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特許7566265二者間のコミュニケーションにおいて個々人への関わり方を改善するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】二者間のコミュニケーションにおいて個々人への関わり方を改善するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20241007BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023218147
(22)【出願日】2023-12-25
(62)【分割の表示】P 2020204986の分割
【原出願日】2020-04-03
(65)【公開番号】P2024023861
(43)【公開日】2024-02-21
【審査請求日】2024-01-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518210395
【氏名又は名称】株式会社KAKEAI
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】本田 英貴
(72)【発明者】
【氏名】皆川 恵美
(72)【発明者】
【氏名】子安 輝
(72)【発明者】
【氏名】小西 正太
(72)【発明者】
【氏名】王 貝藝
(72)【発明者】
【氏名】立野 夏樹
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-163454(JP,A)
【文献】特開2004-318865(JP,A)
【文献】特開2019-215736(JP,A)
【文献】特開2010-086223(JP,A)
【文献】特開2005-115756(JP,A)
【文献】特開2006-190162(JP,A)
【文献】特開2017-220077(JP,A)
【文献】特開2014-010499(JP,A)
【文献】特開2006-201858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の人物と相手との間のコミュニケーションを支援するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサを備えるコンピュータにおいて実行され、前記プログラムは、
第1の画面を前記第1の人物に提示することであって、前記第1の画面は、前記第1の人物が前記コミュニケーション中に話題としたい少なくとも1つのトピックを入力するための第1の入力部を含む、ことと、
前記第1の人物が前記相手に前記コミュニケーション中に期待する行動または態度を入力するための第2の入力部を表示することと、
前記第1の入力部に前記トピックが入力され、前記第2の入力部に前記行動または態度が入力されると、前記トピックと前記第1の人物が前記相手に前記トピック下の前記コミュニケーション中に期待する行動または態度とを示す情報を前記相手への提示のために前記相手の情報端末に送信することと
前記第1の人物と前記相手との間のコミュニケーションが行われることを前記第1の人物に通知することと
を含む処理を前記プロセッサに行わせる、プログラム。
【請求項2】
前記処理は、前記第1の人物と前記相手との間のコミュニケーションの成果を蓄積することをさらに含み、前記成果は、前記トピックと前記第1の人物が前記相手に前記トピック下の前記コミュニケーション中に期待する行動または態度とを示す前記情報を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記処理は、
前記第1の入力部に前記トピックが入力され、前記第2の入力部に前記行動または態度が入力されると、
前記トピックと前記行動または態度とに基づいて、データベース部から前記コミュニケーションのためのアドバイスを導出することと、
前記アドバイスを前記相手への提示のために前記相手の情報端末に送信することと
をさらに含み、前記データベース部には、少なくとも1つのアドバイスが、トピックと、前記トピック下のコミュニケーション中に期待される行動または態度とに関連付けられて格納されている、請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
プログラムであって、前記プログラムは、プロセッサを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
第1の人物が相手と話したい少なくとも1つのトピックを示す情報を受信することであって、コミュニケーションが前記第1の人物と前記相手との間で行われる、ことと、
前記第1の人物が前記相手に前記コミュニケーション中に期待する行動または態度を示す情報を受信することと、
前記トピックと前記行動または態度とに基づく前記コミュニケーションのためのアドバイスをデータベース部から導出し、前記導出されたアドバイスを提供することと
前記第1の人物と前記相手との間のコミュニケーションが行われることを前記第1の人物に通知することと
を含む処理を前記プロセッサに行わせ、前記データベース部には、少なくとも1つのアドバイスが、トピックと、前記トピック下のコミュニケーション中に期待される行動または態度とに関連付けられて格納されている、プログラム。
【請求項5】
第1の人物と相手との間のコミュニケーションを支援するためのシステムであって、
第1の画面を前記第1の人物に提示する手段であって、前記第1の画面は、前記第1の人物が前記コミュニケーション中に話題としたい少なくとも1つのトピックを入力するための第1の入力部を含む、手段と、
前記第1の人物が前記相手に前記コミュニケーション中に期待する行動または態度を入力するための第2の入力部を表示する手段と、
前記第1の入力部に前記トピックが入力され、前記第2の入力部に前記行動または態度が入力されると、前記トピックと前記第1の人物が前記相手に前記トピック下の前記コミュニケーション中に期待する行動または態度とを示す情報を前記相手への提示のために前記相手の情報端末に送信する手段と
前記第1の人物と前記相手との間のコミュニケーションが行われることを前記第1の人物に通知する手段と
を備えるシステム。
【請求項6】
第1の人物と相手との間のコミュニケーションを支援するための方法であって、前記方法は、プロセッサを備えるコンピュータにおいて実行され、前記方法は、
前記プロセッサが、第1の画面を前記第1の人物に提示することであって、前記第1の画面は、前記第1の人物が前記コミュニケーション中に話題としたい少なくとも1つのトピックを入力するための第1の入力部を含む、ことと、
前記プロセッサが、前記第1の人物が前記相手に前記コミュニケーション中に期待する行動または態度を入力するための第2の入力部を表示することと、
前記プロセッサが、前記第1の入力部に前記トピックが入力され、前記第2の入力部に前記行動または態度が入力されると、前記トピックと前記第1の人物が前記相手に前記トピック下の前記コミュニケーション中に期待する行動または態度とを示す情報を前記相手への提示のために前記相手の情報端末に送信することと
前記プロセッサが、前記第1の人物と前記相手との間のコミュニケーションが行われることを前記第1の人物に通知することと
を含む、方法。
【請求項7】
システムであって、前記システムは、
第1の人物が相手と話したい少なくとも1つのトピックを示す情報を受信する手段であって、コミュニケーションが前記第1の人物と前記相手との間で行われる、手段と、
前記第1の人物が前記相手に前記コミュニケーション中に期待する行動または態度を示す情報を受信する手段と、
前記トピックと前記行動または態度とに基づく前記コミュニケーションのためのアドバイスをデータベース部から導出し、前記導出されたアドバイスを提供する手段と
前記第1の人物と前記相手との間のコミュニケーションが行われることを前記第1の人物に通知する手段と
を備え、前記データベース部には、少なくとも1つのアドバイスが、トピックと、前記トピック下のコミュニケーション中に期待される行動または態度とに関連付けられて格納されている、システム。
【請求項8】
方法であって、前記方法は、プロセッサを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記方法は、
前記プロセッサが、第1の人物が相手と話したい少なくとも1つのトピックを示す情報を受信することであって、コミュニケーションが前記第1の人物と前記相手との間で行われる、ことと、
前記プロセッサが、前記第1の人物が前記相手に前記コミュニケーション中に期待する行動または態度を示す情報を受信することと、
前記プロセッサが、前記トピックと前記行動または態度とに基づく前記コミュニケーションのためのアドバイスをデータベース部から導出し、前記導出されたアドバイスを提供することと
前記プロセッサが、前記第1の人物と前記相手との間のコミュニケーションが行われることを前記第1の人物に通知することと
を含み、前記データベース部には、少なくとも1つのアドバイスが、トピックと、前記トピック下のコミュニケーション中に期待される行動または態度とに関連付けられて格納されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラムに関し、具体的には、二者間(第1の人物と第2の人物との間)のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
組織において、部下と上司との面談がしばしば行われる。これは、例えば、部下の目標設定、進捗管理、および成果報告等の目的のために行われる。このような面談を支援するためのシステムが知られている(特許文献1)。
【0003】
このような面談のうち、上司と部下とが1対1で行う「1on1ミーティング」(または「1on1」)と呼ばれる面談がある。「1on1」は、部下が主導権を持って上司と対話をすることで、部下の成長を促すことを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-190162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者は、「1on1」を含め、二者間のコミュニケーションにおいて、二者のうちの一方が他方に対して適切なかかわり方ができるように促すことができれば、二者間のコミュニケーションの質が向上するはずであると考えた。
【0006】
本発明は、二者間のコミュニケーションの質を向上させるために、二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態において、二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステムは、
前記二者のうちの第1の人物が前記コミュニケーションにおいて話題としたい少なくとも1つのトピックと、前記少なくとも1つのトピック下の前記コミュニケーションにおいて前記第1の人物が前記二者のうちの第2の人物に期待する対応とを受信する受信手段と、
前記少なくとも1つのトピックと前記対応とに基づいて、前記コミュニケーションにおけるアドバイスを前記第2の人物に対して提供する提供手段と
を備える。
【0008】
本発明の一実施形態において、二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステムは、
前記少なくとも1つのトピック下の前記コミュニケーションにおいて前記対応と同一の対応を期待されたときの前記第2の人物による対応に対する評価を受信する第2の受信手段
をさらに備え、前記提供手段は、前記少なくとも1つのトピックと前記対応と前記対応に対する評価とに基づいて、前記コミュニケーションにおけるアドバイスを提供するように構成されている。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記提供手段は、
前記少なくとも1つのトピックと前記対応と前記対応に対する評価とに基づいて、前記少なくとも1つのトピック下の前記コミュニケーションにおいて前記対応を期待されたときの前記第2の人物の特徴を決定することと、
前記決定された特徴に基づいて、前記アドバイスを決定することと
を行うように構成されている。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記第2の受信手段は、前記コミュニケーション後に前記第2の人物から受けた別のコミュニケーションに対する評価をさらに受信し、
前記提供手段は、前記少なくとも1つのトピックと前記対応と前記対応に対する評価と前記別のコミュニケーションに対する評価とに基づいて、前記第2の人物の特徴を決定する。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記第2の受信手段は、前記コミュニケーション全体に対する評価である全体評価をさらに受信し、
前記少なくとも1つのトピックは、複数のトピックであり、
前記提供手段は、
前記複数のトピックについて前記評価が前記全体評価に与える影響度を算出することと、
前記決定された特徴と前記影響度とに基づいて、前記アドバイスを決定することと
を行うように構成されている。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記提供手段は、前記コミュニケーションの前に、および/または、前記コミュニケーション中に、前記アドバイスを前記第2の人物に対して提供するように構成されている。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記アドバイスは、前記少なくとも1つのトピック下の前記コミュニケーションにおいて前記第2の人物が留意すべきことを含む。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記第1の人物は、組織におけるメンバーであり、前記第2の人物は、前記メンバーの上司である。
【0015】
本発明の一実施形態において、二者間のコミュニケーションを支援するための方法は、
前記二者のうちの第1の人物が前記コミュニケーションにおいて話題としたい少なくとも1つのトピックと、前記少なくとも1つのトピック下の前記コミュニケーションにおいて前記第1の人物が前記二者のうちの第2の人物に期待する対応とを受信することと、
前記少なくとも1つのトピックと前記対応とに基づいて、前記コミュニケーションにおけるアドバイスを前記第2の人物に対して提供することと
を含む。
【0016】
本発明の一実施形態において、二者間のコミュニケーションを支援するためのプログラムは、プロセッサ部を備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
前記二者のうちの第1の人物が前記コミュニケーションにおいて話題としたい少なくとも1つのトピックと、前記少なくとも1つのトピック下の前記コミュニケーションにおいて前記第1の人物が前記二者のうちの第2の人物に期待する対応とを受信することと、
前記少なくとも1つのトピックと前記対応とに基づいて、前記コミュニケーションにおけるアドバイスを前記第2の人物に対して提供することと
を含む処理を前記プロセッサ部に行わせる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラムを提供することができ、これにより、二者間のコミュニケーションの質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】1on1ミーティングのためのアジェンダ設定依頼が通知された画面10の一例を示す図
図1B】1on1ミーティングのためのアジェンダを設定するための画面20の一例を示す図
図1C】上司と部下との1on1ミーティングの最中に表示される画面30の一例を示す図
図2A】上司と部下との1on1ミーティングの最中に表示されるアドバイス画面40の一例を示す図
図2B】上司と複数の部下の各々との1on1ミーティングから得られた情報を集計して表示する画面50-1の一例を示す図
図2C】上司と複数の部下の各々との1on1ミーティングから得られた情報を集計して表示する画面50-2の一例を示す図
図3A】二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム100の構成の一例を示す図
図3B】プロセッサ部120の構成の一例を示す図
図3C】プロセッサ部120の代替実施形態であるプロセッサ部120’の構成の一例を示す図
図4A】データベース部に格納されている、二者間のコミュニケーションを支援するために提供され得るアドバイスのデータ構成の一例を示す図
図4B】データベース部に格納されている、二者間のコミュニケーションを支援するために提供され得るアドバイスのデータ構成の別の一例を示す図
図5】二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム100による処理500の一例を示すフローチャート
図6】二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム100による別の処理600の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.定義
本明細書において、「二者」とは、任意の二人の人物のことをいう。一実施形態において、「二者」とは、何らかの上下関係を有する二人の人物のことをいう。ここで、何らかの上下関係は、例えば、地位的な上下関係(例えば、上司-部下の関係、先生-生徒の関係等)であってもよいし、年齢的な上下関係(例えば、年上-年下の関係等)、経験または知識に基づく上下関係(例えば、玄人-素人の関係等)であってもよい。なお、経験または知識に基づく上下関係は、基準となる経験または知識に応じて上下関係が入れ替わり得る。例えば、A、Bの二者は、或る分野においてAがBよりも知識が豊富である場合にはAがBよりも上位となり得、別の分野においてBがAよりも知識が豊富である場合にはBがAよりも上位になり得る。
【0020】
本明細書において、「二者のうちの第1の人物」とは、任意の二人の人物のうちの一方のことをいう。一実施形態において、「二者のうちの第1の人物」とは、何らかの上下関係を有する二人の人物のうちの下位の人物のことをいう。例えば、「二者のうちの第1の人物」は、上司-部下の関係における部下、先生-生徒の関係における生徒、年上-年下の関係における年下の人物、玄人-素人の関係における素人を含む。
【0021】
本明細書において、「二者のうちの第2の人物」とは、任意の二人の人物のうちの他方のことをいう。一実施形態において、「二者のうちの第2の人物」とは、何らかの上下関係を有する二人の人物のうちの上位の人物のことをいう。例えば、「二者のうちの第2の人物」は、上司-部下の関係における上司、先生-生徒の関係における先生、年上-年下の関係における年上の人物、玄人-素人の関係における玄人を含む。
【0022】
本明細書において、「二者間のコミュニケーション」とは、二者が1対1で行うコミュニケーションのことをいう。「二者間のコミュニケーション」は、例えば、仕事におけるコミュニケーション、学校生活におけるコミュニケーション、家庭生活におけるコミュニケーション、趣味活動におけるコミュニケーション等、任意のフィールドにおけるコミュニケーションを含む。
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
2.二者間のコミュニケーションを支援するためのアプリケーション
本発明の発明者は、二者間のコミュニケーションを支援するためのアプリケーションを開発した。二者間のコミュニケーションを支援するためのアプリケーションは、二者間のコミュニケーションにおける個々人への関わり方を改善することができる。コミュニケーションを行う二者はそれぞれ、二者間のコミュニケーションを支援するためのアプリケーションを利用することにより、そのコミュニケーションの質を向上させることができる。
【0025】
以下では、二者が上司と部下との二者であり、第1の人物が部下(図1図2では、「AAAAA」と称されている)であり、第2の人物が上司(図1図2では、「課長太郎」と称されている)であり、部下と上司とが「1on1ミーティング」を行い、二者間のコミュニケーションを支援するためのアプリケーションが、1on1ミーティングを支援する場合を例に説明する。
【0026】
部下および上司は、1on1ミーティングを行うために情報端末(例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等)を使用して、1on1ミーティングを支援するためのアプリケーションを利用することができる。1on1ミーティングを支援するためのアプリケーションは、ウェブブラウザを介して利用可能なウェブアプリケーションであってもよいし、端末装置にインストールされたアプリケーションであってもよい。
【0027】
1on1ミーティングを支援するためのアプリケーションは、上司と部下との1on1ミーティングを管理する機能を有している。例えば、1on1ミーティングの日程を入力することで、その日程の前に、上司および部下は、1on1ミーティングのリマインダを受けることができる。例えば、1on1ミーティング後に1on1ミーティングでの成果を入力することで、1on1ミーティングでの成果が蓄積され、これにより、上司および部下は、過去の成果を参照することができる。
【0028】
図1A図1Cは、部下が使用する情報端末の表示部に表示される画面の一例を示す。
【0029】
図1Aは、1on1ミーティングのためのアジェンダ設定依頼が通知された画面10の一例を示す。
【0030】
画面10では、1on1ミーティング詳細表示部11の上方に、1on1ミーティングのためのアジェンダ設定依頼表示部12が表示されている。
【0031】
1on1ミーティング詳細表示部11には、次に開催される1on1ミーティングの詳細が表示されている。例えば、1on1ミーティング詳細表示部11には、次回1on1ミーティングの日時、前回の1on1ミーティングからの宿題、次回1on1ミーティングで話してみたいトピックおよび期待する対応、次回1on1ミーティング用のメモ等が表示されている。部下は、1on1ミーティング詳細表示部11を見て、次回の1on1ミーティングに備えることができる。
【0032】
アジェンダ設定依頼表示部12には、次回以降の1on1ミーティングの中で、アジェンダが未だ設定されていない1on1ミーティングについて、アジェンダを設定するよう促すアジェンダ設定依頼が通知される。アジェンダ設定依頼は、例えば、次回1on1ミーティングの日程の任意の時間前に通知される。例えば、アジェンダ設定依頼は、次回1on1ミーティングの1時間前、3時間前、6時間前、12時間前、1日前、3日前、または1週間前に通知され得る。アジェンダ設定依頼表示部12には、アジェンダが未だ設定されていない1on1ミーティングがすべて表示されるようにしてもよいし、アジェンダが未だ設定されていない1on1ミーティングのうちの一部、例えば、直近の1つ、2つ、3つ等が表示されるようにしてもよい。図1Aに示される例では、次回以降1つの1on1ミーティング(上司課長太郎さんとの1on1ミーティング)についてアジェンダを設定するよう通知されている。
【0033】
アジェンダ設定依頼表示部12は、「設定する」ボタン13を含む。「設定する」ボタンを選択すると、図1Bに示される画面20に遷移する。
【0034】
図1Bは、1on1ミーティングのためのアジェンダを設定するための画面20の一例を示す。図1Bに示される例では、画面20は、上司課長太郎さんとの1on1ミーティングでのアジェンダを設定するための画面である。
【0035】
画面20は、宿題表示部21と、トピック入力部22と、メモ欄25とを含む。
【0036】
宿題表示部21には、部下に課せられている前回からの宿題が表示される。例えば、「業務プロセスの改善案を考える」、「関係部署へのヒアリングを依頼する」という宿題が表示されている。
【0037】
トピック入力部22には、上司課長太郎さんとの1on1ミーティングで話題としたいトピック(またはテーマ)を入力することができる。なお、本明細書では、「トピック」および「テーマ」は、同義的に使用される。トピックは、例えば、図1Bに示されるように多肢選択形式で入力されるようにしてもよいし、自由形式で入力されるようにしてもよい。トピックが入力されると、そのトピックでの話についての対応入力部23が表示されるようになる。トピックは、例えば、業務に関することであってもよいし、人間関係に関することであってもよいし、部下自身に関することであってもよい。トピックは、二者間のコミュニケーションで話題となり得る任意の事項であり得る。例えば、学校生活における1on1ミーティングでは、トピックは、学業に関すること、進路に関すること、友人関係に関すること、家庭に関すること等であり得る。
【0038】
対応入力部23には、各トピックでの話について、上司課長太郎さんに期待する対応を入力することができる。期待する対応は、例えば、図1Bに示されるように多肢選択形式で入力されるようにしてもよいし、自由形式で入力されるようにしてもよい。期待する対応は、例えば、「具体的なアドバイスがほしい」、「一緒に考えてほしい」、「話を聞いてほしい」、「意見を聞きたい」、「報告したい」等であり得る。期待する対応は、例えば、具体的な行動であってもよいし、具体的な態度であってもよい。
【0039】
メモ欄25には、メモを自由に入力することができる。例えば、1on1ミーティングでの自分用のカンペを入力することができる。入力されたメモは、1on1ミーティングの最中に表示させることができるため、カンペを見ながら1on1ミーティングに取り組むこともできる。
【0040】
トピックおよび期待する対応を入力すると、アジェンダ設定が完了する。
【0041】
図1Cは、上司と部下との1on1ミーティングの最中に表示される画面30の一例を示す。
【0042】
画面30は、宿題表示部31と、トピック表示部32と、個別評価入力部35と、メモ欄36と、全体評価入力部37とを含む。
【0043】
宿題表示部31には、部下に課せられている前回からの宿題が表示される。表示される宿題は、画面20の宿題表示部21に表示されていた宿題と同一である。
【0044】
トピック表示部32には、上司課長太郎さんとの1on1ミーティングで話題としたいトピックが表示される。表示されるトピックは、画面20のトピック入力部22に入力されたトピックである。トピック表示部32に表示される各トピックには、そのトピックでの話について、上司課長太郎さんに期待する対応33、34が表示される。期待する対応33、34は、画面30の対応入力部23に入力された対応と同一である。
【0045】
図1Bに示される例では、トピックとして、「業務の進捗や進め方」、「スキルや力の向上」というトピックが選択され、「業務の進捗や進め方」のトピックの話に対して、「一緒に考えてほしい」という対応が期待され、「スキルや力の向上」のトピックの話に対して、「意見を聞きたい」という対応が期待されたので、図1Cに示される例ではそれらのトピックおよび期待する対応が表示されている。
【0046】
個別評価入力部35には、各トピックの話についての上司による対応に対する評価を入力することができる。評価は、例えば、各トピックの話について、期待する対応がなされたか否か、または期待された対応に満足するか否か等の2段階評価であってもよいし、期待する対応に満足した度合を示す多段階評価であってもよい。図1Cに示される例では、期待する対応によりスッキリしたか否かの2段階で、各トピックの話についての上司による対応が評価されている。
【0047】
メモ欄36には、メモを自由に入力することができ、あるいは、画面20のメモ欄25に入力されたメモが表示される。
【0048】
全体評価入力部37には、上司課長太郎さんとの1on1ミーティング全体の評価である全体評価を入力することができる。全体評価は、例えば、1on1ミーティングに満足したか否か等の2段階評価であってもよいし、1on1ミーティングに満足した度合を示す多段階評価であってもよい。図1Cに示される例では、1on1ミーティングが意味のある時間だったか否かの2段階で、上司課長太郎さんとの1on1ミーティングが評価されている。
【0049】
図2A図2Bは、上司が使用する情報端末の表示部に表示される画面の一例を示す。
【0050】
図2Aは、上司と部下との1on1ミーティングの最中に表示されるアドバイス画面40の一例を示す。アドバイス画面40には、1on1ミーティングにおける上司に対するアドバイスが表示される。アドバイス画面40に表示されるアドバイスは、1on1ミーティングにおいてどのようなことに留意すべきか等を示すアドバイスメッセージと、1on1ミーティングで部下がどのようなトピックを希望していて、どのような対応を期待しているかの情報とを含む。例えば、上司は、提示される情報を基にして、1on1ミーティングにおいてどのようなことに留意すべきかを自ら気づくことができ、1on1ミーティングの質を高めるよう努めることができる。
【0051】
画面40は、宿題表示部41と、トピック表示部42と、第1のチェックボックス45と、第2のチェックボックス46と、アドバイスメッセージ表示部47と、メモ欄48とを含む。
【0052】
宿題表示部41には、部下に課せられている前回からの宿題が表示される。表示される宿題は、画面20の宿題表示部21に表示されていた宿題と同一である。
【0053】
トピック表示部42には、部下が上司課長太郎さんとの1on1ミーティングで話題としたいトピックが表示される(図2Aでは、その内容が省略されている)。表示されるトピックは、画面20のトピック入力部22に部下によって入力されたトピックである。トピック表示部42に表示される各トピックには、そのトピックでの話について、部下が上司課長太郎さんに期待する対応も表示される。期待する対応は、画面30の対応入力部23に部下によって入力された対応と同一である。
【0054】
図1Bに示される例では、トピックとして、「業務の進捗や進め方」、「スキルや力の向上」というトピックが選択され、「業務の進捗や進め方」のトピックの話に対して、「一緒に考えてほしい」という対応が期待され、「スキルや力の向上」のトピックの話に対して、「意見を聞きたい」という対応が期待されたので、トピック表示部42にはそれらのトピックおよび期待する対応が表示されることになる。
【0055】
1on1ミーティングの最中に、上司は、部下が話題にしたいトピックと期待する対応を確認して1on1ミーティングに取り組むことができる。これにより、上司は、部下の希望および期待に沿うように、1on1ミーティングで部下とコミュニケーションをとることができ、これは、ひいては、質の高い二者間のコミュニケーションにつながる。
【0056】
第1のチェックボックス45には、宿題表示部41に表示されている宿題が完了したことのチェックを入力することができる。第1のチェックボックス45は、各宿題に対して表示されている。例えば、上司は、1on1ミーティングにおいて、部下に課せられている宿題が完了したと判断したときに第1のチェックボックス45にチェックを入力することができる。
【0057】
第2のチェックボックス46には、部下に後でアドバイスを送ることのフラグを立てるためのチェックを入力することができる。第2のチェックボックス46は、各宿題に対して表示されている。第2のチェックボックス46は、各トピックに対して表示されるようにしてもよい。例えば、上司は、1on1ミーティングにおいて、部下に課せられている宿題について後でアドバイスを送ろうと判断したときにチェックボックス46にチェックを入力することができる。例えば、上司は、1on1ミーティングにおいて、部下が話したいトピックについて後でアドバイスを送ろうと判断したときにチェックボックス46にチェックを入力することができる。
【0058】
アドバイスメッセージ表示部47には、上司に対するアドバイスメッセージが表示される。アドバイスメッセージは、1on1ミーティングにおいて、上司が留意すべきことを含んでいる。アドバイスメッセージは、例えば、部下が話したいトピック毎に表示されてもよい。例えば、図2Aに示される例では、「業務の進捗や進め方」のトピックでの話に対して「あなたが得意なトピックです。業務の目的や目標を確認しながら、具体的な業務のやり方や進める上での注意点をすり合わせていつも通りに対応しましょう」というアドバイスメッセージが表示されている。アドバイスメッセージは、例えば、部下が期待する対応毎に表示されてもよい。例えば、図2Aに示される例では、「一緒に考えてほしい」という対応に対して「あなたが不得意な対応です。最初に自分の考えを伝えて答えを与えるのではなく、相手の考えを聞き、どのように考えるとよいか道筋を示しましょう。その上で、相手の考えを引き出し合意点を探ると効果的です。」というアドバイスメッセージが表示されている。アドバイスメッセージは、個々の上司に対して一律のアドバイスであってもよいし、個々の上司各々の特徴に基づいて決定される個別のアドバイスであってもよい。
【0059】
1on1ミーティングの最中に、上司は、部下との1on1ミーティングで留意すべきことを確認して1on1ミーティングに取り組むことができる。これにより、上司は、とるべきコミュニケーションを意識して1on1ミーティングで部下とコミュニケーションをとることができ、これは、ひいては、質の高い二者間のコミュニケーションにつながる。
【0060】
メモ欄48には、メモを自由に入力することができる。例えば、1on1ミーティングの最中に気づいたことをメモ欄48に入力しておくことにより、気づきを漏れなく部下に伝えることができる。
【0061】
1on1ミーティングが終了した後、上司は、画面40の第1のチェックボックス45、第2のチェックボックス46、メモ欄48を確認し、部下に更なるアドバイスを送ったり、補足的にコメントしたりすることができる。
【0062】
画面20、画面30、画面40に入力された情報は、1on1ミーティングを支援するためのアプリケーションに蓄積され、後の1on1ミーティングのために利用される。後の1on1ミーティングは、部下「AAAAA」と上司「課長太郎」との1on1ミーティングであってもよいし、部下「AAAAA」と別の上司との1on1ミーティングであってもよいし、別の部下と上司「課長太郎」との1on1ミーティングであってもよいし、別の部下と別の上司との1on1ミーティングであってもよい。
【0063】
図2B図2Cは、上司と複数の部下の各々との1on1ミーティングから得られた情報を集計して表示する画面50-1、50-2の一例を示す。画面50-1、50-2は、画面50-1を下にスクロールすると画面50-2が表示されるようにしてもよいし、別個の画面として表示されるようにしてもよい。
【0064】
図2Bにおいて、画面50-1は、満足度表示部51と、満足度推移表示部52とを含む。
【0065】
満足度表示部51は、上司との1on1ミーティングに対して、複数の部下が満足している度合を示す。100%に近いほど複数の部下が満足していることを表している。
【0066】
満足度推移表示部52には、満足度表示部51に表示される満足度の経時的な推移が表示されている。図2Bに示す例では、組織全体の1on1ミーティングに対する満足度平均の経時的な推移(淡色線で示される)とともに、上司との1on1ミーティングに対する満足度の経時的な推移(濃色線で示される)が表示されている。
図2Cにおいて、画面50-2は、関心トピック表示部53と、希望対応表示部54と、得意トピック表示部55と、得意対応表示部56とを含む。
【0067】
関心トピック表示部53には、複数の部下(メンバー)の各々が関心のあるトピック(またはテーマ)が棒グラフで表示されている。これにより、上司は、各部下がどのトピックに関心を持っているかを視覚的に把握することができる。
【0068】
希望対応表示部54には、複数の部下(メンバー)の各々が求めている対応が棒グラフで表示されている。これにより、上司は、各部下がどのような対応を期待しているのかを視覚的に把握することができる。
【0069】
得意トピック表示部55には、各トピック(または各テーマ)に対する上司の得意度が棒グラフで表示されている。得意トピック表示部55は、グラフが大きいほど、上司が得意なトピックであることを示している。る。図2Cに示す例では、組織内の上司全体の平均の得意度(淡色グラフで示される)とともに、上司の得意度(濃色グラフで示される)が表示されている。これにより、上司は、自身が得意なトピックが何なのかを視覚的に把握することができる。
【0070】
得意対応表示部56には、部下から期待される複数の対応の各々に対する上司の得意度が棒グラフで表示されている。得意対応表示部56は、グラフが大きいほど、上司が得意な対応であることを示している。図2Cに示す例では、組織内の上司全体の平均の得意度(淡色グラフで示される)とともに、上司の得意度(濃色グラフで示される)が表示されている。これにより、上司は、自身が得意な対応が何なのかを視覚的に把握することができる。
【0071】
上司は、画面50-1、50-2に表示される情報から、自身の1on1ミーティングの成果を確認することができ、次の1on1ミーティングに活用することができる。例えば、上司は、各トピックに対する得意度の大小から、1on1ミーティングでどのように行動すべきかを考えることができる。例えば、上司は、部下が関心のあるトピックと自身が得意なトピックとの一致または不一致から、部下との1on1ミーティングでの対応の効果を判断し、1on1ミーティングでどのように行動すべきかを考えることができる。
【0072】
あるいは、1on1ミーティングを支援するためのアプリケーションは、上司と複数の部下の各々との1on1ミーティングから得られた情報に基づいて、上司が1on1ミーティングでどのように行動すべきか、上司が1on1ミーティングで効果的に対応できている/効果的に対応できていない部下はだれか、上司が1on1ミーティングで得意/不得意なトピック/期待される対応は何か等を導出し、これらを上司に提示するようにしてもよい。
【0073】
上述した例では、画面30、画面40が1on1ミーティングの最中に部下の情報端末、上司の情報端末にそれぞれ表示されることを説明したが、これらの画面は、1on1ミーティングの前に部下の情報端末、上司の情報端末に表示されるようにしてもよい。これにより、例えば、上司は、1on1ミーティングの前に部下の希望よび期待を知ることができ、十分な前準備を行うことができる。
【0074】
上述した例では、上司と部下との間の1on1ミーティングを支援することを例に説明したが、本発明が支援する対象のコミュニケーションは、上司と部下との間の1on1ミーティングに限定されない。本発明は、二者のうちの一方がコミュニケーションにおいて話題としたい少なくとも1つのトピックと、当該トピック下のコミュニケーションにおいて二者のうちの当該一方が二者のうちの他方に期待する対応とが予め設定される限り、任意の二者による1対1の任意のコミュニケーションを支援することができる。このようなコミュニケーションは、例えば、或る会社のマネージャAさん(上司)が部下に対する効果的な力の引き出し方を別の会社のマネージャBさん(上司)から学ぶためのAさんとBさんとの間のコミュニケーション、或る会社のメンバーCさん(部下)が円滑な会議の進め方や将来のキャリア形成の仕方を別の会社のマネージャDさん(上司)から学ぶためのCさんとDさんとの間のコミュニケーション、高校生Eさんが効果的な受験勉強の仕方を大学生Fさんから学ぶためのEさんとFさんとの間のコミュニケーション、
或る人物Gさんがスキルアップのために、または、習い事として、専門家Hさんまたは知見・経験を有する人物Iさんから学ぶためのGさんとHさんまたはIさんとの間のコミュニケーション等を含むが、これらに限定されない。
【0075】
上述した二者間のコミュニケーションを支援するためのアプリケーションは、例えば、後述する二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステムによって実装されてもよい。二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステムによって、二者間のコミュニケーションにおける個々人への関わり方を改善することができる。
【0076】
3.二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステムの構成
図3Aは、二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム100の構成の一例を示す。
【0077】
コンピュータシステム100は、例えば、サービスプロバイダに設置されているコンピュータシステム(すなわち、サーバ装置)であってもよいし、ユーザが使用するコンピュータシステム(すなわち、ユーザ装置)であってもよい。以下では、サービスプロバイダに設置されているコンピュータシステムを例に説明する。
【0078】
コンピュータシステム100は、インターフェース部110と、プロセッサ部120と、メモリ130部とを備える。コンピュータシステム100は、データベース部200に接続されている。
【0079】
インターフェース部110は、コンピュータシステム100の外部と情報のやり取りを行う。コンピュータシステム100のプロセッサ部120は、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100の外部から情報を受信することが可能であり、コンピュータシステム100の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部110は、任意の形式で情報のやり取りを行うことができる。第1の人物が使用する情報端末および第2の人物が使用する情報端末は、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100と通信することができる。
【0080】
インターフェース部110は、例えば、コンピュータシステム100に情報を入力することを可能にする入力部を備える。入力部が、どのような態様でコンピュータシステム100に情報を入力することを可能にするかは問わない。例えば、入力部がタッチパネルである場合には、ユーザがタッチパネルにタッチすることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がマウスである場合には、ユーザがマウスを操作することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がキーボードである場合には、ユーザがキーボードのキーを押下することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がマイクである場合には、ユーザがマイクに音声を入力することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がカメラである場合には、カメラが撮像した情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がデータ読み取り装置である場合には、コンピュータシステム100に接続された記憶媒体から情報を読み取ることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部が受信器である場合、受信器がネットワークを介してコンピュータシステム100の外部から情報を受信することにより入力してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、受信器は、インターネットを介して情報を受信してもよいし、LANを介して情報を受信してもよい。
【0081】
インターフェース部110は、例えば、コンピュータシステム100から情報を出力することを可能にする出力部を備える。出力部が、どのような態様でコンピュータシステム100から情報を出力することを可能にするかは問わない。例えば、出力部が表示画面である場合、表示画面に情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部がスピーカである場合には、スピーカからの音声によって情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部がデータ書き込み装置である場合、コンピュータシステム100に接続された記憶媒体に情報を書き込むことによって情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部が送信器である場合、送信器がネットワークを介してコンピュータシステム100の外部に情報を送信することにより出力してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、送信器は、インターネットを介して情報を送信してもよいし、LANを介して情報を送信してもよい。
【0082】
プロセッサ部120は、コンピュータシステム100の処理を実行し、かつ、コンピュータシステム100全体の動作を制御する。プロセッサ部120は、メモリ部130に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム100を所望のステップを実行するシステムとして機能させることが可能である。プロセッサ部120は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
【0083】
メモリ部130は、コンピュータシステム100の処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納する。メモリ部130は、二者間のコミュニケーションを支援するための処理をプロセッサ部120に行わせるためのプログラム(例えば、後述する図5、6に示される処理を実現するプログラム)を格納してもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部130に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部130にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部130にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。メモリ部130は、任意の記憶手段によって実装され得る。
【0084】
データベース部200には、二者間のコミュニケーションを支援するために利用され得る種々の情報が格納されている。
【0085】
データベース部200には、第2の人物に対する評価が格納され得る。第2の人物に対する評価は、第2の人物と二者間のコミュニケーションを行い得る1人または複数の人物によってなされ得る。第2の人物に対する評価は、第2の人物と二者間のコミュニケーションを行い得る1人または複数の人物が使用する情報端末からコンピュータシステム100に送信されて、データベース部200に格納され得る。
【0086】
一実施形態において、第2の人物に対する評価は、或るトピック下の二者間のコミュニケーションにおける第2の人物の対応に対する評価を含む。これは、例えば、図1Cに示される例における個別評価入力部35に入力された評価に対応する。対応に対する評価は、例えば、第2の人物による対応に満足したか否か、または、期待する対応が第2の人物によってなされたか否か等の2段階評価であってもよいし、期待する対応に満足した度合を示す多段階評価あるいは点数であってもよい。
【0087】
一実施形態において、第2の人物に対する評価は、上述した評価に代えて、または、上述した評価に加えて、二者間のコミュニケーションの後に第2の人物から受けた別のコミュニケーションに対する評価を含む。二者間のコミュニケーションの後に第2の人物から受けた別のコミュニケーションは、例えば、二者間のコミュニケーション後に、第2の人物が第1の人物に提供したアドバイスや、補足的に伝えたコメントに対する評価を含む。別のコミュニケーションに対する評価は、例えば、第2の人物との二者間のコミュニケーション後に第2の人物から受けた別のコミュニケーションに満足したか否か等の2段階評価であってもよいし、当該別のコミュニケーションに満足した度合を示す多段階評価あるいは点数であってもよい。
【0088】
一実施形態において、第2の人物に対する評価は、上述した評価に代えて、または、上述した評価に加えて、二者間のコミュニケーション全体の評価である全体評価を含む。これは、例えば、図1Cに示される例における全体評価入力部37に入力された評価に対応する。全体評価は、例えば、第2の人物との二者間のコミュニケーションに満足したか否か等の2段階評価であってもよいし、第2の人物との二者間のコミュニケーションに満足した度合を示す多段階評価あるいは点数であってもよい。
【0089】
データベース部200には、第2の人物に対する評価と第2の人物の特徴とが関連付けられて格納されてもよい。
【0090】
例えば、データベース部200には、或るトピック下の二者間のコミュニケーションにおける第2の人物の対応に対する評価と、第2の人物の特徴とが関連付けられて格納され得る。これにより、或るトピック下の二者間のコミュニケーションにおける第2の人物の対応に対する評価から、第2の人物の特徴を決定することができるようになる。
【0091】
例えば、データベース部200には、上述した評価に代えて、または、上述した評価に加えて、二者間のコミュニケーションの後に第2の人物から受けた別のコミュニケーションに対する評価と、第2の人物の特徴とが関連付けられて格納され得る。これにより、第2の人物から受けた別のコミュニケーションに対する評価から、あるいは、或るトピック下の二者間のコミュニケーションにおける第2の人物の対応に対する評価と第2の人物から受けた別のコミュニケーションに対する評価とから、第2の人物の特徴を決定することができるようになる。
【0092】
例えば、データベース部200には、上述した評価に代えて、または、上述した評価に加えて、二者間のコミュニケーションの全体評価と、第2の人物の特徴とが関連付けられて格納され得る。これにより、二者間のコミュニケーションの全体評価から、あるいは、或るトピック下の二者間のコミュニケーションにおける第2の人物の対応に対する評価と二者間のコミュニケーションの全体評価とから、あるいは、第2の人物から受けた別のコミュニケーションに対する評価と二者間のコミュニケーションの全体評価とから、あるいは、或るトピック下の二者間のコミュニケーションにおける第2の人物の対応に対する評価と第2の人物から受けた別のコミュニケーションに対する評価と二者間のコミュニケーションの全体評価とから、第2の人物の特徴を決定することができるようになる。
【0093】
データベース部200には、二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム100によって決定された第2の人物の特徴が格納され得る。データベース部200は、複数の人物について特徴を格納することができ、これにより、第2の人物の特徴を他の人物の特徴と比較することができるようになる。例えば、組織内の上司の立場にある第2の人物の特徴を、組織内の上司の立場にある他の人物の特徴と比較することができる。
【0094】
データベース部200には、二者間のコミュニケーションを支援するために提供され得るアドバイスが格納されている。提供され得るアドバイスは、例えば、トピックと、トピック下でのコミュニケーションにおいて期待される対応とに関連付けられて格納され得る。あるいは、提供され得るアドバイスは、例えば、トピックと、トピック下でのコミュニケーションにおいて期待される対応と、前記対応を期待されたときの対応に対する評価とに関連付けられて格納され得る。あるいは、提供され得るアドバイスは、例えば、トピックと、トピック下でのコミュニケーションにおいて期待される対応と、前記対応を期待されたときの対応に対する評価と、二者間のコミュニケーションの後に第2の人物から受けた別のコミュニケーションに対する評価とに関連付けられて格納され得る。あるいは、提供され得るアドバイスは、アドバイスの提供を受ける人物の特徴と関連付けられて格納され得る。
【0095】
図4Aは、データベース部に格納されている、二者間のコミュニケーションを支援するために提供され得るアドバイスのデータ構成の一例を示す。
【0096】
二者間のコミュニケーションを支援するために提供され得るアドバイスは、トピックと、トピック下でのコミュニケーションにおいて期待される対応と、前記対応を期待されたときの対応に対する評価とに関連付けられて格納されている。
【0097】
例えば、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「具体的なアドバイスがほしい」という対応が期待されたときにとった対応に対する評価が良かった(○)人物に対する、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「具体的なアドバイスがほしい」という対応が期待される二者間のコミュニケーションにおけるアドバイスとして、「いつも通りにやりましょう」が格納されており、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「具体的なアドバイスがほしい」という対応が期待されたときにとった対応に対する評価が悪かった(×)人物に対する、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「具体的なアドバイスがほしい」という対応が期待される二者間のコミュニケーションにおけるアドバイスとして、「無理にアドバイスをする必要はありません」が格納されている。
【0098】
例えば、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「話を聞いてほしい」という対応が期待されたときにとった対応に対する評価が良かった(○)人物に対する、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「話を聞いてほしい」という対応が期待される二者間のコミュニケーションにおけるアドバイスとして、「いつも通りに親身に話を聞きましょう」が格納されており、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「話を聞いてほしい」という対応が期待されたときにとった対応に対する評価が悪かった(×)人物に対する、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「話を聞いてほしい」という対応が期待される二者間のコミュニケーションにおけるアドバイスとして、「話を遮るのは控えましょう」が格納されている。
【0099】
このように、データベース部200には、或るトピックでのコミュニケーションにおける対応に対する評価の優劣に応じたアドバイスが格納されている。これにより、期待された対応に対する評価が良い人物には、良い評価に関連付けられたアドバイスが提供されるようになり、期待された対応に対する評価が悪い人物には、悪い評価に関連付けられたアドバイスが提供されるようになる。
【0100】
なお、上述した例では、対応が良かったか悪かったかの2段階評価に対してアドバイスが関連付けられる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、多段階評価の各評価に対してアドバイスが関連付けられるようにしてもよいし、点数評価の各点数に対してアドバイスが関連付けられるようにしてもよい。
【0101】
図4Bは、データベース部に格納されている、二者間のコミュニケーションを支援するために提供され得るアドバイスのデータ構成の別の一例を示す。
【0102】
二者間のコミュニケーションを支援するために提供され得るアドバイスは、アドバイスの提供を受ける人物の特徴と関連付けられて格納されている。具体的には、トピックと、トピック下のコミュニケーションにおいて期待される対応とに関する特徴(すなわち、トピック下のコミュニケーションにおいて期待される特定の対応が得意であるか不得意であるか)に関連付けられて格納されている。
【0103】
例えば、「得意」な対応に関して、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「具体的なアドバイスがほしい」という対応が期待されたときの対応が得意な人物に対する、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「具体的なアドバイスがほしい」という対応が期待される二者間のコミュニケーションにおけるアドバイスとして、「いつも通りにやりましょう」が格納されており、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「話を聞いてほしい」という対応が期待されたときの対応が得意な人物に対する、「業務の進め方」のトピック下でのコミュニケーションにおいて「話を聞いてほしい」という対応が期待される二者間のコミュニケーションにおけるアドバイスとして、「いつも通りに親身に話を聞きましょう」が格納されている。「不得意」な対応に関しても同様に、アドバイスが格納されている。
【0104】
このように、データベース部200には、或るトピックでのコミュニケーションにおける対応に対して得意であるか不得意であるかに応じたアドバイスが格納されている。これにより、期待された対応が「得意」な人物に対しては、得意な対応に関連付けられたアドバイスが提供されるようになり、期待された対応が「不得意」な人物に対しては、不得意な対応に関連付けられたアドバイスが提供されるようになる。
【0105】
データベース部200に格納されるアドバイスは、例えば、組織の属性に関連付けられて格納されてもよい。例えば、データベース部200に格納される企業向けのアドバイスは、第一次産業の組織向けのアドバイス、第二次産業の組織向けのアドバイス、第三次産業の組織向けのアドバイスに区分されて格納され得る。例えば、データベース部200に格納される学生向けのアドバイスは、小学生の組織向けのアドバイス、中学生の組織向けのアドバイス、高校生の組織向けのアドバイス、大学生の組織向けのアドバイスに区分されて格納され得る。これにより、属性が異なる組織毎に異なるアドバイスを提供することができるようになる。
【0106】
本発明では、データベース部200にアドバイスを格納するタイミングは問わない。アドバイスは、例えば、二者間のコミュニケーションを支援するためのサービスを提供するサービスプロバイダによってデータベース部200に予め格納されていてもよい。あるいは、アドバイスは、例えば、コンピュータシステム100を利用してサービスを運用している間に、第2の人物に相当するユーザによって入力されて格納されるようにしてもよい。これは、例えば、或るトピック下でのコミュニケーションにおいて或る対応を期待されたときの対応が得意なユーザに普段何を意識しているのかを入力してもらい、入力されたものをアドバイスとしてデータベース部200に格納するようにしてもよい。このとき、アドバイスは、例えば、トピックと、期待される対応と、「得意」とに関連付けられてデータベース部200に格納され得る。このようなアドバイスは、例えば、「真似するとよい、他の上司が部下に対して行ったコミュニケーション」、「真似するとよい、他の先生が生徒に対して行ったコミュニケーション」等として第2の人物(例えば、上司、先生等)に提供され得る。
【0107】
図3Aに示される例では、データベース部200は、コンピュータシステム100の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部200をコンピュータシステム100の内部に設けることも可能である。このとき、データベース部200は、メモリ部130を実装する記憶手段と同一の記憶手段によって実装されてもよいし、メモリ部130を実装する記憶手段とは別の記憶手段によって実装されてもよい。いずれにせよ、データベース部200は、コンピュータシステム100のための格納部として構成される。データベース部200の構成は、特定のハードウェア構成に限定されない。例えば、データベース部200は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部200は、コンピュータシステム100の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
【0108】
図3Bは、プロセッサ部120の構成の一例を示す。
【0109】
プロセッサ部120は、受信手段121と、提供手段122とを備える。
【0110】
受信手段121は、インターフェース部110から情報を受信するように構成されている。
【0111】
受信手段121は、第1の人物が二者間のコミュニケーションにおいて話題としたい少なくとも1つのトピックと、その少なくとも1つのトピック下のコミュニケーションにおいて第1の人物が第2の人物に期待する対応とを受信するように構成されている。受信手段121は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力された少なくとも1つのトピックと、期待する対応とをインターフェース部110から受信してもよい。
【0112】
少なくとも1つのトピックおよび期待する対応は、第1の人物が使用する情報端末からインターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され得る。例えば、第1の人物が、第2の人物との二者間のコミュニケーションの前に、図1Bに示される画面20のトピック入力部22および対応入力部23にトピックおよび期待する対応を入力すると、入力されたトピックおよび期待する対応が、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され、受信手段121がインターフェース部110からトピックおよび期待する対応を受信する。
【0113】
提供手段122は、受信手段121によって受信された少なくとも1つのトピックと対応とに基づいて、二者間のコミュニケーションにおけるアドバイスを第2の人物に提供するように構成されている。提供手段122は、受信手段121によって受信された少なくとも1つのトピックと対応とから直接的に得られる情報(すなわち、受信手段121によって受信された少なくとも1つのトピックと対応とを含む情報)をアドバイスとして提供するようにしてもよいし、受信手段121によって受信された少なくとも1つのトピックと対応とから間接的に得られる情報(例えば、受信手段121によって受信された少なくとも1つのトピックと対応とに基づいて、データベース部200から導出される情報)をアドバイスとして提供するようにしてもよい。
【0114】
提供手段122は、インターフェース部110を介して、第2の人物にアドバイスを提供することができる。ここで、どのようにしてアドバイスを提供するかは問わない。例えば、第2の人物が使用する情報端末にアドバイスを送信し、情報端末の画面にアドバイスを表示するようにしてもよいし、情報端末のマイクからアドバイスを音声出力するようにしてもよい。
【0115】
提供手段122は、例えば、二者間のコミュニケーションの前に第2の人物にアドバイスを提供してもよいし、二者間のコミュニケーションの最中に第2の人物にアドバイスを提供してもよい。
【0116】
一実施形態において、提供手段122は、少なくとも1つのトピックと対応とを含む情報を第2の人物に提供する。これにより、第2の人物は、第1の人物が二者間のコミュニケーションにおいてどんなトピックを話題としたいのか、どんな対応を期待しているのかを知ることができ、二者間のコミュニケーションの質を高めるよう努めることができる。例えば、第2の人物は、第1の人物が二者間のコミュニケーションにおいてどんなトピックを話題としたいのか、どんな対応を期待しているのかを二者間のコミュニケーションの前に知ることにより、二者間のコミュニケーションに備えることができる。
【0117】
一実施形態において、提供手段122は、少なくとも1つのトピックと対応とに基づいて決定されるアドバイスを第2の人物に提供する。提供手段122は、例えば、データベース部200から、少なくとも1つのトピックと対応とに関連付けられて格納されているアドバイスを引き出し、これを第2の人物に提供する。アドバイスは、例えば、二者間のコミュニケーションにおいてどのようなことに留意すべきか等を示すメッセージであり得る。これにより、第2の人物は、第1の人物の希望および期待に応えるためにはどのようにすべきかを知ることができ、二者間のコミュニケーションの質を高めるよう努めることができる。例えば、第2の人物は、第1の人物の希望および期待に応えるためにはどのようにすべきかを二者間のコミュニケーションの前に知ることにより、二者間のコミュニケーションに備えることができる。
【0118】
図3Cは、プロセッサ部120の代替実施形態であるプロセッサ部120’の構成の一例を示す。
【0119】
プロセッサ部120’は、受信手段121と、提供手段122’と、第2の受信手段123とを備える。
【0120】
受信手段121は、図3Bを参照して説明した受信手段121と同一であり、ここでは説明を省略する。
【0121】
第2の受信手段123は、インターフェース部110から情報を受信するように構成されている。
【0122】
第2の受信手段123は、少なくとも1つのトピック下のコミュニケーションにおいて第2の人物が或る対応を期待されたときの第2の人物による対応に対する評価を受信するように構成されている。第2の受信手段123は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力された評価を、インターフェース部110から受信してもよい。
【0123】
上述したように、コンピュータシステム100によって支援される二者間のコミュニケーションでは、少なくとも1つのトピックが設定され、第2の人物は、そのトピック下のコミュニケーションにおいて特定の対応が期待される。従って、第2の人物は、二者間のコミュニケーションにおいて、その期待に沿うことができるように対応する。そのときの対応が、二者間のコミュニケーションの相手によって評価される。その相手は、第1の人物であってもよいし、第1の人物とは別の人物であってもよい。ただし、第1の人物とは別の人物は、第1の人物と同様に、第2の人物と何らかの上下関係を有する人物であり、第2の人物と二者間のコミュニケーションを行い得る人物であることが必要である。
【0124】
少なくとも1つのトピック下のコミュニケーションにおいて第2の人物が或る対応を期待されたときの第2の人物による対応に対する評価は、第1の人物が使用する情報端末からインターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され得る。例えば、第1の人物が、第2の人物との二者間のコミュニケーションを行っている最中または後に、図1Cに示される画面30の個別評価入力部35に、期待する対応に対する評価を入力すると、入力された評価が、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され、第2の受信手段123が、インターフェース部110から評価を受信する。
【0125】
少なくとも1つのトピック下のコミュニケーションにおいて第2の人物が或る対応を期待されたときの第2の人物による対応に対する評価は、第1の人物とは別の人物が使用する情報端末からインターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され得る。例えば、当該別の人物が、第2の人物との二者間のコミュニケーションを行っている最中または後に、図1Cに示される画面30の個別評価入力部35に、期待する対応に対する評価を入力すると、入力された評価が、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され、第2の受信手段123が、インターフェース部110から評価を受信する。
【0126】
第2の受信手段123はさらに、二者間のコミュニケーション全体の評価である全体評価を受信するように構成され得る。第2の受信手段123は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力された全体評価を、インターフェース部110から受信してもよい。
【0127】
上述したように、二者間のコミュニケーションが終わった後、第1の人物との二者間のコミュニケーションが、二者間のコミュニケーションの相手によって評価される。その相手は、第1の人物であってもよいし、第1の人物とは別の人物であってもよい。ただし、第1の人物とは別の人物は、第1の人物と同様に、第2の人物と何らかの上下関係を有する人物であり、第2の人物と二者間のコミュニケーションを行い得る人物であることが必要である。
【0128】
二者間のコミュニケーションの全体評価は、第1の人物が使用する情報端末からインターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され得る。例えば、第1の人物が、第2の人物との二者間のコミュニケーションを行っている最中または後に、図1Cに示される画面30の全体評価入力部37に、1on1ミーティングに対する全体評価を入力すると、入力された全体評価が、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され、第2の受信手段123が、インターフェース部110から全体評価を受信する。
【0129】
二者間のコミュニケーションの全体評価は、第1の人物とは別の人物が使用する情報端末からインターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され得る。例えば、当該別の人物が、第2の人物との二者間のコミュニケーションを行っている最中または後に、図1Cに示される画面30の全体評価入力部37に、1on1ミーティングに対する全体評価を入力すると、入力された全体評価が、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され、第2の受信手段123が、インターフェース部110から全体評価を受信する。
【0130】
第2の受信手段123はさらに、二者間のコミュニケーション後に第2の人物から受けた別のコミュニケーションに対する評価を受信するように構成され得る。第2の受信手段123は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力された評価を、インターフェース部110から受信してもよい。
【0131】
上述したように、二者間のコミュニケーションが終わった後、第2の人物は、相手に別のコミュニケーションをすることがある。例えば、二者間のコミュニケーションで伝えきれなかったことを伝えたり、二者間のコミュニケーションで伝えたことを補足したりすることがある。そのようなコミュニケーションは、その相手によって評価される。その相手は、第1の人物であってもよいし、第1の人物とは別の人物であってもよい。ただし、第1の人物とは別の人物は、第1の人物と同様に、第2の人物と何らかの上下関係を有する人物であり、第2の人物と二者間のコミュニケーションを行い得る人物であることが必要である。
【0132】
別のコミュニケーションに対する評価は、第1の人物が使用する情報端末からインターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され得る。例えば、第1の人物が、第2の人物との二者間のコミュニケーションの後に、別のコミュニケーションの評価を入力すると、入力された評価が、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され、第2の受信手段123が、インターフェース部110から評価を受信する。
【0133】
別のコミュニケーションに対する評価は、第1の人物とは別の人物が使用する情報端末からインターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され得る。例えば、当該別の人物が、第2の人物との二者間のコミュニケーションの後に、別のコミュニケーションの評価を入力すると、入力された評価が、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され、第2の受信手段123が、インターフェース部110から評価を受信する。
【0134】
第2の受信手段123が受信したこれらの評価は、インターフェース部110を介してデータベース部200に送信され、データベース部200に格納され得る。
【0135】
第2の受信手段123は、データベース部200に格納されている対応に対する評価、全体評価、および別のコミュニケーションの評価を、データベース部200からインターフェース部110を介して受信するようにしてもよい。第2の受信手段123は、データベース部200から、第1の人物による評価のみを受信するようにしてもよいし、1または複数の別の人物による評価のみを受信するようにしてもよいし、第1の人物と1または複数の別の人物による評価を受信するようにしてもよい。例えば、第2の受信手段123が第1の人物による評価のみを受信することにより、提供手段122’は、第1の人物との二者間のコミュニケーションに特有の第2の人物の特徴を導出し、それに基づくアドバイスを提供することができるようになる。例えば、第2の受信手段123が複数の人物による評価を受信することにより、提供手段122’は、複数の人物の各々との二者間のコミュニケーションに普遍的な第2の人物の特徴を導出し、それに基づくアドバイスを提供することができるようになる。
【0136】
提供手段122’は、上述した提供手段122と同様の構成に加えて、またはこれに代えて、受信手段121によって受信された少なくとも1つのトピックと対応と、第2の受信手段123によって受信された、その対応を期待されたときの第2の人物による対応に対する評価とに基づいて、二者間のコミュニケーションにおけるアドバイスを第2の人物に対して提供するように構成されている。提供手段122’は、受信手段121によって受信された少なくとも1つのトピックと対応と、第2の受信手段123によって受信された評価とから直接的に得られる情報(すなわち、受信手段121によって受信された少なくとも1つのトピックと対応と、第2の受信手段123によって受信された評価とを含む情報)をアドバイスとして提供するようにしてもよいし、受信手段121によって受信された少なくとも1つのトピックと対応と、第2の受信手段123によって受信された評価とから間接的に得られる情報(例えば、受信手段121によって受信された少なくとも1つのトピックと対応と、第2の受信手段123によって受信された評価とに基づいて、データベース部200から導出される情報、または、受信手段121によって受信された少なくとも1つのトピックと対応と、第2の受信手段123によって受信された評価とに基づいて決定される第2の人物の特徴に基づいて決定される情報)をアドバイスとして提供するようにしてもよい。
【0137】
提供手段122’は、インターフェース部110を介して、第2の人物にアドバイスを提供することができる。ここで、どのようにしてアドバイスを提供するかは問わない。例えば、第2の人物が使用する情報端末にアドバイスを送信し、情報端末の画面にアドバイスを表示するようにしてもよいし、情報端末のマイクからアドバイスを音声出力するようにしてもよい。
【0138】
提供手段122’は、例えば、二者間のコミュニケーションの前に第2の人物にアドバイスを提供してもよいし、二者間のコミュニケーションの最中に第2の人物にアドバイスを提供してもよい。
【0139】
一実施形態において、提供手段122’は、少なくとも1つのトピックと対応と、過去に同一の対応を期待されたときに行った対応に対する評価とを含む情報を第2の人物に提供する。これにより、第2の人物は、第1の人物が二者間のコミュニケーションにおいてどんなトピックを話題としたいのか、どんな対応を期待しているのか、自身が過去に行った対応がどのように評価されたかを知ることができ、二者間のコミュニケーションの質を高めるよう努めることができる。例えば、第2の人物は、第1の人物が二者間のコミュニケーションにおいてどんなトピックを話題としたいのか、どんな対応を期待しているのか、自身が過去に行った対応がどのように評価されたかを二者間のコミュニケーションの前に知ることにより、二者間のコミュニケーションに備えることができる。ここで、過去に同一の対応を期待されたときに行った対応に対する評価は、第1の人物による評価であってもよいし、複数の人物による評価(例えば、複数の評価の平均値、中間値、最大値、最小値等)であってもよい。
【0140】
一実施形態において、提供手段122’は、少なくとも1つのトピックと対応と、過去に同一の対応を期待されたときに行った対応に対する評価とに基づいて決定されるアドバイスを第2の人物に提供する。例えば、提供手段122’は、データベース部200から、少なくとも1つのトピックと対応と、過去に同一の対応を期待されたときに行った対応に対する評価とに関連付けられて格納されているアドバイスを引き出し、これを第2の人物に提供する。アドバイスは、例えば、二者間のコミュニケーションにおいてどのようなことに留意すべきか等を示すメッセージであり得る。これにより、第2の人物は、第1の人物の希望および期待に応えるためにはどのようにすべきかを知ることができ、二者間のコミュニケーションの質を高めるよう努めることができる。例えば、第2の人物は、第1の人物の希望および期待に応えるためにはどのようにすべきかを二者間のコミュニケーションの前に知ることにより、二者間のコミュニケーションに備えることができる。
【0141】
一実施形態において、提供手段122’は、少なくとも1つのトピックと対応と、過去に同一の対応を期待されたときに行った対応に対する評価とに基づいて第2の人物の特徴を決定し、決定された特徴に基づいてアドバイスを決定し、決定されたアドバイスを第2の人物に提供する。第2の人物の特徴は、少なくとも1つのトピック下の二者間のコミュニケーションにおいて当該対応を期待されたときの特徴である。例えば、第2の人物の特徴は、Aというトピック下での二者間のコミュニケーションにおいてaという対応を期待されたときに、「その対応が得意である/不得意である」、「力を発揮する/力を発揮できない」、「堂々とできる/萎縮する」等である。提供手段122’は、例えば、データベース部200から、少なくとも1つのトピックと対応と、過去に同一の対応を期待されたときに行った対応に対する評価とに関連付けられた第2の人物の特徴を引き出し、これを第2の人物の特徴であると決定することができる。例えば、提供手段122’は、データベース部200から、決定された特徴に関連付けられて格納されているアドバイスを引き出し、これを第2の人物に提供する。アドバイスは、例えば、二者間のコミュニケーションにおいてどのようなことに留意すべきか等を示すメッセージであり得る。これにより、第2の人物は、第1の人物の希望および期待に応えるためにはどのようにすべきかを知ることができ、二者間のコミュニケーションの質を高めるよう努めることができる。例えば、第2の人物は、第1の人物の希望および期待に応えるためにはどのようにすべきかを二者間のコミュニケーションの前に知ることにより、二者間のコミュニケーションに備えることができる。
【0142】
上記実施形態において、提供手段122’は、決定された第2の人物の特徴を、データベース部200に格納されている他の複数の人物の特徴と比較することにより、第2の人物の相対的な特徴を決定することができる。例えば、提供手段122’は、組織内の第2の人物の特徴を、組織内で同一の立場にある他の人物の特徴と比較することにより、第2の人物の組織内での相対的な特徴を決定することができる。
【0143】
上記実施形態において、提供手段122’は、少なくとも1つのトピックと対応と、過去に同一の対応を期待されたときに行った対応に対する評価とに加えて、過去に二者間のコミュニケーションとは別に行ったコミュニケーションに対する評価に基づいて、第2の人物の特徴を決定するようにしてもよい。提供手段122’は、例えば、データベース部200から、少なくとも1つのトピックと対応と、過去に同一の対応を期待されたときに行った対応に対する評価と、過去に二者間のコミュニケーションとは別に行ったコミュニケーションに対する評価とに関連付けられた第2の人物の特徴を引き出し、これを第2の人物の特徴であると決定することができる。
【0144】
上記実施形態において、提供手段122’は、第2の受信手段123が受信する第2の人物による対応に対する評価が、全体評価に与える影響度を算出し、決定された第2の人物の特徴と、算出された影響度とに基づいて、アドバイスを提供するようにしてもよい。例えば、提供手段123は、第2の人物による対応に対する評価を説明変数とし、全体評価を目的変数とする多変量解析を行うことにより、第2の人物による対応に対する評価が、全体評価に与える影響度を算出することができる。多変量解析は、例えば、回帰分析であり得る。回帰分析では、任意の線形回帰モデルまたは非線形回帰モデルと利用することができる。
【0145】
例えば、提供手段122’は、全体評価への影響度が最も高い対応について、重きを置いてアドバイスを提供することができる。あるいは、例えば、提供手段122’は、全体評価への影響度が閾値よりも高い少なくとも1つの対応について、重きを置いてアドバイスを提供することができる。例えば、その対応についてのアドバイスを、他の対応についてのアドバイスに比べて多く提供するようにしてもよいし、その対応は、他の対応よりも気を付けて対処するべきであるとのアドバイスを提供するようにしてもよい。
【0146】
これにより、アドバイスの提供を受ける第2の人物は、複数のトピックについて複数の対応を期待されたときに、どの対応に重点的に対処すればよいのかを知ることができ、二者間のコミュニケーションにおいて適切に力配分をすることができるようになる。
【0147】
なお、上述したコンピュータシステム100の各構成要素は、単一のハードウェア部品で構成されていてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されていてもよい。複数のハードウェア部品で構成される場合は、各ハードウェア部品が接続される態様は問わない。各ハードウェア部品は、無線で接続されてもよいし、有線で接続されてもよい。本発明のコンピュータシステム100は、特定のハードウェア構成には限定されない。プロセッサ部120をデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。本発明のコンピュータシステム100の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
【0148】
4.二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステムによる処理
図5は、二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム100による処理500の一例を示すフローチャートである。処理500は、コンピュータシステム100のプロセッサ部120において実行される。
【0149】
ステップS501では、プロセッサ部120の受信手段121が、第1の人物が二者間のコミュニケーションにおいて話題としたい少なくとも1つのトピックと、少なくとも1つのトピック下のコミュニケーションにおいて第1の人物が第2の人物に期待する対応とを受信する。受信手段121は、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力された少なくとも1つのトピックと、期待する対応とをインターフェース部110から受信し得る。
【0150】
少なくとも1つのトピックおよび期待する対応は、第1の人物が使用する情報端末からインターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され得る。例えば、第1の人物が、第2の人物との二者間のコミュニケーションの前に、図1Bに示される画面20のトピック入力部22および対応入力部23にトピックおよび期待する対応を入力すると、入力されたトピックおよび期待する対応が、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され、受信手段121がインターフェース部110からトピックおよび期待する対応を受信する。
【0151】
ステップS502では、プロセッサ部120の提供手段122が、少なくとも1つのトピックと対応とに基づいて、二者間のコミュニケーションにおけるアドバイスを第2の人物に対して提供する。提供手段122は、ステップS501で受信された少なくとも1つのトピックと対応とから直接的に得られる情報(すなわち、ステップS501で受信された少なくとも1つのトピックと対応とを含む情報)をアドバイスとして提供するようにしてもよいし、ステップS501で受信された少なくとも1つのトピックと対応とから間接的に得られる情報(例えば、ステップS501で受信された少なくとも1つのトピックと対応とに基づいて、データベース部200から導出される情報)をアドバイスとして提供するようにしてもよい。
【0152】
提供手段122は、インターフェース部110を介して、第2の人物にアドバイスを提供することができる。ここで、どのようにしてアドバイスを提供するかは問わない。例えば、第2の人物が使用する情報端末にアドバイスを送信し、情報端末の画面にアドバイスを表示するようにしてもよいし、情報端末のマイクからアドバイスを音声出力するようにしてもよい。提供手段122は、例えば、二者間のコミュニケーションの前に第2の人物にアドバイスを提供してもよいし、二者間のコミュニケーションの最中に第2の人物にアドバイスを提供してもよい。
【0153】
処理500により、第2の人物は、二者間のコミュニケーションについてアドバイスを受けることができ、第2の人物は、二者間のコミュニケーションにおいて第1の人物と最適なかかわりをすることができるように努めることができる。
【0154】
図6は、二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム100による別の処理600の一例を示すフローチャートである。処理600は、コンピュータシステム100のプロセッサ部120’において実行される。
【0155】
ステップS601では、プロセッサ部120’の受信手段121が、第1の人物が二者間のコミュニケーションにおいて話題としたい少なくとも1つのトピックと、少なくとも1つのトピック下のコミュニケーションにおいて第1の人物が第2の人物に期待する対応とを受信する。受信手段121は、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力された少なくとも1つのトピックと、期待する対応とをインターフェース部110から受信し得る。
【0156】
少なくとも1つのトピックおよび期待する対応は、第1の人物が使用する情報端末からインターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され得る。例えば、第1の人物が、第2の人物との二者間のコミュニケーションの前に、図1Bに示される画面20のトピック入力部22および対応入力部23にトピックおよび期待する対応を入力すると、入力されたトピックおよび期待する対応が、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力され、受信手段121がインターフェース部110からトピックおよび期待する対応を受信する。
【0157】
ステップS602では、プロセッサ部120’の第2の受信手段123が、ステップS601で受信された対応と同一の対応を少なくとも1つのトピック下のコミュニケーションにおいて期待されたときの第2の人物による対応に対する評価を受信する。第2の受信手段123は、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力された評価を、インターフェース部110から受信し得る。第2の受信手段123は、例えば、データベース部200から、データベース部200に格納されている評価を受信するようにしてもよいし、第1の人物が使用する情報端末から、第1の人物によって入力された評価を受信するようにしてもよいし、第1の人物とは別の人物が使用する情報端末から、当該別の人物によって入力された評価を受信するようにしてもよい。
【0158】
ステップS603では、プロセッサ部120’の提供手段122’が、ステップS601で受信された少なくとも1つのトピックと対応と、ステップS602で受信された評価とに基づいて、二者間のコミュニケーションにおけるアドバイスを第2の人物に対して提供する。提供手段122’は、ステップS601で受信された少なくとも1つのトピックと対応と、ステップS602で受信された評価とから直接的に得られる情報(すなわち、ステップS601で受信された少なくとも1つのトピックと対応と、ステップS602で受信された評価とを含む情報)をアドバイスとして提供するようにしてもよいし、ステップS601で受信された少なくとも1つのトピックと対応と、ステップS602で受信された評価とから間接的に得られる情報(例えば、ステップS601で受信された少なくとも1つのトピックと対応と、ステップS602で受信された評価とに基づいて、データベース部200から導出される情報、または、ステップS601で受信された少なくとも1つのトピックと対応と、ステップS602で受信された評価とに基づいて決定される第2の人物の特徴に基づいて決定される情報)をアドバイスとして提供するようにしてもよい。
【0159】
提供手段122’は、インターフェース部110を介して、第2の人物にアドバイスを提供することができる。ここで、どのようにしてアドバイスを提供するかは問わない。例えば、第2の人物が使用する情報端末にアドバイスを送信し、情報端末の画面にアドバイスを表示するようにしてもよいし、情報端末のマイクからアドバイスを音声出力するようにしてもよい。提供手段122’は、例えば、二者間のコミュニケーションの前に第2の人物にアドバイスを提供してもよいし、二者間のコミュニケーションの最中に第2の人物にアドバイスを提供してもよい。
【0160】
処理600により、第2の人物は、二者間のコミュニケーションについてアドバイスを受けることができ、第2の人物は、二者間のコミュニケーションにおいて第1の人物と最適なかかわりをすることができるように努めることができる。
【0161】
一実施形態において、ステップS603は、提供手段122’が、ステップS601で受信された少なくとも1つのトピックと対応と、ステップS602で受信された評価とに基づいて第2の人物の特徴を決定するステップと、決定された特徴に基づいてアドバイスを決定するステップと、決定されたアドバイスを第2の人物に提供するステップとを含む。第2の人物の特徴は、少なくとも1つのトピック下の二者間のコミュニケーションにおいて当該対応を期待されたときの特徴である。これにより、提供手段122’は、第2の人物の特徴に応じたアドバイスを提供することができるようになり、提供されるアドバイスの質が向上する。これは、ひいては、二者間のコミュニケーションの質の向上につながり得る。
【0162】
上記実施形態において、ステップS602では、第2の受信手段123はさらに、過去に二者間のコミュニケーションとは別に行ったコミュニケーションに対する評価を受信するようにしてもよい。このとき、ステップS603では、提供手段122’は、ステップS601で受信された少なくとも1つのトピックと対応と、ステップS602で受信された評価と別のコミュニケーションに対する評価とに基づいて第2の人物の特徴を決定することができる。これにより、提供手段122’は、二者間のコミュニケーションにおける評価のみならず、二者間のコミュニケーションとは別のコミュニケーションでの評価も加味して第2の人物の特徴を決定することができるようになり、決定される第2の人物の特徴の精度が向上する。これにより、提供されるアドバイスの質が向上し、これは、ひいては、二者間のコミュニケーションの質の向上につながり得る。
【0163】
上記実施形態において、ステップS602では、第2の受信手段123はさらに、二者間のコミュニケーションの全体評価を受信するようにしてもよい。このとき、ステップS603は、提供手段122’が、ステップS602で受信された評価と全体評価とに基づいて、評価が全体評価に与える影響度を算出するステップと、ステップS601で受信された少なくとも1つのトピックと対応と、ステップS602で受信された評価とに基づいて第2の人物の特徴を決定するステップと、決定された特徴に基づいてアドバイスを決定するステップと、決定されたアドバイスを第2の人物に提供するステップとを含むことができる。これにより、提供手段122’は、二者間のコミュニケーションの全体評価への影響度が高い対応について重きを置いてアドバイスを抵抗することができるようになる。これにより、提供されるアドバイスの質が向上し、これは、ひいては、二者間のコミュニケーションの質の向上につながり得る。
【0164】
なお、処理600では、ステップS601の後にステップS602を行うように説明したが、ステップS601~ステップS602の順序はこれに限定されない。例えば、ステップS602の後にステップS601を行うようにしてもよい。
【0165】
図5、6を参照して上述した例では、図5、6に示される各ステップの処理は、プロセッサ部120またはプロセッサ部120’とメモリ部130に格納されたプログラムとによって実現することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。図5、6に示される各ステップの処理のうちの少なくとも1つは、制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0166】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明は、二者間のコミュニケーションを支援するためのコンピュータシステム、方法、プログラムを提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0168】
100 コンピュータシステム
110 インターフェース部
120、120’ プロセッサ部
130 メモリ部
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6