(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】処理剤投入装置及び洗濯機器
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
D06F39/02 A
(21)【出願番号】P 2023527111
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 CN2021129088
(87)【国際公開番号】W WO2022111256
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】202011384449.4
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519385445
【氏名又は名称】▲無▼▲錫▼小天鵝電器有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUXI LITTLE SWAN ELECTRIC CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.18,SOUTH CHANGJIANG ROAD,NEW DISTRICT,WUXI,JIANGSU 214028,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲ユ▼ 光安
(72)【発明者】
【氏名】付 仕波
(72)【発明者】
【氏名】薛 欣洋
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209010777(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0282061(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水口(1011)を有する第1チャンバ(1A)と、
前記第1チャンバ(1A)内に設けられ、前記給水口(1011)から導入された水流の駆動により回動される回動機構(2)と、
分配機構(3)と、
入力端が前記回動機構(2)につながり、出力端が前記分配機構(3)につながる減速機構(4)と、を備え、
前記分配機構(3)は、前記分配機構(3)を少なくとも2つの互いに間隔を空けた分配領域に仕切る仕切部材(302)を備え
、
前記仕切部材(302)は、複数であり、前記分配機構(3)を複数の互いに間隔を空けた前記分配領域に仕切り、
各前記分配領域は、切欠き(303)を備え、
前記分配機構(3)は、第2チャンバ(1C)内に設けられ、
前記分配機構(3)は、前記減速機構(4)の出力端に接続された回動部材(301)を備え、
前記仕切部材(302)は、前記回動部材(301)に接続され、
前記仕切部材(302)は、前記回動部材(301)の径方向に沿って前記第2チャンバ(1C)の内壁面まで延びる直線部(3022)、及び前記第2チャンバ(1C)の内壁面に当接する円弧部(3021)を備え、
前記円弧部(3021)と相隣する仕切部材(302)の直線部(3022)との間には、前記切欠き(303)が形成される、
処理剤投入装置。
【請求項2】
ハウジング(1)をさらに備え、
前記ハウジング(1)には、互いに間隔を空けて設けられた前記第1チャンバ(1A)及び前記第2チャンバ(1C)が形成され、
前記第2チャンバは、給液口(1013)及び吐液口(1014)を有し、前記吐液口(1014)は、前記ハウジング(1)における前記第2チャンバ(1C)の底部端に対応する位置にある、
請求項
1に記載の処理剤投入装置。
【請求項3】
前記第1チャンバ(1A)は、ほぼ円筒状チャンバに形成され、前記第1チャンバ(1A)の第1側は、外へ延びて給水管(1016)及び吐水管(1017)を形成し、前記給水管(1016)の入口には、前記給水口(1011)が形成され、前記吐水管(1017)の出口には、吐水口(1012)が形成され、水流が前記給水口(1011)から流入すると、前記回動機構(2)を駆動回動する、
請求項1に記載の処理剤投入装置。
【請求項4】
前記回動機構(2)は、回動軸が前記第1チャンバ(1A)内に垂直に設けられ、前記第1チャンバ(1A)を流れる水流により駆動されるインペラ(21)を備え、前記インペラ(21)の回動軸は、前記減速機構(4)の入力端につながる、
請求項1に記載の処理剤投入装置。
【請求項5】
前記インペラ(21)は、前記回動軸(211)に接続される複数の羽根(212)を備え、
前記羽根(212)は、曲面羽根又はストレート羽根である、
請求項
4に記載の処理剤投入装置。
【請求項6】
前記減速機構(4)は、
リングギヤ(404)と、
前記回動機構(2)に接続され、前記回動機構(2)によって駆動される動力軸(401)と、
前記動力軸(401)と前記リングギヤ(404)との間に配置されると共に、前記動力軸(401)及び前記リングギヤ(404)の両方の歯車と噛み合う遊星歯車(402)と、
前記遊星歯車(402)に接続され、前記遊星歯車(402)の駆動により動力を前記分配機構(3)に出力するキャリア(403)と、を備える、
請求項1に記載の処理剤投入装置。
【請求項7】
前記減速機構(4)は、
前記回動機構(2)に接続され、前記回動機構(2)によって駆動される動力軸(401)と、
動力を前記分配機構(3)に出力するための出力軸(407)と、
前記動力軸(401)と前記出力軸(407)との間に設けられ、前記動力軸(401)から出力された動力を前記出力軸(407)に伝達するための少なくとも一段減速歯車と、を備える、
請求項1に記載の処理剤投入装置。
【請求項8】
前記減速機構(4)の減速比は、30~150:1である、
請求項1に記載の処理剤投入装置。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一項に記載の処理剤投入装置を備える、
洗濯機器。
【請求項10】
前記洗濯機器は、洗濯機又は食器洗い機である、
請求項
9に記載の洗濯機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の交互引用
本発明は、出願番号が202011384449.4であり、出願日が2020年11月30日である中国特許出願に基づいて提案され且つこの中国特許出願の優先権を主張し、この中国特許出願の全ての内容を参照として本出願に援用する。
【0002】
本発明は、処理剤投入分野に関し、具体的に、処理剤投入装置及び洗濯機器に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、洗濯機器は、洗濯作業中、処理剤を投入する必要があることがある。洗濯機を例として、液体洗剤、柔軟剤などの処理剤を投入する必要がある。処理剤を手動で投入するには余分な操作が必要であり、かつ使用量と投入タイミングが正確に把握しにくいため、自動投入機能を持つ洗濯機がますます人気になる。関連する自動投入装置の多くは電動駆動式の蠕動ポンプ、ギアポンプ、ピストンポンプなどのポンプボディを用いて処理剤を抽出することで、自動投入を実現する。このように、電動駆動装置を別途設置する必要があり、ハードウェアのコストが高くなって、自動投入機能付き洗濯機の普及が困難になっている。
【発明の概要】
【0004】
以上の事情に鑑みて、本発明の実施例は、処理剤投入装置のコストを削減することを目的とする処理剤投入装置及び洗濯機器を提供する。
【0005】
本発明の実施例の技術解決策は、次のようにして実現する。
【0006】
本発明の実施例は、
給水口を有する第1チャンバと、
第1チャンバ内に設けられ、給水口から導入された水流の駆動により回動される回動機構と、
分配機構と、
入力端が回動機構につながり、出力端が分配機構につながる減速機構と、を備え、
分配機構は、分配機構を少なくとも2つの互いに間隔を空けた分配領域に仕切る仕切部材を備える、処理剤投入装置を提供する。
一部の実施形態において、仕切部材は複数であり、分配機構を複数の互いに間隔を空けた分配領域に仕切り、各分配領域は切欠きを備える。
【0007】
一部の実施形態において、分配機構は第2チャンバ内に設けられ、
分配機構は、減速機構の出力端に接続された回動部材を備え、
仕切部材は回動部材に接続され、
仕切部材は、回動部材の径方向に沿って第2チャンバの内壁面まで延びる直線部及び第2チャンバの内壁面に当接する円弧部を備え、円弧部と相隣する仕切部材の直線部との間に切欠きが形成される。
【0008】
一部の実施形態において、処理剤投入装置は、
ハウジングをさらに備え、ハウジングには、互いに間隔をおいて設けられた第1チャンバ及び第2チャンバが設けられ、
第2チャンバは、給液口及吐液口を有し、吐液口は、ハウジングにおける第2チャンバの底部端に対応する位置にある。
一部の実施形態において、第1チャンバは、ほぼ円筒状チャンバに形成され、第1チャンバの第1側は、外へ延びて給水管及び吐水管を形成し、給水管の入口には給水口が形成され、吐水管の出口には吐水口が形成され、水流は給水口から流入すると、機構回動を駆動回動する。
【0009】
一部の実施形態において、回動機構は、回動軸が第1チャンバ内に垂直に設けられ、第1チャンバを流れる水流により駆動されるインペラを備え、インペラの回動軸は、減速機構の入力端につながる。
【0010】
一部の実施形態において、インペラは、回動軸に接続される複数の羽根を備え、羽根は曲面羽根又はストレート羽根である。
【0011】
一部の実施形態において、減速機構は、
リングギヤと、
回動機構に接続され、回動機構によって駆動される動力軸と、
動力軸とリングギヤとの間に配置されると共に、動力軸及びリングギヤの両方の歯車と噛み合う遊星歯車と、
遊星歯車に接続され、遊星歯車の駆動により動力を分配機構に出力するキャリアと、を備える。
【0012】
一部の実施形態において、減速機構は、
回動機構に接続され、回動機構によって駆動される動力軸と、
動力を分配機構に出力するための出力軸と、
動力軸と出力軸との間に設けられ、動力軸から出力された動力を出力軸に伝達するための少なくとも一段減速歯車と、を備える。
【0013】
一部の実施形態において、減速機構の減速比は、30~150:1である。
【0014】
本発明の実施例は、本発明の実施例に係る処理剤投入装置を備える洗濯機器をさらに提供する。
【0015】
上記形態において、前記洗濯機器は、洗濯機器は洗濯機又は食器洗い機である。
【0016】
本発明の実施例が提供する技術解決策は、水流により回動機構を駆動させ、回動機構から出力された動力が減速機構により減速され、トルクを増加させた後に分配機構に伝達し、分配機構は分配機構を少なくとも2つの互いに間隔を空けた分配領域に仕切る仕切部材を備える。このように、水流を動力源として利用し、水流によって回動機構を動かし、回動機構から出力された動力が減速機構により減速され、トルクを増加させた後に増幅し、増幅された動力は仕切部材を駆動回動することで、処理剤の自動投入を実現し、電動駆動装置が不要となり、コストを節約することができ、さらに、この分配機構は、液体、粉末状及び固体系の処理剤の投入に適用し、適用範囲が広い。また、回動機構から出力された動力は減速機構により減速され、トルクを増加させた後に分配機構に伝達することで、水流水圧の動作範囲を効果的に広げて、処理剤投入装置の動作の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は本発明の実施例に係る処理剤投入装置の構造の模式図である。
【
図4】
図4は本発明の一実施例に係る減速機構の構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の目的、技術解決策及び利点をより明確にするために、以下、図面を組み合わせて本発明をさらに詳しく説明し、説明する実施例は本発明の制限とみなされるべきではなく、当業者は創意工夫をしないことを前提として、得られたすべての他の実施例はいずれも本発明の範囲に属する。
【0019】
本発明の説明において、「一部の実施例」がすべて可能な実施例のサブセットを説明するが、「一部の実施例」はすべて可能な実施例の同じサブセット又は異なるサブセットであってもよく、かつ、衝突すること限り互いに結合されてもよいと理解できる。
【0020】
本発明の説明において、係る用語「第1、第2」などは類似のオブジェクトを区別するだけであり、オブジェクトに対する特定の順序付けを意味するものではなく、「第1、第2」などは、本発明の実施例が図示又は記載されている以外の順序で実施できるように、可能であれば特定の順序又は優先順位を入れ替えてもよいと理解できる。特に説明していない限り、「複数」とは少なくとも2つを意味する。
【0021】
本発明の説明において、用語である「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などが指示するポジション又は位置関係は、図面の例示に基づくポジション又は位置関係であり、単に、本発明の実施例の説明の便宜上及び簡略化のためであり、言及される装置又は要素が必ずしも特定のポジションを有し、特定のポジションで構築及び操作されると指示又は暗示するものではないため、本発明に対する制限と見なすべきではないことを理解できる。
【0022】
本発明の説明において、用語である「取り付け」、「つながり」、「接続」は特に明らかな規定と限定がない限り、広義的に理解をしなければならない、例えば、固定接続でもよく、着脱可能な接続でもよく、又は一体的な接続でもよい、直接接続してもよく、中間媒体を介して間接接続してもよく、2つの素子内部の連通でもよい。当業者にとっては、具体的な状況に基づいて上記用語が本願における具体的な意味を理解することができる。
【0023】
本発明において、特に明らかな規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴が直接に接触することも、第1特徴と第2特徴が直接に接触することなく両者の間にほかの特徴を介して接触することも含む。そして、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上にあること及び斜め上にあることを含み、又は第2特徴よりも第1特徴のほうが水平の高さが高いことを示すだけである。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下にあること及び斜め下にあることを含み、又は第2特徴よりも第1特徴のほうが水平の高さが小さいことを示すだけである。
【0024】
本発明の実施例は、水流を動力源として処理剤の自動投入を実現できる処理剤投入装置を提供する。
図1~
図5に示すように、この処理剤投入装置は、第1チャンバ1A、回動機構2、分配機構3及び減速機構4を備える。第1チャンバ1Aは給水口1011を有する。回動機構2は第1チャンバ1A内に設けられる。減速機構4の入力端は回動機構2に接続され、減速機構4の出力端は分配機構3に接続される。回動機構2は給水口1011から導入された水流によって駆動回動され、回動機構2から出力された動力が減速機構4により減速され、トルクを増加させた後に分配機構3に伝達される。
【0025】
図5に示すように、分配機構3は、分配機構3を少なくとも2つの互いに間隔を空けた分配領域に仕切る仕切部材302を備える。
【0026】
給水口1011から流入した水流が回動機構2を駆動し、回動機構2から出力された動力が減速機構4により減速され、トルクを増加させ後に増幅し、増幅された動力は仕切部材302を駆動回動することで、処理剤の自動投入を実現し、電動駆動装置が不要となり、コストを節約することができ、さらに、この分配機構3は液体、粉末状及び固体系の処理剤の投入に適用し、適用範囲が広い。また、回動機構2から出力された動力は減速機構4により減速され、トルクを増加させた後に分配機構3に伝達することで、水流水圧の動作範囲を効果的に広げて、処理剤投入装置の動作の信頼性を向上させることができる。
【0027】
ここで、仕切部材302の数は複数であってもよく、これにより、分配機構3を複数の互いに間隔を空けた分配領域に仕切り、各分配領域は切欠き303を備えることができる。この切欠き303は処理剤が互いに間隔を空けた分配領域に流入するのに適する。分配領域が投入位置まで回動するとき、分配領域内の処理剤は投入通路に投入されることができる。
【0028】
一部の実施例では、
図1及び
図5に示すように、分配機構3は第2チャンバ1C内に設けられ、分配機構3は減速機構4の出力端に接続される回動部材301を備え、仕切部材302は回動部材301に接続され、仕切部材302は、回動部材301的径方向に沿って第2チャンバ1Cの内壁面まで延びる直線部3022及び第2チャンバ1Cの内壁面に当接する円弧部3021を備え、円弧部3021と相隣する仕切部材302の直線部3022との間には切欠き303が形成される。ここで、仕切部材302は分配機構3にある区域を少なくとも2つの互いに間隔を空けた分配領域に仕切って、分配機構3の回動によって、各分配領域は順に処理剤を投入することができる。
【0029】
一部の実施例では、処理剤投入装置は、ハウジング1を備え、ハウジング1内には、互いに間隔を空けて設けられた第1チャンバ1A及び第2チャンバ1Cが形成される。ハウジング1は、ケーシング101及びケーシング101と嵌合して第1チャンバ1Aを形成する第1エンドカバー102を備える。ハウジング1は、ケーシング101と嵌合して第2チャンバ1Cを形成する第2エンドカバー103をさらに備える。例示的に、第2チャンバ1Cは、給液口1013及び吐液口1014を備え、給液口1013は、給液口1013が第2チャンバ1Cの底部端よりも高く、重力により処理剤を導入可能となるようにケーシング101の側壁に設けられる。吐液口1014は、吐液口1014が第2チャンバ1Cの底部端に位置し、重力により処理剤を排出しやすいように第2エンドカバー103に設けられる。
【0030】
回動部材301が減速機構4の駆動によって回動されるときに、第2チャンバ内の仕切部材302により仕切られた分配領域も回動し、給液口1013における処理剤は、重力によって連通された分配領域に流入し、また、この分配領域が吐液口1014に連通するまでに回動するときに、分配領域内の処理剤は重力によって吐液口1014を介して管路又は容器中に投入することができると理解できる。他の分配領域も同様であり、それにより、減速機構4の駆動によって、分配機構3が処理剤の投入を実現する。本発明の実施例に係る分配機構3は構造が簡単だけではなく、液体、粉末状及び固体系の処理剤の投入に適用するので、適用範囲が広い。
【0031】
このように、処理剤投入装置は水流を動力源として利用し、処理剤の自動投入を実現し、電動式のポンプボディが不要となり、コストを節約することができる。ここで、処理剤は洗濯に必要な液状、粉末状又は洗濯ビーズなどの固体系の処理剤であってもよい。当業者は必要に応じて合理的に選択するこができ、本発明はこれを具体的に限定しない。
【0032】
また、なお、水流の水圧は、使用中に変動するため、本発明の実施例では、回動機構2から出力された動力が減速機構4により減速され、トルクを増加させた後に分配機構3に伝達されることで、水流水圧の動作範囲を効果的に広げることができ、低圧水状態での水流が回動機構2を駆動させた後、減速機構4により減速され、トルクを増加させることにより、分配機構3から出力されたトルクを増大させるので、分配機構3の動作を確実にさせるようになり、処理剤投入装置の動作の信頼性を向上させることに貢献する。
【0033】
例示的に、
図5に示すように、第2チャンバ1Cを4つの互いに間隔を空けた分配領域に分割するように、回動部材301の周方向に4つの仕切部材302が対称に設けられることで、各分配領域(格子に相当)内の容量が一定となり、回動部材301が減速機構4から出力された動力により回動するとき、各区域内の定量の処理剤を吐液口1014に動かし、重力によって対応する管路又は容器中に投入する。
【0034】
回動機構2は駆動で回転するインペラであってもよく、例えば、タービン又はプロペラであると理解できる。回動機構2が第1チャンバ1A内を流れる水流によって回動し、動力を出力することができればよく、本発明はこれを具体的に限定しない。
【0035】
例示的に、
図2に示すように、第1チャンバ1Aは、ほぼ円筒状チャンバに形成され、第1チャンバ1Aの第1側は、外へ伸びて給水管1016及び吐水管1017を形成し、給水管1016の入口には給水口1011が形成され、吐水管1017の出口には吐水口1012が形成され、水流が給水口1011から流入すると、回動機構2を駆動回動する。
【0036】
一部の実施例では、
図1及び
図2に示すように、回動機構2は、回動軸211が第1チャンバ1A内に垂直に設けられた第1インペラ21を備え、給水口1011及び吐水口1012は、それぞれ、第1インペラ21の両側に設けられ、水流が給水口1011を介して流入した後にインペラ21回動させることに適し、インペラ21の回動軸211は減速機構4の入力端につながる。このように、インペラ21は水流の駆動で回転し、水エネルギーを機械エネルギーに変換することができる。ここで、インペラ21は、回動軸211に固定された複数の羽根212を備え、羽根212は、曲面羽根又はストレート羽根であってもよく、ただし、ストレート羽根とは、水流の駆動で回動するように羽根の表面が平面状になることで、曲面羽根とは、羽根に所定の弧度を有し、回転する渦流を形成しやすいように羽根の表面が曲面状になることである。
【0037】
例示的に、
図1及び
図2に示すように、給水口1011及び吐水口1012は、それぞれ、ケーシング101の両側に設けられ、外部からの水源は、給水口1011を介して第1チャンバ1Aに流入し、吐水口1012を介して流出し、回動機構2を回動させる。例えば、水流の方向は
図2の矢印に示され、第1チャンバ1A内にある回動機構2が水流の圧力によって時計回り方向に回動する。他の実施例では、給水口1011は吐水口1012と垂直に設けることもでき、本発明は給水口1011及び吐水口1012の配置位置を限定しない。
【0038】
減速機構4は、歯車減速機、ウォームホイール減速機又は遊星減速機を含むが、それらに限定されなく、水流によって駆動される回動機構2が出力する動力をより大きな出力トルクに変換することができればよく、本発明はこれに具体的に限定しないと理解できる。
【0039】
一部の実施例では、ケーシング101内には、減速機構4を収容するための第3チャンバ1Bが形成され、第3チャンバ1Bは、第1チャンバ1Aと第2チャンバ1Cとの間に位置する。他の実施例では、減速機構4は、構造がよりコンパクトになるために第2チャンバ1C内に設けられてもよいと理解できる。
【0040】
例示的に、
図1に示す第1チャンバ1A、第3チャンバ1B、第2チャンバ1Cは、処理剤投入装置の高さ方向に沿って順に配置されている。第1チャンバ1A、第3チャンバ1B、第2チャンバ1Cは水平方向に沿って順に配置されてもよく、当業者は装着空間によりチャンバの数及び配置方位を合理的に設計することができ、本発明はこれを具体的に限定しないと理解できる。
【0041】
例示的に、減速機構4は、回動機構2に接続され、回動機構2によって駆動される動力軸401と、遊星歯車402と、キャリア403と、ケーシング101に固定されたリングギヤ404とを備え、リングギヤ404は、個別に設けられたリング材であってもよく、リング材の内壁に内歯が設けられ、このリング材が第3チャンバ1B内に固定され、又は第3チャンバ1Bの内壁に環状の内歯面を有するリングギヤ404を加工で形成されてもよく、遊星歯車402は動力軸401とリングギヤ404との間に配置され、かつ動力軸401及びリングギヤ404の両方の歯車と噛み合い、キャリア403は遊星歯車402に接続され、遊星歯車402の駆動により動力を分配機構3に出力すると理解できる。動力軸401の第1端401Aは第1チャンバ1A内まで延びると共に、回動機構2に固定接続されてもよく、動力軸401の第2端401Bには遊星減速機の太陽歯車として遊星歯車402と噛み合う外歯が開設されると理解できる。キャリア403は、第2チャンバ1C内にある分配機構3を駆動するための、第2チャンバ1Cまで延びる端部403Aを有してもよい。具体的に、端部403Aは回動部材301に直接的又は間接的に接続されてもよい。
【0042】
一部の実施例では、
図4に示すように、減速機構4は、動力軸401、第1減速歯車405、第2減速歯車406及び出力軸407を備え、この第1減速歯車405は動力軸401と噛み合う大端面及び第2減速歯車406と噛み合うための小端面を有し、動力軸401が回動機構2によって駆動され、動力軸401が第1減速歯車405の大端面と嵌合し、減速を実現し、さらに第1減速歯車405の小端面が第2減速歯車406と嵌合し、再び減速を実現し、第2減速歯車406は出力軸407に接続され、これによって、段階的に減速した後、水流の動力を出力軸407を介して第2チャンバ1C内にある分配機構3に伝達することができる。動力軸401と出力軸407との間に設けられた減速歯車の数は、減速比の要求を満たすように必要に応じて設置することができると理解できる。
【0043】
一部の実施例では、減速機構4の減速比は、30~150:1である。このように、この処理剤投入装置が0.03MPA~1.0MPAの間の水圧範囲内で正常に動作することができるので、この処理投入装置は、例えば、洗濯機又は食器洗い機などの家電製品に適用できるなど、幅広い利用可能性がある。
【0044】
以下、本発明の実施例に係る処理剤投入装置の作動過程を説明する。
【0045】
外部の水流は給水口1011を介して第1チャンバ1A内に流入すると共に、吐水口1012から流出し、インペラ21は水流によって回動され、インペラ21の回動による回動エネルギーが動力軸401によって減速機構4に伝達されると共に、減速機構4により減速され、トルクを増加させた後に分配機構3の回動部材301を駆動させ、ここで、減速機構4により減速され、及びトルクを増加することにより、インペラ21から出力されたトルクを増大させ、広い水圧範囲で回動部材301を正常に駆動回動(
図5に示す反時計回り方向に沿って回動)させ、給液口1013から処理剤を導入するように各仕切部材302により仕切られた分配領域を駆動し、定量の処理剤を吐液口1014に動かし、重力によって対応する管路又は容器中に投入し、処理剤の自動投入を実現する。この分配機構3は、液体系の処理剤の自動投入だけではなく、粉末洗剤、洗濯ビーズなどの固体処理剤の自動投入にも適用する。
【0046】
本発明の実施例は、上記実施例に係る処理剤投入装置を備える洗濯機器をさらに提供する。この洗濯機器は、上記の処理剤投入装置に基づいて、水のパスの水流を利用して処理剤の自動投入を実現することができる。
【0047】
本発明の実施例では、洗濯機器は、洗濯機又は食器洗い機であってもよい。洗濯機を例として、洗濯機は、筐体、洗濯槽及び給水管路を備え、筐体に処理剤を貯蔵するための貯蔵室がさらに設けられ、処理剤投入装置の給水口1011は給水管路に連通し、給液口1013は処理剤を貯蔵するための貯蔵室に連通し、吐水口1012及び吐液口1014はいずれも洗濯槽に連通できる。このように、給水口1011の水流を動力源として利用し、貯蔵室内の処理剤の自動投入を実現することができる。
【0048】
なお、本発明の実施例に記載された解決策は互いに衝突しない限り、任意に組み合わせることが可能である。
【0049】
以上は、本発明の具体的な実施形態のみであるが、本発明の範囲はこれに限定されなく、当業者であれば、本発明に記載された技術範囲内に、容易に考えられる変更又は置換は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。そのため、本発明の範囲は請求の範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0050】
1、ハウジング;1A、第1チャンバ;1C、第2チャンバ;1B、第3チャンバ;
101、ケーシング;102、第1エンドカバー;103、第2エンドカバー;
1011、給水口;1012、吐水口;1013、給液口;1014、吐液口;1015、内壁面;1016、給水管;1017、吐水管;
2、回動機構;21、インペラ;211、回動軸;212、羽根;
3、分配機構;301、回動部材;302、仕切部材;3022、直線部;3021、円弧部;303、切欠き;
4、減速機構;401、動力軸;401A、第1端;401B、第2端;402、遊星歯車;403、キャリア;403A、端部;404、リングギヤ;
405、第1減速歯車;406、第2減速歯車;407、出力軸。