(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】電動弁およびその組立方法
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20241007BHJP
F16K 27/02 20060101ALI20241007BHJP
F16K 27/00 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
F16K27/02
F16K27/00 B
(21)【出願番号】P 2023051349
(22)【出願日】2023-03-28
(62)【分割の表示】P 2022040069の分割
【原出願日】2021-10-29
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】P 2020194513
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
(74)【代理人】
【識別番号】110002608
【氏名又は名称】弁理士法人オーパス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 竜也
(72)【発明者】
【氏名】荒井 裕介
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第2846913(CN,Y)
【文献】国際公開第2015/011881(WO,A1)
【文献】特開2003-130244(JP,A)
【文献】特開2003-113954(JP,A)
【文献】特開2016-188707(JP,A)
【文献】実公昭43-31031(JP,Y1)
【文献】中国特許出願公開第110005832(CN,A)
【文献】特開2015-10659(JP,A)
【文献】特開2018-173102(JP,A)
【文献】特開2008-14345(JP,A)
【文献】特開2012-62952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00-31/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁本体と、前記弁本体に接合される円筒形状のキャンと、前記キャンが内側に配置されるステーターを収容するハウジングと、を有し、
前記弁本体が、流路が設けられた流路ブロックと、前記キャンが接合されかつ前記流路ブロックに取り付けられる本体部と、を有し、
前記本体部が、弁体が配置される弁室と、前記弁体によって開閉されるポートと、を有し、
前記ハウジングは、前記キャンの軸に沿って前記流路ブロックに向かって延びる取付板を有し、
前記ハウジングが前記流路ブロックに対して前記軸周りに回転する方向および前記流路ブロックから離れる方向に移動することを規制するように、前記取付板が前記流路ブロックに係合する、電動弁。
【請求項2】
弁本体と、前記弁本体に接合される円筒形状のキャンと、前記キャンが内側に配置されるステーターを収容するハウジングと、を有し、
前記弁本体が、流路が設けられた流路ブロックと、前記キャンが接合されかつ前記流路ブロックに取り付けられる本体部と、を有し、
前記ハウジングは、前記キャンの軸に沿って前記流路ブロックに向かって延びる取付板を有し、
前記ハウジングが前記流路ブロックに対して前記軸周りに回転する方向および前記流路ブロックから離れる方向に移動することを規制するように、前記取付板が前記流路ブロックに係合し、
前記流路ブロックが、前記ハウジング側の端部に開口を有する切り欠きを有し、
前記取付板は前記切り欠きの内側に配置される
、電動弁。
【請求項3】
弁本体と、前記弁本体に接合される円筒形状のキャンと、前記キャンが内側に配置されるステーターを収容するハウジングと、を有し、
前記弁本体が、流路が設けられた流路ブロックと、前記キャンが接合されかつ前記流路ブロックに取り付けられる本体部と、を有し、
前記ハウジングは、前記キャンの軸に沿って前記流路ブロックに向かって延びる取付板を有し、
前記ハウジングが前記流路ブロックに対して前記軸周りに回転する方向および前記流路ブロックから離れる方向に移動することを規制するように、前記取付板が前記流路ブロックに係合し、
前記流路ブロックが、凹部を有し、
前記取付板が、前記凹部と係合する凸部を有している
、電動弁。
【請求項4】
前記取付板は弾性変形可能であり、
前記凸部が前記凹部と係合しているとき、前記取付板が前記弾性変形から復元する、請求項3に記載の電動弁。
【請求項5】
弁本体と、前記弁本体に接合される円筒形状のキャンと、前記キャンが内側に配置されるステーターを収容するハウジングと、を有し、
前記弁本体が、流路が設けられた流路ブロックと、前記キャンが接合されかつ前記流路ブロックに取り付けられる本体部と、を有し、
前記ハウジングは、前記キャンの軸に沿って前記流路ブロックに向かって延びる取付板を有し、
前記ハウジングが前記流路ブロックに対して前記軸周りに回転する方向および前記流路ブロックから離れる方向に移動することを規制するように、前記取付板が前記流路ブロックに係合し、
前記流路ブロックが、凸部を有し、
前記取付板が、前記凸部と係合する凹部を有している
、電動弁。
【請求項6】
前記取付板が前記凸部に接しているとき(ただし、前記凸部が前記凹部と係合しているときを除く。)、前記取付板が弾性変形し、
前記凸部が前記凹部と係合しているとき、前記取付板が前記弾性変形から復元する、請求項5に記載の電動弁。
【請求項7】
弁本体と、前記弁本体に接合される円筒形状のキャンと、前記キャンが内側に配置されるステーターを収容するハウジングと、を有し、
前記弁本体が、流路が設けられた流路ブロックと、前記キャンが接合されかつ前記流路ブロックに取り付けられる本体部と、を有し、
前記ハウジングは、前記キャンの軸に沿って前記流路ブロックに向かって延びる取付板を有し、
前記ハウジングが前記流路ブロックに対して前記軸周りに回転する方向および前記流路ブロックから離れる方向に移動することを規制するように、前記取付板が前記流路ブロックに係合し、
前記取付板が、爪部を有し、
前記弁本体が、前記爪部が係合する爪受部を有している
、電動弁。
【請求項8】
前記取付板は弾性変形可能であり、
前記爪部が前記爪受部と係合しているとき、前記取付板が前記弾性変形から復元する、請求項7に記載の電動弁。
【請求項9】
弁本体と、前記弁本体に接合される円筒形状のキャンと、前記キャンが内側に配置されるステーターを収容するハウジングと、を有し、
前記弁本体が、流路が設けられた流路ブロックと、前記キャンが接合されかつ前記流路ブロックに取り付けられる本体部と、を有し、
前記ハウジングは、前記キャンの軸に沿って前記流路ブロックに向かって延びる取付板を有し、
前記ハウジングが前記流路ブロックに対して前記軸周りに回転する方向および前記流路ブロックから離れる方向に移動することを規制するように、前記取付板が前記流路ブロックに係合し、
前記流路ブロックが、爪部を有し、
前記取付板が、前記爪部が係合する爪受部を有している
、電動弁。
【請求項10】
前記取付板が前記爪部に接しているとき(ただし、前記爪部が前記爪受部と係合しているときを除く。)、前記取付板が弾性変形し、
前記爪部が前記爪受部と係合しているとき、前記取付板が前記弾性変形から復元する、請求項9に記載の電動弁。
【請求項11】
前記取付板の幅が、前記切り欠きの幅と同一である、請求項2に記載の電動弁。
【請求項12】
弁本体と、前記弁本体に接合される円筒形状のキャンと、前記キャンが内側に配置されるステーターを収容するハウジングと、を有し、
前記弁本体が、流路が設けられた流路ブロックと、前記キャンが接合されかつ前記流路ブロックに取り付けられる本体部と、を有し、
前記ハウジングは、前記キャンの軸に沿って前記流路ブロックに向かって延びる取付板を有し、
前記ハウジングが前記流路ブロックに対して前記軸周りに回転する方向および前記流路ブロックから離れる方向に移動することを規制するように、前記取付板が前記流路ブロックに係合し、
前記流路ブロックが、凸条を有し、
前記取付板が、前記凸条が内側に配置される切り欠きを有している
、電動弁。
【請求項13】
弁本体と、前記弁本体に接合される円筒形状のキャンと、前記キャンが内側に配置されるステーターを収容するハウジングと、を有し、
前記弁本体が、流路が設けられた流路ブロックと、前記キャンが接合されかつ前記流路ブロックに取り付けられる本体部と、を有し、
前記ハウジングは、前記キャンの軸に沿って前記流路ブロックに向かって延びる取付板を有し、
前記ハウジングが前記流路ブロックに対して前記軸周りに回転する方向および前記流路ブロックから離れる方向に移動することを規制するように、前記取付板が前記流路ブロックに係合し、
前記ハウジングが、合成樹脂製のハウジング本体と、前記ハウジング本体に固定された金属製のブラケットと、を有し、
前記ブラケットが、円環板形状のブラケット本体と、前記ブラケット本体の内周縁に連設された前記取付板と、を有している
、電動弁。
【請求項14】
弁本体と、前記弁本体に接合される円筒形状のキャンと、前記キャンが内側に挿入されるステーターを収容するハウジングと、を有する電動弁の組立方法であって、
前記弁本体が、流路が設けられた流路ブロックと、前記キャンが接合されかつ前記流路ブロックに取り付けられる本体部と、を有し、
前記本体部が、弁体が配置される弁室と、前記弁体によって開閉されるポートと、を有し、
前記ハウジングは、前記キャンの軸に沿って前記流路ブロックに向かって延びる取付板を有し、
前記キャンが接合された前記本体部が取り付けられた前記流路ブロックと前記ハウジングとを前記キャンの軸に沿って近づけて、前記ステーターの内側に前記キャンを挿入し、
前記ハウジングが前記流路ブロックから離れる方向に移動することを規制するように、前記取付板を前記流路ブロックに係合させる、電動弁の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動弁および電動弁の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動弁の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の電動弁は、弁室が設けられた弁本体を有している。弁室には、弁体が配置されている。弁本体には、円筒形状のキャンが接合されている。電動弁は、マグネットローターとステーターとを有している。マグネットローターとステーターとは、ステッピングモーターを構成する。マグネットローターは、キャンの内側に配置されている。ステーターは、キャンの外側に配置されている。ステーターは、ハウジングに収容されている。ハウジングは、弁本体にねじで固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した電動弁の組み立てでは、ハウジングを弁本体にねじで固定するための工程が必要である。そのため、この電動弁は、製造コストが嵩むという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、ステーターを収容するハウジングを弁本体に固定するための工程を減らすことができる電動弁および電動弁の組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電動弁は、弁本体と、円筒形状のステーターと、前記弁本体に接合され、前記ステーターの内側に同軸に配置される円筒形状のキャンと、前記ステーターを収容するハウジングと、を有する電動弁であって、前記弁本体および前記ハウジングの一方が第1部材であり、他方が第2部材であり、前記第1部材が、切り欠きを有し、前記第2部材が、前記切り欠きの内側に配置される回り止め部を有し、前記切り欠きが、前記第2部材側の端部に開口を有し、前記回り止め部が、前記回り止め部の前記開口に向かう移動を規制するように、前記第1部材と係合する。
【0007】
本発明によれば、電動弁の組み立てにおいて、ステーターの内側にキャンを挿入するとき、回り止め部が切り欠きの開口を通り切り欠きの内側に挿入される。切り欠きの内側に回り止め部が配置されることによって、ハウジングが弁本体に対してキャンの軸周りに回転することが規制される。第2部材の回り止め部が第1部材と係合することによって、ハウジングが弁本体から離れる方向に移動することが規制される。そのため、ねじを用いることなく、ハウジングを弁本体に固定することができる。したがって、ハウジングを弁本体に固定するための工程を減らすことができる。
【0008】
本発明において、前記弁本体が、前記第1部材であり、前記切り欠きである保持溝を有し、前記ハウジングが、前記第2部材であり、前記回り止め部である取付板を有し、前記取付板が、前記キャンの軸に沿って前記弁本体に向かって延びている、ことが好ましい。このようにすることで、取付板が保持溝内で弁本体と係合し、ハウジングが弁本体から離れる方向に移動することを規制する。そのため、ねじを用いることなく、ハウジングを弁本体に固定することができる。したがって、ハウジングを弁本体に固定するための工程を減らすことができる。
【0009】
本発明において、前記弁本体が、凹部を有し、前記取付板が、前記凹部と係合する凸部を有している、ことが好ましい。このようにすることで、簡易な構成でハウジングを弁本体に固定することができる。
【0010】
本発明において、前記凸部が前記保持溝の内面に接しているとき、前記取付板が弾性変形し、前記凸部が前記凹部と係合しているとき、前記取付板が前記弾性変形から復元する、ことが好ましい。このようにすることで、電動弁の組み立てにおいて、ステーターの内側にキャンを挿入するとき、取付板が保持溝の開口を通り保持溝の内側に挿入されて保持溝内を挿入方向に移動する。凸部が保持溝の内面に接すると取付板が弾性変形し、凸部が凹部と係合すると取付板が弾性変形から復元する。そのため、ハウジングを弁本体に固定するための工程をさらに減らすことができる。
【0011】
本発明において、前記弁本体が、凸部を有し、前記取付板が、前記凸部と係合する凹部を有している、ことが好ましい。このようにすることで、簡易な構成でハウジングを弁本体に固定することができる。
【0012】
本発明において、前記取付板が前記凸部に接しているとき(ただし、前記凸部が前記凹部と係合しているときを除く。)、前記取付板が弾性変形し、前記凸部が前記凹部と係合しているとき、前記取付板が前記弾性変形から復元する、ことが好ましい。このようにすることで、電動弁の組み立てにおいて、ステーターの内側にキャンを挿入するとき、取付板が保持溝の開口を通り保持溝の内側に挿入されて保持溝内を挿入方向に移動する。取付板が凸部に接すると取付板が弾性変形し、凸部が凹部と係合すると取付板が弾性変形から復元する。そのため、ハウジングを弁本体に固定するための工程をさらに減らすことができる。
【0013】
本発明において、前記取付板が、爪部を有し、前記弁本体が、前記爪部が係合する爪受部を有している、ことが好ましい。このようにすることで、簡易な構成でハウジングを弁本体に固定することができる。
【0014】
本発明において、前記爪部が前記保持溝の内面に接しているとき、前記取付板が弾性変形し、前記爪部が前記爪受部と係合しているとき、前記取付板が前記弾性変形から復元する、ことが好ましい。このようにすることで、電動弁の組み立てにおいて、ステーターの内側にキャンを挿入するとき、取付板が保持溝の開口を通り保持溝の内側に挿入されて保持溝内を挿入方向に移動する。爪部が保持溝の内面に接すると取付板が弾性変形し、爪部が爪受部と係合すると取付板が弾性変形から復元する。そのため、ハウジングを弁本体に固定するための工程をさらに減らすことができる。
【0015】
本発明において、前記弁本体が、爪部を有し、前記取付板が、前記爪部が係合する爪受部を有している、ことが好ましい。このようにすることで、簡易な構成でハウジングを弁本体に固定することができる。
【0016】
本発明において、前記取付板が前記爪部に接しているとき(ただし、前記爪部が前記爪受部と係合しているときを除く。)、前記取付板が弾性変形し、前記爪部が前記爪受部と係合しているとき、前記取付板が前記弾性変形から復元する、ことが好ましい。このようにすることで、電動弁の組み立てにおいて、ステーターの内側にキャンを挿入するとき、取付板が保持溝の開口を通り保持溝の内側に挿入されて保持溝内を挿入方向に移動する。取付板が爪部に接すると取付板が弾性変形し、爪部が爪受部と係合すると取付板が弾性変形から復元する。そのため、ハウジングを弁本体に固定するための工程をさらに減らすことができる。
【0017】
本発明において、前記取付板の幅が、前記保持溝の幅と同一である、ことが好ましい。このようにすることで、ハウジングが弁本体に対してキャンの軸周りに回転することをより効果的に規制できる。
【0018】
本発明において、前記取付板が、前記保持溝に圧入されている、ことが好ましい。このようにすることで、簡易な構成でハウジングを弁本体に固定することができる。
【0019】
本発明において、前記取付板が、前記弁本体にくい込むように形成された少なくとも1つの返しを有している、ことが好ましい。このようにすることで、ハウジングを弁本体により確実に固定することができる。
【0020】
本発明において、前記ハウジングが、合成樹脂製のハウジング本体と、前記ハウジング本体に固定された金属製のブラケットと、を有し、前記ブラケットが、円環板形状のブラケット本体と、前記ブラケット本体の内周縁に連設された前記取付板と、を有している、ことが好ましい。このようにすることで、ブラケット本体の外周縁に取付板が連設された構成に比べて、ブラケットの材料となる金属板を節約できる。
【0021】
電動弁の組立方法は、弁本体と、円筒形状のステーターと、前記弁本体に接合され、前記ステーターの内側に同軸に挿入される円筒形状のキャンと、前記ステーターを収容するハウジングと、を有する電動弁の組立方法であって、前記弁本体および前記ハウジングの一方が第1部材であり、他方が第2部材であり、前記第1部材が、切り欠きを有し、前記第2部材が、前記切り欠きの内側に配置される回り止め部を有し、前記切り欠きが、前記第2部材側の端部に開口を有し、前記キャンが接合された前記弁本体と前記ステーターを収容した前記ハウジングとを前記キャンの軸に沿って近づけて、前記ステーターの内側に前記キャンを挿入するとともに前記回り止め部を前記開口を通して前記切り欠きに挿入し、前記回り止め部の前記開口に向かう移動を規制するように前記回り止め部を前記第1部材に係合させる。このようにすることで、ねじを用いることなく、ハウジングを弁本体に固定することができる。したがって、ハウジングを弁本体に固定するための工程を減らすことができる。
【0022】
電動弁は、弁本体と、前記弁本体に接合される円筒形状のキャンと、前記キャンが内側に挿入される円筒形状のステーターと、前記ステーターを収容するハウジングと、を有する。前記ハウジングが、前記キャンの軸に沿って延びる取付板を有し、前記弁本体が、前記取付板が前記軸に沿って挿入される保持溝を有し、前記取付板と前記保持溝とが、前記保持溝内で前記取付板が挿入方向と逆方向に移動することを規制するように構成されている。
【0023】
電動弁は、弁本体に接合された円筒形状のキャンが、当該キャンの軸に沿ってステーターの内側に挿入されている。ステーターを収容するハウジングが、キャンの軸に沿って延びる取付板を有している。弁本体が、取付板が軸に沿って挿入される保持溝を有している。そして、取付板と保持溝とが、保持溝内で取付板が挿入方向と逆方向に移動することを規制するように構成されている。このようにしたことから、取付板と保持溝とが、ハウジングが弁本体から離れる方向(挿入方向と逆方向)に移動することを規制する。そのため、ねじを用いることなく、ハウジングを弁本体に固定することができる。したがって、ハウジングを弁本体に固定するための工程を減らすことができる。
【0024】
電動弁は、前記弁本体および前記取付板の一方が、凹部を有し、前記弁本体および前記取付板の他方が、前記凹部に係合する凸部を有していることが好ましい。このようにすることで、簡易な構成でハウジングを弁本体に固定することができる。
【0025】
電動弁は、前記取付板が前記保持溝内で前記挿入方向に移動すると、前記取付板が弾性変形して前記凹部と前記凸部とが互いに係合するように構成されていることが好ましい。このようにすることで、キャンをステーターに挿入する工程において、取付板が、保持溝に挿入されて保持溝内を挿入方向に移動する。そして、取付板が弾性変形して、凹部と凸部とが互いに係合する。そのため、ハウジングを弁本体に固定するための工程をさらに減らすことができる。
【0026】
電動弁は、前記弁本体および前記取付板の一方が、爪部を有し、前記弁本体および前記取付板の他方が、前記爪部が係合する爪受部を有していることが好ましい。このようにすることで、簡易な構成でハウジングを弁本体に固定することができる。
【0027】
電動弁は、前記取付板が前記保持溝内で前記挿入方向に移動すると、前記取付板が弾性変形して前記爪部と前記爪受部とが互いに係合するように構成されていることが好ましい。このようにすることで、キャンをステーターに挿入する工程において、取付板が、保持溝に挿入されて保持溝内を挿入方向に移動する。そして、取付板が弾性変形して、爪部と爪受部とが互いに係合する。そのため、ハウジングを弁本体に固定するための工程をさらに減らすことができる。
【0028】
電動弁は、前記取付板の幅が、前記保持溝の幅と同一であることが好ましい。このようにすることで、ハウジングが、弁本体に対してキャンの軸周りに回転することを規制できる。
【0029】
電動弁は、前記取付板が、前記保持溝に圧入されていることが好ましい。このようにすることで、簡易な構成でハウジングを弁本体に固定することができる。
【0030】
電動弁は、前記取付板が、前記弁本体にくい込むように形成された1または複数の返しを有していることが好ましい。このようにすることで、ハウジングを弁本体により確実に固定することができる。
【0031】
電動弁は、前記ハウジングが、合成樹脂製のハウジング本体と、前記ハウジング本体に固定された金属製のブラケットと、を有し、前記ブラケットが、プレス加工で形成された、円環板形状のブラケット本体と、前記ブラケット本体の内周縁に連設された前記取付板と、を有していることが好ましい。このようにすることで、ブラケット本体の外周縁に取付板が連設された構成に比べて、ブラケットの材料となる金属板を節約できる。
【0032】
電動弁の組立方法は、弁本体と、前記弁本体に接合される円筒形状のキャンと、前記キャンが内側に挿入される円筒形状のステーターと、前記ステーターを収容するハウジングと、を有する電動弁の組立方法である。前記ハウジングが、前記キャンの軸に沿って延びる取付板を有し、前記弁本体が、前記取付板が前記軸に沿って挿入される保持溝を有する。電動弁の組立方法は、前記キャンと前記ハウジングとを前記軸に沿って近づけて、前記ステーターの内側に前記キャンを挿入するとともに前記保持溝に前記取付板を挿入し、前記取付板が前記保持溝内で挿入方向と逆方向に移動することを規制するように前記取付板を前記保持溝に保持させる。
【0033】
電動弁の組立方法は、弁本体に接合されたキャンとステーターを収容したハウジングとを当該キャンの軸に沿って近づけて、ステーターの内側にキャンを挿入するとともに保持溝に取付板を挿入する。そして、取付板が保持溝内で挿入方向と逆方向に移動することを規制するように取付板を保持溝に保持させる。このようにすることで、ねじを用いることなく、ハウジングを弁本体に固定することができる。したがって、ハウジングを弁本体に固定するための工程を減らすことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、ステーターを収容するハウジングを弁本体に固定するための工程を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施例に係る電動弁の正面図である。
【
図3】
図1の電動弁のハウジングが有するブラケットを示す図である。
【
図4】
図1の電動弁の弁本体およびハウジングの固定構造を示す図である。
【
図5】
図4の固定構造の第1変形例の構成を示す図である。
【
図6】
図4の固定構造の第2変形例の構成を示す図である。
【
図7】
図4の固定構造の第3変形例の構成を示す図である。
【
図8】
図4の固定構造の第4変形例の構成を示す図である。
【
図9】
図4の固定構造の第5変形例の構成を示す図である。
【
図10】
図1の電動弁の変形例の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の一実施例に係る電動弁について、
図1~
図4を参照して説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施例に係る電動弁の正面図である。
図2は、
図1のII-II線に沿う断面図である。
図2は、
図1の電動弁の軸線に沿う断面図(縦断面図)でもある。
図3は、
図1の電動弁のハウジングが有するブラケットを示す図である。
図3Aは、ブラケットを上方から見た斜視図である。
図3Bは、ブラケットを下方から見た斜視図である。
図4は、
図1の電動弁の弁本体およびハウジングの固定構造を示す図である。
図4Aは、ハウジングの取付板およびその近傍を背面側から見た拡大図である。
図4Bは、
図4AのIVB-IVB線に沿う断面図である。
図4Cは、取付板が弾性変形した状態を示す断面図である。
【0038】
図1、
図2に示すように、電動弁1は、弁本体10と、キャン28と、駆動機構30と、弁体40と、ステーターユニット50と、を有している。
【0039】
弁本体10は、例えば、アルミニウム合金などの金属製である。弁本体10は、本体部11と、円筒部12と、鍔部13と、を有している。本体部11は、直方体形状を有している。円筒部12は、本体部11の上面11aから突出している。円筒部12は、本体部11にねじ構造により取り付けられている。本体部11には、弁室14と、流路15、16と、が設けられている。流路15は、弁室14に接続されている。流路16は、ポート17を介して弁室14に接続されている。鍔部13は、円環板形状を有している。鍔部13の内周縁は、円筒部12の上端部に接合されている。本実施例において、弁本体10は第1部材である。
【0040】
本体部11の背面には、保持溝21が設けられている。保持溝21は、上面11aから下方に向けて延びるように形成されている。保持溝21は、上下方向(軸線L方向)に延びている。保持溝21の底面21aには、背面側から正面側(
図2の右側から左側)に延びる円形穴である凹部21bが設けられている。
【0041】
保持溝21は、弁本体10が有する切り欠きである。保持溝21の上端部には壁面が無く、保持溝21の上端部は、保持溝21の延在方向に開いている。つまり、保持溝21は、上端部に開口21kを有している。
【0042】
キャン28は、例えば、ステンレスなどの金属製である。キャン28は、上端部が塞がれた円筒形状を有している。キャン28の下端部は、鍔部13の外周縁に接合されている。
図2の軸線Lは、キャン28の中心軸を通る。
【0043】
駆動機構30は、弁体40を上下方向に移動させる。駆動機構30は、マグネットローター31と、弁軸ホルダー32と、ガイドブッシュ33と、弁軸34と、を有している。
【0044】
マグネットローター31は、円筒形状を有している。マグネットローター31は、キャン28の内側に配置されている。マグネットローター31の外径は、キャン28の内径より若干小さい。マグネットローター31の外周面には、複数のN極および複数のS極が設けられている。複数のN極および複数のS極は、上下方向に延在しており、周方向に等間隔でかつ交互に配置されている。本実施例において、マグネットローター31は、N極を12個、S極を12個有している。
【0045】
弁軸ホルダー32は、上端部が塞がれた円筒形状を有している。弁軸ホルダー32の上端部には支持リング35が固定されている。支持リング35を介して、マグネットローター31と弁軸ホルダー32とが一体的に結合されている。弁軸ホルダー32の内周面には、雌ねじ32cが設けられている。
【0046】
ガイドブッシュ33は、第1円筒部33aと、第2円筒部33bと、を一体的に有している。第2円筒部33bの外径は、第1円筒部33aの外径より小さい。第2円筒部33bは、第1円筒部33aの上端部に同軸に連設されている。第2円筒部33bの外周面には、雄ねじ33cが設けられている。雄ねじ33cは、弁軸ホルダー32の雌ねじ32cと螺合される。第1円筒部33aは、弁本体10の円筒部12に設けられた嵌合孔12aに圧入されている。ガイドブッシュ33は、弁本体10と結合されている。
【0047】
弁軸34は、円柱形状を有している。弁軸34の上端部34aは、弁軸ホルダー32を貫通している。弁軸34の上端部34aには、抜け止め用のプッシュナット36が取り付けられている。弁軸34は、ガイドブッシュ33および円筒部12に挿入されている。弁軸34の下端部は、弁室14に配置されている。弁軸34は、上方を向く円環状の平面である段部34bを有している。弁軸ホルダー32と段部34bとの間には、閉弁ばね37が配置されている。閉弁ばね37は、圧縮コイルばねである。閉弁ばね37は、弁軸34を下方に向けて押している。
【0048】
弁体40は、弁軸34の下端部に一体的に設けられている。弁体40は、弁室14に配置されている。弁体40は、駆動機構30によって上下方向に移動される。弁体40の移動によってポート17が開閉される。
【0049】
ステーターユニット50は、ステーター60と、ハウジング70と、を有している。
【0050】
ステーター60は、円筒形状を有している。ステーター60は、キャン28の外側に配置される。ステーター60は、マグネットローター31とともにステッピングモーターを構成している。ステーター60は、上段ステーター61と、下段ステーター62と、合成樹脂製のモールド63と、を有している。
【0051】
上段ステーター61は、下段ステーター62の上に同軸に配置されている。上段ステーター61と下段ステーター62とは、周方向に等間隔に並んで配置された複数のクローポール型の極歯を有している。モールド63は、上段ステーター61および下段ステーター62内に充填されている。モールド63は、ステーター60の内周面を構成している。モールド63は、端子支持部64を有している。
【0052】
本実施例では、上段ステーター61が24個の極歯を有し、下段ステーター62が24個の極歯を有し、ステーター60は計48個の極歯を有している。下段ステーター62は、上段ステーター61の極歯と下段ステーター62の極歯とが上下方向に並ぶ位置から上段ステーター61に対して極歯間の角度の半角((360/24)/2=7.5度)だけ軸線L周りに回転した位置に配置されている。ステーター60に96パルスを入力すると、マグネットローター31が1回転する。マグネットローター31の1パルスあたりの回転角(ステップ角)は、3.75度である。
【0053】
端子支持部64は、上段ステーター61および下段ステーター62から横方向に延びている。端子支持部64は、複数の端子65を支持している。複数の端子65は、端子支持部64の先端から横方向に突出している。複数の端子65は、上段ステーター61および下段ステーター62が有するコイルに接続されている。
【0054】
ハウジング70は、ハウジング本体71と、ブラケット80と、を有している。本実施例において、ハウジング70は第2部材である。
【0055】
ハウジング本体71は、合成樹脂製である。ハウジング本体71は、ステーター60を収容している。ハウジング本体71は、周壁部72と、上壁部73と、ドーム部74と、筒状部75と、コネクタ部76と、を一体的に有している。
【0056】
周壁部72は、円筒形状を有している。上壁部73は、周壁部72の上端部に連設されている。ドーム部74は、上壁部73の中央部から上方に突出している。ステーター60およびドーム部74にキャン28が挿入される。筒状部75は、周壁部72より小径の円筒形状を有している。筒状部75は、周壁部72から下方に突出している。筒状部75は、弁本体10の円筒部12を囲むように配置されている。筒状部75と円筒部12との間には、円環形状の封止部材90が配置されている。封止部材90は、ゴム材などの弾性材料で構成されている。コネクタ部76は、楕円筒形状を有している。コネクタ部76は、周壁部72から横方向に伸びている。コネクタ部76の内側には、端子支持部64および複数の端子65が配置されている。
【0057】
ブラケット80は、金属製である。
図3に示すように、ブラケット80は、ブラケット本体81と、取付板82と、を一体的に有している。ブラケット本体81は、円環板形状を有している。ブラケット本体81は、ハウジング本体71の周壁部72の下端に固定されている。取付板82は、矩形板形状を有している。取付板82は、ブラケット本体81の内周縁に連設され、下方に延びている。取付板82は、弁本体10に向かって延びている。ブラケット80は、プレス加工によって、ブラケット本体81および取付板82の形状に金属板を打ち抜き、ブラケット本体81の中心軸(軸線L)に沿うように取付板82を折り曲げて形成される。ブラケット80は、ステーター60に溶接されていてもよい。
【0058】
取付板82の幅(
図4Aの左右方向の大きさ)は、本体部11の保持溝21の幅と同一である。取付板82の幅は保持溝21の幅より小さくてもよい。取付板82の幅と保持溝21の幅との差によって生じる弁本体10とハウジング70との軸線L周りのずれ角が、上記ステッピングモーターのステップ角より小さいことが好ましい。取付板82は、上下方向に延びている。取付板82は、本体部11の上面11a側から下方に向けて保持溝21に挿入される。取付板82は、保持溝21の上端部の開口21kを通り、保持溝21に挿入される。ハウジング70は弁本体10の上方に配置されており、保持溝21の上端部は、保持溝21のハウジング70側(第2部材側)の端部である。取付板82は、保持溝21内に保持される。取付板82は、ハウジング70が有する回り止め部である。
【0059】
取付板82は、凸部82aを有している。凸部82aは、背面側から正面側に突出している。凸部82aは、本体部11の凹部21bに嵌まっている。凸部82aが凹部21bに嵌まることで、凹部21bと凸部82aとが互いに引っかかり(すなわち、係合し)、取付板82が保持溝21内で開口21k側(上方)に移動することが規制される。これにより、ハウジング70が弁本体10に固定されている。
【0060】
電動弁1において、弁本体10の円筒部12、ポート17、キャン28、マグネットローター31、弁軸ホルダー32、ガイドブッシュ33、弁軸34、弁体40、ステーター60、ハウジング70(ドーム部74、筒状部75、ブラケット本体81)は、それぞれの中心軸が軸線Lに一致する。
【0061】
次に、電動弁1の動作について説明する。
【0062】
電動弁1において、マグネットローター31が一方向に回転するように、上段ステーター61および下段ステーター62に通電する。マグネットローター31とともに弁軸ホルダー32が回転する。弁軸ホルダー32の雌ねじ32cとガイドブッシュ33の雄ねじ33cとのねじ送り作用により、弁軸ホルダー32が下方に移動する。弁軸ホルダー32とともに弁軸34も下方に移動して弁体40がポート17を閉じる(閉弁状態)。
【0063】
電動弁1において、マグネットローター31が他方向に回転するように、上段ステーター61および下段ステーター62に通電する。マグネットローター31とともに弁軸ホルダー32が回転する。弁軸ホルダー32の雌ねじ32cとガイドブッシュ33の雄ねじ33cとのねじ送り作用により、弁軸ホルダー32が上方に移動する。弁軸ホルダー32とともに弁軸34も上方に移動して弁体40がポート17を開く(開弁状態)。
【0064】
次に、弁本体10にハウジング70を固定する組立方法の一例について説明する。
【0065】
弁本体10に接合されたキャン28とステーター60を収容したハウジング70とを軸線Lに沿って近づけて、ステーター60およびドーム部74の内側にキャン28を挿入する。これと同時に、ハウジング70の取付板82を弁本体10の保持溝21に上面11a側から下方に向けて挿入する。下方は、取付板82を保持溝21に挿入する挿入方向である。取付板82は、開口21kを通り、保持溝21に挿入される。そして、取付板82の保持溝21への挿入を進めると、
図4Cに示すように、取付板82の凸部82aが保持溝21の底面21aに乗り上げて取付板82が湾曲するように弾性変形する。そして、さらに挿入を進めると取付板82が復元して、
図4A、
図4Bに示すように、凸部82aが保持溝21の凹部21bに嵌まる。これにより、凹部21bと凸部82aとが互いに引っかかり、保持溝21内で取付板82が上方に(開口21kに向かって)移動することを規制するように、取付板82が保持溝21内に保持される。また、保持溝21の幅と取付板82の幅とが同一であるので、ハウジング70が弁本体10に対して軸線L周りに回転することが規制される。このようにして、ハウジング70を弁本体10に固定する。
【0066】
以上説明したように、本実施例の電動弁1は、弁本体10と、円筒形状のステーター60と、弁本体10に接合され、ステーター60の内側に配置される円筒形状のキャン28と、ステーター60を収容するハウジング70と、を有している。弁本体10が、保持溝21を有している。ハウジング70が、保持溝21の内側に配置される取付板82を有している。保持溝21は、上端部に開口21kを有している。そして、取付板82が、取付板82の開口21kに向かう移動を規制するように、弁本体10に係合している。
【0067】
このようにしたことから、電動弁1の組み立てにおいて、ステーター60の内側にキャン28を挿入するとき、取付板82が保持溝21の開口21kを通り保持溝21の内側に挿入される。保持溝21の内側に取付板82が配置されることによって、ハウジング70が弁本体10に対して軸線L周りに回転することが規制される。ハウジング70の取付板82が弁本体10と係合することによって、ハウジング70が弁本体10から離れる方向に移動することが規制される。そのため、ねじを用いることなく、ハウジング70を弁本体10に固定することができる。したがって、ハウジング70を弁本体10に固定するための工程を減らすことができる。
【0068】
また、弁本体10が、凹部21bを有している。取付板82が、凹部21bに引っかかる凸部82aを有している。このようにすることで、簡易な構成でハウジング70を弁本体10に固定することができる。
【0069】
また、電動弁1の組み立てにおいて、取付板82が保持溝21内で挿入方向(下方)に移動すると、取付板82が弾性変形して凹部21bと凸部82aとが互いに引っかかる。具体的には、凸部82aが保持溝21の底面21aに接しているとき、取付板82が弾性変形し、凸部82aが凹部21bと係合しているとき、取付板82が弾性変形から復元する。このようにすることで、電動弁1の組み立てにおいて、ステーター60にキャン28を挿入するとき、取付板82が、保持溝21の開口を通り保持溝21の内側に挿入されて保持溝21内を挿入方向に移動する。凸部82aが保持溝21の底面21aに接すると取付板82が弾性変形し、凸部82aが凹部21bと係合すると取付板82が弾性変形から復元する。そのため、ハウジング70を弁本体10に固定するための工程をさらに減らすことができる。
【0070】
また、取付板82の幅が、保持溝21の幅と同一である。このようにすることで、ハウジング70が、弁本体10に対して軸線L周りに回転することをより効果的に規制できる。
【0071】
また、ハウジング70が、合成樹脂製のハウジング本体71と、ハウジング本体71に固定された金属製のブラケット80と、を有している。そして、ブラケット80が、プレス加工で形成された、円環板形状のブラケット本体81と、ブラケット本体81の内周縁に連設された取付板82と、を有している。このようにすることで、ブラケット80の材料となる金属板を節約できる。
【0072】
上述した電動弁1では、弁本体10が凹部21bを有し、ハウジング70の取付板82が凸部82aを有する。電動弁1は、弁本体10が凸部を有し、ハウジング70の取付板82が凸部と係合する凹部を有していてもよい。この構成において、取付板82が凸部に接しているとき(ただし、凸部が凹部と係合しているときを除く)、取付板82が弾性変形し、凸部が凹部と係合しているとき、取付板82が弾性変形から復元するようにしてもよい。
【0073】
また、上述した電動弁1では、弁本体10が切り欠きである保持溝21を有し、ハウジング70が回り止め部である取付板82を有している。電動弁1は、ハウジング70が切り欠きを有し、弁本体10が切り欠きの内側に配置される回り止め部を有していてもよい。例えば、電動弁1が、弁本体10が背面に上下方向に沿う凸条(回り止め部)を有し、ハウジング70の取付板82が上下方向に沿うスリット(切り欠き)を有し、凸条がスリットの内側に配置され、凸条のスリットの開口に向かう移動を規制するように取付板82が弁本体10に係合する、構成を有していてもよい。この構成において、ハウジング70が第1部材であり、弁本体10が第2部材である。弁本体10の凸条は、取付板82のスリットに圧入されていてもよい。これにより、ハウジング70が弁本体10から離れる方向に移動することが規制される。また、ハウジング70が弁本体10に対して軸線L周りに回転することがより効果的に規制される。または、取付板82のスリットの縁部に凸部が設けられ、弁本体10の凸条に凸部が係合する凹部が設けられていてもよい。または、取付板82のスリットの縁部に爪部が設けられ、弁本体10の凸条に爪部が係合する爪受部が設けられていてもよい。
【0074】
次に、上述した電動弁1の弁本体10およびハウジング70の固定構造の変形例の構成について、
図5~
図9を参照して説明する。
図5~
図9において、上述した電動弁1と同一(実質同一を含む)の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
図5は、
図4の固定構造の第1変形例の構成を示す図である。
図5Aは、ハウジングの取付板およびその近傍を背面側から見た拡大図である。
図5Bは、
図5AのVB-VB線に沿う断面図である。
図5Cは、取付板が弾性変形した状態を示す断面図である。
【0076】
図5に示す固定構造は、弁本体10に設けられた保持溝21と、ハウジング70に設けられた取付板83と、を有している。
【0077】
取付板83は、矩形板形状を有している。取付板83の幅は、保持溝21の幅と同一である。取付板83は、上下方向に延びている。取付板83には、矩形状の開口83aが設けられている。取付板83は、開口83aの下縁から上方に延びる爪部83bを有している。爪部83bは、背面側から正面側に突出している。爪部83bは、本体部11の凹部21b(爪受部)に進入している。爪部83bは、凹部21bの内側に配置されている。爪部83bが凹部21bに進入することで、取付板83が保持溝21内で開口21kに向かって移動することが規制される。取付板83は、ハウジング70が有する回り止め部である。
【0078】
ハウジング70を弁本体10に固定するとき、取付板83を保持溝21に本体部11の上面11a側から下方に向けて挿入する。取付板83は、開口21kを通り、保持溝21に挿入される。取付板83の保持溝21への挿入を進めると、
図5Cに示すように、取付板83の爪部83bが保持溝21の底面21aに乗り上げて取付板83が湾曲するように弾性変形する。さらに挿入を進めると取付板83が復元して、
図5A、
図5Bに示すように、爪部83bが保持溝21の凹部21bに進入する。つまり、爪部83bが保持溝21の底面21aに接しているとき、取付板83が弾性変形し、爪部83bが凹部21bと係合しているとき、取付板83が弾性変形から復元する。これにより、凹部21bと爪部83bとが互いに引っかかり(すなわち、係合し)、保持溝21内で取付板83が上方に移動することを規制するように、取付板83が保持溝21内に保持される。これにより、ハウジング70が弁本体10に固定される。
【0079】
図6は、
図4の固定構造の第2変形例の構成を示す図である。
図6Aは、ハウジングの取付板およびその近傍を背面側から見た拡大図である。
図6Bは、
図6AのVIB-VIB線に沿う断面図である。
図6Cは、取付板が弾性変形した状態を示す断面図である。
【0080】
図6に示す固定構造は、弁本体10に設けられた保持溝22と、ハウジング70に設けられた取付板84と、を有している。
【0081】
保持溝22は、本体部11の上面11aから下方に向けて延びるように形成されている。保持溝22は、上下方向に沿って延びている。保持溝22の上端部には壁面が無く、保持溝22の上端部は、保持溝22の延在方向に開いている。つまり、保持溝22は、上端部に開口22kを有している。本体部11は、保持溝22の底面22aから背面側(
図6Bの右側)に突出する爪部22bを有している。爪部22bは、傾斜面22cと、保持面22dと、を有している。傾斜面22cは、上方から下方に向かうにしたがって徐々に正面側から背面側に向かうように形成されている。保持面22dは、下方を向くように形成されている。保持溝22は、弁本体10が有する切り欠きである。
【0082】
取付板84は、矩形板形状を有している。取付板84の幅は、保持溝22の幅と同一である。取付板84は、上下方向に延びている。取付板84には、矩形状の開口84aが設けられている。開口84aの内側には、爪部22bが進入している。爪部22bは、開口84aの内側に配置されている。取付板84の開口84aの下縁84bが(爪受部)が爪部22bの保持面22dに接することで、取付板84が保持溝22内で開口22kに向かって移動することが規制される。取付板84は、ハウジング70が有する回り止め部である。
【0083】
ハウジング70を弁本体10に固定するとき、取付板84を保持溝22に上面11a側から下方に向けて挿入する。取付板84は、開口22kを通り、保持溝22に挿入される。取付板84の保持溝22への挿入を進めると、
図6Cに示すように、取付板84の下端が爪部22bの傾斜面22cに乗り上げて取付板84が湾曲するように弾性変形する。そして、さらに挿入を進めると取付板84が復元して、
図6A、
図6Bに示すように、爪部22bが取付板84の開口84aに進入する。つまり、取付板84が爪部22bに接しているとき(ただし、爪部22bが取付板84の開口84aの下縁84bと係合しているときを除く)、取付板84が弾性変形し、爪部22bが取付板84の開口84aの下縁84bと係合しているとき、取付板84が弾性変形から復元する。これにより、爪部22bの保持面22dと取付板84の下縁84bとが互いに引っかかり(すなわち、係合し)、保持溝22内で取付板84が上方に移動することを規制するように、取付板84が保持溝22内に保持される。これにより、ハウジング70が弁本体10に固定される。
【0084】
図7は、
図4の固定構造の第3変形例の構成を示す図である。
図7Aは、ハウジングの取付板およびその近傍を背面側から見た拡大図である。
図7Bは、
図7AのVIIB-VIIB線に沿う断面図である。
図7Cは、取付板が弾性変形した状態を示す断面図である。
【0085】
図7に示す固定構造は、弁本体10に設けられた保持溝23と、ハウジング70に設けられた取付板85と、を有している。
【0086】
保持溝23は、
図7Aに示すように、本体部11の上面11aから下方に向けて延びる第1部分23aと、第1部分23aの下端部から横方向に延びる2つの第2部分23b(爪受部)を有している。第1部分23a、上下方向に沿って延びている。第1部分23aの上端部には壁面が無く、第1部分23aの上端部は、第1部分23aの延在方向に開いている。つまり、第1部分23aは、上端部に開口23kを有している。第2部分23bは、本体部11に設けられた段部11bより下方に配置されている。保持溝23は、弁本体10が有する切り欠きである。
【0087】
取付板85は、略矩形板形状を有している。取付板85の幅は、保持溝23の第1部分23aの幅と同一である。取付板85は、上下方向に延びている。取付板85は、4つの腕部85aと、2つの爪部85bと、を有している。4つの腕部85aは、上方から下方に延びている。4つの腕部85aは、互いに間隔をあけて横方向に並んでいる。4つの腕部85aのうちの中央の2つの腕部85aの下端部には、爪部85bが連設されている。2つの爪部85bは、腕部85aとの連設箇所から互いに離れるように横方向に延びている。爪部85bは、保持溝23の第2部分23bに進入している。2つの爪部85bは、2つの第2部分23bの内側に配置されている。爪部85bが第2部分23bに進入することで、取付板85が保持溝23内で開口23kに向かって移動することが規制される。取付板85は、ハウジング70が有する回り止め部である。
【0088】
ハウジング70を弁本体10に固定するとき、取付板85を保持溝23の第1部分23aに上面11a側から下方に向けて挿入する。取付板85は、開口23kを通り、第1部分23aに挿入される。取付板85の第1部分23aへの挿入を進めると、
図7Cに示すように、取付板85の2つの爪部85bが段部11bに乗り上げて取付板85が湾曲するように弾性変形する。そして、さらに挿入を進めると取付板85が復元して、
図7A、
図7Bに示すように、爪部85bが保持溝23の第2部分23bに進入する。これにより、爪部85bと第2部分23bとが互いに引っかかり(すなわち、係合し)、保持溝23内で取付板85が上方に移動することを規制するように、取付板85が保持溝23内に保持される。これにより、ハウジング70が弁本体10に固定される。
【0089】
図8は、
図4の固定構造の第4変形例の構成を示す図である。
図8Aは、ハウジングの取付板およびその近傍を背面側から見た拡大図である。
図8Bは、
図8AのVIIIB-VIIIB線に沿う断面図である。
図8Cは、ハウジングの取付板およびその近傍を背面側から見た拡大図であり、取付板が弾性変形した状態を示している。
【0090】
図8に示す固定構造は、弁本体10に設けられた保持溝23と、ハウジング70に設けられた取付板86と、を有している。保持溝23は、
図7に示す第3変形例のものと同一である。
【0091】
取付板86は、略矩形板形状を有している。取付板86の幅は、保持溝23の第1部分23aの幅と同一である。取付板86は、上下方向に延びている。取付板86は、2つの腕部86aと、2つの爪部86bと、を有している。2つの腕部86aは、上方から下方に延びている。2つの腕部86aは、互いに間隔をあけて横方向に並んでいる。2つの腕部86aの下端部における幅方向内側寄りの箇所には、爪部86bが連設されている。2つの爪部86bは、腕部86aとの連設箇所から互いに離れるように横方向に延びている。爪部86bは、保持溝23の第2部分23bに進入している。2つの爪部86bは、2つの第2部分23bの内側に配置されている。爪部86bが第2部分23bに進入することで、取付板86が保持溝23内で開口23kに向かって移動することが規制される。取付板86は、ハウジング70が有する回り止め部である。
【0092】
ハウジング70を弁本体10に固定するとき、取付板86を保持溝23の第1部分23aに上面11a側から下方に向けて挿入する。取付板86は、開口23kを通り、第1部分23aに挿入される。取付板86の第1部分23aへの挿入を進めると、
図8Cに示すように、取付板86の2つの爪部86bが段部11bに突き当たり腕部86aおよび爪部86bが幅方向内側に湾曲するように弾性変形する。そして、さらに挿入を進めると腕部86aおよび爪部86bが復元して、
図8A、
図8Bに示すように、爪部86bが保持溝23の第2部分23bに進入する。これにより、爪部86bと第2部分23bとが互いに引っかかり(すなわち、係合し)、保持溝23内で取付板86が上方に移動することを規制するように、取付板86が保持溝23内に保持される。これにより、ハウジングが弁本体に固定される。
【0093】
図9は、
図4の固定構造の第5変形例の構成を示す図である。
図9Aは、ハウジングの取付板およびその近傍を背面側から見た拡大図である。
図9Bは、
図9AのIXB-IXB線に沿う断面図である。
図9Cは、ハウジングの取付板の拡大図である。
【0094】
図9に示す固定構造は、弁本体10に設けられた保持溝24と、ハウジング70に設けられた取付板87と、を有している。
【0095】
保持溝24は、
図9Aに示すように、本体部11の上面11aから下方に向けて延びるように形成されている。保持溝24は、上下方向に沿って延びている。保持溝24の上端部には壁面が無く、保持溝24の上端部は、保持溝24の延在方向に開いている。つまり、保持溝24は、上端部に開口24kを有している。保持溝24は、弁本体10が有する切り欠きである。
【0096】
取付板87は、矩形板形状を有している。取付板87の幅は、保持溝24の幅よりもわずかに大きい。取付板87は、上下方向に延びている。取付板87は、2つの腕部87aと、複数の返し87bと、を有している。2つの腕部87aは、上方から下方に延びている。2つの腕部87aは、互いに間隔をあけて横方向に並んでいる。2つの腕部87aの幅方向外側の縁部には、複数の返し87bが配置されている。複数の返し87bは、先端が下方を向くくさび状に形成されている。取付板87は、保持溝24に圧入されている。また、複数の返し87bは、保持溝24の内面(すなわち本体部11)にくい込んでいる。これにより、取付板87が保持溝24内で開口24kに向かって移動することが規制される。取付板87は、ハウジング70が有する回り止め部である。
【0097】
ハウジング70を弁本体10に固定するとき、取付板87を保持溝24に上面11a側から下方に向けて挿入する。取付板87は、開口24kを通り、保持溝24に挿入される。取付板87の保持溝24への挿入を進めると、取付板87が保持溝24に圧入されるとともに、複数の返し87bが、保持溝24の内面にくい込む。これにより、保持溝24内で取付板87が上方に移動することを規制するように、取付板87が保持溝24内に保持される。これにより、ハウジング70が弁本体10に固定される。
【0098】
取付板87が、保持溝24に圧入されていることで、簡易な構成でハウジング70を弁本体10に固定することができる。また、取付板87が、本体部11にくい込むように形成された複数の返し87bを有していることで、ハウジング70を弁本体10により確実に固定することができる。なお、取付板87は、複数の返し87bが一方の腕部87aのみに設けられていてもよい。取付板87は、返し87bが1つのみ設けられていてもよい。取付板87は、返し87bが設けられていなくてもよい。
【0099】
図5~
図9に示す固定構造を有する電動弁においても、上述した電動弁1と同様の作用効果を奏する。なお、上述した各固定構造において、ハウジング70を弁本体10に固定するときに取付板を人手によって弾性変形させてもよい。
【0100】
次に、上述した電動弁1の変形例の構成について、
図10を参照して説明する。
図10に示す電動弁1Aは、本体部11に代えて本体部11Aおよび流路ブロック11Bを備えた弁本体10Aを有する点以外は、上述した電動弁1と同一(実質同一を含む)の構成を有する。
図10において、上述した電動弁1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0101】
弁本体10Aは、例えば、アルミニウム合金などの金属製である。弁本体10Aは、本体部11Aと、流路ブロック11Bと、円筒部12と、鍔部13と、を有している。
【0102】
本体部11Aは、円筒形状を有している。本体部11Aは、流路ブロック11Bの上面11cから突出するように配置されている。本体部11Aは、流路ブロック11Bにねじ構造により取り付けられている。流路ブロック11Bには、流路18および流路19が設けられている。流路18には、本体部11Aの流路15が接続されている。流路19には、本体部11Aの流路16が接続されている。
【0103】
流路ブロック11Bの背面には、保持溝21Aが設けられている。保持溝21Aは、上面11cから下方に向けて延びるように形成されている。保持溝21Aの底面21aには、背面側から正面側(
図10の右側から左側)に延びる円形穴である凹部21bが設けられている。保持溝21Aには、ハウジング70の取付板82が上面11c側から下方に向けて挿入される。取付板82は、開口21kを通り、保持溝21Aに挿入される。保持溝21A内において凹部21bと凸部82aとが互いに引っかかり(すなわち、係合し)、保持溝21A内で取付板82が開口21kに向かって移動することを規制するように、取付板82が保持溝21A内に保持される。
【0104】
図10に示す電動弁1Aにおいても、上述した電動弁1と同様の作用効果を奏する。
【0105】
本明細書において、「円筒」や「直方体」等の部材の形状を示す各用語は、実質的にその用語の形状を有する部材にも用いられている。例えば、「円筒形状の部材」は、円筒形状の部材と実質的に円筒形状の部材とを含む。
【0106】
上記に本発明の実施例を説明したが、本発明は実施例の構成に限定されるものではない。前述の実施例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、実施例の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の趣旨に反しない限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
1、1A…電動弁、10、10A…弁本体、11、11A…本体部、11B…流路ブロック、11a…上面、11b…段部、11c…上面、12…円筒部、12a…嵌合孔、13…鍔部、14…弁室、15、16…流路、17…ポート、18、19…流路、21、21A…保持溝、21a…底面、21b…凹部、21k…開口、22…保持溝、22a…底面、22b…爪部、22c…傾斜面、22d…保持面、22k…開口、23…保持溝、23a…第1部分、23b…第2部分、23k…開口、24…保持溝、24k…開口、28…キャン、30…駆動機構、31…マグネットローター、32…弁軸ホルダー、32c…雌ねじ、33…ガイドブッシュ、33a…第1円筒部、33b…第2円筒部、33c…雄ねじ、34…弁軸、34a…上端部、34b…段部、35…支持リング、36…プッシュナット、37…閉弁ばね、40…弁体、50…ステーターユニット、60…ステーター、61…上段ステーター、62…下段ステーター、63…モールド、64…端子支持部、65…端子、70…ハウジング、71…ハウジング本体、72…周壁部、73…上壁部、74…ドーム部、75…筒状部、76…コネクタ部、80…ブラケット、81…ブラケット本体、82…取付板、82a…凸部、83…取付板、83a…開口、83b…爪部、84…取付板、84a…開口、84b…下縁、85…取付板、85a…腕部、85b…爪部、86…取付板、86a…腕部、86b…爪部、87…取付板、87a…腕部、87b…返し、90…封止部材