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特許7566411電池モジュールおよびそれを含む電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびそれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20241007BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20241007BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20241007BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/211
H01M50/262 E
H01M50/262 S
H01M50/262 M
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023546324
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 KR2022013131
(87)【国際公開番号】W WO2023043099
(87)【国際公開日】2023-03-23
【審査請求日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】10-2021-0124705
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥスン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェフン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】セホ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ギ・パク
【審査官】吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/145549(WO,A1)
【文献】特表2018-533825(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068705(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0341788(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0039948(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20 - 50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に配列されて積層された複数の電池セルを含む電池セル積層体、
前記電池セル積層体が収容されるモジュールハウジング、および
前記複数の電池セルのうち最外側電池セルと前記モジュールハウジングの間に配置される変形防止構造体
を含み、
前記モジュールハウジングは、空間部を含むハウジングプレートを含み、前記ハウジングプレートは前記最外側電池セルと隣り合って配置され、
前記変形防止構造体は、
前記ハウジングプレートに固定されて前記電池セル積層体に支持される加圧プレート、および
前記ハウジングプレートの前記空間部に収容されて前記加圧プレートと前記ハウジングプレートの間に配置されるばね構造体
を含み、
前記空間部は、前記電池セル積層体に向かう前記ハウジングプレートの一面に設けられた窪み部により構成される、電池モジュール。
【請求項2】
前記ハウジングプレートは、前記電池セルの長手方向に沿って長く配置されて前記窪み部を含むカバー本体を含み、
前記加圧プレートは前記カバー本体との間に前記窪み部を置いて前記電池セルの長手方向に沿って長く配置されて前記最外側電池セルに支持される加圧本体と、前記加圧本体の両端に配置されて前記ハウジングプレートの両端に固定される固定部を含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記窪み部は、前記ハウジングプレートの周辺部から中心部に行くほど深くなる形状を有して前記カバー本体に設けられる、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記ハウジングプレートの長手方向に対して平行な方向に切断した前記窪み部の断面形状が弧形状である、請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記ばね構造体は前記ハウジングプレートに支持される複数の第1突起部と前記加圧プレートに支持される複数の第2突起部が連続して繋がる波形ばねを含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記波形ばねは前記複数の第1突起部の間の間隔または前記複数の第2突起部の間の間隔を前記波形ばねの中心部から周辺部に行くほど狭くする、請求項5に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記変形防止構造体は前記加圧プレートに支持され、前記ハウジングプレートの外表面に突出する突出部をさらに含む、請求項6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記ばね構造体は、前記波形ばねの中心に配置され、収容部を有する連結部を含み、
前記突出部は前記収容部に収容され、前記ハウジングプレートに貫通した開口を通じて部分的に突出する鋼球からなる、請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記収容部は前記窪み部と対向する凹部を含み、前記鋼球は前記凹部に挿入される、請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記凹部は前記連結部の長手方向に沿って複数配置され、前記鋼球は複数の凹部にそれぞれ挿入される、請求項9に記載の電池モジュール。
【請求項11】
請求項7ないし10のいずれか一項に記載の電池モジュール、および
前記電池モジュールが収容されるキャリアフレームを含み、
前記キャリアフレームは前記ハウジングプレートと隣り合うビーム部材を含み、
前記ビーム部材と前記ハウジングプレートの間の距離より前記ビーム部材と前記突出部の間の距離が近い、電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2021年9月17日付韓国特許出願第10-2021-0124705号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池モジュールに関し、より具体的には電池セル積層体をモジュールハウジングに収容した電池モジュールに関する。また、本発明は上記した電池モジュールを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加によりエネルギ源としての二次電池の需要が急激に増加している。二次電池は携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギ源としても使用されている。
【0004】
小型モバイル機器にはデバイス1台当たり一つまたは複数の二次電池が使用されることに対して、電気自動車などのように中大型デバイスには二次電池が高出力大容量で備えられることが必要である。このために多数の電池セルは電気的に接続されて一つのモジュールで構成されるか、複数のモジュールが電気的に接続されて構成されたパックとして製品に適用することができる。
【0005】
電池モジュールは、例えば、一方向に沿って整列した複数の電池セルの積層体をモジュールハウジングを構成する部材で囲んで固定させて構成される。ここで、モジュールハウジングを構成する部材は電池セルのスウェリング(swelling)現象によりモジュールハウジング、すなわち、電池モジュールの形状が変形されないように堅固な構造体で備えられることが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、電池セルのスウェリング現象による電池セルの部位別の変位偏差を最小化できる電池モジュールおよびそれを含む電池パックを提供することにある。
【0007】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、本発明に含まれた技術的思想の範囲で多様に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、第1方向に配列されて積層された複数の電池セルを含む電池セル積層体と、前記電池セル積層体が収容されるモジュールハウジング、および前記複数の電池セルのうち最外側電池セルと前記モジュールハウジングの間に配置される変形防止構造体を含む。前記モジュールハウジングは、空間部を含むハウジングプレートを含み、前記ハウジングプレートが、前記最外側電池セルと隣り合って配置される。前記変形防止構造体は、前記ハウジングプレートに固定されて前記電池セル積層体に支持される加圧プレート、および前記ハウジングプレートの空間部に収容されて前記加圧プレートと前記ハウジングプレートの間に配置されるばね構造体を含む。前記空間部は前記電池セル積層体に向かうハウジングプレートの一面に設けられた窪み部により構成される。
【0009】
前記ハウジングプレートは前記電池セルの長手方向に沿って長く配置されて前記窪み部を含むカバー本体を含み、前記加圧プレートは前記カバー本体との間に前記窪み部を置いて前記電池セルの長手方向に沿って長く配置されて前記最外側電池セルに支持される加圧本体と、前記加圧本体の両端に配置されて前記ハウジングプレートの両端に固定される固定部を含み得る。
【0010】
前記窪み部は前記ハウジングプレートの周辺部から中心部に行くほど深くなる形状を有して前記カバー本体に設けられ得る。
【0011】
前記ハウジングプレートの長手方向に対して平行な方向に切断した前記窪み部の断面形状が弧形状であり得る。
【0012】
前記ばね構造体は前記ハウジングプレートに支持される複数の第1突起部と前記加圧プレートに支持される複数の第2突起部が連続して繋がる波形ばねを含み得る。
【0013】
前記波形ばねは前記複数の第1突起部の間の間隔または前記複数の第2突起部の間の間隔を前記波形ばねの中心部から周辺部に行くほど狭くし得る。
【0014】
前記変形防止構造体は前記加圧プレートに支持され、前記ハウジングプレートの外表面に突出する突出部をさらに含み得る。
【0015】
収容部は有する連結部が前記波形ばねの中心に配置され、前記突出部は前記収容部に収容され、前記ハウジングプレートに貫通した開口を通じて部分突出する鋼球(またはボール)からなり得る。
【0016】
前記収容部は前記窪み部と対向する凹部を含み、前記鋼球は前記凹部に挿入され得る。
【0017】
前記凹部は前記連結部の長手方向に沿って複数配置され、前記鋼球は複数の凹部にそれぞれ挿入され得る。
【0018】
本発明の他の実施形態による電池パックは、前述した電池モジュールを含む。
【0019】
前記電池パックは、前記電池モジュールが収容されるキャリアフレームを含み、前記キャリアフレームは前記ハウジングプレートと隣り合うビーム部材を含み、前記ビーム部材と前記ハウジングプレートの間の距離より前記ビーム部材と前記突出部の間の距離が近くてもよい。
【発明の効果】
【0020】
実施形態によれば、電池セル積層体からスウェリング現象が起こる場合、変形防止構造体が電池セル積層体はもちろんモジュールハウジングが変形されることを最小化することができる。
【0021】
そのため、実施形態による電池モジュールは、電池セルの寿命が退化することを抑制することができる。
【0022】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
図2】本発明の実施形態によるハウジングプレートと変形防止構造体の結合斜視図である。
図3図2の背面斜視図である。
図4図2の平面図である。
図5図2の分解斜視図である。
図6】本発明の実施形態による変形防止構造体の鋼球が連結部の収容部に挿入されることを説明するために示す図である。
図7】本発明の実施形態による変形防止構造体とハウジングプレートが組み立てられる過程を説明するために示す図である。
図8】本発明の実施形態による電池モジュールを含む電池パックを説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限られない。
【0025】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0026】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限られない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。そして、図面では、説明の便宜上、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0027】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上に」または「の上に」あるという時、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆にある部分が他の部分の「すぐ上に」あるという時には中間に他の部分が存在しないことを意味する。また、基準になる部分「上に」または「の上に」あるというのは基準になる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の逆方向に向かって「上に」または「の上に」位置することを意味するものではない。
【0028】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0029】
また、明細書全体において、「平面上」というとき、これは対象部分を上から見たときを意味し、「断面上」というとき、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見たときを意味する。
【0030】
図1は本発明の実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。図1に示すように、実施形態による電池モジュール10は複数の電池セル12,12a,12bが第1方向xに配列されて積層された電池セル積層体14がモジュールハウジング16に収容されて構成される。
【0031】
本実施形態における電池セル12は、パウチ型二次電池、例えば、パウチの内部空間に電極組立体を収納し、電極組立体の正極および負極と電気的に接続されたそれぞれのリードが第1方向xと直交する第2方向yに配置されるようにパウチの外部に露出させて構成される。パウチは第2方向yに沿って長い概ね長方形の形状を有することができる。しかし、本発明において電池セルは必ずしもこのような構成で限定されない。
【0032】
モジュールハウジング16は電池セル積層体14を囲むように配置される一対のハウジングプレート(またはベースプレート)160と図示していないトッププレートおよび底プレートを含み得る。このようなモジュールハウジング16は、ハウジングプレート160、トッププレートおよび底プレートの相互間の結合(例:スナップフィットまたは溶接)により電池セル積層体14が収容され得る内部空間を形成する。ハウジングプレート160、トッププレートおよび底プレートはモジュールハウジング16の剛性のために金属材質で備えられるが、その材質は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0033】
第2方向yにモジュールハウジング16の両端部には複数の電池セル12の各端子を電気的に接続するバスバー(図示せず)を遮蔽させながらモジュールハウジング16に結合され、上記した内部空間を密閉させる一対のカバープレート18が配置され得る。
【0034】
このような電池モジュール10における、モジュールハウジング16のハウジングプレート160は、電池モジュール10が製品(例:電気自動車)に適用されて使用中に電池セル積層体14からスウェリング現象が起こる場合、電池セル12,12a,12bの膨張力に対する反力が低下しないように構成される。
【0035】
このために、本実施形態の電池モジュール10にはハウジングプレート160と電池セル積層体14の最外側電池セル12,12bの間に変形防止構造体20が配置される。変形防止構造体20はスウェリング現象により電池セル積層体および/またはモジュールハウジングが変形されることを防止するようにする。換言すれば、変形防止構造体20は電池セル積層体14でスウェリング現象が起こらない場合の電池セル積層体14に対するハウジングプレート160の反力と、電池セル積層体14でスウェリング現象が起こった場合の電池セル積層体14に対するハウジングプレート160の反力に対する偏差を最小化するようにして、スウェリング現象により電池セル積層体14とハウジングプレート160が変形されないようにするか、または電池セル積層体14もしくはハウジングプレート160が変形されないようにする。
【0036】
本実施形態における変形防止構造体20は、一対のハウジングプレート160にそれぞれ結合されたアセンブリで構成される。このアセンブリは同一構造からなるので、以下の説明では便宜上、片方(図1では左側に配置されたハウジングプレート)ハウジングプレート160を基準として説明する。
【0037】
図2は本発明の実施形態によるハウジングプレート160と変形防止構造体20の結合斜視図であり、図3図2の背面斜視図であり、図4図2の平面図であり、図5図2の部分分解斜視図である。
【0038】
図2ないし図5を参照すると、ハウジングプレート160は、電池モジュール10または電池セル積層体14の長手方向(または第2方向、y)に沿って長く配置される形状を有し、電池セル積層体14の最外側電池セル12a,12bに隣り合って配置される。
【0039】
本実施形態におけるハウジングプレート160は、第2方向yに沿って長く配置されるカバー本体160aを含む。カバー本体160aは任意の長さと厚さを有して金属材質(例:アルミニウム)からなる。カバー本体160aの内部にはハウジングプレート160の軽量化および剛性構造のためにその両端が開口された中空部160bが第1方向xおよび第2方向yに対して垂直な第3方向zに沿って提供される。
【0040】
カバー本体160aの一面(電池セル積層体と対向する面)は、全体的に平坦であり、カバー本体160aの他の一面(電池セル積層体と対向する面)には窪み部160cが位置する。
【0041】
本実施形態で窪み部160cが位置する部位は、概ねカバー本体160aの両端の周辺部を除いたカバー本体160aの残り部分の全体に形成されるが、窪み部160cの設定領域は電池セル積層体のスウェリング部位を考慮して適宜調節可能である。
【0042】
本実施形態の窪み部160cは、ハウジングプレート160の両周辺部から中心部に行くほどその深さが深くなる、例えば、ハウジングプレート160の長手方向yに対して平行な方向にカバー本体160aを切断したとき、断面形状が弧形状からなる形状を有することができる。
【0043】
このようなハウジングプレート160は押出成形により剛性構造として製造されることができる。
【0044】
一方、ハウジングプレート160は窪み部160cによって凹んだ領域だけ空間部160dを有することができる。この空間部160dには後述する変形防止構造体20のばね構造体200が収容される。
【0045】
本実施形態における変形防止構造体20は、ハウジングプレート160に結合されて電池セル積層体14に支持される加圧プレート220を含む。加圧プレート220は電池セル積層体14の長手方向yに沿って長く配置される加圧本体220aと加圧本体220aの両端に配置されてハウジングプレート160の両端部に結合される固定部220bを含む。加圧プレート220は金属材質(例:ステンレススチール)からなる。
【0046】
加圧プレート220の加圧本体220aは、ハウジングプレート160のカバー本体160aと同様に第2方向yに沿って長い形状を有することができる。加圧本体220aの両面は実質的に平坦である。加圧プレート220の固定部220bは加圧本体220aの両端部からそれぞれ折り曲げられて延びた部位であって、これはハウジングプレート160のカバー本体160aの両端部に嵌挿結合されてハウジングプレート160と加圧プレート220が相互に固定結合されるようにする。ハウジングプレート160のカバー本体160aの両端部には加圧プレート220の固定部220bの安定した固定のために段差部が設けられる。
【0047】
このようなハウジングプレート160と加圧プレート220の結合により窪み部160cによる空間部160dは、加圧プレート220の加圧本体220aによりカバーされることによりハウジングプレート160のカバー本体160aと加圧プレートの加圧本体220aの間に位置し得る。
【0048】
変形防止構造体20は空間部160dに位置して加圧プレート220とハウジングプレート160に弾性力を付加するばね構造体200を含む。本実施形態におけるばね構造体200は、複数の第1突起部202aと複数の第2突起部202bが連続して繋がって構成された波形ばね202として提供されることができる。波形ばね202が空間部160dに収容されるとき、複数の第1突起部202aはハウジングプレート160に接触して支持され得、複数の第2突起部202bは加圧プレート220に接触して支持され得る。
【0049】
波形ばね202もハウジングプレート160および加圧プレート220に対応して第2方向yに沿って長い形状を有することができる。この時、複数の第1突起部202aの間の間隔d1または複数の第2突起部202bの間の間隔d2は波形ばね202の中心部から周辺部に行くほど狭くなる。例えば、波形ばね202の中心部から端部までの領域のうち、中心部から概ね3/5地点までは突起部202aの間の間隔d1または複数の第2突起部202bの間の間隔d2が一定の間隔を維持するようにし、概ね3/5地点から残りの2/5地点までは突起部202aの間の間隔d1または複数の第2突起部202bの間の間隔d2が徐々に狭くなる。しかし、第1突起部202aと第2突起部202bの間の間隔はこれに限定されるものではなく、電池セル積層体のスウェリング部位を考慮して適宜調節可能である。
【0050】
また、波形ばね202は、窪み部160cにより作られる空間部160dに安着しなければならないので、周辺部に配置される第1突起部202aまたは第2突起部202bを実質的に構成する部位の高さ(例:第1突起部の頂点から加圧プレートまでの直線距離または第2突起部の頂点からハウジングプレートまでの直線距離)および挟角(例:第1突起部を構成する波形ばねの折り曲げ部の挟角または第2突起部を構成する波形ばねの折り曲げ部の挟角)を中心部に配置される第1突起部202aまたは第2突起部202bを実質的に構成する部位の高さおよび挟角より小さくする。ここで、各部位の高さおよび挟角もまた、電池セル積層体のスウェリング部位を考慮して適宜調節可能である。
【0051】
このような波形ばね202は高剛性ばねとしてステンレススチールのような金属や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のようなプラスチック材質からなる。
【0052】
変形防止構造体20は加圧プレート220に支持され、ハウジングプレートの外表面、すなわち、電池セル積層体14と対向するハウジングプレート160の表面から突出する突出部50をさらに含むことができる。この突出部50は電池セル積層体14のスウェリング時、ハウジングプレート160の変形を抑制するようにする役割をするが、これは後ほど後述する。
【0053】
本実施形態における突出部50は、一定の直径を有する鋼球(またはボール,500)からなる。鋼球500は波形ばね202と連結された連結部60に設けられた収容部600に挿入されてハウジングプレート160のカバー本体160aに貫通した開口1600aを介して部分的に露出する。すなわち、本実施形態における突出部50は、ハウジングプレート160から部分的に露出した鋼球500の部位で構成される。
【0054】
本実施形態における連結部60は、波形ばね202の中心部に配置され、その両端に隣り合わせて配置される第2突起部202bと連結される。連結部60の収容部600はハウジングプレート160の窪み部160cと対向するように配置される凹部からなる。このような収容部600は、本実施形態における連結部60の長手方向zに沿って複数、例えば、3個配置され、鋼球500はこの3個の収容部600にそれぞれ挿入される。このような連結部60は、波形ばね202の製造時、この波形ばね202と一体で構成される(図6を参照)。
【0055】
このように構成される変形防止構造体20は、鋼球500が連結部60の収容部600に挿入された状態でばね構造体200が提供され(S1)(図6を参照)、鋼球500の一部分が開口1600aを通じてハウジングプレート160の外側に露出するようにばね構造体200がハウジングプレート160の窪み部160cに収容され(S2)(図7を参照)、加圧プレート220がばね構造体200を覆いながらその固定部220bをハウジングプレート160の両端に結着させること(S3)により、ハウジングプレート160と組み立てられる(図3を参照)。
【0056】
変形防止構造体20と組み立てられたハウジングプレート160は、トッププレートおよび底プレートと結合されてモジュールハウジング16を構成することができ、モジュールハウジング16は内部空間に電池セル積層体14を収容した、カバープレート18と結合されて電池モジュール10を構成することができる。
【0057】
図8は実施形態による電池モジュール10を含む電池パックを示す図である。電池パックはキャリアフレームを構成するビーム部材(例:垂直ビーム,70)を含み得、電池モジュール10はキャリアフレームに少なくとも1個で備えられて設けられる。電池モジュール10がキャリアフレームに設けられる際、ハウジングプレート160はビーム部材70に数mmの間隔を置いて配置される。
【0058】
本実施形態による電池モジュール10は、電気自動車のような高容量の電源を必要とする装置に適用して使用することができ、電池セル積層体14からスウェリング現象が起こる場合にも電池モジュール10の変形を最小化することができる。
【0059】
これは電池セル積層体14のスウェリングによる電池セルの変形が発生しても電池セル積層体14とハウジングプレート160の間で変形防止構造体20のばね構造体200が波形ばね202が弾性を発揮して対抗できるからである。波形ばね202は電池セル積層体14において最外側電池セル12a,12bを含む電池セル積層体14の周辺部に位置した電池セルがスウェリング現象を起こす時、スウェリングされた電池セルの周辺部よりは中心部に向かって弾性力をより付加できるように構成されているので、スウェリングによる電池セルの部位別の変形に対する偏差を減らすことができる。
【0060】
さらに、ハウジングプレート160がスウェリングによって第1方向xに変形されてもハウジングプレート160より変形防止構造体20の突出部50の鋼球500が先にビーム部材70に接触して支持されるので、電池セル積層体14のスウェリングに対するハウジングプレート160の反力を低下させない。
【0061】
本実施形態では変形防止構造体20がばね構造体200と突出部50を両方含む場合が開示されたが、本発明の変形防止構造体20はばね構造体200のみを含み、構成されることが可能である。
【0062】
前述した電池モジュールおよびそれを含む電池パックは多様なデバイスに適用することができる。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびそれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用することができ、これもまた本発明の権利範囲に属する。
【0063】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0064】
10 電池モジュール
12 電池セル
12a,12b 最外側電池セル
14 電池セル積層体
16 モジュールハウジング
20 変形防止構造体
160 ハウジングプレート
160c 窪み部
160d 空間部
200 ばね構造体
220 加圧プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8