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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】セラミックヒーター
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/10 20060101AFI20241004BHJP
   H05B 3/68 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H05B3/10 A
H05B3/68
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2024005338
(22)【出願日】2024-01-17
【審査請求日】2024-01-17
(31)【優先権主張番号】10-2023-0161006
(32)【優先日】2023-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520139620
【氏名又は名称】ミコ セラミックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チン、チョン-チョル
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヒョン-チョン
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-174586(JP,A)
【文献】特開2009-043589(JP,A)
【文献】特開2018-046079(JP,A)
【文献】特開2012-080103(JP,A)
【文献】特開2021-125500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/10
H05B 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体及び第1通路を有するプレートと、
中空を有するシャフトと、を含み、
前記発熱体は、複数の同心円弧部、及び前記円弧部を連結する複数の連結部を備え、前記複数の連結部が所定距離離隔して向かい合って形成される離隔領域は、前記プレートの半径方向に延長され、
前記第1通路は、前記離隔領域に隣接して形成され
前記第1通路は、前記プレートの厚さ方向において前記発熱体と重ならない、セラミックヒーター。
【請求項2】
前記複数の連結部は相互平行に整列され、前記プレートの半径方向に延長される離隔領域を形成する、請求項1に記載のセラミックヒーター。
【請求項3】
前記プレートは、第1発熱部、及び前記第1発熱部と連結され、前記第1発熱部と線対称である第2発熱部を含み、
前記離隔領域は、前記第1発熱部と前記第2発熱部との間に形成される、請求項1に記載のセラミックヒーター。
【請求項4】
前記離隔領域と前記第1通路はそれぞれ、複数個である、請求項1に記載のセラミックヒーター。
【請求項5】
前記複数個の第1通路は、長さが互いに異なる少なくとも2個の前記第1通路を含む、請求項に記載のセラミックヒーター。
【請求項6】
前記シャフトは、壁部、及び第2通路を含み、
前記第2通路は、前記壁部の長手方向に沿って前記壁部内に形成される、請求項1に記載のセラミックヒーター。
【請求項7】
前記壁部は、第1厚さを有する第1厚さ部、及び第2厚さを有する第2厚さ部を含み、
前記第2厚さは、前記第1厚さよりも大きく、
前記第2通路は、前記第2厚さ部内に形成される、請求項に記載のセラミックヒーター。
【請求項8】
前記第2厚さ部は、前記壁部の外側に突出して形成される、請求項7に記載のセラミックヒーター。
【請求項9】
前記壁部は、第1厚さを有する第1厚さ部、及び第2厚さを有する複数個の第2厚さ部を含み、
前記第2厚さは、前記第1厚さよりも大きく、
複数個の前記第2厚さ部内にそれぞれ形成された複数個の前記第2通路を含み、
前記離隔領域と前記第1通路はそれぞれ複数個であり、
複数個の前記第2通路は、複数個の前記第1通路とそれぞれ対応する、請求項に記載のセラミックヒーター。
【請求項10】
前記第1通路は、前記プレートの第1面と平行な第A通路部、及び前記第1面に対して傾斜した第B通路部を含む、請求項1に記載のセラミックヒーター。
【請求項11】
前記プレートは、第1プレート部及び第2プレート部を含み、
前記第A通路部は前記第1プレート部に位置し、前記第B通路部は前記第2プレート部に位置する、請求項10に記載のセラミックヒーター。
【請求項12】
前記第B通路部は、前記発熱体に向かって傾斜している、請求項10に記載のセラミックヒーター。
【請求項13】
前記第B通路部は、前記第1通路の円周の方向の端部に位置する、請求項12に記載のセラミックヒーター。
【請求項14】
前記第A通路部の出口面積は、前記第B通路部の入口面積よりも小さい、請求項10に記載のセラミックヒーター。
【請求項15】
前記セラミックヒーターは熱電対をさらに含み、
前記熱電対は、前記第1通路及び前記第2通路の内部に位置し、
前記第1通路は、前記プレートの第1面と平行な第A通路部、及び前記第1面に対して傾斜した第B通路部を含み、
前記第B通路部は、前記発熱体に向かって傾斜し、
前記熱電対の測温部は、前記第B通路部に位置する、請求項に記載のセラミックヒーター。
【請求項16】
前記セラミックヒーターは熱電対をさらに含み、
前記熱電対は、前記シャフトの前記中空及び前記第通路内に位置する、請求項1~及び1015のいずれか1つに記載のセラミックヒーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックヒーターに関し、より具体的には、温度センサーが挿入される通路の構造が改善されたセラミックヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、平板ディスプレイパネル或いは半導体素子を製造するためには、ガラス基板、フレキシブル基板又は半導体基板などの基板上に、誘電体層及び金属層を含む一連の層を順次に積層してパターニングする工程を行う。このとき、誘電体層及び金属層などの一連の層は、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)又は物理気相蒸着(Physical Vapor Deposition、PVD)などの工程によって前記基板上に蒸着される。
【0003】
これらの層を均一に形成するためには、基板を均一な温度に加熱する必要があるが、基板を加熱して支持するために基板加熱装置が用いられてよい。基板加熱装置は、基板上に形成される誘電体層又は金属層のエッチング工程(etching process)、感光膜(photo resistor)の焼成工程などで基板加熱のために用いられてよい。
【0004】
このような基板加熱装置として使用されるセラミックヒーターは、発熱体と、発熱体の温度を測定するための熱電対を備えている。熱電対は、セラミックヒーターの内部に形成された熱電対通路に挿入されるが、発熱体で発生する熱が熱電対通路を通じて放出されてしまうことがある。このような熱損失が発生すると、セラミックヒーター上に配置された基板の温度均一度が低下する問題につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、熱電対などの温度センサーが挿入される通路による熱損失を防止することである。
【0006】
また、解決しようとする課題は、発熱体の膨脹・収縮によってセラミックヒーターのプレートに発生する亀裂を防止することである。
【0007】
また、解決しようとする課題は、発熱体の温度をより正確に測定することである。
【0008】
また、解決しようとする課題は、熱電対などの温度センサーを設置する位置を自由に選択して設計自由度を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施例に係るセラミックヒーターは、発熱体及び第1通路を有するプレート;及び、中空を有するシャフトを含み、前記発熱体は、複数の同心円弧部、及び前記円弧部を連結する複数の連結部を備え、前記複数の連結部が所定距離離隔して向かい合って形成する離隔領域は、前記プレートの半径方向に延長され、前記第1通路は、前記離隔領域に隣接して形成されるセラミックヒーターを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施例によれば、温度センサーが挿入される通路を、発熱体の密集していない領域に配置することにより、熱損失とセラミックプレートの亀裂を防止することができる。
【0011】
また、温度センサーの測温部を発熱体の近くに配置することにより、発熱体の温度をより正確に測定することができる。
【0012】
また、シャフトの壁部内部に温度センサーを設置することによって、温度センサーの位置に対する設計自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例に係るセラミックヒーターの斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係るプレートを発熱体に沿って水平に切断して上から見た断面図である。
図3】本発明の他の実施例に係るプレートを発熱体に沿って水平に切断して上から見た断面図である。
図4図2のP部分を示す部分拡大図である。
図5】本発明のさらに他の実施例に係るプレートを発熱体に沿って水平に切断して上から見た断面図である。
図6図2のC-C断面図である。
図7】第1通路が発熱体の密集している領域に形成された場合に発生する熱損失を示す比較例の図である。
図8】第1通路が発熱体の密集している領域に形成された場合に発生する微細亀裂を示す比較例の図である。
図9】本発明のさらに他の実施例に係るプレートに対するC-C断面図である。
図10図9のプレートを製造する工程を説明するための図である。
図11図9のZ部分を示す部分拡大図である。
図12図11のE-E断面図である。
図13図1のB-B断面図である。
図14】本発明の実施例に係るシャフトが適用された図1のA-A断面図である。
図15図14のD-D断面図である。
図16】本発明のさらに他の実施例に係るシャフトを示す断面図である。
図17】本発明のさらに他の実施例のセラミックヒーターを上から見た平面図である。
図18】本発明の実施例に係るシャフトが適用された図1のB-B断面図である。
図19図18のセラミックヒーターに熱電対が挿入された様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して、本明細書に開示される実施例を詳細に説明するが、図面符号に関係なく、同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付し、それに関する重複説明は省略する。以下、本発明に係る実施例の説明において、各層(膜)、領域、パターン又は構造物が基板、各層(膜)、領域、パッド又はパターン「の上/上(on)」又は「の下/下(under)」に形成されると記載される場合に、「の上/上(on)」と「の下/下(under)」は、「直接に(directly)」又は「他の層を介在して(indirectly)」形成されるいずれをも含む。また、各層「の上/上」又は「の下/下」は、図面を基準として説明する。図面中、各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために、誇張、省略又は概略して示されている。なお、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するものではない。
【0015】
本説明において、「含む」、「備える」、又は「構成される」のような表現は、或る特性、数字、段階、動作、要素、それらの一部又は組合せを表すためのもので、記述された以外の1つ又はそれ以上の他の特性、数字、段階、動作、要素、それらの一部又は組合せの存在又は可能性を排除するように解釈されてはならない。
【0016】
また、第1、第2などの用語は様々な構成要素を説明するために使われてよいが、これらの構成要素が前記第1、第2などの用語によって限定されるものではなく、これらの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使われるだけである。
【0017】
また、本明細書に開示された実施例を説明するに当たって、関連する公知技術に関する具体的な説明が本明細書に開示の実施例の要旨を曖昧にさせ得ると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0018】
添付の図面は、本明細書に開示される実施例の容易な理解を助けるためのものに過ぎず、添付の図面によって本明細書に開示の技術的思想が限定されることはなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物又は代替物を含むものと理解されるべきである。
【0019】
以下では、本発明の様々な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例に係るセラミックヒーターの斜視図である。
【0021】
セラミックヒーター10は、半導体ウエハー、ガラス基板、フレキシブル基板などのような様々な目的の熱処理対象体を支持し、当該熱処理対象体を、あらかじめ決定された温度に加熱する装置である。
【0022】
セラミックヒーター10は、半導体ウエハーWのような熱処理対象体が載置されるプレート20と、プレートの下部面20bに結合するシャフト50で構成される。プレート20は、熱処理対象体が載置される平坦な載置面(第1面)20aと、シャフト50が結合する下部面(第2面)20bを備える。
【0023】
プレート20は、窒化アルミニウム又はアルミナなどのようなセラミック材料を含む円盤形のプレート20である。シャフト50は、プレート20と同様に、窒化アルミニウム、アルミナなどのセラミック材質で形成されてよい。
【0024】
図2は、本発明の実施例に係るプレートを発熱体に沿って水平に切断して上から見た断面図であり、図3は、本発明のさらに他の実施例に係るプレートを発熱体に沿って水平に切断して上から見た断面図であり、図4は、図2のP部分を示す部分拡大図である。
【0025】
図2図4を参照すると、プレート20は、セラミック材質で形成され、Al、Y、Al/Y、ZrO、AlC、TiN、AlN、TiC、MgO、CaO、CeO、TiO、B、BN、SiO、SiC、YAG、ムライト(Mullite)、AlFなどのいずれか1つであるか、これらのうち2つ以上が複合して使用されてもよい。
【0026】
プレート20は発熱体23を含んでよい。発熱体23は、半導体製造工程などにおいて蒸着工程及びエッチング工程が円滑に行われるように、プレートの載置面20aに位置する熱処理対象体を一定の温度に加熱する機能を担う。
【0027】
発熱体23は、熱処理対象体の位置に対応するプレート20に埋め立てられてよい。発熱体23は、発熱によって熱処理対象体を全体的に均一に加熱するために、位置に応じて加熱温度を均一に制御できる他にも、熱処理対象体への熱伝達の距離がほぼ全ての位置で一定に保たれるように、プレートの載置面20aと平行にプレート20に埋め立てられてよい。
【0028】
発熱体23は、熱処理対象体の形状に対応する形状で形成されてよい。また、発熱体23は、発熱線(又は、抵抗線)による板状コイル形態又は平坦な板形態で形成されてよい。発熱体23は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、炭化モリブデン(MoC、MoC、Mo)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、ニオビウム(Nb)、チタニウム(Ti)又はこれらの合金で形成されてよい。発熱体23は、導電接続部28によって端子21、22に電気的に接続されてよい。
【0029】
プレート20の中心部には、一対の第1端子21及び一対の第2端子22が形成されてよい。第1端子21は、プレート20の内部領域に形成された内部ゾーン発熱体24と後述するロッドとを電気的に連結し、第2端子22は、プレート20の外部領域に形成された外部ゾーン発熱体25とロッドとを電気的に連結する。
【0030】
本発明において、発熱体23は、区画されている複数のゾーン(zone)を加熱するために、2つ以上の発熱体で構成されてよい。例示的には、図2は、プレートを内部ゾーンと外部ゾーンとに区画し、各ゾーンを加熱するための内部ゾーン発熱体24及び外部ゾーン発熱体25で構成された発熱体23を示している。以下では、内部ゾーンと外部ゾーンとに区画されているヒーターを説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、セラミックヒーターのプレートを所定角度の扇状に区画し、区画した各領域に対応する発熱体を備えたマルチゾーンヒーターにも本発明の適用が可能であることは勿論である。
【0031】
内部ゾーン発熱体24は、第1端子21aから始まって、同心円のような一定のパターンを形成しながらプレート20の内部領域に連続して配線された後、第1端子21bに連結される。この過程で内部ゾーン発熱体24は複数の連結部23’で折り曲がりながら複数の同心円パターン形状を形成することができる。
【0032】
内部ゾーン発熱体24の複数の同心円パターンは、プレート20の円周方向に沿って延長される複数の同心円弧部24a-1、24a-2、24b-1、24b-2を含んでよい。また、複数の同心円弧部24a-1、24a-2、24b-1、24b-2のうち隣接する円弧部24a-1、24a-2、24b-1、24b-2を連結する複数の連結部23’を含んでよい。隣接する円弧部24a-1、24a-2、24b-1、24b-2は、直径方向に延長される連結部23’によって連結されてよい。
【0033】
複数の同心円弧部24a-1、24a-2、24b-1、24b-2は、互いに異なる直径を有してよい。また、複数の連結部23’は相互平行に整列され、それらの間においてプレート20の半径方向に延長される離隔領域26をプレート20に形成することができる。
【0034】
内部ゾーン発熱体24は、第1内部発熱部24a及び第2内部発熱部24bを含んでよい。第1内部発熱部24a及び第2内部発熱部24bは、プレート20の直径方向を中心に線対称構造をなし、互いに連結されて構成されてよい。
【0035】
第1内部発熱部24aの円弧部24a-1と第2内部発熱部24bの円弧部24b-1は、同一直径の円弧部である。第1内部発熱部24aの円弧部24a-2と第2内部発熱部24bの円弧部24b-2も同一直径の円弧部であり、円弧部24a-1及び円弧部24b-1に比べて直径がより大きい円弧部である。円弧部24a-1は連結部23’によって円弧部24a-2と連結される。円弧部24b-1は連結部23’によって円弧部24b-2と連結される。
【0036】
第1内部発熱部24aの連結部23’と第2内部発熱部24bの連結部23’は互いに一定の距離Eだけ離隔して向かい合って配置されてよい。連結部23’が離隔して形成された仮想の線Iによって形成される領域内に、内部ゾーン発熱体24が配線されていない離隔領域26がプレート20に形成されてよい。離隔領域26はプレート20の半径方向に延長されてよい。
【0037】
離隔領域26は、第1内部発熱部24aと第2内部発熱部24bとの間に形成されてよく、好ましくは、複数の連結部23’が相互平行に整列されてプレート20の半径方向に延長されて形成される領域内に形成されてよい。離隔領域26はプレート20の中心部から円周の方向に形成されてよい。
【0038】
外部ゾーン発熱体25は第2端子22aから始まって、同心円のような一定のパターンを形成しながらプレート20の外部領域に連続して配線された後、第2端子22bに連結される。この過程で外部ゾーン発熱体25は内部ゾーン発熱体24を取り囲む形態で一定の位置で折り曲がりながら同心円パターンを形成することもでき(図2参照)、複数の連結部23’で折り曲がりながら複数の同心円パターンを形成することもできる(図3参照)。
【0039】
外部ゾーン発熱体25の複数の同心円パターンは、プレート20の円周方向に沿って延長される複数の同心円弧部25a-1、25a-2、25b-1、25b-2を含んでよい。また、複数の同心円弧部25a-1、25a-2、25b-1、25b-2のうち隣接する円弧部25a-1、25a-2、25b-1、25b-2を連結する複数の連結部23’を含んでよい。隣接する円弧部25a-1、25a-2、25b-1、25b-2は、直径方向に延長される連結部23’によって連結されてよい。
【0040】
複数の同心円弧部25a-1、25a-2、25b-1、25b-2は、互いに異なる直径を有してよい。また、複数の連結部23’は相互平行に整列され、それらの間においてプレート20の半径方向に延長される離隔領域26をプレート20に形成することができる。
【0041】
外部ゾーン発熱体25は、第1外部発熱部25a及び第2外部発熱部25bを含んでよい。第1外部発熱部25aと第2外部発熱部25bはプレート20の直径方向を中心に線対称構造をなし、互いに連結されて構成されてよい。
【0042】
第1外部発熱部25aの円弧部25a-1と第2外部発熱部25bの円弧部25b-1は、同一直径の円弧部である。外部ゾーン発熱体25は、第1外部発熱部25aの円弧部25a-2と第2外部発熱部25bの円弧部25b-2をさらに含んでよい。円弧部25a-2と円弧部25b-2は同一直径の円弧部であり、円弧部25a-1及び円弧部25b-1に比べて直径がより大きい円弧部である。円弧部25a-1は連結部23’によって円弧部25a-2と連結される。円弧部25b-1は連結部23’によって円弧部25b-2と連結される。
【0043】
第1外部発熱部25aの連結部23’と第2外部発熱部25bの連結部23’は互いに一定の距離Eだけ離隔して向かい合って配置されてよい。連結部23’が離隔して形成された仮想の線Iによって形成される領域内に、外部ゾーン発熱体25が配線されていない離隔領域26がプレート20に形成されてよい。離隔領域26はプレート20の半径方向に延長されてよい。
【0044】
離隔領域26は第1外部発熱部25aと第2外部発熱部25bとの間に形成されてよく、好ましくは、複数の連結部23’が相互平行に整列されてプレート20の半径方向に延長されて形成される領域内に形成されてよい。また、離隔領域26は、第2端子22aに接続された導電接続部28と第2端子22bに接続された導電接続部28との間に形成されてもよい。離隔領域26は、プレート20の中心部から円周の方向に、内部領域に形成された離隔領域26から延長されて形成されてよい。
【0045】
内部ゾーン発熱体24と外部ゾーン発熱体25は電気的に分離されて相互独立して駆動されてよい。
【0046】
プレート20には、熱電対のような温度センサー60が挿入される第1通路27が形成されてよい。第1通路27は離隔領域26に隣接するように離隔領域26に沿って形成されてよい。また、第1通路27はプレートの載置面20aと平行に形成されてよい。
【0047】
図2図4に示すように、プレート20の上方からプレート20の厚さ方向に見て、第1通路27は発熱体23と重ならないように離隔領域26に隣接して形成されてよい。また、第1通路27は、第2端子22aに接続された導電接続部28と第2端子22bに接続された導電接続部28との間に形成された離隔領域26に隣接して形成されてもよい。
【0048】
プレート20は、図2及び図3に示すように、複数の発熱体、例えば、2個の発熱体24、25が互いに独立して配置されてもよく、図5に示すように、1つの単一発熱体23がプレート20の全ての領域に配置されてもよい。
【0049】
図6は、図2のC-C断面図である。
【0050】
図6を参照すると、第1通路27は、離隔領域26に隣接して離隔領域26に沿って形成されるので、図6に示すように、第1通路27の上側には発熱体23が配置されなくてよい。発熱体23の密集していない領域に第1通路27を形成することによって、発熱体23で発生した熱が第1通路27を通じて損失されることを防止し、ヒーターの温度均一度を向上させることができる。また、発熱体23の膨脹と収縮によってプレート20の脆弱な部分に亀裂が発生することを防止することができる。
【0051】
一方、図7及び図8は、第1通路が発熱体の密集している領域に形成された場合に熱損失と微細亀裂が発生することを示す図である。
【0052】
図7に示すように、第1通路27が発熱体23に隣接して形成された場合に、発熱体23で発生した熱が第1通路27を通じて損失されることがある。
【0053】
また、図8に示すように、第1通路27が発熱体23に隣接して形成された場合に、発熱体23の膨脹と収縮によってプレート20の薄い部分に微細亀裂が発生することがある。
【0054】
図9は、本発明のさらに他の実施例に係るプレートに対するC-C断面図である。
【0055】
熱電対のような温度センサー60は、プレート20の第1通路27に挿入される。第1通路27は、プレートの載置面20aと平行に形成された第A通路部27a、及び載置面20aに対して傾斜した第B通路部27bで構成されてよい。
【0056】
第B通路部27bは第1通路27の円周の方向の端部に配置され、温度センサー60の測温部が位置してよい。第B通路部27bは発熱体23に向かって傾斜するように形成することで、温度センサー60の測温部と発熱体23との間の距離を最小化することができる。また、第B通路部27bの円周の方向の端部をプレートの厚さ方向に発熱体と同じ高さ、すなわち同一平面上に位置させることによって、発熱体連結部23’間の領域の温度をより正確に測定することができる。
【0057】
図10は、図9のプレートを製造する工程を説明するための図であり、図11は、図9のZ部分を示す部分拡大図であり、図12は、図11のE-E方向の断面図である。
【0058】
プレート20は、上部プレートP2と下部プレートP1で構成されてよい。上部プレートP2には第B通路部27bが形成され、下部プレートP1には第A通路部27aが形成されてよい。
【0059】
第A通路部27a及び第B通路部27bは、熱電対のような温度センサー60の挿入が可能なように、プレート20の円周の方向に長く延長された溝又は穴の形態であってよい。第A通路部27a及び第B通路部27bは、円形、四角形などの様々な断面形態を有してよい。
【0060】
プレート20は、第A通路部27aと第B通路部27bが形成された下部プレートP1と上部プレートP2とが接合されて作製されてよい。このとき、第A通路部27aと第B通路部27bとが正確に整列されないと、温度センサー60が通過し得る空間が減るため、温度センサー60を第B通路部27bに挿入し難くなるか、挿入できなくなる。
【0061】
上部プレートP2と下部プレートP1とを接合する時に容易に整列し得るように、図11に示すように、第B通路部27bを円錐、三角錐又は四角錐のような多角錐、円錐台、又は多角錐台の形状に加工できる。このように、第B通路部27bの端部の断面積を小さく形成することで、第B通路部27bに挿入された熱電対の測温部が揺れず、測温精度を向上させることができる。
【0062】
上部プレートP2と下部プレートP1とが接合されると、下部プレートP1に形成された第A通路部27aの一端に、温度センサー60が通過できる穴である第A通路部27aの出口が形成されてよい。また、第A通路部27aの出口と接する位置に、温度センサー60が通過できる穴である第B通路部27bの入口が位置してよい。
【0063】
第A通路部27aの出口と第B通路部27bの入口とが接することにより、第A通路部27aと第B通路部27bが一体に第1通路27を形成することができる。このとき、第A通路部27aと第B通路部27bとが正確に整列されなくとも、温度センサー60が通過する空間が減ることを防止するために、第B通路部27bの入口面積D2を第A通路部27aの出口面積D1よりも大きく形成することができる。
【0064】
また、第B通路部27bの入口面積D2の余裕空間、すなわち(D2-D1)に該当する空間を、プレート20の中心から遠ざかる方向に位置させることによって、熱電対のような温度センサーが第B通路部27bに容易に挿入されるようにし得る。すなわち、第A通路部27aを通じて挿入される熱電対が第B通路部27bの入口で上部プレートP2に突き当たることなく第B通路部27bの内側壁に沿って容易に挿入され得る。
【0065】
また、第B通路部27bは、プレート20の中心から遠ざかる方向に断面積が減少する形態で形成されてよい。
【0066】
このように、第B通路部27bの入口面積D2を第A通路部27aの出口面積D1よりも大きく形成することによって、プレート22を組み立てる時に、プレート22の半径方向(図10の左右方向)の整列誤差を許容して組み立てることができる。また、図12に示すように、第A通路部27aの幅を第B通路部27bの幅をよりも大きく形成することによって、回転方向(プレートの円周方向)の整列誤差を許容してプレート22を組み立てることもできる。
【0067】
図13は、図1のB-B断面図である。
【0068】
シャフト50は、所定の厚さを有する壁(wall)部51で形成され、内部に空間(中空)を有する円筒形状で形成されてよい。シャフト50の内部空間には、プレートの端子に連結される複数のロッド61a、61b、62a、62bが設置されてよい。
【0069】
熱電対のような温度センサー60は、シャフトの中空55を経てプレート20の第1通路27に挿入されてよい。
【0070】
図14は、本発明の実施例に係るシャフトが適用された図1のA-A断面図であり、図15は、図14のD-D断面図である。
【0071】
シャフト50は、内部に空間を有する円筒形状で形成されてよい。シャフト50の内部空間には、プレートの端子に連結される複数のロッド61a、61b、62a、62bが設置されてよい。
【0072】
シャフト50は、所定の厚さを有する壁(wall)部51で形成されてよい。壁部51内には、熱電対のような温度センサー60が挿入される通路である第2通路52が、壁部51の長手方向に沿って延長されて形成されてよい。第2通路52は第1通路27と連結されているので、温度センサー60は、第2通路52を経て第1通路27に挿入され得る。
【0073】
壁部51は、第1厚さXを有する第1厚さ部51aと、第2厚さYを有する第2厚さ部51bとで構成されてよい。第2厚さは第1厚さよりも大きくてよい。第2通路52は、壁部51の厚さ内に形成されてよく、好ましくは、より厚い第2厚さ部51b内に形成されてよい。
【0074】
第2厚さ部51bは、第1厚さ部51aよりも厚く形成された壁部51であり、好ましくは、壁部51の外側に突出するように形成されてよい。
【0075】
第2通路52は、必要な温度センサー60の数だけ形成されてよい。図16は、4個の第2厚さ部51bを形成し、それぞれの第2厚さ部51bに第2通路52を形成した様子を示す。図16に示すように、4個の第2通路52が形成された場合に、プレート20にも4個の第1通路27が形成されてよい。このとき、それぞれの第1通路27と第2通路52は互いに連結され、それぞれの温度センサー60が第2通路52を経て第1通路27に挿入されてよい。
【0076】
図17は、本発明のさらに他の実施例のセラミックヒーターを上から見た平面図であり、第1通路と第2通路の配置を説明するための図である。
【0077】
図17に示すセラミックヒーター10は、それぞれ6個の第1通路27と第2通路52を備えている。シャフト50には6個の第2厚さ部51bが形成されており、それぞれの第2厚さ部51bには第2通路52が形成されている。それぞれの第2通路52は、プレート20に形成された6個の第1通路27とそれぞれ対応して連結される。
【0078】
図16及び図17の説明におけるように、第1通路27が複数個である場合には離隔領域26も複数個形成されてよい。すなわち、第1通路27が4個又は6個形成される場合に、それぞれの第1通路27が隣接して配置される離隔領域26がそれぞれ4個又は6個形成されてよい。
【0079】
また、第1通路27が複数個である場合には、図17に示すように、一部の第1通路27は、セラミックプレート20の中間位置まで形成されてよい。この場合、温度センサー60の測温部がプレート20の中心部から互いに異なる距離に位置して温度を測定することができる。図18は、本発明の実施例に係るシャフトが適用された図1のB-B断面図である。
【0080】
シャフト50の内部空間には、プレート20の端子に連結される複数のロッド61a、61b、62a、62bが設置される。本発明の実施例に係る第2通路52は、シャフト壁部51の厚さ内に位置するので、端子21a、21b、22a、22b又はロッド61a、61b、62a、62bの位置に関係なく第2通路52を形成することができる。
【0081】
シャフト50の壁部51内に形成された第2通路52は、プレート20の第1通路27と連結される。したがって、図19に示すように、温度センサー60が第2通路52と第1通路27に挿入され得る。
【0082】
以上のように、本発明では具体的な構成要素などのような特定事項、限定された実施例、及び図面によって説明されてきたが、これは、本発明のより全般的な理解を助けるために提供されただけであり、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能であろう。したがって、本発明の思想は、説明された実施例に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等又は等価の変形がある技術思想はいずれも本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。また、上記の各実施例は、必要によって互いに組み合わせて運用可能である。
【符号の説明】
【0083】
10 セラミックヒーター
20 プレート
23 発熱体
26 離隔領域
27 第1通路
27a 第A通路部
27b 第B通路部
50 シャフト
51 壁部
51a 第1厚さ部
51b 第2厚さ部
52 第2通路
【要約】
【課題】セラミックヒーターを提供する。
【解決手段】発熱体及び第1通路を有するプレート;及び、中空を有するシャフトを含み、前記発熱体は、複数の同心円弧部、及び前記円弧部を連結する複数の連結部を備え、前記複数の連結部が所定距離離隔して向かい合って形成する離隔領域は、前記プレートの半径方向に延長され、前記第1通路は、前記離隔領域に隣接して形成されるセラミックヒーターを提供する。
【選択図】図18
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19