作部152を備える。また、カート端末15は、制御部153、記憶部154、接続部155、通信部156及び近距離無線通信部157を備える。これらの各部は、データバスやアドレスバスなどのバス158を介して接続されている。
【0026】
制御部153は、CPU、ROM、RAM等のコンピュータ構成を備える。CPUは、プロセッサの一例である。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、CPUのワークスペースとして機能する。制御部153は、CPUがROMや記憶部154に記憶されたプログラムを実行することにより機能し、カート端末15の動作を統括的に制御する。
【0027】
記憶部154は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。記憶部154は、制御部153(CPU)が実行可能な各種のプログラム、設定情報等を記憶する。
【0028】
また、記憶部154は、店舗サーバ40から提供される商品マスタM1を記憶する。記憶部154が記憶する商品マスタM1のデータ構成は、図3で説明したものと同様である。なお、本実施形態では、カート端末15は、商品マスタM1をローカルに保持する形態としたが、これに限らず、店舗サーバ40が保持する商品マスタM1を、通信部156を介して参照する構成としてもよい。
【0029】
また、記憶部154は、一取引で顧客が購入する商品の商品コード、商品情報等を登録するための商品登録テーブルT1を記憶する。
【0030】
図5は、商品登録テーブルT1のデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように、商品登録テーブルT1は、商品コードに対応付けて、商品情報(商品名、単価、商品分類等)を記憶する。また、商品登録テーブルT1は、フラグ情報を記憶するためのデータ項目(フラグ)を保持する。フラグ情報は、後述する位置判定部1504(図6参照)において、所定の条件を充足しないと判定された場合に付加される情報である。
【0031】
図4に戻り、接続部155は、USB(Universal Serial Bus)等の接続インタフェースである。カート端末15は、接続部155を介してスキャナ装置14と通信可能に接続される。スキャナ装置14で読み取られたコードシンボル(商品コード)は、接続部155を介して制御部153に入力される。
【0032】
通信部156は、アクセスポイント20と通信を行うことが可能な通信インタフェースである。通信部156は、アクセスポイント20を介して店舗サーバ40との間で各種データの授受を行う。例えば、通信部156は、店舗サーバ40から提供される商品マスタM1を受信する。
【0033】
近距離無線通信部157は、ビーコン端末30と通信を行うことが可能な近距離無線通信用の通信インタフェースである。近距離無線通信部157は、通信可能な範囲内にあるビーコン端末30と交信し、当該ビーコン端末30から送信されるビーコン信号を受信する。
【0034】
次に、図6を参照して、カート端末15が備える機能構成について説明する。図6は、カート端末15の機能構成の一例を示す図である。図6に示すように、カート端末15は、カート位置特定部1501と、商品登録部1502と、商品位置特定部1503と、位置判定部1504と、表示制御部1505と、報知部1506と、制限部1507とを機能部として備える。これら機能部の一部又は全ては、プロセッサ(CPU)とメモリ(ROM、記憶部154)に記憶された各種プログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよいし、専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0035】
カート位置特定部1501は、第1の特定手段の一例である。カート位置特定部1501は、近距離無線通信部157によって受信されるビーコン信号に基づき、店舗内における自己のカート10の存在位置、つまりカート10に取り付けられたスキャナ装置14の存在位置を特定する。以下、本実施形態では、店舗内におけるカート10の存在位置をカート位置という。また、カート位置は、カート10に取り付けられたスキャナ装置14やカート端末15の、店舗内での存在位置を意味する概念である。
【0036】
例えば、カート位置特定部1501は、近距離無線通信部157が受信したビーコン信号が示す位置座標や棚番号を、カート位置として特定する。
【0037】
また、例えば、ビーコン端末30が自端末の識別子をビーコン信号として出力する場合、カート位置特定部1501は、店舗内での各ビーコン端末30の配置位置を規定したマップ情報を用いてカート位置を特定する。具体的には、カート位置特定部1501は、ビーコン信号の識別子に対応する店舗内の位置をマップ情報から検出し、検出した位置をカート位置として特定する。
【0038】
なお、近距離無線通信部157が複数のビーコン信号を一度に受信した場合、カート位置特定部1501は、受信されたビーコン信号のうち、受信強度(電波強度)が最大のビーコン信号に基づいてカート位置を特定する。
【0039】
カート位置特定部1501は、上述した特定処理を所定の時間間隔毎(例えば、10秒毎)に行うことで、店舗内を移動するカート10のカート位置を定期的に取得する。
【0040】
商品登録部1502は、商品登録手段の一例である。商品登録部1502は、スキャナ装置14で読み取られた商品コードに対応する商品を販売対象(購入対象)の商品として登録する。具体的には、商品登録部1502は、接続部155を介して、スキャナ装置14から送信された商品コードを受け付けると、その商品コードと同一の商品コードに関連付けられた商品情報を商品マスタM1から抽出する。そして、商品登録部1502は、スキャナ装置14から受け付けた商品コードと、抽出した商品情報とを対応付けて、商品登録テーブルT1に記憶させる。
【0041】
商品位置特定部1503は、第2の特定手段の一例である。商品位置特定部1503は、商品登録部1502で登録された商品の店舗内での配置位置を特定する。具体的には、商品位置特定部1503は、商品登録部1502で登録された商品コードと同一の商品コードに関連付けられた配置位置情報を商品マスタM1から抽出する。そして、商品位置特定部1503は、抽出した配置位置情報が示す位置を商品位置として特定する。
【0042】
なお、本実施形態では、商品位置特定部1503は、商品登録部1502で登録された商品の商品位置を特定する形態とするが、スキャナ装置14で読み取られた商品コードから直接商品位置を特定する形態としてもよい。
【0043】
位置判定部1504は、判定手段の一例である。位置判定部1504は、カート位置特定部1501が特定したカート位置と、商品位置特定部1503が特定した商品位置とを比較し、両位置の位置関係が、予め設定された条件を充足するか否かを判定する。
【0044】
ところで、顧客は、カート10を押しながら店舗内を移動している最中に、カート10を置いたまま当該カート位置から離れた位置にある商品を取りに向かうような場合がある。この場合、顧客は手にした商品をカート10まで運びコードシンボルの読み取りを行うことになるが、例えば悪意ある顧客が、カート10近傍の商品のコードシンボルを、より安価な遠くの商品のコードシンボルと張り替えて登録するような不正行為を行う可能性がある。また、顧客が不在のままカート10が放置されるため、悪意ある他の顧客が、登録済みの商品をカゴKから取り出したり、意図しない商品を登録したりする等の不正行為を行う可能性もある。
【0045】
そこで、本実施形態では、上述した不正行為の抑止を図るため、判定の指標となる条件に、カート位置と商品位置とが近接した位置関係にあることを規定する条件を設定する。
【0046】
例えば、カート位置と商品位置とが位置座標や、マップ上の位置として表される場合には、両位置間の離間距離が閾値以下(2m以下等)であることを条件として設定する。この場合、位置判定部1504は、カート位置と商品位置との間の離間距離が閾値以下となると、条件を充足すると判定する。これにより、位置判定部1504は、カート位置と商品位置とが近接した位置関係にあるか否かを判定することができる。したがって、位置判定部1504は、上述した商品登録に係る不正行為が行われる可能性のある状況か否かを判定することができる。
【0047】
また、例えば、カート位置と商品位置とが棚番号等の販売エリアで表される場合には、カート位置と商品位置とが同一エリアに属することを条件として設定してもよい。この場合、位置判定部1504は、カート位置と商品位置との各々が属する販売エリアが同一エリアとなると、条件を充足すると判定する。これにより、位置判定部1504は、カート位置と商品位置とが近接した位置関係にあるか否かを判定することができる。したがって、位置判定部1504は、上述した商品登録に係る不正行為が行われる可能性のある状況か否かを判定することができる。
【0048】
また、カート位置と商品位置とが見かけ上近接した状態にあっても、店舗内のレイアウトの観点から除外すべき位置関係となるケースが存在する場合には、当該ケースを除外するための条件を追加で設定してもよい。
【0049】
例えば、カート位置と商品位置とが商品棚を挟んで対向するような場合、両位置間の離間距離は近接した状態となるが、販売エリアの観点では、両位置は異なる販売エリアとなる。このような場合、例えば、上述した離間距離の閾値に、上述した同一エリアに属することを規定した条件を追加で設定することで、上述したケースを排除することができる。これにより、店舗内のレイアウトに即した条件で、近接した位置関係にあるか否かを判定することができるため、条件設定に係る利便性を向上させることができる。
【0050】
位置判定部1504は、カート位置と商品位置との位置関係が、予め設定された条件を充足しないと判定した場合、商品登録テーブルT1に記憶された該当する商品の商品情報にフラグ情報を付加する。これにより、カート10から離れた位置の商品が商品登録部1502によって登録された場合、その商品の商品情報にフラグ情報が付加されることになる。
【0051】
表示制御部1505は、各種の画面を表示部151に表示させる。例えば、表示制御部1505は、商品登録部1502で登録された商品の商品情報等を表示部151に表示させる。また、表示制御部1505は、カート端末15の操作に係る各種の操作子を表示部151に表示させる。例えば、表示制御部1505は、商品の登録完了を指示するための操作子(以下、登録完了ボタンという)を表示部151に表示させる。
【0052】
上述した商品登録部1502は、登録完了ボタンの操作を受け付けると、商品登録テーブルT1に対する新たな商品情報の登録を停止する。そして、例えば、商品登録部1502は、精算装置からの要求等に応じて、商品登録テーブルT1に登録された一取引分の商品情報を精算先の精算装置に送信する。
【0053】
なお、精算装置への送信方法は特に問わないものとする。例えば、制御部153は、近距離無線通信部157を介して精算装置と交信することで、一取引分の商品情報を精算装置に送信してもよい。また、制御部153は、アクセスポイント20又は店舗サーバ40を介して、一取引分の商品情報を精算先の精算装置に送信してもよい。
【0054】
報知部1506は、報知手段の一例である。報知部1506は、位置判定部1504が条件を充足しないと判定した場合に報知を行う。具体的には、報知部1506は、表示制御部1505と協働することで表示部151に報知画面を表示させる。
【0055】
例えば、報知部1506は、位置判定部1504で条件を充足しないと判定されると、カート10から離れた位置にある商品が登録されたことを報知するメッセージを表示部151に表示させる。また、例えば、報知部1506は、位置判定部1504が条件を充足しないと判定すると、顧客がカート10から離れたことを注意するメッセージや、登録した商品とカゴKに入れた商品との一致確認を促すメッセージを表示部151に表示させてもよい。
【0056】
このように、報知部1506は、位置判定部1504で条件を充足しないと判定された場合、つまり、上述した不正行為の可能性があるような場合、カート10の顧客に対し、注意や確認を促すメッセージを表示する。これにより、報知部1506は、カート10の顧客に対し、カート10から離れた位置にある商品を登録したことを自覚させたり、カゴKの中の商品を確認させたりすることができる。したがって、報知部1506は、上述したコードシンボルの張り替えや他の顧客による商品取り出し等の、商品登録に係る不正行為の抑止を図ることができる。
【0057】
なお、報知部1506の報知先は顧客に限らず、店舗内の店員に報知する構成としてもよい。例えば、報知部1506は、位置判定部1504で条件を充足しないと判定されると、セミセルフ型精算装置宛に報知情報を送信することで、セミセルフ型精算装置を操作するキャッシャに報知を行ってもよい。この場合、店員に向けた報知情報には、例えば、カート10から離れた位置にある商品が登録されたことを報知するメッセージや、カート10を特定可能な識別子(カート識別子)、セミセルフ型精算装置に誘導することを指示するメッセージ等を含めることが好ましい。
【0058】
これにより、報知部1506は、カート10で行われた商品登録について、不正行為の可能性がある旨をキャッシャ等の店員に報知することができるため、注意喚起を促すことができる。したがって、報知部1506は、商品登録に係る不正行為の抑止を図ることができる。
【0059】
制限部1507は、制限手段の一例である。制限部1507は、位置判定部1504が条件を充足しないと判定した場合に、商品登録部1502で登録された商品の精算方法を制限する。
【0060】
具体的には、制限部1507は、商品登録テーブルT1に登録された一取引分の商品の中に、フラグ情報が付加された商品が存在する場合、セルフ型精算装置の使用を抑制し、セミセルフ型精算装置のみ使用できるよう、商品の精算方法を制限する。
【0061】
ここで、制限方法は特に問わず、種々の方法を採用することが可能である。一例として、制限部1507は、商品登録テーブルT1に登録された商品情報の送信を、セミセルフ型精算装置のみ許可し、セルフ型精算装置への送信を抑制する。かかる制限方法は、セミセルフ型精算装置及びセルフ型精算装置の送信先アドレスに基づき、アクセス制限を行うことで実現することができる。
【0062】
また、制限部1507は、表示制御部1505と協働することで、上述した精算方法の制限に付随する画面を表示部151に表示させる。例えば、制限部1507は、商品登録テーブルT1に登録された一取引分の商品の中に、フラグ情報が付加された商品が存在する場合、セミセルフ型精算装置で精算を行うことを指示するメッセージを表示部151に表示させる。また、例えば、制限部1507は、セルフ型精算装置を使用できないことを報知するメッセージを表示部151に表示させる。
【0063】
このように、制限部1507は、位置判定部1504で条件を充足しないと判定された場合、つまり、上述した不正行為の可能性がある場合、キャッシャが精算を行うセミセルフ型精算装置に精算方法を制限する。これにより、制限部1507は、不正行為の確認をキャッシャに行わせることができるため、商品登録に係る不正行為の抑止を図ることができる。
【0064】
次に、図7を参照して、カート端末15の動作例について説明する。ここで、図7は、カート端末15が実行する商品登録処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、カート位置特定部1501によるカート位置の特定がバックグラウンドで行われているものとする。
【0065】
まず、商品登録部1502は、スキャナ装置14から商品コードが入力されるまで待機する(ステップS11;No→ステップS19;No)。商品登録部1502は、スキャナ装置14から商品コードの入力を受け付けると(ステップS11;Yes)、入力された商品コードに対応する商品の商品情報を商品登録テーブルT1に登録する(ステップS12)。次いで、表示制御部1505は、ステップS12で登録された商品の商品情報を表示部151に表示させる(ステップS13)。
【0066】
続いて、商品位置特定部1503は、ステップS12で登録された商品の店舗内における配置位置(商品位置)を特定する(ステップS14)。次いで、位置判定部1504は、ステップS14で特定された商品の配置位置と、自己のカート10のカート位置とを比較し(ステップS15)、両位置の位置関係が所定の条件を充足するか否かを判定する(ステップS16)。ここで、条件を充足すると判定した場合(ステップS16;Yes)、位置判定部1504は、ステップS19に移行させる。
【0067】
一方、ステップS14で、条件を充足しないと判定した場合(ステップS16;No)、位置判定部1504は、ステップS12で登録された商品の商品情報にフラグ情報を付加する(ステップS17)。次いで、報知部1506は、カート10から離れた位置にある商品が登録されたことを報知する画面(報知画面)を表示部151に表示させ(ステップS18)、ステップS19に移行する。
【0068】
続いて、商品登録部1502は、登録完了ボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS19)。ここで、登録完了ボタンが操作されない場合には(ステップS19;No)、ステップS11に処理を戻す。
【0069】
また、登録完了ボタンが操作されると(ステップS19;Yes)、商品登録部1502は、商品登録テーブルT1に対する新たな商品情報の登録を停止する。次いで、制限部1507は、商品登録テーブルT1に登録された商品情報の中にフラグ情報が付加されたものが存在するか否かを判定する(ステップS20)。
【0070】
ここで、商品登録テーブルT1にフラグが付加された商品情報が存在しない場合には(ステップS20;No)、制限部1507は、商品登録テーブルT1に登録された商品情報の送信先を、セミセルフ型精算装置及びセルフ型精算装置の何れにも許可し、本処理を終了する。
【0071】
また、商品登録テーブルT1にフラグ情報が付加された商品情報が存在する場合には(ステップS18;Yes)、制限部1507は、セルフ型精算装置を使用不可に設定する(ステップS21)。次いで、制限部1507は、セミセルフ型精算装置の使用を促す画面を表示部151に表示させ(ステップS22)、本処理を終了する。
【0072】
以上のように、カート端末15は、店舗内でのカート10(スキャナ装置14)のカート位置を特定し、スキャナ装置14を介して読み取られた商品を登録し、登録された商品の商品位置を商品マスタM1から特定し、特定したカート位置と商品位置との位置関係が所定の条件を充足するか否かを判定し、条件を充足しない場合に報知を行う。
【0073】
これにより、カート端末15は、上述した不正行為の可能性があるような場合、カート10の顧客や店員に対し、注意や確認を促すことができるため、商品登録に係る不正行為の抑止を図ることができる。
【0074】
[第2の実施形態]
上述した第1の実施形態では、カート端末15を商品登録装置とする形態を説明した。本実施形態では、店舗サーバ40を商品登録装置とする形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付与し説明を省略する。
【0075】
まず、本実施形態のカート端末15について説明する。カート端末15は、第1の実施形態と同様、カート10に取り付けた状態で使用される。また、本実施形態のカート端末15は、スキャナ装置14と店舗サーバ40とのインタフェースとして機能する。つまり、店舗サーバ40は、カート端末15を介して、スキャナ装置14と通信可能に接続される。
【0076】
具体的には、カート端末15は、スキャナ装置14で読み取られたコードシンボル(商品コード)を店舗サーバ40に送信(転送)する。また、カート端末15は、近距離無線通信部157を介して得られたビーコン信号を店舗サーバ40に送信する。なお、カート端末15は、店舗サーバ40に各種データの送信する際に、自己のカート10(カート端末15)を識別する識別子(以下、カート識別子)を送信(転送)する。
【0077】
図8は、店舗サーバ40のハードウェア構成の一例を示す図である。図8に示すように、店舗サーバ40は、制御部41、記憶部42、通信部43を備える。これらの各部は、データバスやアドレスバスなどのバス44を介して接続されている。
【0078】
制御部41は、CPU、ROM、RAM等のコンピュータ構成を備える。CPUは、プロセッサの一例である。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、CPUのワークスペースとして機能する。制御部41は、CPUがROMや記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより機能し、店舗サーバ40の動作を統括的に制御する。
【0079】
記憶部42は、HDDやSSD等の記憶装置である。記憶部42は、制御部41(CPU)が実行可能な各種のプログラム、設定情報等を記憶する。また、記憶部42は、上述した商品マスタM1を記憶する。また、記憶部42は、商品登録テーブルT2を記憶する。
【0080】
図9は、商品登録テーブルT2のデータ構成の一例を示す図である。図9に示すように、商品登録テーブルT2は、図5で説明した商品登録テーブルT1のデータ項目に加え、カート識別子を保持するためのデータ項目を有する。具体的には、商品登録テーブルT2は、カート識別子毎に、商品コード、商品情報及びフラグを記憶し管理する。
【0081】
図8に戻り、通信部43は、アクセスポイント20と通信を行うことが可能な通信インタフェースである。通信部43は、アクセスポイント20を介してカート端末15の各々との間で各種データの授受を行う。
【0082】
図10は、店舗サーバ40の機能構成の一例を示す図である。図10に示すように、店舗サーバ40は、カート位置特定部401と、商品登録部402と、商品位置特定部403と、位置判定部404と、表示制御部405と、報知部406と、制限部407とを機能部として備える。これら機能部の一部又は全ては、プロセッサ(CPU)とメモリ(ROM、記憶部42)に記憶された各種プログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよいし、専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0083】
カート位置特定部401は、第1の特定手段の一例であり、上述したカート位置特定部1501に対応する機能部である。カート位置特定部401は、各カート10のカート端末15から送信されるビーコン信号に基づき、店舗内における各カート10(スキャナ装置14)の存在位置(カート位置)を特定する。また、カート位置特定部401は、特定した各カート10のカート位置をカート識別子と対応付けてRAM等に保持し、特定したカート位置が変化する度に保持したカート位置を更新する。
【0084】
商品登録部402は、商品登録手段の一例であり、上述した商品登録部1502に対応する機能部である。商品登録部402は、各カート10のカート端末15から送信される商品コードに基づき、当該商品コードに対応する商品を販売対象(購入対象)の商品として商品登録テーブルT2に登録する。具体的には、商品登録部402は、通信部43を介して、各カート10のスキャナ装置14で読み取られた商品コードを受け付けると、その商品コードと同一の商品コードに関連付けられた商品情報を商品マスタM1から抽出する。そして、商品登録部402は、各カート10から受け付けた商品コードと、抽出した商品情報とを、送信元のカート10を識別するカート識別子に対応付けて、商品登録テーブルT2に記憶させる。
【0085】
商品位置特定部403は、第2の特定手段の一例であり、上述した商品位置特定部1503に対応する機能部である。商品位置特定部403は、商品登録部402で登録された商品の店舗内での配置位置を特定する。具体的には、商品位置特定部403は、商品登録部402で登録された商品コードと同一の商品コードに関連付けられた配置位置情報を商品マスタM1から抽出する。そして、商品位置特定部403は、抽出した配置位置情報が示す位置を商品位置として特定する。
【0086】
なお、本実施形態では、商品位置特定部403は、商品登録部402で登録された商品の商品位置を特定する形態とするが、各カート10から送信される商品コードから直接商品位置を特定する形態としてもよい。
【0087】
位置判定部404は、判定手段の一例であり、上述した位置判定部1504に対応する機能部である。位置判定部404は、カート位置特定部401が特定したカート位置と、商品位置特定部403が特定した商品位置との比較を、カート10(カート識別子)毎に行い、両位置の位置関係が、予め設定された条件を充足するか否かを判定する。
【0088】
位置判定部404は、カート位置と商品位置との位置関係が、予め設定された条件を充足しないと判定した場合、商品登録テーブルT2に記憶された該当するカート識別子及び商品の商品情報にフラグ情報を付加する。これにより、カート10から離れた位置の商品が商品登録部402によって登録された場合、そのカート10及び商品の商品情報にフラグ情報が付加されることになる。
【0089】
表示制御部405は、上述した表示制御部1505に対応する機能部である。表示制御部405は、各種の画面を各カート10(カート端末15)の表示部151に表示させる。例えば、表示制御部405は、商品登録部402で登録された商品の商品情報等を、該当するカート10の表示部151に表示させる。また、表示制御部405は、カート端末15の操作に係る各種の操作子を、各カート10の表示部151に表示させる。
【0090】
なお、本実施形態では、各カート10の表示部151に表示される画面を、表示制御部405が統括して制御する構成としたが、これに限らないものとする。例えば、表示制御部405は、各カート端末15の表示制御部1505と協働することで、表示制御部1505が画面表示を行うよう制御してもよい。
【0091】
報知部406は、報知手段の一例であり、上述した報知部1506に対応する機能部である。報知部406は、位置判定部404が条件を充足しないと判定した場合に報知を行う。具体的には、報知部406は、表示制御部405と協働することで、該当するカート10の表示部151に報知画面を表示させる。
【0092】
また、報知部406は、位置判定部1504で条件を充足しないと判定されると、セミセルフ型精算装置宛に報知情報を送信することで、セミセルフ型精算装置を操作するキャッシャに報知を行う。この場合、店員に向けた報知情報には、例えば、カート10から離れた位置にある商品が登録されたことを報知するメッセージや、カート10を特定可能な情報(カート識別子)、セミセルフ型精算装置に誘導することを指示するメッセージ等を含めることが好ましい。
【0093】
制限部407は、制限手段の一例であり、上述した制限部1507に対応する機能部である。制限部407は、位置判定部404が条件を充足しないと判定した場合に、商品登録部402で登録された商品の精算方法を制限する。
【0094】
具体的には、制限部407は、商品登録テーブルT2に登録された一取引分の商品の中に、フラグ情報が付加された商品が存在する場合、セルフ型精算装置の使用を抑制し、セミセルフ型精算装置のみ使用できるよう、商品の精算方法を制限する。なお、制限部407は、カート10(カート識別子)毎に、フラグ情報の有無の判定を行うものとする。
【0095】
上述した店舗サーバ40の構成において、店舗サーバ40が実行する商品登録処理は、図7に示したフローチャートと同様となる。但し、店舗サーバ40が実行する商品登録処理は、カート10(カート識別子)毎に並行又は並列に行われるものとする。
【0096】
以上のように、店舗サーバ40は、上述したカート端末15と同様の機能を備えるため、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。したがって、店舗サーバ40は、カート10の各々において、商品登録に係る不正行為の抑止を図ることができる。また、店舗サーバ40は、各カート10で行われる商品登録動作を統括的に管理することができるため、カート端末15の機能や負荷を抑えることができ、運用費用の軽減化を図ることができる。
【0097】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0098】
例えば、上述の実施形態では、商品に付されたコードシンボルを読み取るスキャナ装置14をスキャナ装置の一例として説明した。しかしながらこれに限らず、スキャナ装置は、例えば商品に付された無線タグを読み取るものであってもよい。
【0099】
また、上述の実施形態では、位置判定部1504(位置判定部404)が条件を充足しないと判定した商品で場合であっても、商品登録を許可する構成を説明した。しかしながらこれに限らず、条件を充足しない商品の商品登録を不許可とする構成としてもよい。この場合、例えば、位置判定部1504(位置判定部404)は、条件を充足しないと判定した場合、商品登録部1502(商品登録部402)を制御し、該当する商品の登録を抑制する。
【0100】
なお、この場合、報知部1506(報知部406)は、例えば、カート10から離れた位置にある商品であるため登録できない旨や、商品が置かれた位置までカート10を移動させることを促す旨のメッセージを表示部151に表示させるものとする。これにより、上述したコードシンボルの張り替え等の不正行為を抑止することができる。
【0101】
また、上述の実施形態では、ショッピングカートに搭載されたスキャナ装置14を可搬型のスキャナ装置の一例として説明した。しかしながら、スキャナ装置14は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯可能な通信端末が備える撮像装置等であってもよい。また、かかる通信端末は、カート端末15と同様の機能を備えてもよい。
【0102】
なお、上述した実施形態のカート端末15、店舗サーバ40で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0103】
また、上述した実施形態のカート端末15、店舗サーバ40で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述した実施形態のカート端末15、店舗サーバ40で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0104】
また、上述した実施形態のカート端末15、店舗サーバ40で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 店舗システム
10 カート
14 スキャナ装置
15 カート端末
20 アクセスポイント
30 ビーコン端末
40 店舗サーバ
1501 カート位置特定部
1502 商品登録部
1503 商品位置特定部
1504 位置判定部
1505 表示制御部
1506 報知部
1507 制限部
401 カート位置特定部
402 商品登録部
403 商品位置特定部
404 位置判定部
405 表示制御部
406 報知部
407 制限部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0106】
【文献】特許5670536号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10