(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】多並列バッテリーセルを含むバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/503 20210101AFI20241004BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20241004BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20241004BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20241004BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20241004BHJP
H01M 50/509 20210101ALI20241004BHJP
H01M 50/51 20210101ALI20241004BHJP
H01M 50/512 20210101ALI20241004BHJP
H01M 50/516 20210101ALI20241004BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20241004BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241004BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20241004BHJP
H01M 10/627 20140101ALI20241004BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20241004BHJP
H01M 10/6551 20140101ALI20241004BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20241004BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20241004BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20241004BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M50/204 401H
H01M50/213
H01M50/271 S
H01M50/507
H01M50/509
H01M50/51
H01M50/512
H01M50/516
H01M50/55 201
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/627
H01M10/643
H01M10/6551
H01M10/6554
H01M10/6556
H01M10/6568
(21)【出願番号】P 2023512209
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 KR2021013402
(87)【国際公開番号】W WO2022145636
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0185308
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ハン-ヨン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ス・ソン
(72)【発明者】
【氏名】クン-ジュ・ヤン
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-516273(JP,A)
【文献】国際公開第2019/044724(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0067060(US,A1)
【文献】特開2006-244982(JP,A)
【文献】国際公開第2011/092782(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/20
H01M 10/44
H01M 10/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上キャップが上部に向かうように立てられた円筒型バッテリーセルと、前記円筒型バッテリーセルを直列及び並列に接続するバスバーユニットと、を含むバッテリーモジュールであって、
前記円筒型バッテリーセルは、
二列以上に配置される第1円筒型バッテリーセルから構成された第1バンクセル群と、
前記第1バンクセル群と平行する第1方向へ二列以上に配置される第2円筒型バッテリーセルから構成された第2バンクセル群と、を含み、
前記バスバーユニットは、
前記第1バンクセル群の上部に配置され、各前記第1円筒型バッテリーセルの正極と電気的に接続される第1端子バスバーと、
前記第2バンクセル群の上部に配置され、各前記第2円筒型バッテリーセルの負極と電気的に接続される第2端子バスバーと、
前記第1バンクセル群及び前記第2バンクセル群の上部に配置され、各前記第1円筒型バッテリーセルの負極及び各前記第2円筒型バッテリーセルの正極と電気的に接続されるフィッシュボーンバスバーと、
前記円筒型バッテリーセルの下端部を挿入可能に上下方向へ貫通して形成された貫通孔を備える下部フレームと、前記円筒型バッテリーセルをカバーし、前記下部フレームの上部に結合する上部フレームと、を備えるセルケースと、を含
み、
前記上部フレームは、前記円筒型バッテリーセルの上部をカバーする上板部を含み、
前記上板部は、
下部の各前記円筒型バッテリーセルの上キャップが位置する領域が穿孔されて形成された正極接続口と、
下部の各前記円筒型バッテリーセルにおいて電池缶の上端の周縁が位置する領域が穿孔されて形成された負極接続口と、を含むことを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記フィッシュボーンバスバーは、
前記第1バンクセル群と前記第2バンクセル群との間で第1方向へ延びる骨格部と、
相互に所定の間隔で離隔し、前記骨格部から前記第1方向に交差する方向へ延びる複数個の第1枝部と、
相互に所定の間隔で離隔し、前記骨格部から前記複数個の第1枝部と反対方向へ延びる複数個の第2枝部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記第1端子バスバーは、前記第1円筒型バッテリーセルの列と列の間に前記複数個の第1枝部と交互に延びる複数個の第3枝部を備え、
前記第2端子バスバーは、前記第2円筒型バッテリーセルの列と列の間に前記複数個の第2枝部と交互に延びる複数個の第4枝部を備えることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
各前記第1円筒型バッテリーセルの上キャップは、前記複数個の第3枝部にワイヤボンディングされ、各前記第1円筒型バッテリーセルにおいて電池缶の上端は、前記複数個の第1枝部にワイヤボンディングされ、
各前記第2円筒型バッテリーセルの上キャップは、前記複数個の第2枝部にワイヤボンディングされ、各前記第2円筒型バッテリーセルにおいて電池缶の上端は、前記複数個の第4枝部にワイヤボンディングされたことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記上部フレームは、前記上板部の表面から上方へ突出するように形成されたバスバー取付ガイドを含み、
前記バスバー取付ガイドは、前記第1円筒型バッテリーセル及び前記第2円筒型バッテリーセルの上部で前記第1方向へ二列以上が配置され、
前記バスバー取付ガイドは、前記正極接続口及び前記負極接続口と同じ列毎に一つ以上が備えられることを特徴とする、請求項
1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記下部フレームと前記上部フレームの各々は、コーナー領域とセンター領域に上下方向へ貫通して形成されたブッシングホールと、前記ブッシングホールに介在されるブッシングと、を含むことを特徴とする、請求項
1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記下部フレームの下部に配置される放熱ユニットをさらに含み、
前記放熱ユニットは、
前記下部フレームの下部に配置される金属素材の冷却プレートと、
前記冷却プレートの上面に配置される絶縁シートと、
前記絶縁シートと各円筒型バッテリーセルの下面との間に介在される接着シートと、
前記冷却プレートの下面に配置される熱伝導性物質と、を含むことを特徴とする、請求項
1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
請求項
7に記載のバッテリーモジュール二つと、
内部に冷却水が流動する流路を備えるヒートシンクと、を含み、
該二つのバッテリーモジュールは、前記ヒートシンクを挟んで上下対称に層状で配置され、上部に位置した前記バッテリーモジュールの放熱ユニットは、前記ヒートシンクの上面に接触し、下部に位置した前記バッテリーモジュールの放熱ユニットは、前記ヒートシンクの下面に接触するように設けられたことを特徴とする、バッテリーモジュール積層体。
【請求項9】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを一つ以上含む、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュールに関し、より詳しくは、多並列バッテリーセルの電気的な接続構造を効率化したバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2020年12月28日出願の韓国特許出願第10-2020-0185308号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充放電が可能な電池をいい、携帯電話、PDA、ノートブックPCなどの小型先端電子機器分野だけではなく、エネルギー貯蔵システム(ESS)、電気自動車(EV)またはハイブリッド自動車(HEV)のエネルギー源として使用されている。
【0004】
現在、一つの二次電池(セル)では、電気自動車を駆動するに足る出力が得られない。電気車のエネルギー源として二次電池を適用するためには、複数個の二次電池セルを直列及び/または並列で接続したバッテリーモジュールを構成しなければならず、通常、直列形態で前記バッテリーモジュールを接続し、それを機能的に維持させるBMS(Battery Management System,バッテリーマネジメントシステム)と冷却システム、BDU(Battery Disconnection Unit,バッテリーディスコネクトシステム)などを含むバッテリーパックを構成する。
【0005】
一方、リチウムイオン電池セルは、電池ケースの種類によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池に分けられ得る。そして、缶型二次電池は、さらに金属缶の形態によって円筒型電池と角形電池に分けられ得る。このような角形または円筒型電池の外装材は、開放端が形成されたケース、即ち、電池缶及び電池缶の開放端に密封結合する上キャップを備える。
【0006】
前記円筒型電池を使用してバッテリーモジュールを構成する場合、例えば、
図1のように、一つのバンク(並列の集まり)の円筒型電池1を一列ずつ並べて配置し、一つのバンクと隣接する他の一つのバンクとの間に一字型のバスバー2を配置する。そして、一つのバンクに属する各円筒型電池1の上キャップ1a(正極)を前記バスバー2にワイヤWボンディングし、他の一つのバンクに属する各円筒型電池1の電池缶の上端1b(負極)を前記バスバー2にワイヤWボンディングして二つのバンクを直列に接続する。
【0007】
ところが、一つのバンクに属する円筒型電池1の個数が少ない場合は、上記のような接続方式が可能であるが、一つのバンクに属する円筒型電池1の個数が非常に多い場合、一つのバンクの長さが余りに長くなり、予め決めたバッテリーモジュールの寸法を超えてしまい、円筒型電池セルの配置及び電気的接続構成が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、一つのバンクに複数の円筒型バッテリーセルが含まれていても、予め決めたバッテリーモジュールの寸法内で円筒型バッテリーセルを配置し、バンク同士を直列に接続可能な多並列バッテリーセルを含むバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を達成するために、本発明の一実施形態によれば、上キャップが上部に向かうように立てられた円筒型バッテリーセルと、前記円筒型バッテリーセルを直列及び並列に接続するバスバーユニットと、を含み、記円筒型バッテリーセルは、二列以上に配置される第1円筒型バッテリーセルから構成された第1バンクセル群と、前記第1バンクセル群と平行する第1方向へ二列以上に配置される第2円筒型バッテリーセルから構成された第2バンクセル群と、を含み、前記バスバーユニットは、前記第1バンクセル群の上部に配置され、各前記第1円筒型バッテリーセルの正極と電気的に接続される第1端子バスバーと、前記第2バンクセル群の上部に配置され、各前記第2円筒型バッテリーセルの負極と電気的に接続される第2端子バスバーと、前記第1バンクセル群及び前記第2バンクセル群の上部に配置され、各前記第1円筒型バッテリーセルの負極及び各前記第2円筒型バッテリーセルの正極と電気的に接続されるフィッシュボーンバスバーと、を含むバッテリーモジュールが提供され得る。
【0011】
前記フィッシュボーンバスバーは、前記第1バンクセル群と前記第2バンクセル群との間で第1方向へ延びる骨格部と、相互に所定の間隔で離隔し、前記骨格部から前記第1方向に交差する方向へ延びる複数個の第1枝部と、相互に所定の間隔で離隔し、前記骨格部から前記複数個の第1枝部と反対方向へ延びる複数個の第2枝部と、を含み得る。
【0012】
前記第1端子バスバーは、前記第1円筒型バッテリーセルの列と列の間に前記複数個の第1枝部と交互に延びる複数個の第3枝部を備え、前記第2端子バスバーは、前記第2円筒型バッテリーセルの列と列の間に前記複数個の第2枝部と交互に延びる複数個の第4枝部を備え得る。
【0013】
各前記第1円筒型バッテリーセルの上キャップは、前記複数個の第3枝部にワイヤボンディングされ、各前記第1円筒型バッテリーセルにおいて電池缶の上端は、前記複数個の第1枝部にワイヤボンディングされ、各前記第2円筒型バッテリーセルの上キャップは、前記複数個の第2枝部にワイヤボンディングされ、各前記第2円筒型バッテリーセルにおいて電池缶の上端は、前記複数個の第4枝部にワイヤボンディングされ得る。
【0014】
前記円筒型バッテリーセルの下端部を挿入可能に上下方向へ貫通して形成された貫通孔を備える下部フレームと、前記円筒型バッテリーセルをカバーし、前記下部フレームの上部に結合する上部フレームと、を備えるセルケースをさらに含み得る。
【0015】
前記上部フレームは、前記円筒型バッテリーセルの上部をカバーする上板部を含み、前記上板部は、その下部の各前記円筒型バッテリーセルの上キャップが位置する領域が穿孔されて形成された正極接続口と、その下部に各前記円筒型バッテリーセルにおいて電池缶の上端の周縁が位置する領域が穿孔されて形成された負極接続口と、を含み得る。
【0016】
前記上部フレームは、前記上板部の表面から上方へ突出するように形成されたバスバー取付ガイドを含み、前記バスバー取付ガイドは、前記第1円筒型バッテリーセル及び前記第2円筒型バッテリーセルの上部で前記第1方向へ二列以上が配置され、前記正極接続口及び前記負極接続口と同じ列毎に一つ以上が備えられ得る。
【0017】
前記下部フレームと前記上部フレームの各々は、コーナー領域とセンター領域に上下方向へ貫通して形成されたブッシングホールと、前記ブッシングホールに介在されるブッシングと、を含み得る。
【0018】
前記下部フレームの下部に配置される放熱ユニットをさらに含み、前記放熱ユニットは、前記下部フレームの下部に配置される金属素材の冷却プレートと、前記冷却プレートの上面に配置される絶縁シートと、前記絶縁シートと各円筒型バッテリーセルの下面との間に介在される接着シートと、前記冷却プレートの下面に配置される熱伝導性物質と、を含み得る。
【0019】
本発明の他の様態によれば、前記バッテリーモジュール二つと、内部に冷却水が流動する流路を備えるヒートシンクを含み、前記二つのバッテリーモジュールは、前記ヒートシンクを挟んで上下対称に層状で配置され、上部に位置した前記バッテリーモジュールの放熱ユニットは、前記ヒートシンクの上面に接触し、下部に位置した前記バッテリーモジュールの放熱ユニットは、前記ヒートシンクの下面に接触するように設けられたバッテリーモジュール積層が提供され得る。
【0020】
本発明のさらに他の様態によれば、前述したバッテリーモジュールまたは前述したバッテリーモジュール積層体を一つ以上含むバッテリーパックが提供され得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一面によれば、複数の円筒型バッテリーセルを二列以上に配置して一つのバンクに属する円筒型バッテリーセルをバッテリーモジュールの寸法許容範囲で効率的に配置し、フィッシュボーンバスバーを用いてバンク同士を直列に接続した多並列の円筒型バッテリーセルを含むバッテリーモジュールを提供することができる。
【0022】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】従来技術によるバッテリーモジュールの円筒型バッテリーセルの電気的接続構成を概略的に示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの概略的な斜視図である。
【
図3】
図2のバッテリーモジュールにおいてバスバーユニットを分離した図である。
【
図4】
図2のバッテリーモジュールの分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールのワイヤボンディング状態を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの切開斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール積層体を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0025】
本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであり、図面における構成要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張または省略されるか、概略的に示されることがある。したがって、各構成要素の大きさや割合は、実際の大きさや割合を全的に反映することではない。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの概略的な斜視図であり、
図3は、
図2のバッテリーモジュールにおいてバスバーユニットを分離した図であり、
図4は、
図2のバッテリーモジュールの分解斜視図である。
【0027】
これら図面を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール10は、缶型のバッテリーセル100A、100B、バスバーユニット200、セルケース300及び放熱ユニット400を含む。
【0028】
前記缶型のバッテリーセルは円筒型バッテリーセル100A、100Bであり得る。前記円筒型バッテリーセル100A、100Bは、円筒状の電池缶102の中に電解液と電極組立体を入れて電池缶102の上部開放端に上キャップ101を配置し、電池缶102の上部開放端をクリンピング(crimping)して密封する過程によって製作され得る。
【0029】
円筒型バッテリーセル100A、100Bの電極組立体は、正極と負極との間に分離膜を介した状態でゼリーロール型に巻き取った構造となっており、正極には正極タブが取り付けられ、前記正極タブは上キャップ101に接続される。負極板には負極タブが取り付けられ、電池缶102の下端に接続される。したがって、通常の円筒型バッテリーセル100A、100Bは、上キャップ101が正極端子として機能し、電池缶102が負極端子として機能できる。
【0030】
本実施形態は、缶型バッテリーセルであって、円筒型バッテリーセル100A、100Bを採用しているが、直方体形状の角形バッテリーセルに代替可能である。参考までに、角形バッテリーセルは、円筒型バッテリーセル100A、100Bとは逆に上キャップ101が負極端子として機能し、電池缶102が正極端子として機能するように構成され得る。
【0031】
前記円筒型バッテリーセル100A、100Bは、バッテリーモジュール10に要求される出力及び容量に応じて直列及び/または並列に接続され得る。バッテリーモジュール10の電気的接続構成を表すに際し、直列に接続されたバンクの数と、各バンクに属する円筒型バッテリーセル100A、100Bの個数をnS/mP(n≧1の自然数、m≧2の自然数)で表す。ここで、バンク(bank)とは、互いに並列に接続された円筒型バッテリーセル100A、100Bの集合体を意味する。
【0032】
本実施形態によるバッテリーモジュール10は、バンクが二つであり、各バンクに含まれた円筒型バッテリーセル100A、100Bが約60~70個であり、バンク間の直列接続の数に比べて一つのバンクに属する円筒型バッテリーセル100A、100Bが相対的に多い。
【0033】
前記円筒型バッテリーセル100A、100Bは、
図4のように、第1バンクセル群B1と第2バンクセル群B2に分けられる。前記第1バンクセル群B1は、二列以上に配置される第1円筒型バッテリーセル100Aを含み、前記第2バンクセル群B2は、前記第1バンクセル群B1と平行な第1方向(X軸方向)へ二列以上に配置される第2円筒型バッテリーセル100Bを含む。
【0034】
第1バンクセル群B1は、第1円筒型バッテリーセル100Aが16列に構成され、各列当たり3~5個の第1円筒型バッテリーセル100Aが含まれ得る。例えば、前記第1バンクセル群B1に属する第1円筒型バッテリーセル100Aを全て一列に並べると仮定すると、バッテリーモジュール10に要求される寸法を超えるようになるが、本実施形態のように構成すると、一つのバンクに属する円筒型バッテリーセル100A、100Bをバッテリーモジュール10の寸法範囲内で配置可能である。
【0035】
第2バンクセル群B2は、第2円筒型バッテリーセル100Bが16列から構成され、各熱当たり3~5個の第2円筒型バッテリーセル100Bが含まれ得る。前記第2円筒型バッテリーセル100Bは、前記第1円筒型バッテリーセル100Aと平行に第1方向(X軸方向)に沿って配列され、各列は互いに隣接して配置され得る。
【0036】
前記バスバーユニット200は、各円筒型バッテリーセル100A、100Bを通電させるために、例えば、銅などのような金属からなる構成要素として、第1端子バスバー210、第2端子バスバー220及びフィッシュボーンバスバー230を含む。
【0037】
前記第1端子バスバー210は、前記第1バンクセル群B1の上部に配置され、各前記第1円筒型バッテリーセル100Aの正極と電気的に接続され得る。前記第2端子バスバー220は、前記第2バンクセル群B2の上部に配置され、各前記第2円筒型バッテリーセル100Bの負極と電気的に接続され得る。そして、前記フィッシュボーンバスバー230は、前記第1バンクセル群B1と前記第2バンクセル群B2の上部に配置され、各前記第1円筒型バッテリーセル100Aの負極及び各前記第2円筒型バッテリーセル100Bの正極と電気的に接続され得る。ここで、第1及び第2円筒型バッテリーセル100A、100Bの正極は上キャップ101であり、第1及び第2円筒型バッテリーセル100A、100Bの負極は電池缶102の上端の周縁を意味し、電気的接続の手段としてワイヤWが使用され得る。
【0038】
具体的には、
図4及び
図5を参照して、フィッシュボーンバスバー230について説明する。前記フィッシュボーンバスバー230は、前記第1バンクセル群B1と前記第2バンクセル群B2との間で第1方向(X軸方向)へ延びる骨格部231と、相互に所定の間隔で離隔して前記骨格部231から前記第1方向に交差する方向(+Y軸方向)へ延びる複数個の第1枝部232と、相互に所定の間隔で離隔して前記骨格部231から前記複数個の第1枝部232と反対方向(-Y軸方向)へ延びる複数個の第2枝部233と、を含む。
【0039】
前記第1端子バスバー210は、前記骨格部231から離れた位置で前記骨格部231と平行して第1方向へ延びて配置される第1幹部211と、前記第1幹部211と一体で形成され、前記第1円筒型バッテリーセル100Aの列と列の間に前記複数個の第1枝部232と交互に(-Y軸方向へ)延びて配置される複数個の第3枝部212と、を含む。
【0040】
そして、前記第2端子バスバー220は、前記骨格部231から離れた位置で前記骨格部231と平行して第1方向へ延びて配置される第2幹部221と、前記第2幹部221と一体で形成され、前記第2円筒型バッテリーセル100Bの列と列の間に前記複数個の第2枝部233と交互に(+Y軸方向へ)延びる複数個の第4枝部222と、を含む。
【0041】
第1バンクセル群B1に属する各第1円筒型バッテリーセル100Aの上キャップ101は、第1端子バスバー210の第3枝部212にワイヤWボンディングされ、各前記第1円筒型バッテリーセル100Aの電池缶102の上端は、前記フィッシュボーンバスバー230の第1枝部232にワイヤWボンディングされることで全て並列に接続される。
【0042】
そして、第2バンクセル群B2に属する各第2円筒型バッテリーセル100Bの電池缶102の上端は、第2端子バスバー220の第4枝部222にワイヤWボンディングされ、各前記第2円筒型バッテリーセル100Bの上キャップ101は前記フィッシュボーンバスバー230の第2枝部233にワイヤWボンディングされることで全て並列に接続される。
【0043】
この際、前記フィッシュボーンバスバー230の複数の第1枝部232に全ての第1円筒型バッテリーセル100Aの電池缶102の上端が接続され、前記フィッシュボーンバスバー230の複数の第2枝部233に全ての第2円筒型バッテリーセル100Bの上キャップ101が接続されていることで、前記第1バンクセル群B1と前記第2バンクセル群B2は直列に接続される。
【0044】
前記構成によると、一つのバンクに複数の円筒型バッテリーセル100A、100Bが含まれていても前記円筒型バッテリーセル100A、100Bをバッテリーモジュール10に要求される寸法範囲内で二列以上に配置し、同じバンクに属する円筒型バッテリーセル100A、100Bの並列接続及び相異なるバンク間の直列接続が可能である。
【0045】
また、
図3及び
図4、
図7及び
図8を参照すると、セルケース300は、円筒型バッテリーセル100A、100Bを把持し、外部衝撃などから円筒型バッテリーセル100A、100Bを保護するための構成であって、下部フレーム310及び上部フレーム320を含む。
【0046】
下部フレーム310は、上下方向(±Z軸方向)へ貫通して形成された貫通孔311を備えたほぼ直方体のブロック形状で設けられ得る。前記下部フレーム310の下面は、後述する放熱ユニット400によってカバーされ得る。円筒型バッテリーセル100A、100Bは、底面が前記放熱ユニット400に接触するように下端部が前記貫通孔311に一つずつ挿入され得る。前記円筒型バッテリーセル100A、100Bの底面と接触する前記放熱ユニット400の最上層は、接着シート410または接着剤から構成される。
【0047】
下部フレーム310の貫通孔311に挿入された円筒型バッテリーセル100A、100Bは、その底面が接着シート410に接着され、その下端部は貫通孔311に介在されて固定される。したがって、前記下部フレームを使用すると、円筒型バッテリーセルを把持して電気的接続の信頼性を高めることができ、詳しくは後述するが、円筒型バッテリーセルの底面の冷却が容易になる。
【0048】
上部フレーム320は、前記円筒型バッテリーセル100A、100Bをカバーし、前記下部フレーム310の上部に結合するように設けられ得る。
【0049】
上部フレーム320の下端の周縁には、下方へ突出したインサートピン327が備えられ、下部フレーム310の上端の周縁には、前記インサートピン327が挿入されるインサートホール317が備えられ得る。また、前記下部フレーム310及び前記上部フレーム320の各々は、コーナー領域とセンター領域に上下方向へ貫通して形成されたブッシングホール301と、前記ブッシングホール301に介在されるブッシングと、を含む。図示していないが、前記ブッシングに長ボルト(図示せず)を挿入して下部フレーム310と上部フレーム320を堅固に固定結合してもよい。
【0050】
上部フレーム320は、円筒型バッテリーセル100A、100Bの上部をカバーする上板部321と、円筒型バッテリーセル100A、100Bの側面部をカバーする側板部と、を含み、内側には下部フレーム310の各円筒型バッテリーセル100A、100Bの上部を囲む形態のセル収容空間が形成される。前記セル収容空間は、下部フレーム310の貫通孔311に一対一に対応する。
【0051】
バスバーユニット200は、前記上板部321の上面に固定されるように取り付けられ得る。例えば、第1端子バスバー210は、第1幹部211を上板部321の一側のエッジにボルト328締結して固定し、第2端子バスバー220は、第2幹部221を上板部321の他側のエッジにボルト328締結して固定し得る。前記上板部321は、第1端子バスバー210と第2端子バスバー220をボルト328で締結するとき、損傷防止のためにボルト328締結箇所毎にインサートナットが備えられ得る。前記フィッシュボーンバスバー230は、接着剤を使用して上板部321の中心部に固定し得る。
【0052】
前記上板部321は、その下部の各前記円筒型バッテリーセル100A、100Bの上キャップ101が位置する領域が穿孔されて形成された正極接続口323と、その下部の各前記円筒型バッテリーセル100A、100Bにおいて電池缶102の上端の周縁が位置する領域が穿孔されて形成された負極接続口324と、を含み得る。前記正極接続口323及び前記負極接続口324は、前記セル収容空間と連通し得る。このような正極接続口323及び負極接続口324によって各円筒型バッテリーセル100A、100Bの上キャップ101と電池缶102の上端を上板部321の上に露出し、これらを前述したように、バスバーユニット200にワイヤWボンディングする。
【0053】
各前記正極接続口323は、上キャップ101部分のみが上面板の上に露出するように上キャップ101より小さいサイズの四角穴の形態であり、各前記負極接続口324は、電池缶102の上端の周縁の一部のラインのみが上面板の上に露出するように電池缶102の上端の曲率を反映した穴の形態に形成され得る。
【0054】
このように正極接続口323及び負極接続口324を形成することで、各円筒型バッテリーセル100A、100Bの正極部分と負極部分を明確に区分し、ワイヤWボンディング時における予期せぬ短絡危険を減らすことができる。
【0055】
前記上部フレーム320は、前記上板部321の表面から上方へ突出するように形成されたバスバー取付ガイド325をさらに含み得る。
【0056】
前記バスバー取付ガイド325は、キューブ形状または四角の管状で設けられ得る。前記第1円筒型バッテリーセル100A及び前記第2円筒型バッテリーセル100Bの上部で前記第1方向へ二列以上に配置され、前記正極接続口323及び前記負極接続口324と同じ列毎に一つ以上が備えられ得る。
【0057】
前記バスバー取付ガイド325は、バスバーユニット200を上面板の上に取り付けるとき、第1端子バスバー210、第2端子バスバー220、フィッシュボーンバスバー230の取付位置をガイドする基準になり、外部衝撃や振動時、第1端子バスバー210/フィッシュボーンバスバー230または第2端子バスバー220/フィッシュボーンバスバー230の一定の間隔より狭くならないようにすることで、相互間の接触を防止する役割を果たし得る。
【0058】
放熱ユニット400は、円筒型バッテリーセル100A、100Bの熱を外部へ放出して温度を低めるための手段であって、下部フレーム310の下部に配設され得る。
【0059】
前記放熱ユニット400は、
図9に示したように、接着シート410と、絶縁シート420と、冷却プレート430と、熱伝導性物質440と、を含んで構成され得る。
【0060】
前記接着シート410は、接着性と熱伝導性を有することが望ましい。接着シート410は、全ての円筒型バッテリーセル100A、100Bの電池缶102の底面と接触するように、前述した下部フレーム310の下部に介在される。前記接着シート410は、シート状ではなく硬化性接着剤に代替可能である。
【0061】
前記絶縁シート420は、電気絶縁性と放熱性を有するシリコン(silicon)またはグラファイト(graphite)素材などで設けられ得る。前記絶縁シート420は、円筒型バッテリーセル100A、100Bと冷却プレート430との絶縁性と熱伝導性の確保のために適用される。
【0062】
前記冷却プレート430は、機械的剛性と熱伝導性を有する板状体であって、下部フレーム310の下部で円筒型バッテリーセル100A、100Bを支持し、前記円筒型バッテリーセル100A、100Bで発生した熱を外部へ放熱する役割を果たす。例えば、前記冷却プレート430は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成され得る。
【0063】
前記熱伝導性物質440は、前記冷却プレート430の下面に介在される。前記熱伝導性物質440は、物体と物体との接触時に表面粗度差による隙間を満たして効果的に熱を伝導する役割を果たすものであって、後述するヒートシンク500と前記冷却プレート430との熱交換を促進する作用をする。例えば、熱伝導性物質440としては、熱グリース(thermal grease)が採用され得る。
【0064】
図10は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール積層体を示した図である。
【0065】
続いて、
図10を参照して、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール積層体について簡略に説明する。
【0066】
前記バッテリーモジュール積層体は、前述した二つのバッテリーモジュール10A、10Bと一つのヒートシンク500を含む。前記ヒートシンク500は、内部に冷却水が流れる流路と、前記流路に連結された冷却水供給/排出ポート501と、を備える板型で設けられ得る。
【0067】
図示したように、前記二つのバッテリーモジュール10A、10Bは、前記ヒートシンク500を挟んで上下対称に層状で配置され、上部に位置した前記バッテリーモジュール10Aの放熱ユニット400は、前記ヒートシンク500の上面に接触し、下部に位置する前記バッテリーモジュール10Bの放熱ユニット400は、前記ヒートシンク500の下面に接触するように構成され得る。図示していないが、前記二つのバッテリーモジュール10A、10Bとヒートシンク500の両側面部に各々板状のブラケット(図示せず)を取り付けて前記二つのバッテリーモジュール10A、10Bとヒートシンク500とを一体で固定し得る。
【0068】
一方、本発明によるバッテリーパックは、本発明による前述したバッテリーモジュール10を一つ以上含み得る。また、本発明によるバッテリーパックは、バッテリーモジュール10の他に、バッテリーモジュール10を収納するためのパックケース、バッテリーモジュール10の充放電を制御するための各種装置、例えば、BMS、電流センサー、ヒューズなどをさらに含み得る。
【0069】
本発明によるバッテリーモジュールは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車または電力貯蔵装置ESSに適用可能である。
【0070】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0071】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。