(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】遊技台
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
A63F5/04 615
A63F5/04 613B
A63F5/04 620
(21)【出願番号】P 2024095948
(22)【出願日】2024-06-13
【審査請求日】2024-07-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597044139
【氏名又は名称】株式会社大都技研
(74)【代理人】
【識別番号】100107102
【氏名又は名称】吉延 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100164242
【氏名又は名称】倉澤 直人
(72)【発明者】
【氏名】藤本 誠
【審査官】渡辺 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特許第7509469(JP,B1)
【文献】特許第7509471(JP,B1)
【文献】特開2015ー62455(JP,A)
【文献】特開2020-31913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行を制御する制御手段と、
回転可能なリールと、
回転している前記リールを停止させるための停止操作が行われる停止操作手段と、
前記リールの基準位置を検出可能な検出手段と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態で行われることで、回転している前記リールを停止させる制御を実行可能な手段であり、
前記リールの回転が開始されてから第二の条件が満足された後に第一の条件が満足されると前記停止可能状態が設定される第一の場合があり、
前記リールの回転が開始されてから前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されなくても前記停止可能状態が設定される第二の場合があり、
前記第一の条件は、前記検出手段により前記基準位置が検出されることであり、
前記第二の条件は、前記リールの回転状態が定速で回転する定速状態であることであり、
特定事象が発生した後の最初の前記停止操作が求められる遊技で前記第一の場合となり、
前記第一の条件が満足された遊技の次の遊技から前記特定事象が新たに発生するまでの遊技のうち少なくとも一部の遊技において前記第二の場合となり、
第一の停止表示結果を導出可能な第一の当選結果を決定可能に構成され、
前記第一の停止表示結果が導出されると該第一の停止表示結果に関連する第一の処理が行われるよう構成され、
前記第二の場合であり前記第一の当選結果が決定された遊技において、特殊事象が発生した場合には、前記第一の停止表示結果が導出されなくても前記第一の処理が行われるよう構成されている、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台であって、
前記特殊事象とは、前記検出手段により検出された前記基準位置に基づいて前記制御手段が把握している前記リールの回転方向の位置と、実際の該リールの回転方向の位置とが異なって前記リールが停止されたことである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1に記載の遊技台であって、
前記第一の当選結果は、前記停止操作の態様に関わらず前記第一の停止表示結果が導出される当選結果であり、
前記特殊事象とは、前記第一の停止表示結果が導出されなかったことである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の遊技台であって、
前記第一の処理とは、前記第一の停止表示結果が導出された場合に遊技者に特典を付与する処理のことである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の遊技台であって、
前記第一の処理とは、前記第一の停止表示結果が導出された場合に、該第一の停止表示結果に対応する第一の演出を実行する処理のことである、
ことを特徴とする遊技台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技台の一つとして、例えば、スロットマシンが知られている。このスロットマシンは、所定の数の遊技媒体を使用し、かつスタートレバーが操作されることで、複数ある役の中から内部当選役を決定する抽選を行うとともに、複数あるリールを回転させ、決定された内部当選役とストップボタンの操作結果に基づいてリールを停止させ、停止されたリールの態様によって入賞したと判定された役に応じた利益を付与するように構成されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような遊技台では、リールの停止位置を制御するため、一定の条件のもと、遊技者による操作にしたがって遊技を進行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の遊技台では、遊技進行においては未だ改善の余地がある。
【0006】
本発明は、遊技の進行に特徴を持った遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決する本発明の遊技台は、
遊技の進行を制御する制御手段と、
回転可能なリールと、
回転している前記リールを停止させるための停止操作が行われる停止操作手段と、
前記リールの基準位置を検出可能な検出手段と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態で行われることで、回転している前記リールを停止させる制御を実行可能な手段であり、
前記リールの回転が開始されてから第二の条件が満足された後に第一の条件が満足されると前記停止可能状態が設定される第一の場合があり、
前記リールの回転が開始されてから前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されなくても前記停止可能状態が設定される第二の場合があり、
前記第一の条件は、前記検出手段により前記基準位置が検出されることであり、
前記第二の条件は、前記リールの回転状態が定速で回転する定速状態であることであり、
特定事象が発生した後の最初の前記停止操作が求められる遊技で前記第一の場合となり、
前記第一の条件が満足された遊技の次の遊技から前記特定事象が新たに発生するまでの遊技のうち少なくとも一部の遊技において前記第二の場合となり、
第一の停止表示結果を導出可能な第一の当選結果を決定可能に構成され、
前記第一の停止表示結果が導出されると該第一の停止表示結果に関連する第一の処理が行われるよう構成され、
前記第二の場合であり前記第一の当選結果が決定された遊技において、特殊事象が発生した場合には、前記第一の停止表示結果が導出されなくても前記第一の処理が行われるよう構成されている、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技台によれば、遊技の進行に特徴を持った遊技台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係るスロットマシンの図柄表示窓の表示領域と入賞ラインとの関係を示した図である。
【
図3】本実施形態に係るスロットマシンの制御部の回路ブロック図である。
【
図4】(a)は、本実施形態に係るスロットマシンの各リールに施される図柄の配列を表面的に展開して示した図、及び図柄番号カウンタと図柄間隔カウンタの関係を示す図であり、(b)は、入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るスロットマシンのリール回転装置の外観を示す分解斜視図である。
【
図6】本実施形態に係るスロットマシンのリール回転装置を構成するリール駆動ユニットの分解斜視図である。
【
図7】本実施形態に係るスロットマシンのリール駆動ユニットを組み立てた状態を示す略示側面図及び略示正面図である。
【
図8】本実施形態に係るスロットマシンのリールに用いられるステッピングモータの分解斜視図である。
【
図9】
図8に示すステッピングモータのステータの磁極配置を示す図である。
【
図10】本実施形態に係るステッピングモータを励磁する励磁テーブルの内容を示す表である。
【
図11】本実施形態の回転制御テーブルの内容を示す表である。
【
図12】本実施形態に係るスロットマシンの主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】
図12に示すステップS128における疑似遊技関連処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図13に示すステップS1282における疑似遊技のリール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】
図13に示すステップS1283における疑似遊技のリール停止制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図13に示すステップS1284における疑似次遊技開始処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】
図12に示すステップS105のリール回転開始処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【
図18】
図17に示すステップS1336におけるランダム遅延回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【
図19】
図12に示すステップS143における特典付与抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【
図20】
図12に示すステップS145における疑似遊技予約処理の流れを示すフローチャートである。
【
図21】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【
図22】
図21に示すステップS207のストップボタン表示制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【
図23】
図21に示すステップS208のリール回転制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【
図24】
図23に示すステップS208gのリール制御判定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【
図25】
図24に示すステップS306の加速制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【
図26】
図24に示すステップS308の第一定速制御処理を詳しく示すフローチャートである。
【
図27】
図24に示すステップS310の第二定速制御処理を詳しく示すフローチャートである。
【
図28】
図23に示すステップS208dのストップボタン受付処理を詳しく示すフローチャートである。
【
図29】
図22に示すステップS208d5の引込みカウンタ設定処理を詳しく示すフローチャートである。
【
図30】
図24に示すステップS313の引込み制御処理を詳しく示すフローチャートである。
【
図31】
図18に示すステップS312のブレーキ制御処理を詳しく示すフローチャートである。
【
図32】(a)は第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートであり、(b)は第1副制御部400のコマンド入力処理のフローチャートであり、(c)は第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、(d)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【
図33】電源投入後の最初のスタートレバー135の操作でN遊技目が開始され、2回目のスタートレバー135の操作でN+1遊技目が開始された場合の具体例を示すタイミングチャートである。
【
図34】遮光片の検出を待たずにリールを停止操作することができる状態でリールが回転している中、電断復電が生じた例を示すタイミングチャートである。
【
図35】N遊技目に疑似遊技が行われ、続くN+1遊技目では遮光片の検出を待たずにリールを停止操作することができる具体例を示すタイミングチャートである。
【
図36】N遊技目の途中で前面扉102の開放が検知され、次遊技のN+1遊技のリール停止後に前面扉102が閉鎖された例を示すタイミングチャートである。
【
図37】前面扉102が開放され、リールにコマずれが発生した場合の具体例を示す図である。
【
図38】導出ターゲット領域と遮光片の位置との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
【0012】
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(
図1において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110~112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
【0013】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110~112が構成されている。リール110~112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110~112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110~112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0014】
各々のリール110~112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110~112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110~112を停止させる。
【0015】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。以下、有効となる入賞ラインを有効ラインと呼ぶ場合がある。
【0016】
図2は、図柄表示窓113の9つの表示領域1~9と、上述の5本の入賞ラインとの関係を示した図である。本実施形態では、表示領域1、4、7によって構成される上段水平入賞ライン(水平入賞ラインL2)、表示領域2、5、8によって構成される中段水平入賞ライン(水平入賞ラインL1)、表示領域3、6、9によって構成される下段水平入賞ライン(水平入賞ラインL3)、表示領域3、5、7によって構成される右上がり入賞ライン(対角入賞ラインL4)、表示領域1、5、9によって構成される右下がり入賞ライン(対角入賞ラインL5)の5本の入賞ラインがある。
【0017】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0018】
メダル投入ボタン130~132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットと言う)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると2枚投入され、メダル投入ボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、メダル投入ボタン132はMAXメダル投入ボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0019】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130~132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
【0020】
スタートレバー135は、リール110~112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン130~132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110~112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0021】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137~139が設けられている。ストップボタン137~139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110~112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110~112に対応づけられている。以下、ストップボタン137~139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。なお、各ストップボタン137~139の内部には発光体137a~139aが設けられており、ストップボタン137~139の操作が可能である場合、該発光体137a~139aを点灯させて遊技者に知らせる。すなわち、発光体137a~139aは、ストップボタン137~139ごとに、停止操作が受け付けられる状態であること、言い換えれば、リールごとに、リールの回転を停止することができる状態であることを報知するものである。各発光体137a~139aは、例えば、LEDであり、複数の発光態様(例えば、点滅、消灯、第1色での発光、第2色での発光、色は連続的に変化させながらの発光等)で動作することができる。
【0022】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
【0023】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
【0024】
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された演出画像表示装置157(図示省略、液晶表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが演出画像表示装置157の手前で水平方向外側に開くと演出画像表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
【0025】
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0026】
<制御部の回路構成>
次に、
図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
【0027】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0028】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0029】
基本回路302は、0~65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路332を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路332から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0030】
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(メダル投入ボタン130センサ、メダル投入ボタン131センサ、メダル投入ボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。また、各種センサ318には、前面扉102の開放を検知する扉開放センサも含まれており、CPU304は、前面扉102が開放されたか否かも監視している。
【0031】
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0032】
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137~139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0033】
メダル投入ボタン130センサ、メダル投入ボタン131センサ、およびメダル投入ボタン132センサは、メダル投入ボタン130~132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0034】
左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、および右リール112のインデックスセンサは、各リール110~112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をリセットし、リールの停止位置を算出可能になる。
【0035】
主制御部300は、リール110~112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
【0036】
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。さらに、主制御部300(情報出力回路334)は、IF基板(試験用の中継基板)を介して、外部の試験機に各種の試験用信号を出力する。
【0037】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
【0038】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
【0039】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0040】
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS-ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0041】
第1副制御部400には、また、駆動回路422が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
【0042】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、演出画像表示装置157やシャッタ163などの制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の制御を行う制御部、シャッタ163の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0043】
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
【0044】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0045】
また、第2副制御部500には、シャッタ163を駆動する駆動回路530が設けられ、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0046】
また、第2副制御部500には、センサ回路532が設けられ、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538が接続されている。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538の状態を監視している。
【0047】
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0048】
<図柄配列>
図4(a)を用いて、上述の各リール110~112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0049】
各リール110~112には、複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、図柄番号カウンタの番号が0~20の21コマ。なお、図柄間隔カウンタ及び図柄番号カウンタに関しては、詳しくは後述する)だけ配置されている。また、同図の左に示した番号0~20は、各リール110~112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号0のコマにはセブン図柄、中リール111の番号1のコマにはリプレイ図柄、右リール112の番号2のコマにはベル図柄、がそれぞれ配置されている。
【0050】
有効ライン上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞役の図柄組合せとなった場合には、当該入賞役に入賞と判定される。本実施形態における入賞役には、所定数のメダルが払い出される小役のほか、作動役、つまり、ボーナス遊技に移行する役であるビッグボーナスや新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役であるリプレイも含まれる。すなわち、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナスやリプレイへの入賞が含まれる。以下、入賞役について詳述する。
【0051】
<入賞役の種類>
図4(b)は、入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
【0052】
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ、リプレイ2、リプレイ3)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナスおよび再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナスへの入賞および再遊技への入賞が含まれる。
【0053】
本実施形態の入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ、リプレイ2、リプレイ3)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用することができる。例えば、ビッグボーナスとは別にレギュラーボーナスを設けてもよい。あるいはビッグボーナスもレギュラーボーナスも設けずに、AT(アシトタイム)やART(アシストリプレイタイム)を利用するようにしてもよい。
【0054】
「ビッグボーナス(BB)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BBが「7-7-7」である。また、BBについてはフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態(BB内部当選状態)が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中となり、BBに対応する図柄組み合わせ「7-7-7」が揃って、BBに入賞する状態にある。
【0055】
「小役(ベル、スイカ、チェリー)」(以下、単に、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、ベルが「ベル-ベル-ベル」、スイカが「スイカ-スイカ-スイカ」、チェリーが「チェリー-ANY-ANY」と「ブランク-ANY-ANY」であり、ブランク図柄はチェリー図柄の代用図柄である。また、対応する払出枚数は
図4(b)に示す通りである。なお、「チェリー-ANY-ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0056】
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。
【0057】
なお、対応する図柄組合せは、再遊技役1(リプレイ)は「リプレイ-リプレイ-リプレイ(通常リプレイ)」、再遊技役2(リプレイ2)は「リプレイ-リプレイ-ベル(高確率再遊技突入リプレイ)」、再遊技役3(リプレイ3)は「リプレイ-ベル-リプレイ(高確率再遊技パンクリプレイ)」である。通常遊技状態でリプレイ2に入賞すれば、リプレイ(再遊技役)の内部当選確率が高確率な状態(再遊技高確率状態)に移行するが、再遊技高確率状態でリプレイ3に入賞してしまうと、通常遊技状態に戻ってしまう。
【0058】
<リール回転装置>
次に、
図5~
図7を用いて、スロットマシン100のリール110~112を回転させるリール回転装置10について詳細に説明する。
図5は、スロットマシン100のリール回転装置10を示す外観斜視図で、リール回転装置10は、概略、リール駆動ユニット20~40と、これらを収納するケース部材12とで構成されている。リール駆動ユニット20~40は、リール帯610(
図6参照)に印刷される図柄の配列(
図4(a)参照)が異なるだけで、構造的には、いずれも同一の部品で構成されている。各リール駆動ユニット20~40(以下、同一構成のため、リール駆動ユニット20について説明する)は、それぞれ個別にケース部材12内に着脱可能に収納されている。
【0059】
図6は、リール駆動ユニット20の分解斜視図である。また、
図7(a)はリール駆動ユニット20を組み立てた状態を示す略示側面図であり、同図(b)はその略示正面図である。なお、
図7(a)および(b)では、説明の都合上、一部の部材の図示を省略している。リール駆動ユニット20は、図柄を移動表示させるための構成として、リール110と、このリール110を回転駆動する駆動装置604と、リール110の回転位置を検出する回転検出装置606と、リール110の内部から各リール110に施された図柄を照明するリール照明装置608と、を有している。
【0060】
リール110は、薄肉円筒状のリール帯610と、このリール帯610の左側側面に取り付けられ、リール帯610の左側側面を支持する第1リール枠612と、リール帯610の右側側面に取り付けられ、リール帯610の右側側面を支持する第2リール枠614によって構成されている。
【0061】
第1リール枠612は、円環状の枠部612Aと、この枠部612Aを基端として枠部612Aの中心部に向けて延出形成された6本の支持部612Bと、この6本の支持部612Bの先端部を基端として駆動装置604に向けて突出形成された円筒形状の取付部612Cによって構成されている。
【0062】
6本の支持部612Bのうちの1本には、板状の遮光片612Dが回転検出装置606に向けて突出形成されており、後述するインデックスセンサ606Aの投光部と受光部の間を、この遮光片612Dが通過するように構成される。また、円筒形状の取付部612Cには、その円周方向4か所に略等間隔(この例では、約90度間隔)で4つの係合凹部が形成されている。この4つの係合凹部は、可動体ギヤ620の4つの係合凸部にそれぞれ嵌合され、これにより、第1リール枠612が可動体ギヤ620に係合固定される。
【0063】
第2リール枠614は、第1リール枠612の枠部612Aと略同一径の円環状の部材からなり、リール帯610を挟んで第1リール枠612の反対側に配設される。
【0064】
駆動装置604は、駆動モータ616と、この駆動モータ616のモータ軸616Aに取り付けられる駆動ギヤ618と、この駆動ギヤ618と噛合する可動体ギヤ620と、この可動体ギヤ620を支持部材623およびワッシャ621を介して回転可能に支持する台座622によって構成されている。なお、駆動モータ616および台座622は、複数の取付ネジ624によって板状の金属枠体626に固定支持される。
【0065】
駆動モータ616は、本実施形態では、1-2相励磁式のステッピングモータ700によって構成されている(詳細は後述する)。可動体ギヤ620は、駆動ギヤ618よりも大径なギヤによって構成されており、可動体ギヤ620および駆動ギヤ618によってギヤセットが構成される。また、上述のように、可動体ギヤ620は、第1リール枠612の取付部612Cに係合された後、取付ネジ624やワッシャ621を用いて第1リール枠612に固定されるとともに、台座622に回転可能に支持され、第1リール枠612と共に回転可能な構造となっている。
【0066】
回転検出装置606は、投光部と受光部からなる光学式のインデックスセンサ606Aと、このインデックスセンサ606Aが取り付けられる取付台座606Bによって構成されており、インデックスセンサ606Aの投光部と受光部の間を、第1リール枠612に設けられた遮光片612Dが通過するように構成されている(
図7(b)参照)。なお、取付台座606Bは、取付ネジ624によって金属枠体626に固定される。スロットマシン100は、この回転検出装置606の検出結果に基づいてリール110~112上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110~112を停止させる。すなわち、主制御部300は、回転するリール110の遮光片612Dがインデックスセンサ606Aによって検出されたことで、リールの回転位置情報をリセットし、リールの停止位置を制御可能になる。
【0067】
リール照明装置608は、一本の冷陰極管を中央部に配置した照明基板608Bと、この照明基板608Bを取り付けた状態で、冷陰極管から出射される光を所定の方向に導くための導光板を含んで構成された照明ケース608Cと、照明基板608Bの裏面を覆う裏面カバー608Aとで構成されている。なお、照明ケース608Cは、照明基板608Bおよび裏面カバー608Aが取り付けられた状態で、取付ネジ624によって金属枠体626に固定される。
【0068】
<ステッピングモータ>
図8は、ステッピングモータ700の分解斜視図である。ステッピングモータ700は、
図8に示すように、モータ軸710と、モータ軸710を支持するケース部材720と、ケース部材720に配設されてモータ軸710を支持する第1の軸受722および第2の軸受724と、ケース部材720の内部に配設され、固定された電磁石からなるステータ730と、モータ軸710に回転可能に取り付けられるロータ740と、から構成されている。本実施形態のステッピングモータ700は、PM(Permanent Magnet)型ステッピングモータであり、1-2相励磁式の96ステップでモータが1回転するように構成されている。なお、本実施形態では、リールとモータのギア比は1:5.25となっているので、504ステップ(=5.25×96)でリールは1回転するようになっている。
【0069】
モータ軸710は、
図6や
図7に示す駆動ギヤ618が取り付けられて動力を出力する軸である。以下、モータ軸710の駆動ギヤ618が取り付けられる方の端部を出力端710A、この反対側の端部を後端710Bと呼ぶことにする。
【0070】
ケース部材720は、一端が開口した略円筒状のベース部720Aおよびベース部720Aの開口部を塞ぐように配設される蓋部720Bからなる、有底の中空円筒体である。ケース部材720は、ステータ730およびロータ740を内部に収容すると共に、ベース部720Aの底部から蓋部720Bまで貫通するモータ軸710を、第1の軸受722および第2の軸受724を介して支持している。また、ベース部720Aには、
図6に示す金属枠体626に固定支持するための取付ネジ624が挿通される孔を備えた固定部材720Cが設けられている。
【0071】
第1の軸受722は、ケース部材720の蓋部720Bの略中央に配設され、モータ軸710を出力端710A近傍において回転可能に支持する略円筒状の滑り軸受である。
【0072】
第2の軸受724は、ケース部材720のベース部720Aの底部の略中央に配設され、モータ軸710を後端710B近傍において回転可能に支持する略円筒状の滑り軸受である。
【0073】
ステータ730は、ロータ740を取り囲むように配設され、上下2段に亘って駆動コイルが巻かれている(A相、B相)。本実施形態では、
図8に示すように、磁極歯は三角形を形成しており(上向きをA相及びB相、下向きをA-相、B-相と称する。A相とB相は電気角90度の位相関係、A相とA-相及びB相とB-相は電気角180度の位相関係)、各磁極(A相、A-相、B相、B-相)は1周12歯となっている。
図9は、ステータ730の磁極の配置を示す図である。
図9に示すように、各磁極は、右回りにA相、B相、A-相、B-相の順序で円周状に配置されている。
【0074】
ロータ740は、本実施形態の場合、永久磁石で構成されており、磁極数は24である。
【0075】
ここで、ステッピングモータ700の動作原理について説明する。ステッピングモータ700は、ステータ730に巻回されたコイルに電流を流してステータ730の各相を後述する励磁パターンに基づいて、順番に磁化させ、ロータ740を磁力で引き付けることによってロータ740を回転させるように構成されている。
【0076】
1-2相励磁式では、上述したステータ730の4相を、例えば、A相(1相励磁)→A相及びB相(以下、AB相という。2相励磁)→B相(1相励磁)→A-相及びB相(以下、A-B相という。2相励磁)→A-相(1相励磁)→A-相及びB-相(以下、A-B-相という。2相励磁)→B-相(1相励磁)→A相及びB-相(以下、AB-相という。2相励磁)→A相(1相励磁)→・・・の順序で励磁することにより、ロータ740を一定の方向に回転させるようになっている。
【0077】
より詳しくは、主制御部300のCPU304は、
図3に示す駆動回路322を介して、ステッピングモータ700のステータ730の励磁を行う相にオンレベルのパルス信号(例えば、ハイレベルの信号)を出力すると同時に、励磁を行わない相にオフレベルのパルス信号(例えば、ローレベルの信号)を出力することによって所定の相の励磁を行う。これにより、ステッピングモータ700のロータ740は所定の角度(1ステップ)だけ回転される。例えば、主制御部300のCPU304は、ステッピングモータ700のステータ730のA相にオンレベルのパルス信号を出力すると同時に、B相、A-相、B-相にオフレベルのパルス信号を出力することによって、A相のみ励磁してロータを1パルス分(1ステップ)だけ回転させ、以後、上述の順序で励磁を切り替えることによってロータを所定のパルス分だけ回転させる。なお、A相→AB相→B相→A-B相→A-相→A-B-相→B-相→AB-相(またはA相→AB-相→B-相→A-B-相→A-相→A-B相→B相→AB相)の8パルス分(8ステップ)の回転を、以下、1サイクルと称する。
【0078】
本実施形態では、上述したようにリールを1回転(360度回転)させるのに必要なパルス数を504パルス(504パルス/8パルス=63サイクル)に設定している。したがって、1パルスあたりのロータ740の回転角度は、約0.71428度(=360/504)である。
【0079】
また、リールを1回転(360度回転)させるのに必要なステップ数(パルス数)が504ステップであって、
図4(a)を用いて説明したように一つのリールには21コマの図柄が配置されていることから、1コマ分のステップ数は504/21=24ステップになる。
【0080】
<励磁テーブル>
CPU304から駆動回路322に出力される駆動信号は、ROM306上に励磁テーブルとして記憶されている。CPU304はこの励磁テーブルを参照することにより、指示された駆動信号を出力するようになっている。
図10は、本実施形態の励磁テーブルの内容を示す表である。各励磁テーブルのデータ(リールの回転制御を行うためのデータなので、回転制御データともいう)は、6つのビットデータ(具体的には、A-I0、A-I1、A-Phase、B-I0、B-I1、B-Phase)を組み合わせて、励磁する相及び励磁力を表わすように構成されている。具体的には、A-I0とA-I1の組合せは、A相またはA-相のコイルを励磁するための電流の大きさ(励磁力)を示しており、A-I0が0、A-I1が0の場合には0%、A-I0が1、A-I1が0の場合には20%、A-I0が0、A-I1が1の場合には60%、A-I0が1、A-I1が1の場合には100%であることを示しており、A-Phaseが1の場合にはA相の励磁、0の場合にはA-相の励磁を示している。同様にして、B-I0とB-I1の組合せは、B相またはB-相のコイルを励磁するための電流の大きさ(励磁力)を示しており、B-I0が0、B-I1が0の場合には0%、B-I0が1、B-I1が0の場合には20%、B-I0が0、B-I1が1の場合には60%、B-I0が1、B-I1が1の場合には100%であることを示しており、B-Phaseが1の場合にはB相の励磁、0の場合にはB-相の励磁を示している。
【0081】
例えば、テーブル番号が「B0」の励磁テーブル「55H」は、A-I0が1、A-I1が0、A-Phaseが1、B-I0が1、B-I1が0、B-Phaseが1となっているので、AB相を20%で励磁することを示している。また、テーブル番号が「C2」の励磁テーブル「26H」は、A-I0が0、A-I1が1、A-Phaseが1、B-I0が0、B-I1が0、B-Phaseが0となっているので、A相を60%で励磁することを示している(B-相は0%のため励磁なし)。したがって、テーブル番号を「C0」→「C1」→「C2」→「C3」→「C4」→「C5」→「C6」→「C7」と切り替えていく場合には、AB相→A相→AB-相→B-相→A-B-相→A-相→A-B相→B相の順序で各相を60%励磁して、ロータ740を1サイクル分の角度だけ回転させることができる。このように本実施形態では、6ビットで構成された励磁テーブルのデータ(回転制御データ)を駆動信号として駆動回路322に出力することにより、リールは回転制御されるようになっている。なお、本実施形態では、
図10に示すように、励磁力0%を励磁なし、励磁力20%を弱励磁、励磁力60%を中励磁、励磁力100%を強励磁とも表記する。
【0082】
<回転制御テーブル>
図11は、本実施形態の回転制御テーブルの内容を示す表である。回転制御テーブルは、ROM306上に記憶されており、リール制御ステータスごとの回転制御の内容(具体的には、汎用オフセットカウンタ値、励磁テーブル、保持パラメータで構成される)を記憶している。リール制御ステータスとは、各リール110~112それぞれのリールごとに独立して記憶されるリールの制御状態に関する情報であり、リール110~112それぞれのリールが停止状態であることを示す情報である「停止制御状態(停止制御中)」、リール110~112それぞれのリールが加速状態であることを示す情報である「加速状態(加速制御中)」、リール110~112それぞれのリールが定速状態であることを示す情報である「定速状態(定速制御中)」、リール110~112それぞれのリールが引込み状態であることを示す情報である「引込み状態(引込み制御中)」,リール110~112それぞれのリールがブレーキ状態であることを示す情報である「ブレーキ状態(ブレーキ制御中)」、リール110~112それぞれのリールがリール演出(詳細は後述)中であることを示す情報である「リール演出制御中」のいずれかの情報が記憶される。なお、本実施形態では、定速状態は励磁力が異なる2つの状態にさらに分類され、加速状態の直後に設定される「定速1状態(定速1制御中)」と定速1状態(定速1制御中)の直後に設定される「定速2状態(定速2制御中)」とが存在する。定速1状態は、リール110~112を安定して回転させるとともに、省電力を図るために設けられ、定速2状態は、より励磁力を弱くしてリール110~112の発熱を抑制するために設けられている。本実施形態のスロットマシン100は、リール制御ステータスを、停止制御中→加速制御中→定速1制御中→定速2制御中→引込み制御中→ブレーキ制御中→停止制御中と変化させて、各リールステータスに対応した励磁テーブル(回転制御データ)を選択することにより、リール110~112の回転制御を行っている。
【0083】
例えば、リール制御ステータスが「加速制御中」においては、
図11に示すように、まず、汎用オフセットカウンタ値「0」に対応する励磁テーブル「77H」の回転制御データを「12」保持時間、次いで、汎用オフセットカウンタ値「1」に対応する励磁テーブル「07H」の回転制御データを「12」保持時間、次いで、汎用オフセットカウンタ値「2」に対応する励磁テーブル「37H」の回転制御データを「3」保持時間、次いで、汎用オフセットカウンタ値「3」に対応する励磁テーブル「30H」の回転制御データを「3」保持時間・・・というように表の最上行から下行に向けて順次回転制御データを設定していく。そして、順次設定される回転制御データの保持時間を徐々に少なくしていくことにより、リール110~112を加速させている。
【0084】
なお、汎用オフセットカウンタ値とは、各リール制御ステータスにおいて、それぞれの回転制御データを実行する順序を示す番号となっており(0オリジン)、7の次は0に戻る循環値となっている。また、保持時間(保持パラメータ)とは、セットされた回転制御データを保持する時間を示しており、1保持時間は、1割込時間(例えば、1.49ms)を示している。したがって、
図11に示すように、本実施形態の「加速制御中」は、1-2相100%励磁(強励磁)が行われ、89.4ms(=1.49×60)の時間を要するように構成されている。
【0085】
また、リール制御ステータスが「定速1制御中」においては、
図11に示すように、まず、汎用オフセットカウンタ値「0」に対応する励磁テーブル「77H」の回転制御データを「1」保持時間、次いで、汎用オフセットカウンタ値「1」に対応する励磁テーブル「07H」の回転制御データを「1」保持時間、次いで、汎用オフセットカウンタ値「2」に対応する励磁テーブル「37H」の回転制御データを「1」保持時間、・・・というように表の最上行から下行に向けて順次回転制御データを設定し、表に記載された回転制御データを1セットとして16回繰り返す。すなわち、順次設定されていく回転制御データを1保持時間で切り替えて16セット実行することにより、リールを安定して定速に回転させている。この結果、本実施形態の「定速1制御中」は、1-2相100%励磁(強励磁)で190.72ms(=1.49×8×16セット)の時間を要するように構成されている。以上説明した定速1制御中は、1セットの回転制御データといった制御パターンを予め定められた回数だけ必ず繰り返す制御になる。
【0086】
また、リール制御ステータスが「定速2制御中」においては、
図11に示すように、まず、汎用オフセットカウンタ値「0」に対応する励磁テーブル「66H」の回転制御データを「1」保持時間、次いで、汎用オフセットカウンタ値「1」に対応する励磁テーブル「06H」の回転制御データを「1」保持時間、次いで、汎用オフセットカウンタ値「2」に対応する励磁テーブル「26H」の回転制御データを「1」保持時間、・・・というように表の最上行から下行に向けて順次回転制御データを設定していく。すなわち、順次設定されていく回転制御データを1保持時間で切り替えていくことにより、リールを定速で回転させている。この結果、本実施形態の「定速2制御中」は、詳しくは後述する停止可能状態における停止操作があるまで、1-2相60%励磁(中励磁)の状態が継続されるように構成されている。以上説明した定速2制御は、汎用オフセットカウンタ値が「0」~「7」の回転制御データといった制御パターンを不定数回繰り返し、停止可能状態における停止操作が行われると、制御パターンの途中であっても定速2制御を終了する。
【0087】
また、リール制御ステータスが「引込み制御中」においては、「定速2制御中」において使われた回転制御データが引き続き、順次設定されていく。例えば、「定速2制御中」において、汎用オフセットカウンタ値が「5」に対応する励磁テーブル「42H」の回転制御データを「1」保持時間を設定した後に「引込み制御中」に移行する場合には、汎用オフセットカウンタ値「6」に対応する励磁テーブル「62H」の回転制御データを「1」保持時間、次いで、汎用オフセットカウンタ値「7」に対応する励磁テーブル「64H」の回転制御データを「1」保持時間設定した後に、引込みコマ数に相当するステップ数(引込みコマ数×24)、汎用オフセットカウンタ値が0~7に対応する各励磁テーブルの回転制御データを「1」保持時間ずつ順次繰り返し設定していく(本実施形態では、AB相で停止させるため)。
【0088】
以下の説明では、第二定速制御処理(
図21)と引込み制御処理(
図24)に分けて処理が行われるが、「定速2制御中」と「引込み制御中」を合わせて
図11に示す「第二定速制御」の実行中になる。
【0089】
また、リール制御ステータスが「ブレーキ制御中」においては、
図11に示すように、1-2相100%励磁(強励磁)を74.5msの間行うことで、回転するリールにブレーキがかけられ、リールが停止される。
【0090】
さらに、リール制御ステータスが「リール停止制御中」においては、
図11に示すように、1-2相20%励磁(弱励磁)を継続することで、停止状態を保持させる。
【0091】
次に、スロットマシン100における各種処理について説明する。
【0092】
<主制御部メイン処理>
まず、
図12を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0093】
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU304が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU304が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
【0094】
電源投入が行われると、まず、ステップS101では、各種の初期設定を行う。この初期設定では、
図3に示すCPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0095】
主制御部300のRAM308には、加速情報初期化完了フラグが用意されている。この加速情報初期化完了フラグは、初回加速情報を、遊技の開始操作においてクリアするか否かを表すフラグである。初回加速情報とは、左リール110では、
図6に示すインデックスセンサ606Aの投光部と受光部の間を、第1リール枠612に設けられた遮光片612Dが通過したか否かを表す情報である。すなわち、初回加速情報の値が「1」であれば遮光片を検出済みであることを表し、「0」であれば遮光片を未検出であることを表す。例えば、加速情報初期化完了フラグが0であるかの判定処理において、加速情報初期化完了フラグが0であれば、その後の処理で加速情報初期化完了フラグに1がセットされ、3つのリール110~112それぞれの初回加速情報の値はクリアされて「0」になり、いずれのリール110~112においてもそれぞれの遮光片が未検出な状態になる。一方、加速情報初期化完了フラグが0であるかの判定処理において、加速情報初期化完了フラグが1であれば、いずれのリール110~112における初回加速情報の値もクリアされることはなく、初回加速情報の値は遮光片の検出に応じて「1」がセットされる。
【0096】
ステップS1011では、加速情報初期化完了フラグをクリアする(0にする)。
【0097】
電断状態におけるスロットマシンのメンテナンス等でリールに触れ、リールの停止位置がズレてしまう場合がある。そのため、電源投入(復電)が行われた後の最初の1遊技目では、電断状態におけるリールのズレによって、主制御部300が把握しているリール110~112上の図柄の回転方向の位置に狂いが生じている可能性があるため、各リールの遮光片の検出を待って、遮光片が検出されたリールから停止操作が有効になる。
【0098】
また、本実施形態では、本体101の内部に設置されている主制御部300の主基板上に、あるいは、主制御部300により制御される基板上に、いずれも不図示の、電源スイッチ、RAMクリアスイッチ、設定変更キー、設定変更ボタン及び役物比率・設定表示器が設けられている。設定変更キーをオン状態にしてから電源スイッチをオンにすることで、少なくとも大当り確率(AT初当たり確率やボーナス当選確率などの有利度合い)が異なる複数の設定値からいずれかに設定することができる設定変更の処理が開始される。設定変更の処理では、現在の設定値が役物比率・設定表示器に表示され、店員は、これを確認しながら設定変更ボタンを押下することにより設定値の変更を行うことができる。また、電源スイッチをオン状態にしてから設定変更キーをオンにすることで、設定確認の処理が開始され、現在の設定値が役物比率・設定表示器に表示される。なお、電源投入時にRAMクリアスイッチが押下されることを条件に設定変更キーが操作されると設定変更の処理が開始されてもよいし、電源投入時にRAMクリアスイッチの押下がなくとも、電源投入時に設定変更キーが操作された場合に設定変更可能な構成としてもよい。
【0099】
設定変更が行われると、リールの回転位置情報がクリアされ、主制御部300のCPU304は、リールの停止位置を算出不可能になる。また、3つのリール110~112それぞれの初回加速情報の値もクリアされて「0」になり、いずれのリール110~112においてもそれぞれの遮光片が未検出な状態になる。設定変更が行われた後の最初の1遊技目では、主制御部300は、リール110~112上の図柄の回転方向の位置が分からず、各リールの遮光片の検出を待って、遮光片が検出されたリールから停止操作が有効になる。このため、設定変更が行われた後の最初の1遊技目では、リールの停止操作が有効になるまでに時間がかかり、遊技者に設定変更の有無を把握される虞がある。設定変更が行われると、これまでの差枚数についてもクリアされるため、これまでのマイナス分が無くなり、これから遊技をする者が獲得することができる利益に影響が生じる。このため、設定変更が行われたことを把握できないようにしておくことが好ましい。そこで、遊技者が、設定変更の有無を把握することができないように、電源投入を伴った場合には設定変更を経由していてもいなくても一律にステップS1011において加速情報初期化完了フラグをクリアする。なお、本実施形態では、電源投入時の一連の処理で加速情報初期化完了フラグをクリアするが、設定変更時も同様に加速情報初期化完了フラグをクリアするようにしてもよい。また、初期化領域に加速情報初期化完了フラグを含ませておき、設定変更時は、設定変更に伴う初期化処理によって加速情報初期化完了フラグがクリアされるようにしてもよい。また、電源投入時に加速情報初期化完了フラグだけでなく、初回加速情報もクリアされるようにしてもよい。
【0100】
ステップS102では、メダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて
図1に示す入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、
図3に示す第1副制御部400に対してメダルが投入されたことを示すメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、有効な入賞ラインを確定し、乱数発生回路316で発生させた乱数(第1乱数値と第2乱数値)を取得する。また、このステップS102では、第1副制御部400に対してスタートレバー135が操作されたことを示すスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。
【0101】
ステップS103では、入賞役内部抽選処理を行う。この入賞役内部抽選処理では、ステップS102で取得した第1乱数値と、ROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。この内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグを内部的にオンにする。また、リール演出実行可否抽選も行う。リール演出は、回転しているリールを演出として停止したように見せかける演出であり、リール演出では、厳密にはリールは停止しておらず、揺れている。本実施形態におけるリール演出には、遊技者の操作が不要な第1リール演出と、遊技者のストップボタン137~139の操作が必要な第2リール演出がある。第1リール演出は、いわゆるリールアクションであり、第2リール演出は、いわゆる疑似遊技である。ここでの抽選は、ステップS102で取得した第2乱数値と、ROM306に格納されているリール演出実行可否抽選テーブルを用いて、第1リール演出の実行、第2リール演出の実行、およびリール演出を実行しないといった抽選結果の中からいずれか一つの抽選結果が導出される。主制御部300のRAM308には、リール演出情報の格納領域が用意されている。第1リール演出(リールアクション)に当選していれば、リール演出情報の格納領域に第1リール演出有りを設定し、第2リール演出(疑似遊技)に当選していれば、リール演出情報の格納領域に第2リール演出有りを設定する。また、第1副制御部400に対して、入賞役とリール演出それぞれの内部抽選の結果を示す内部抽選結果コマンドを送信する準備を行う。
【0102】
続くステップS1031では、疑似遊技番号が「0」でないか否かを判定する。主制御部300のRAM308には、疑似遊技番号を設定する領域が用意されている。疑似遊技番号は「0」が疑似遊技なしに対応している。疑似遊技番号は、後述する疑似遊技関連処理(ステップS1032)の終盤で「0」に設定される。また、疑似遊技番号は、同じく後述する特典付与処理(ステップS143)の中で「1」に設定される場合がある。疑似遊技番号の「1」はフェイクの疑似遊技に対応している。さらに、疑似遊技番号は、後述する疑似遊技予約(ステップS147)の中でも設定される場合がある。疑似遊技番号としてはその他に「2」がある。疑似遊技番号の「2」はBBの疑似遊技に対応している。なお、レギュラーボーナス(RB)が用意されている場合には、RBに対応した疑似遊技番号(例えば、「3」)も疑似遊技予約(ステップS147)の中で設定される場合があるようにしてもよい。ステップS127における判定で、疑似遊技番号が「0」の場合(疑似遊技なしの場合)には、ステップS131に進む。一方、疑似遊技番号が「0」でない場合(フェイクの疑似遊技、BBの疑似遊技の場合)には、ステップS128の疑似遊技関連処理に進む。
【0103】
<疑似遊技関連処理>
図13は、
図12に示すステップS128における疑似遊技関連処理の流れを示すフローチャートである。
【0104】
疑似遊技関連処理では、まず、疑似遊技番号に応じたリール停止データを選択する(ステップS1281)。すなわち、疑似遊技番号が「2」の場合にはBB図柄の停止データを選択し、疑似遊技番号が「1」の場合にはBB図柄以外の停止データを選択する。例えば、第1停止操作と第2停止操作とでセブン図柄を聴牌(引き込み制御する)させるが、第3停止操作においてセブン図柄は停止させない(蹴飛ばし制御する)停止データを選択する。
【0105】
ステップS1282では、疑似遊技のリール回転開始処理(詳しくは後述)を実行する。
【0106】
ステップS1283では、疑似遊技のリール停止制御処理(詳しくは後述)を実行する。
【0107】
ステップS1284では、疑似次遊技開始処理(詳しくは後述)を実行する。
【0108】
ステップS1285では、RAM308に用意されているランダム遅延フラグをオンに設定する。ランダム遅延フラグは、ランダム遅延をするか否かを示すフラグであり、ランダム遅延フラグがオンの場合には、ランダム遅延のリール回転開始処理を行い、ランダム遅延フラグがオフの場合には、通常のリール回転開始処理を行う。
【0109】
ステップS1286では、RAM308に用意された、疑似遊技番号を設定する領域に、疑似遊技なしに対応している「0」を設定する。ステップS1286の実行が完了すると、疑似遊技関連処理は終了になる。
【0110】
<疑似遊技のリール回転開始処理>
図14は、
図13に示すステップS1282における疑似遊技のリール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【0111】
ステップS1282aでは、各リールの加速パラメータを設定する。
【0112】
ステップS1282bでは、第1副制御部400に対する疑似遊技開始コマンドの送信準備を実行する。
【0113】
ステップS1282cでは、疑似遊技の回転開始を設定する。具体的にはステップS1282aで設定された加速パラメータを用いて各リール110~112の回転を開始させる。
【0114】
ステップS1282c1では、加速情報初期化完了フラグが0か否かを判定する。ここでの判定は、遮光片の検出を待ってリールの停止操作を受け付けるか、遮光片の検出を待たずにリールの停止操作を受け付けるかの判定につながる。すなわち、加速情報初期化完了フラグが1であれば、ステップS1282dに進み、遮光片の検出を待たずにリールの停止操作を受け付けることになる。一方、加速情報初期化完了フラグが0であれば、遮光片の検出を待ってリールの停止操作を受け付けることになり、まずは、加速情報初期化完了フラグに1をセットする(ステップS1282c2)。次いで、3つのリール110~112それぞれの初回加速情報の値をクリアして「0」にし(ステップS1282c3)、いずれのリール110~112においてもそれぞれの遮光片が未検出な状態にして、ステップS1282dに進む。この後、リールごとに、遮光片が検出されれば初回加速情報の値に「1」がセットされる(後述する
図27に示すステップS310i1)。
【0115】
ステップS1282dでは、各リール110~112の回転速度が一定であるか否かを判定する。各リール110~112の回転速度が一定である場合には、ステップS1282eに進み、そうでない場合にはステップS1282dを繰り返す。
【0116】
ステップS1282d1では、対象リールに対応する初回加速情報の値が「1」であるか否かを判定し、「1」であれば、対象リールに対応するストップボタンの操作を有効化する(ステップS1282e)。ここでの有効化は、疑似遊技における停止操作の有効化であり、疑似停止を遊技者が可能になることを意味する。一方、対象リールに対応する初回加速情報の値が「0」であれば、次の対象リールに対応する初回加速情報の値が「1」であるか否かを判定し(ステップS1282d1)、以降、ストップボタンの操作が有効化されていないリール分を繰り返す。こうすることで、疑似遊技(疑似停止操作)であっても、ステップS1282c1の判定で、加速情報初期化完了フラグが1にセットされていれば、各リールのインデックス検知を待たずとも停止操作ができるようになる。ただし、後述するように、疑似停止後のランダム遅延がされる際には、加速情報初期化完了フラグがクリアされ、疑似遊技に続いて開始される本遊技における停止操作では、リールごと遮光片の検出が必要になる。
【0117】
全てのリールについて、疑似遊技における停止操作が有効化されると、疑似遊技のリール回転開始処理は終了になる。
【0118】
<疑似遊技のリール停止制御処理>
図15は、
図13に示すステップS1283における疑似遊技のリール停止制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0119】
ステップS1283aでは、疑似遊技規制タイマを設定する。疑似遊技規制タイマは、一回の疑似遊技の時間を計測するタイマである。本実施形態では、疑似遊技規制タイマを用いて、一回の疑似遊技の実行時間を所定時間TA(具体的には約50秒)に制限している。ステップS1283aでは、疑似遊技規制タイマに初期値として所定時間TAに相当するタイマ値が設定される。所定時間TAに相当するタイマ値は、後述する主制御部タイマ割込み処理におけるタイマ更新処理(
図11に示すステップS205参照)が実行されるごとにデクリメントされる。
【0120】
ステップS1283bでは、ストップボタン137~139に対する操作があったか否かを判定する。ストップボタン137~139に対する操作があった場合には、ステップS1283cに進み、そうでない場合にはステップS1283gに進む。
【0121】
ステップS1283cでは、停止操作のあったストップボタン137~139に対応するリール110~112を疑似停止させる。
【0122】
第1停止操作および第2停止操作に対しては、引込制御を行ってもよいし、行わなくてもよい。例えば、引込範囲を超えて所定の図柄を停止させてもよいし、リールアクションを伴って停止させてもよい。あるいは、引込制御を行わず、目押しによって停止させる必要があるようにしてもよい。
【0123】
第3停止操作では、セブン図柄が聴牌した状態であれば、目押し操作に成功した場合(BBの場合にセブン図柄を引込範囲内で停止操作できた場合)だけでなく、目押し操作に失敗した場合(引込範囲内で停止操作できなかった場合)であっても、スロットマシン100は、第3停止で、セブン図柄を入賞ライン上に停止させる特殊リール制御を実行する。例えば、第3停止操作に基づいて第3停止リールがリールアクションを伴って入賞ライン上に停止させる特殊リール制御を実行してもよいし、第3停止操作に基づいて第3停止リールを高速回転させて入賞ライン上に停止させる特殊リール制御を実行してもよい。一方、セブン図柄が聴牌した状態でなければ、上述した特殊リール制御を実行することはない。あるいは、これまでの説明とは反対に、セブン図柄が聴牌した状態であっても聴牌した状態でなくても、第3停止で目押し操作を要求するようにしてもよい。
【0124】
ステップS1283dでは、第1副制御部400に送信される、ストップボタンに対する操作が受け付けられたことを示すサブコマンドの送信準備を実行する。
【0125】
ステップS1283eでは、全リール110~112が疑似停止しているか否かを判定する。全リール110~112が疑似停止している場合には、ステップS1283fに進み、そうでない場合にはステップS1283bに戻る。
【0126】
一方、ステップS1283gでは、疑似遊技規制タイマがタイムアウト、つまり、設定されたタイマ値に相当する所定時間TAが経過したか否かを判定する。疑似遊技規制タイマがタイムアウトした場合には、ステップS1283hに進み、そうでない場合には、ステップ1283bに戻る。
【0127】
ステップS1283hに進んだ状態は、全てのストップボタン137~139が操作されずに所定時間TAが経過した状態であり、ステップS1283hでは全リール110~112を疑似停止させる。このように本実施形態の疑似遊技では、疑似遊技の遊技進行の促進を図るため、停止操作がない場合にはリール110~112を自動疑似停止させる機能を有している。
【0128】
ステップS1283fでは、第1副制御部400に送信される、疑似遊技入賞判定のサブコマンドの送信準備を実行する。疑似遊技において、BBに対応する態様が疑似停止された場合には、該疑似停止された態様に対応するコマンドが送信されることになる。これにより、第1副制御部400は、疑似遊技入賞判定のサブコマンドに応じた制御が可能となり、液晶表示装置157にBB導入演出の表示が表示されたりする。
【0129】
ステップS1283iでは、疑似遊技終了タイマを設定する。疑似遊技終了タイマは、疑似遊技と本遊技の間の時間間隔を計測するタイマであり、所定の演出(例えば、BB導入演出であったりRB導入演出)を実行するための時間を確保するために設けられている。ステップS1283iでは、疑似遊技終了タイマに初期値として所定時間TC(具体的には約1秒)に相当するタイマ値が設定される。所定時間TCに相当するタイマ値は、主制御部タイマ割込み処理におけるタイマ更新処理(
図11に示すステップS205参照)が実行されるごとにデクリメントされる。また、ステップS1283iでは、疑似遊技が終了したことを示す疑似遊技終了コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。ステップS1283iの実行が完了すると、疑似遊技のリール停止制御処理は終了になる。
【0130】
<疑似次遊技開始処理>
図16は、
図13に示すステップS1284における疑似次遊技開始処理の流れを示すフローチャートである。
【0131】
本実施形態では、
図15を用いて説明した疑似遊技のリール停止制御処理後、直ちに本遊技に移行せずに、メダル投入及びスタート操作受付の処理を疑似的に行う。これにより、本遊技により近い疑似遊技を遊技者に体感させることができる。したがって本実施形態の疑似遊技は、広義にはこの疑似次遊技開始を含むものである。
【0132】
ステップS1284aでは、疑似次遊技開始処理が開始されたことを示す疑似次遊技開始コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
【0133】
ステップS1284bで疑似MAXベット操作タイマを設定する。この操作タイマは、疑似ベット操作の受付可能時間を計測するタイマであり、例えば初期値として20秒に相当するタイマ値が設定される。このタイマ値は、主制御部タイマ割込み処理におけるタイマ更新処理(
図11に示すステップS205参照)が実行されるごとにデクリメントされる。本実施形態では、疑似MAXベット操作タイマを用いて、一回の疑似MAXベット操作の操作受付時間を制限し、遊技が円滑に進行するようにしている。
【0134】
ステップS1284cでは、MAXベットボタン132が遊技者によって操作されたか否かを判定する。MAXベットボタン132の操作を検知した場合には、ステップS1284dへ進み、操作を検知しない場合には、ステップS1284eへ進む。
【0135】
ステップS1284cでは、疑似MAXベット操作タイマが時間切れ(タイムアウト)したか否かを判定し、時間切れでなければ、ステップS1284cへ戻り、時間切れであれば、ステップS1284dへ進む。
【0136】
ステップS1284dでは疑似ベット操作が受け付けられたことを示す疑似ベット受付コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。疑似MAXベット操作タイマで時間切れとなった場合も疑似ベット受付コマンドを送信し、第1副制御部400の演出処理を進行させることができる。
【0137】
ステップS1284f以降はスタートレバー135の疑似開始操作に関する処理を実行する。ステップS1284fでは、疑似開始操作待ちが開始されたことを示す疑似レバー受付待ち開始コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
【0138】
ステップS1284gでは、疑似スタートレバー操作タイマを設定する。疑似スタートレバー操作タイマは、疑似開始操作の受付可能時間を計測するタイマであり、例えば初期値として20秒に相当するタイマ値が設定される。このタイマ値も、主制御部タイマ割込み処理におけるタイマ更新処理(
図11に示すステップS205参照)が実行されるごとにデクリメントされる。本実施形態では、疑似スタートレバー操作タイマを用いて、一回の疑似開始操作の操作受付時間を制限し、遊技が円滑に進行するようにしている。
【0139】
ステップS1284hでは、スタートレバー135が遊技者によって操作されたか否かを判定する。スタートレバー135の操作を検知した場合は、ステップS1284iへ進み、操作を検知しない場合には、ステップS1284jへ進む。
【0140】
ステップS1284jでは、疑似スタートレバー操作タイマが時間切れ(タイムアウト)したか否かを判定し、時間切れでなければ、ステップS1284hへ戻り、時間切れであれば、ステップS1284iへ進む。
【0141】
ステップS1284iでは疑似スタートレバー操作が受け付けられたことを示す疑似遊技中回胴回転開始コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。ステップS1284iの実行が完了すると、疑似次遊技開始処理は終了になる。
【0142】
なお、ここでは停止操作が受け付けられる疑似遊技が行われるが、停止操作が受け付けられずに自動でリールが疑似停止する自動疑似停止遊技が行われてもよい。
【0143】
以上、
図13~
図16を用いて説明した疑似遊技関連処理に続いて、
図12に示すステップS104では、ステップS103の入賞役内部抽選の結果等に基づき、リール停止データを選択する。このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。
【0144】
続くステップS105では、スタート操作に基づいて、全リール110~112の回転を開始させるリール回転開始処理を実行する。
【0145】
<リール回転開始処理>
図17は、
図12に示すステップS105のリール回転開始処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0146】
ステップS1050では、遊技時間監視タイマ値を取得する。遊技時間監視タイマとは、主制御部300のRAM308の特定の記憶領域に記憶されるタイマであり、1回の遊技に必要な時間を所定の時間(例えば、最少遊技時間の4.1秒)以上になるように制限し、単位時間における遊技媒体の獲得数または損失数を抑え、遊技の射幸性を制限する目的で設定されるタイマである。遊技時間監視タイマは、後述するステップS1052で所定のタイマ値(たとえば4.1秒に相当するタイマ値)が設定され、主制御部300のタイマ割込処理(後述する)が実行されるごとにデクリメントされる。
【0147】
ステップS1051では、取得した遊技時間監視タイマ値が4.1秒以上を経過しているか否かを判定する。すなわち、遊技時間監視タイマの値が0になっていれば、4.1秒以上を経過していることになるが、遊技時間監視タイマの値が0より大きければ4.1秒を経過していないことになる。遊技時間監視タイマ値が4.1秒以上を経過しているときは、今回の遊技を開始してもよいので、ステップS1052に進む。一方、遊技時間監視タイマ値が4.1秒を経過していないときは、ステップS1050に戻り処理を繰り返す。処理を繰り返している間に、遊技時間監視タイマのタイマ値が主制御部300のタイマ割り込みごとにデクリメントされ、遊技時間監視タイマが0になった時点でステップS1052に進む。
【0148】
ステップS1052では、遊技時間監視タイマ値を再設定する。具体的には、4.1秒に相当するタイマ値をRAM308の特定の領域に記憶する。なお、本実施形態では、遊技時間監視タイマ値を設定した時が1回の遊技の開始タイミングとなる。1回の遊技の終了タイミングは、次に遊技時間監視タイマ値を設定した時である。つまり、1回の遊技とは遊技時間監視タイマ値を設定してから次の遊技時間監視タイマ値を設定するまでのことである。また、遊技時間監視タイマ値は各リール110~112の回転開始ごとに設定されるため、各リール110~112が回転開始してから、次に各リール110~112が回転開始するまでの間を1回の遊技とすることもできる。なお、1回の遊技の終了タイミングは、遊技時間監視タイマ値が0になり、かつ、
図12のS110の遊技状態制御処理が終了した時であってもよい。また、1回の遊技の開始タイミングを有効なスタートレバーの受付時とし、1回の遊技の終了タイミングを有効なベットボタン操作の受付可能時とし、ベットボタン操作の受付可能時から有効なスタートレバーの受付時までの期間は次の遊技開始の準備期間としてもよい。
【0149】
ステップS1053では、第1副制御部400に送信するリール回転開始コマンドの設定を行い、送信準備をする。リール回転開始コマンドとは、リール110~112の回転開始を示すコマンドである。
【0150】
続くステップS10531では、RAM308に用意されているランダム遅延フラグがオンに設定されているか否かを判定する。ランンダム遅延フラグは、上述の
図13に示す疑似遊技関連処理のステップS1285においてオンに設定されるフラグである。このランダム遅延フラグがオフの場合には、ステップS1054に進む。
【0151】
ステップS1054では、左リール110のステータスを「回転開始」に設定し、続くステップS1055では、中リール111のステータスを「回転開始」に設定する。次いで、ステップS1056において、右リール112のステータスを「回転開始」に設定し、ステップS10571に進む。
【0152】
一方、ランダム遅延フラグがオンに設定されている場合には、加速情報初期化完了フラグをクリアして(ステップS10532)から、ランダム遅延回転開始処理(ステップS1336)に進む。
【0153】
図18は、
図17に示すステップS1336におけるランダム遅延回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【0154】
まず、ステップS1336aでは、
図15に示すステップS1283iで疑似遊技終了タイマに設定された所定時間TCが経過したか否かを判定する。疑似遊技終了タイマの計測により所定時間TCが経過した場合には、ステップS1336bに進み、そうでない場合には、ステップS1336aを繰り返す。
【0155】
ステップS1336bでは、左リール110を回転開始し、ステップS1336dに進む。
【0156】
ステップS1336dでは、中リール111の回転開始タイマを設定する。具体的には、0~756.512msに相当するタイマ値を抽選により取得し、この値を設定する。中リール111の回転開始タイマの値は、主制御部タイマ割込み処理におけるタイマ更新処理(
図11に示すステップS205参照)が実行されるごとにデクリメントされる。
【0157】
ステップS1336eでは、中リール111の回転開始タイマがタイムアウト、つまり、初期設定されたタイマ値に相当する待機時間が経過したか否かを判定する。中リール111の回転開始タイマがタイムアウトした場合には、ステップS1336fに進み、そうでない場合には、ステップS1336eを繰り返す。
【0158】
ステップS1336fでは、中リール111を回転開始し、ステップS1336hに進む。なお、ステップS1336fにおいて中リール111は回転開始するが、回転開始するまでの間、中リール111は疑似停止の状態となっている。
【0159】
ステップS1336hでは、右リール112の回転開始タイマを設定する。具体的には、0~756.512msに相当するタイマ値を抽選により取得し、この値を設定する。右リール112の回転開始タイマの値も、主制御部タイマ割込み処理におけるタイマ更新処理(
図11に示すステップS205参照)が実行されるごとにデクリメントされる。
【0160】
ステップS1336iでは、右リール112の回転開始タイマがタイムアウト、つまり、初期設定されたタイマ値に相当する待機時間が経過したか否かを判定する。右リール112の回転開始タイマがタイムアウトした場合には、ステップS1336jに進み、そうでない場合には、ステップS1336iを繰り返す。
【0161】
ステップS1336jでは、右リール112を回転開始する。なお、ステップS1336jにおいて右リール112は回転開始するが、回転開始するまでの間、右リール112は疑似停止の状態となっている。
【0162】
ステップS1336kでは、ランダム遅延フラグをオフに設定する。ステップS1336kの実行が完了すると、ランダム遅延回転開始処理は終了になる。ランダム遅延回転開始処理を終了するとステップS10571に進む。
【0163】
ステップS10571では、加速情報初期化完了フラグが0か否か(遮光片の検出を待ってリールの停止操作を受け付けるか否か)を判定し、1であればステップS1058に進み、遮光片の検出を待たずにリールの停止操作を受け付けることになる。一方、加速情報初期化完了フラグが0であれば、遮光片の検出を待ってリールの停止操作を受け付けることになり、まずは、加速情報初期化完了フラグに1をセットする(ステップS10572)。次いで、3つのリール110~112それぞれの初回加速情報の値をクリアして「0」にし(ステップS10573)、いずれのリール110~112においてもそれぞれの遮光片が未検出な状態にして、ステップS1058に進む。この後、リールごとに、遮光片が検出されれば初回加速情報の値に「1」がセットされる(後述する
図27に示すステップS310i1)。
【0164】
以上説明したステップS10571~ステップS10573の処理は、電源投入(復電)が行われた後の最初のリール回転であっても、前面扉102の開放検出が行われた後の最初のリール回転であっても、リール演出が行われた後の最初のリール回転であっても共通して行われる処理になる。また、ステップS10571~ステップS10573の処理は、
図14に示すステップS1282c1~ステップS1282c3の処理とも共通にしている。なお、この実施形態では分かりやすく記載しているが、プログラム上ではステップS10571~ステップS10573(ステップS1282c1~ステップS1282c3)をサブルーチン化してプログラム容量の削減が図られ、ランダム遅延があってもなくても、該サブルーチンが所定のタイミングで実行されるようにしてもよい。
【0165】
ステップS1336のランダム遅延回転開始処理から続くステップS10571の判定では、ステップS10532において加速情報初期化完了フラグがクリアされていることからYesの判定になり、3つのリール110~112それぞれの初回加速情報の値が「0」になり(ステップS10573)、いずれのリール110~112においてもそれぞれの遮光片が未検出な状態にする。ランダム遅延によるリールの回転開始は、リール演出(第1リール演出(リールアクション)あるいは第2リール演出(疑似遊技))が行われた後の最初のリール回転開始で実行され、この最初のリール回転開始では、遮光片の検出を待ってリールの停止操作を受け付けることになる。ランダム遅延によってリールの回転が開始した場合には、ステップアウトが生じやすく、これまで主制御部300が把握していたリール110~112上の図柄の回転方向の位置がズレる恐れがあることから、リール110~112上の図柄の回転方向の位置を改めて検知するため、遮光片の検出を待つことにしている。
【0166】
また、電源投入後(復電時)の最初のリール回転操作でも、上述のごとく設定変更の有無を把握することができないように、
図12に示すステップS1011において加速情報初期化完了フラグがクリアされていることから、ステップS10571の判定がYesの判定になり、3つのリール110~112それぞれの初回加速情報の値が「0」になり(ステップS10573)、いずれのリール110~112においてもそれぞれの遮光片が未検出な状態にする。
【0167】
さらに、後述する前面扉102の開放が検知された後の最初のリール回転操作でも、同様に、3つのリール110~112それぞれの初回加速情報の値を「0」にして(ステップS10573)、いずれのリール110~112においてもそれぞれの遮光片が未検出な状態にする。
【0168】
ステップS1058では、RAM308に用意されたリール演出情報の格納領域に、第1リール演出有りあるいは第2リール演出有りが設定されているか否かを判定し、設定されている場合には、リール制御ステータスを「リール演出制御中」に設定し(ステップS10591)、このリール回転開始処理は終了になる。ステップS1336のランダム遅延回転開始処理が実行された場合にはリール制御ステータスが「リール演出制御中」に設定される。一方、設定されていない場合には、リール制御ステータスを「加速状態(加速制御中)」に設定し(ステップS10592)、このリール回転開始処理は終了になる。なお、リール制御ステータスとは、上述したように、主制御部300のRAM308の所定の記憶領域に各リール110~112それぞれごとに独立して記憶されるリールの制御状態に関する情報であり、「停止制御状態(停止制御中)」、「加速状態(加速制御中)」、「定速1状態(定速1制御中)」、「定速2状態(定速2制御中)」、「引込み状態(引込み制御中)」、「ブレーキ状態(ブレーキ制御中)」、「リール演出制御中」のいずれかの情報が記憶される。また、ステップS10592では、加速開始要求フラグをONにする。加速開始要求フラグは、主制御部300のRAM308の所定の記憶領域に記憶されるフラグ情報であり、後述する加速制御処理において参照される。
【0169】
以上、リール回転開始処理(ステップS105)について説明したが、
図12に示す主制御部メイン処理では、このリール回転開始処理に続いて、ステップS106及びステップS107を実行する。これらのステップS106及びステップS107は、一つのリールごとに行い、3つのリール110~112について行うため、3回繰り返すことになる。RAM308には、リールごとにストップボタン受付フラグが用意されている。各リールにはストップボタン137~139が1対1の対応関係で設けられており、ストップボタン受付フラグは、ストップボタン137~139にも1対1の関係で対応している。このストップボタン受付フラグは受付可と受付禁止のうちのいずれか一方に設定される。ステップS106では、リール回転開始処理(ステップS105)が開始されたことから、このストップボタン受付フラグを受付可に設定する。ストップボタン受付フラグは、後述する主制御部タイマ割込処理で実行されるリール回転制御処理におけるストップボタン受付処理の中で、対応するストップボタンが操作されると、受付禁止に設定される。ステップS107では、ステップS106で受付可に設定されたストップボタン受付フラグが受付禁止に戻ったか否かを判定する。このステップS107は、ストップボタン受付フラグが受付禁止に戻るまで繰り返し実行される。すなわち、ステップS107では、ストップボタン137~139の操作が受け付けられることを待っている。3つのリール110~112全てに関してステップSステップS107の判定がYesになった時点で、3つのリール110~112は全て停止していることになる。
【0170】
続くステップS108では、ストップボタン137~139が操作されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に、「リプレイ-リプレイ-リプレイ」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。また、このステップS108では、入賞判定の結果を示す表示判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
【0171】
ステップS109では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
【0172】
ステップS110では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB(ビッグボーナス)入賞の場合に次回からBB(ビッグボーナス)ゲームを開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。また、このステップS110では、遊技状態を示す遊技状態コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
【0173】
続くステップS143では、特典付与抽選を行う。
【0174】
<特典付与抽選処理>
図19は、
図12に示すステップS143における特典付与抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【0175】
特典付与抽選処理では、まず、内部当選役(ステップS103における抽選結果)が、レア役(例えば、強チェリー)であるか否かを判定する(ステップS1432)。レア役でなかった場合には、特典付与抽選処理は終了になる。レア役であった場合には、RAM308に用意された疑似遊技番号を設定する領域にフェイクの疑似遊技に対応した「1」を設定する(ステップS1433)。ここでの、疑似遊技番号の設定は、後述するステップS1454における疑似遊技番号の設定よりも前に行われる疑似遊技番号の仮設定に相当する。
【0176】
ステップS1433に続くステップS1434では、乱数発生回路316(
図3参照)から取得した乱数値を用いて特典付与抽選を行う。特典抽選結果としては、ハズレ、ビックボーナス(BB)がある。特典抽選結果がBBである場合には、疑似遊技においてBB図柄を揃えることが可能になる。BB図柄を揃えることができれば、本遊技でAT状態に移行する。したがって、ステップS1434における特典付与抽選では、AT状態移行抽選を行っていることになる。
【0177】
主制御部300のRAM308には、特典抽選結果を特典種別として格納しておく領域も用意されており、ステップS1435では、その領域に特典抽選結果を格納する。特典種別は「0」が初期値である。ハズレの特典抽選結果では特典種別は初期値(「0」)のままとする。一方、BBの特典抽選結果では特典種別として「1」を格納する。ステップS1435の実行が完了すると、特典付与抽選処理は終了になる。
【0178】
特典付与抽選に続いて、
図12に示すステップS145では、疑似遊技予約処理を実行する。
【0179】
<疑似遊技予約処理>
図20は、
図12に示すステップS145における疑似遊技予約処理の流れを示すフローチャートである。
【0180】
ステップS1451では、RAM308に特典種別として格納されている値が「0」でないかを判定する。上述のごとく、特典種別は初期値が「0」である。また、特典種別は
図19に示す特典付与抽選のステップS1434における特典付与抽選の結果であり、特典付与抽選にハズレた場合は、特典種別は「0」のままである。特典種別が、「1」の場合はBBであり、特典付与(AT状態移行)につながる当りである。特典種別が「0」の場合(特典が付与されない場合)には、疑似遊技予約処理は終了になる。したがって、当該遊技でレア役に内部当選しなかった場合には、疑似遊技の実行は予約されない。また、特典種別が「0」の場合であっても、
図19に示すステップS1433が実行されていれば、疑似遊技番号は「1」であり、フェイクの疑似遊技が実行されることになる。
【0181】
特典種別が「0」でなければ(特典付与につながる当りであれば)、RAM308に用意された判定結果に、押し順番号の値をセットする(ステップS1452)。押し順番号は、当該遊技における第1停止操作に応じた値である。すなわち、当該遊技における第1停止操作が、左ストップボタン137の操作であった場合には「0」が設定され、中ストップボタン138の操作であった場合には「1」が設定され、右ストップボタン139の操作であった場合には「2」が設定されている。
【0182】
ステップS1452に続くステップS1453では、判定結果が0であるか否かを判定し、判定結果が「0」でない場合(変則押しが行われた場合)には、疑似遊技予約処理は終了になる。この結果、当該遊技でレア役に内部当選した場合であっても、当該遊技で変則押しを行ってしまうと、疑似遊技番号は
図19に示すステップS1433において設定された「1」のままになってしまい、フェイクの疑似遊技が実行されることになる。判定結果が「0」である場合(推奨押しが行われた場合)には、ステップS1454に進む。ステップS1453の判定が終了すると、判定結果にセットされた押し順番号の値はクリアされる。
【0183】
ステップS1454では、疑似遊技番号の設定を行う。上述の
図19に示す特典付与抽選のステップS1433では、疑似遊技番号として「1」が設定されているが、このステップS1454では、特典種別に応じて疑似遊技番号の再設定を行う。特典種別がBBの「1」であった場合には、疑似遊技番号として「2」を設定する。このステップS1454が実行されることで、次遊技における疑似遊技が予約されたことになる。疑似遊技番号の設定が終了すると、特典種別は初期値の「0」に戻される。なお、特典種別を初期値に戻すタイミングは、疑似遊技が開始されたタイミングであってもよいし、疑似遊技が終了したタイミングであってもよい。ステップS1454の実行が完了すると、疑似遊技予約処理終了になる。
【0184】
疑似遊技予約処理が終了すると、1ゲームが終了する。
図12に示す主制御部メイン処理では、ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、主制御部タイマ割込み処理におけるコマンド設定送信処理(
図21に示すステップS209参照)において送信される。
【0185】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、
図21を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0186】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約1.5msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0187】
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0188】
ステップS202では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である1.49msに1回)リスタートを行う。
【0189】
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、
図3に示すI/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
【0190】
ステップS2301では、前面扉102の開放が検知されたか否かを判定し、検出されなかった場合にはステップS204へ進み、検出された場合には、ステップS2032において加速情報初期化完了フラグをクリアしてからステップS204へ進む。前面扉102の開放が検知された場合には、店員によって何らかの操作(電源投入やエラー解除操作)が行われ、このときに店員がリールに触れてしまう可能性があり、これまで主制御部300が把握していた、リール110~112上の図柄の回転方向の位置が狂ってしまう恐れがある。そこで、前面扉102の開放が検知された場合にも、リール110~112上の図柄の回転方向の位置を改めて検知する必要がある。ここで、遮光片の検出を待つようにするために、いきなり「初回加速情報」をクリアしない理由としては、リール回転中の前面扉102の開放検知で「初回加速情報」をクリアしてしまうと、その時点で回転しているリールを停止させるのにも遮光片の検出が必要になってしまう。前面扉102の開放の検知が続く限り、タイマ割込み処理の度に「初回加速情報」がクリアされて遮光片の検出が必要となって停止操作が許容されない状態が断続的に発生し(タイマ割込み周期の方が、リール回転すなわち遮光片1周期よりも早いため)、停止操作がし難くなってしまう。そこで、「初回加速情報」をクリアするためのフラグ(加速情報初期化完了フラグ)を設けて、スタートレバー135操作時の処理、すなわち
図17に示すステップS10571~ステップS10573の処理に集約している。これにより、前面扉102の開放の検知が継続している場合であっても停止操作が許容されるだけでなく、初回加速情報に関する処理を最低限のタイミングで行うことができプログラム容量や処理容量の増加の抑止を図っている。また、S10571における加速情報初期化完了フラグの判定処理を、開始操作の後であって、停止操作の受け付け(有効)が図られる前のリール回転開始処理で行うことで、当該遊技の停止操作で初回加速情報の更新が必要かが判定され好適な停止操作を行うことができる。なお、加速情報初期化完了フラグの判定処理はリールの回転制御処理の前に行われることが望ましい。また、
図17では各リールの回転開始設定の後(S1054~S1056)に加速情報初期化完了フラグの判定処理を行っているが、各リールの回転開始設定の前に行ってもよい。
【0191】
ステップS204では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(
図3に示す各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う。例えば、割込みステータスがメダル投入処理中であれば、メダル投入受付処理を行い、また、割込みステータスが払出処理中であれば、メダル払出処理を行う。
【0192】
ステップS205では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。本実施形態では、具体的には、上述した遊技時間監視タイマの減算更新が行われる。
【0193】
ステップS206では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まず、ステップS1003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理を実行する。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
【0194】
ステップS207では、ストップボタン表示制御処理を行う。ストップボタン表示制御処理の詳細については後述する。
【0195】
ステップS208では、RAM308に記憶されている各リールのステータスが「回転開始」になっている場合には、リール回転制御処理(詳しくは後述)を行う。このリール回転制御処理では、リールの回転を制御するとともに、主制御部メイン処理のステップS104で選択した複数のリール停止データの候補から、リール110~112の停止順序や停止状況に応じて、実際にリール停止制御に用いるリール停止データを決定した後、決定したリール停止データに基づいて、押されたストップボタン137~139に対応するリール110~112の回転を停止させる。
【0196】
ステップS209では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11~14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、内部抽選コマンド、リール110~112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137~139の操作の受け付けに伴うストップボタン受付コマンド、リール110~112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド等)、ビット0~10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0197】
第1副制御部400は、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することが可能となる。
【0198】
ステップS210では、外部信号出力処理を行う。この外部信号出力処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、
図3に示す情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
【0199】
ステップS211では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS213に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS212に進む。
【0200】
ステップS212では、タイマ割込処理を終了する各種処理(タイマ割込終了処理)を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、
図12に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0201】
一方、ステップS213では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、
図12に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0202】
<ストップボタン表示制御処理>
次に、
図22を用いて、ストップボタン表示制御処理について詳細に説明する。なお、
図22は、
図21に示すステップS207のストップボタン表示制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0203】
ステップS2701では、3つのリール110~112それぞれに対応した各ストップボタン受付フラグのうち、一つのフラグでも受付可に設定されているか否かを判定する。上述のごとく、ストップボタン受付フラグは、リールごと(ストップボタンごと)に、
図12に示す主制御部メイン処理におけるステップS106において受付可に設定される。全てのストップボタン受付フラグが受付禁止に設定されていれば、このストップボタン表示制御処理は終了になり、一つ以上のストップボタン受付フラグが受付可に設定されていれば、今度は、全てのリール110~112が定速2状態に移行済みであるか否かを、各リールのリール制御ステータスを参照して判定する(ステップS2702)。このステップS2702では、各リールのリール制御ステータスが、「定速2状態」、「引込み状態」、および「ブレーキ状態」のいずれかであればYesの判定結果になり、ステップS2703に進む。一方、一つのリールでもリール制御ステータスが、「加速状態」あるいは「定速1状態」であった場合には、このストップボタン表示制御処理は終了になる。
【0204】
ステップS2703では、全てのリール110~112についてインデックスセンサによって遮光片が検出されているか否かを判定する。この判定では、リールごとの初回加速情報の値に「1」がセットされているか否かを判定することになる。遮光片が検出されて初回加速情報の値に「1」がセットされると、前面扉102の開放が検知されたり(
図21に示すステップS2032)、電源投入が行われて復電したり(
図12に示すステップS1011)した後の初回のリール回転開始操作で初回加速情報の値が「0」になったり(
図17に示すステップS10573)、ランダム遅延によるリールの回転開始が行われて初回加速情報の値が同じく「0」になったり(
図17に示すステップS10573)しない限り、「1」の値のままであり、ステップS2704に進むことが繰り返される。初回加速情報の値が「1」である場合には、遮光片が検出されてリール上の図柄の回転方向の位置が分かっているため、「定速2状態」に移行すれば、停止操作が受け付けられる。なお、ステップS2702では「定速2状態」に移行済みであることが条件になっているが「定速1状態」に移行済みであることや、「加速状態」が終了したことを条件にしてもよい。一方、初回加速情報の値が「0」であると、このストップボタン表示制御処理は終了になる。
【0205】
RAM308には、各ストップボタン137~139の内部に設けられた発光体137a~139aの発光態様を記憶する発光態様記憶領域も用意されている。すなわち、リール(ストップボタン)ごとに発光態様記憶領域が用意されている。発光体137a~139aの初期発光態様は、例えば、非発光の態様(消灯した態様)であったり、第1色の発光態様である。以下、初期発光態様を第1発光態様という。発光態様記憶領域には、最初は、発光態様情報として第1発光態様が記憶されている。ステップS2704まで進んできた状況では、全リール110~112は停止しておらず(少なくとも一つのリールは回転しており)、全リール110~112は、定速2状態に移行済みであって、かつ遮光片が検出された状態である。この状態で、定速2状態で回転を続けているリールについてのストップボタンの内部に設けられた発光体の発光態様を、第1発光態様から第2発光態様に変化させる。第2発光態様は、例えば、点滅の態様であったり、第2色の発光態様である。また、第1発光態様が第1色の発光態様であった場合には、非発光の態様(消灯した態様)であってもよい。さらに、第2発光態様が第2色の発光態様であった場合には、第1発光態様が点滅の態様であってもよい。このように、第1発光態様と第2発光態様は、消灯態様、点滅態様も含めて互いに異なる態様であればよい。第2発光態様は、第2発光態様のストップボタンの操作が受け付けられる状態であることを報知する態様である。すなわち、第2発光態様のストップボタンに対応したリールが、そのストップボタンの操作によって停止可能状態にあることを報知する態様である。ステップS2704では、停止ボタン受付フラグが受付可に設定されているリールの発光態様記憶領域における発光体情報を、第2発光態様に更新し、このストップボタン表示制御処理は終了になる。このステップS2704が実行されることで、例えば、全リール110~112が停止しておらず、それらの全リール110~112は、定速2状態に移行済みであって、かつ遮光片が検出された状態である場合には、全ストップボタン137~139の内部に設けられた発光体137a~139aの発光態様が、第2発光態様に揃って変化する。また、一部のリールは停止しており、残ったリールは、定速2状態に移行済みであって、かつ遮光片が検出された状態である場合には、残ったリール(回転しているリール)のストップボタンの内部に設けられた発光体の発光態様のみが第2発光態様に変化する。本実施形態では、各リールの停止操作はリール毎に有効になるが、各ストップボタン137~139の内部に設けられた発光体137a~139aの発光態様は揃って変化する。
【0206】
<リール回転制御処理>
次に、
図23を用いて、リール回転制御処理について詳細に説明する。なお、
図23は、
図21に示すステップS208のリール回転制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0207】
ステップS2080~ステップS2084は、一つのリールごとに行い、3つのリール110~112について行うため、少なくともステップS2080は3回繰り返すことになる。このステップS2080では、ストップボタン受付フラグが受付可に設定されているか否かを判定する。すなわち、対象となるリールが回転中か否かを判定する。ストップボタン受付フラグが受付禁止に設定されていれば、残りのリールについてステップS2080を実行するか、全てのリールについてステップS2080を実行している場合にはステップS208cに進む。一方、ストップボタン受付フラグが受付可に設定されていれば、対象リールは定速2状態であるか否かを対象リールのリール制御ステータスを参照して判定する(ステップS2081)。定速2状態でなければ、ステップS2083へ進み、定速2状態であれば、対象リールに対応する初回加速情報の値が「1」であるか否かを判定する(ステップS2082)。そして、ステップS2082では、遮光片がインデックスセンサによって一度でも検出されている場合にはYesの判定になり、残りのリールについてステップS2080を実行するか、全てのリールについてステップS2080を実行している場合にはステップS208cに進む。一方で、遮光片がインデックスセンサによって未だ検出されていない場合にはNoの判定になり、ステップS2083に進む。ステップS2083では、対象リールの遮光片がインデックスセンサによって検出済みであるか否かを判定する。主制御部300のRAM308にはインデックスセンサ検出記憶領域が設けられている。ステップS2083の判定で検出済みである場合には、そのインデックスセンサ検出記憶領域における対象リールについての検出情報を検出済みに更新する(ステップS2084)。ステップS2084の実行が完了した場合や、ステップS2083の判定で未検出の場合には、残りのリールについてステップS2080を実行するか、全てのリールについてステップS2080を実行している場合にはステップS208cに進む。
【0208】
ステップS208cでは、対象リールが定速2状態であってかつ初回加速情報の値が「1」である場合に限って、RAM308の所定領域にストップボタン有効情報を設定し、ステップS208dに進む。ストップボタン有効情報が設定されると、当該ストップボタンの操作が受け付けられるようになり、対象リールは停止可能状態になる。このステップS208cにより、対象リールは、遮光片の検出を待たずに定速状態になったことを条件に停止可能状態になる。なお、本実施形態では、リールごとに加速完了後に停止可能状態になるが、3つの全リール110~112の加速完了後に停止可能状態になるようにしてもよい。すなわち、前面扉102の開放が検知された場合や、復電した場合や、ランダム遅延によりリールの回転が開始された場合には、3つの全リール110~112それぞれの遮光片がインデックスセンサによって検出されていることを必要としてもよい。なお、設定値を変更する設定変更や設定値を確認する設定確認が行われた後も同様に遮光片がインデックスセンサによって検出されていることを必要としてもよい。また、スロットマシン100の型式試験では、ステップS208cが実行されるタイミングで外部の試験機に停止可能信号が出力される。なお、この次のタイマ割込みにおけるS2703にて停止可能信号を型式試験の試験機に出力するようにしてもよい。一方、初回加速情報の値が「0」である場合は、設定処理は行わずに、ステップS208dに進む。
【0209】
ステップS208dでは、ストップボタン受付処理が実行される。このストップボタン受付処理については後述する。
【0210】
ステップS208f~ステップS208kは、一つのリールごとに行い、3つのリール110~112について行う。ステップS208fでは、リール制御情報を取得する。ここで、リール制御情報とは、リール110~112の回転制御に関する情報全体を意味しており、RAM308の所定領域に記憶されている。本実施形態では、上述したリール制御ステータス、汎用オフセットカウンタ、後述するリール制御ステータス移行カウンタ、保持カウンタなどの値がリール制御情報に含まれる。
【0211】
ステップS208gでは、取得したリール制御情報に基づいて、リール制御判定処理(詳しくは後述)を行う。
【0212】
ステップS208hでは、リール駆動信号切替要求フラグがONであるか否かを判定する。リール駆動信号切替要求フラグとは、主制御部300のRAM308の所定の記憶領域に記憶されるフラグ情報であり、現在設定されている回転制御データを切り替えるか否かを示す。リール駆動信号切替要求フラグがONの場合には、現在設定されている回転制御データを切り替え、リール駆動信号切替要求フラグがOFFの場合には、現在設定されている回転制御データを切り替えない。なお、リール駆動信号切替要求フラグは、加速制御処理において設定される。リール駆動信号切替要求フラグがONである場合には、ステップS208iに進み、リール駆動信号切替要求フラグがOFFである場合には、ステップS208kまで進む。
【0213】
ステップS208iでは、取得したリール制御情報に含まれている、リール制御ステータス及び汎用オフセットカウンタ値に基づいて、回転制御データを取得する。具体的には、
図11に示した表の中から、リール制御ステータス及び汎用オフセットカウンタ値に基づいて、該当する励磁テーブル(回転制御データ)を取得する。例えば、リール制御ステータスが「加速制御中」、汎用オフセットカウンタ値が「0」であれば、励磁テーブル「77H」の回転制御データが取得される。
【0214】
ステップS208jでは、ステップS208iで取得した回転制御データを設定する。
【0215】
ステップS208kでは、上述した処理に応じてリール制御情報の内容が変更されているので、リール制御情報を更新する。
【0216】
<リール制御判定処理>
図24は、
図23に示すステップS208gのリール制御判定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。リール制御判定処理は、上述したリール制御ステータスに応じて、リールの回転制御を順次切り替えていく処理である。具体的には、加速制御処理、リール演出制御処理、第一定速制御処理、第二定速制御処理、引込み制御処理、ブレーキ制御処理の順序で処理が実行される。
【0217】
ステップS301では、リール制御ステータスを取得する。
【0218】
ステップS302では、取得したリール制御ステータスが「停止制御中」であるか否かを判定し、取得したリール制御ステータスが「停止制御中」であるときは、リール制御判定処理は終了になる。一方、取得したリール制御状態が「停止制御中」でないときは、S303に進む。
【0219】
ステップS303では、取得したリール制御状態が「リール演出制御中」であるか否かを判定する。リール制御状態が「リール演出制御中」であるときは、ステップS304に進み、リール演出制御処理を行う。上述のごとく、リール演出には、遊技者操作が不要の第1リール演出(いわゆるリールアクション)と、遊技者に左、中、右のストップボタン137~139を操作させるリール演出(いわゆる疑似遊技)とがある。第1リール演出の制御では、本遊技の加速制御、第一定速制御、第二定速制御、ブレーキ制御のうちの少なくともいずれかの制御処理を流用してもよいし、第1リール演出制御専用の各制御処理を用意してもよい。また、第1リール演出では、リールを加速させてから、定速状態を維持する前に減速(ブレーキ制御を実行)させてもよい。第2リール演出の制御では、本遊技の加速制御、第一定速制御、第二定速制御、ブレーキ制御、引込制御のうちの少なくともいずれかの制御処理を流用してもよいし、リール演出制御専用の各制御処理を用意してもよい。また、本遊技ではできない5コマ以上の滑りコマ数による引込制御を行ってもよい。リール演出終了後は、各リールの回転開始タイミングを遅延させ、複数のリールが同時に回転を開始しないようにするランダム遅延処理を行った後に、リール制御ステータスを加速制御中に設定する。一方、リール制御状態が「リール演出制御中」でないときは、ステップS305に進む。
【0220】
ステップS305では、取得したリール制御状態が「加速制御中」であるか否かを判定する。リール制御状態が「加速制御中」であるときは、ステップS306に進み、加速制御処理(リールの回転を加速するための制御処理;詳しくは後述する)を行う。一方、リール制御状態が「加速制御中」でないときは、ステップS307に進む。
【0221】
ステップS307では、取得したリール制御状態が「定速1制御中」であるか否かを判定する。リール制御状態が「定速1制御中」であるときは、ステップS308に進み、第一定速制御処理(リールの回転を定速に維持するための制御処理;詳しくは後述する)を行う。一方、リール制御状態が「定速1制御中」でないときは、ステップS309に進む。
【0222】
ステップS309では、取得したリール制御状態が「定速2制御中」であるか否かを判定する。リール制御状態が「定速2制御中」であるときは、ステップS310に進み、第二定速制御処理(リールの回転を定速に維持するための制御処理;詳しくは後述する)を行う。一方、リール制御状態が「定速2制御中」でないときは、ステップS311に進む。
【0223】
ステップS311では、取得したリール制御状態が「ブレーキ制御中」であるか否かを判定する。リール制御状態が「ブレーキ制御中」であるときは、ステップS312に進み、ブレーキ制御処理(リールの回転を停止させるための制御処理;詳しくは後述する)を行う。一方、リール制御状態が「ブレーキ制御中」でないときは、ステップS313に進む。
【0224】
ステップS313では、リール制御状態が「引込み制御中」であるので、引込み制御処理(リールを停止位置に引込み制御する処理;詳しくは後述する)を行う。
【0225】
<加速制御処理>
図25は、
図24に示すステップS306の加速制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0226】
ステップS306aでは、加速開始要求フラグに基づいて、加速開始要求があるか否かを判定する。なお、加速開始要求フラグは、
図17に示したリール回転開始処理のステップS10592においてONに設定されるので、1回目のタイマ割込処理のステップS306aでは、YESと判定される。なお、後述するステップS306dにおいて、加速開始要求フラグはOFFに設定されるので、2回目以降のタイマ割込処理のステップS306aでは、NOと判定される。加速開始要求がある場合には、ステップS306bに進み、加速開始要求がない場合には、ステップS306fに進む。
【0227】
ステップS306bでは、リール制御ステータス移行カウンタの値に初期値である0を設定する。ここで、リール制御ステータス移行カウンタとは、1サイクル8ステップの回転制御データの繰り返しセット数(サイクル数)を計測するカウンタであり、本実施形態では、
図11に示すように、3回繰り返されると加速制御処理を終了させる。
【0228】
ステップS306cでは、汎用オフセットカウンタの値に初期値である0を設定する。
【0229】
ステップS306dでは、リール駆動信号切替要求フラグをONにする。また、加速開始要求フラグをOFFに設定する。
【0230】
ステップS306eでは、図柄間隔カウンタ(詳しくは後述)の値にダミー値である0を設定する。なお、ステップS306eで設定された図柄間隔カウンタの値は、後述する第二定速制御処理にて使用される。ステップS306eの処理終了後は、ステップS306qに進む。
【0231】
ステップS306fでは、保持カウンタの値を1減算する。保持カウンタの値は、後述するステップS306qにおいて設定され、1回のタイマ割込処理で1減算される。なお、ステップS306qにおいて保持カウンタに設定される初期値は、設定された汎用オフセットカウンタ値に対応する保持パラメータの値であり、例えば、
図11に示すように、汎用オフセットカウンタ値が0の場合には、12が初期値として保持カウンタに設定される。
【0232】
ステップS306gでは、リール駆動信号切替要求フラグをOFFに設定する。
【0233】
ステップS306hでは、減算された保持カウンタの値が0であるか否かを判定する。保持カウンタの値が0の場合には、回転制御データの切替時なので、ステップS306iに進み、保持カウンタの値が0でない場合には、回転制御データの切替時ではないので、加速制御処理は終了になる。
【0234】
ステップS306iでは、回転制御データの切替時なので、リール駆動信号切替要求フラグをONに設定する。
【0235】
ステップS306jでは、次の回転制御データを設定するため、汎用オフセットカウンタの値に1を加算する。
【0236】
ステップS306kでは、加算された汎用オフセットカウンタの値が8であるか否かを判定する。汎用オフセットカウンタの値が8である場合には、当該セット(サイクル)の回転制御は終了したので、ステップS306lに進み、汎用オフセットカウンタの値が8でない場合には、当該セット(サイクル)の回転制御は終了していないので、ステップS306qに進む。
【0237】
ステップS306lでは、次のセット(サイクル)の回転制御に移行するため、汎用オフセットカウンタ値に初期値である0を設定する。
【0238】
ステップS306mでは、リール制御ステータス移行カウンタの値に1を加算する。
【0239】
ステップS306nでは、加算されたリール制御ステータス移行カウンタの値が3であるか否かを判定する。リール制御ステータス移行カウンタの値が3である場合には、ステップS306oに進み、リール制御ステータス移行カウンタの値が3でない場合には、ステップS306qに進む。
【0240】
ステップS306oでは、加速制御中に設定されたすべての回転制御を行ったので、リール制御ステータスを「定速1制御中」に設定する。
【0241】
ステップS306pでは、リール制御ステータス移行カウンタの値に初期値である0を設定する。ステップS306pの処理終了後は、加速制御処理は終了になる。
【0242】
ステップS306qでは、
図11に示す回転制御テーブルを参照し、リール制御ステータスが「加速制御中」であって、設定されたリール制御ステータス移行カウンタ値及び汎用オフセットカウンタ値に対応する保持パラメータ値を取得し、取得した保持パラメータ値を保持カウンタの初期値として設定する。例えば、
図11に示すように、リール制御ステータス移行カウンタ値0、汎用オフセットカウンタ値0の場合には、12が保持カウンタの初期値として設定され、リール制御ステータス移行カウンタ値1、汎用オフセットカウンタ値7の場合には、1が保持カウンタの初期値として設定される。ステップS306qの処理終了後は、加速制御処理は終了になる。
【0243】
<第一定速制御処理>
図26は、
図24に示すステップS308の第一定速制御処理を詳しく示すフローチャートである。
【0244】
ステップS308aでは、汎用オフセットカウンタの値に1を加算する。すなわち、第一定速制御処理では、
図11に示すように、1割込時間ごとに回転制御データを切り替えていくので、汎用オフセットカウンタの値は、タイマ割込処理ごとにインクリメントされる。なお、リール駆動信号切替要求フラグは、加速制御処理のステップS1309でONに設定された以降、切り替え処理は行われないので、リール駆動信号切替要求フラグは、第一定速制御処理及び後述する第二定速制御処理の間は、ONのまま維持される。したがって、
図23のリール回転制御処理では、タイマ割込処理ごとに、加算された汎用オフセットカウンタ値に対応する回転制御データが設定される(
図23のステップS208j参照)。
【0245】
ステップS308bでは、加算された汎用オフセットカウンタの値が8であるか否かを判定する。汎用オフセットカウンタの値が8である場合には、次のセット(サイクル)の回転制御に移行するため、ステップS308cに進み、汎用オフセットカウンタの値が8でない場合には、当該セット(サイクル)の回転制御は終了していないので、第一定速制御処理は終了になる。
【0246】
ステップS308cでは、次のセット(サイクル)の回転制御に移行するため、汎用オフセットカウンタの値に初期値である0を設定する。
【0247】
ステップS308dでは、リール制御ステータス移行カウンタの値に1を加算する。
【0248】
ステップS308eでは、加算されたリール制御ステータス移行カウンタの値が16であるか否かを判定する。リール制御ステータス移行カウンタの値が16である場合には、16セットの回転制御が終了したので(
図11参照)、ステップS308fに進み、リール制御ステータス移行カウンタの値が16でない場合には、第一定速制御処理は終了になる。
【0249】
ステップS308fでは、定速1制御中に設定されたすべての回転制御を行ったので、リール制御ステータスを「定速2制御中」に設定する。
【0250】
<第二定速制御処理>
図27は、
図24に示すステップS310の第二定速制御処理を詳しく示すフローチャートである。第二定速制御処理は、主にリールの図柄位置を追跡する処理を行っている。リールの図柄位置を主制御部300が把握するために「図柄番号カウンタ」及び「図柄間隔カウンタ」という2つのカウンタを用いて図柄位置を監視している。ここで、「図柄番号カウンタ」及び「図柄間隔カウンタ」について説明する。
【0251】
図4は、図柄番号カウンタと図柄間隔カウンタの関係を示す図でもある。図柄番号カウンタは、基準位置である図柄表示窓113の中段に位置する図柄を記憶保持するためにRAM308に設けられたカウンタであり、例えば、左リール110に関しては、左リール110の図柄列の上端のセブン図柄が基準位置となっており、インデックスセンサ606Aが遮光片612Dを通過した時を起点としてカウントを開始する。各図柄とカウント値とは予め対応付けられており、主制御部300は、リール停止時の図柄番号カウンタ値から図柄表示窓113に停止表示されている図柄を特定し、入賞判定を行うことができる。図柄間隔カウンタも、RAM308に設けられたカウンタであり、1図柄あたりの駆動パルス数(タイマ割込処理回数)をカウントする。主制御部300は、1図柄あたりの駆動パルス数(ここでは24)を図柄間隔カウンタに設定し、駆動パルスの出力ごとに減算し、図柄間隔カウンタの値が0になったときに図柄番号カウンタを1更新するようにしている。
【0252】
ステップS310aでは、汎用オフセットカウンタの値に1を加算する。すなわち、第二定速制御処理では、
図11に示すように、1割込時間ごとに回転制御データを切り替えていくので、汎用オフセットカウンタの値は、タイマ割込処理ごとにインクリメントされる。また、リール駆動信号切替要求フラグも引き続きONのままなので、
図23のリール回転制御処理では、タイマ割込処理ごとに、加算された汎用オフセットカウンタ値に対応する回転制御データが設定される(
図23のステップS208j参照)。
【0253】
ステップS310bでは、加算された汎用オフセットカウンタの値が8であるか否かを判定する。汎用オフセットカウンタの値が8である場合には、次のセット(サイクル)の回転制御に移行するため、ステップS310cに進み、汎用オフセットカウンタの値が8でない場合には、当該セット(サイクル)の回転制御は終了していないので、ステップS310dに進む。
【0254】
ステップS310cでは、次のセット(サイクル)の回転制御に移行するため、汎用オフセットカウンタの値に初期値である0を設定する。
【0255】
ステップS310dでは、図柄間隔カウンタの値を1減算する。すなわち、図柄間隔カウンタの値は、1割込時間ごとにデクリメントされる。
【0256】
ステップS310eでは、減算された図柄間隔カウンタの値が0であるか否かを判定する。図柄間隔カウンタの値が0である場合には、ステップS310fに進み、図柄間隔カウンタの値が0でない場合には、ステップS310hに進む。
【0257】
ステップS310fでは、図柄間隔カウンタの値が0の場合には、次の図柄に代わるので、図柄間隔カウンタの値に初期値である24を設定する。
【0258】
ステップS310gでは、次の図柄に更新すべく、図柄番号カウンタの値を1減算する。
【0259】
ステップS310hでは、RAM308のインデックスセンサ検出記憶領域からインデックスセンサの検出情報を取得する。上述のごとく、この検出情報は、
図23に示すリール回転制御処理の中で更新されている(ステップS2084)。なお、3つのリールそれぞれにおいて、遮光片は、図柄番号カウンタ値が0で図柄間隔カウンタ値が0の位置に設けられたものであり、その遮光片が、インデックスセンサの投光部と受光部の間を通過したときに、検出ありとされる。
【0260】
ステップS310iでは、取得した検出情報が検出済みであるか否かを判定し、検出済みである場合には、ステップS310i1に進み、未検出である場合には、ステップS310nに進む。
【0261】
ステップS310i1では、対応するリールの初回加速情報の値を「1」に設定する。このように、遮光片が検出されると「初回加速情報=1」が第二定速制御処理で設定される。初回加速情報は3ビットで管理されており、各ビットが左リール110、中リール111、右リール112に対応しており、ビット1で初回加速情報オン、ビット0で初回加速情報オフになる。遮光片が検出されて初回加速情報の値に「1」がセットされると、前面扉102の開放が検知されたり(
図21に示すステップS2032)、電源投入が行われて復電したり(
図12に示すステップS1011)した後の初回のリール回転開始操作で初回加速情報の値が「0」になったり(
図17に示すステップS10573)、ランダム遅延によるリールの回転開始が行われて初回加速情報の値が同じく「0」になったり(
図17に示すステップS10573)しない限り、「1」の値のままであり、「定速2制御中」に遮光片がインデックスセンサによって検出されなくても、停止操作が有効になる。一度、遮光片を検出して把握したリール上の図柄の回転方向の位置は、ステップアウト等の要因が発生しない限り狂うことはないため、回転を開始する都度、遮光片の検出を待つことはしない。なお、初回加速情報の値は、「1」がセットされた後も、回転開始後に遮光片が検出される度に、このステップS310i1で「1」が再設定される。
【0262】
ステップS310jでは、リールの図柄位置がサーチできているので、RAM308の所定領域にストップボタン有効情報を設定する。ストップボタン有効情報が設定されると、当該ストップボタンの操作が受け付けられるようになり、対象リールは停止可能状態になる。「初回加速情報=0」となった場合(
図17に示すステップS10573等)は、このステップS310jのタイミングにならないと、ストップボタンの操作が受け付けられるようにならない。なお、ストップボタン有効情報が設定されていないストップボタンを操作すると、操作自体は受け付けられても、その操作が無効化され、そのストップボタンに対応したリールは停止しない。あるいは、操作自体が受け付けられないようにしてもよい。
【0263】
また、スロットマシン100の型式試験では、初回加速情報の値が「0」からステップS310i1で「1」に設定された場合には、このステップS310jが実行されるタイミングで外部の試験機に停止可能信号が出力される。なお、上述のごとく、この次のタイマ割込みにおけるS2703にて停止可能信号を試験装置に出力するようにしてもよい。
【0264】
本実施形態では、ストップボタン有効情報は、第二定速制御処理の中で設定されるが、ステップS310h~ステップS310jを第一定速制御処理の中で実行するようにして、ストップボタン有効情報が、第一定速制御処理の中で設定されるようにしてもよい。
【0265】
また、本実施形態では、遮光片が検出されたリールごとに停止可能状態になり、停止可能状態になったリールは、停止操作に応じて停止するが、3つ全てのリール110~112についてそれぞれの遮光片が検出されないと、一つのリールも停止可能状態にならず、停止可能状態には3つのリール110~112が揃ってなる態様であってもよい。この場合には、3つのリールのうち最後に遮光片が検出されたリールに合わせて、先に遮光片が検出されていた2つのリールも停止可能状態になることなる。
【0266】
すなわち、電断復電後は全リール110~112の遮光片がインデックスセンサによって検知された後に全リール110~112が停止可能状態になるようにしてもよい。これにより、遊技店舗の開店後の1遊技目から、連続して停止操作を行ういわゆるスライドストップ操作が行われた場合であっても、或るリールは停止操作が受付けされたが別の或るリールでは停止操作が受付されなかったといったことが生じず、停止操作が受付けされない場合はいずれのリールでも受付けされないことになり、全てのリール110~112の停止操作が確実に受付けされ、開店後1遊技目から操作性が向上された遊技台を提供することができるようになる。
【0267】
また、前面扉102の開放が検知された場合、全リール110~112の遮光片がインデックスセンサによって検知された後に全リール110~112が停止可能状態になるようにしてもよい。これにより、例えば、エラー解除等のメンテナンス作業後の1遊技目から、いわゆるスライドストップ操作が行われた場合であっても、全てのリール110~112の停止操作が確実に受付けされ、メンテナンス作業後の1遊技目から操作性が向上された遊技台を提供することができるようになる。なお、この点においては、遊技台の設定値を変更する設定変更処理が行われた後や、遊技台の設定値を確認する設定確認処理が行われた後であっても同様である。
【0268】
さらに、リール演出が行われた場合(例えば、疑似遊技からのランダム遅延処理による回転再開後)、全リール110~112の遮光片がインデックスセンサによって検知された後に全リール110~112が停止可能状態になるようにしてもよい。これにより、例えば、リール演出後に最初から、いわゆるスライドストップ操作が行われた場合であっても、全てのリール110~112の停止操作が確実に受付けされ、リール演出後の最初の停止操作から操作性が向上された遊技台を提供することができるようになる。
【0269】
ステップS310kでは、図柄間隔カウンタの値に初期値である24を設定し、続くステップS310lでは、図柄番号カウンタの値に初期値である0を設定する。ステップS310k及びステップS310lの処理によって、リールの回転位置情報がリセットされる。したがって、初回加速情報の値に「1」がセットされた状態であっても、遮光片を検出したタイミングでリールの回転位置情報の更新が行われ、常に正しい位置を把握することが可能になる。
【0270】
ステップS310mでは、RAM308に設けたステップアウト検出用カウンタの値に初期値である0を設定する。ステップS310mの処理終了後は、第二定速制御処理は終了になる。
【0271】
ステップS310nでは、ステップアウト検出用カウンタの値に基づき、ステップアウト検出処理を行う。ステップアウト検出処理では、ステップアウト検出用カウンタの値を1割り込み事に1を加算して特定値(例えば、リールを1回転(360度回転)させるのに必要なパルス数の値、ここでは504)となった場合にステップアウト(いわゆる脱調)と判定し、操作されていない全リールを加速制御からやり直すが、ステップアウトしたリールのみ加速制御からやり直すようにしてもよい。なお、本実施形態では、ステップアウト検出処理は第二定速制御処理でのみ行われるため、第二定速制御処理よりも前の第一定速制御処理や加速制御処理の期間にステップアウトした場合には、ステップアウト検出処理が行われず、主制御部300はステップアウトを検出することができないことになるが、該期間でもステップアウト検出処理を行うようにしてもよい。また、ステップアウトの他に、他の異常状態(例えば、共振、ミスステップ、モータ停止)を検出する処理を行ってもよい。ステップS310nの処理終了後は、第二定速制御処理は終了になる。
【0272】
<ストップボタン受付処理>
図28は、
図23に示すステップS208dのストップボタン受付処理を詳しく示すフローチャートである。尚、ストップボタン受付処理は、ストップボタン137~139の操作が受付可能になった状態、即ち、
図27に示す第二定速制御処理のステップS310i1において初回加速情報の値に「1」がセットされ、続くステップS310jにおいてストップボタン有効情報が設定された後に実行されるものである。ストップボタン受付処理は、ストップボタン137~139の操作に基づいて対応するリールの停止位置を決定する処理である。
【0273】
ステップS208d1では、停止受付情報を取得する。ここで、停止受付情報は、ストップボタン有効情報であったり、リール制御情報の一部であり、停止受付の判定に必要な情報すべてを意味している。
【0274】
ステップS208d2では、取得した停止受付情報から、停止可能なリールを判定し、RAM308の所定領域に停止可能リール情報を設定する(例えば、左リール110が停止可能なリールであると判断されたときは、左リール110を設定する)。
【0275】
ステップS208d3では、設定された停止可能リール情報が表すリールに対応するストップボタンの操作が行われたか否かを判定する。すなわち、停止可能リールに対応するストップボタンの操作を受け付けたか否かを判定する。ストップボタンの操作(受付)があった場合には、ステップS208d4に進み、ストップボタンの操作(受付)がなかった場合には、ステップS208d8に進む。
【0276】
ステップS208d4では、停止対象のリールに関するデータ(停止対象リールデータ)を取得する。
【0277】
ステップS208d5では、引込みカウンタ設定処理(詳しくは、後述する)を行う。
【0278】
ステップS208d6では、停止可能リールに対応するストップボタンが操作されたことにより、停止操作のあったリールのステータスを「停止」に更新する。
【0279】
ステップS208d7では、これまで受付可に設定されていたストップボタン受付フラグを受付禁止に設定する。
【0280】
ステップS208d8では、RAM308にリールごとに用意された発光態様記憶領域に記憶されている発光態様情報を更新する。すなわち、停止対象のリールに対応したストップボタンに内蔵された発光体の発光態様を、第2発光態様(例えば、青色の発光態様)から第1発光態様(例えば、赤色の発光態様)に更新する。ステップS208d8が終了すると、ストップボタン受付処理は終了になる。
【0281】
<引込みカウンタ設定処理>
図29は、
図22に示すステップS208d5の引込みカウンタ設定処理を詳しく示すフローチャートである。
【0282】
ステップS8d51では、図柄番号カウンタの値を取得して、停止操作された位置を検出する。
【0283】
ステップS8d52では、選択したリール停止制御データから、停止操作された位置に基づいて、引込みコマ数を取得する。すなわち、
図12に示すステップS103の入賞役内部抽選処理の結果(内部抽選結果)に基づき、リール停止制御データを選択する。リール停止制御データには、停止操作された時の図柄位置(中段基準)における図柄位置番号に対応した引込みコマ数が定められている。
【0284】
ステップS8d53では、励磁テーブルを参照して、割込み残数を取得する。具体的には、本実施形態ではAB相に対応する位置で停止させるので、前回設定された回転制御データ(定速2制御中に設定された最後の回転制御データ)が示す励磁相の次の励磁相からAB相の一つ前の励磁相までのステップ数を割込残数として取得する。例えば、定速2制御中において励磁テーブル22Hを用いた制御中に停止操作が行われた場合には、割込残数は3ステップとなる。
【0285】
ステップS8d54では、取得した引込コマ数及び割込み残数から、引込カウンタ値を算出し、算出した引込カウンタ値を引込みカウンタに設定する。具体的には、ロータ740が停止保持される予定の停止保持位置(例えば、所定のAB相に対応する位置)よりも手前の予め定めた事前位置(例えば、停止保持位置に対応するAB相の1サイクル前のAB相に対応する位置)までの値が、引込コマ数に応じたステップ数になり、この値に割込残数を加算した値が引込みカウンタに設定される。
【0286】
ステップS8d55では、リール制御ステータスを「引込み制御中」に設定する。
【0287】
<引込み制御処理>
図30は、
図24に示すステップS313の引込み制御処理を詳しく示すフローチャートである。ここで、引込み制御処理とは、内部抽選の結果に応じた停止制御を実現するため、リールを停止させる際に、ストップボタン137~139の操作された図柄位置から、リールを所定のコマ数(本実施形態においては、0~4コマ)滑らせて停止させる処理をいう。これにより、内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する図柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する図柄組合せが揃って表示されないようになっている。
【0288】
ステップS3131では、汎用オフセットカウンタの値に1を加算する。すなわち、引込み制御処理では、1割込時間ごとに回転制御データを切り替えていくので、汎用オフセットカウンタの値は、タイマ割込処理ごとに更新される。また、リール駆動信号切替要求フラグも引き続きONのままなので、
図17に示すリール回転制御処理では、タイマ割込処理ごとに、加算された汎用オフセットカウンタ値に対応する回転制御データが設定される(
図23のステップS208j参照)。
【0289】
ステップS3132では、加算された汎用オフセットカウンタの値が8であるか否かを判定する。汎用オフセットカウンタの値が8である場合には、当該セット(サイクル)の残りの回転制御は終了したので、ステップS3133に進み、汎用オフセットカウンタの値が8でない場合には、当該セット(サイクル)の残りの回転制御は終了していないので、ステップS3134に進む。
【0290】
ステップS3133では、汎用オフセットカウンタの値に初期値である0を設定する。
【0291】
ステップS3134では、引込みカウンタの値を更新する。具体的には、引込みカウンタの値を1減算する。
【0292】
ステップS3135では、更新された引込みカウンタの値が0であるか否かを判定する。引込みカウンタの値が0である場合には、ステップS3136に進み、引込みカウンタの値が0でない場合には、引込み制御処理を終了する。
【0293】
ステップS3136では、引込みカウンタの値が0になり、停止位置に到達したので、リール制御ステータスを「ブレーキ制御中」に設定する。
【0294】
ステップS3137では、保持カウンタの値に初期値である50を設定する。ここで、この設定された保持カウンタ値50は、リール制御ステータスが「ブレーキ制御中」において、汎用オフセットカウンタ値が0のときの回転制御データの保持時間である(
図11参照)。なお、ステップS3137の処理終了後は、引込み制御処理を終了する。
【0295】
<ブレーキ制御処理>
図31は、
図18に示すステップS312のブレーキ制御処理を詳しく示すフローチャートである。
【0296】
ステップS3121では、保持カウンタの値から1を減算する。保持カウンタの値は、前述の
図30に示すステップS3137において初期設定され、1回のタイマ割込処理で1減算される。
【0297】
ステップS3122では、減算された保持カウンタの値が0であるか否かを判定する。保持カウンタの値が0である場合には、ステップS3123に進み、保持カウンタの値が0でない場合には、ブレーキ制御処理を終了する。
【0298】
ステップS3123では、ブレーキ制御における回転制御は終了したので、リール制御ステータスを「リール停止制御中」に設定する。なお、リール制御ステータスが「リール停止制御中」では、停止保持位置(例えば、所定のAB相)に弱励磁(20%励磁)を継続する(
図11参照)。ステップS3123の処理終了後は、ブレーキ制御処理を終了する。
【0299】
<第1副制御部400の処理>
図32を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド入力処理のフローチャートであり、同図(c)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、同図(d)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0300】
電源投入が行われると、まずステップS2001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0301】
ステップS2002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS2003の処理に移行する。
【0302】
ステップS2003では、タイマ変数に0を代入する。
【0303】
ステップS2004では、第1副制御部コマンド入力処理(詳しくは後述)を行う。第1副制御部コマンド入力処理では、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0304】
ステップS2005では、演出更新処理を行う。例えば、ステップS2004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する各イベント処理(例えば、演出設定処理、遊技状態制御時処理等)の結果に基づいて、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には各演出デバイス(スピーカ、ランプ、液晶画像表示装置、シャッタなど)の演出データの更新処理を行う。
【0305】
ステップS2006では、音制御処理を行う。音制御処理では、ステップS2005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
【0306】
ステップS2007では、ランプ制御処理を行う。ランプ制御処理では、ステップS2005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0307】
ステップS2008では、情報出力処理を行う。情報出力処理では、ステップS2005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS2002へ戻る。この結果、設定された制御コマンドは、第2副制御部500に送信される。
【0308】
次に、
図32(b)を用いて、第1副制御部400コマンド入力処理について説明する。この第1副制御部400コマンド入力処理は、
図32(a)のステップS2004の第1副制御部400コマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
【0309】
ステップS2101では、RAM408のコマンド記憶領域に未処理コマンドがあるか否かを判定する。未処理コマンドがある場合には、ステップS2102に進み、未処理コマンドがない場合には、第1副制御部400コマンド入力処理を終了する。
【0310】
ステップS2102では、未処理コマンドに応じた処理にジャンプする。例えば、未処理コマンドがメダル投入コマンドの場合には、メダル投入時処理、スタートレバー受付時コマンドの場合には、スタートレバー受付時処理、内部抽選コマンドの場合には、内部抽選時処理、ストップボタン受付時コマンドの場合には、ストップボタン受付時処理、表示判定コマンドの場合には、表示判定時処理、遊技状態コマンドの場合には、遊技状態制御時処理にジャンプする。
【0311】
次に、
図32(c)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS2201では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0312】
次に、
図32(d)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0313】
ステップS2301では、
図32(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS2002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS2002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0314】
ステップS2302では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0315】
続いて、各リール110~112の状態が変化する例について具体的に説明する。
【0316】
図33は、電源投入後の最初のスタートレバー135の操作でN遊技目が開始され、2回目のスタートレバー135の操作でN+1遊技目が開始された場合の具体例を示すタイミングチャートである。
【0317】
図33に示すタイミングチャートには、上から順に、スタートレバー操作、左リール110、中リール111、右リール112の状態変化と、左・中・右リールインデックスと表示する、各リールのインデックスセンサにおける遮光片の検出状態の変化と、左・中・右ストップボタン受付と表示する、各リールに対応したストップボタンの操作受付可能状態の変化と、各ストップボタンに内蔵された発光体(以下、「ストップボタンLED」と称する。)の発光態様の変化が示されている。また、タイミングチャートの一番上には、タイミングを示す符号としてかっこ書きでアルファベットの符号が記され、その下には、期間を表す矢印が記されている。(あ)の矢印は
図11に示す加速制御の実行中の期間を表す矢印である。(あ)の矢印で示す期間の前では、各リール110~112は停止した状態であった。(い)の矢印は
図11に示す第一定速制御の実行中の期間を表す矢印であり、(う)の矢印は
図11に示す第二定速制御の実行中の期間を表す矢印である。以上のことは、
図34に示すタイミングチャートにおいても同じである。
【0318】
電源投入は、電源スイッチをオンすることによるものであってもよいし、
図21に示す電断処理(ステップS213)からの復帰によるものであってもよい。また、電源投入が行われてから遊技が開始されるまでの間に、設定変更が行われてもよいし、設定変更が行われなくてもよい。
【0319】
(a’)のタイミングでスタートレバー135がオンされN遊技目(電源投入後の最初の遊技)が開始される。左リール110、中リール111、および右リール112は一斉に回転を開始する。(あ)の矢印が示すように、全てのリールは加速制御の実行中の期間になる。(b’)のタイミングで加速制御が終了し、(い)の矢印が示すように、全てのリールは第一定速制御の実行中の期間になる。3つのリール110~112はいずれも、回転を開始してから1周する前に、加速状態から定速1状態に移行可能なものである。(c’)のタイミングで第一定速制御が終了し、(う)の矢印が示すように、全てのリールは第二定速制御の実行中の期間になる。すなわち、(c’)のタイミングから第二定速制御が開始され、いずれのリール110~112も定速2状態になる。この例では、加速制御の実行中の期間にも、第一定速制御の実行中の期間にも、いずれのリール110~112の遮光片も検出されず、第二定速制御の実行中の期間における、(d’)のタイミングで中リール111の遮光片が検出され、(e’)のタイミングで右リール112の遮光片が検出され、(f’)のタイミングで左リール110の遮光片612Dが検出される。各リールの遮光片が検出されるタイミングはまちまちであり、回転を開始する前にどの位置でリールが停止していたのかによって検出タイミングは異なってくる。
【0320】
図33に示すタイミングチャートには、左ストップボタンの操作の受付可/不可、中ストップボタンの操作の受付可/不可、および右ストップボタンの操作の受付可/不可が示されている。なお、ストップボタンの操作は受付けられても、その操作が、制御的に無効に取り扱われる場合と有効に取り扱われる場合であってもよく、要するに、リールの停止でとらえれば、ストップボタンの操作の受付可/不可は、リール停止可能状態/停止不能状態を表していることになる。
【0321】
N遊技目では、3つのリール110~112のうちのいずれかのリールの遮光片が検出された時点で、遮光片が検出された当該リールに対応するストップボタン137~139が操作受付可能状態に移行する。すなわち、回転を開始した後、リールごとに、リール停止不能状態からリール停止可能状態に移行可能である。具体的には、中リール111の遮光片が一番最初に検出((d’)のタイミングで検出)されたことによって、中ストップボタン138が一番最初((d’)のタイミングで)に操作受付可能状態に移行し、次いで右リール112の遮光片が検出((e’)のタイミングで検出)されたことによって、右ストップボタン139が(e’)のタイミングで操作受付可能状態に移行し、最後に左リール111の遮光片が検出((f’)のタイミングで検出)されたことによって、左ストップボタン137が(f’)のタイミングで操作受付可能状態に移行している。
【0322】
図33に示すタイミングチャートの下方には、各ストップボタンLEDの発光態様が示されている。各ストップボタンLEDの第1発光態様は、例えば、赤色の発光態様であり、第2発光態様は、例えば、青色の発光態様である(以降に示すタイミングチャートにおいても同じ。)。いずれのストップボタンLEDも、(f’)のタイミング以降は第2発光態様に変化している。すなわち、いずれのストップボタンLEDも、全ての遮光片が検出されたタイミング((f’)のタイミング)にならなければ、第1発光態様から第2発光態様に変化しない。リールごとにリール停止不能状態からリール停止可能状態に移行可能であるが、ストップボタンLEDは、最後のリールがリール停止可能状態に移行するタイミングで3つまとめて第2発光態様に変化する。このように、ストップボタンLEDの発光態様の変化タイミングを合わせることで見栄えをよく出来るとともに、遊技者が最初に発光態様が変化したリールから操作してしまって変則操作(第一停止操作を左ストップボタンであることを推奨操作とし、第一停止操作が左ストップボタン以外であることを変則操作と言う)となってしまうことを防止できる。したがって、本実施形態では、ストップボタンLEDが第1発光態様であってもそれに対応したストップボタンが操作受付可能状態であることがある。
図33に示す(え)の矢印は、3つあるストップボタンのうちの一部のストップボタンのみが操作受付可能状態である期間を表す矢印である。一方、(お)の矢印は、3つあるストップボタン137~139のすべてが操作受付可能状態である期間を表す矢印である。これらの(え)の矢印および(お)の矢印は、
図34に示すタイミングチャートにおいても同じである。
【0323】
N遊技目では、順押しの停止操作が行われ、最初に左ストップボタン137が操作され、次いで中ストップボタン138が操作され、最後に右ストップボタン139が操作される。
【0324】
全リールが停止状態になった後、(a)のタイミングでスタートレバー135がオンされ、N+1遊技目(電源投入後の2回目の遊技)が開始されている。左リール110、中リール111、および右リール112は一斉に回転を開始し、(あ)の矢印が示すように、全てのリールは加速制御の実行中の期間になる。(b)のタイミングで加速制御が終了し、(い)の矢印が示すように、全てのリールは第一定速制御の実行中の期間になる。(c)のタイミングで第一定速制御から第二定速制御に切り替わり、(c)のタイミングから、いずれのリール110~112も定速2状態になる。電源が投入されてからの1遊技目では、リールごとに遮光片の検出を待って停止可能状態になるが、2遊技目にからは、遮光片の検出を待たずに定速状態になったことを条件に停止可能状態になる。したがって、3つのリール110~112すべてが(c)のタイミングから、停止可能状態になる。
図33に示すタイミングチャートでは、左ストップボタンの操作の受付、中ストップボタンの操作の受付および右ストップボタンの操作の受付が揃って、(c)のタイミングから受付可になっており、N+1遊技目の(お)の矢印は、(c)のタイミングを始期としている。また、3つ全てのリール110~112が停止可能状態になったことを条件に各ストップボタンLEDは第1発光態様から第2発光態様に変化することから、(c)のタイミングで各ストップボタンLEDは一斉に第1発光態様から第2発光態様に変化している。なお、各リールの遮光片は、(c)のタイミングよりも後に検出されている((d)、(e)、(f)のタイミング)。N+1遊技目の停止操作はいずれのリール110~112についても行われていないが、定速2状態になってから遮光片が検出される前に停止操作を行うことも可能であり、こうした場合には遮光片は検出されないことになる。
【0325】
本実施形態のスロットマシン100によれば、電源投入後の2遊技目からは、遮光片の検出を待たずにリールを停止操作することができるため、1遊技目よりも早いタイミングでストップボタンの操作が受け付けられるようになる。したがって、ストップボタン137~139の打感が良好になり、遊技者がストレスを感じることなく、テンポよく遊技が進行するようになる。また、遊技者の操作に即応答して、遊技の臨場感が高まる場合がある。さらに、3つのリール110~112が揃って停止可能状態になるため、どのような順番の停止操作(例えば、順押し、逆押し、挟み打ち等)でも即座に行うことができ、停止可能状態になる前に操作したことによる押し順ミスにつながることもない。
【0326】
図34は、遮光片の検出を待たずにリールを停止操作することができる状態でリールが回転している中、電断復電が生じた例を示すタイミングチャートである。
【0327】
定速2状態になった(c)のタイミングで3つのリール110~112は揃って停止可能状態になり、それら3つのリール110~112が回転を続ける中、電断復電が発生する。すなわち、3つのリール110~112の回転中に、
図21に示す電断処理(ステップS213)が実行され、即座に復電する。3つのリール110~112は、電断によって一旦回転を停止するが、復電により回転を再開し((a’)のタイミング)、(あ)の矢印が示すように加速制御の実行中の期間になる。なお、フローチャート上の図示は省略しているがこのような復電時においても、電力供給開始時の初期設定で加速情報初期化完了フラグのクリア処理は行われ、初回加速情報もクリアされる。(b’)のタイミングで加速制御が終了し、(い)の矢印が示すように、全てのリールは第一定速制御の実行中の期間になる。(c’)のタイミングで第一定速制御から第二定速制御に切り替わり、(c’)のタイミングから、いずれのリール110~112も定速2状態になる。そして、(a’)からの復電直後の1遊技目では、ステップS2703やステップS2082がNoとなることから定速2状態になってもリールは停止可能状態にはならず、リールごとの遮光片の検出を待って停止可能状態になる。すなわち、遮光片の検出を待たずに停止操作が有効になるリール回転中に電断復電が発生した場合であっても、復電後はリールごとの遮光片の検出を待って停止操作が有効になる。この例では、第二定速制御の実行中の期間における、(d’)のタイミングで中リール111の遮光片が検出され、中リール111が一番最初に停止可能状態になる。次いで、(e’)のタイミングで右リール112の遮光片が検出され、右リール112が停止可能状態になる。最後に、(f’)のタイミングで左リール110の遮光片612Dが検出され、左リール110が停止可能状態になる。左リール110が停止可能状態になるまで、ストップボタンは操作されず、左リール110が停止可能状態になった(f’)のタイミングで、3つのストップボタンLEDは一斉に第2発光態様に変化する。なお、この次の遊技では遮光片の検出を待たずに停止操作可能状態が設定されることになるが、設定変更との見分けをつき難くするという点では遮光片の検出をしてから停止操作可能状態が設定されるようにしてもよい。
【0328】
また、リール回転中の復電後は加速情報初期化完了フラグや初回加速情報がクリアされる仕様として、復電後の停止操作では定速後の遮光片の検出を経てから停止可能状態が設定される例としたが、リール回転中の復電では加速情報初期化完了フラグや初回加速情報はクリアされない仕様とし、定速後は遮光片の検出を経ずに停止可能状態が設定されるようにしてもよい。また、全てのリールが回転しているときに電断復電された例を示しているが、少なくとも1リールが停止された状態での電断復電においても
図34に示す例と同様であり、復電後は残りのリールに対しては遮光片の検出を経てから停止操作可能状態が設定されるようになる。すなわち、以前の遊技で遮光片が既に一回検出されている全てのリールが、今回の遊技(当該遊技)で定速2状態になってから少なくとも1以上のリールが未停止の状態で、特定事象として、例えば前面扉102の開放が検知された場合や、復電した場合や、リール演出が行われた場合(例えば、疑似遊技からのランダム遅延処理による回転再開後)には、特定事象が発生する前に停止されたリールでは遮光片のインデックスセンサによる検出を要せずに停止操作が許容されていたものの、再開された当該遊技の続きでは、未停止であったリールに対して遮光片がインデックスセンサによって検出されていることを必要とすることになる。言い換えれば、未停止であったリールに対しては遮光片の検出を経てからでないと停止可能にならない。このように、1遊技内であっても遮光片の検出を要せずに停止可能とされ停止されたリールと、遮光片の検出を経て停止可能とされ停止されたリールが混在することになる。これにより、当該遊技内でのリールのコマズレを防止することができ、電断によって、エラー解除等のメンテナンス作業によって、あるいはリール演出が行われたことによって、リールに不具合が生じてしまった、という遊技者の疑念を防ぐことができ、遊技台としての商品性を担保することができる。なお、復電後は残りのリールに対しては遮光片の検出をせずに停止操作可能状態が設定されるようになってもよい。
【0329】
図35は、N遊技目に疑似遊技が行われ、続くN+1遊技目では遮光片の検出を待たずにリールを停止操作することができる具体例を示すタイミングチャートである。
【0330】
図35に示すタイミングチャートには、上から順に、スタートレバー操作、リールの状態変化、リールインデックスと表示する、インデックスセンサにおける遮光片の検出状態の変化、ストップボタンと表示する、ストップボタンの操作受付可能状態の変化、ストップボタンLEDの発光態様の変化およびストップボタン操作が示されている。この
図35では、それぞれ3つある、リール110~112、インデックスセンサ、ストップボタン137~139、ストップボタンLED137a~139aは、一つにまとめ表示されている。
【0331】
また、タイミングチャートの下には、ポイントとなるタイミングごとに、左リール110、中リール111、右リール112、それらのリールの上に演出画像表示装置157、各リールの下に各リールに1対1で対応したストップボタン137~139の様子が示されている。
【0332】
N-1遊技目では、初回加速情報が「1」の値にセットされており、遮光片の検出を待たずにリールを停止操作することができる状態である。
【0333】
N-1遊技目に続いて、スタートレバー135がオンされると、N遊技目が開始される。全リール110~113は一斉に回転を開始し、やがて全リール110~113は定速状態になる。ここにいう定速状態は、定速1状態と定速2状態とを区別していない状態であるが、定速1状態のことであってもよいし、定速2状態のことであってもよい(
図36においても同じ。)。
【0334】
N遊技目では疑似遊技が行われた後、本遊技が行われる。疑似遊技は、本遊技のリール回転開始前に実行されるリール演出の一種である。疑似遊技でも、スタートレバー操作により全リール110~112が回転を開始する。一方、疑似遊技では、停止操作により対応する各リール110~112がそれぞれ停止したように見せかける(疑似停止ともいう)。すなわち、疑似遊技とは、ストップボタン137~139の操作を伴うことで回転しているリールを疑似停止することができること、または、疑似停止することができる状況のことをいう。また、疑似遊技においては疑似停止された停止態様に応じて遊技価値の付与は行われない。なお、疑似停止中においては本当の図柄停止と見分けがつくようにリールが僅かに振動するようにしてもよい。さらに、疑似停止されたリールを再始動させるための疑似的な操作を疑似開始操作とも言う。そして、疑似遊技と区別するために、ストップボタン137~139の操作を伴うことで回転しているリールを停止させ、該停止態様に応じた遊技価値の付与が可能な遊技を本遊技という。
【0335】
全リール110~113は、初回加速情報が「1」の値にセットされていることから、
図14に示すステップS1282c1の判定でNoの判定になり、ステップS1282d1の判定ではYesの判定になって、ストップボタンの操作が有効化され(ステップS1282e)、定速状態になったことで停止可能状態になる。ここにいう停止可能状態の停止には、疑似停止も含まれる。また、各ストップボタンLED137a~139aも第2発光態様に一斉に変化する。
図35の下方の左端には、全リール1110~113が定速状態になり、演出画像表示装置157には、セブン図柄を揃えることを促す表示が表示されている。また、各ストップボタン137~139は、第2発光態様で点灯している様子が示されている。なお、演出画像表示装置157におけるセブン図柄を揃えることを促す表示は、スタートレバーが操作されたタイミングで出力されるものであってもよい。
【0336】
全リール110~113では、定速状態になった後に遮光片が検出されている。その後、3つのストップボタン137~139それぞれで停止操作(疑似停止操作に相当)が行われると、各リール110~113は定速状態から疑似停止した状態になる。
図35の下方の左から2番目には、全リール1110~113が、上下に僅かに揺れながら停止したように見せかける疑似停止が行われている様子が示されている。3つのリール110~112では、中段水平入賞ライン上にセブン図柄が揃って疑似停止しており、演出画像表示装置157には、ボーナスを獲得したことの表示が表示されている。すなわち、疑似遊技では、疑似停止された停止態様に応じて、遊技価値の付与は行われないが遊技者に有利な特典が付与される場合がある。なお、各ストップボタン137~139は、第1発光態様で点灯している。
【0337】
疑似停止が行われた後にスタートレバー135の操作(ここでの操作を疑似開始操作と言う)が行われると本遊技が開始される。全リール110~112は、スタートレバー135の操作に応じて一斉に回転を開始するのではなく、
図18に示すランダム遅延回転開始処理によりリールごとに回転開始タイミングを異ならせて回転を開始する。すなわち、最初に左リール110が回転を開始し、次いで中リール111が回転を開始し、最後に右リール112が回転を開始する。なお、疑似遊技でセブン図柄を揃えることができたことにより、本遊技開始の契機となったスタートレバー135の操作に応じてAT状態に移行する。
【0338】
各リールは、加速状態を経て定速状態に異なるタイミングで移行するが、ランダム遅延フラグがオンであることから加速情報初期化完了フラグはクリアされ(
図17に示すステップS10532)、初回加速情報=0となり(
図17に示すステップS10573)、定速状態に移行したからといって停止可能状態になるわけではない。各リールは、定速状態になった後に、遮光片がインデックスセンサに異なるタイミングで検出される。本遊技では、遮光片がインデックスセンサに検出されたリールから停止可能状態になる。また、3つのリールのうち遮光片の検出が最も遅かったリールの検出タイミングで、3つのストップランプLED137a~139aは一斉に第2発光態様に変化する。
図35の下方の左から3番目には、3つのストップランプLED137a~139a全てが第2発光態様に変化している様子が示されている。また、AT状態に移行したことにより、演出画像表示装置157には、ストップボタンの押し順(第一停止を中リール111とし、第二停止を左リール110とし、第三停止を右リール112とする押し順)が表示されている。なお、演出画像表示装置157における押し順の表示は、スタートレバーが操作されたタイミングで出力されるものであってもよい。
【0339】
その後、演出画像表示装置157に表示された押し順に従って、ストップボタン137~139を操作する。
図35の下方の右端には、中段水平入賞ライン上にベル図柄が揃って停止している様子が示されている。また、演出画像表示装置157には、GETという文字が表示されている。3つのストップランプLED137a~139aは、第1発光態様で点灯している。
【0340】
N遊技目に続いて、スタートレバー135がオンされると、N+1遊技目が開始される。全リール110~113は一斉に回転を開始し、やがて全リール110~113は定速状態になる。N遊技目の本遊技において各リールの遮光片が検出され、初回加速情報が「1」の値にセットされている(
図27に示すステップS310i1)ので、N+1遊技では、
図23に示すステップS2082の判定でYesの判定になって、ストップボタンの操作が有効化され(ステップS208c)、全リール110~113は、定速状態になったことで停止可能状態になる。また、各ストップボタンLED137a~139aも第2発光態様に一斉に変化する。なお、各リールは、定速状態になった後に遮光片が検出されている。
【0341】
図36は、N遊技目の途中で前面扉102の開放が検知され、次遊技のN+1遊技のリール停止後に前面扉102が閉鎖された例を示すタイミングチャートである。
【0342】
図36に示すタイミングチャートでも、上から順に、スタートレバー操作、リールの状態変化、リールインデックスと表示する、インデックスセンサにおける遮光片の検出状態の変化、ストップボタンと表示する、ストップボタンの操作受付可能状態の変化、ストップボタンLEDの発光態様の変化およびストップボタン操作が示されている。この
図36でも、それぞれ3つある、リール110~112、インデックスセンサ、ストップボタン137~139、ストップボタンLED137a~139aは、一つにまとめ表示されている。さらに、一番下には、前面扉102の開放を検知する扉開放センサの検出状態も示されている。
【0343】
N-1遊技目では、初回加速情報が「1」の値にセットされており、遮光片の検出を待たずにリールを停止操作することができる状態である。
【0344】
N-1遊技目の次遊技であるN遊技目でも、遮光片の検出を待たずにリールを停止操作することができる状態である。3つのリール110~112が定速回転中に扉開放センサによって前面扉102の開放が検知される。すなわち、停止操作前の停止可能状態で前面扉102の開放が検知される。前面扉102の開放が検知されると、
図21に示すステップS2032において加速情報初期化完了フラグはクリアされる。その後、前面扉102が開放された状態で、ストップボタン137~139による停止操作が行われ、全リール110~112が停止する。
【0345】
前面扉102が依然として開放された状態で、スタートレバー135がオンされると、N+1遊技目が開始される。全リール110~113は一斉に回転を開始し、やがて全リールは定速状態になる。前面扉102の開放が検知された後の最初の回転開始操作、すなわち最初の遊技では、加速情報初期化完了フラグがクリアされていることから、初回加速情報=0となり(
図17に示すステップS10573)、定速状態に移行したからといって停止可能状態になるわけではない。各リールは、定速状態になった後に、遮光片がインデックスセンサに異なるタイミングで検出される。N+1遊技目では、遮光片がインデックスセンサに検出されたリールから停止可能状態になる。また、3つのリールのうち遮光片の検出が最も遅かったリールの検出タイミングで、3つのストップランプLED137a~139aは一斉に第2発光態様に変化する。
【0346】
その後、前面扉102が開放された状態でストップボタン137~139が操作され、全リール110~112が停止する。N+1遊技目で各リール110~112とも遮光片が検出されたことにより、
図27に示すステップS310i1で初回加速情報は「1」の値にセットされる。ただし、前面扉102が開放され続けていることで、
図21に示すステップS2032において加速情報初期化完了フラグは再びクリアされる。本実施形態では、前面扉102の開放検知をタイマ割込みで判定している(
図21に示すステップS2031)ため、前面扉102の開放が継続していると、Yesの判定結果になる状態が続くことなる。このため、前面扉102を開放したまま複数遊技を進めても、リールの停止可能状態は遮光片の検出を待たなければならないことが続くことになる。
【0347】
前面扉102は、全リール110~112が停止した後、次遊技のN+2遊技目が開始する前に閉鎖される。
【0348】
N+2遊技目は、前面扉102が閉鎖された状態で開始される。スタートレバー135がオンされることで一斉に回転を開始したリール110~113は、やがて定速状態になる。加速情報初期化完了フラグが再びクリアされたことから、初回加速情報=0となり(
図17に示すステップS10573)、定速状態に移行したからといって停止可能状態になるわけではない。つまり、前面扉102の開放が検出されたN遊技目に着目すると、N+1遊技目が前面扉102の開放が検出された最初の遊技となる。また、前面扉102の開放の検出が継続されているN+1遊技目に着目すると、N+2遊技目が前面扉102の開放が検出された最初の遊技となる。また、
図36に示すように、前面扉102の開放が複数遊技に亘って検知されている場合では、前面扉102の開放が検出された後の少なくとも最初の遊技(最初の停止操作)では遮光片がインデックスセンサに検出されてから停止可能状態となる。このように、前面扉102の開放検知に基づく加速情報初期化完了フラグのクリアされた後の最初の遊技(最初の停止操作)では遮光片の検出が必要となり、開放検知が複数遊技に亘っていても同様である。各リールは、定速状態になった後に、遮光片がインデックスセンサに異なるタイミングで検出される。N+2遊技目でも、遮光片がインデックスセンサに検出されたリールから停止可能状態になる。また、3つのリールのうち遮光片の検出が最も遅かったリールの検出タイミングで、3つのストップランプLED137a~139aは一斉に第2発光態様に変化する。その後、ストップボタン137~139が操作され、全リール110~112が停止する。N+2遊技目でも、各リール110~112とも遮光片が検出されたことにより、
図27に示すステップS310i1で初回加速情報は「1」の値にセットされる。このN+2遊技目では、前面扉102が閉鎖されていることで、
図21に示すステップS2032において加速情報初期化完了フラグがクリアされることはない。
【0349】
続く、N+3遊技目では、初回加速情報が「1」の値にセットされており、遮光片の検出を待たずにリールを停止操作することができる状態である。すなわち、スタートレバー135がオンされると、全リール110~113は一斉に回転を開始し、やがて全リール110~113は定速状態になる。N+2遊技目において各リールの遮光片が検出され、初回加速情報が「1」の値にセットされている(
図27に示すステップS310i1)ので、N+3遊技では、
図23に示すステップS2082の判定でYesの判定になって、ストップボタンの操作が有効化され(ステップS208c)、全リール110~113は、定速状態になったことで停止可能状態になる。また、各ストップボタンLED137a~139aも第2発光態様に一斉に変化する。なお、各リールは、定速状態になった後に遮光片が検出されている。その後、ストップボタン137~139が操作され、全リール110~112が停止する。
【0350】
以上説明したように、前面扉102が閉鎖され扉開放検知がされなくなると、その後の遊技(この例では、最初の遊技の次の遊技)から、各リールは、定速2状態になれば遮光片の検出を待たずに停止可能状態になる。つまり、前面扉102の開放が検知されて、開放が非検知となった最初の遊技(
図36中のN+2遊技目)までは遮光片の検知を経て停止可能状態となり、次の遊技(
図36中のN+3遊技目)からは定速2状態になれば遮光片の検知を経ずに停止可能状態となる。
【0351】
なお、N+1遊技目で、
図27に示すステップS310i1で初回加速情報が「1」の値にセットされる以前に、前面扉102を閉鎖し、扉開放が検知されないようにしておけば、N+2遊技目(扉開放検知がされなくなった後の最初の遊技)から、全リール110~113は、定速状態になったことで停止可能状態に移行するようになる。また、
図21に示すステップS2031において、前面扉102の開放を一度検知したら、開放が未検知になるまで、ステップS2031の判定を実行しないようにしてもよい。こうすることで、前面扉102が開放されたままでも、N+2遊技目(前面扉102の開放が検知された遊技の次の次の遊技(2回目の回転開始操作を行った後))から、全リール110~113は、定速状態になったことで停止可能状態に移行するようになる。
【0352】
なお、リールが停止している状態で開始操作前に前面扉102の開放が検出された場合は、直後の開始操作によって始動したリールの停止操作では遮光片の検出が必要であることは言うまでもない。
【0353】
なお、開始操作後であって停止操作前に前面扉102の開放が検出された場合は、該検出されたタイミング次第で遮光片の検出をせずに停止操作可能状態となるときもあれば、遮光片の検出後に停止可能状態となるときもあってもよい。具体的には、ステップS10571の前に前面扉102の開放が検出されて加速情報初期化完了フラグが0であると遮光片の検出後に停止可能状態となり、ステップS10571の後に前面扉102の開放が検出されると遮光片の検出をせずに停止操作可能状態となるようにしてもよい。
【0354】
また、本実施例では、前面扉102の開放を検知した場合に加速情報初期化完了フラグがクリアされる例としたが、前面扉102の閉鎖が検知されていれば加速情報初期化完了フラグが保持され遮光片の検出をせずに停止操作可能状態が設定されるようにしてもよい。
【0355】
このように、
図33~
図36に示したように、特定事象(電源投入、疑似遊技を含むリール演出、前面扉102の開放検知など)が発生した直後の遊技や停止操作では定速状態後の遮光片検出後に停止操作が有効となるが、次の遊技や停止操作からは遮光片の検出を待たずに定速状態となると停止操作が有効となり、再びいずれかの特定事象が発生しなければ毎遊技・毎停止操作で遮光片検出前の停止操作ができることとなる。
【0356】
図37は、前面扉102が開放され、リールにコマずれが発生した場合の具体例を示す図である。
【0357】
図37(a)では、3つのリール110~112全てが停止している。また、3つのストップボタン137~139それぞれに内蔵されたストップボタンLED137a~139aはいずれも第1発光態様で点灯している。
【0358】
リールが停止している状態で、ここでは不図示の前面扉102が開放される。この際、扉開放センサを手で塞いだまま前面扉102を開放することで、扉開放センサに前面扉102の開放が検知されない。なお、この状況は扉開放センサを手で塞ぐ他に、例えば、遊技店舗の店員が前面扉102を開放しながらのメンテナンス作業時に衣類や身につけている装備品が扉開放センサに接触したままで数ゲームほど試し打ちをしている場合や、扉開放センサ自体に不具合がある場合にも起こりえる状況となる。
【0359】
前面扉102が開放された状態であると、リールに誤って触れてしまう場合がある。
図37(b)では、右リール112に触れてしまい、右リール112が1コマ分、下方にズレてしまっている。この結果、これまで主制御部300が把握していた、右リール112上の図柄の回転方向の位置が、1コマ分狂ってしまっている。
【0360】
なお、ここでの説明は、前面扉102の開放前後で各リール110~112は停止状態であったが、回転状態であっても、リールに触れてしまうと、そのリール上の図柄の回転方向の位置が狂ってしまうため、停止状態に限った問題ではない。
【0361】
やがて、前面扉102が閉鎖される。その後、スタートレバー135が操作され遊技が開始される。
【0362】
図37(c)に示す演出画像表示装置157には、リプレイが内部当選していることを示唆する表示が表示されている。この
図37(c)における各リール110~112は定速2状態になっている。この具体例では、前面扉102が開放される前の遊技で既に遮光片の検出は行われており、初回加速情報が「1」の値にセットされている。そして、前面扉102の開放が検知されていないことから、
図21に示すステップS2032で加速情報初期化完了フラグはクリアされず、各リールは、定速2状態になれば遮光片の検出を待たずに停止可能状態になる。
図37(c)に示す各ストップボタンLED137a~139aは、各リール110~112が定速2状態になったことで第2発光態様に変化している。
【0363】
各リール110~112では、定速2状態になった後にそれぞれの遮光片がインデックスセンサによって検出される。左側の
図37(d)は、遮光片がインデックスセンサに検出される前に3つのリール110~112について停止操作が行われた結果を示す図である。本来であれば、リプレイ図柄が一直線となる態様で停止表示されるところ、
図37(d)に示す左リール110と中リール111では、中段水平入賞ライン上にリプレイ図柄が停止しているが、右リール112では、中段水平入賞ラインから1コマ下にズレた位置にリプレイ図柄が停止している。しかしながら、内部制御的には、リールの停止データから導出される図柄で判定され、中リール111でも、中段水平入賞ライン上にリプレイ図柄が停止していることになり、リプレイに入賞したことになる。この結果、リールの停止位置を正確に制御することができなくても、遊技者の利益に影響がでることはない。ただし、見た目上は好ましくなく、遊技者が一瞬不安になってしまう問題がある。なお、リプレイに限らず、遊技価値の付与を伴う小役が成立した場合やボーナス遊技状態が開始されるボーナス役が成立した場合であっても、ズレて停止しても遊技価値の付与やボーナス遊技状態への制御は行われる。
【0364】
各リール110~112の全てが、定速2状態になった後にそれぞれの遮光片がインデックスセンサによって検出される前に、各リール110~112について停止操作が行われた
図37(d)についてさらに詳述する。前面扉102が開放されたとはいえ、上述の如く扉開放センサを手で塞いでいることから、主制御部300では前面扉102の開放を検出することができず、主制御部300は前面扉102は閉じた状態にあると認識している。このため、定速2状態になったリールであれば、遮光片をインデックスセンサによって検出していなくても停止操作が受け付けられる。なお、3つのリール110~112全てが定速2状態にならないと停止操作を受け付けない場合であっても、遮光片の検出を待たずに停止操作が受け付けられる。
【0365】
前面扉102が開放された状態では、リール110~112に触れることが可能になる。リール110~112に触れてしまうと、リール110~112が回転方向にズレてしまいコマずれが生じる場合がある。また、ステップアウト(脱調)が生じた場合にもコマずれが生じてしまう。上述のごとく、主制御部300は、回転するリールの遮光片がインデックスセンサによって検出されたことで、リールの回転方向の位置を把握し、リールの停止位置を制御可能になる。しかしながら、コマずれが生じると、主制御部300が把握しているリールの回転方向の位置と、実際のリールの回転方向の位置にずれが生じ、主制御部300としてはリールの停止位置を正しく制御したつもりでも、
図37(d)に示すように、入賞ライン上に表示されるべき図柄組合せが表示されない。
【0366】
したがって、遮光片が検出される前に停止操作が行われ、コマずれが生じていると、引込み100%の役に対応する図柄組合せが表示されるべきところが表示されない。しかしながら、引込み100%の役に対応する図柄組合せが表示されなくても、引込み100%の役に対応する図柄組合せが表示された際の遊技処理や演出処理が行われることで、遊技者に対して悪影響とならないようにすることができる。引込み100%の役とは、遊技者の停止操作に関わらずリールの引込み制御により当該役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に必ず表示される役(取りこぼしのない役)のことであり、引込み100%の役の一例としては、再遊技役あるいは小役のベル等があげられる。また、ここにいう遊技処理とは、入賞判定処理をコマずれが生じなかった場合と同じように処理することである。より具体的には、再遊技役であった場合には、主制御部300は賭数の再設定を行い、再遊技ランプ122(
図1参照)の点灯制御を行う。ベルであった場合には、主制御部300は遊技価値の払出制御を行う。また、ここにいう演出処理とは、入賞役に対応した演出(演出画像表示装置157における表示演出や各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ等)における発光演出やスピーカ272,277における音出力演出やシャッタ163等における可動体演出等)であってもよいし、リール演出(フリーズ演出等)であってもよいし、リール照明装置608(
図6参照)を用いた演出等であってもよい。
【0367】
また、引込み100%の役に限らず、ベル以外の小役(以下、「或る小役」という。)であっても同様であり、コマずれによって或る小役に対応する図柄組合せが表示されなくても、或る小役に対応する図柄組合せが表示された際の遊技処理や演出処理を行う。例えば、
図4(a)の中リールはスイカが2箇所のみに配置されており取りこぼしが発生しやすいものの、スイカを取りこぼさない位置で停止操作をしていればコマずれが生じていてもスイカに対応する払い出しを得ることができる。なお、ここにいう遊技処理とは、遊技媒体の払出制御や、遊技価値に関するカウンタの更新処理のことである。遊技価値に関するカウンタとしては、ATやARTの抽選を有利に受けられる有利区間(例えば、通常状態以外の遊技状態の区間)に関するカウンタであったり、遊技機の射幸性の度合いを評価するための役比モニタに関するカウンタであったりする。また、ここにいう演出処理とは、上述の演出処理と同じである。これにより、遊技制御の面においても、演出制御の面においても遊技者の損にならないようにすることできる。
【0368】
さらに、ボーナス役であっても同様であり、コマずれによってボーナス役に対応する図柄組合せが表示されなくても、ボーナス役に対応する図柄組合せが表示された際の遊技処理や演出処理を行う。ここにいう遊技処理とは、遊技媒体の払出制御や、遊技状態の移行処理や、ボーナス役に対応する図柄組合せが表示された際のウェイト処理のことである。また、ここにいう演出処理とは、上述の演出処理と同じである。これによっても、遊技制御の面においても、演出制御の面においても遊技者の損にならないようにすることできる。
【0369】
なお、コマずれによって停止した場合に、遊技制御も演出制御もコマずれしていないときの制御と同じ制御を行う例を示したがこれに限らず、遊技制御においてはコマずれしていないときの制御を行う一方で、演出制御においてはコマずれしていないときの制御を行わずに、例えば、無演出にしたり、期待感や何らかの示唆、何らかの対応演出を含まない演出を実行したりするようにしてもよい。これにより、コマずれが生じてしまったことを気づき難くしつつ、遊技の結果においては遊技者の損にならないようにすることができる。
【0370】
また、これらの遊技制御や演出制御は、停止表示結果に関連する処理である。この停止表示結果に関連する処理は、一の制御や処理に限らず複数の制御や処理でもよい。また、停止表示された表示結果と必ずしも一対一の関係の制御や処理である必要はない。例えば、ベルの表示結果が表示された際の遊技処理として第一処理(例えば、遊技媒体の払出制御)と第二処理(例えば、遊技価値に関するカウンタの更新処理)が行われ、ベルの表示結果となるところをコマずれが生じても第一処理と第二処理が行われるようにしてもよい。また、他の役に対応する表示結果が表示された際に実行される所定の処理が、ベルの表示結果が表示された際も、ベルの表示結果となるところをコマずれが生じた際も実行されるようにしてもよい。このように、複数の制御や処理であったり、他の契機でも実行される制御や処理であったりしても「関連する処理」であると言え、この点については、演出制御の面においても同様である。
【0371】
また、引込み100%の役としては、本実施形態では図柄表示窓に表示される図柄が見た目上取りこぼしのないようになっていること、当該当選役の図柄組合せとして取りこぼしがない図柄組合せとなっていることを包含するものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、或る当選役に係る図柄組合せとして複数種類の図柄組合せが設けられているものであってもよい。より具体的には、図柄組合せを構成する図柄種類として、左リールにベル1図柄、中リールにはベル1図柄およびベル2図柄、右リールにはベル1図柄およびベル2図柄があり、ベルの当選結果として、「ベル1-ベル1-ベル1」、「ベル1-ベル1-ベル2」、「ベル1-ベル2-ベル1」、「ベル1-ベル2-ベル2」の図柄組合せが同時に成立しており、1つの図柄組合せでは引込み100%にはなっていないが、4つの図柄組合せによって引込み100%になっているようなものでもよい。
【0372】
一方、右側の
図37(e)は、遮光片がインデックスセンサに検出された後に3つのリール110~112について、リプレイ図柄を狙った停止操作が行われた結果を示す図である。
図37(e)に示す3つのリール110~112では、中段水平入賞ライン上にリプレイ図柄が揃って停止している。遮光片を検出したことにより、
図27に示すステップS310k及びステップS310lの処理によって、リールの回転位置情報がリセットされ、停止位置を正確に制御することができるようになる。このように、回転開始前にリールがズレてしまっても、遮光片を検出することで主制御部300はリールの正しい位置を把握し直すことができ、リールの停止位置を正確に制御することができるようになる。ただし、遮光片が検出されるまで停止操作を行わないようにする必要があり、テンポ良く遊技を進めることができないといった問題がある。なお、
図37(d)のように図柄がズレて停止しても遮光片を検出すれば位置を把握できるため、1遊技~2遊技程度(遮光片を再度検知するまでに要する遊技)で図柄のズレは解消されることとなる。すなわち、
図37(d)の次遊技においては図柄のズレは解消されている可能性が非常に高い。
【0373】
以上説明したようにリールがズレてしまうことには問題がある。このため、前面扉102の開放を検知したら、加速情報初期化完了フラグをクリアにして、遮光片の検出を待ってからリールを停止可能状態にすることが好ましいことがわかる。また、「加速情報初期化完了フラグ=1」であったり、「初回加速情報=1」であったりしても、
図23や
図24の処理において遮光片を検出する度に情報が更新されるため、リールがズレてしまっても遮光片を再度検出することにより正確な位置の把握ができてズレを解消することができる。
【0374】
続いて、導出ターゲット領域について説明する。
【0375】
図38は、導出ターゲット領域と遮光片の位置との関係を示す図である。
【0376】
各リール110~112には、図柄表示窓113(
図1参照)に停止表示(導出)することが推奨される導出ターゲット領域TRAが設けられている。この導出ターゲット領域TRAを図柄表示窓113に停止表示することができれば、特定の小役を入賞させることができる。いわば導出ターゲット領域とは、通常時やAT中の押し順ナビの非発生時の打ち方(目押し位置)として設計されている領域である。各リール110~112では、遮光片が設けられた位置と導出ターゲット領域TRAの位置とはリールの回転方向(
図38(a)に示す下向きの矢印が示す方向)に見て異なっている。以下、遮光片が設けられた位置のことをインデックス位置IPと称する。インデックス位置IPは、導出ターゲット領域TRAからリールの回転方向にズレた位置(導出ターゲット領域TRAを除く領域)に設定されていることになる。
【0377】
図38(a)は、インデックス位置IPと導出ターゲット領域TRAとが16番~20番の5コマ離れた例を示す図である。
【0378】
図38(a)に示す各リール110~112の図柄配列は、
図4に示した各リール110~112の図柄配列と同じである。各リール110~112には、図柄列の上端から図柄ごとに0番~20番の図柄番号がふられている。各リール110~112は、
図38(a)に示す下向きの矢印が示す方向に回転することで、図柄表示窓113を、0番→20番→19番→18番→・・・の順に通過することになる。各リール110~112では、遮光片が、0番の図柄の位置と20番の図柄の位置の間に設けられている。すなわち、左リール110では、遮光片612D(
図6等参照)は、0番のセブン図柄の位置と20番のチェリー図柄の位置の間に設けられている。遮光片が設けられた位置(インデックス位置IP)に対応した図柄(ここでは0番の図柄)の位置が、主制御部300によるリールの停止位置の制御における基準位置(インデクス基準位置)になる。
【0379】
図38(a)に示す例では、左リール110に導出ターゲット領域TRAが設けられている。導出ターゲット領域TRAは11番~15番になり、15番のBAR図柄を図柄表示窓113の中段又は下段に停止表示させることを狙って左ストップボタン137を押下すると、下方の図に示す「スイカ」又は「チェリー」といった特定の小役を入賞させることができる。下方の図に示すように、「スイカ」の小役に対応する図柄組合せは「スイカ-スイカ-スイカ」の一種類であるが、「チェリー」の小役に対応する図柄組合せは「チェリー-ANY-ANY」と「ブランク-ANY-ANY」との二種類である。すなわち、4番のブランク図柄をチェリーの代用図柄としている。このため、「チェリー」の小役に内部当選している状態で、15番のBAR図柄を図柄表示窓113の中段又は下段にきたときに左ストップボタン137を押下すると、12番のチェリー図柄を図柄表示窓113内に導出することができ、4枚の払い出しを受けて、遊技者は、「チェリー」の小役に内部当選していたことを把握しやすくなる。一方、「チェリー」の小役に内部当選している状態で、5番付近の図柄が図柄表示窓113にきたときに左ストップボタン137を押下すると、4番のブランク図柄が図柄表示窓113内に導出され、4枚の払い出しを受けることができるが、遊技者は、「チェリー」の小役に内部当選していたことを把握しにくい。なお、「チェリー」の小役に対応する図柄は、4番のブランク図柄、12番および20番のチェリー図柄になる。4番・12番・20番を引き込めない位置で停止操作をしてしまうと、「チェリー」の小役を取りこぼすこととなるが、導出ターゲット領域TRAを狙って停止操作すると取りこぼすことはない。
【0380】
また、導出ターゲット領域TRAには、チェリー同様に取りこぼすおそれのある役として「スイカ」の小役に対応したスイカ図柄も含まれている。「スイカ」の小役に対応する図柄は、3番・11番・16番のスイカ図柄になる。3番・11番・16番を引き込めない位置で停止操作をしてしまうと、「スイカ」の小役を取りこぼすこととなるが、導出ターゲット領域TRAを狙って停止操作すると取りこぼすことはない。
【0381】
また、導出ターゲット領域TRAには、引込み100%の再遊技役に対応したリプレイ図柄と、同じく引込み100%のベルの小役に対応したベル図柄も含まれている。
【0382】
図38(a)に示す図柄配列を有するスロットマシン100では、通常遊技状態(非AT状態)において左リール110ではBAR図柄を図柄表示窓113の中段又は下段に停止表示させることを狙って左ストップボタン137を押下することが推奨されている。このBAR図柄を含む導出ターゲット領域TRAは、いわゆるDDTポイントと称される領域である。
【0383】
また、
図38(a)に示す例では、インデックス位置IPのリール回転方向前後となる0番及び20番と、20番の次になる19番の範囲が検知領域DAになる。
図33~
図36を用いて説明した特定事象(電源投入、疑似遊技を含むリール演出、前面扉102の開放検知など)後の最初の遊技では、0番と20番の間が停止操作不可から停止操作可に切り替わる位置になる。定速2状態で回転するリールの遮光片が検出されると、そのリールを停止させるストップボタンに内蔵されたストップボタンLEDの発光態様が第1発光態様から第2発光態様に変化し、ストップボタンの操作が受付可能になったことが報知される。遮光片が検出されてからストップボタンLEDの発光態様が第2発光態様に変化するまでの間にリールは回転し、インデックスセンサ606Aを20番~19番の図柄が通過した頃にストップボタンLEDの発光態様が第2発光態様に変化する。したがって、灰色のハッチングで囲った0番、20番、19番の検知領域DAが、ストップボタンLEDの発光態様が第1発光態様から第2発光態様に切り替わる領域になり、検知領域DAがインデックスセンサ606Aを通過している間に左ストップボタン137を押下することは困難である。一方、検知領域DAがインデックスセンサ606Aを通過した頃には、左ストップボタンLED137aが第2発光態様に変化し終えており、左ストップボタン137を押下できるようになる。このため、特定事象後の最初の遊技において、左リール110の回転が開始されてから左リール110が1周する前に定速2状態になったとしても、インデックス位置IPがインデックスセンサ606Aを通過しなければ、左リール110の回転が2周目に入る前に左リール110を停止させること(1周押し)はできない。
【0384】
なお、遮光片を検出するインデックスセンサは、図柄表示窓113の上段よりも概ね2コマ上方に対応する箇所に設けられている。したがって、
図38(a)に示す例では、左リール110の遮光片612Dが検出される直前に図柄表示窓113の上段を通過する図柄は3番の図柄(スイカ図柄)になり、遮光片612Dが検出される時に図柄表示窓113の上段を通過する図柄は2番の図柄(リプレイ図柄)になり、遮光片612Dが検出された直後に図柄表示窓113の上段を通過する図柄は1番の図柄(ベル図柄)になる。つまり、検知領域DAがインデックスセンサ606Aに位置する際は、遊技者が視認できる図柄表示窓113には1番~3番(以後、検知領域対応領域DAaという)が表示されることとなる。上述したように、検知領域DAがインデックスセンサ606Aを通過している間に左ストップボタン137を押下することは困難であるということは、遊技者的には検知領域対応領域DAaに対応する1番~3番が図柄表示窓113に位置する際は押下することが困難であると言える。
【0385】
図38(a)に示す例では、左ストップボタン137の停止操作が受け付けられるようになってから半周を超えない範囲の領域に導出ターゲット領域TRAが設けられている。すなわち、検知領域対応領域DAaの上段直後の図柄(0番の図柄)から5コマ進んだ先に導出ターゲット領域TRAが設けられている。このため、特定事象後の最初の遊技では、遮光片612Dを検出してから、遊技者が左ストップボタン137を押下するまでの間延びを極力防ぎつつ、左ストップボタンLED137aの第2発光態様への変化を遊技者に気付きやすくすることができる。また、左ストップボタンLED137aが第2発光態様へ変化してから、0番→20番→・・・→16番といった6コマほど過ぎて、狙うべき15番のBAR図柄が図柄表示窓113にくるため、左ストップボタン137の停止操作が実質的に可能になってから、ある程度の余裕を確保しつつもテンポよく停止操作を行うことができる。さらに、特定事象後に遮光片が一度検出されてしまえば、特定事象が再び発生するまでは遮光片の検出を待つ必要がなくなるため、ストップボタンをすぐに押下することができ、1周押しも可能になる場合がある。
【0386】
なお、インデックスセンサ606Aに18番の図柄が通過するタイミングではストップボタンLEDの発光態様が第2発光態様に切り替わっている。すなわち、インデックスセンサ606Aに遮光片が検出されてからストップボタンLEDの発光態様が第1発光態様から第2発光態様に変化するまでの時間としては、リールが2コマ分移動する時間が必要である。したがって、インデックスセンサの位置がどこに設けられていようとも(例えば、図柄表示窓113の上縁に設けられていても)、インデックス位置IPから3コマ以上離れた位置に導出ターゲット領域TRAが設けられていれば、導出ターゲット領域TRAが図柄表示窓113に入った時にはストップボタンLEDの発光態様が第2発光態様に切り替わり、操作可能であることの報知が開始されており、ストップボタンを最短で操作することができる。
【0387】
図38(b)は、インデックス位置IPと導出ターゲット領域TRAとが8コマ離れた例を示す図である。
図38(b)の説明では、同図(a)の説明と重複する説明は省略する場合がある。
【0388】
図38(b)に示す各リール110’~112’の図柄配列は、
図4に示した各リール110~112の図柄配列とは異なり、各リール110’~112’には、図柄列の上端から図柄ごとに0番~19番の図柄番号がふられている。左リール110’を例にあげて説明すると、セブン図柄としては、4番の赤セブン図柄と、15番の青セブン1図柄と、16番の青セブン2図柄がある。各リール110’~112’は、
図38(b)に示す下向きの矢印が示す方向に回転することで、図柄表示窓113を、0番→19番→18番→17番→・・・の順に通過することになる。各リール110’~112’では、遮光片が、0番の図柄の位置と20番の図柄の位置の間に設けられている。すなわち、左リール110’では、遮光片612D(
図6等参照)は、0番のブランク図柄の位置と19番のリプレイ図柄の位置の間に設けられている。
【0389】
図38(b)に示す例でも、左リール110’に、DDTポイントと称される導出ターゲット領域TRA’が設けられている。導出ターゲット領域TRA’は7番~11番になり、10番のBAR図柄を図柄表示窓113の上段又は中段に停止表示させることを狙って左ストップボタン137を押下すると、下方の図に示す「スイカ」又は「チェリー」といった特定の小役を入賞させることができる。下方の図に示すように、5枚の払い出しである「スイカ」の小役に対応する図柄組合せは「スイカ-スイカ-スイカ」の一種類であるが、1枚の払い出しである「チェリー」の小役に対応する図柄組合せは「チェリー-ANY-ANY」と「青セブン2-ANY-ANY」との二種類である。すなわち、16番の青セブン2図柄をチェリーの代用図柄としている。このため、「チェリー」の小役に内部当選している状態で、10番のBAR図柄を狙うと、11番のチェリー図柄を図柄表示窓113内に導出することができ、1枚の払い出しを受けて、遊技者は、「チェリー」の小役に内部当選していたことを把握しやすくなる。一方、「チェリー」の小役に内部当選している状態で、17番付近の図柄が図柄表示窓113にきたときに左ストップボタン137を押下すると、16番の青セブン2図柄が図柄表示窓113内に導出され、1枚の払い出しを受けることができるが、遊技者は、「チェリー」の小役に内部当選していたことを把握しにくい。なお、「チェリー」の小役に対応する図柄は、1番および11番のチェリー図柄と、16番の青セブン2図柄になる。1番・11番・16番を引き込めない位置で停止操作をしてしまうと、「チェリー」の小役を取りこぼすこととなるが、導出ターゲット領域TRAを狙って停止操作すると取りこぼすことはない。
【0390】
また、導出ターゲット領域TRA’にも、引込み100%の再遊技役に対応したリプレイ図柄と、同じく引込み100%のベルの小役に対応したベル図柄も含まれている。
【0391】
また、
図38(b)に示す例では、インデックス位置IPのリール回転方向前後となる0番及び19番と、19番の次になる18番の範囲が検知領域DA’になり、灰色のハッチングで囲んでいる。この検知領域DA’も、ストップボタンLEDの発光態様が第1発光態様から第2発光態様に切り替わる領域になり、検知領域DA’がインデックスセンサ606Aを通過している間に左ストップボタン137を押下することは困難である。
【0392】
なお、
図38(b)に示す例では、遮光片を検出するインデックスセンサは、図柄表示窓113の上段よりも1コマ上方に設けられている。したがって、
図38(b)に示す例では、左リール110’の遮光片612Dが検出される直前に図柄表示窓113の上段を通過する図柄は2番のスイカ図柄になり、遮光片612Dが検出される時に図柄表示窓113の上段を通過する図柄は1番のチェリー図柄になり、遮光片612Dが検出された直後に図柄表示窓113の上段を通過する図柄は0番のブランク図柄になる。つまり、
図38(b)に示す例では、0番・1番・2番が検知領域対応領域(検知領域対応領域DA’aとする)となる。検知領域DA’がインデックスセンサ606Aを通過している間に左ストップボタン137を押下することは困難であるということは、遊技者的には検知領域対応領域DA’aに対応する0番~2番が図柄表示窓113に位置する際は押下することが困難であると言える。
【0393】
図38(b)に示す例でも、左ストップボタン137の停止操作が受け付けられるようになってから半周を超えない範囲の領域に導出ターゲット領域TRA’が設けられている。すなわち、検知片直後の図柄(19番の図柄)から7コマ進んだ先に導出ターゲット領域TRA’が設けられている。このため、特定事象後の最初の遊技では、遮光片612Dを検出してから、遊技者が左ストップボタン137を押下するまでの間延びを防ぎつつ、左ストップボタンLED137aの第2発光態様への変化を遊技者に気付きやすくすることができる。また、左ストップボタンLED137aが第2発光態様へ変化してから、19番→18番→・・・→11番といった9コマほど過ぎて、狙うべき10番のBAR図柄が図柄表示窓113にくるため、左ストップボタン137の停止操作が実質的に可能になってから、余裕を確保して確実に停止操作を行うことができる。さらに、
図38(b)に示す例でも、特定事象後に遮光片が一度検出されてしまえば、特定事象が再び発生するまでは遮光片の検出を待つ必要がなくなるため、ストップボタンをすぐに押下することができ、1周押しも可能になる場合がある。
【0394】
図38(c)は、これまでの例とはインデックス位置が異なる例を示す図である。
図38(c)の説明では、同図(a)及び同図(b)の説明と重複する説明は省略する場合がある。
【0395】
図38(c)には、DDTポイントと称される導出ターゲット領域TRA’’が設けられた左リール110’’のみが示されている。
図38(c)に示す左リール110’’の図柄配列も、これまで示した左リール110,110’の図柄配列とは異なっている。例えば、リプレイ図柄として、2番のリプレイ1図柄と、4番のリプレイ2図柄がある。左リール110’’は、
図38(c)に示す下向きの矢印が示す方向に回転することで、図柄表示窓113を、0番→19番→18番→17番→・・・の順に通過することになる。
図38(c)に示す左リール110’’では、遮光片612Dが、4番のリプレイ2図柄の位置と5番のベル図柄の位置の間に設けられており、この間の位置がインデックス位置IP’になる。また、インデックス位置IP’に対応した図柄は、5番のベル図柄になり、この5番の位置が、主制御部300によるリールの停止位置の制御における基準位置(インデクス基準位置)になる。
【0396】
図38(c)に示す例でも、左リール110’’に、DDTポイントと称される導出ターゲット領域TRA’’が設けられている。導出ターゲット領域TRA’’は15番~19番になり、18番のBAR図柄を図柄表示窓113の上段又は中段に停止表示させることを狙って左ストップボタン137を押下すると、下方の図に示す「スイカ」又は「チェリー」といった特定の小役を入賞させることができる。下方の図に示すように、5枚の払い出しである「スイカ」の小役に対応する図柄組合せは「スイカ-スイカ-スイカ」の一種類であるが、1枚の払い出しである「チェリー」の小役に対応する図柄組合せは「チェリー-ANY-ANY」と「リプレイ2-ANY-ANY」との二種類である。すなわち、4番のリプレイ2図柄をチェリーの代用図柄としている。このため、「チェリー」の小役に内部当選している状態で、18番のBAR図柄を狙うと、19番のチェリー図柄を図柄表示窓113内に導出することができ、1枚の払い出しを受けて、遊技者は、「チェリー」の小役に内部当選していたことを把握しやすくなる。一方、「チェリー」の小役に内部当選している状態で、5番付近の図柄が図柄表示窓113にきたときに左ストップボタン137を押下すると、4番のリプレイ2図柄が図柄表示窓113内に導出され、1枚の払い出しを受けることができるが、遊技者は、「チェリー」の小役に内部当選していたことを把握しにくい。なお、「チェリー」の小役に対応する図柄は、4番のリプレイ2図柄と、10番および19番のチェリー図柄になる。4番・10番・19番を引き込めない位置で停止操作をしてしまうと、「チェリー」の小役を取りこぼすこととなるが、導出ターゲット領域TRAを狙って停止操作すると取りこぼすことはない。
【0397】
また、導出ターゲット領域TRA’’には、チェリー同様に取りこぼすおそれのある役として「スイカ」の小役に対応したスイカ図柄も含まれている。「スイカ」の小役に対応する図柄は、0番・6番・15番のスイカ図柄になる。0番・6番・15番を引き込めない位置で停止操作をしてしまうと、「スイカ」の小役を取りこぼすこととなるが、導出ターゲット領域TRAを狙って停止操作すると取りこぼすことはない。
【0398】
また、導出ターゲット領域TRA’’にも、引込み100%の再遊技役に対応したリプレイ1図柄と、同じく引込み100%のベルの小役に対応したベル図柄も含まれている。
【0399】
また、
図38(c)に示す例では、インデックス位置IP’のリール回転方向前後となる5番及び4番と、4番の次になる3番の範囲が検知領域DA’’になり、灰色のハッチングで囲んでいる。この検知領域DA’’も、ストップボタンLEDの発光態様が第1発光態様から第2発光態様に切り替わる領域になり、検知領域DA’’がインデックスセンサ606Aを通過している間に左ストップボタン137を押下することは困難である。
【0400】
なお、
図38(c)に示す例では、遮光片を検出するインデックスセンサは、図柄表示窓113の上段よりも2コマ上方に設けられている。したがって、
図38(c)に示す例では、左リール110の遮光片612Dが検出される直前に図柄表示窓113の上段を通過する図柄は8番のリプレイ図柄になり、遮光片612Dが検出される時に図柄表示窓113の上段を通過する図柄は7番のベル図柄になり、遮光片612Dが検出された直後に図柄表示窓113の上段を通過する図柄は6番のスイカ図柄になる。つまり、
図38(c)に示す例では、6番・7番・8番が検知領域対応領域(検知領域対応領域DA’’aとする)となる。検知領域DA’’がインデックスセンサ606Aを通過している間に左ストップボタン137を押下することは困難であるということは、遊技者的には検知領域対応領域DA’’aに対応する6番~8番が図柄表示窓113に位置する際は押下することが困難であると言える。
【0401】
図38(c)に示す例でも、左ストップボタン137の停止操作が受け付けられるようになってから半周を超えない範囲の領域に導出ターゲット領域TRA’’が設けられている。すなわち、検知領域DA’’の上段直後の図柄(2番の図柄)から2コマ進んだ先に導出ターゲット領域TRA’’が設けられている。このため、特定事象後の最初の遊技では、遮光片612Dを検出してから、遊技者が左ストップボタン137を押下するまでの間延びを防ぎつつ、左ストップボタンLED137aの第2発光態様への変化を遊技者に気付きやすくすることができる。また、左ストップボタンLED137aが第2発光態様へ変化してから、2番→1番→0番→19番といった4コマほど過ぎて、狙うべき18番のBAR図柄が図柄表示窓113にくるため、左ストップボタンLED137aが第2発光態様へ変化してからすぐに停止操作を行うことになり、スピード感ある遊技を楽しむことができる。さらに、特定事象後に遮光片が一度検出されてしまえば、特定事象が再び発生するまでは遮光片の検出を待つ必要がなくなるため、ストップボタンをすぐに押下することができ、1周押しも可能になる場合がある。
【0402】
なお、
図38に示す例ではいずれも、導出ターゲット領域が左リールにのみ設けられていたが、導出ターゲット領域は中リールや右リールにも設けられていてもよい。また、インデックス位置は、
図38(a)~同図(c)それぞれの例における位置に限らず、リールの回転方向に沿った様々な位置に設けられてもよい。さらに、インデックスセンサの位置も限定されることはなく、
図38(a)~同図(c)それぞれの例において図柄表示窓113の下段の位置に設けられていてもよい。
【0403】
従来の遊技台においては、遊技者による開始操作によって内部当選役の決定、および、リールの始動が開始する。リールの始動制御では、リールが停止している状態から加速制御が行われて、十分な速度に達して定速制御となる。そして、定速制御において、リール位置を検知するための遮光片が検出されると各ストップスイッチの停止操作が有効となる。つまり、リールの定速回転後にインデックスセンサが遮光片を検出しないと停止操作が有効とならない。これは、遊技台(主制御部300)が把握している図柄位置と、リールのステップアウト(脱調)やコマずれ等で実際の図柄位置とが整合していない場合に、主制御部300で図柄位置の更新を行うことが必要になるからである。しかしながら、このような仕様では、リールが始動を始めた位置(=前回遊技の停止位置)や図柄配列によっては、前回遊技の停止位置、またはその遊技者による前回遊技の押下位置からリールを1周以上回転させてからでないと停止操作が有効とならない場合がある。例えば、リールが定速回転に至る直前にインデックスセンサが遮光片を検出してしまった場合は、さらに1周して遮光片を検出しないと停止操作が有効とならず、遊技者の操作テンポ(いわゆる、「打感」)が低下したり、遊技者が早めに第1停止操作をしていたが、該第1停止操作は有効操作となっておらず、遊技者によっては第2停止操作のつもりが、遊技台としては第1停止操作となってしまい、押し順のミスや目押しのミスを誘発したりすることがある。そこで、本実施形態の遊技台では、押し順ミスを誘発しないように遊技者の操作テンポを向上させつつ、主制御部300が図柄の位置を正確に把握できる遊技台を提供することを目的としている。
【0404】
以上の記載によれば、
『 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御手段300]と、
回転可能な複数のリール[例えば、3つのリール110~112]と、
前記複数のリールを構成するリールごとに1対1の対応関係で設けられ、対応するリールの回転を停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、3つのストップボタン137~139]と、
前記複数のリールそれぞれに設けられ、該リールの基準位置[例えば、左リール110であれば遮光片612D]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、対応する前記リールの回転を停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールにおいて第二の条件が満足された後に第一の条件が満足されると前記停止可能状態が設定[例えば、個々のルール単位ではなく全リール単位での
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合があり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールにおいて前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、個々のルール単位ではなく全リール単位での
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合があり、
前記第一の条件は、前記検出手段により前記基準位置が検出されることであり、
前記第二の条件は、前記複数のリールの回転状態が定速で回転する定速状態[例えば、第二定速制御による定速状態]であることであり、
特定事象が発生した後の最初の前記停止操作が求められる遊技で前記第一の場合となり、
前記第一の条件が満足された遊技の次の遊技から前記特定事象が新たに発生するまでの遊技のうち少なくとも一部の遊技において前記第二の場合となり、
前記特定事象とは、前記遊技台への電力供給が開始されたこと[例えば、電源投入(復電)]である、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
【0405】
この遊技台によれば、前記遊技台への電力供給が開始されたという特定事象が発生した後の最初の遊技以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技進行ができるようにしている。一方、電断中のメンテナンス時にリールに触れてしまいリールの位置がズレてしまう可能性があるため、復電後は前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることでリールを正しい位置で停止させることができる。また、設定変更も電断復電が必要になる。設定変更によってリール位置を記憶する領域が初期化されるため、設定変更後も前記検出手段の検出後に停止操作が有効になる。設定変更を伴わない電断復電の場合に、該検出手段の検出を待たずに停止操作を有効にしてしまうと、有効になるタイミングの違いで設定変更の有無が分かってしまい開店直後の遊技台の稼働に影響を及ぼす虞がある。このため、設定変更時と電断復電時の挙動を合わせることで設定変更の有無を分かり難くすることができる。また、1リール毎に前記第一の条件が満足されるようにすると、いわゆるスライドストップの停止操作が行われた場合に、該第一の条件を未だ満足せずに停止可になっていないリールによって停止操作が検出されず、操作のリズムが途切れてしまう(途中で操作が引っ掛かる)可能性があり、操作性が低下してテンポ良く遊技進行ができないといった問題がある。この問題に対して、この遊技台によれば、全リールで前記第一の条件あるいは前記第二の条件が満足されることによって全リールの停止操作が有効化され、いわゆるスライドストップの操作性を向上させることができる。
【0406】
以上の記載によれば、
『 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御手段300]と、
回転可能なリール[例えば、リール110~112]と、
回転している前記リールを停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、ストップボタンユニット136]と、
前記リールの基準位置[例えば、遮光片を設けた位置]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、回転している前記リールを停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記リールの回転が開始されてから第二の条件が満足された後に第一の条件が満足される[例えば、左リール110であれば
図33(f’)]と前記停止可能状態が設定[例えば、
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合[例えば、
図33に示すN遊技目の場合]があり、
前記リールの回転が開始されてから前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合[例えば、
図33に示すN+1遊技目の場合]があり、
前記第一の条件は、前記検出手段により前記基準位置が検出されること[例えば、左リール110であれば
図33(f’)のタイミングで検出されること]であり、
前記第二の条件は、前記リールの回転状態が定速で回転する定速状態[例えば、第二定速制御による定速状態]であることであり、
特定事象[例えば、
図33~
図36を用いて説明した、電源投入、疑似遊技を含むリール演出、前面扉102の開放検知など]が発生した後の最初の前記停止操作が求められる遊技[例えば、
図33におけるN遊技目]で前記第一の場合となり、
前記第一の条件が満足された遊技の次の遊技[例えば、
図33におけるN+1遊技目]から前記特定事象が新たに発生するまでの遊技のうち少なくとも一部の遊技において前記第二の場合となり、
前記リールは複数[例えば、3つ]あり、
前記第二の場合である或る遊技[例えば、
図34(a)で開始された遊技]において、未だ停止されていないリール(以下、「未停止リール」という。)が少なくとも1以上ある状況下[例えば、
図34(f)]で前記特定事象[例えば、電断復電]が発生すると、該或る遊技における該特定事象が発生した後の期間では、前記未停止リールについては前記第一の場合[例えば、
図34(d’)、(e’)、(f’)]になる、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
【0407】
この遊技台によれば、前記特定事象が発生した後の最初の遊技以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技が進行できるようにしている。一方、前記特定事象によっては前記リールの図柄位置が把握できなくなったり、位置がズレたりする可能性があるため、該特定事象が発生した後は前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることで該リールを正しい位置で停止させることができる。なお、前記特定事象としては、電源投入(復電)、前面扉102の開放検出、回胴演出、設定変更等が相当し、これらの事象が発生すると、図柄の位置を再取得する必要がある。また、前記第二の場合では、全ての停止操作手段の停止操作が有効になり、或る停止操作手段の停止操作が有効になっておらず、「第1停止→第2停止→第3停止」といった停止操作動作の途中での引っかかり(押したのに有効になっておらず停止しない)による押し順ミス(有効前に操作してしまいN操作目がN-1操作目になること)を防止できる。また、前記或る遊技内で前記未停止リールがある状況下で前記特定事象が発生し、該特定事象後における当該或る遊技内での該未停止リールにおいては、前記検出手段による前記基準位置の検出後でないと前記停止可能状態が設定されないようにすることで、該或る遊技内でのリールのコマずれ等を防止することができ、リール回転中の前記特定事象後であっても該未停止リールを適正な位置で停止させることができる。
【0408】
また、
『 前記特定事象とは、電断が発生して該電断から復帰することである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
【0409】
以上の記載によれば、
『 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御手段300]と、
回転可能なリール[例えば、リール110~112]と、
回転している前記リールを停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、ストップボタンユニット136]と、
前記リールの基準位置[例えば、遮光片を設けた位置]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、回転している前記リールを停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記リールの回転が開始されてから第二の条件が満足された後に第一の条件が満足される[例えば、左リール110であれば
図33(f’)]と前記停止可能状態が設定[例えば、
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合[例えば、
図33に示すN遊技目の場合]があり、
前記リールの回転が開始されてから前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合[例えば、
図33に示すN+1遊技目の場合]があり、
前記第一の条件は、前記検出手段により前記基準位置が検出されること[例えば、左リール110であれば
図33(f’)のタイミングで検出されること]であり、
前記第二の条件は、前記リールの回転状態が定速で回転する定速状態[例えば、第二定速制御による定速状態]であることであり、
特定事象[例えば、
図33~
図36を用いて説明した、電源投入、疑似遊技を含むリール演出、前面扉102の開放検知など]が発生した後の最初の前記停止操作が求められる遊技[例えば、
図33におけるN遊技目]で前記第一の場合となり、
前記第一の条件が満足された遊技の次の遊技[例えば、
図33におけるN+1遊技目]から前記特定事象が新たに発生するまでの遊技のうち少なくとも一部の遊技において前記第二の場合となり、
第一の停止表示結果[例えば、リプレイ揃いやベル揃い]を導出可能な第一の当選結果[例えば、再遊技役や小役のベル等といった引込み100%の役]を決定可能に構成され、
前記第一の停止表示結果が導出されると該第一の停止表示結果に関連する第一の処理[例えば、入賞判定処理、払出処理、特典付与処理、演出処理]が行われるよう構成され、
前記第二の場合であり前記第一の当選結果[例えば、再遊技役に当選]が決定された遊技において、特殊事象[例えば、コマずれに起因した事象]が発生した場合には、前記第一の停止表示結果が導出されなくても[例えば、
図37(d)]前記第一の処理[例えば、賭数の再設定の処理、再遊技ランプ122の点灯処理]が行われるよう構成されている、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
【0410】
この遊技台によれば、前記特定事象が発生した後の最初の遊技以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技が進行できるようにしている。一方、前記特定事象によっては前記リールの図柄位置が把握できなくなったり、位置がズレたりする可能性があるため、該特定事象が発生した後は前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることで該リールを正しい位置で停止させることができる。なお、前記特定事象としては、電源投入(復電)、前面扉102の開放検出、回胴演出、設定変更等が相当し、これらの事象が発生すると、図柄の位置を再取得する必要がある。また、前記第二の場合では、全ての停止操作手段の停止操作が有効になり、或る停止操作手段の停止操作が有効になっておらず、「第1停止→第2停止→第3停止」といった停止操作動作の途中での引っかかり(押したのに有効になっておらず停止しない)による押し順ミス(有効前に操作してしまいN操作目がN-1操作目になること)を防止できる。また、不意な出来事によってコマずれが生じた場合に、本来停止表示されるべき前記第一の停止表示結果とは異なる停止表示結果となっても、本来停止表示されるべき該第一の停止表示結果が表示されたとして、たとえば入賞判定を行うことで、遊技者の損となるようなこと(例えば、小役のとりこぼし)がないようにできる。
【0411】
なお、前記第一の処理は、複数種類の処理が含まれていてもよい。また、第一の停止表示結果に関連する第一の処理に代えて遊技に関する処理であってもよい。
【0412】
また、
『 前記特殊事象とは、前記検出手段により検出された前記基準位置に基づいて前記制御手段が把握している前記リールの回転方向の位置と、実際の該リールの回転方向の位置とが異なって前記リールが停止されたこと[例えば、コマずれを生じたリールが入賞ラインからずれて停止表示すること]である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
【0413】
また、
『 前記第一の当選結果は、前記停止操作の態様に関わらず前記第一の停止表示結果が導出される当選結果[例えば、引込み100%の役]であり、
前記特殊事象とは、前記第一の停止表示結果[例えば、リプレイ揃いやベル揃い]が導出されなかったことである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
【0414】
また、
『 前記第一の処理とは、前記第一の停止表示結果が導出された場合に遊技者に特典[例えば、遊技媒体、ポイント、再遊技の権利、遊技状態移行の権利等]を付与する処理のことである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
【0415】
なお、前記特典とは、遊技価値(遊技媒体あるいはポイント)であってもよいし、再遊技の権利であってもよいし、遊技状態移行の権利であってもよい。
【0416】
また、
『 前記第一の処理とは、前記第一の停止表示結果が導出された場合に、該第一の停止表示結果に対応する第一の演出[例えば、表示演出、発光演出、音出力演出、可動体演出、リール演出等]を実行する処理のことである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
【0417】
なお、前記演出とは、副制御部400,500によって実行される演出(例えば、演出画像表示装置157における演出や各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ等)における演出やスピーカ272,277における演出やシャッタ163等の可動体における演出等)であってもよいし、主制御部300によって実行される演出(例えば、リール110~112を用いた演出(フリーズ演出等)やリール照明装置608を用いた演出等)であってもよい。
【0418】
以上の記載によれば、
『 遊技の進行を制御する制御手段例えば、主制御手段300]と、
回転可能なリール[例えば、リール110~112]と、
回転している前記リールを停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、ストップボタンユニット136]と、
前記リールの基準位置[例えば、遮光片を設けた位置(インデックス位置IP)]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、回転している前記リールを停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記リールの回転が開始されてから第二の条件が満足された後に第一の条件が満足される[例えば、左リール110であれば
図33(f’)]と前記停止可能状態が設定[例えば、
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合[例えば、
図33に示すN遊技目の場合]があり、
前記リールの回転が開始されてから前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合[例えば、
図33に示すN+1遊技目の場合]があり、
前記第一の条件は、前記検出手段により前記基準位置が検出されること[例えば、左リール110であれば
図33(f’)のタイミングで検出されること]であり、
前記第二の条件は、前記リールの回転状態が定速で回転する定速状態[例えば、第二定速制御による定速状態]であることであり、
特定事象[例えば、
図33~
図36を用いて説明した、電源投入、疑似遊技を含むリール演出、前面扉102の開放検知など]が発生した後の最初の前記停止操作が求められる遊技[例えば、
図33におけるN遊技目]で前記第一の場合となり、
前記第一の条件が満足された遊技の次の遊技[例えば、
図33におけるN+1遊技目]から前記特定事象が新たに発生するまでの遊技のうち少なくとも一部の遊技において前記第二の場合となり、
前記停止可能状態であることを遊技者に報知可能な報知手段[例えば、ストップボタンLED137a~139a]を備え、
前記遊技台は、前記リール[例えば、
図38(a)の例では左リール110]に対して特定の操作タイミング[例えば、15番のBAR図柄を図柄表示窓113の下段又は中段に停止させることを狙った操作タイミング]で停止操作を行うと、該特定の操作タイミングとは異なる操作タイミング[例えば、5番付近の図柄が図柄表示窓113にきたときの操作タイミング]で停止操作されたときよりも内部当選結果[例えば、チェリーの小役]の把握がしやすくなるように構成され、
前記特定の操作タイミングは、前記リールのうち特定の領域[例えば、DDTポイントと称される導出ターゲット領域TRA]に対するタイミング[例えば、導出ターゲット領域TRAを狙ったタイミング]であり、
前記リールは、前記特定の領域とは異なる領域[例えば、リール回転方向にズレた領域]に前記基準位置[例えば、インデックス位置IP]を有するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
【0419】
また、
『 前記遊技台は、遊技者が前記リールを視認可能な視認領域[例えば、図柄表示窓113]を備え、
前記報知手段は、報知態様として第一の態様[例えば、第1発光態様(一例として赤色発光態様)]で報知可能な手段であり、
前記報知手段は、報知態様として第二の態様[例えば、第2発光態様(一例として青色発光態様)]で報知可能な手段であり、
前記第一の態様は、前記停止可能状態ではないことを示す態様であり、
前記第二の態様は、前記停止可能状態であることを示す態様であり、
前記第一の条件を満足して前記報知手段が前記第一の態様から前記第二の態様に報知態様が変化するまでの時間として第一の時間[例えば、リールが2コマ分移動する時間]があり、
前記特定の領域は、前記第一の時間を経るまでに前記リールが回転中の回転方向において前記視認領域を通過しない領域である[例えば、前記特定の領域が前記基準位置から3コマ以上離れている]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
【0420】
以上の記載では、
「 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御手段300]と、
回転可能なリール[例えば、リール110~112]と、
回転している前記リールを停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、ストップボタンユニット136]と、
前記リールの基準位置[例えば、遮光片を設けた位置]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、回転している前記リールを停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記リールの回転が開始されてから第二の条件が満足された後に第一の条件が満足される[例えば、左リール110であれば
図33(f’)]と前記停止可能状態が設定[例えば、
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合[例えば、
図33に示すN遊技目の場合]があり、
前記リールの回転が開始されてから前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合[例えば、
図33に示すN+1遊技目の場合]があり、
前記第一の条件は、前記検出手段により前記基準位置が検出されること[例えば、左リール110であれば
図33(f’)のタイミングで検出されること]であり、
前記第二の条件は、前記リールの回転状態が定速で回転する定速状態[例えば、第二定速制御による定速状態]であることであり、
特定事象が発生した後の最初の遊技[例えば、
図33におけるN遊技目]で前記第一の場合となり、
前記第一の条件が満足された遊技の次の遊技[例えば、
図33におけるN+1遊技目]から前記特定事象が新たに発生するまでの遊技のうち少なくとも一部の遊技において前記第二の場合となり、
前記特定事象とは、前記遊技台への電力供給が開始されたこと[例えば、電源投入(復電)]である、
ことを特徴とする遊技台。」
について説明した。
【0421】
この遊技台によれば、前記遊技台への電力供給が開始されたという特定事象が発生した後の最初の遊技以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技進行ができるようにしている。一方、電断中のメンテナンス時にリールに触れてしまいリールの位置がズレてしまう可能性があるため、復電後は前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることでリールを正しい位置で停止させることができる。また、設定変更も電断復電が必要になる。設定変更によってリール位置を記憶する領域が初期化されるため、設定変更後も前記検出手段の検出後に停止操作が有効になる。設定変更を伴わない電断復電の場合に、該検出手段の検出を待たずに停止操作を有効にしてしまうと、有効になるタイミングの違いで設定変更の有無が分かってしまい開店直後の遊技台の稼働に影響を及ぼす虞がある。このため、設定変更時と電断復電時の挙動を合わせることで設定変更の有無を分かり難くすることができる。
【0422】
なお、前記リールは、回転方向に沿って複数種類の図柄が施されたものであり、前記検出手段は、前記リールに施された前記複数種類の図柄の停止表示の位置を識別するための検出信号を出力可能なものである。すなわち、前記検出手段は、前記基準位置を検出すると前記検出信号を出力するものである(以降においても同じ)。
【0423】
また、前記第一の条件が満足された遊技とは、前記特定事象が発生しなかった遊技のことである(以降においても同じ)。
【0424】
また、前記次の遊技から前記特定事象が発生するまでの遊技のうち、前記特定事象とは異なる所定の事象[例えば、リール演出や扉開放検出]が発生した場合には、前記第二の場合ではなく、前記第一の場合となるため、前記少なくとも一部の遊技とは、該次の遊技から該特定事象が発生するまでの遊技のうち、該所定の事象が発生するまでの遊技のことであり、該所定の事象が発生しなければ、該次の遊技から該特定事象が発生するまでの遊技の全部の遊技になる。
【0425】
また、前記特定事象が発生した遊技においては、前記第一の場合もあれば、前記第二の場合もある。例えば、扉開放の検出が行われた場合には、初回加速情報が0になる前に定速になっていれば、前記第二の場合であり、定速になる前に初回加速情報が0になれば、前記第一の場合である。リール演出後は、加速情報初期化完了フラグがクリアされて初回加速情報が0になるため、必ず前記第一の場合になる。復電直後も、加速情報初期化完了フラグがクリアされて初回加速情報が0になるため、必ず前記第一の場合になる(以降においても同じ)。
【0426】
また、前記リールは一のリールであってもよいし複数のリールであってもよい。
【0427】
また、以上の記載では、
「 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御手段300]と、
回転可能なリール[例えば、リール110~112]と、
回転している前記リールを停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、ストップボタンユニット136]と、
前記リールの基準位置[例えば、遮光片を設けた位置]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、回転している前記リールを停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記リールの回転が開始されてから第二の条件が満足された後に第一の条件が満足されると前記停止可能状態が設定[例えば、
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合[例えば、
図35に示すN遊技目の場合]があり、
前記リールの回転が開始されてから前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合[例えば、
図35に示すN+1遊技目の場合]があり、
前記第一の条件は、前記検出手段により前記基準位置が検出されること[例えば、
図35のN遊技目におけるリールインデクスON]であり、
前記第二の条件は、前記リールの回転状態が定速で回転する定速状態[例えば、第二定速制御による定速状態]であることであり、
特定事象が発生した後の最初の前記停止操作が求められる遊技[例えば、疑似停止後の疑似開始によって開始された遊技、リールアクションによる自動停止後のランダム遅延処理によって開始された遊技]で前記第一の場合となり、
前記第一の条件が満足された遊技の次の遊技[例えば、
図35におけるN+1遊技目の遊技]から前記特定事象が新たに発生するまでの遊技のうち少なくとも一部の遊技において前記第二の場合となり、
前記特定事象とは、前記リールを用いた演出が行われたこと[例えば、疑似停止、リールアクションによる自動停止]である、
ことを特徴とする遊技台。」
について説明した。
【0428】
この遊技台によれば、前記リールを用いた演出後の初回の各停止操作以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技進行ができるようにしている。一方、例えば、逆回転を伴う場合に遮光片を検知した方向(遮光片1つだけでは正転なのか逆転なのかが不明)が判別できなかったり、リールアクションにおいてリールがステップアウトしてしまったり、意図しない位置で停止してしまったりする可能性があるため、該リールを用いた演出後は前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることで該リールを正しい位置で停止させることができる。
【0429】
なお、「リールを用いた演出」には、バウンドストップ、逆回転、フリーズの他に疑似遊技も含まれる。これらの演出のうち、開始操作と停止操作が行われる、逆回転、フリーズ、疑似遊技については、これらの演出後の最初の各停止操作で前記検出手段の検出が必要になる(以降においても同じ。)。
【0430】
また、前記次の遊技から前記特定事象が発生するまでの遊技のうち、前記特定事象とは異なる所定の事象[例えば、電源投入(復電)や扉開放検出]が発生した場合には、前記第二の場合ではなく、前記第一の場合になるため、前記少なくとも一部の遊技とは、該次の遊技から該特定事象が発生するまでの遊技のうち、該所定の事象が発生するまでの遊技のことであり、該所定の事象が発生しなければ、該次の遊技から該特定事象が発生するまでの遊技の全部の遊技になる。
【0431】
また、前記リールは一のリールであってもよいし複数のリールであってもよい。
【0432】
また、以上の記載では、
「 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御手段300]と、
回転可能な複数のリール[例えば、3つのリール110~112]と、
前記複数のリールを構成するリールごとに1対1の対応関係で設けられ、対応するリールの回転を停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、3つのストップボタン137~139]と、
前記複数のリールそれぞれに設けられ、該リールの基準位置[例えば、左リール110であれば遮光片612D]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、対応する前記リールの回転を停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールにおいて第二の条件が満足された後に第一の条件が満足されると前記停止可能状態が設定[例えば、個々のルール単位
ではなく全リール単位での
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合があり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールにおいて前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、個々のルール単位ではなく全リール単位での
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合があり、
前記第一の条件は、前記検出手段により前記基準位置が検出されることであり、
前記第二の条件は、前記複数のリールの回転状態が定速で回転する定速状態[例えば、第二定速制御による定速状態]であることであり、
特定事象が発生した後の最初の前記停止操作が求められる遊技で前記第一の場合となり、
前記第一の条件が満足された遊技の次の遊技から前記特定事象が新たに発生するまでの遊技のうち少なくとも一部の遊技において前記第二の場合となる、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0433】
この遊技台によれば、前記特定事象が発生した後の最初の遊技以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技が進行できるようにしている。一方、前記特定事象によっては前記リールの図柄位置が把握できなくなったり、位置がズレたりする可能性があるため、該特定事象が発生した後は前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることで該リールを正しい位置で停止させることができる。なお、前記特定事象としては、電源投入(復電)、前面扉102の開放検出、回胴演出、設定変更等が相当し、これらの事象が発生すると、図柄の位置を再取得する必要がある。また、前記第二の場合では、全ての停止操作手段の停止操作が有効になり、或る停止操作手段の停止操作が有効になっておらず、「第1停止→第2停止→第3停止」といった停止操作動作の途中での引っかかり(押したのに有効になっておらず停止しない)による押し順ミス(有効前に操作してしまいN操作目がN-1操作目になること)を防止できる。
【0434】
この遊技台では、前記複数のリール全てについてそれぞれの基準位置が検出されないと、一つのリールも停止可能状態にならず、停止可能状態には全てのリールが揃ってなる。この場合には、前記複数のリールのうち最後に前記基準位置が検出されたリールに合わせて、先に該基準位置が検出されていたリールも停止可能状態になることなる。
【0435】
また、以上の記載では、
「 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御手段300]と、
前扉[例えば、前面扉102]と、
前記前扉の開放を検知可能な開放検知手段[例えば、扉開放センサ]と、
回転可能な複数のリール[例えば、リール110~112]と、
前記複数のリールを構成するリールごとに1対1の対応関係で設けられ、対応するリールの回転を停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、ストップボタンユニット136]と、
前記複数のリールそれぞれに設けられ、該リールの基準位置[例えば、遮光片を設けた位置]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、対応する前記リールの回転を停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールのうちの一のリール毎に、第二の条件が満足された後に第一の条件が満足されると前記停止可能状態が設定[例えば、
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合[例えば、
図36に示すN+1遊技目の場合およびN+2遊技目の場合]があり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールのうちの一のリール毎に、前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合[例えば、
図36に示すN+3遊技目の場合]があり、
前記第一の条件は、前記検出手段により前記基準位置が検出されること[例えば、左リール110であれば
図33(f’)のタイミングで検出されること]であり、
前記第二の条件は、前記リールの回転状態が定速で回転する定速状態[例えば、第二定速制御による定速状態]であることであり、
特定事象が発生した後の最初の遊技[例えば、
図36におけるN+1遊技目の遊技]で前記第一の場合となり、
前記第一の条件が満足された遊技[例えば、
図36におけるN+2遊技目の遊技]の次の遊技[例えば、
図36におけるN+3遊技目の遊技]から前記特定事象が新たに発生するまでの遊技のうち少なくとも一部の遊技において前記第二の場合となり、
前記特定事象とは、前記開放検知手段による前記前扉の開放の検知である、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0436】
この遊技台によれば、前記前扉の開放検知後の最初の遊技以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技が進行できるようにしている。一方、前記前扉の開放中のメンテナンス時に前記リールに触れてしまい位置がズレてしまう可能性があるため、該前扉の開放検知後の最初の遊技では、前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることで該リールを正しい位置で停止させることができる。
【0437】
なお、前記次の遊技から前記特定事象が発生するまでの遊技のうち、前記特定事象とは異なる所定の事象[例えば、電源投入(復電)やリール演出]が発生した場合には、前記第二の場合ではなく、前記第一の場合になるため、前記少なくとも一部の遊技とは、該次の遊技から該特定事象が発生するまでの遊技のうち、該所定の事象が発生するまでの遊技のことであり、該所定の事象が発生しなければ、該次の遊技から該特定事象が発生するまでの遊技の全部の遊技になる。
【0438】
また、前記リールは複数のリールであってもよいし該複数のリールのうちの一のリールであってもよい。
【0439】
また、以上の記載では、
「 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御手段300]と、
前扉[例えば、前面扉102]と、
前記前扉の開放を検知可能な開放検知手段[例えば、扉開放センサ]と、
回転可能な複数のリール[例えば、3つのリール110~112]と、
前記複数のリールを構成するリールごとに1対1の対応関係で設けられ、対応するリールの回転を停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、3つのストップボタン137~139]と、
前記複数のリールそれぞれに設けられ、該リールの基準位置[例えば、左リール110であれば遮光片612D]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、対応する前記リールの回転を停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールにおいて、第二の条件が満足された後に第一の条件が満足されると前記停止可能状態が設定[例えば、個々のルール単位ではなく全リール単位での
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合があり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールにおいて、前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、個々のルール単位ではなく全リール単位での
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合があり、
前記第一の条件は、前記検出手段により前記基準位置が検出されることであり、
前記第二の条件は、前記複数のリールの回転状態が定速で回転する定速状態[例えば、第二定速制御による定速状態]であることであり、
特定事象が発生した後の最初の遊技で前記第一の場合となり、
前記第一の条件が満足された遊技の次の遊技から前記特定事象が新たに発生するまでの遊技のうち少なくとも一部の遊技において前記第二の場合となり、
前記特定事象とは、前記開放検知手段による前記前扉の開放の検知である、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0440】
この遊技台によれば、前記前扉の開放検知後の最初の遊技以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技が進行できるようにしている。一方、前記前扉の開放中のメンテナンス時に前記リールに触れてしまい位置がズレてしまう可能性があるため、該前扉の開放検知後の最初の遊技では、前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることで該リールを正しい位置で停止させることができる。また、前記第二の場合では、全ての停止操作手段の停止操作が有効になり、或る停止操作手段の停止操作が有効になっておらず、「第1停止→第2停止→第3停止」といった停止操作動作の途中での引っかかり(押したのに有効になっておらず停止しない)による押し順ミス(有効前に操作してしまいN操作目がN-1操作目になること)を防止できる。
【0441】
この遊技台では、前記複数のリール全てについてそれぞれの基準位置が検出されないと、一つのリールも停止可能状態にならず、停止可能状態には全てのリールが揃ってなる。この場合には、前記複数のリールのうち最後に前記基準位置が検出されたリールに合わせて、先に該基準位置が検出されていたリールも停止可能状態になることなる。
【0442】
なお、前記次の遊技から前記特定事象が発生するまでの遊技のうち、前記特定事象とは異なる所定の事象[例えば、電源投入(復電)やリール演出]が発生した場合には、前記第二の場合ではなく、前記第一の場合になるため、前記少なくとも一部の遊技とは、該次の遊技から該特定事象が発生するまでの遊技のうち、該所定の事象が発生するまでの遊技のことであり、該所定の事象が発生しなければ、該次の遊技から該特定事象が発生するまでの遊技の全部の遊技になる。
【0443】
また、
「 前記リールは、該リールが回転を開始してから1周する前に、加速状態から前記定速状態に移行可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0444】
この遊技台によれば、1周押しを許容してテンポ良く遊技を行うことができる。
また、
「 前記停止可能状態であることの報知を実行可能な報知手段[例えば、ストップボタンLED137a~139a]を備え、
前記報知手段は、前記停止可能状態ではないことを第一の態様[例えば、赤色の発光態様]により示す手段であり、
前記報知手段は、前記停止可能状態であることを第二の態様[例えば、青色の発光態様]により示す手段であり、
前記第一の場合では、前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されると前記報知手段は前記第一の態様から前記第二の態様に変化し[例えば、
図33に示す(f’)のタイミング]、
前記第二の場合では、前記第二の条件が満足されると前記第一の条件が満足されなくても前記報知手段は前記第一の態様から前記第二の態様に変化する[例えば、
図33に示す(c)のタイミング]、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0445】
この遊技台によれば、停止操作の有効タイミングと報知タイミングを合わせることで好適な遊技台を提供できる。具体的には、有効タイミング前に報知をしてしまうと、遊技者としては第2停止操作のつもりが、実際には第1停止操作になってしまい押し順のミスを誘発してしまう虞があるがこれを防止できる。また、有効タイミング後に報知をしてしまうと、遊技者の遊技進行速度を抑制することになってしまい遊技台の稼働低下を招く虞があるがこれを防止できる。
【0446】
また、
「 前記制御手段は、中継基板[例えば、IF基板]を介して外部の試験装置に複数種類の信号を出力可能な手段であり、
前記複数種類の信号は、前記停止可能状態であることを示す第一の信号[例えば、停止可能信号]を含むものであり、
前記第一の場合では、前記第二の条件が満足された後に前記第一の条件が満足されると前記第一の信号が出力され[例えば、
図27に示すステップS310jが実行されるタイミングで停止可能信号が出力]、
前記第二の場合では、前記第二の条件が満足されると前記第一の条件が満足されなくても前記第一の信号が出力される[例えば、
図23に示すステップS208cが実行されるタイミングで停止可能信号が出力]、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0447】
この遊技台によれば、遊技店に導入された環境と同じ環境で遊技台の型式試験を受けさせることができ適法な遊技台を提供できる。
【0448】
また、
「 判定手段[例えば、主制御部300のCPU304]を備え、
前記検出手段により前記基準位置が検出されると設定される第一の情報[例えば、初回加速情報=1]があり、
前記第一の情報を初期化するために用いる特定情報[例えば、加速情報初期化完了フラグ]があり、
前記特定情報は、前記特定事象が行われると設定される情報であり、
前記判定手段は、前記特定情報が設定さているか否かの判定処理[例えば、
図17に示すステップS10571の判定処理、
図14に示すステップS1282c1の判定処理]を実行する手段である、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0449】
この遊技台によれば、前記特定事象の発生で直接、前記第一の情報をクリアせずに前記第二の情報を用いることで、電源投入(復電)時以外の事象(例えば、扉開放やリール演出など)の発生によっても遮光片を検出してから停止操作を有効とする場合に、処理の共通化を図ることができ遊技台開発時における自由度を向上させることができる。例えば、前記特定事象の発生によって直接、前記第一の情報が初期化されてしまうと、リール回転中の該特定事象の発生によっても初期化されてしまい、当該遊技内において停止操作を有効とするタイミングが可変的なものとなり、制御処理の複雑化(例外処理や割込み処理の増加)を招いたり、停止操作のユーザビリティが低下(円滑な停止操作ができず操作順序の間違いを誘発)したりしてしまう。そこで、前記第一の情報を初期化するための前記第二の情報を設けて、特定のタイミングにおいて前記第一の情報を初期化するようにすることで、リール回転中の前記特定事象の発生によっても当該遊技内において停止操作を有効とするタイミングが可変的なってしまうことを防ぎ、停止操作の有効化において一元的な処理となり汎用度の高い制御を実現できる。
【0450】
また、
「 前記リールの回転を開始させるための開始操作が行われる開始操作手段[例えば、スタートレバー135]をさらに備え、
前記判定処理は、前記開始操作の後であって前記停止操作の前の或るタイミング[例えば、リール回転開始処理におけるステップS10571のタイミング、疑似遊技のリール回転開始処理におけるステップS1282c1のタイミング]で実行される処理である、ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0451】
この遊技台によれば、前記開始操作から前記第二の条件が満足されるまでの間に前記判定処理が行われ、前記報知手段の前記第二の態様への変化にも反映させることできるようになる。
【0452】
また、以上の記載では、
「 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御部300]と、
回転可能なリール[例えば、リール110~112]と、
前記リールの回転を開始させるための開始操作が行われる開始操作手段[例えば、スタートレバー135]と、
回転している前記リールを停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、ストップボタンユニット136]と、
回転する前記リールの基準位置[例えば、遮光片を設けた位置]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
特定情報[例えば、初回加速情報]の設定[例えば、0を設定]を行う特定情報手段[例えば、主制御部300のCPU304]と、
前記特定情報が更新されているか否かの判定処理[例えば、
図23に示すステップS2082の判定処理]を実行する判定手段[例えば、主制御部300のCPU304]と、を備えた遊技台であって、
前記遊技台では、第一の特定事象が行われる場合があり、
前記遊技台では、第二の特定事象が行われる場合があり、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、回転している前記リールを停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記リールの回転が開始されてから前記リールの回転状態が定速で回転する定速状態[例えば、
図33(c’)]になった後に前記検出手段により前記基準位置が検出される[例えば、左リール110であれば
図33(f’)]と前記停止可能状態が設定[例えば、
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合[例えば、
図33に示すN遊技目の場合]があり、
前記リールの回転が開始されてから前記リールの回転状態が前記定速状態[例えば、
図33(c)]になった後に前記検出手段により前記基準位置が検出されなくても前記停止
可能状態が設定[例えば、
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合[例えば、
図33に示すN+1遊技目の場合]があり、
前記特定情報手段は、前記第一の特定事象が発生すると前記特定情報の設定を行う[例えば、
図12に示すステップS1011で加速情報初期化完了フラグがクリアされていることから
図17に示すステップS10573を行う]手段であり、
前記特定情報手段は、前記第二の特定事象が発生すると前記特定情報の設定を行う[例えば、前記第一の特定事象とは異なる事象が発生して加速情報初期化完了フラグがクリアされ、
図17に示すステップS10573を行う]手段であり、
前記特定情報が設定されている設定状態[例えば、初回加速情報=0の状態]であると前記第一の場合となり、
前記特定情報が設定されていない非設定状態[例えば、初回加速情報=1の状態]であると前記第二の場合となり、
前記判定処理は、何れの特定事象が発生した場合でも前記開始操作の後であって前記停止操作の前の或るタイミング[例えば、リール回転開始処理におけるステップS10571のタイミング]で実行される処理であり、
前記検出手段により前記基準位置が検出されると前記非設定状態となり[例えば、
図27に示すステップS310i1]、
前記第一の特定事象とは、前記遊技台への電力供給が開始されたこと[例えば、電源投入(復電)]である、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0453】
この遊技台によっても、前記遊技台への電力供給が開始されたという特定事象が発生した後の最初の遊技以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技進行ができるようにしている。一方、電断中にリールの位置がズレても、リールを正しい位置で停止させることができる。また、設定変更時と電断復電時の挙動を合わせることで設定変更の有無を分かり難くすることができる。
【0454】
なお、前記リールは一のリールであってもよいし複数のリールであってもよい。
【0455】
また、以上の記載では、
「 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御部300]と、
回転可能なリール[例えば、リール110~112]と、
前記リールの回転を開始させるための開始操作が行われる開始操作手段[例えば、スタートレバー135]と、
回転している前記リールを停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、ストップボタンユニット136]と、
回転する前記リールの基準位置[例えば、遮光片を設けた位置]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
特定情報[例えば、初回加速情報]の設定[例えば、0を設定]を行う特定情報手段[例えば、主制御部300のCPU304]と、
前記特定情報が更新されているか否かの判定処理[例えば、
図23に示すステップS2082の判定処理]を実行する判定手段[例えば、主制御部300のCPU304]と、を備えた遊技台であって、
前記遊技台では、第一の特定事象が行われる場合があり、
前記遊技台では、第二の特定事象が行われる場合があり、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、回転している前記リールを停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記リールの回転が開始されてから前記リールの回転状態が定速で回転する定速状態[例えば、
図33(c’)]になった後に前記検出手段により前記基準位置が検出される[例えば、左リール110であれば
図33(f’)]と前記停止可能状態が設定[例えば、
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合[例えば、
図35に示すN遊技目の場合]があり、
前記リールの回転が開始されてから前記リールの回転状態が前記定速状態[例えば、
図33(c)]になった後に前記検出手段により前記基準位置が検出されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合[例えば、
図35に示すN+1遊技目の場合]があり、
前記特定情報手段は、前記第一の特定事象が発生すると前記特定情報の設定を行う[例えば、
図17に示すステップS10532で加速情報初期化完了フラグがクリアされていることから
図17に示すステップS10573を行う]手段であり、
前記特定情報手段は、前記第二の特定事象が発生すると前記特定情報の設定を行う[例えば、前記第一の特定事象とは異なる事象が発生して加速情報初期化完了フラグがクリアされ、
図17に示すステップS10573を行う]手段であり、
前記特定情報が設定されている設定状態[例えば、初回加速情報=0の状態]であると前記第一の場合となり、
前記特定情報が設定されていない非設定状態[例えば、初回加速情報=1の状態]であると前記第二の場合となり、
前記判定処理は、何れの特定事象が発生した場合でも前記開始操作の後であって前記停止操作の前の或るタイミング[例えば、リール回転開始処理におけるステップS10571のタイミング]で実行される処理であり、
前記検出手段により前記基準位置が検出されると前記非設定状態となり[例えば、
図27に示すステップS310i1]、
前記第一の特定事象とは、前記リールを用いた演出が行われたという事象[例えば、疑似停止、リールアクションによる自動停止]のことである、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0456】
この遊技台によっても、前記リールを用いた演出後の初回の各停止操作以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技進行ができるようにしている。一方、前記リールを用いた演出後は前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることで該リールを正しい位置で停止させることができる。
【0457】
なお、前記リールは一のリールであってもよいし複数のリールであってもよい。
また、以上の記載では、
「 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御部300]と、
回転可能な複数のリール[例えば、3つのリール110~112]と、
前記複数のリールの回転を開始させるための開始操作が行われる開始操作手段[例えば、スタートレバー135]と、
前記複数のリールを構成するリールごとに1対1の対応関係で設けられ、対応するリールの回転を停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、3つのストップボタン137~139]と、
前記複数のリールそれぞれに設けられ、該リールの基準位置[例えば、左リール110であれば遮光片612D]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
特定情報[例えば、初回加速情報]の設定[例えば、0を設定]を行う特定情報手段[例えば、主制御部300のCPU304]と、
前記特定情報が更新されているか否かの判定処理[例えば、
図23に示すステップS2082の判定処理]を実行する判定手段[例えば、主制御部300のCPU304]と、を備えた遊技台であって、
前記遊技台では、第一の特定事象が行われる場合があり、
前記遊技台では、第二の特定事象が行われる場合があり、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、対応する前記リールの回転を停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールの回転状態が定速で回転する定速状態になった後に該複数のリールにおいて前記検出手段により前記基準位置が検出されると前記停止可能状態が設定[例えば、個々のルール単位ではなく全リール単位での
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合があり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールが前記定速状態になった後に該複数のリールにおいて前記検出手段により前記基準位置が検出されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、個々のルール単位ではなく全リール単位での
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合があり、
前記特定情報手段は、前記第一の特定事象が発生すると前記特定情報の設定を行う[例えば、前記第一の特定事象が発生して加速情報初期化完了フラグがクリアされ、
図17に示すステップS10573を行う]手段であり、
前記特定情報手段は、前記第二の特定事象が発生すると前記特定情報の設定を行う[例えば、前記第二の特定事象が発生して加速情報初期化完了フラグがクリアされ、
図17に示すステップS10573を行う]手段であり、
前記特定情報が設定されている設定状態[例えば、初回加速情報=0の状態]であると前記第一の場合となり、
前記特定情報が設定されていない非設定状態[例えば、初回加速情報=1の状態]であると前記第二の場合となり、
前記判定処理は、何れの特定事象が発生した場合でも前記開始操作の後であって前記停止操作の前の或るタイミング[例えば、リール回転開始処理におけるステップS10571のタイミング]で実行される処理であり、
前記検出手段により前記基準位置が検出されると前記非設定状態となる[例えば、
図27に示すステップS310i1]、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0458】
この遊技台によっても、前記特定事象が発生した後の最初の遊技以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技が進行できるようにしている。一方、前記特定事象が発生した後は前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることで前記リールを正しい位置で停止させることができる。また、前記第二の場合では、全ての停止操作手段の停止操作が有効になり、或る停止操作手段の停止操作が有効になっておらず、「第1停止→第2停止→第3停止」といった停止操作動作の途中での引っかかり(押したのに有効になっておらず停止しない)による押し順ミス(有効前に操作してしまいN操作目がN-1操作目になること)を防止できる。
【0459】
この遊技台では、前記複数のリール全てについてそれぞれの基準位置が検出されないと、一つのリールも停止可能状態にならず、停止可能状態には全てのリールが揃ってなる。この場合には、前記複数のリールのうち最後に前記基準位置が検出されたリールに合わせて、先に該基準位置が検出されていたリールも停止可能状態になることなる。
【0460】
また、以上の記載では、
「 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御手段300]と、
前扉[例えば、前面扉102]と、
前記前扉の開放を検知可能な開放検知手段[例えば、扉開放センサ]と、
回転可能な複数のリール[例えば、リール110~112]と、
前記複数のリールの回転を開始させるための開始操作が行われる開始操作手段[例えば、スタートレバー135]と、
前記複数のリールを構成するリールごとに1対1の対応関係で設けられ、対応するリールの回転を停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、ストップボタンユニット136]と、
前記複数のリールそれぞれに設けられ、該リールの基準位置[例えば、遮光片を設けた位置]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
特定情報[例えば、加速情報初期化完了フラグ]の設定[例えば、フラグオン(1を設定)]を行う特定情報手段[例えば、主制御部300のCPU304]と、
前記特定情報が更新されているか否かの判定処理[例えば、
図17に示すステップS10571の判定処理、
図14に示すステップS1282c1の判定処理]を実行する判定手段[例えば、主制御部300のCPU304]と、
を備えた遊技台であって、
前記遊技台では、第一の特定事象が行われる場合があり、
前記遊技台では、第二の特定事象が行われる場合があり、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、対応する前記リールの回転を停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールのうちの一のリールの回転状態が定速で回転する定速状態になった後に該一のリール毎に、前記検出手段により前記基準位置が検出されると前記停止可能状態が設定[例えば、
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合[例えば、
図36に示すN+1遊技目の場合およびN+2遊技目の場合]があり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールのうちの一のリールが前記定速状態になった後に該一のリール毎に、前記検出手段により前記基準位置が検出されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合[例えば、
図36に示すN+3遊技目の場合]があり、
前記特定情報手段は、前記第一の特定事象が発生すると前記特定情報の設定を行う[例えば、
図21に示すステップS2032で加速情報初期化完了フラグがクリアされていることから
図17に示すステップS10573を行う]手段であり、
前記特定情報手段は、前記第二の特定事象が発生すると前記特定情報の設定を行う[例えば、前記第一の特定事象とは異なる事象が発生して加速情報初期化完了フラグがクリアされ、
図17に示すステップS10573を行う]手段であり、
前記特定情報が設定されている設定状態[例えば、初回加速情報=0の状態]であると前記第一の場合となり、
前記特定情報が設定されていない非設定状態[例えば、初回加速情報=1の状態]であると前記第二の場合となり、
前記判定処理は、何れの特定事象が発生した場合でも前記開始操作の後であって前記停止操作の前の或るタイミング[例えば、リール回転開始処理におけるステップS10571のタイミング]で実行される処理であり、
前記検出手段により前記基準位置が検出されると前記非設定状態となり[例えば、
図27に示すステップS310i1]、
前記第一の特定事象とは、前記開放検知手段による前記前扉の開放の検知である、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0461】
この遊技台によっても、前記前扉の開放検知後の最初の遊技以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技が進行できるようにしている。一方、前記前扉の開放検知後の最初の遊技では、前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることで前記リールを正しい位置で停止させることができる。
【0462】
なお、前記リールは複数のリールであってもよいし該複数のリールのうちの一のリールであってもよい。
【0463】
また、以上の記載では、
「 遊技の進行を制御する制御手段[例えば、主制御部300]と、
前扉[例えば、前面扉102]と、
前記前扉の開放を検知可能な開放検知手段[例えば、扉開放センサ]と、
回転可能な複数のリール[例えば、3つのリール110~112]と、
前記複数のリールの回転を開始させるための開始操作が行われる開始操作手段と、
前記複数のリールを構成するリールごとに1対1の対応関係で設けられ、対応するリールの回転を停止させるための停止操作が行われる停止操作手段[例えば、3つのストップボタン137~139]と、
前記複数のリールそれぞれに設けられ、該リールの基準位置[例えば、左リール110であれば遮光片612D]を検出可能な検出手段[例えば、回転検出装置606]と、
特定情報[例えば、加速情報初期化完了フラグ]の設定[例えば、フラグオン(1を設
定)]を行う特定情報手段[例えば、主制御部300のCPU304]と、
前記特定情報が更新されているか否かの判定処理[例えば、
図17に示すステップS10571の判定処理、
図14に示すステップS1282c1の判定処理]を実行する判定手段[例えば、主制御部300のCPU304]と、
を備えた遊技台であって、
前記遊技台では、第一の特定事象が行われる場合があり、
前記遊技台では、第二の特定事象が行われる場合があり、
前記制御手段は、前記停止操作が停止可能状態[例えば、ストップボタン有効情報が設定された状態]で行われることで、対応する前記リールの回転を停止させる制御[例えば、ブレーキ制御]を実行可能な手段であり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールの回転状態が定速で回転する定速状態になった後に該複数のリールにおいて、前記検出手段により前記基準位置が検出されると前記停止可能状態が設定[例えば、個々のルール単位ではなく全リール単位での
図27に示すステップS310jの実行]される第一の場合があり、
前記複数のリールの回転が開始されてから該複数のリールが前記定速状態になった後に該複数のリールにおいて、前記検出手段により前記基準位置が検出されなくても前記停止可能状態が設定[例えば、個々のルール単位ではなく全リール単位での
図23に示すステップS208cの実行]される第二の場合があり、
前記特定情報手段は、前記第一の特定事象が発生すると前記特定情報の設定を行う[例えば、
図21に示すステップS2032で加速情報初期化完了フラグがクリアされていることから
図17に示すステップS10573を行う]手段であり、
前記特定情報手段は、前記第二の特定事象が発生すると前記特定情報の設定を行う[例えば、前記第一の特定事象とは異なる事象が発生して加速情報初期化完了フラグがクリアされ、
図17に示すステップS10573を行う]手段であり、
前記特定情報が設定されている設定状態[例えば、初回加速情報=0の状態]であると前記第一の場合となり、
前記特定情報が設定されていない非設定状態[例えば、初回加速情報=1の状態]であると前記第二の場合となり、
前記判定処理は、何れの特定事象が発生した場合でも前記開始操作の後であって前記停止操作の前の或るタイミング[例えば、リール回転開始処理におけるステップS10571のタイミング]で実行される処理であり、
前記検出手段により前記基準位置が検出されると前記非設定状態となり[例えば、
図27に示すステップS310i1]、
前記第一の特定事象とは、前記開放検知手段による前記前扉の開放の検知である、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0464】
この遊技台によれば、前記前扉の開放検知後の最初の遊技以外においては前記検出手段の検出を待たずに停止操作が受け付けられるようにしてテンポ良く遊技が進行できるようにしている。一方、前記前扉の開放検知後の最初の遊技では、前記検出手段の検出後に停止操作を受け付けることで該リールを正しい位置で停止させることができる。また、前記第二の場合が実行されることによって、全ての停止操作手段の停止操作が有効になり、或る停止操作手段の停止操作が有効になっておらず、「第1停止→第2停止→第3停止」といった停止操作動作の途中での引っかかり(押したのに有効になっておらず停止しない)による押し順ミス(有効前に操作してしまいN操作目がN-1操作目になること)を防止できる。
【0465】
この遊技台では、前記複数のリール全てについてそれぞれの基準位置が検出されないと、一つのリールも停止可能状態にならず、停止可能状態には全てのリールが揃ってなる。この場合には、前記複数のリールのうち最後に前記基準位置が検出されたリールに合わせて、先に該基準位置が検出されていたリールも停止可能状態になることなる。
【0466】
また、
「 前記第一の場合は、前記リールの回転状態が定速で回転する定速状態になって[例えば、
図33(c’)]、前記検出手段により前記基準位置が検出される[例えば、左リール110であれば
図33(f’)]と前記停止可能状態が設定され、
前記第二の場合は、前記リールの回転状態が前記定速状態になる[例えば、
図33(c)]と、前記検出手段により前記基準位置の検出がされなくても前記停止可能状態が設定される、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
【0467】
続いて、デモ画面表示について説明する。
【0468】
遊技が行われていない非遊技中には液晶表示装置(演出画像表示装置157)においてデモ画面表示が行われるようにしてもよい。デモ画面表示は、「演出のデモ映像→遊技台の機種名→版権元の会社名→遊技台の製造会社名」のように一連の流れで構成されておりループ出力されるものである。賭数設定操作もしくは開始操作等の遊技進行操作、または、遊技者メニュー画面の呼び出し操作もしくは音量・光量調整操作等の演出進行操作が検出されるとデモ画面表示は中断される。さらに、デモ画面表示では、その営業日当日における有利な遊技状態(例えば、AT遊技状態)での最大獲得枚数を表示するようにしてもよい。これにより、「今日、この台は○○枚出てるから設定値が良さそう」と遊技者に対する遊技誘因を図ることができる。また、遊技店では各遊技台(スロトマシン100)にデータカウンタが設置されているところ、データカウンタを操作することなく最大獲得枚数を確認できるためその煩わしさを軽減することができる。なお、最大獲得枚数を表示するにあたり、遊技者メニュー画面での操作によって表示されるのではなく、デモ画面表示に重畳して表示されるものであり、「演出のデモ映像→遊技台の機種名→版権元の会社名→遊技台の製造会社名」のようにデモ画面表示の内容が遷移しても、最大獲得枚数表示は一連のデモ画面表示に亘って表示されるものである。これにより、デモ画面表示に重畳させて表示することでデモ画面表示において常時表示されるため、遊技店内を歩いている遊技者の目に付きやすくすることができる。また、デモ画面表示のどのタイミングで遊技者がその遊技台の前を通りがかっても最大獲得枚数を視認することができる。
【0469】
上記における最大獲得枚数は、一連の有利な遊技状態における一連の獲得枚数でもよく、営業日当日における獲得枚数の合計値であってもよい。なお、このような最大獲得枚数は、営業日当日において更新された場合は、更新された新たな最大獲得枚数を表示する。具体的には、ある時点での最大獲得枚数が1200枚であった場合には、その際におけるデモ画面表示では「1200枚」を最大獲得枚数として表示するが、ある時点よりも後の時点で最大獲得枚数が2500枚に更新されると、その際におけるデモ画面表示では「2500枚」を最大獲得枚数として表示することになる。このように、最大獲得枚数が更新された場合に新たな最大獲得枚数を表示することで、その遊技台における一撃性能を強調することができる。なお、獲得枚数をランキング形式で表示する方法も考えられ、このようにすることで、営業日当日において複数回有利な遊技状態に移行したことも合わせて強調することができ、この点において遊技誘因の一助となる。しかしながら、ランキング形式の場合、例えば、2位以降のランキングが表示されていない場合は、1位の獲得枚数となって以降は遊技が行われていないことのアピールになってしまい遊技誘因に繋がらない懸念がある。また、ランキング形式での表示だと、その表示領域が大きくなることでデモ画面表示との重畳領域も大きくなってしまい、デモ画面表示の視認性の低下も懸念される。このような懸念点から、デモ画面表示と重畳させて表示させるのは最大獲得枚数のみとしている。なお、最大獲得枚数をデモ画面表示と重畳させて表示させ、遊技者メニュー画面において獲得枚数のランキングを表示するようにしてもよく、これにより、上述の懸念点を解消しつつ最大獲得枚数のアピールを行うことができる。
【0470】
また、最大獲得枚数を表示するにあたり、該獲得枚数が或る一定の枚数以上(例えば、1000枚以上)である場合に表示するようにしてもよい。これは、あまりにも少ない枚数(例えば、150枚)を表示してしまうと、「今日、この台は全く出てないから止めておこう」等のように遊技者に対する遊技意欲の低下を招くおそれを防ぐためである。さらに、枚数が多いほど表示する獲得枚数の表示態様を異ならせてもよく、例えば、1000枚~2000枚は白色で枚数を表示し、2001枚~3000枚は銅色(ブロンズ色)で枚数を表示し、3001枚~4000枚は銀色(シルバー色)で枚数を表示し、4001枚~5000枚は金色(ゴールド色)で枚数を表示し、5000枚以上は虹色(レインボー色)で枚数を表示するようにしてもよい。これにより、獲得枚数の表示を強調させることができ、遊技誘因をより一層図ることができる。
【0471】
デモ画面表示は非遊技中に表示されるものであるが、非遊技中の時間が所定の時間を経過することでデモ画面表示が開始される。また、「非遊技中」としては以下の状況があてはまる。例えば、賭数の設定がされていない0BETの状況、3BETのみで遊技が可能な遊技台で3BET未満の賭数が設定されている状況(3BET専用機の遊技不能BET設定状態)、3BETまたは2BETで遊技が可能な遊技台で1BETが設定されている状況(3BETまたは2BET専用機の遊技不能BET設定状態)、3BETまたは1BETで遊技が可能な遊技台で2BETが設定されている状況(3BETまたは1BET専用機の遊技不能BET設定状態)、再遊技による賭数の自動設定がされている状況(再遊技設定状態)、などである。これらの状況において所定の時間が経過するとデモ画面表示が開始されるようにしてもよい。このように、賭数が設定されていない状況はもちろんのこと、遊技不能BET設定状態、再遊技設定状態であっても所定の時間が経過すればデモ画面表示を行って最大獲得枚数を表示することで、遊技者が辞め際に誤って賭数設定してしまってもその遊技台が空き台であることを遊技者に認識させることができ、最大獲得枚数を見た遊技者の遊技誘因に繋げることができる。なお、遊技が可能な賭数が設定されている状況(遊技可能BET設定状態)であっても所定の時間が経過すればデモ画面表示を行って最大獲得枚数を表示することで、遊技者が辞め際に誤って賭数設定してしまってもその遊技台が空き台であることを遊技者に認識させることができ、最大獲得枚数を見た遊技者の遊技誘因に繋げることができる点は同様である。
【0472】
なお、賭数の設定状況だけでなく、クレジットまたは遊技メダル数表示装置における記憶状況に応じてデモ画面表示を実行するようにしてもよい。例えば、賭数が設定されている状況(遊技可能BET設定状態、遊技不能BET設定状態)、再遊技設定状態であっても、クレジットまたは遊技メダル数表示装置にメダルが記憶されていない状況(以下、「非貯留状態」と記載するときがある。)で所定の時間を経過するとデモ画面表示を実行するようにしてもよい。これにより、遊技者が辞め際に誤って賭数設定してしまった場合や、再遊技であることに気付かずに遊技を辞めてしまった場合であっても、非遊技中としてデモ画面表示を行い最大獲得枚数を表示することで空き台として認識させて、他の遊技者の遊技誘因を図ることができる。
【0473】
一方で、以下のような状況であれば所定の時間が経過してもデモ画面表示を実行しないようにしてもよい。例えば、賭数が設定されている状況(遊技可能BET設定状態、遊技不能BET設定状態)、再遊技設定状態では所定の時間を経過してもデモ画面表示を実行しないようにしてもよい。これにより、一時的に離席しただけであることを報知することにつながり、空き台でないにも関わらず他の遊技者に遊技台を取られてしまい遊技者間のトラブルが発生することを未然に防ぐことができる。
【0474】
また他の例として、賭数の設定状況だけでなく、クレジットまたは遊技メダル数表示装置における記憶状況に応じてデモ画面表示を実行しないようにしてもよい。例えば、賭数が設定されている状況(遊技可能BET設定状態、遊技不能BET設定状態)、再遊技設定状態であっても、クレジットまたは遊技メダル数表示装置にメダルが記憶されている状況(以下、「貯留状態」と記載するときがある。)で所定の時間を経過してもデモ画面表示を実行しないようにしてもよい。これにより、一時的に離席しただけであることを報知することにつながり、空き台でないにも関わらず他の遊技者に遊技台を取られてしまい遊技者間のトラブルが発生することを未然に防ぐことができる。
【0475】
また上述してきた例は組み合わせてもよい。例えば、遊技可能BET設定状態であれば所定の時間を経過してもデモ画面表示は実行されず、遊技不能BET設定状態であれば所定の時間を経過するとデモ画面表示が実行されるようにしてもよい。メダルが尽きて遊技者が辞め際に誤って賭数設定してしまった場合でも、非遊技中としてデモ画面表示を行い最大獲得枚数を表示することで空き台として認識させて、他の遊技者の遊技誘因を図ることができる。
【0476】
なお、これに加えて、再遊技設定状態であれば所定の時間を経過してもデモ画面表示は実行されないようにしてもよく、再遊技設定状態でも所定の時間を経過するとデモ画面表示は実行されるようにしてもよい。前者の場合は、遊技途中の一時的な離席であるにも関わらず他の遊技者に遊技台を取られてしまい遊技者間のトラブルが発生することを未然に防ぐことができる。後者の場合は、再遊技であることに気付かずに遊技を辞めてしまった場合であっても、非遊技中としてデモ画面表示を行い最大獲得枚数を表示することで空き台として認識させて、他の遊技者の遊技誘因を図ることができる。
【0477】
さらに、これらに加えて、貯留状態であるか非貯留状態であるかに応じてもよく、貯留状態であればデモ画面表示は実行されないようにし、非貯留状態であればデモ画面表示が実行されるようにしてもよく、空き台だと勘違いしてしまい他の人の貯留で遊技をされてしまうことを未然に防ぐことができる。一方で、遊技可能な枚数の貯留状態であればデモ画面表示を実行せずに、遊技不能な枚数の貯留状態であればデモ画面表示を実行するようにしてもよく、この場合はメダルが尽きて辞めてしまった可能性が高いため、他の遊技者に空き台として認識させて、最大獲得枚数を表示することで遊技誘因を図ることができる。
【0478】
このように、非遊技中にデモ画面表示を実行するか否かにおいては、賭数の設定状況(遊技可能BET設定状態、遊技不能BET設定状態、0BET状態)、再遊技の設定状況、貯留の設定状況(遊技可能枚数貯留状態、遊技不能枚数貯留状態、非貯留状態)を参照して行われる。0BET状態や非貯留状態はもちろんのこと、遊技の辞め際に誤って賭数設定操作をしてしまった遊技不能BET設定状態、遊技が可能なメダルが尽きてしまった遊技不能枚数貯留状態である場合には、デモ画面表示を実行して最大獲得枚数を表示することで空き台として遊技誘因を図ることができる。なお、遊技可能BET設定状態、再遊技設定状態、遊技可能枚数貯留状態の場合は所定の時間が経過してもデモ画面表示を実行しないようにして一時的な離席中であること意味する報知として役立たせる。しかしながら、遊技者のイタズラ目的でこれらの状況下で敢えて遊技を辞めて退店する可能性もあるため、このようなイタズラを未然に防ぐためにこれらの状況下であっても所定の時間を経過するとデモ画面表示を行うようにして遊技誘因を図ってもよい。
【0479】
これまでの説明は、スロットマシン100の遊技に関連した実施形態であったが、遊技台は、スロットマシンに限定されるものではなく、リールを備えた他の遊技台であってもよい。
【0480】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、いずれの形態も遊技機特有の格別な効果を奏している。本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0481】
100 スロットマシン
110 左リール
111 中リール
112 右リール
113 図柄表示窓
130、131、132 メダル投入ボタン
135 スタートレバー
137 左ストップボタン
138 中ストップボタン
139 右ストップボタン
137a 左ストップボタンLED
138a 中ストップボタンLED
139a 右ストップボタンLED
157 演出画像表示装置
300 主制御部
400 第1副制御部
500 第2副制御部
606A インデックスセンサ
612D 遮光片
606 回転検出装置
【要約】
【課題】弾球遊技機(パチンコ機)や封入式遊技機に代表される遊技台に関し、遊技の進行に特徴を持った遊技台を提供する。
【解決手段】リール110~112の回転が開始されてから、回転状態が定速状態(定速2状態)になる第二の条件が満足された後に検出手段606により基準位置が検出された第一の条件が満足されなくても停止可能状態が設定される第二の場合であり第一の当選結果(再遊技役に当選)が決定された遊技において、特殊事象(コマずれに起因した事象)が発生した場合には、第一の停止表示結果(リプレイ揃いやベル揃い)が導出されなくても(
図37(d))第一の停止表示結果に関連する第一の処理(賭数の再設定の処理、再遊技ランプ122の点灯処理)が行われるよう構成されている。
【選択図】
図37