(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】通信帯域設定装置、通信帯域設定方法及び通信帯域設定プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 47/78 20220101AFI20241004BHJP
【FI】
H04L47/78
(21)【出願番号】P 2024507073
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 JP2022018678
(87)【国際公開番号】W WO2023209756
(87)【国際公開日】2023-11-02
【審査請求日】2024-02-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高井 紗紀
(72)【発明者】
【氏名】飯島 昌平
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-068387(JP,A)
【文献】特開2016-103700(JP,A)
【文献】国際公開第2012/056551(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-69/40
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象とする複数の通信経路のうちいずれかの通信経路を使用して通信を行う装置の各組の通信タイミングに基づき、
前記いずれかの通信経路を使用して通信を行う全ての組で重複して通信を行う重複時間を特定する重複特定部と、
前記重複特定部によって特定された前記重複時間と、前記重複時間ではない他時間とのそれぞれについて、前記
複数の通信経路それぞれに割り当てる通信帯域を計算する帯域計算部と、
前記重複時間と前記他時間とのどちらの時刻であるかに応じて、前記帯域計算部によって前記重複時間について計算された通信帯域と前記帯域計算部によって前記他時間について計算された通信帯域とを切り替えて、前記
複数の通信経路それぞれに対して通信帯域を設定する帯域設定部と
を備え
、
前記帯域計算部は、
前記他時間については、通信経路毎にその通信経路を使用する組の通信速度の総和以上の通信帯域がその通信経路に割り当てられるように、前記複数の通信経路それぞれに割り当てる通信帯域を計算し、
前記重複時間については、装置毎に送信データの優先度を示す優先度情報を参照して、送信データの優先度が高い装置を含む組が使用する通信経路である高優先経路に対して、前記他時間に割り当てられる通信帯域よりも割り当てられる通信帯域を増加させる通信帯域設定装置。
【請求項2】
前記帯域計算部は、前記重複時間については、前記高優先経路に対して、固定された増加量だけ通信帯域を増加させる
請求項
1に記載の通信帯域設定装置。
【請求項3】
前記優先度情報は、優先度の段階を示し、
前記帯域計算部は、前記重複時間については、前記高優先経路に対して、前記高優先経路を使用する組のうち基準以上の段階の優先度の装置を含む組の数と、他の通信経路を使用する組のうち基準以上の段階の優先度の装置を含む組の数との比率に応じた増加量だけ通信帯域を増加させる
請求項
1に記載の通信帯域設定装置。
【請求項4】
前記優先度情報は、優先度の段階を示し、
前記優先度の段階毎に、通信帯域の増加量を示す重みが設定されており、
前記帯域計算部は、前記重複時間については、前記高優先経路に対して、前記高優先経路を使用する組に含まれる装置についての優先度の段階に設定された重みの和が示す増加量だけ通信帯域を増加させる
請求項
1に記載の通信帯域設定装置。
【請求項5】
前記通信帯域設定装置は、さらに、
前記各組で使用される通信経路の接続構成と、前記各組で使用される通信経路に設定された通信帯域とを表示する表示部
を備える請求項1から
4までのいずれか1項に記載の通信帯域設定装置。
【請求項6】
コンピュータが、
対象とする複数の通信経路のうちいずれかの通信経路を使用して通信を行う装置の各組の通信タイミングに基づき、
前記いずれかの通信経路を使用して通信を行う全ての組で重複して通信を行う重複時間を特定し、
コンピュータが、前記重複時間と、前記重複時間ではない他時間とのそれぞれについて、前記
複数の通信経路それぞれに割り当てる通信帯域を計算し、
コンピュータが、前記他時間については、通信経路毎にその通信経路を使用する組の通信速度の総和以上の通信帯域がその通信経路に割り当てられるように、前記複数の通信経路それぞれに割り当てる通信帯域を計算し、
コンピュータが、前記重複時間については、装置毎に送信データの優先度を示す優先度情報を参照して、送信データの優先度が高い装置を含む組が使用する通信経路である高優先経路に対して、前記他時間に割り当てられる通信帯域よりも割り当てられる通信帯域を増加させ、
コンピュータが、前記重複時間と前記他時間とのどちらの時刻であるかに応じて、前記重複時間について計算された通信帯域と前記他時間について計算された通信帯域とを切り替えて、前記
複数の通信経路それぞれに対して通信帯域を設定する通信帯域設定方法。
【請求項7】
対象とする複数の通信経路のうちいずれかの通信経路を使用して通信を行う装置の各組の通信タイミングに基づき、
前記いずれかの通信経路を使用して通信を行う全ての組で重複して通信を行う重複時間を特定する重複特定処理と、
前記重複特定処理によって特定された前記重複時間と、前記重複時間ではない他時間とのそれぞれについて、前記
複数の通信経路それぞれに割り当てる通信帯域を計算する帯域計算処理と、
前記重複時間と前記他時間とのどちらの時刻であるかに応じて、前記帯域計算処理によって前記重複時間について計算された通信帯域と前記帯域計算処理によって前記他時間について計算された通信帯域とを切り替えて、前記
複数の通信経路それぞれに対して通信帯域を設定する帯域設定処理と
を行う通信帯域設定装置としてコンピュータを機能させ
、
前記帯域計算処理では、
前記他時間については、通信経路毎にその通信経路を使用する組の通信速度の総和以上の通信帯域がその通信経路に割り当てられるように、前記複数の通信経路それぞれに割り当てる通信帯域を計算し、
前記重複時間については、装置毎に送信データの優先度を示す優先度情報を参照して、送信データの優先度が高い装置を含む組が使用する通信経路である高優先経路に対して、前記他時間に割り当てられる通信帯域よりも割り当てられる通信帯域を増加させる通信帯域設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信帯域の設定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、装置間の通信時におけるスループット及びレスポンス率といった通信状況と、ファイルダウンロードといったイベント発生状況とに応じて通信帯域を動的に変更することが記載されている。特許文献1では、これにより通信設定の最適化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工場の生産ラインで稼働するような工場装置では、周期的に複数の装置が通信する。そして、複数の装置の通信タイミングが重複する場合がある。通信タイミングが重複する場合に、カメラ映像等のデータ量が大きなデータが通信されると、通信帯域が圧迫される恐れがある。
【0005】
特許文献1に記載される技術では、通信状況及びイベント発生状況に応じて割り当てる通信帯域が変更される。しかし、通信帯域が圧迫される時間帯を予め把握しておくことはされていない。そのため、複数の装置の通信タイミングが重複し、割り当てた通信帯域では足りない状況が発生し得る。その結果、生産ラインの稼働に必要とされるデータを許容遅延時間内で送信できなくなるといったことが起こり得る。
【0006】
本開示は、複数の装置の通信タイミングが重複する場合にも、通信帯域では足りない状況の発生を抑制可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る通信帯域設定装置は、
通信を行う装置の各組の通信タイミングに基づき、複数の組で重複して通信を行う重複時間を特定する重複特定部と、
前記重複特定部によって特定された前記重複時間と、前記重複時間ではない他時間とのそれぞれについて、前記各組で使用される通信経路に割り当てる通信帯域を計算する帯域計算部と、
前記重複時間と前記他時間とのどちらの時刻であるかに応じて、前記帯域計算部によって前記重複時間について計算された通信帯域と前記帯域計算部によって前記他時間について計算された通信帯域とを切り替えて、前記各組で使用される通信経路に対して通信帯域を設定する帯域設定部と
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示では、重複して通信を行う重複時間が特定され、重複時間と他時間とのそれぞれについて通信帯域が計算される。これにより、複数の装置の通信タイミングが重複する場合にも、通信帯域では足りない状況の発生を抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る通信システム100の構成図。
【
図2】実施の形態1に係る通信帯域設定装置10の構成図。
【
図3】実施の形態1に係る通信帯域設定装置10の処理の流れを示すフローチャート。
【
図4】実施の形態1に係る工場装置情報132の説明図。
【
図5】実施の形態1に係る通信経路情報133の説明図。
【
図6】実施の形態1に係る接続構成情報134の説明図。
【
図8】実施の形態1に係る通信帯域情報135の説明図。
【
図9】実施の形態1に係る優先度情報131の説明図。
【
図10】実施の形態1で設定される通信帯域の説明図。
【
図11】変形例1に係る通信帯域設定装置10の構成図。
【
図12】実施の形態2に係る通信帯域設定装置10の構成図。
【
図13】実施の形態2に係る通信帯域設定装置10の処理の流れを示すフローチャート。
【
図14】実施の形態2に係る工場装置情報132の説明図。
【
図15】実施の形態2に係る接続構成情報134の説明図。
【
図16】実施の形態2に係る表示情報136の説明図。
【
図17】実施の形態2に係る表示部115によって表示される画像データの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る通信システム100の構成を説明する。
通信システム100は、通信帯域設定装置10と、工場装置20と、外部装置30と、基地局40と、端末50と、端末側工場装置60とを備える。
図1では、端末50として、端末50aと、端末50bとの2台が設けられている。また、端末側工場装置60として、端末側工場装置60aから端末側工場装置60eの5台が設けられている。
【0011】
通信帯域設定装置10は、工場装置20及び外部装置30とEthernet(登録商標)等で有線接続される。工場装置20は、基地局40を介して端末50と無線接続される。なお、無線接続は、具体例としては、Wifi及び5Gといった規定の技術を用いて実現される。Wifiは、Wireless Fidel
ityの略である。5Gは、5th Generationの略である。端末50は、端末側工場装置60とEthernet(登録商標)等で有線接続される。
図1では、有線接続が実線で表されている。また、無線接続が破線で表されている。
【0012】
通信帯域設定装置10は、割り当てる通信帯域を設定するコンピュータである。ここでは、通信帯域設定装置10は、基地局40と端末50との間の通信帯域を設定する。工場装置20は、工場の生産ラインに設置され、生産ラインの制御を行う装置である。工場装置20は、例えば、PLC等である。PLCは、Programmable logic controllerの略である。外部装置30は、通信システム100の通信に関する情報を保持するコンピュータである。外部装置30は、通信帯域設定装置10によって設定された通信帯域により基地局40を制御し、通信システム100全体の通信を制御する。
基地局40は、無線通信における基地局である。端末50は、端末側工場装置60を管理するコンピュータである。端末側工場装置60は、工場装置20と各種情報を送受信する。端末側工場装置60は、例えば、生産ラインで稼働するロボットアームと、生産状況を監視するカメラと、生産状況を表示するディスプレイといった装置である。
【0013】
図1に示す通信システム100の構成は一例である。例えば、1つの端末50に対して接続される端末側工場装置60の数は任意であり、1つであっても、
図1に示された数より多くてもよい。1つの基地局40に対して接続される端末50の数は任意であり、1つであっても、
図1に示された数より多くてもよい。
【0014】
実施の形態1では、工場装置20と端末側工場装置60とは、周期的に通信してデータをやり取りするものとする。
なお、実施の形態1では、基地局40及び端末50を利用した無線接続での構成を想定して説明を行う。しかし、通信システム100は、工場装置20と端末側工場装置60とが有線にて接続されるようなシステムでもよい。
【0015】
図2を参照して、実施の形態1に係る通信帯域設定装置10の構成を説明する。
通信帯域設定装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0016】
プロセッサ11は、プロセッシングを行うICである。プロセッサ11は、具体例としては、CPU、DSP、GPUである。CPUは、Central Processing Unitの略である。DSPは、Digital Signal Processorの略である。GPUは、Graphics Processing Unitの略である。
【0017】
メモリ12は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ12は、具体例としては、SRAM、DRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略である。
【0018】
ストレージ13は、データを保管する記憶装置である。ストレージ13は、具体例としては、HDDである。HDDは、Hard Disk Driveの略である。また、ストレージ13は、SD(登録商標)メモリカード、CompactFlash(登録商標)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク、DVDといった可搬記録媒体であってもよい。SDは、Secure Digitalの略である。DVDは、Digital Versatile Diskの略である。
【0019】
通信インタフェース14は、外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース14は、具体例としては、Ethernet(登録商標)のポートである。
【0020】
通信帯域設定装置10は、機能構成要素として、接続構成構築部111と、重複特定部112と、帯域計算部113と、帯域設定部114とを備える。通信帯域設定装置10の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、通信帯域設定装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、通信帯域設定装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
【0021】
ストレージ13には、優先度情報131が記憶される。優先度情報131は、端末側工場装置60毎に送信データの優先度を示す。
【0022】
図1では、プロセッサ11は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ11は、複数であってもよく、複数のプロセッサ11が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0023】
***動作の説明***
図3から
図9を参照して、実施の形態1に係る通信帯域設定装置10の動作を説明する。
実施の形態1に係る通信帯域設定装置10の動作手順は、実施の形態1に係る通信帯域設定方法に相当する。また、実施の形態1に係る通信帯域設定装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る通信帯域設定プログラムに相当する。
【0024】
図3を参照して、実施の形態1に係る通信帯域設定装置10の処理の流れを説明する。
(ステップS11:情報受信処理)
接続構成構築部111は、通信帯域設定装置10が起動すると、通信インタフェース14を介して、工場装置20及び外部装置30から通信システム100に関する情報を受信する。
具体的には、接続構成構築部111は、通信帯域設定装置10が起動すると、工場装置20及び外部装置30に情報の送信を要求する。そして、接続構成構築部111は、工場装置20から工場装置情報132を受信する。また、接続構成構築部111は、外部装置30から通信経路情報133を受信する。
【0025】
図4を参照して、実施の形態1に係る工場装置情報132を説明する。
工場装置情報132は、種別と、IPアドレスと、通信速度[Mbps]と、初回通信開始時間[ms]と、通信周期[ms]と、通信データサイズ[byte]とを含む。IPは、Internet Protocolの略である。Mbpsは、Megabits per secondの略である。msは、millisecondの略である。
種別は、工場装置20であるか又は端末側工場装置60であるかを示す。IPアドレスは、工場装置20又は端末側工場装置60のIPアドレスである。種別が工場装置20の場合には、IPアドレスだけが含まれる。通信速度は、端末側工場装置60が工場装置20にデータを送信するのに必要な通信の速度である。初回通信開始時間は、端末側工場装置60が工場装置20と通信処理を開始するまでの時間である。通信周期は、端末側工場装置60が通信を行う周期である。通信データサイズは、端末側工場装置60が工場装置20に1周期で送信するデータのサイズである。
【0026】
図5を参照して、実施の形態1に係る通信経路情報133を説明する。
通信経路情報133は、工場装置20と端末側工場装置60との通信経路をIPアドレスで示す。通信経路情報133は、工場装置20側から端末側工場装置60側に通信データが通る装置のIPアドレスが順に並べられる。実施の形態1では、通信経路1には工場装置20のIPアドレスが設定される。通信経路2には基地局400のIPアドレスが設定される。通信経路3には端末50のIPアドレスが設定される。通信経路4には端末側工場装置60のIPアドレスが設定される。
【0027】
(ステップS12:接続構成構築処理)
接続構成構築部111は、ステップS11で受信された情報に基づき、接続構成情報134を生成する。接続構成情報134は、通信を行う装置の各組の通信経路と通信タイミングと等を示す。
具体的には、接続構成構築部111は、工場装置情報132と通信経路情報133とを組み合わせることにより、接続構成情報134を生成する。
【0028】
図6を参照して、実施の形態1に係る接続構成情報134を説明する。
接続構成情報134は、通信経路と、通信経路で送受信するデータについての、通信速度[Mbps]と、初回通信開始時間[ms]と、通信周期[ms]と、通信データサイズ[byte]とを含む。接続構成構築部111は、通信経路情報133の通信経路におけるIPアドレスと工場装置情報132におけるIPアドレスとを紐づけることにより、
図6に示す接続構成情報134を構築する。
【0029】
(ステップS13:重複特定処理)
重複特定部112は、通信を行う装置の各組の通信タイミングに基づき、複数の組で重複して通信を行う重複時間dtを特定する。
具体的には、重複特定部112は、接続構成情報134における初回通信開始時間と通信速度と通信データサイズとからデータ伝送時間が重複する重複時間dtを特定する。また、重複特定部112は、接続構成情報134における通信周期から、重複時間dtが発生する重複周期ctを特定する。
【0030】
図7を参照して、実施の形態1に係る重複特定処理を説明する。
図7は、
図1に示す通信システム100における端末側工場装置60での通信周期と伝送時間との一例を示す。端末側工場装置60aから端末側工場装置60eは、
図1における端末50a又は端末50bに接続される。「c1」から「c5」は、通信周期(ms)である。「st1」から「st5」は、初回通信開始時間(ms)である。「tt1」から「tt5」は、データ伝送時間(ms)である。「dt」は、重複時間dtである。「ct」は、重複周期ctである。
重複特定部112は、データ伝送時間を計算する。具体的には、重複特定部112は、データ伝送時間を、「データ伝送時間=通信データサイズ÷通信速度×伝送効率×1000」により計算する。例えば、伝送効率を定数Eとした場合、接続構成情報134より、データ伝送時間は「tt1=s1÷sp1×E×1000」になる。伝送効率は、実際の通信における伝送効率が計測され、設定される。伝送効率は、他の方法により設定されてもよい。
重複特定部112は、データ伝送時間に基づき重複時間dtを特定する。具体的には、重複特定部112は、重複時間dtを、「dt=最小値((st1+tt1),(st2+tt2),・・・,(st5+tt5))-最大値(st1,st2,・・・,st5)」により特定する。なお、重複時間dtが負の値となる場合には、データ伝送時間が重複する時間はないものとする。
図7では、重複時間dtは、端末側工場装置60aの(st1+tt1)-端末側工場装置60cのst3である。
重複特定部112は、重複周期ctを特定する。端末側工場装置60aから端末側工場装置60eは周期的に通信を行う。そこで、重複特定部112は、重複周期ctを、「ct=最大値(st1,st2,・・・,st5)となる端末側工場装置60の通信周期」により特定する。
図7では、重複周期ctは、端末側工場装置60cの通信周期c3である。
【0031】
(ステップS14:帯域計算処理)
帯域計算部113は、ステップS13特定された重複時間dtと、重複時間dtではない他時間otとのそれぞれについて、各組で使用される通信経路に割り当てる通信帯域を計算する。ここでは、帯域計算部113は、重複時間dtと他時間otとについて、基地局40と端末50aとの間の通信帯域と、基地局40と端末50bとの間の通信帯域とを計算する。帯域計算部113は、計算された通信帯域を通信帯域情報135として記憶する。
【0032】
図8を参照して、実施の形態1に係る通信帯域情報135を説明する。
通信帯域情報135は、通信帯域を設定する伝送路と、重複時間dt及び他時間otについての通信帯域とを含む。
通信帯域を設定する伝送路は、複数の組で共通して使用される通信経路部分である。実施の形態1では、基地局40と端末50aとの間と、基地局40と端末50bとの間とである。通信帯域情報135では、基地局40と端末50aと端末50bとがそれぞれIPアドレスで示されている。通信帯域を設定する通信経路は、接続構成情報134における通信経路2と通信経路3との組合せを探索することにより特定される。通信帯域を設定する通信経路の特定方法は、通信システム100の構成に応じて決められる。
重複時間dt及び他時間otについての通信帯域は、接続構成情報134における通信速度と通信周期と通信データサイズとに基づき計算される。重複時間dtにおける通信帯域については、ストレージ13に記憶された優先度情報131を参照して計算される。
【0033】
図9を参照して、実施の形態1に係る優先度情報131を説明する。
優先度情報131は、工場装置20と端末側工場装置60とで通信するデータに応じて優先度がn段階で定義される。実施の形態1では、優先度は3段階「A>B>C」(Aが高優先度を示す)として定義される。
優先度情報131は、通信されるデータの必要性の高さ等に応じて事前に設定される。例えば、工場装置20と端末側工場装置60とで通信するデータが、工場の生産ラインの稼働に必要となるデータであれば高優先度とする。具体例としては、センサーデータ及びカメラ映像データにより装置を制御する場合、センサーデータ及びカメラ映像データは高優先度として優先度情報131が設定される。
【0034】
通信帯域の計算方法を説明する。
他時間otの通信帯域の計算方法を説明する。帯域計算部113は、他時間otについては、通信経路毎にその通信経路を使用する組の通信速度の総和以上の通信帯域がその通信経路に割り当てられるように、各組で使用される通信経路に割り当てる通信帯域を計算する。実施の形態1では、帯域計算部113は、通信経路を使用する組の通信速度の総和を、その通信経路の通信帯域として計算するものとする。
基地局40「ip400」と端末50a「ip501」との通信経路の場合を説明する。この通信経路は、端末側工場装置60aから端末側工場装置60cが使用する。そのため、この通信経路の通信帯域bw11は、端末側工場装置60aの通信速度と端末側工場装置60bの通信速度と端末側工場装置60cの通信速度との総和になる。つまり、bw11=sp1+sp2+sp3である。sp1=sp2=sp3=100の場合、bw11=300(Mbps)である。
基地局40「ip400」と端末50b「ip502」との通信経路の場合を説明する。この通信経路は、端末側工場装置60dと端末側工場装置60eとが使用する。そのため、この通信経路の通信帯域bw12は、端末側工場装置60dの通信速度と端末側工場装置60eの通信速度との総和になる。つまり、bw12=sp4+sp5である。sp4=sp5=100の場合、bw12=200(Mbps)である。
【0035】
重複時間dtの通信帯域の計算方法を説明する。帯域計算部113は、重複時間dtについては、優先度情報131を参照して、送信データの優先度が高い装置を含む組が使用する通信経路である高優先経路に対して、他の通信経路よりも優先的に通信帯域が割り当てられるように、通信帯域を計算する。つまり、帯域計算部113は、優先度が高いデータをやり取りする高優先経路に対して、優先的に通信帯域を割り当てる。
ここでは、帯域計算部113は、高優先経路の通信帯域を他時間otの通信帯域よりも増加させる。一方、帯域計算部113は、高優先経路以外の通信経路の通信帯域を他時間otの通信帯域よりも減少させる。例えば、
図9では、優先度「A」となる端末側工場装置60が基地局40「ip400」と端末50a「ip501」との通信経路は2台である。基地局40「ip400」と端末50b「ip502」との通信経路は1台である。この場合には、帯域計算部113は、前者の通信帯域を増加させ、後者の通信帯域を減少させる。
【0036】
高優先経路の通信帯域を増加させる増加量の決定方法としては、次の3つの方法がある。(1)固定された増加量を用いる方法。(2)高い優先度の通信の比率により決定する方法。(3)優先度の段階毎に設定された、通信帯域の増加量を示す重みを用いて決定する方法。
【0037】
(1)固定された増加量も用いる方法を説明する。
帯域計算部113は、事前に増加量を定数「200(Mbps)」等と定めておく。帯域計算部113は、高優先経路の通信帯域を、他時間otの通信帯域+定数「200(Mbps)」として計算する。また、帯域計算部113は、高優先経路以外の通信経路の通信帯域を、他時間otの通信帯域-定数「200(Mbps)」として計算する。
例えば、他時間otで通信帯域がbw11=300(Mbps)、bw12=300(Mbps)であったとする。すると、重複時間dtの通信帯域は、bw21=300+200=500(Mbps)、bw22=300-200=100(Mbps)となる。
【0038】
(2)高い優先度の通信の比率により決定する方法を説明する。
帯域計算部113は、高優先経路を使用する組のうち基準以上の段階の優先度の装置を含む組の数と、他の通信経路を使用する組のうち基準以上の段階の優先度の装置を含む組の数との比率に応じて増加量を決定する。そして、帯域計算部113は、高優先経路の通信帯域を、他時間otの通信帯域+増加量として計算する。また、帯域計算部113は、高優先経路以外の通信経路の通信帯域を、他時間otの通信帯域-増加量として計算する。
例えば、優先度が「A」の比率を用いるとする。
図9では、優先度「A」となる端末側工場装置60は、基地局40「ip400」と端末50a「ip501」との通信経路は2台である。優先度「A」となる端末側工場装置60は、基地局40「ip400」と端末50b「ip502」との通信経路は1台である。比率は、「2:1」となる。
例えば、他時間otで通信帯域がbw11=300(Mbps)、bw12=300(Mbps)であったとする。この場合には、例えば、bw11とbw12との合計の通信帯域が比率に応じて分配されるように増加量が計算される。つまり、bw21には、(300+300)×2/3=400が分配されるように、400-300=100が増加量として計算される。そして、そこで、重複時間dtの通信帯域はbw21=(300+100)=400(Mbps)、bw22=(300-100)=200(Mbps)となる。
【0039】
なお、優先度が「A」の端末側工場装置60の比率が同等(例えば、「1:1」)となる場合もある。この場合には、帯域計算部113は、優先度が「B」の端末側工場装置60の比率も踏まえて通信帯域の値を計算してもよい。
例えば、
図9に示す優先度情報131でIPアドレス「ip2」の優先度が「C」であるとする。すると、優先度「A」となる端末側工場装置60は、基地局40「ip400」と端末50a「ip501」との通信経路は1台である。優先度「A」となる端末側工場装置60は、基地局40「ip400」と端末50b「ip502」との通信経路は1台である。つまり、優先度が「A」の端末側工場装置60の比率が同等である。この場合には、優先度が「B」の端末側工場装置60が考慮される。そして、優先度が「A」又は「B」となる端末側工場装置60の比率が特定される。すると、比率は、「2:1」となる。
【0040】
(3)優先度の段階毎に設定された、通信帯域の増加量を示す重みを用いて決定する方法を説明する。
事前に、優先度の段階毎に、通信帯域の増加量を示す重みを設定しておく。帯域計算部113は、高優先経路に対して、高優先経路を使用する組に含まれる装置についての優先度の段階に設定された重みの和を計算する。帯域計算部113は、重みの和に対応する増加量を計算する。そして、帯域計算部113は、高優先経路の通信帯域を、他時間otの通信帯域+増加量として計算する。
例えば、優先度「A」には「+50(Mbps)」、優先度「B」には「0(Mbps)」、優先度「C」には「―50(Mbps)」との重みが設定されているとする。他時間otで通信帯域がbw11=300(Mbps)、bw12=300(Mbps)であったとする。
図9に示す優先度情報131では、基地局40「ip400」と端末50a「ip501」との通信経路は、優先度「A」が2台、優先度「B」が1台、優先度「C」が0台である。また、基地局40「ip400」と端末50b「ip502」との通信経路は、優先度「A」が1台、優先度「B」が0台、優先度「C」が1台である。そのため、重複時間dtの通信帯域は、bw21=300+100=400(Mbps)、bw22=300-0=300(Mbps)となる。
【0041】
なお、帯域計算部113は、高優先経路以外の通信経路の通信帯域を、他時間otの通信帯域-増加量として計算してもよい。この場合には、bw22=300-100=200(Mbps)となる。
【0042】
(ステップS15:時刻判定処理)
帯域設定部114は、工場装置20から工場装置20が保持する時刻データ「YYYY/MM/DD hh:mm:ss.SSS」を受信したか否かを判定する。時刻データは、工場装置20から制御処理を開始するタイミングで送信される。制御処理を開始するタイミングは、端末側工場装置60と通信し、生産ラインの処理を開始するタイミングである。
帯域設定部114は、時刻データを受信した場合には、処理をステップS16に進める。一方、帯域設定部114は、時刻データを受信していない場合には、時刻データを受信するまで待機することとし、処理をステップS15に戻す。
【0043】
(ステップS16:時刻同期処理)
帯域設定部114は、ステップS15で受信した時刻データが示す時刻に通信帯域設定装置10の時刻を同期させる。
【0044】
(ステップS17:時間帯判定処理)
帯域設定部114は、通信帯域設定装置10の現在時刻が、他時間otであるか、重複時間dtであるかを判定する。
帯域設定部114は、現在時刻が他時間otである場合には、処理をステップS18に進める。一方、帯域設定部114は、現在時刻が重複時間dtである場合には、処理をステップS19に進める。
【0045】
(ステップS18:他時間制御処理)
帯域設定部114は、通信帯域情報135から他時間otについて各通信経路に設定された通信帯域を読み出す。そして、帯域設定部114は、各通信経路に読み出された通信帯域を設定するように外部装置30に指示する。
【0046】
(ステップS19:重複時間制御処理)
帯域設定部114は、通信帯域情報135から重複時間dtについて各通信経路に設定された通信帯域を読み出す。そして、帯域設定部114は、各通信経路に読み出された通信帯域を設定するように外部装置30に指示する。
【0047】
図10を参照して、実施の形態1で設定される通信帯域を説明する。
工場装置20の時刻データに基づき通信システム100の時刻が「t1」に同期される。重複時間dtと重複周期ctとに基づき、時刻「t1」については他時間otにおける通信帯域「bw11」、「bw12」が設定される。その後、時刻「t1+ct-dt」になると、重複時間dtにおける通信帯域「bw21」、「bw22」が設定される。そして、時刻「t1+ct」になると、他時間otにおける通信帯域「bw11」、「bw12」が設定される。この後も周期的に通信帯域の設定が切り替えられる。
【0048】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る通信帯域設定装置10は、重複して通信を行う重複時間dtが特定され、重複時間dtと他時間おtとのそれぞれについて通信帯域が計算される。これにより、複数の装置の通信タイミングが重複する場合にも、通信帯域では足りない状況の発生を抑制可能である。
【0049】
また、実施の形態1に係る通信帯域設定装置10は、重複時間dtについて、優先度に応じて通信帯域の割り当てを変更する。これにより、優先度の高い工場の生産ラインの稼働に必要なデータを許容遅延時間内に送信するといったことが可能になる。
【0050】
また、実施の形態1に係る通信帯域設定装置10は、工場装置20及び外部装置30で予め保持している情報を利用して通信帯域の設定を行う。これにより、通信帯域の設定に必要な情報を通信帯域設定装置10側で入力するようなユーザ操作を省略することができる。
【0051】
***他の構成***
<変形例1>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例1として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例1について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0052】
図11を参照して、変形例1に係る通信帯域設定装置10の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、通信帯域設定装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、電子回路15を備える。電子回路15は、各機能構成要素と、メモリ12と、ストレージ13との機能とを実現する専用の回路である。
【0053】
電子回路15としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、FPGAが想定される。GAは、Gate Arrayの略である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略である。
各機能構成要素を1つの電子回路15で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路15に分散させて実現してもよい。
【0054】
<変形例2>
変形例2として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0055】
プロセッサ11とメモリ12とストレージ13と電子回路15とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
【0056】
実施の形態2.
実施の形態2は、接続構成と通信経路に割り当てられた通信帯域とを表示する点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
【0057】
***構成の説明***
図12を参照して、実施の形態2に係る通信帯域設定装置10の構成を説明する。
通信帯域設定装置10は、通信インタフェース14を介して表示装置141と接続されている点が
図2に示す通信帯域設定装置10と異なる。表示装置141は、LCD等である。LCDは、Liquid Crystal Displayの略である。
通信帯域設定装置10は、機能構成要素として、表示部115を備える点が
図2に示す通信帯域設定装置10と異なる。表示部115の機能は、他の機能構成要素と同様に、ソフトウェア又はハードウェアによって実現される。
また、通信帯域設定装置10は、ストレージ13に、表示情報136が記憶される点が
図2に示す通信帯域設定装置10と異なる。表示情報136は、接続構成を表すためのコンテンツである。
【0058】
***動作の説明***
図13から
図17を参照して、実施の形態2に係る通信帯域設定装置10の動作を説明する。
実施の形態2に係る通信帯域設定装置10の動作手順は、実施の形態2に係る通信帯域設定方法に相当する。また、実施の形態2に係る通信帯域設定装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態2に係る通信帯域設定プログラムに相当する。
【0059】
図13を参照して、実施の形態2に係る通信帯域設定装置10の処理の流れを説明する。
ステップS21からステップS29の処理は、
図3のステップS11からステップS19の処理と同じである。
【0060】
(ステップS30:表示処理)
表示部115は、通信経路の接続構成と、通信経路に設定された通信帯域とを表示装置141に表示する。
具体的には、表示部115は、接続構成情報134を参照して、通信経路の接続構成を特定する。表示部115は、表示情報136を参照して、接続構成を表す画像データを生成する。表示部115は、ステップS28又はステップS29で読み出された通信帯域を、画像データにおける対応する伝送路付近に示して表示する。
【0061】
図14を参照して、実施の形態2に係る工場装置情報132を説明する。
工場装置情報132は、
図4に示す情報に加えて、名称を含む。名称は、工場装置20及び端末側工場装置60を識別するための情報である。
【0062】
図15を参照して、実施の形態2に係る接続構成情報134を説明する。
接続構成情報134は、
図6に示す情報に加えて、通信経路上の装置毎に名称を含む。工場装置20及び端末側工場装置60については、工場装置情報132に含まれる名称が設定される。基地局40及び端末50については、接続構成構築部111によって接続構成情報134における位置に応じて名称が設定される。具体的には、通信経路2には名称として基地局が設定され、通信経路3には名称として端末が設定される。なお、基地局40及び端末50については、IPアドレスに基づき名称が設定されてもよい。
【0063】
図16を参照して、実施の形態2に係る表示情報136を説明する。
表示情報136は、工場装置20と、基地局40と、端末50と、端末側工場装置60とについて、名称と表示用のコンテンツとを含む。コンテンツは、例えば、アイコン画像等といった各装置を識別可能な画像である。
【0064】
図17を参照して、実施の形態2に係る表示部115によって表示される画像データを説明する。
表示部115は、接続構成情報134が示す接続構成上の各装置に対応するコンテンツを表示情報136から取得する。表示部115は、接続構成の各装置をコンテンツで表し、接続構成が表す接続関係を線で表して、接続構成を表す画像データを生成する。
図17では、表示部115は、有線で接続される装置同士は実線で接続し、無線で接続される装置同士は破線で接続している。表示部115は、ステップS28又はステップS29で読み出された通信帯域を、画像データにおける対応する伝送路付近に示す。
図17では、表示部115は、通信帯域の値が大きい伝送路の線を太く、通信帯域の値が小さい伝送路の線を細くしている。これにより、視覚的に通信帯域の大きさが認識し易くされている。
【0065】
***実施の形態2の効果***
以上のように、実施の形態2に係る通信帯域設定装置10は、接続構成と通信経路に割り当てられた通信帯域とを視覚的に表示する。これにより、通信帯域設定装置10のユーザが設定状況を容易に認識可能になる。
【0066】
なお、以上の説明における「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「処理回路」に読み替えてもよい。
【0067】
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、本開示は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
100 通信システム、10 通信帯域設定装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信インタフェース、15 電子回路、111 接続構成構築部、112 重複特定部、113 帯域計算部、114 帯域設定部、115 表示部、131 優先度情報、132 工場装置情報、133 通信経路情報、134 接続構成情報、135 通信帯域情報、136 表示情報、20 工場装置、30 外部装置、40 基地局、50 端末、60 端末側工場装置。