特許 7566403 電池パックおよびそれを含むデバイス

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-10-04

(45)【発行日】2024-10-15

(54)【発明の名称】電池パックおよびそれを含むデバイス

(51)【国際特許分類】

   H01M 50/204 20210101AFI20241007BHJP

   H01M 50/291 20210101ALI20241007BHJP

   H01M 50/35 20210101ALI20241007BHJP

   H01M 50/271 20210101ALI20241007BHJP

   H01M 50/289 20210101ALI20241007BHJP

   H01M 50/342 20210101ALI20241007BHJP

   H01M 50/211 20210101ALI20241007BHJP

【ＦＩ】

H01M50/204 401F

H01M50/291

H01M50/35 201

H01M50/271 S

H01M50/289 101

H01M50/342 201

H01M50/211

【請求項の数】 14

(21)【出願番号】P 2023503232

(86)(22)【出願日】2022-05-25

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2023-08-15

(86)【国際出願番号】 KR2022007401

(87)【国際公開番号】W WO2022270779

(87)【国際公開日】2022-12-29

【審査請求日】2023-01-17

(31)【優先権主張番号】10-2021-0080123

(32)【優先日】2021-06-21

(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR

(73)【特許権者】

【識別番号】521065355

【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド

(74)【代理人】

【識別番号】100188558

【弁理士】

【氏名又は名称】飯田 雅人

(74)【代理人】

【識別番号】100110364

【弁理士】

【氏名又は名称】実広 信哉

(72)【発明者】

【氏名】ジュファン・シン

(72)【発明者】

【氏名】ジュンヨブ・ソン

(72)【発明者】

【氏名】ヒョンスク・イ

(72)【発明者】

【氏名】ヨン・イル・ユン

【審査官】渡部 朋也

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１４－０７８５１７（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００５－１８３２１７（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｈ０１Ｍ ５０／２０－５０／２９８

Ｈ０１Ｍ ５０／３０－５０／３９２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

複数の電池セルアレイが取り付けられている下部パックフレーム、
前記複数の電池セルアレイの上部に位置する少なくとも一つのカバー部、および
前記カバー部上に取り付けられ、前記下部パックフレームの長手方向に沿って延びているベント部を含み、
前記カバー部は前記下部パックフレームの幅方向を基準として互いに対面するように配置されている一対の電池セルアレイの上部を覆っており、
前記カバー部上に第１ベントホールが形成されており、前記ベント部は前記第１ベントホールを覆っており、
前記下部パックフレームは前記複数の電池セルアレイを区分けする内部フレームを含み、
前記第１ベントホールは、前記一対の電池セルアレイの間に設けられた前記内部フレームに対応する位置に位置付けられている、電池パック。

【請求項2】

前記カバー部は第１プレート、前記第１プレートの下部に位置する第２プレート、前記第１プレートの縁と前記第２プレートの縁を連結する側面部を含む、請求項１に記載の電池パック。

【請求項3】

前記第１プレートの中心部に前記第１ベントホールが形成されている、請求項２に記載の電池パック。

【請求項4】

前記第２プレートの下面は前記電池セルアレイの上部と接する、請求項３に記載の電池パック。

【請求項5】

前記第２プレートに少なくとも一つの第２ベントホールが形成されており、前記第２ベントホールは前記電池セルアレイの前後面と隣接する位置に形成されている、請求項４に記載の電池パック。

【請求項6】

前記ベント部は前記カバー部の長手方向に沿って延びる第１ベント部および前記第１ベント部と垂直な方向に延びる第２ベント部を含む、請求項１に記載の電池パック。

【請求項7】

前記第２ベント部は前記第１ベントホールの中心を通って前記カバー部の底面まで延びている、請求項６に記載の電池パック。

【請求項8】

前記下部パックフレームは前記電池セルアレイの下面と接する底部と前記電池セルアレイの少なくとも一側面と接するフレーム部を含む、請求項１に記載の電池パック。

【請求項9】

前記フレーム部は断熱部材からなる、請求項８に記載のパック。

【請求項10】

前記フレーム部は前記底部の縁から上部に向かって延びた側面フレームと前記側面フレームの内部に位置する前記内部フレームを含み、
前記複数の電池セルアレイは前記側面フレームと内部フレームによって区分される、請求項８に記載の電池パック。

【請求項11】

前記カバー部の縁の一部を前記内部フレームの上部に固定させる第１締結部材をさらに含み、
前記ベント部の縁の一部を前記カバー部の上面に固定させる第２締結部材をさらに含む、請求項１０に記載の電池パック。

【請求項12】

前記側面フレームの外面に少なくとも一つの破裂部が形成されており、
前記破裂部は前記ベント部の一端部に隣接するように位置する、請求項１０に記載の電池パック。

【請求項13】

前記側面フレームの内面に少なくとも一つの貫通部が形成されており、
前記貫通部は前記ベント部の一端部と連通する、請求項１２に記載の電池パック。

【請求項14】

請求項１から１３のいずれか一項による電池パックを含む、デバイス。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

［関連出願との相互引用］
本出願は２０２１年６月２１日付韓国特許出願第１０－２０２１－００８０１２３号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。

【0002】

本発明は電池パックおよびそれを含むデバイスに関し、より具体的には一部の電池セルでガスおよび火炎が発生するとき、隣接する電池セル間の熱伝播現象を防止しながらも発生したガスおよび火炎を電池パックの外部に効果的に排出させる電池パックおよびそれを含むデバイスに関する。

【背景技術】

【0003】

製品群に応じた適用容易性が高く、高いエネルギ密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく電気的駆動源によって駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに普遍的に応用されている。このような二次電池は化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な長所だけでなく、エネルギの使用にともなう副産物が全く発生しない点で環境に優しく、エネルギ効率性向上のための新たなエネルギ源として注目を浴びている。

【0004】

現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、この中でリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起きず充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギ密度が高い長所から脚光を浴びている。

【0005】

一般にリチウム二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている円筒型または角型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池に分類することができる。

【0006】

最近、二次電池のエネルギ貯蔵源としての活用をはじめとして大容量二次電池構造に対する必要性が高まるにつれ、多数の二次電池が直列または並列に連結された電池モジュールを集合させた中大型モジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。このような電池モジュールは多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、複数の電池モジュールは、ＢＭＳ（Ｂａｔｔｅｒｙ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ Ｓｙｓｔｅｍ）、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に取り付けられて電池パックを形成することができる。

【0007】

特に、電池パックは多数の電池モジュールが組み合わされた構造からなっており、一部の電池モジュールが過電圧、過電流または過発熱される場合には電池パックの安全性と作動効率が問題になる。特に走行距離向上のために電池パックの容量は徐々に増加する傾向にあり、それに伴いパック内部のエネルギも増加する中、強化する安全性基準を満たして車両および運転者の安全性確保のための構造の設計が必要である。これのために特に電池パック内の熱暴走および電池セル間の熱伝播現象などを未然に防止するために、一部の電池セルで発生したガスおよび火炎を効果的に排出し、その被害を最小化できる構造の必要性が台頭している。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0008】

本発明が解決しようとする課題は、一部の電池セルでガスおよび火炎が発生するとき、隣接する電池セル間の熱伝播現象を防止しながらも発生したガスおよび火炎を電池パックの外部に効果的に排出させる電池パックおよびそれを含むデバイスを提供することにある。

【0009】

本発明が解決しようとする課題は上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は本明細書および添付する図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるものである。

【課題を解決するための手段】

【0010】

本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池セルアレイが取り付けられている下部パックフレーム、前記複数の電池セルアレイの上部に位置する少なくとも一つのカバー部、および前記カバー部上に取り付けられ、前記下部パックフレームの長手方向に沿って延びているベント部を含み、前記カバー部は前記下部パックフレームの幅方向を基準として互いに対面するように配置されている一対の電池セルアレイの上部を覆っており、前記カバー部上に第１ベントホールが形成されており、前記ベント部は前記第１ベントホールを覆っている。

【0011】

前記カバー部は第１プレート、前記第１プレートの下部に位置する第２プレート、前記第１プレートの縁と前記第２プレートの縁を連結する側面部を含み得る。

【0012】

前記第１プレートの中心部に前記第１ベントホールが形成されていてもよい。

【0013】

前記第２プレートの下面は前記電池セルアレイの上部と接し得る。

【0014】

前記第２プレートに少なくとも一つの第２ベントホールが形成されており、前記第２ベントホールは前記電池セルアレイの前後面と隣接する位置に形成されていてもよい。

【0015】

前記ベント部は前記カバー部の長手方向に沿って延びる第１ベント部および前記第１ベント部と垂直な方向に延びる第２ベント部を含み得る。

【0016】

前記第２ベント部は前記第１ベントホールの中心を通過して前記カバー部の底面まで延びていてもよい。

【0017】

前記下部パックフレームは前記電池セルアレイの下面と接する底部と前記電池セルアレイの少なくとも一側面と接するフレーム部を含むことができる。

【0018】

前記フレーム部は断熱部材からなり得る。

【0019】

前記フレーム部は前記底部の縁から上部に向かって延びた側面フレームと前記側面フレームの内部に位置する内部フレームを含み、前記複数の電池セルアレイは前記側面フレームと前記内部フレームによって区分され得る。

【0020】

前記カバー部の縁の一部を前記内部フレームの上部に固定させる第１締結部材をさらに含み、前記ベント部の縁の一部を前記カバー部の上面に固定させる第２締結部材をさらに含み得る。

【0021】

前記側面フレームの外面に少なくとも一つの破裂部が形成されており、前記破裂部は前記ベント部の一端部に隣接するように位置し得る。

【0022】

前記側面フレームの内面に少なくとも一つの貫通部が形成されており、前記貫通部は前記ベント部の一端部と連通し得る。

【0023】

本発明の他の一実施形態によるデバイスは前記で説明した電池パックを含む。

【発明の効果】

【0024】

実施形態によれば、本発明はガスおよび火炎の排出方向を誘導するカバー部およびベント部を含む電池パックおよびそれを含むデバイスに関するものであり、一部の電池セルでガスおよび火炎が発生するとき、ガスおよび火炎を一定の方向に誘導して排出することができ、隣接する電池セル間の熱伝播現象を防止しながらも発生したガスおよび火炎を電池パックの外部に効果的に排出させることができる。

【0025】

本発明の効果は上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は本明細書および添付する図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるものである。

【図面の簡単な説明】

【0026】

【図1】本発明の一実施形態による電池パックの斜視図である。

【図2】図１の電池パックにおけるカバー部およびベント部を分解した斜視図である。

【図3】図１の電池パックにおけるカバー部およびベント部を除いた残りの構成要素を示す斜視図である。

【図4】図１の電池パックにおける下部パックフレームを分解した斜視図である。

【図5】図２のカバー部を切断線Ｃ－Ｃ’を沿って切断した断面図である。

【図6】図１のａ領域を拡大した図である。

【図7】図１の切断線Ａ－Ａ’に沿って切断した断面の一部を示す図である。

【図8】図７の一部を拡大して示す図である。

【図9】図１の切断線Ｂ－Ｂ’に沿って切断した断面の一部を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0027】

以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。

【0028】

本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。

【0029】

また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限定されない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。そして、図面で、説明の便宜上一部の層および領域の厚さを誇張して示した。

【0030】

また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。

【0031】

また、明細書全体で、「平面上」という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。

【0032】

以下では、本発明の実施形態による電池パックについて説明する。

【0033】

図１は本発明の一実施形態による電池パックの斜視図である。図２は図１の電池パックにおけるカバー部およびベント部を分解した斜視図である。

【0034】

図１および図２を参照すると、本発明の一実施形態による電池パック１０００は、複数の電池セルアレイ１００が取り付けられている下部パックフレーム１１００、複数の電池セルアレイ１００の上部に位置する少なくとも一つのカバー部１２００、およびカバー部１２００上に取り付けられ、下部パックフレーム１１００の長手方向に沿って延びているベント部１３００を含む。

【0035】

より具体的には、カバー部１２００は下部パックフレーム１１００の幅方向に沿って延びている。ここで、下部パックフレーム１１００の幅方向は互いに対面するように配置されている一対の電池セルアレイ１００の長手方向と同一であり得る。

【0036】

また、カバー部１２００は下部パックフレーム１１００の幅方向を基準として互いに対面するように配置されている一対の電池セルアレイ１００の上部を覆っている。より具体的には、下部パックフレーム１１００に取り付けられている一対の電池セルアレイ１００の上部にはそれぞれカバー部１２００が位置し得る。

【0037】

ここで、カバー部１２００は、図１および図２のように、一対の電池セルアレイ１００ごとに区分される複数のカバー部１２００を含むことができる。また、カバー部１２００は、図１および図２とは異なり、複数のカバー部１２００が互いに一体化していることができる。

【0038】

また、カバー部１２００上に第１ベントホール１２１５が形成されている。より具体的には、第１ベントホール１２１５はカバー部１２００の上部に形成されているが、カバー部１２００の上部中心に形成されている。また、ベント部１３００はカバー部１２００上に形成された第１ベントホール１２１５を覆っている。言葉を変えれば、第１ベントホール１２１５はベント部１３００と対面する位置に形成されている。

【0039】

ここで、第１ベントホール１２１５はカバー部１２００の幅方向に沿って延びている。言葉を変えれば、第１ベントホール１２１５はベント部１３００の長手方向に沿って延びている。

【0040】

そのため、本発明の一実施形態による電池パック１０００は、電池セルアレイ１００のうちの一部で発火現象が発生するとき、高温のガスおよび火炎が電池セルアレイ１００の上部に位置するカバー部１２００の第１ベントホール１２１５に排出されることができる。これと共に、第１ベントホール１２１５に排出されたガスおよび火炎はベント部１３００の内部に流入し、ベント部１３００の長手方向にベンティングが誘導されることができ、隣接する電池セルアレイ１００間の熱伝播を防止することができる。

【0041】

図３は図１の電池パックにおけるカバー部およびベント部を除いた残りの構成要素を示す斜視図である。

【0042】

図１および図３を参照すると、本発明の一実施形態による電池パック１０００は、複数の電池セルアレイ１００が下部パックフレーム１１００に取り付けられている。

【0043】

ここで、電池セル１１０はパウチ型電池セルであることが好ましい。一例として、電池セル１１０は電極組立体を樹脂層と金属層を含むラミネートシートのパウチケースに収納した後、前記パウチケースのシーリング部を熱融着して製造することができる。このような電池セル１１０は長方形のシート状構造で形成されることができる。このような電池セル１１０は複数で構成されることができ、複数の電池セル１１０は相互電気的に接続するように積層されて電池セルアレイ１００を形成する。

【0044】

また、電池セルアレイ１００は複数の電池セル１１０が積層されているが、電池モジュール単位での構成要素のうち少なくとも一部が省略されている構造を有することができる。言葉を変えれば、電池セルアレイ１００は電池モジュール単位での構成要素が最小化されている構造であり得る。一例として、電池セルアレイ１００は電池セル積層体の前面および後面にバスバーフレームが位置するが、電池モジュール単位でのモジュールフレームが省略されている構造であり得る。すなわち、本実施形態による電池パック１０００は、電池モジュール単位のうち少なくとも一部が省略されている電池セルアレイ１００が下部パックフレーム１１００に直接取り付けられているＣＴＰ（Ｃｅｌｌ Ｔｏ Ｐａｃｋ）構造を有することができる。

【0045】

そのため、本実施形態による電池パック１０００は、電池モジュール単位のうち少なくとも一部が省略され、電池パック１０００の重量が減少して、電池容量もまた向上することができる。これと共に、本実施形態は電池セルアレイ１００の上部にカバー部１２００が取り付けられており、電池セルアレイ１００が外部に露出されず安全性が向上することができ、かつ電池パック１０００内部の構造的剛性もまた十分に確保することができる。

【0046】

図４は図１の電池パックにおける下部パックフレームを分解した斜視図である。

【0047】

図１、図３および図４を参照すると、本発明の一実施形態による電池パック１０００において、下部パックフレーム１１００は電池セルアレイ１００の下面と接する底部１１１０と電池セルアレイ１００の少なくとも一側面と接するフレーム部１１３０，１１５０を含むことができる。ここで、底部１１１０とフレーム部１１３０，１１５０は互いに一体化しているか、溶接または接着のような別途の締結方式によって固定されている。

【0048】

ここで、フレーム部１１３０，１１５０は断熱部材からなる。一例として、フレーム部１１３０，１１５０はアルミニウム押出構造で構成されることができる。他の一例として、フレーム部１１３０，１１５０はクラッドメタル（Ｃｌａｄ ｍｅｔａｌ）のような異種金属接合素材からなるか、エアロゲル（ａｅｒｏｇｅｌ）またはＥＰＰ（Ｅｘｐａｎｄｅｄ Ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅｓ）フォーム（ｆｏａｍ）等の断熱素材が含まれた構造物であり得る。ただし、これに限定されるものではなく、フレーム部１１３０，１１５０は所定の剛性を有する断熱性素材からなるものであれば制限なく使用可能である。

【0049】

また、フレーム部１１３０，１１５０は底部１１１０の縁から上部に向かって延びた側面フレーム１１３０と側面フレーム１１３０の内部に位置する内部フレーム１１５０を含むことができる。ここで、複数の電池セルアレイ１００は側面フレーム１１３０と内部フレーム１１５０によって区分することができる。

【0050】

より具体的には、内部フレーム１１５０は下部パックフレーム１１００の幅方向に沿って延びている第１内部フレーム１１５１と下部パックフレーム１１００の長手方向に沿って延びている第２内部フレーム１１５５を含むことができる。一対の第１内部フレーム１１５１は電池セルアレイ１００の両側面をカバーすることができる。また、図３のように、第２内部フレーム１１５５と側面フレーム１１３０は電池セルアレイ１００の前後面をカバーすることができる。

【0051】

そのため、フレーム部１１３０，１１５０は電池セルアレイ１００の両側面および前後面をすべてカバーすることができ、電池セルアレイ１００を外部衝撃から保護し、下部パックフレーム１１００の構造的剛性もまた確保することができる。また、隣接する電池セルアレイ１００間の熱伝播を防止して、電池セル１１０間のショート発生を防止することができる。

【0052】

また、図１、図３および図４を参照すると、側面フレーム１１３０の外面に少なくとも一つの破裂部１５００が形成されている。ここで、破裂部１５００はベント部１３００の一端部に隣接するように位置し得る。言葉を変えれば、破裂部１５００は第２内部フレーム１１５５の端部と接する側面フレーム１１３０の外面に位置するが、ベント部１３００の一端部と隣接するように位置し得る。

【0053】

また、破裂部１５００はラプチャディスク（Ｒｕｐｔｕｒｅ Ｄｉｓｃ）のように、ベント部１３００と連結されていてもよく、流入するガスの圧力が一定の圧力以上になる場合は破裂するように構成された破裂面（図示せず）が含まれていてもよい。ただし、破裂部１５００の構造はこれに限定されるものではなく、ベント部１３００の通路と連通して外側に排出することを可能にする構成であれば本実施形態に含まれ得る。

【0054】

以上の構成によって、ベント部１３００と破裂部１５００が連通されていることができ、一部の電池セルアレイ１００で発火現象が発生するとき、発熱および火炎を外側に誘導して隣接する電池セルアレイ１００の間の影響を最小化することができる。

【0055】

図５は図２のカバー部を切断線Ｃ－Ｃ’を沿って切断した断面図である。

【0056】

図２および図５を参照すると、カバー部１２００は第１プレート１２１０、および第１プレート１２１０の下部に位置する第２プレート１２２０、第１プレート１２１０の縁と第２プレート１２２０の縁を連結する側面部１２３０を含むことができる。ここで、第１プレート１２１０、第２プレート１２２０、および側面部１２３０は互いに一体化しているか、溶接または接着のような別途の締結方式によって固定されている。

【0057】

また、第１プレート１２１０の中心部には第１ベントホール１２１５が形成されている。ここで、第１ベントホール１２１５は図５のように第１プレート１２１０の一部が除去されて、第１プレート１２１０で開放されている部分を意味する。

【0058】

また、第２プレート１２２０に少なくとも一つの第２ベントホール１２２５が形成されている。ここで、第２ベントホール１２２５は電池セルアレイ１００の前後面と隣接する位置に形成されている。より具体的には、カバー部１２００は一対の電池セルアレイ１００の上部に位置し得、第２ベントホール１２２５は一対の電池セルアレイ１００の前後面に隣接する位置にそれぞれ形成されている。一例として、図５のように、４個の第２ベントホール１２２５は一対の電池セルアレイ１００の前後面に隣接する位置にそれぞれ形成されている。ここで、第２ベントホール１２２５は第１ベントホール１２１５のように第２プレート１２２０の一部が除去されて、第２プレート１２２０で開放されている部分を意味する。

【0059】

そのため、本実施形態による電池パック１０００において、一部の電池セルアレイ１００で発火現象が発生するとき、カバー部１２００は電池セルアレイ１００の前後面に隣接するように位置した第２ベントホール１２２５を通じてガスおよび火炎が流入し、第２ベントホール１２２５に流入したガスおよび火炎は第１ベントホール１２１５を通じてベント部１３００に向かって排出されることができる。

【0060】

また、第２プレート１２２０の下面は電池セルアレイ１００の上部と接する。より具体的には、本実施形態で、カバー部１２００は第２プレート１２２０の下面が電池セルアレイ１００の上部に接するが、電池セルアレイ１００の上部を加圧して締結されることができる。

【0061】

そのため、カバー部１２００は発火現象発生時でない普段には、電池セルアレイ１００を安定的に支持する支持フレームとして作用して、電池パック１０００の構造的剛性を確保しながらも安定性を向上させることができる。

【0062】

図６は図１のａ領域を拡大した図である。

【0063】

図１、図３および図６を参照すると、本実施形態による電池パック１０００において、カバー部１２００およびベント部１３００は第１締結部材１２７０および第２締結部材１３７０により下部パックフレーム１１００に固定されることができる。

【0064】

より具体的には、第１締結部材１２７０はカバー部１２００の縁の一部を内部フレーム１１５０の上部に固定させることができる。また、第２締結部材１３７０はベント部１３００の縁の一部をカバー部１２００の上面に固定させることができる。

【0065】

一例として、第１締結部材１２７０および第２締結部材１３７０はシーリングウェルドボルト（Ｓｅａｌｉｎｇ ｗｅｌｄ ｂｏｌｔ）からなる。他の一例として、第１締結部材１２７０および第２締結部材１３７０はそれぞれスポット溶接（Ｓｐｏｔ ｗｅｌｄｉｎｇ）による金属接合、リベット（ｒｉｖｅｔ）接合、および構造用接着剤（ｓｅａｌａｎｔ）接合の少なくとも一つによって形成されることができる。ただし、第１締結部材１２７０および第２締結部材１３７０はこれに限定されるものではなく、カバー部１２００およびベント部１３００を下部パックフレーム１１００に安定的に固定させる構成あるいは方式であれば本実施形態に含まれ得る。

【0066】

そのため、本実施形態による電池パック１０００において、カバー部１２００およびベント部１３００が第１締結部材１２７０および第２締結部材１３７０により下部パックフレーム１１００に安定的に固定されることができ、電池パック１０００の構造的安定性を向上させる。また、カバー部１２００とベント部１３００の間の空間が密閉されており、一部の電池セルアレイ１００で発火現象時に発生した火炎およびガスがカバー部１２００およびベント部１３００の間に漏出しない。

【0067】

図７は図１の切断線Ａ－Ａ’に沿って切断した断面の一部を示す図である。図８は図７の一部を拡大して示す図である。

【0068】

図１、図７、および図８を参照すると、電池セルアレイ１００で発火現象発生時、電池セルアレイ１００で発生したガスおよび火炎は電池セルアレイ１００の前後面と隣接する第２ベントホール１２２５に流入すし得る。また、第２ベントホール１２２５に流入したガスはカバー部１２００の内部を通って移動し得、移動したガスおよび火炎は第１ベントホール１２１５を通じてベント部１３００の内部に流入し得る。

【0069】

そのため、本実施形態による電池パック１０００は、カバー部１２００およびベント部１３００によって、一部の電池セルアレイ１００で発生したガスおよび火炎のベンティングが電池パック１０００の幅方向に沿って誘導されることができ、隣接する電池セルアレイ１００間の熱伝播を防止することができる。

【0070】

また、図７および図８を参照すると、本実施形態による電池パック１０００において、ベント部１３００はカバー部１２００の長手方向に沿って延びる第１ベント部１３５０および第１ベント部１３５０と垂直な方向に延びる第２ベント部１３１０を含むことができる。より具体的には、第２ベント部１３１０は第１ベントホール１２１５の中心を通ってカバー部１２００の底面まで延びている。

【0071】

そのため、本実施形態による電池パック１０００は、ベント部１３００が第２ベント部１３１０により区分されており、ベント部１３００に流入したガスおよび火炎が一対の電池セルアレイ１００の間に互いに伝達されて熱伝播されることを防止することができる。

【0072】

図９は図１の切断線Ｂ－Ｂ’に沿って切断した断面の一部を示す図である。

【0073】

図１および図９を参照すると、ベント部１３００を通じて流入したガスおよび火炎は側面フレーム１１３０に形成されている破裂部１５００に向かって移動し得、破裂部１５００は所定の圧力以上になると破裂して高温のガスおよび火炎が外部に排出されることができる。

【0074】

ここで、側面フレーム１１３０の内面に少なくとも一つの貫通部１１３５が形成されている。ここで、貫通部１１３５は図９のようにベント部１３００の一端部１３１５と連通し得る。また、側面フレーム１１３０の内部にはガスおよび火炎が捕集されるガス捕集部１１３７が形成されている。一例として、ガス捕集部１１３７は破裂部１５００の大きさと対応する大きさを有することができる。

【0075】

より具体的には、ベント部１３００を介して流入したガスおよび火炎はベント部１３００の一端部１３１５と連通されている貫通部１１３５を介してガス捕集部１１３７に移動することができる。また、ガス捕集部１１３７に捕集されたガスおよび火炎の圧力が所定の圧力以上になると、破裂部１５００が破裂してガスおよび火炎が側面フレーム１１３０外部に排出されることができる。

【0076】

そのため、本実施形態による電池パック１０００は、ベント部１３００および破裂部１５００によって、ベント部１３００に流入したガスおよび火炎のベンティングが電池パック１０００の長手方向に沿って誘導されることができ、隣接する電池セルアレイ１００間の熱伝播を防止しながらもガスおよび火炎が効果的に外部に排出されることができる。

【0077】

本発明の他の一実施形態によるデバイスは前記で説明した電池パックを含む。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびそれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用することが可能であり、これもまた本発明の権利範囲に属する。

【0078】

以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。

【符号の説明】

【0079】

１００ 電池セルアレイ
１０００ 電池パック
１１００ 下部パックフレーム
１２００ カバー部
１３００ ベント部
１５００ 破裂部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】