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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】熱交換器及び空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20241004BHJP
   F28F 9/26 20060101ALI20241004BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20241004BHJP
   F25B 39/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F28F9/02 301E
F28F9/02 301D
F28F9/26
F28D1/053 A
F25B39/00 E
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023533012
(86)(22)【出願日】2021-07-09
(86)【国際出願番号】 JP2021025912
(87)【国際公開番号】W WO2023281731
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 皓亮
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 和久
(72)【発明者】
【氏名】森下 侑哉
(72)【発明者】
【氏名】名島 康平
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-162934(JP,A)
【文献】国際公開第2019/130394(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/149950(WO,A1)
【文献】特開2019-132537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/02
F28F 9/26
F28D 1/00 - 13/00
F25B 39/00 - 39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重力方向に延びた第1中間ヘッダと、
前記第1中間ヘッダに接続され、冷媒と空気との熱交換を行う第1伝熱管と、
前記第1中間ヘッダの内部を、第1空間と、前記第1空間より下側に配置された第2空間とに仕切る第1仕切りと
を有する第1熱交換器と、
前記第1熱交換器の風上に並設され、前記重力方向に延びた第2中間ヘッダと、
前記第2中間ヘッダに接続され、前記冷媒と前記空気との熱交換を行う第2伝熱管と、
前記第2中間ヘッダの内部を、第3空間と、前記第3空間より下側に配置された第4空間とに仕切る第2仕切りと
を有する第2熱交換器と
を具備し、
前記第1伝熱管は複数であり、前記複数の前記第1伝熱管は、前記第1空間に接続される前記第1伝熱管と、前記第2空間に接続される前記第1伝熱管とを有し、
前記第1空間を構成する前記第1中間ヘッダには、前記冷媒が流出する第1流出口が設けられ、
前記第2空間を構成する前記第1中間ヘッダには、前記冷媒が流出する第2流出口が設けられ、
前記第2中間ヘッダは、前記第1中間ヘッダと接続され、前記第1流出口から前記冷媒が前記第3空間に流入する第1流入口と、前記第2流出口から前記冷媒が前記第3空間に流入する第2流入口とを具備する
熱交換器。
【請求項2】
前記第1伝熱管及び前記第2伝熱管は、前記第1伝熱管及び前記第2伝熱管の軸方向に直交する断面の長軸が気流方向に沿う扁平伝熱管である
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第2伝熱管は、前記第3空間に接続され、
前記第1空間に接続される前記第1伝熱管の数と、前記第2空間に接続される前記第1伝熱管の数との和が、前記第2伝熱管の数よりも多い
請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1流出口と、前記第1流入口とを接続する第1接続配管を具備し、
前記第1接続配管は、前記第1空間に接続される前記第1伝熱管の平均高さよりも下方に設けられる
請求項1~3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第1仕切りは、前記第2仕切りよりも上側に設けられている
請求項1~4のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第2流出口は、前記第2仕切りよりも上側に設けられている
請求項1~5のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第2流出口と、前記第2流入口とを接続する第2接続配管を具備する
請求項4に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第1流出口は、前記第1中間ヘッダの延伸方向に見て、前記第2中間ヘッダの中心軸から前記第1中間ヘッダが見える範囲の前記第1中間ヘッダの菅壁に設けられる
請求項1~7のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第1流出口は、前記第1流入口よりも高い位置に設けられる
請求項1~8のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記冷媒はR32、R410A又は少なくともオレフィン系冷媒、プロパン、DMEを含むR32冷媒に対してガス密度の小さい冷媒を含む、
請求項1~9のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の熱交換器を備えた空気調和装置。
【請求項12】
前記空気調和装置は、
空気を上側へ送風する送風機と、
前記送風機に送風された空気を流出するための吹出口を備える上吹き筐体と
を備え、
前記熱交換器は前記筐体に搭載される
請求項11に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第1熱交換器及び第2熱交換器を有する熱交換器及びこのような熱交換器を備えた空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置は、冷凍サイクル回路の構成要素の1つとして、凝縮器として機能する熱交換器を備えている。凝縮器は、流入したガス冷媒を外部空気と熱交換する。熱交換が行われた冷媒は気液二相状態を経て液冷媒として凝縮器から流出する。このとき、凝縮器として、風上側と風下側に伝熱管群をそれぞれ設け、伝熱管群の一端を折り返し、風下側で気液二相状態になった冷媒を風上側へ流すことで、熱交換器性能を向上する手段がある。従来の折り返し手段として、風下側の伝熱管出口のヘッダで冷媒を合流させて、風上側の伝熱管入口のヘッダへ冷媒を供給する方法がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-132537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の冷媒回路構成において凝縮器となる熱交換器は、上吹き筐体に搭載された状態で風速分布が形成されると、上側の伝熱管で液相が多く発生する。しかし、ヘッダにおいて伝熱管出口同士が連通していると、ヘッダ内で上側の伝熱管から落下した液冷媒を重力方向最下部の伝熱管の冷媒のみでは持ち上げられず液冷媒が滞留し、特に中間負荷において性能が低下する。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、熱交換性能を向上できる第1熱交換器及び第2熱交換器を有する熱交換器及び空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る熱交換器は、重力方向に延びた第1中間ヘッダと、前記第1中間ヘッダに接続され、冷媒と空気との熱交換を行う第1伝熱管と、前記第1中間ヘッダの内部を、第1空間と、前記第1空間より下側に配置された第2空間とに仕切る第1仕切りとを有する第1熱交換器と、前記第1熱交換器の風上に並設され、前記重力方向に延びた第2中間ヘッダと、前記第2中間ヘッダに接続され、前記冷媒と前記空気との熱交換を行う第2伝熱管と、前記第2中間ヘッダの内部を、第3空間と、前記第3空間より下側に配置された第4空間とに仕切る第2仕切りとを有する第2熱交換器とを具備し、前記第1伝熱管は複数であり、前記複数の前記第1伝熱管は、前記第1空間に接続される前記第1伝熱管と、前記第2空間に接続される前記第1伝熱管とを有し、前記第1空間を構成する前記第1中間ヘッダには、前記冷媒が流出する第1流出口が設けられ、前記第2空間を構成する前記第1中間ヘッダには、前記冷媒が流出する第2流出口が設けられ、前記第2中間ヘッダは、前記第1中間ヘッダと接続され、前記第1流出口から前記冷媒が前記第3空間に流入する第1流入口と、前記第2流出口から前記冷媒が前記第3空間に流入する第2流入口とを具備する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、第2中間ヘッダは、第1中間ヘッダと接続され、第1流出口から液主体の冷媒が第3空間に流入する第1流入口と、第2流出口からガス主体の冷媒が第3空間に流入する第2流入口とを具備する。これにより、第3空間において、液主体の冷媒と、ガス主体の冷媒とが混合し、液冷媒の第2中間ヘッダの底への落下を抑制することができ、その結果、冷房の熱交換性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る空気調和装置の構成図である。
図2】実施の形態1に係る室外熱交換器の斜視透視図である。
図3】実施の形態1に係る室外熱交換器の第1中間ヘッダ及び第2中間ヘッダ周辺を示す縦断面図である。
図4】従来の室外熱交換器の第1中間ヘッダ及び第2中間ヘッダ周辺の冷媒流れを示す縦断面図である。
図5】実施の形態1に係る室外熱交換器の第1中間ヘッダ及び第2中間ヘッダ周辺の冷媒流れを示す縦断面図である。
図6】従来の室外熱交換器の第1中間ヘッダに流入する冷媒流量と風速分布を示す概念模式図である。
図7】実施の形態1に係る室外熱交換器の第1中間ヘッダに流入する冷媒流量と風速分布を示す概念模式図である。
図8】実施の形態1に係る室外熱交換器における運転負荷に対する性能曲線である。
図9】実施の形態1に係る室外熱交換器の冷媒流路構成の一例を示す模式図である。
図10】実施の形態2に係る室外熱交換器の第1中間ヘッダ及び第2中間ヘッダを示す縦断面図である。
図11】実施の形態3に係る室外熱交換器の第1中間ヘッダ及び第2中間ヘッダを示す縦断面図である。
図12】実施の形態4に係る第1中間ヘッダ及び第2中間ヘッダの上視断面図である。
図13図12のA-A方向断面拡大図である。
図14】実施の形態4に係る第1中間ヘッダ及び第2中間ヘッダの第1変形例を示す図12のA-A方向断面拡大図である。
図15】実施の形態4に係る第1中間ヘッダ及び第2中間ヘッダの第2変形例を示す図12のA-A方向断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の各実施の形態で、本開示に係る熱交換器及び空気調和装置の一例について、図面等を参照しながら説明する。なお、以下の各図面において、同一の符号を付した構成は、同一又はこれに相当する構成である。以下の実施の形態で記載されている各構成の形態は、あくまでも例示である。本開示に係る熱交換器及び空気調和装置は、以下の実施の形態で記載されている各構成に限定されるものではない。また、構成同士の組み合わせは、同一の実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、異なる実施の形態に記載した構成同士を組み合わせてもよい。以下の各図面では、各構成部材の大きさの関係が本開示を実施した実物とは異なる場合がある。
【0010】
実施の形態1.
<構成>
図1は、実施の形態1に係る空気調和装置200の構成図である。なお、図1の冷媒配管18に沿って付された白抜き矢印及び黒矢印は、冷房運転時の冷媒の流れ方向を示している。白抜き矢印は、冷媒がガス状態であること、黒矢印は冷媒が液状態であることを示している。また、第1中間ヘッダ1及び第2中間ヘッダ2近傍に付された網掛け矢印は気液二相状態であることを模式的に示している。室外熱交換器10が凝縮器として機能する際の冷媒の流れを示している。図1において、AFの方向は、空気の流れ方向を示し、90の矢印の方向は重力方向を示す。
【0011】
空気調和装置200は、冷媒を圧縮する圧縮機14、凝縮器として機能する室外熱交換器10、冷媒を減圧して膨張させる絞り装置17、及び、蒸発器として機能する室内熱交換器16を備えている。圧縮機14、室外熱交換器10、絞り装置17及び室内熱交換器16が順次冷媒配管18で接続され、冷凍サイクル回路が構成されている。
【0012】
圧縮機14及び室外熱交換器10は、室外機201に収容されている。室外機201の筐体は、室外熱交換器10に室外空気を供給し、空気を上側へ送風する送風機13を備える上吹き筐体である。また、室内熱交換器16及び絞り装置17は、室内機202に収容されている。室内機202には、室内熱交換器16に空調対象空間の空気である室内空気を供給する、図示せぬ室内送風機も収容されている。
【0013】
室外熱交換器10は、第1熱交換器11及び第2熱交換器12を有する。第1熱交換器11は、重力方向90に延びた第1中間ヘッダ1と、第1中間ヘッダ1に接続され、冷媒と空気との熱交換を行う第1伝熱管3_1(図3参照)とを有する。第2熱交換器12は、第1熱交換器11の風上に並設され、重力方向90に延びた第2中間ヘッダ2と、第2中間ヘッダ2に接続され、冷媒と空気との熱交換を行う第2伝熱管3_2とを有する。
【0014】
続いて、室外熱交換器10の詳細構成について説明する。
【0015】
図2は、実施の形態1に係る室外熱交換器10の斜視透視図である。また、図3は、実施の形態1に係る室外熱交換器10の第1中間ヘッダ1及び第2中間ヘッダ2周辺を示す縦断面図である。この図3は、第1伝熱管3_1及び第2伝熱管3_2の延びる方向に平行な縦断面図となっている。
【0016】
図2に示すように、室外熱交換器10は、空気を上側へ送風する送風機13を備える室外機201の上吹き筐体203に搭載される。上吹き筐体203は、送風機13から送出される空気を流出させる吹出口を、上部に備えている。図3に示すように、室外熱交換器10は、第1熱交換器11と、第1熱交換器11よりも空気の流れ方向AFにおける上流に設けられた第2熱交換器12とを有する。室外熱交換器10は、少なくとも2列の第1熱交換器11及び第2熱交換器12から構成されている。
【0017】
第1熱交換器11は、複数の第1伝熱管3_1を有する。第1伝熱管3_1は、水平方向に延び、上下方向に規定の間隔を空けて配置されている。第2熱交換器12は、複数の第2伝熱管3_2を有する。第2熱交換器12は、水平方向に延び、上下方向に規定の間隔を空けて配置されている。
【0018】
室外熱交換器10が凝縮器として機能する場合、第1伝熱管3_1及び第2伝熱管3_2を流れる冷媒は、室外空気によって冷却されて凝縮する。実施の形態1では、図3に示すように、冷媒と室外空気との熱交換を促進するため、複数の第1伝熱管3_1に複数のフィン4が接続され、複数の第2伝熱管3_2に複数の図示せぬフィンが接続されている。
【0019】
気流下流に設ける第1熱交換器11と気流上流の第2熱交換器12とは第1中間ヘッダ1及び第2中間ヘッダ2を介して順次接続される。なお、第1中間ヘッダ1は一定容積を持つ配管に第1伝熱管3_1が挿入される構成である。第2中間ヘッダ2は一定容積を持つ配管に第2伝熱管3_2が挿入される構成である。第1中間ヘッダ1は同じ列の第1伝熱管3_1の少なくとも2つを同じ空間で接続するヘッダである。第2中間ヘッダ2は同じ列の第2伝熱管3_2の少なくとも2つを同じ空間で接続するヘッダである。
【0020】
第1中間ヘッダ1は、第1仕切り35により、上側に設けられた第1空間21と下側に設けられた第2空間22とに仕切られている。第1空間21には、第1中間ヘッダ1に接続される第1伝熱管3_1のうち、少なくとも1本の第1伝熱管3_1が接続される。第2空間22には、第1中間ヘッダ1に接続される第1伝熱管3_1のうち、少なくとも2本の第1伝熱管3_1が接続される。
【0021】
第1空間21を構成する第1中間ヘッダ1の管壁には、冷媒が流出する第1流出口31_1が設けられる。第2空間22を構成する第1中間ヘッダ1の管壁には、冷媒が流出する第2流出口32_1が設けられる。
【0022】
第2中間ヘッダ2は、第2仕切り36により、上側に設けられた第3空間23と下側に設けられた第4空間24とに仕切られている。第3空間23には少なくとも1つの第2伝熱管3_2が接続される。第3空間23を構成する第2中間ヘッダ2の菅壁には、冷媒が流入する第1流入口33_1及び第2流入口34_1を有する。
【0023】
第1接続配管31は、第1流出口31_1を第1流入口33_1に接続し、第1空間21を第3空間23に連通する。第2接続配管32は、第2流出口32_1を第2流入口34_1に接続し、第2空間22を第3空間23に連通する。第2流出口32_1は、第2仕切り36よりも上側に設けられている。
【0024】
なお、第1流出口31_1と第1流入口33_1とは、第1接続配管31を使用せずに、直接接続されていても良い。また、第2流出口32_1と第2流入口34_1とは、第2接続配管32を使用せずに、直接接続されていても良い。
【0025】
また、第1空間21に接続される第1伝熱管3_1の数と、前記第2空間に接続される前記第1伝熱管3_1の数との和が、第2伝熱管3_2の数よりも多い。
【0026】
<動作>
続いて、空気調和装置200の動作について説明する。
<暖房運転>
まず、空気調和装置200の暖房運転時の動作について説明する。圧縮機14で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図示せぬ四方弁を通って、凝縮器として機能する室内熱交換器16に流入する。
【0027】
室内熱交換器16に流入した高温高圧のガス冷媒は、室内空気に熱を供給しながら冷却され、低温の液冷媒となって室内熱交換器16から流出する。室内熱交換器16から流出した液冷媒は、絞り装置17で減圧されて低温低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器として機能する室外熱交換器10の図示せぬ分配器に流入する。
【0028】
室外熱交換器10の分配器に流入した低温低圧の気液二相冷媒は、第2伝熱管3_2に分配される。そして、第2伝熱管3_2を流れる冷媒は、室外空気によって加熱されて蒸発し第1接続配管31及び第2接続配管32を介して、第1伝熱管3_1を流れる。第1伝熱管3_1を流れる冷媒は、室外空気によって加熱されて蒸発し、低圧のガス冷媒となって第1伝熱管3_1から流出する。第1伝熱管3_1から流出した低圧のガス冷媒は、図示せぬ合流管で合流した後に室外熱交換器10から流出する。室外熱交換器10から流出した低圧のガス冷媒は、図示せぬ四方弁を通った後に圧縮機14に吸い込まれる。圧縮機14に吸い込まれた低圧のガス冷媒は、圧縮機14で高温高圧のガス冷媒に再び圧縮される。
【0029】
<冷房運転>
次に、空気調和装置200の冷房運転時の動作について説明する。
圧縮機14で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図示せぬ四方弁を通って、凝縮器として機能する室外熱交換器10の図示せぬ合流管に流入する。
【0030】
室外熱交換器10の合流管に流入した高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器10の第1伝熱管3_1に分配される。そして、第1伝熱管3_1を流れる冷媒は、室外空気によって冷却されて凝縮し、低温の液冷媒となって第1接続配管31及び第2接続配管32を介して、第2伝熱管3_2を流れ、第2伝熱管3_2から流出する。
【0031】
第2伝熱管3_2から流出した低温の液冷媒は、図示せぬ分配器で合流した後に室外熱交換器10から流出する。室外熱交換器10から流出した液冷媒は、絞り装置17で減圧されて低温低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器として機能する室内熱交換器16に流入する。室内熱交換器16に流入した低温低圧の気液二相冷媒は、室内空気から熱を吸収しながら蒸発し、低圧のガス冷媒となって室内熱交換器16から流出する。室内熱交換器16から流出した低圧のガス冷媒は、図示せぬ四方弁を通った後に圧縮機14に吸い込まれ、圧縮機14で高温高圧のガス冷媒に再び圧縮される。
【0032】
このように構成された空気調和装置200においては、室外熱交換器10が凝縮器として機能する際、ガス冷媒が第1熱交換器11において風下側気流と熱交換し、ガス状態から気液二相状態に変化する。気液二相状態に変化した冷媒は、第1熱交換器11の第1伝熱管3_1から第1中間ヘッダ1の第1空間21及び第2空間22に流入する。この気液二相冷媒は、第1空間21及び第2空間22内部でそれぞれ混合されたのち、第1空間21及び第2空間22からそれぞれ第1接続配管31及び第2接続配管32を介して第2熱交換器12の第2中間ヘッダ2の第3空間23に流入する。第3空間23において、第1接続配管31及び第2接続配管32から流入した気液二相冷媒が混合され、第2熱交換器12の伝熱管3に分流して風上気流と熱交換する。
【0033】
<効果>
続いて、実施の形態1に係る室外熱交換器10の第1中間ヘッダ1及び第2中間ヘッダ2の効果について説明する。まず始めに、図4を用いて、実施の形態1に係る室外熱交換器10の比較対象である、従来の室外熱交換器10について説明する。
【0034】
図4は、従来の室外熱交換器10の第1中間ヘッダ1及び第2中間ヘッダ2周辺の冷媒流れを示す縦断面図である。
【0035】
従来の室外熱交換器10は、気流下流の第1熱交換器11の第1伝熱管3_1は、上下方向に規定の間隔を空けて配置され、第1中間ヘッダ1に接続されている。気流上流の第2熱交換器12の第2伝熱管3_2は、上下方向に規定の間隔を空けて配置され、第2中間ヘッダ2に接続されている。第1中間ヘッダ1と第2中間ヘッダ2とは、第1接続配管31で接続されている。
【0036】
第1熱交換器11に流入したガス冷媒は、気流下流と熱交換し、二相状態となって第1中間ヘッダ1へ流入する。この時、第1熱交換器11を通る気流は、上向きに送風する上吹き筐体に備えている送風機13によって、上側に設けられる第1伝熱管3_1及びフィン4間を流れる風速が大きくなる。下側に設けられる第1伝熱管3_1及びフィン4間を流れる風速は小さくなる。上側の第1伝熱管3_1の出口からは、下側の出口に対して液冷媒の質量流量比が大きい液主体冷媒102が、第1中間ヘッダ1内部に流入する。下側の第1伝熱管3_1の出口からは、上側の出口に対してガス冷媒の質量流量比が大きいガス主体冷媒103が第1中間ヘッダ1内部に流入する。
【0037】
このとき、液冷媒100はガス冷媒101に対して、密度が大きいため、第1中間ヘッダ1内部で下方に落下する。第1空間21の下部において、冷媒を上向きに流す駆動力は、第1空間21の下部よりも下方の、冷媒流れ上流の第1伝熱管3_1から流出した冷媒の慣性力である。冷媒流量が少ない第1中間ヘッダ1内部の下部では冷媒の慣性力が小さく、落下した液冷媒が上方に持ち上がらずに液の滞留104が発生する。特に低負荷運転においては、冷媒流量が小さく、第1伝熱管3_1内の水平方向の冷媒の慣性力が小さいため、下方の第1伝熱管3_1に第1空間21下部に液冷媒が侵入し、液の逆流105が発生する。
【0038】
このため、従来の室外熱交換器10では、空気調和装置200の低能力運転時のように冷凍サイクル回路内の冷媒循環量が小さい条件において、冷媒の流れが阻害され、冷媒の滞留及び逆流105が発生する。その結果、第1熱交換器11の熱交換する領域が小さくなり、凝縮器の熱交換性能が低下してしまう。
【0039】
図5は、実施の形態1に係る室外熱交換器10の第1中間ヘッダ1及び第2中間ヘッダ周辺の冷媒流れを示す縦断面図である。
【0040】
実施の形態1に係る室外熱交換器10においては、第1中間ヘッダ1は第1仕切り35により、第1空間21と第2空間22とに仕切られる。第1空間21には、第1中間ヘッダ1に接続する第1伝熱管3_1のうち、上側から少なくとも1本の第1伝熱管3_1が接続される。第2空間22には、下側に設けられた少なくとも2本以上の第1伝熱管3_1が接続されている。
【0041】
このため、上方の第1伝熱管3_1から流出する液主体冷媒102は第1中間ヘッダ1内部で、第2空間22へ侵入することがない。液主体冷媒102は、第1接続配管31を介して第2中間ヘッダ2の第3空間23へ流入する。これにより、第2空間22内部の液の滞留104が低減し、熱交換する領域が確保されて、凝縮器の熱交換性能が向上する。
【0042】
特に冷媒流量が小さくなる低負荷運転において効果が大きい。なお、実施の形態1においては、第2接続配管32を流れる冷媒流量は、第2空間22に接続する複数の第1伝熱管3_1から流れる冷媒流量の和となる。また、第2接続配管32の流路径は第1伝熱管3_1の流路径によることなく設計できるため、第3空間23から第2空間22への液の逆流105を抑制できる(図4参照)。
【0043】
図6は、従来の室外熱交換器10の第1中間ヘッダ1に流入する冷媒流量と風速分布を示す概念模式図である。図6は、従来の第1中間ヘッダ1に接続される第1伝熱管3_1に流れる冷媒の流量を、伝熱管の高さごとに白抜き棒グラフで示し、上吹き筐体の高さ方向の風速分布を実線で示す図である。
【0044】
図7は、実施の形態1に係る室外熱交換器10の第1中間ヘッダ1に流入する冷媒流量と風速分布を示す概念模式図である。図7は、実施の形態1に係る第1中間ヘッダ1に接続する第1伝熱管3_1に流れる冷媒の流量を、伝熱管の高さごとに黒塗り棒グラフで示し、上吹き筐体の高さ方向の風速分布を実線で示す図である。
【0045】
ところで、気液二相冷媒は、ガス冷媒が多いと冷媒の体積流量が大きいため冷媒圧力損失が大きく、液冷媒が多いと冷媒の体積流量が小さくなり、冷媒圧力損失が小さくなる特性がある。
【0046】
図4に示すように、従来の室外熱交換器10では、各第1伝熱管3_1出口の冷媒が第1中間ヘッダ1の出口において混合されて第1接続配管31を介して第2中間ヘッダ2に流入するため、図6に示すように第1伝熱管3_1ごとの冷媒流量差が小さい。一方で、上吹き筐体において気流の経路長が短い上方側の風速が大きく、気流の経路長が長い下方側の風速が小さくなる。このため、風速分布と冷媒流量分布の乖離とが大きくなり、性能低下の要因となっていた。
【0047】
一方、実施の形態1に係る室外熱交換器10では、上方の第1伝熱管3_1の出口である第1空間21と下方の第1伝熱管3_1の出口である第2空間22が連通しないよう仕切られている。このため、図7に示すように、液主体冷媒102が流入する第1空間21に接続する第1伝熱管3_1の冷媒流量が、ガス主体冷媒103が流入する第2空間22に接続する第1伝熱管3_1の冷媒流量に対して多くなる。従って、風速分布と冷媒流量分布の乖離が小さくなり、熱交換性能が向上する。
【0048】
図8は、実施の形態1に係る室外熱交換器10における運転負荷に対する性能曲線である。横軸に冷房の最大能力に対する能力比を、縦軸に各運転能力の室外熱交換器10の理論最大性能に対する性能比を示す。図8において、実線が実施の形態1の特性曲線を示し、破線が従来の特性曲線を示す。
【0049】
従来の構成においては、特に低負荷運転において第1中間ヘッダ1で液の滞留104(図4参照)が発生し、性能低下が発生していた。実施の形態1の構成では、特に低負荷運転において、液の滞留の抑制効果により室外熱交換器10の性能が改善する。さらに、第1伝熱管3_1の冷媒分配を上吹き筐体の風速分布に合わせることで、低負荷~高負荷運転までの室外熱交換器10の性能が改善し、空気調和装置200の省エネルギー性が向上する。
【0050】
なお、室外機201は上吹き筐体でなくても、室外熱交換器10を搭載することで、第1中間ヘッダ1の第2空間22の下部に落下する液冷媒が低減するため、性能改善効果はある。さらに、上吹き筐体に室外熱交換器10を搭載すると冷房運転において液冷媒が重力上側に多く形成される。このため、同一能力当たりで従来構成に対し第1中間ヘッダ1の第2空間22の下部に落下する液冷媒が低減し、性能改善効果が大きい。
【0051】
上記した空気調和装置200は、実施の形態1に係る空気調和装置200の一例である。例えば、室外熱交換器10を空気調和装置200の室内機202に搭載してもよい。また、第1中間ヘッダ1内の分割空間数は3以上でも効果に支障はなく、改善効果と製造コストより選定する設計事項である。図3において、第1空間21と第2空間22とは第1仕切り35により仕切られているが、第1空間21と第2空間22とを別体のヘッダで構成しても効果に支障はない。
【0052】
また、例えば、室外機201及び室内機202の数は1つに限定されることはなく、空気調和装置200に複数設けられていてもよい。また、空気調和装置200の冷凍サイクル回路を循環する冷媒の種類は、特に限定されない。例えば、冷媒は、R32、R410A、又は少なくともオレフィン系冷媒、プロパン又はDME(ジメチルエーテル)を含むR32冷媒に対してガス密度の小さい冷媒を含む。このような冷媒によれば、ガス冷媒の圧力損失による風速分布と冷媒分配の乖離を抑制できるため、より性能改善効果が大きい。
【0053】
室外熱交換器10の第1伝熱管3_1及び第2伝熱管3_2は、円管状の伝熱管に限定されるものではなく、第1伝熱管3_1及び第2伝熱管3_2の軸方向に直交する断面の長軸が気流方向に沿う扁平伝熱管等、種々の伝熱管を用いることができる。特に、扁平伝熱管を直接第1中間ヘッダ1に挿入する構成において、ヘッダの鉛直方向の流路径は扁平管の長軸長さよりも大きくなるため、流路断面積が大きくなる。これにより、第2空間22の流速が低下し、液冷媒の滞留104が多くなり、本構成による改善効果が大きい。
【0054】
また、図2図3及び図5に示すように、第1空間21に接続する第1伝熱管3_1の数と第2空間22に接続する第1伝熱管3_1の数の和が、第3空間に接続する伝熱管本数よりも多く構成してもよいし、同じでもよい。
【0055】
図9は、実施の形態1に係る室外熱交換器10の冷媒流路構成の一例を示す模式図である。図9に示すように、室外熱交換器10を伝熱管の両端にヘッダを2列以上設けて構成するパラレルフローコンデンサーで構成する。第1空間21に接続する第1伝熱管3_1の数と第2空間22に接続する第1伝熱管3_1の数の和が、第3空間23に接続する第2伝熱管3_2の数よりも多い。このような構成においては、第1中間ヘッダ1内下部の液冷媒を上向きに流す必要があるため、本構成適用による改善効果が大きくなる。
【0056】
また、図2図3及び図5に示すように、第1空間21と第3空間23とを接続する第1接続配管31は、第1空間21に接続する第1伝熱管3_1の平均高さよりも下方に設けられる。平均高さとは、第1空間21に接続する全ての第1伝熱管3_1の上下方向の高さの平均である。このような構成により、第1空間21内部の液冷媒の滞留を抑制できるため、性能改善効果が大きい。
【0057】
ただし、第1接続配管31を第1伝熱管3_1の平均高さよりも高く配置しても、第1空間21の下部が第3空間23下部よりも上方に設ければ、サイホンの原理により液冷媒は第1空間21より流出するため、性能改善の効果に支障はない。
【0058】
従って、実施の形態1の室外熱交換器10によれば、第1熱交換器11及び第1中間ヘッダ1の重力下側における液滞留を抑制することができる。従来のように、第1中間ヘッダ1に第1仕切り35がない構成では、第1中間ヘッダ1内で重力上側から落下した液冷媒を重力方向最下部の伝熱管の冷媒のみで持ち上げられず、特に中間負荷において液が滞留する。実施の形態1の室外熱交換器10の構成では、第1中間ヘッダ1に第1仕切り35が設けられる。そして、第1空間21の液主体冷媒を第1接続配管31で、第2空間22のガス主体冷媒を第2接続配管32で第2中間ヘッダ2の第3空間23で合流させる。これにより、第3空間23内で第2伝熱管3_2複数本分の冷媒で液の落下を抑制できる。従って、室外熱交換器10における液の滞留を抑制しつつ、第3空間23で気液冷媒を混合可能となり、冷房性能が改善する。
【0059】
実施の形態2.
実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0060】
図10は、実施の形態2に係る室外熱交換器10の第1中間ヘッダ1及び第2中間ヘッダ2を示す縦断面図である。
【0061】
実施の形態2に係る室外熱交換器10は、実施の形態1において、第3空間23よりも下方に、第3空間23とは仕切られた少なくとも一本の第2伝熱管3_2と接続する第4空間24を第2中間ヘッダ2に設ける。第1空間21と第2空間22とを仕切る第1仕切り35は、第3空間23と第4空間24とを仕切る第2仕切り36よりも上側に設けられる構成である。第1仕切り35及び第2仕切り36は、板状部材である。
【0062】
このように室外熱交換器10を構成することにより、第1仕切り35と第2仕切り36とのヘッド差により、第1接続配管31を介した第1空間21から第3空間23への液冷媒の流動を促進して第1空間21内部での液の滞留が抑制される。これにより、空気調和装置200の冷房性能が改善する。
【0063】
実施の形態3.
実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1~実施の形態2のいずれかと同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0064】
図11は、実施の形態3に係る室外熱交換器10の第1中間ヘッダ1及び第2中間ヘッダ2を示す縦断面図である。実施の形態3は実施の形態2とは異なり、第2接続配管32の第1中間ヘッダ1の第2空間22における第2流出口32_1は、第3空間23と第4空間24とを仕切る第2仕切り36よりも上側に設けられている構成である。第2接続配管32は、第1中間ヘッダ1の第2空間22と第2中間ヘッダ2の第3空間23とを接続する。
【0065】
このように構成された室外熱交換器10においては、第2空間22における第2流出口32_1と第2仕切り36とのヘッド差により、第2空間22への液冷媒の逆流105(図4参照)が抑制され、空気調和装置200の冷房性能が改善する
【0066】
実施の形態4.
実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態3と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0067】
図12は、実施の形態4に係る第1中間ヘッダ1及び第2中間ヘッダ2の上視断面図である。図13は、図12のA-A方向断面拡大図である。
【0068】
図12において、71は第1中間ヘッダ1の延伸方向の中心軸を示し、72は第2中間ヘッダ2の延伸方向の中心軸を示す。73は、接続配管の中心軸を示す。第2中間ヘッダ2の延伸方向の中心軸72から延びる2本の破線は、第1中間ヘッダ1の管壁38が見える範囲を示す。図13において、111は第1空間21から第3空間23への冷媒流れを示し、112は第2空間22から第3空間23への冷媒流れを示す。
【0069】
実施の形態4においては、第1流出口31_1は、第1中間ヘッダの延伸方向、かつ第2中間ヘッダ2の延伸方向の中心軸72から見て、第1中間ヘッダ1が見える範囲における第1中間ヘッダ1の管壁38に設けられている。つまり、第1流出口31_1は、第1中間ヘッダ1の第2中間ヘッダ2側の管壁38に設けられている。
【0070】
実施の形態4のように第1中間ヘッダ1を構成することにより、第1空間21から第3空間23までの第1接続配管31の経路長が短くなり、冷媒流れ111の流動が促進され、第1空間21内の液冷媒の滞留が抑制される。また、第2空間22から第3空間23までの第2接続配管32の経路長が短くなり、冷媒流れ112の慣性力を大きく低減することなく第3空間23へ冷媒が輸送される。このため、第3空間23においてガス主体冷媒を重力上向きに多く供給し、上吹き筐体の風速分布に合わせて冷媒分配が可能となる。
【0071】
図14は、実施の形態4に係る第1中間ヘッダ1及び第2中間ヘッダ2の第1変形例を示す図12のA-A方向断面拡大図である。
【0072】
図14に示す本実施の形態4の変形例は第1中間ヘッダ1の第1空間21における第3空間23への第1流出口31_1の高さは、第2中間ヘッダ2の第3空間23における第1空間21からの第1流入口33_1の高さ位置に対して、同じか、より高い構成である。
【0073】
本変形例のように第1中間ヘッダ1を構成することにより、第1流出口31_1の高さ位置と第1流入口33_1とのヘッド差により冷媒流れ111の流動が促進され、第1空間21内の液冷媒の滞留が抑制される。これにより、凝縮器性能が向上し、空気調和装置200の冷房性能が改善する。
【0074】
また、図14に示す実施の形態4の変形例は第1中間ヘッダ1の第2空間22における第3空間23への第2流出口32_1の高さ位置が、第2中間ヘッダ2の第2仕切り36の高さ位置に対して、より高い構成である。
【0075】
本変形例のように、第2流出口32_1を第2仕切り36上部よりも重力方向上向きに設けることで、第3空間23から第2空間22への液冷媒の逆流105(図4参照)が低減される。これにより、凝縮器性能が向上し、空気調和装置200の冷房性能が改善する。特に冷媒流速が小さくなる低負荷運転において改善効果が大きい。
【0076】
図15は、実施の形態4に係る第1中間ヘッダ1及び第2中間ヘッダ2の第2変形例を示す図12のA-A方向断面拡大図である。図15に示すように、実施の形態4の第2変形例は、第1流出口31_1及び第2流出口32_1が第1仕切り35で仕切られている。すなわち、第1中間ヘッダ1の管壁に設けられた1つの開口の高さの範囲内に、第1仕切り35が設けられていて、この開口の第1仕切り35の上側が第1流出口31_1、下側が第2流出口32_1となっている。
【0077】
本変形例のように第1流出口31_1及び第2流出口32_1がそれぞれ異なる流出口を形成する限り、第1接続配管31及び第2接続配管32を1本の配管で一体に構成してもよい。本変形例は第1空間21から第3空間23に冷媒を供給するまでに、第1仕切り35上部の液冷媒を上側に上昇させる必要がないため、第1空間21の液冷媒の滞留を抑制できる。これにより、凝縮器性能が向上され、空気調和装置200の冷房性能が改善する。特に冷媒流速が小さくなる低負荷運転において改善効果が大きい。
【0078】
実施の形態は、例として提示したものであり、請求の範囲を限定することは意図していない。実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施の形態及びその変形は、実施の形態の範囲及び要旨に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
1 第1中間ヘッダ、2 第2中間ヘッダ、3_1 第1伝熱管、3_2 第2伝熱管、4 フィン、10 室外熱交換器、11 第1熱交換器、12 第2熱交換器、13 送風機、 14 圧縮機、16 室内熱交換器、17 絞り装置、18 冷媒配管、21 第1空間、22 第2空間、23 第3空間、24 第4空間、31 第1接続配管、31_1 第1流出口、32 第2接続配管、32_1 第2流出口、33_1 第1流入口、34_1 第2流入口、35 第1仕切り、36 第2仕切り、38 管壁、71第1中間ヘッダ1の延伸方向の中心軸、72 第2中間ヘッダ2の延伸方向の中心軸、73 接続配管の中心軸、90 重力方向、100 液冷媒、101 ガス冷媒、102 液主体冷媒、103 ガス主体冷媒、104 液冷媒の滞留、105 液冷媒の逆流、111 第1空間から第3空間への冷媒流れ、112 第2空間から第3空間への冷媒流れ、200 空気調和装置、201 室外機、202 室内機、203 上吹き筐体、300 風速分布、AF 空気の流れ方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15