(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】通信システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04W 48/10 20090101AFI20241004BHJP
H04W 48/14 20090101ALI20241004BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20241004BHJP
【FI】
H04W48/10
H04W48/14
H04W28/06 110
(21)【出願番号】P 2023110614
(22)【出願日】2023-07-05
(62)【分割の表示】P 2022109878の分割
【原出願日】2018-06-08
【審査請求日】2023-07-05
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タオ ミン-フン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】シャー リキン
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】Huawei, HiSilicon,Structure of SIB Index/Identifier[online],3GPP TSG RAN WG2 #98 R2-1705179,2017年05月15日
【文献】Intel Corporation,Index based system information provisioning[online],3GPP TSG RAN WG2 #97 R2-1701738,2017年02月13日
【文献】Panasonic,The format of the SI index/identifier[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2017_06_NR R2-1707203,2017年06月20日
【文献】Qualcomm Incorporated,SI index/identifier[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2017_06_NR R2-17xxxx,2017年06月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器と第1の無線基地局を含む通信システムであって、
前記第1の無線基地局は、
最小限のシステム情報メッセージを前記ユーザ機器に送信する無線基地局送信機、
を備え、
前記ユーザ機器は、
前記最小限のシステム情報メッセージを、第1の無線セルを制御する前記第1の無線基地局から受信する受信機であって、前記ユーザ機器によって取得できる第1の無線セルのシステム情報が、前記最小限のシステム情報メッセージ内および1つまたは複数の追加のシステム情報メッセージ内で運ばれ、前記最小限のシステム情報メッセージが、前記第1の無線セルにアクセスするためのシステム情報を含んでおり、かつ少なくとも1つのシステム情報インデックスを含んでおり、各前記システム情報インデックスが、前記追加のシステム情報メッセージのうちの1つに関連付けられており、
前記システム情報インデックスが、前記追加のシステム情報との関連を示す情報、値タグおよびエリアポインタを含んでおり、前記エリアポインタは、エリア識別情報とエリアタイプがエンコードされている、受信機と、
前記最小限のシステム情報メッセージ内で受信された前記システム情報インデックスによって示されたのと同じ値タグおよび同じエリアに関連付けられている前記追加のシステム情報メッセージを前記ユーザ機器が前に取得しているかどうかを前記エリア識別情報と前記エリアタイプに基づいて判定する、処理回路と、
を備え、
前記判定が肯定的である場合、前記処理回路が、前に取得された前記追加のシステム情報メッセージに含まれるシステム情報が前記第1の無線セルに適用可能であると決定し、
前記エリアタイプが、少なくとも、
無線セル、及び、システム情報エリアを含むエリアタイプのうちの1つである、
通信システム。
【請求項2】
前記判定が否定的である場合、前記処理回路が、前に取得された前記追加のシステム情報メッセージに含まれるシステム情報を前記第1の無線セルに適用できないと決定し、前記第1の無線セルの前記追加のシステム情報メッセージを前記第1の無線基地局から取得すると決定する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記受信機が、第2の最小限のシステム情報メッセージを前記第1の無線セルの前記第1の無線基地局から受信し、前記第2の最小限のシステム情報メッセージが、前記第1の無線セルにアクセスするためのシステム情報を含んでおり、かつ1つの拡張システム情報インデックスを含んでおり、前記拡張システム情報インデックスが前記追加のシステム情報メッセージのうちの1つに関連付けられており、
前記拡張システム情報インデックスが、値タグおよびシステム情報エリアの識別情報を含んでおり、
前記処理回路が、前記ユーザ機器が、前記拡張システム情報インデックスに含まれるのと同じ値タグおよび同じシステム情報エリアに関連付けられている前記追加のシステム情報メッセージを前に取得しているかどうかを判定し、
前記判定が肯定的である場合、前記処理回路が、前に取得された前記追加のシステム情報メッセージに含まれる前記システム情報が前記第1の無線セルに適用可能であると決定する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記最小限のシステム情報メッセージが、前記第1の無線セル内の前記ユーザ機器によって取得され得る追加のシステム情報メッセージごとに、1つのシステム情報インデックスを含む、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記追加のシステム情報メッセージのうちの1つまたは複数が、前記第1の無線セル内の前記第1の無線基地局によってブロードキャストされるか、または前記ユーザ機器によって、前記第1の無線基地局に対して同じ追加のシステム情報メッセージを要求するときに取得され得る、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】
前記受信機が、第2の最小限のシステム情報メッセージを前記第1の無線セルの前記第1の無線基地局から受信し、前記第2の最小限のシステム情報メッセージが、前記第1の無線セルにアクセスするためのシステム情報を含んでおり、かつ第2のシステム情報インデックスを含んでおり、前記第2のシステム情報インデックスが、前記ユーザ機器が前に取得した追加のシステム情報メッセージに関連付けられており、
前記処理回路が、すでに取得されている前記追加のシステム情報メッセージに関連付けられた前記値タグの値が、前記最小限のシステム情報メッセージの前記第2のシステム情報インデックスに含まれる前記値タグの値と異なっていると決定したときに、前記すでに取得されているシステム情報メッセージの内容が変化したと決定し、
前記処理回路が、前記すでに取得されている追加のシステム情報メッセージの前記内容が変化したと決定したときに、前記追加のシステム情報メッセージを再取得すると決定する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
前に取得された前記システム情報メッセージが、前記ユーザ機器が異なる無線セル内または前記第1の無線セル内にあったときに、前記ユーザ機器の前記受信機によって受信された、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項8】
前記ユーザ機器が、第2の無線基地局の制御下で、第2の無線セルに移動しており、前記受信機が、前記ユーザ機器が追加のシステム情報メッセージを要求するときに前記第2の無線セル内で取得できる1つの追加のシステム情報メッセージに関連付けられた少なくとも1つのシステム情報インデックスを、前記第1の無線基地局から受信し、
送信機が、前記第2の無線セルに関連付けられた前記システム情報インデックスで示された前記1つの追加のシステム情報メッセージを取得するための要求を、前記第2の無線基地局に送信し、任意選択的に、前記第2の無線基地局に移動するときに、前記
送信機が、前記ユーザ機器と前記第2の無線基地局の間で実行されるランダムアクセスチャネル手順のメッセージにより前記要求を送信し、
任意選択的に、前記受信機が、前記要求の送信に使用される前記メッセージの後に、前記ランダムアクセスチャネル手順のメッセージで、前記要求された追加のシステム情報メッセージを、前記第2の無線基地局から受信する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項9】
ユーザ機器と第1の無線基地局を含む通信システムによって実行される方法であって、
前記第1の無線基地局が
、最小限のシステム情報メッセージを前記ユーザ機器に送信する送信ステップと、
前記ユーザ機器が、
前記最小限のシステム情報メッセージを、第1の無線セルを制御する前記第1の無線基地局から受信する受信ステップであって、前記ユーザ機器によって取得できる第1の無線セルのシステム情報が、前記最小限のシステム情報メッセージ内および1つまたは複数の追加のシステム情報メッセージ内で運ばれ、前記最小限のシステム情報メッセージが、前記第1の無線セルにアクセスするためのシステム情報を含んでおり、かつ少なくとも1つのシステム情報インデックスを含んでおり、各前記システム情報インデックスが、前記追加のシステム情報メッセージのうちの1つに関連付けられており、
前記システム情報インデックスが、前記追加のシステム情報との関連を示す情報、値タグおよびエリアポインタを含んでおり、前記エリアポインタは、エリア識別情報とエリアタイプがエンコードされている、受信ステップと、
前記ユーザ機器が、前記最小限のシステム情報メッセージ内で受信された前記システム情報インデックスによって示されたのと同じ値タグおよび同じエリアに関連付けられている前記追加のシステム情報メッセージを前記ユーザ機器が前に取得しているかどうかを判定する、処理ステップと、
を含み、
前記ユーザ機器が、前記判定が肯定的である場合、前記処理ステップが、前に取得された前記追加のシステム情報メッセージに含まれるシステム情報が前記第1の無線セルに適用可能であると決定し、
前記追加のシステム情報メッセージが同じエリアに関連付けられているかの判定は、前記エリア識別情報と前記エリアタイプに基づいて行われ、
前記エリアタイプが、少なくとも、
無線セル、及び、システム情報エリアを含むエリアタイプのうちの1つである、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3GPP通信システムなどの通信システム、および、その方法を対象にする。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標):3rd Generation Partnership Project)は、第5世代(5G:fifth generation)とも呼ばれる次世代携帯電話技術の技術仕様書の次回リリース(リリース15)に取り組んでいる。3GPP技術仕様書グループ(TSG:Technical Specification Group)無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access network)第71回会議(イェーテボリ、2016年3月)で、RAN1、RAN2、RAN3、およびRAN4を含む5Gの最初の検討事項「新しい無線アクセス技術に関する検討」が承認され、最初の5G規格を定義するリリース15の作業項目になると期待されている。この検討事項の目的は、RAN要件の検討中に定義された、最大100GHzの周波数範囲内で動作し、広範囲のユースケースをサポートする「新しい無線(NR:New Radio)」アクセス技術(RAT:Radio access technology)を開発することである(例えば、www.3gpp.orgで提供されており、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている非特許文献1を参照)。
【0003】
1つの目的は、少なくとも大容量・高速通信(eMBB:enhanced mobile broadband)、高信頼・超低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、多数同時接続マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communicatio)を含む、非特許文献1で定義されているすべての利用シナリオ、要件、および展開シナリオに対処する単一の技術的フレームワークを提供することである。第2の目的は、前方互換性を実現することである。ロングタームエボリューション(LTE、LTE-A:Long Term Evolution)携帯電話システムへの後方互換性は必要とされず、これによって、全く新しいシステム設計および/または新しい特徴の導入を容易にする。
【0004】
基礎的な物理レイヤの信号波形は、非直交波形および多重アクセスをサポートする可能性のあるOFDMに基づく。例えば、DFT-S-OFDM、および/またはDFT-S-OFDMの変形、および/またはフィルタリング/ウィンドウイングなど、OFDMの上への追加機能がさらに検討されている。LTEでは、CPベースのOFDMおよびDFT-S-OFDMが、ダウンリンク送信およびアップリンク送信用の波形としてそれぞれ使用される。NRにおける設計目標の1つは、ダウンリンク、アップリンク、およびサイドリンクに共通する波形をできる限り探すことである。
【0005】
前述の目的を達成するために、波形に加えて、いくつかの基本フレーム構造およびチャネル符号化方式が開発される。この検討では、前述の目的を達成するために、無線プロトコル構造およびアーキテクチャに関して何が必要かについての共通の理解も探し求めなければならない。さらに、スペクトルの同じ隣接するブロック上でのさまざまなサービスおよびユースケースのトラフィックの効率的な多重化を含む、新しいRATが前述の目的を満たすために必要な技術的特徴が検討されなければならない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】3GPP TR 38.913 "Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies", current version 14.2.0
【文献】Technical Report TR 38.804 v14.0.0
【文献】TS 38.300 v.0.4.1, section 4
【文献】3GPP TR 38.801 v14.0.0
【文献】TR 38.301
【文献】TS 38.300 v0.2.0
【文献】3GPP TS 36.321, section 5.1. v14.1.0
【文献】3GPP TS 36.331 v14.2.2, section 5.4
【文献】3GPP 36.423 v14.2.0 section 8.2
【文献】3GPP TS 36.304 v14.2.0
【文献】3GPP TS 24.301 v14.3.0
【文献】3GPP Technical Specification TS 36.331 v14.1.0, section 5.2 "System information"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
3GPPの第5世代システムのNRの標準化は始まったばかりであるため、不明確なままである複数の問題が存在する。例えば、ネットワークによるシステム情報の提供およびUEによるシステム情報の各取得を処理する方法についての議論が行われた。基地局によってシステム情報を配信するため、およびUEによってシステム情報を取得するための効果的なプロセスを確立して定義することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの非限定的な実施形態例は、さまざまなエンティティ(UE、gNB)が参加しているシステム情報の手順の改善を促進する。
【0009】
1つの一般的な態様では、本明細書で開示される技術は、ユーザ機器を特徴とする。ユーザ機器は、最小限のシステム情報メッセージを、移動通信システムの第1の無線セルを制御する第1の無線基地局から受信する、受信機を備える。ユーザ機器によって取得できる第1の無線セルのシステム情報は、最小限のシステム情報メッセージ内および1つまたは複数の追加のシステム情報メッセージ内で運ばれる。最小限のシステム情報メッセージは、第1の無線セルにアクセスするためのシステム情報を含み、少なくとも1つのシステム情報インデックスを含む。各システム情報インデックスは、追加のシステム情報メッセージのうちの1つに関連付けられる。システム情報メッセージのインデックスは、値タグおよびエリアポインタを含み、エリアポインタは、すでに定義されている1つのエリアを指し示す。ユーザ機器は、最小限のシステム情報メッセージ内で受信されたシステム情報インデックスによって示されたのと同じ値タグおよび同じエリアに関連付けられている追加のシステム情報メッセージをユーザ機器が前にすでに取得しているかどうかを判定する、処理回路を備える。この判定が肯定的である場合、処理回路は、前に取得された前述の追加のシステム情報メッセージに含まれるシステム情報が第1の無線セルに適用可能であると決定する。
【0010】
1つの一般的な態様では、本明細書で開示される技術は、無線基地局を特徴とする。無線基地局は、無線基地局によって制御される第1の無線セルにアクセスするためのシステム情報を含み、少なくとも1つのシステム情報インデックスを含む最小限のシステム情報メッセージを生成する、処理回路を備える。ユーザ機器によって取得できる第1の無線セルのシステム情報は、最小限のシステム情報メッセージ内および1つまたは複数の追加のシステム情報メッセージ内で運ばれる。各システム情報インデックスは、追加のシステム情報メッセージのうちの1つに関連付けられる。システム情報メッセージのインデックスは、値タグおよびエリアポインタを含む。エリアポインタは、すでに定義されている1つのエリアを指し示す。無線基地局は、最小限のシステム情報メッセージをユーザ機器に送信する送信機を備える。
【0011】
一般的な実施形態または特定の実施形態が、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、ストレージ媒体、またはこれらの任意の選択的組み合わせとして実装されてよいことに、注意するべきである。
【0012】
開示される実施形態のその他の利益および優位性が、本明細書および各図から明らかになるであろう。それらの利益および/または優位性は、本明細書および図面のさまざまな実施形態および特徴によって個別に得られてよく、それらの実施形態および特徴は、そのような利益および/または優位性のうちの1つまたは複数を得るために、すべて提供される必要はない。
【0013】
以下では、添付の図および図面を参照して、実施形態例がさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】3GPP NRシステムの例示的なアーキテクチャを示す図である。
【
図2】LTE eNB、gNB、およびUEの例示的なユーザプレーンおよび制御プレーンのアーキテクチャを示す図である。
【
図3】5G NRのユーザプレーンのプロトコルスタックを示す図である。
【
図4】5G NRの制御プレーンのプロトコルスタックを示す図である。
【
図5】コンテンションベースのRACH手順を実行するときにeNBとUEの間で交換されるメッセージを示す図である。
【
図6】コンテンションフリーのRACH手順を実行するときにeNBとUEの間で交換されるメッセージを示す図である。
【
図7】LTE通信システムのX2ハンドオーバ手順に関する例示的なシグナリングを示す図である。
【
図8】3つのRANベースの通知エリアを示す図であり、それぞれ、複数のgNBおよびエリア1のgNB1に接続されたUEで構成されている。
【
図9】5G NRに関して現在議論されているシステム情報取得のメッセージ交換を示す図である。
【
図10】UEおよびeNBの例示的な簡略化された構造を示す図である。
【
図11】gNB1の無線セルに位置するUEが、gNB2によって制御される無線セル2に向かって移動している例示的なシナリオを示す図である。
【
図12】改善されたシステム情報取得手順のためにUEで実行される動作のフローチャートを示す図である。
【
図13】対応する追加のSIメッセージのシステム情報インデックスを示す図であり、それぞれ、エリアポインタおよび値タグで構成されている。
【
図14】エリアポインタとエリアタイプの間の関連付けを示す図である。
【
図15】
図13にすでに示されたシステム情報インデックスの例示的な実装を示す図である。
【
図16】異なる追加のSIメッセージに関する、異なるエリアタイプおよび異なるシステム情報の有効エリアの例示的な定義を示す図である。
【
図17】対応する追加のSIメッセージのシステム情報インデックスを示す図であり、システム情報インデックスのうちの1つはエリアIDおよび値タグを含んでおり、他のシステム情報インデックスは、エリアポインタおよび値テキストを含む。
【
図18】エリアポインタとエリアIDのリストの間の関連付けを示す図である。
【
図19】対応する追加のSIメッセージのシステム情報インデックスを示す図であり、それぞれ、エリアポインタおよび値タグで構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<本開示の基礎>
<5G NRのシステムアーキテクチャおよびプロトコルスタック>
背景技術の節で示したように、3GPPは、最大100GHzに及ぶ周波数で動作する新しい無線アクセス技術(NR)の開発を含む、第5世代携帯電話技術(略して5Gと呼ばれる)の次回リリースに取り組んでいる。3GPPは、差し迫った市場の必要性とより長期間の要件の両方をタイムリーに満たすNRシステムの標準化に成功するために必要な技術要素を識別し、開発する必要がある。これを達成するために、無線インタフェースおよび無線ネットワークアーキテクチャの進化が、検討事項「新しい無線アクセス技術」において検討されている。その結果および合意内容が、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている非特許文献2にまとめられている。
【0016】
特に、システムアーキテクチャ全体に関する暫定的合意が行われた。NG-RAN(Next Generation - Radio Access Network:次世代無線アクセスネットワーク)は、gNBで構成され、NG無線アクセスのユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーン(RRC)のプロトコル終端を、UEに向かって提供する。gNBは、Xnインタフェースを用いて相互接続される。gNBは、次世代(NG:Next Generation)インタフェースを用いてNGC(Next Generation Core:次世代コア)にも接続され、より具体的には、NG-Cインタフェースを用いてAMF(アクセスおよびモビリティ管理機能:Access and Mobility Management Function)に接続され、NG-Uインタフェースを用いてUPF(ユーザプレーン機能:User Plane Function)に接続される。NG-RANアーキテクチャが
図1に示されており、この図は、参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献3から選択されている。
【0017】
例えば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている非特許文献4に反映されているように、サポートされようとしているさまざまな異なる展開シナリオが現在議論されている。例えば、5G NRをサポートする基地局を展開できる非集中型の展開シナリオ(非特許文献4の第5.2節)が提示されている(非特許文献4の第5.4節では、集中型の展開が示されている)。
図2は、非特許文献5の
図5.2.-1に基づく例示的な非集中型の展開シナリオを示しており、さらに、LTE eNBおよびgNBとLTE eNBの両方に接続されたユーザ機器(UE:user equipment)を示している(LTE eNBは、LTEおよびLTE-Aなどに関する以前の3GPP規格のリリースに従うeNBとして理解されるべきである)。前述したように、NR 5Gの新しいeNBは、例示的にgNBと呼ばれることがある。
【0018】
非特許文献4において例示的に定義されているeLTE eNBは、EPC(進化型パケットコア:Evolved Packet Core)およびNGC(次世代コア)への接続をサポートする、eNBの進化型である。
【0019】
非特許文献6の第4.4.1節において現在定義されている、NRに関するユーザプレーンのプロトコルスタックが、
図3に示されている。PDCPサブレイヤ、RLCサブレイヤ、およびMACサブレイヤが、ネットワーク側のgNBで終端されている。さらに、非特許文献6の第6.5項において説明されているように、新しいアクセス層(AS:access stratum)サブレイヤ(SDAP(サービスデータ適応プロトコル:Service Data Adaptation Protocol))が、PDCPの上に導入されている。非特許文献6の第4.4.2節において定義されている、NRに関する制御プレーンのプロトコルスタックが、
図4に示されている。レイヤ2の機能の概要が、非特許文献6の第6項に記載されている。PDCPサブレイヤ、RLCサブレイヤ、およびMACサブレイヤの機能が、非特許文献6の第6.4項、第6.3項、および第6.2項に示されている。RRCレイヤの機能が、非特許文献6の第7項に示されている。前述した非特許文献6の各項は、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0020】
5Gシステムに関して例示的に現在仮定されている新しいNRレイヤは、LTE(-A)通信システムにおいて現在使用されているユーザプレーンのレイヤ構造に基づいてよい。しかし、NRレイヤのすべての詳細に関して、現在は最終的な合意に達していないことに注意するべきである。
【0021】
<RRC状態>
LTEでは、RRC状態マシンは、大幅な省電力、UEの自律的モビリティ、およびコアネットワークとのUEの接続が確立されないことによって主に特徴付けられる、RRCアイドル状態と、無損失のサービスの継続性をサポートするためにモビリティがネットワーク制御されながら、UEがユーザプレーンのデータを送信できる、RRC接続状態との、2つの状態のみで構成される。
【0022】
参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献2の第5.5.2節において現在定義されているNR 5GのRRCは、RRCアイドル、RRC非アクティブ、およびRRC接続という3つの状態をサポートし、非特許文献2において定義されている以下の状態遷移を許可する。
【0023】
明らかなように、新しいRRC状態である非アクティブは、シグナリング、省電力、レイテンシなどに関して非常に異なる要件を有するeMBB(大容量・高速通信)、mMTC(多数同時接続マシンタイプ通信)、およびURLLC(高信頼・超低遅延通信)などのサービスのより広い範囲をサポートする場合の利益をもたらすために、5G 3GPPの新しい無線技術に関して定義されている。
【0024】
<RACH手順>
5G NRのRACH(ランダムアクセスチャネル:Random Access Channel)手順に関しては、最終的な合意に達していない。参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献2の第9.2節において説明されているように、NR RACH手順は、LTEに関して定義されている方法と同じまたは類似する方法で、コンテンションベースのランダムアクセスとコンテンションフリーのランダムアクセスの両方をサポートしてよい。また、NR RACH手順の設計は、LTEと同様に、柔軟なメッセージ3のサイズをサポートしなければならない。
【0025】
以下では、
図5および6を参照して、LTE RACH手順についてさらに詳細に説明する。LTEにおいて移動端末は、そのアップリンク送信が時間同期される場合にのみ、アップリンク送信に関してスケジューリングされ得る。したがって、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順は、非同期型の移動端末(UE)とアップリンク無線アクセスの直交送信の間のインタフェースとして、重要な役割を果たす。基本的に、LTEにおけるランダムアクセスは、アップリンク同期をまだ獲得していないか、または失っているユーザ機器に対して、アップリンク時間同期を達成するために使用される。ユーザ機器がアップリンク同期を達成した後に、eNodeBが、そのユーザ機器のアップリンク送信リソースをスケジューリングすることができる。ランダムアクセスに関連する1つのシナリオは、現在のサービングセルから新しいターゲットセルにハンドオーバしている、RRC_CONNECTED状態にあるユーザ機器が、ターゲットセルにおいてアップリンク時間同期を達成するために、ランダムアクセス手順を実行する場合である。
【0026】
LTEは、2つのタイプのランダムアクセス手順を提供し、コンテンションベース(すなわち、衝突の固有のリスクを意味する)またはコンテンションフリー(非コンテンションベース)のいずれかのアクセスを可能にする。ランダムアクセス手順の詳細な説明は、参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献7にも記載されている。
【0027】
以下では、
図5に関して、LTEのコンテンションベースのランダムアクセス手順についてさらに詳細に説明する。この手順は、4つの「ステップ」で構成される。最初に、ユーザ機器は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)上で、ランダムアクセスプリアンブルをeNodeBに送信する(すなわち、RACH手順のメッセージ1)。eNodeBは、RACHプリアンブルを検出した後に、プリアンブルが検出された時間・周波数スロットを識別する(ランダムアクセス)RA-RNTIを含むランダムアクセス応答(RAR:Random Access Response)メッセージ(RACH手順のメッセージ2)を、PDCCH上でアドレス指定されたPDSCH(物理ダウンリンク共有チャネル:Physical Downlink Shared Channel)上で送信する。複数のユーザ機器が同じPRACHリソース内で同じRACHプリアンブルを送信した場合(これは、衝突とも呼ばれる)、それらのユーザ機器は、同じランダムアクセス応答メッセージを受信する。RARメッセージは、検出されたRACHプリアンブル、その後のアップリンク送信の同期のためのタイミング調整コマンド(TA(timing alignment)コマンド)、最初のスケジューリングされた送信のための初期アップリンクリソース割り当て(グラント)、および一時セル無線ネットワーク一時識別子(T-CRNTI:Temporary Cell Radio Network Temporary Identifier)の割り当てを伝達してよい。この時点では移動端末の「実際の」識別子がまだeNodeBに知られていないため、RACH手順が終了するまで、このT-CRNTIが、RACHプリアンブルが検出された移動端末をアドレス指定するためにeNodeBによって使用される。
【0028】
ユーザ機器は、eNodeBによって構成される特定の時間ウィンドウ内で、ランダムアクセス応答メッセージの受信に関して、PDCCHを監視する。eNodeBから受信されたRARメッセージに応答して、ユーザ機器は、第1のスケジューリングされたアップリンク送信を、ランダムアクセス応答内のグラントによって割り当てられた無線リソース上で送信する。このスケジューリングされたアップリンク送信は、例えばRRC接続要求またはバッファ状態報告などの、実際のランダムアクセス手順のメッセージを伝達する。
【0029】
RACH手順の最初において発生したプリアンブルの衝突の場合(すなわち、複数のユーザ機器が同じPRACHリソース上で同じプリアンブルを送信した場合)、衝突しているユーザ機器は、ランダムアクセス応答内で同じT-CRNTIを受信し、RACH手順の第3のステップにおいて、スケジューリングされた送信を送信するときにも、同じアップリンクリソース内で衝突する。あるユーザ機器からのスケジューリングされた送信がeNodeBによって正常にデコードされた場合、他のユーザ機器のコンテンションは未解決のままになる。このタイプのコンテンションの解決のために、eNode Bは、C-RNTIまたは一時C-RNTI宛てのコンテンション解決メッセージ(第4のメッセージ)を送信する。
【0030】
図6は、コンテンションベースのランダムアクセス手順と比較して簡略化された、3GPP LTEのコンテンションフリーのランダムアクセス手順を示している。eNodeBは、衝突の(すなわち、複数のユーザ機器が同じRACHプリアンブルを送信する)リスクがないように、最初のステップで、ランダムアクセスに使用するためのプリアンブルをユーザ機器に提供する。それに応じてユーザ機器は、それ以降、PRACHリソース上のアップリンクにおいて、eNodeBによってシグナリングされたプリアンブルを送信する。コンテンションフリーのランダムアクセスの場合、複数のUEが同じプリアンブルを送信するケースが回避されるため、基本的に、UEによってランダムアクセス応答を正常に受信した後に、コンテンションフリーのランダムアクセス手順が終了する。
【0031】
このようにして、
図5および6に関連して説明されたRACH手順と類似するか、または同じRACH手順を、将来、5Gの新しい無線技術において採用することができる。しかし、3GPPは、5G NRの2ステップのRACH手順も検討しており、その手順では、4ステップのRACH手順におけるメッセージ4に対応するメッセージ1が、最初に送信される。次に、gNBが、LTE RACH手順のメッセージ2および4に対応するメッセージ2で応答する。メッセージ交換が減少するため、4ステップの手順と比較して、2ステップの手順のレイテンシを減らすことができる。メッセージの無線リソースは、ネットワークによって任意選択的に構成される。
【0032】
<LTEのハンドオーバ手順>
モビリティは、LTE通信システムにおける重要な手順である。LTEには、アクティブモードにあるUEに関して、S1ハンドオーバ手順およびX2ハンドオーバ手順という2つのタイプのハンドオーバ手順が存在する。LTE内モビリティの場合、通常は、X2インタフェースを介したハンドオーバがeNodeB間モビリティに使用される。したがって、X2インタフェースが確立されていないのでない限り、またはソースeNodeBが代わりに別のハンドオーバ(例えば、S1ハンドオーバ)を使用するように構成されていない限り、初期設定では、X2ハンドオーバがトリガーされる。
【0033】
図7は、X2 LTE内ハンドオーバの例示的な簡略化された概要を示している。
【0034】
X2ハンドオーバは、準備段階(ステップ4~6)、実行段階(ステップ7~9)、および完了段階(ステップ9の後)を含む。X2 LTE内ハンドオーバは、2つのeNodeB間で直接実行される。新しいeNBへの経路の切り替えをトリガーするために、ハンドオーバ手順が成功した後のハンドオーバ手順の終了時にのみ、コアネットワークの他のエンティティ(例えば、MME(モビリティ管理エンティティ:Mobility Management Entity))に通知される。
【0035】
LTEにおけるモビリティ手順に関する詳細な情報は、例えば、参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献8から、および参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献9から入手できる。
【0036】
<LTE-限定加入者グループ(CSG:Closed Subscriber Group)>
限定加入者グループは、PLMNの1つまたは複数のCSGセルにアクセスすることを許可された加入者のグループを識別する。「TRUE」に設定されたCSG指示を有するセルは、「CSGセル」と呼ばれる。非CSGセル(すなわち、通常のセル)は、UEが適切なPLMN情報を有しており、セルが禁止されていない限り、そのUEがキャンプオンすることを許可するが、CSGセルは、特定のCSGに属しているUEのみがキャンプオンすることを許可する。限定加入者グループは、アクセスが制限されているPLMNの1つまたは複数のセル(CSGセル)にアクセスすることを許可されたオペレーターの加入者を識別する。
【0037】
CSG呼び出しを行うには、UEが、属しているCSG IDおよびアクセスタイプをアタッチ要求で送信しなければならない。次に、MMEは、HSSを使用してUE認証を実行してから、位置更新要求および位置更新応答を交換する。位置更新応答では、HSSが加入データでCSG情報(CSG ID、加入タイマー)を送信する。次に、MMEは、アタッチ要求において受信されたCSGに対して、CSG IDを検証する。CSG IDが一致した場合、UEはCSG呼び出しを開始し、CSG情報を含むセッション作成要求をSGWに送信する。SGWからの正常な応答の受信時に、MMEは、「メンバー」としてのメンバー状態を含むアタッチ承認メッセージを送信する。UEが加入してCSGセルにアタッチしている、加入タイマーの期間の終了後に、MMEがPDN接続削除を開始する。
【0038】
限定加入者グループに関するさらに詳細な情報は、参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献10全体に記載されている。
【0039】
<追跡エリア>
E-UTRANおよびUEの処理におけるオーバーヘッドを減らすために、アクセスネットワーク内のすべてのUEに関連する情報を、長期間のデータ無活動の間に、リリースすることができる。次にUEは、ECMアイドル状態(EPS接続管理-アイドル)になる。MMEは、それらのアイドル期間中に、確立されたベアラに関するUEのコンテキストおよび情報を保持する。ネットワークがECMアイドル状態のUEと連絡を取ることができるようにするために、UEは、現在の追跡エリア(TA:Tracking Area)から移動するときに、常にその新しい位置に関してネットワークを更新する。この手順は、「追跡エリア更新」と呼ばれる。より具体的には、LTEは、コアネットワークが、UEの実際の追跡エリアと見なされるTAI(追跡エリア識別子:Tracking Area Identities)のリストを提供できるようにすることによって、UEの個別の追跡エリアのサイズを提供するメカニズムを導入した。UEがTAのリストの結合されたエリアから離れるときに(例えば、UEは、TAのリストに含まれていない追跡エリアIDを基地局から受信することがある)、UEはNAS追跡エリア更新(TAU:tracking area update)手順をトリガーする。5G NRにおいてRRCアイドル状態にあるUEのモビリティをサポートするための同じアプローチまたは類似するアプローチが、想定され得る。おそらくコアネットワークエリアと同程度の大きさであるか、またはそれより小さいRANベースの通知エリアとは異なるように、コアネットワークエリアが定義されてよい。
【0040】
MMEは、UEがECMアイドル状態にある間、ユーザの位置を追跡する役割を担う。ダウンリンクデータをECMアイドル状態のUEに配信する必要がある場合、MMEが、ページングメッセージ(コアネットワークによって開始されたページング)をUEの現在のTA内のすべてのeNodeBに送信し、次に、eNodeBが、UEに達するために、無線インタフェースを経由してページングメッセージを送信する。
【0041】
追跡エリアに関するさらに詳細な情報は、参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献11の、例えば5.5.3、8.2.26~8.2.29、9.9.32、および9.9.33の節に記載されている。
【0042】
<RRC状態およびRANベースの通知エリア>
LTEでは、RRC状態マシンは、大幅な省電力、UEの自律的モビリティ、およびコアネットワークとのUEの接続が確立されないことによって主に特徴付けられる、RRCアイドル状態と、無損失のサービスの継続性をサポートするためにモビリティがネットワーク制御されながら、UEがユーザプレーンのデータを送信できる、RRC接続状態との、2つの状態のみで構成される。
【0043】
参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献2の第5.5.2節において現在定義されているNR 5GのRRCは、RRCアイドル、RRC非アクティブ、およびRRC接続という3つの状態をサポートする。明らかなように、新しいRRC状態である非アクティブは、シグナリング、省電力、レイテンシなどに関して非常に異なる要件を有するeMBB(大容量・高速通信)、mMTC(多数同時接続マシンタイプ通信)、およびURLLC(高信頼・超低遅延通信)などのサービスのより広い範囲をサポートする場合の利益をもたらすために、5G 3GPPの新しい無線技術に関して定義されている。したがって、新しいRRC非アクティブ状態は、例えばデータ転送を低遅延で開始できるようにしたままで、無線アクセスネットワークおよびコアネットワーク内のシグナリング、電力消費、およびリソースのコストを最小限に抑えることができるように、設計されなければならない。さまざまな状態が、参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献2の第5.5.2項によって特徴付けられている。
【0044】
新しいRRC非アクティブ状態の1つの特徴によれば、RRC非アクティブ状態にあるUEの場合、RANおよびコアネットワークとの(ユーザプレーンと制御プレーンの両方の)接続が維持される。加えて、そのセル内のユーザ機器のページングメカニズム(通知メカニズムと呼ばれることもある)は、いわゆる無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリア(略してRNA(RAN-based notification areas))に基づく。無線アクセスネットワークは、ユーザ機器が存在している現在のRANを認識しなければならず、ユーザ機器は、gNBがさまざまなRNA間で移動するUEを追跡するのを支援してよい。
【0045】
RNAは、1つまたは複数のセルをカバーすることができる。RNAは、RRCアイドル状態にあるUEを追跡するために使用されるコアネットワークエリアより小さくてよい。RRC非アクティブ状態にあるUEが現在のRNAの境界内に留まっている間、このUEは、その位置をRAN(例えば、gNB)で更新する必要がなくてよい。しかし、それに応じてUEは、現在のRNAから離れる(例えば、別のRNAに移動する)ときに、その位置をRANで更新してよい。RNAが構成されて定義される方法に関しては、最終的な合意がまだ存在していない。参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献2の第5.5.2.1項は、現在議論されている複数の可能性のある選択肢について言及している。
【0046】
図8は、複数のgNBでそれぞれ構成されている複数のRNAが存在する例示的なシナリオを示している。UEが、RNA1に属しているgNB1に接続されており、RNA2のgNB2に移動すると仮定されている。1つの選択肢によれば、RNAベースの通知エリアを構成するセルのリストが定義される。UEが、現在のどのRNA内でUEが現在のセルに基づいているかを決定できるように、セルの明示的リストが(例えば、専用のシグナリング(すなわち、UEに直接宛てられたシグナリング、例えば、RRC接続再構成メッセージ)を介して)UEに提供される。別の選択肢によれば、RANエリアは、RNA IDによってそれぞれ識別されている。セルがどのRANエリアに属しているかをUEが知るように、各セル(具体的には、gNB)が、(少なくとも1つの)RNA IDを(例えば、システム情報内で)ブロードキャストする(代替的または追加的に、この情報は、専用のシグナリングを使用してUEに送信され得る)。今のところ、1つまたは両方の選択肢をサポートするべきかどうかに関する決定は行われておらず、将来、異なる解決策が合意される可能性もある。ビットサイズなどの、RNA IDに関する詳細も提供されていない。
【0047】
<LTEのシステム情報の取得>
LTEでは、システム情報は、システム情報ブロック(SIB:system information blocks)を用いて構造化され、システム情報ブロックの各々は、機能的に関連するパラメータのセットを含む。MIB(マスタ情報ブロック:master information block)は、ネットワークへのUEの初期アクセスに不可欠である、最も頻繁に送信される限られた数のパラメータを含む。LTEでは、さらにパラメータを伝達するために、SIB1~SIB18というさまざまなタイプのシステム情報ブロックが現在定義されている。例えば、SIB1は、セルがセル選択に適しているかどうかを判定するために必要なパラメータ、および他のSIBの時間領域のスケジューリングに関する情報を含み、SIB2は、共通の共有されたチャネル情報を含む。
【0048】
3つのタイプのRRC(無線リソース制御:Radio Resource Control)メッセージを使用して、システム情報、MIB、SIB1メッセージ、およびSIメッセージを転送することができる。SIB1以外のSIBは、システム情報メッセージ(SIメッセージ)内で送信され、システム情報メッセージは複数存在し、同じスケジューリング要件(例えば、同じ送信周期)を有する1つまたは複数のSIBを含む。UEは、SIメッセージの内容に応じて、アイドル状態または接続状態で、異なるSIメッセージ(例えば、アイドル状態のみで取得する必要のあるSIB5(周波数間セル再選択情報)を含む第3のSIメッセージ)を取得する必要がある。
【0049】
MIBメッセージおよびSIB1メッセージの時間領域のスケジューリングは、40msおよび80msの周期で、それぞれ固定されている。SIメッセージの時間領域のスケジューリングは、動的に柔軟であり、各SIメッセージが、定義された周期的に発生する時間領域ウィンドウ内で送信され、その間、物理レイヤの制御シグナリングが、このウィンドウ内のどのサブフレーム内でSIが実際にスケジューリングされているかを示す。(短いSIウィンドウ内の)異なるSIメッセージのスケジューリングウィンドウは、連続しており、構成可能な共通の長さを有している。SIウィンドウの一部のクラスタ内で(多くの、または)すべてのSIメッセージがスケジューリングされ、他のクラスタ内で、より短い反復周期を有するSIメッセージのみが送信されるように、SIメッセージは、異なる周期を有してよい。
【0050】
システム情報は、通常、特定の無線フレームおよび特定の変更周期で変化する。LTEは、システム情報が変更されたことを示すために、2つのメカニズムを提供する。1.システム情報が変化したかどうかを示すフラグを含むページングメッセージ、2.SIメッセージのうちの1つまたは複数が変化するたびにインクリメントされる、SIB1内の値タグ。
【0051】
UEがSIの変化の通知を受信した場合、UEは、次の変更周期の開始から、システム情報の取得を開始する。UEが更新されたシステム情報を正常に取得するまで、UEは、既存のパラメータを使用し続ける。重要なパラメータが変化した場合、通信が重大な影響を受けることがあるが、生じる可能性のあるサービスの中断は、短く、まれであるため、許容できると考えられる。
【0052】
システム情報に関する詳細は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている非特許文献12に記載されている。
【0053】
<NRのシステム情報の取得>
5G NRでは、システム情報が、最小限のシステム情報およびその他のシステム情報に概して分割されることが現在想定されている(ただし、最終的に合意されていない)。最小限のシステム情報は、周期的にブロードキャストされ、セルの初期アクセスに必要な基本情報(システムフレーム番号(SFN:System Frame Number)、PLMNのリスト、セルID、セルキャンピングパラメータ、RACHパラメータなど)を含む。最小限のシステム情報は、周期的にブロードキャストされるか、または要求ごとに提供される、任意のその他のSIを取得するための情報(例えば、これに関する適切なスケジューリング情報)をさらに含んでよい。スケジューリング情報は、例えば必要に応じて、SIBタイプ、有効性情報、SIの周期、およびSIウィンドウ情報を含んでよい。それに応じて、その他のシステム情報は、最小限のシステム情報内でブロードキャストされないすべての情報(例えば、セル再選択隣接セル情報)を包含しなければならない。
【0054】
その他のSIは、
図9に示されているように、ネットワークによってトリガーされるか、またはUEからの要求時にトリガーされる専用の方法で、ブロードキャストされるか、または提供されてよい。その他のSIは、構成可能な周期で、特定の期間の間、ブロードキャストされ得る。その他のSIが、ブロードキャストされるのか、または専用のUE固有のRRCシグナリングを介して配信されるのかは、ネットワークによって決定される。
【0055】
UEによって実際に必要とされるその他のSIの場合、UEがその他のSI要求を送信する前に、UEは、そのSIがセル内で利用可能であるかどうか、およびそのSIがブロードキャストされるのかどうかを示す必要がある。RRC_CONNECTED状態にあるUEの場合、専用のRRCシグナリングが、例えば、その他のSIの要求および配信に使用され得る。
【0056】
上で簡単に説明したレガシーLTEでは、UEは、セルの変更が発生したときに、常にシステム情報を(再)取得する必要があり、UEは、システム情報が変更されたときにも(例えば、ページングによって、またはインクリメントされた(すなわち、変更された)値タグによって示される)、すべてのシステム情報を再取得する必要がある。5G NRでの新しいシステムの場合、最小限のシステム情報と一緒にブロードキャストされる特定のインデックス/識別子を使用して、格納されたシステム情報を識別することによって、システム情報を再取得する必要性を減らすことが通常は望ましい。あるセル内で有効なシステム情報は、他のセル内でも有効である可能性があることが仮定される。例えば、共通の無線リソース構成、アクセスクラス除外情報、ULキャリア周波数および帯域幅、ならびにMBSFN(マルチメディアブロードキャスト単一周波数ネットワーク:Multimedia Broadcast Single-Frequency Network)サブフレーム構成が、複数の隣接するセル間で有効であることがある。
【0057】
より具体的には、特定のインデックス/識別子(例示的に、システム情報インデックスと呼ぶことができる)を使用して、他のセル内の関連するシステム情報の有効性を示すことができる。このインデックス/識別子は、2つ以上のセル内で適用可能であることができる。
【0058】
その結果、UEが有効なシステム情報をすでに格納している場合、そのすでに取得されている有効なシステム情報を再取得する必要はない。これによって、UEの電力消費を減らすことができ、エアインタフェース上のシグナリングのオーバーヘッドを少なくすることができる。
【0059】
システム情報インデックスは、単一のインデックスであることができ、または(LTEと同じであるか、または類似する)エリア識別子および値タグなどの2つ以上の項目に分割されてよい。値タグは、例えば、1つのセル内で有効であることができ、一方、完全なシステム情報インデックスは、システム情報の再取得を避けることができるように、前述したように、2つ以上のセル内で有効であると見なすことができる。
【0060】
システム情報インデックスが何であるか、またはシステム情報インデックスのシグナリング方法に関して、最終的な合意はない。5G NRに関して定義されるどのシグナリング手順も、システム情報の定義に関する構成の柔軟性を少なくとも提供しなければならないが、同時に、システム情報の送信のオーバーヘッドを最小限に維持しなければならない。
【0061】
新しい5G NRシステムにおいて発生する可能性のある別の問題は、一部のシステム情報がgNBによって自動的にブロードキャストされず、UEが対応する他のSI要求を送信した後に、要求したときにのみ利用可能になるため(上記を参照)、ハンドオーバの場合に、UEがすべての必要なSIメッセージをターゲットeNBから取得するのに、(例えば、LTEと比較して)より長い時間を要する可能性があることである。
【0062】
したがって、本開示は、不利益のうちの1つまたは複数を克服し、かつ/または前述した要件のうちの1つまたは複数を満たすことを容易にする解決策を提示しなければならない。
【0063】
<本開示の詳細な説明>
以下では、5G移動通信システムで想定される新しい無線アクセス技術に関して、UE、基地局、および手順が説明される。異なる実装および変形も説明される。以下の詳細な開示は、前の「本開示の基礎」の節において説明された検討および発見によって容易にされており、それらに少なくとも部分的に基づくことができる。
【0064】
しかし、一般に、5G携帯電話通信システムに関しては、わずかなことしか実際に合意されていないため、以下では、本開示の基礎になる原理を明確かつ理解可能な方法で説明できるようにするために、多くの仮定を行う必要があることに、注意するべきである。しかし、それらの仮定は、本開示の範囲を制限しない単なる例であると理解されるべきである。当業者は、以下の開示の原理および特許請求の範囲において提示された原理を、本明細書において明示的に説明されていない方法で、さまざまなシナリオに適用できることを認識するであろう。
【0065】
さらに、以下で使用される手順、エンティティ、レイヤなどの用語は、LTE/LTE-Aシステムに密接に関連しており、または、次の3GPP 5G通信システムの新しい無線アクセス技術との関連において使用される具体的な用語はまだ完全には決定されていないが、3GPP 5Gの現在の検討事項において使用される用語に密接に関連している。したがって、これらの用語は、本発明の実施形態の機能に影響を与えることなく、標準化の段階で変更される可能性がある。したがって、当業者は、本発明およびその保護の範囲が、より新しい用語または最終的に合意された用語がなくても、本明細書において例示的に使用される特定の用語に制限されるべきでなく、本開示の機能および原理の基礎になる機能および概念に関して、より広く理解されるべきであることを認識する。
【0066】
例えば、移動局または移動ノードまたはユーザ端末またはユーザ機器(UE)は、通信ネットワーク内の物理的エンティティである。1つのノードは、複数の機能エンティティを含むことがある。機能エンティティとは、既定の一連の機能を実装し、かつ/または既定の一連の機能をネットワークのノードの他の機能エンティティに提供する、ソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュールのことを指す。ノードは、ノードを通信設備または媒体にアタッチする1つまたは複数のインタフェースを含んでよく、ノードは、それらの通信設備または媒体を経由して通信することができる。同様に、ネットワークエンティティは、機能エンティティを通信設備または媒体にアタッチする論理インタフェースを含んでよく、ネットワークエンティティは、それらの通信設備または媒体を経由して他の機能エンティティまたは対応するノードと通信することができる。
【0067】
「基地局」または「無線基地局」という用語は、本明細書では、通信ネットワーク内の物理的エンティティのことを指す。物理的エンティティは、スケジューリングおよび構成のうちの1つまたは複数を含む、通信デバイスに関する何らかの制御タスクを実行する。基地局の機能および通信デバイスの機能が単一のデバイス内に統合されてもよいことに、注意する。例えば、移動端末は、他の端末用の基地局の機能を実装してもよい。LTEで使用される用語はeNB(またはeNodeB)であるが、5G NRで現在使用されている用語はgNBである。
【0068】
「最小限のシステム情報メッセージ」という用語は、無線セルにアクセスするUEのために無線セル内でブロードキャストされる最小限のシステム情報を運ぶ特定のタイプのメッセージのことを指す。「最小限のシステム情報メッセージ」は、無線セル内で周期的に送信され、その内容は変わる可能性がある。そのため、使用される他の用語は「最小限のSI」である。「最小限のシステム情報」は、機能的に、レガシーLTEシステムにおいて使用されるMIBおよび/またはSIB1に類似している。
【0069】
さらに、無線セルのシステム情報は、「追加のシステム情報メッセージ」を使用して送信することができ、「追加のシステム情報メッセージ」は、最小限のシステム情報メッセージ内でブロードキャストされない、無線セルに関するシステム情報を運ぶ特定のタイプのメッセージのことを指す用語である。そのため、使用される他の用語は「その他のSI」である。「追加のシステム情報メッセージ」は、機能的に、レガシーLTEシステムにおいて使用されるSIBに類似している。
【0070】
「システム情報インデックス」という用語は、システム情報インデックスと関連付けられた「追加のシステム情報メッセージ」との間に1対1の関係が存在するように、「追加のシステム情報メッセージ」に関連付けられた、情報要素のことを指す。しかし、すべての「追加のシステム情報メッセージ」を「システム情報インデックス」に関連付ける必要があるわけではないことに、注意するべきである。システム情報インデックスは、本出願において説明されているように、関連付けられた「追加のシステム情報メッセージ」の有効性を決定するためのシステム情報取得手順との関連において使用されるべきであり、特定の状況において、UEがシステム情報の再取得を回避することができるようにしなければならない。
【0071】
「エリアポインタ」という用語は、最小限のシステム情報メッセージ(具体的には、システム情報インデックス)の一部である情報要素のことを指す。エリアポインタは、エリアに関するいずれかの情報を単独で提供すると理解されてはならず、組み合わせてエリア(例えば、そのタイプおよび/またはID)を決定できるようにするために、追加情報へのポインタとして機能すると理解されなければならない。特定の実施例において、「エリアポインタ」は、エリアポインタが含まれるシステム情報インデックスが関連付けられた追加のシステム情報メッセージの空間的有効性をエンコードするために、機能的に使用されている。言い換えると、追加のSIメッセージ(追加のシステム情報メッセージ)内のシステム情報が、複数の無線セル内で同じように適用可能(すなわち、有効)であること、およびUEがエリアポインタに基づいて追加のSIメッセージの空間的有効性を決定できるようにするために、それらの複数のセル内の有効性を「エリアポインタ」にエンコードできることが仮定される。追加のSIメッセージの時間における有効性は、「値タグ」を使用して例示的にエンコードされる。
【0072】
「値タグ」という用語は、最小限のシステム情報メッセージ(具体的には、システム情報インデックス)の一部である情報要素のことを指す。値タグは、値タグが含まれるシステム情報インデックスが関連付けられた追加のシステム情報メッセージの時間的有効性をエンコードするために、機能的に使用され得る。言い換えると、UEが追加のSIメッセージの時間的有効性を決定できるようにするために、追加のSIメッセージの内容が変更されるたびに値タグが変更される(例えば、インクリメントされる)ことが仮定される。
【0073】
図10は、ユーザ機器(通信デバイスとも呼ばれる)およびスケジューリングデバイス(ここでは、基地局(例えば、LTE eNBまたは5G NRでのgNB)内にあると仮定される)の一般的な簡略化された例示的ブロック図を示している。UEおよびeNB/gNBは、トランシーバをそれぞれ使用して、(無線)物理チャネルを経由して互いに通信している。
【0074】
通信デバイスは、トランシーバおよび処理回路を備えてよい。次にトランシーバは、受信機および送信機を備えてよい。処理回路は、1つもしくは複数のプロセッサまたはいずれかのLSIなどの、1つまたは複数のハードウェアであってよい。トランシーバと処理回路の間に、入出力ポイント(またはノード)が存在し、処理回路が、動作時に、この入出力ポイントを経由してトランシーバを制御することができ、すなわち、受信機および/または送信機を制御して、受信データ/送信データを交換することができる。トランシーバは、1つまたは複数のアンテナ、増幅器、RF変調器/復調器などを含むRF(無線周波数)フロントを含んでよい。処理回路は、処理回路によって提供されたユーザデータおよび制御データを送信するため、ならびに/または処理回路によってさらに処理されるユーザデータおよび制御データを受信するためにトランシーバを制御することなどの、制御タスクを実装してよい。処理回路は、決定、判定、計算、測定などのプロセスを実行する役割を担ってもよい。送信機は、送信のプロセスを実行する役割を担ってよい。受信機は、受信のプロセスを実行する役割を担ってよい。
【0075】
以下では、単純な例示的シナリオが仮定される。
図11に示されているように、UEが、gNB1によって制御される無線セル1のカバレッジエリア内に位置することが仮定される。UEによって継続的に実行される1つの重要な手順は、システム情報取得手順である。システム情報取得手順は、例えば、無線セル内で電源を入れるとき、無線セル内で移動するとき、および/または新しい無線セルに移動するときに、必要なシステム情報を取得するために使用される。
【0076】
5G NRのシステム情報取得手順に関して3GPPにおいて今議論されている予備的な合意および達せられた理解に基づいて、システム情報全体の提供が、各無線セル内のUEに使用可能にされる最小限のSIメッセージおよび1つまたは複数の追加のSIメッセージに分割される。まだ合意に達していないが、合計で5つの追加のSIメッセージ(例えば、SI1~SI5と呼ばれる)が存在することが、例示的に仮定される。任意のその他の適切な数の追加のSIメッセージが、同様に可能である。
【0077】
最小限のSIメッセージは、gNB1によって周期的にブロードキャストされ、UEによって最初に取得される。5つの追加のSIメッセージは、周期的にブロードキャストされるか、または要求時に(すなわち、追加のSIメッセージをgNB1に要求するときに)無線セル内のUEに使用可能である。どちらの場合にも、UEは、追加のSIメッセージを取得することができ、実施形態を同じように適用することができる。最小限のSIメッセージは、無線セルにアクセスするUEのために無線セル内でブロードキャストされる最小限のシステム情報を含み、UEが追加のSIメッセージの一部または全部を取得することによってシステム情報をさらに取得できるようにするために必要なスケジューリング情報をさらに含む。
【0078】
異なる追加のSIメッセージは、異なるタイプのシステム情報を含み、その一部または全部は、UEの動作に厳密には必要でないことがある。したがって、UEは、追加のSIメッセージごとに、そのシステム情報が無線セル内のUEの動作に必要かどうかを判定してよい。例えば、地震・津波警告提供(ETWS:Earthquake and Tsunami Warning Serving)通知のための追加のSIメッセージは、UEに必要であると見なされないことがある。実施形態例によれば、UEは、以下で詳細に説明されるように、必要な追加のSIメッセージの取得を回避できるかどうかを引き続き判定する前に、最小限のSIメッセージ内で知らされた追加のSIメッセージのうちのどれがUEの動作に必要であるかを、例示的に最初に決定することができる。さまざまな実施形態およびそれらの変形の説明を簡単にするために、UEが、すべての追加のSIメッセージ(ここでは、SI1~SI5)がその動作にとって重要であると見なし、原則的に、それらのメッセージに含まれるすべての対応するシステム情報を取得すると決定することが、例示的に仮定される。システム情報がUEによって本当に取得されるかどうかは、以下で説明されるように、特定の状況において、同じシステム情報の取得を回避するための特定の事例に依存する。
【0079】
前に説明したように、特定の状況においてシステム情報の再取得を回避するために、システム情報取得手順が改善されるべきであることが、3GGにおいて合意されている。それに応じて、本明細書に記載された以下の実施形態は、追加のSIメッセージに関連してシステム情報インデックスを使用して、時間および空間(すなわち、エリア)にわたる関連付けられた追加のSIメッセージの有効性をエンコードし、このようにして、UEが、以前に取得された追加のSIメッセージに対して、知らされた追加のSIメッセージの有効性を最初に決定し、次に、その追加のSIメッセージの取得が実際に必要であるかどうかを判定できるようにする。
【0080】
追加のSIメッセージのうちの少なくとも1つをシステム情報インデックスに関連付けることができ、その場合、最小限のSIメッセージは、少なくとも、5つの追加のSIメッセージのうちの1つ(例えば、SI1)に関して、その追加のSIメッセージ(すなわち、SI1)に関連付けられたシステム情報インデックスを含む。以下の説明では、最も多くの利益を提供するために、1つの実施形態例において、システム情報インデックスを使用してシステム情報の有効性をエンコードするという概念が、5つの追加のSIメッセージすべてに適用される。したがって、最小限のSIメッセージは、無線セル1内のUEによって取得できる5つの既存の追加のSIメッセージごとに、システム情報インデックスを含む。
【0081】
本明細書に記載された実施形態は、UEとgNBの間で実行されるシステム情報取得手順に関連する。それらの実施形態は、(追加のSIメッセージ内の)システム情報の(再)取得を回避できるようにするため、およびシステム情報の送信のオーバーヘッドを減らし、空間(異なるエリア/セル)にわたるシステム情報の有効性を定義することにおける柔軟性を維持するために、システム情報の有効性を(それぞれgNBおよびUEによって)エンコードおよびデコードできる方法を改善することに重点を置いている。
【0082】
一部の実施形態例によれば、システム情報インデックスの各々は、値タグおよびエリアポインタで構成されると仮定され、値タグおよびエリアポインタの両方が、互いに別々に処理されるように、UEによって区別され得る。システム情報インデックス内のエリアポインタは、特定のエリアに関する情報を直接含む代わりに、すでに定義されているエリアを「指し示す」(エリアは、ネットワーク固有であってよいが、ユーザ機器がこのエリアを認識しなければならない)。UEは、エリアポインタを解釈できなければならず、すなわち、システム情報インデックス内のエリアポインタが実際にどのエリアを指し示しているかを正しく決定できなければならない。これに関して、UEおよびgNBは、エリアをエリアポインタにそれぞれデコードまたはエンコードする方法に関する共通の理解を有していなければならない。例えば、UEおよびgNB1は、エリアポインタの可能な値を、すでに定義されている対応するエリアに関連付けるリストを格納できる。
【0083】
エリアポインタおよび格納されたエリアのリストに基づいて、UEは、エリアポインタを含むシステム情報インデックスを受信するときに、知らされた追加のSIメッセージがどのエリアに関して有効と見なされるかを決定することができる。
【0084】
後でより詳細な実施形態において説明されるように、値タグを使用して、知らされた追加のSIメッセージの時間的有効性を決定できる。
【0085】
次に、UEは、知らされた追加のSIメッセージのいずれかをgNB1から取得する必要があるかどうかを判定する必要がある。前に取得された追加のSIメッセージのいずれかの取得を回避できるようにするために、UEは、同じ値タグを含み、同じエリアに関連付けられている同じ追加のSIメッセージを前にすでに受信していなければならない。その場合、このすでに取得された追加のSIメッセージに含まれるシステム情報は、(同じエリア内の)現在の無線セルにまだ適用可能であると見なすことができ、UEが同じシステム情報を含む対応する追加のSIメッセージを再び取得する必要はない。
【0086】
一方、最小限のSIメッセージのシステム情報インデックスで知らされた追加のSIメッセージの値タグおよび/または(エリアポインタによって示された)エリアが、対応するすでに取得された追加のSIメッセージに関連付けられた対応する値タグおよび/または対応するエリアと異なる場合、UEは、そのすでに取得された追加のSIメッセージに含まれるシステム情報を無線セル内で適用できないと決定する。このようにして、UEは、現在の無線セルに適用できる有効なシステム情報を取得するために、UEが知らされた追加のSIメッセージをgNBから取得する必要があると決定する。
【0087】
したがって、エリアポインタは、エリアの識別情報を直接提供する代わりに、単にエリアを指し示すため、エリアポインタのサイズを、エリアを直接識別するシステム情報インデックスより小さくすることができる。このようにして、発生するオーバーヘッドが、エリアの識別情報を直接含むシステム情報インデックスと比較して、より少なくなる。
【0088】
最小限のSIメッセージ内で、追加のSIメッセージごとに別々のエリアポインタ(互いに異なるように設定できる)を使用できるため、前述の改善されたSI取得手順は、gNB1がシステム情報の有効エリアを追加のSIメッセージごとに別々に柔軟に決定できるようにもする。
【0089】
図12は、UEの動作のフロー図を、特に上で説明した基本システムの取得手順に関して、例示的に示している。
【0090】
ここで、
図11~13に関連して説明される以下の例示的な2つのシナリオに基づいて、前述の改善されたSI取得手順の機能が詳細に説明される。第1のシナリオでは、UEが、gNB1の無線セル1内で電源投入され、gNB1の無線セル1にアクセスしようとしていることが例示的に仮定される(その後、gNB1は、このUEのサービングgNBになる)。gNB1は、最小限のSIメッセージを周期的にブロードキャストしており、UEが同じ最小限のSIメッセージを取得する。最小限のSIメッセージは、無線セル1への初期アクセスのためにUEに必要なシステム情報を含み、追加のSIメッセージSI1~SI5およびそれらの内容を取得する方法に関する情報を含む。したがって、特に、最小限のSIメッセージは、追加のSIメッセージごとに、対応するシステム情報インデックスを含み、さらに特定の値タグおよびエリアポインタを含む。これが、
図13に例示的に示されており、
図13は、5つの使用可能な追加のSIメッセージSI1~SI5の5つのシステム情報インデックス(SI_index_1~5)を示している。例えば、追加のSIメッセージSI1に関連付けられたSI_index_1は、area_pointer_1およびvalue_tag1を含み、追加のSIメッセージSI2に関連付けられたSI_index_2は、area_pointer_2およびvalue_tag2を含む、などである。
【0091】
初めてUEが電源投入されることを考えると、追加のSIメッセージは前に全く取得されておらず、したがって、知らされた追加のSIメッセージに関して、システム情報を使用できない。したがってUEは、追加のSIメッセージごとに、それらに含まれる対応するシステム情報を取得するために、同じ追加のSIメッセージを取得する必要があると決定する。したがってUEは、例えば、周期的に発生する特定の無線リソースでgNB1によってブロードキャストされた追加のSIメッセージを受信することによって、および/または要求時にのみ無線セル1内で使用可能になる追加のSIメッセージを最初に要求し、次にそれらを受信することによって、最小限のSIメッセージに示されている追加のSIメッセージSI1~SI5の取得を開始することができる。追加のSIメッセージの受信時に、UEは、追加のSIメッセージごとに、追加のSIメッセージに関連付けられたシステム情報インデックスから得られたエリアおよび値タグを格納してよい。例えば、追加のSIメッセージSI1の場合、UEは、value_tag_1およびエリアポインタarea_pointer_1によって示されたエリアに関する情報(例えば、識別されたエリアのエリアIDおよび/またはタイプ)を格納する。他の追加のSIメッセージSI2~SI5の場合、UEによって同じ情報または類似する情報を格納することができる。このようにして、UEは、追加のSIメッセージごとに有効性情報を格納し、その後のシステム情報取得手順において、この有効性情報を使用できる。
【0092】
ここで、無線セル1内でUEが移動し続け、最終的に、gNB2によって制御される別の無線セル2に移動することが仮定される(
図11を参照)。UEは、無線セル1内で最小限のSIメッセージをさらに受信し、無線セル2のカバレッジエリアに入るときにも受信する。例えば、最小限のSIメッセージが受信されるたびに、前述のSI取得手順を、UEによって繰り返し実行することができる。
【0093】
例えば、gNB2は、UEが無線セル2への初期アクセスを行うために必要なシステム情報を含み、追加のSIメッセージSI1~SI5ごとのシステム情報インデックスをさらに含む、最小限のSIメッセージをブロードキャストする。システム情報インデックスの構造は、gNB1によってブロードキャストされる最小限のSIメッセージに関して上で説明された構造と同じでなくてはならず、したがって、値タグおよびエリアポインタで構成される。次に、UEは、知らされた追加のSIメッセージのいずれかをgNB2から取得する必要があるかどうかを判定する。前に説明したように、UEは、すべての追加のSIメッセージをgNB1からすでに取得しているが、それらの追加のSIメッセージを新しい無線セル2にも適用できるかどうかを判定する必要がある。この判定は、システム情報インデックスならびに格納された値タグおよびエリア情報の内容に基づいて、UEによって実行される。追加のSIメッセージ(例えば、SI1)ごとに、UEは、すでに取得された追加のSIメッセージ(例えば、SI1)の格納された値タグ(例えば、value_tag_1)を、新たに受信された最小限のSIメッセージ内の知らされた追加のSIメッセージ(SI1)のシステム情報インデックス(SI_index_1)に含まれる値タグ(value_tag_1)と比較することによって、無線セル2内で、すでに取得された追加のSIメッセージ(例えば、SI1)の有効性をチェックする。さらにUEは、すでに取得された追加のSIメッセージ(例えば、SI1)の格納されたエリアを、新たに受信された最小限のSIメッセージ内の知らされた追加のSIメッセージ(SI1)のシステム情報インデックス(SI_index_1)に含まれるエリアポインタ(area_pointer_1)によって示されたエリアと比較することによって、無線セル2内で、すでに取得された追加のSIメッセージ(例えば、SI1)の有効性をチェックする。新しい最小限のSIメッセージ内で知らされた値タグおよびエリアの両方が、すでに取得された追加のSIメッセージ(例えば、SI1)の格納された値タグおよびエリアと同じである場合、そのすでに取得された追加のSIメッセージ(SI1)に含まれる対応するシステム情報を、無線セル2内でも適用することができ、UEは無線セル2を介して追加のSIメッセージを取得する必要がない。この判定は、追加のSIメッセージごとに実行され得る。値タグの有効性のチェックおよびエリア情報の有効性のチェックの順序は制限されず、すなわち、空間的有効性を時間的有効性の前にチェックすることができ、もしくはその逆の順序でチェックすることができ、またはそれらを同時にチェックすることができる。
【0094】
上記のシナリオは、UEが新しい無線セル2に移動することを例示的に仮定したが、改善されたシステムの取得手順は、セル内に留まっているUEによって実行することもできる。例えば、UEが同じ無線セル内に留まっている限り、システム情報の空間的有効性が維持されることが例示的に仮定され得る。それに応じて、追加のSIメッセージのシステム情報インデックス内でブロードキャストされたエリアポインタが、前と同じエリアを引き続き指し示す。しかし、gNB1は、追加のSIメッセージ(例えば、SI1)のうちの1つまたは複数に含まれる一部のシステム情報パラメータを変更すると決定することがある。それに応じて、gNB1は、対応する値タグの値も変更し(例えば、value_tag_1を例えば1だけインクリメントし)、最小限のSIメッセージ内の変更された追加のSIメッセージに関連して、変更された値タグの値をブロードキャストする。追加のSIメッセージの値タグの値が変化したと決定しているUEは、以前の追加のSIメッセージを介して取得された対応するシステム情報が有効でなくなっていることを、この決定から導き出し、無線セル1内でgNB1によって送信された対応する追加のSIメッセージ(例えば、SI1)を再取得すると決定する。
【0095】
上記では、エリアポインタが前にすでに定義されたエリアを指し示すことが仮定されていた。これに関して、使用できるさまざまなエリアが存在することがある。一般に、他のUEの手順に関して、通常は1つまたは複数のエリアがすでに定義されていることに、注意するべきである。例えば、前に説明したように、ネットワークベースのモビリティを制御するために、1つまたは複数の追跡エリアが定義され得る。加えて、前に説明したように、UEが新しいRRC非アクティブ状態にある場合のページングメカニズムを実装するために、RANベースの通知エリアが定義され得る。別の例は、前に詳細に説明したように、特定のUEのみがアクセスできる無線セルで構成されている限定加入者グループのエリアである。
【0096】
別のエリアタイプを使用してシステム情報の有効なエリア(すなわち、システム情報の一部を同じように適用できる複数のgNBを含むエリア)を定義する代わりに、前述の目的のために、新しいエリアタイプを定義できる。したがって、使用できるさらに別のエリアは、システム情報エリアであり、システム情報エリアは、システム情報の少なくとも一部を同じように適用できる複数の無線セルのエリアであると通常は理解されるべきである。言い換えると、1つのシステム情報エリア内で、無線セルは、1つまたは複数の追加のSIメッセージからの同じシステム情報パラメータを使用し、したがって、同じシステム情報を各無線セル内で送信する。これに関して、3GPPでは、システム情報エリアの定義、設定、および維持などが行われるかどうか、行われる場合はどのように行われるかに関して、合意に達していない。
【0097】
上記の説明では、主にUE側で実行される手順に重点を置いていた。しかし、gNBも、最小限のSIメッセージ、追加のSIメッセージをUEに提供するための対応するステップを実行することによって、前述の改善されたシステム情報取得手順に参加する。gNBは、上記および下記において説明されているように、最小限のSIメッセージの内容、特に、追加のSIメッセージに関連付けられるシステム情報インデックスを生成できる必要がある。
【0098】
さらに、(1つまたは複数の追加のSIメッセージの)特定のシステム情報は、特定のエリア(追跡エリア、またはCSGエリア、またはRANベースの通知エリア、または単純にシステム情報エリアなど)の複数の無線セル内で同じように適用可能でなければならないため、それらのエリア内のgNBは、追加のSIメッセージのシステム情報、および最小限のSIメッセージ内でgNBがブロードキャストするシステム情報インデックスを調整する必要がある。例えば、1つの追加のSIメッセージのシステム情報が変更された場合、その1つの追加のSIメッセージの有効エリアに属しているすべてのgNBは、同じ変更された追加のSIメッセージが送信されるように、かつ同じ更新されたシステム情報インデックス(例えば、更新された値タグ)が最小限のSIメッセージ内でブロードキャストされるように、同期される必要がある。
【0099】
以下では、実施形態例が説明され、この実施形態例に従って、システム情報インデックスのエリアポインタがエリアタイプをエンコードし、それに基づいてUEは、その後、エリアタイプが指し示す対応するエリアを決定する状況になる。エリアポインタが、2ビットの長さを有し、したがって、最大で4つの異なるタイプのエリアをエンコードできることが、例示的に仮定される。エリアポインタの異なる値と対応するエリアタイプの間の例示的な関連付けが、異なる項目を含むエリアタイプリストの形態で
図14に示されており、00は追跡エリアタイプをエンコードし、01はRANベースのエリアタイプをエンコードし、10はSIエリアタイプをエンコードし、11はセルタイプをエンコードする。エリアポインタ情報をエンコードし、正しくデコードできるようにするために、この関連付けの情報が、gNB内だけでなく、UEによっても格納されることが仮定され得る。
【0100】
図13に示されたシステム情報インデックスは、例えば8ビットの長さを有することができる値タグ、および2ビットを含むエリアポインタで構成されている。したがって、各システム情報インデックスは10ビットであり、最小限のSIメッセージによって運ばれる追加の情報は50ビットである(システム情報インデックスが含まれる5つの追加のSIメッセージの各々について10ビット)。
【0101】
それに応じて、UEは、エリアポインタおよび前述したエリアタイプの関連付けに基づいて、エリアタイプを決定する。次に、UEは、識別されたエリアタイプに基づき、エリアの各タイプに関してすでに取得されている識別情報を使用することによって、実際のエリア(例えば、エリアの識別情報)を決定してよい。例えば、エリアポインタが追跡エリアタイプ(すなわち、
図14の例では00)を指し示していることを例示的に仮定して、UEは、追跡エリアの1つまたは複数のIDについて認識し、このようにして、追跡エリアタイプと追跡エリア識別情報の間の適切な関連付けを行ってよい。したがって、UEは、知らされた追加のSIメッセージが追跡エリアタイプに関連付けられていることを最初に決定し、次に、(gNB1によってブロードキャストされた)現在の追跡エリアIDを決定する。次に、上で説明された改善されたシステム情報取得手順に従って、その追加のSIメッセージが前にすでに取得されており、現在の最小限のSIメッセージ内で知らされた追跡エリアと同じ追跡エリアで有効である場合、UEがその追加のSIメッセージを再取得する必要はない。
【0102】
言い換えると、UEが、ソースセルと同じ追跡エリアに属しているターゲットセルに移動する場合、UEがソースセル内で取得した追加のSIメッセージを、ターゲットセル内で同じように適用することができ、同じ追加のSIメッセージの再取得を回避することができる。
【0103】
エリアポインタが他の可能性のあるエリアタイプ(例えば、RANベースの通知エリア、CSGエリア、またはシステム情報エリア)のいずれかを指し示す場合にも、同様のアプローチが想定される。いずれの場合にも、UEは、エリアポインタ、前述のエリアタイプの関連付け、および最終的に前述の識別されたエリアタイプのエリアIDに基づいて、エリアIDを決定する。RANベースの通知エリア、CSGエリア、およびシステム情報エリアのIDは、例えばgNBによってブロードキャストされるか、または専用のシグナリングでUEに提供されて、あらかじめUEに知られている。
【0104】
このようにして決定されたエリアIDに基づいて、UEは、追加のSIメッセージ内ですでに取得されたシステム情報が現在の状況(例えば、新しいセル内)においても適用可能であるかどうかを判定することができる。端的に言えば、ターゲットセルがソースセルと同じエリア(RANベースの通知エリア、CSGエリア、またはシステム情報エリア)に属している場合、UEがソースセル内で取得した追加のSIメッセージを、ターゲットセル内で同じように適用することができ、同じ追加のSIメッセージの再取得を回避することができる。
【0105】
例示的なシナリオでは、
図14、15、および16に関連して、異なるタイプのエリアが説明される。例示的に仮定されているように、同じ追加のSIメッセージSI1(具体的には、それに含まれるシステム情報)を1つの追跡エリア内で適用することができ、同じ追加のSIメッセージSI2(具体的には、それに含まれるシステム情報)を1つのRANベースの通知内で適用することができ、同じ追加のSIメッセージSI3(具体的には、それに含まれるシステム情報)を1つのシステム情報エリア内で適用することができ、同じ追加のSIメッセージSI4/SI5(具体的には、それに含まれるシステム情報)を1つのみのセル内で適用することができる。
図15は、説明されたシナリオを反映するように、対応するエリアポインタの値を示している。
【0106】
それに応じて、SI1については、新しいセルおよび古いセルが同じ追跡エリアID(および同じvalue_tag_1の値)を有している場合、古いセル内で取得された追加のSIメッセージSI1に含まれるシステム情報を、UEによって新しいセル内でも使用することができる。SI2については、新しいセルおよび古いセルが同じRANベースの通知エリアID(および同じvalue_tag_2の値)を有している場合、古いセル内で取得された追加のSIメッセージSI2に含まれるシステム情報を、UEによって新しいセル内でも使用することができる。SI3については、新しいセルおよび古いセルが同じシステム情報エリアID(および同じvalue_tag_3の値)を有している場合、古いセル内で取得された追加のSIメッセージSI3に含まれるシステム情報を、UEによって新しいセル内でも使用することができる。一方、追加のSIメッセージSI4およびSI5内のシステム情報はセルに固有(エリアポインタ11)であり、したがってUEは、新しいセルに入るときに、いずれの場合でも、追加のSIメッセージSI4およびSI5を取得する必要がある。
【0107】
さらに別の実施形態例によれば、空間的有効性が追加のSIメッセージのシステム情報インデックスにエンコードされる方法に関して、柔軟性がさらに向上されなければならない。上の実施形態では、システム情報の有効なエリアは、システム情報インデックスのエリアポインタフィールドにエンコードされ、UEがエリアタイプを最初に決定し、次にエリアIDを決定できるようにする。しかし、この解決策では、UEが単純にエリアタイプからエリアIDを決定できる必要があり、例えば、エリアIDが(例えば、無線セル内でブロードキャストされて)あらかじめUEに知られていることが必要になることがある。次の実施形態例では、エリアIDが追加のSIメッセージのシステム情報インデックスに直接エンコードされるため、エリアIDの以前の知識が不要であるという優位性を有することを促進する。
【0108】
図17は、5つの追加のSIメッセージのシステム情報インデックスの例示的な構成を示している。この図から明らかなように、追加のSIメッセージSI4のシステム情報インデックスが、他の追加のSIメッセージのシステム情報インデックスのようなエリアポインタではなく、エリアID自体(例えば、8ビットを含むシステム情報エリアID)を含むことが仮定される。それに応じてUEは、上で説明されたようにエリアポインタからエリアIDを決定することができるが、
図17に示されているようにエリアIDを直接含むシステム情報インデックスを処理することもできる。
【0109】
システム情報インデックスが(例えば、2ビットの)エリアポインタフィールドまたは(例えば、8ビットの)エリアIDを含むかどうかをUEが知るようにする1つの例示的な方法は、ASN.1符号化の使用である。各システム情報インデックスのエリアポインタフィールドに関して、適切なASN.1符号化は、異なるフィールド(エリアポインタフィールドおよびエリアIDフィールド)を区別して選択できるようにする。例示的なASN.1符号化は、次のとおりであってよい。
Area_Pointer CHOICE {
area-pointer INTEGER (0 ..3),
-- 0: 追跡エリアタイプを参照する
-- 1: RANエリアタイプを参照する
-- 2: SIエリアタイプを参照する
-- 3: セルタイプ
si-area-ID INTEGER (0 ..255)
}
【0110】
以下では、実施形態例が説明され、この実施形態例に従って、システム情報インデックスのエリアポインタが、エリア識別情報を使用してエリアリストのエリアリスト項目をエンコードする。エリアIDの例示的なリストが
図18に示されており、5つの追加のSIメッセージに対応するシステム情報インデックスが
図19に示されている。この図から明らかなように、各システム情報インデックスはエリアポインタフィールドを含んでおり、エリアポインタフィールドの値は、
図18のエリアIDリストのリスト項目を指し示している。3ビットが、システム情報インデックス内のエリアリストポインタフィールドに使用され、このようにして、最大で8つの異なるエリアIDを区別できるようにすることが、例示的に仮定される(実際のエリアリストのサイズは、最大のリスト項目数を8として、動的であることができる)。システム情報インデックスのエリアポインタをデコードできるようにするために、UEがエリアIDリストを取得していることが仮定される。1つの例示的な選択肢は、エリアリストが最小限のSIメッセージ内でも送信されることであり、その場合、最小限のSIメッセージは、エリアリストだけでなく、すべてのシステム情報インデックスも運ぶ。別の例示的な選択肢は、後の実施形態においてさらに詳細に説明されるように、エリアリストが、例えばハンドオーバ手順の間に、前のセルからすでに取得されていることである。
【0111】
エリアリストポインタ用の3ビットおよび値タグ用の8ビットを例示的に仮定して、すべての追加のSIメッセージのシステム情報インデックスを搬送するには、55ビットが必要である。さらに、エリアリストのサイズは、その長さ(すなわち、リスト項目の数)によって決まり、1つのリスト項目につき8ビット(すなわち、ID用の8ビット)を例示的に仮定することができ、例えばASN.1コードは、UEが異なるリスト項目を区別できるようにする。任意選択的に、エリアリスト内のリスト項目フィールド用に、3ビットが想定され得る。
【0112】
この解決策は、少数の異なるエリアのみがシステム情報の空間的有効性に使用される場合に、特に有用である。複数の追加のSIメッセージが同じエリア(例えば、同じSIエリア)に関連付けられる場合、リスト内のそのSIエリアのIDを含むリスト項目は1つで十分であり、最小限のSIメッセージ内で運ばれるエリアリストは大きくならない。また、セルが複数のエリアID(例えば、追跡エリアIDまたはRANベースの通知エリアID)を含む場合、説明された解決策は、gNBがエリアIDを明確に識別できるようにする。
【0113】
上で説明された実施形態とは無関係に使用され得る(例えば、組み合わせられるか、またはスタンドアロンで使用されてよい)さらに別の実施形態によれば、ハンドオーバ手順に関連してシステム情報取得手順が改善されなければならない。前に説明したように、一部の追加のSIメッセージは、要求時に(すなわち、gNBでUEが明示的に要求したときに)のみ使用可能になる。
図7に示された例示的なハンドオーバと一致して、ソースセルからターゲットセルへのハンドオーバ手順を実行するときに、UEは、ハンドオーバが完了した後に(例えば、
図7のステップ9の後に)、ターゲットセルの最小限のSIメッセージを読み取る。それによって初めて、UEは、例えば、さまざまな実施形態のうちの1つに関して上で説明された改善されたシステム情報取得手順に従って、新しいターゲットセル内でどの追加のSIメッセージを取得するべきかを決定できる。しかし、この決定することは、時間がかかり、エンティティ間の多くのトランザクションを含む。
【0114】
UEが要求時に追加のSIメッセージを早期に取得できるようにするために、これらのさらに別の実施形態に従って、ハンドオーバ手順が改善されなければならない。
【0115】
これらの実施形態のうちの1つによれば、ハンドオーバ準備段階の間に、ターゲットgNBが、最小限のSIメッセージ内でターゲットgNBによってブロードキャストされるシステム情報インデックスを、例えばハンドオーバ要求ACKメッセージ内で、ソースgNBに送信する(
図7のステップ6を参照)。次にソースgNBが、ハンドオーバ手順の間に、例えばハンドオーバコマンドメッセージの一部として、追加のSIメッセージのターゲットセルに関連するシステム情報インデックスをUEに提供できる。UEは、ターゲットセルに関連するシステム情報インデックスを使用して、ターゲットセル内で要求時に使用できる追加のSIメッセージのうちのどれを取得するかを決定することができる。したがって、UEは、ハンドオーバが完了する前に、どの追加のSIメッセージを取得するかをすでに知っており、早期の時点で、対応する追加のSIメッセージ要求を送信できる。例えば、UEは、ハンドオーバ実行段階の間に、例えば、ターゲットgNBとのランダムアクセスチャネル手順を実行するときに、追加のSIメッセージ要求を送信できる(UEとターゲットgNBの間のRACH手順は、ソースgNBからハンドオーバコマンドメッセージを受信した後に、UEによって実行され得る)。これに関して、RACH手順のメッセージのうちの1つが、例えばコンテンションフリーのRACH手順(
図6を参照)のランダムアクセスプリアンブル送信を使用して、UEによって使用され得る。ハンドオーバのシナリオにおけるRACH手順のさらにその後のメッセージ(コンテンションベースのRACH手順における第3のメッセージに類似しており、
図6には示されていない)は、RRC接続再構成完了メッセージ(
図7では、ハンドオーバ完了メッセージと呼ばれる)を運ぶことができる。
【0116】
UEによって要求されたターゲットセルの追加のSIメッセージが、例えばRACH手順のメッセージ(例えば、第1のメッセージで追加のSI要求を受信した後の、コンテンションフリーのRACH手順のランダムアクセス応答メッセージ)内でUEに配信され得る。代替として、ターゲットgNBは、RRC接続再構成完了メッセージで追加のSI要求を受信した後に、異なる専用のメッセージを使用して、要求された追加のSIメッセージをUEに提供してよい。
【0117】
代替の実施形態では、UE自体は、要求時の追加のSIメッセージをターゲットセルに対して要求する必要はなく、この要求は、ハンドオーバ準備中にソースgNBによって実行される。具体的には、ソースgNBは、UEがどの追加のSIメッセージを受信したいかに関して、例えば測定報告メッセージ(
図7のステップ2を参照)を介して、UEによって知らされる。次に、ソースgNBは、例えばハンドオーバ準備手順の間に(例えば、ハンドオーバ要求メッセージ(
図7のステップ4を参照)で)、これらの追加のSIメッセージをターゲットgNBに対して要求する。前の代替手段と同様に、ターゲットgNBは、次に、UEによって要求されたターゲットセルの追加のSIメッセージを、例えばRACH手順のメッセージ(例えば、コンテンションフリーのRACH手順のランダムアクセス応答メッセージ)で、UEに配信することができる。代替として、ターゲットgNBは、異なる専用のメッセージを使用して、要求された追加のSIメッセージをUEに提供してよい。
【0118】
<その他の態様>
第1の態様によれば、ユーザ機器が提供される。ユーザ機器は、最小限のシステム情報メッセージを、移動通信システムの第1の無線セルを制御する第1の無線基地局から受信する、受信機を備える。ユーザ機器によって取得できる第1の無線セルのシステム情報は、最小限のシステム情報メッセージ内および1つまたは複数の追加のシステム情報メッセージ内で運ばれる。最小限のシステム情報メッセージは、第1の無線セルにアクセスするためのシステム情報を含み、少なくとも1つのシステム情報インデックスを含む。各システム情報インデックスは、追加のシステム情報メッセージのうちの1つに関連付けられる。システム情報メッセージのインデックスは、値タグおよびエリアポインタを含み、エリアポインタは、すでに定義されている1つのエリアを指し示す。ユーザ機器は、最小限のシステム情報メッセージ内で受信されたシステム情報インデックスによって示されたのと同じ値タグおよび同じエリアに関連付けられている追加のシステム情報メッセージをユーザ機器が前にすでに取得しているかどうかを判定する、処理回路を備える。この判定が肯定的である場合、処理回路は、前に取得された前述の追加のシステム情報メッセージに含まれるシステム情報が第1の無線セルに適用可能であると決定する。
【0119】
第1の態様に加えて提供される第2の対応によれば、この判定が否定的である場合、処理回路は、前に取得された前述の追加のシステム情報メッセージに含まれるシステム情報を第1の無線セルに適用できないと決定し、第1の無線セルの追加のシステム情報メッセージを第1の無線基地局から取得すると決定する。
【0120】
第1または第2の態様に加えて提供される第3の態様によれば、エリアタイプリストがユーザ機器に格納され、エリアタイプリスト内の各項目が、リスト番号およびエリアタイプに関連付けられ、エリアポインタが、エリアタイプリストのリスト番号を示す。処理回路は、動作時に、エリアポインタおよびエリアタイプリストに基づいてエリアタイプを決定し、決定されたエリアタイプおよびこの決定されたエリアタイプのすでに取得されているエリア識別情報に基づいて、エリア識別情報を決定する。任意選択的に、処理回路は、動作時に、決定されたエリアタイプおよび決定されたエリア識別情報に基づいて、前に取得された追加のシステム情報メッセージを同じエリアに適用できるかどうかを判定する。
【0121】
第3の態様に加えて提供される第4の態様によれば、エリアタイプは、追跡エリア、無線アクセスネットワーク、RANベースの通知エリア、限定加入者グループエリア、無線セル、システム情報エリアのうちの1つである。
【0122】
第3または第4の態様に加えて提供される第5の態様によれば、受信機は、動作時に、第2の最小限のシステム情報メッセージを第1の無線セルの第1の無線基地局から受信する。第2の最小限のシステム情報メッセージは、第1の無線セルにアクセスするためのシステム情報を含み、1つの拡張システム情報インデックスを含む。拡張システム情報インデックスは、追加のシステム情報メッセージのうちの1つに関連付けられる。拡張システム情報インデックスは、値タグおよびシステム情報エリアの識別情報を含む。処理回路は、動作時に、ユーザ機器が、拡張システム情報インデックスに含まれるのと同じ値タグおよび同じシステム情報エリアに関連付けられている追加のシステム情報メッセージを前にすでに取得しているかどうかを判定する。この判定が肯定的である場合、処理回路は、動作時に、前に取得された前述の追加のシステム情報メッセージに含まれるシステム情報が第1の無線セルに適用可能であると決定する。
【0123】
第1または第2の態様に加えて提供される第6の態様によれば、ユーザ機器は、対応するエリア識別情報を含むエリアリストを取得する。エリアリスト内の各項目は、リスト番号およびエリア識別情報に関連付けられており、エリアポインタが、エリアリストのリスト番号を示す。処理回路は、動作時に、エリアポインタおよびエリアリストに基づいてエリア識別情報を決定する。任意選択的に、ユーザ機器は、エリアリストを受信された最小限のシステム情報メッセージから取得する。任意選択的に、処理回路は、動作時に、決定されたエリア識別情報に基づいて、前に取得された追加のシステム情報メッセージを同じエリアに適用できるかどうかを判定する。
【0124】
第1~第6の態様のうちの1つに加えて提供される第7の態様によれば、最小限のシステム情報メッセージは、第1の無線セル内のユーザ機器によって取得され得る追加のシステム情報メッセージごとに、1つのシステム情報インデックスを含む。
【0125】
第1~第7の態様のいずれかに加えて提供される第8の態様によれば、追加のシステム情報メッセージのうちの1つまたは複数は、第1の無線セル内の第1の無線基地局によってブロードキャストされるか、またはユーザ機器によって、第1の無線基地局に対して同じ追加のシステム情報メッセージを要求するときに取得され得る。
【0126】
第1~第8の態様のうちの1つに加えて提供される第9の態様によれば、処理回路は、動作時に、関連付けられた追加のシステム情報メッセージに関連して、システム情報インデックスの受信された値タグおよびシステム情報インデックスによって示されたエリアに関する情報を格納する。任意選択的に、エリアに関する格納された情報は、示されたエリアのタイプに関する情報および示されたエリアの識別に関する情報を含む。
【0127】
第1~第9の態様のうちの1つに加えて提供される第10の態様によれば、受信機は、動作時に、第2の最小限のシステム情報メッセージを第1の無線セルの第1の無線基地局から受信する。第2の最小限のシステム情報メッセージは、第1の無線セルにアクセスするためのシステム情報を含み、第2のシステム情報インデックスを含む。第2のシステム情報インデックスは、ユーザ機器が前にすでに取得した追加のシステム情報メッセージに関連付けられる。処理回路は、動作時に、すでに取得されている追加のシステム情報メッセージに関連付けられた値タグの値が、最小限のシステム情報メッセージの第2のシステム情報インデックスに含まれる値タグの値と異なっていると決定したときに、すでに取得されているシステム情報メッセージの内容が変化したと決定する。処理回路は、動作時に、すでに取得されている追加のシステム情報メッセージの内容が変化したと決定したときに、追加のシステム情報メッセージを再取得すると決定する。
【0128】
第1~第10の態様のうちの1つに加えて提供される第11の態様によれば、前にすでに取得されたシステム情報メッセージは、ユーザ機器が異なる無線セル内または第1の無線セル内にあったときに、ユーザ機器の受信機によって受信された。
【0129】
第1~第11の態様のいずれかに加えて提供される第12の態様によれば、ユーザ機器は、第2の無線基地局の制御下で、第2の無線セルに移動している。受信機は、動作時に、ユーザ機器が追加のシステム情報メッセージを要求するときに第2の無線セル内で取得できる1つの追加のシステム情報メッセージに関連付けられた少なくとも1つのシステム情報インデックスを、第1の無線基地局から受信する。UEの送信機は、動作時に、第2の無線セルに関連付けられたシステム情報インデックスで示された1つの追加のシステム情報メッセージを取得するための要求を、第2の無線基地局に送信する。任意選択的に、この要求は、第2の無線基地局に移動するときに、ユーザ機器と第2の無線基地局の間で実行されるランダムアクセスチャネル手順のメッセージで、送信機によって送信される。任意選択的に、受信機は、動作時に、要求の送信に使用されるメッセージの後に、ランダムアクセスチャネル手順のメッセージで、要求された追加のシステム情報メッセージを、第2の無線基地局から受信する。
【0130】
第1~第11の態様のいずれかに加えて提供される第13の態様によれば、ユーザ機器は、第2の無線基地局の制御下で、第2の無線セルに移動している。ユーザ機器が第2の無線セル内で取得できる少なくとも1つの追加のシステム情報メッセージは、同じ追加のシステム情報メッセージを要求するときに使用可能になる。受信機は、動作時に、ランダムアクセスチャネル手順のメッセージで、追加のシステム情報メッセージを、第2の無線基地局から受信する。
【0131】
第14の態様によれば、無線基地局が提供される。無線基地局は、無線基地局によって制御される第1の無線セルにアクセスするためのシステム情報を含み、少なくとも1つのシステム情報インデックスを含む最小限のシステム情報メッセージを生成する、処理回路を備える。ユーザ機器によって取得できる第1の無線セルのシステム情報は、最小限のシステム情報メッセージ内および1つまたは複数の追加のシステム情報メッセージ内で運ばれる。各システム情報インデックスは、追加のシステム情報メッセージのうちの1つに関連付けられる。システム情報メッセージのインデックスは、値タグおよびエリアポインタを含む。エリアポインタは、すでに定義されている1つのエリアを指し示す。無線基地局は、最小限のシステム情報メッセージをユーザ機器に送信する送信機を備える。
【0132】
第14の態様に加えて提供される第15の態様によれば、送信機は、動作時に、追加のシステム情報メッセージのうちの1つまたは複数をユーザ機器に送信する。任意選択的に、処理回路は、動作時に、関連付けられた追加のシステム情報メッセージを適用できるエリアを示すために、システム情報インデックスのエリアポインタの値を決定する。
【0133】
第14または第15の態様に加えて提供される第16の態様によれば、エリアポインタが、エリアタイプリストのリスト番号を示し、エリアタイプリスト内の各項目が、リスト番号およびエリアタイプに関連付けられる。処理回路は、動作時に、追加のシステム情報メッセージを適用できるエリアタイプに関連付けられたリスト番号を決定し、決定されたリスト番号を示すために、その追加のシステム情報メッセージのシステム情報インデックス内のエリアポインタを設定する。任意選択的に、エリアタイプは、追跡エリア、無線アクセスネットワーク、RANベースの通知エリア、限定加入者グループエリア、無線セル、システム情報エリアのうちの1つである。
【0134】
第14~第16の態様のいずれかに加えて提供される第17の態様によれば、処理回路は、動作時に、値タグおよびシステム情報エリアの識別情報を含むために、1つの追加のシステム情報メッセージに関連付けられるシステム情報インデックスを生成する。
【0135】
第14または第15の態様に加えて提供される第18の態様によれば、エリアポインタが、エリアリストのリスト番号を示し、エリアリスト内の各項目が、リスト番号およびエリア識別情報に関連付けられる。処理回路は、動作時に、追加のシステム情報を適用できるエリア識別情報に関連付けられたリスト番号を決定し、決定されたリスト番号を示すために、その追加のシステム情報メッセージのシステム情報インデックス内のエリアポインタを設定する。任意選択的に、処理回路は、動作時に、エリアリストを含むために、最小限のシステム情報メッセージを生成する。
【0136】
第14~第18の態様のいずれかに加えて提供される第19の態様によれば、ユーザ機器は、第2の無線基地局の制御下で、第2の無線セルに移動している。無線基地局は受信機を備えており、この受信機は、動作時に、ユーザ機器が追加のシステム情報メッセージを要求するときに第2の無線セル内で取得できる1つの追加のシステム情報メッセージに関連付けられた少なくとも1つのシステム情報インデックスを、第2の無線基地局から受信する。送信機は、動作時に、第2の無線セルに関連する受信された少なくとも1つのシステム情報インデックスをユーザ機器に送信する。受信機は、動作時に、第2の無線セルに関連付けられたシステム情報インデックスで示された1つの追加のシステム情報メッセージを取得するための要求を、ユーザ機器から受信する。任意選択的に、この要求は、第2の無線基地局に移動するときに、ユーザ機器と第2の無線基地局の間で実行されるランダムアクセスチャネル手順のメッセージで、受信機によって受信される。
【0137】
<本開示のハードウェアおよびソフトウェアの実装>
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアと連携するソフトウェアによって実現され得る。前述の各実施形態の説明において使用された各機能ブロックは、集積回路などのLSIによって部分的または全体的に実現することができ、各実施形態において説明された各プロセスは、同じLSIまたはLSIの組み合わせによって部分的または全体的に制御されてよい。このLSIは、複数のチップとして個別に形成されてよく、または機能ブロックの一部もしくは全部を含むように、1つのチップが形成されてもよい。このLSIは、それに結合されたデータ入力およびデータ出力を含んでよい。このLSIは、本明細書では、集積度の違いに応じて、IC(集積回路:integrated circuit)、システムLSI、スーパーLSI、またはウルトラLSIと呼ばれることがある。しかし、集積回路を実装する手法は、LSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ、または特殊用途のプロセッサを使用して実現されてよい。加えて、LSIの製造後にプログラムすることができるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ:Field Programmable Gate Array)、またはLSI内に配置された回路セルの接続および設定を再構成できるリコンフィギャラブルプロセッサが、使用されてよい。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現され得る。半導体技術またはその他の派生技術の進歩の結果として、将来の集積回路技術がLSIを置き換える場合、機能ブロックは、将来の集積回路技術を使用して統合され得る。バイオテクノロジーが適用される可能性もある。
【0138】
さらに、さまざまな実施形態が、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールを用いて実装されるか、またはハードウェアにおいて直接実装されてもよい。ソフトウェアモジュールとハードウェア実装の組み合わせが可能であってもよい。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体(例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVDなど)に格納されてよい。異なる実施形態の個々の特徴が、個別に、または任意の組み合わせで、別の実施形態の対象になってよいことに、さらに注意するべきである。
【0139】
特定の実施形態において示された本開示に対して、多数の変形および/または変更が行われてよいことが、当業者によって理解されるであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点において、例示的であり、制限するものではないと考えられるべきである。