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特許7566334成形されたガラスシートの表面を測定するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】成形されたガラスシートの表面を測定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20241007BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
G01B11/00
G01B11/24 K
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021503154
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 US2019043180
(87)【国際公開番号】W WO2020023599
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】62/702,617
(32)【優先日】2018-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500232086
【氏名又は名称】グラステク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】アディントン,ジェイソン シー.
(72)【発明者】
【氏名】モーラン,ベンジャミン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルデ,マイケル ジェイ.
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-20880(JP,A)
【文献】特表2008-536127(JP,A)
【文献】特開2005-345383(JP,A)
【文献】特開2010-53030(JP,A)
【文献】特開2018-9888(JP,A)
【文献】特開昭63-229313(JP,A)
【文献】特開平8-334319(JP,A)
【文献】特開2007-128467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01N 21/84-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学検査システムであって、
ガラスシートに向けられた平面レーザシートを形成する紫外線レーザ及び関連する光学系であって、前記平面レーザシートが前記ガラスシートの表面と交差し、それによって前記ガラスシートの前記表面が蛍光を発して前記表面上に可視波長線を形成させる、紫外線レーザ及び関連する光学系と、
前記ガラスシートの幅の第1の部分にわたって前記可視波長線を検出するための第1の画像センサを有する第1のカメラと、
前記第1のカメラ及び第2のカメラが前記ガラスシートの前記表面上に別々の視野を有するように、前記第1の部分とは別の前記ガラスシートの幅の第2の部分にわたって前記可視波長線を検出するための第2の画像センサを有する第2のカメラと、
(i)前記第1のカメラから前記可視波長線を示す画像データを受信し、(ii)前記第1のカメラからの前記画像データを分析して、前記可視波長線に関連付けられた第1の一連の座標における第1及び第2の座標を判定し、(iii)前記第1の一連の座標における前記第1及び第2の座標のそれぞれに関連付けられた第3の座標を三角測量し、(iv)前記第1の一連の座標の関数として前記ガラスシートの前記表面の第1の3次元マップを作成し、(v)前記第2のカメラから前記可視波長線を示す画像データを受信し、(vi)前記第2のカメラからの前記画像データを分析して、前記可視波長線に関連付けられた第2の一連の座標における第1及び第2の座標を判定し、(vii)前記第2の一連の座標における前記第1及び第2の座標のそれぞれに関連付けられた第3の座標を三角測量し、(viii)前記第2の一連の座標の関数として前記ガラスシートの前記表面の第2の3次元マップを作成し、(ix)前記第1の3次元マップ及び前記第2の3次元マップを使用して結合マップを形成する、ように構成された制御システムと、を備える、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項2】
請求項1に記載の光学検査システムにおいて、前記制御システムが、剛体変換を使用して前記第1の3次元マップを前記第2の3次元マップに対して移動させて、前記第1の3次元マップを前記第2の3次元マップと整列させ、その後、前記第1の3次元マップ及び前記第2の3次元マップのうちの1つの重なり合う視野から一連の座標を除外して、前記結合マップを形成する、ように更に構成されている、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項3】
請求項1に記載の光学検査システムにおいて、前記第1のカメラ及び前記第2のカメラが、前記平面レーザシートの片側に配置される、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項4】
請求項1に記載の光学検査システムにおいて、前記平面レーザシートが、前記第1のカメラと前記第2のカメラとの間に配置される、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項5】
前記ガラスシートの幅の第3の部分にわたって前記可視波長線を検出するための第3の画像センサを有する第3のカメラと、
前記ガラスシートの幅の第4の部分にわたって前記可視波長線を検出するための第4の画像センサを有する第4のカメラと、を更に備える、請求項1に記載の光学検査システムにおいて、
前記第1のカメラ、前記第2のカメラ、前記第3のカメラ、及び前記第4のカメラが、前記ガラスシートの前記表面上に別々の視野を有する、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項6】
前記ガラスシート及び前記紫外線レーザのうちの少なくとも1つを互いに対して平行移動させるように構成されたコンベヤを更に備える、請求項1に記載の光学検査システムにおいて、
前記紫外線レーザ、平面レーザシート、並びに第1及び第2のカメラが、互いに対して固定されており、前記制御システムが、前記ガラスシートにわたって測定された各カメラからの一連の可視波長線を示す一連のデータを受信するように更に構成されており、各可視波長線が、前記ガラスシートの前記表面に沿った異なる位置に対応しており、
前記制御システムが、前記一連の可視波長線のそれぞれを分析して、各可視波長線に関連付けられた一連の座標の第1及び第2の座標を判定し、前記一連の座標のそれぞれの前記第1及び第2の座標のそれぞれに関連付けられた第3の座標を三角測量し、且つ、各カメラに関連付けられた前記一連の座標のそれぞれから前記ガラスシートの前記表面の各3次元マップを作成する、ように更に構成されている、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項7】
請求項1に記載の光学検査システムにおいて、前記制御システムが、既定の線幅領域を使用して各カメラからの前記画像データを分析して、前記可視波長線に関連付けられた各一連の座標の前記第1及び第2の座標を判定するように更に構成されており、各一連の座標の前記第1及び第2の座標が、前記線幅領域内にある、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項8】
請求項7に記載の光学検査システムにおいて、前記線幅領域が、ピクセル及び/又はグレースケール閾値の関数である、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項9】
請求項1に記載の光学検査システムにおいて、前記ガラスシートの前記表面が第1の表面であり、
前記ガラスシートが、前記第1の表面とは反対の第2の表面を有し、
前記制御システムが、前記第1及び第2の表面の他方よりも高濃度のスズを含む前記第1及び第2の表面の一方に応じて、前記紫外線レーザの強度を調整するように更に構成されている、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項10】
請求項9に記載の光学検査システムにおいて、前記制御システムが、前記第1の表面が前記より高濃度のスズを含む場合に、前記紫外線レーザをより低い強度で動作させるように更に構成されている、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項11】
請求項1に記載の光学検査システムにおいて、前記制御システムが、前記表面の前記結合マップを使用して前記表面のシミュレートされた光反射率を判定するように更に構成されている、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項12】
前記制御システムと通信するディスプレイを更に備える、請求項11に記載の光学検査システムにおいて、
前記制御システムが、不変データのマップ、並びに/又はグリッドボード及びゼブラボードのうちの1つのシミュレートされた反射光学画像をディスプレイに出力するように更に構成されている、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項13】
請求項1に記載の光学検査システムにおいて、前記制御システムが、前記表面の前記結合マップを使用して前記ガラスシートの表面を測定するように更に構成されている、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項14】
請求項1に記載の光学検査システムにおいて、前記制御システムが、前記結合マップ内の前記第1及び第2の一連の座標をメッシュ化し、メッシュのグループ化のために垂線ベクトルを平均化し、且つ、前記第1及び第2の一連の座標内の前記座標の位置を調整して前記結合マップ内の一連の後処理された座標を作成することによって、前記結合マップをノイズ除去するように更に構成されている、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項15】
請求項1に記載の光学検査システムにおいて、前記制御システムが、変曲点及び膝のうちの1つを使用して前記3次元マップのエッジに隣接するポイントを除去することによって、前記結合マップをノイズ除去するように更に構成されている、ことを特徴とする、光学検査システム。
【請求項16】
光学検査システムを使用する方法であって、
平面レーザシートを形成して、紫外線レーザ及び関連する光学系からガラスシートの表面に向けるステップと、
前記ガラスシートの前記表面を前記平面レーザシートと前記表面との交点で励起して、前記ガラスシートの前記表面上に可視波長線を形成するステップと、
第1のカメラ及び第2のカメラを使用して前記可視波長線を画像化するステップであって、前記第1のカメラ及び前記第2のカメラのそれぞれが、前記ガラスシートの前記表面上に別々の視野を有して前記ガラスシートの前記表面のそれぞれの別々の部分を画像化する、ステップと、
前記第1のカメラからの画像データを分析することによって、前記可視波長線に関連付けられた第1の一連の座標における第1及び第2の座標を判定するステップと、
三角測量によって、前記可視波長線に関連付けられた前記第1の一連の座標における前記第1及び第2の座標のそれぞれに関連付けられた第3の座標を判定するステップと、
前記第2のカメラからの画像データを分析することによって、前記可視波長線に関連付けられた第2の一連の座標における第1及び第2の座標を判定するステップと、
三角測量によって、前記可視波長線に関連付けられた前記第2の一連の座標における前記第1及び第2の座標のそれぞれに関連付けられた第3の座標を判定するステップと、
前記第1の一連の座標の関数として、前記ガラスシートの前記表面の第1の3次元マップを作成するステップと、
前記第2の一連の座標の関数として、前記ガラスシートの前記表面の第2の3次元マップを作成するステップと、
前記第1及び第2の3次元マップを結合して、前記ガラスシートの前記表面の結合マップを形成するステップと、を含む、ことを特徴とする、方法。
【請求項17】
前記紫外線レーザ、平面レーザシート、並びに第1及び第2のカメラに対して前記ガラスシートを移動させるステップと、
前記ガラスシートを前記平面レーザシートに対して移動させながら、前記第1のカメラを使用して第1の一連の可視波長線を画像化するステップと、
前記ガラスシートを前記平面レーザシートに対して移動させながら、前記第2のカメラを使用して第2の一連の可視波長線を画像化するステップと、を更に含む、請求項16に記載の方法において、
前記表面の前記第1の3次元マップが、前記第1の一連の線の前記第1の一連の座標の関数として作成され、
前記表面の前記第2の3次元マップが、前記第2の一連の線の前記第2の一連の座標の関数として作成される、ことを特徴とする、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
前記表面の測定モデルと比較して、前記結合マップの座標のセットを使用して前記ガラスシートの不変メトリックを計算するステップと、
前記ガラスシートの測定情報を提供するために前記不変メトリックを出力するステップと、を更に含む、ことを特徴とする、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、前記表面の前記結合マップをノイズ除去するステップと、
前記ガラスシートの前記表面に指定された光反射率仕様と比較して、前記結合マップからの少なくとも1つの座標のセットを使用して前記ガラスシートの不変メトリックを計算するステップと、
前記表面の光反射率情報を提供するために前記不変メトリックを出力するステップと、を更に含む、ことを特徴とする、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記ノイズ除去されたマップからのレイトレーシングデータセットによって、グリッドボード及びゼブラボードのうちの1つのシミュレートされた反射光学画像を構築するステップと、
シミュレートされた画像を出力するステップと、を更に含む、ことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2018年7月24日に出願された米国仮特許出願第62/702,617号の利益を主張するものであり、その開示は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる。
【0002】
様々な実施形態は、成形されたガラスシートの表面を測定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ガラスシート、特に自動車のフロントガラス、バックライト、及びサイドライトとして使用するために様々な湾曲した形状に成形されたガラスシートの製造業者は、ガラスシートの表面の測定及び評価に関心がある。製造業者は、ガラスシートが測定用に事前定義された仕様の範囲内にあるかどうかを判定したい場合がある。製造業者はまた、ガラスがフロントガラス、バックライト、又はサイドライトなどとして取り付けられ得る車両の外部の観察者又は運転者又は乗客など、人の観察者によって知覚され得る、形成されたシートに反射された光学歪みの量を測定及び評価することを望む場合がある。例えば、車両アプリケーションでのヘッドアップディスプレイなどの技術の使用が増すにつれ、測定メトリック及び反射歪み閾値はますます厳しくなっている。製造業者は、同様に、形成されたガラスシートの表面上で可視である小さなへこみ又は他の欠陥を特定することを望んでいる。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、光学検査システムは、ガラスシートに向けられた平面レーザシートを形成する紫外線レーザ及び関連する光学系を備える。平面レーザシートはガラスシートの表面と交差し、それによってガラスシートの表面に蛍光を発して表面上に可視波長線を形成させる。カメラは、シートの幅の少なくとも一部にわたって可視波長線を検出するための画像センサを有する。制御システムは、(i)カメラから可視波長線を示す画像データを受信し、(ii)カメラからのデータを分析して、線に関連付けられた一連の座標における第1及び第2の座標を判定し、(iii)一連の座標における第1及び第2の座標のそれぞれに関連付けられた第3の座標を三角測量し、(iv)一連の座標の関数としてガラスシートの表面の3次元マップを作成する、ように構成されている。
【0005】
別の実施形態では、光学検査システムを使用する方法が提供される。平面レーザシートが形成されて、紫外線レーザ及び関連する光学系からガラスシートの表面に向けられる。ガラスシートの表面は、平面レーザシートと表面との交点で励起されて、ガラスシートの表面上に可視波長線を形成する。可視波長線は、カメラを使用して画像化される。可視波長線に関連付けられた一連の座標における第1及び第2の座標は、カメラからの画像データを分析することによって判定される。可視波長線に関連付けられた一連の座標における第1及び第2の座標のそれぞれに関連付けられた第3の座標は、三角測量によって判定される。ガラスシートの表面の3次元マップは、一連の座標の関数として作成される。
【0006】
更に別の実施形態では、光学検査システムを使用して表面を測定する方法が提供される。ガラスシートの表面上の位置に対応する座標のセットを含むデータセットは、紫外線レーザからの平面レーザシートの表面との交点に作成された蛍光線で、カメラを使用して画像化された表面上の蛍光線の位置を三角測量することによって計算される。表面の3次元マップは、一連のデータセットの関数として作成される。不変メトリックは、データセットを使用して、表面の測定モデルと比較して計算される。不変メトリックは出力される。
【0007】
別の実施形態では、光学検査システムを使用して表面の光反射率情報を提供する方法が与えられる。ガラスシートの表面上の位置に対応する座標のセットを含むデータセットは、紫外線レーザからの平面レーザシートの表面との交点に作成された蛍光線で、カメラを使用して画像化された表面上の蛍光線の位置を三角測量することによって計算される。表面の3次元マップは、一連のデータセットの関数として作成される。表面の3次元マップは、ノイズ除去される。不変メトリックは、ガラスシートGの表面に対して指定された光反射率仕様と比較して、ノイズ除去されたマップからのデータセットを使用して計算される。不変メトリックは出力される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態による、ガラスシート検査システムの一実施形態の概略図である。
図2図2は、一実施形態による、図1の検査システムと共に使用するための光学システムの概略図である。
図3図3は、図1及び図2のシステムで使用するためのガラスシートの光透過率を示すグラフである。
図4図4は、図1の検査システムと共に使用するための別の光学システムの概略図である。
図5図5は、図1の検査システムと共に使用するための別の光学システムの概略図である
図6図6は、一実施形態による、図1図2図4、及び図5のシステムを使用してガラスシートの表面を測定する方法のフローチャートである。
図7図7は、図2のシステムを使用して撮影されたガラスシート表面の可視スペクトル画像の一部である。
図8図8Aは、第3の座標を三角測量する際に使用するための図1図2の光学検査システムの概略図である。図8Bは、第3の座標を三角測量する際に使用するための図1図2の光学検査システムの概略図である。
図9図9は、一実施形態による、図7の方法で使用するためのマルチカメラシステム用のデータ整列ステップシーケンスを示す概略図である。
図10図10は、図6の方法から判定された表面マップを使用して表面を測定する方法のフローチャートである。
図11図11Aは、図10の方法を使用して判定された、ユーザに表示するための代表的なシステム出力である。図11Bは、図10の方法を使用して判定された、ユーザに表示するための代表的なシステム出力である。
図12図12は、図6の方法から判定された表面マップを使用して、表面の光反射率及び歪みをモデル化及び判定する方法のフローチャートである。
図13図13は、図12の方法を使用して判定された、ユーザに表示するための代表的なシステム出力である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
必要に応じて、本開示の詳細な実施形態が本明細書に提供されるが、開示されている実施形態は単なる例に過ぎず、様々な代替の形態で具体化され得ることが理解されるべきである。数値は必ずしも縮尺どおりではなく、いくつかの機能は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張又は最小化されている場合がある。従って、本明細書に開示されている特定の構造的及び機能的詳細は、限定的であると解釈されるべきではなく、本開示を様々に使用することを当業者に教示するための代表的な基礎として単に解釈されるべきである。
【0010】
本明細書に開示されている任意の回路又は他の電気デバイスは、任意の数のマイクロプロセッサ、集積回路、メモリデバイス(例えば、フラッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、又はそれらの他の適切な変形)、及び本明細書に開示されている動作を実行するために互いに協働するソフトウェア、を含み得ることが認識されよう。加えて、本明細書に開示されている任意の1つ以上の電気デバイスは、本明細書に開示されている任意の数の機能を実行するようにプログラムされる非一時的コンピュータ可読媒体で具現化されるコンピュータプログラムを実行するように構成され得る。
【0011】
図1は、オンラインガラスシート光学検査システム10を示している。検査システム10は、ガラスシートGをガラスシートの第1の寸法にほぼ平行な第1の方向に搬送するコンベヤ12を含む。図示された例では、成形されたガラスシートGは、一般に、相対的により小さい寸法である(或いは、高さと呼ばれ得る)第1の寸法、及び第2の相対的により大きい寸法(或いは、幅と呼ばれ得る)を有する、矩形の車両用フロントガラス又はバックライトである。ガラスシートGは3次元での厚さを有し、その厚さはその幅及び高さよりも小さい。ガラスシートGは、第1の方向にほぼ平行である1つ以上の曲率軸を中心に湾曲している。他の例では、ガラスシートGは、他の曲率軸を有し得るか、又は平坦若しくは実質的に平坦なシートとして提供され得る。
【0012】
コンベヤ12は、スタンドアロン型光学検査システムとして構成及び/又は動作され得る検査システム10を介して、ガラスシートGを輸送することのみに特化された単一のコンベヤであってもよい。他の例では、コンベヤ12は、例えば、典型的な自動車、建築、及び/又はソーラーガラスシート製造システムに見られる、加熱、成形、及びアニール、又は焼き戻しステーションなどの様々な処理ステーションを介して、ガラスシートを搬送する一連のコンベヤのうちの1つであり得る。ガラスシートG用のコンベヤは、記載された方法でガラスを取り扱うために、ローラ、エアフロート、又はベルトコンベヤ、ポジショナ、及びロボットアームなどの様々な技術によって提供され得る。システム10全体にわたるガラスシートのフロー及びプロセスを効率的に制御する速度で、ガラスシートを異なる処理ステーションを介して移動させるようにそれぞれが独立して制御され得る、複数のコンベヤもまた理解されよう。
【0013】
或いは、検査システム10は、コンベヤを有しない別個のスタンドアロン型システム又は装置として提供され得る。検査システム10はまた、ガラスパネルG用の固定具を備えてもよく、検査システム14は、例えば、コンベヤシステムに取り付けられた光学システム14を用いて、パネルGに対して平行移動するように構成されている。検査システム10は、ガラスパネルG及び光学システム14が互いに固定されて提供されてもよく、光学システムは、ガラスパネルGの表面をスキャンするように構成された光学素子を有する。
【0014】
検査システム10は、ガラスシートの表面を識別及び測定するために使用され、且つ、更にシートを測定し、シートの小さな欠陥を識別及び測定し、及び/又は反射光学歪みを測定するために使用され得る、光学システム14を有する。検査システム14を、図2を参照して詳細に説明する。
【0015】
一般に、光学系14は、ガラスシートGの光学特性に少なくとも部分的に基づいて選択された波長を有するレーザ又は他の光源を含む。光源からの光は、光学系14によってガラスシートGに向けられる。一例では、光源は、そのガラスシートGが不透明であるか、又はほぼ非透過性である、調整された狭帯域の波長λ1を有するように選択される。光源はまた、光源の波長λ1が、ガラスシートGの表面に、光源とは異なる波長λ2で光を誘導するか、又は放射させるように選択される。例えば、光源は、光源の波長λ1が、ガラスシートGの表面に、光源の波長λ1よりも長い波長λ2で光を誘導するか、又は蛍光を発し若しくは発光させるように選択される。
【0016】
光学システム14は、ガラスシートGから放射された光を検出するための少なくとも1つのカメラ又は他の検出器を有する。光学システム14はまた、光源からガラスシートGへ、及びガラスシートGから検出器への光を制御及び向けるための様々な光学素子を含む。
【0017】
光学システム14は、光源及び検出器を含む光学システムを制御し、各ガラスシート用の検出器からのデータを取得し、ガラスシート用のデータを分析し、且つ、表面形状、反射光学歪み、又は他の表面情報若しくはガラスシートの欠陥に関連する情報を提供するために、ロジックを実行するための少なくとも1つのプロセッサプログラムを含む、少なくとも1つのコンピュータ及び/又は制御ユニットを有する。コンピュータは、図示される検査システム10用の制御システム16と統合され得るか、又は制御システム16と通信する別個のデバイスとして提供され得る。
【0018】
従って、光学システム14は、ガラスシートGの表面に対応する詳細データを迅速に取得し、取得した表面データを分析してガラスシートGの表面形状、並びに、特にガラスシートGが曲げ、冷却、若しくは他の処理操作の間に又はそれらの後に、コンベヤ12上で輸送されるときの、ガラスシートGの光学特性に関連する特性を評価及び報告するための非接触検査システムを提供する。
【0019】
検査システム10は、この実施形態ではコンピュータとして示されているプログラム可能な制御ユニット16を含む。コンピュータ16は、光学システム14のコンピュータと通信しているか、又はそれと統合されてもよい。コンピュータ16は、ガラスシートがコンベヤ上を進むときにガラスシートを検出し、モータを制御してコンベヤ12の動作及び速度を制御するようにプログラムされた少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0020】
コンベヤ12は、ガラスシートGを、経路に沿って、又はここではy方向として示される方向に、光学系14を通過して移動させる。コンベヤ12は、1つ以上のモータ及び支持ローラ、又は他のデバイスを使用して移動させる。
【0021】
検査システム10は、1つ以上の位置センサ18を有して、ガラスシートGがシステム10を通って移動するときに光学システム14を使用してガラスシートGを分析する際に使用するための、コンベヤ12の位置及びタイミングを判定する。位置センサ18は、デジタルエンコーダ、光学エンコーダなどによって提供され得る。コンベヤ12及びガラスシートGの速度は、ガラスシートG用のライン動作を維持しながら、光学系14の光源からガラスシートGの表面領域への光の十分な滞留時間を可能にして、表面に蛍光を発するように選択することができる。一例では、コンベヤ12は、0.1~0.2メートル/秒の速度で、又は光学システム14と協調する速度で連続的に移動させて、ガラスパネルGの特定の動作、例えば1~4mmの範囲内の動作に基づいて、データを取得する。更なる例では、コンベヤ12は、ガラスパネルGが10~15秒のオーダーの時間枠内で検査され得るように移動させる。別の例では、コンベヤを0.01メートル/秒以上の速度で連続的に移動して、5ミリメートル以下のオーダーのガラスパネルGの動作に基づいてデータを取得する。ガラスシートからのデータは、グリッドサイズに対応する、ガラスパネルGの様々な動作に基づいて取得することができ、1ミリメートルのオーダーで、5ミリメートル未満、2ミリメートル未満、又は別の値であり得る。更なる例では、例えば、グリッドサイズが5ミリメートルを超える、又は10ミリメートルを超える、5ミリメートルを超えるオーダーでのガラスパネルGの動作に基づいてデータが取得されるように、コンベヤの速度を増大させてもよい。コンベヤの速度が低下するにつれて、パネルGをスキャンする時間が増大し、数秒、数十秒、又は数分、例えば2分のオーダーになり得る。より小さなグリッドサイズを使用して解像度を増大する必要があり得るため、パネルをスキャンするための時間は、複雑な表面輪郭を有するガラスパネルGに対して同様に増大し得る。位置センサ18は、例えばカメラのトリガとして、データ取得のタイミングを判定するための光学システム14への入力として使用することができる。
【0022】
検査システム10は、ガラスシートGがコンベヤ12上の適切な位置にあるか、又は光学システム14に進んだかを判定するために制御システム16と通信している、光電センサなどの追加のセンサを備え得る。次いで、コンピュータ16は、光学システム14と通信して、システム14を起動し、シートGの表面の測定を開始する。他の例では、光学システム14は、連続的に動作し、光源がガラスシートGと相互作用し始めたことを示す適切な信号を登録するシステム14検出器に応じて、ガラスシートGに関連するデータの取得及び処理を開始することができる。
【0023】
ここで図2図4を参照すると、光学システム14が、様々な実施形態に従ってより詳細に説明されている。説明されている実施形態では、光源は、レーザ50によって提供され、ダイオードレーザであり得る。レーザ50は、コリメートされたビームを提供するために適切なマウント及びレンズを備えたダイオードレーザと共にパッケージ化されてもよく、更にヒートシンクを備えてもよい。他の実施形態では、レーザ50は、所望のレーザ強度及び他のビームパラメータで所望の波長のレーザ光を提供するように構成された、別のレーザ又はレーザの組み合わせによって提供され得る。更なる実施形態では、光源は、ガラスシートGに向けられたガラスシートを提供するための関連するフィルタ及び光学素子を備えた紫外線光源として提供され得る。更なる実施形態では、システム14は、2つ以上のレーザ50を備えてもよい。
【0024】
ソーダライムシリケートガラスから形成されたガラスシートGの使用目的に基づいて、レーザ50は、紫外線範囲の波長を有し、且つ、ガラスシートGが不透明若しくは非透過性であるか、又はガラスシートGが実質的に非透過性、例えばレーザ出力の透過率が5%若しくは2%未満である、特定の波長であるように選択される。開示された例では、レーザ50は、中心波長λ1で光を出力するように調整されたパルスダイオード固体レーザによって提供される。中心波長は、ガラスシートGの不透明度又は非透過性に対応するように選択することができ、非可視波長であってもよく、ガラスシートG表面の蛍光又は発光を誘導するように選択することもできる。中心波長は、350ナノメートル未満であってもよく、一例では、紫外線範囲において266ナノメートルとして提供される。
【0025】
一例では、レーザは、15キロヘルツで150マイクロジュールの出力を有する。更なる例では、レーザ50は、他の出力及び繰り返しレートで提供されてもよく、500~100マイクロジュール及び1キロヘルツ以上で266nmの中心波長を有するレーザが想定される。システム10、14は、指定された期間内に、例えば、シートあたり10秒のオーダーで、ガラスシートGを測定するように構成され得るが、他の時間もまた、シートのサイズ及びモデルの所望の解像度に基づいて想定される。もちろん、他の波長が、ガラスシートGの組成に基づいて選択されてもよい。
【0026】
図3は、入射光の波長に対して透過率をプロットしたソーダライムシリケートガラスのチャートを示している。図からわかり得るように、ガラスシートGの透過率は急激に低下し、入射光の波長が低下するほど不透明な材料に近づく。レーザ50の波長もまたチャート上にプロットされており、ガラスシートGは、この波長で不透明であるとして示されている。別のバルク材料組成を有するガラスシートGの場合、選択された波長がシートGを介して非透過性であって、シートGに発光又は蛍光を誘導するように、別の波長に調整されたレーザ50を光学検査システム14で使用するために選択することができる。
【0027】
図2を再び参照すると、光学素子54は、レーザ50の下流に提供されて、レーザビームと相互作用し、それを成形し、且つ、ガラスシートGに向けて方向付ける。光学素子54は、1つ以上のビームシェイパ、レンズ、ミラーなどを含み得る。開示された実施形態では、ビームシェイパ55は、レーザビームのコリメートされたガウスビームプロファイルを、より均一な強度分布を有した、内部レーザ集束のないコリメートされたフラットトッププロファイルビームに変換することによって、レーザ強度の均一性を向上させるために提供され、それによって、ガラスシートGの表面にわたるレーザ線強度の均一性の向上をもたらす。第1のレンズ56は、レーザビーム52から平面レーザシートを形成するために提供される。開示された実施形態では、第1のレンズ56は、コンベヤ及びガラスシートに対するレーザ50の位置、又はレーザ50からガラスシートGまでの距離D1に基づいて選択された焦点距離を有する円筒形平凹レンズである。平面レーザシートに更に焦点を合わせるために、第2のレンズ58が提供されてもよい。開示された実施形態では、第2のレンズ58は、平面レーザシートに更に焦点を合わせるための円筒形平凹レンズであってもよい。レーザシートを狭めて焦点を合わせるために、追加の集束レンズ57を設けてもよい。第2のレンズ58は、第1のレンズ56の後に、又はその下流にあるように示されているが、他の実施形態では、第2のレンズ58が第1のレンズ56の前にあるように、レンズ56、57、58の位置決めを変更又は逆にすることができる。レンズ56、57、58は、ガラスシートGを形成する材料の不透明度に基づいて、266ナノメートルの調整された中心波長λ1でガラスシートGの第1の表面62に向けられる集束された平面レーザシート60を形成するために使用される。例示的に示される例では、光学素子56、57、58は、それぞれ、f=-8mm平凹円筒形レンズ、f=1000mm平凸円筒形集束レンズ、及びf=-25mm平凹円筒形レンズによって提供される。光学素子54は、ガラスシートGの表面上に1~2mmのビーム幅を有する平面レーザシートを形成するように協調する。別の例では、光学素子は異なる焦点距離を有してもよく、焦点距離及びレンズの選択は、パネルGのサイズに部分的に基づいてもよい。他の実施形態では、フィルタ、チョッパーなどの追加の光学素子が、レーザ50とガラスシートGとの間に提供されてもよい。
【0028】
或いは、又は加えて、パウエルレンズなどの他の光学素子を使用して、平面レーザシートに沿ってレーザ強度のより均一な分布を提供することができる。更に、1つのレーザ50が図2図4に示されているが、システム14は、他の実施形態では、2つ以上のレーザ50を備えてもよい。例えば、システム14は、ガラスシートGの異なる領域に向けられた、又はビームがガラスシートGにわたって共通のシートを形成するように整列されている、2つのレーザ50を有してもよい。レーザシートの強度は、1つのレーザからレーザシートにわたって、例えば、分布として変化し、複数のレーザを使用して、ガラスシートGの表面にわたってより均一な強度を提供するか、又は複数のそれぞれのカメラに蛍光線を提供することができる。
【0029】
ガラスシートGは、ガラスシートGの第1及び第2の側面を形成する第1及び第2の表面62、64を有する。第1及び第2の表面62、64は、ガラスシートGの厚さによって互いに離間されている。ガラスシートGは、レーザシート60の波長λ1に対して不透明又は実質的に非透過性であるため、レーザシート60は、シートGを介して又は第2の表面64に移動することなく第1の表面62と相互作用し、従って、第1の表面62でのみガラスシートGを励起する。ガラスシートGの厚さ、又は第1の表面62と第2の表面64との間の距離は変化してもよく、いくつかの例では、1.2mmよりも大きいか又は1.6mmより大きく、非限定的な例では、1.6~25mmの範囲内にある。
【0030】
平面レーザシート60は、ベルトを横切って、又はx方向に延在すように配向され得る。レーザシート60は、経路66に沿ってガラスシートGの第1の表面62と相互作用するか、又はレーザシート60とガラスシートGの第1の表面62との交点で相互作用する。平面ガラスシートGの場合、経路66は直線である。湾曲ガラスシートGの場合、経路66は、レーザシート60が湾曲した表面と相互作用するために、表面62に沿ってシートGの曲率と共に変化し得る。
【0031】
レーザシート60は、第1の表面62でガラスシートGの材料を励起し、第1の表面62で発光を生じる。ガラスシートGは、レーザ線66の励起に沿って蛍光を発し、λ1よりも長い波長λ2を放射する。この例では、ガラスシートGから放射された光70は、可視範囲又は近紫外線範囲にある波長λ2にあり、表面62に沿った線68及び励起の線66として現れる。
【0032】
放射された光70は、カメラ72などの検出器によって検出される。カメラは、電荷結合素子(CCD)画像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサを備えてもよい。この例では、図2に示すように、検出器72は、CMOSセンサを備えており、ガラスシートGの全幅、又はx方向のガラスシートが画像にキャプチャされるように配置されている。示されている例では、カメラは、一例では、5496x1836又は5496x1000ピクセルの関心領域に設定されている、5496x3672ピクセルのCMOSセンサカメラによって提供されるか、又は別の例では、5120x5120ピクセルのCMOSセンサである。様々なカメラ設定は、レーザパラメータ、コンベヤ速度、及び他のシステム要因に基づいて制御されてもよく、これらのカメラ設定には、レンズの焦点距離、絞り、ゲイン、及び露光時間が含まれる。一例では、カメラは、固定レンズ、例えば、16mm又は25mmレンズで、被写界深度を増大するためにf2.4以上の絞りに設定され、2~15デシベルのゲインで15~20ミリ秒の露光時間を使用する。別の例では、カメラ設定は、別の露光時間を使用することができ、例えば、10ミリ秒~300ミリ秒以上の範囲内にあり、同様に、ゲインは、2~30デシベルの範囲内の別の値に設定することができる。他の例では、カメラ72は、シートGの選択された領域のみを画像化するように配置されてもよい。更なる例では、検出器は、別の光検出器又は光感知素子として提供されてもよい。更なる例では、フィルタなどの追加の光学素子を、ガラスシートGと検出器72との間に設けて、信号対雑音比を更に増大させることができる。
【0033】
他の例では、図4図5に示すように、光学システム14は、複数のカメラ72を使用してもよい。図4図5は概略図であり、光学素子、コントローラなどの様々なシステム14の構成要素を示していない。図4では、一対のカメラ72A、72Bが、レーザシート60の片側に配置されている。各カメラ72A、72Bは、ガラスシートGの領域73A、73Bを画像化し、それらの領域は互いに、例えば約10cmだけ重なり合っている。図3のシステムで複数のカメラを使用することにより、各カメラのより長い焦点距離に基づいて、ガラスシートGの表面の最終的な表面マップにおいて光学歪みによって導入される誤差を低減することができる。更に、2つ以上のカメラを備えた光学システム14の使用によって、ガラス表面のより高い解像度での画像化も提供することができ、例えば、ガラスシートGの単位表面積あたりのピクセル数を増大させ、カメラがガラスシートGのより近くに物理的に配置されるように精度及び感度を向上させる。
【0034】
図5では、一対のカメラ72A、72Bが提供され、レーザシート60がカメラ72A、72Bの間に配置されている。各カメラ72A、72Bは、ガラスシートGの領域73A、73Bを画像化し、それらの領域は互いに、例えば約10mmだけ重なり合っている。図3のシステムで複数のカメラを使用することにより、ガラスシートGの表面の最終的な表面マップにおいて光学歪みによって導入される誤差を低減することができる。更に、カメラ72A、72Bは、例えば、1台のカメラ72Aが、図4のシートGの表面の左側の遮られた視界を有するか、又はそれに対して小さな入射角若しくは視射角にあるときに、高度の曲率を有するガラスシートGを画像化するように配置されている。更なる実施形態では、システム14は、3つ以上のカメラを有し得る。例えば、レーザシート60の各側面上に2つずつで、全ての4つのカメラの領域が互いに重なり合う4つのカメラ72が提供され得ることが想定される。他の例では、5つ以上のカメラ72が存在してもよい。
【0035】
図2を再び参照すると、レーザ50及びカメラ72は、制御ユニット内の少なくとも1つのコンピュータ80と通信している。コンピュータ80は、制御システム16又は検査システム10に接続又は統合されてもよい。コンピュータ80は、画像プロセッサユニット82を有し、メモリにも接続されている。コンピュータ80は、図2及び図4図5のカメラ72にトリガ信号をいつ送信するかを判定するのに使用するために、制御システム16及び位置センサから情報を受信し得る。例えば、カメラは、ガラスシートGの1~4ミリメートルの対応する動作に基づいて、最大80fps又は最大160fpsのフレームレートでデータを取得することができる。
【0036】
コンピュータ80は、カメラ72から画像データを受信する。コンピュータ80は、画像からのデータを使用して、マトリックス又はポイント群、例えば、ガラスシートの表面62上の位置に関連付けられたマトリックス内のセル、又はガラスシートの表面62上の位置に関連付けられたポイント群内のポイントのアレイとしてのセル、を形成する。画像データは、8ビットのグレースケールに基づく場合、0~255の範囲の各値を有する一連のグレースケール値として提供されてもよい。他の例では、画像データは、カメラセンサによって検出された赤、緑、及び青のセグメント若しくは色成分のそれぞれに対応する一連のRGB信号として提供されてもよく、異なる色空間及び色モデルに基づいて提供されてもよく、又は別のビット値として提供されてもよい。データ取得、並びにクラウド前及びクラウド後のデータ処理の更なる詳細を、図6図13を参照して以下に提供する。
【0037】
図6は、ガラスシートGの表面の3次元マップを判定するための実施形態による、光学検査システムを使用するための方法200のフローチャートを示している。様々な実施形態では、方法200は、それぞれ、図1図2及び図4図5のシステム10、14と共に使用されてもよく、ステップは、様々な実施形態に従って、再配置又は省略されてもよく、又は追加のステップが追加されてもよい。
【0038】
ステップ202において、紫外線波長などの第1の波長が、ガラスシートの透過率に基づいて選択され、第1の波長は、ガラスシートを介して実質的に非透過性であるように選択される。ステップ204において、平面光シートが、例えば紫外線レーザを使用して第1の波長で形成される。
【0039】
ステップ206において、光学システム14が較正される。カメラ及びレーザが、それぞれ較正される。チェッカーボードチャート又は他の既知の平面較正面が、ガラスシートGの代わりに、且つ、ガラスシートGのほぼ中央のz距離に、又はカメラ用に定義された境界ボックスの中央に提供される。カメラ用の境界ボックスは、固定具の下にある支持面を省略しながら、ガラスシートGの上限と下限とを含むのに十分な垂直方向の深さ又は被写界深度を可能にする3次元空間として定義される。一例では、境界ボックスの深さは約10~15cmであるが、他の寸法は部品の仕様に基づいて想定される。
【0040】
従って、較正チャートの位置は既知であり、境界ボックス用のグローバル座標系の基礎を提供する。カメラは静止較正チャートに基づいて較正され、焦点距離、露出、絞り、ゲインなどを含むカメラ設定が選択される。
【0041】
レーザもまた較正される。レーザシートがz軸に沿って、又はx-z平面に延在する方向に配向されたレーザの場合、カメラは較正チャートに対するレーザシートの位置を検出し、この位置をグローバル座標系に関連付ける。x-z平面にないレーザの場合、レーザシートの位置をグローバル座標系に提供するために、追加の測定ステップが必要になり得る。強度及び周波数を含むレーザ設定が選択される。較正チャート及びグローバル座標系に対するカメラ及びレーザの較正は、ステップ214における表面のz座標の判定を参照して後で使用される。
【0042】
ステップ208において、平面光シートは、例えば関連する光学系を使用してガラスシートに向けられ、ガラスシートの表面は、平面光シートと、光源に面するガラスシートの表面との間の交差経路に沿って、可視波長などの第2の波長で光が放射されるように励起される。
【0043】
ステップ210において、一連の可視波長線を示す一連のデータが、1つ以上のカメラを使用して測定又は検出され、各カメラは、ガラスシートGの関心領域を画像化する。単一のカメラシステム14の場合、カメラ72は、パネルにわたって、又はパネル上の関心領域で検出された各線を検出することができる。マルチカメラシステム14の場合、各カメラ72は、ガラスシートGの別個の重なり合う関心領域に向けられ、関心領域内の各線を検出することができる。
【0044】
ステップ212において、各可視波長線が処理及び分析されて、第1及び第2の座標、例えば、各線に関連付けられた一連の座標である、(x、y)座標が判定され、座標が、カメラに関連付けられたマトリックス又はポイント群に記憶される。
【0045】
コンピュータ80は、画像プロセッサユニット82を使用して画像を処理する。代表的なサンプル画像のセクションが、以下に説明する画像処理に基づく概略的なオーバーレイに関連付けられた図7に提供されている。
【0046】
コンピュータ80及び画像プロセッサ82は、例えば、画像に閾値を適用すること、画像を正規化すること、高速フーリエ変換を使用して画像を変換することなどによって、画像を処理してノイズを低減することができる。一例では、画像は、スペックルノイズを含むノイズ低減のためのメディアンフィルタを使用してフィルタリングされる。カメラのゲイン設定を増大すると、ノイズ低減ステップの必要性が高まり得る。
【0047】
コンピュータ80及び画像プロセッサ82は、示された線幅サイズ入力及び最小強度に基づいて、画像内の線幅領域を選択する。線幅領域を選択することにより、画像の縮小領域が、後のステップで座標の処理及び判定に使用される。例えば、示された線幅は、許容範囲係数を有する公称値として選択され得る。一例では、公称線幅は3~10ピクセルの範囲で選択され、許容範囲は1~5ピクセルの範囲で選択される。別の例では、公称線幅は4~6ピクセルの範囲で選択され、許容範囲は2~3ピクセルの範囲で選択される。更なる例では、示された線幅は、1ピクセルの最小幅を有するものとして選択される。強度もまた入力として選択され、関連するフレームレートでの蛍光線の予想される強度に部分的に基づいて、バックグラウンドノイズを含むピクセルが不必要に含まれるのを防ぐことができる。様々な例では、最小強度は、5/255、10/255、20/255、30/255、又は別の値のグレースケールで選択される。選択した線幅領域の一例を、図7の領域250として示している。
【0048】
ガラスシートGは、可視の第2の波長λ2で放射された光に対して透明であり、表面62から放射された光は、他の表面64を通過及び/又はそこから反射し得るが、実験では、背面64からの反射はいずれも非常に低い信号を有し、一般にノイズとして失われ得ることを示した。例えば、背面64上の放射線68の反射は、キャプチャされた画像でのグレースケール上で255のうち5のオーダーであり、一方、一次放射線68は、グレースケール上の255のうち20~100のオーダーであり、その結果、反射信号はノイズと見なされ得る。更に、画像内の反射線の位置、及び一次可視線からの間隔に基づいて、反射線は、データ処理においてそれ以上考慮されないように、選択された線幅領域250の境界から又は境界外に除外され得る。反射線が放射線68に十分に近く、それによって線幅領域250を使用してそれを合理的に除外することができない場合、反射線はデータ処理に含まれ得るが、反射線の信号が低いため、データ処理に重大な影響はない。或いは、第2の反射線の存在下で、データ処理では、カメラ形状、パネルに基づく線の位置、反射線と比較した際の蛍光線のより高い輝度、及び他の要因を考慮することによって、蛍光線を選択してもよい。データ処理では、パネルGの材料に関する入力を更に受信してもよい。例えば、スズ側のフロートガラスの画像では反射線が予想され得るが、空気側のフロートガラスの画像では反射線が存在し得ない。
【0049】
コンピュータ80及び画像プロセッサ82は、画像データ、及び可視蛍光線のピクセルのグレースケールレベルに基づいて、モデル線に沿ったポイントを判定又は計算する。サンプル画像からわかるように、表面62から放射された光は、領域250内のy方向に複数のピクセルにわたって延在するものとしてキャプチャされ得る。従って、コンピュータ80は、一連の座標又は(x、y)データセットとして、ピクセル内のグレースケール値に基づいて、モデル線のポイントを計算する。モデル線100で計算されたポイントは、例として図4上にオーバーレイされる。
【0050】
一例では、コンピュータ及び画像プロセッサは、隣接するピクセルのグループを平均して、各ポイント及び(x、y)データセットをモデル線の推定中心として見いだし、画像内のx方向の各ピクセルに対して1つの(x、y)データセットを提供することができる。他の例では、コンピュータ及び画像プロセッサは、ピクセルの加重平均を実行して、各ポイント及び(x、y)データセットを線の推定中心として見い出すことができる。コンピュータ及び画像プロセッサは、ガウス分布、平均若しくは平均幅、又は他の数学関数などのピクセル値を用いた分布関数を使用して、ポイント及び(x、y)データセットを計算することができる。或いは、コンピュータ及び画像プロセッサは、既知の市販の画像ライブラリ処理ツール又はソフトウェアを用いて、ピクセルデータを使用してデータセットの値を判定することができる。
【0051】
次いで、コンピュータ80は、一連の(x、y)データセットを、マトリックス内の関連するセル又はポイント群に入力する。データセットには、画像から判定されたモデル線からの一連の座標が含まれ得る。各データセットは、モデル線100を集合的に定義し、且つ、グローバル座標系にリンクされている、x-y平面内でのガラスシートGの表面62の位置に対応する(x、y)値を含み得る。
【0052】
マトリックスは、ラインスキャン画像と同様に埋めることができ、マトリックスの各行は、ガラスシートGからの各画像から、モデル線からの座標を使用して埋められ、後続の画像は後続の行を埋める。同様に、ポイント群は、ガラスシートGの連続画像から構築され得る。一例では、マトリックスは、画像からx方向の各ピクセルに関連付けられたセル、及び座標のセットを有し得る。他の例では、マトリックスは、データを入力する前にコンピュータが平均化ステップなどを実行するように、複数の隣接するピクセルに関連付けられた1つのセル、及び座標のセットを有し得る。いくつかの例では、例えば、収集されたn番目ごとのデータセットを省略することによって、マトリックス又はポイント群を薄くすることができる。
【0053】
ステップ214において、(z)座標などの第3の座標は、レーザの位置、カメラの位置、並びに第1及び第2の座標を使用して三角測量され、マトリックス又はポイント群に記憶される。次いで、コンピュータ80は、ガラスシートGの表面62上のその座標のセットのz位置に関連付けられた(x、y)座標の各セットに対するz値を計算する。z値は、各セルの座標のセットからの(x、y)値、並びに図8A図8Bを参照して以下に説明する三角測量計算における検査システム14からのレーザ及びカメラの位置を使用して計算される。コンピュータは、(z)値を、対応する(x、y)座標でマトリックス内の関連するセルに入力して、表面62のマップを完成させる。コンピュータ及び画像処理により、画像がステップ212において処理されるときに座標の各セットの(z)値を計算するか、又は、ガラスシートがその全体で画像化された後、マトリックス又はポイント群内の全てのデータセットの(z)値を計算することができる。
【0054】
図8A図8Bは、図4に示すように、画像から計算された各線の一連の座標におけるデータセットDの第1及び第2の(x、y)座標に関連付けるための、第3の(z)座標の三角測量に関連するいくつかのビューを示している。レーザ50及びカメラ72は、互いに対して固定されてもよく、レーザビーム及び結果として生じる平面レーザシートもまた固定されてもよく、それによって、ガラスシートGが、光学系14に対して方向yに相対的に平行移動又は移動して、平面レーザシートを通過する。レーザシート及びカメラの位置が較正され、且つ、グローバル座標系にリンクされているため、z座標を計算することができる。
【0055】
図8Aは、ガラスシートGでオーバーレイされた較正チャートCを備えた光学システム14の側面図であり、境界ボックスBも示している。レーザシート60は、較正チャートC及びグローバル座標系に対して参照される。同様に、カメラの各ピクセルは、各ピクセルが(x、y、z)空間に関連するベクトルを有するように、較正チャートC及びグローバル座標系に参照される。データセットDの(x、y)座標は、上記のステップ212を使用して判定され、図8Bに示す概略図に基づいてグローバル座標系に結び付けられ得る。次いで、グローバル座標系のデータセットDのz座標を、図8Aの概略図を参照し、且つ、三角測量技術を使用して、ピクセル及びベクトルが較正チャートCと交差する場所と比較して、レーザシート60と関連するピクセルのベクトルとの交点を使用して計算することができる。従って、z値は、線に沿った一連の座標内の各(x、y)座標について計算され、次いで、制御システム80は、このz座標を、線の各ポイントに対してすでに存在する(x、y)値と共にマトリックスセル又はポイント群に入力する。
【0056】
次に、ステップ216において、ガラスシートの表面の3次元マップが、カメラに対するガラスシートGの一連の可視波長線のそれぞれの一連の座標の関数として、マトリックス又はポイント群から作成される。
【0057】
領域218によって示されるステップは、各カメラ、又は各カメラからのデータに対して実行される。単一のカメラシステムの場合、ステップ216により、ガラスパネルGの表面の最終的なマトリックス又はポイント群をもたらす。
【0058】
マルチカメラシステム214の場合、異なるカメラからのマトリックス又はポイント群を、ガラスシートGを表す単一のマトリックス又はポイント群に結合するために、追加のステップ220が提供される。図9は、例えば、図4に示す2台のカメラシステムを使用して、複数のマトリックス又はポイント群を整列させるためにステップ220において使用されるサブルーチンの概略図を示している。図5に示す2台のカメラシステム、又は別の数のカメラを備えたシステムのために複数のマトリックス又はポイント群を整列させるためのサブルーチンは類似しており、当業者には、本明細書に記載の方法220及び図9に示す例に基づいて明らかであろう。
【0059】
図9は、方法200のステップ220の概略図を示している。コンピュータ80は、ガラスシートGのスキャンから、それぞれ、2つのカメラ72A、72Bから取得された2つのマトリックス又はポイント群M1、M2をロードする。他の例では、3つ以上のマトリックス又はポイント群を、本明細書に記載されているものと同様の技術を使用して結合することができる。図9Aから分かり得るように、マトリックスM1、M2は、カメラ72A、72Bの視野が互いに重なり合うように重なり合う。更に、システムは、各カメラ領域73A、73Bで提供される較正チャートの少なくとも1つのポイントにおいて較正されており、領域間である程度の重なり合うのが好ましいが、マトリックスM1、M2が互いにオーバーレイされると、重なり合ったセクションのポイント間にわずかなオフセットが生じ得る。ガラスシートGの表面を表す最終的なマトリックスを形成するために、コンピュータは、マトリックスM1、M2を処理してオフセットを解消する。一例では、解消されるオフセットは、1000分の1インチのオーダーと同じくらい小さくなり得る。更に、オフセットは、重なり合った領域にわたって異なり得る。
【0060】
図9Bでは、コンピュータは、マトリックス又はポイント群M1、M2の一方又は両方を移動させる。一例では、コンピュータ80は、剛体変換を使用してマトリックスのうちの1つを移動させ、それを他のマトリックスに対して平行移動及び/又は回転させて、それによって、図示されるように2つの重なり合う領域を互いに整列させ、誤差又は整列ずれを低減する。
【0061】
図9Cでは、次いで、コンピュータ80は、ガラスシートGの最終的なマトリックス又はポイント群M3を作成する。一例では、コンピュータは、一方又は他方のマトリックスから重なり合った領域からのポイントを除去する。別の例では、図示されるように、コンピュータは、マトリックスの共通較正ポイントに相関する線Lを使用し、且つ、1つのマトリックスからのポイントを使用して、線Lの一方の側の最終マトリックスをサブマトリックスM1*として埋め、他方のマトリックスからのポイントを使用して、線Lの他方の側の最終マトリックスをサブマトリックスM2*として埋める。
【0062】
レーザ光はガラスシートGを通過しないため、検査システムに面する表面62のみが発光する。従って、一連の座標を有するマトリックスは、一連の(x、y、z)座標を介して、ガラスシートGの表面62の3次元高解像度の数学モデルを提供する。一例では、マトリックスは、シートGに対して100万セットを超える座標で数学モデルを提供する。例えば、モデルは、シート表面62の平方メートルあたり10,0000,000セットの座標、又はシート表面62の平方メートルあたり1セットの座標のオーダーのポイント密度を有し得る。
【0063】
図1図2に関して説明した例では、ガラスシートGは、光学システム14に対してコンベヤ上を移動する。このシナリオでは、レーザ50及びカメラ72は互いに対して固定されており、ガラスシートGはその下を通過する。別の例では、ガラスシートGは固定されてもよく、レーザ50から放射されたレーザビームは、1軸又は2軸ミラー検流計などによってガラスシートGの第1の表面62にわたってスキャンされ得る。このシナリオでは、コンピュータ80はまた、ガラスシートに沿った移動線66、68の位置に関連付けられた距離D1、D2に関連する角度を判定するために、検流計によって提供されるビームステアリング角を示す入力を受信する。
【0064】
更なる例では、光学検査システム14を使用して、ガラスシートGの第2の側面64を検査し、シートGの表面64を表す、対応する3次元マトリックス又はポイント群を作成することができる。
【0065】
ガラスシートGのマトリックス又はポイント群は、ガラスシートGの表面の高解像度3次元マップを提供する。マトリックス内の座標は、ガラスシートGの数学モデルと比較して使用されて、ガラスシートの形状が形状、例えば曲率の仕様内にあるかどうかを判定することができる。更に、マトリックス内の座標をガラスシートGの数学モデルと比較する際に使用して、ガラスシートGの表面が、表面からの光反射率用の仕様又は標準内にあるかどうかを判定することができる。
【0066】
マトリックス及び結果として得られるモデルをシステム10と共に使用して、ガラスシートG用の測定を提供し、製造プロセスにおけるドリフトを補正するため、又はシステム10が仕様から外れるのを防ぐための合格/不合格検査システムとして、ガラスシートGに対する光反射率モデルを作成する。
【0067】
コンピュータ16、80は、マトリックスからの3次元マップに関連する情報を、グラフィカル(例えば、色分けされた画像)及び/又は統計形式で提示するようにプログラムされ得る。様々な例では、z距離、標準偏差、及び他の表面フェアリング又は光反射率メトリックを含む、ガラスシート又はガラスシートの事前定義された領域に対する統計データを導出及び報告することができる。
【0068】
検査システム14はまた、それぞれが関連する形状標準、及びマトリックス内のマップと比較するための光反射率標準を有する、コンピュータ80のメモリに記憶された既知の部品形状のセットの1つとしてガラスシートを識別するために、カメラ72又は別の要素によって提供され得るガラスシート部品識別子を含み得る。システム10、14は、例えば、ユーザインターフェース及び表示画面20を介して、業界標準、又は成形及び製造されたガラスシートの光反射率品質の分析のために業界で最も関連すると考えられるその他のしるしを含む、装置14によって検出されたガラスシートGの様々な光学的又は形状のしるしをグラフィカル及び/又は数値的に表示するようにユーザによってプログラムされ得る。システム10はまた、装置14によって識別された小さな欠陥の位置を表示するようにプログラムされ得る。
【0069】
開示されたインライン光学検査システム10、14によって出力された選択されたデータはまた、関連するガラスシートの加熱、曲げ、及び焼き戻しシステム(又は自動車用フロントガラス製造システム)に対する制御ロジックへの入力として提供されて、ガラスシートシステムが、以前に処理されたガラスシートから得られた光学データの関数としてその(それらの)動作パラメータを修正することを可能にするために、1つ以上のステーション用の制御を可能にすることができる。
【0070】
図10は、光学システム14を用いてコンピュータ80によって判定された、ガラスシートの表面のマトリックス又はポイント群を使用して、ガラスシートGなどの部品を測定する際に使用する方法300のフローチャートである。様々な実施形態では、方法300のステップは、省略若しくは再配置されてもよく、又は追加のステップが提供されてもよい。
【0071】
ステップ302において、光学システム及び方法200を使用して上記で判定されたガラスシートGの表面のマトリックス又はポイント群が、コンピュータ80によってプロセッサユニットに入力される。マトリックスは、ガラスシートGの第1の表面全体を表すことができ、又はガラスシートGの選択された表面領域のみのデータセットを含むことができる。
【0072】
ステップ304において、コンピュータ80は、ガラスシートG用の適切な測定モデルを参照する。測定モデルは、コンピュータ支援設計(CAD)モデル及び/若しくはデータ、又は他の数学的モデル、又は寸法若しくは形状の表現を使用して提供され得る。コンピュータは、様々な形状及び/又はサイズのガラスシートGに対してメモリに記憶されたいくつかのモデルのうちの1つから使用すべき正しい測定モデルを判定することができる。次いで、コンピュータ80は、選択された測定モデルをプロセッサに入力する。
【0073】
ステップ306において、コンピュータ80は、測定モデルと比較して、ガラスシートに対する不変メトリックデータを判定する。一例では、コンピュータは、測定モデルと比較して、データセット又はガラスシートGの表面に対するz距離を判定することができる。コンピュータは、シートGの各データセット又は表面から測定モデルまでの垂線ベクトル距離を計算することができる。或いは、コンピュータは、シートGの各データセット又は表面から測定モデルまでの垂直距離又はz距離を計算することができる。
【0074】
コンピュータは、マトリックス又はポイント群を参照して、ガラスシートG全体を測定するように構成することができる。他の例では、コンピュータは、ガラスシートGの選択された領域若しくは部分のみを測定するか、又は指定された領域、例えば、周囲領域、又はヘッドアップディスプレイ若しくはカメラ若しくは他のセンサなどの光学的使用を目的とした領域、に追加の測定ポイントを有してもよい。一例では、コンピュータは、ガラスシートGの選択された領域を使用して、接触測定方法をシミュレートする。
【0075】
更なる例では、破線の任意選択のブロック308として示されるように、コンピュータは、ポイントの近傍に対して計算又はサブルーチンを実行して、不変メトリックを判定する際に使用するための、後処理された表面データポイント又はデータセットを提供してもよい。一例では、コンピュータは、隣接するポイント又はデータセットに対して、補間、平均化、又は閾値処理などの別の数学関数を実行して、その近傍の後処理されたデータセットを計算する。これにより、表面のほこりなどによって引き起こされる外れ値データセットを除外することにより、測定及び不変メトリックが改善され得る。
【0076】
他の例では、コンピュータは、z距離の標準偏差、又は計算された曲率半径若しくは他の形状測定メトリックなどの、表面及びガラスシートGに対する別の不変メトリックを判定することができる。不変メトリックは、ガラスシートGの測定マトリックス又はポイント群に入力され得る。
【0077】
ステップ310において、コンピュータ80は、任意の不変メトリック、例えば測定マトリックスを含む、表面の測定に関連する情報を出力する。コンピュータは、測定マトリックス内の情報を更に分析して、1つ以上のメトリックが閾値を超えているかどうかを判定することができる。コンピュータは更に、例えば、ガラスシートの色分けされたマップを介して、又はテーブルなどの数値又は他の形式の表現を介して、測定に関連する情報をユーザに提供することができる。コンピュータは更に、制御フィードバックループの一部として、ガラスシートGに対する測定から製造処理ステップまでの情報を提供することができる。
【0078】
図11A及び11Bは、ユーザに表示するための方法300からの出力の代表的な例を示している。図11Aは、ガラスシートG又はガラスシートGの領域に対する簡略化されたポイントマップを示しており、システム出力の代表的な例を提供している。測定ポイントには、測定値からの垂線距離、垂直距離、又は他の距離に基づく差分値などの、リストされた不変メトリックが関連付けられている。差分値が指定された閾値を超えているか、又は許容範囲外である場合、ユーザにすぐにわかるようにフラグが立てられ得る。図示された例では、値は測定モデルからの通常の垂直距離に対応し、ミリメートル単位で提供されるが、他の単位も想定される。更に、下線が引かれている値は、閾値又は許容値の範囲外であり、ユーザに対してフラグが立てられ得る。
【0079】
図11Bは、測定値からの垂線距離、垂直距離、又は他の距離に基づく、異なる範囲の差分値に対応する異なる色合いを伴う、ガラスシートG又はガラスシートGの領域のマップを示しており、システム出力の別の代表的な例を提供している。差分値が指定された閾値を超えているか、又は許容範囲外である場合、ユーザにすぐにわかるようにフラグが立てられ得る。許容誤差又は閾値は、シートの意図する使用及び要件に基づいて、パネルの異なる領域に対して異なる値に設定され得る。図示された例では、差分値はミリメートル単位で提供されているが、他の単位もまた想定される。
【0080】
方法300は、表面及びガラスシートGの非接触測定を提供し、部品のオンライン監視及び検査を可能にし、且つ、一連の異なる部品の迅速で容易な測定、又は複数の測定モデルの使用を可能にする。更に、方法300を介した非接触測定では、CADデータを使用して測定モデルを簡単に作成、変更、又は更新することができ、部品固有の接触測定用の精密測定ツールを使用する必要がないため、部品の測定に関連する時間及び費用を削減できる。
【0081】
図12は、光学システム14を用いたコンピュータ80によって判定されたガラスシートの表面のマトリックス又はポイント群を使用して、ガラスシートGなどの部品の光反射率を判定及びモデル化する際に使用する方法350のフローチャートである。様々な実施形態では、方法300のステップは、省略若しくは再配置されてもよく、又は追加のステップが提供されてもよい。
【0082】
ステップ352において、光学システム及び方法200を使用して上記で判定されたガラスシートGの表面のマトリックス又はポイント群が、コンピュータ80によってプロセッサユニットに入力される。マトリックスは、ガラスシートGの第1の表面全体を表すことができ、又はガラスシートGの選択された表面領域のみのデータセットを含むことができる。
【0083】
ステップ354において、コンピュータ80は、マトリックス又はポイント群に対して後処理動作を実行する。一例では、コンピュータ80は、マトリックス又はポイント群を修正又はノイズ除去して、ポイント群から特定のポイント又はアーチファクトを除去する。例えば、コンピュータ80は、指定された距離に隣接するか、又は指定された距離内にあるポイント群内のポイントを削除又は修正することができ、例えば、パネルGのエッジの1~2ミリメートルで、例えば、ビームステアリング効果、及び/又はライン若しくはシートに非垂直なパネルのエッジに関連してレーザ線又は可視光の幅に基づいて導入される、計算された線中心のバイアスによって引き起こされる、その測定位置でのエッジ効果又はバイアスを有するポイントを除外する。更に、蛍光可視光は、パネルGのすぐ外側に現れ得るため、例えば、光の伝搬を引き起こすパネルのグラインド又は他のパラメータによって引き起こされ得るため、それによって、ポイント群又はマトリックスに追加のアーチファクトポイントを引き起こす。一例では、これらの不正確又はアーチファクトなポイントが、隣接するパネルGとは反対の曲率符号を有する曲線を形成するか、又は曲線の膝が、不正確又はアーチファクトなポイントと隣接するパネルGとの間に形成され、その結果、コンピュータ80が、変曲点又は膝を境界として使用して、これらのポイントをポイント群又はマトリックスから切り捨てるか、又は削除することができる。このノイズ除去ステップは、レーザシートからの蛍光可視光を使用してガラスシートGの表面を測定するときに作成されるポイント群のノイズ除去に関して説明されているが、ノイズ除去ステップはまた、エッジ効果のノイズ除去の際に使用するために、他の視覚及び測定システムにも適用することができる。
【0084】
コンピュータ80はまた、ステップ354において、ポイント群又はマトリックスに対してノイズ除去アルゴリズムを実行する。一例によれば、ノイズ除去は、データセットの近傍の垂線ベクトルを平均化し、次いで平均化された垂線ベクトルを使用してデータセットを更新して、垂線の変化に一致する後処理されたデータセットを作成することによって提供され得る。1つの非限定的な例では、データセットのポイント群は、頂点として機能する各データセットで三角形にメッシュ化される。他の例では、他のメッシュ形状を使用することができる。メッシュの三角形ごとに、垂線ベクトルが計算される。垂線ベクトルの発散はポイント群のノイズを示し得、一方、垂線ベクトルの収束はポイント群のより滑らかな表面を示し得る。ポイント群は、近傍、又はメッシュ三角形のグループ化に対する垂線ベクトルを平均化又はそうでなければ数学的に組み合わせることによって平滑化され、この近傍は、共通の頂点又は共通のエッジを共有するメッシュとして定義され得る。平均化された各垂線ベクトルを使用して関連する頂点の座標を調整して、後処理されノイズ除去されたポイント群又はマトリックスに、後処理された頂点又はデータセットを作成する。他の例では、他のノイズ除去アルゴリズムが提供されてもよく、以下によって説明されるような表面フェアリング技術に関連する数学的アルゴリズムに基づくことができる。Gabriel Taubinによる「A signal processing approach to fair surface design」、SIGGRAPH’95 Proceedings of the 22nd annual conference」,Hirokazu Yagouらによる「Mesh Smoothing via Mean and Median Filtering Applied to Face Normals」,GMP’02 Proceedings of the Geometric Modeling and Processing-Theory and Applications(GMP’02),Shachar Fleishmanらによる「Bilateral mesh denoising」,SIGGRAPH’03 ACM SIGGRAPH 2003 Papers及びThouis R.Jonesらによる「Non-iterative,feature-preserving mesh smoothing」、SIGGRAPH’03 ACM SIGGRAPH 2003 Papers」。
【0085】
別の非限定的な例によれば、コンピュータ80は、移動最小二乗法を使用して、ポイント群又はマトリックスに対してノイズ除去アルゴリズムを実行して、データを平滑化及び補間する。本開示によれば、ポイント群内の所与のデータポイントに対して、ポイント群内のいくつかの隣接するポイントは、コンピュータ80による関数に適合する最小二乗である。一例では、関数は多項式であり得る。後処理されたデータポイントは、ポイント群内の元の所与のポイントを判定された多項式面に移動させることによって判定される。コンピュータ80は、ポイント群を介してノイズ除去を繰り返して、後処理されノイズ除去されたポイント群又はマトリックスを作成する。移動最小二乗法、及びその表面への応用の例は、Lancaster,Peter,及びKes Salkauskasによる「Surfaces generated by moving least squares methods」,Mathematics of computation,37.155(1981):141-158,及びAlexa,Marcらによる「Computing and rendering point set surfaces」,IEEE Transactions on visualization and computer graphics 9.1(2003):3-15、に見い出すことができる。
【0086】
ステップ356において、コンピュータ80は、ノイズ除去されたマトリックス又はポイント群内の後処理されたデータセットから、又は表面の1つ以上の選択された領域に対して、表面の1つ以上の不変メトリックを判定又は計算する。不変メトリックには、水平曲率、垂直曲率、曲率半径、主曲率、ガウス曲率、平均曲率、1つ以上の曲率の導関数又は変化率、ディオプタ、又は光学パワーメトリックなどが含まれ得る。
【0087】
ステップ358において、コンピュータは、表面の光反射率を示す不変メトリックが、ガラスシートGの表面又は表面の領域に対して指定された光反射率仕様内にあるかどうかを判定することができる。コンピュータは、1つ以上の不変メトリックを、ガラスシートGの対応する設計メトリックと比較することができる。例えば、光反射率仕様は、ガラスシートGの標準又は閾値の不変メトリックであり得る。一例では、仕様には、コンピュータ支援工学(CAE)モデル又はガラスシートGの他のモデルデータから計算された曲率などのメトリックを含む。コンピュータは、不変メトリックを閾値と比較するか、又は色分けされたマップ若しくは他の視覚的出力を作成して、ガラスシート又はガラスシートの領域が所定の仕様内にあるかどうかを示すか、又は表面を所定の仕様と比較することができる。更なる例では、コンピュータは、複数の不変量の数学関数を使用して、光反射率に関連するものとして、表面の異なる不変量及び領域を加重又はその他の方法で因数分解する仕様と比較して、光反射率のスコア又は他の指標を提供することができる。
【0088】
ステップ360において、いくつかの実施形態では、コンピュータ80は、ガラスシートGに対する可変メトリックを判定又は計算する。一例では、コンピュータ80は、光反射率及び任意の歪みのシミュレートされた視覚的表現のために、シミュレートされた反射グリッド、ゼブラボード、又は他の画像を作成する。シミュレートされた反射画像を作成するために使用されるコンピュータアルゴリズムにより、ノイズ除去されたマトリックス内の後処理された頂点、及び後処理された各頂点から計算された垂線ベクトルを使用するレイトレーシングなどの技術を使用することができる。例えば、レイトレーシングの使用に関して、ノイズ除去されたポイント群で後処理された頂点からの光線は、垂線ベクトルに対してある角度のピクセルで仮想カメラに当たり、入射角は反射角に等しいため、従ってポイント群上の同じ後処理された頂点からの光線が既知はあり、仮想グリッドボードとの交点を判定することができる。次いで、反射グリッドボード又はゼブラボードなどの反射画像を、これらが1対1で対応しているため、仮想カメラのピクセル、及び仮想グリッドボードのポイントを使用して構築することができる。反射グリッド又はゼブラボードをシミュレートするためにコンピュータによって使用されるアルゴリズムにより、アルゴリズムで使用されたものと同じ入射角、カメラ設定などで、グリッド又はゼブラボードの実際の反射画像を使用することによって調整又は較正することができる。更なる例では、コンピュータは、例えば、様々な入射角で撮影された一連のシミュレートされたグリッド又はシミュレートされたゼブラボードを組み立てて、ゼブラボードに対して位置を変更することからゼブラボードをスキャンするユーザをシミュレートするために、ユーザに視覚的に表示するようにゼブラボードのムービー又はフリップブックを提供することができる。
【0089】
ステップ362において、コンピュータ80は、任意の可変又は不変メトリック、不変データ若しくはシミュレートされたゼブラボードの視覚的表現若しくはマッピング、又は他の計算若しくはシミュレーションを含む、シミュレートされた光反射率及び表面の歪みに関連する情報を出力する。一例では、コンピュータ80は、表示画面又は他のユーザインターフェース上に関する情報を表示する。図13は、本明細書に記載された方法200、350を使用して構築されたグリッドボードのシミュレートされた反射光学画像の代表的な例を示している。コンピュータは更に、制御フィードバックループの一部として、ガラスシートGの製造処理ステップに、この情報を提供することができる。
【0090】
方法350は、表面及びガラスシートGの光反射率及び歪みの非接触検査及び判定を提供し、部品のオンライン監視と検査を可能にし、且つ、一連の異なる部品の迅速且つ容易な検査を可能にする。更に、方法350による非接触光反射検査により、部品の検査に関連する時間及び費用を削減でき、加えて、部品が仕様に合格したかどうかを判定する際に使用するための非主観的メトリックを提供することができる。
【0091】
他の例では、ガラスシートを形成するために使用される製造技術に依存して、第1及び第2の表面62、64は、レーザ50からの励起に応じて異なる波長で光を放射することができる。一例では、ガラスシートGは、フロートガラスプロセスを使用して形成され、一方の表面が他方の表面と比較してより高濃度のスズを有する。このシナリオでは、スズ濃度がより高い表面は、他の表面とは異なる強度及び/又は波長で蛍光を発し、更に検査システムを使用して、放射された光の異なる強度及び/又は波長λ2に基づいて、シートの一方の側を他方から識別することができる。例えば、第2の表面よりも高いスズ濃度を有する第1の表面を備えたガラスシートの場合、第1の表面は、第2の表面とは異なる強度及び/又は波長で蛍光を発することができ、更に、第1の表面は、第2の表面よりも高い強度及び/又はより短い波長で蛍光を発することができる。更に、制御ユニット及びコンピュータ80は、レーザに面しているガラスシートの表面に基づいてレーザ50の強度を修正し、及び/又はゲイン若しくは画像処理設定などのカメラ設定を調整することができる。例えば、第2の表面よりも高いスズ濃度を有する第1の表面を備えたガラスシートの場合、レーザ強度は、例えばカメラセンサの過飽和を防ぐため、第2の表面と比較して第1の表面に対して低減され得る。代替的又は追加的に、ゲインが、第2の側面に対して増大され得るか、又はノイズ低減のための追加の画像処理ステップが、第2の側面のために必要とされ得る。
【0092】
更に、システム10は、例えば、より大きなガラスシートGで使用するため、スキャン時間を短縮するため、又は測定の精度を高めるために、複数の光学検査システム14を備えてもよい。
【0093】
ガラスシートGに対して非透過性の光源を備えたシステム14を使用することにより、シートGの表面の測定をすることができ、ガラスシートを調べるために可視光を使用する他のシステムで発生する問題、及び結果として生じる前面及び背面62、64の両方からの散乱又は反射もまた回避される。同様に、ガラスシートGから放射される光の測定は、紫外線センサが必要とされないような可視スペクトルにあることによって単純化される。
【0094】
更なる実施形態では、光学システムを使用して、ガラスシートG以外のオブジェクトの3次元表面マップを形成することができる。1つの非限定的な例では、可視波長などの別の波長の光を放射するレーザを備えた光学システムを使用して、拡散表面を有するオブジェクトをスキャンすることができる。光学システムは、上述の方法で1つ以上のカメラを使用して、拡散表面の3次元表面マップを判定する。
【0095】
本開示の様々な実施例が上述されているが、これらの実施形態が本発明の全ての可能な形態を説明することを意図するものではない。むしろ、本明細書で使用されている言葉は、限定ではなく説明の言葉であり、開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができることが理解されよう。加えて、様々な実装される実施形態の特徴を組み合わせて、更なる実施形態を形成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13