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特許7566123バッテリーパック、自動車及び電力貯蔵システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】バッテリーパック、自動車及び電力貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/291 20210101AFI20241004BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/251 20210101ALI20241004BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/262 E
H01M50/271 S
H01M50/271 Z
H01M50/289 101
H01M50/211
H01M50/249
H01M50/251
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023501307
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 KR2022001528
(87)【国際公開番号】W WO2022169207
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0017092
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャン-ヒョン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ-ジン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ビュン-ド・ジャン
【審査官】川口 陽己
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/143178(WO,A1)
【文献】特表2019-525398(JP,A)
【文献】特表2022-500824(JP,A)
【文献】特開2020-087912(JP,A)
【文献】特開2021-007090(JP,A)
【文献】特開平11-096983(JP,A)
【文献】特開2015-028937(JP,A)
【文献】国際公開第2018/230390(WO,A1)
【文献】中国実用新案第207719287(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルを備える少なくともつのバッテリーモジュール、
少なくともつの前記バッテリーモジュールを搭載するように構成され、水平方向に延びるモジュール搭載部と、前記バッテリーモジュールの側部をカバーするように前記モジュール搭載部の外周部から上方に延びるサイドカバー部と、を備えるパックトレイ、
前記パックトレイに搭載された状態で位置決めされ、前記少なくとも二つのバッテリーモジュールの間に介設されたクロスビーム、および
前記モジュール搭載部及び前記サイドカバー部の少なくともいずれか一方と結合され、前記バッテリーモジュールの片側設けられ、複数の貫通孔が形成され、前記バッテリーモジュールが膨張したときに前記バッテリーモジュールの一面を阻止するように構成された少なくとも一つのサイドプレートであって、前記バッテリーモジュールに関して前記クロスビームの反対側に配置されたサイドプレート
を含むことを特徴とするバッテリーパック。
【請求項2】
複数の電池セルを備える少なくとも一つのバッテリーモジュール、
少なくとも一つの前記バッテリーモジュールを搭載するように構成され、水平方向に延びるモジュール搭載部と、前記バッテリーモジュールの側部をカバーするように前記モジュール搭載部の外周部から上方に延びるサイドカバー部と、を備えるパックトレイ、および
前記モジュール搭載部及び前記サイドカバー部の少なくともいずれか一方と結合され、前記バッテリーモジュールの片側又は両側に設けられ、複数の貫通孔が形成され、前記バッテリーモジュールが膨張したときに前記バッテリーモジュールの少なくとも一面を阻止するように構成された少なくとも一つのサイドプレート、
を含み、
前記バッテリーモジュールは、前記バッテリーモジュールの上部をカバーするように水平方向に延び、一部分が前記サイドプレートの上端と結合するように構成された上部カバーをさらに備え、
前記サイドプレートは、下部が前記モジュール搭載部に結合されることを特徴とするバッテリーパック。
【請求項3】
前記サイドプレート及び前記上部カバーには、それぞれ、互いに対向する位置に形成された複数の第1締結溝及び複数の第1ボルト孔が形成されることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
複数の電池セルを備える少なくとも一つのバッテリーモジュール、
少なくとも一つの前記バッテリーモジュールを搭載するように構成され、水平方向に延びるモジュール搭載部と、前記バッテリーモジュールの側部をカバーするように前記モジュール搭載部の外周部から上方に延びるサイドカバー部と、を備えるパックトレイ、および
前記モジュール搭載部及び前記サイドカバー部の少なくともいずれか一方と結合され、前記バッテリーモジュールの片側又は両側に設けられ、複数の貫通孔が形成され、前記バッテリーモジュールが膨張したときに前記バッテリーモジュールの少なくとも一面を阻止するように構成された少なくとも一つのサイドプレート、
を含み、
前記サイドプレートは、下端に一定の深さで凹んだ複数の第2締結溝が形成され、
前記モジュール搭載部は、前記複数の第2締結溝と対向する位置に複数の第2ボルト孔が形成されることを特徴とするバッテリーパック。
【請求項5】
複数の電池セルを備える少なくとも一つのバッテリーモジュール、
少なくとも一つの前記バッテリーモジュールを搭載するように構成され、水平方向に延びるモジュール搭載部と、前記バッテリーモジュールの側部をカバーするように前記モジュール搭載部の外周部から上方に延びるサイドカバー部と、を備えるパックトレイ、および
前記モジュール搭載部及び前記サイドカバー部の少なくともいずれか一方と結合され、前記バッテリーモジュールの片側又は両側に設けられ、複数の貫通孔が形成され、前記バッテリーモジュールが膨張したときに前記バッテリーモジュールの少なくとも一面を阻止するように構成された少なくとも一つのサイドプレート、
を含み、
前記サイドプレートは、下端に一定の深さで上方に凹んだ複数の固定溝が形成され、
前記モジュール搭載部は、一部分が前記複数の固定溝のそれぞれに挿入され、前記バッテリーモジュールへの前記サイドプレートの移動を阻止するように構成された複数の固定突出部を有することを特徴とするバッテリーパック。
【請求項6】
前記複数の固定突出部は、厚さが前記バッテリーモジュールが位置する方向と反対の方向に向けて徐々に大きくなるように構成されることを特徴とする請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
複数の電池セルを備える少なくとも一つのバッテリーモジュール、
少なくとも一つの前記バッテリーモジュールを搭載するように構成され、水平方向に延びるモジュール搭載部と、前記バッテリーモジュールの側部をカバーするように前記モジュール搭載部の外周部から上方に延びるサイドカバー部と、を備えるパックトレイ、および
前記モジュール搭載部及び前記サイドカバー部の少なくともいずれか一方と結合され、前記バッテリーモジュールの片側又は両側に設けられ、複数の貫通孔が形成され、前記バッテリーモジュールが膨張したときに前記バッテリーモジュールの少なくとも一面を阻止するように構成された少なくとも一つのサイドプレート、
を含み、
前記パックトレイは、
それぞれが前記サイドプレートに形成された複数の貫通孔に挿入され、前記サイドプレートを前記バッテリーモジュールに向かって支持するように構成された複数の支持突起を備えることを特徴とするバッテリーパック。
【請求項8】
前記支持突起は、厚さが前記バッテリーモジュールが位置する方向と反対の方向に向けて徐々に大きくなる形状を有することを特徴とする請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記貫通孔の断面はハニカム形状を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ含むことを特徴とする自動車。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ含むことを特徴とする電力貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック、自動車及び電力貯蔵システムに関し、より詳細には、電池セルのスウェリング現象を抑制し、耐久性を効果的に高めることができるバッテリーパックに関する。
【0002】
本出願は、2021年2月5日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0017092号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などの携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、繰り返し充放電が可能な高性能二次電池についての研究が盛んに行われている。
【0004】
現在商用化されている二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などが挙げられるが、中でも、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらないので、充放電を自由に行うことができ、自己放電率が非常に低く、しかも、エネルギー密度の高いという長所を有することから脚光を浴びている。
【0005】
この種のリチウム二次電池は、主としてリチウム系酸化物及び炭素材をそれぞれ正極活物質及び負極活物質として用いる。また、このようなリチウム二次電池は、正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを間に挟んで配置された電極組立体と、このような電極組立体を電解液と一緒に封入する外装材、すなわち、電池パウチ外装材と、を備える。
【0006】
また、リチウム電池セルは、外装材の形状に応じて、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型電池セルと、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型電池セルとに分類することができる。
【0007】
特に、最近、バッテリーパックから電源を供給されて作動する電動モーターの回転力により移動する移動手段や移動装置などが増えている。このような移動手段や移動装置などに適用されるバッテリーパックの需要も高まっている。
【0008】
中大型バッテリーモジュールは、サイズと重量を可能な限り小さく製造することが望ましいため、高い集積度で積み重ね可能であり、且つ容量対比重量が小さい角形電池、パウチ型二次電池などが中大型のバッテリーモジュールの電池セルとして主に使用されている。
【0009】
図1は、従来技術のパウチ型二次電池を複数備えたセルアセンブリの様子を概略的に示す斜視図である。
【0010】
図1を参照すると、パウチ型二次電池11は、アルミニウムラミネートシート等からなる外装ケースを有することにより、重量が小さく、製造コストが低く、外装ケースが柔軟な材料で構成されており、変形しやすいなどのメリットから、様々な形状の収納空間への適用が容易である。また、前記パウチ型二次電池11は、前後方向の両端部のそれぞれに電極リード11aを備えることができる。また、バッテリーモジュールを製造するために、複数のパウチ型二次電池11を互いに密着させて積層してセルアセンブリ12を構成する場合、空間活用性が高く、バッテリーモジュールが体積当たり高いエネルギー密度(集積度)を有することができる。
【0011】
しかしながら、このようなバッテリーモジュールは、内部に充放電可能なパウチ型二次電池11を内蔵しているので、バッテリーモジュールの充放電の過程で多くの熱が必然的に発生し、このように高温にさらされたパウチ型二次電池11は、電解質の一部が気化したり、副反応が起きたりして内部で多量のガスが発生する。パウチ型二次電池11の体積が膨張するスウェリング現象(swelling phenomenon:膨潤現象)が発生する。
【0012】
図2及び図3は、従来技術のセルアセンブリを内部に収容したバッテリーモジュールがスウェリング(体積膨張)される様子を概略的に示す正面図である。
【0013】
図1と共に図2及び図3に示すように、従来技術のバッテリーモジュール10は、上述したスウェリング現象が発生した場合、パウチ型二次電池11が積層されて構成されたセルアセンブリ12の全体の大きさが膨張するにつれて、モジュールケース20の内面を外部方向に押し付ける。このような押圧力により、モジュールケース20の一部が外側に膨らんで突出するなどの変形が発生した。さらに、このように、モジュールケース20がセルアセンブリ12の体積膨張を効果的に阻止しない場合、スウェリング現象を抑制できず、パウチ型二次電池11内でより多くのガスが発生し、電解質の液漏れが生じるなど、問題がさらに深刻化している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、電池セルのスウェリング現象(膨潤現象)を効果的に抑制し、耐久性を効果的に高めることができるバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0015】
本発明の他の目的及び利点は、下記の説明によって理解されることができ、本発明の実施形態によってなお一層明らかに分かる筈である。さらに、本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に開示されている手段及びその組み合わせによって実現することができるということが容易に理解できる筈である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記のような目的を達成するための本発明によるバッテリーパックは、
複数の電池セルを備える少なくとも一つのバッテリーモジュールと、
少なくとも一つの前記バッテリーモジュールを搭載するように構成され、水平方向に延びるモジュール搭載部と、前記バッテリーモジュールの側部をカバーするように前記モジュール搭載部の外周部から上部に延びるサイドカバー部と、を備えるパックトレイと、
前記モジュール搭載部及び前記サイドカバー部の少なくともいずれか一方と結合され、前記バッテリーモジュールの一側又は両側に設けられ、複数の貫通孔が形成され、前記バッテリーモジュールが膨張する場合、前記バッテリーモジュールの少なくとも一面を阻止するように構成された少なくとも一つのサイドプレートを含む。
【0017】
また、前記バッテリーモジュールは、前記バッテリーモジュールの上部をカバーするように水平方向に延び、一部分が前記サイドプレートの上端と結合するように構成された上部カバーをさらに備え、
前記サイドプレートは、下部が前記モジュール搭載部に結合され得る。
【0018】
さらに、前記サイドプレート及び前記上部カバーには、それぞれ、互いに対向する位置に形成された複数の第1締結溝及び複数の第1ボルト孔が形成され得る。
【0019】
さらにまた、前記サイドプレートは、下端に一定の深さで凹んだ複数の第2締結溝が形成され、
前記モジュール搭載部は、前記複数の第2締結溝と対向する位置に複数の第2ボルト孔が形成され得る。
【0020】
さらにまた、前記サイドプレートは、下端に一定の深さで上方に凹んだ複数の固定溝が形成され、
前記モジュール搭載部は、一部分が前記複数の固定溝のそれぞれに挿入され、前記バッテリーモジュールへの前記サイドプレートの移動を阻止するように構成された複数の固定突出部を有し得る。
【0021】
さらにまた、前記複数の固定突出部は、厚さが前記バッテリーモジュールと対向する方向に向けて徐々に大きくなるように構成され得る。
【0022】
さらにまた、前記パックトレイは、それぞれが前記サイドプレートに形成された複数の貫通孔に挿入され、前記サイドプレートを前記バッテリーモジュールに向かって支持するように構成された複数の支持突起を備え得る。
【0023】
さらにまた、前記支持突起は、厚さが前記バッテリーモジュールと対向する方向に向けて徐々に大きくなる形状を有し得る。
【0024】
さらにまた、本発明の他の態様において、前記貫通孔の断面はハニカム形状を有し得る。
【0025】
また、上記のような目的を達成するための本発明による自動車は、前記バッテリーパックを少なくとも一つ含む。
【0026】
さらに、上記のような目的を達成するための本発明による電力貯蔵システムは、前記バッテリーパックを少なくとも一つ含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一態様によれば、本発明のバッテリーパックは、バッテリーモジュールの少なくとも一面を阻止するように構成された少なくとも一つのサイドプレートを含み、その結果、バッテリーモジュールに内蔵された複数の電池セルのスウェリング現象が発生した場合、バッテリーモジュールの片側又は両側の体積変化を効果的に阻止できることから、スウェリング現象の深化を抑制でき、バッテリーモジュールの外観の変形を防止できる。究極的には、本発明は、バッテリーパックの耐久性を効果的に高めることができる。
【0028】
本発明の他の一態様によれば、本発明では、サイドプレートの下端に複数の固定溝を形成し、モジュール搭載部に、サイドプレートの外側方向への移動を阻止するように構成された複数の固定突出部を設けることにより、サイドプレートをモジュール搭載部に安定して固定することができる。さらに、サイドプレートは、バッテリーモジュールの変形を阻止するために、サイドプレートの左方向(X軸の負方向)への移動を防止することができる。これにより、本発明は、バッテリーパックの耐久性を効果的に高めることができる。
【0029】
本発明のさらに他の一態様によれば、本発明では、パックトレイに複数の支持突起を形成し、複数の支持突起が、サイドプレートに形成された複数の貫通孔に挿入されるように構成することにより、バッテリーモジュールの体積膨張が発生した場合、貫通孔と支持突起との雌雄結合構造により、サイドプレートの外側方向への移動を効果的に阻止することができ、これによりバッテリーモジュールの体積膨張を抑制することができる。
【0030】
また、複数の支持突起は、厚さが、外側方向(スウェリング方向)に向かって次第に厚くなる形状を有しており、くさびが溝に打ち込まれている結合構造のように、サイドプレートが外側に押し付けられるほど支持突起がサイドプレートの貫通孔にしっかりと嵌まり、より大きな力でサイドプレートの移動を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
この明細書に添付される次の図面は、本発明の好適な一実施形態を例示するものにすぎず、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術的思想をなお一層理解しやすくする役割を果たすものであるため、本発明は、そのような図面に記載されている事項にのみ限定されて解釈されてはならない。
【0032】
図1】従来技術のパウチ型二次電池を複数備えたセルアセンブリの様子を概略的に示す斜視図である。
図2】従来技術のセルアセンブリを内部に収容したバッテリーモジュールがスウェリング(体積膨張)される様子を概略的に示す正面図である。
図3】従来技術のセルアセンブリを内部に収容したバッテリーモジュールがスウェリング(体積膨張)される様子を概略的に示す正面図である。
図4】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部の構成要素の様子を概略的に示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態によるバッテリーパックのサイドプレートの様子を概略的に示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態によるバッテリーパックのサイドプレートの様子を概略的に示す底面斜視図である。
図8】本発明の一実施形態によるバッテリーパックのパックトレイの様子を概略的に示す平面図である。
図9】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部を概略的に示す部分垂直断面図である。
図10】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの一部の構成要素の様子を概略的に示す部分斜視図である。
図11図10の一部領域を大きく拡大した様子を概略的に示す部分拡大図である。
図12】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックのパックトレイの一部の様子を概略的に示す部分斜視図である。
図13】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックのパックトレイ及びサイドプレートの様子を概略的に示す分離斜視図である。
図14】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックのパックトレイ及びサイドプレートの一部の様子を概略的に示す部分断面図である。
図15】本発明の一実施形態による自動車の様子を概略的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面に基づいて、本発明による好適な実施形態について詳しく説明する。これに先立って、この明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則を踏まえて、本発明の技術的な思想に見合う意味及び概念として解釈されなければならない。
【0034】
よって、この明細書に記載の実施形態と図面に示されている構成は、本発明の最も好適な一部の実施形態に過ぎないものであり、本発明の技術的な思想をいずれも代弁するものではないため、本発明の出願時点においてこれらに代替できる様々な均等物と変形例があり得るということを理解しなければならない。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示す斜視図である。また、図5は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部の構成要素の様子を概略的に示す斜視図である。参考までに、図中、X軸は左右方向、Y軸は前後方向、Z軸は上下方向をそれぞれ意味する。
【0036】
図4及び図5を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック100は、少なくとも一つのバッテリーモジュール110、パックトレイ120、及び少なくとも一つのサイドプレート130を含む。
【0037】
具体的に、前記バッテリーモジュール110は、複数の電池セル(不図示)を備えていてもよい。前記複数の電池セルは、例えば、左右方向(X軸方向)に積層された形態で配置されてもよい。より具体的に、前記電池セルは、パウチ型二次電池であってもよい。例えば、前記複数の電池セルは、電極組立体、電解液、電極リード、パウチ外装材等を含んでいてもよい。前記パウチ外装材は、前記電極組立体を内部に収容するように構成されてもよい。また、前記パウチ外装材は、外部物質が内部に入らないように封止されてもよい。また、前記パウチ外装材は、電池セルの充放電中、副反応が起こってガスが発生した場合、内部圧力に応じて形態が変形できるように柔軟な素材を備えていてもよい。例えば、図示されていないが、前記パウチ外装材は、詳細には、内側シーラント層、金属箔バリア層、及び外側絶縁層が内部から外部に向かって順に積層されたラミネートシート(sheet)であってもよい。
【0038】
このようなパウチ型二次電池は、一般的に知られている技術であるため、パウチ型二次電池の構成についての具体的な説明は省略する。しかし、本発明の電池セルは、パウチ型二次電池に必ずしも限定されるものではなく、充放電中にセルケースが体積膨張(スウェリング)可能な電池セルであれば、他の形態やタイプの電池セルをも適用可能である。
【0039】
また、前記パックトレイ120は、モジュール搭載部121とサイドカバー部122とを備えていてもよい。具体的に、前記モジュール搭載部121は、少なくとも一つの前記バッテリーモジュール110を搭載するように構成されてもよい。例えば、図4に示すように、前記パックトレイ120のモジュール搭載部121には4つのバッテリーモジュール110が搭載されてもよい。前記バッテリーパック100は、クロスビーム150をさらに含んでいてもよい。前記クロスビーム150は、前後方向(Y軸方向)に延びる形状を有してもよい。前記クロスビーム150は、ボルト締結方式で前記パックトレイ120に搭載された状態で位置決めされてもよい。また、前記クロスビーム150は、前記バッテリーモジュール110の間に介設されてもよい。すなわち、前記クロスビーム150は、前記バッテリーモジュール110の一方の側(右側)または他方の側(左側)を支持する役割を果たすことができる。
【0040】
前記モジュール搭載部121は、パックトレイ120の底部を形成するように水平方向(X軸方向、Y軸方向)に延びるプレート形状を有してもよい。ここで、「水平方向」とは、地面と平行な方向であればよい。前記パックトレイ120は、優れた機械的剛性を有する金属を備えてもよい。前記サイドカバー部122は、前記バッテリーモジュール110の側部をカバーするように構成されてもよい。例えば、図5に示すように、前記サイドカバー部122は、前記バッテリーモジュール110の前側、後側、左側及び右側をカバーするように構成されてもよい。前記サイドカバー部122は、前記モジュール搭載部121の外周部から上方向(Z軸方向)に延びた部分であってもよい。前記サイドカバー部122は、前記モジュール搭載部121の外周部(縁)に沿って延びた形態であってもよい。
【0041】
図6は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックのサイドプレートの様子を概略的に示す斜視図である。また、図7は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックのサイドプレートの様子を概略的に示す底面斜視図である。
【0042】
図5と共に図6及び図7を参照すると、前記サイドプレート130は、前記バッテリーモジュール110が膨張したときに、前記バッテリーモジュール110の少なくとも一面を阻止するように構成されてもよい。前記サイドプレート130は、前記バッテリーモジュール110の一側(右側または左側)または両側(左右側)に設けられてもよい。例えば、図5に示すように、本発明のバッテリーパック100は、4つのサイドプレート130を備えていてもよい。前記4つのサイドプレート130は、4つのバッテリーモジュール110のそれぞれの左側または右側に設けられてもよい。
【0043】
例えば、前記サイドプレート130は、前記バッテリーモジュール110の一側に密着した状態で位置決めされてもよい。前記サイドプレート130には、複数の貫通孔H1が形成されてもよい。例えば、前記貫通孔H1は、垂直断面がハニカム形状であってもよい。これにより、本発明のサイドプレート130には、ハニカム形状の貫通孔H1が複数形成されるので、本発明のサイドプレート130は、複数の円形の貫通孔H1が形成された同一素材及び同じ重量のサイドプレート130と比較して、優れた機械的剛性を有することができる。特に、ハニカム形状の貫通孔H1構造により、前記サイドプレート130に前記貫通孔H1の貫通方向(X軸方向)への変形抵抗性を付与することができるので、バッテリーモジュール110のスウェリング現象が発生すると、より大きな力でバッテリーモジュール110の変形を抑えることができる。また、このようなハニカム形状を呈するので、温度変化、熱、ねじり、外部圧縮に対して高い抵抗性を有することができる。
【0044】
例えば、ハニカム形状を有するサイドプレート130は、従来のサイドプレートに比べて表面積が大きいため、パウチ型二次電池11で発生した熱を外部に放出するのに効果的である。すなわち、本発明の一実施形態によるサイドプレート130は、放熱の面で有利である。
【0045】
また、前記サイドプレート130は、押出工程により製造され得る。具体的に、サイドプレート130の製造方法は、前記サイドプレート130に複数の貫通孔H1を形成するために、前記貫通孔H1の貫通方向(X軸方向)に長く押し出して金属母材を製造するステップと、前記金属母材を前記貫通方向(X軸方向)に所定間隔で垂直方向に切断して多数のサイドプレート130を製造するステップと、を含んでいてもよい。これにより、本発明のバッテリーパック100のサイドプレート130は、押出工程により製造されるため、プレス製造方法や金型成形製造方法に比べて、機械的剛性に優れ、製造過程が単純で少ない時間で多数のサイドプレート130を製造することができるので、バッテリーパック100の製造および固定の効率を高めることができる。すなわち、このような方法によれば、サイドプレート130の大量生産が可能となる。
【0046】
さらに、前記サイドプレート130は、アルミニウム合金素材を備えてもよい。例えば、アルミニウム合金素材を備えたサイドプレート130は、同じ重量のスチール素材を備えたサイドプレート130と比較して、より優れた機械的剛性を有することができる。
【0047】
また、前記サイドプレート130は、前記モジュール搭載部121及び前記サイドカバー部122の少なくともいずれか一方と結合されてもよい。例えば、前記サイドプレート130は、前記モジュール搭載部121及び前記サイドカバー部122の少なくともいずれか一方と機械的に結合されてもよい。例えば、結合方式は、溶接、雌雄結合締結、または別個の固定部材によって結合されてもよい。これについては、以下の説明でより詳細に説明する。
【0048】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記バッテリーモジュール110の少なくとも一面を阻止するように構成された少なくとも一つのサイドプレート130を含み、その結果、バッテリーモジュール110に内蔵された複数の電池セルのスウェリング現象が発生した場合、バッテリーモジュール110の片側又は両側の体積変化を効果的に阻止できることから、スウェリング現象の深化を抑制でき、バッテリーモジュール110の外観の変形を防止できる。究極的には、本発明は、バッテリーパック100の耐久性を効果的に高めることができる。
【0049】
図4乃至図7に戻ると、本発明のバッテリーモジュール110は、上部カバー140をさらに含んでいてもよい。前記上部カバー140は、前記バッテリーモジュール110の上部をカバーするように水平方向に延びるプレート形状を有してもよい。前記上部カバー140は、一部分が前記サイドプレート130の上端と結合するように構成されてもよい。前記上部カバー140の縁部は、前記サイドプレート130の上端と溶接またはボルト締結されてもよい。例えば、前記上部カバー140の左側端及び右側端は、それぞれ左側に位置するサイドプレート130及び右側に位置するサイドプレート130とボルト締結されてもよい。
【0050】
さらに、前記サイドプレート130は、下部が前記モジュール搭載部121に結合されてもよい。前記サイドプレート130の下部は、前記モジュール搭載部121に溶接されてもよく、または前記モジュール搭載部121とボルト締結されてもよい。
【0051】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記サイドプレート130の上部と結合する上部カバー140を備えることにより、前記サイドプレート130が前記バッテリーモジュール110の変形を阻止できるように前記サイドプレート130の位置を安定して固定することができる。さらに、本発明は、前記サイドプレート130の下部を前記パックトレイ120の前記モジュール搭載部121に結合することにより、前記サイドプレート130が前記バッテリーモジュール110の変形を阻止できるように前記サイドプレート130の位置を安定して固定することができる。究極的には、本発明は、バッテリーパック100の耐久性を効果的に高めることができる。
【0052】
図4と共に図6及び図7を参照すると、前記サイドプレート130は、上部及び下部のそれぞれに複数の第1締結溝G1及び第2締結溝G2が形成されてもよい。前記第1締結溝G1は、所定の深さで凹んだ空間を有していてもよい。前記凹んだ空間にねじ山が形成されてもよい。すなわち、前記第1締結溝G1にはボルトBが挿入され、前記ボルトBの端部が固定されてもよい。前記上部カバー140には、前記複数の第1締結溝G1のそれぞれと対向する位置に複数の第1ボルト孔T1が形成されてもよい。前記第1ボルト孔T1は、前記ボルトBの胴体が貫通するように構成されてもよい。また、前記第1ボルト孔T1の周辺部には、前記ボルトBの頭部が結合されてもよい。すなわち、前記ボルトBが前記上部カバー140の第1ボルト孔T1に挿入され、前記ボルトBの下端部が前記サイドプレート130の上端に形成された前記第1締結溝G1に挿入して螺合されてもよい。換言すれば、前記サイドプレート130と前記上部カバー140とはボルト締結されてもよい。
【0053】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明では、前記サイドプレート130の第1締結溝G1と前記上部カバー140の第1ボルト孔T1とを互いにボルト締結することにより、前記サイドプレート130を安定して位置決めすることができ、その結果、前記サイドプレート130が前記バッテリーモジュール110の変形を効果的に阻止することができる。
【0054】
図8は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックのパックトレイの様子を概略的に示す平面図である。また、図9は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部を概略的に示す部分垂直断面図である。
【0055】
再び図6及び図7と共に図8及び図9を参照すると、前記第2締結溝G2は、所定の深さで凹んで空間を有していてもよい。前記第2締結溝G2の凹んだ空間にはねじ山が形成されてもよい。すなわち、前記第2締結溝G2にはボルトBが挿入され、前記ボルトBの端部が固定されてもよい。前記パックトレイ120の前記モジュール搭載部121は、前記複数の第2締結溝G2のそれぞれと互いに対向する位置に複数の第2ボルト孔T2が形成されてもよい。前記第2ボルト孔T2は、前記ボルトBの胴体が貫通するように構成されてもよい。また、前記第2ボルト孔T2の周縁部には、前記ボルトBの頭部が結合されてもよい。すなわち、前記ボルトBが前記モジュール搭載部121の第2ボルト孔T2に挿入され、前記ボルトBの下端部が、前記サイドプレート130の下端に形成された前記第2締結溝G2に挿入されて螺合されてもよい。言い換えれば、前記サイドプレート130と前記パックトレイ120の前記モジュール搭載部121とはボルト締結されてもよい。
【0056】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明では、前記サイドプレート130の第2締結溝G2と前記パックトレイ120の前記モジュール搭載部121の第2ボルト孔T2とを、互いにボルト締結することにより、前記サイドプレート130を安定して位置決めすることができ、その結果、前記サイドプレート130が前記バッテリーモジュール110の変形を効果的に阻止することができる。
【0057】
図10は、本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの一部の構成要素の様子を概略的に示す部分斜視図である。図11は、図10の一部領域を大きく拡大した様子を概略的に示す部分拡大図である。なお、図12は、本発明の他の実施形態によるバッテリーパックのパックトレイの一部の様子を概略的に示す部分斜視図である。
【0058】
図5及び図7と共に図10乃至図12を参照すると、本発明の他の実施形態によるバッテリーパック100は、図4のバッテリーパック100のパックトレイ120と比較して、第2ボルト孔T2が形成されなくてもよい。代わりに、図10のバッテリーパック100のパックトレイ120には、複数の固定突出部123が形成されてもよい。その他の構成は、図4のバッテリーパック100と同じであるため、他の構成についての説明は省略する。
【0059】
図10のバッテリーパック100のサイドプレート130は、下端に一定の深さで上方に凹んだ複数の固定溝P3が形成されてもよい。前記複数の固定溝P3は、前記サイドプレート130の長手方向に沿って所定間隔を隔てて配置されてもよい。
【0060】
また、前記モジュール搭載部121には、複数の固定突出部123が形成されてもよい。前記複数の固定突出部123は、前記バッテリーモジュール110への前記サイドプレート130の移動を阻止するように構成されてもよい。前記複数の固定突出部123のそれぞれは、一部分123bが前記複数の固定溝P3のそれぞれに挿入されるように構成されてもよい。また、前記固定突出部123は、他の一部分123aが前記サイドプレート130の外部方向への移動を阻止するために前記サイドプレート130の外側面を支持するように構成されてもよい。例えば、図11に示すように、前記パックトレイ120の前記モジュール搭載部121には、上方に突出した複数の固定突出部123が形成されてもよい。前記固定突出部123の一部分は、前記サイドプレート130の外側面(左側面)を取り囲むように他の部分よりも突出した形状を有してもよい。
【0061】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記サイドプレート130の下端に複数の固定溝P3が形成され、前記モジュール搭載部121には、前記サイドプレート130の外側への移動を阻止するように構成された複数の固定突出部123が設けられることにより、前記サイドプレート130を前記モジュール搭載部121に安定して固定することができる。さらに、前記複数の固定突出部123は、前記バッテリーモジュール110の変形を阻止できるように、前記サイドプレート130の左方向(X軸の負方向)への移動を防止することができる。これにより、本発明は、バッテリーパックの耐久性を効果的に高めることができる。
【0062】
再び図5と共に図10乃至図12を参照すると、本発明の他の実施形態によるバッテリーパック100の前記複数の固定突出部123は、前記サイドプレート130の固定溝P3に挿入されるように構成された一部分123bの厚さが、前記バッテリーモジュール110と対向する方向に向けて徐々に大きくなるように構成されてもよい。例えば、前記固定突出部123は、厚さが、前記バッテリーモジュール110が位置する方向とは反対方向(図10のX軸の負方向)に徐々に大きくなるように形成されてもよい。すなわち、前記サイドプレート130の下端に形成された固定溝P3に前記固定突出部123が挿入された状態で、前記バッテリーモジュール110の体積膨張が発生した場合、前記固定溝P3と前記固定突出部123との結合構造により、スウェリング現象が深刻化するほど、前記サイドプレート130がより強い力で前記バッテリーモジュール110の体積膨張を阻止することができる。
【0063】
換言すると、前記固定突出部123の外側方向(X軸の負方向)に向かって厚さが徐々に増していく形状は、くさび形状と同様であるため、前記サイドプレート130が外側に向かって押し付けられるほど前記固定突出部123が前記サイドプレート130の固定溝P3にしっかりと嵌まり、より大きな力でサイドプレート130の移動を阻止することができる。さらに、このようにサイドプレート130を所定の距離の移動を許容しつつ、サイドプレート130の移動が大きくなるにつれてより大きな力で移動を阻止する方法は、前述のボルト締結方法のような前記サイドプレート130の移動を完全に制限する方法と比較すると、前記サイドプレート130に蓄積される疲労を軽減することができる。これにより、図10のサイドプレート130は、図5のサイドプレート130に比べて、疲労の蓄積が少なく、機械的耐久性を高めることができるので、相対的にスウェリングの強い力によっても壊れたり破損したりすることがない。よって、バッテリーパック100の耐久性を効果的に高めることができる。
【0064】
図13は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックのパックトレイ及びサイドプレートの様子を概略的に示す分離斜視図である。図14は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックのパックトレイ及びサイドプレートの一部の様子を概略的に示す部分断面図である。
【0065】
図4と共に図13及び図14を参照すると、図5のバッテリーパック100と比較して、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパック100には、パックトレイ120の第2ボルト孔T2が形成されていない代わりに、複数の支持突起124がさらに形成されてもよい。図13のバッテリーパック100のその他の構成は、図5のバッテリーパック100と同じであるため、他の構成についての説明は省略する。
【0066】
図13のバッテリーパック100は、パックトレイ120に複数の支持突起124が形成されてもよい。前記複数の支持突起124は、前記サイドプレート130を前記バッテリーモジュール110に向かって支持するように構成されてもよい。前記複数の支持突起124のそれぞれは、前記サイドプレート130に形成された複数の貫通孔H1に挿入されるように、前記複数の貫通孔H1と対向する位置に形成されてもよい。前記複数の支持突起124は、前記サイドプレート130に向かって突出していてもよい。前記支持突起124は、水平方向(X軸方向)に長く延びる形状を有してもよい。前記支持突起124は、六角柱形状を有してもよい。
【0067】
また、前記複数の支持突起124は、前記サイドプレート130の移動が大きくなるほど、より大きな力で移動を阻止するように構成されてもよい。前記支持突起124は、厚さが、前記バッテリーモジュール110と対向する方向に向けて徐々に大きくなる形状を有してもよい。すなわち、前記支持突起124は、突出した端部に近づくほど突起の厚さが徐々に小さくなるように形成されてもよい。すなわち、前記支持突起124は、台形の水平断面積を有してもよい。
【0068】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明では、複数の支持突起124を前記パックトレイ120に形成し、前記複数の支持突起124が、前記サイドプレート130に形成された複数の貫通孔H1に挿入されるように構成することにより、前記バッテリーモジュール110の体積膨張が発生した場合、前記貫通孔H1と前記支持突起124との雌雄結合構造により、前記サイドプレート130の外側方向への移動を効果的に阻止することができ、これにより前記バッテリーモジュール110の体積膨張を抑制することができる。
【0069】
また、前記複数の支持突起124は、厚さが、外側方向(スウェリング方向)に向かって次第に厚くなる形状を有しており、くさびが溝に挟まれている結合構造のように、前記サイドプレート130が外側に押し付けられるほど前記支持突起124が前記サイドプレート130の貫通孔H1の内部にしっかりと嵌まり、より大きな力で前記サイドプレート130の移動を阻止することができる。
【0070】
さらに、このようにサイドプレート130を所定の距離の移動を許容しつつ、サイドプレート130の移動が大きくなるにつれてより大きな力で移動を阻止する方式は、前述のボルト締結方法のような前記サイドプレート130の移動を完全に制限する方法と比較すると、前記サイドプレート130に蓄積される疲労を軽減することができる。これにより、図13のサイドプレート130は、図5のサイドプレート130に比べて、疲労の蓄積が少なく、機械的耐久性を高めることができので、相対的にスウェリングの強い力によっても壊れたり破損したりすることがない。よって、バッテリーパック100の耐久性を効果的に高めることができる。
【0071】
さらにまた、前記バッテリーパック100は、前記複数の電池セルの充放電を制御するように構成されたバッテリー管理システム(BMS)モジュール(図示せず)をさらに含んでいてもよい。一方、本発明の一実施形態による電力貯蔵システム(図示せず)は、上述したバッテリーパック100を少なくとも一つ含む。ここで、電力貯蔵システムは、複数のバッテリーパック100を搭載するラックケースを備えていてもよい。
【0072】
図15は、本発明の一実施形態による自動車の様子を概略的に示す側面図である。
【0073】
図15を参照すると、本発明の一実施形態による自動車200は、上述したバッテリーパック100を少なくとも一つ含む。前記自動車は、複数のバッテリーパック100を収納するための収納空間を有する装着部をさらに含んでいてもよい。例えば、前記バッテリーパック100は、車体に搭載されてもよい。例えば、前記自動車は、バッテリーパック100の電源を電動モーターに供給することによって移動力を発生させ、この移動力を用いて移動するすべての装置を指すことができる。例えば、前記自動車は、電気自動車、電動自転車、電動自転車、または電動キックボードなどであってもよい。
【0074】
一方、この明細書においては、上、下、左、右、前、後などといったように、方向を示す用語が用いられているが、これらの用語は単なる説明のしやすさのためのものに過ぎず、対象となる物事の位置や観測者の位置などに応じて異なってくる可能性があるということは本発明の当業者にとって明らかである。
【0075】
以上、本発明については、たとえ限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術的な思想と後述する特許請求の範囲の均等な範囲内において様々な修正及び変形を加えることが可能であるということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0076】
100 バッテリーパック
10、110 バッテリーモジュール
11 パウチ型二次電池(電池セル)
20 モジュールケース
120 パックトレイ
121 モジュール搭載部
122 サイドカバー部
130 サイドプレート
H1 貫通孔
140 上部カバー
150 クロスビーム
G1 第1締結溝
G2 第2締結溝
T1 第1ボルト孔
T2 第2ボルト孔
P3 固定溝
123 固定突出部
124 支持突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15