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特許7566190サポートシステム、サポート処理装置及びサポート方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】サポートシステム、サポート処理装置及びサポート方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20241004BHJP
   G06Q 30/0201 20230101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q30/0201
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024039765
(22)【出願日】2024-03-14
(62)【分割の表示】P 2022038705の分割
【原出願日】2022-03-11
(65)【公開番号】P2024069458
(43)【公開日】2024-05-21
【審査請求日】2024-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三品 知子
(72)【発明者】
【氏名】山田 将人
【審査官】橘 均憲
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-047660(JP,A)
【文献】特開2021-131786(JP,A)
【文献】特開2018-195229(JP,A)
【文献】特開2021-033493(JP,A)
【文献】特開2019-032778(JP,A)
【文献】岩元 直久,本格活用期に突入した百貨店業界 対応する商材に広がり売り上げ増や効率化に実効,日経RFIDテクノロジ,日経BP社,2006年11月20日,No.23,p.14-19
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内における顧客の動作パターンの情報と、前記店舗内における顧客の行動の分類として少なくとも入退店に関する行動と、商品選択に関する行動と、店内探索に関する行動と、決済に関する行動とを含む店舗内行動分類に関する情報と、少なくとも店内システムの案内に関する情報を含むサポート情報と、を記憶する記憶部と、
前記店舗内における顧客の動作の情報である動作データ及び当該動作を行った位置の情報である位置データを取得するセンサ部と、
前記動作データから当該顧客の前記動作パターンを特定し、前記動作パターンと前記位置データとに基づいて当該顧客の前記店舗内行動分類を特定し、当該顧客の前記店舗内行動分類に対応する前記サポート情報を特定する演算部と、
前記演算部の特定した前記サポート情報を表示する表示部と、
備えるサポートシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のサポートシステムにおいて、
前記位置データとして前記店舗内の領域区分に関する情報が記憶されており、
前記領域区分は、少なくとも前記店舗の入口領域、棚近傍領域、通路領域、決済領域を含むサポートシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のサポートシステムにおいて、
前記記憶部は、前記顧客を識別する認証情報と、前記店舗内における前記顧客の過去の行動実績及び問合せ実績に関する実績情報を記憶しており、
前記演算部は、
前記認証情報に基づいて、前記顧客の前記実績情報を取得し、
前記顧客の前記店舗内行動分類に加えて、前記実績情報に基づいて前記サポート情報を特定するサポートシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のサポートシステムにおいて、
さらに、商品を配置する棚に設けられた重量センサを備え、
前記演算部は、
前記動作データに加えて、前記重量センサから取得したデータに基づいて前記動作パターンを特定するサポートシステム。
【請求項5】
請求項に記載のサポートシステムにおいて、
前記演算部は、
二人以上の顧客間で商品の受け渡しが行われたことを検知した場合に、前記顧客の前記店舗内行動分類が所定の基準を満たすかどうかを判定し、
所定の基準を満たす場合には、当該所定の基準を満たすことを示す情報を、前記店舗の管理者向けに通知するサポートシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のサポートシステムにおいて、
前記演算部は、
前記表示部に表示された前記サポート情報には前記顧客の求めるサポートの情報がなかった場合、対応する店舗内行動分類、前記演算部により特定され前記表示部に表示されたサポート情報、及び前記顧客が前記表示部から検索して参照したサポート情報の組み合わせを、前記記憶部に格納するサポートシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のサポートシステムにおいて、
前記顧客が現在の買い物プロセスに関する情報を選択して入力可能な入力部を備え、
前記演算部は、
前記入力部に入力された前記買い物プロセスの情報に基づいて、前記サポート情報を特定するサポートシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のサポートシステムにおいて、
前記演算部は前記顧客の前記動作パターンとして複数の前記動作パターンを特定した場合、特定した前記動作パターンそれぞれに対応する複数店舗内行動分類を特定し、
前記表示部は前記複数の店舗内行動分類に対応する複数の前記サポート情報を同一画面に表示するサポートシステム。
【請求項9】
店舗内における顧客の動作パターンの情報と、前記店舗内における顧客の行動の分類 として少なくとも入退店に関する行動と、商品選択に関する行動と、店内探索に関する行動と、決済に関する行動とを含む店舗内行動分類に関する情報と、少なくとも店内システムの案内に関する情報を含むサポート情報と、を記憶する記憶部と、
前記店舗内に設けられたセンサ部が検知した前記店舗内における顧客の動作の情報である動作データと、当該動作を行った位置の情報である位置データとを取得し、前記動作データから当該顧客の前記動作パターンを特定し、前記動作パターンと前記位置データとに基づいて当該顧客の前記店舗内行動分類を特定し、当該顧客の前記店舗内行動分類に対応する前記サポート情報を特定し、
前記店舗内の表示部に対して特定した前記サポート情報を表示させるように制御する演算部と、を備えるサポート処理装置。
【請求項10】
店舗内に設けられたセンサ部が、前記店舗内における顧客の動作の情報である動作データと、当該動作を行った位置の情報である位置データと、を取得するステップと、
演算部が、前記動作データから当該顧客の動作パターンを特定するステップと、
前記演算部が、前記動作パターンと前記位置データとに基づいて、前記店舗内における顧客の行動の分類として少なくとも入退店に関する行動と、商品選択に関する行動と、店内探索に関する行動と、決済に関する行動とを含む店舗内行動分類を特定するステップと
前記演算部が、当該顧客の前記店舗内行動分類に対応する少なくとも店内システムの案内に関する情報を含むサポート情報を特定するステップと、
表示部が、前記サポート情報を表示するステップとを含むサポート方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗内における顧客のサポートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
人手不足や非接触の社会的なニーズと各種センサデバイスやそこから得られた情報活用の技術向上により店舗の省力化や無人店舗の導入が進められている。これらの店舗の一例では、顧客は入店し、商品を手に取り、決済し、退店するまで店員と接触せずに買物行動を終えることができる。
【0003】
そのような形態の店舗を管理するために、店舗内における顧客の行動をセンサ等から取得した情報に基づいて把握することが求められる。例えば、特許文献1には、店舗内での顧客の行動を分析する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-139321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
省力化店舗や無人店舗のような店舗形態においては、何か不明点やトラブルがあった際も、簡潔に対応できることが求められる。その手法として、AIやRPA(Robotic Process Automation)やチャットボットなども取り組まれている。その際、顧客が端末に入力した困りごとに基づいて回答を提示する。しかし、発明者は、省力化店舗や無人店舗において顧客ごとに様々な行動やその目的が存在し、実際は、事前に管理者側で想定した困りごとに基づくのみでは、必要な回答が提示されることは少ないことを見出した。一方で、店舗における顧客のサポートシステムで、顧客が背景や状況を詳細に入力することは、システムの複雑さや顧客への使用容易性から現実的ではない。そのため、顧客による複雑な操作を必要とせずに、顧客の求める困りごとを精度よく推測し、その解決策を提示可能な、ユーザビリティの高いサポートシステムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、店舗内における顧客の動作パターンの情報と、前記店舗内における顧客の行動の分類として少なくとも入退店に関する行動と、商品選択に関する行動と、店内探索に関する行動と、決済に関する行動とを含む店舗内行動分類に関する情報と、少なくとも店内システムの案内に関する情報を含むサポート情報と、を記憶する記憶部と、
前記店舗内における顧客の動作の情報である動作データ及び当該動作を行った位置の情報である位置データを取得するセンサ部と、
前記動作データから当該顧客の前記動作パターンを特定し、前記動作パターンと前記位置データとに基づいて当該顧客の前記店舗内行動分類を特定し、当該顧客の前記店舗内行動分類に対応する前記サポート情報を特定する演算部と、
前記演算部の特定した前記サポート情報を表示する表示部と、
備えるサポートシステムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザビリティの高いサポートシステムを実現できる。
【0008】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】店舗構成の例を示す図。
図2】実施例におけるサポートシステムの概要図の例を示す図。
図3】実施例における店舗管理装置の構成の例を示す図。
図4】店舗の地図情報の例を示す図。
図5】顧客の動作パターンのテーブルを示す図。
図6】顧客の店舗内の行動分類のテーブルを示す図。
図7A】第1のサポート情報テーブルを示す図。
図7B】第2のサポート情報テーブルを示す図。
図8】個人データのテーブルを示す図。
図9A】データ取得におけるフローチャート。
図9B】サポート情報の特定におけるフローチャート。
図10】表示画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施例を説明する。実施例は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0011】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0012】
各種情報の例として、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて説明することがあるが、各種情報はこれら以外のデータ構造で表現されてもよい。例えば、「XXテーブル」、「XXリスト」、「XXキュー」等の各種情報は、「XX情報」としてもよい。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0013】
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0014】
実施例において、プログラムを実行して行う処理について説明する場合がある。ここで、計算機は、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によりプログラムを実行し、記憶資源(例えばメモリ)やインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら、プログラムで定められた処理を行う。そのため、プログラムを実行して行う処理の主体を、プロセッサとしてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路を含んでいてもよい。ここで、専用回路とは、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等である。
【0015】
プログラムは、プログラムソースから計算機にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、実施例において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0016】
以下の実施例において、店舗は、省力化店舗や無人店舗のような店舗形態の小売店を例に説明する。しかしながら、本発明はそれに限られず、顧客の店舗内での位置、動きに関するデータを取得し、それらのデータから顧客の求めるサポート内容を特定し、店舗内で顧客に対して、そのサポート内容を知らせる機能を有する店舗であれば適用可能である。
【実施例1】
【0017】
図1は、本実施例における店舗構成のー例を示す。図1の左部に入退店のためのゲートがあり、ゲート近傍であって、店舗の入口側に個人認証を行うための端末機器が設置されている。ゲート近傍であって、店舗の出口側には、顧客が退店時の購入内容を確認するための台や精算確認ディスプレイが設置されている。なお、ここでは、店舗の入口と出口は、同一のゲートを介して行う例を示したが、入り口専用のゲートと出口専用のゲートとが別々に設けられても良い。
【0018】
図1における決済エリアには、顧客が購入する商品の決済を行うためのレジ端末が設置されている。また、商品を陳列するための商品棚が複数設けられている。棚には、商品の移動を検知するための重量センサやカメラが設置されている。店舗内の壁や天井には、図1には図示しない、店舗内の顧客の行動を検知するためのカメラやTOF(Time Of Flight)センサが設置されている。また、各商品棚や、認証機器、レジ端末、精算確認ディスプレイ、売場壁等、店内の複数の箇所にディスプレイ付き端末が設置されており、顧客が操作を行うことで顧客とのコミュニケーションが可能である。基本的に、無人店舗や省人化店舗においては、付近の店員からのサポートを期待することは難しいが、顧客は、このディスプレイ付き端末を介して、必要なサポート情報を要求したり、店員によるサポートを要求することができる。また、図1に図示されないが、店舗には管理者用のブースが設けられても良く、店舗の管理者向けにディスプレイ向け端末が設置されても良い。なお、管理者用の端末は、必ずしも各店舗ごとに設けられている必要はなく、複数の店舗を統括して管理する管理センターに設けられるように構成されても良い。
【0019】
図2は、顧客をサポートするサポートシステムの概要図の例を示す。サポートシステムは、ある店舗の店舗内の顧客の購買行動管理や店舗管理を行うための店舗管理装置1を有する。店舗管理装置1は、種々の端末やセンサ類と接続され、ネットワークN1を介して、店舗内での取引を電子決済する際に通信するサーバである電子商取引サーバ2と、1以上の店舗で得られた顧客情報を保持する顧客情報サーバ3が接続される。店舗管理装置1は、店舗内の特定の顧客の追跡を行う際に、その顧客の顧客情報を顧客情報サーバ3から取得可能である。また、店舗管理装置1が、顧客の認証を行う際に、顧客情報サーバ3を通信して対象の顧客の認証情報を参照しても良い。
【0020】
図2のサポートシステムにおいて、店舗管理装置1には、ネットワークを介して、各種のセンサ4が通信可能に接続される。各種のセンサ4が取得した情報は、ネットワークを介して店舗管理装置1に送信される。図2に挙げられるセンサ4の例として、棚に設置され棚の重さを検知する重量センサ、店内の人の移動、手などのパーツの動きや物体の動きを検知するTOFセンサが挙げられる。この重量センサからのセンサ情報により、顧客が商品を手にすることで棚の重さが変化したことを検知できる。さらに、重量センサからの情報とTOFセンサからの情報を組み合わせることで、顧客が商品を手にしたこと、及び、手にした商品の情報を検知することが可能となる。
【0021】
その他のセンサ4の例として、店内の商品を陳列するとともに冷却する冷蔵庫の保管情報や稼働状況の情報を検知するセンサ、店内の商品を温める電子レンジの稼働状況の情報を検知するセンサ、店内の顧客の音声情報を取得するAIスピーカー、店内の温度を検知する温度計等が挙げられる。また、入店した顧客が保持するスマートフォンに入力された情報が店舗管理装置1に送信され、顧客の行動分析に利用する場合が考えられる。この場合、スマートフォンがセンサ4として機能しても良い。ここまで、店舗管理装置1に接続されるセンサ4の例について説明したが、センサ4はこれに限られず、店舗内の環境や顧客の状況に関する情報を取得するための種々のセンサが含まれても良い。
【0022】
図2のサポートシステムにおいて、店舗管理装置1には、ネットワークを介して、認証端末5、決済端末6、表示端末7が通信可能に接続される。認証端末5は、顧客が入店時に個人認証を行うための端末である。認証端末5は、顧客が認証情報を入力するための入力部を有する。ここで、入力部は、顧客がタッチ操作可能なディスプレイや、顧客の提示するバーコードを読み取るスキャナであっても良い。認証端末5に入力された認証情報は店舗管理装置1に送信され、店舗管理装置1は認証情報に基づいて顧客の認証を行う。決済端末6は、顧客が決済を行うための端末である。顧客は、店舗内で購入する商品を選択したのち、決済端末6にて決済を行う。決済端末6は、顧客それぞれに紐づいた取引情報に基づいて決済処理を行うことができる。決済端末6は、顧客に取引情報を表示するための画面や、決済方法を選択するためにタッチ操作可能なディスプレイを有していても良い。決済端末6は、決済を行う際に顧客の認証を行うための認証部を有していても良い。決済端末は、図1におけるレジ端末である。表示端末7は、店舗に1以上設けられ、顧客や店員に対して所定の情報を表示するための端末である。表示端末7は、図1におけるディスプレイ付きの端末である。ここで所定の情報とは、顧客の店舗内における困りごとを解決するためのサポート情報を含む。また、表示端末7は、店員向けの通知情報を表示する管理画面を表示する端末であっても良い。表示端末7は、顧客や店員による情報の入力が可能な入力部を有していても良い。入力部は、タッチ操作可能なディスプレイであってもよい。また、ここでは表示端末7が店舗内に予め設置される例を示したが、店舗案内向けのアプリをインストールした顧客の所持するデバイス端末であっても良い。
【0023】
顧客情報サーバ3、電子商取引サーバ2と店舗管理装置1との間の通信や、これらのサーバとスマートフォンなどの携帯端末との間の通信は、有線、無線を問わず一般的な公衆回線網、例えば、「多数同時接続」、「超低遅延」を可能とした第5世代移動通信システム、いわゆる5G(5th Generation)を用いることができる。
【0024】
店舗管理装置1は、各種のセンサ4や各種端末から送信されたデータに基づいて、顧客の購買データの取得や、顧客の状況の取得を行うことができる。また、スマートフォンをセンサ4として活用する場合、入店のためのコード情報をスマートフォンから読み取ったり、スマートフォンから所有者の位置情報を取得し、店内行動位置や移動速度の情報分析に加味しても良い。また、AIスピーカーを活用して、顧客との対話から、顧客が困っている状況に関する情報や顧客の置かれている状況の情報を取得しても良い。これにより、顧客の状況をより精度よく分析することができる。
【0025】
図3は、顧客のサポートをするための店舗管理装置1の構成の例を示す。店舗管理装置1は、例えば、データ記憶部10と、精度向上に関するAIデータ蓄積部20と、認証部30と、決済部40と、入力部50と、出力部60と、CPU70と、通信インターフェース80とを備えた汎用のサーバ装置から構成される。なお、店舗管理装置1は図3に示した構成に限られない。店舗管理装置1は、1つのサーバ装置であってもよいし、複数のサーバから構成されても良い。また、店舗管理装置1が有する各装置については、1つの装置に配置されても良いし、分散するように複数の装置に配置されてもよい。データ記憶部10が有する各プログラムや各情報については、1つの記憶装置に格納されても良いし、分散するように複数の記憶装置に分けて記憶されてもよい。また、店舗管理装置1は、図2における顧客情報サーバ3および電子商取引サーバ2を組み合わせて構成するようにしてもよい。
【0026】
店舗管理装置1の構成要素は単数でも複数でも構わない。例えば、店舗管理装置1は、1つまたは複数のコンピュータ(電子計算機)で構成されている計算機システムであってもよい。また、店舗管理装置1の各構成要素は一部がなくてもよいし、他の構成要素が追加されてもよい。
【0027】
データ記憶部10は、少なくとも店舗における顧客の行動追跡及び行動分析に必要なデータやプログラムが格納される。データ記憶部10は、例えば、不揮発性の半導体メモリや、ハードディスク装置又はSSD(Solid state Drive)などの大容量の不揮発性の記憶装置から構成され、必要な情報を長期間保持するために利用される。
【0028】
動作データ101は、例えば、店舗内に設置されたTOFセンサによって計測した顧客が行った動作の情報を含む。TOFセンサは、例えば、赤外線が反射し戻る時間を測定し、距離を算出することで三次元空間を認識することができる。具体的に、TOFセンサは空間内にある物体の情報を点群として取得し、その組み合わせや点群の分布を教師データとして、動作を認識することができる。例えば、顧客が棚の前で立ち止まったことのような、顧客の移動に関する情報を取得することができる。さらに、顧客が棚に手を伸ばしたことや顧客の顔が特定の方向を向いたことのような、顧客の動作に関する情報を取得することができる。動作データ101を取得するセンサは、TOFセンサに限られない。TOFセンサ以外にも、カメラからデータを取得することも可能である。その場合、TOFセンサと同様に、顧客の移動に関する情報の他、体の動きや顔の向き等の顧客の動作に関する情報を取得することが可能である。なお、動作データは、顧客によって行われた動作の情報と共に、当該動作が行われた店舗内の位置の情報である位置情報と関連付けて格納される。
【0029】
センサデータ102は、店舗内に設けられた各種のセンサ4から取得されたデータである。例えば、棚に設けられた重量センサが検知した情報を含む。
【0030】
商品情報103は、店舗内に配置された商品の在庫情報及び顧客が手に取って購入予定の商品の情報を含む。なお、顧客が手に取って購入予定の商品の情報は、動作データ101またはセンサデータ102に含まれる情報のうち、例えば、重量センサからの情報とTOFセンサからの情報を組み合わせることで取得可能である。
【0031】
店舗内地図情報104は、店舗内の地図情報を示す情報である。店舗内地図情報104は、店舗内の領域区分に関する情報を含む。店舗内の領域区分に関する情報として、少なくとも店舗内の領域の種別として、入口領域、出口領域、棚近傍領域、通路領域、決済領域を含んでいても良い。
【0032】
動作パターンデータ105は、顧客がどのようなパターンの動作を行ったのかを示すログ情報を含むデータベースである。また、動作パターンデータ105には、顧客が行った動作のパターンを判定するために参照するべき動作パターンのリスト情報が予め記憶されていても良い。動作パターンデータ105は、後述の動作パターン分析プログラム110によって、動作データ101から取得したデータについて、動作パターンリストから適合率の高いものを判定することで特定される。動作パターンデータ105は、当該動作パターンの動作が行われた位置に関する位置情報と関連付けて格納される。
【0033】
店舗内行動分類データ106は、顧客が店舗内で行った行動について、当該行動の目的又は動機が関連付けて記憶されている。ここで、顧客が店舗内においてある目的又は動機によって行った種々の行動を、目的又は動機の種別や行動の種別ごとに分類したものを、店舗内行動分類と呼ぶ。店舗内行動分類は、顧客の動作パターンおよび当該動作パターンを行った位置に関する情報とから推定することができる。店舗内行動分類データ106は、顧客の店舗内行動分類のログ情報を含むデータベースである。また、店舗内行動分類データ106には、顧客の行う店舗内行動分類を判定するために参照するべき、想定される店舗内行動分類のリスト情報が予め記憶されていても良い。
【0034】
サポート情報データ107は、店舗内で顧客が抱える困りごとを解決するために、顧客に向けて提示するサポート情報を含む。サポート情報は、例えば、入店のやり方が分からない顧客のために入店の方法を提示するための情報や、特定の商品を見つけたい顧客のために売り場の情報を提示するための情報等が挙げられる。サポート情報データ107は、店舗内において想定される顧客の困りごとに応じて予め作成されたものを利用しても良い。サポート情報データ107は、店舗内行動分類データと顧客へ提供するサポート情報との対応関係を示す情報を含んでも良い。サポート情報データ107は予め顧客が困る可能性のある事柄を蓄積して作成してもよい。また、顧客が本発明のシステムを利用した際の実績データから、顧客が入力した困りごとの内容と、その解決策となるサポート情報を自動で追加するようにしても良い。顧客に行ったアンケートの情報からサポートが必要なデータを取得し、自動で拡張しても良い。
【0035】
個人データ108は、個人認証によって特定された顧客個人に紐づいて記憶された、顧客それぞれに関連するログデータである。個人データ108には、各顧客が現在又は過去に来店した際に行った動作パターン、店舗内行動分類の情報や、問い合わせ履歴の情報が記憶される。ここで、問い合わせ履歴とは、サポート情報の参照履歴であっても良い。また、個人データ108は、顧客の認証情報や認証履歴、決済方法や金額の情報を含む決済履歴、購入した商品の種類や数量の情報を含む情報が含まれても良い。また、各顧客の店舗内行動分類やサポート情報を特定する際に、さらに、各顧客の個人データ108を参照しても良い。それによる、顧客個人の属性に応じてサポート情報を精度よく特定できる。個人データ108は、各顧客の他の店舗におけるログデータを取得して格納しても良い。ここで、個人データ108が所定の店舗におけるログデータである例を示したが、本発明はそれに限られず、個人データ108は情報提供会社等の第三者から取得された加工済みの個人の属性を示すデータであっても良い。
【0036】
データ取得プログラム109は、通信インターフェース80を介して、外部の各種のセンサ4、認証端末5、決済端末6、表示端末7、電子商取引サーバ2及び顧客情報サーバ3との間で必要なコマンドや情報をやり取りする機能を有するプログラムである。データ取得プログラム109は、外部の各種のセンサ4等から取得した情報を、動作データ101やセンサデータ102、商品情報103、個人データ108等に格納する。
【0037】
動作パターン分析プログラム110は、動作データ101の情報に基づいて、顧客の動作パターンを特定するプログラムである。例えば、TOFセンサから取得した、顧客の身体の特徴点の位置を示す三次元座標の時系列変化の情報から、顧客の重心や姿勢の変化のパターンや手足の動きの動作のパターンを特定することができる。なお、動作パターン分析プログラム110は、動作データ101に含まれる、予め設定された動作パターンのリスト情報を参照して、対応する顧客の動作パターンを特定するようにしても良い。特定した顧客の動作パターンは、当該顧客の識別情報に紐づけて、動作パターンデータ105に格納される。
【0038】
店舗内行動分析プログラム111は、少なくとも、動作データ101、店舗内地図情報104、動作パターンデータ105の情報に基づいて、顧客の店舗内行動分類を特定するプログラムである。例えば、予め設定された店舗内行動分類のリスト情報を参照して、顧客の動作パターンと当該動作パターンを行った位置の属する領域区分との情報を検索キーとして、対応する顧客の店舗内行動分類を特定するようにしても良い。また、店舗内行動分類を行う際に、個人データ108を参照してもよい。特定した顧客の店舗内行動分類は、当該顧客の識別情報に紐づけて、店舗内行動分類データ106に格納される。
【0039】
サポート情報特定プログラム112は、店舗内行動分類データ106に含まれる顧客の店舗内行動分類の情報に基づいて、当該顧客へ提示するサポート情報を特定するプログラムである。
【0040】
精度向上に関するAIデータ蓄積部20には、例えば、学習用データ201として、蓄積された顧客からの問い合わせについての情報である過去の問合せ内容204、過去の顧客の位置についての情報である問合せ時の位置205、過去の顧客の動作データまたは動作パターンの情報である問合せ時行動データ206、顧客に提示されたサポート情報が適切であったかを示す評価データ207が格納されている。過去の問合せ内容204とは、顧客が参照したサポート情報を示す情報である。評価データ207とは、顧客へのサポート対応を行った後に、顧客が回答するアンケートの回答であっても良い。一例として、アンケートは、表示されたサポート情報が適切であったか、または、サポート対応に満足がいったかに関する質問を含む。また、精度向上に関するAIデータ蓄積部20には、問合せ行動解析プログラム202、出力計算プログラム203が格納されている。
【0041】
問合せ行動解析プログラム202は、過去の問合せ内容204、問合せ時の位置205、過去の顧客の動きの情報である問合せ時行動データ206に基づいて、動作パターンデータ105に含まれる動作パターンのリスト情報や、店舗内行動分類データ106に含まれる店舗内行動分類のリスト情報を更新する。一例として、過去に問い合わせが行われた際の動作データを分析し、当該問い合わせが行われた際の動作パターンがリスト情報にない動作パターンであると判定した場合、新たな動作パターンとして動作パターンデータ105に格納する。また、一例として、過去に問い合わせが行われた際の動作パターン及び位置の情報を分析し、当該問い合わせが行われた際の店舗内行動分類がリスト情報にない分類であると判定した場合、新たな店舗内行動分類として店舗内行動分類データ106に格納する。
【0042】
出力計算プログラム203は、過去の問合せ内容204、問合せ時の位置205、過去の顧客の動きの情報である問合せ時行動データ206、評価データ207に基づいて、顧客の動作パターン及び位置から推測される顧客の店舗内行動分類の妥当性の評価を行う。一例として、同一の動作パターン及び位置データに複数の店舗内行動分類が対応しており、当該複数の店舗内行動分類には推測の確からしさを示す指標である信頼度が設定されている場合がある。この場合、評価データ207に基づいて、顧客から適切でなかったとフィードバックを受けたサポート情報に対応する店舗内行動分類について、信頼度を低くするように評価を行う。
【0043】
認証部30は、顧客の個人認証の処理を行う機能を有した装置である。認証部30は、図2における認証端末に入力された顧客の認証情報に基づいて、顧客の個人認証を行うことができる。なお、顧客の認証処理は、通信インターフェース80を介して、外部のサーバが行うように構成されても良い。
【0044】
決済部40は、顧客の取引の決済処理を行う装置である。決済部40は、顧客の識別情報に紐づいた取引情報と、顧客の指定した決済方法とに基づいて、決済処理を行うことができる。取引情報は、顧客がレジ端末にて商品を読み取って登録して作成しても良い。取引情報は、顧客がバスケットに入れた商品の情報をTOFセンサ及び重量センサの情報から取得することにより、自動で作成して管理する購入予定の商品リストの情報から生成されてもよい。顧客がレジ端末にて決済方法を選択可能なようにしても良いし、顧客の識別情報に紐づけた所定の決済方法が自動で選択されるようにしても良い。また、認証処理は、通信インターフェース80を介して、電子商取引サーバ2等の外部のサーバと通信して行うように構成されても良い。
【0045】
入力部50には、顧客や店舗の管理者が入力した情報が入力される。例えば、顧客が、入力部50を介して、当該顧客に必要なサポート情報を要求するようにしても良い。この場合、図2における表示端末7が入力部50と接続して情報をやり取りしても良い。また、その他の例として、管理者がデータ記憶部10に記憶されたデータベースの情報の更新を行う場合、入力部50を介して情報を入力しても良い。また、管理者が店舗内の顧客へのサポート対応に関する情報を閲覧する場合、所定の顧客の店舗内行動のデータやサポート対応履歴について、入力部50を介して情報を要求することができる。この場合、管理者向けの管理端末と入力部50とが接続されて情報をやり取り可能に構成しても良い。
【0046】
出力部60には、顧客や店舗の管理者向けに提示する情報が出力される。例えば、顧客によるサポート情報を要求する旨の入力に応答して、サポート情報を出力するようにしても良い。この場合、図2における表示端末7が出力部60と接続して情報をやり取りしても良い。また、その他の例として、管理者向けに、顧客の店舗内行動のデータやサポート対応履歴を出力するように構成しても良い。この場合、管理者向けの管理端末と出力部60とが接続されて情報をやり取り可能に構成しても良い。また、顧客や管理者向けに所定の注意喚起を促すアラーム情報を出力するようにしても良い。
【0047】
CPU70は、店舗管理装置1全体の動作制御を司るプロセッサである。例えば揮発性の半導体メモリから構成されたメモリが、CPU70のワークメモリとして利用される。
【0048】
通信インターフェース80は、所定の無線通信方式により図2における各種のセンサ4、認証端末5、決済端末6、表示端末7、電子商取引サーバ2及び顧客情報サーバ3と通信を行うための通信装置である。
【0049】
図4は、店舗の地図情報の一例を示す。図4には、店舗内の領域の区分分けの一例が明示される。図4において、店舗内の領域の代表例として、入口領域、出口領域、棚近傍領域、決済領域、通路領域が示される。なお、店舗内の地図情報の例はこれに限られない。その他の例として、バックヤード領域、トイレ領域、イートインスペース領域なども含まれていてよく、店舗の運営形態や内部環境に応じて追加されて良い。
【0050】
入口領域は、顧客が入店するために認証を行う領域である。入口領域において、顧客が認証情報を端末へ入力することで個人認証を行うようにしても良い。店舗管理装置1は、認証端末に入力された情報から、顧客の個人を識別する認証情報等を取得することができる。また、入口領域でのTOFセンサから得られた顧客の動作データから、顧客の入店時の動作の情報を分析できる。
【0051】
出口領域は、顧客が退店するために認証を行う領域である。出口領域において、顧客は精算確認ディスプレイを利用して、決済の内容を確認可能に構成しても良い。店舗管理装置1は、出口領域でのTOFセンサから得られた顧客の動作データから、顧客の退店時の行動の情報を分析できる。
【0052】
棚近傍領域は、店舗内の商品棚の近傍の領域である。店舗管理装置1は、棚近傍領域でTOFセンサやカメラ等から得られた顧客の動作データの情報から、棚近傍での顧客の動作や行動の情報を分析できる。例えば、顧客が棚に沿って移動する速度の情報や、顔の向いている方向の情報、立ち止まったという情報、立ち止まっている時間の長さの情報等を取得できる。さらに、商品棚に設けられたディスプレイ付き端末に入力された情報も、棚近傍における顧客の情報として活用できる。
【0053】
通路領域は、主に店舗内の移動を行う際の通路として利用される領域である。通路領域は、通路領域は、他の領域区分に当てはまらない店舗内の領域が割り当てられても良い。店舗管理装置1は、通路領域でTOFセンサやカメラ等から得られた顧客の動作データの情報から、通路での顧客の動作や行動の情報を分析できる。例えば、顧客が通路を移動する速度の情報や、顔の向いている方向の情報、立ち止まったという情報、立ち止まっている時間の長さや回数の情報等を取得できる。
【0054】
決済領域は、店舗内の商品棚の近傍の領域である。店舗管理装置1は、棚近傍領域でTOFセンサやカメラ等から得られた顧客の動作データの情報から、棚近傍での顧客の動作や行動の情報を分析できる。例えば、顧客が棚に沿って移動する速度の情報や、顔の向いている方向の情報、立ち止まったという情報、立ち止まっている時間の長さの情報等を取得できる。さらに、レジ端末や決済領域に設けられたディスプレイ付き端末に入力された情報も、決済領域における顧客の情報として活用できる。
【0055】
図5は、顧客の動作パターンのテーブルの例を示す。図5のテーブルは、図3における動作パターンデータ105に含まれる。図3のテーブルは、動作パターンCD501と、取得する動作パターン502を含む。動作パターンCD501は、各動作パターンを識別するためのコード情報である。例えば、図5のテーブルを参照することで、TOFセンサやカメラなどから得られた顧客の動作データの特徴が、図5の取得する動作パターン502のいずれに該当するかを判別する。一例として、顧客が移動した速度を基準(20m/分)より早いか遅いかで、それぞれを異なる動作パターンとして判別することができる。判別された顧客の動作パターンは、動作パターンデータ105に顧客ごとに格納される。なお、図5に示した取得する動作パターン502は一例であり、例えば、方向、速度、頻度、回数、持続時間など項目ごとに、より詳細に規定してもよい。また、図5に示したテーブル情報を利用せずに、AIの行動分析結果により、顧客の動作データが何を意図しているものなのか特定し、動作パターンとして利用してもよい。
【0056】
図6は、顧客の店舗内の行動分類のテーブルを示す。図5のテーブルは、図3における店舗内行動分類データ106に含まれる。店舗内行動分類とは、顧客が店舗内においてある目的又は動機によって行った種々の行動を、目的又は動機の種別や行動の種別ごとに分類したものであり、顧客の動作パターンおよび当該動作パターンを行った位置に関する情報とから特定することが可能である。例えば、場所が入口で、動きが「顔を棚の方向に向けて2秒以上、複数の通路を見る」の場合に、店舗内行動分類としては「店員を探す/特定の商品が扱われているか知りたいため」という店舗内行動分類が特定される。図6における顧客の店舗内の行動分類のテーブルは、場所CD601、場所602、動作CD603、動作パターン604、店舗内行動CD605、店舗内行動分類の種別606、店舗内行動分類607、信頼度608を含む。場所602は、上述の店舗内の領域区分が記載されても良い。動作CD603、動作パターン604は、それぞれ、図5における動作パターンCD501と、取得する動作パターン502に対応してよい。ここで、各店舗内行動分類は、場所と動作パターンの組合せに対して、予め設定されていてもよい。また、1つの場所と動作パターンの組合せに対して、類推される1以上の店舗内行動分類が対応してもよい。例えば、場所が入口で、動きが「座標を移動せずに2秒以上とどまる」の場合に、店舗内行動分類としては「店員を探す 入店(認証したけどドアが開かない)できないため」という場合と、「店員を探す 初回入店のやり方が分からない」という場合の2通りの場合に対応するテーブルの構成としてもよい。
【0057】
次に、信頼度608について説明する。信頼度608は、場所602及び動作パターン604の組み合わせから推測される店舗内行動分類607に関する推測の確からしさを示す指標である。信頼度608は、場所602及び動作パターン604と店舗内行動分類607の組み合わせごとに設定される。例えば、信頼度の値が70であるとは、対応する場所と動作パターンから結び付けられた店舗内行動分類が実際の顧客の店舗内行動と一致している可能性が70%であることを表す。
【0058】
ここでは%表示をしているが、確率表示ではなく、単なるスコア値などでも良い。また、信頼度は予め設定された値でも良いし、過去の実績データや学習に基づいて更新されてもよい。一例として、上述の精度向上に関するAIデータ蓄積部20は、学習用データ201に基づいて信頼度608の情報を更新可能である。信頼度608の情報は、後述する、顧客へ表示するサポート情報を特定する際に利用される。
【0059】
図6に示された例として、入口での動作パターンが「座標を移動せず2秒以上とどまる」の場合で、店舗行動分類が「店員を探す 入店(認証したけどドアが開かない)できないため」の場合には、信頼度の値が30であると顧客の店舗内の行動分類のテーブルに設定される。また、入口での動作パターンが「座標を移動せず2秒以上とどまる」場合で、店舗行動分類が「店員を探す 初回入店のやり方が分からない」の場合には信頼度の値が50であると顧客の店舗内の行動分類のテーブルに設定される。通路で動作パターンが「顔を棚の置かれていない通路方向に向けて2秒以上、複数の通路を見る」の場合で、店舗内行動分類が「店員を探す 特定の商品が扱われているかを知りたいため」の場合には、信頼度の値は10で設定される。これらの具体的な動作パターンやその時間は、店舗形態や取扱商品や店の構造などによって変わる。
【0060】
図7A図7Bはサポート情報のテーブルの一例を示す。図7A図7Bのテーブルは、図3におけるサポート情報データ107に含まれる。サポート情報のテーブルは、図6に示されたような店舗内行動分類と、顧客へ提供するサポート情報との対応関係を示すものである。図7Aは、第1のサポート情報テーブルである。第1のサポート情報テーブルは、店舗内行動CD(コード)701、お悩み・わからないこと・質問702、サポート情報ID703から成る。店舗内行動CD701は、図6における店舗内行動CD605に対応する。
【0061】
図7Bは、第2のサポート情報テーブルである。第2のサポート情報テーブルは、サポート情報ID704、表示コマンド705、サポート内容706から成る。顧客サポート時に必要と想定される表示コマンドとサポート内容は、棚などに配置されたディスプレイ付き端末に表示される。例えば、顧客がディスプレイ付き端末の表示画面をタッチ操作することで、顧客が求めるサービスに関するサポート内容を、ディスプレイ付き端末に表示させることができる。図7Bにおけるサポート情報ID704は、図7Aのサポート情報ID703のデータである。
【0062】
図8は、個人認証に紐づく個人データのテーブルであり、個人データのテーブルは、第1の個人データのテーブル801と買物情報テーブル802と買物情報子テーブル803と問合せ情報テーブル804とからなる。図8のテーブルは、図3における個人データ108に含まれる。第1の個人データのテーブル801は、会員CD、二次元バーコードや指静脈の情報を格納する指静脈・二次元バーコード、氏名、決済手段、買物情報、サポートシステム利用有無を格納している例である。指静脈・二次元バーコードは、顧客個人を識別するために用いられる情報である。決済手段は、キャッシュレス決済などの決済に関する情報である。買物情報には、買物情報IDが格納される。買物情報IDを使い買物情報テーブル802や買物情報子テーブル803の情報を紐付けることができる。サポートシステム利用有無には、会員がサポートシステムを利用したか否かの情報が格納され、過去にサポートシステムを利用した場合には問い合わせNOが格納される。問い合わせNOを使い問合せ情報テーブル804の情報をサポートシステム利用有無から紐付けることができる。
【0063】
また、買物情報テーブル802には購買店舗、購買日付などと決済の情報が格納されている。買物情報子テーブル803には、購入日付、購買商品、購買単価、購買数量が格納されている。問合せ情報テーブル804には問合せ時の内容や位置、行動データといった、顧客の過去の行動実績及び問合せ実績に関する実績情報を格納している。問合せ時の内容とは、参照したサポート情報を示すものであっても良い。
【0064】
これらの情報を元にして、購買後に顧客が商品を店舗に返却しに再来店する場合といった返品時にはどの買物情報であったのか、ある個人の過去の行動実績の情報とその際の問合せ情報との対応関係に関して分析を行うことができる。さらに、当該対応関係に関する情報に基づいて信頼度608等の情報を更新する。例えば、同一の動作パターン及び位置データに複数の店舗内行動分類が対応している場合がある。その場合に、問合せ情報テーブル804の過去の履歴を分析することで、当該複数の店舗内行動分類のうち、第一の店舗内行動分類に対応する第一のサポート情報が問合せを受けた頻度が、当該複数の店舗内行動分類に含まれる他の店舗内行動分類に対応するサポート情報が問合せを受けた頻度よりも大きい場合には、第一の店舗内行動分類の信頼度を他の店舗内行動分類の信頼度よりも大きくなるように更新しても良い。ここで、個人認証に紐づく個人データを元に信頼度608を更新する場合、顧客毎の過去実績に関する情報を取得し、当該情報に基づいて顧客毎に信頼度608を設定しても良い。そうすることで、顧客毎の特性を踏まえた店舗内行動分類の推測が行うことができ、精度向上に寄与する。また、顧客毎の過去実績に関する情報を取得する代わりに、年齢、性別、購入した商品種別の傾向などから、類似の顧客をグループ分けし、当該類似の顧客が含まれる顧客グループごとの過去実績に関する情報を取得しても良い。この場合、当該情報に基づいて、各顧客グループ毎に信頼度608を設定する。そして、ある顧客の店舗内行動分類を推測する際、その顧客の個人認証の情報から、当該顧客がいずれの顧客グループに分類されるかを判定し、当該顧客の属する顧客グループに設定された信頼度608を用いて当該顧客の店舗内行動分類を推測する。これにより、顧客毎に信頼度608を設定する場合と比較して、信頼度608を設定するために十分な量の過去実績に関する情報を取得しやすく、精度向上に寄与する。
【0065】
図9Aは、データ取得におけるフローチャートの例である。顧客が、図2における認証端末5の前に立つことを、認証端末5が検知することで、本処理フローが開始する。その後、顧客が認証端末へ情報を入力することで認証端末5が顧客を検出する(S10)。なお、顧客の検出は、顧客が認証端末5の読み取り部へ、顧客の携帯端末に表示された二次元コードをかざすことで行われても良い。ここで、二次元コードは、顧客個人を一意に特定する識別情報と紐づいている。
【0066】
顧客を検出した後に、店舗管理装置1にて個人情報読み出しをかける。その後、認証部30が顧客の認証をする(S20)。
【0067】
データ取得プログラム109を実行することで、TOFセンサやカメラなどで対象となる顧客の動きに関するデータを取得し、店内行動を追跡する(S30)。例えば、顧客が商品を陳列している棚へ手を伸ばしたことを検知することができる。顧客が棚に向けて手を伸ばした情報と、当該棚に設けられた重量センサのデータとを利用することで、顧客が取得した商品を特定し、当該商品のデータをアプリから取得してもよい。また、TOFセンサやカメラ等により、顧客が取得したと判定された商品をバスケットへ入れた動きを検知することができる。この場合、店舗内データサーバ95にて管理される顧客の購入予定の商品リストへ当該商品を追加する。
【0068】
さらに、S30では、TOFセンサやカメラ等により、商品を戻す動作を検知しても良い。その場合、顧客がバスケットから直前に手にした商品を特定し、顧客の購入予定の商品リストから、特定された商品を削除する。上述したように、TOFセンサやカメラ、重量センサ等のセンサから取得した情報から、顧客が取得した又は戻した商品のデータを時系列に取得できる。この時系列情報は、店舗内における顧客の行動を分析する際に利用することができる。
【0069】
次に顧客が決済領域に到着したことを検知すると、決済処理を開始する。決済部40が、顧客の購入予定の商品リストの商品の決済を、当該顧客に登録されている決済方法にて行う。その際、顧客は、決済領域に設置された端末にて、購入予定の商品リストの確認や、決済方法の選択を行うことができるように構成されても良い。決済が終了すると、取引の明細情報を顧客の携帯端末へ送信すると共に、明細情報を含む決済に関する情報をサポートシステムの電子商取引サーバ2へ送信し、決済処理を終了する(S40)。その後、顧客が退店エリアを通過した場合、データ取得プログラム109を実行することにより、当該顧客が退店したと判定して当該顧客のログアウト処理を行い(S50)、データ取得の処理を終了する。
【0070】
図9Bは、サポート情報の特定におけるフローチャートの例である。本実施例では、入店時から退店時まで、店舗内における顧客の行動は常に検知されている。そして、サポート情報の特定処理は、一例として、人が特定のエリアに入ってきたときや、人が問合せの端末に触れたり、近づいたことを検知したとき、または、人の特定の動作を検知したときに開始される。(T00)。
【0071】
データ取得プログラム109を実行することで、サポート対象の顧客情報を取得する(T01)。データ取得プログラム109を実行することで、TOFセンサやカメラ等からの情報を使い、顧客がサポートの問合せを開始した時とその直前の顧客の動作データ及び位置情報を、取得する(T02)。データ取得プログラム109を実行することで、データ記憶部10から、個人データ108を取得する(T03)。動作パターン分析プログラム110を実行することで、顧客の動作パターンのテーブルと、TOFセンサやカメラ等からの動作データとから、顧客の動作パターンを特定する(T04)。
【0072】
店舗内行動分析プログラムを実行して、顧客の店舗内の行動分類のテーブルにおける、動作パターンのデータと当該動作パターンの動作が行われた位置に関する情報である位置データから顧客の店舗内行動分類を特定する(T05)。なお、位置データは、店舗内地図情報104に含まれる店舗内の領域区分の情報であっても良い。
【0073】
次に、店舗内行動分析プログラムを実行して店舗内行動分類が所定の基準を満たすかどうかを判定する(T06)。所定の基準としては、TOFセンサやカメラなどから顧客の動きを取得し、商品を二人以上の顧客間で受け渡した場合がある。商品の受け渡しが行われると、顧客の受け渡した商品の情報が取得できないことがあり、その結果として、購入予定の商品リストの情報が顧客の意図とは誤って紐づいてしまうおそれがある。また、センサ情報や店舗内行動の分析において異常があった場合を所定の基準を満たす場合として含めてもよい。ほかにも店舗として禁止している動作パターンをエラー行為として所定の基準に含めることができる。そのような禁止している動作パターンとは、手に取った商品をバスケット以外の箇所にしまうことなどが挙げられる。
【0074】
T06で店舗内行動分類が所定の基準を満たす場合(T06でYES)には、店舗内行動分析プログラムを実行して、棚などに配置したディスプレイなどの表示部が、顧客及び管理者に向けた通知を表示する(T07)。商品を二人以上の顧客間で受け渡したことを検知した場合、顧客に対して、手動で購入予定の商品リストの内容を確認すること、または、購入予定の商品リストの情報が誤るおそれがある商品の受け渡しをさけてもらうようにすることを通知しても良い。また、管理者に対して、受け渡しを行った顧客の情報について確認を促す通知を行っても良い。
【0075】
また、店舗へ親子などのグループで来店する場合があるが、本実施例の店舗において、同じグループ内の顧客が取得した商品をグループごとにまとめて決済処理を行うように構成される場合がある。この場合、グループ内の二人以上の顧客間で商品を受け渡したことを検知した場合、顧客に対して、決済を行う際に、グループの会計を同じ決済領域で同時に処理を行ってもらうように通知しても良い。
【0076】
T06で所定の基準を満たさず通常の場合(T06でNO)には、サポート情報特定プログラムを実行することで、店舗内行動分類から顧客に向けた前記サポート情報を特定する(T08)。ここで、店舗内行動分類に加えて、対象の顧客個人の過去の問合せ実績の情報とを参照しても良い。それにより、対象の顧客個人に合わせたサポート情報の特定が可能となり、サポート情報の選択の精度を向上させることができる。一例として、所定の期間内に一度以上提供したサポート情報は除外する、又は、顧客が高頻度に参照しているサポート情報を特定して信頼度に関わらず優先的に表示する等の処理が考えられる。また、その他の例として、過去に一度提示したサポート情報について、過去に参照済みであることを合わせて表示させても良い。それにより、顧客による直感的なサポート情報の選択を補助することができる。そして、特定したサポート情報を表示部が表示する(T09)。顧客からの問い合わせ内容や問い合わせ位置、問い合わせ時の行動データを、問合せ情報テーブル804へデータ記憶部が格納する(T10)。そして、図9Bの処理を終了する(T11)。
【0077】
ここで、表示部に表示されたサポート情報には顧客の求めるサポート情報が無く、顧客自らが店舗内のディスプレイを介してサポートの情報を検索した場合、その時の行動分類、適当でなかったサポート情報及び、顧客が自ら検索して参照した顧客の求めるサポート情報の組み合わせを、個人データのテーブルにおける問い合わせ情報テーブルとは別のテーブルに分けて格納してもよい。適当でなかったサポート情報及び顧客の求めるサポート情報の組み合わせ情報を分析する。そして、図6の顧客が問合せした場所と動きの情報に対応付けた店舗内行動分類の情報として、顧客の求めるサポート情報を追加する。もしくは適当でなかったサポート情報を修正する。そのように図6の顧客の店舗内の行動分類のテーブルを更新することで、精度向上に寄与する。
【0078】
個人認証により、当該顧客の過去のサポート対応履歴などの問合せ情報や個人の過去の行動実績、購買データなどの行動情報が参照され、サポート情報の特定についてユーザビリティが向上する。一例として、所定の期間内に一度以上提供したサポート情報は除外する、又は、顧客が高頻度に参照しているサポート情報を特定して信頼度に関わらず優先的に表示する等の処理が考えられる。また、その他の例として、過去に一度提示したサポート情報について、過去に参照済みであることを合わせて表示させても良い。また、一例として、過去の購買データを活用することにより、顧客が何らかの商品を探している旨の店舗内行動分類が特定された場合、当該店舗内行動分類に対応するサポート情報と共に、過去に顧客が購入した商品の情報を候補として表示しても良い。
【0079】
また、顧客の求めるサポート情報は、顧客の店舗内行動分類の種別によって異なる。そこで、店舗内行動分類の分類区分は、少なくとも入退店に関する行動と、商品選択に関する行動と、店内探索に関する行動と、決済に関する行動と、の種別を含んでも良い。顧客の行動分類の種別ごとにサポート情報をカテゴライズすることで、サポート対象の顧客の店舗内行動分類の種別に対応するサポート情報を効率的に特定することができる。特に、上記した、入退店に関する行動と、商品選択に関する行動と、店内探索に関する行動と、決済に関する行動については、店舗内における顧客の行動フローを大きく分類したものであり、当該分類に基づいてサポート情報を特定することで、関係のないサポート情報が顧客へ向けて提示される可能性が低減する。なお、行動店舗内行動分類の種別は上記した例に限られず、任意の種別を追加しても良い。
【0080】
動作データ101には、第一の動作が行われた第一の位置の情報が含まれる。ここで、第一の位置の情報とは、店舗内における座標であっても良い。店舗管理装置1は、店舗内地図情報104に含まれる店舗内の領域区分の情報を参照し、第一の位置が属する領域区分を特定し、店舗内行動分類の特定に利用することができる。店舗内の領域区分に関する情報として、少なくとも店舗内の領域の種別として、出入口領域、棚近傍領域、通路領域、決済領域を含んでいても良い。顧客が店舗内のどのような領域で行った行動かを加味することで、顧客の困りごとに対応する店舗内行動分類を精度よく特定することができる。特に、上記した、出入口領域、棚近傍領域、通路領域、決済領域はそれぞれ、無人店舗における入退店に関する行動、商品選択に関する行動、店内探索に関する行動、決済に関する行動に関係している。そのため、当該種別に領域を分類することは、顧客に合ったサポート情報を特定する精度を向上させることに寄与する。店舗内の領域の種別は上記した例に限られず、任意の種別を追加しても良い。
【0081】
図10は表示画面である。図10では、店舗管理者が見ることができる表示画面例を示す。この例では、入店、店内回遊、商品選択、購買、精算、退店からなる「買物プロセス」、顧客の店内の現在地、および顧客に問いかける「目的の商品の場所をお探しですか」といった「表示コマンド」の表示を店舗管理者は見ることができる。顧客は、店舗の棚などに配置されたディスプレイを介して、図10の表示のうち、右下の「何かお困りですか?」の部分を見ることができる。例えば「何かお困りですか?」の表示領域を、顧客がタッチ操作することで、求めるサービスに関するサポート情報を、ディスプレイに表示させることができる。また、ある顧客に向けたサポート情報が複数存在する場合、当該複数のサポート情報について、関連性が高いと判定された順に上から表示してもよい。一例として、図6の信頼度のスコアに基づいて、信頼度の高い情報をから順に表示しても良い。また、当該顧客の過去の行動実績に関する情報、もしくは過去の問合せ情報から、当該顧客における信頼度の情報を更新し、当該更新された信頼度順に表示してもよい。例えば、所定の期間内に一度以上提供したサポート情報は除外して表示してもよい。または、顧客が高頻度に参照しているサポート情報を特定して信頼度に関わらず優先的に表示してもよい。
【0082】
図6を参照すると、顧客の店舗内の行動分類のテーブルを分析した結果、店舗内行動分類として、複数の候補が当てはまる場合がある。
【0083】
具体的には、図6の場所が「入口」で、動きが「座標を移動せずに2秒以上とどまる」について店舗内行動CDが2つヒットする。つまり、第一の場所および第一の動作パターンに対応する候補が複数ヒットする場合がある。
【0084】
さらに、図6の場所が「入口」で、動きが「顔を棚の方向に向けて2秒以上、複数の通路を見る」の場合が同時にヒットすることもある。例えば、図6において、場所と動きから、店舗内行動CDとして、1110、2222、1111の3つがヒットする場合がある。つまり、第一の場所および第一の動作パターンに対応する店舗内行動分類の候補とともに、第一の場所および第二の動作パターンに対応する店舗内行動分類の候補も同時にヒットすることもある。
【0085】
そのような場合には、店舗内行動分析プログラムを実行して、ヒットした動作パターンそれぞれに対応する複数の店舗内行動分類を特定する。そして、特定された複数の当該店舗内行動分類に対応する複数のサポート情報を、表示部が同一画面に表示するようにしてもよい。
【0086】
また、店舗内行動分析プログラムを実行して、各店舗内行動分類の問い合わせ実績の情報を取得し、問い合わせ実績の多い店舗内行動分類に順に、対応するサポート情報を表示部に表示させるようにしてもよい。
【0087】
また、顧客が現在の図10の「買物プロセス」に関する情報を選択して入力可能な入力部を備え、当該入力部に入力された当該買物プロセスの情報に基づいて、サポート情報の特定を行うようにしてもよい。顧客からの「買物プロセス」に関する情報を受け取ることで、顧客が求めるサポートの種類を絞り込みやすくなり、顧客に対して、適切なサポート情報を提供できる。
【0088】
本実施例によれば、顧客による複雑な操作を必要とせずに、顧客の求める困りごとを精度よく推測し、その解決策を提示することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 店舗管理装置、4 センサ、10 データ記憶部、60 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10