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特許7566404電池モジュールおよびこれを含む電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20241007BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20241007BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20241007BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20241007BHJP
   H01M 10/658 20140101ALI20241007BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20241007BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20241007BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20241007BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6555
H01M10/658
H01M50/204 401H
H01M50/262 E
H01M50/291
H01M50/293
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023505431
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 KR2022001878
(87)【国際公開番号】W WO2022173182
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0018468
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ボン・グン・キム
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-131428(JP,A)
【文献】特表2020-501320(JP,A)
【文献】特開2009-301969(JP,A)
【文献】特開2015-162285(JP,A)
【文献】特開2019-067583(JP,A)
【文献】特開2019-083150(JP,A)
【文献】特表2013-510411(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108054460(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-298
H01M 10/60-667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層されて形成された電池セル積層体;
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム;および
前記電池セルの間に配置されている圧縮パッドを含み、
前記圧縮パッドは、多孔性構造を有する電池モジュールであって、
前記多孔性構造は、複数のホールを含み、
前記複数のホールには、隣の電池セルに露出するように防御基材が形成されており、
前記電池セルのスウェリングにより前記防御基材を形成する素材が前記ホール外部に流動してバリア膜を形成する、電池モジュール
【請求項2】
前記防御基材は、吸熱部材および断熱部材のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記バリア膜は、前記電池セルと前記圧縮パッドとの間に形成される第1バリア膜を含む、請求項1または2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記バリア膜は、前記電池セル積層体と前記モジュールフレームの上部プレートとの間に形成される第2バリア膜をさらに含む、請求項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記ホールは、楕円形状を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記ホールは、前記電池セルの電極リードが突出した方向に長く形成された楕円形状を有する、請求項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記吸熱部材または断熱部材は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび第1リン酸アンモニウムのうちの少なくとも一つを含む消火薬剤を含む、請求項に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記圧縮パッドは、ウレタン、ポリウレタン、低密度ポリエーテルおよびポリエステルのうちの少なくとも一つの素材から形成される、請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュールを含む電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願(ら)との相互引用]
本出願は、2021年2月9日付韓国特許出願第10-2021-0018468号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より具体的には安全性が強化された電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。特に、二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても大きな関心を受けている。
【0004】
小型モバイル機器にはデバイス1台当たり1個または2~4個の電池セルが使用されることに対し、自動車などのように中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが使用される。
【0005】
中大型電池モジュールは、可能な限り小さい大きさと重量で製造されることが好ましいため、高い集積度に積層可能であり、容量に比べて重量が小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に使用されている。一方、電池モジュールは、電池セル積層体を外部衝撃、熱または振動から保護するために、前面と後面が開放されて電池セル積層体を内部空間に収納するモジュールフレームを含むことができる。
【0006】
図1は従来の電池モジュールの分解斜視図である。図2図1の電池モジュールを構成する構成要素を結合した状態を示す斜視図である。図3図2の切断線A-Aに沿って切断した断面図である。
【0007】
図1乃至図3を参照すると、従来の電池モジュール10は、複数の電池セル11が一方向に積層された電池セル積層体12、電池セル積層体12を収容するモジュールフレーム30、電池セル積層体12の前後面を覆うエンドプレート15、およびエンドプレート15と電池セル積層体12の前後面との間に形成されたバスバーフレーム13を含む。モジュールフレーム30は、電池セル積層体12の下部および両側面を覆う下部フレーム30と、電池セル積層体12の上面を覆う上部プレート40とを含む。
【0008】
また、図3に示したように、電池セル積層体12で互いに隣り合う一対の電池セルの間に圧縮パッド20が位置する。
【0009】
図2および図3を参照すると、従来の電池モジュール10に含まれる圧縮パッド20は、電池セル11の一面に接することができる。電池セル11がスウェリングされる場合、電池セル積層体12がモジュールフレーム30および上部プレート40にストレスを加えることがあり、これによってモジュール剛性を低下させることがある。圧縮パッド20は、スウェリング現象を吸収することができる。しかし、圧縮パッド20だけではモジュール内の発火が起こる場合に熱伝播時間を短縮する効果が少なく、発火を防止することは難しい。特に、電池セル11の発火時、隣り合う電池セル11間の熱伝導と共に電池セル11で発生される火炎による外部熱伝導により2次セル発火が発生するため、その危険が非常に大きくなり得る。
【0010】
そのために、従来とは異なり、スウェリング現象を吸収することはもちろん、モジュール内の発火を防止し、電池セル間の熱伝播速度を効果的に遅延させる電池モジュールを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は、モジュール内の発火を防止し、電池セル間の熱伝播速度を効果的に遅延させる電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することにある。
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に制限されず、言及されていない課題は本明細書および添付の図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されて形成された電池セル積層体;前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム;および前記電池セルの間に配置されている圧縮パッドを含み、前記圧縮パッドは、多孔性構造を有する。
【0014】
前記多孔性構造は、複数のホールを含み、前記複数のホールには防御基材が形成されていてもよい。
【0015】
前記防御基材は、吸熱部材および断熱部材のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0016】
前記電池セルのスウェリングにより前記防御基材を形成する素材が前記ホール外部に流動してバリア膜を形成することができる。
【0017】
前記バリア膜は、前記電池セルと前記圧縮パッドとの間に形成される第1バリア膜を含むことができる。
【0018】
前記バリア膜は、前記電池セル積層体と前記モジュールフレームの上部プレートとの間に形成される第2バリア膜をさらに含むことができる。
【0019】
前記ホールは、楕円形状を有することができる。
【0020】
前記ホールは、前記電池セルの電極リードが突出した方向に長く形成された楕円形状を有することができる。
【0021】
前記吸熱部材または断熱部材は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび第1リン酸アンモニウムのうちの少なくとも一つを含む消火薬剤を含むことができる。
【0022】
前記圧縮パッドは、ウレタン、ポリウレタン、低密度ポリエーテルおよびポリエステルのうちの少なくとも一つの素材から形成され得る。
【0023】
本発明の他の一実施形態による電池パックは、前述した電池モジュールを含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態によれば、互いに隣り合う一対の電池セルの間に介在される多孔性構造の圧縮パッドを形成し、前記圧縮パッドの多孔性構造内部に防御基材を形成することができる。この時、電池セルの発火時に電池セルに加えられる圧力により前記防御基材が前記多孔性構造の内部から外部に放出されてバリア膜を形成することができる。したがって、隣り合う電池セル間の熱伝播速度を遅延させることができる。
【0025】
本発明の効果は、前述した効果に制限されず、言及されていない効果は本明細書および添付した図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来の電池モジュールの分解斜視図である。
図2図1の電池モジュールを構成する構成要素を結合した状態を示す斜視図である。
図3図2の切断線A-Aに沿って切断した断面図である。
図4】本発明の一実施形態による電池モジュールの平面図である。
図5図4の電池モジュールに含まれている圧縮パッドを示す平面図である。
図6図5の圧縮パッドが外部圧力を受ける前後の様子を示す図面である。
図7】本実施形態による圧縮パッドが図6の外部圧力を受けてバリア膜を形成することを示す図面である。
図8図7のB部分を拡大して示す図面である。
図9図7のB部分を拡大して示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0028】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0029】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0030】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0031】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0032】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0033】
図1乃至図3を参照して説明した圧縮パッド20は比較例であり、均一な断面を有することができ、一定の厚さを有することができる。圧縮パッド20は、セルスウェリングを防止する役割をすることができ、セル発火時に熱伝播をある程度遅延させることができる。これと対比して本発明の一実施形態による圧縮パッドについて詳細に後述する。
【0034】
図4は本発明の一実施形態による電池モジュールの平面図であり、本発明の一実施形態による電池モジュールを上方から見た図面である。図5図4の電池モジュールに含まれている圧縮パッドの断面を示す図面である。
【0035】
図4および図5を参照すると、本実施形態による電池モジュールは、複数の電池セル110が積層されて形成される電池セル積層体120、電池セル積層体120を収容するモジュールフレーム130、複数の電池セル110のうちの互いに隣り合う電池セル110の間に配置される圧縮パッド150を含む。この時、図4に示した本実施形態による電池モジュールは、図2の電池モジュールを上方から見た様子を示すものであり得る。したがって、図4の上部から下部に向かう方向は図2のx軸方向であり得、図4には示されていないが、本実施形態による電池モジュールは、図4の電池モジュールを覆う上部プレート(図示せず)をさらに含むことができる。
【0036】
圧縮パッド150は、多孔性構造を有し、本実施形態による多孔性構造は、複数のホール140を含む。複数のホール140内部には防御基材160が形成され得る。
【0037】
本実施形態による防御基材160は、吸熱部材および断熱部材のうちの少なくとも一つを含むことができる。この時、圧縮パッド150は、電池セル積層体120内部に位置する電池セル110の間に形成されるだけでなく、電池セル積層体120に含まれている最外側電池セルと、最外側電池セルに隣接した電池セルとの間に位置することができる。モジュールフレーム130に隣接した最外側電池セルと、最外側電池セルに隣接した電池セルとの間、および電池セル積層体120内部に位置する電池セル110の間に圧縮パッド150を形成することによって、電池セル110で発生する火炎が隣り合う電池セル110に伝播されたり、モジュール外部に火炎が伝達されることを遮断することができる。それだけでなく、モジュール内の熱伝播を遅延させることもできる。具体的には、本実施形態によれば、電池セル110のスウェリングが発生するとホール140内部に位置する防御基材160が圧力を受けるようになり、圧縮パッド150が歪められて防御基材160を形成する素材がホール140外部に流動して抜け出ることがある。このような防御基材160を形成する素材が抜け出ると、電池セル110と圧縮パッド150との間にバリア膜200を形成することができる。
【0038】
この時、電池セル110のスウェリングが発生するとホール140内部に位置する防御基材160が圧力を受けるようになり、圧縮パッド150が歪められ、ホール140は楕円形状を有することができる。前記楕円形状によりホール140外部に防御基材160が抜け出ることが容易になり得る。前記楕円形状は、電池セル110の電極リード(図示せず)が突出した方向に長く形成された楕円形状であり得る。また、電池セル110のスウェリングによりホール140に加えられる外部圧力の方向によりホール140は多様な方向の楕円形状であり得るが、これに制限されない。
【0039】
また、前記多孔性構造を有する圧縮パッド150は、ウレタン、ポリウレタン、低密度ポリエーテルおよびポリエステルのような本来多孔性構造を有する素材から選択され得る。また、圧縮パッド150の形成時にレーザを走査して前記多孔性構造を形成したり、圧縮パッド150の形成時にホール140を共に形成することができるが、これに制限されない。
【0040】
前記素材から選択された圧縮パッド150または前記方法を通じて形成された圧縮パッド150の多孔性構造は、複数のホール140を含み、ホール140内部に防御基材160を介在することができる。また、ホール140は、圧縮パッド150上に少なくとも一つ以上形成され得、ホール140の数が多くなるほど介在可能な防御基材160の数が増えることができる。ただし、圧縮パッド150上のホール140は、セルスウェリングを吸収する圧縮パッド150の役割遂行を維持することができる水準で形成されることが好ましいが、これに制限されるのではない。
【0041】
図6は圧縮パッドが外部圧力を受ける前後の様子を示す図面である。図7は実施形態による圧縮パッドが図6の外部圧力を受けてバリア膜を形成することを示す図面である。図8および図9図7のB部分を拡大して示す図面である。
【0042】
図6乃至図9を参照すると、圧縮パッド150のホール140に介在される防御基材160は、外部圧力が加えられることによって圧縮パッド150のホール140から流れ出てバリア膜200を形成することができる。これは前述したように外部圧力により圧縮パッド150のホール140の形状変化が起こるためであり、ホール140の内部に介在される防御基材160が圧縮パッド150から押されて出てバリア膜200が形成される。
【0043】
この時、バリア膜200は、電池セル110と圧縮パッド150との間に形成される第1バリア膜200a、電池セル積層体120とモジュールフレーム130との間、特に、電池セル積層体120とモジュールフレーム130の前記上部プレート(図示せず)との間に形成される第2バリア膜200bを含むことができる。この時、第2バリア膜は、圧縮パッド150とモジュールフレーム130、特にモジュールフレーム130の前記上部プレートとの間に形成される第3バリア膜200cをさらに含むことができる。
【0044】
第1バリア膜200aは、電池セル110と圧縮パッド150との間の空間の一部または全体を覆うことができ、第2バリア膜200bは、電池セル積層体120とモジュールフレーム130との間の空間、特に、モジュールフレーム130の前記上部プレートのと間の空間の一部または全体を覆うことができる。特に、第2バリア膜200bのうちの圧縮パッド150とモジュールフレーム130との間に、特にモジュールフレーム130の前記上部プレートとの間に第3バリア膜200cは圧縮パッド150とモジュールフレーム130との間の空間、特に、圧縮パッド150とモジュールフレーム130の前記上部プレートとの間の空間の一部または全体を覆うことができる。したがって、加えられる圧力によりホール140から防御基材160が流れ出る程度が調節されることによってバリア膜の形成程度が調節され得る。
【0045】
また、第1バリア膜200a、第2バリア膜200bおよび第3バリア膜200cは、前記空間の一部または全体を覆うことによってモジュール内の温度上昇による発火を防止することができる。また、電池セル110で発生する火炎が隣り合う電池セル110に伝播されたり、モジュール外部に火炎が伝達されることを遮断することができる。特に、圧縮パッド150のホール140から防御基材160が流動して抜け出て、圧縮パッド150とこれに隣接する電池セル110との間にバリア膜200を形成するだけでなく、モジュールフレーム130と電池セル積層体120またはモジュールフレーム130と圧縮パッド150の間の空間にもバリア膜200を形成することによってモジュール内の全体的な熱伝播速度を遅延させることができる。
【0046】
また、図7乃至図9ではB部分に限定して本発明を説明したが、B部分と対応する図7乃至図9の下段部分も前記と同一に説明され得る。
【0047】
バリア膜200を形成する防御基材160は、吸熱部材または断熱部材を含むことができる。前記吸熱部材または断熱部材は、消火薬剤であり得、より具体的に前記消火薬剤は、液体消火薬剤または粉末消火薬剤であり得る。前記消火薬剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび第1リン酸アンモニウムのうちの少なくとも一つを含むことができるが、これに制限されない。
【0048】
一方、発明の実施形態による電池モジュールは、一つまたはそれ以上がパックケース内にパッケージングされて電池パックを形成することができる。
【0049】
前述した電池モジュールおよびこれを含む電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを使用することができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0050】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0051】
110:電池セル
120:電池セル積層体
130:モジュールフレーム
140:ホール
150:圧縮パッド
160:防御基材
200:バリア膜
200a:第1バリア膜
200b:第2バリア膜
200c:第3バリア膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9