(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】スティッチング露光工程用マスク
(51)【国際特許分類】
G03F 1/70 20120101AFI20241007BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
G03F1/70
G03F7/20 502
(21)【出願番号】P 2023549831
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 KR2022013889
(87)【国際公開番号】W WO2023058929
(87)【国際公開日】2023-04-13
【審査請求日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2021-0133647
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515162224
【氏名又は名称】コリア アドバンスド インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジュンチョル
(72)【発明者】
【氏名】オ,ジェ-ソブ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ミン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヒ ジェ
(72)【発明者】
【氏名】キム,クァン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】ハン,チャン ヒ
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-133667(JP,A)
【文献】特開2008-235909(JP,A)
【文献】特開2018-101127(JP,A)
【文献】特開2006-156864(JP,A)
【文献】特開2007-193243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00-1/86
G03F 7/20
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に第1方向と第2方向にマスクを露光してスティッチング工程を進行するライン及びスペースパターン形成方法
であって、前記ライン及びスペースパターン形成方法は、
前記第1方向に前記マスクの第1ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第1露光工程を行う段階と、
前記第1ショット(shots)と前記第1方向のオフセットを有するように前記マスクの第2ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第2露光工程を行う段階
であって、前記第2ショット(shots)が前記第2方向に前記第1ショット(shots)と接触する段階と、
を含
み、
前記第1ショット(shots)及び前記第2ショット(shots)の各々は、
基準エネルギで露光される基準エネルギ領域と、
前記第1ショット(shots)及び前記第2ショットの干渉によって前記基準エネルギより高いエネルギを有する1回干渉領域と、
前記第1ショット(shots)及び前記第2ショットの干渉によって前記基準エネルギより高いエネルギを有する2回干渉領域と、
を含み、
前記1回干渉領域に対応する前記マスクの1回干渉マスク領域は、前記基準エネルギ領域に対応する前記マスクの基準エネルギマスク領域の基本マスク線幅より大きい第1マスク線幅を有し、
前記2回干渉領域に対応する前記マスクの2回干渉マスク領域は、前記基準エネルギ領域に対応する前記マスクの基準エネルギマスク領域のマスク線幅より大きい第2マスク線幅を有することを特徴とするライン及びスペースパターン形成方法。
【請求項2】
前記オフセットは、前記
第1ショット(shots)及び前記第2ショット(shots)の干渉領域の幅より大きいことを特徴とする請求項1に記載のライン及びスペースパターン形成方法。
【請求項3】
前記ライン及びスペースパターンのピッチは、前記第1ショット(shots)及び前記第2ショット(shots)で同一であり、
前記ライン及びスペースパターンのフォトレジストのピッチは80nmないし140nmであることを特徴とする請求項1に記載のライン及びスペースパターン形成方法。
【請求項4】
前記基準エネルギ領域は四角形状のショット内に配置された四角形状であり、ショットの中心に配置され、
前記1回干渉領域は、前記基準エネルギ領域を囲むように辺に配置され、
前記2回干渉領域は、基準エネルギ領域の頂点及び前記第1方向の一対の頂点の間に局部的に配置されることを特徴とする請求項
1に記載のライン及びスペースパターン形成方法。
【請求項5】
基板に第1方向と第2方向にマスクを露光してスティッチング工程を進行するライン及びスペースパターン形成方法であって、前記ライン及びスペースパターン形成方法は、
前記第1方向に前記マスクの第1ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第1露光工程を行う段階と、
前記第1ショット(shots)と前記第1方向のオフセットを有するように前記マスクの第2ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第2露光工程を行う段階であって、前記第2ショット(shots)が前記第2方向に前記第1ショット(shots)と接触する段階と、
を含み、
前記マスクは、
四角形の基準エネルギマスク領域と、
前記基準エネルギマスク領域の左側及び右側にそれぞれ配置された左側領域及び右側領域と、
前記基準エネルギマスク領域の左側上部及び右側上部にそれぞれ配置された左側上部頂点領域及び右側上部頂点領域と、
前記基準エネルギマスク領域の左側下部及び右側下部にそれぞれ配置された左側下部頂点領域及び右側下部頂点領域と、
前記基準エネルギマスク領域の上部に配置された上部領域と、
前記上部領域と前記左側上部頂点領域との間に配置された左側上部領域と、
前記上部領域と前記右側上部頂点領域との間に配置された右側上部領域と、
前記基準エネルギマスク領域の下部に配置された下部領域と、
前記下部領域と前記左側下部頂点領域との間に配置された左側下部領域と、
前記下部領域と前記右側下部頂点領域との間に配置された右側下部領域と、
を含み、
前記基準エネルギマスク領域の線幅は基本マスク線幅であり、
前記左側領域、右側領域、左側上部領域、右側上部領域、左側下部領域、及び右側下部領域の線幅は第1マスク線幅であり、
前記上部領域、前記下部領域、左側上部頂点領域、右側上部頂点領域、左側下部頂点領域、及び右側下部頂点領域の線幅は第2マスク線幅であり、
前記第2マスク線幅は前記第1マスク線幅より大きく、
前記第1マスク線幅は、前記基本マスク線幅より大きいことを特徴とす
るライン及びスペースパターン形成方法。
【請求項6】
前記基本マスク線幅は50nmであり、
前記第1マスク線幅は56nmであり、
前記第2マスク線幅は60nmであることを特徴とする請求項
5に記載のライン及びスペースパターン形成方法。
【請求項7】
基板に第1方向と第2方向にマスクを露光してスティッチング工程を進行するライン及びスペースパターン形成用マスク
であって、前記
ライン及びスペースパターン形成用マスクは、
マスク基板上に前記第1方向と前記第2方向に形成された四角形状の基準エネルギマスク領域と、
前記基準エネルギマスク領域を囲むように辺に配置された1回干渉マスク領域と、
前記基準エネルギマスク領域の頂点及び前記第1方向の一対の頂点の間に局部的に配置される2回干渉マスク領域と、
を含み、
前記基準エネルギマスク領域は基本マスク線幅を有し、
前記1回干渉マスク領域
は第1マスク線幅を有し、
前記2回干渉マスク領域
は第2マスク線幅を有し、
前記第2マスク線幅は前記基本マスク線幅より大きく、
前記第1マスク線幅は前記基本マスク線幅より大きいことを特徴とするライン及びスペースパターン形成用マスク。
【請求項8】
前記基本マスク線幅は50nmであり、
前記第1マスク線幅は56nmであり、
前記第2マスク線幅は60nmであることを特徴とする請求項
7に記載のライン及びスペースパターン形成
用マスク。
【請求項9】
基板に第1方向と第2方向にマスクを露光してスティッチング工程を進行するライン及びスペースパターン形成用マスク
であって、前記
ライン及びスペースパターン形成用マスクは、
四角形の基準エネルギマスク領域と、
前記基準エネルギマスク領域の左側及び右側にそれぞれ配置された左側領域及び右側領域と、
前記基準エネルギマスク領域の左側上部及び右側上部にそれぞれ配置された左側上部頂点領域及び右側上部頂点領域と、
前記基準エネルギマスク領域の左側下部及び右側下部にそれぞれ配置された左側下部頂点領域及び右側下部頂点領域と、
前記基準エネルギマスク領域の上部に配置された上部領域と、
前記上部領域と前記左側上部頂点領域との間に配置された左側上部領域と、
前記上部領域と前記右側上部頂点領域との間に配置された右側上部領域と、
前記基準エネルギマスク領域の下部に配置された下部領域と、
前記下部領域と前記左側下部頂点領域との間に配置された左側下部領域と、
前記下部領域と前記右側下部頂点領域との間に配置された右側下部領域と、
を含み、
前記基準エネルギマスク領域の線幅は基本マスク線幅であり、
前記左側領域、右側領域、左側上部領域、右側上部領域、左側下部領域、及び右側下部領域の線幅は第1マスク線幅であり、
前記上部領域、前記下部領域、左側上部頂点領域、右側上部頂点領域、左側下部頂点領域、及び右側下部頂点領域の線幅は第2マスク線幅であり、
前記第2マスク線幅は前記基本マスク線幅より大きく、
前記第1マスク線幅は前記基本マスク線幅より大きいことを特徴とするライン及びスペースパターン形成用マスク。
【請求項10】
前記基本マスク線幅は50nmであり、
前記第1マスク線幅は56nmであり、
前記第2マスク線幅は60nmであることを特徴とする請求項
9に記載のライン及びスペースパターン形成用マスク。
【請求項11】
ライン及びスペースパターン形成用マスクの製造方法
であって、
基板に第1方向と第2方向にライン及びスペースパターンを形成するための第1マスクを露光して第1スティッチング工程を進行する段階と、
前記第1スティッチング工程によってショット(shots)の1回干渉によって干渉のない基準エネルギより高いエネルギを有する1回干渉領域の露光エネルギ又は線幅を測定する段階と、
前記第1スティッチング工程によってショット(shots)の2回干渉によって基準エネルギより高いエネルギを有する2回干渉領域の露光エネルギ又は線幅を測定する段階と、
前記1回干渉領域の露光エネルギ又は線幅に基づいて、前記1回干渉領域に対応する前記第1マスクの1回干渉マスク領域に線幅を増加させるように第1光学的近接補正を行い、前記2回干渉領域の露光エネルギ又は線幅に基づいて、前記2回干渉領域に対応する前記第1マスクの2回干渉マスク領域に線幅を増加させるように第2光学的近接補正を行って第2マスクを形成する段階と、
を含むライン及びスペースパターン形成用マスクの製造方法。
【請求項12】
前記第1スティッチング工程は、
前記第1方向に前記第1マスクの第1ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第1露光工程を行う段階と、
前
記第1ショット(shots)と
前記第1方向のオフセットを有するように前記第1マスクの第2ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第2露光工程を行う段階
であって、前記第2ショット(shots)が前記第2方向に前記第1ショット(shots)と接触する段階と、
を含む請求項
11に記載のライン及びスペースパターン形成用マスクの製造方法。
【請求項13】
前記第1光学的近接補正は同一のピッチを有し、ラインの線幅を第1変動量だけ増加させ、
前記第2光学的近接補正は同一のピッチを有し、ラインの線幅を第2変動量だけ増加させ、
前記第2変動量は前記第1変動量より大きく、
前記第1変動量は前記1回干渉領域の露光エネルギと干渉のない領域の基本露光エネルギとの差に比例することを特徴とする請求項
11に記載のライン及びスペースパターン形成用マスクの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトマスクの近接補正(optical proximity correction)に関するものとして、より詳細には、スティッチング露光工程によるショットの干渉効果を除去する光学近接補正(optical proximity correction)のためのライン及びスペースパターンマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤグリッド偏光子は、ガラスのような基板の表面に配置された平行なワイヤアレイである。ワイヤグリッド偏光子は、ナノスケールのライン及びスペースパターンで形成される。通常、ワイヤグリッドの周期(又はピッチ)が光の波長より小さい場合、偏光子で動作する。
【0003】
偏光映像装置で使われる金属ワイヤグリッド偏光子の場合、反射されて出たS-波が映像装置内の周辺光学部及び機構部で再反射及び散乱され、偏光映像を阻害する要因になる。したがって、金属ワイヤグリッド基板偏光子のS-波反射を減少させ、共にp-波の透過度を向上させる方案が求められる。
【0004】
ワイヤグリッド偏光フィルタで、コントラスト比(C/R)はワイヤグリッドの線幅が減少するほど、ワイヤグリッドの高さが高いほど増加する。したがって、ワイヤグリッドのライン線幅が50nm以下の工程が求められる。
【0005】
一方、ワイヤグリッド偏光フィルタは、カメラの大口径偏光フィルタ又はフレキシブルディスプレイとして使用するために広い面積を求める。しかし、広い面積のダイ(die)を形成する方法としてスティッチング(stitching)露光工程を使用する。スティッチング露光工程は、フォトマスクのサイズ(shot field)より大きいダイ(Die)又はチップを形成するために複数のショット(shots)を連続的に結合する技法である。
【0006】
通常、露光装備の露光領域(shot field)の間隔が一定区間離れている。この区間はスクライブライン(Scribe Line)といい、チップを切り取るか、又は整列できるマーカ(Marker)が埋め込まれている 。したがって、一般的にマスクの間隔が離れている。 マスクの間隔を“0”とするパターンを形成するスティッチング(Stitching)露光工程が使用されない。スティッチング露光工程は、基板上に4つのショットが隣接して配置されるので、ショットは互いに干渉を提供する。
【0007】
特に、ラインの線幅が50nm以下のライン及びスペースパターンの場合には、4つのショットが互いに隣接して配置される。したがって、100nmのピッチで、ショットは互いに3回干渉を提供してライン及びスペースパターンを形成することができない。
【0008】
したがって、フォトレジストのラインの線幅が50nm水準であるライン及びスペースパターンの場合にもスティッチング工程を行うことができる新しい方法が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ライン及びスペースパターンをスティッチング工程で行うことができる新しいスティッチング工程及びスティッチング工程用マスクを提供するものである。
【0010】
本発明は、スティッチング露光工程によって干渉によるフォトレジストの厚さ減少を最小化できる新しいスティッチング工程及びスティッチング工程用マスクを提供するものである。
【0011】
本発明は、スティッチング露光工程で均一なライン線幅を提供するように光学的近接補正を行う新しいスティッチング工程及びスティッチング工程用マスクを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例によるライン及びスペースパターン形成方法は、基板に第1方向と第2方向にマスクを露光してスティッチング工程を進行する。前記ライン及びスペースパターン形成方法において、前記第1方向に前記マスクの第1ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第1露光工程を行う段階と、前記2方向に離隔して前記第1ショット(shots)と前記第1方向のオフセットを有するように前記マスクの第2ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第2露光工程を行う段階と、を含む。
【0013】
本発明の一実施例において、前記オフセットは、前記ショットの干渉領域の幅より大きい。
【0014】
本発明の一実施例において、前記第1ショット(shots)及び前記第2ショット(shots)の各々は、基準エネルギで露光される基準エネルギ領域と、前記第1ショット(shots)及び前記第2ショットの干渉によって前記基準エネルギより高いエネルギを有する1回干渉領域と、前記第1ショット(shots)及び前記第2ショットの干渉によって前記基準エネルギより高いエネルギを有する2回干渉領域と、を含む。
【0015】
本発明の一実施例において、前記1回干渉領域に対応する前記マスクの1回干渉マスク領域は、前記基準エネルギ領域に対応する前記マスクの基準エネルギマスク領域の基本マスク線幅より大きい第1マスク線幅を有する。前記2回干渉領域に対応する前記マスクの2回干渉マスク領域は、前記基準エネルギ領域に対応する前記マスクの基準エネルギマスク領域のマスク線幅より大きい第2マスク線幅を有する。
【0016】
本発明の一実施例において、前記ライン及びスペースパターンのピッチは、前記第1ショット(shots)及び前記第2ショット(shots)で同一であり、前記ライン及びスペースパターンのフォトレジストのピッチは80nmないし140nmである。
【0017】
本発明の一実施例において、前記基準エネルギ領域は四角形状のショット内に配置された四角形状であり、ショットの中心に配置され、前記1回干渉領域は、前記基準エネルギ領域を囲むように辺に配置され、前記2回干渉領域は、基準エネルギ領域の頂点及び前記第1方向の一対の頂点の間に局部的に配置される。
【0018】
本発明の一実施例において、前記マスクは、四角形の基準エネルギマスク領域と、前記基準エネルギマスク領域の左側及び右側にそれぞれ配置された左側領域及び右側領域と、前記基準エネルギマスク領域の左側上部及び右側上部にそれぞれ配置された左側上部頂点領域及び右側上部頂点領域と、前記基準エネルギマスク領域の左側下部及び右側下部にそれぞれ配置された左側下部頂点領域及び右側下部頂点領域と、前記基準エネルギマスク領域の上部に配置された上部領域と、前記上部領域と前記左側上部頂点領域との間に配置された左側上部領域と、前記上部領域と前記右側上部頂点領域との間に配置された右側上部領域と、前記基準エネルギマスク領域の下部に配置された下部領域と、前記下部領域と前記左側下部頂点領域との間に配置された左側下部領域と、前記下部領域と前記右側下部頂点領域との間に配置された右側下部領域と、を含む。前記基準エネルギマスク領域の線幅は基本マスク線幅であり、前記左側領域、右側領域、左側上部領域、右側上部領域、左側下部領域、及び右側下部領域の線幅は第1マスク線幅であり、前記上部領域、前記下部領域、左側上部頂点領域、右側上部頂点領域、左側下部頂点領域、及び右側下部頂点領域の線幅は第2マスク線幅であり、前記第2マスク線幅は前記第1マスク線幅より大きく、前記第1マスク線幅は、前記基本マスク線幅より大きい。
【0019】
本発明の一実施例において、前記基本マスク線幅は50nmであり、前記第1マスク線幅は56nmであり、前記第2マスク線幅は60nmである。
【0020】
本発明の一実施例によるワイヤグリッド偏光子は、前記第1項のライン及びスペースパターン形成方法によって製造される。
【0021】
本発明の一実施例によるライン及びスペースパターン形成用マスクは、基板に第1方向と第2方向にマスクを露光してスティッチング工程を進行する。前記マスクは、マスク基板上に前記第1方向と前記第2方向に形成された四角形状の基準エネルギマスク領域と、前記基準エネルギマスク領域を囲むように辺に配置された1回干渉マスク領域と、前記基準エネルギマスク領域の頂点及び前記第1方向の一対の頂点の間に局部的に配置される2回干渉マスク領域と、を含む。前記基準エネルギマスク領域は基本マスク線幅を有し、前記1回干渉マスク領域は前記第1マスク線幅を有し、前記2回干渉マスク領域は前記第2マスク線幅を有し、前記第2マスク線幅は前記基本マスク線幅より大きく、前記第1マスク線幅は前記基本マスク線幅より大きい。
【0022】
本発明の一実施例において、前記基本マスク線幅は50nmであり、前記第1マスク線幅は56nmであり、前記第2マスク線幅は60nmである。
【0023】
本発明の一実施例によるイン及びスペースパターン形成用マスクは、基板に第1方向と第2方向にマスクを露光してスティッチング工程を進行する。前記マスクは、四角形の基準エネルギマスク領域と、前記基準エネルギマスク領域の左側及び右側にそれぞれ配置された左側領域及び右側領域と、前記基準エネルギマスク領域の左側上部及び右側上部にそれぞれ配置された左側上部頂点領域及び右側上部頂点領域と、前記基準エネルギマスク領域の左側下部及び右側下部にそれぞれ配置された左側下部頂点領域及び右側下部頂点領域と、前記基準エネルギマスク領域の上部に配置された上部領域と、前記上部領域と前記左側上部頂点領域との間に配置された左側上部領域と、前記上部領域と前記右側上部頂点領域との間に配置された右側上部領域と、前記基準エネルギマスク領域の下部に配置された下部領域と、前記下部領域と前記左側下部頂点領域との間に配置された左側下部領域と、前記下部領域と前記右側下部頂点領域との間に配置された右側下部領域と、を含む。前記基準エネルギマスク領域の線幅は基本マスク線幅であり、前記左側領域、右側領域、左側上部領域、右側上部領域、左側下部領域、及び右側下部領域の線幅は第1マスク線幅であり、前記上部領域、前記下部領域、左側上部頂点領域、右側上部頂点領域、左側下部頂点領域、及び右側下部頂点領域の線幅は第2マスク線幅であり、前記第2マスク線幅は前記基本マスク線幅より大きく、 前記第1マスク線幅は前記基本マスク線幅より大きい。
【0024】
本発明の一実施例において、前記基本マスク線幅は50nmであり、前記第1マスク線幅は56nmであり、前記第2マスク線幅は60nmである。
【0025】
本発明の一実施例によるライン及びスペースパターン形成用マスクの製造方法は、基板に第1方向と第2方向にライン及びスペースパターンを形成するための第1マスクを露光して第1スティッチング工程を進行する段階と、前記第1スティッチング工程によってショット(shots)の1回干渉によって干渉のない基準エネルギより高いエネルギを有する1回干渉領域の露光エネルギ又は線幅を測定する段階と、前記第1スティッチング工程によってショット(shots)の2回干渉によって基準エネルギより高いエネルギを有する2回干渉領域の露光エネルギ又は線幅を測定する段階と、前記1回干渉領域の露光エネルギ又は線幅に基づいて、前記1回干渉領域に対応する前記第1マスクの1回干渉マスク領域の線幅を増加させるように第1光学的近接補正を行い、前記2回干渉領域の露光エネルギ又は線幅に基づいて、前記2回干渉領域に対応する前記第1マスクの2回干渉マスク領域に線幅を増加させるように第2光学的近接補正を行って第2マスクを形成する段階と、を含む。
【0026】
本発明の一実施例において、前記第1スティッチング工程は、前記第1方向に前記第1マスクの第1ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第1露光工程を行う段階と、前記2方向に離隔して第1ショット(shots)とオフセットを有するように前記第1マスクの第2ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第2露光工程を行う段階と、を含む。
【0027】
本発明の一実施例において、前記第1光学的近接補正は同一のピッチを有し、ラインの線幅を第1変動量だけ増加させ、前記第2光学的近接補正は同一のピッチを有し、ラインの線幅を第2変動量だけ増加させ、前記第2変動量は前記第1変動量より大きく、前記第1変動量は前記1回干渉領域の露光エネルギと干渉のない領域の基本露光エネルギとの差に比例する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施例によるマスクは、ライン及びスペースパターンをステッチ工程を行って基板全体にワイヤグリッド偏光子を形成することができる。
【0029】
本発明の一実施例によるワイヤグリッド偏光子は、スティッチング工程によって形成されたライン及びスペースパターンを所定の規格に切断して形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ショットフィールド(shot field)干渉によってショットフィールド(shot field)領域外の10umまでフレア干渉(flare interference)が発生する。これによって空間的に露光エネルギの均一度が変わり、基準露光エネルギを超過する干渉領域が発生する。
【0031】
ショットフィールド(shot field)干渉又はショット干渉は、3回干渉領域を生成し、3回干渉領域はエネルギ過露出によってパターンが崩壊する。また、50nmの線幅条件で3回干渉領域は光学的近接補正(Optical Proximity Correction;OPC)を通じて補正できない。一方、60nmの線幅条件で3回干渉領域は、光学的近接補正(OPC)を通じて補正される可能性がある。しかし、3回干渉領域に光学的近接補正(OPC)を行う場合、フォトレジスト(Photoresist;PR)パターンの厚さが著しく減少する。これによって、フォトレジストパターンをエッチングマスクで下部の導電膜をエッチングする場合、エッチング深さの限界があり、エッチング選択比又はエッチング縦横比が著しく減少する。これによって、金属ワイヤグリッド偏光板の性能が低下する。
【0032】
本発明の一実施例によるスティッチング方法は、ショットのオフセットを使用して3回干渉領域を除去して、1回干渉領域と2回干渉領域のみを生成する。1回干渉領域と2回干渉領域はパターニング可能なピッチの範囲を増加させる。一方、1回干渉領域と第2干渉領域のフォトレジストのライン線幅は減少する。
【0033】
本発明の一実施例によれば、1回干渉領域及び/又は第2干渉領域のフォトレジストのライン線幅の減少は、マスクの光学的近接補正(OPC)を通じて補正される。1回干渉領域と2回干渉領域は、マスクの光学的近接補正(OPC)を通じて補正される。これによって、すべての領域で同一のラインの線幅が得られる。また、3回干渉領域を除去して、光学的近接補正(OPC)を遂行する条件が拡大される。また、3回干渉領域を除去して、残存するフォトレジストの厚さ減少を抑制する。
【0034】
本発明の一実施例によれば、第2干渉領域でパターンが崩壊する場合にも、光学的近接補正(OPC)を通じて第2干渉領域のパターン崩壊を抑制する。
【0035】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。しかし、本発明はここで説明される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる形で具体化することもある。かえって、ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底かつ完全になるよう、また当業者に本発明の思想が十分に伝えるように提供されるものである。図面において、構成要素は明確性を期するために誇張されたものである。明細書全体に亘って、同一の構成要素は、同一の参照番号で表される。
【0036】
図1は、本発明の一実施例によるスティッチング工程によって基板全体を露光することを説明する概念図である。
【0037】
図2は、
図1のスティッチング工程によるショットの干渉形態を示す拡大図である。
【0038】
図3は、
図2のショットの干渉形態を示す電子顕微鏡写真である。
【0039】
図4は、マスクピッチ(P=100nm)とマスクライン線幅(LW=50nm)の条件で露光エネルギに応じるフォトレジストのライン線幅を示すグラフである。
【0040】
図1ないし
図4に示すように、スティッチング工程は、第1方向(x軸方向)に複数のショット12を露光する。その次に、第2方向(y軸方向)に所定の間隔で離隔した後、再び第1方向に複数のショット12を露光する。これによって、ショット12はマトリックス型で整列される。各ショット12は、四角形状で露光される。それぞれのショットは、マスク14を露光装置によって基板上のフォトレジストにパターンを形成するために露光した領域である。
【0041】
それぞれのショット12は四角形状である。それぞれのショット12は、干渉が形成されない中心の基準エネルギ領域20、四角形の辺に1回干渉を有する1回干渉領域22、及び四角形の頂点に3回ショット干渉を有する3回干渉領域24を有する。1回干渉領域22の幅Wは10um水準である。3回干渉領域24の幅は10um水準である。干渉領域の幅Wは、ショットフィールド(shot field)フレア干渉によって決定される。
【0042】
干渉領域の幅Wは、ローカルフレア効果(Local Flare Effect)に依存する。DUV(deep ultra violet)リソグラフィ(Lithogrphy)は、レチクル(Reticle)又はマスク透過後、数十個の投影レンズ(Projection Lens)を通過することで多くの寄生光(Stray Light)を発生させる。寄生光(Stray Light)は、フレア(Flare)現象として現れる。DUVリソグラフィ(Lithography)工程において寄生光(Stray light)は、殆ど10um領域でフレア(Flare)を発生させる。露光装置は、ArF液浸スキャナ、又はArFステッパである。フォトレジストは、ポジティブフォトレジストである。
【0043】
ライン線幅が100nm以上のライン及びスペースパターン(Line and Space pattern)でスティッチング工程を進行する場合、ショット干渉の影響はライン線幅に比べて相対的に小さい。すなわち、100nm以上ライン及びスペースパターン工程で、フォトレジスト反応の敏感度が低い。
【0044】
しかし、ラインの線幅が100nm以下に減少するほど、フォトレジスト(Photo Resist)のエネルギ変化によるライン及びスペース(Line & Space)パターンが倒れずに立っている区間が減る。ラインの線幅が倒れずに残っている、すなわち有効な線幅になるためには適切なエネルギ範囲を露出させなければならない。露光エネルギの変化量に応じてCD(Critical Dimension)値が変動する。有効なエネルギ変動範囲は、エネルギラティテュード(Energy Latitude)となる。エネルギラチテュードが大きいほど安定的にスティッチング(Stitching)パターン工程の形成が可能である。
【0045】
例えば、DUVリソグラフィ(Lithography)の場合、各ショット領域を越えて10umまでローカルフレア効果(Local Flare Effect)による干渉現象が生じる。
【0046】
100nmラインパターンの場合、線幅が10~20nm減る水準でラインパターンが形成される。しかし、50nmのラインパターンの場合、フレアの影響でフォトレジストはすべて消えてパターンが形成されない。
【0047】
本発明によると、基準エネルギ領域20において、エネルギラチテュード(Energy Latitude)は約±9%であり、基準エネルギ領域20は基準エネルギBEの露光エネルギを有する。1回干渉領域22はショットの干渉が1回発生した領域であり、1回干渉でBE+Aのエネルギ露出を有する。Aは1回干渉によって追加された露光エネルギ(約6mJ/cm^2)である。3回干渉領域124はショットの干渉が3回発生した領域であり、3回干渉でBE+3Aのエネルギ露出を有する。すなわち、BE+Aは基準エネルギBEに比べて125%であり、BE+3Aは基準エネルギBEに比べて=175%である。
【0048】
1回干渉領域22と3回干渉領域24の干渉程度を確認した結果、1回干渉量AはBEの20~30%程度であり、約6mJ/cm^2である。例えば、基準エネルギBEは約24mJ/cm^2であり、BE+Aは約30mJ/cm^2である。BE+3Aは約48mJ/cm^2である。すなわち、干渉回収に応じて、露光エネルギは基準エネルギBEに対比して比例して増加する。
【0049】
ArF液浸リソグラフィ装備が提供できる最も小さいマスクのライン線幅は38nmである。より小さなマスクのラインパターンは、光が透過できなくなる。
【0050】
50nmのフォトレジストラインパターンをスティッチング工程を進行するためには、ポジティブフォトレジスト(positive Photo Resist)である時、マスクの50nmライン(光がレチクルによって隠れる部分)とマスクの50nmスペース(光が透過する部分)で構成される。マスクのライン線幅とスペースの線幅の和はピッチ(Pitch)である。
【0051】
干渉領域を含む基板の全面でフォトレジストのピッチは100nmであり、フォトレジストのライン線幅は50nmを有さなければならない。
【0052】
フォトレジストのライン及びスペースパターンで50nmのライン線幅を達成するための、露光エネルギの基準エネルギBEを100%とした場合、干渉による超過エネルギ区間である3回干渉領域はBE+3Aで、基準エネルギに比べて175%のエネルギをもらう。
【0053】
図4に示すように、3回干渉領域24のエネルギは175%によって、フォトレジストのライン線幅は50nmではなく著しく減った線幅を有し、ArF露光装置を用いた実験結果によれば、ラインパターンは崩壊される。
【0054】
一方、3回干渉領域24のパターンを崩壊させないように、光学的近接補正(OPC)が行う場合にも、100nmのマスクピッチで、マスク最小線幅はスペース幅38nmとライン62nmで構成(光透過部分を最小化する)される。マスク最小線幅であるスペース38nmは、露光装置の波長及びレンズの光学特性によって決まる。
【0055】
マスクのスペース幅38nmを適用する場合でも、フォトレジストの50nmライン線幅を具現するために、露光エネルギは約160%エネルギである。しかし、3回干渉領域には175%のエネルギが露出され、パターン形成が不可能である。
【0056】
結局、マスクに光学的近接補正(OPC)によっても38nm以下にこれ以上補正できない。したがって、3回干渉領域24を有すると、フォトレジストのライン線幅50nmを有するスティッチングライン及びスペースパターンを形成することができない。
【0057】
図5は、本発明の一実施例によるマスクの線幅別に露光エネルギに応じるフォトレジストの線幅を示す実験結果である。
【0058】
図5に示すように、マスクピッチはマスクライン線幅の2倍である。マスクラインの線幅はそれぞれ40nm(白丸)、44nm(黒丸)、50nm(灰丸)、60nm(白四角)、70nm(黒四角)、80nm(灰四角)、90nm(三角)である。したがって、マスクピッチはそれぞれ80、84、100、120、140、160、180nmである。
【0059】
50nmのマスクライン線幅に対して、ArF露光装置の基準エネルギは24mJ/cm^2である。露光エネルギが36mJ/cm^2以上でフォトレジストパターンが形成されない。3回干渉領域は42mJ/cm^2のエネルギを有するので、フォトレジストパターンが形成されない。
【0060】
60nmのマスクライン線幅に対して、基準エネルギは23mJ/cm^2である。露光エネルギが40mJ/cm^2以上でフォトレジストパターンが形成されない。3回干渉領域は41mJ/cm^2(=23+3x6)のエネルギを有するので、フォトレジストパターンが形成されない。
【0061】
70nmのマスクライン線幅に対して、基準エネルギは20mJ/cm^2である。露光エネルギが46mJ/cm^2以上でフォトレジストパターンが形成されない。3回干渉領域は42mJ/cm^2(=20+3x6)のエネルギを有するので、フォトレジストパターンの形成が可能である。しかし、3回干渉領域で、フォトレジストのライン線幅が著しく減少して、安定したワイヤグリッド偏光子特性を提供することができない。3回干渉領域で、フォトレジストの厚さが著しく減少して、後続エッチング工程が難しい。
【0062】
40nm及び44nmのマスクライン線幅に対して、基準エネルギは約23mJ/cm^2である。露光エネルギが約34mJ/cm^2以上でフォトレジストパターンが形成されない。2回干渉領域は35mJ/cm^2(23+2x6)のエネルギを有するので、フォトレジストパターンが形成されない。
【0063】
本発明のスティッチング工程を使用すると、3回干渉領域を除去するので、50nmのマスクライン線幅(100nmピッチ)、及び60nmのマスクライン線幅(120nmピッチ)でスティッチング工程が行われる。
【0064】
本発明のスティッチング工程を使用すると、40nmのマスクライン線幅(80nmピッチ)、及び44nmのマスクライン線幅(880nmピッチ)で、3回干渉領域を除去し、後述した近接光学補正を通じてスティッチング工程が行われる。これによって、フォトレジストパターンが形成される。
【0065】
また、本発明のスティッチング工程を使用すると、70nmのマスクライン線幅(140nmピッチ)又はそれ以上のピッチでスティッチング工程が行われる。本発明のスティッチング工程は、70nmのマスクライン線幅以上でも3回干渉領域を除去するので、安定したフォトレジストパターンを形成する。
【0066】
図6は、本発明の一実施例によるスティッチング工程を示す概念図である。
【0067】
図7は、
図6のスティッチング工程を示す拡大図である。
【0068】
図8は、
図6のショットを示す電子顕微鏡の写真である。
【0069】
図6ないし
図8に示すように、ライン及びスペースパターン形成方法は、基板に第1方向(x軸方向)と第2方向(y軸方向)にマスクを露光してスティッチング工程を進行するライン及びスペースパターンを形成する。ライン及びスペースパターン形成方法は、前記第1方向に前記マスクの第1ショット112aが互いに接触するように前記基板に第1露光工程を行う段階と、前記2方向に離隔して第1ショット(shots)とオフセットを有するように前記マスクの第2ショット112bが互いに接触するように前記基板に第2露光工程を行う段階と、を含む。
【0070】
第1ショット112a及び第2ショット112bは、基板10を順次に露光する。露光装置はArFスキャナ、又はArFステッパである。
【0071】
基板10は、半導体基板又はガラス基板である。基板10上にコーティングされたフォトレジスト(図示せず)は、ポジティブフォトレジスト又はネガティブフォトレジストである。スティッチング露光工程後、ベーキング工程、現像工程を行う。フォトレジストのライン及びスペースパターンを形成した後、前記フォトレジストのライン及びスペースパターンをエッチングマスクで導電性膜をエッチングしてワイヤグリッドを形成する。前記基板10は、ショットより大きいサイズに切断され、金属ワイヤグリッド偏光子30を提供する。
【0072】
マスク(図示せず)は、すべての領域で同一のピッチと同一の線幅を有する。露光装置はマスク(図示せず)を1:1の倍率で露光する。
【0073】
第1ショット112aと第2ショット112bとの間の前記オフセットは、干渉領域の幅Wより大きい。前記オフセットは、干渉領域の幅Wより大きい。前記干渉領域の幅Wは、約10umである。好ましくは、第2ショット112bのオフセットは、前記第1ショットの第1方向大きさの半分(D/2)である。
【0074】
前記第1ショット(shots)及び前記第2ショット(shots)の各々は、基準エネルギで露光される基準エネルギ領域120と、前記第1ショット(shots)及び前記第2ショットの干渉によって前記基準エネルギBEより高いエネルギBE+Aで露光される1回干渉領域122、123と、前記第1ショット(shots)及び前記第2ショットの干渉によって前記基準エネルギより高いエネルギBE+2Aで露光される2回干渉領域124、126と、を含む。1回干渉領域122、123と2回干渉領域124、126の干渉程度を確認した結果、第1回干渉量AはBEの20~30%程度である。
【0075】
前記ライン及びスペースパターンにおいて、ラインの線幅は基準エネルギ領域120で50nmである。基準エネルギはマスクのライン線幅を希望するフォトレジストの希望する線幅にパターニングするために設定された露光エネルギである。前記基準エネルギはマスクのピッチによって決定される。
【0076】
図8に示すように、光学的近接補正が行われていないマスクが使用される。マスクのピッチは100nmで、マスクのライン線幅は50nmである。基準エネルギ領域120のフォトレジストのライン幅は約50nmである。1回干渉領域122、123のフォトレジストのライン幅は約40nmである。2回干渉領域124、126のラインの線幅は約38nmである。
【0077】
前記ライン及びスペースパターンのピッチは、前記第1ショット112a及び前記第2ショット112bで同一であり、前記ライン及びスペースパターンのライン線幅は干渉領域によって38nmないし50nmである。
【0078】
したがって、同一のピッチで干渉領域に応じてライン線幅が変更されることによって偏光子の特性が変更される。したがって、すべての干渉領域で実質的に同一のライン線幅を提供するようにマスクに光学的近接補正(OPC)が求められる。
【0079】
1回干渉領域122、123に対する第1光学的近接補正は同一のピッチを有し、マスクのラインの線幅を第1変動量だけ増加させる。2回干渉領域124、126に対する第2光学的近接補正は同一のピッチを有し、ラインの線幅を第2変動量だけ増加させる。前記第2変動量は前記第1変動量より大きく、前記第1変動量は前記1回干渉領域の露光エネルギと干渉のない領域の基本露光エネルギの差Aに比例する。前記1回干渉領域の露光エネルギと干渉のない領域の基本露光エネルギの差は1回干渉量Aであり、BEの20~30%程度である。
【0080】
図9は、本発明の一実施例による同一のピッチでマスクのライン線幅にしたがう露光エネルギに応じるフォトレジストのライン線幅を表示する実験結果である。
【0081】
図9に示すように、フォトレジストはポジティブフォトレジストである。マスクのピッチは100nmで、ラインの線幅はそれぞれ50nm、56nm、又は60nmである。露光工程はArF液浸スキャナ工程を通じて1:1倍率で露光された。
【0082】
マスクのライン線幅が50nmの場合(四角)、露光及び現像工程の後、フォトレジストのライン線幅が露光エネルギに応じて表示される。
【0083】
マスクのライン線幅が56nmの場合(三角)、露光及び現像工程の後、フォトレジストのライン線幅が露光エネルギに応じて表示される。
【0084】
マスクのライン線幅が60nmの場合(円)、露光及び現像工程の後、フォトレジストのライン線幅が露光エネルギに応じて表示される。
【0085】
マスクのライン線幅が50nmの場合(四角)、50nmのフォトレジストのライン線幅を得るための基準露光エネルギBEは約24mJ/cm^2である。
【0086】
1回干渉領域は、基準エネルギBEより高いエネルギBE+Aで露光される。したがって、1回干渉領域の露光エネルギBE+Aは30mJ/cm^2であり、マスクのライン線幅が56nmの場合(三角)、フォトレジストのライン線幅が50nmである。
【0087】
2回干渉領域は、基準エネルギBEより高いエネルギBE+2Aで露光される。したがって、2回干渉領域の露光エネルギBE+2Aは36mJ/cm^2であり、マスクのライン線幅が60nmの場合(円)、フォトレジストのライン線幅が50nmである。
【0088】
結論として、1回干渉領域のライン線幅が50nmを維持するように、マスクのライン線幅は56nmを有するように光学的近接補正が設定される。2回干渉領域のライン線幅が50nmを維持するように、マスクのライン線幅は60nmを有するように光学的近接補正が設定される。
【0089】
図5及び
図9に戻ると、
図5の40nm及び44nmのマスクライン線幅に対して、基準エネルギは23mJ/cm^2である。露光エネルギが約34mJ/cm^2以上でフォトレジストパターンが形成されない。2回干渉領域は35mJ/cm^2(23+2x6)のエネルギを有するので、フォトレジストパターンが形成されない。
【0090】
しかし、
図5及び
図9に示すように、マスクの光学的近接補正を通じて、同一のピッチでマスクのライン線幅を増加させると、露光エネルギによるフォトレジストのライン線幅は右上部に移動される。例えば、44nmのマスクライン線幅(ピッチ88nm)に対して、2回干渉領域に対してマスクの光学的近接補正を通じて50nmのマスクライン線幅(ピッチ88nm)で光学的近接補正すれば、フォトレジストパターンが可能である。
【0091】
図5及び
図9に示すように、例えば、40nmのマスクライン線幅(ピッチ80nm)に対して、2回干渉領域に対してマスクの光学的近接補正を通じて42nmのマスクライン線幅(ピッチ80nm)に補正すれば、フォトレジストパターンが遂行される。
【0092】
本発明の変形された実施例によれば、オフセットを有するスティッチング工程において、1回干渉領域及び2回干渉領域のうちいずれかの領域にのみ近接光学補正を行う。好ましくは、2回干渉領域にのみ近接光学補正を行う。
【0093】
図10Aは、本発明の一実施例によるOPCのないマスクとレジストの領域別特性を示す概念図である。
【0094】
図10Bは、本発明の一実施例によるOPCを有するマスクとレジストの領域別特性を示す概念図である。
【0095】
図10Aに示すように、OPCのないマスクは100nmのピッチPを有すると、マスクのライン線幅は50nmであり、マスクのスペース幅は50nmである。
【0096】
フォトレジストの基準エネルギ領域120は、BE(約24mJ/cm^2)の露光エネルギを有する。フォトレジストの1回干渉領域122、123は、BE+A(約30mJ/cm^2)の露光エネルギを有する。フォトレジストの2回干渉領域124、126は、BE+2A(約36mJ/cm^2)の露光エネルギを有する。1回干渉領域122、123は、6mJのフレア干渉によってフォトレジストの高さが減少する。フォトレジストの2回干渉領域124、126は、12mJのフレア干渉によってフォトレジストの高さが減少する。
【0097】
もし、3回干渉領域があると仮定すると、18mJのフレア干渉によってフォトレジストの高さがさらに減少する。これによって、3回干渉領域を有するスティッチング工程は、低いフォトレジストの厚さに起因し、制限的な下部エッチング工程を進行すない。
【0098】
しかし、本発明は3回干渉領域を除去する。本発明は、1回干渉領域と2回干渉領域のみを有する。本発明のスティッチング工程はフォトレジストの厚さ減少を抑制し、後続エッチング工程が安定的に進行される。
【0099】
図10Bに示すように、OPCを有するマスクは100nmのピッチPを有すると、マスクのライン線幅は干渉領域別に50nm、56nm、60nmであり、マスクのスペース幅は干渉領域別に50nm、44nm、40nmである。
【0100】
基準エネルギマスク領域311は、基本マスク線幅LWを有する。前記1回干渉マスク領域312a、312b、316a、316b、317a、317bは、前記第1マスク線幅LW1を有する。前記2回干渉マスク領域313a、313b、314a、314b、315a、315bは、前記第2マスク線幅LW2を有する。前記第2マスク線幅LW2は前記第1マスク線幅LW1より大きく、前記第1マスク線幅LW1は前記基本マスク線幅LWより大きい。前記1回干渉マスク領域312a、312b、316a、316b、317a、317bは、クロムパターンの線幅を増加させて露出エネルギプロファイルを減少させる。これによって、フォトレジストの線幅が増加する。
【0101】
すなわち、基準エネルギマスク領域311の基本マスクスペース幅SW=P-LWは50nmである。前記1回干渉マスク領域312a、312b、316a、316b、317a、317bの第1マスクスペース幅SW1=P-LW1は44nmである。前記2回干渉マスク領域313a、313b、314a、314b、315a、315bの第2マスクスペース幅SW2=P-LW2は40nmである。減少したスペース幅によってフォトレジストのスペース幅が50nmを維持するように減少する。すなわち、減少したスペース幅によってフォトレジストのライン線幅が50nmを維持するように増加する。
【0102】
フォトレジストの基準エネルギ領域220はBE(約24mJ/cm^2)の露光エネルギを有する。フォトレジストの1回干渉領域222、223は、BE+A(約30mJ/cm^2)の露光エネルギを有するが、狭くなったエネルギプロファイルを有する。フォトレジストの2回干渉領域224、226はBE+2A(約36mJ/cm^2)の露光エネルギを有するが狭くなったエネルギプロファイルを有する。減少したエネルギプロファイルによって、フォトレジストのスペース幅が減少する。
【0103】
したがって、フォトレジストの1回干渉領域222、223及びフォトレジストの2回干渉領域224、226は、いずれも同一の50nmの線幅を有する。これによって、金属ワイヤグリッド偏光子は、安定した特性を提供する。
図11Aは、本発明の一実施例において、100nmのマスクピッチで露光エネルギの差によるマスクの光学的近接補正の変動量を示す。
【0104】
図11Aに示すように、すべての干渉領域で同一のフォトレジストのライン線幅である50nmを得るために、露光エネルギ差によるマスクの光学的近接補正の変動量が見られる。1回干渉による干渉量はAであり、2回干渉による干渉量は2A、3回干渉による干渉量は3Aである。1回干渉による干渉量Aを光学的近接補正するために、マスクのライン線幅は50nmから56nmに補正される。2回干渉による干渉量2Aを光学的近接補正するために、マスクのライン線幅は50nmから60nmに補正される。
【0105】
一方、3回干渉による干渉量3Aを光学的近接補正するために、マスクのライン線幅は50nmから約65nmに補正される。しかし、マスクのライン線幅が65nmの場合、スペースの線幅は35nm(100-65nm)である。この場合、ArF露光装置は装置の限界によってパターンを形成しない。したがって、このような条件は達成できない。マスクのライン線幅を62nm補正(ArF immersion装備の限界)後、3回干渉領域を露光実験したが、フォトレジストの高さが著しく低くなり、線幅もまた40nmも近接できず崩れる。
【0106】
図11Bは、本発明の一実施例において、120nmのマスクピッチで露光エネルギの差によるマスクの光学的近接補正の変動量を示す。
【0107】
図11Bに示すように、すべての干渉領域で、同一のフォトレジストのライン線幅である60nmを得るために、露光エネルギ差によるマスクの光学的近接補正の変動量が見られる。1回干渉による干渉量はAであり、2回干渉による干渉量は2A、3回干渉による干渉量は3Aである。1回干渉による干渉量Aを光学的近接補正するために、マスクのライン線幅は60nmから66nmに補正される。2回干渉による干渉量2Aを光学的近接補正するために、マスクのライン線幅は60nmから70nmに補正される。
【0108】
3回干渉による干渉量3Aを光学的近接補正するために、マスクのライン線幅は60nmから75nmに補正される。しかし、マスクのライン線幅が75nmの場合、スペースの線幅は45nm(120-75nm)である。ArF露光装置は75nmのマスクライン線幅でフォトレジストパターンを形成できるが、フォトレジストパターンの高さが著しく減少する。したがって、後続エッチング工程が進行しにくい。フォトレジストの高さの差は今後ワイヤグリッド偏光板の透過率性能低下の原因となる。
【0109】
図12は、本発明の一実施例による光学的近接補正を行ったマスクを使用してフォトレジストのショットを示す電子顕微鏡写真である。
【0110】
図12に示すように、光学的近接補正を行ったマスクを使用してオフセットを有するスティッチング工程を行う場合、第1ショット212a及び第2ショット212bそれぞれは基準エネルギ領域220はBE(約24mJ/cm^2)の露光エネルギを有する。1回干渉領域222、223はBE+A(約30mJ/cm^2)の露光エネルギを有する。2回干渉領域224、226はBE+2A(約36mJ/cm^2)の露光エネルギを有する。
【0111】
前記基準エネルギ領域220は、四角形状のショット内に配置された四角形状であり、ショットの中心に配置され、前記1回干渉領域222、223は前記基準エネルギ領域を囲むように辺に配置され、前記2回干渉領域224、226は基準エネルギ領域の頂点及び前記第1方向の一対の頂点の間に局部的に配置される。
【0112】
マスクとフォトレジストパターンの倍率が1の場合に対して説明する。前記1回干渉領域に対応する前記マスクの1回干渉マスク領域は、前記基準エネルギ領域に対応する前記マスクの基準エネルギマスク領域の基本マスク線幅より大きい第1マスク線幅を有する。
【0113】
前記2回干渉領域に対応する前記マスクの2回干渉マスク領域は、前記基準エネルギ領域に対応する前記マスクの基準エネルギマスク領域のマスク線幅より大きい第2マスク線幅を有する。
【0114】
したがって、1回干渉領域で、50nmのフォトレジストのライン線幅を得るために、対応するマスクのライン線幅は56nmに増加される。一方、2回干渉領域で、50nmのフォトレジストのライン線幅を得るために、対応するマスクのライン線幅は60nmに増加される。
【0115】
本発明の実験結果によれば、基準エネルギ領域220の線幅は50nmであり、1回干渉領域222、223でライン線幅は50nmであり、2回干渉領域224、226の線幅は48nmである。したがって、2回干渉領域224、226は目標値である50nmより2nmの差があるが、誤差範囲内に入る。したがって、光学的近接補正はショットの干渉に依存しない均一なライン及びスペースパターンを形成する。
【0116】
本発明の変形された実施例によれば、前記ライン及びスペースパターンのピッチは、前記第1ショット212as及び前記第2ショット212bで同一であり、前記ライン及びスペースパターンのライン線幅は38nmないし50nmである。
【0117】
本発明の実験は、ArF液浸露光装置を用いて行われたが、EUV露光装置にも同様に適用される。
【0118】
図13は、本発明の一実施例による光学的近接補正を行ったマスクを示す概念図である。
【0119】
図13に示すように、光学的近接補正を行ったマスク314は、マスク基板310上に第1方向と第2方向に形成された四角形状の基準エネルギマスク領域311と、前記基準エネルギマスク領域311を囲むように辺に配置された1回干渉マスク領域312a、312b、316a、316b、317a、317bと、前記基準エネルギマスク領域の頂点及び前記第1方向の一対の頂点の間に局部的に配置される2回干渉マスク領域313a、313b、314a、314b、315a、315bと、を含む。1回干渉マスク領域312a、312b、316a、316b、317a、317bの幅W’は、ショットの干渉領域の幅Wに対応する。
【0120】
前記基準エネルギマスク領域311は、基本マスク線幅を有する。前記1回干渉マスク領域312a、312b、316a、316b、317a、317bは、前記第1マスク線幅を有する。前記2回干渉マスク領域313a、313b、314a、314b、315a、315bは、前記第2マスク線幅を有する。前記第2マスク線幅は前記第1マスク線幅より大きく、前記第1マスク線幅は前記基本マスク線幅より大きい。前記1回干渉マスク領域312a、312b、316a、316b、317a、317bは、クロムパターンの線幅を増加させて露出エネルギプロファイルを減少させる。これによって、フォトレジストの線幅が増加する。
【0121】
光学的近接補正を行ったマスク314は、四角形の基準エネルギマスク領域311と、前記基準エネルギマスク領域311の左側及び右側にそれぞれ配置された左側領域312a及び右側領域312bと、前記基準エネルギマスク領域311の左側上部及び右側上部にそれぞれ配置された左側上部頂点領域313a及び 右側上部頂点領域313bと、前記基準エネルギマスク領域311の左側下部及び右側下部にそれぞれ配置された左側下部頂点領域314a及び右側下部頂点領域314bと、前記基準エネルギマスク領域311の上部に配置された上部領域315aと、前記上部領域315aと前記左側上部頂点領域313aとの間に配置された左側上部領域と、前記上部領域315aと前記右側上部頂点領域313bとの間に配置された右側上部領域316bと、前記基準エネルギマスク領域311の下部に配置された下部領域315bと、前記下部領域315bと前記左側下部頂点領域314aとの間に配置された左側下部領域317aと、前記下部領域315bと前記右側下部頂点領域315bとの間に配置された右側下部頂点領域314bと、を含む。
【0122】
前記基準エネルギマスク領域311のライン線幅は、基本マスク線幅である。前記左側領域312a、右側領域312b、左側上部領域316a、右側上部領域316b、左側下部領域317a、及び右側下部領域317bのライン線幅は、第1マスク線幅である。前記上部領域315a、前記下部領域315b、左側上部頂点領域313a、右側上部頂点領域313b、左側下部頂点領域314a、及び右側下部頂点領域314bの線幅は、第2マスク線幅である。前記第2マスク線幅は前記第1マスク線幅より大きく、前記第1マスク線幅は前記基本マスク線幅より大きい。
【0123】
マスクパターンとフォトレジストパターンの倍率が1:1の場合、前記基本マスク線幅は50nmであり、前記第1マスク線幅は56nmであり、前記第2マスク線幅は60nmである。
【0124】
マスクパターンとフォトレジストパターンの倍率が4:1の場合、前記基本マスク線幅は50x4nmであり、前記第1マスク線幅は56x4nmであり、前記第2マスク線幅は60x4nmである。
【0125】
図14は、本発明の他の実施例によるスティッチング工程を示す拡大図である。
【0126】
図15は、本発明の他の実施例にスティッチング工程を行うマスクを示す図面である。
【0127】
図14及び
図15に示すように、光学的近接補正を行ったマスクを使用してスティッチング工程を行った結果である。ライン及びスペースパターン形成方法は、基板に第1方向と第2方向にマスク500を露光してスティッチング工程を進行する。ライン及びスペースパターン形成方法は、前記第1方向に前記マスクの第1ショット412aが互いに接触するように前記基板に第1露光工程を行う段階と、前記2方向に離隔して前記第1ショット412aと前記第1方向のオフセットを有するように前記マスクの第2ショット412bが互いに接触するように前記基板に第2露光工程を行う段階と、を含む。前記オフセットは、前記ショットの干渉領域の幅Wより大きい。
【0128】
前記第1ショット412a及び前記第2ショット412bの各々は、基準エネルギで露光される基準エネルギ領域420と、前記第1ショット(shots)及び前記第2ショットの干渉によって前記基準エネルギより高いエネルギを有する1回干渉領域422、423と、前記第1ショット(shots)及び前記第2ショットの干渉によって前記基準エネルギより高いエネルギを有する2回干渉領域424、426と、を含む。
【0129】
前記1回干渉領域422、423に対応するマスク500の1回干渉マスク領域512a、512b、516a、516b、517a、517bは、前記基準エネルギ領域420に対応する前記マスクの基準エネルギマスク領域511の基本マスク線幅より大きい第1マスク線幅を有する。
【0130】
前記2回干渉領域424、426に対応する前記マスク500の2回干渉マスク領域513a、513b、514a、514b、515a、515bは、前記基準エネルギ領域に対応する前記マスクの基準エネルギマスク領域のマスク線幅より大きい第2マスク線幅を有する。
【0131】
前記ライン及びスペースパターンのピッチは、前記第1ショット412a及び前記第2ショット412bで同一であり、前記ライン及びスペースパターンのライン線幅は38nmないし50nmである。
【0132】
前記基準エネルギ領域420は、四角形状のショット内に配置された四角形状であり、ショットの中心に配置される。前記1回干渉領域422、423は、前記基準エネルギ領域を囲むように辺に配置される。
【0133】
前記2回干渉領域424、426は、基準エネルギ領域420の頂点及び前記第1方向の一対の頂点の間に局部的に配置される。
【0134】
前記マスク500は、四角形の基準エネルギマスク領域511と、前記基準エネルギマスク領域の左側及び右側にそれぞれ配置された左側領域512a及び右側領域512bと、前記基準エネルギマスク領域511の左側上部及び右側上部にそれぞれ配置された左側上部頂点領域513a及び右側上部頂点領域513bと、前記基準エネルギマスク領域511の左側下部及び右側下部にそれぞれ配置された左側下部頂点領域514a及び右側下部頂点領域514bと、前記基準エネルギマスク領域511の上部に配置された上部領域515aと、前記上部領域515aと前記左側上部頂点領域513aとの間に配置された左側上部領域516aと、前記上部領域515aと前記右側上部頂点領域513bとの間に配置された右側上部領域516bと、前記基準エネルギマスク領域511の下部に配置された下部領域515bと、前記下部領域515bと前記左側下部頂点領域514aとの間に配置された左側下部領域517aと、前記下部領域515bと前記右側下部頂点領域514bとの間に配置された右側下部領域517aと、を含む。
【0135】
前記基準エネルギマスク領域511の線幅は基本マスク線幅である。前記左側領域512a、右側領域512b、左側上部領域516a、右側上部領域516b、左側下部領域517a、及び右側下部領域517bの線幅は第1マスク線幅である。前記上部領域515a、前記下部領域515b、左側上部頂点領域513a、右側上部頂点領域513b、左側下部頂点領域514a、及び右側下部頂点領域514bの線幅は第2マスク線幅である。前記第2マスク線幅は前記第1マスク線幅より大きく、前記第1マスク線幅は前記基本マスク線幅より大きい。
【0136】
マスクとフォトレジストパターンの倍率が1:1の場合、前記基本マスク線幅は50nmであり、前記第1マスク線幅は56nmであり、前記第2マスク線幅は60nmである。
【0137】
図16は、本発明の他の実施例によるネガティヴフォトレジストの線幅を示す。
【0138】
図16に示すように、フォトレジストはネガティブフォトレジストである。マスクのピッチは100nmで、ラインの線幅は50nm、56nm、又は60nmである。露光工程はArF液浸スキャナ工程を通じて1:1倍率で露光された。
【0139】
マスクのライン線幅が50nmの場合(四角)、露光及び現像工程の後、フォトレジストのライン線幅が露光エネルギに応じて表示される。
【0140】
マスクのライン線幅が56nmの場合(三角)、露光及び現像工程の後、フォトレジストのライン線幅が露光エネルギに応じて表示される。
【0141】
マスクのライン線幅が60nmの場合(円)、露光及び現像工程の後、フォトレジストのライン線幅が露光エネルギに応じて表示される。
【0142】
マスクのライン線幅が50nmの場合(四角)、50nmのフォトレジストのライン線幅を得るための基準露光エネルギBEは約20mJ/cm^2である。
【0143】
1回干渉領域は、基準エネルギBEより高いエネルギBE+Aで露光される。したがって、1回干渉領域の露光エネルギBE+Aは24mJ/cm^2であり、マスクのライン線幅が56nmの場合(三角)、フォトレジストのライン線幅が50nmである。
【0144】
2回干渉領域は、基準エネルギBEより高いエネルギBE+2Aで露光される。したがって、2回干渉領域の露光エネルギBE+2Aは28mJ/cm^2であり、マスクのライン線幅が60nmの場合(円)、フォトレジストのライン線幅が50nmである。
【0145】
結論として、1回干渉領域のライン線幅が50nmを維持するように、マスクのライン線幅は56nmを有するように光学的近接補正が設定される。2回干渉領域のライン線幅が50nmを維持するように、マスクのライン線幅は60nmを有するように光学的近接補正が設定される。
【0146】
図17は、ライン及びスペースパターン形成用マスクの製造方法を説明する流れ図である。
【0147】
図17に示すように、ライン及びスペースパターン形成用マスクの製造方法は、基板に第1方向と第2方向にライン及びスペースパターンを形成するための第1マスクを露光して第1スティッチング工程を進行する段階S110と、第1スティッチング工程によってショット(shots)の1回干渉によって干渉のない基準エネルギより高いエネルギを有する1回干渉領域の露光エネルギ又は線幅を測定する段階S120と、前記第1スティッチング工程によってショット(shots)の2回干渉によって基準エネルギより高いエネルギを有する2回干渉領域の露光エネルギ又は線幅を測定する段階S130と、前記1回干渉領域の露光エネルギ又は線幅に基づいて、前記1回干渉領域に対応する前記第1マスクの1回干渉マスク領域に線幅を増加させるように第1光学的近接補正を行い、前記2回干渉領域の露光エネルギ又は線幅に基づいて、前記2回干渉領域に対応する前記第1マスクの2回干渉マスク領域に線幅を増加させるように第2光学的近接補正を行い、第2マスクを形成する段階S140と、を含む。
【0148】
前記第1スティッチング工程S110は、前記第1方向に前記第1マスクの第1ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第1露光工程を行う段階と、前記2方向に離隔して第1ショット(shots)とオフセットを有するように前記第1マスクの第2ショット(shots)が互いに接触するように前記基板に第2露光工程を行う段階と、を含む。
【0149】
前記第1光学的近接補正は同一のピッチを有し、ラインの線幅を第1変動量だけ増加させる。前記第2光学的近接補正は同一のピッチを有し、ラインの線幅を第2変動量だけ増加させる。前記第2変動量は前記第1変動量より大きく、前記第1変動量は前記1回干渉領域の露光エネルギと干渉のない領域の基本露光エネルギとの差に比例する。
【0150】
その次に、第1光学的近接補正及び第2光学的近接補正が行われた第2マスクでスティッチング工程を進行する。
【0151】
本発明を特定の好ましい実施例に対して図示して説明したが、本発明はこのような実施例に限らず、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が特許請求の範囲で請求する本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で実施できる多様な形態の実施例を全て含む。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【
図1】本発明の一実施例によるスティッチング工程によって基板全体を露光することを説明する概念図である。
【
図2】
図1のスティッチング工程によるショットの干渉形態を示す拡大図である。
【
図3】
図2のショットの干渉形態を示す電子顕微鏡写真である。
【
図4】マスクピッチ(P=100nm)とマスクライン線幅(LW=50nm)の条件で露光エネルギに応じるフォトレジストのライン線幅を示すグラフである。
【
図5】本発明の一実施例によるマスクの線幅別に露光エネルギに応じるフォトレジストの線幅を示す実験結果である。
【
図6】本発明の一実施例によるスティッチング工程を示す概念図である。
【
図7】
図6のスティッチング工程を示す拡大図である。
【
図8】
図6のショットを示す電子顕微鏡の写真である。
【
図9】本発明の一実施例による同一のピッチでマスクのライン線幅にしたがう露光エネルギに応じるフォトレジストのライン線幅を表示する実験結果である。
【
図10A】本発明の一実施例によるOPCのないマスクとレジストの領域別特性を示す概念図である。
【
図10B】本発明の一実施例によるOPCを有するマスクとレジストの領域別特性を示す概念図である。
【
図11A】本発明の一実施例において、100nmのマスクピッチで露光エネルギの差に応じるマスクの光学的近接補正の変動量を示す。
【
図11B】本発明の一実施例において、120nmのマスクピッチで露光エネルギの差に応じるマスクの光学的近接補正の変動量を示す。
【
図12】本発明の一実施例による光学的近接補正を行ったマスクを使用してフォトレジストのショットを示す電子顕微鏡写真である。
【
図13】本発明の一実施例による光学的近接補正を行ったマスクを示す概念図である。
【
図14】本発明の他の実施例によるスティッチング工程を示す拡大図である。
【
図15】本発明の他の実施例にスティッチング工程を行うマスクを示す図面である。
【
図16】本発明の他の実施例によるネガティヴフォトレジストの線幅を示す。
【
図17】ライン及びスペースパターン形成用マスクの製造方法を説明する流れ図である。