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特許7566173酸性ガス還元電極触媒およびそれを用いた酸性ガス還元装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】酸性ガス還元電極触媒およびそれを用いた酸性ガス還元装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 35/50 20240101AFI20241004BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20241004BHJP
   C25B 1/23 20210101ALI20241004BHJP
   C25B 3/03 20210101ALI20241004BHJP
   C25B 3/07 20210101ALI20241004BHJP
   C25B 3/26 20210101ALI20241004BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20241004BHJP
   C25B 13/08 20060101ALI20241004BHJP
   C25B 11/052 20210101ALI20241004BHJP
   C25B 11/071 20210101ALI20241004BHJP
【FI】
B01J35/50 ZAB
B01J37/02 301Z
C25B1/23
C25B3/03
C25B3/07
C25B3/26
C25B9/00 G
C25B13/08 301
C25B11/052
C25B11/071
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023563204
(86)(22)【出願日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 JP2023018930
【審査請求日】2023-10-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷垣 剛司
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-132965(JP,A)
【文献】特開2019-011492(JP,A)
【文献】特開2020-023726(JP,A)
【文献】特開2020-108879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
C25B 1/00-15/08
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性微粒子の表面に活性金属を付着させた触媒粒子と、
酸性ガスを吸着する多孔質粒子と、
プロトンを透過する陽イオン交換膜と、
表面に、前記多孔質粒子および前記陽イオン交換膜が共存する前記触媒粒子を、固着させた、電気導電性の多孔質の集電体と、
を備え、
前記触媒粒子は、前記陽イオン交換膜で覆われることにより、前記活性金属が付着した前記触媒粒子の表面に前記多孔質粒子を固着させるとともに前記集電体の表面に固着され
前記多孔質粒子の一部は、前記集電体と接することを特徴とする酸性ガス還元電極触媒。
【請求項2】
導電性微粒子の表面に活性金属を付着させた触媒粒子と、
酸性ガスを吸着する多孔質膜と、
プロトンを透過する陽イオン交換膜と、
表面に、前記多孔質膜および前記陽イオン交換膜が共存する前記触媒粒子を、固着させた多孔質の集電体と、
を備え、
前記触媒粒子は、前記多孔質膜で被覆され、前記陽イオン交換膜で覆われて前記集電体の表面に固着されたことを特徴とする酸性ガス還元電極触媒。
【請求項3】
導電性微粒子の表面に活性金属を付着させた触媒粒子と、
酸性ガスを吸着する多孔質膜と、
プロトンを透過する陽イオン交換膜と、
表面に、前記多孔質膜および前記陽イオン交換膜が共存する前記触媒粒子を、固着させた多孔質の集電体と、
を備え、
前記触媒粒子は、前記陽イオン交換膜を介して前記集電体の表面に固着され、前記多孔質膜で覆われたことを特徴とする酸性ガス還元電極触媒。
【請求項4】
前記多孔質粒子は、金属塩と有機配位子より合成される金属有機構造体であることを特徴とする請求項1に記載の酸性ガス還元電極触媒。
【請求項5】
前記多孔質膜は、金属塩と有機配位子より合成される金属有機構造体であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の酸性ガス還元電極触媒。
【請求項6】
前記多孔質膜は、電気導電性を有し、前記多孔質膜の膜厚は、0.01以上、1μm以下であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の酸性ガス還元電極触媒。
【請求項7】
電解液で満たされた電解槽と、
前記電解槽の中でイオン交換膜を介して対置されたカソード電極およびアノード電極と、
前記カソード電極と前記アノード電極に接続する電源と、
前記カソード電極に接するように酸性ガスを導入する導入管と、
を備え、
前記カソード電極は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の酸性ガス還元電極触媒を用いたことを特徴とする酸性ガス還元装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、酸性ガス還元電極触媒およびそれを用いた酸性ガス還元装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、地球規模での異常気象が多発しており、地球温暖化が原因と考えられている。産業革命以降、人類に起因した二酸化炭素の排出量は大幅に増加し、大気中の二酸化炭素濃度が高まっている。この二酸化炭素濃度が高くなると、太陽からの熱が地球に留まり易くなり、地球温暖化が進むと言われている。そのため、二酸化炭素の排出の削減が、課題となっている。
【0003】
大気中の二酸化炭素を削減する方法として、二酸化炭素を吸着して地中に貯蔵する方法および別の有用化学品(例えば、一酸化炭素、メタン、エタン、メタノール、エタノール、ギ酸、エチレングリコールなど)へ還元改質する方法が検討されている。特に再生可能エネルギーを活用した電気化学反応に基づいた二酸化炭素の還元改質方法は、電圧制御により改質可能な化学物質の生成を制御でき、国内・海外で非常に関心が高まっている。
【0004】
特許文献1は、二酸化炭素吸着材としての機能を有する多孔質体に活性金属を付けた触媒を導電性の金属表面に塗布した電極触媒を提案している。二酸化炭素の吸着材表面に活性金属を付けることで、吸着材と触媒を一緒にした電極触媒となっている。この電極触媒は、二酸化炭素に効率よく電子が供給でき、ギ酸、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、メタノール、メタンの有用性の高い物質へと還元することができるとしている。吸着材は多孔質体であるため、空孔が意図的に大きくなっており、必然的に触媒の導電性は低くなり、反応の効率面で課題があった。
【0005】
特許文献2は、アミノ基を含んだ陰イオン交換膜を触媒表面に被覆することで二酸化炭素を膜中の触媒金属近傍に留めることできる電極触媒を提案している。電極用材料として、触媒に、二酸化炭素と化学吸着し易いアミノ基を有した陰イオン交換膜を被覆した構造となっている。この電極触媒による二酸化炭素からの還元生成物としては一酸化炭素が主としてできるとしている。アミノ基と二酸化炭素は、化学的な結合状態となり吸着し易く解離し難いという特徴を持っており、その結合状態は安定であることが知られている。そのため、二酸化炭素を還元して別の化学物質を生成して脱離させるためには、余計なエネルギーが必要となる。また、陰イオン交換膜を触媒表面に被覆されるため、還元反応に必要なプロトンが供給され難いか、または完全に供給されないため、還元反応による電子の引き受け手がおらず、還元生成物は得ることは難しい。
【0006】
そこで、特許文献3は、電極材料として導電性多孔質体を用いており、その空孔内に二酸化炭素吸着剤とプロトン伝導剤の混合物を含侵させた電極触媒を提案している。この電極触媒を用いることで、ギ酸、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、メタノール、メタンの有用性の高い物質へと還元することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-150057号公報(段落0041、図1
【文献】特開2022-145227号公報(段落0015、図1
【文献】特開2020-023726号公報(段落0032、図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、電気化学反応による二酸化炭素のような酸性ガスの還元反応には、プロトン量を二酸化炭素量に合わせて、金属電極表面へ供給する必要がある。このプロトンと二酸化炭素の供給量に過多過少が生じると電気化学反応による還元反応は定常的な反応維持ができず、還元反応が停止する。従来技術では、二酸化炭素を吸着することを優先した電極触媒の技術が提供されており、プロトンの供給と電気的な導電性が担保されていないという問題があった。また、特許文献3では、多孔質材の内部空孔内にプロトン伝導剤と二酸化炭素吸着材を混在させるため、空孔の中央部分は電気的な接続が不十分となり、二酸化炭素の還元効率が劣るという問題があった。
【0009】
本願は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、酸性ガスである二酸化炭素を効率よく還元できる酸性ガス還元電極触媒およびそれを用いた酸性ガス還元装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願に開示される酸性ガス還元電極触媒は、導電性微粒子の表面に活性金属を付着させた触媒粒子と、酸性ガスを吸着する多孔質粒子と、プロトンを透過する陽イオン交換膜と、表面に、前記多孔質粒子および前記陽イオン交換膜が共存する前記触媒粒子を、固着させた、電気導電性の多孔質の集電体と、を備え、前記触媒粒子は、前記陽イオン交換膜で覆われることにより、前記活性金属が付着した前記触媒粒子の表面に前記多孔質粒子を固着させるとともに前記集電体の表面に固着され、前記多孔質粒子の一部は、前記集電体と接することを特徴とする。
また、本願に開示される酸性ガス還元電極触媒は、導電性微粒子の表面に活性金属を付着させた触媒粒子と、酸性ガスを吸着する多孔質膜と、プロトンを透過する陽イオン交換膜と、表面に、前記多孔質膜および前記陽イオン交換膜が共存する前記触媒粒子を、固着させた多孔質の集電体と、を備え、前記触媒粒子は、前記多孔質膜で被覆され、前記陽イオン交換膜で覆われて前記集電体の表面に固着されたことを特徴とする。
また、本願に開示される酸性ガス還元電極触媒は、導電性微粒子の表面に活性金属を付着させた触媒粒子と、酸性ガスを吸着する多孔質膜と、プロトンを透過する陽イオン交換膜と、表面に、前記多孔質部材および前記陽イオン交換部材が共存する前記触媒粒子を、固着させた多孔質の集電体と、を備え、前記触媒粒子は、前記陽イオン交換膜を介して前記集電体の表面に固着され、前記多孔質膜で覆われたことを特徴とする。
【0011】
本願に開示される酸性ガス還元装置は、電解液で満たされた電解槽と、前記電解槽の中でイオン交換膜を介して対置されたカソード電極およびアノード電極と、前記カソード電極と前記アノード電極に接続する電源と、前記カソード電極に接するように酸性ガスを導入する導入管と、を備え、前記カソード電極は、上記の酸性ガス還元電極触媒を用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願によれば、酸性ガスを吸着する多孔質体と、プロトンを透過する陽イオン交換膜と、が触媒上に共存することで、効率的に二酸化炭素を還元することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る酸性ガス還元電極触媒の構成を示す断面図である。
図2図2Aから図2Cは、実施の形態1に係る酸性ガス還元電極の製造方法を説明するための断面図である。
図3】実施の形態1に係る酸性ガス還元装置の構成を示す断面図である。
図4】実施の形態1に係る酸性ガス還元装置の他の構成を示す断面図である。
図5】実施の形態2に係る酸性ガス還元電極触媒の構成を示す断面図である。
図6図6Aおよび図6Bは、実施の形態2に係る酸性ガス還元電極の製造方法を説明するための断面図である。
図7】実施の形態3に係る酸性ガス還元電極触媒の構成を示す断面図である。
図8図8Aから図8Cは、実施の形態3に係る酸性ガス還元電極の製造方法を説明するための断面図である。
図9】実施の形態に係る酸性ガス還元装置を用いた還元反応の実験データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、本願の実施の形態1に係る酸性ガス還元電極触媒の構成を示す断面図である。図1に示すように、電極触媒100は、導電性微粒子2の表面に活性金属1を付着させた触媒粒子3、触媒粒子3の表面を被覆する多孔質部材としての多孔質膜4、多孔質膜4で被覆された触媒粒子3を固着させた集電体6、集電体6に固着した多孔質膜4で被覆された触媒粒子3を覆う陽イオン交換部材としての陽イオン交換膜5、で構成される。
【0015】
活性金属1の種類は、特に制約を課すものではないが、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、亜鉛、インジウム、スズ、コバルト、ルテニウム、鉄、イリジウムのいずれか1つ以上を含んだ金属塩を用いる。活性金属1の粒子径は、小さい方がより活性な状態であり、具体的には直径10μm以下であるのがよく、高い反応性を得るためには直径100nm以下であることが望ましい。
【0016】
導電性微粒子2は、反応場を大きくするために比表面積は大きいものが望ましく、具体的には50~2000m2/gの範囲であればよい。ここで言う導電性微粒子2とは、電気抵抗率は10Ω・cm以下であるものを指す。このような材料としては、カーボンブラックがあり、比表面積は上記の値を有するものが、活性金属1の担持体としては望ましい。
【0017】
多孔質膜4は、被電気導電性を有し、多孔質膜4の膜厚は、0.01μm以上、1μm以下が望ましい。0.01μm未満の場合は、酸性ガスの吸着効果が不十分となる。1μmを超える場合は、電気抵抗が大きくなるため、効率よく酸性ガスを還元できない。具体的な多孔質膜4の構成としては、金属イオンと有機配位子によって規則的な構造を形成する金属有機構造体(MOF:Metal Organic Frameworks)が望ましい。
【0018】
陽イオン交換膜5は、ほぼプロトンのみを透過する性能を有するものがよく、例えばナフィオン(商標登録)などが挙げられる。ナフィオンとは、エタンスルホン酸,2-[1-[ジフルオロ[(トリフルオロエテニル)オキシ]メチル]-1,2,2,2-テトラフルオロエトキシ]-1,1,2,2-テトラフルオロポリマーのことである。
【0019】
集電体6としては、多孔質の炭素繊維と炭素の複合材料であるカーボンペーパーを用いるのが良い。そのカーボンペーパーの表面は撥水コートで、疎水性の処理が施されていてもよい。
【0020】
この構成により、触媒粒子3の多孔質の集電体6側にある、酸性ガスである二酸化炭素を吸着する多孔質膜4と、触媒粒子3の集電体6とは反対側を覆う、プロトンを透過する陽イオン交換膜5と、が触媒上に共存することで、二酸化炭素とプロトンが両側から供給され、集電体上で還元反応が起こり、効率的に二酸化炭素を還元することができる。
【0021】
次に、本願の実施の形態1に係る酸性ガス還元電極触媒の製造方法について、図2Aから図2Cを用いて説明する。図2Aから図2Cは、実施の形態1に係る酸性ガス還元電極触媒の製造方法を説明するための断面図である。
【0022】
まず最初に、活性金属1が含まれた金属塩の溶液に導電性微粒子2を入れて撹拌しながら、還元剤を入れることで、図2Aに示すような、活性金属1を付着させた導電性微粒子2を得ることができる。金属塩は水和物か否かにより、水またはアルコールを溶媒に用いる。活性金属1は、導電性微粒子2に対して金属質量換算で0.1~50wt%の範囲で付着させる。望ましくは、1~10wt%の範囲で付着させる。付着量が0.1%未満であると、ファラデー効率が悪くなるため、産業利用の面で課題となる。付着量が50wt%よりも多くなるとシンタリング現象により活性金属1のサイズが大きくなり、触媒反応が乏しくなる。
【0023】
続いて、導電性微粒子2に活性金属1を付着させた触媒粒子3に、図2Bに示すように、多孔質膜4を被覆する。多孔質膜4を薄く被覆するためには、金属有機構造体を構成される金属塩と有機配位子が溶解した溶液中に前記の触媒粒子3を入れて、十分撹拌して必要に応じて加温することで被覆することができる。
【0024】
ここで述べた金属有機構造体の種類としては、耐熱性と耐水性を有するものであればよく、例えば、HKUST-1、ZIF-8、ZIF-67、UiO-66、MIL-100、MIL-101、MOF-74が挙げられる。
【0025】
ZIF-8を一例として示すと、15mlの2-methlimidazole(0.08mmol)含有メタノールと5mlのZn(NO32・6H2O(0.02mmol)含有メタノールを加え、その溶液中に触媒粒子3を入れて撹拌して乾燥することで多孔質膜4を被覆することができる。
【0026】
次いで、多孔質膜4を被覆した触媒粒子3を、電気導電性に優れ、かつ気体透過性を有する多孔質の集電体6に、固着させる。
【0027】
この集電体6への固着方法としては、最初にアルコール単体またはアルコールと水を含んだ水溶液中に多孔質膜4を被覆した触媒粒子3を混合し、集電体6上に噴霧して、図2Cに示すように、塗布する。
【0028】
最後に、陽イオン交換膜5の成分であるナフィオンを5wt%~10wt%の割合でアルコール単体またはアルコールと水の水溶液に溶かした溶液を塗布した後、室温放置または50℃以下の加温をして乾燥して固着させ、集電体6に固着した触媒粒子3を陽イオン交換膜5で覆うことで、図1に示す電極触媒100が得られる。このようにして形成された電極触媒100は、酸性ガス還元装置のカソード電極として使用される。
【0029】
多孔質膜4を被覆した触媒粒子3を集電体6に固着させる他の方法としては、アルコール単体またはアルコールと水の混合溶液に陽イオン交換膜5の成分であるナフィオンが5wt%~10wt%の割合で溶解させ、その溶液の中に、多孔質膜4を被覆した触媒粒子3を撹拌して、この混合溶液を集電体6に塗布しても同様の効果を得ることができる。
【0030】
多孔質膜4を被覆した触媒粒子3を集電体6に固着させる上記いずれの方法であっても、集電体6に、多孔質膜4を被覆した触媒粒子3が均一に濃度ムラ無く、分布されるのが望ましい。
【0031】
なお、本実施の形態1では、多孔質膜4を被覆した触媒粒子3を集電体6に、均一に塗布する方法として、噴霧する方法を用いたが、これに限るものではない。他の均一に塗布する方法としては、ロール状塗布、スピン塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、ディスペンス塗布などの方法がある。
【0032】
図3は、本願の実施の形態1に係る酸性ガス還元電極触媒を用いた酸性ガス還元装置の構成を示す断面図である。図3に示すように、二酸化炭素のような酸性ガスの還元装置200は、電解槽11の中を電解液18で満たされており、その中にカソード電極12、アノード電極13がイオン交換膜14を介して対置され、電源15と接続された構造となっている。
【0033】
電解液18は、pH7以上の中性からアルカリ性であることが望ましく、溶質物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが0.1~10mol/Lで溶解していることが望ましい。アルカリ性の水溶液は二酸化炭素を液中に留める性質があり、二酸化炭素の還元には望ましい。イオン交換膜14は、陽イオン交換膜であることが望ましく、プロトンがカソード電極12側の槽に移動できるように配置されている。また、カソード電極12の近傍に二酸化炭素導入管16が設置され、気泡がカソード電極12に接するように二酸化炭素17が供給される。電極触媒100をカソード電極12として用いた場合、二酸化炭素は多孔質膜4に捕捉され、陽イオン交換膜5から供給されるプロトンは多孔質膜4の中を拡散しながら、電気的なエネルギーを得て二酸化炭素と還元反応を起こす。
【0034】
図4は、本願の実施の形態1に係る酸性ガス還元電極触媒を用いた酸性ガス還元装置の他の構成を示す断面図である。図4に示すように、還元装置200は、カソード電極22の片側のみ電解液28と接しており、もう一方の片側は二酸化炭素導入管26が設置され、気体の二酸化炭素27と接する。それ以外の電解槽21、アノード電極23、イオン交換膜24、および電源25は、図3と同じである。電解液28については、アルカリ性である必要性はなく、酸性であっても良い。カソード電極22の電極触媒100の配置は、集電体6が気体の二酸化炭素27と接するように配置し、電解液28は陽イオン交換膜5と接するように配置する。このように配置することで、固相である多孔質膜4を被覆した触媒粒子3上で、気相の二酸化炭素、液相からのプロトンという三相界面での還元反応を実現することができるようになる。
【0035】
このような図3および図4で構成される還元装置200で起こりうる還元反応を下記の電気化学反応式で示す。このように電気化学反応により、一酸化炭素、ギ酸、メタノール、メタン、エタン、エタノールといった化学物質29は、本願の電極触媒100を用いて、二酸化炭素27から得ることができる。なお、E0は標準電極電位を示しており、実際の電極電位は使用する参照極と過電圧に依存するため、よりカソード電位側にシフトする。
【0036】
下記に示す電気化学反応により、二酸化炭素は還元されて、別の物質に改質される。
CO2+2H+2e- ⇔ CO+H2O E0=-0.104V
CO2+2H+2e- ⇔ HCOOH E0=-0.171V
CO2+6H+6e- ⇔ CH3OH+H2O E0=-0.142V
CO2+8H+8e- ⇔ CH4+2H2O E0=-0.169V
CO2+12H+12e- ⇔ C24+4H2O E0=+0.079V
CO2+12H+12e- ⇔ C25OH+3H2O E0=+0.084V
【0037】
以上のように、本実施の形態1に係る酸性ガス還元電極触媒によれば、電極触媒100は、導電性微粒子2の表面に活性金属1を付着させた触媒粒子3と、酸性ガスを吸着する多孔質膜4と、プロトンを透過する陽イオン交換膜5と、表面に、多孔質膜4および陽イオン交換膜5が共存する触媒粒子3を、固着させた多孔質の集電体6と、を備え、触媒粒子3は、多孔質膜4で被覆され、陽イオン交換膜5で覆われて集電体6の表面に固着されるようにしたので、また、本実施の形態1に係る酸性ガス還元装置によれば、還元装置200は、電解液18(28)で満たされた電解槽11(21)と、電界層11(21)の中でイオン交換膜14(24)を介して対置されたカソード電極12(22)およびアノード電極13(23)と、カソード電極12(22)とアノード電極13(23)に接続する電源15(25)と、カソード電極12(22)に接するように酸性ガスである二酸化炭素17(27)を導入する二酸化炭素導入管16(26)と、を備え、カソード電極12(22)は、電極触媒100を用いるようにしたので、酸性ガスである二酸化炭素を吸着する多孔質膜と、プロトンを透過する陽イオン交換膜と、が触媒上に共存することで、二酸化炭素とプロトンが両側から供給され、集電体上で還元反応が起こり、効率的に二酸化炭素を還元することができる。
【0038】
実施の形態2.
実施の形態1では、触媒粒子3の集電体6側に多孔質膜4を、集電体6とは反対側に陽イオン交換膜5を設けた場合を説明したが、実施の形態2では、触媒粒子3の集電体6側に陽イオン交換膜5を、集電体6とは反対側に多孔質膜4を設けた場合について説明する。
【0039】
図5は、本願の実施の形態2に係る酸性ガス還元電極触媒の構成を示す断面図である。図5に示すように、電極触媒101は、導電性微粒子2の表面に活性金属1を付着させた触媒粒子3、触媒粒子3を、陽イオン交換膜5を介して固着させた集電体6、集電体6に固着した触媒粒子3を覆う多孔質膜4、で構成される。
【0040】
次に、本願の実施の形態2に係る酸性ガス還元電極触媒の製造方法について、図6Aおよび図6Bを用いて説明する。図6Aおよび図6Bは、実施の形態2に係る酸性ガス還元電極触媒の製造方法を説明するための断面図である。
【0041】
まず最初に、活性金属1が含まれた金属塩の溶液に導電性微粒子2を入れて撹拌しながら、還元剤を入れることで、図6Aに示すような、活性金属1を付着させた導電性微粒子2を得ることができる。金属塩は水和物か否かにより、水またはアルコールを溶媒に用いる。活性金属1は、導電性微粒子2に対して金属質量換算で0.1~50wt%の範囲で付着させる。望ましくは、1~10wt%の範囲で付着させる。付着量が0.1%未満であると、ファラデー効率が悪くなるため、産業利用の面で課題となる。付着量が50wt%よりも多くなるとシンタリング現象により活性金属1のサイズが大きくなり、触媒反応が乏しくなる。
【0042】
続いて、陽イオン交換膜5の成分であるナフィオンを5wt%~10wt%の割合でアルコール単体またはアルコールと水の混合溶液に溶解させ、その溶液を集電体6の表面に塗布した後、導電性微粒子2に活性金属1を付着させた触媒粒子3を、図6Bに示すように、形成された陽イオン交換膜5上に塗布する。なお、陽イオン交換膜5は、塗布面の反対側の集電体6の表面に出て来てもよい。
【0043】
触媒粒子3の塗布方法は、アルコール単体またはアルコールと水の混合溶液の中に触媒粒子3を混合し、スピン塗布、スプレー塗布、ディスペンス塗布などの方法で実施し、集電体6の陽イオン交換膜5の塗布面に均一に分散させるのが望ましい。塗布した後の乾燥温度は室温放置、または50℃以下の加温をしても良い。
【0044】
最後に、集電体6に固着した触媒粒子3の表面を覆うように多孔質膜4を形成ことで、図5に示す電極触媒101が得られる。このようにして形成された電極触媒101は、図3および図4に示すような酸性ガス還元装置のカソード電極として使用される。
【0045】
多孔質膜を薄く被覆するためには、実施の形態1と同様に、金属有機構造体を構成される金属塩と有機配位子が溶解した溶液中に触媒粒子3を入れて、十分撹拌して必要に応じて加温することで被覆することができる。ここで述べた金属有機構造体の種類としては、耐熱性と耐水性を有するものであればよく、例えば、HKUST-1、ZIF-8、ZIF-67、UiO-66、MIL-100、MIL-101、MOF-74が挙げられる。
【0046】
多孔質膜4を均一に塗布する方法としては、ロール状塗布、スピン塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、ディスペンス塗布などの方法が望ましい。塗布した後の乾燥温度は、室温放置、または50℃以下の加温が望ましい。
【0047】
電極触媒101を図3の還元装置200のカソード電極12として使用する場合は、二酸化炭素導入管16から出てくる二酸化炭素17が多孔質膜4と接するように配置する必要がある。
【0048】
電極触媒101を図4の還元装置200のカソード電極22として使用する場合は、電解液18とは触媒粒子3が固着されていない集電体6の面を接するようにし、気体として導入される二酸化炭素27は多孔質膜4と接するようにする。この時、電解液28と接する集電体6の最表面は陽イオン交換膜5で覆われている方が望ましい。
【0049】
実施の形態2による電極触媒101のその他の構成および製造方法については、実施の形態1の電極触媒100と同様であり、対応する部分には同符号を付してその説明を省略する。また、実施の形態2による電極触媒101を用いた酸性ガス還元装置の構成についても、実施の形態1の電極触媒100を用いた還元装置200と同様であり、対応する部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0050】
以上のように、本実施の形態2に係る酸性ガス還元電極触媒によれば、電極触媒101は、導電性微粒子2の表面に活性金属1を付着させた触媒粒子3と、酸性ガスを吸着する多孔質膜4と、プロトンを透過する陽イオン交換膜5と、表面に多孔質膜4および陽イオン交換膜5が共存する触媒粒子3を、固着させた多孔質の集電体6と、を備え、触媒粒子3は、陽イオン交換膜5を介して集電体6の表面に固着され、多孔質膜4で覆われるようにしたので、また、本実施の形態2に係る酸性ガス還元装置によれば、還元装置200は、電解液18(28)で満たされた電解槽11(21)と、電界層11(21)の中でイオン交換膜14(24)を介して対置されたカソード電極12(22)およびアノード電極13(23)と、カソード電極12(22)とアノード電極13(23)に接続する電源15(25)と、カソード電極12(22)に接するように酸性ガスである二酸化炭素17(27)を導入する二酸化炭素導入管16(26)と、を備え、カソード電極12(22)は、電極触媒101を用いるようにしたので、酸性ガスである二酸化炭素を吸着する多孔質膜と、プロトンを透過する陽イオン交換膜と、が触媒上に共存することで、二酸化炭素とプロトンが両側から供給され、集電体上で還元反応が起こり、効率的に二酸化炭素を還元することができる。
【0051】
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2では、多孔質部材として多孔質膜4を用いた場合について説明したが、実施の形態3では、多孔質部材としての多孔質粒子を用いた場合について説明する。
【0052】
図7は、本願の実施の形態3に係る酸性ガス還元電極触媒の構成を示す断面図である。図7に示すように、電極触媒102は、導電性微粒子2の表面に活性金属1を付着させた触媒粒子3、触媒粒子3の表面に陽イオン交換膜5を被覆するとともに固着された多孔質粒子10、陽イオン交換膜5で覆うことで触媒粒子3が固着された集電体6、で構成される。
【0053】
次に、本願の実施の形態3に係る酸性ガス還元電極触媒の製造方法について、図8Aおよび図8Bを用いて説明する。図6Aおよび図6Bは、実施の形態2に係る酸性ガス還元電極触媒の製造方法を説明するための断面図である。
【0054】
まず最初に、活性金属1が含まれた金属塩の溶液に導電性微粒子2を入れて撹拌しながら、還元剤を入れることで、図8Aに示すような、活性金属1を付着させた導電性微粒子2を得ることができる。金属塩は水和物か否かにより、水またはアルコールを溶媒に用いる。活性金属1は、導電性微粒子2に対して金属質量換算で0.1~50wt%の範囲で付着させる。望ましくは、1~10wt%の範囲で付着させる。付着量が0.1%未満であると、ファラデー効率が悪くなるため、産業利用の面で課題となる。付着量が50wt%よりも多くなるとシンタリング現象により活性金属1のサイズが大きくなり、触媒反応が乏しくなる。
【0055】
続いて、陽イオン交換膜5の成分であるナフィオンを5wt%~10wt%の割合でアルコール単体またはアルコールと水の混合溶液に溶解させ、その溶液の中に、触媒粒子3および図8Bに示す多孔質粒子10を入れて十分撹拌する。
【0056】
なお、多孔質粒子10は二酸化炭素を吸着できる材料であればよく、活性炭、ゼオライトのような材料であり、触媒粒子3と同程度からそれ以下の直径を有していることが望ましい。特に、多孔質体粒子10としては、金属有機構造体を用いることが望ましく、耐熱性と耐水性を有するものであればよい。例えば、HKUST-1、ZIF-8、ZIF-67、UiO-66、MIL-100、MIL-101、MOF-74が挙げられる。ZIF-8を一例として挙げると、実施の形態1で示した試薬を用いて、加熱・加圧により粒状のZIF-8を合成しても良い。また、市販品を用いても良く、BASF社(独)で製造されているBasoliteZ1200(商標登録)を用いても良い。
【0057】
最後に、触媒粒子3と多孔質粒子10を入れて十分撹拌させた溶液を、集電体6に塗布した後、乾燥させることで、図7に示す電極触媒102が得られる。このようにして形成された電極触媒102は、図3および図4に示すような酸性ガス還元装置のカソード電極として使用される。
【0058】
均一に塗布する方法としては、ロール状塗布、スピン塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、ディスペンス塗布などの方法が望ましい。乾燥時の温度は、室温または50℃以下の加温をしても良い。
【0059】
電極触媒102を図3の還元装置200のカソード電極12として使用する場合は、二酸化炭素導入管16から出てくる二酸化炭素17がカソード電極12の全体と接するように配置する必要がある。
【0060】
電極触媒102を図4の還元装置200のカソード電極22として使用する場合は、気体として導入される二酸化炭素27は集電体6と接するようにする。この場合、集電体6の二酸化炭素27と接する面は、陽イオン交換膜5で覆われていない方が望ましい。陽イオン交換膜5が全面に厚く覆われていると、気体である二酸化炭素27が透過しないためである。
【0061】
実施の形態3による電極触媒102のその他の構成および製造方法については、実施の形態1の電極触媒100と同様であり、対応する部分には同符号を付してその説明を省略する。また、実施の形態3による電極触媒102を用いた酸性ガス還元装置の構成についても、実施の形態1の電極触媒100を用いた還元装置200と同様であり、対応する部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0062】
以上のように、本実施の形態3に係る酸性ガス還元電極触媒によれば、電極触媒102は、導電性微粒子2の表面に活性金属1を付着させた触媒粒子3と、酸性ガスを吸着する多孔質粒子10と、プロトンを透過する陽イオン交換膜5と、表面に多孔質粒子10および陽イオン交換膜5が共存する触媒粒子3を、固着させた多孔質の集電体6と、を備え、触媒粒子3は、陽イオン交換膜5で覆われることにより、表面に多孔質粒子10を固着させるとともに、集電体6の表面に固着されるようにしたので、また、本実施の形態3に係る酸性ガス還元装置によれば、還元装置200は、電解液18(28)で満たされた電解槽11(21)と、電界層11(21)の中でイオン交換膜14(24)を介して対置されたカソード電極12(22)およびアノード電極13(23)と、カソード電極12(22)とアノード電極13(23)に接続する電源15(25)と、カソード電極12(22)に接するように酸性ガスである二酸化炭素17(27)を導入する二酸化炭素導入管16(26)と、を備え、カソード電極12(22)は、電極触媒102を用いるようにしたので、酸性ガスである二酸化炭素を吸着する多孔質粒子と、プロトンを透過する陽イオン交換膜と、が触媒上に共存することで、二酸化炭素とプロトンが両側から供給され、集電体上で還元反応が起こり、効率的に二酸化炭素を還元することができる。
【0063】
図9は、本願の実施の形態1から実施の形態3に係る酸性ガス還元電極触媒を用いた酸性ガス還元装置を用いた場合の還元反応における実験結果となる。Iは実施の形態1に係る酸性ガス還元電極触媒、IIは実施の形態2に係る酸性ガス還元電極触媒、およびIIIは実施の形態3に係る酸性ガス還元電極触媒をそれぞれ用いたカソード電極での実験結果である。比較として、IVは従来の酸性ガス還元電極触媒を用いたカソード電極での実験結果である。還元反応はマイナス側の値が大きいほど良い。従来の多孔質体を付けない電極触媒と比較して、本願の電極触媒は、マイナス側に大きな電流値が得られており、優れた性能を有している。
【0064】
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0065】
1 活性金属、2 導電性微粒子、3 触媒粒子、4 多孔質膜、5 陽イオン交換膜、6 集電体、100、101、102 電極触媒。
【要約】
電極触媒(100)は、導電性微粒子(2)の表面に活性金属(1)を付着させた触媒粒子(3)と、酸性ガスを吸着する多孔質膜(4)と、プロトンを透過する陽イオン交換膜(5)と、表面に、多孔質膜(4)および陽イオン交換膜(5)が共存する触媒粒子(3)を、固着させた多孔質の集電体(6)と、を備え、触媒粒子(3)は、多孔質膜(4)で被覆され、陽イオン交換膜(5)で覆われて集電体(6)の表面に固着される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9