(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】セラミックサセプター
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241004BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20241004BHJP
C23C 14/50 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H01L21/68 R
C23C16/458
C23C14/50 A
(21)【出願番号】P 2023199956
(22)【出願日】2023-11-27
【審査請求日】2023-11-27
(31)【優先権主張番号】10-2023-0133536
(32)【優先日】2023-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520139620
【氏名又は名称】ミコ セラミックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヒョ ソン
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-147715(JP,A)
【文献】特開2006-261670(JP,A)
【文献】特開2009-256789(JP,A)
【文献】特開2003-142564(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0376780(US,A1)
【文献】特開2007-46141(JP,A)
【文献】特開2011-49428(JP,A)
【文献】特開2013-161522(JP,A)
【文献】特表2021-532271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
C23C 16/458
C23C 14/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極が配置された絶縁プレートと、
前記絶縁プレートに接合され、パージ流路を有するベースボディと、
前記ベースボディに接合され、側壁に、前記パージ流路と連通する一つ以上の第1貫通孔を有する中空シャフトと、
前記電極に連結され、前記シャフトの内部空間を通過するように延長される電力供給ロッドと、を含み、
前記パージ流路は、経路矯正のための矯正孔、前記一つ以上の第1貫通孔から前記矯正孔まで延長された矯正流路、及び前記矯正孔から
前記ベースボディの側面のエッジまで延長される一つ以上の流路を含
み、
前記矯正孔は、前記ベースボディの中心に位置するサセプター。
【請求項2】
前記一つ以上の流路は、前記矯正孔から
前記エッジまで放射状に延長される複数の分岐流路を含む、請求項1に記載のサセプター。
【請求項3】
前記複数の分岐流路は、前記矯正孔を中心にして原点対称である位置に配置されている、請求項2に記載のサセプター。
【請求項4】
前記一つ以上の第1貫通孔は、前記シャフトの側壁に形成された2個以上の貫通孔を含み、
前記2個以上の貫通孔から延長されたそれぞれの矯正流路が前記矯正孔で出会う、請求項1に記載のサセプター。
【請求項5】
前記第1貫通孔を陽圧として大気圧よりも高く維持させることによってパージ機能を行う、請求項1に記載のサセプター。
【請求項6】
前記絶縁プレートの上部表面と前記ベースボディの下部表面との間を貫通する第1貫通流路をさらに含み、
前記シャフトは、前記側壁に、前記第1貫通流路と連通する一つ以上の第2貫通孔をさらに含む、請求項1に記載のサセプター。
【請求項7】
前記第2貫通孔を陰圧として大気圧よりも低く維持させることによって前記絶縁プレートの上部に配置された基板を吸着する、請求項
6に記載のサセプター。
【請求項8】
前記電極は、プラズマ発生機能用電極、静電チャック機能用電極、又は発熱体用電極のうち一つ以上である、請求項1に記載のサセプター。
【請求項9】
前記ベースボディは、
前記一つ以上の第1貫通孔から前記矯正孔まで延長された前記矯正流路を含む第1レイヤと、
前記矯正孔を含み、前記矯正孔から
前記エッジまで延長される前記一つ以上の流路を含む第2レイヤと、を含む、請求項1に記載のサセプター。
【請求項10】
前記絶縁プレートの上部表面から前記第1レイヤ及び前記第2レイヤを貫通する第1貫通流路をさらに含み、
前記シャフトは、前記側壁に、前記第1貫通流路と連通する一つ以上の第2貫通孔をさらに含む、請求項
9に記載のサセプター。
【請求項11】
前記ベースボディは、
前記一つ以上の第1貫通孔から前記矯正孔まで延長された前記矯正流路を含む第1レイヤと、
前記矯正孔を含む第2レイヤと、
前記矯正孔から
前記エッジまで延長される前記一つ以上の流路を含む第3レイヤと、を含む、請求項1に記載のサセプター。
【請求項12】
前記絶縁プレートの上部表面から前記第1レイヤ、前記第2レイヤ及び前記第3レイヤを貫通する第1貫通流路をさらに含み、
前記シャフトは、前記側壁に、前記第1貫通流路と連通する一つ以上の第2貫通孔をさらに含む、請求項
11に記載のサセプター。
【請求項13】
前記ベースボディは、
前記一つ以上の第1貫通孔と連通する進入孔であって、前記矯正流路の一部である前記進入孔を含む第1レイヤと、
前記進入孔から前記矯正孔まで延長された連結流路であって、前記矯正流路の残り一部である前記連結流路、及び前記矯正孔を含む第2レイヤと、
前記矯正孔から
前記エッジまで延長される前記一つ以上の流路を含む第3レイヤと、を含む、請求項1に記載のサセプター。
【請求項14】
前記絶縁プレートの上部表面から前記第1レイヤ、前記第2レイヤ及び前記第3レイヤを貫通する第1貫通流路をさらに含み、
前記シャフトは、前記側壁に、前記第1貫通流路と連通する一つ以上の第2貫通孔をさらに含む、請求項
13に記載のサセプター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックサセプターに関し、特に、パージ(purge)のためのエアーポンピングがサセプターの上面で全体的に均一になされるセラミックサセプターに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体装置又はディスプレイ装置は、誘電体層及び金属層を含む複数の薄膜層を、ガラス基板、フレキシブル基板又は半導体ウエハー基板上に順次に積層後にパターニングする半導体工程によって製造される。これらの薄膜層は、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)工程又は物理気相蒸着(Physical Vapor Deposition、PVD)工程によって基板上に順次に蒸着される。前記CVD工程には、低圧化学気相蒸着(Low Pressure CVD、LPCVD)工程、プラズマ強化化学気相蒸着(Plasma Enhanced CVD、PECVD)工程、有機金属化学気相蒸着(Metal Organic CVD、MOCVD)工程などがある。このようなCVD装置及びPVD装置には、ガラス基板、フレキシブル基板、半導体ウエハー基板などを支持して半導体工程を処理するためのセラミックサセプターが配置される。前記セラミックサセプターは、CVD装置及びPVD装置に設置されて基板を支持するためのチャック電極と、熱処理工程などで基板を加熱するための発熱線を備えることができる。また、前記セラミックサセプターは、発熱線に代えて高周波(RF)電極を備えるか、高周波(RF)電極をさらに備えることにより、基板上に形成された薄膜層のエッチング工程(etching process)などにおいてプラズマの形成のためにも用いられてよい。
【0003】
しかしながら、従来の一般セラミックサセプターは、基板が置かれる上面のパージ孔や溝の配置によってパージガスを供給する場合に、サセプターの上面で全体的に均一にパージガスが供給されない構造を有し、これに対する改善が必要な現状である。すなわち、従来の一般セラミックサセプターのパージ構造は、特定方向に局部的にパージがなされないこともあり、又は特定方向にのみ局部的にパージが多くなされる構造を有することもある。この場合には、前記装置のチャンバーに備えられた前記セラミックサセプター上の基板に対する蒸着工程などがなされる間に薄膜が不均一に蒸着されることがあり、そのため、収率が低減したり又は蒸着性能などが低下する問題があった。
【0004】
したがって、基板が置かれる全ての方向において均一にパージがなされ得るセラミックサセプターが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであり、本発明の目的は、パージのためのエアーポンピングがサセプターの上面で全体的に均一になされるように、ベースボディのパージ用矯正孔をベースボディの中心に位置させ、放射状に対称な分岐流路によって最外側エッジまで全ての流体経路の長さが同一であるサセプター又はセラミックサセプターを提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、シャフトに形成された2個の流路(flow path)がそれぞれ、サセプターの前記パージ用矯正孔及び真空ポンピングのためのチャック孔(chuck hole)と流体連通し、前記パージ用矯正孔によるパージ機能及び前記チャック孔による真空チャック機能を複合的に実現できるセラミックサセプター又はセラミックサセプターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
まず、本発明の特徴を要約すれば、上記の目的を達成するための本発明の一面に係るセラミックサセプターは、電極が配置された絶縁プレートと、前記絶縁プレートに接合され、パージ流路を有するベースボディと、前記ベースボディに接合され、側壁に、前記パージ流路と連通する一つ以上の第1貫通孔を有する中空シャフトと、前記電極に連結され、前記シャフトの内部空間を通過するように延長される電力供給ロッドと、を含み、前記パージ流路は、経路矯正のための矯正孔、前記一つ以上の第1貫通孔から前記矯正孔まで延長された矯正流路、及び前記矯正孔からエッジまで延長される一つ以上の流路を含んでよい。
【0008】
前記一つ以上の流路は、前記矯正孔からエッジまで放射状に延長される複数の分岐流路を含んでよい。
【0009】
前記複数の分岐流路は、前記矯正孔を中心にして原点対称である位置に配置されることが好ましい。
【0010】
前記矯正孔は前記ベースボディの中心に位置することが好ましい。
【0011】
前記一つ以上の第1貫通孔は、前記シャフトの側壁に形成された2個以上の貫通孔を含み、前記2個以上の貫通孔から延長されたそれぞれの矯正流路が前記矯正孔で出会う。
【0012】
前記第1貫通孔を陽圧として大気圧よりも高く維持させることによってパージ機能を果たすことができる。
【0013】
前記絶縁プレートの上部表面と前記ベースボディの下部表面との間を貫通する第1貫通流路をさらに含み、前記シャフトは、前記側壁に、前記第1貫通流路と連通する一つ以上の第2貫通孔をさらに含んでよい。
【0014】
前記第2貫通孔を陰圧として大気圧よりも低く維持させることによって前記絶縁プレート上部に配置された基板を吸着することができる。
【0015】
前記電極は、プラズマ発生機能用電極、静電チャック機能用電極、又は発熱体用電極のうち一つ以上であってよい。
【0016】
前記ベースボディは、前記一つ以上の第1貫通孔から前記矯正孔まで延長された前記矯正流路を含む第1レイヤと、前記矯正孔を含み、前記矯正孔からエッジまで延長される前記一つ以上の流路を含む第2レイヤとを含んでよい。
【0017】
前記絶縁プレートの上部表面から前記第1レイヤ及び前記第2レイヤを貫通する第1貫通流路をさらに含み、前記シャフトは、前記側壁に、前記第1貫通流路と連通する一つ以上の第2貫通孔をさらに含んでよい。
【0018】
前記ベースボディは、前記一つ以上の第1貫通孔から前記矯正孔まで延長された前記矯正流路を含む第1レイヤと、前記矯正孔を含む第2レイヤと、前記矯正孔からエッジまで延長される前記一つ以上の流路を含む第3レイヤとを含んでよい。
【0019】
前記絶縁プレートの上部表面から前記第1レイヤ、前記第2レイヤ及び前記第3レイヤを貫通する第1貫通流路をさらに含み、前記シャフトは、前記側壁に、前記第1貫通流路と連通する一つ以上の第2貫通孔をさらに含んでよい。
【0020】
前記ベースボディは、前記一つ以上の第1貫通孔と連通する進入孔であって、前記矯正流路の一部である前記進入孔を含む第1レイヤと、前記進入孔から前記矯正孔まで延長された連結流路であって、前記矯正流路の残り一部である前記連結流路、及び前記矯正孔を含む第2レイヤと、前記矯正孔からエッジまで延長される前記一つ以上の流路を含む第3レイヤとを含んでよい。
【0021】
前記絶縁プレートの上部表面から前記第1レイヤ、前記第2レイヤ及び前記第3レイヤを貫通する第1貫通流路をさらに含み、前記シャフトは、前記側壁に、前記第1貫通流路と連通する一つ以上の第2貫通孔をさらに含んでよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るセラミックサセプターによれば、パージ用矯正孔をベースボディの中心に位置させ、放射状に対称な分岐流路によって最外側エッジまで全ての流体経路の長さが同一に形成されることにより、パージのためのエアーポンピングがサセプターの上面で全体的に均一になされ得る。このように、基板が置かれる全ての方向において均一にパージがなされることにより、前記セラミックサセプター上の基板に対する蒸着工程などがなされる間に薄膜が均一に蒸着され、よって、収率を増加させ、蒸着性能などを向上させることができる。
【0023】
また、本発明に係るセラミックサセプターによれば、シャフトに形成された流路(flow path)とサセプターの前記パージ用矯正孔とが流体連通してサセプターの上面で全体的に均一なパージ機能がなされる他にも、シャフトに形成された他の流路はサセプターの真空ポンピングのためのチャック孔(chuck hole)と流体連通して真空チャック機能がさらになされ、複合機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付の図面は、本発明に関する実施例を提供し、詳細な説明と一緒に本発明の技術的思想を説明する。
【0025】
図1Aは、本発明の第1実施例に係るセラミックサセプターを示す概略断面図である。
図1Bは、本発明の第2実施例に係るセラミックサセプターを示す概略断面図である。
図1Cは、本発明の第3実施例に係るセラミックサセプターを示す概略断面図である。
図2Aは、
図1Aに示したセラミックサセプターにおけるベースボディの構成レイヤの実施例であり、
図2B~
図2Eは、前記レイヤのそれぞれの平面図及び底面図である。
図3Aは、
図1Bに示したセラミックサセプターにおけるベースボディの構成レイヤの実施例であり、
図3B~
図3Eは、前記レイヤのそれぞれの平面図及び底面図である。
図4Aは、
図1Aに示したセラミックサセプターにおけるベースボディの構成レイヤの他の実施例であり、
図4B~
図4Gは、前記レイヤのそれぞれの平面図及び底面図である。
図5Aは、
図1Bに示したセラミックサセプターにおけるベースボディの構成レイヤの他の実施例であり、
図5B~
図5Gは、前記レイヤのそれぞれの平面図及び底面図である。
図6Aは、
図1Aに示したセラミックサセプターにおけるベースボディの構成レイヤのさらに他の実施例であり、
図6B~
図6Gは、前記レイヤのそれぞれの平面図及び底面図である。
図7Aは、
図1Bに示したセラミックサセプターにおけるベースボディの構成レイヤのさらに他の実施例であり、
図7B~
図7Gは、前記レイヤのそれぞれの平面図及び底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では添付の図面を参照して本発明について詳しく説明する。ここで、各図において同一の構成要素には可能な限り同一の符号を付する。また、既に公知の機能及び/又は構成に関する詳細な説明は省略する。以下に開示する内容は、様々な実施例に係る動作を理解する上で必要な部分を重点的に説明し、その説明の要旨を曖昧にし得る要素に関する説明は省略する。また、図面の一部の構成要素は、誇張して、省略して、又は概略して図示可能である。各構成要素の大きさは実の大きさを全的に反映するものではなく、したがって、各図に描かれている構成要素の相対的な大きさや間隔によってここに記載の内容が限定されることはない。
【0027】
本発明の実施例を説明するとき、本発明と関連している公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を却って曖昧にさせ得ると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は本発明における機能を考慮して定義された用語であり、それらは使用者、運用者の意図又は慣例などによって変更可能である。したがって、その定義は本明細書全般にわたる内容に基づいて下されるべきであろう。詳細な説明で使われる用語は、単に本発明の実施例を記述するためのものであり、決して制限的であってはならない。特に断らない限り、単数形態の表現は複数形態の意味を含む。本説明において、「含む」又は「備える」のような表現は、ある特性、数字、段階、動作、要素、それらの一部又は組合せを示すためのものであり、記述された以外の一つ又はそれ以上の特性、数字、段階、動作、要素、それらの一部又は組合せの存在又は可能性を排除するように解釈されてはならない。
【0028】
なお、第1、第2などの用語は様々な構成要素を説明するために使われてよいが、これらの用語によって前記様々な構成要素が限定されるものではなく、これらの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使われるだけである。
【0029】
図1Aは、本発明の第1実施例に係るセラミックサセプター100を示す概略断面図である。
【0030】
図1Bは、本発明の第2実施例に係るセラミックサセプター200を示す概略断面図である。
【0031】
図1A及び
図1Bを参照すると、第2実施例に係るセラミックサセプター200は、第1実施例に係るセラミックサセプター100と殆ど同一であるが、絶縁プレート110の上部表面119とベースボディ120の下部表面129との間を貫通する第1貫通流路136-1をさらに備えている。第1貫通流路136-1は、絶縁プレート110の上面に真空ポンピングのためのチャック孔(chuck hole)91を形成し、絶縁プレート110上に置かれる基板11がチャック孔91を通じて吸着されて支持され得るようにした。
【0032】
図1Cは、本発明の第3実施例に係るセラミックサセプター300を示す概略断面図である。
【0033】
図1Cを参照すると、本発明の第3実施例に係るセラミックサセプター300は、前記第2実施例に係るセラミックサセプター200において電極112を省いた変形例であり、それ以外の構成は第2実施例のセラミックサセプター200と同一である。
【0034】
すなわち、本発明の(セラミック)サセプター100、200、300は、セラミックペーストなどの接着剤にて接合された絶縁プレート110とベースボディ120を含み、ベースボディ120の下部には、接合体110、120を支持するためにセラミックペーストなどの接着剤にて接合された中空シャフト(hollow shaft)130が含まれる。場合によっては、シャフト130の下部は、半導体装備のチャンバーのようなシステムへの連結を容易にするための連結マウント140が用いられてよい。
【0035】
各ロッド131、132、...は、シャフト130の貫通する内部空間に収容され、絶縁プレート110に内在している電極112及び(又は)発熱体114に連結されて必要な電力を供給できる。各ロッド131、132...は、シャフト130の内部空間から延長され、外側が密閉している形態(例えば、リジッドボディ又は中空の空間を有する部材)の連結マウント140を通過して外に出るようにしてよい。
【0036】
本発明のセラミックサセプター100、200、300は、発熱体114を用いて半導体工程中に該当の加工対象基板11を所定の温度に加熱するヒーター機能を有してよい。また、本発明のセラミックサセプター100、200は、電極112を備えることができ、電極112は、絶縁プレート110上に置かれる基板11を支持するための静電チャック機能のためのチャック電極として用いられてもよく、プラズマ強化化学気相蒸着やRIE(Reactive Ion Etch)装備でのドライエッチングなどの工程のためのプラズマ発生機能のためのプラズマ電極として用いられてもよい。これは、チャック孔91を通じて真空ポンピングによって基板11を支持する真空チャック機能とは別の機能であり得る。
【0037】
そのために、絶縁プレート110は、セラミック材質間に発熱体114が配置(埋設)されるように構成され、場合によって、電極112が発熱体114と所定の間隔を置いて配置(埋設)されるようにさらに構成されてよい。また、場合によって、チャック電極が発熱体114の上側又は下側に所定の間隔を置いて配置(埋設)されるようにさらに構成されてよい。
【0038】
このように、絶縁プレート110は、加工対象基板を安定して支持しながら発熱体114を用いた加熱及び(又は)電極112を用いた静電チャック機能やプラズマ発生機能などによって様々な半導体工程が可能なように構成されてよい。絶縁プレート110は、所定の形状を有する板状構造物で形成されてよい。一例として、絶縁プレート110は、円形の板状構造物で形成されてよく、必ずしもこれに限定されない。ここで、セラミック材質は、Al2O3、Y2O3、Al2O3/Y2O3、ZrO2、AlC(Autoclaved lightweight concrete)、TiN、AlN、TiC、MgO、CaO、CeO2、TiO2、BxCy、BN、SiO2、SiC、YAG、ムライト(Mullite)、AlF3のうち少なくとも一つの物質であってよく、好ましくは、窒化アルミニウム(AlN)であってよい。なお、前記セラミック材質の粉末が成形、焼結されて絶縁プレート110を構成することができ、そのためのそれぞれのセラミック粉末は選択的に0.1~10%程度、好ましくは約1~5%程度の酸化イットリウム粉末を含んでよい。
【0039】
発熱体(又は、発熱電極)114は、発熱線(又は、抵抗線)による板状コイル形態又は平坦なプレート形態で形成されてよい。また、発熱体114は、精密な温度制御のために多層構造で形成されてもよい。このような発熱体114は、電力供給ロッド131、132を通じて電源に連結されて電力供給がなされ、半導体工程において基板の加熱や蒸着工程及びエッチング工程などを行うために絶縁プレート110上の加工対象基板11を所定の温度に加熱する機能を有してよい。電力供給ロッド131、132は、シャフト130の内部空間を通過し、マウント140の所定の隔離板を貫通してマウント140を通過して外部に出るように延長される。
【0040】
電極112は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、金(Au)、ニオビウム(Nb)、チタニウム(Ti)、窒化アルミニウム(AlN)又はこれらの合金からなってよく、好ましくは、モリブデン(Mo)からなってよい。電極112は、発熱体114用の電力供給ロッド131、132以外の別の電力供給ロッド(図示せず)を通じて電源端子(例えば、接地(ground))に連結されてよい。電極112用の電力供給ロッド(図示せず)も同様、シャフト130の内部空間を通過し、マウント140の所定の隔離板を貫通しマウント140を通過して外部に出るように延長されてよい。
【0041】
シャフト130は、貫通する内部空間を有する中空型(hollow)であり、絶縁プレート110とベースボディ120との接合体の下面に結合している。シャフト130は、絶縁プレート110とセラミック材質で形成されて結合してよい。ここで、セラミック材質は、Al2O3、Y2O3、Al2O3/Y2O3、ZrO2、AlC(Autoclaved lightweight concrete)、TiN、AlN、TiC、MgO、CaO、CeO2、TiO2、BxCy、BN、SiO2、SiC、YAG、ムライト、AlF3のうち少なくとも一つの物質であってよく、好ましくは、窒化アルミニウム(AlN)であってよい。なお、前記セラミック材質の粉末が成形、焼結されてシャフト130を構成でき、そのためのそれぞれのセラミック粉末は選択的に0.1~10%程度、好ましくは約1~5%程度の酸化イットリウム粉末を含んでよい。
【0042】
前記連結マウント140はアルミニウム(Al)のような金属材質であってもよく、上述したようなセラミック材質からなってもよい。すなわち、前記セラミック材質は、Al2O3、Y2O3、Al2O3/Y2O3、ZrO2、AlC(Autoclaved lightweight concrete)、TiN、AlN、TiC、MgO、CaO、CeO2、TiO2、BxCy、BN、SiO2、SiC、YAG、ムライト、AlF3のうち少なくとも一つの物質であってよく、好ましくは、窒化アルミニウム(AlN)であってよい。なお、前記セラミック材質の粉末が成形、焼結されてシャフト130を構成でき、そのためのそれぞれのセラミック粉末は選択的に0.1~10%程度、好ましくは約1~5%程度の酸化イットリウム粉末を含んでよい。
【0043】
図1A~
図1Cを再び参照すると、絶縁プレート110の下部に接合されたベースボディ120はパージ(purge)流路125を有する。ベースボディ120に中空シャフト130の側壁上端部が接合され、シャフト130は側壁に、パージ流路125と連通する一つ以上の第1貫通孔135を有する。ベースボディ120は、セラミック材質からなってよい。ここで、セラミック材質は、Al
2O
3、Y
2O
3、Al
2O
3/Y
2O
3、ZrO
2、AlC(Autoclaved lightweight concrete)、TiN、AlN、TiC、MgO、CaO、CeO
2、TiO
2、B
xC
y、BN、SiO
2、SiC、YAG、ムライト、AlF
3のうち少なくとも一つの物質であってよく、好ましくは、窒化アルミニウム(AlN)であってよい。なお、前記セラミック材質の粉末が成形、焼結されてシャフト130を構成でき、そのためのそれぞれのセラミック粉末は選択的に0.1~10%程度、好ましくは約1~5%程度の酸化イットリウム粉末を含んでよい。
【0044】
前記パージ流路125は、矯正流路121、矯正孔122、及び複数の分岐流路123を含む。矯正流路121は、シャフト130の第1貫通孔135から経路矯正のための矯正孔122まで延長される流路部分である。矯正孔122は、矯正流路121の直径よりも大きい所定の直径を有するように設計され、絶縁プレート110の上面に対して垂直に適切な高さで形成されてよい。分岐流路123は、矯正孔122からエッジ(edge)まで放射状に延長される流路(
図2E、
図3E、
図4F、
図5F、
図6F、
図7F参照)。
【0045】
さらにいうと、矯正孔122はベースボディ120の中心に位置することが好ましいが、場合によって、他の位置に配置されてもよい。また、複数の分岐流路123は矯正孔122と連結/連通するように構成され、矯正孔122を中心にして原点対称である位置に配置されることが好ましい。前記シャフト130の側壁に形成された一つ以上の第1貫通孔135は図面では2個としているが、シャフト130の側壁に1個が形成されてもよく、シャフト130の側壁に3個以上の適切な個数で形成されてもよい。このような複数個の貫通孔135から延長されたそれぞれの矯正流路121が矯正孔122で出会い、分岐流路123と共に放射状に延長されるように形成されてよい。
【0046】
このような第1貫通孔135を陽圧として大気圧よりも高く維持させることによってパージ機能を果たすことができる。例えば、シャフト130の第1貫通孔135を通じた陽圧エアーポンピングにて大気圧よりも高く維持させることによってパージ(purge)機能を果たすことができる。このとき、所定のエア・ポンプ(図示せず)は、第1貫通孔135を通じて大気圧よりも高い所定の圧力でエアーを注入するポンピングを行うことができる。例えば、上記のCVD装置及びPVD装置のチャンバー内に第1貫通孔135を通じて陽圧エアーポンピングにて所定のガス(例えば、窒素ガスやHe、Arなどの不活性ガスなど)含有のエアーを吹き込むパージを行うことができる。
【0047】
一方、上記のようなセラミックサセプター100、200、300の共通する特徴の他に、
図1Bでは、第2実施例のセラミックサセプター200は絶縁プレート110の上部表面119とベースボディ120の下部表面129との間を貫通する第1貫通流路136-1をさらに備える。これに対応するようにシャフト130は側壁に、第1貫通流路136-1と連通する一つ以上の第2貫通孔136をさらに含んでよい。
【0048】
このような第2貫通孔136を陰圧として大気圧よりも低く維持させることにより、絶縁プレート110の上部に配置された基板11を吸着するための真空チャック機能を果たすことができる。すなわち、第1貫通流路136-1は、絶縁プレート110の上面に真空ポンピングのためのチャック孔(chuck hole)91を形成し、絶縁プレート110上に置かれる基板11がチャック孔91を通じて吸着されて支持され得るようにした。
【0049】
例えば、前記絶縁プレート110の上面に露出された一つ以上のチャック孔91は、前記絶縁プレート110の上面に形成された溝(groove)と出会ってよい。絶縁プレート110の上面に形成された溝は、一つ以上のチャック孔91からの陰圧によって基板11を吸着して支持できるように様々な実施が可能である。例えば、絶縁プレート110の上面に形成された溝は全体的につながり、チャック孔91からの陰圧によって基板11を安定して吸着できるように設計されてよい。
【0050】
このように、本発明のセラミックサセプター200は第2貫通孔136を通じた陰圧エアーポンピングによって基板11のチャッキングとデチャッキングが可能であり、この時、絶縁プレート110上の加工対象基板11を安定して支持しながら発熱体114を用いた加熱及び(又は)電極112を用いたプラズマを利用する蒸着やドライエッチング工程などの様々な半導体工程が可能であるように構成されてよい。
【0051】
本発明の実施例に係るセラミックサセプター100、200、300は、パージ用矯正孔122をベースボディ120の中心に位置させ、放射状に対称な分岐流路123によって絶縁プレート110の最外側エッジまで全ての流体経路の長さが同一に形成されることにより、パージのためのエアーポンピングがサセプターの上面で全体的に均一になされ得るようにした。
【0052】
さらに、
図1B及び
図1Cでは、第2実施例のセラミックサセプター200は、シャフト130に形成された流路(flow path)とサセプターの前記パージ用矯正孔122とが流体連通することによってサセプターの上面で全体的に均一なパージ機能がなされる他にも、シャフト130に形成された他の流路136はサセプターの真空ポンピングのためのチャック孔(chuck hole)と流体連通して真空チャック機能がさらになされ、複合機能を実現できるようにした。
【0053】
以下、
図2A~
図2E、
図4A~
図4G、及び
図6A~
図6G(
図1Aの上下を転倒して拡大した図)を参照して本発明の第1実施例のセラミックサセプター100についてより詳しく説明し、
図3A~
図3E、
図5A~
図5G、及び
図7A~
図7G(
図1Bの上下を転倒して拡大した図)を参照して本発明の第2/第3実施例のセラミックサセプター200/300についてより詳しく説明する。第3実施例に係るセラミックサセプター300は、前記第2実施例に係るセラミックサセプター200において電極112を省いた変形例であり、当業者であれば、第2実施例に係るセラミックサセプター200の構造から容易に把握できよう。
【0054】
図2Aは、
図1Aに示したセラミックサセプター100におけるベースボディ120の構成レイヤ311、312の実施例であり、
図2B及び
図2Cはそれぞれ、第1レイヤ311の平面図(top view)及び底面図(bottom view)であり、
図2D及び
図2Eはそれぞれ、第2レイヤ312の平面図及び底面図である。
【0055】
図2Aを参照すると、本発明のセラミックサセプター100のベースボディ120は、第1レイヤ311及び第2レイヤ312を含んでよい。第1レイヤ311及び第2レイヤ312は別体として製作され、セラミックペーストなどで接合されてもよく、素材粉末の装入や複数シートを積層する場合には各レイヤの成形及び焼結によって積層されてもよい。
【0056】
図2B及び
図2Cを参照すると、第1レイヤ311は、シャフト130の一つ以上の第1貫通孔135から矯正孔122まで延長された矯正流路121を含んでよい。
【0057】
図2D及び
図2Eを参照すると、第2レイヤ312は矯正孔122を含み、矯正孔122からベースボディ120/絶縁プレート110のエッジまで放射状に延長される複数の分岐流路123を含んでよい。
【0058】
図3Aは、
図1Bのセラミックサセプター200におけるベースボディ120の構成レイヤ311、312の実施例であり、
図3B及び
図3Cはそれぞれ、第1レイヤ311の平面図及び底面図であり、
図3Dと
図3Eはそれぞれ、第2レイヤ312の平面図及び底面図である。
【0059】
図3Aを参照すると、本発明のセラミックサセプター200のベースボディ120は、第1レイヤ411及び第2レイヤ412を含んでよい。第1レイヤ411及び第2レイヤ412は別体として製作されてセラミックペーストなどで接合されてもよく、素材粉末の装入や複数シートを積層する場合には各レイヤの成形及び焼結によって積層されてもよい。
【0060】
図3Aに示す本発明のセラミックサセプター200の構造は、
図2Aの構造に似ているか、絶縁プレート110の上部表面から第1レイヤ411及び第2レイヤ412を貫通する第1貫通流路136-1をさらに含んでいる。第1貫通流路136-1はその経路方向において矯正流路121及び分岐流路123と出会うことなく連通しないように互いに別個の位置に配置される。このとき、シャフト130は側壁に、前記第1貫通流路136-1と連通する一つ以上の第2貫通孔136を含んでいる。シャフト130の第1貫通孔135と第2貫通孔136は互いに連通しない。
【0061】
図3B及び
図3Cを参照すると、第1レイヤ411は、シャフト130の一つ以上の第1貫通孔135から矯正孔122まで延長された矯正流路121を含んでよい。
【0062】
図3D及び
図3Eを参照すると、第2レイヤ412は矯正孔122を含み、矯正孔122からベースボディ120/絶縁プレート110のエッジまで放射状に延長される複数の分岐流路123を含んでよい。
【0063】
図4Aは、
図1Aに示したセラミックサセプター100におけるベースボディ120の構成レイヤ511、512、513の実施例であり、
図4B及び
図4Cはそれぞれ、第1レイヤ511の平面図及び底面図であり、
図4D及び
図4Eはそれぞれ、第2レイヤ512の平面図及び底面図であり、
図4F及び
図4Gはそれぞれ、第3レイヤ513の平面図及び底面図である。
【0064】
図4Aを参照すると、本発明のセラミックサセプター100のベースボディ120は、第1レイヤ511、第2レイヤ512、及び第3レイヤ513を含んでよい。第1レイヤ511、第2レイヤ512、及び第3レイヤ513は別体として製作されてセラミックペーストなどで接合されてもよく、素材粉末の装入や複数シートを積層する場合には各レイヤの成形及び焼結によって積層されてもよい。
【0065】
図4B及び
図4Cを参照すると、第1レイヤ511は、一つ以上の第1貫通孔135から矯正孔122まで延長された矯正流路121を含む。
【0066】
図4D及び
図4Eを参照すると、第2レイヤ512は、矯正孔122が形成されているレイヤである。
【0067】
図4F及び
図4Gを参照すると、第3レイヤ513は、矯正孔122からベースボディ120/絶縁プレート110のエッジまで放射状に延長される複数の分岐流路123を含む。
【0068】
図5Aは、
図1Bのセラミックサセプター200におけるベースボディ120の構成レイヤ611、612、613の実施例であり、
図5B及び
図5Cはそれぞれ、第1レイヤ611の平面図及び底面図であり、
図5D及び
図5Eはそれぞれ、第2レイヤ612の平面図及び底面図であり、
図5F及び
図5Gはそれぞれ、第3レイヤ613の平面図及び底面図である。
【0069】
図5Aを参照すると、本発明のセラミックサセプター200のベースボディ120は、第1レイヤ611、第2レイヤ612及び第3レイヤ613を含んでよい。第1レイヤ611、第2レイヤ612及び第3レイヤ613は別体として製作されてセラミックペーストなどで接合されてもよく、素材粉末の装入や複数シートを積層する場合には各レイヤの成形及び焼結によって積層されてもよい。
【0070】
図5Aに示す本発明のセラミックサセプター200の構造は、
図4Aの構造に似ているが、絶縁プレート110の上部表面から第1レイヤ611、第2レイヤ612及び第3レイヤ613を貫通する第1貫通流路136-1をさらに含んでいる。第1貫通流路136-1はその経路方向において矯正流路121及び分岐流路123と出会うことなく連通しないように互いに別個の位置に配置される。このとき、シャフト130は側壁に、第1貫通流路136-1と連通する一つ以上の第2貫通孔136をさらに含んでいる。シャフト130の第1貫通孔135と第2貫通孔136は互いに連通しない。
【0071】
図5B及び
図5Cを参照すると、第1レイヤ611は一つ以上の第1貫通孔135から矯正孔122まで延長された矯正流路121を含む。
【0072】
図5D及び
図5Eを参照すると、第2レイヤ612は、矯正孔122が形成されているレイヤである。
【0073】
図5F及び
図5Gを参照すると、第3レイヤ613は、矯正孔122からベースボディ120/絶縁プレート110のエッジまで放射状に延長される複数の分岐流路123を含む。
【0074】
図6Aは、
図1Aに示したセラミックサセプター100におけるベースボディ120の構成レイヤ711、712、713の実施例であり、
図6B及び
図6Cはそれぞれ、第1レイヤ711の平面図及び底面図であり、
図6D及び
図6Eはそれぞれ、第2レイヤ712の平面図及び底面図であり、
図6F及び
図6Gはそれぞれ、第3レイヤ713の平面図及び底面図である。
【0075】
図6Aを参照すると、本発明のセラミックサセプター100のベースボディ120は、第1レイヤ711、第2レイヤ712、及び第3レイヤ713を含んでよい。第1レイヤ711、第2レイヤ712、及び第3レイヤ713は別体として製作されてセラミックペーストなどで接合されてもよく、素材粉末の装入や複数シートを積層する場合には各レイヤの成形及び焼結によって積層されてもよい。
【0076】
図6B及び
図6Cを参照すると、第1レイヤ711は、一つ以上の第1貫通孔135と連通する進入孔135-1であって、矯正流路121の一部である前記進入孔135-1を含んでいる。
【0077】
図6D及び
図6Eを参照すると、第2レイヤ712は、進入孔135-1から矯正孔122まで延長された連結流路であって、矯正流路121の残り一部である前記連結流路を含み、また矯正孔122を含んでいる。
【0078】
図6F及び
図6Gを参照すると、第3レイヤ713は、矯正孔122からベースボディ120/絶縁プレート110のエッジまで放射状に延長される複数の分岐流路123を含んでいる。
【0079】
図7Aは、
図1Bに示したセラミックサセプター200におけるベースボディ120の構成レイヤ811、812、813の実施例であり、
図7B及び
図7Cはそれぞれ、第1レイヤ811の平面図及び底面図であり、
図7D及び
図7Eはそれぞれ、第2レイヤ812の平面図及び底面図であり、
図7F及び
図7Gはそれぞれ、第3レイヤ813の平面図及び底面図である。
【0080】
図7Aを参照すると、本発明のセラミックサセプター200のベースボディ120は、第1レイヤ811、第2レイヤ812及び第3レイヤ813を含んでよい。第1レイヤ811、第2レイヤ812及び第3レイヤ813は別体として製作されてセラミックペーストなどで接合されてもよく、素材粉末の装入や複数シートを積層する場合には各レイヤの成形及び焼結によって積層されてもよい。
【0081】
図7Aに示す本発明のセラミックサセプター200の構造は、
図6Aの構造に似ているが、絶縁プレート110の上部表面から第1レイヤ811、第2レイヤ812及び第3レイヤ813を貫通する第1貫通流路136-1をさらに含んでいる。第1貫通流路136-1はその経路方向において矯正流路121及び分岐流路123と出会うことなく連通しないように互いに別個の位置に配置される。このとき、シャフト130は側壁に、第1貫通流路136-1と連通する一つ以上の第2貫通孔136をさらに含んでいる。シャフト130の第1貫通孔135と第2貫通孔136は互いに連通しない。
【0082】
図7B及び
図7Cを参照すると、第1レイヤ811は、一つ以上の第1貫通孔135と連通する進入孔135-1であって、矯正流路121の一部である前記進入孔135-1を含んでいる。
【0083】
図7D及び
図7Eを参照すると、第2レイヤ812は、進入孔135-1から矯正孔122まで延長された連結流路であって、矯正流路121の残り一部である前記連結流路を含み、また矯正孔122を含んでいる。
【0084】
図7F及び
図7Gを参照すると、第3レイヤ813は、矯正孔122からベースボディ120/絶縁プレート110のエッジまで放射状に延長される複数の分岐流路123を含んでいる。
【0085】
上述したように、本発明の実施例に係るセラミックサセプター100、200、300は、パージ用矯正孔122をベースボディ120の中心に位置させ、放射状に対称な分岐流路123によって絶縁プレート110の最外側エッジまで全ての流体経路の長さが同一に形成されることにより、パージのためのエアーポンピングがサセプターの上面で全体的に均一になされ得る。このように、基板が置かれる全ての方向において均一にパージがなされることにより、前記セラミックサセプター上の基板に対する蒸着工程などがなされる間に薄膜が均一に蒸着され、よって、収率を増加させ、蒸着性能などを向上させることができる。さらに、
図1Bでは、第2実施例のセラミックサセプター200は、シャフト130に形成された流路(flow path)とサセプターの前記パージ用矯正孔122とが流体連通してサセプターの上面で全体的に均一なパージ機能がなされる他にも、シャフト130に形成された他の流路136はサセプターの真空ポンピングのためのチャック孔(chuck hole)と流体連通して真空チャック機能がさらになされ、複合機能を実現することができる。
【0086】
以上、本発明を具体的な構成要素などのような特定事項、限定された実施例及び図面によって説明してきたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されているだけで、本発明はこれらの実施例に限定されず、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能であろう。したがって、本発明の思想は、説明された実施例に限定して定められてはならず、添付する特許請求の範囲の他、この特許請求の範囲と均等又は等価の変形があるいかなる技術思想も、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
【符号の説明】
【0087】
11 基板
91 チャック孔
110 絶縁プレート
120 ベースボディ
130 シャフト
131、132 電力供給ロッド
135 第1貫通孔
135-1 進入孔
136 第2貫通孔
136-1 第1貫通流路
125 パージ流路
121 矯正流路
122 矯正孔
123 複数の分岐流路
【要約】 (修正有)
【課題】基板が置かれる全ての方向において均一にパージがなされるセラミックサセプターを提供する。
【解決手段】セラミックサセプター100は、電極112が配置された絶縁プレート110と、絶縁プレートに接合され、パージ流路125を有するベースボディ120と、ベースボディに接合され、側壁に、パージ流路と連通する一つ以上の第1貫通孔135を有する中空シャフト130と、前記電極に連結され、前記中空シャフトの内部空間を通過するように延長される電力供給ロッド131、132と、を含む。パージ流路は、経路矯正のための矯正孔122、前記一つ以上の第1貫通孔から前記矯正孔まで延長された矯正流路121及び前記矯正孔からベースボディのエッジまで延長される一つ以上の分岐流路123を含む。
【選択図】
図1A