(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】表示装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20241004BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20241004BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20241004BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20241004BHJP
H10K 59/121 20230101ALI20241004BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20241004BHJP
H10K 65/00 20230101ALI20241004BHJP
H10K 59/60 20230101ALN20241004BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G06F3/041 580
G06F3/042 472
G09F9/30 365
H10K59/12
H10K59/121
H10K59/35
H10K59/35 351
H10K65/00
H10K59/60
(21)【出願番号】P 2023207921
(22)【出願日】2023-12-08
(62)【分割の表示】P 2020566350の分割
【原出願日】2020-01-08
【審査請求日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2019006696
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
(72)【発明者】
【氏名】楠 紘慈
(72)【発明者】
【氏名】久保田 大介
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 太介
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-301864(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0170569(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0364107(US,A1)
【文献】国際公開第2013/118214(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3425670(EP,A1)
【文献】特開2012-145940(JP,A)
【文献】国際公開第2011/104929(WO,A1)
【文献】特開2010-060816(JP,A)
【文献】特開2010-040042(JP,A)
【文献】特開2009-080367(JP,A)
【文献】特開2008-241807(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0627419(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G06F 3/041
G06F 3/042
H10K 59/12
H10K 59/121
H10K 59/35
H10K 65/00
H10K 59/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の副画素と、第2の副画素と、第3の副画素と、を有する表示装置であって、
前記第1の副画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第1の発光デバイスと、を有し、
前記第2の副画素は、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第5のトランジスタと、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、第2の発光デバイスと、を有し、
前記第3の副画素は、第6のトランジスタと、第7のトランジスタと、第8のトランジスタと、受光デバイスと、を有し、
前記第1の発光デバイスは、可視光を発する機能を有し、
前記第2の発光デバイスは、近赤外光を発する機能を有し、
前記受光デバイスは、前記近赤外光を検出する機能を有し、
前記第1のトランジスタは、前記第2のトランジスタのゲートに第1の電位を供給する機能を有し、
前記第2のトランジスタは、前記第2のトランジスタのゲートに供給された前記第1の電位に応じて前記第1の発光デバイスに流れる電流を制御する駆動トランジスタとしての機能を有し、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第4のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのゲートは、前記第1のキャパシタの一方の電極と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのゲートは、前記第2のキャパシタの一方の電極と電気的に接続され、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2のキャパシタの他方の電極と電気的に接続され、
前記受光デバイスのアノード又はカソードの一方は、前記第6のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第6のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第7のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第7のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第8のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第7のトランジスタは、前記第7のトランジスタのゲートに供給された第3の電位に応じた出力を行う増幅トランジスタとしての機能を有し、
前記第2の副画素は、前記第3のトランジスタを介して前記第1のキャパシタの一方の電極に供給された第4の電位を、前記第5のトランジスタを介して前記第2のキャパシタの他方の電極に第5の電位を供給することで昇圧された第6の電位に応じて前記第4のトランジスタの電流を制御して前記第2の発光デバイスの発光を行う機能を有する、表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の副画素と、前記第2の副画素は、第1の画素に配置され、
前記第3の副画素は、第2の画素に配置され、
前記第1の画素は、受光デバイスを有する副画素を有さず、
前記第2の画素は、近赤外光を発する機能を有する発光デバイスを有する副画素を有さない、表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記第1の発光デバイスは、赤色、緑色、青色または白色のいずれかの光を発する機能を有する、表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記受光デバイスは光電変換層を有し、前記光電変換層に有機化合物を有する、表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記受光デバイスと重なる位置に可視光カットフィルタが設けられている、表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記第1乃至第8のトランジスタは、それぞれチャネル形成領域に金属酸化物を有し、
前記金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Ge、Sn、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHf)と、を有する、表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の表示装置と、カメラと、を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置(例えば、タッチセンサなど)、入出力装置(例えば、タッチパネルなど)、それらの駆動方法、またはそれらの製造方法を一例として挙げることができる。
【0003】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路は半導体装置の一態様である。また、記憶装置、表示装置、撮像装置、電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
【背景技術】
【0004】
近年、表示装置は様々な用途に応用されている。例えば、大型の表示装置の用途としては、家庭用のテレビジョン装置、デジタルサイネージ、PID(Public Information Display)等が挙げられる。また、中小型の表示装置の用途としては、スマートフォンやタブレット端末などの携帯情報端末が挙げられる。
【0005】
表示装置としては、例えば、発光デバイスを有する発光装置が開発されている。エレクトロルミネッセンス(以下ELと記す)現象を利用した発光デバイスは、薄型軽量、高速応答、低電圧駆動が可能などの特徴を有する。例えば、特許文献1には、可撓性を有する発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、表示装置は様々な機器に用いられるため、高機能化が望まれる。例えば、ユーザインターフェース機能、撮像機能などを備えることで、より利便性の高い電子機器を実現することができる。
【0008】
したがって、本発明の一態様は、入力機能を有する表示装置を提供することを目的の一つとする。または、光検出機能を有する表示装置を提供することを目的の一つとする。または、多機能の表示装置を提供することを目的の一つとする。または、新規な表示装置を提供することを目的の一つとする。または、新規な半導体装置などを提供することを目的の一つとする。
【0009】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、表示部に発光デバイスおよび受光デバイスを有する表示装置である。
【0011】
本発明の一態様は、第1の画素と、第2の画素と、第3の画素と、を有する表示装置であって、第1の画素は、第1の発光デバイスを有し、第2の画素は、第2の発光デバイスを有し、第3の画素は、受光デバイスを有し、第1の発光デバイスは、可視光を発する機能を有し、第2の発光デバイスは、近赤外光を発する機能を有し、受光デバイスは、近赤外光を検出する機能を有し、第2の画素は、第1の電位および第2の電位に基づいて第3の電位を生成する機能、ならびに第3の電位に応じて第2の発光デバイスの発光を行う機能を有する表示装置である。
【0012】
第1の発光デバイスは、赤色、緑色、青色または白色のいずれかの光を発する機能を有することができる。
【0013】
受光デバイスは光電変換層を有し、光電変換層に有機化合物を有することが好ましい。
【0014】
第1の発光デバイス、第2の発光デバイスおよび受光デバイスは、ダイオードの構成を有し、第1の発光デバイスのカソード、第2の発光デバイスのカソードおよび受光デバイスのアノードは電気的に接続することができる。または、第1の発光デバイスのカソード、第2の発光デバイスのカソードおよび受光デバイスのカソードは電気的に接続することができる。
【0015】
受光デバイスと重なる位置に可視光カットフィルタが設けられていることが好ましい。
【0016】
第1乃至第3の画素はトランジスタを有し、トランジスタはチャネル形成領域に金属酸化物を有し、金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Ge、Sn、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHf)と、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様により、入力機能を有する表示装置を提供することができる。または、光検出機能を有する表示装置を提供することができる。または、多機能の表示装置を提供することができる。または、新規な表示装置を提供することができる。または、新規な半導体装置などを提供することができる。
【0018】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。なお、図を構成する同じ要素のハッチングを異なる図面間で適宜省略または変更する場合もある。
【0021】
また、回路図上では単一の要素として図示されている場合であっても、機能的に不都合がなければ、当該要素が複数で構成されてもよい。例えば、スイッチとして動作するトランジスタは、複数が直列または並列に接続されてもよい場合がある。また、キャパシタを分割して複数の位置に配置する場合もある。
【0022】
また、一つの導電体が、配線、電極および端子などの複数の機能を併せ持っている場合があり、本明細書においては、同一の要素に対して複数の呼称を用いる場合がある。また、回路図上で要素間が直接接続されているように図示されている場合であっても、実際には当該要素間が一つ以上の導電体を介して接続されている場合があり、本明細書ではこのような構成でも直接接続の範疇に含める。
【0023】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について説明する。
【0024】
本発明の一態様は、非接触でも入力動作が行える表示装置である。表示装置は、第1の発光デバイスと、第2の発光デバイスと、受光デバイスを有する。第1の発光デバイスは表示を行う機能を有し、第2の発光デバイスは対象物を照射する光を発する機能を有する。また、受光デバイスは、第2の発光デバイスが発し、対象物で反射された光を検出する機能を有する。
【0025】
第2の発光デバイスが発する光には、実質的に視感度のない近赤外光を用いる。したがって、当該光を表示部から高輝度で発しても表示の視認に影響を与えない。また、当該光を高輝度で発することで表示装置から離れた位置にある対象物を感度良く検出することができる。当該機能により、ニアタッチセンサを実現することができる。ニアタッチセンサは、タッチセンサと同様の機能を非接触で実現するセンサである。
【0026】
また、第2の発光デバイスを有する画素には、第2の発光デバイスを高輝度で発光させるための昇圧回路が設けられる。
【0027】
図1は、本発明の一態様の表示装置を説明する図である。表示装置は、画素アレイ14と、回路15と、回路16と、回路17と、回路18と、回路19を有する。画素アレイ14は、列方向および行方向に配置された画素10を有する。
【0028】
画素10は、副画素11、12、13を有することができる。例えば、副画素11は、表示用の光を発する機能を有する。副画素12は、対象物を照射する光を発する機能を有する。副画素13は、副画素12が発し、対象物で反射された光を検出する機能を有する。
【0029】
なお、本明細書では、一つの「画素」の中で独立した動作が行われる最小単位を便宜的に「副画素」と定義して説明を行うが、「画素」を「領域」と置き換え、「副画素」を「画素」と置き換えてもよい。
【0030】
副画素11は、可視光を発する第1の発光デバイスを有する。また、副画素12は、近赤外光を発する第2の発光デバイスを有する。
【0031】
発光デバイスとしては、OLED(Organic Light Emitting Diode)やQLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)などのEL素子を用いることが好ましい。EL素子が有する発光物質としては、蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐光を発する物質(燐光材料)、熱活性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料)、無機化合物(量子ドット材料など)などが挙げられる。また、発光デバイスとして、マイクロLED(Light Emitting Diode)などのLEDを用いることもできる。
【0032】
副画素13は、近赤外光に感度を有する受光デバイスを有する。受光デバイスには、入射する光を検出し電荷を発生させる光電変換素子を用いることができる。受光デバイスでは、入射する光量に基づき、発生する電荷量が決まる。受光デバイスとしては、例えば、pn型またはpin型のフォトダイオードを用いることができる。
【0033】
受光デバイスとしては、有機化合物を光電変換層に有する有機フォトダイオードを用いることが好ましい。有機フォトダイオードは、薄型化、軽量化および大面積化が容易である。また、形状およびデザインの自由度が高いため、様々な表示装置に適用できる。または、結晶性のシリコン(単結晶シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコンなど)を用いたフォトダイオードを受光デバイスに用いることもできる。
【0034】
本発明の一態様では、発光デバイスとして有機EL素子を用い、受光デバイスとして有機フォトダイオードを用いる。有機フォトダイオードは、有機EL素子と共通の構成にできる層が多い。そのため、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置に受光デバイスを内蔵することができる。例えば、受光デバイスの光電変換層と発光デバイスの発光層とを作り分け、それ以外の層は、発光デバイスと受光デバイスとで同一の構成にしてもよい。
【0035】
回路15および回路16は、副画素11、12を駆動するためのドライバ回路である。回路15はソースドライバ、回路16はゲートドライバとしての機能を有することができる。回路15および回路16には、例えば、シフトレジスタ回路などを用いることができる。
【0036】
なお、副画素11、12の駆動回路を分けてもよい。副画素12の機能は、対象物に光を照射することが主であるため、画素アレイ14内の全ての副画素12で同じ輝度の光を発してもよい。したがって、ソースドライバおよびゲートドライバに相当する回路に高機能の順序回路などを用いず、簡略化した回路を用いてもよい。
【0037】
回路17および回路18は、副画素13を駆動するためのドライバ回路である。回路17はカラムドライバ、回路18はロードライバとしての機能を有することができる。回路17および回路18には、例えば、シフトレジスタ回路またはデコーダ回路などを用いることができる。
【0038】
回路19は、副画素13が出力するデータの読み出し回路である。回路19は、例えば、A/D変換回路を有し、副画素13から出力されたアナログデータをデジタルデータに変換する機能を有する。また、回路19に、出力データに対して相関二重サンプリング処理を行うCDS回路が含まれていてもよい。
【0039】
副画素12および副画素13は、入力インターフェイスとしての機能を有することができる。副画素12から近赤外光を発し、表示装置に近接する対象物からの反射光を副画素13で受光することができる。したがって、副画素13で検出した近赤外光の受光量のしきい値を設定することで、スイッチとして機能させることができる。これらにより、タッチセンサと同等の機能を非接触で実現することができる。また、ポインタなどの動作を接触または非接触で行うことができる。
【0040】
また、受光デバイスを用いて、指紋、掌紋、または虹彩などの撮像データを取得することができる。つまり、表示装置に生体認証機能を付加させることができる。なお、対象物を表示装置に接触させて撮像データの取得を行ってもよい。
【0041】
また、受光デバイスを用いて、ユーザーの表情、目の動き、または瞳孔径の変化などの撮像データを取得することができる。当該画像データを解析することで、ユーザーの心身の情報を取得することができる。当該情報をもとに表示装置が出力する表示および音声の一方または双方を変化させるなど、ユーザーの心身の状態に合わせた動作を行うことができる。これらの動作は、例えば、VR(Virtual Reality)向け機器、AR(Augmented Reality)向け機器、またはMR(Mixed Reality)向け機器に有効である。
【0042】
図2A乃至
図2D、
図2E1乃至
図2E3は、画素10内における副画素のレイアウトの例を説明する図である。
図2A、
図2Bに示すように各副画素を水平方向(ゲート線が延在する方向)に並べる構成とすることができる。または、
図1および
図2C、
図2Dに示すように、水平方向および垂直方向(ソース線が延在する方向)に並べる構成としてもよい。
【0043】
または、
図2E1、
図2E2に示すように、一つの画素10が副画素13または副画素12を有さない構成としてもよい。この場合は、例えば、
図2Fに示すように、
図2E1に示す画素10と
図2E2に示す画素10を交互に並べることができる。さらに、
図2E3に示す副画素11のみで構成した画素10を用いてもよい。この場合は、
図2Gに示すように、
図2E1に示す画素10と
図2E2に示す画素10との間に
図2E3に示す画素10を複数有する構成としてもよい。
図2Fまたは
図2Gに示す配置では、副画素12および副画素13の総数よりも副画素11の総数を多くできるため、表示品位を高めることができる。
【0044】
一方で、
図2E1乃至
図2E3に示す画素10を用いた場合は、対象物照射用の光源および受光デバイスが少なくなるため、対象物を検出する感度が低下する。したがって、副画素の構成および配置は、目的に応じて考慮すればよい。なお、
図2Fまたは
図2Gに示す配置において、
図2E1の画素10および
図2E2の画素10の数は同数でなくてもよい。
【0045】
副画素11は、単色光を発する構成であるほか、
図2H、
図2Iに示すように、異なる色を発する副画素の集合であってもよい。
図2Hは、副画素11が、赤色を発する発光デバイスを有する副画素11R、緑色を発する発光デバイスを有する副画素11G、および青色を発する発光デバイスを有する副画素11Bで構成される例を示す図である。当該構成の副画素11を用いることで、カラー表示を行うことができる。
【0046】
さらに、
図2Iに示すように、白色を発する発光デバイスを有する副画素11Wが設けられていてもよい。副画素11Wは単独で白色光を発することができるため、白色またはそれに近い色の表示では、その他の色の副画素の発光輝度を抑えることができる。したがって、省電力で表示を行うことができる。
【0047】
また、
図3Aに示すように、副画素11および副画素13を画素10の基本構成として表示装置を構成してもよい。この場合は、対象物照射用の光源20を画素アレイ14(表示部)の外側に配置する。光源20としては、高輝度の近赤外光を発するLEDなどを用いることができる。光源20は、画素アレイ14の外側に設けられるため、表示装置とは別の制御で点灯することもできる。また、
図3B、
図3Cに示す配置例のとおり、副画素12が不要となり、副画素13の数を増やすことができるため、対象物検出の感度を向上させることができる。
【0048】
なお、
図3Aに示す光源20の配置位置および数は一例であり、これに限定されない。光源20は、本発明の一態様の表示装置を有する機器の一要素とすることができる。または、本発明の一態様の表示装置を有する機器とは別の機器であってもよい。
【0049】
なお、画素および副画素の構成は上記に限られず、様々な配置形態を採用することができる。
【0050】
次に、本発明の一態様の表示装置のより具体的な例について説明する。
【0051】
図4に、本発明の一態様の表示装置50Aの断面概略図を示す。表示装置50Aは、受光デバイス110、発光デバイス190および発光デバイス180を有する。受光デバイス110は、副画素13が有する有機フォトダイオードに相当する。発光デバイス190は、副画素12が有する有機EL素子(近赤外光を発光)に相当する。発光デバイス180は、副画素11が有する有機EL素子(可視光を発光)に相当する。
【0052】
副画素11および副画素12が有する有機EL素子、およびその周辺の構成において、発光層以外の構成は同じにすることができる。したがって、ここでは発光デバイス190の詳細を説明し、発光デバイス180の説明は省略する。
【0053】
受光デバイス110は、画素電極111、共通層112、光電変換層113、共通層114、および共通電極115を有する。発光デバイス190は、画素電極191、共通層112、発光層193、共通層114および共通電極115を有する。なお、発光デバイス180は、発光層193とは異なる発光層183を有する。
【0054】
画素電極111、画素電極191、共通層112、光電変換層113、発光層193、共通層114および共通電極115は、それぞれ、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0055】
画素電極111および画素電極191は、絶縁層214上に位置する。画素電極111および画素電極191は、同一の材料および同一の工程で形成することができる。
【0056】
共通層112は、画素電極111上および画素電極191上に位置する。共通層112は、受光デバイス110および発光デバイス190に共通で用いられる層である。
【0057】
光電変換層113は、共通層112を介して画素電極111と重なる領域を有する。発光層193は、共通層112を介して画素電極191と重なる領域を有する。光電変換層113は、第1の有機化合物を有する。発光層193は、第1の有機化合物とは異なる第2の有機化合物を有する。
【0058】
共通層114は、共通層112上、光電変換層113上および発光層193上に位置する。共通層114は、受光デバイス110および発光デバイス190に共通で用いられる層である。
【0059】
共通電極115は、共通層112、光電変換層113および共通層114を介して、画素電極111と重なる領域を有する。また、共通電極115は、共通層112、発光層193および共通層114を介して画素電極191と重なる領域を有する。共通電極115は、受光デバイス110および発光デバイス190に共通で用いられる層である。
【0060】
本実施の形態の表示装置では、受光デバイス110の光電変換層113に有機化合物を用いる。受光デバイス110は、光電変換層113以外の層を発光デバイス190(有機EL素子)と共通の構成にすることができる。そのため、発光デバイス190の作製工程に、光電変換層113を成膜する工程を追加するのみで、発光デバイス190の形成と並行して受光デバイス110を形成することができる。また、発光デバイス190と受光デバイス110とを同一基板上に形成することができる。したがって、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置に受光デバイス110を内蔵することができる。
【0061】
表示装置50Aでは、受光デバイス110の光電変換層113と、発光デバイス190の発光層193と、を作り分ける以外は、受光デバイス110と発光デバイス190は共通の構成とすることができる。ただし、受光デバイス110と発光デバイス190の構成はこれに限定されない。受光デバイス110と発光デバイス190は、光電変換層113と発光層193のほかにも、互いに作り分ける層を有していてもよい(後述の表示装置50C、50D、50E参照)。受光デバイス110と発光デバイス190は、共通で用いられる層(共通層)を1層以上有することが好ましい。これにより、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置に受光デバイス110を内蔵することができる。
【0062】
表示装置50Aは、一対の基板(基板151および基板152)間に、受光デバイス110、発光デバイス190、トランジスタ41、およびトランジスタ42等を有する。
【0063】
受光デバイス110において、それぞれ画素電極111および共通電極115の間に位置する共通層112、光電変換層113および共通層114は、有機層(有機化合物を含む層)ということもできる。画素電極111は、近赤外光を反射する機能を有することが好ましい。共通電極115は、可視光および近赤外光を透過する機能を有する。
【0064】
受光デバイス110は、光を検出する機能を有する。具体的には、受光デバイス110は、入射される光22を電気信号に変換する光電変換素子である。
【0065】
基板152の基板151側の面には、遮光層148が設けられている。遮光層148は、受光デバイス110と重なる位置および発光デバイス190と重なる位置に開口部を有する。遮光層148を設けることで、受光デバイス110が光を検出する範囲を制御することができる。
【0066】
遮光層148としては、発光デバイス190が発する光を遮る材料を用いることができる。遮光層148は、可視光および近赤外光を吸収することが好ましい。遮光層148として、例えば、金属材料、または、顔料(カーボンブラックなど)もしくは染料を含む樹脂材料等を用いて形成することができる。遮光層148は、赤色のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルタおよび青色のカラーフィルタの積層構造であってもよい。
【0067】
また、遮光層148の受光デバイス110と重なる位置に設けられる開口部には、発光デバイス190が発する光の波長(近赤外光)よりも短波長側の光をカットするフィルタ149が設けられることが好ましい。フィルタ149としては、例えば、近赤外光よりも短波長側の光をカットするロングパスフィルタ、少なくとも可視光領域の波長をカットするバンドパスフィルタなどを用いることができる。可視光をカットするフィルタとしては、色素を含む樹脂膜などのほか、非晶質シリコン薄膜などの半導体膜を用いることができる。フィルタ149を設けることで、受光デバイス110への可視光の入射を抑えることができ、低ノイズで近赤外光を検出することができる。
【0068】
なお、フィルタ149は、
図5Aに示すように、受光デバイス110と積層されて設けられていてもよい。
【0069】
または、
図5Bに示すように、フィルタ149はレンズ型の形状であってもよい。レンズ型のフィルタ149は、基板151側に凸面を有する凸レンズである。なお、基板152側が凸面となるように配置してもよい。
【0070】
基板152の同一面上に遮光層148とレンズ型のフィルタ149との双方を形成する場合、形成順は問わない。
図5Bでは、レンズ型のフィルタ149を先に形成する例を示すが、遮光層148を先に形成してもよい。
図5Bでは、レンズ型のフィルタ149の端部が遮光層148によって覆われている。
【0071】
図5Bに示す構成は、光22がレンズ型のフィルタ149を介して受光デバイス110に入射する構成である。フィルタ149をレンズ型にすることにより、受光デバイス110の撮像範囲を狭くすることができ、隣接する受光デバイス110と撮像範囲が重なることを抑制できる。これにより、ぼやけの少ない、鮮明な画像を撮像できる。また、フィルタ149をレンズ型にすることにより、受光デバイス110上の遮光層148の開口を大きくすることができる。したがって、受光デバイス110に入射する光量を増やすことができ、光の検出感度を高めることができる。
【0072】
レンズ型のフィルタ149は、基板152上または受光デバイス110上に直接形成することができる。または、別途作製されたマイクロレンズアレイなどを基板152に貼り合わせてもよい。
【0073】
また、
図5Cに示すように、フィルタ149を設けない構成としてもよい。受光デバイス110の特性において、可視光に感度がない、または、可視光よりも近赤外光の感度が十分に高い場合はフィルタ149を省くことができる。この場合、
図5Bに示したレンズ型のフィルタ149と同様の形状のレンズを受光デバイス110と重ねて設けてもよい。当該レンズは、可視光が透過する材料で形成されていてもよい。
【0074】
ここで、受光デバイス110は、
図4に示すように発光デバイス190が発した光21のうち、指などの対象物60によって反射された光22を検出することができる。しかし、発光デバイス190が発した光の一部が、表示装置50A内で反射され、対象物60を介さずに受光デバイス110に入射されてしまう場合がある。
【0075】
遮光層148は、このような迷光の影響を抑制することができる。例えば、遮光層148が設けられていない場合、発光デバイス190が発した光23aは、基板152等で反射され、反射光23bが受光デバイス110に入射することがある。遮光層148を設けることで、反射光23bが受光デバイス110に入射することを抑制できる。これにより、ノイズを低減し、受光デバイス110の光検出精度を高めることができる。
【0076】
発光デバイス190において、画素電極191および共通電極115の間に位置する共通層112、発光層193および共通層114は、EL層ということもできる。画素電極191は、少なくとも近赤外光を反射する機能を有することが好ましい。
【0077】
発光デバイス190は、近赤外光を発する機能を有する。具体的には、発光デバイス190は、画素電極191と共通電極115との間に電圧を印加することで、基板152側に光21を射出する電界発光デバイスである。
【0078】
画素電極111は、絶縁層214に設けられた開口を介してトランジスタ41が有するソースまたはドレインと電気的に接続される。画素電極111の端部は、隔壁216によって覆われている。
【0079】
画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ42が有するソースまたはドレインと電気的に接続される。画素電極191の端部は、隔壁216によって覆われている。トランジスタ42は、発光デバイス190の駆動を制御する機能を有する。
【0080】
トランジスタ41とトランジスタ42とは、同一の層(
図4では基板151)上に接している。
【0081】
受光デバイス110と電気的に接続される回路の少なくとも一部は、発光デバイス190と電気的に接続される回路と同一の材料および同一の工程で形成されることが好ましい。これにより、2つの回路を別々に形成する場合に比べて、表示装置の厚さを薄くすることができ、また、作製工程を簡略化できる。
【0082】
受光デバイス110および発光デバイス190は、保護層195に覆われていることが好ましい。
図4では、保護層195が共通電極115上に接して設けられている例を示している。保護層195を設けることで、受光デバイス110および発光デバイス190に水などの不純物が入り込むことが抑制され、受光デバイス110および発光デバイス190の信頼性を高めることができる。また、接着層142によって、保護層195と基板152とが貼り合わされている。
【0083】
また、
図6Aに示すように、受光デバイス110上および発光デバイス190上に保護層195を設けない構成としてもよい。この場合は、接着層142によって、共通電極115と基板152とが貼り合わされる。
【0084】
また、
図6Bに示すように、遮光層148を設けない構成としてもよい。これにより、発光デバイス190が外部に射出する光の量、および受光デバイス110の受光量を増やすことができるため、検出感度を高めることができる。
【0085】
また、本発明の一態様の表示装置は、
図7Aに示す表示装置50Bの構成であってもよい。表示装置50Bは、基板151、基板152および隔壁216を有さず、基板153、基板154、接着層155、絶縁層212および隔壁217を有する点で、表示装置50Aと異なる。
【0086】
基板153と絶縁層212とは、接着層155によって貼り合わされている。基板154と保護層195とは、接着層142によって貼り合わされている。
【0087】
表示装置50Bは、作製基板上に形成された絶縁層212、トランジスタ41、トランジスタ42、受光デバイス110および発光デバイス190等を基板153上に転置することで作製される構成である。基板153および基板154は、可撓性を有することが好ましい。これにより、表示装置50Bに可撓性を付与することができる。例えば、基板153および基板154には、樹脂を用いることが好ましい。
【0088】
基板153および基板154としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。基板153および基板154の一方または双方に、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
【0089】
本実施の形態の表示装置が有する基板には、光学等方性が高いフィルムを用いてもよい。光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、およびアクリルフィルム等が挙げられる。
【0090】
隔壁217は、発光デバイス190が発した光を吸収できることが好ましい。隔壁217には、例えば、顔料もしくは染料を含む樹脂材料等を用いて形成することができる。
【0091】
発光デバイス190が発した光23cの一部は、基板152および隔壁217で反射される。その反射光23dは、受光デバイス110に入射することがある。また、光23cが隔壁217を透過し、トランジスタまたは配線等で反射されることで、反射光が受光デバイス110に入射することがある。隔壁217によって光23cが吸収されることで、反射光23dが受光デバイス110に入射することを抑制できる。これにより、ノイズを低減し、受光デバイス110の光検出精度を高めることができる。
【0092】
隔壁217は、少なくとも、受光デバイス110が検出することができる波長の光を吸収することが好ましい。例えば、発光デバイス190が発する近赤外光を受光デバイス110が検出する場合、隔壁217は、少なくとも近赤外光が吸収でき、さらに可視光も吸収できることが好ましい。
【0093】
上記では、発光デバイスと受光デバイスが、2つの共通層を有する例を示したが、これに限られない。以下では、共通層の構成が異なる例について説明する。
【0094】
図7Bに、表示装置50Cの断面概略図を示す。表示装置50Cは共通層114を有さず、バッファ層184およびバッファ層194を有する点で表示装置50Aと異なる。バッファ層184およびバッファ層194は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0095】
表示装置50Cにおいて、受光デバイス110は、画素電極111、共通層112、光電変換層113、バッファ層184および共通電極115を有する。また、表示装置50Cにおいて、発光デバイス190は、画素電極191、共通層112、発光層193、バッファ層194および共通電極115を有する。
【0096】
表示装置50Cでは、共通電極115と光電変換層113との間のバッファ層184と、共通電極115と発光層193との間のバッファ層194とを作り分ける例を示している。バッファ層184およびバッファ層194は、例えば、電子注入層および電子輸送層の一方または双方とすることができる。
【0097】
図8Aに、表示装置50Dの断面概略図を示す。表示装置50Dは、共通層112を有さず、バッファ層182およびバッファ層192を有する点で、表示装置50Aと異なる。バッファ層182およびバッファ層192は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0098】
表示装置50Dにおいて、受光デバイス110は、画素電極111、バッファ層182、光電変換層113、共通層114および共通電極115を有する。また、表示装置50Dにおいて、発光デバイス190は、画素電極191、バッファ層192、発光層193、共通層114および共通電極115を有する。
【0099】
表示装置50Dでは、画素電極111と光電変換層113との間のバッファ層182と、画素電極191と発光層193との間のバッファ層192とを作り分ける例を示している。バッファ層182およびバッファ層192は、例えば、正孔注入層および正孔輸送層の一方または双方とすることができる。
【0100】
図8Bに、表示装置50Eの断面概略図を示す。表示装置50Eは、共通層112および共通層114を有さず、バッファ層182、バッファ層184、バッファ層192、およびバッファ層194を有する点で、表示装置50Aと異なる。
【0101】
表示装置50Eにおいて、受光デバイス110は、画素電極111、バッファ層182、光電変換層113、バッファ層184および共通電極115を有する。また、表示装置50Eにおいて、発光デバイス190は、画素電極191、バッファ層192、発光層193、バッファ層194および共通電極115を有する。
【0102】
受光デバイス110と発光デバイス190の作製工程において、光電変換層113と発光層193を作り分けるだけでなく、他の層も作り分けることができる。
【0103】
表示装置50Eでは、受光デバイス110と発光デバイス190とで、一対の電極(画素電極111または画素電極191と共通電極115)間に、共通の層を有さない例を示している。表示装置50Eが有する受光デバイス110および発光デバイス190の作製工程では、まず、絶縁層214上に画素電極111と画素電極191とを同一の材料および同一の工程で形成する。そして、画素電極111上にバッファ層182、光電変換層113およびバッファ層184を形成し、画素電極191上にバッファ層192、発光層193およびバッファ層194を形成し、バッファ層184およびバッファ層194等を覆うように共通電極115を形成する。
【0104】
なお、バッファ層182、光電変換層113およびバッファ層184の積層構造と、バッファ層192、発光層193およびバッファ層194の積層構造の作製順は、特に限定されない。例えば、バッファ層182、光電変換層113およびバッファ層184を成膜した後に、バッファ層192、発光層193およびバッファ層194を作製してもよい。逆に、バッファ層182、光電変換層113およびバッファ層184を成膜する前に、バッファ層192、発光層193およびバッファ層194を作製してもよい。また、バッファ層182、バッファ層192、光電変換層113、発光層193、などの順に交互に成膜してもよい。
【0105】
以下では、本発明の一態様の表示装置のより具体的な構成例について説明する。
【0106】
図9に、表示装置100Aの斜視図を示す。表示装置100Aは、基板151と基板152とが貼り合された構成を有する。
図9では、基板152を破線で示している。
【0107】
表示装置100Aは、表示部162、回路164a、回路164b、配線165a、配線165b等を有する。また、
図9では、表示装置100AにIC(集積回路)173a、FPC172a、IC173bおよびFPC172bが実装されている例を示している。したがって、
図9に示す構成は、表示装置100A、IC、およびFPCを有する表示モジュールということもできる。
【0108】
回路164aとしては、表示を行うためのゲートドライバを用いることができる。回路164bとしては、撮像(光検出)を行うためのロードライバを用いることができる。
【0109】
配線165aは、副画素11、12および回路164aに信号および電力を供給する機能を有する。当該信号および電力は、FPC172aを介して外部から入力されるか、またはIC173aから配線165aに入力される。
【0110】
また、配線165bは、副画素13および回路164bに信号および電力を供給する機能を有する。当該信号および電力は、FPC172bを介して外部から入力されるか、またはIC173bから配線165bに入力される。
【0111】
図9では、COG(Chip On Glass)方式で基板151にIC173a、173bが設けられている例を示しているが、TCP(Tape Carrier Package)方式またはCOF(Chip On Film)方式などを用いてもよい。IC173aには、例えば、副画素11、12と接続するソースドライバの機能を有するICを用いることができる。また、IC173bには、例えば、副画素13と接続するカラムドライバおよびA/Dコンバータなどの信号処理回路の機能を有するICを用いることができる。
【0112】
なお、上記ドライバ回路は、画素の回路を構成するトランジスタ等と同様に基板151上に設けてもよい。
【0113】
図10に
図9で示した表示装置100AにおけるFPC172aを含む領域の一部、回路164aを含む領域の一部、表示部162を含む領域の一部および端部を含む領域の一部の断面の一例を示す。
【0114】
図10に示す表示装置100Aは、基板151と基板152の間に、トランジスタ201、トランジスタ205、トランジスタ206、発光デバイス190および受光デバイス110等を有する。
【0115】
基板152と絶縁層214は、接着層142を介して接着されている。発光デバイス190および受光デバイス110の封止には、固体封止構造または中空封止構造などが適用できる。基板152、接着層142および絶縁層214に囲まれた空間143には不活性ガス(窒素やアルゴンなど)が充填されており、中空封止構造が適用されている。接着層142は、発光デバイス190と重ねて設けられていてもよい。また、基板152、接着層142および絶縁層214に囲まれた領域を接着層142とは異なる樹脂で充填してもよい。
【0116】
発光デバイス190は、絶縁層214側から画素電極191、共通層112、発光層193、共通層114および共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ206が有する導電層222bと接続されている。トランジスタ206は、発光デバイス190の駆動を制御する機能を有する。画素電極191の端部は、隔壁216によって覆われている。
【0117】
受光デバイス110は、絶縁層214側から画素電極111、共通層112、光電変換層113、共通層114および共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極111は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ205が有する導電層222bと電気的に接続されている。画素電極111の端部は、隔壁216によって覆われている。
【0118】
発光デバイス190が発する光は、基板152側に射出される。また、受光デバイス110には、基板152および空間143を介して光が入射する。基板152には、可視光および近赤外光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。
【0119】
画素電極111および画素電極191は、同一の材料および同一の工程で作製することができる。共通層112、共通層114および共通電極115は、受光デバイス110と発光デバイス190との双方に用いられる。受光デバイス110と発光デバイス190とは、光電変換層113と発光層193の構成が異なる以外は全て共通の構成とすることができる。これにより、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置100Aに受光デバイス110を内蔵することができる。
【0120】
基板152の基板151側の面には、遮光層148が設けられている。遮光層148は、受光デバイス110と重なる位置および発光デバイス190と重なる位置に開口を有する。また、受光デバイス110と重なる位置には、可視光をカットするフィルタ149が設けられている。なお、フィルタ149を設けない構成とすることもできる。
【0121】
トランジスタ201、トランジスタ205、およびトランジスタ206は、いずれも基板151上に形成されている。これらのトランジスタは、同一の材料および同一の工程により作製することができる。
【0122】
基板151上には、絶縁層211、絶縁層213、絶縁層215、および絶縁層214がこの順で設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層213は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層215は、トランジスタを覆って設けられる。絶縁層214は、トランジスタを覆って設けられ、平坦化層としての機能を有する。なお、ゲート絶縁層の数およびトランジスタを覆う絶縁層の数は限定されず、それぞれ単層であっても2層以上であってもよい。
【0123】
トランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア層として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに外部から不純物が拡散することを効果的に抑制でき、表示装置の信頼性を高めることができる。
【0124】
絶縁層211、絶縁層213および絶縁層215としては、無機絶縁膜を用いることが好ましい。無機絶縁膜としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜または窒化アルミニウム膜を用いることができる。または、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜または酸化ネオジム膜を用いてもよい。また、上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。
【0125】
平坦化層として機能する絶縁層214には、有機絶縁膜が好適である。有機絶縁膜に用いることができる材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、およびこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。
【0126】
ここで、有機絶縁膜は、無機絶縁膜に比べて不純物に対するバリア性が低いことが多い。そのため、有機絶縁膜は、表示装置100Aの端部近傍に開口を有することが好ましい。これにより、表示装置100Aの端部から有機絶縁膜を介して不純物が拡散することを抑制することができる。または、有機絶縁膜の端部が表示装置100Aの端部よりも内側に位置するように有機絶縁膜を形成し、表示装置100Aの端部に有機絶縁膜が露出しないようにしてもよい。
【0127】
図10に示す領域228では、絶縁層214に開口が形成されている。これにより、絶縁層214に有機絶縁膜を用いる場合であっても、絶縁層214を介して外部から表示部162に不純物が拡散することを抑制できる。したがって、表示装置100Aの信頼性を高めることができる。
【0128】
トランジスタ201、トランジスタ205、およびトランジスタ206は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、ソースおよびドレインとして機能する導電層222aおよび導電層222b、半導体層231、ゲート絶縁層として機能する絶縁層213、ならびにゲートとして機能する導電層223を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。絶縁層211は、導電層221と半導体層231との間に位置する。絶縁層213は、導電層223と半導体層231との間に位置する。
【0129】
本実施の形態の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトランジスタ、逆スタガ型のトランジスタ等を用いることができる。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルが形成される半導体層の上下にゲートが設けられていてもよい。
【0130】
トランジスタ201、トランジスタ205およびトランジスタ206には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。または、2つのゲートのうち、一方にトランジスタのしきい値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えてもよい。
【0131】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、単結晶半導体、または単結晶以外の結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。単結晶半導体または結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0132】
トランジスタの半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有することが好ましい。または、トランジスタの半導体層は、シリコンを有していてもよい。シリコンとしては、アモルファスシリコン、結晶性のシリコン(低温ポリシリコン、単結晶シリコンなど)などが挙げられる。
【0133】
半導体層は、例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、およびマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、およびスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。
【0134】
特に、半導体層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、および亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。
【0135】
In-M-Zn酸化物をスパッタリング法で成膜する場合、スパッタリングターゲットにおけるInの原子数比は、Mの原子数比以上であることが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8、In:M:Zn=6:1:6、In:M:Zn=5:2:5等が挙げられる。
【0136】
スパッタリングターゲットとしては、多結晶の酸化物を含むターゲットを用いると、結晶性を有する半導体層を形成しやすくなるため好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比は、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、半導体層に用いるスパッタリングターゲットの組成がIn:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]の場合、成膜される半導体層の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]の近傍となる場合がある。
【0137】
なお、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3またはその近傍と記載する場合、Inの原子数比を4としたとき、Gaの原子数比が1以上3以下であり、Znの原子数比が2以上4以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍であると記載する場合、Inの原子数比を5としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が5以上7以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1またはその近傍であると記載する場合、Inの原子数比を1としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が0.1より大きく2以下である場合を含む。
【0138】
回路164aが有するトランジスタおよび表示部162が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。回路164aが有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。同様に、表示部162が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。
【0139】
基板151上で基板152が重ならない領域には、接続部204が設けられている。接続部204では、配線165が導電層166および接続層242を介してFPC172aと電気的に接続されている。接続部204の上面は、画素電極191と同一の導電膜を加工して得られた導電層166が露出している。これにより、接続部204とFPC172aとを接続層242を介して電気的に接続することができる。
【0140】
基板152の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルムなど)、反射防止層、および集光フィルム等が挙げられる。また、基板152の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、衝撃吸収層等を配置してもよい。
【0141】
基板151および基板152には、ガラス、石英、セラミック、サファイア、樹脂などを用いることができる。
【0142】
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
【0143】
接続層242としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
【0144】
発光デバイス190は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型などがある。本発明の一態様では、トップエミッション型とすることが好ましいが、発光デバイス190の光の射出面と、受光デバイス110の光の入射面を同じ向きにすることで、他の構成を適用することもできる。
【0145】
発光デバイス190は、少なくとも発光層193を有する。発光デバイス190は、発光層193以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質またはバイポーラ性の物質(電子輸送性および正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。例えば、共通層112は、正孔注入層および正孔輸送層の一方または双方を有することが好ましい。例えば、共通層114は、電子輸送層および電子注入層の一方または双方を有することが好ましい。
【0146】
共通層112、発光層193および共通層114には低分子系化合物および高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。共通層112、発光層193および共通層114を構成する層は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0147】
発光層193は、発光材料として、量子ドットなどの無機化合物を有していてもよい。
【0148】
受光デバイス110の光電変換層113は、半導体を含む。当該半導体としては、シリコンなどの無機半導体、または有機化合物を含む有機半導体を用いることができる。本実施の形態では、光電変換層113が有する半導体として有機半導体を用いる例を示す。有機半導体を用いることで、発光デバイス190の発光層193と、受光デバイス110の光電変換層113と、を同じ方法(例えば、真空蒸着法)で形成することができ、製造装置を共通化できるため好ましい。
【0149】
光電変換層113が有するn型半導体の材料としては、フラーレン(例えばC60、C70等)またはその誘導体等の電子受容性の有機半導体材料が挙げられる。また、光電変換層113が有するp型半導体の材料としては、銅(II)フタロシアニン(Copper(II) phthalocyanine;CuPc)やテトラフェニルジベンゾペリフランテン(Tetraphenyldibenzoperiflanthene;DBP)、亜鉛フタロシアニン(Zinc Phthalocyanine;ZnPc)等の電子供与性の有機半導体材料が挙げられる。
【0150】
例えば、光電変換層113は、n型半導体とp型半導体とを共蒸着して形成することができる。
【0151】
トランジスタのゲート、ソースおよびドレインのほか、表示装置を構成する各種配線および電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、およびタングステンなどの金属、ならびに、当該金属を主成分とする合金などが挙げられる。これらの材料を含む膜を単層構造または積層構造として用いることができる。
【0152】
また、透光性を有する導電材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いることができる。または、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウムおよびチタンなどの金属材料、ならびに、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすることが好ましい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線、電極などの導電層、および表示素子が有する導電層(画素電極や共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
【0153】
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料が挙げられる。
【0154】
図11Aに表示装置100Bの断面図を示す。表示装置100Bは、保護層195を有する点で主に表示装置100Aと相違している。
【0155】
受光デバイス110および発光デバイス190を覆う保護層195を設けることで、受光デバイス110および発光デバイス190に水などの不純物が拡散することを抑制し、受光デバイス110および発光デバイス190の信頼性を高めることができる。
【0156】
表示装置100Bの端部近傍の領域228において、絶縁層214の開口を介して、絶縁層215と保護層195とが互いに接することが好ましい。特に、絶縁層215が有する無機絶縁膜と保護層195が有する無機絶縁膜とが互いに接することが好ましい。これにより、有機絶縁膜を介して外部から表示部162に不純物が拡散することを抑制することができる。したがって、表示装置100Bの信頼性を高めることができる。
【0157】
図11Bに、保護層195が3層構造である例を示す。保護層195は、共通電極115上の無機絶縁層195aと、無機絶縁層195a上の有機絶縁層195bと、有機絶縁層195b上の無機絶縁層195cを有する。
【0158】
無機絶縁層195aの端部および無機絶縁層195cの端部は、有機絶縁層195bの端部よりも外側に延在し、互いに接している。そして、無機絶縁層195aは、絶縁層214(有機絶縁層)の開口を介して、絶縁層215(無機絶縁層)と接する。これにより、絶縁層215と保護層195とで、受光デバイス110および発光デバイス190を囲うことができるため、受光デバイス110および発光デバイス190の信頼性を高めることができる。
【0159】
このように、保護層195は、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造であってもよい。このとき、有機絶縁膜の端部よりも無機絶縁膜の端部を外側に延在させることが好ましい。
【0160】
また、表示装置100Bでは、保護層195と基板152とが接着層142によって貼り合わされている。接着層142は、受光デバイス110および発光デバイス190とそれぞれ重ねて設けられており、表示装置100Bには、固体封止構造が適用されている。
【0161】
図12Aに表示装置100Cの断面図を示す。表示装置100Cは、トランジスタの構造が異なる点および遮光層148を有さない点で主に表示装置100Bと相違している。
【0162】
表示装置100Cは、基板151上に、トランジスタ208、トランジスタ209およびトランジスタ210を有する。
【0163】
トランジスタ208、トランジスタ209およびトランジスタ210は、ゲートとして機能する導電層221と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211と、チャネル形成領域231iおよび一対の低抵抗領域231nを有する半導体層と、一対の低抵抗領域231nの一方と接続する導電層222aと、一対の低抵抗領域231nの他方と接続する導電層222bと、ゲート絶縁層として機能する絶縁層225と、ゲートとして機能する導電層223と、導電層223を覆う絶縁層215を有する。絶縁層211は、導電層221とチャネル形成領域231iとの間に位置する。絶縁層225は、導電層223とチャネル形成領域231iとの間に位置する。
【0164】
導電層222aおよび導電層222bは、それぞれ、絶縁層225および絶縁層215に設けられた開口を介して低抵抗領域231nと接続される。導電層222aおよび導電層222bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
【0165】
発光デバイス190の画素電極191は、導電層222bを介してトランジスタ208の一対の低抵抗領域231nの一方と電気的に接続される。
【0166】
受光デバイス110の画素電極111は、導電層222bを介してトランジスタ209の一対の低抵抗領域231nの他方と電気的に接続される。
【0167】
図12Aには、絶縁層225が半導体層の上面および側面を覆う例を示している。
図12Bには、絶縁層225が半導体層231のチャネル形成領域231iと重なり、低抵抗領域231nとは重ならない例を示している。例えば、導電層223をマスクとして用いて絶縁層225を加工することで、
図12Bに示す構造を作製できる。
図12Bでは、絶縁層225および導電層223を覆って絶縁層215が設けられ、絶縁層215の開口を介して、導電層222aおよび導電層222bがそれぞれ低抵抗領域231nと接続されている。さらに、トランジスタを覆う絶縁層218を設けてもよい。
【0168】
図13に表示装置100Dの断面図を示す。表示装置100Dは、基板の構成が異なる点で表示装置100Cと主に相違している。
【0169】
表示装置100Dは、基板151および基板152を有さず、基板153、基板154、接着層155および絶縁層212を有する。
【0170】
基板153と絶縁層212とは、接着層155によって貼り合わされている。基板154と保護層195とは、接着層142によって貼り合わされている。
【0171】
表示装置100Dは、作製基板上で形成された絶縁層212、トランジスタ208、トランジスタ209、受光デバイス110および発光デバイス190等を基板153上に転置することで作製される構成である。基板153および基板154は、可撓性を有することが好ましい。これにより、表示装置100Dに可撓性を付与することができる。
【0172】
絶縁層212には、絶縁層211、絶縁層213および絶縁層215に用いることができる無機絶縁膜を用いることができる。または、絶縁層212として、有機絶縁膜と無機絶縁膜の積層膜としてもよい。このとき、トランジスタ209側の膜を無機絶縁膜とすることが好ましい。
【0173】
以上が、表示装置の構成例についての説明である。
【0174】
本実施の形態の表示装置は、表示部に受光デバイスと発光デバイスとを有し、表示部は画像を表示する機能と光を検出する機能との双方を有する。これにより、表示部の外部または表示装置の外部にセンサを設ける場合に比べて、電子機器の小型化および軽量化を図ることができる。また、表示部の外部または表示装置の外部に設けるセンサと組み合わせて、より多機能の電子機器を実現することもできる。
【0175】
受光デバイスは、光電変換層以外の少なくとも一層を、発光デバイス(EL素子)と共通の構成にすることができる。さらには、受光デバイスは、光電変換層以外の全ての層を発光デバイス(EL素子)と共通の構成にしてもよい。例えば、発光デバイスの作製工程に光電変換層を成膜する工程を追加するのみで、発光デバイスと受光デバイスとを同一基板上に形成することができる。また、受光デバイスおよび発光デバイスは、画素電極および共通電極を同一の材料および同一の工程で形成することができる。また、受光デバイスと電気的に接続される回路と発光デバイスと電気的に接続される回路を同一の材料および同一の工程で作製することで、表示装置の作製工程を簡略化できる。このように、複雑な工程を有さなくとも、受光デバイスを内蔵し、利便性の高い表示装置を作製することができる。
【0176】
以下では、トランジスタの半導体層に適用可能な金属酸化物について説明する。
【0177】
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。例えば、亜鉛酸窒化物(ZnON)などの窒素を有する金属酸化物を、半導体層に用いてもよい。
【0178】
なお、本明細書等において、CAAC(c-axis aligned crystal)、およびCAC(Cloud-Aligned Composite)と記載する場合がある。CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能または材料の構成の一例を表す。
【0179】
例えば、半導体層には、CAC(Cloud-Aligned Composite)-OS(Oxide Semiconductor)を用いることができる。
【0180】
CAC-OSまたはCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OSまたはCAC-metal oxideを、トランジスタの半導体層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSまたはCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
【0181】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、導電性領域、および絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
【0182】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
【0183】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OSまたはCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、および高い電界効果移動度を得ることができる。
【0184】
すなわち、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
【0185】
酸化物半導体(金属酸化物)は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、および非晶質酸化物半導体などがある。
【0186】
CAAC-OSはc軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
【0187】
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形および七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することは難しい。すなわち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためである。
【0188】
また、CAAC-OSは、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、および酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
【0189】
CAAC-OSは結晶性の高い金属酸化物である。一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、金属酸化物の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損(VO:oxygen vacancyともいう。)など)の少ない金属酸化物ともいえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
【0190】
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
【0191】
なお、インジウムと、ガリウムと、亜鉛と、を有する金属酸化物の一種である、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(以下、IGZO)は、上述のナノ結晶とすることで安定な構造をとる場合がある。特に、IGZOは、大気中では結晶成長がし難い傾向があるため、大きな結晶(ここでは、数mmの結晶、または数cmの結晶)よりも小さな結晶(例えば、上述のナノ結晶)とする方が、構造的に安定となる場合がある。
【0192】
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する金属酸化物である。a-like OSは、鬆または低密度領域を有する。すなわち、a-like OSは、nc-OSおよびCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
【0193】
酸化物半導体(金属酸化物)は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
【0194】
半導体層として機能する金属酸化物膜は、不活性ガスおよび酸素ガスのいずれか一方または双方を用いたスパッタリング法で成膜することができる。なお、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)に、特に限定はない。ただし、電界効果移動度が高いトランジスタを得る場合においては、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)は、0%以上30%以下が好ましく、5%以上30%以下がより好ましく、7%以上15%以下がさらに好ましい。
【0195】
金属酸化物は、エネルギーギャップが2eV以上であることが好ましく、2.5eV以上であることがより好ましく、3eV以上であることがさらに好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0196】
上記金属酸化物を用いたトランジスタは、数yA/μm(チャネル幅1μmあたりの電流値)という極めて低いオフ電流特性を示すことができる。また、金属酸化物を用いたトランジスタは、インパクトイオン化、アバランシェ降伏、および短チャネル効果などが生じないなどSiを用いたトランジスタとは異なる特徴を有し、信頼性の高い回路を形成することができる。また、Siを用いたトランジスタでは問題となる結晶性の不均一性に起因する電気特性のばらつきも金属酸化物を用いたトランジスタでは生じにくい。
【0197】
金属酸化物膜の成膜時の基板温度は、350℃以下が好ましく、室温以上200℃以下がより好ましく、室温以上130℃以下がさらに好ましい。金属酸化物膜の成膜時の基板温度が室温であると、生産性を高めることができ、好ましい。
【0198】
金属酸化物膜は、スパッタリング法、PLD法、PECVD法、熱CVD法、MOCVD法、ALD法、真空蒸着法などにより形成することができる。
【0199】
以上が、金属酸化物についての説明である。
【0200】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0201】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置が有する画素の回路について説明する。
【0202】
本発明の一態様の表示装置の画素は、副画素11、12、13を有する。副画素11の画素回路PIX1は、可視光を発する発光デバイスを有する。副画素12の画素回路PIX2は、近赤外光を発する発光デバイスを有する。副画素13の画素回路PIX3は、受光デバイスを有する。
【0203】
図14Aに副画素11の画素回路PIX1の一例を示す。画素回路PIX1は、発光デバイスEL1、トランジスタM1、トランジスタM2、トランジスタM3およびキャパシタC1を有する。ここでは、発光デバイスEL1として、発光ダイオードを用いた例を示している。発光デバイスEL1には、可視光を発する有機EL素子を用いることが好ましい。
【0204】
トランジスタM1は、ゲートが配線G1と電気的に接続し、ソースまたはドレインの一方が配線S1と電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が、キャパシタC1の一方の電極およびトランジスタM2のゲートと電気的に接続する。トランジスタM2のソースまたはドレインの一方は配線V2と電気的に接続し、他方は発光デバイスEL1のアノードおよびトランジスタM3のソースまたはドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM3は、ゲートが配線G2と電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が配線V0と電気的に接続する。発光デバイスEL1のカソードは、配線V1と電気的に接続する。
【0205】
配線V1および配線V2には、それぞれ定電位が供給される。発光デバイスEL1のアノード側を高電位、カソード側を低電位にすることで発光を行うことができる。トランジスタM1は、配線G1に供給される信号により制御され、画素回路PIX1の選択状態を制御するための選択トランジスタとして機能する。また、トランジスタM2は、ゲートに供給される電位に応じて発光デバイスEL1に流れる電流を制御する駆動トランジスタとして機能する。
【0206】
トランジスタM1が導通状態のとき、配線S1に供給される電位がトランジスタM2のゲートに供給され、その電位に応じて発光デバイスEL1の発光輝度を制御することができる。トランジスタM3は、配線G2に供給される信号により制御される。これにより、トランジスタM3と発光デバイスEL1との間の電位を配線V0から供給される一定の電位にリセットすることができ、トランジスタM2のソース電位を安定化させた状態でトランジスタM2のゲートへの電位書き込みを行うことができる。
【0207】
図14Bに副画素12の画素回路PIX2の一例を示す。画素回路PIX2は昇圧機能を有する。画素回路PIX2は、発光デバイスEL2、トランジスタM4、トランジスタM5、トランジスタM6、トランジスタM7、キャパシタC2およびキャパシタC3を有する。ここでは、発光デバイスEL2として、発光ダイオードを用いた例を示している。発光デバイスEL2には、近赤外光を発する有機EL素子を用いることが好ましい。画素回路PIX2は、近赤外光を高輝度で発するための昇圧機能を有する。
【0208】
トランジスタM4は、ゲートが配線G1と電気的に接続し、ソースまたはドレインの一方が配線S4と電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が、キャパシタC2の一方の電極、キャパシタC3の一方の電極およびトランジスタM6のゲートと電気的に接続する。トランジスタM5は、ゲートが配線G3と電気的に接続し、ソースまたはドレインの一方が配線S5と電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が、キャパシタC3の他方の電極と電気的に接続する。
【0209】
トランジスタM6のソースまたはドレインの一方は配線V2と電気的に接続し、他方は、発光デバイスEL2のアノードおよびトランジスタM7のソースまたはドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM7は、ゲートが配線G2と電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が配線V0と電気的に接続する。発光デバイスEL2のカソードは、配線V1と電気的に接続する。
【0210】
トランジスタM4は、配線G1に供給される信号により制御され、トランジスタM5は配線G3に供給される信号により制御される。トランジスタM6は、ゲートに供給される電位に応じて発光デバイスEL2に流れる電流を制御する駆動トランジスタとして機能する。
【0211】
トランジスタM6のゲートに供給された電位に応じて発光デバイスEL2の発光輝度を制御することができる。トランジスタM7は、配線G2に供給される信号により制御される。トランジスタM6と発光デバイスEL2との間の電位を配線V0から供給される一定の電位にリセットすることができ、トランジスタM6のソース電位を安定化させた状態でトランジスタM6のゲートへの電位書き込みを行うことができる。また、配線V0から供給される電位を配線V1と同じ電位、または配線V1よりも低い電位とすることで発光デバイスEL2の発光を抑えることができる。
【0212】
画素回路PIX2では、発光デバイスEL2の発光強度を高めるため、トランジスタM6のゲートに高い電圧を供給することが好ましい。以下に、画素回路PIX2が有する昇圧機能を説明する。
【0213】
まず、トランジスタM6のゲートにトランジスタM4を介して配線S4の電位“D1”を供給し、これと重なるタイミングでキャパシタC3の他方の電極にトランジスタM5を介して基準電位“Vref”を供給する。このとき、キャパシタC3には“D1-Vref”が保持される。次に、トランジスタM6のゲートをフローティングとし、トランジスタM5を介してキャパシタC3の他方の電極に配線S5の電位“D2”を供給する。ここで、電位“D2”は加算用の電位である。
【0214】
このとき、キャパシタC3の容量値をC3、キャパシタC2の容量値をC2、トランジスタM6のゲートの容量値をCM6とすると、トランジスタM6のゲートの電位は、D1+(C3/(C3+C2+CM6))×(D2-Vref))となる。ここで、C3の値がC2+CM6の値より十分に大きい場合を想定すると、C3/(C3+C2+CM6)は1に近似する。したがって、トランジスタM6のゲートの電位は“D1+(D2-Vref)”に近似するといえる。そして、D1=D2であって、Vref=0であれば、“D1+(D2-Vref))”=“2D1”となる。
【0215】
つまり、回路を適切に設計すれば、配線S4またはS5から入力できる電位の約2倍の電位をトランジスタM6のゲートに供給できることになる。
【0216】
当該作用により、汎用のドライバICを用いても高い電圧を生成することができる。したがって、発光デバイスEL2を高輝度で発光させることができる。
【0217】
また、画素回路PIX2は、
図14Cに示す構成であってもよい。
図14Cに示す画素回路PIX2は、トランジスタM8を有する点が
図14Bに示す画素回路PIX2と異なる。トランジスタM8のゲートは配線G1と電気的に接続され、ソースまたはドレインの一方はトランジスタM5のソースまたはドレインの他方およびキャパシタC3の他方の電極と電気的に接続され、ソースまたはドレインの他方は配線V0と電気的に接続される。また、トランジスタM5のソースまたはドレインの一方は、配線S4と接続される。
【0218】
図14Bに示す画素回路PIX2では、上述したようにトランジスタM5を介して基準電位および加算用の電位をキャパシタC3の他方の電極に供給する動作が行われる。この場合、配線S4、S5の2本が必要であり、配線S5では基準電位と加算用の電位を交互に書き換える必要がある。
【0219】
図14Cに示す画素回路PIX2では、トランジスタM8は増えるが、基準電位を供給する専用の経路が設けられるため、配線S5を削減することができる。また、トランジスタM8のゲートは配線G1と接続することができ、基準電位を供給する配線には配線V0を用いることができるため、トランジスタM8と接続する配線は増加しない。また、一つの配線で基準電位と加算用の電位を交互に書き換えることがないため、低消費電力で高速動作が可能である。
【0220】
なお、
図14B、
図14Cでは、基準電位“V
ref”として“D1”の反転電位“D1B”を用いてもよい。この場合は、配線S4またはS5から入力できる電位の約3倍の電位をトランジスタM6のゲートに供給できることになる。なお、反転電位とは、ある基準電位との差の絶対値が同じ(または概略同じ)であって、元の電位とは異なる電位を意味する。元の電位を“D1”、反転電位を“D1B”、基準電位をV
0とするとき、V
0=(D1+D1B)/2の関係であればよい。
【0221】
なお、画素回路PIX1の回路で発光デバイスEL2を発光させる構成を副画素12に用いることもできる。
【0222】
本実施の形態の表示装置では、発光デバイスをパルス状に発光させることで、画像を表示してもよい。発光デバイスの駆動時間を短縮することで、表示装置の消費電力の低減、および発熱の抑制を図ることができる。特に、有機EL素子は周波数特性が優れているため、好適である。周波数は、例えば、1kHz以上100MHz以下とすることができる。
【0223】
図14Dに、副画素13の画素回路PIX3の一例を示す。画素回路PIX3、受光デバイスPD、トランジスタM9、トランジスタM10、トランジスタM11、トランジスタM12およびキャパシタC4を有する。ここでは、受光デバイスPDとして、フォトダイオードを用いた例を示している。
【0224】
受光デバイスPDは、アノードが配線V1と電気的に接続し、カソードがトランジスタM9のソースまたはドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM9は、ゲートが配線G4と電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方がキャパシタC4の一方の電極、トランジスタM10のソースまたはドレインの一方およびトランジスタM11のゲートと電気的に接続する。トランジスタM10は、ゲートが配線G5と電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が配線V2と電気的に接続する。トランジスタM11は、ソースまたはドレインの一方が配線V3と電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方がトランジスタM12のソースまたはドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM12は、ゲートが配線G6と電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が配線OUTと電気的に接続する。
【0225】
配線V1、配線V2および配線V3には、それぞれ定電位が供給される。受光デバイスPDを逆バイアスで駆動させる場合には、配線V2に、配線V1の電位よりも高い電位を供給する。トランジスタM10は、配線G5に供給される信号により制御され、トランジスタM11のゲートに接続するノードの電位を配線V2に供給される電位にリセットする機能を有する。トランジスタM9は、配線G4に供給される信号により制御され、受光デバイスPDに流れる電流に応じて上記ノードの電位が変化するタイミングを制御する機能を有する。トランジスタM11は、上記ノードの電位に応じた出力を行う増幅トランジスタとして機能する。トランジスタM12は、配線G6に供給される信号により制御され、上記ノードの電位に応じた出力を配線OUTに接続する外部回路で読み出すための選択トランジスタとして機能する。
【0226】
ここで、画素回路PIX1乃至PIX3が有するトランジスタM1乃至M12には、それぞれチャネルが形成される半導体層に金属酸化物(酸化物半導体)を用いたトランジスタを適用することが好ましい。
【0227】
シリコンよりもバンドギャップが広く、かつキャリア密度の小さい金属酸化物を用いたトランジスタは、極めて小さいオフ電流を実現することができる。そのため、その小さいオフ電流により、トランジスタと直列に接続されたキャパシタに蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。
【0228】
そのため、特にキャパシタC1、キャパシタC2、キャパシタC3またはキャパシタC4にソースまたはドレインの一方または他方が接続されるトランジスタM1、トランジスタM4、トランジスタM5、トランジスタM8、トランジスタM9およびトランジスタM10には、酸化物半導体が適用されたトランジスタを用いることが好ましい。副画素13に酸化物半導体が適用されたトランジスタを用いることで、回路構成や動作方法を複雑にすることなく、全画素で同時に電荷の蓄積動作を行うグローバルシャッタ方式を適用することができる。
【0229】
また、これ以外のトランジスタも同様に酸化物半導体を適用したトランジスタを用いることで、作製コストを低減することができる。
【0230】
また、トランジスタM1乃至M12に、チャネルが形成される半導体にシリコンを適用したトランジスタを用いることもできる。特に単結晶シリコンや多結晶シリコンなどの結晶性の高いシリコンを用いることで、高い電界効果移動度を実現することができ、より高速な動作が可能となるため好ましい。
【0231】
また、トランジスタM1乃至M12のうち、一つ以上に酸化物半導体を適用したトランジスタを用い、それ以外にシリコンを適用したトランジスタを用いる構成としてもよい。
【0232】
なお、
図14A乃至
図14Dにおいては、nチャネル型のトランジスタを用いた例を図示しているが、pチャネル型のトランジスタを用いることもできる。
【0233】
画素回路PIX1が有するトランジスタ、画素回路PIX2が有するトランジスタおよび画素回路PIX3が有するトランジスタは、同一基板上に並べて形成されることが好ましい。また、画素回路PIX1乃至PIX3に接続される配線のうち、
図14A乃至
図14Dにおいて共通の符号で示されている配線は、共通配線としてもよい。
【0234】
また、受光デバイスPD、発光デバイスEL1または発光デバイスEL2と重なる位置に、トランジスタおよびキャパシタの一方または双方を有する層を1つまたは複数設けることが好ましい。これにより、各画素回路の実効的な占有面積を小さくでき、高精細な受光部または表示部を実現できる。
【0235】
図15は、画素10に含まれる副画素11(副画素11R、副画素11G、副画素11B)、副画素12、副画素13の回路図の例である。配線G1乃至G3は、ゲートドライバ(
図1、回路16)と電気的に接続することができる。また、配線G4乃至G6は、ロードライバ(
図1、回路18)と電気的に接続することができる。配線S1乃至S4は、ソースドライバ(
図1、回路15)と電気的に接続することができる。配線OUTは、カラムドライバ(
図1、回路17)および読み出し回路(
図1、回路19)と電気的に接続することができる。
【0236】
配線V0乃至V3には定電位を供給する電源回路を電気的に接続することができ、配線V0、V1には低電位、配線V2、V3には高電位を供給することができる。なお、配線S4は、ソースドライバではなく、定電位を供給する回路と電気的に接続されていてもよい。また、配線V2および配線V3は共通であってもよい。
【0237】
また、
図16に示すように、副画素13の受光デバイスPDのカソードを配線V1に電気的に接続し、トランジスタM10のソースまたはドレインの他方を配線V4に電気的に接続する構成としてもよい。このとき、配線V4は、配線V1に供給される電位よりも低い電位を供給することができる。
【0238】
本発明の一態様では、副画素11、副画素12、副画素13で電源線などを共有することができる。
【0239】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0240】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について説明する。
【0241】
本実施の形態の電子機器は、本発明の一態様の表示装置を有する。例えば、電子機器の表示部に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の表示装置は、光を検出する機能を有するため、接触、非接触を問わず入力動作を行うことができる。また、表示部の撮像機能を利用して生体認証を行うことができる。これにより、電子機器の機能性や利便性などを高めることができる。
【0242】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、などが挙げられる。
【0243】
本実施の形態の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
【0244】
本実施の形態の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
【0245】
図17Aに示す電子機器6500は、スマートフォンとして用いることのできる携帯情報端末機である。
【0246】
電子機器6500は、筐体6501、表示部6502、電源ボタン6503、ボタン6504、スピーカ6505、マイク6506、カメラ6507、および光源6508等を有する。表示部6502はタッチパネル機能を備える。
【0247】
表示部6502に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0248】
図17Bは、筐体6501のマイク6506側の端部を含む断面概略図である。
【0249】
筐体6501の表示面側には透光性を有する保護部材6510が設けられ、筐体6501と保護部材6510に囲まれた空間内に、表示パネル6511、光学部材6512、タッチセンサパネル6513、プリント基板6517、バッテリ6518等が配置されている。
【0250】
保護部材6510には、表示パネル6511、光学部材6512、およびタッチセンサパネル6513が接着層(図示しない)により固定されている。なお、表示パネル6511には本発明の一態様の表示装置を適用することができ、当該表示装置のセンサ機能のみを用いる場合は、タッチセンサパネル6513を省いてもよい。
【0251】
表示部6502よりも外側の領域において、表示パネル6511の一部が折り返されており、当該折り返された部分にFPC6515が接続されている。FPC6515には、IC6516が実装されている。FPC6515は、プリント基板6517に設けられた端子に接続されている。
【0252】
表示パネル6511には本発明の一態様の可撓性を有する表示装置を適用することができる。そのため、極めて軽量な電子機器を実現できる。また、表示パネル6511が極めて薄いため、電子機器の厚さを抑えつつ、大容量のバッテリ6518を搭載することもできる。また、表示パネル6511の一部を折り返して、画素部の裏側にFPC6515との接続部を配置することにより、狭額縁の電子機器を実現できる。
【0253】
図18Aにテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
【0254】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0255】
図18Aに示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。または、表示部7000に備えたタッチセンサまたはニアタッチセンサを機能させ、指等を表示部7000に触れる、または近づけることでテレビジョン装置7100を操作してもよい。リモコン操作機7111は、リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キーまたはタッチパネルにより、チャンネルおよび音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
【0256】
なお、テレビジョン装置7100は、受信機およびモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0257】
図18Bに、ノート型パーソナルコンピュータの一例を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込まれている。
【0258】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0259】
【0260】
図18Cに示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、およびスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
【0261】
図18Dは円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を有する。
【0262】
図18C、
図18Dにおいて、表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0263】
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
【0264】
表示部7000に備えられたタッチセンサ、ニアタッチセンサを機能させることで、表示部7000に画像または動画を表示するだけでなく、ユーザーの直感的な操作が可能となる。また、路線情報もしくは交通情報などの情報を取得するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
【0265】
また、
図18C、
図18Dに示すように、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400は、ユーザーが所持するスマートフォン等の情報端末機7311または情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311または情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311または情報端末機7411を操作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
【0266】
また、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311または情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数のユーザーが同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
【0267】
図19A乃至
図19Fに示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
【0268】
図19A乃至
図19Fに示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して処理する機能、等を有することができる。なお、電子機器の機能はこれらに限られず、様々な機能を有することができる。電子機器は、複数の表示部を有していてもよい。また、電子機器にカメラ等を設け、静止画や動画を撮影し、記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
【0269】
図19A乃至
図19Fに示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図19A乃至
図19Fに示す電子機器に本発明の一態様の表示装置を用いることで、非接触でも入力動作が可能となる。
【0270】
図19Aは、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えばスマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。
図19Aでは3つのアイコン9050を表示した例を示している。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することもできる。情報9051の一例としては、電子メール、SNS、電話などの着信の通知、電子メールやSNSなどの題名、送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報9051が表示されている位置にはアイコン9050などを表示してもよい。
【0271】
図19Bは、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えばユーザーは、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示された情報9053を確認することもできる。ユーザーは、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく表示を確認し、例えば電話を受けるか否かを判断できる。
【0272】
図19Cは、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、例えばスマートウォッチとして用いることができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006により、他の情報端末と相互にデータ伝送を行うことや、充電を行うこともできる。なお、充電動作は無線給電により行ってもよい。
【0273】
図19D、
図19E、
図19Fは、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、
図19Dは携帯情報端末9201を展開した状態、
図19Fは折り畳んだ状態、
図19Eは
図19Dと
図19Fの一方から他方に変化する途中の状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。例えば、表示部9001は、曲率半径0.1mm以上150mm以下で曲げることができる。
【0274】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0275】
10:画素、11:副画素、11B:副画素、11G:副画素、11R:副画素、12:副画素、13:副画素、14:画素アレイ、15:回路、16:回路、17:回路、18:回路、19:回路、20:光源、21:光、22:光、23a:光、23b:反射光、23c:光、23d:反射光、41:トランジスタ、42:トランジスタ、50A:表示装置、50B:表示装置、50C:表示装置、50D:表示装置、50E:表示装置、60:対象物、100A:表示装置、100B:表示装置、100C:表示装置、100D:表示装置、110:受光デバイス、111:画素電極、112:共通層、113:光電変換層、114:共通層、115:共通電極、142:接着層、143:空間、148:遮光層、149:フィルタ、151:基板、152:基板、153:基板、154:基板、155:接着層、162:表示部、164a:回路、164b:回路、165:配線、165a:配線、165b:配線、166:導電層、172a:FPC、172b:FPC、173a:IC、173b:IC、180:発光デバイス、182:バッファ層、183:発光層、184:バッファ層、190:発光デバイス、191:画素電極、192:バッファ層、193:発光層、194:バッファ層、195:保護層、195a:無機絶縁層、195b:有機絶縁層、195c:無機絶縁層、201:トランジスタ、204:接続部、205:トランジスタ、206:トランジスタ、208:トランジスタ、209:トランジスタ、210:トランジスタ、211:絶縁層、212:絶縁層、213:絶縁層、214:絶縁層、215:絶縁層、216:隔壁、217:隔壁、218:絶縁層、221:導電層、222a:導電層、222b:導電層、223:導電層、225:絶縁層、228:領域、231:半導体層、231i:チャネル形成領域、231n:低抵抗領域、242:接続層、6500:電子機器、6501:筐体、6502:表示部、6503:電源ボタン、6504:ボタン、6505:スピーカ、6506:マイク、6507:カメラ、6508:光源、6510:保護部材、6511:表示パネル、6512:光学部材、6513:タッチセンサパネル、6515:FPC、6516:IC、6517:プリント基板、6518:バッテリ、7000:表示部、7100:テレビジョン装置、7101:筐体、7103:スタンド、7111:リモコン操作機、7200:ノート型パーソナルコンピュータ、7211:筐体、7212:キーボード、7213:ポインティングデバイス、7214:外部接続ポート、7300:デジタルサイネージ、7301:筐体、7303:スピーカ、7311:情報端末機、7400:デジタルサイネージ、7401:柱、7411:情報端末機、9000:筐体、9001:表示部、9003:スピーカ、9005:操作キー、9006:接続端子、9007:センサ、9008:マイクロフォン、9050:アイコン、9051:情報、9052:情報、9053:情報、9054:情報、9055:ヒンジ、9101:携帯情報端末、9102:携帯情報端末、9200:携帯情報端末、9201:携帯情報端末