(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ポリマー製の注入システム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/158 20060101AFI20241007BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
A61M5/158 500H
A61M5/32 500
(21)【出願番号】P 2021558647
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(86)【国際出願番号】 US2020026230
(87)【国際公開番号】W WO2020206007
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-29
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518264424
【氏名又は名称】クリーデンス メドシステムズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Credence MedSystems,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ルン,ミナ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ティラック,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ディアス,スティーヴン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】シュルザス,アラン イー.
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-525067(JP,A)
【文献】国際公開第2010/038004(WO,A1)
【文献】特表2017-515556(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0163859(US,A1)
【文献】米国特許第06224588(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/158
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入システムであって、
成形ポリマー本体部材の遠位端に本体接続部材を有する成形
ポリマー本体部材と、
前記成形ポリマー本体部材の遠位端に結合された針ハブアセンブリとを備え、
前記針ハブアセンブリが、
前記成形ポリマー本体部材の前記本体接続部材に結合された針ハブと、
前記針ハブに結合された針と、
前記針ハブの近位端
に結合され、前記針ハブの近位端の周りに配置され
た、別個に形成された金属の掛かり付きバン
ドとを備え、
前記
金属の掛かり付きバンドが、
一体的に形成された掛かりと、
前記金属の掛かり付きバンドと前記針ハブの相対的な回転を防止するために、前記針ハブの開口部に受け入れられるように構成された一体的に形成された長手方向の延長部とを有し、
前記金属の掛かり付きバンドが、前記本体接続部材に対する前記針ハブアセンブリの第1の方向への回転を許容する一方で、
前記掛かりが前記成形ポリマー本体部材に食い込むことによって、前記本体接続部材に対する前記針ハブアセンブリの第2の方向への回転を阻止することを特徴とする注入システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記成形
ポリマー本体部材内に配置されたストッパ部材と、
前記ストッパ部材に結合されたプランジャ部材とをさらに備え、前記針が、前記ストッパ部材を前記成形
ポリマー本体部材の遠位端に配置するための前記プランジャ部材の操作時に、前記成形
ポリマー本体部材内に少なくとも部分的に引き込まれるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記針ハブが、前記本体接続部材に対する前記針ハブアセンブリの
前記回転を容易にするように構成された複数の凹部を含むことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記本体接続部材が、内向きのネジ山を有する空間を含むことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記本体接続部材が、一体化されたルアーナットを含むことを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記
成形ポリマー本体部材の遠位端と前記針ハブの内面との間に配置されたシール部材をさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、
前記シール部材が、前記
成形ポリマー本体部材の遠位端において前記針を中心に配置するように構成された内側に向かう延長部を備えることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項
7に記載のシステムにおいて、
前記シール部材の内側に向かう延長部が、複数の延長部を備えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記
成形ポリマー本体部材が、環状オレフィンコポリマーまたは環状オレフィンポリマーから成形されていることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記掛かりが複数の掛かりを備えることを特徴とする注入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、注入システムおよびデバイスに関し、より詳細には、ヘルスケア環境における注入に関連する注入システムおよびデバイスに関するものである。より具体的には、本発明は、成形されたポリマー製の注入システム本体を含む注入システムおよびデバイス、並びに、それらの製造方法および組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aに示すような数百万ものシリンジ(2)が、医療環境で毎日消費されている。典型的なシリンジ(2)は、管状本体(4)、プランジャ(6)および注射針(8)を含む。
図1Bに示すように、そのようなシリンジ(2)は、患者に流体を注入するだけでなく、薬瓶、バイアル、バッグまたは他の薬剤封入システム(10)などの容器から流体を引き出すか、またはそれら容器内に流体を排出するために利用することもできる。実際、米国などの一部の国では、無菌状態の維持に関する懸念と、規制上の制約により、特定の患者の環境に示すように、シリンジ(2)と一緒に薬瓶(10)を使用した場合、そのような薬瓶は、単一の患者に対してのみ使用され、その後、処分しなければならず、それにより薬瓶や残りの薬剤の廃棄物から多くの医療廃棄物がもたらされ、特定の重要な薬剤の周期的な不足の原因にもなる。
【0003】
図2Aを参照すると、3本のルアー型シリンジ(12)が示されており、それぞれが、遠位側に配置されたルアー継手形状(14)を有し、それらが、
図2Bに示すルアーマニホールドアセンブリ(16)などの同様の継手形状を有する他のデバイスと結合されるようになっている。
図2Bのルアーマニホールドアセンブリは、静脈内注入バッグの使用の有無にかかわらず、患者に液体薬剤を静脈内投与するために使用することができる。
図2Aのシリンジのルアー継手(14)は、「雄」ルアー継手と呼ばれ、
図2Bのルアー継手(18)は、「雌」ルアー継手と呼ばれることもあり、ルアーインターフェースの一方は、ネジ山が形成されて(この場合、その構成を「ルアーロック」構成と称することもある)、両者が相対的な回転により結合され、それが圧縮荷重と組み合わされる場合もある。言い換えれば、ルアーロックの一実施形態では、回転が、おそらく圧縮とともに、雄継手(14)のネジ山を係合させるために利用され、このネジ山は、雌継手(18)上のフランジと係合して、デバイスを流体封入された結合状態とするように構成されている。別の実施形態では、ネジ山または回転を用いることなく、圧縮を使用してルアー係合を提供するために、テーパ状のインターフェース形状が利用されることもある(そのような構成は、「スリップオン」または「円錐」ルアー構成と称することもある)。そのようなルアー結合は、オペレータにとって比較的安全であると認識されているが、ルアー結合を提供するために、薬がこぼれたり/漏れたり、装填中に部品が破損したりする危険性がある。
【0004】
一方、針注入構成を使用すると、鋭い針が人や望ましくない構造物に接触したり、突き刺したりする危険性がある。このような理由から、いわゆる「安全シリンジ」が開発されてきた。安全シリンジ(20)の一実施形態が、
図3に示されており、この実施形態では、管状のシールド部材(22)が、シリンジ本体(4)に対してロック位置から解放されたときに、針(8)を覆うようにバネ付勢されている。安全シリンジ(24)の別の実施形態が、
図4Aおよび
図4Bに示されている。この構成では、シリンジ本体(4)に対してプランジャ(6)が完全に挿入された後、
図4Bに示すように、引き込み可能な針(26)が、管状本体(4)内の安全位置に引き込まれる(28、26)ように構成されている。それ自体に納めるように構成されたそのような形態は、血液の飛び散り/エアロゾル化の問題や、誤作動して作動が早過ぎる可能性のある予め載荷されたエネルギーの安全な貯蔵、バネ圧縮容積内の残留デッドスペースに起因する全用量注射を与える際の精度の喪失、および/または痛みや患者の不安に関連し得る引き込み速度制御の喪失に関連する可能性がある。
【0005】
図5Aおよび
図5Bに示すようなプレフィルドシリンジアセンブリに対する需要の増加により、シリンジ市場がさらに複雑化しており、それらは一般に、シリンジ本体または「薬剤封じ込め送達システム」(34)と、プランジャ先端、プラグまたはストッパ(36)と、ルアー型インターフェースに取り付けられる遠位シールまたはキャップ(35)とを備える(
図5Aは定位置にあるキャップ35を示しているが、
図5Bはルアー型インターフェース(14)を例示するために、キャップを取り外してある)。液体薬剤は、遠位シール(35)とプランジャ先端(36)の遠位端(37)との間の容積または薬剤リザーバ(40)内にある。プランジャ先端(36)は、標準的なブチルゴム材料を含むことができ、関連するシリンジ本体(34)構造および材料に対する好ましいシールおよび相対運動特性を容易にするために、生体適合性潤滑性コーティング(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)などでコーティングされている。
図5Bのシリンジ本体(34)の近位端は、シリンジ本体(34)の材料と一体的に形成された従来の一体型シリンジフランジ(38)を備える。フランジ(38)は、シリンジ本体(34)から半径方向に延びるように構成されており、シリンジ本体(34)の周囲の全周または円周の一部となるように構成されている。部分的なフランジは、「クリップドフランジ」として知られており、他方のフランジは「フルフランジ」として知られている。フランジは、指でシリンジを把持するために使用され、プランジャを押して注射を行うための支持を提供する。シリンジ本体(34)は、好ましくは、ガラスまたはポリマーのような半透明の材料を含む。薬剤チャンバまたはリザーバ(40)内に封じ込められた容積を形成し、針を介した関連流体の排出を補助するために、プランジャ先端(36)をシリンジ本体(34)内に配置することができる。シリンジ本体は、ほぼ円筒形を(すなわち、円形の断面形状を有するプランジャ先端36がシリンジ本体に対してシールを確立するように)規定することができ、または楕円形などの他の断面形状を有するように構成することもできる。
【0006】
そのようなアセンブリは、充填、包装および医薬品/薬剤インターフェーシング材料の選択とコンポーネントの使用に関する世界の絶え間なく変化する規制のすべてを満たす余裕のある世界で数少ない製造業者によって標準化され、正確に大量製造される可能性があるため、望ましい。しかしながら、そのような単純な構成では、一般的に、単回使用、安全性、自動無効化および針刺し防止に関する新しい世界基準を満たすことはできない。このため、特定のサプライヤは、より「垂直」ソリューション、例えば、
図5Cに示すようなシステム(41)に移行してきている。このシステムは、注入を実行するために必要な殆どまたはすべての部品(本体、ストッパ、針、プランジャなど)を含むことによって、1つのソリューションで規格のすべてまたはその少なくとも一部を満たそうとするものである。多くの異なるシナリオでそれらの基準を満たそうとした結果、そのような製品には重大な制限があり(
図3~
図4Bを参照して上述したような制限の一部を含む)、在庫および使用費用が比較的高くなる可能性がある。
【0007】
いくつかの注入システム本体は、環状オレフィンコポリマー(「COC」)または環状オレフィンポリマー(「COP」)などのポリマーや、射出成形、ブロー成形または他の製造プロセスに適した他のポリマーを成形することによって形成される。注入システム本体の成形は、許容可能なエラーレートで注入システム部品を製造する費用対効果に優れた高スループットの方法である。例えば、
図6は、成形されたポリマー製シリンジ本体600への針ハブアセンブリ(図示省略;例えば、
図8を参照)の結合を容易にするための一体型ルアーコネクタ610および内向きネジ612を含む成形されたポリマー製シリンジ本体600を示している。ルアーコネクタ610、内向きのネジ山612、および内向きのネジ山612を有するシリンジ本体600の遠位端は、一緒に針結合アセンブリ/ルアーナット614を形成している。一体化した針結合アセンブリ/ルアーナット614は、ルアーナットをシリンジ本体の遠位端に取り付けるステップを排除する。
【0008】
他の実施形態では、注入システム本体(例えば、シリンジまたはカートリッジ本体)がポリマーから構成され、不活性コーティングが注入システム本体の表面、好ましくは内面に配置されている。不活性コーティングは、液体薬剤を注入システム本体のポリマーから分離するように構成されている。不活性コーティング材料の例としては、シリカベースのコーティング(例えば、二酸化ケイ素、ガラス、ホウケイ酸ガラス、疎水性オルガノシロキサン)、および注入システム本体内の薬剤と非反応性であるように構成された他のポリマー材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。不活性コーティングは、プラズマ蒸着、化学的接着剤、および/または他の接着または機械的方法などのプロセスを使用して、注入システム本体の内面に配置することができる。また、不活性コーティング材料は、薬剤が予め充填された注入システムの保管中に、注入システム本体を通るガス(例えば、酸素、窒素または他のガス)の透過率を低減するようにも構成されている。また、不活性コーティングは、ストッパが注入システム本体内を摺動する際の静的および/または動的な摩擦を低減するための潤滑性表面を提供し得る。潤滑性表面は、注入システム本体の内面にシリコーンオイルを塗布する必要性を低減または排除するように構成することができる。また、不活性コーティングは、保管中に、ポリマー製の注入システム本体から、ポリマー製の注入システム本体の薬剤チャンバ内に収容された薬剤に移動する溶出性または抽出性の化学物質の量も減らすことができる。また、不活性コーティングは、保管中に注入システム本体の薬剤チャンバ内に含まれる薬剤のpHの変化も低減することができる。
【0009】
図7は、
図6に示す成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端をより詳細に示している。
図7は、現在入手可能な成形されたポリマー製シリンジ本体の2つの課題を示している。第一に、成形されたポリマー製シリンジ本体600の内向きのネジ山612は、金型コア(図示省略)を緩めて成形シリンジ本体600から金型コアを除去するのを容易にするために滑らかである。内向きのネジ山612の滑らかさは、成形されたポリマー製シリンジ本体600上に針ハブアセンブリ(図示省略)を結合するために利用できる干渉の量を減少させる。実質的に、内向きのネジ山612が、成形後の金型コア(図示省略)の不注意によるネジ外し/取り外しを可能にするほど滑らかである場合、内向きのネジ山612は、成形されたポリマー製シリンジ本体600に結合された針ハブアセンブリおよび他のコネクタの不注意による取り外しも可能にしてしまう。そのような不注意によるネジ外し/取り外しは、配送中、使用中などに生じる可能性がある。
【0010】
図7は、ルアーコネクタ612の遠位端の開口部616が、金型形成プロセスに起因して限られた最小サイズを有することを示している。
図7の成形されたポリマー製シリンジ本体600の開口部616は、約2mm(0.079インチ)の最小直径を有し、これは、約1mm(0.036インチ)の針/管(図示省略;例えば、
図8を参照)の直径の2倍以上である。その結果、針は、ルアーコネクタ610または成形されたポリマー製シリンジ本体600の中心にうまく配置されない。中心位置からの大幅なずれ(ミスアライメント)は、針/管と他の注入システムコンポーネントとの相互作用を妨げる可能性がある。
図6および
図7は、成形されたポリマー製シリンジ本体600を示しているが、成形された本体部材からの針ハブアセンブリの取り外しを防止するための機構は、様々な実施形態に係る成形されたポリマー製カートリッジにも使用することができる。さらに、注入システム本体からの針ハブの取り外しを防止するための機構は、ガラス製注入システム本体(例えば、シリンジ)の遠位端に固定された射出成形されたネジ式ルアーインターフェース/針結合アセンブリを含む注入システムにも採用することができる。
【0011】
現在利用可能な構成の欠点を解決する、成形されたポリマー製注入システム本体とともに使用するための注入システムコンポーネントが必要とされている。特に、針ハブアセンブリを成形されたポリマー製注入システム本体により確実に結合するように構成された取り外し防止/保持機構を有する針ハブアセンブリが必要とされている。さらに、ミスアライメントによるシステムエラーの可能性を最小限に抑えるために、成形されたポリマー製注入システム本体およびその遠位コネクタの中心に針/管を配置する注入システムコンポーネントが必要とされている。成形されたポリマー製注入システム本体のそれらの制限および他の制限に対処することにより、費用効果が高く製造が容易なシステム本体をより多くの注入システムに組み込むことができる。
【発明の概要】
【0012】
実施形態は、注入システムを対象とする。特に、実施形態は、成形されたポリマー製注入システム本体とともに使用するための注入システムコンポーネントを対象としている。
【0013】
一実施形態では、注入システムが、遠位端に本体接続部材を有する成形された本体部材を含む。また、本システムは、注入システム本体の遠位端に結合された針ハブアセンブリも含む。針ハブアセンブリは、本体接続部材に結合された針ハブと、針ハブに結合された針と、針ハブの近位端の周りに配置され、掛かり(barb)を有する掛かり付きバンド(barbed band)とを含む。掛かり付きバンドは、本体接続部材に対する針ハブアセンブリの第1の方向への回転を許容する一方で、本体接続部材に対する針ハブアセンブリの第2の方向への回転を阻止する。
【0014】
1または複数の実施形態では、本システムが、成形された本体部材内に配置されたストッパ部材と、それに結合されたプランジャ部材とをさらに含む。針は、ストッパ部材を成形された本体部材の遠位端に配置するためのプランジャ部材の操作時に、成形された本体部材内に少なくとも部分的に引き込まれるように構成されるものであってもよい。
【0015】
1または複数の実施形態では、針ハブが、本体接続部材に対する針ハブアセンブリの回転を容易にするように構成された複数の凹部を含む。本体接続部材は、内向きのネジ山を有する空間を含むことができる。本体接続部材は、一体化された針結合アセンブリ/ルアーナットを含むことができる。
【0016】
1または複数の実施形態では、本システムが、本体部材の遠位端と針ハブの内面との間に配置されたシール部材も含む。シール部材は、本体部材の遠位端において針を中心に配置するように構成された内側に向かう延長部を含むことができる。掛かり付きバンドは、第2の方向に向かって延在し、半径方向外側に飛び出すようにバイアスされたスパイクを含むことができる。本体部材は、環状オレフィンコポリマーまたは環状オレフィンポリマーから成形されるものであってもよい。本体部材は、本体部材の薬剤チャンバの内面に不活性コーティングを有することができる。
【0017】
別の実施形態では、注入システムが、成形された本体部材を含む。成形された本体部材は、その遠位端にある本体接続部材と、その遠位方向を向く表面に配置されたノッチとを含む。本システムは、注入システム本体の遠位端に結合された針ハブアセンブリも含む。針ハブアセンブリは、本体接続部材に結合された針ハブと、針ハブに結合された針と、針ハブの近位方向を向く表面に配置されたデテントとを含む。デテントは、針ハブアセンブリが本体部材に結合されたときに、ノッチに嵌入して、本体接続部材に対する針ハブアセンブリの回転を防止するように構成されている。
【0018】
1または複数の実施形態では、本システムが、成形された本体部材内に配置されたストッパ部材と、それに結合されたプランジャ部材とをさらに含む。針は、ストッパ部材を成形された本体部材の遠位端に配置するためのプランジャ部材の操作時に、成形された本体部材内に少なくとも部分的に引き込まれるように構成されるものであってもよい。
【0019】
1または複数の実施形態では、針ハブが、本体接続部材に対する針ハブアセンブリの回転を容易にするように構成された複数の凹部を含む。本体接続部材は、内向きのネジ山を有する空間を含むことができる。本体接続部材は、一体化された針結合アセンブリ/ルアーナットを含むことができる。
【0020】
1または複数の実施形態では、本システムが、本体部材の遠位端と針ハブの内面との間に配置されたシール部材も含む。シール部材は、本体部材の遠位端において針を中心に配置するように構成された内側に向かう延長部を含むことができる。本体部材は、環状オレフィンコポリマーまたは環状オレフィンポリマーから成形することができる。本体部材は、本体部材の薬剤チャンバの内面に不活性コーティングを有することができる。
【0021】
さらに別の実施形態では、注入システムが、遠位端に本体接続部材を有する成形された本体部材を含む。本システムは、注入システム本体の遠位端に結合された針ハブアセンブリも含む。針ハブアセンブリは、本体接続部材に結合された針ハブと、針ハブに結合された針と、針ハブの近位端の周りに配置され、複数の歯を有する保持リングとを含む。保持リングは、本体接続部材に対する針ハブアセンブリの近位方向の移動を可能にする一方で、本体接続部材に対する針ハブアセンブリの遠位方向の移動を阻止する。
【0022】
1または複数の実施形態では、本システムが、成形された本体部材内に配置されたストッパ部材と、それに結合されたプランジャ部材とをさらに含む。針は、ストッパ部材を成形された本体部材の遠位端に位置させるためのプランジャ部材の操作時に、成形された本体部材内に少なくとも部分的に引き込まれるように構成されるものであってもよい。
【0023】
さらに別の実施形態では、注入システムが、遠位端に本体接続部材を有する成形された本体部材を含む。本システムは、注入システム本体の遠位端に結合された針ハブアセンブリも含む。針ハブアセンブリは、本体接続部材に結合された針ハブと、針ハブに結合された針と、針ハブアセンブリの外面に配置され、本体接続部材の内面と接触する制動タブとを含む。制動タブは、本体接続部材に対する針ハブアセンブリの第1の方向への回転を許容する一方で、本体接続部材に対する針ハブアセンブリの第2の方向への回転を阻止する。
【0024】
1または複数の実施形態では、本システムが、成形された本体部材内に配置されたストッパ部材と、それに結合されたプランジャ部材とをさらに含む。針は、ストッパ部材を成形された本体部材の遠位端に配置するためのプランジャ部材の操作時に、成形された本体部材内に少なくとも部分的に引き込まれるように構成されるものであってもよい。
【0025】
本発明の上述した実施形態および他の実施形態は、以下の詳細な説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下に説明する図面は、説明のみを目的としている。図面は、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。この特許または出願ファイルには、少なくとも1のカラーの図面が含まれる。カラー図面を含む本特許または特許出願公報のコピーは、請求と、必要な手数料の支払いにより、米国特許商標庁から提供されるであろう。
【0027】
実施形態の上記態様および他の態様を、添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。それら図面では、様々な図面中の同じ構成要素が共通の符号で示されている。
【0028】
【
図3】
図3は、従来の注入シリンジ構成の様々な態様を示している。
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態に係る成形されたポリマー製注入システム本体を示している。
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態に係る成形されたポリマー製注入システム本体を示している。
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態に係る成形されたポリマー製注入システムとともに使用するための針ハブアセンブリを示している。
【
図9】
図9は、いくつかの実施形態に係る成形されたポリマー製注入システムとともに使用するための針ハブアセンブリを示している。
【
図10】
図10は、いくつかの実施形態に係る針ハブアセンブリおよび成形されたポリマー製注入システムで使用するための取り外し防止バンドを示している。
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態に係る、
図8および
図9に示す針ハブアセンブリと、
図6および
図7に示す成形されたポリマー製注入システム本体との結合を示している。
【
図12】
図12は、いくつかの実施形態に係る、
図6および
図7に示す成形されたポリマー製注入システム本体と結合された
図8および
図9に示す針ハブアセンブリを示している。
【
図13】
図13は、いくつかの実施形態に係る、
図6および
図7に示す成形されたポリマー製注入システム本体と結合された
図8および
図9に示す針ハブアセンブリを示している。
図13Aおよび
図13Bは、いくつかの実施形態に係る取り外し防止掛かり付きバンドを有する安全な注入システムを示している。
【
図14】
図14は、いくつかの実施形態に係る成形されたポリマー製注入システムとともに使用するための針ハブアセンブリを示している。
【
図15】
図15は、いくつかの実施形態に係る成形されたポリマー製注入システムとともに使用するための針ハブアセンブリを示している。
【
図16】
図16Aおよび
図16Bは、いくつかの実施形態に係る成形されたポリマー製注入システムとともに使用するための針ハブアセンブリを示している。
【
図17】
図17Aおよび
図17Bは、いくつかの実施形態に係る針ハブアセンブリおよび成形されたポリマー製注入システムとともに使用するための保持リングを示している。
【
図18】
図18は、いくつかの実施形態に係る針ハブアセンブリおよび成形されたポリマー製注入システムにおいて保持リングとともに使用するための針ハブを示している。
【
図19】
図19Aおよび
図19Bは、いくつかの実施形態に係る針ハブアセンブリおよび成形されたポリマー製注入システムにおいて保持リングとともに使用するための針ハブを示している。
図19C~
図19Eは、いくつかの実施形態に係る保持リングを備えた安全な注入システムを示している。
【
図20】
図20は、いくつかの実施形態に係るロックデテントを有する針ハブアセンブリと、対応するノッチを有する成形されたポリマー製注入システム本体との結合を示している。
【
図21】
図21は、いくつかの実施形態に係るロックデテントを有する針ハブアセンブリと、対応するノッチを有する成形されたポリマー製注入システム本体との結合を示している。
【
図22】
図22は、いくつかの実施形態に係るロックデテントを有する針ハブアセンブリと、対応するノッチを有する成形されたポリマー製注入システム本体との結合を示している。
【
図23】
図23は、いくつかの実施形態に係る制動タブを有する針ハブアセンブリと成形されたポリマー製注入システム本体との結合を示している。
【
図24】
図24Aおよび
図24Bは、いくつかの実施形態に係る2つの位置にある制動タブを有する針ハブアセンブリを示している。
【
図25】
図25は、いくつかの実施形態に係る制動タブを有する針ハブアセンブリを示している。
【
図26】
図26は、いくつかの実施形態に係る制動タブを有する針ハブアセンブリを示している。
【
図27】
図27は、いくつかの実施形態に係る制動タブを有する針ハブアセンブリと成形されたポリマー製注入システム本体との結合を示している。
【
図28】
図28Aおよび
図28Bは、いくつかの実施形態に係る制動タブを有する針ハブアセンブリと成形されたポリマー製注入システム本体との結合を示している。
【
図29】
図29Aおよび
図29Bは、いくつかの実施形態に係る制動タブ(またはロックデテント)を有する安全な注入システムを示している。
【0029】
様々な実施形態の上記および他の利点および目的を得る方法をより良く理解するために、添付の図面を参照しながら、実施形態のより詳細な説明を提供する。なお、図面は一定の縮尺で描かれておらず、同様の構造または機能の要素が、全体を通して同様の符号で示されていることに留意されたい。それらの図面は、特定の例示的な実施形態のみを示しており、よって実施形態の範囲を限定するものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0030】
取り外し防止掛かり付きバンド
図8および
図9は、いくつかの実施形態に係る成形されたポリマー製注入システム体とともに使用するための針ハブアセンブリ800を示している。針ハブアセンブリ800は、針810と、ネジ付き針ハブ812と、取り外し防止バンド814と、シール/ガイド816と、針ラッチ818と、針ラッチアクチュエータ820と、剛性針シールド822とを含む。針ラッチ818および針ラッチアクチュエータ820は、本明細書に記載されているような針引き込みシステムの一部である。
【0031】
取り外し防止バンド814は、
図10に詳細に示されている。いくつかの実施形態では、取り外し防止バンド814は、成形されたポリマー製注入システム本体上に針ハブアセンブリ800を保持すべく、より大きな弾性および硬度を提供するために、金属から作られている。取り外し防止バンド814を形成する金属の硬度は、その取り外し防止掛かり826が、注入システム本体600を作るより柔らかいポリマーに食い込んで、本明細書に記載の取り外し方向への注入システム本体600に対する針ハブアセンブリ800の回転を防止することを可能にする。取り外し防止バンド814は、完全に円形のバンドの約75%である。取り外し防止バンド814の開口部822は、取り外し防止バンド814を針ハブ812上にスナップ留めすることを可能にする。また、取り外し防止バンド814は、取り外し防止バンド814と針ハブ812の相対的な回転を防止するために、針ハブ812の開口部に受け入れられるように構成された長手方向の延長部824を含む。
【0032】
さらに
図10に示すように、取り外し防止バンド814は、複数(例えば、2つ)の取り外し防止掛かり826も含む。取り外し防止掛かり826は、成形されたポリマー製注入システム本体の内向きのネジ山の時計回りの方向とは反対の反時計回りの方向に向けられている。さらに、取り外し防止掛かり826の遠位端は、半径方向外向きに延びるようにバイアスされている。そのため、針ハブアセンブリ800が、
図11に示す成形されたポリマー製シリンジ本体600に時計回りにねじ込まれるときに、取り外し防止掛かり826は、内向きのネジ山612に隣接する成形されたポリマー製シリンジ本体600の滑らかな壁に係合しない。しかしながら、針ハブアセンブリ800が反時計回り方向yに回転されると、取り外し防止掛かり826は、成形されたポリマー製シリンジ本体600の滑らかな壁に食い込む。この干渉は、成形されたポリマー製シリンジ本体600に対する針ハブアセンブリ800の反時計回り方向への回転と、成形されたポリマー製シリンジ本体600からの針ハブアセンブリ800の取り外しを妨げる。取り外し防止バンド814およびその取り外し防止掛かり826は、成形されたポリマー製シリンジ本体600に対する針ハブアセンブリ800の時計回りの回転のみを許容する一方向クラッチとして機能する。この実施形態では、時計回りの回転が許容され、反時計回りの回転が防止されているが、他の実施形態では、取り外し防止掛かり826および成形されたポリマー製注入システム本体の内向きのネジ山の方向を変更することにより、反時計回りの回転を許容し、時計回りの回転を防止することができる。
【0033】
さらに
図11を参照すると、針ハブ812は、平坦な表面を有する複数の凹部828も含む。針ハブ812上の凹部828は、レンチまたはソケット状のデバイス(図示省略)が、成形されたポリマー製シリンジ本体600に対して針ハブアセンブリ800を回転させることを可能にする。レンチまたはソケット状のデバイスは、ユーザまたはロボットによって操作することができ、それにより手動および自動の両方の組立が容易になる。
【0034】
図12は、成形されたポリマー製シリンジ本体600に完全にねじ込まれた針ハブアセンブリ800を示している。取り外し防止掛かり826により、針ハブアセンブリ800および成形されたポリマー製シリンジ本体600が一旦組み立てられると、それらを手動で互いに分離することはできない。
【0035】
図13は、シール/ガイド816の機能を示すために、成形されたポリマー製シリンジ本体600に完全にねじ込まれた針ハブアセンブリ800を断面図で示している。針/管810は、シール/ガイド616を通過して、成形されたポリマー製シリンジ本体600の中に入る。シール/ガイド816は、針ハブ812によってルアーコネクタ810の遠位端に押し付けられ、それにより成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端をシールすることで、流体が針/管810を通らない限り、成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端から出ることを防止することができる。
【0036】
さらに、シール/ガイド816は、ルアーコネクタ612の遠位端の開口部616の中心に針/管810を置く内側に向かう延長部830を含み、それによって、上述した針/管810および開口部616の直径の違いにもかかわらず、針/管810を開口部616内で安定化させることができる。成形されたポリマー製シリンジ本体600内での針/管810のセンタリングおよび安定化により、上述したように、針/管810の近位端と、成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端に配置された様々な注入システムコンポーネントとの間の正確な相互作用が容易になる。
【0037】
例示的な安全なシリンジシステム(取り外し防止掛かり付バンドを有する)
図13Aおよび
図13Bは、いくつかの実施形態に係る取り外し防止掛かり付きバンド814を有する安全な注入システム1300の側面図である。安全な注入システム1300は、針810を介した薬剤の注入を容易にするとともに、偶発的な針刺しを防止するために針の鋭い遠位端がその中に含まれるように、針810を安全な注入システム1300の中に引き込むことを容易にする。
【0038】
安全な注入システム1300は、薬剤チャンバ618を規定する成形されたポリマー製シリンジ本体600と、薬剤チャンバ618の近位端を閉塞するストッパ部材620と、成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端に形成された針結合アセンブリ614とを含む。薬剤チャンバ618は、その内面に不活性コーティングを有することができる。また、安全な注入システム1300は、プランジャアセンブリ700も含む。プランジャアセンブリ700は、ストッパ部材620に結合され、プランジャハウジング部材710およびプランジャ操作インターフェース730を含む。
【0039】
安全な注入システム1300は、
図8および
図9に示すように、かつ上述したように、針ラッチ818によってネジ付き針ハブ812に解放可能に結合された針810を有する針ハブアセンブリ800をさらに含む。ネジ付き針ハブ812は、針結合アセンブリ614の内向きのネジ山612を介して、針結合アセンブリ614に結合することができる。
図11および
図12に示すように、かつ上述したように、掛かり付きバンド814は、針ハブアセンブリ800を針結合アセンブリ614にねじ込むことを可能にするが、針ハブアセンブリ800がそこから取り外されるのを防止する。針ラッチ818は、針810の遠位方向の移動によって針ラッチ818が開放/解放されるまで、ネジ付き針ハブ812に対する針810の近位方向の移動を防止する。針810の遠位方向の移動は、(ストッパ部材620、プランジャハウジング部材710およびプランジャ操作インターフェース730を介して加えられる力から)針ラッチアクチュエータ820の遠位方向の移動を引き起こし、それにより針ラッチ818を開く/解放する。
【0040】
安全な注入システム1300は、ユーザによるシリンジ本体600に対するプランジャアセンブリ700の挿入を受けて、チャンバ618から遠位方向に薬剤が出るのを制御する。
図13Aは、注入前の構成にある安全な注入システム1300を示している。プランジャ操作インターフェース730に遠位方向の力を加えることにより、プランジャ部材700は、成形されたポリマー製シリンジ本体600に対して遠位方向に移動し、それにより針810を介してチャンバ618から薬剤を排出して注入を行うことができる。
【0041】
図13Bは、注入後の安全な構成にある安全な注入システム1300を示している。成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端の近くにストッパ部材620が配置されるようにプランジャ部材700が遠位方向に操作されると、針810の近位端622が、ストッパ部材620を完全に貫通し、プランジャハウジング部材710によって規定されるプランジャ内部712に入る。プランジャ内部712に入った後、針810の近位端622は、プランジャアセンブリ700の針引き込み部材720に結合/捕捉される。針引き込み部材720は、最初はプランジャ内部712内の遠位位置(図示省略)にある。針引き込み部材720は、針引き込みバネ732に結合されている。針引き込みバネ732は、針引き込み部材720が遠位位置にあるとき、バネラッチ734によって圧縮状態で保持される。針引き込み部材720、針引き込みバネ732およびバネラッチ734は、プランジャ内部712に存在する。
【0042】
成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端の近くにストッパ部材620が配置されると、針が針ラッチアクチュエータ820を遠位方向に押して針ラッチ818を開き/解放し、それにより針ハブアセンブリ800に対する針810の近位方向の移動を可能にする。成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端にストッパ部材620が到達すると、針引き込み部材720がバネラッチ734を作動させて、針引き込みバネ732を解放する。針ラッチアクチュエータ820が針ラッチ818を既に開放/解放しているため、針引き込み部材720がバネラッチ734を作動させると、針引き込みバネが伸びて、
図13Bに示すように、針引き込み部材720およびそれに結合された針810をプランジャ内部712に移動させる。針810の鋭利な遠位先端は、プランジャ内部712およびストッパ部材620の中に引き込まれ、それにより注入完了後の偶発的な針刺しを防止する。他の実施形態では、針810の鋭利な先端が、不注意による針刺しを防止するために、ネジ付き針ハブ812の遠位端よりも近位側の位置まで引き込まれる。
【0043】
保持リング
図14~
図16Bは、いくつかの実施形態に係る成形されたポリマー製注入システム体とともに使用するための針ハブアセンブリ1400を示している。針ハブアセンブリ1400は、針1410と、針ハブ1412と、保持リング1414と、シール/ガイド1416と、針ラッチ1418と、針ラッチアクチュエータ1420と、剛性針シールド1422とを含む。
【0044】
図16Aおよび16Bは、針ハブ1412が、保持リング1414と針ハブ1412との相対的な長手方向の移動を防止するために、保持リング1414を収容する大きさおよび形状の空間1424を規定することを示している。
図16Bは、シール/ガイド1416が、針ハブ1412の内部の遠位端に載置されていることを示している。針/管1610は、シール/ガイド1616を通って、成形されたポリマー製注入システム本体(例えば、成形されたポリマー製シリンジ本体600)の中に入る。シール/ガイド1416は、針ハブ1412によってルアーコネクタ610の遠位端に押し付けられることができ、それにより成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端をシールすることで、流体が針/管1610を通る以外に、成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端から出るのを防ぐことができる。
【0045】
また、シール/ガイドは、ルアーコネクタ612の遠位端の開口部616の中心に針/管1610を置き、それにより上述したように、針/管1610および開口部616の直径の違いにもかかわらず、開口部616において針/管1610を安定させることができる。成形されたポリマー製シリンジ本体600内での針/管1610のセンタリングおよび安定化により、上述したように、針/管1610の近位端と、成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端に配置された様々な注入システムコンポーネントとの間の正確な相互作用が容易になる。
【0046】
図17Aおよび
図17Bは、いくつかの実施形態に係る針ハブアセンブリ1400の針ハブ1412とともに使用するための金属製の保持リング1414を示している。金属製保持リング1414は、反対方向に比べて一方向により容易に曲がるようにバイアスされた歯1426を含むため、保持リング1414は、成形されたポリマー製シリンジ本体600の遠位端において、ルアーコネクタ610(
図6および
図7を参照)の上を近位方向により容易に滑ることができ、一方で、ルアーコネクタ610の上を遠位方向に保持リング1414を取り外すことに対して相対的により大きな抵抗を与えることができる。実際に、保持リング1414の歯1426は、成形されたポリマー製シリンジ本体600から針ハブアセンブリ1400が引き離されるときに、ルアーコネクタ610に食い込むことができる。
【0047】
歯1426と成形されたポリマー製シリンジ本体600との間に生じる自己制動作用があり、これは、ルアーコネクタ610上の保持リング1414の取り外しに抵抗するのに役立つ。歯1426は、より多くの取り外し力が加えられると、ルアーコネクタ610に強く結合する傾向がある。これは、組立後に歯1426とルアーコネクタ610との間に形成される浅くない角度に起因するものであり、この角度は、取り外し力の増加に伴って歯1426とルアーコネクタ610との間の摩擦を増加させ、それによって歯1426がルアーコネクタ610を解放するのを妨げる。歯1426のドーム状の湾曲および保持リング1414の周囲の金属は、歯1426に構造的強度を与え、それによって実質的な半径方向の力でルアーコネクタ610を圧迫し、自己制動作用を強化し、歯1426がルアーコネクタ610を解放するのに抵抗するのを助ける。針ハブ1412は、保持リング1414が配置される空間1424を規定し、成形されたポリマー製シリンジ本体600は、保持リング1414と相互作用するように構成されたルアーコネクタ610を含むため、ルアーコネクタ610と保持リング1414との間の干渉は、成形されたポリマー製シリンジ本体600に近位方向に針ハブ1412を取り付けることを可能にする一方で、成形されたポリマー製シリンジ本体600から遠位方向に針ハブ1412を取り外すことを防止することができる。金属製保持リング1414は、その金属組成により、成形されたポリマー製シリンジ本体600と比較して、より大きな硬度および弾性を有する。
【0048】
図18~
図19Bは、針ハブ1412を示しており、明確にするために他の構成要素が省略されている。
図19Bに示すように、針ハブ1412は、保持リング1414と針ハブ1412との相対的な長手方向の移動を防止するために、保持リング1414を収容する大きさおよび形状の空間1424を規定している。このため、成形されたポリマー製シリンジ本体600に保持リング1414が結合されると、針ハブ1412と針ハブアセンブリ1400も、成形されたポリマー製シリンジ本体600に結合される。
【0049】
例示的な安全なシリンジシステム(保持リングを有する)
図19C~
図19Eは、いくつかの実施形態に係る保持リング1414を有する安全な注入システム1900の斜視図および側面図を示している。安全な注入システム1900は、針1410を介した薬剤の注入を容易にするとともに、偶発的な針刺しを防止するために針1410の鋭い遠位端がその中に含まれるように、安全な注入システム1900内に針1410を引き込むことを容易にする。
【0050】
安全な注入システム1900は、薬剤チャンバ618を規定する成形されたポリマー製シリンジ本体600’と、薬剤チャンバ618の近位端を閉塞するストッパ部材620と、成形されたポリマー製シリンジ本体600’の遠位端に形成された針結合部材614’とを含む。薬剤チャンバ618は、その内面に不活性コーティングを有することができる。また、安全な注入システム1900は、プランジャアセンブリ700も含む。プランジャアセンブリ700は、ストッパ部材620に結合され、プランジャハウジング部材710およびプランジャ操作インターフェース730を含む。
【0051】
安全な注入システム1900は、
図15および
図16Bに示すように、かつ上述したように、針ラッチ818によって針ハブ1412に解放可能に結合された針1410を有する針ハブアセンブリ1400をさらに含む。
図15および
図16Bに示すように、かつ上述したように、保持リング1414は、針ハブアセンブリ1400を針結合部材614’上に挿入することを可能にするが、そこから針ハブアセンブリ1400を取り外すことを防止する。針ラッチ818は、針1410の遠位方向の移動によって針ラッチ818が開放/解放されるまで、針ハブ1412に対する針1410の近位方向の移動を防止する。針1410の遠位方向の移動は、(ストッパ部材620、プランジャハウジング部材710およびプランジャ操作インターフェース730を介して加えられる力から)針ラッチアクチュエータ820の遠位方向の移動を引き起こして、針ラッチ818を開く/解放する。
【0052】
安全な注入システム1900は、ユーザによるシリンジ本体600’に対するプランジャアセンブリ700の挿入を受けて、チャンバ618から遠位方向に薬剤が出るのを制御する。
図19Bは、注入前の構成にある安全な注入システム1900を示している。プランジャ操作インターフェース730に遠位方向の力を加えることにより、プランジャ部材700は、成形されたポリマー製シリンジ本体600’に対して遠位方向に移動し、それにより針1410を介してチャンバ618から薬剤を排出して注入を行うことができる。
【0053】
図19Cは、注入後の安全な構成にある安全な注入システム1900を示している。成形されたポリマー製シリンジ本体600’の遠位端の近くにストッパ部材620が配置されるようにプランジャ部材700が遠位方向に操作されると、針1410の近位端622が、ストッパ部材620を完全に貫通し、プランジャハウジング部材710によって規定されるプランジャ内部712に入る。プランジャ内部712に入った後、針1410の近位端622は、プランジャアセンブリ700内の針引き込み部材720に結合/捕捉される。針引き込み部材720は、最初はプランジャ内部712の遠位位置(図示省略)にある。針引き込み部材720は、針引き込みバネ732に結合されている。針引き込みバネ732は、針引き込み部材720が遠位位置にあるとき、バネラッチ734によって圧縮状態で保持される。針引き込み部材720、針引き込みバネ732およびバネラッチ734は、プランジャ内部712に存在する。
【0054】
成形されたポリマー製シリンジ本体600’の遠位端の近くにストッパ部材620が配置されると、針が針ラッチアクチュエータ820を遠位方向に押して針ラッチ818を開き/解放し、それによって針ハブアセンブリ800に対する針810の近位方向の移動を可能にする。成形されたポリマー製シリンジ本体600’の遠位端にストッパ部材620が到達すると、針引き込み部材720がバネラッチ734を作動させて、針引き込みバネ732を解放する。針ラッチアクチュエータ820は針ラッチ818を既に開放/解放しているため、針引き込み部材720がバネラッチ734を作動させると、針引き込みバネが伸びて、
図19Cに示すように、針引き込み部材720およびそれに結合された針810をプランジャ内部712に移動させる。針810の鋭利な遠位先端は、プランジャ内部712およびストッパ部材620の中に引き込まれ、注入完了後の偶発的な針刺しを防止する。他の実施形態では、針1410の鋭利な先端が、不注意による針刺しを防止するために、針ハブ1412の遠位端よりも近位側の位置まで引き込まれる。
【0055】
ロックデテントおよび制動タブ
図20~
図22は、いくつかの実施形態に係る成形されたポリマー製注入システム体とともに使用するための針ハブアセンブリ2000を示している。針ハブアセンブリ2000は、針2010と、ロックデテント2014を有する針ハブ2012と、剛性針シールド2022とを含む。
【0056】
デテント2014は、針ハブ2012の近位方向を向く表面から延びている。針ハブアセンブリ2000を成形されたポリマー製シリンジ本体600上で時計回りに回転させると、デテント2014が、成形されたポリマー製シリンジ本体600に形成されたノッチ620内に滑り込む。デテント2014の傾斜は、時計回りの回転でデテント2014をノッチ620内に滑り込むことを可能にするが、反時計回りの回転を妨げる。本実施形態では、時計回りの回転が許容され、反時計回りの回転が防止されているが、他の実施形態では、デテント2014および成形されたポリマー製シリンジ本体の内向きのネジ山の方向を変更することにより、反時計回りの回転を許容し、時計回りの回転を防止することができる。図面には、単一のデテント2014およびノッチ620が示されいるが、本システムは、それぞれ複数のデテントおよびノッチを含むこともできる。ノッチは一体成形されたシリンジ本体600の遠位面に示されているが、ノッチは、ガラスシリンジの遠位端に取り付けられる成形されたポリマー製ルアーインターフェース614の遠位面に形成されるものであってもよい。
【0057】
また、針ハブ2012は、平坦な表面を有する複数の凹部2028も含む。針ハブ2012上の凹部2028は、レンチまたはソケットのようなデバイス(図示省略)が、成形されたポリマー製シリンジ本体600に対して針ハブアセンブリ2000を回転させることを可能にする。レンチまたはソケットのようなデバイスは、ユーザまたはロボットによって操作することができ、それにより手動および自動の両方の組立が容易になる。
【0058】
図23~
図28Bは、いくつかの実施形態に係る注入システム本体とともに使用するための針ハブアセンブリ2300を示している。針ハブアセンブリ2300は、針2310と、制動タブ2314を有する針ハブ2312と、針ラッチ2318(
図28Aを参照)と、針ラッチアクチュエータ2320(
図28Aを参照)とを含む。
【0059】
ここに示されている注入システム本体600は、その遠位端に取り付けられた内ネジ式の針結合アセンブリ/ルアーナット614を有するガラス製のシリンジ本体600である。制動タブは、上述した
図7に示すような一体型の針結合アセンブリ/ルアーナットを有する完全一体型ポリマー製の注入システム本体で使用することもできる。制動タブ2314は、
図24A、
図24B、
図25、
図26、
図28Bに詳細に示されている。
図24Aおよび
図24Bに示すように、制動タブ2314は2つの位置がある。
図24Aは、ロック解除位置にある制動タブ2314を示しており、この位置では、注入システム本体600に対して針ハブ2312を時計回りに回転させることにより、針ハブ2312を注入システム本体600に結合することができる。
図24Bは、ロック位置にある制動タブ2314を示しており、この位置では、注入システム本体600に対して針ハブ2312を反時計回りに回転させて、針ハブ2312を注入システム本体600から取り外すことが防止されている。時計回りの回転によって針ハブ2312を注入システム本体600に結合すると、制動タブ2314をロック解除位置からロック位置に変換することができる。このため、制動タブ2314は、針ハブアセンブリ2300を注入システム本体600上で時計回りに回転させることを可能にするが、針ハブアセンブリ2300を注入システム本体600から取り外すために反時計回りに回転させることを防止する。複数の制動タブ2314が
図23に示されているが、注入システムは単一の制動タブを使用するように構成されるものであってもよい。
【0060】
図28Aおよび
図28Bは、針ハブアセンブリ2300が注入システム本体600上で時計回りに回転されるときに、タブ2314が注入システム本体600からの圧力によって拡張し、注入システム本体600上の内向きのネジ山をグリップすることができることを示している。これは、針ハブアセンブリ2300を注入システム本体600から取り外すための反時計回りの回転をさらに妨げる。本実施形態では、時計回りの回転が許容され、反時計回りの回転が防止されているが、他の実施形態では、制動タブ2314および注入システム本体の内向きのネジ山の方向を変更することによって、反時計回りの回転を許容し、時計回りの回転を防止することができる。
【0061】
針ハブアセンブリ2000、2300は、シール/ガイドなしで示されているが、他の実施形態では、針ハブアセンブリ800、1400のものと同様のシール/ガイドが針ハブアセンブリ2000、2300に存在する。そのようなシール/ガイドは、成形されたポリマー製注入システム本体600の内部を密封し、成形されたポリマー製注入システム本体600の中心に針/管2010を配置するであろう。注入システム本体は、シリンジ本体またはカートリッジ本体であってもよい。注入システム本体600は、その内面に不活性コーティングを有することができる。
【0062】
例示的な安全なシリンジシステム(ロックデテントまたは制動タブを有する)
図29Aおよび
図29Bは、いくつかの実施形態に係る制動タブ2314を有する安全な注入システム2900の側面図を示している。安全な注入システム2900は、針810を介した薬剤の注入を容易にするとともに、偶発的な針刺しを防止するために針の鋭い遠位端がその中に含まれるように針810を安全な注入システム2900の中に引き込むことを容易にする。
【0063】
安全な注入システム2900は、薬剤チャンバ618を規定する注入システム本体600”と、薬剤チャンバ618の近位端を閉塞するストッパ部材620と、注入システム本体600”の遠位端に形成された針結合アセンブリ614とを含む。安全な注入システム2900は、プランジャアセンブリ700も含む。プランジャアセンブリ700は、ストッパ部材620に結合され、プランジャハウジング部材710およびプランジャ操作インターフェース730を含む。
【0064】
安全な注入システム2900は、後述するように、針ラッチ818によってネジ付き針ハブ2312に解放可能に結合された針2310を有する針ハブアセンブリ2300をさらに含む。ネジ付きの針ハブ2312は、針結合アセンブリ614の内向きのネジ山612”を介して、針結合アセンブリ614に結合することができる。
図27~
図28Bに示すように、かつ上述したように、制動タブ2314は、針ハブアセンブリ2300を針カップリングアセンブリ614上にねじ込むことを可能にするが、そこから針ハブアセンブリ2300を取り外すことを防止する。針ラッチ818は、針2310の遠位方向の動きによって針ラッチ818が開放/解放されるまで、ネジ付き針ハブ2312に対する針2310の近位方向の動きを防止する。針2310の遠位方向の移動は、(ストッパ部材620、プランジャハウジング部材710およびプランジャ操作インターフェース730を介して加えられた力から)針ラッチアクチュエータ820の遠位方向の移動を引き起こして、針ラッチ818を開く/解放する。
【0065】
安全な注入システム2900は、ユーザによる注入システム本体600”に対するプランジャアセンブリ700の挿入を受けて、チャンバ618から遠位方向に薬剤が出るのを制御する。
図29Aは、注入前の構成にある安全な注入システム2900を示している。プランジャ操作インターフェース730に遠位方向の力を加えると、プランジャ部材700は、成形されたポリマー製注入システム本体600”に対して遠位方向に移動し、それにより針2310を介してチャンバ618から薬剤を排出して注入を行うことができる。
【0066】
図29Bは、注入後の安全な構成にある安全な注入システム2900を示している。成形されたポリマー製注入システム本体600”の遠位端の近くにストッパ部材620が配置されるように、プランジャ部材700が遠位方向に操作されると、針2310の近位端622は、ストッパ部材620を完全に貫通し、プランジャハウジング部材710によって規定されるプランジャ内部712に入る。プランジャ内部712に入った後、針2310の近位端622は、プランジャアセンブリ700内の針引き込み部材720に結合/捕捉される。針引き込み部材720は、最初はプランジャ内部712の遠位位置(図示省略)にある。針引き込み部材720は、針引き込みバネ732に結合されている。針引き込みバネ732は、針引き込み部材720が遠位位置にあるとき、バネラッチ734によって圧縮状態で保持される。針引き込み部材720、針引き込みバネ732およびバネラッチ734は、プランジャ内部712に存在する。
【0067】
ストッパ部材620が注入システム本体600”の遠位端の近くに配置されると、針は針ラッチアクチュエータ820を遠位方向に押して針ラッチ818を開放/解放し、それにより針ハブアセンブリ2300に対する針2310の近位方向の移動を可能にする。成形されたポリマー製注入システム本体600”の遠位端にストッパ部材620が到達すると、針引き込み部材720がバネラッチ734を作動させて、針引き込みバネ732を解放する。針ラッチアクチュエータ820が針ラッチ818を既に開放/解放しているため、針引き込み部材720がバネラッチ734を作動させると、針引き込みバネが伸びて、
図29Bに示すように、針引き込み部材720およびそれに結合された針2310をプランジャ内部712に移動させる。針2310の鋭利な遠位先端は、注入完了後の偶発的な針刺しを防止するために、ネジ付き針ハブ2312の遠位端よりも近位側の位置まで引き込まれる。針2310の少なくとも一部分は、少なくとも部分的にストッパ部材620を介して引き込まれる。他の実施形態では、針2312の鋭利な遠位先端は、偶発的な針刺しを防止するために、ストッパ部材620を介してプランジャ内部712に引き込まれる。
【0068】
図29Aおよび
図29Bは、いくつかの実施形態に係る制動タブ2314を備えた安全な注入システム2900を示しているが、ロックデテント2014を備えた安全な注入システムは、
図29Aおよび
図29Bに示す安全な注入システム2900と同様に機能するであろう。
【0069】
追加の態様
請求項に記載の発明に加えて、非限定的な例として、本発明の更なる実施形態または態様を本明細書に記載する。
【0070】
[態様1]
注入システムにおいて、
成形された本体部材であって、
その遠位端にある本体接続部材と、
その遠位方向を向く表面に配置されたノッチとを含む成形された本体部材と、
注入システム本体の遠位端に結合された針ハブアセンブリであって、
本体接続部材に結合された針ハブと、
針ハブに結合された針と、
針ハブの近位方向を向く表面に配置されたデテントとを有する針ハブアセンブリとを備え、
デテントは、針ハブアセンブリが本体部材に結合されたときに、ノッチに嵌入し、本体接続部材に対する針ハブアセンブリの回転を防止するように構成されていることを特徴とする注入システム。
【0071】
[態様2]
態様1に記載のシステムにおいて、
成形された本体部材内に配置されたストッパ部材と、これに結合されたプランジャ部材とをさらに備え、針は、ストッパ部材を成形された本体部材の遠位端に配置するためのプランジャ部材の操作時に、成形された本体部材内に少なくとも部分的に引き込まれるように構成されていることを特徴とするシステム。
【0072】
[態様3]
態様1に記載のシステムにおいて、
針ハブが、本体接続部材に対する針ハブアセンブリの回転を容易にするように構成された複数の凹部を含むことを特徴とするシステム。
【0073】
[態様4]
態様1に記載のシステムにおいて、
本体接続部材が、内向きのネジ山を有する空間を含むことを特徴とするシステム。
【0074】
[態様5]
態様1に記載のシステムにおいて、
本体接続部材が、一体化されたルアーナットを含むことを特徴とするシステム。
【0075】
[態様6]
態様1に記載のシステムにおいて、
本体部材の遠位端と針ハブの内面との間に配置されたシール部材をさらに備えることを特徴とするシステム。
【0076】
[態様7]
態様6に記載のシステムにおいて、
シール部材が、本体部材の遠位端において針を中心に配置するように構成された内側に向かう延長部を備えることを特徴とするシステム。
【0077】
[態様8]
態様1に記載のシステムにおいて、
本体部材が、環状オレフィンコポリマーまたは環状オレフィンポリマーから成形されていることを特徴とするシステム。
【0078】
本明細書に開示の取り外し防止機構は、ユーザにより手動で注入システム本体から針ハブアセンブリが取り外されること、並びに、針を介した薬剤の注入中に注入システム本体内の圧力が上昇することにより、注入システム本体から針ハブアセンブリが取り外されることの両方を防止する。特に、本明細書に開示の取り外し防止機構は、注入中に注入システム本体内に蓄積された圧力によって、注入システム本体から針ハブアセンブリが切り離されるのを防止する。
【0079】
本明細書の実施形態は、成形されたポリマー製のシリンジ本体を示しているが、成形された本体部材からの針ハブアセンブリの取り外し防止機構は、様々な実施形態に係る成形されたポリマー製のカートリッジにも使用することができる。
【0080】
本発明の様々な例示的な実施形態が本明細書に記載されている。これらの例は、非限定的な意味で参照される。これらは、本発明のより広範に適用可能な態様を例示するために提供されている。本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、記載の発明に様々な変更を加えることができ、均等物に置き換えることができる。さらに、特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、プロセス行為またはステップを、本発明の目的、趣旨または範囲に適合させるために、多くの変更を加えることができる。さらに、当業者によって理解されるように、本明細書に記載および例示された個々のバリエーションの各々は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態の何れかの特徴から容易に分離され、またはそれらの特徴と組み合わされ得る個別の構成要素および特徴を有する。そのような変更はすべて、本開示に関連する特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【0081】
対象となる注入情報収集手順を実行するために説明したデバイスの何れかが、そのような介入を実行する際に使用するためにパッケージ化された組合せで提供されるものであってもよい。それらの供給「キット」は、使用説明書をさらに含み、かつ/またはそのような目的のために一般的に採用されるような無菌トレイまたは容器にパッケージ化されるものであってもよい。
【0082】
本発明は、対象のデバイスを用いて実行され得る方法を含む。その方法は、そのような好適なデバイスを提供する行為を含むことができる。そのような提供は、エンドユーザによって実行されるものであってもよい。すなわち、「提供する」という行為は、エンドユーザが、対象となる方法において、必要なデバイスを提供するために、取得、アクセス、アプローチ、配置、セットアップ、起動、電源投入またはその他の行為を行うことを単に必要とするだけである。本明細書に記載の方法は、論理的に可能な任意の順序で、あるいは記載された事象の順序で、記載された事象を実行することができる。
【0083】
本発明の例示的な態様は、材料の選択および製造に関する詳細とともに、上述されている。本発明の他の詳細に関しては、それらは、先に引用した特許および刊行物に関連して理解され得るだけでなく、当技術分野の当業者には一般的に知られているか、または理解され得るものである。例えば、当技術分野の当業者であれば、1または複数の潤滑性コーティング(例えば、ポリビニルピロリドン系組成物などの親水性ポリマー、テトラフルオロエチレンなどのフルオロポリマー、親水性ゲルまたはシリコーン)を、必要に応じて、移動可能に結合された部分の比較的大きな境界面など、デバイスの様々な部分に関連して使用することができ、それにより例えば、器具の他の部分または近くの組織構造物に対するそのような対象の低摩擦操作または前進を容易にすることができることを理解するであろう。一般的にまたは論理的に採用される追加の行為に関して、本発明の方法に基づく態様についても同様のことが当てはまるであろう。
【0084】
さらに、本発明は、様々な特徴を任意に組み込んだいくつかの例を参照して説明してきたが、本発明の各バリエーションに関して企図されるように記載または開示されたものに限定されるものではない。本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、記載の発明に様々な変更を加えることができ、(本明細書に記載されているか、または簡潔にするために含まれていないかにかかわらず)均等物に置き換えることができる。さらに、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間のすべての介在値と、記載した範囲内の他の記載した値または介在値が、本発明の範囲内に包含されることを理解されたい。
【0085】
また、記載した本発明のバリエーションの任意の特徴は、独立して、または本明細書に記載された特徴のうちの任意の1または複数の特徴と組み合わせて記載および主張され得ることが企図される。単数の項目への言及は、同じ項目が複数存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書およびこれに関連する特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、「said」および「the」は、特に明記しない限り、複数の指示対象を含む。言い換えれば、冠詞の使用は、本開示に関連する特許請求の範囲と同様に、上記説明における主題項目の「少なくとも1つ」を可能にする。そのような請求項は、任意の要素を除外するように起草される場合があることに留意されたい。このため、この記述は、請求項の要素の列挙に関連して、「単独」、「のみ」などの排他的な用語を使用する先の記載、または「否定的な」限定を使用するための先の記載として機能することを意図している。
【0086】
そのような排他的な用語を使用することなく、本開示に関連する請求項における「含む」という用語は、所与の数の要素がそのような請求項に列挙されているかどうか、または特徴の追加がそのような請求項に記載された要素の性質を変化させるとみなされるかどうかにかかわらず、任意の追加要素を含むことを可能にするものとする。本明細書で具体的に規定されている場合を除き、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、請求項の有効性を維持しつつ、可能な限り広く一般的に理解される意味を与えるものとする。
【0087】
本発明の幅は、提供された実施例および/または主題の明細書に限定されるものではなく、むしろ、本開示に関連する請求項の文言の範囲によってのみ限定されるものである。