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特許7566227携帯端末、プログラム及びコンテンツ表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】携帯端末、プログラム及びコンテンツ表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/14 20060101AFI20241004BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241004BHJP
【FI】
G06F3/14 310B
G06F3/0481
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024545956
(86)(22)【出願日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 JP2024009597
【審査請求日】2024-08-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100203677
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 力
(72)【発明者】
【氏名】氏家 純也
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-148854(JP,A)
【文献】特開2020-087272(JP,A)
【文献】国際公開第2018/142680(WO,A1)
【文献】特開2021-190843(JP,A)
【文献】特開2006-015623(JP,A)
【文献】特開2004-097283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/14 - 3/153
G06F 3/048 - 3/04895
B61D 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するために、前記複数の言語のそれぞれを用いて表示される複数の画像を一つずつ切り替えて表示する対象コンテンツデータを、前記複数の画像を表示するための全ての期間で、前記複数の画像から選択された一つ画像を表示するように編集することで、表示コンテンツデータを生成する表示内容編集部と、
前記表示コンテンツデータに従って、前記一つの画像を少なくとも含むコンテンツを前記全ての期間の長さを変えずに表示する表示部と、を備えること
を特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記表示内容編集部は、前記携帯端末のユーザが容易に理解できる言語が使用されている画像を、前記一つの画像として選択すること
を特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記表示内容編集部は、前記ユーザが使用する言語として予め設定されている使用言語が、前記複数の言語に含まれている場合には、前記複数の画像の内、前記使用言語で表示する画像を前記一つの画像として選択すること
を特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記表示内容編集部は、前記使用言語が前記複数の言語に含まれていない場合には、前記複数の言語の内、前記携帯端末に予め代替言語として設定されている言語で表示する画像を前記一つの画像として選択すること
を特徴とする請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
複数のコンテンツデータから、前記ユーザが乗っている列車の号車及び前記列車の状態の少なくとも何れか一方に従って、前記対象コンテンツデータを選択する表示内容選択部をさらに備えること
を特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するために、前記複数の言語のそれぞれを用いて表示される複数の画像を一つずつ切り替えて表示する対象コンテンツデータを、前記複数の画像を表示するための全ての期間で、前記複数の画像から選択された一つ画像を表示するように編集することで、表示コンテンツデータを生成する表示内容編集部、及び、
前記表示コンテンツデータに従って、前記一つの画像を少なくとも含むコンテンツを前記全ての期間の長さを変えずに表示する表示部、として機能させること
を特徴とするプログラム。
【請求項7】
複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するために、前記複数の言語のそれぞれを用いて表示される複数の画像を一つずつ切り替えて表示する対象コンテンツデータを、前記複数の画像を表示するための全ての期間で、前記複数の画像から選択された一つ画像を表示するように編集することで、表示コンテンツデータを生成し、
前記表示コンテンツデータに従って、前記一つの画像を少なくとも含むコンテンツを前記全ての期間の長さを変えずに表示すること
を特徴とするコンテンツ表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、携帯端末、プログラム及びコンテンツ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両等では、乗客が理解できる言語で情報を提供することが、乗客の利便性を高めることになる。例えば、特許文献1には、鉄道車両内において、鉄道車両の放送内容を示す複数の言語のテキストデータを生成する装置と、鉄道車両内に設置され、複数の言語のテキストデータの無線送信を行う車内サーバと、車内サーバから複数の言語のテキストデータを受信し、複数の言語の中から選択された言語のテキストデータを用いて、放送内容の音声出力及び文字表示の少なくとも一方を行う無線端末とを含む放送システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-190843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、テキストデータであることが前提となっており、乗客に提供する情報が画像である場合には、従来の技術を適用することができない。
このため、乗客に提供する情報が画像である場合には、複数の言語による画像を時間に応じて切り替えて表示する必要ある。このような場合には、乗客は、自己が理解のできない言語による画像も見なければならず、煩わしさを感じることがある。
【0005】
そこで、本開示の一又は複数の態様は、表示言語の切り替えに煩わされることなく、コンテンツを参照できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る携帯端末は、複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するために、前記複数の言語のそれぞれを用いて表示される複数の画像を一つずつ切り替えて表示する対象コンテンツデータを、前記複数の画像を表示するための全ての期間で、前記複数の画像から選択された一つ画像を表示するように編集することで、表示コンテンツデータを生成する表示内容編集部と、前記表示コンテンツデータに従って、前記一つの画像を少なくとも含むコンテンツを前記全ての期間の長さを変えずに表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するために、前記複数の言語のそれぞれを用いて表示される複数の画像を一つずつ切り替えて表示する対象コンテンツデータを、前記複数の画像を表示するための全ての期間で、前記複数の画像から選択された一つ画像を表示するように編集することで、表示コンテンツデータを生成する表示内容編集部、及び、前記表示コンテンツデータに従って、前記一つの画像を少なくとも含むコンテンツを前記全ての期間の長さを変えずに表示する表示部、として機能させることを特徴とする。
【0008】
本開示の一態様に係るコンテンツ表示方法は、複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するために、前記複数の言語のそれぞれを用いて表示される複数の画像を一つずつ切り替えて表示する対象コンテンツデータを、前記複数の画像を表示するための全ての期間で、前記複数の画像から選択された一つ画像を表示するように編集することで、表示コンテンツデータを生成し、前記表示コンテンツデータに従って、前記一つの画像を少なくとも含むコンテンツを前記全ての期間の長さを変えずに表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一又は複数の態様によれば、表示言語の切り替えに煩わされることなく、コンテンツを参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る列車通信システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図2】列車通信装置のハードウェア構成例を概略的に示すブロック図である。
図3】(A)及び(B)は、表示内容編集部が行う編集処理の第1の例を説明するための概略図である。
図4】(A)及び(B)は、表示内容編集部が行う編集処理の第2の例を説明するための概略図である。
図5】携帯端末のハードウェア構成例を概略的に示すブロック図である。
図6】携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る列車通信システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
列車通信システム100は、列車通信装置110と、携帯端末130とを備える。
列車通信装置110は、列車に搭載される通信装置である。例えば、列車通信装置110は、各車両内に搭載される。
【0012】
列車通信装置110は、第1通信部111と、第2通信部112と、記憶部113と、制御部114とを備える。
【0013】
第1通信部111は、無線を用いて、データを送受信する装置側無線通信部である。
例えば、第1通信部111は、携帯端末130に配信データを送信する。具体的には、第1通信部111は、BLE(Bluetooth Low Energy)のアドバタイズを用いて、ブロードキャストを行い、接続してきた携帯端末130に対して配信データを送信する。
【0014】
第2通信部112は、図示しない列車内ネットワークに接続して、列車内ネットワークの他の装置(図示せず)と通信を行う列車内通信部である。
例えば、第2通信部112は、列車内ネットワークの他の装置から、列車の編成番号及び号車番号等の列車固有の情報と、列車の走行位置、列車の走行又は停止状態、及び、列車のドアの開閉といった列車の状態に関する情報とを、号車毎に含む配信元データを受信する。
【0015】
記憶部113は、列車通信装置110での処理必要なデータ及びプログラムを記憶する。
例えば、記憶部113は、列車通信装置110が設置されている列車の編成番号及び列車通信装置110が設置されている号車の号車番号等の列車固有の情報を記憶しているものとする。
【0016】
制御部114は、列車通信装置110での処理を制御する。
例えば、制御部114は、第2通信部112が受信した配信元データから、列車通信装置110が設置されている号車に関連する情報のみを抽出して、抽出された情報を記憶部113に記憶させる。
そして、制御部114は、記憶部113に記憶されている情報を参照して、配信データを生成する。
【0017】
例えば、配信データは、列車通信装置110が設置されている列車の編成番号、及び、列車通信装置110が設置されている号車の号車番号等の列車固有の情報と、列車の走行位置、列車の走行又は停止状態、及び、列車のドアの開閉といった列車の状態に関する情報とを含むデータである。
【0018】
そして、制御部114は、生成された配信データを、第1通信部111を介して、携帯端末130に送信する。
【0019】
以上に記載された列車通信装置110は、例えば、図2に示されているようなコンピュータ10により実現することができる。
コンピュータ10は、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)等のストレージ11と、メモリ12と、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ13と、無線を用いた無線通信I/F(InterFace)である第1通信I/F14と、NIC(Network Interface Card)等の通信I/Fである第2通信I/F15とを備える。
【0020】
例えば、第1通信部111は、第1通信I/F14により実現することができる。
第2通信部112は、第2通信I/F15により実現することができる。
記憶部113は、ストレージ11又はメモリ12により実現することができる。
制御部114は、プロセッサ13がストレージ11に記憶されているプログラムをメモリ12にロードして、そのプログラムを実行することで、実現することができる。
【0021】
そのプログラムは、図示しないリーダ/ライタを介して、図示しない記録媒体から、あるいは、第2通信I/F15を介してネットワークから、ストレージ11にダウンロードされ、それから、メモリ12上にロードされてプロセッサ13により実行されてもよい。また、リーダ/ライタを介して記録媒体から、あるいは、第2通信I/F15を介してネットワークから、メモリ12上に直接ロードされ、プロセッサ13により実行されてもよい。
言い換えると、プログラムは、記録媒体等のコンピュータプログラムプロダクトにより提供されてもよい。
【0022】
図1に戻り、携帯端末130は、通信部131と、表示部132と、記憶部133と、制御部136とを備える。
【0023】
通信部131は、無線を用いて、データを送受信する端末側無線通信部である。
表示部132は、コンテンツを表示する。
【0024】
記憶部133は、携帯端末130での処理に必要なデータ及びプログラムを記憶する。
記憶部133は、設定記憶部134と、表示コンテンツ記憶部135とを備える。
【0025】
設定記憶部134は、携帯端末130に設定されている内容を示す設定情報を記憶する。ここでは、設定情報は、携帯端末130のユーザが使用する言語である使用言語と、ユーザが使用する言語がコンテンツデータで使用されていない場合に代わりに使用される言語である代替言語とを少なくとも示すものとする。
【0026】
表示コンテンツ記憶部135は、携帯端末130で表示する予定の複数のコンテンツデータを記憶する。
例えば、複数のコンテンツデータから、通信部131で受信される配信データに応じて、一つのコンテンツデータが選択される。
【0027】
複数のコンテンツデータには、コンテンツとして、複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するために、一つずつ切り替えて表示する複数の画像と、その複数の画像を切り替えて表示するためのアニメーション定義とを有する少なくとも一つのコンテンツデータが含まれているものとする。なお、その複数の画像のそれぞれには、その複数の画像のそれぞれが対応する複数の表示言語のそれぞれが関連付けられているものとする。また、その複数の画像は、予め定められた位置に、予め定められたサイズで表示されるものとする。
ここで、複数の画像で同じ内容を伝達するために使用されている言語を表示言語ともいう。
【0028】
アニメーション定義は、画像の位置、大きさ、回転角、色及び不透明度等を時間の経過に沿ってどのように変更するかを記述したデータである。アニメーション定義により、例えば、複数の画像の不透明度を変えることで、複数の画像の各々の表示及び非表示を切り替えることができる。
【0029】
制御部136は、携帯端末130での処理を制御する。
制御部136は、情報抽出部137と、表示内容選択部138と、表示内容編集部139とを備える。
【0030】
情報抽出部137は、配信データから列車固有の情報と、列車の状態に関する情報とを抽出する。抽出された情報は、表示内容選択部138に与えられる。
【0031】
表示内容選択部138は、情報抽出部137から与えられた情報を参照して、表示コンテンツ記憶部135に記憶されている複数のコンテンツデータから、携帯端末130を使用しているユーザが乗っている号車及び列車の状態に応じて、一つのコンテンツデータを対象コンテンツデータとして選択する。対象コンテンツデータは、表示内容編集部139に与えられる。
【0032】
表示内容編集部139は、複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するために、その複数の言語のそれぞれを用いて表示される複数の画像を一つずつ切り替えて表示する対象コンテンツデータを、その複数の画像を表示するための全ての期間で、その複数の画像から選択された一つ画像を表示するように編集することで、表示コンテンツデータを生成する。ここで、複数の画像は、それぞれ、複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するための表示が行われているものとする。
ここでは、表示内容編集部139は、携帯端末130のユーザが容易に理解できる言語が使用されている画像を、その一つの画像として選択する。
例えば、表示内容編集部139は、携帯端末130のユーザが使用する言語として予め設定されている使用言語が、対象コンテンツデータに含まれている複数の画像に対応する複数の言語に含まれている場合には、その複数の画像の内、使用言語で表示する画像をその一つの画像として選択する。
一方、その使用言語が、その複数の言語に含まれていない場合には、表示内容編集部139は、その複数の言語の内、携帯端末130に予め代替言語として設定されている言語で表示する画像をその一つの画像として選択する。
【0033】
具体的には、表示内容編集部139は、表示内容選択部138から対象コンテンツデータを受け取り、その対象コンテンツデータに編集の必要があるか否かを判断する。
例えば、表示内容編集部139は、対象コンテンツデータに複数の表示言語のそれぞれで表示される複数の画像が含まれている場合には、その対象コンテンツデータに編集の必要があると判断する。
【0034】
対象コンテンツデータに編集の必要がある場合、表示内容編集部139は、設定記憶部134に記憶されている設定情報から使用言語及び代替言語を特定する。
次に、表示内容編集部139は、対象コンテンツデータに含まれている、複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するために、一つずつ切り替えて表示される複数の画像から、使用言語と一致する表示言語に対応する一つの画像、又は、使用言語と一致する表示言語がない場合には、代替言語と一致する表示言語に対応する一つの画像を特定する。
【0035】
そして、表示内容編集部139は、対象コンテンツデータを、複数の画像を切り替えて表示する部分を、特定された一つの画像で表示するように編集することで、表示コンテンツデータとする。ここでは、表示内容編集部139は、アニメーション定義において、複数の画像を切り替えて表示する期間において、特定された一つの画像をその期間の全てで表に書き換え、複数の画像の内、特定された一つの画像以外の画像をその期間の全てで非表示に書き換えることで、表示コンテンツデータを生成することができる。
【0036】
一方、対象コンテンツデータに編集の必要がない場合には、表示内容編集部139は、選択されたコンテングデータを表示コンテンツデータとする。
以上のような表示コンテンツデータは、表示内容選択部138に与えられる。
【0037】
図3(A)及び(B)は、表示内容編集部139が行う編集処理の第1の例を説明するための概略図である。
まず、図3(A)に示されているように、対象コンテンツデータに、日本語が表示言語となっている画像アと、英語が表示言語となっている画像イと、中国語が表示言語となっている画像ウとが含まれているものとする。
【0038】
そして、対象コンテンツデータでは、画像ア、画像イ及び画像ウが、この順番で切り替えて表示されるようになっている。なお、画像ア、画像イ及び画像ウは、それぞれ、1秒間だけ表示されるものとする。これにより、対象コンテンツデータでは、日本語を理解できるユーザ、英語を理解することのできるユーザ及び中国語を理解することのできるユーザが、それぞれ、画像ア、画像イ及び画像ウの何れか一つで、伝達すべき内容を理解することができるようにされている。
【0039】
しかしながら、日本語を理解することはできるが、英語及び中国語を理解することのできないユーザは、画像アが表示されている1秒間で、画像アから伝達すべき内容を把握することが求められ、画像イ及び画像ウが表示されている期間は無駄な時間となる。
【0040】
このような場合に、本実施の形態では、携帯端末130の使用言語として日本語が設定されていれば、図3(B)に示されているように、画像イ及び画像ウの代わりに、画像アが、画像イ及び画像ウを表示するための期間にも表示される。
このため、日本語を理解することはできるが、英語及び中国語を理解することのできないユーザであっても、画像アから伝達内容を十分に把握するだけの期間を確保することができるばかりか、例えば、そのようなユーザが、よそ見をする等により、画像アを見逃してしまう可能性も減らすことができる。
【0041】
図4(A)及び(B)は、表示内容編集部139が行う編集処理の第2の例を説明するための概略図である。
図4(A)に示されているように、対象コンテンツデータには、図3(A)と同様に、日本語が表示言語となっている画像アと、英語が表示言語となっている画像イと、中国語が表示言語となっている画像ウとが含まれているものとする。
【0042】
図3(A)及び(B)では、コンテンツデータに含まれている表示言語の何れかが、携帯端末130に使用言語として設定されていることが前提とされているが、例えば、携帯端末130の使用言語がドイツ語等のように、コンテンツデータに含まれている表示言語の何れとも一致しない場合がある。
【0043】
このような場合に、携帯端末130の代替言語として英語が設定されていれば、図4(B)に示されているように、画像ア及び画像ウの代わりに、画像イが、画像ア及び画像ウを表示するための期間にも表示される。
このため、日本語及び中国語を理解することはできないが、英語はある程度理解することのできるユーザであれば、画像イから伝達内容を十分に把握するだけの期間を確保することができる。
【0044】
図1に戻り、表示内容選択部138は、表示内容編集部139から表示コンテンツデータを受け取り、表示コンテンツデータから表示コンテンツを生成して、その表示コンテンツを表示部132に表示させる。
これにより、表示部132は、表示コンテンツデータに従って、ユーザの使用言語又は代替言語により選択された一つの画像を少なくとも含むコンテンツを表示することができる。
【0045】
以上に記載された携帯端末130は、例えば、図5に示されているようなコンピュータ20により実現することができる。
コンピュータ20は、HDD及びSSD等のストレージ21と、メモリ22と、CPU等のプロセッサ23と、通信I/F24と、入力I/F25と、ディスプレイ26とを備える。
【0046】
例えば、通信部131は、通信I/F24により実現することができる。
表示部132は、ディスプレイ26により実現することができる。
記憶部133は、ストレージ21又はメモリ22により実現することができる。
制御部136は、プロセッサ23がストレージ21に記憶されているプログラムをメモリ22にロードして、そのプログラムを実行することで、実現することができる。
【0047】
そのプログラムは、図示しないリーダ/ライタを介して、図示しない記録媒体から、あるいは、通信I/F24を介してネットワークから、ストレージ21にダウンロードされ、それから、メモリ22上にロードされてプロセッサ23により実行されてもよい。また、リーダ/ライタを介して記録媒体から、あるいは、通信I/F24を介してネットワークから、メモリ22上に直接ロードされ、プロセッサ23により実行されてもよい。
言い換えると、プログラムは、記録媒体等のコンピュータプログラムプロダクトにより提供されてもよい。
【0048】
図6は、携帯端末130の動作を示すフローチャートである。
まず、通信部131は、列車通信装置110からの配信データを受信する(S10)。受信された配信データは、情報抽出部137に与えられる。
【0049】
情報抽出部137は、通信部131から与えられた配信データを解析することで、その配信データから列車固有の情報と、列車の状態に関する情報とを抽出する(S11)。抽出された情報は、表示内容選択部138に与えられる。
【0050】
表示内容選択部138は、情報抽出部137から与えられた情報を参照して、表示コンテンツ記憶部135に記憶されている複数のコンテンツデータから、携帯端末130を使用しているユーザが乗っている号車及び列車の状態に対応する一つのコンテンツデータを、対象コンテンツデータとして選択する(S12)。対象コンテンツデータは、表示内容編集部139に与えられる。
【0051】
表示内容編集部139は、対象コンテンツデータに、複数の表示言語で同じ内容を伝達するために、切り替えて表示される複数の画像が含まれているか否かを判断する(S13)。例えば、表示内容編集部139は、対象コンテンツデータに複数の表示言語が関連付けられ、かつ、同じ範囲に表示される複数の画像が含まれている場合には、そのような複数の画像が含まれていると判断する。そのような複数の画像が含まれている場合(S13でYes)には、処理はステップS14に進み、そのような複数の画像が含まれていない場合(S13でNo)には、処理はステップS16に進む。なお、ステップS13でNoの場合には、表示内容編集部139は、対象コンテンツデータに対して編集を行わずに、対象コンテンツデータを表示コンテンツデータとして、表示内容選択部138に与える。
【0052】
ステップS14では、表示内容編集部139は、設定記憶部134に記憶されている設定情報から使用言語及び代替言語を特定する。
【0053】
次に、表示内容編集部139は、使用言語及び代表言語以外の言語で表示される画像を、使用言語又は代表言語で表示される画像で置き換えることで、対象コンテンツデータを編集し、表示コンテンツデータを生成する(S15)。表示コンテンツデータでは、使用言語及び代表言語以外の言語で表示される画像が表示される予定であった期間にも、使用言語又は代表言語で表示される画像が表示されるようになっている。生成された表示コンテンツデータは、表示内容選択部138に与えられ、処理はステップS16に進む。
【0054】
ステップS16では、表示内容選択部138は、表示内容編集部139から表示コンテンツデータを受け取り、表示コンテンツデータから表示コンテンツを生成して、その表示コンテンツを表示部132に表示させる。
【0055】
以上のように、本実施の形態によれば、携帯端末130のユーザは、複数の表示言語に対応する複数の画像の切り替えに煩わされることなく、自身が理解しやすい一つの表示言語による画像を十分な期間見ることができるようになる。
【0056】
ここでは、説明を簡単にするため、複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するために、一つずつ切り替えて表示される複数の画像を一グループとする。
以上に記載された実施の形態では、コンテンツデータに一グループが含まれている場合を例に説明したが、コンテンツデータに複数グループが含まれていてもよい。このような場合、表示内容編集部139は、表示される位置及びサイズが同じ複数の画像を一つのグループとして認識してもよく、グループを識別するための識別情報がコンテンツデータに含まれている場合には、その識別情報を用いて複数の画像を一つのグループとして認識してもよい。
【0057】
また、表示内容編集部139は、対象コンテンツデータに、複数の表示言語に対応して一つずつ切り替えて表示する複数の画像と、一つの表示言語(以下、固定表示言語ともいう)に対応して切り替えずに表示する一つの画像とが同じフレームで表示されるようになっている場合には、以下のように動作すればよい。なお、ここでは、その複数の画像と、その一つ画像とが同じ内容を伝達するものとする。
固定表示言語が、使用言語である場合には、表示内容編集部139は、その一つの画像のみが表示されるように対象コンテンツデータを編集してもよく、対象コンテンツデータを編集せずにそのまま表示コンテンツデータとしてもよい。
一方、固定表示言語が、使用言語ではない場合には、その一つの画像が表示されないようにするとともに、対象コンテンツデータを上記のように編集すればよい。
【符号の説明】
【0058】
100 列車通信システム、 110 列車通信装置、 111 第1通信部、 112 第2通信部、 113 記憶部、 114 制御部、 130 携帯端末、 131 通信部、 132 表示部、 133 記憶部、 134 設定記憶部、 135 表示コンテンツ記憶部、 136 制御部、 137 情報抽出部、 138 表示内容選択部、 139 表示内容編集部。
【要約】
複数の言語のそれぞれで同じ内容を伝達するために、その複数の言語のそれぞれを用いて表示される複数の画像を一つずつ切り替えて表示する対象コンテンツデータを、その複数の画像を表示するための全ての期間で、その複数の画像から選択された一つ画像を表示するように編集することで、表示コンテンツデータを生成する表示内容編集部(139)と、その表示コンテンツデータに従って、その一つの画像を少なくとも含むコンテンツを表示する表示部(132)とを備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6