(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ラベルプリンターが備えられた包装用袋の包装装置(Packaging apparatus for packaging bags equipped with a label printer)
(51)【国際特許分類】
B65B 43/26 20060101AFI20241007BHJP
B65B 5/04 20060101ALI20241007BHJP
B65B 51/14 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
B65B43/26 A
B65B5/04
B65B51/14
(21)【出願番号】P 2024508292
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 KR2022005023
(87)【国際公開番号】W WO2022239971
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】10-2021-0062538
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523393302
【氏名又は名称】ディーエイチ株式会社
【氏名又は名称原語表記】DH Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヨンアム
(72)【発明者】
【氏名】パク ノウワン
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2133231(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0029152(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111634484(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B43/00-43/62、51/00-51/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポーチタイプに作製されて上部がハーフカット(half cutting)された袋を自動的に供給し、上部を開口させて製品を投入した後、封止しパッキングして排出させる包装用袋の包装装置において、
前記包装装置は、
内部に装置の作動及び制御のための構成が設けられているフレームと、
ハーフカットされた巻き取られた袋を自動的に搬送させて供給する袋供給部と、
前記フレームの上部に設けられて搬送される袋にラベルを印刷して貼り付けるラベル貼付部と、
上部を開口させて袋に製品を投入した後、封止してパッキングする開放及び封止部と、
を含んで構成され、
前記フレームの内部には、装置の作動を制御するPCと、装置の作動のための電装部品が収納された電装ボックスと、袋の上部を開口させるのに必要なエアを供給するためのコンプレッサと、が設けられ、PCとコンプレッサとの間に電装ボックスが位置するように配置してPCとコンプレッサは互いに離隔して配置され、
前記開放及び封止部は、
搬送される袋の幅方向中心部にコンプレッサから供給されたエアを瞬時に吹き付けて袋の上部を開放させるノズルと、
前記ノズルの両側にそれぞれ設けられ、ファン(fan)を回転させてノズルにより上部が開放された袋の上部に風を送って開放された袋を膨らませた状態に維持させる一対の送風機と、
開口された袋の上部を通して製品が投入された後に袋の上部を封止する封止手段と、
を含んで構成され、前記封止手段は、
フレームの前方に垂直に設けられた前面板に左右方向にスリット(slit)が形成されており、スリットが形成された部分の内部に位置するように設けられ、封止のために一定の温度に加熱されている加熱棒と、
コ状に形成されており、前記加熱棒の前方に設けられて前後方向に移動しながら作動し、製品が投入された袋の上部をフレームの前面板に形成されたスリットの直上方に密着するように押す支持棒と、
前記フレームの前面板に設けられ
、L状に折り曲げられて形成されたグリッパー(gripper)
の短側部の端部を始点に回転しながら
長側部が、製品が投入された袋の両端に挿入されて袋がきちんと伸びるように掴む一対のロータリーシリンダーと、
前記加熱棒と支持棒及びロータリーシリンダーが作動するように指示する信号を与える一対の動作ボタンと、
を含んで構成され、支持棒の表面には耐熱スポンジを付着して加熱棒に熱が発生しても熱が支持棒まで伝達されることを遮断するように構成されることを特徴とする、ラベルプリンターが備えられる包装用袋の包装装置。
【請求項2】
前記袋供給部は、
ハーフカットされた袋が巻き取られた巻き取りロールが装着されるロール装着台と、
前記ロール装着台から供給されて搬送される袋の張力を維持させながらラベル貼付部の方に袋を搬送させるダンサーローラーと、
前記ダンサーローラーを経て搬送される袋を案内し、ラベル貼付部の後方と前方とにそれぞれ位置する第1及び第2案内棒と、
前記第2案内棒の垂直上方に設けられて袋の搬送を案内する第3案内棒と、
前記第3案内棒を経て搬送されてくる袋を引っ張る引っ張りローラーと、
を含んで構成されることを特徴とする、請求項1に記載のラベルプリンターが備えられた包装用袋の包装装置。
【請求項3】
前記ダンサーローラーは、
2つの同心円
の各円弧部がそれらの半径方向に延びる半径部によって相互に連結されて略F状に形成され、フレームの両側面板の内側にそれぞれ位置するように設けられる一対の張力調整板と、
両端が張力調整板
の前記半径部の開放端側にある中心部の間をそれぞれ貫通してフレームの両側面板に連結されて設けられ、張力調整板が回動可能にする回動棒と、
3本の棒(bar)の両端がフレーム両側面板の内側にそれぞれ連結されて設けられ、各棒(bar)が
前記各円弧部のうち小円弧部の内側と大円弧部の外側と前記各円弧部の間に形成されたスロットにそれぞれ位置するように設けられる回動案内棒と、
2本の棒(bar)が張力調整板をなす
略F状において、
前記各円弧部の開放端側に連結されて設けられ、一対の張力調整板を互いに連結させながら設けられる張力調整棒と、
を含んで構成され、前記張力調整板が回動棒を中心に回動するにつれて、張力調整棒が張力調整板と共に回動しながら、搬送される袋の張力を一定に維持させることを特徴とする、請求項2に記載のラベルプリンターが備えられた包装用袋の包装装置。
【請求項4】
前記引っ張りローラーは正回転と逆回転が可能であり、
正回転しながら袋供給部のロール装着台から供給されて搬送される袋を引っ張って開放及び封止部の方に搬送させ、
前記開放及び封止部で上部が開口した袋に製品が投入された後、封止手段に備えられた支持棒が作動して製品が投入された袋の上部をフレームの前面板に密着させると、引っ張りローラーが逆回転して予めドットカットされた袋の背面が切り離されることを特徴とする、請求項2に記載のラベルプリンターが備えられた包装用袋の包装装置。
【請求項5】
前記開放及び封止部の下部には袋に製品が投入された後、封止してパッキングが完了した状態のパックを受けて搬送させる排出コンベアがさらに設けられることを特徴とする、請求項1に記載のラベルプリンターが備えられた包装用袋の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用袋の包装装置に関し、より詳しくは、装置の構造が簡単且つコンパクトであり、ラベルプリンターを備えてラベル印刷作業と製品包装作業が同時に行われ、従来の包装装置に比べて包装速度が顕著に速いラベルプリンターが備えられた包装用袋の包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを介した商品の購入が活性化し、このように注文した製品のうち、特に段ボール包装されていない嵩張らない製品に対しては、LDPE(low-density polyethylene)のようなビニール材で、ポーチ(pouch)タイプで形成される袋の内部に製品を収納し包装して配送することが一般的である。通常、製品パッキングは、ポーチタイプで形成された袋の下部が封止(sealing)処理されており、上部は予めハーフカット(half cutting)された状態で袋が自動的に供給されると、袋の上部を開放させて製品を袋に投入した後に袋の上部を封止し、封止部の上部をカットすれば製品パッキングが完了する。
【0003】
このような方法で製品をパッキングするパッキング装置に関する技術は、例えば、大韓民国公開特許第2006-24762号の「製品パッキング装置及び方法」があるが、これは自動化ラインで製品を効率良く真空パッキングするための技術であり、前記公開特許は、真空包装をする製品にのみ使用されるという限界がある。
【0004】
大韓民国公開特許第2018-101526号「封止フラットナー」、大韓民国公開特許第2018-2701号「包装機械」は、互いに連結された袋を自動移動させるインデックス機構、搬送された袋を開放させる開口装置、袋の開口部を閉鎖する一対の締結装置及び袋の開口部を封止する封止装置を備えて構成され、各締結装置は、基台部材で旋回可能な第1リンク、第1リンクで旋回可能な第2リンク、基台部材に対して旋回可能に設けられたスライディングピボット部材、第2リンクに連結されたフィンガーを備えて構成されている。しかしながら、前記公開特許は次のような問題がある。
【0005】
第一に、袋の上部を開口させるためにコンプレッサから供給されたエアを3本のノズルを介して供給し、開口された袋の四隅をグリッパーが掴むまではエアを供給し続けなければならない構造であるため、多くのエアが必要となる。これにより、コンプレッサの容量も大きくなり、容量の大きいコンプレッサは包装装置の内部に設けることができないので、別途に外部に設けなければならない。そのため、包装装置が占める体積が大きくなるしかないという問題がある。
【0006】
第二に、袋を開口させるために、4つのグリッパーが袋を4箇所の隅部で掴んでアクチュエータによってグリッパーが作動して袋を開けながら開口させる構造であり、袋の上部を開口させた状態で製品を投入するまで開口した形状を維持させるために、4つのグリッパーが袋の上部を掴み続けなければならず、4つのグリッパーを作動させるためのアクチュエータ及び作動機構が必要になるなど、その構造が非常に複雑になる。そのため、袋の上部を開口させて製品を投入してパッキングするまでの時間が相当かかるという問題がある。
【0007】
第三に、パッキングを行なう度に第1リンク及び第2リンクとフィンガーとがそれぞれ旋回作動しながら袋を開放させた後、再び反対方向に旋回して元の位置に戻る動作を繰り返すことから、開口装置の構成及び作動が非常に複雑となり、袋をパッキングするのに所要される時間が長くなり、パッキング速度が非常に遅いという問題がある。
【0008】
第四に、巻き取りロールに巻き取られていた袋が一定の速度で送り出され、自動的に供給される過程で袋の張力が一時的に変化し、張力が緩くなったときにこれを解消させ、一定の張力を維持させる手段が備えられていないため、包装不良が発生するという問題がある。
【0009】
第五に、袋に製品を投入した後、封止のための封止装置に加熱手段(heating element)と封止支持棒(seal backing bar)が設けられているが、加熱手段の位置が固定されており、ビニール材で作製された袋が加熱手段に近接して移動する構造であるため、熱が加わり続けている加熱手段から発生した熱が、袋の封止部でない部分にも加わることになる。これにより、袋が製品投入のために待機している間に、袋の封止部と関係ない部分に熱による変形が生じて、袋の一部がくしゃくしゃになってしまい、封止部の封止線がしゃんとせず、しわくちゃして歪むことになるという問題がある。
【0010】
第六に、袋の表面に配送先又は製品情報などが印刷されたラベルを貼り付けなければならないが、包装装置にラベルプリンターが備えられていないので、袋を包装装置に供給する前に別途にラベルを印刷して袋に貼り付けた後、ラベルが貼り付けられた袋を包装装置に供給することになる。そのため、ラベル印刷及び貼付作業と製品の包装作業を別途の機械装置で別途の作業を行わなければならず、不要な人力と装備が所要されるだけでなく時間も相当かかるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記のような問題を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、袋の上部を開口させる構成と製品投入後に封止部を形成するときに袋を掴む構造を改善し、コンプレッサを装置の内部に配置することにより装置の構造が簡単且つコンパクトになり、従来の包装装置に比べて包装速度が顕著に速い、ラベルプリンターが備えられた包装用袋の包装装置を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、ダンサーローラー(dancer roller)を設けて搬送される袋の張力が一時的に変化しても袋の張力を一定に維持させ、コンプレッサ作動によるPCの誤動作を防止して装置の制御と作動及び包装の信頼度を高めることのできる、ラベルプリンターが備えられた包装用袋の包装装置を提供することである。
【0013】
本発明のまた他の目的は、製品の情報が保存されたバーコード(bar code)又はQRコードを認識して包装装置に設けられたラベルプリンターからラベルを直接印刷し、自動供給されて搬送されている袋に貼り付ける。これにより、ラベルを貼り付ける別途の工程を必要とせず迅速且つ正確に包装できる、ラベルプリンターが備えられた包装用袋の包装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る包装用袋の包装装置は、袋の上部を開口させる構成と製品投入後に袋を掴みながら封止して袋を分離する構造とを改善し、ダンサーローラーを設けて搬送される袋の張力を常時一定に保ち、コンプレッサとPCとの配置位置を調整してコンプレッサ作動時に発生するノイズと磁場によるPCの誤動作を防止し、ラベルプリンターを設けてラベルの印刷と貼付及び包装作業を同時に行うことによって、包装装置をコンパクトにし包装速度及び包装信頼度を顕著に向上させた。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る包装用袋の包装装置は、コンプレッサから供給された高圧のエアを一本のノズルに一時的にのみ供給する構造であるため、多量のエアが所要されずコンプレッサの容量が少なくてもよい。また、コンプレッサを装置の内部に配置した構造であるため、包装装置の構造が簡単且つコンパクトであるだけでなく、袋に製品を投入した後に一対のロータリーシリンダーがグリッパーを回転させて、袋の両端を掴んで袋をきちんと伸ばした状態で封止作業とパッキンが完了したパックを分離する動作とがほぼ同時に行われるから、従来の包装装置に比べて包装速度が顕著に速くて正確になる。
【0016】
また、ダンサーローラーが設けられていることから、搬送される袋の張力に一時的に変動が生じても、張力調整棒の位置が上下に移動しながら常時一定の張力を維持できるように調整するので、ラベルの貼付位置はもちろん袋の形状が維持され、搬送の正確性が得られることによって、包装作業の信頼度を顕著に向上させることができる。また、装置の内部に設けられるコンプレッサとPCとの間に電装ボックスを配置することによって、コンプレッサ作動時に発生する磁場及びノイズの影響によりPCが誤動作する事態が防止されて、装置の制御と作動及び包装作業の信頼度を高めることができる。
【0017】
また、製品の情報が保存されたバーコード(bar code)又はQRコード(登録商標)を認識して包装装置に設けられたラベルプリンターからラベルを直接印刷して自動搬送される袋の表面の一定位置に貼り付けることにより、ラベルを貼り付ける別途の工程を必要とせず迅速且つ正確に包装作業が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1a】本発明に係る包装装置の側後方から見た斜視図である。
【
図1b】本発明に係る包装装置の側前方から見た斜視図である。
【
図2】包装装置に袋が装着されて搬送される状態を示す図である。
【
図3a】袋が自動搬送されながら上部が開口した状態を説明するための図である。
【
図3b】上部が開口した袋の上部を封止するために支持棒が加熱棒の方に移動する状態を説明するための図である。
【
図3c】袋の上部を封止してパッキングが完了した後、支持棒が加熱棒から離れながら元の位置に戻る状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0019】
10 フレーム
11 PC
12 電装ボックス
13 コンプレッサ
14 側面板
15 前面板
151 スリット
20 袋供給部
21 ロール装着台
22 ダンサーローラー
221 張力調整板
222 回動棒
223 回動案内棒
224 張力調整棒
23 第1案内棒
24 第2案内棒
25 第3案内棒
26 引っ張りローラー
30 ラベル貼付部
31 ラベルプリンター
32 操作モニタ
40 開放及び封止部
41 ノズル
42 送風機
43 ロータリーシリンダ
44 動作ボタン
45 支持棒
46 加熱棒
50 排出コンベア
【発明の実施のための最善の形態】
【0020】
本発明に係るラベルプリンターが備えられた包装用袋の包装装置は、内部に装置の作動及び制御のための構成が設けられているフレームと、ハーフカットされて巻き取られた袋を自動的に搬送させて供給する袋供給部と、フレームの上部に設けられて搬送される袋にラベルを印刷して貼り付けるラベル貼付部と、上部を開口させて袋に製品を投入した後に封止してパッキングする開放部及び封止部と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0021】
好ましくは、フレームの内部には装置の作動を制御するPCと、装置の作動のための電装部品が収納された電装ボックスと、袋の上部を開口させるのに必要なエアを供給するためのコンプレッサと、が設けられ、PCとコンプレッサとの間には電装ボックスが位置するように配置し、PCとコンプレッサは互いに離隔して配置される。
【0022】
好ましくは、袋供給部は、ハーフカットされた袋が巻き取られた巻き取りロールが装着されるロール装着台と、ロール装着台から供給されて搬送される袋の張力を維持させながらラベル貼付部の方に袋を搬送させるダンサーローラーと、ダンサーローラーを経て搬送される袋を案内してラベル貼付部の後方と前方にそれぞれ位置する第1及び第2案内棒と、第2案内棒の垂直上方に設けられて袋の搬送を案内する第3案内棒と、第3案内棒を経て搬送されてくる袋を引っ張ってくれる引っ張りローラーと、を含んで構成される。
【0023】
好ましくは、ダンサーローラーは、2つの同心円が扇形状をなすように配置されながら2つの同心円の円周面の間にスロット(slot)が形成されており、扇形状において下方に位置する半径部分が開放されている形状に形成され、フレームの両側面板の内側にそれぞれ位置するように設けられる一対の張力調整板と、両端が張力調整板をなす扇形状の中心部の間をそれぞれ貫通してフレームの両側面板に連結されて設けられ、張力調整板が回動可能にする回動棒と、3本の棒(bar)の両端がフレーム両側面板の内側にそれぞれ連結されて設けられ、各棒(bar)が張力調整板をなす同心円の円周面内側と外側及び2つの同心円の間に形成されたスロットにそれぞれ位置するように設けられる回動案内棒と、2本の棒(bar)が張力調整板をなす扇形状において下方に位置する半径部分が開放されている方の同心円の端部分に連結されて設けられ、一対の張力調整板を互いに連結させながら設けられる張力調整棒と、を備えて構成され、前記張力調整板が回動棒を中心に回動するにつれて、張力調整棒が張力調整板と共に回動しながら、搬送される袋の張力を一定に維持させる。
【0024】
好ましくは、開放及び封止部は、搬送される袋の幅方向中心部にコンプレッサから供給されたエアを瞬時に吹き付けて袋の上部を開放させるノズルと、前記ノズルの両側にそれぞれ設けられてノズルにより上部が開放された袋の内部へ送風する一対の送風機と、開口された袋の上部を介して製品が投入された後に袋の上部を封止する封止手段と、を含んで構成される。
【0025】
好ましくは、封止手段は、フレームの前方に垂直に設けられた前面板に左右方向にスリット(slit)が形成されており、スリットが形成された部分の内部に位置するように設けられ、封止のために一定の温度に加熱されている加熱棒と、コ状に形成され、前記加熱棒の前方に設けられて前後方向に移動しながら作動し、製品が投入された袋の上部をフレームの前面板に形成されたスリットの直上方に密着するように押す支持棒と、前記フレームの前面板に設けられて先端がL状に折り曲げられて形成されたグリッパー(gripper)が回転しながら折り曲げられた部分が製品が投入された袋の両端に挿入されて、袋がきちんと伸びるように掴む一対のロータリーシリンダーと、前記加熱棒と支持棒及びロータリーシリンダーが作動するように指示する信号を与える一対の動作ボタンと、を含んで構成される。
【0026】
好ましくは、引っ張りローラーは正回転と逆回転が可能であり、正回転しながら袋供給部のロール装着台から供給されて搬送される袋を引っ張って開放及び封止部の方に搬送させ、開放及び封止部で上部が開放された袋に製品が投入された後、封止手段に備えられた支持棒が作動して製品が投入された袋の上部をフレームの前面板に密着させれば、引っ張りローラーが逆回転して予めドットカットされた袋の背面が切り離される。
【0027】
好ましくは、開放及び封止部の下部には袋に製品が投入された後、封止してパッキングが完了した状態のパックを受けて搬送させる排出コンベアがさらに設けられる。
【発明の実施のための形態】
【0028】
本発明の明細書において「袋」という用語は、製品を包装するビニール材のパッキングフィルム(packing film)で作製された包装紙を意味し、「パック(pack)」とは、袋に製品を投入して袋の上部を封止しパッキングが完了した状態にある一つ一つの包装袋を意味する。また、ハーフカット(half cutting)された袋とは、ポーチ(pouch)タイプに作製された袋の表背面において、背面は一定の間隔にカットしてドットカット(dot cutting)されており、表面は完全にカットされた状態の袋をいい、本発明の包装装置に使用される袋はこのようなハーフカットされた袋である。
【0029】
本発明の包装装置は、ポーチタイプに作製された袋の下部が予め封止されており、上部はハーフカットされた状態の袋を自動的に供給して袋の上部を開口させた後、互いに連結された状態で連続的に搬送されながら供給される上部が開口した袋に作業者が製品を投入した後、上部を封止してパッキングすると共にパッキングが完了したパックを一つ一つ分離して排出させる半自動包装装置である。
【0030】
本発明の包装装置は、内部に装置の作動及び制御のための構成が設けられているフレーム10と、ハーフカットされた袋を自動的に搬送させて供給する袋供給部20と、搬送されてくる袋にラベルを印刷して貼り付けるラベル貼付部30と、袋の上部を開口させて製品を投入し封止する開放及び封止部40と、を基本的な構成とし、開放及び封止部40の下部には、袋に製品が投入された後に封止してパッキングが完了した状態のパックを受けて、適切な箇所に搬送させるための排出コンベア50がさらに設けられてもよい(
図1a及び
図1b参照)。
【0031】
フレーム10は、内部に装置の作動及び制御のための構成が設けられているが、装置の作動を制御するPC11と、装置の作動のための各種の電装部品が収納された電装ボックス12と、袋の上部を開口させるのに必要なエアを供給するためのコンプレッサ13と、などが設けられている。装置の信頼度を高めるためには、コンプレッサ13の作動によって発生するノイズや磁場などによりPC11が誤動作する事態を防止しなければならない。したがって、PC11とコンプレッサ13は、互いに離隔して配置させるため、PC11とコンプレッサ13との間に電装ボックス12が位置するように配置したことは本発明の特徴の一つである(
図1a参照)。PC11は、装置の作動制御はもちろんサーバと接続されて、製品や配送先などのラベルに記載される情報などを制御する。
【0032】
袋供給部20は、ハーフカットされて巻き取られた袋を自動的に搬送させて供給する構成であり、ハーフカットされた袋が巻き取られた巻き取りロールが装着されるロール装着台21と、ロール装着台21から供給されて搬送される袋の張力を維持させながらラベル貼付部30の方に袋を搬送させるダンサーローラー(dancer roller)22と、ダンサーローラー22を経て搬送される袋を案内しラベル貼付部30の後方と前方(「後方」は袋供給部が位置する方をいい、「前方」は開放及び封止部が位置する方をいう)にそれぞれ位置する第1及び第2案内棒(23、24)と、第2案内棒24の垂直上方に設けられて袋の搬送を案内する第3案内棒25と、第3案内棒25を経て搬送されてくる袋を引っ張る引っ張りローラー26と、を含んで構成される(
図1a参照)。第1~第3案内棒(23、24、25)は、自体的に回転しながら搬送される袋の搬送を案内するアイドルローラー(idle roller)の役割をする。
【0033】
袋が搬送される過程を説明すると、ハーフカットされた袋が巻き取られている巻き取りロールがロール装着台21に安置された状態で巻き取りロールを回転させると、巻き取られた袋が繰り出されながら搬送され、ロール装着台21から搬送されてきた袋がダンサーローラー22を経て張力が調整されることにより一定の張力を維持し、ダンサーローラー22に設けられた複数の棒(bar)を経た後、第1案内棒23を経てラベルプリンター31の下部を経て第2案内棒24まで水平方向に搬送される。その後、第2案内棒24から第3案内棒25まで垂直方向に搬送され、第3案内棒25から引っ張りローラー26の方に水平方向に搬送された後、開放及び封止部40の方に袋が搬送される(
図2参照)。
【0034】
引っ張りローラー26は、互いに接しながら回転する一対のローラーが上下に設けられて正回転と逆回転とが可能になるが、正回転しながら袋供給部のロール装着台21から供給されて搬送される袋が上下に配置されたローラー間に挿入された状態で、引っ張られて開放及び封止部40の方に搬送させる。開放及び封止部40で上部が開放された袋に製品が投入された後、封止手段に備えられた支持棒45が作動して製品が投入された袋の上部をフレームの前面板15に密着させると、引っ張りローラー26が逆回転して予めドットカットされた袋の背面が切り離されながら一つ一つの袋に分離される。
【0035】
ダンサーローラー22は、一対の張力調整板221と、回動棒222と、回動案内棒223及び張力調整棒224と、を備えている。張力調整板221は一対からなるが、2つの同心円が扇形状をなすように配置されながら2つの同心円の円周面の間にスロット(slot)が形成されており、扇形状において下方に位置する半径部分が開放されている形状(略F状)に形成され、フレームの両側面板14の内側にそれぞれ位置するように設けられる(
図1a参照)。
【0036】
回動棒222は、両端が張力調整板221をなす扇形状の中心部の間をそれぞれ貫通してフレームの両側面板14に連結されて設けられ、張力調整板221が回動可能にする構成である。また、回動案内棒223は、3本の棒(bar)の両端がフレーム両側面板14の内側にそれぞれ連結されて設けられ、各棒(bar)が張力調整板221をなす同心円の円周面の内側と外側及び2つの同心円の間に形成されたスロットにそれぞれ位置するように設けられる。
【0037】
張力調整棒224は、2本の棒(bar)が張力調整板221をなす扇形状において、下方に位置する半径部分が開放されている方の同心円端部分に連結されて設けられ、一対の張力調整板221を互いに連結させながら設けられる構成である。勿論、回動案内棒223と張力調整棒224及び張力調整板221の同心円の数は適宜調整してもよい(
図3a参照)。
【0038】
このように構成されたダンサーローラー22は、張力調整板221が回動棒222を中心に回動するに連れて張力調整棒224が張力調整板221とともに回動し、張力調整棒224の位置が調整されて回動案内棒223と張力調整棒224とにかけて搬送される袋の張力を一定に維持させる。例えば、引っ張りローラー26が逆回転すると、袋供給部20から搬送されてくる袋が開放及び封止部40の方に搬送されなくなるため、袋供給部20から搬送されている袋の張力が急に緩くなり、ダンサーローラー22の張力調整板221が回動棒222を中心に回動し、張力調整棒224が下部に移動して緩くなった袋を下部に引っ張って張力を一定に維持させる。
【0039】
また、引っ張りローラー26が正回転すると、袋供給部20から搬送されてくる袋が開放及び封止部40の方に搬送されるが、引っ張りローラー26が逆回転して緩くなった袋の張力が、引っ張りローラー26が正回転すると張力調整板221が回動棒222を中心に回動し、張力調整棒224は上部に移動しながら袋を上部に移動させて張力を一定に維持させる。
【0040】
ラベル貼付部30は、フレーム10の上部に設けられて、ラベルプリンター31でラベルを印刷して搬送される袋に貼り付ける構成である。製品の情報が保存されたバーコード(bar code)又はQRコードを認識して包装装置に設けられたラベルプリンター31でラベルを直接印刷して、自動的に搬送される袋の表面の一定位置に貼り付けることにより、ラベルを貼り付ける別途の工程を必要とせず、迅速且つ正確に包装作業が行われる。説明されていない符号32は、操作モニターであるが、装置の作動状況などが表示され、タッチスクリーンで装置の作動を入力することもできる。その他にも、バーコードスキャナなどが備えられている。
【0041】
開放及び封止部40は、袋の上部を開口させて袋に製品を投入することができ、製品が投入された袋がきちんとした形態を維持できるように掴みながら封止してパッキングが完了したパック(pack)を形成する構成である。開放及び封止部40で袋の上部を開口させる方法は、まずコンプレッサから供給される圧縮されたエアにより中心部分を開口させながら、直ちに送風機から風を吹き出して風により袋を完全に開口させ、開口された形状を維持させる。
【0042】
開放及び封止部40は、袋の上部を開口させるノズル41と、袋の開口した形状を維持するように送風する一対の送風機42と、製品が投入された後に袋の上部を封止する封止手段と、を備える。ノズル41は、袋供給部の引っ張りローラー26を経て搬送されてくる袋の幅方向中心部に、コンプレッサ13から供給された高圧に圧縮されたエアを瞬時に吹き付けて袋の上部を開口させるように構成されているが、1本のノズルだけ設けられており、ノズル41で瞬時にエアを吹き付けた後にはエアは不要なため、コンプレッサ13の容量が少なくてもよい。また、コンプレッサ13を装置のフレーム10内部に設けることができ、包装装置自体を簡単且つコンパクトな構造にすることができる。
【0043】
送風機42は一対が設けられ、ノズル41の両側にそれぞれ設けられてノズル41により上部の中心部分が開口した袋の内部へ風を送る構成であって、コンプレッサ13から圧縮された空気が供給されるのではなく、電源によりファン(fan)を回転させて開口された袋の上部に風を送り、袋が膨らんだ状態に維持させることによって、作業者が袋の内部に製品を投入し易くする(
図1b参照)。
【0044】
封止手段は、開口した袋の上部を通して製品が投入された後に袋の上部を封止する構成であるが、封止手段は加熱棒46と支持棒45及び一対のロータリーシリンダー43を備える(
図1b参照)。加熱棒46は、封止のために常時一定の温度に加熱される構成であり、フレーム10の前方に垂直に設けられた前面板15に左右方向にスリット(slit)151が形成されており、加熱棒46は、スリット151が形成された部分の内部に位置するように設けられ、封止するときに前方に前進して支持棒45と接しながら袋に熱を加えてから後退する。このように封止が終了した後、加熱棒46が後退するため、加熱棒46に常時一定の温度に熱が加わっていても、フレームの前面板15の前方に袋があっても袋には熱を加えなくなるので、袋がしわくちゃにならない。
【0045】
封止のために加熱棒46に一定の温度に常時熱が加わっているので、瞬間加熱により封止を行う時にのみ熱を加える方法に比べて、封止温度まで温度を上げるのに所要される昇温時間が短くなり、封止作業にかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0046】
支持棒45は、コ状に形成されており、加熱棒46の前方に設けられて前後方向に移動しながら作動し、製品が投入された袋の上部をフレームの前面板15に形成されたスリット151の直上方に密着するように押す。支持棒45の表面には、耐熱スポンジを付着することにより、加熱棒46に熱が発生しても支持棒45まで熱が伝達されず、袋をフレームの前面板15に密着させる作動がスムーズに行われることが好ましい。
【0047】
ロータリーシリンダー43は一対で設けられるが、フレームの前面板15に設けられ、先端がL状に形成されたグリッパー(gripper)を備え、ロータリーシリンダー43がグリッパーを90°回転させれば、グリッパーの折り曲げられた部分が、製品の投入された袋の両端に挿入されて、袋がきちんと伸びるように両方で掴み、袋の両方で掴んで袋の上部がきちんと伸びた状態で封止作業を行うため、封止部がしわくちゃにならず、きちんと伸びた状態でスッキリと封止される。
【0048】
動作ボタン44は、加熱棒46と支持棒45及びロータリーシリンダー43が作動するように指示する信号を与えるボタンであり、フレームの前面板15の前方に突出するように設けられたコ形状のロッド(rod)に一対が設けられるが、作業者が製品を袋に投入した後、両手で一対の動作ボタン44を押せば、加熱棒46と支持棒45及びロータリーシリンダー43が作動する(
図3a~
図3c参照)。
【0049】
開放及び封止部40の作動を簡単に説明すれば、コンプレッサ13から供給された高圧エアを、ノズル41を介して噴射して袋の上部を開口させた後、一対の送風機42から開口された袋の内部に送って開口した状態を維持させ、開口した袋に製品を投入した後、作業者が動作ボタン44を押せば、加熱棒46が前進して支持棒45も加熱棒46の方に近接して袋の上部をフレームの前面板15のスリット151が形成された部分の直上部に密着させながら、一対のロータリーシリンダー43に設けられたグリッパーが袋の開口部の両端に挿入され、袋を両側面で掴んできちんと伸びた状態を維持する。このとき、引っ張りローラー26が逆回転しながらドットカットされた袋の背面が切り離されて、連続的に搬送されてくる袋から一つ一つに分離され、加熱棒46で発生した熱によって分離された袋の封止作業が行われ、このような一連の動作がほぼ同時に行われるようになる(
図3a~
図3c参照)。
【0050】
以上の説明は、本発明を例示的に説明したものであり、明細書に掲示された実施例は本発明の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであって、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術思想を外さない範囲で様々な修正及び変形が可能である。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された事項によって解釈され、それと均等な範囲内にある技術的事項も本発明の権利範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の包装用袋の包装装置は、ポーチタイプに作製されて上部がハーフカット(half cutting)された袋の上部を開口させて製品を投入した後、封止しパッキングして自動的に排出させる装置であり、構造が簡単且つコンパクトで、従来の包装装置に比べて包装速度が顕著に速いため、ポーチタイプの袋に内容物を入れて包装する作業に有効に使用することができる。