(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】医療商品についての営業活動支援装置、営業活動支援システム、営業活動支援装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/906 20190101AFI20241007BHJP
G06F 16/9035 20190101ALI20241007BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20241007BHJP
【FI】
G06F16/906
G06F16/9035
G06Q10/00
(21)【出願番号】P 2024011240
(22)【出願日】2024-01-29
【審査請求日】2024-01-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522046793
【氏名又は名称】株式会社HOKUTO
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 颯太
(72)【発明者】
【氏名】山本 久智
(72)【発明者】
【氏名】黒滝 竜
(72)【発明者】
【氏名】中岸 佑介
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-158325(JP,A)
【文献】特開2003-141339(JP,A)
【文献】特開2007-330374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の医療従事者が使用している複数の端末装置のそれぞれから、各医療従事者による複数の医療支援コンテンツの利用に係る操作履歴を受信する操作履歴受信手段と、
前記複数の医療従事者のうち第1の組織に所属している複数の医療従事者を記憶している医療従事者記憶手段と、
前記第1の組織に所属する前記複数の医療従事者の前記操作履歴に基づいて、前記第1の組織の前記複数の医療従事者によってなされた、前記複数の医療支援コンテンツから予め選択された医療支援コンテンツに係る操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する算出手段と、
前記第1の組織について算出された前記集計情報に基づいて、予め設定された複数の区分のいずれかに、前記第1の組織を分類する組織分類手段と
を有している医療商品の営業活動支援装置。
【請求項2】
複数の医療従事者が使用している複数の端末装置のそれぞれから、各医療従事者による複数の医療支援コンテンツの利用に係る操作履歴を受信する操作履歴受信手段と、
前記複数の医療従事者のうち第1の組織に所属している複数の医療従事者を記憶している医療従事者記憶手段と、
前記第1の組織に所属する前記複数の医療従事者の前記操作履歴に基づいて、前記第1の組織の前記複数の医療従事者によってなされた、前記複数の医療支援コンテンツから予め選択された医療支援コンテンツに係る操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する算出手段と
を有し、
前記予め選択された医療支援コンテンツは、複数の医療支援コンテンツを含み、
前記算出手段は、前記複数の医療支援コンテンツの一部に係る操作に基づいて得られた第1スコアと、前記複数の医療支援コンテンツの別の一部に係る操作に基づいて得られた第2スコアとに基づいて算出した統合スコアを、前記集計情報として算出する
医療商品の営業活動支援装置。
【請求項3】
前記医療従事者記憶手段は、前記複数の医療従事者のうち第2の組織に所属している複数の医療従事者を記憶し、
前記算出手段は、前記第2の組織に所属する前記複数の医療従事者による前記操作履歴に基づいて、前記第2の組織について前記集計情報を算出し、
前記
組織分類手段は、前記第1の組織について算出された前記集計情報と、前記第2の組織について算出された前記集計情報とに基づいて、
前記予め設定された複数の区分のいずれかに、前記第1の組織と前記第2の組織のそれぞれを分類する
請求項1に記載される医療商品の営業活動支援装置。
【請求項4】
前記組織分類手段による処理の結果を、医療商品の提供者の端末装置に送信する送信手段を有している
請求項
1又は3に記載される医療商品の営業活動支援装置。
【請求項5】
前記第1の組織について算出された前記集計情報は、前記予め選択された医療支援コンテンツの利用の程度を表す値を含む
請求項1
又は2に記載される医療商品の営業活動支援装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記第1の組織についての前記集計情報
を、前記第1の組織に所属し且つ前記予め選択された医療支援コンテンツを利用した医療従事者の人数に基づいて算出する
請求項5に記載される医療商品の営業活動支援装置。
【請求項7】
前記算出手段は、前記第1の組織についての前記集計情報を、前記第1の組織に所属している前記複数の医療従事者による、前記予め選択された医療支援コンテンツの利用を表す合計利用情報に基づいて算出する
請求項5に記載される医療商品の営業活動支援装置。
【請求項8】
前記予め選択された医療支援コンテンツは、複数種類の医療支援コンテンツを含み、
前記第1の組織についての前記集計情報は、前記複数種類の医療支援コンテンツのうち、前記第1の組織に所属している医療従事者によって利用された医療支援コンテンツの種類数を表す値を含む
請求項1
又は2に記載される医療商品の営業活動支援装置。
【請求項9】
前記予め選択された医療支援コンテンツは、少なくとも第1の医療支援コンテンツと第2の医療支援コンテンツとを含み、
前記第1の組織についての前記集計情報は、
前記第1の組織に所属している前記複数の医療従事者による、前記第1の医療支援コンテンツの利用を表す合計利用情報と、
前記第1の組織に所属し且つ前記第2の医療支援コンテンツを利用した医療従事者の人数とに基づいて算出する
請求項1
又は2に記載される医療商品の営業活動支援装置。
【請求項10】
前記予め選択された医療支援コンテンツは、患者の状態に関する情報を含む患者情報の入力を前記端末装置において受け付けて、前記患者情報に基づいて前
記患者の疾患に係る情報を算出する医療計算ツールを含み、
前記予め選択された医療支援コンテンツに係る操作は、前記医療計算ツールの実行のための操作である
請求項1
又は2に記載される医療商品の営業活動支援装置。
【請求項11】
前記算出手段は、前記集計情報として、第1の期間における前記操作履歴に基づいて算出される第1集計情報と、第2の期間における前記操作履歴に基づいて算出される第2集計情報とを算出する
請求項1
又は2に記載される医療商品の営業活動支援装置。
【請求項12】
前記医療従事者記憶手段は、前記第1の組織に所属している複数の医療従事者の属性を記憶しており、前記算出手段は、前記第1の組織に所属する前記複数の医療従事者による前記操作履歴と、前記複数の医療従事者の属性とに基づいて、前記集計情報を算出する
請求項1
又は2に記載される医療商品の営業活動支援装置。
【請求項13】
前記医療支援コンテンツを利用する診療科名と、前記医療支援コンテンツが適用可能な疾患名と、薬剤の名称のうちの少なくとも一つと、前記医療支援コンテンツとを対応づける記憶手段を更に備える
請求項1又は2に記載される医療商品の営業活動支援装置。
【請求項14】
請求項1
又は2に記載される営業活動支援装置と、
前記複数の医療従事者が使用している前記複数の端末装置と、
前記予め選択された医療支援コンテンツに係る疾患の診療に利用するための医療商品の提供者が使用している、前記営業活動支援装置と通信する端末装置と
を有している営業活動支援システム。
【請求項15】
複数の医療従事者が使用している複数の端末装置のそれぞれから、各医療従事者による複数の医療支援コンテンツの利用に係る操作履歴を受信する操作履歴受信手段、
前記複数の医療従事者のうち第1の組織に所属している複数の医療従事者を記憶している医療従事者記憶手段、
前記第1の組織に所属する前記複数の医療従事者による前記操作履歴に基づいて、前記複数の医療支援コンテンツから予め選択された医療支援コンテンツに係る、前記第1の組織の前記複数の医療従事者による操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する算出手段、及び
前記第1の組織について算出された前記集計情報に基づいて、予め設定された複数の区分のいずれかに、前記第1の組織を分類する組織分類手段
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項16】
複数の医療従事者が使用している複数の端末装置のそれぞれから、各医療従事者による複数の医療支援コンテンツの利用に係る操作履歴を受信する操作履歴受信手段、
前記複数の医療従事者のうち第1の組織に所属している複数の医療従事者を記憶している医療従事者記憶手段、及び
前記第1の組織に所属する前記複数の医療従事者による前記操作履歴に基づいて、前記複数の医療支援コンテンツから予め選択された医療支援コンテンツに係る、前記第1の組織の前記複数の医療従事者による操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する算出手段
としてコンピュータを機能させ、
前記予め選択された医療支援コンテンツは、複数の医療支援コンテンツを含み、
前記算出手段が、前記複数の医療支援コンテンツの一部に係る操作に基づいて得られた第1スコアと、前記複数の医療支援コンテンツの別の一部に係る操作に基づいて得られた第2スコアとに基づいて算出した統合スコアを、前記集計情報として算出する
プログラム。
【請求項17】
複数の医療従事者のうち第1の組織に所属している複数の医療従事者を記憶している医療従事者記憶手段を有している営業活動支援装置の制御方法であって、
前記複数の医療従事者が使用している複数の端末装置のそれぞれから、各医療従事者による複数の医療支援コンテンツの利用に係る操作履歴を受信する工程、
前記第1の組織に所属する前記複数の医療従事者による前記操作履歴に基づいて、前記複数の医療支援コンテンツから予め選択された医療支援コンテンツに係る、前記第1の組織の前記複数の医療従事者による操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する工程
、及び
前記第1の組織について算出された前記集計情報に基づいて、予め設定された複数の区分のいずれかに、前記第1の組織を分類する工程
を含む制御方法。
【請求項18】
複数の医療従事者のうち第1の組織に所属している複数の医療従事者を記憶している医療従事者記憶手段を有している営業活動支援装置の制御方法であって、
前記複数の医療従事者が使用している複数の端末装置のそれぞれから、各医療従事者による複数の医療支援コンテンツの利用に係る操作履歴を受信する工程、及び
前記第1の組織に所属する前記複数の医療従事者による前記操作履歴に基づいて、前記複数の医療支援コンテンツから予め選択された医療支援コンテンツに係る、前記第1の組織の前記複数の医療従事者による操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する工程
を含み、
前記予め選択された医療支援コンテンツは、複数の医療支援コンテンツを含み、
前記集計情報を算出する工程では、前記複数の医療支援コンテンツの一部に係る操作に基づいて得られた第1スコアと、前記複数の医療支援コンテンツの別の一部に係る操作に基づいて得られた第2スコアとに基づいて算出した統合スコアを、前記集計情報として算出する
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療商品についての営業活動支援装置、営業活動支援システム、営業活動支援装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、医師向けの情報提供システムが提案されている。このシステムは電子カルテに加えて、医薬品の広告や、セミナーの案内などの情報を医師に提供している。
【0003】
また、特許文献2では、機械学習モデルを使って、医薬品に関する情報の入手経路(医薬品に関する講演会や、医薬品に関するウェブサイトなど)に関する医師の嗜好性を推定するシステムが提案されている。このような嗜好性に関する情報は、製薬会社の営業活動において利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-032110号公報
【文献】特開2021-179931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、医薬品業界においては、営業担当者が各病院の医師を訪問し、薬剤等の効用や価格等を説明するといった営業活動がなされている。ところが、多数の病院があるなかで、各病院にいつ訪問するのが効率的であるかが不明であり、営業活動の効率が必ずしも良いとはいえない場合があった。
【0006】
本開示の目的は、医療商品の営業担当者による営業活動を支援する営業活動支援装置、営業活動支援システム、営業活動支援装置の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示で提案する営業活動支援装置は、複数の医療従事者が使用している複数の端末装置のそれぞれから、各医療従事者による複数の医療支援コンテンツの利用に係る操作履歴を受信する操作履歴受信手段と、前記複数の医療従事者のうち第1の組織に所属している複数の医療従事者を記憶している医療従事者記憶手段と、前記第1の組織に所属する前記複数の医療従事者による前記操作履歴に基づいて、前記第1の組織の前記複数の医療従事者によってなされた、前記複数の医療支援コンテンツから予め選択された医療支援コンテンツに係る操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する算出手段とを有している。
【0008】
本開示で提案する営業活動支援システムは、前記営業活動支援装置と、前記複数の医療従事者が使用している前記複数の端末装置と、前記予め選択された医療支援コンテンツに係る疾患の診療に利用するための医療商品の提供者が使用している、前記営業活動支援装置と通信する端末装置と有している。
【0009】
本開示で提案するプログラムは、複数の医療従事者が使用している複数の端末装置のそれぞれから、各医療従事者による複数の医療支援コンテンツの利用に係る操作履歴を受信する操作履歴受信手段、前記複数の医療従事者のうち第1の組織に所属している複数の医療従事者を記憶している医療従事者記憶手段、及び前記第1の組織に所属する前記複数の医療従事者による前記操作履歴に基づいて、前記複数の医療支援コンテンツから予め選択された医療支援コンテンツに係る、前記第1の組織の前記複数の医療従事者による操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する算出手段として、コンピュータを機能させるプログラム。
【0010】
本開示で提案する営業活動支援装置の制御方法は、複数の医療従事者のうち第1の組織に所属している複数の医療従事者を記憶している医療従事者記憶手段を有している営業活動支援装置の制御方法である。前記制御方法は、前記複数の医療従事者が使用している複数の端末装置のそれぞれから、各医療従事者による複数の医療支援コンテンツの利用に係る操作履歴を受信する工程、及び前記第1の組織に所属する前記複数の医療従事者による前記操作履歴に基づいて、前記複数の医療支援コンテンツから予め選択された医療支援コンテンツに係る、前記第1の組織の前記複数の医療従事者による操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する工程を含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示で提案する営業活動支援装置、支援システム、制御方法、及びプログラムによると、医療商品の営業活動を効率化する情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】支援システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2A】営業活動支援装置のハードウェアを示すブロック図である。
【
図2B】医師端末装置のハードウェアを示すブロック図である。
【
図2C】営業者端末装置のハードウェアを示すブロック図である。
【
図3A】医師端末装置で表示されるホーム画面の例を示す図である。
【
図3B】複数の診療支援情報のリストを表示する画面の例を示す図である。
【
図3C】診療支援情報を表示する画面の例を示す図である。
【
図3D】複数の医療計算ツールのリストを表示する画面の例を示す図である。
【
図3E】医療計算ツール(計算プログラム)が表示する画面の例である。
【
図4】支援システムの機能を示すブロック図である。
【
図5】医師データベースに格納されているデータの例を説明するための図である。
【
図6】医師組織データベースに格納されているデータの例を説明するための図である。
【
図7】医療支援コンテンツデータベースに格納されているデータの例を説明するための図である。
【
図8】医療支援コンテンツデータベースに格納されているデータの例を説明するための図である。
【
図9A】集計定義データベースに格納されている情報の第1の例を説明するための図である。
【
図9B】集計定義データベースに格納されている情報の第2の例を説明するための図である。
【
図9C】集計定義データベースに格納されている情報の第3の例を説明するための図である。
【
図9D】集計定義データベースに格納されている情報の第4の例を説明するための図である。
【
図9E】集計定義データベースに格納されている情報の第5の例を説明するための図である。
【
図9F】集計定義データベースに格納されている情報の第6の例を説明するための図である。
【
図10】営業活動支援装置が出力する情報を説明するための図である。
【
図11】支援システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図12】営業活動支援装置が実行する処理の例を示すフロー図である。この図で示す処理は、
図11で示すS107の処理に対応している。
【
図13A】営業活動支援装置が実行する処理の例を示すフロー図である。この図で示す処理は、
図12のS204において実行される。
【
図13B】
図13Aで示す処理の結果、営業活動支援装置が出力する情報を説明するための図である。
【
図14】営業活動支援装置が実行する処理の例を示すフロー図である。この図で示す処理は、
図12のS204で実行される処理の別の例である。
【
図15】営業活動支援装置が実行する処理の例を示すフロー図である。この図で示す処理は、
図12のS204で実行される処理の別の例である。
【
図16】営業活動支援装置が実行する処理の例を示すフロー図である。この図で示す処理は、
図12のS204で実行される処理の別の例である。
【
図17】営業活動支援装置が実行する処理の例を示すフロー図である。この図で示す処理は、
図11で示すS107の処理に対応している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示で提案する、医療商品の営業活動支援装置、営業活動支援システムの例について説明する。以下では、「営業活動支援システム」を単に「支援システム」と称する。また、営業活動支援装置を「支援装置」と称する。
図1は、システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
[システムのハードウェア]
図1で示すように、支援システムSは支援装置10を有している。また、支援システムSは、複数の医療従事者がそれぞれ使用する複数の端末装置を含んでいる。医療従事者は、典型的には医師である。
図1においては、医療従事者が使用する端末装置の例として、医師端末装置40が示されている。端末装置を使用する医療従事者は、看護師や、医療技師などであってもよい。
【0015】
1つの組織に複数の医療従事者が含まれる場合がある。ここで「組織」とは、医療機関や、医療機関内の診療科(例えば、消化器科)である。以下では、この組織を「医師組織」と称する。
図1では、医師組織の例として、第1医師組織A1と第2医師組織A2とが示されている。そして、各医師組織A1・A2に所属する医師の医師端末装置40が示されている。支援システムSでは、医師端末装置40を通した医師の操作(支援装置10から提供されるコンテンツの利用)が、医師組織A1・A2のそれぞれについて集計される。この集計結果は、医療商品についての営業活動に利用され得る。なお、1つの医師組織の構成員の数は、複数であってもよいし、一人であってもよい。
【0016】
支援システムSは、医療商品についての営業活動を行う者が使用する端末装置(
図1において「営業者端末装置50」)を含んでいる。医療商品は、典型的には患者に投与される薬剤である。医療商品について営業活動を行う者とは、例えば、製薬メーカや、薬剤の卸売会社などである。医療商品は、医療機器や、医療用ではあるものの、患者に投与するものではない薬品(例えば、検査薬など)などであってもよい。この場合、営業活動を行う者とは、医療機器のメーカや、薬品のメーカ、それらの卸売会社などであってよい。支援システムSは複数の営業者端末装置50を含んでいてもよい。
【0017】
営業活動とは、医療商品を販売するための活動である。例えば、医療商品が薬剤である場合、営業活動とは、製薬メーカや、卸売会社などの営業担当者が医療機関を訪問して、その薬剤の効用や価格等を説明する行為である。また、医療商品が医療機器である場合、営業活動とは、機器メーカや、卸売会社などの営業担当者が医療機関を訪問して、その医療機器の効用や、価格等を説明する行為である。
【0018】
以下の説明では、医師を医療従事者の例とする。また、製薬メーカを、営業活動を行う者の例とする。
図1で示すように、支援装置10、医師端末装置40、及び営業者端末装置50は、インターネットなどのネットワークNに接続可能である。
【0019】
[支援装置のハードウェア]
支援装置10は、例えばサーバーコンピュータで構成される。支援装置10は、ネットワークNを介して相互に接続される複数のサーバーコンピュータで構成されてもよい。支援装置10は、1又は複数のパーソナルコンピュータで構成されてもよい。
図2Aで示すように、支援装置10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含んでいる。また、支援装置10は、表示部14及び入力部15を含んでもよい。
【0020】
制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含んでいる。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムやデータに従って処理を実行する。記憶部12は、主記憶部及び補助記憶部を含んでいる。例えば、主記憶部はRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリであり、補助記憶部は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、又はハードディスクなどの不揮発性メモリである。
【0021】
記憶部12には、医師端末装置40に提供するためのコンテンツが格納されている。医師端末装置40に提供されるコンテンツは、例えば、医師による医療行為を支援する情報である。記憶部12には、コンテンツに係る各医師による操作履歴(例えば、閲覧履歴)が格納されている。医師端末装置40に提供されるコンテンツについては、後において説明する。
【0022】
通信部13は、有線通信又は無線通信用の通信インタフェースであり、ネットワークNを介してデータ通信を行う。表示部14は、例えば、液晶表示部又は有機EL表示部等である。表示部14は、制御部11の指示に従って画像を表示する。入力部15は、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイスである。入力部15は、キーボードや、ボタンなどを含んでもよい。入力部15は、ユーザによる操作に応じた信号を制御部11に入力する。
【0023】
[医師端末装置のハードウェア]
医師端末装置40は、携帯電話機(スマートフォンを含む)や、携帯情報端末(タブレット型コンピュータや、ウェアラブル端末などを含む)、パーソナルコンピュータなどであってよい。
図2Bで示すように、医師端末装置40は、制御部41や、記憶部42、通信部43、表示部44、入力部45などを含む。
【0024】
制御部41は、記憶部42に記憶されたプログラムやデータに従って処理を実行する。記憶部42は、支援装置10の記憶部12と同様、揮発性メモリと不揮発性メモリとを含む。通信部43は、有線通信又は無線通信用の通信インタフェースであり、ネットワークNを介してデータ通信を行う。表示部44は、例えば、液晶表示部又は有機EL表示部等である。表示部44は、制御部41の指示に従って画像を表示する。入力部45は、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイスである。入力部45は、キーボードや、ボタンなどを含んでもよい。入力部45は、ユーザによる操作に応じた信号を制御部41に入力する。
【0025】
[営業者端末装置のハードウェア]
営業者端末装置50は、例えば、パーソナルコンピュータである。営業者端末装置50は、携帯電話機(スマートフォンを含む)や、携帯情報端末(タブレット型コンピュータや、ウェアラブル端末などを含む)などであってもよい。
図2Cで示すように、営業者端末装置50は、制御部51や、記憶部52、通信部53、表示部54、入力部55などを含む。制御部51、記憶部52、通信部53、表示部54、及び入力部55の物理的構成は、それぞれ制御部41、記憶部42、通信部43、表示部44、及び入力部45と同様であってよい。
【0026】
[医師端末装置に表示される画面]
図3A~
図3Eは、医師端末装置40の表示部44に表示される画面の例を示している。これらの画面は、例えば、医師端末装置40にインストールされたアプリケーションソフトウェア(以下において、「医療支援ソフトウェア」と称する)を制御部41が実行することによって、表示される。医療支援ソフトウェアは、例えば、ネットワークNを介して、支援装置10、又は支援装置10とは別に設けられたサーバーから、医師端末装置40に送信されてよい。
【0027】
これとは異なり、
図3A~
図3Eで例示する画面は、医師端末装置40にインストールされたWebブラウザを通して、医師端末装置40が支援装置10にアクセスすることによって表示されてもよい。なお、これらの画面構成は、一例に過ぎず、適宜変更されてよい。
【0028】
図3Aは、上述した医療支援ソフトウェアやWebブラウザを通して提供されるサービスのホーム画面の例である。ホーム画面は、例えば、医療支援ソフトウェアを、医師が立ち上げたときに最初に表示される画面である。また、ホーム画面は、医師端末装置40がWebブラウザを通して支援装置10にアクセスしたときに最初に表示される(支援装置10から最初に提供される)画面であってもよい。
【0029】
図3Aで示すように、ホーム画面には、例えば、タイムライン領域R101が設けられてよい。タイムライン領域R101には、例えば、支援装置10から提供されたコンテンツのタイトル101a~101eが表示されてよい。コンテンツのタイトル101a~101eは、タイムライン領域R101において時系列で表示されてよい。
【0030】
支援装置10から医師端末装置40に配信されるコンテンツ(以下において「医療支援コンテンツ」と称する)には、医療サービスを支援するための種々の情報が含まれる。医療支援コンテンツは、例えば、診療支援情報を含む。診療支援情報は、医師による診療を支援する文書情報であり、治療方法を定めたマニュアル(治療マニュアル)や、診療方法を定めたマニュアル、推奨される診療方法を示す医療ガイドライン、診療基準を示すためのテーブルなどであってよい。治療マニュアルは、患者に投与する薬剤の種類、及び、治療計画(用量、用法、投与頻度など)を記したレジメンを含む。
【0031】
また、医療支援コンテンツは医療記事を含んでもよい。医療記事は、例えば、疾患や薬剤についての解説記事・紹介記事、医学論文などであってよい。また、医療支援コンテンツは医療計算ツールが含まれる。医療計算ツールについては、後において詳説する。
【0032】
ホーム画面(
図3A参照)には、医療支援コンテンツを検索するための検索ボックスR105や、他の画面へ移動するためのボタンが設けられたメニュー領域R120・R130などが設けられてよい。メニュー領域R120は、例えば、医療記事ボタン121、診療支援情報ボタン122、医療計算ツールボタン123などを含んでよい。
【0033】
医師(ユーザ)は、自身が関心のある診療支援情報や、医療計算ツールなどを、ブックマーク登録することができてよい。メニュー領域R130は、ブックマーク一覧ボタン132を含んでよい。ブックマーク一覧ボタン132が選択(タップ)されたとき、ユーザ(医師)によって過去にブックマーク登録されたコンテンツの一覧を表示してよい。また、メニュー領域R130は、お知らせボタン133を含んでよい。お知らせボタン133が選択(タップ)されたとき、支援装置10から医師端末装置40に配信されるお知らせ(例えば、医療支援ソフトウェアの更新情報)などが表示されてよい。
【0034】
[診療支援情報に関する画面]
ホーム画面(
図3A参照)において、ユーザが、ボタン121・122・123を選択(タップ)すると、例えば、医療支援コンテンツの名称や要約を列挙したリストが表示される。表示されている複数の医療支援コンテンツのうちの1つをユーザが選択すると、選択された医療支援コンテンツの内容が表示される。
【0035】
図3Bは、診療支援情報ボタン122が選択されたときに表示される画面の例を示す図である。以下では、この画面を「診療支援情報リスト画面」と称する。診療支援情報リスト画面200は、複数の診療支援情報が列挙されたリスト領域R205を含んでいる。
図3Bで示す例では、診療支援情報の名称205a~205dがリスト領域R205に列挙されている。
【0036】
図3Bで示すように、診療支援情報リスト画面200は、医療分類の名称を表示する分類選択領域R203・R204を含んでよい。医療支援コンテンツは、このコンテンツに関連する疾患や、診療科などの医療分類に応じて分類されている。分類選択領域R203には、医療分類の名称として、例えば、診療科名(符号203a)が列挙されてよい。また、分類選択領域R204には、医療分類の名称として、疾患の名称(符号204a)が列挙されてよい。
【0037】
分類選択領域R203において、いずれかの診療科名が選択されると、その診療科が担当する疾患が、分類選択領域R204に表示される。そして、分類選択領域R204に表示されている疾患のいずれかをユーザが選択すると、その疾患に適用可能な診療支援情報が、リスト領域R205に列挙される。
図3Bに示す例では、分類選択領域R203において「消化器」が選択され、分類選択領域R204において、消化器科が担当する疾患が列挙されている。そして、分類選択領域R204において「AAA疾患」が選択され、リスト領域R205に「AAA疾患」に適用可能な診療支援情報(より具体的には、レジメン)の名称205a~205eが列挙されている。ユーザが診療支援情報のいずれかを選択(タップ)すると、選択された診療支援情報が表示される。
【0038】
図3Cは、診療支援情報を表示する画面の例を示す図である。以下では、この画面を「診療支援情報提示画面」と称する。
図3Cで示すように、診療支援情報提示画面210の一例においては、治療マニュアル(具体的には、レジメン)が表示される。すなわち、診療支援情報提示画面210では、例えば、患者に投与する薬剤の名称211と、その投与計画欄212とが表示される。投与計画欄212は、その項目として、例えば、薬剤の投与量212a、期間212b、各期間における投与日212cなどを含んでよい。
【0039】
なお、1つの疾患に適用可能な複数の診療支援情報の一部は、二次治療用の診療支援情報であってもよい。
図3Bを参照すると、リスト領域R205に列挙されている複数の診療支援情報のうち、BBB療法205aが一次治療のレジメン(患者に対して最初に適用される治療計画)であり、その他の治療法205b~205dは、BBB療法205aの効果が小さい場合、又はBBB療法205aの効果が下がった場合に、選択的に適用される二次治療のレジメンであってよい。
【0040】
[医療計算ツールに関する画面]
上述したように、医療支援コンテンツは医療計算ツールを含む。医療計算ツールとは、患者の疾患に係る情報を算出するプログラムである。このプログラムは、患者情報の入力を医療従事者の端末装置(
図1において医師端末装置40)において受け付け、この患者情報に基づいて、患者の疾患に係る情報を算出する。入力される患者情報は、患者の状態に関する情報であり、例えば、患者の検査結果や、患者の年齢、体重、身長、性別などを含んでよい。算出される患者の疾患に係る情報は、重症度や、疾患・治療により生じるリスクの評価値、投与すべき薬剤の量などであってよい。患者情報は、名前など患者個人を特定する情報を含んでなくてよい。また、算出される患者の疾患に係る情報は、患者個人に対応付けられていなくてよい。
【0041】
図3Dは、医療計算ツールのリストを表示する画面の例である。この画面は、
図3Aで示す計算ツールボタン123を選択(タップ)することによって表示される。以下では、この画面を医療計算ツールリスト画面と称する。
【0042】
図3Dで示すように、医療計算ツールリスト画面300はリスト領域R301を有している。リスト領域R301には、複数の医療計算ツールのタイトル301a~301f(例えば、医療計算ツールより算出される評価値等の名称)が表示されてよい。また、ツールリスト画面には、医療分類の名称を表示する分類選択領域R303が設けられてよい。分類選択領域R303には、医療分類の名称として、診療科名(符号303a)や、疾患名(符号303b)などが表示されている。いずれかの医療分類の名称がユーザによって選択されると、その医療分類に関連する医療計算ツールがリスト領域R301に表示されてよい。
【0043】
図3Eは、医療計算ツールが医師端末装置40の表示部44に表示する画面の例である。以下ではこの画面を「医療計算ツール画面」と称する。例えば、医療計算ツールリスト画面300において選択された医療計算ツールの入力画面が、
図3Eで例示するように表示される。
【0044】
医療計算ツール画面310には、患者情報を入力するための入力領域R311~R315が設けられる。上述したように、患者情報は、例えば、患者の検査結果や、患者の性別、年齢、身長、体重などを含む。医療計算ツール画面310には、結果出力領域R317が設けられている。結果出力領域R317には、入力された患者情報に基づいて医療計算ツールが算出した結果が表示される。上述したように、算出結果は、例えば、重症度や、疾患・治療により生じるリスクの評価値、投与すべき薬剤の量などであってよい。
【0045】
図3C及び
図3Eで示すように、各医療支援コンテンツには、ブックマークボタン202・302が対応づけられてよい。ブックマークボタン202・302が医師によって選択(タップ)されると、そのブックマークボタン202・302に対応する医療支援コンテンツが、ブックマークリストに登録される。このようにブックマークリストに登録されたコンテンツは、例えば、
図3Aで示すブックマーク一覧ボタン132を選択(タップ)することによって、一覧表示されてよい。
【0046】
なお、
図3Aで示す医療記事ボタン121が選択(タップ)されたときの画面遷移は、
図3B及び
図3Cで示す例と同様であってよい。すなわち、医療記事ボタン121が選択(タップ)されると、医療記事のタイトル又は要約がリスト表示されてよい。そして、表示されている医療記事のうちの1つをユーザが選択すると、選択された医療記事の内容が表示される。医療記事は、上述したように、例えば、疾患や薬剤についての解説記事・紹介記事、医学論文などが含まれる。
【0047】
[支援システムの機能]
図4は、支援システムSで実現される機能の一例を示すブロック図である。以下では、支援装置10、医師端末装置40、及び営業者端末装置50の各々で実現される機能を説明する。
【0048】
支援装置10は、その機能として、データ記憶部20を有している。データ記憶部20は、制御部11がプログラムに従って動作して、データを記憶部12に格納することによって、実現される。データ記憶部20は、例えば、医師データベース21、医師組織データベース22、医療支援コンテンツデータベース23、操作履歴データベース24、及び集計定義データベース25を有する。
【0049】
また、支援装置10は、その機能として、操作履歴受信部31、集計情報算出部32、医師組織分類部33、及び分類結果送信部34を含んでいる。これらの機能は、例えば、制御部11が記憶部12に格納されるプログラムに従って動作し、通信部13などを制御することにより実現される。
【0050】
なお、これらの機能の一部(データベース機能を含む)は、医師端末装置40又は営業者端末装置50において実行されてもよい。そして、医師端末装置40又は営業者端末装置50と、支援装置10とが協働することによって、これらの機能が実現されてもよい。
【0051】
[医師データベース]
医師データベース(DB)21には、医師端末装置40のユーザである医師についての情報が格納されている。
図5は、医師DB21に格納されているデータの例を説明するための図である。医師DB21は、例えば、各医師を識別するための識別情報(医師ID)、医師名、医師の属性情報を有していてよい。医師の属性情報は所属組織情報を含む。
図5で示す例において、医師の属性情報は、所属組織情報の項目として、所属している医療機関の名称を含んでいる。また、医師の属性情報は、所属組織情報の項目として、医療機関内の診療科や、医療機関の所在地などを含んでもよい。また、医師の属性情報は、医師歴や、医師の専門分野(臓器名や、疾患名)などの項目を含んでもよい。医師の属性情報は、医師歴に変えて、或いは医師歴に加えて、医療機関内でのポジションを含んでもよい。
【0052】
医師DB21では、複数の医師に、同じ所属組織情報が対応づけられてよい。
図5で示す例においては、「ID:K001~K003」が付与されている3人の医師に、「ABC病院、消化器科、東京都新宿区」が対応づけられている。これは、「ID:K001~K003」の医師が同じ医師組織に属していることを意味している。また、「ID:K011~K013」の医師には「DEF病院、消化器科、東京都港区」が対応づけられており、これらの医師は同じ医師組織に属している。なお、医師DB21は、
図5で示す例に限られない。例えば、医師DB21は、必ずしも診療科、所在地、医師歴、又は専門分野を含んでいなくてもよい。
【0053】
医師DB21は、例えば、各医師が医師端末装置40に入力する情報に基づいて生成されてよい。すなわち、各医師によって医師端末装置40に入力された属性情報を支援装置10が受信し、この属性情報が記憶部12に格納されることによって、医師DB21が生成されてよい。
【0054】
[医師組織データベース]
医師組織データベース(DB)22には、医療支援ソフトウェアのユーザである複数の医師が所属している医療機関についての情報が格納されている。
図6は、医師組織DB22に格納されているデータの例を説明するための図である。医師組織DB22では、例えば、各医師組織を識別するための識別情報(医師組織ID)に、医師組織の属性情報が対応付けられている。医師組織の属性情報は、典型的には、医療機関の名称である。また、医師組織の属性情報は、医療機関内の診療科や、医療機関の所在地などを含んでもよい。
【0055】
医師組織DB22は、例えば、医師DB21に格納されているデータを利用して、制御部11が生成してよい。すなわち、制御部11が、医師DB21に格納されている各医師の所属組織情報を参照し、医師が所属している組織(医師組織)を抽出してよい。そして、制御部11は、各医師組織に医師組織IDを付与して、これを医師組織DB22としてよい。
【0056】
これとは異なり、医師組織DB22は、支援装置10の管理者が支援装置10に入力した情報(医療機関名等)に基づいて生成されてもよい。医師組織DB22は、営業者端末装置50の利用者が営業者端末装置50に入力した情報(医療機関名等)に基づいて生成されてもよい。
【0057】
[医療支援コンテンツデータベース]
医療支援コンテンツデータベース(DB)23は、医療支援コンテンツの属性が保存されたデータベースである。
図7は、医療支援コンテンツDB23に格納されているデータの例を説明するための図である。この図に示すように、医療支援コンテンツDB23では、各医療支援コンテンツに付与された識別情報(コンテンツID)に、コンテンツ種別が対応づけられてよい。上述したように、医療支援コンテンツは、治療マニュアルや、医療ガイドラインなどである診療支援情報(
図3B及び
図3C参照)と、薬剤の解説記事などである医療記事と、医療計算ツール(
図3D及び
図3E参照)とを含んでいる。医療支援コンテンツDB23は、このようなコンテンツ種別(診療支援情報、医療記事、又は医療計算ツール)をコンテンツIDに対応付けて記憶してよい。また、医療支援コンテンツDB23の項目には、医療支援コンテンツを利用する診療科名や、医療支援コンテンツが適用可能な疾患名などを含んでもよい。
【0058】
さらに、医療支援コンテンツDB23は、その項目として、適用優先度を含んでもよい。診療支援情報は、患者に対して最初に適用するための治療マニュアル(一次治療用のレジメン、適用優先度:1)を含んでいる。また、診療支援情報は、一次治療による効果が小さい場合、又は一次治療による効果が下がった場合に適用するための治療マニュアル(二次治療用のレジメン、適用優先度:2)を含んでいる。
図7で示すように、医療支援コンテンツDB23においては、この適用優先度がコンテンツIDに対応付けて記録されてもよい。
【0059】
医療支援コンテンツDB23は、その項目として、医療支援コンテンツのタイトルを含んでもよい。また、医療支援コンテンツDB23は、その項目として、関連キーワードを含んでもよい。関連キーワードは、各医療支援コンテンツに関連する用語(例えば、適用可能な薬剤の名称や、関連する疾患名)である。医師端末装置40においては、検索ボックスR105(
図3A参照)が表示される。検索ボックスR105に関連キーワードが入力されると、その関連キーワードが対応付けられた医療支援情報が探索され、表示される。
【0060】
図7の例では、「ID:M021」の診療支援情報に、「GHI薬」と「JKP薬」とが関連キーワードとして対応付けられている。そのため、検索ボックスR105に「GHI薬」又は「JKP薬」が入力された場合、「ID:M021」の診療支援情報が、検索結果として医師端末装置40の表示部44に表示される。
【0061】
医療支援コンテンツは、例えば、医療支援ソフトウェアの医師端末装置40へのインストール時、及び医療支援ソフトウェアのバージョンアップ時に、支援装置10から医師端末装置40に送信されてよい。これとは異なり、医療支援コンテンツは、医師端末装置40のWebブラウザが支援装置10にアクセスしたときに、支援装置10から医師端末装置40に送信されてもよい。医師端末装置40は、受信した医療支援コンテンツを記憶部42(
図2B参照)に保存する。医療支援ソフトウェアが医師端末装置40にインストールされている場合、上述した関連キーワードによる検索処理は、医師端末装置40によって実行されてよい。また、医師端末装置40のwebブラウザが支援装置10にアクセスしている場合、この検索処理は、支援装置10によって実行されてよい。
【0062】
[操作履歴受信部]
操作履歴受信部31は、複数の医師がそれぞれ使用している複数の医師端末装置40から、各医師による医療支援コンテンツの利用に係る操作の履歴を受信する。医療支援コンテンツの利用に係る操作とは、例えば、医師による診療支援情報の閲覧である。より具体的には、医療支援コンテンツの利用に係る操作は、例えば、
図3Bの診療支援情報リスト画面200において、いずれかの診療支援情報を選択する操作(タップ)であったり、
図3Cの診療支援情報提示画面210を閉じる操作であってよい。医師端末装置40から受信する履歴(操作履歴)には、閲覧された診療支援情報を特定する情報(例えば、コンテンツID)、及び、診療支援情報の閲覧時間(閲覧の開始時間及び/又は終了時間)が含まれてよい。
【0063】
また、医療支援コンテンツの利用に係る操作には、医師による医療計算ツールの使用が含まれる。医療計算ツールの使用とは、具体的には、医療計算ツール画面310(
図3E参照)に患者情報を入力し、算出結果を得る操作である。医療計算ツールに係る操作は、これに限られず、医療計算ツール画面310を開く操作(すなわち、医療計算ツールへのサクセス)が含まれてよい。
【0064】
この場合、医師端末装置40から受信する操作履歴には、例えば、医療計算ツールを特定する情報(例えば、コンテンツID)、及び、医療計算ツールの操作時間が含まれる。操作時間には、例えば、医療計算ツールの使用開始時間(医療計算ツール画面310を開いた時間)、及び/又は使用の終了時間(医療計算ツール画面310を閉じた時間)が含まれてよい。操作履歴には、医療計算ツールの算出結果、及び/又は、医療計算ツールへの入力情報(医療計算ツール画面310の入力領域R311~R315に入力される患者情報)が含まれてもよい。
【0065】
医療支援コンテンツの利用に係る操作は、医師による医療記事の閲覧であってもよい。この場合、医師端末装置40から受信する操作履歴には、医療記事を特定する識別情報(コンテンツID)と、それらが選択(タップ)された時間とが含まれてよい。操作履歴には、医療記事を特定するコンテンツIDと、及び、医療記事の閲覧時間が含まれてよい。閲覧時間には、例えば、医療記事の閲覧開始時間や、閲覧終了時間が含まれてよい。
【0066】
また、医療支援コンテンツの利用に係る操作は、関連キーワード(
図7参照)を使った、医療支援コンテンツの検索であってよい。この場合、医師端末装置40から受信する操作履歴は、検索ボックスR105(
図3A参照)に入力された関連キーワードや、検索が実行された時間、ヒットした医療支援コンテンツのコンテンツIDなどが含まれてよい。
【0067】
また、医療支援コンテンツの利用に係る操作は、ブックマークリストへの医療支援コンテンツの登録のための操作(ブックマークボタン202、203のタップ)であってもよい。例えば、医師端末装置40から受信する操作履歴は、ブックマークリストに登録された医療支援コンテンツのコンテンツIDや、その登録操作がなされた時間を含んでよい。
【0068】
[操作履歴データベース]
操作履歴受信部31が受信した操作履歴は、操作履歴データベース(DB)24に蓄積される。操作履歴DB24は、複数の医師のそれぞれについて、操作履歴を保存していてよい。
図8は、各医師に設けられている操作履歴テーブルの例を説明するための図である。
【0069】
図8に示すように、操作履歴テーブルは、その項目として、操作内容と、操作の対象となった医療支援コンテンツのコンテンツIDとを含んでよい。操作内容は、例えば、診療支援情報の閲覧や、医療計算ツールの使用、薬剤記事の閲覧、関連キーワードによる検索、ブックマークリストへの登録などを含む。また、操作履歴テーブルは、その項目として、コンテンツ種別(診療支援情報、医療計算ツール、及び医療記事の別)、操作の開始日時、及び操作の終了日時を含んでよい。操作の開始日時とは、診療支援情報の閲覧開始日時や、医療計算ツールの使用開始日時、検索日時、ブックマークリストへの登録日時などであってよい。また、操作の終了日時は、診療支援情報の閲覧終了日時であってよい。
【0070】
また、操作履歴テーブルは、入力情報と、出力情報とを含んでよい。入力情報とは、医療計算ツール画面310の入力領域R311~R315に入力される患者情報であり、出力情報とは、医療計算ツールの算出結果であってよい。
【0071】
なお、関連キーワードを使った検索操作がなされた場合、操作内容としては「検索」が記録され、入力情報として関連キーワード(
図8において「GHI薬」)が記録されてよい。また、出力情報として、検索によりヒットした医療支援コンテンツのコンテンツID(
図8において「M021」)が記録されてよい。
【0072】
操作履歴受信部31(
図4参照)は、例えば、医師端末装置40と支援装置10とがネットワークNを介して接続しているときには、医師による操作がなされる度に、医師端末装置40から操作履歴を受信する。これに対して、医師端末装置40と支援装置10とが接続していない状態で操作がなされたときは、医師端末装置40の記憶部42に操作履歴が蓄積されてよい。そして、医師端末装置40が支援装置10に次に接続したときに、操作履歴受信部31は、記憶部42に蓄積されていた操作履歴を医師端末装置40から受信してよい。これにより、操作履歴テーブルには、医師端末装置40と支援装置10とが接続していない状態(いわゆるオフライン時)においてなされた操作の履歴が記録される。
【0073】
[集計情報算出部]
集計情報算出部32は、操作履歴DB24に記録されている操作履歴を参照して、予め選択されている医療支援コンテンツに係る操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する。この集計は、1又は複数の医師が所属している医師組織のそれぞれについて実行される。
【0074】
図1で示す例では、第1医師組織A1と第2医師組織A2のそれぞれが、複数の医師によって構成されている。支援装置10では、医療支援コンテンツDB23に格納されている複数の医療支援コンテンツうち、1又は複数の医療支援コンテンツが、集計対象コンテンツとして予め選択されている。集計情報算出部32は、集計対象コンテンツに対する、第1医師組織に所属している医師による操作の履歴(例えば、閲覧回数)を集計する。また、集計情報算出部32は、第2医師組織に所属している医師による操作の履歴も集計する。すなわち、集計情報算出部32は、同一の医師組織に所属している医師による操作の履歴を集計する。そして、集計情報算出部32は、各医師組織について、その集計結果(例えば、合計閲覧回数)に基づいて、集計情報を算出する。
【0075】
[集計対象コンテンツ]
集計対象コンテンツは、例えば、営業者端末装置50のユーザ(営業者)の営業活動に係る医療商品(例えば、薬剤)が適用可能な疾患に関連するコンテンツである。例えば、医療商品がAAA疾患に適用可能な薬剤である場合、集計対象コンテンツは、AAA疾患の診療において利用される可能性のある医療支援コンテンツ(
図7において、M021~M024の診療支援情報、C011~C013の医療計算ツール、及びA008の医療記事)のうちの1又は複数である。
【0076】
集計される操作(集計対象コンテンツに係る操作)は、上述した医療支援コンテンツに係る操作と同様であってよい。例えば、集計対象コンテンツが診療支援情報である場合、集計対象コンテンツに係る操作とは、その閲覧や、関連キーワードによる検索、ブックマークリストへの登録などであってよい。また、集計対象コンテンツが医療計算ツールである場合には、医療計算ツールに係る操作とは、医療計算ツールの使用や、関連キーワードによるこのツールの検索、ブックマークリストへの登録などであってよい。
【0077】
[集計情報]
集計情報算出部32によって算出される集計情報は、医師組織内での集計対象コンテンツの利用の程度を表す値である。例えば、集計情報は、医師組織に所属する複数の医師による利用を表す情報(合計利用情報、具体的には、合計利用時間や合計利用回数など)であってよい。例えば、集計対象コンテンツが診療支援情報である場合、集計情報は合計閲覧回数や合計閲覧時間であってよい。また、集計対象コンテンツが医療計算ツールである場合、集計情報は合計使用回数であってよい。なお、医師組織に所属する複数の医師による利用を表す情報は、利用回数や利用時間の平均であってもよい。
【0078】
複数の医師による利用が多い場合(合計利用時間や合計利用回数が多い場合)、集計対象コンテンツに係る疾患を抱える患者を、その医師組織が抱えている可能性が高いと捉えることができる。言い換えれば、営業者端末装置50のユーザの営業活動に係る医療商品が適用可能な患者を、その医師組織が抱えている可能性が高いと捉えることができる。従って、このような医師組織への営業活動は、高い効果が期待できる。
【0079】
また、集計情報算出部32によって算出される集計情報は、同一の医師組織に所属し且つ集計対象コンテンツを利用した医師数に基づいて算出されてもよい。ここで医師数とは、集計対象コンテンツを利用した実人数であってよい。実人数が多い場合、集計対象コンテンツに係る疾患の患者を、その医師組織が抱えており、また医師組織の規模も大きいと捉えることができる。従って、このような医師組織への営業活動も、高い効果が期待できる。なお、医師数は、集計対象コンテンツを利用した延べ人数であってもよい。
【0080】
また、医師端末装置40にインストールされている医療支援ソフトウェアでは、1つの疾患の診療のために、複数の医療支援コンテンツが提供されてよい。これら複数の医療支援コンテンツが集計対象コンテンツとして予め選択されていてよい。この場合、集計情報は、複数の医療支援コンテンツのうち、同一の医師組織内で利用されている医療支援コンテンツの数(種類数)であってもよい。
図7で例示した医療支援コンテンツDB23を参照すると、AAA疾患の治療のために、4つの診療支援情報(コンテンツID:M021~M024)が提供されている。集計情報は、これら4つの診療支援情報のうち、同一の医師組織内で閲覧されている診療支援情報の種類数であってよい。閲覧されている診療支援情報(例えば、レジメン)の種類数が多いということは、その医師組織内で、AAA疾患の患者に対して様々な治療法が検討されている蓋然性が高い。従って、このような医師組織への営業活動も、高い効果が期待できる。
【0081】
[集計期間]
集計情報算出部32は、予め設定された期間(集計期間)における操作履歴を参照して、集計情報を算出してもよい。例えば、集計情報算出部32は、一週間の操作履歴に基づいて集計情報を算出してよい。このような処理は繰り返し実行されてもよい。例えば、集計情報算出部32は、ある月の第1週が経過したとき、その第1週の集計履歴に基づいて集計情報を算出し、第2週が経過したときには、第2週の集計履歴に基づいて集計情報を算出してよい。また、集計情報算出部32は、一ヶ月間の操作履歴に基づいて集計情報を算出してよい。集計情報算出部32は、このような処理も繰り返し実行してもよい。こうすることによって、営業者端末装置50は、各医師組織の状況をタイムリーに把握できるようになる。
【0082】
[集計定義データベース]
集計定義データベース(DB)25には、集計情報算出部32による集計処理を定義する情報が格納されている。
図9A~
図9Fは、集計定義DB25に格納されている情報の例を説明するための図である。
【0083】
図9Aに示すように、集計定義DB25は、その項目として、集計処理を識別する識別情報(集計処理ID)と、集計対象操作を含んでよい。集計対象操作は、集計情報算出部32が操作履歴DB24(
図8参照)を参照して集計する操作である。集計対象操作は、上述した集計対象コンテンツと、それについての操作内容とで定義されてよい。例えば、
図9Aで示されるように、集計対象操作は、診療支援情報(
図9Aにおいて、「コンテンツID:M021」の診療支援情報)の閲覧操作であってよい。この場合、「コンテンツID:M021」が集計対象コンテンツであり、閲覧操作が集計される操作である。
【0084】
また、集計定義DB25は、その項目として、集計対象数を含んでもよい。集計対象数は、集計情報算出部32が集計する数である。集計対象数は、例えば、診療支援情報(
図9Aにおいて、コンテンツID:M021の診療支援情報)を閲覧した医師数であってよい。集計対象数は、合計閲覧時間や、合計閲覧回数であってもよい。このように定義される集計処理の結果を利用することによって、営業者端末装置50のユーザによる営業活動をより効率化できる。
【0085】
また、
図9Aに示すように、集計定義DB25は、その項目として、関連薬剤IDを含んでもよい。関連薬剤IDは、営業者端末装置50のユーザ(営業者)の医療商品である薬剤を特定するIDであってよい。集計対象コンテンツ(
図9Aにおいて「コンテンツID:M021」)は、この関連薬剤IDで特定される薬剤が適用可能な疾患の治療において利用されるコンテンツである。なお、集計定義DB25は、その項目として、関連薬剤IDに代えて、或いは、関連薬剤IDに加えて、営業者端末装置50のユーザを識別する識別情報を含んでもよい。
【0086】
図9Aで示すように、集計定義DB25は、その項目として、集計期間を含んでもよい。集計情報算出部32は、ここで規定されている期間内の操作履歴を参照し、集計情報の算出処理を実行してよい。
【0087】
[複数の診療支援情報の閲覧操作の履歴を集計する例]
集計対象操作は、予め選択された複数の診療支援情報(集計対象コンテンツ)のうち、いずれかの支援情報を閲覧することであってもよい。例えば、
図9Bで示されるように、集計対象操作は、「コンテンツID:M022、M023」の診療支援情報のうち、いずれかの支援情報を閲覧することであってよい。集計対象コンテンツとして選択されている複数の診療支援情報は、共通の疾患の診療において利用可能な支援情報であってよい。
【0088】
この場合、集計対象数は、例えば、同一の医師組織に所属している複数の医師による合計閲覧回数や合計閲覧時間であってよい。また、集計対象数は、同一の医師組織に所属している医師のうち、少なくとも1つの診療支援情報を閲覧した医師数であってよい。
【0089】
このように定義される集計処理の結果を利用することによって、営業者端末装置50のユーザによる営業活動をより効率化できる。例えば、「コンテンツID:M022、M023、及びM024」の3つの診療支援情報(治療マニュアル)において、薬剤X1、X2、X3がそれぞれ使用されている場合を想定する。この場合、2つの診療支援情報(「コンテンツID:M022、M023」)が多く閲覧されている医師組織においては、3つ目の診療支援情報(コンテンツID:M024)において使用される薬剤X3についてのニーズも高いと推察される。営業者端末装置50のユーザは、この医師組織に対して薬剤X3についての営業活動を行うことで、営業活動を効率化できる。
【0090】
なお、ここでの説明とは異なり、集計対象操作は、予め選択された複数の診療支援情報(集計対象コンテンツ)の全ての閲覧であってもよい。例えば、複数の診療支援情報の全てを閲覧した医師数が計数されてもよい。
【0091】
集計対象数は、予め選択された複数の診療支援情報(集計対象コンテンツ)のうち、同一の医師組織内で閲覧された診療支援情報の種類数であってもよい。例えば、
図9Cで示すように、集計対象操作は、「コンテンツID:M022~M024」の3つの診療支援情報のうち、いずれかを閲覧することであってよい。そして、集計対象数は、これら3つの診療支援情報のうち、同一の医師組織内で閲覧された診療支援情報の種類数(0、1、2、又は3)であってよい。
【0092】
図7を参照しながら説明したように、医療支援コンテンツには適用優先度が付されている。
図7で例示した医療支援コンテンツDB23では、「コンテンツID:M021」の診療支援情報に「適用優先度:1」が付されている一方で、「コンテンツID:M022~M024」の診療支援情報に「適用優先度:2」が付されている。
図9Cで示すように、集計対象コンテンツは、「適用優先度:1」が付された診療支援情報と、「適用優先度:2」が付された診療支援情報であってよい。そして、集計対象数は、同一の医師組織内で閲覧された診療支援情報の種類数であってよい。
【0093】
集計対象操作をこのように設定することによって、営業者端末装置50のユーザによる営業活動をより効率的できる。例えば、「コンテンツID:M021~M024」の4つの診療支援情報(治療マニュアル)において、薬剤X1~X4がそれぞれ使用されている場合を想定する。この場合、例えば、これら4つの診療支援情報のうち3つの診療支援情報を閲覧している医師組織においては、4つ目の診療支援情報において使用される薬剤についてのニーズもあると推察される。営業者端末装置50のユーザは、この医師組織に対して営業活動を行うことで、営業活動を効率化できる。
【0094】
[検索操作の履歴を集計する例]
集計対象操作は、予め選択された診療支援情報(集計対象コンテンツ)に対応付けられた関連キーワードによる検索操作であってもよい。例えば、
図9Dで示すように、集計対象操作は、「コンテンツID:M021」の診療支援情報に対応づけられた関連キーワード(GHI薬又はJKL薬、
図7参照)による検索操作であってもよい。この場合、集計対象数は、例えば、同一の医師組織に所属している複数の医師のうち、検索した医師数であってよい。また、集計対象数は、同一の医師組織に所属している複数の医師による合計検索回数であってもよい。
【0095】
[計算ツールの使用を集計する例]
医療支援コンテンツは、診療支援情報に加えて、医療計算ツールを含んでいる。集計対象操作は、予め選択された診療支援情報の閲覧と、予め選択された医療計算ツールの使用とであってもよい。例えば、
図9Eで示されるように、集計対象操作は、「コンテンツID:M021」の診療支援情報の閲覧と、「コンテンツID:C011」の医療計算ツールの使用であってもよい。この場合、集計対象数は、同一の医師組織に所属している医師のうち、この2つの操作を実行した医師数であってよい。
【0096】
図9Eで示す例とは異なり、集計対象操作は、予め選択された診療支援情報の閲覧と、予め選択された医療計算ツールの使用の少なくとも一方を実行することであってもよい。この場合、集計対象数は、例えば、この2つの操作のいずれかを実行した医師数であってよい。
【0097】
更に他の例として、集計対象操作が予め選択された医療計算ツールの使用であり、集計対象数が、予め設定された計算結果が出力された回数や、予め設定された計算結果を出力した医師数であってもよい。例えば、
図9Fで示されるように、集計対象操作は、「コンテンツID:C011」の医療計算ツールの使用であり、集計対象数は、同一の医師組織内で「計算結果:重症」が算出された回数であってよい。このような集計対象数が多い場合、この医療計算ツールが適用可能な疾患の患者を、その医師組織が抱えている可能性が高いと捉えることができる。従って、このような医師組織への営業活動は、高い効果が期待できる。
【0098】
なお、集計定義DB25で定義される集計対象操作は、集計対象コンテンツとして選択された診療支援コンテンツのブックマークリストへの登録操作であってもよい。その集計対象数は、同一の医師組織内でその登録操作を行った医師数であってもよい。
【0099】
[複数の集計処理の結果を統合する例]
集計情報算出部32は、複数の集計処理を実行し、それらの集計結果を統合して得られた値を集計情報として算出してもよい。
図10は、支援装置10が出力する情報を説明するための図である。
図10に示すように、例えば、集計情報算出部32は、第1の集計処理によって得られた集計結果に基づいて第1スコアを算出し、第2の集計処理によって得られた集計結果に基づいて第2スコアを算出してよい。そして、集計情報算出部32は、この第1スコアと第2スコアとに基づいて得られた統合スコアを、集計情報として算出してよい。
【0100】
第1の集計処理は、例えば、
図9A~
図9Fで例示される集計処理の1つであり、第2の集計処理も、例えば、
図9A~
図9Fで例示される、別の集計処理であってよい。例えば、第1の集計処理は、
図9Cの集計定義DB25で示す集計処理(閲覧された診療支援情報の種類数の算出)であってよく、第2の集計処理は、例えば、
図9Dで示す集計処理(関連キーワードでの検索回数の算出)であってよい。
【0101】
集計情報算出部32は、第1の集計処理の集計結果に係数(
図10の例において「係数:20」)を乗じ、その結果を第1スコアとしてよい。また、集計情報算出部32は、第2の集計処理の集計結果に係数(
図10の例において「係数:5」)を乗じ、その結果を第2スコアとしてよい。そして、集計情報算出部32は、この第1スコアと第2スコアとに基づいて得られた統合スコア(例えば、第1スコアと第2スコアの和)を、集計情報として算出してよい。
【0102】
[医師組織分類部]
医師組織分類部33は、複数の医師組織について算出された集計情報に基づいて、各医師組織を予め設定された複数の区分のいずれかに分類する。複数の区分は、例えば、営業活動の対象の優先度を示すための区分であってよい。例えば、第1の区分は最も優先度が高い区分であり、第2の区分は2番目に優先度が高い分であり、第3の区分は3番目に優先度が高い分である。言い換えれば、医師組織分類部33は、集計情報に応じた評価レベルを各医師組織に付与する。予め設定された区分の数(予め設定されたレベルの数)は、3つに限られず、2つでもよいし、4つ以上であってもよい。
【0103】
医師組織分類部33は、予め設定した基準に従って、複数の区分のいずれかに各医師組織を分類してよい。予め設定された基準は、例えば、集計情報についての閾値であってよい。医師組織分類部33は、1又は複数の閾値と、集計情報で示される値とを比較し、その結果に基づいて、各医師組織をいずれかの区分に分類してよい。医師組織分類部33は、例えば、集計情報で示される値が大きくなるほど、優先度の高い区分に医師組織を分類してよい。
【0104】
ここで「集計情報で示される値」とは、集計情報算出部32が算出する医師数や、合計利用時間、合計利用回数などである。また、「集計情報で示される値」は、集計対象コンテンツとして予め選択された複数の医療支援コンテンツ(例えば、診療支援情報)のうち、1つの医師組織内で閲覧・利用されているコンテンツの種類数(診療支援情報の種類数)であってもよい。
【0105】
また、「集計情報で示される値」は、
図10を参照しながら説明した統合スコアであってもよい。
図10の例では、ABC病院の統合スコアが相対的に高いため、同病院は第1の区分(
図10において「A」)に分類されている。また、DEF病院とGHI病院は第2の区分(
図10において「B」)に分類されている。
【0106】
[分類結果送信部]
分類結果送信部34は、医師組織分類部33の処理の結果を、営業者端末装置50に送信する。この送信は、定期的に実行されてもよいし、営業者端末装置50からの要求に応じて実行されてよい。医師組織分類部33の処理の結果は、営業者端末装置50の表示部54に表示されてよい。このように、営業者端末装置50の表示部54に分類結果を表示することによって、営業者端末装置50のユーザが、優先度の高い医師組織を容易に把握できるようになる。また、集計情報ではなく分類結果を表示部54に表示するので、過度に細かい情報を営業者端末装置50のユーザに提示することを回避できる。
【0107】
[医師端末装置の機能]
図4で示すように、医師端末装置40は、その機能として、操作履歴送信部41aを有している。この機能は、例えば、記憶部42に格納されるプログラムが制御部41によって実行され、通信部43などを制御することにより実現される。
【0108】
操作履歴送信部41aは、例えば、医師端末装置40と支援装置10とが接続しているときには、医師端末装置40に対して操作がなされる度に、その操作の内容を示す情報を操作履歴として支援装置10に送信する。また、操作履歴送信部41aは、所定の時間間隔(例えば、数秒間隔)で操作履歴を支援装置10に送信してもよい。上述したように、支援装置10において受信された操作履歴に基づいて、操作履歴DB24が更新される。
【0109】
医師端末装置40と支援装置10とが接続していない状態で、医療支援コンテンツに係る操作がなされたとき、操作履歴は医師端末装置40の記憶部42に蓄積されてよい。そして、次に医師端末装置40が支援装置10に接続したときに、操作履歴送信部41aは、記憶部42に蓄積されていた操作履歴を支援装置10に送信してもよい。これにより、医師端末装置40と支援装置10とが接続していない状態(いわゆるオフライン時)においてなされた操作内容を、支援装置10は把握できる。
【0110】
[営業者端末装置の機能]
図4で示すように、営業者端末装置50は、その機能として、集計定義受付部51aを有している。この機能は、例えば、記憶部52に格納されるプログラムが制御部51によって実行され、通信部53などを制御することにより実現される。
【0111】
集計定義受付部51aは、入力部55を通して、
図9A~
図9Fにおいて例示した集計処理を定義するための情報を受け付ける。そして、営業者端末装置50は、その情報を支援装置10に送信する。集計定義受付部51aは、例えば、集計対象操作や、集計対象数、集計期間などの情報を受け付ける。また、集計定義受付部51aは、関連薬剤を特定する情報(例えば、薬剤名)を受け付けてもよい。
【0112】
なお、営業者端末装置50は、このような集計定義受付部51aを有していなくてもよい。この場合、集計定義DB25は、支援装置10の管理者によって入力部15に入力される情報に基づいて生成されてもよい。
【0113】
[支援システムの動作フロー]
図11は、支援システムSの動作例を示すシーケンス図である。
【0114】
営業者端末装置50(集計定義受付部51a)は、集計対象操作や集計対象数(
図9A~
図9E参照)など、集計処理を定義するための情報を受け付けて、支援装置10に送信する(S101)。支援装置10は、受信した情報に基づいて集計定義DB25を更新する(S102)。
【0115】
また、支援装置10は、診療支援情報や、医療計算ツール、医療記事などを含む医療支援コンテンツを医師端末装置40に送信する(S103)。この送信は、上述した医療支援ソフトウェアの医師端末装置40へのインストール時に実行されてもよいし、医療支援ソフトウェアのバージョンアップ時に実行されてもよいし、医師端末装置40のWebブラウザが支援装置10にアクセスしたときに実行されてもよい。
【0116】
医師が医療支援コンテンツに係る操作(例えば閲覧)を行うと(S104)、医師端末装置40(操作履歴送信部41a)は、そのことを示す情報を操作履歴として支援装置10に送信する(S105)。操作履歴を受信した支援装置10(操作履歴受信部31)は、受信した操作履歴に基づいて操作履歴DB24を更新する(S106)。上述したように、S105の操作履歴の送信は、所定の時間間隔で実行されてもよいし、医師が医療支援コンテンツに係る操作を行う度に実行されてもよい。
【0117】
支援装置10(集計情報算出部32)は、操作履歴DB24に蓄積されている操作履歴を参照して、集計定義DB25において規定されている集計処理を実行し、その結果に基づいて各医師組織を複数の区分のいずれかに分類する(S107)。支援装置10は、複数の医師組織のそれぞれについて、集計処理を実行する。支援装置10は、予め設定された周期(例えば、毎週又は毎月)で、集計処理を繰り返し実行してもよい。また、支援装置10は、営業者端末装置50から集計指令を受信したときに、集計処理を実行してもよい。そして、支援装置10(分類結果送信部34)は、その分類の結果を営業者端末装置50に送信する(S108)。営業者端末装置50は、その分類の結果を表示部54に表示する(S109)。
【0118】
なお、
図11で示す例とは異なり、支援装置10は、分類の結果に加えて、或いは分類の結果に代えて、集計処理の結果(集計情報)を営業者端末装置50に送信してもよい。
【0119】
また、支援装置10は、過去の分類の結果(各医師組織の区分)を記憶部12に格納してもよい。そして、支援装置10は、直近の分類結果に加えて、過去の分類結果も営業者端末装置50に送信してもよい。営業者端末装置50は、分類結果の時間的な変化を表示部54に表示してもよい。これによれば、営業者端末装置50のユーザは、営業活動における各医師組織の優先度の変化を把握できる。
【0120】
支援装置10は、過去の集計処理の結果(集計情報)を記憶部12に格納してもよい。支援装置10は、直近の集計結果に加えて、過去の集計結果も営業者端末装置50に送信してもよい。営業者端末装置50は、各医師組織について、集計結果の時間的な変化を表示部54に表示してもよい。
【0121】
営業者端末装置50は、営業者による各医師組織への営業活動の履歴を記憶部52に記録していてもよい。そして、営業者端末装置50は、その営業活動の履歴に基づいて、各医師組織の分類結果の表示を調整してもよい。例えば、予め定めた期間(例えば、1週間)以内に営業活動がなされた医師組織の分類結果は、表示部54に表示されなくてもよい。
【0122】
[集計・分類処理の流れ]
図12は、集計情報算出部32と医師組織分類部33とが実行する処理の例を示すフロー図である。
図12で例示する処理は、
図11で示すS107の処理に対応する。
図12で示す処理は、毎週や毎月など所定の周期で繰り返し実行されたり、或いは、営業者端末装置50からの指令に従って開始してもよい。
【0123】
集計情報算出部32は、集計対象とする医師組織を選択する(S201)。例えば、集計情報算出部32は、医師組織DB22(
図6参照)に格納されている複数の医師組織から、未だ集計処理を実行していない医師組織を選択する。これとは異なり、集計情報算出部32は、営業者端末装置50からの指令に従って、集計対象とする医師組織を選択してもよい。
【0124】
また、集計情報算出部32は、集計期間を取得する(S202)。集計期間は、例えば、集計定義DB25(
図9A~
図9F)において規定されるため、集計情報算出部32は、集計定義DB25を参照して集計期間を取得してよい。これとは異なり、集計情報算出部32は、営業者端末装置50からの指令に従って、集計期間を取得してもよい。
【0125】
集計情報算出部32は、操作履歴DB24(
図8参照)を参照し、S201において選択された医師組織に所属している医師の、集計期間中の操作履歴を取得する(S203)。そして、支援装置10(集計情報算出部32及び医師組織分類部33)は、集計定義DB25(
図9A~
図9F)で規定された集計処理を実行し、その結果(集計情報)に基づいて医師組織を分類する(S204)。
【0126】
そして、支援装置10は、未だ集計処理を実行していない医師組織が残っているか否かを判定する(S205)。例えば、支援装置10は、医師組織DB22(
図6参照)に格納されている複数の医師組織のなかに、未だ集計処理を実行していない医師組織が残っているか否かを判定する。そのような医師組織が残っている場合(S205において「yes」)、支援装置10はS201に戻り、以降の処理を実行する。
【0127】
一方、そのような医師組織が残っていない場合(S205において「no」)、支援装置10(分類結果送信部34)は、S204で得られた分類結果を営業者端末装置50に送信する(S206)。このとき、支援装置10は、算出処理の結果(算出情報)を営業者端末装置50に送信してもよい。そして、支援装置10は、今回の処理を終了する。
【0128】
図13Aは、
図12で示すS204の処理の例を示すフロー図である。ここでは、
図9Aで説明したように、集計対象操作が、集計対象コンテンツとして予め選択された診療支援情報の閲覧であり、集計対象数が医師数である場合を例にして説明する。
【0129】
集計情報算出部32は、カウント数(i)を初期化する(S301)。集計情報算出部32は、
図12のS201において選択された医師組織に所属している医師から、操作履歴の参照対象とする医師を選択する(S302)。集計情報算出部32は、例えば、医師DB21(
図5参照)において格納されている各医師の所属組織情報を参照し、S201において選択された医師組織に所属している医師を選択する。ここで選択される医師の操作履歴が、この後の処理で参照され、集計処理に供される。
【0130】
このとき、集計情報算出部32は、各医師の所属組織情報以外の属性情報(
図5参照)を参照して、医師を選択してもよい。例えば、医師歴の少ない医師(医師歴が所定値以下の医師)は、選択の対象から除いてもよい。こうすることで、医師歴の少ない医師の操作履歴が、集計情報や医師組織の分類に反映されることを回避できる。これとは反対に、S302では、医師歴が多い医師(医師歴が所定値以上の医師)だけが、選択されてもよい。
【0131】
集計情報算出部32は、選択した医師の操作履歴を参照し、集計対象操作がなされているか否かを判定する(S303)。例えば、集計情報算出部32は、集計対象コンテンツとして選択されている診療支援情報(例えば、レジメン)が閲覧されているか否かを判定する。集計対象コンテンツとしては、複数の診療支援情報が選択されていてもよい。この場合、S303において、集計情報算出部32は、これら複数の診療支援情報のいずれかが閲覧されているか否かを判定してもよい。
【0132】
また、集計対象操作は医療計算ツールの使用であったり、集計対象コンテンツの関連キーワードでの検索であってもよい。この場合、集計情報算出部32は、S303において、その医療計算ツールが使用されているか否かや、その関連キーワードでの検索がなされているか否かを判定してもよい。
【0133】
集計対象操作がなされていると認められる場合(S303において「yes」)、集計情報算出部32は、カウント数(i)をインクリメント(i←i+1)する(S304)。そして、集計情報算出部32は、S201(
図12参照)において選択された医師組織に所属している医師のなかに、操作履歴が未だ参照されていない医師がいるかを判定する(S305)。そのような医師がいる場合(S305において「yes」)、集計情報算出部32は、S302に戻り、以降の処理を実行する。一方、そのような医師が残っていない場合(S305において「no」)、カウント数(i)は、選択された医師組織についての集計結果(集計情報)である。従って、医師組織分類部33は、このカウント数(i)に基づいて、この医師組織を、予め定められた基準で複数の区分のいずれかに分類する(S306)。S303において、集計対象操作がなされていない場合(S303において「no」)、集計情報算出部32は、カウント数(i)を維持したまま、S305の判定を実行する。
【0134】
支援装置10は、S306の実行後、
図12の処理に戻り、S205以降の処理を実行する。このような処理の結果、
図13Bで示すように、複数の医師組織について集計結果(診療支援情報を閲覧した医師数)と、各医師組織の区分とが算出される。そして、この分類結果が営業者端末装置50に送信される。
【0135】
図14は、
図12で示すS204の処理の別の例を示すフロー図である。ここでは、
図9Cで説明したように、集計対象操作が、予め集計対象コンテンツとして選択された複数の診療支援情報(例えば、治療マニュアル)の閲覧であり、集計対象数が、閲覧されている診療支援情報の種類数である場合を例にして説明する。
【0136】
図14にあるS401とS402の処理は、
図13Aで示したS301とS302の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0137】
集計情報算出部32は、集計対象コンテンツとして選択されている複数の診療支援情報(例えば、治療マニュアル)のいずれかが閲覧されているか否かを判定する(S403)。いずれかの診療支援情報が閲覧されている場合(S403において「yes」)、その診療支援情報が、同じ医師組織内の他の医師によって閲覧されている診療支援情報であるか否かを、集計情報算出部32は判定する(S404)。これにより、診療支援情報の種類数を重複してカウントすることを避けることができる。
【0138】
S403において閲覧されている診療支援情報が他の医師により閲覧されたものでない場合(S404において「no」)、集計情報算出部32は、カウント数(i)をインクリメント(i←i+1)する(S405)。そして、集計情報算出部32は、S201(
図12参照)において選択された医師組織に所属している医師のなかで、操作履歴が未だ参照されていない医師がいるかを判定する(S406)。そのような医師がいる場合(S406において「yes」)、集計情報算出部32は、S402に戻り、以降の処理を実行する。
【0139】
一方、そのような医師が残っていない場合(S406において「no」)、カウント数(i)は、選択された医師組織についての集計結果(すなわち、閲覧されている診療支援情報の種類数)である。従って、医師組織分類部33は、このカウント数(i)に基づいて、この医師組織を、複数の区分のいずれかに分類する(S407)。
【0140】
また、S403において、診療支援情報が閲覧されていない場合(S403において「no」)、及びS404において、その診療支援情報が他の医師により閲覧されている場合(S404において「yes」)、集計情報算出部32は、カウント数(i)を維持したまま、S406の判定を実行する。支援装置10は、S407の実行後、
図12の処理に戻り、S205以降の処理を実行する。
【0141】
なお、
図14の処理において、集計情報算出部32は、集計対象コンテンツである複数の診療支援情報に対応付けられている関連キーワードが検索されているか否かを判定してもよい。そして、集計情報算出部32は、そのような検索の回数をカウントし、その結果も医師組織の分類に利用してもよい。
【0142】
図15は、
図12で示すS204の処理の更に別の例を示すフロー図である。ここでは、
図9Bで説明したように、集計対象操作が、集計対象コンテンツとして予め選択された診療支援情報の閲覧であり、集計対象数が、その合計閲覧時間である場合を例にして説明する。
【0143】
集計情報算出部32は、合計閲覧時間(T)を初期化する(S501)。集計情報算出部32は、
図12のS201において選択された医師組織に所属している医師から、操作履歴の参照対象とする医師を選択する(S502)。集計情報算出部32は、S201において選択された医師組織に所属している医師のなかで、未だ選択していない医師を選択する。
【0144】
集計情報算出部32は、選択した医師の操作履歴を参照し、集計対象コンテンツとして選択されている診療支援情報の閲覧時間(t)を計数する(S503)。集計対象コンテンツとして複数の診療支援情報が選択されていてもよい。この場合、集計情報算出部32は、S503において、複数の診療支援情報の閲覧時間を合計した値を、閲覧時間(t)として計数してもよい。
【0145】
集計情報算出部32は、閲覧時間(t)に基づいて合計閲覧時間(T)を更新する(S504)。例えば、集計情報算出部32は、閲覧時間(t)を合計閲覧時間(T)に加算し、これを新たな合計閲覧時間とする(T←T+t)。そして、集計情報算出部32は、S201(
図12参照)において選択された医師組織に所属している医師のなかで、操作履歴が未だ参照されていない医師がいるかを判定する(S505)。ここでそのような医師が残っている場合(S505において「yes」)、集計情報算出部32は、S502に戻り、以降の処理を実行する。一方、そのような医師が残っていない場合(S505において「no」)、合計閲覧時間(T)は、選択された医師組織についての集計結果(集計情報)である。従って、医師組織分類部33は、合計閲覧時間(T)に基づいて、この医師組織を複数の区分のいずれかに分類する(S506)。支援装置10は、S506の実行後、
図12の処理に戻り、S205以降の処理を実行する。
【0146】
なお、集計対象数は合計閲覧回数であってもよい。この場合も、
図15で示す処理と同じ処理によって、合計閲覧回数を算出し、医師組織を複数の区分のいずれかに分類できる。
【0147】
図16は、
図12で示すS204の処理の更に別の例を示すフロー図である。ここでは、
図9A~
図9Fを参照しながら説明した複数の集計処理が実行され、各処理の結果を統合して集計情報を算出する場合を例にして説明する。
図16で例示する処理によって、
図10で例示した、各医師組織の評価結果が得られる。
【0148】
集計情報算出部32は、第1の集計処理を実行する(S601)。第1の集計処理は、集計定義DB25で定義される複数の集計処理のうちの1つ又は複数であってよい。例えば、第1の集計処理は、
図13~
図15で説明した集計処理のいずれかであってよい。集計情報算出部32は、第1の集計処理の結果に基づいて第1スコアを算出する(S602)。第1の集計処理の結果は、医師数や、合計閲覧時間、関連キーワードの検索回数などであってよい。また、第1の集計処理の結果は、集計対象コンテンツとして予め選択された複数の診療支援情報のうち、同一の医師組織内で閲覧された診療支援情報の種類数であってよい。第1スコアは、第1の集計処理の結果に第1係数を乗じて得られる値であってよい。
【0149】
集計情報算出部32は、第2の集計処理を実行する(S603)。第2の集計処理は、集計定義DB25で定義される、第1の集計処理とは別の集計処理であってよい。集計情報算出部32は、第2の集計処理の結果に基づいて第2スコアを算出する(S604)。第2の集計処理の結果も、医師数や、合計閲覧時間、合計閲覧回数、関連キーワードの検索回数などであってよい。また、第2の集計処理の結果は、集計対象コンテンツとして予め選択された複数の診療支援情報のうち、同一の医師組織内で閲覧された診療支援情報の種類数であってよい。第2スコアは、第2の集計処理の結果に第2係数を乗じて得られる値であってよい。
【0150】
集計情報算出部32は、第1スコアと第2スコアとに基づいて、統合スコアを算出する(S605)。統合スコアは、例えば、第1スコアと第2スコアの合計であってよい。統合スコアは、選択された医師組織についての集計情報であり、医師組織分類部33は、統合スコアに基づいて、この医師組織を複数の区分のいずれかに分類する(S606)。支援装置10は、S606の実行後、
図12の処理に戻り、S205以降の処理を実行する。
【0151】
なお、
図16の例において、集計情報算出部32は、2つの集計処理の結果を統合し、その結果(統合スコア)を集計情報として算出している。しかしながら、集計情報算出部32は、3以上の集計処理の結果を統合してもよい。例えば、集計情報算出部32は、第3の集計処理の結果に基づく第3スコアと、上述した第1スコア及び第2スコアとを統合してもよい。
【0152】
なお、医師組織分類部33の処理は、上述した例に限られない。例えば、集計情報算出部32が複数の集計処理を実行する場合、医師組織分類部33は、複数の集計処理によってそれぞれ得られた複数の集計結果が予め定めた条件を充足するか否かによって、各医師組織を分類してもよい。例えば、第1の集計処理の結果が予め定めた条件を充足する場合、医師組織分類部33は、この医師組織を第1の区分に分類し、第2の集計処理の結果が予め定めた条件を充足する場合、医師組織分類部33は、この医師組織を第2の区分に分類してよい。
【0153】
図17は、集計情報算出部32と医師組織分類部33による、このような処理の例を示すフロー図である。
図17で例示する処理は、
図11で示すS107の処理に対応する。
図17で示す処理は、毎週や毎月など所定の周期で繰り返し実行されたり、或いは、営業者端末装置50からの指令に従って実行されてもよい。なお、
図17で示す処理にあるS701~S703は、
図12で示す処理にあるS201~S203とそれぞれ同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0154】
集計情報算出部32は、S701において選択されている医師組織について、第1の集計処理を実行する(S704)。第1の集計処理は、集計定義DB25(
図9A~
図9F)で定義される複数の集計処理のうちの1つ又は複数であってよい。例えば、第1の集計処理は、
図13~
図15で説明した集計処理のいずれかであってよい。第1の集計処理の結果は、医師数や、合計閲覧時間、関連キーワードの検索回数などであってよい。また、第1の集計処理の結果は、集計対象コンテンツとして予め選択された複数の診療支援情報のうち、同一の医師組織内で閲覧された診療支援情報の種類数であってよい。
【0155】
医師組織分類部33は、第1の集計処理の結果(第1集計情報)が第1条件を充足するかを判定する(S705)。例えば、医師組織分類部33は、第1の集計処理の結果が第1閾値より大きいかを判定する。第1の集計処理が複数の集計処理で構成される場合、複数の集計処理の結果が複数の閾値よりそれぞれ大きいかを判定してもよい。例えば、医師組織分類部33は、同一の医師組織内で閲覧された診療支援情報の種類数が閾値以上であり、且つ関連キーワードの検索回数が閾値より大きいかを判定してもよい。ここで、第1の集計処理の結果が第1条件を充足する場合(S705において「yes」)、医師組織分類部33は、選択されている医師組織を第1の区分に分類する(S706)。
【0156】
一方、第1の集計処理の結果が第1条件を充足しない場合(S705において「no」)、集計情報算出部32は、S701において選択されている医師組織について、第2の集計処理を実行する(S707)。第2の集計処理は、例えば、集計定義DB25(
図9A~
図9F)で定義される、第1の集計処理とは別の集計処理であってもよいし、同じ処理であってもよい。医師組織分類部33は、第2の集計処理の結果(第2集計情報)が第2条件を充足するかを判定する(S708)。例えば、医師組織分類部33は、第2の集計処理の結果が第2閾値以上であるか否かを判定する。第2の集計処理が複数の集計処理で構成される場合、複数の集計処理の結果が複数の閾値よりそれぞれ大きいかを判定してもよい。ここで、第2の集計処理の結果が第2条件を充足する場合(S708において「yes」)、医師組織分類部33は、選択されている医師組織を第2の区分に分類する(S709)。
【0157】
一方、第2の集計処理の結果が第2条件を充足しない場合(S708において「no」)、集計情報算出部32は、選択されている医師組織を第3の区分に分類する(S710)。また、選択されている医師組織が、S706、S709、又はS710において、いずれかの区分に分類された場合、支援装置10は、未だ集計処理を実行していない医師組織が残っているか否かを判定する(S711)。例えば、支援装置10は、医師組織DB22(
図6参照)に格納されている複数の医師組織のなかに、未だ集計処理を実行していない医師組織が残っているか否かを判定する。ここで、そのような医師組織が残っている場合、支援装置10はS701に戻り、以降の処理を実行する。一方、そのような医師組織が残っていない場合(S711において「no」)、支援装置10(分類結果送信部34)は、S706、S709、又はS710で得られた分類結果を営業者端末装置50に送信し、今回の処理を終了する。
【0158】
[まとめ]
以上説明したように、本開示で提案する営業活動支援装置10は、複数の医師が使用している複数の医師端末装置40のそれぞれから、各医師による複数の医療支援コンテンツの利用に係る操作履歴を受信する操作履歴受信部31と、複数の医師のうち第1医師組織A1に所属している複数の医師を記憶している医師DB21と、第1医師組織A1に所属する医師の操作履歴に基づいて、第1医師組織A1の医師によってなされた、予め選択された医療支援コンテンツに係る操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する集計情報算出部32とを有している。
【0159】
この営業活動支援装置10から得られる集計情報を利用すると、予め選択された医療支援コンテンツが関係している医療商品に対してニーズのある医師組織を把握できるので、この医療商品の営業活動を効率化できる。
【0160】
[その他]
なお、本開示で提案する営業活動支援装置は、上述した支援装置10に限られず、種々の変更がなされてよい。
【0161】
例えば、支援装置10は、医師組織DB22を有し、ここに記録されている複数の医師組織のそれぞれについて集計処理を実行していた。しかしながら、支援装置10は、このような医師組織DB22を有することなく、予め選択された1つの医師組織についてだけ、集計処理を実行してもよい。そして、その集計処理が、所定の周期(例えば、毎週、又は毎月)で繰り返し実行されたり、或いは、営業者端末装置50からの指令に応じて繰り返し実行されてもよい。これによれば、営業者(営業者端末装置50のユーザ)は、選択した1つの医師組織に対する営業活動に適したタイミングを把握できる。
【符号の説明】
【0162】
10:営業活動支援装置、20:データ記憶部、21:医師データベース、22:医師組織データベース、23:医療支援コンテンツデータベース、24:操作履歴データベース、25:集計定義データベース、31:操作履歴受信部、32:集計情報算出部、33:医師組織分類部、34:分類結果送信部、40:医師端末装置、50:営業者端末装置、51a:集計定義受付部。
【要約】
【課題】医療商品についての営業活動を効率化できる営業活動支援装置を提供する。
【解決手段】営業活動支援装置10は、複数の医師が使用している複数の医師端末装置40のそれぞれから、各医師による複数の医療支援コンテンツの利用に係る操作履歴を受信する操作履歴受信部31と、複数の医師のうち第1医師組織A1に所属している複数の医師を記憶している医師DB21と、第1医師組織A1に所属する医師の操作履歴に基づいて、第1医師組織A1の医師によってなされた、予め選択された医療支援コンテンツに係る操作の履歴を集計し、その結果に基づいて集計情報を算出する集計情報算出部32とを有している。
【選択図】
図12