(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20241007BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
(21)【出願番号】P 2020190071
(22)【出願日】2020-11-16
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】520125689
【氏名又は名称】株式会社PIGNUS
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】水戸 将平
(72)【発明者】
【氏名】岡本 薫
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-109378(JP,A)
【文献】特開2004-164478(JP,A)
【文献】特開2004-280346(JP,A)
【文献】特開2009-003544(JP,A)
【文献】特開2005-309853(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0137137(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0234357(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0108200(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0159273(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアに対するユーザの要望を汎用的な第1表現形態を含む形態で受け付ける受付手段と、
前記第1表現形態で受け付けられた前記要望
に含まれる1以上の用語を専門用語に変換することで、当該要望を専門的な第2表現形態に変換する変換手段と、
前記第2表現形態に変換された前記要望に基づいて、ソフトウェアを選定するための1以上の選定条件を設定する設定手段と、
前記1以上の選定条件に基づいて、1以上のソフトウェアを前記ユーザに提示する提示手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記受付手段は、
前記ユーザと
前記第1表現形態で質疑応答を繰り返すことで前記ユーザの要望を前記第1表現形態で受け付ける、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記質疑応答における質問に対する回答は、
前記第1表現形態の用語で夫々表現された複数の回答候補から選択する形態の選択肢でなされ、
前記変換手段は、前記回答を前記専門用語に変換することで、前記要望を前記第2表現形態に変換する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付手段は、
前記選択肢を構成する前記複数の回答候補のうち少なくとも1つの回答候補に対してラベルを付与するラベル付与手段、
を有する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
ソフトウェアに対するユーザの要望を汎用的な第1表現形態を含む形態で受け付けるステップと、
前記第1表現形態で受け付けられた前記要望
に含まれる1以上の用語を専門用語に変換することで、当該要望を専門的な第2表現形態に変換するステップと、
前記第2表現形態に変換された前記要望に基づいて、ソフトウェアを選定するための1以上の選定条件を設定するステップと、
前記1以上の選定条件に基づいて、1以上のソフトウェアを前記ユーザに提示するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項6】
情報処理装置を制御するコンピュータに、
ソフトウェアに対するユーザの要望を汎用的な第1表現形態を含む形態で受け付けるステップと、
前記第1表現形態で受け付けられた前記要望
に含まれる1以上の用語を専門用語に変換することで、当該要望を専門的な第2表現形態に変換するステップと、
前記第2表現形態に変換された前記要望に基づいて、ソフトウェアを選定するための1以上の選定条件を設定するステップと、
前記1以上の選定条件に基づいて、1以上のソフトウェアを前記ユーザに提示するステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザにより比較対象として選択された商品の比較表を表示し、その比較表の中から選択された商品を購入候補とする通販サイトが多く存在する。
従来、ユーザが必要とする機能を含んだソフトウェアを、インターネットを通じて選択して購入できるようにしたソフトウェア販売システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1を含む従来技術では、ユーザは、販売サイト側で予めカテゴリ分けされた中からソフトウェアを見つけるしかなく、ユーザが本当に必要とする機能を含むソフトウェアが見つけられるとは限らない。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、ユーザが必要とする機能を含むソフトウェアを容易に見つけることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
ソフトウェアに対するユーザの要望を汎用的な第1表現形態を含む形態で受け付ける受付手段と、
前記第1表現形態で受け付けられた前記要望を専門的な第2表現形態に変換する変換手段と、
前記第2表現形態に変換された前記要望に基づいて、ソフトウェアを選定するための1以上の選定条件を設定する設定手段と、
前記1以上の選定条件に基づいて、1以上のソフトウェアを前記ユーザに提示する提示手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザが必要とする機能を含むソフトウェアを容易に見つけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ソフトウェア比較サイトのサイトマップを示す図である。
【
図2】
図1のソフトウェア比較サイトを活用する情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態であるサーバを含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図2の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図1に示すサイトマップにおいて「ソフトを選ぶ」、「電子契約サービス」のページにリンクされたソフトウェア診断ページを示す図である。
【
図7】
図5のページの「診断を始める」ボタンをクリックして表示される質疑応答ページを示す図である。
【
図8】質疑応答の結果、選定条件を確認するページを示す図である。
【
図10】選定条件により検索された電子契約サービスの一覧を示す図である。
【
図12】電子契約サービスの一覧の中から選択された1つのサービスの内容が記載されたページを示す図である。
【
図15】
図12の電子契約サービスのプランの内容が記載されたページを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1を参照して本発明の一実施形態に係る情報処理装置の適用対象となるソフトウェア比較サイトのサイトマップについて説明する。
図1は、ソフトウェア比較サイトのサイトマップを示す図である。
【0010】
ソフトウェア比較サイトには、トップページP1が設けられている。このトップページP1には、会員ページP2、アバウトページP3、カテゴリトップP4、ブログトップP5等の夫々のページがリンクされている。
カテゴリトップP4のページには、ニュースP6、ソフトウェアを選ぶP7、選び方ガイドP8等のページがリンクされている。
ブログトップP5のページには、ブログ記事一覧P9、ブログ記事P10がリンクされている。
【0011】
図1に示すサイトマップのソフトウェア比較サイトでは、ソフトを選ぶP7のページからユーザは、ソフトウェアを選ぶことができる。
本発明の一実施形態に係る情報処理装置(後述の
図4のサーバ1のウェブサーバ部111)は、
図1に示すサイトマップのソフトウェア比較サイト(ウェブサイト)をインターネット等(例えば後述の
図2ネットワークN)に開示する。
【0012】
次に、
図2乃至
図4を参照して、
図1に示すソフトウェア比較サイトを活用する情報処理システムについて説明する。
図2は、
図1に示すソフトウェア比較サイトを活用する情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態であるサーバを含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【0013】
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、ユーザ端末2とを、インターネット等のネットワークNを介して接続し通信するように構成される。
サーバ1は、本ソフトウェア比較サイトの運営者により管理される。
ユーザ端末2は、ソフトウェア比較サイトを利用するユーザにより操作される。
【0014】
図3は、
図2の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0015】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0016】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0017】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0018】
出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0019】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(
図2の例ではユーザ端末2)との間で通信を行う。
【0020】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
なお、図示はしないが、
図2の情報処理システムのユーザ端末2は、
図3に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有している。
【0021】
以下、
図4を参照して、
図3のサーバの機能的構成の一例について説明する。
図4は、
図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0022】
図3に示したサーバ1の記憶部18の一領域には、
図4に示すように、ユーザ情報DB300と、質疑応答DB400と、選定条件DB500と、ソフトウェアDB600とが設けられている。
ユーザ情報DB300には、本ソフトウェア比較サイトを利用するユーザが会員登録した際に入力された情報が記憶されている。
ユーザ情報DB300に記憶される情報としては、例えば本ソフトウェア比較サイトの会員としての会員ID、氏名、性別、住所、連絡先(電話番号、電子メールアドレス等)、ソフトウェア診断履歴、ソフトウェア購入時の支払い方法等である。
【0023】
質疑応答DB400には、会員(ユーザ)の要望に適した比較対象の1以上のソフトウェアを示すために、当該会員の要望を取得するための質疑応答に関する情報(以下、「質疑応答情報」と呼ぶ)が記憶されている。
具体的には例えば、質疑応答DB400には、ユーザに対する質問と、その質問に対しするユーザの答えの選択肢との組(質疑応答の組)が複数組登録されている。
さらに、このような複数の質疑応答の組は、単純に質疑応答DB400に記憶されているのではなく、ユーザによる答えの選択肢の選択の仕方に応じて、次の質問が変化していくように、質疑応答の組がツリー構造で分岐していく質疑応答ロジックとして質疑応答DB400に記憶されている。
【0024】
回答の選択肢として、例えば、回答Aと回答Bとが用意されている質疑応答の第1の組と、質問aを有する第2の組と、質問bを有する第3の組とが存在する場合、第1の組について、ユーザが回答Aを選択した場合には次の質問として質問aが抽出される一方、ユーザが回答Bを選択した場合には次の質問として質問bが抽出されるようにしたい場合、第1の組の回答Aに対応させて第2の組が、第1の組の回答Bに対応させて第3の組が、夫々質疑応答DB400に記憶されることになる。
【0025】
選定条件DB500には、ユーザの要望に適した1以上のソフトウェアを選定するための条件(以下、「選定条件」と呼ぶ)が複数記憶されている。詳細については後述するが、ユーザに対して質疑応答(上述の質疑応答の組のユーザへの提示)が繰り返されることにより、その繰り返された質疑応答の結果として、ユーザの要望に適した選定条件が選定条件DB500から抽出される。
【0026】
ここで、ユーザの要望に適したものとして当該ユーザに提示されるソフトウェアは、任意のものでよいが、ここでは説明の便宜上、ソフトウェアDB600に情報が記憶されているものとする。
ソフトウェアDB600には、販売対象のソフトウェアに関する情報が記憶される。
具体的には例えば、ソフトウェアに関する情報として、販売対象の1以上のソフトウェア毎に、名称、商品番号、販売価格、ソフトウェアの機能及び仕様、ハードウェアの適用条件等が夫々ソフトウェアDB600に記憶されている。
【0027】
ここで、
図1のサイトマップを有するソフトウェア比較サイトにおいて、ソフトウェアの選択処理が実行される際には、サーバ1のCPU11において、ウェブサーバ部111と、受付部112と、表現形態変換部113と、選定条件設定部114と、提示部115とが機能する。
ソフトウェアの選択処理とは、ユーザに対して質疑応答が繰り返され、その繰り返された質疑応答の結果として、ユーザの要望に適した1以上の選定条件が設定され、当該1以上の選定条件に基づいて、ユーザの要望に適した1以上のソフトウェアが選択されるまでの一連の処理をいう。
【0028】
ウェブサーバ部111は、サイト開示部121を有する。
サイト開示部121は、インターネット等のネットワークNに対してソフトウェア比較サイトを開示する。本例では、ソフトウェア比較サイトは、
図1に示したサイトマップで構成されている。
なお、会員に限定してウェブサイトを閲覧可能にすることも開示の範囲に含まれるものとするが、本例では、会員でない者に対してもソフトウェア比較サイトを閲覧可能とされている。
ここで、会員でないユーザのユーザ端末2によりソフトウェア比較サイトにアクセスがなされてきた場合、ウェブサーバ部111は、アクセスしてきたユーザに会員登録を促し、ソフトウェア比較サイトの会員ページP2(
図1参照)において会員登録をすると、当該ユーザの情報を利用情報DB300に記憶させて管理する。
【0029】
受付部112は、ソフトウェアに対するユーザの要望を汎用的な第1表現形態を含む形態で受け付ける。
ここで、汎用的な第1表現形態とは、後述する専門的な第2表現形態と対となるものであり、ソフトウェアを業とする分野に属しない者(本例ではユーザ)に対しても通じる用語や表現で表されたものをいう。
【0030】
例えば、ユーザがソフトウェアを業務等で利用する上で自身の使い勝手を具体的に表したものは、汎用的な第1表現形態の一例である。
具体的に例えば、100人規模の実印の契約業務を電子化したい、プリントはしない等というように、ユーザを基準としてユーザの要望を表す表現の形態が、汎用的な第1表現形態の1つの例である。
この他、第1表現形態としては、例えば飲食業を営む個人事業主が、店舗の宣伝をするためのウェブサイトを構築する、ウェブサイトにはブログや通販機能は必要としない、等といった表現形態であってもよい。また、上場準備中の企業において、経理業務未経験の従業員が経理業務を行なう、等といった表現形態であってもよい。
【0031】
受付部112は、例えば本例では、汎用的な第1表現形態の要望を細分化して、1つずつ質疑応答(
図7乃至
図9参照)の形態のやり取りで受け付けるようにしている。
即ち、受付部112は、ユーザ(ユーザ端末2)と質疑応答を繰り返すことで、当該ユーザの要望を第1表現形態を含む形態で受け付ける。質疑応答における質問は1以上の選択肢でなされる。
【0032】
具体的には例えば、受付部112は、質疑応答DB400を参照して
図7乃至
図9に示すように、所定の質疑応答の組、即ち、ユーザに対する質問(Q)と、その質問(Q)に対する選択肢(選択可能な複数の回答(A))とをユーザ端末2に提示する。
そして、受付部112は、ユーザのユーザ端末2の操作により選択された回答(A)を受け付ける。このような一連の処理が、複数の質疑応答の組毎に実行される。その際、上述したように、選択肢を構成する複数の回答(A)の何れかがユーザにより選択されたかによって、次にユーザに提示される質疑応答の組は変化する。
【0033】
受付部112は、ラベル付与部131を備える。
ラベル付与部131は、ユーザに提示される選択肢を構成する複数の回答(A)のうち少なくとも1つの回答に対してラベルを付与する。
具体的には例えば、ラベル付与部131は、過去において多数のユーザに対して質問(Q)に対して選択された回答(A)の統計の履歴を取り、その統計の履歴に基づいて、所定の回答(A)に対して、例えば「よく選ばれる」、「推奨」、「非推奨」等のラベルを付与する。付与されたラベルは、質疑応答の組の選択肢の複数の回答(A)のうち該当するものの近傍の位置に提示される。
【0034】
表現形態変換部113は、受付部112により受け付けられたユーザの汎用的な第1表現形態の要望を専門的な第2表現形態に変換する。
ここで、専門的な第2表現形態とは、上述の汎用的な第1表現形態と対となるものであり、ソフトウェアを業とする分野に属する者(本例ではベンダーやサプライヤー)に対して通じる専門用語や専門的な表現で表されたものをいう。例えば、ベンダー又はサプライヤー側の思考を基準としてソフトウェアの使用環境や仕様条件、対応業務等を表す表現の形態は、専門的な第2表現形態の一例である。
【0035】
具体的には例えば、「100人規模の実印の契約業務を電子化したい、プリントはしない」等といった第1表現形態でユーザの要望があったものとする。この場合、表現形態変換部113は、例えば「契約業務」を「契約締結」という専門用語に変換し、「実印」、「電子化」を「電子署名」という専門用語に変換し、「プリントはしない」を「電子ファイル保管」という専門用語に変換し、「100人規模」を「利用ユーザ数100人以上」等の専門用語に変換する。
【0036】
この他、専門的な第2表現形態には、設計思想、仕様が含まれる。設計思想はコンセプト、アイディア等ともいう。
設計思想は、ソフトウェアの特徴を抽象化した核の部分である。仕様は、それを具現化したものである。
MA(Marketing Automation)ツールで、例えば「Pardot」や「Salesforce Marketing Cloud」等がある。両者は、共にSalesforce社のMAツールである。「Pardot」は、BtoB等で対面営業の商談を増やすものであり、「Salesforce Marketing Cloud」は、日用品等、安価で検討プロセスが短い商材で顧客とコミュニケーションを深めるものである。
【0037】
また、専門的な第2表現形態には、適合する利用者層、高機能性と簡易性のバランス、利用料金等がある。
適合する利用者層は、利用者の業界、従業員数、利用者数、IT専任担当の有無等である。
高機能性と簡易性のバランスについて、両者はトレードオフである。
例えば同じSFA(Sales Force Automation)でも「Salesforce Sales Cloud」は、高機能で複雑、反対に「Zoho CRM」は、低機能で簡易である。
利用料金は、ソフトウェア単位ではなく、その下位概念のプラン毎に料金が異なる。選定条件に応じて適切なプランが引き当てられて、料金の概算が算出される。
なお、このような変換の手法は、特に限定されず、例えば、用語変換辞書等を利用する手法の他、ユーザの汎用的な第1表現形態の要望を入力すると、専門的な第2表現形態の要望を出力するAI(機械学習モデル等)を利用する手法を採用してもよい。
【0038】
選定条件設定部114は、専門的な第2表現形態に変換されたユーザの要望に基づいて、ソフトウェアを選定するための1以上の選定条件を設定して、選定条件DB500に記憶させる。
具体的には例えば、選定条件設定部114は、専門的な第2表現形態を構成する各種専門用語をキーワードとして、例えば契約締結、電子署名、電子ファイル保管、利用ユーザ数100人以上等をキーワードとして、これらのキーワードの夫々を選定条件の夫々として設定して、選定条件DB500に記憶させる。
なお、選定条件は、キーワード等にする必要は特になく、文章や画像等でもよい。例えば、専門的な第2表現形態で表されたユーザの要望自体を選定条件として採用することも可能である。
【0039】
提示部115は、選定条件設定部114により設定された1以上の選定条件に基づいて、1以上のソフトウェアをユーザに提示する。
具体的には例えば、提示部115は、選定条件DB500から読み出した1以上の選定条件に基づいて、ソフトウェアDB600を検索し、検索結果として得られた1以上のソフトウェアの情報一覧を電子契約サービス一覧画面54(
図10参照)としてユーザ端末2に表示させることで、ユーザに提示する。
【0040】
このように情報処理システムのサーバ1を構成することにより、ソフトウェア比較サイトにおいて、表現形態変換部113は、ユーザの汎用的な第1表現形態の要望を専門的な第2表現形態の要望に変換する。選定条件設定部114は、専門的な第2表現形態に基づいて1以上の選定条件を設定する。提示部115は、1以上の選定条件に基づいて、ソフトウェアDB600より1以上のソフトウェアを検索してユーザに提示する。
これにより、ユーザは、自身の感覚(自身にも通じる汎用的な第1表現)で質問に答えるだけで、換言すると、専門的な第2表現形態を用いずとも、当該ユーザが必要とする機能を含むソフトウェアを容易に見つけることができる。
この他、ソフトウェアを評価の前段階において、第1表現形態と第2表現形態の繋がりが分かるので、ユーザの視点に立ってユーザがソフトウェアを見つける際のあるべき選定条件を知ることができる。
通常、ソフトウェアメーカー各社は、夫々の立場から情報を発信するので、同じ基準で比較するのが難しいが、この情報処理システムでは、横並びでソフトウェアの評価をみることができる。即ちこの情報処理システムのサーバ1により公開(開示)されるソフトウェア比較サイトは、重要な論点において横並びの評価を提供することができる。
【0041】
次に、
図5及び
図16を参照して上述したサーバ1の動作を説明する。
図5は、
図1に示すサイトマップにおいて「ソフトを選ぶ」、「電子契約サービス」のページにリンクされたソフトウェア診断ページを示す図である。
図6は、
図5のページに続くページを示す図である。
図7は、
図5のページの「診断を始める」ボタンをクリックして表示される質疑応答ページを示す図である。
図8及び
図9は、質疑応答の結果、選定条件を確認するページを示す図である。
図10及び
図11は、選定条件により検索された電子契約サービスの一覧を示す図である。
図12及び
図14は、電子契約サービスの一覧の中から選択された1つのサービスの内容が記載されたページを示す図である。
図15及び
図16は、
図12の電子契約サービスのプランの内容が記載されたページを示す図である。
【0042】
ユーザは、ユーザ端末2を用いて、以下のような操作を行っていく。なお、以下においては、ユーザ端末2の記載は略記する。
図1のサイトマップにおいて、ユーザが、ソフトを選ぶP7をクリック操作し、さらに表示されたメニューから「電子契約サービス」をクリック操作すると、ウェブサーバ部111のサイト開示部121により、
図5及び
図6に示すソフトウェア診断ページ51が表示される。
【0043】
ソフトウェア診断ページ51には、「診断を始める」のボタン51aの他、他社の診断事例、電子契約について詳しく知る、主要な電子契約サービス一覧、電子契約サービス関連記事等の項目でコンテンツが掲載されている。
【0044】
ここで、ユーザが、ソフトウェア診断ページ51の「診断を始める」のボタン51aをクリック操作すると、受付部112により質疑応答ページ(図示せず)が表示される。
以下の例示する各種質疑応答ページには、汎用的な第1表現形態を含む形態で記載された質疑応答の組が表示される。
即ち、質疑応答ページには、例えば「電子化したい業務は?(複数可)」といった質問(Q)が表示され、ユーザの回答の選択肢として、例えば「よく選ばれる」「契約締結」と「よく選ばれる」「書類管理」との2つが表示される。
なお、選択肢を構成する回答(A)は「契約締結」と「書類管理」とであり、夫々の回答(A)の前の「よく選ばれる」は、当該回答(A)の夫々に付与されているラベルである。
「契約締結」には、説明文として「紙と判子」ではなく、インターネット上で契約を締結する等の記載がある。また、「書類管理」には説明文として契約書を電子的に管理する等の記載がある。
【0045】
上記質疑応答ページにおいて、ユーザにより、例えば「契約締結」が選択されて、「次へ」のボタンがクリック操作されると、次の質疑応答ページ52(
図7参照)が表示される。
この質疑応答ページ52には、例えば「むすびたい契約は、紙でいえば、認印相当?実印相当?」といった質問(Q)が表示され、ユーザの回答の選択肢として、例えば「認印」、「実印」、「両方」の夫々の回答(A)が表示される。「認印」の近傍位置には「よく選ばれる」の文字(ラベル)が表示される。なお、この選択肢は、スキップして後で回答することができる。
【0046】
この質疑応答ページ52において、ユーザにより、例えば「認印」の回答(A)が選択されて、「次へ」のボタン52aがクリック操作されると、次の質疑応答ページ(図示せず)が表示される。
次の質疑応答ページでは、「取引の金額が記載されている書類がある?」という質問(Q)が表示され、ユーザの回答の選択肢として、例えば「よく選ばれる」というタグと共に「ある」という回答(A)と、「なし」という回答(A)の2つが表示される。質問には、「書類は(契約書だけでなく)注文書、領収書、見積書等も含みます。「金額記載のない書類」の例は秘密保持契約書です。」等といった注釈が記載されている。
【0047】
この書類の有無を回答する質疑応答ページにおいて、ユーザにより、例えば「ある」という回答(A)が選択されて、「次へ」のボタンが操作されると、次の質疑応答ページ(図示せず)が表示される。
次の質疑応答ページでは、「電子的に結んだ契約書をプリントアウトする?」という質問(Q)が表示され、ユーザの回答の選択肢として、例えば「よく選ばれる」というタグと共に「プリントアウトしない」という回答(A)と、「プリントアウトする」という回答(A)の2つが表示される。「プリントアウトしない」には、「電子ファイルのまま保管」等といった注釈が記載されている。
【0048】
このプリントアウトの有無を回答する質疑応答ページにおいて、ユーザにより、「プリントアウトしない」、「プリントアウトする」のうち何れかの回答(A)が選択されて、「次へ」のボタンがクリック操作されると、次の質疑応答ページ(図示せず)が表示される。
次の質疑応答ページでは、「他のシステムと連携する?」という質問(Q)が表示され、ユーザの回答の選択肢として、例えば「よく選ばれる」というタグと共に「しない」という回答(A)と、「する」という回答(A)との2つが表示される。
【0049】
この他のシステムとの連携の有無を回答する質疑応答ページにおいて、ユーザにより、例えば「する」、「しない」のうち何れかの回答(A)が選択されて、「次へ」のボタンがクリック操作されると、次の質疑応答ページ(図示せず)が表示される。
次の質疑応答ページでは、「提供形態は?」という質問(Q)が表示され、ユーザの回答の選択肢として、例えば「よく選ばれる」というタグと共に「クラウド」という回答(A)と、「オンプレミス」という回答(A)との2つが表示される。「クラウド」には、「自前サーバを持たない会社向け」等といった注釈が記載されている。また、「オンプレミス」には、「自前サーバを持つ会社向け。但し、契約締結機能を持つソフトウェアの場合はすべてクラウドベースなので選択肢にならない」等といった注釈が記載されている。
【0050】
提供形態について回答する質疑応答ページにおいて、ユーザにより、例えば「クラウド」、「オンプレミス」のうち何れかの回答(A)が選択されて、「次へ」のボタンがクリック操作されると、次の質疑応答ページ(図示せず)が表示される。
次の質疑応答ページでは、「ソフトウェアを利用する人数は?」という質問(Q)が表示され、ユーザの回答(A)として、例えば「[ ]人 利用者数[ ]人」等の数値の入力欄が表示される。
【0051】
ソフトウェアを利用する人数について回答する質疑応答ページにおいて、ユーザにより、例えば「10人」等の数値が回答(A)として入力されて、「次へ」のボタンがクリック操作されると、次の質疑応答ページ(図示せず)が表示される。
次の質疑応答ページでは、「1ヶ月間に「送る」契約書の件数は?」という質問(Q)が表示され、ユーザの回答(A)として、例えば「[ ]件」等の数値の入力欄が表示される。
【0052】
1ヶ月間に「送る」契約書の件数について回答する質疑応答ページにおいて、ユーザにより、例えば「100件」等の数値が回答(A)として入力されて、「次へ」のボタンがクリック操作されると、表現形態変換部113は、これまでなされたユーザによる各回答(A)に基づいて汎用的な第1表現形態を含む形態で表されるユーザの要望を、専門的な第2表現形態に変換する。そして、その変換結果に基づいて設定される選定条件として、
図8及び
図9に示す選定条件確認ページ53が表示される。
【0053】
選定条件確認ページ53には、専門的な第2表現形態のユーザの要望に基づく各選定条件(各項目)として、例えば「対象業務」、「契約方式」、「電子ファイル保管に関する電子署名法対応」、「システム連携」、「提供形態」、「利用者数」、「書類送信件数」等が表示される。
このようにして、選定条件確認ページ53における夫々の項目には、ユーザへの質問(Q)と回答(A)と、専門的な第2表現形態で表されたユーザの要望に基づく選定条件とが表示される。
【0054】
選定条件確認ページ53の内容を確認したユーザが、
図9の下部の「この選定条件でソフトウェアを評価する」のボタン53aをクリック操作すると、選定条件設定部114が、上述した夫々の各項目(各選定条件)を選定条件DB500に設定(記憶)する。
【0055】
これと共に、提示部115では、検索部141が、選定条件DB500に設定された各選定条件に基づいて、ソフトウェアDB600の中から、各選定条件のうち少なくとも1つと合致する1以上のソフトウェアに関する情報を読み出す。
そして、比較表作成部142が、検索された1以上のソフトウェアに関する情報を夫々比較可能に配置し、
図10及び
図11に示す電子契約サービス一覧のページ54に電子契約サービス一覧を表示する。
【0056】
検索結果の電子契約サービス(ソフトウェア)一覧には、各電子契約サービス(ソフトウェアDB600から情報として読み出された1以上のソフトウェア)毎に、ツール名、プラン、月額料金等の他、選定条件の情報が表示される。
電子契約サービス(ソフトウェア)のツール名の表示の順序は、例えば選定条件に合致する項目の数が多い順等とする。例えば全300製品(ソフトウェア)のうち選定条件に合致する順に20製品、つまり「20製品/全300製品」が表示される。
所定の電子契約サービス(1つのソフトウェア)において、各選定条件のうち、所定の選定条件と合致する項目(即ち、所定の選定条件を満たす仕様等を有している場合)は「〇」が表示され、選定条件の項目が存在しないも(即ち、所定の選定条件を満たす仕様等を有していない場合)は「×」が表示され、選定条件に合致するか否かが不明な項目(即ち、所定の選定条件を満たす仕様等を有しているか否かが不明の場合)は、グレーアウトされる。
【0057】
このページ54では、ユーザが選定条件を詳しく見たり、変更することが可能である。また、選定条件を保存しておき、再利用することができる。また、検索結果の絞り込みや並び替え等も行うことができる。
【0058】
ユーザが、電子契約サービス一覧に表示された中から、所望のツール(ソフトウェア)のアイコン又はツール名等をクリック操作すると、
図12乃至
図14に示すように、個々の電子契約サービスのツールの詳細情報のページ55が表示される。
図12乃至
図14に示すページ55は、例えば電子契約Aというツール(ソフトウェア)の詳細情報が掲載されたページである。ユーザは、このページ55を閲覧することで、電子契約Aのツール(ソフトウェア)の詳細を知ることができる。
【0059】
ユーザは、
図12に示したツールの詳細のページ55のプランボタン55aをクリック操作すると、
図15及び
図16に示すプランのページ56が表示される。
このプランのページ56には、電子契約Aというツール(ソフトウェア)のプランが掲載されており、ユーザは、このページ56を閲覧することで、電子契約Aというツール(ソフトウェア)のプランを知ることができる。
【0060】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0061】
上述の実施形態では、サーバ1がインターネットにソフトウェア比較サイトを開示し、ソフトウェア比較サイトにアクセスしたユーザからソフトウェアの情報を閲覧させるようにしたが、特にこれに限定されない。
例えば、サーバ1がインターネットに本ソフトウェア比較サイトのアプリケーションソフトウェア(以下「アプリ」と称す)を公開し、ユーザ端末2にアプリをダウンロードさせて実行することで、同様の機能を実現できる。
また、上述の実施形態では、ソフトウェアとして電子契約サービスのツールを見つけ出すことについて説明したが、この他、様々な組み合わせが考えられる。
【0062】
例えば、受付部112は、ユーザの要望を汎用的な第1表現形態を含む形態で受け付ける際に、所定の手法に基づいて、所定の質問(Q)について「出す(する)」/「出さない(しない)」を決定するようにしてもよい。
【0063】
ここで、所定の手法としては、例えば質的決定と、量的決定とが存在する。
質的決定とは、質疑応答の組がツリー構造で分岐していく上述の質疑応答ロジック(フローチャート状に質疑応答の組が順次提示されていくロジック)が採用されている際に、前回の質問(Q)に対する回答(A)に応じて、次の質問(Q)を「出す(する)」/「出さない(しない)」を決定していく手法である。
具体的には例えば、ソフトウェアの一例としての電子契約サービスツールを探すとき、「対象業務:契約締結」が該当するか否かという前回の質問(Q)に対して、該当するという回答(A)の場合には、受付部112は、次の質問(Q)として「契約方式」に関するものを「出す(する)」。これに対して、非該当の回答(A)の場合、受付部112は、次の質問(Q)として「契約方式」に関するものは「出さない(しない)」。これにより、ユーザにとって、不要な選択肢による回答(A)をさせないようにすることができる。
【0064】
これに対して、量的決定とは、複数の質問(Q)の夫々に対する複数の回答(A)を例えばスコア化してそのスコアの多寡に応じて「出す(する)」/「出さない(しない)」を決定する手法である。
具体的には例えば、ソフトウェアの別の例としてCRM(Customer Relationship Management)ツールを探すとき、複数の「質問(Q)」の夫々が、「利用者数は?」、「IT知識は?」、「費やせる費用・工数は?」等が存在したとする。
この場合、受付部112は、これらの回答(A)に基づくスコアに応じて、次の質問(Q)として、高機能で複雑なCRMに関するものを「出す(する)」/「出さない(しない)」のか、それとも、低機能で簡易なCRMに関するものを「出す(する)」/「出さない(しない)」のかを決定するようにしてもよい。
例えば、複数の「質問(Q):回答(A)」の夫々が、「利用者数:少ない」、「IT知識:なし」、「費やせる費用・工数:低い」等の場合は、高機能で複雑なCRMではなく低機能で簡易なCRMを勧めるべく、受付部112は、簡易なCRMの詳細な要件についての質問(Q)を「出す(する)」ようにしてもよい。
【0065】
同様に、受付部112のラベル付与部131は、質的決定又は量的決定に基づいて、ラベルを付与「する」/「しない」を決定するようにしてもよい。
【0066】
例えば、質的決定に基づく例は次の通りである。即ち、ソフトウェアの別の例としてSFAツールを探すとき、フローチャート状の前々回及び前回の「質問(Q):回答(A)」の夫々が「企業規模:大」と「業種:美容クリニック」の夫々であったとする。
この場合、商談数が多く歩留まり改善効果が見込まれるので、ラベル付与部131は、次の質問の回答の選択肢のうち「予実管理機能」という回答(A)には「よく選ばれる」というラベルを付与「する」ようにしてもよい。また、それ以外の場合、ラベル付与部131は、「予実管理機能」という回答(A)には「よく選ばれる」というラベルを付与「しない」ようにしてもよい。
【0067】
これに対して、例えば、量的決定に基づく例は次の通りである。即ち、ソフトウェアの別の例としてCRMツールを探すとき、複数の質問(Q)として、「利用部署は?」、「企業規模は?」、「費やせる費用は?」等があったとする。なお、これらの質問(Q)は一例であり、必ずしもすべて揃う必要はない。
この場合、ラベル付与部131は、これらの複数の質問(Q)の夫々に対する複数の回答(A)に基づくスコアに応じて、次の回答の選択肢のうち「システム連携可」という回答(A)に対して「よく選ばれる」というラベルを付与「する」/「しない」を決定するようにしてもよい。
例えば、複数の「質問(Q):回答(A)」の夫々が、「利用部署:営業、マーケティング、カスタマーサポート」、「企業規模:大」、「費やせる費用・工数:高」であったとする。この場合、ラベル付与部131は、これらの回答(A)に基づくスコアに応じて、次の回答の選択肢のうち「システム連携可」という回答(A)に対して「よく選ばれる」というラベルを付与「する」ようにしてもよい。
【0068】
同様に、表現形態変換部113は、質的決定又は量的決定に基づいて、受付部112により受け付けられたユーザの汎用的な第1表現形態の要望を専門的な第2表現形態に変換するようにしてもよい。
【0069】
例えば、質的決定に基づく例は次の通りである。即ち、ソフトウェアの一例として電子契約サービスのツールを探すとき、複数の質疑応答の組がフローチャート状になされており、その結果として、汎用的な第1表現形態のユーザの要望が「取引の金額が記載された書類がある」であり、「電子的に結んだ契約書をプリントアウトしない」であったとする。この場合、表現形態変換部113は、このような汎用的な第1表現形態を、「電子ファイル保管に関する電子署名法対応」といった専門的な第2表現形態に変換することができる。
【0070】
これに対して、例えば、量的決定に基づく例は次の通りである。即ち、ソフトウェアの一例としてウェブ制作のソフトウェアを探すとき、複数の質問(Q)が「ニーズの複雑性」、「求めるデザインの自由度」、「IT知識」、「費やせる費用・工数」であったとする。なお、これは一例であり、必ずしもこれらの質問(Q)がすべて揃う必要はない。
この場合、表現形態変換部113は、これらの複数の質問(Q)の夫々に基づく回答(A)に基づくスコア、即ち汎用的な第1表現形態のユーザの要望に基づくスコアに応じて、専門的な第2表現形態のユーザの要望に変換するようにしてもよい。
例えば、複数の「質問(Q):回答(A)」の夫々が、「ニーズの複雑性:高」、「求めるデザインの自由度:高」、「IT知識:高」、「費やせる費用・工数:高」であったものとする。
この場合、表現形態変換部113は、これらの複数の質問(Q)の夫々に基づく回答(A)に基づくスコア、即ち汎用的な第1表現形態のユーザの要望に基づくスコアに基づいて、「提供形態:オンプレ(クラウドではない)」といった専門的な第2表現形態のユーザの要望に変更するようにしてもよい。
【0071】
この他、サーバ1は、上述の実施形態に限定されない各種各様な機能を有することができる。
例えは、サーバ1は、同じ会社の社員(別ユーザ)の過去の利用履歴(又は登録した利用ソフトウェア)を参照して、それと連携可能なソフトウェアをユーザに提示してもよい。
また例えば、サーバ1は、質疑応答の状況に近い事例をピックアップしてもよい。
また例えば、サーバ1は、掲示板を設けてユーザ同士で情報交換をするようにしてもよい。
また例えば、サーバ1は、バイヤーの行動履歴をベンダーに提供してもよい。この場合、ユーザは、ベンダーのマーケティングの参考にすることができるので、営業ツールとして活用が見込まれる。
また例えば、サーバ1は、フリーワード/自然言語により質問を受け付けてAIで判断してもよい。
また例えば、サーバ1は、選定条件を設定するのに、通常、何も流用せずに1から行うが、他社の診断事例を参考にしてもよい。
また例えば、サーバ1は、トラブル事例のフィードバックを基に、「非推奨」のラベルがついた選択肢が選択されたときにアラートを出すようにしてもよい。
また、例えば、サーバ1は、質疑応答の結果とユーザのもつ社会経済的な特質データとを蓄積しておき、必要に応じてユーザへ広告や電子メールを配信したり、ユーザへレコメンドしたりしてもよい。
【0072】
また、例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図4に示した機能的構成は一例に過ぎず、特に限定されるものではない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは特に図の例に限定されるものではない。
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロック及びデータベースを複数のコンピュータに分けて移譲させてもよい。逆にユーザ端末2及びデータベースの機能ブロックをサーバに移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0073】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0074】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。
【0075】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0076】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図4のサーバ1等)は、
ソフトウェアに対するユーザの要望を汎用的な第1表現形態(例えば100人規模の実印の契約業務を電子化したい、プリントはしない等)を含む形態で受け付ける受付手段(例えば
図4の受付部112等)と、
前記第1表現形態で受け付けられた前記要望を専門的な第2表現形態(例えば契約締結、電子署名、電子ファイル保管、利用ユーザ数100人以上等)に変換する変換手段(例えば
図4の表現形態変換部113等)と、
前記第2表現形態に変換された前記要望に基づいて、ソフトウェアを選定するための1以上の選定条件(例えば契約締結、電子署名、電子ファイル保管、使用ユーザ数100人以上等)を設定する設定手段(例えば
図4の選定条件設定部114等)と、
前記1以上の選定条件に基づいて、1以上のソフトウェアを前記ユーザに提示する提示手段(例えば
図4の提示部115等)と、
を備える。
このように構成することで、ユーザの汎用的な第1表現形態の要望(ユーザのソフトウェアの条件の希望等)が、専門的な第2表現形態(サイト運営側の選定条件の用語)に変換されてソフトウェアが検索される。即ち、ユーザにとっては汎用的な第1表現形態の要望をするだけで、汎用的な第1表現形態から専門的な第2表現形態に変換されたユーザの当該要望に合致した1以上のソフトウェアが提示されるようになる。このようにして、ユーザが必要とする機能を含むソフトウェアを容易に見つけることができる。
【0077】
前記受付手段(例えば
図4の受付部112等)は、
前記ユーザと質疑応答を繰り返すことで前記ユーザの要望を前記第1表現形態で受け付ける。
これにより、ユーザとの質疑応答を繰り返す中でユーザの要望をシステムとして受け付けることができるので、ユーザが必要とするソフトウェアにより近いものをユーザに提示することができる。
【0078】
前記質疑応答における質問に対する回答は選択肢でなされ、
前記受付手段(例えば
図4の受付部112等)は、
前記選択肢のうち少なくとも1つの回答に対してラベルを付与するラベル付与手段(例えば
図4のラベル付与部131等)、
を備える。
これにより、ユーザが選択肢の選択に迷ったときに、例えば「よく選ばれる」等のラベルを頼りに選択肢を選択することができる。
【符号の説明】
【0079】
1・・・サーバ、2・・・ユーザ端末、11・・・CPU、18・・・記憶部、19・・・通信部、111・・・ウェブサーバ部、112・・・受付部、113・・・表現形態変換部、114・・・選定条件設定部、115・・・提示部、121・・・サイト開示部、131・・ラベル付与部、141・・・検索部、142・・・比較表作成部、300・・・ユーザ情報DB、400・・・質疑応答DB、500・・・選定条件DB、600・・・ソフトウェアDB