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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】計量キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
B65D47/20 210
B65D47/20 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021088750
(22)【出願日】2021-05-26
(65)【公開番号】P2022181683
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】早川 茂
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-226809(JP,A)
【文献】実開昭63-046357(JP,U)
【文献】実開昭63-046355(JP,U)
【文献】特開2016-094203(JP,A)
【文献】特開2017-013838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口部に取り付けられることで計量吐出容器を形成する計量キャップであって、
計量室と貯留室を有し、
前記計量吐出容器を正立姿勢から倒立姿勢にすることで、内容物の一部が前記容器本体内から前記計量室内に移動した第1状態にすることができ、
前記計量吐出容器を前記第1状態から前記正立姿勢にすることで、前記計量室の容積に応じた量の前記内容物が前記計量室内から前記貯留室内に移動した第2状態にすることができ、
前記計量吐出容器を前記第2状態から前記倒立姿勢にすることで、前記貯留室内の前記内容物を前記計量吐出容器の外部に吐出させることができ、
前記計量室の底面を形成前記計量室の前記容積を調節可能な可動部と前記可動部よりも径方向外側の部分である天壁本体と一体に有する天壁と、
前記天壁本体から前記正立姿勢での下方に突出するとともに前記計量室の周面を形成する筒壁と、
前記筒壁よりも前記径方向外側において前記天壁本体から前記正立姿勢での前記下方に突出する周壁と、
前記周壁から径方向内側に向けて延びるとともに、前記筒壁内に入り込む前記内容物の通過口を形成する底壁とを有し、
前記可動部が、前記天壁本体に一体に連なり前記計量室の前記容積を変化させるように弾性変形可能な変形部を有する、計量キャップ。
【請求項2】
前記可動部が、前記天壁本体にヒンジ部を介して回動可能に連なる回動片と、前記回動片の外周縁における前記ヒンジ部を除く部分全体を前記天壁本体に一体に連ねる隔膜状をなす前記変形部と、前記回動片に一体に連なる被操作部とを有する、請求項1に記載の計量キャップ。
【請求項3】
前記変形部が、前記計量室外に向けて突出する外向き凸状と前記計量室内に向けて突出する内向き凸状との間で形状が反転するように弾性変形可能である、請求項1又は2に記載の計量キャップ。
【請求項4】
前記変形部を前記外向き凸状と前記内向き凸状との間で段階的に変形させる蛇腹部を有する、請求項3に記載の計量キャップ。
【請求項5】
前記可動部が被操作部を有する、請求項1~4の何れか1項に記載の計量キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計量キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
容器本体の口部に取り付けられることで計量吐出容器を形成する計量キャップであって、計量室と貯留室を有し、計量吐出容器を正立姿勢から倒立姿勢にすることで、内容物の一部が容器本体内から計量室内に移動した第1状態にすることができ、計量吐出容器を第1状態から正立姿勢にすることで、計量室の容積に応じた所定量の内容物が計量室内から貯留室内に移動した第2状態にすることができ、計量吐出容器を第2状態から倒立姿勢にすることで、貯留室内の内容物を計量吐出容器の外部に吐出させることができる計量キャップが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-10556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
計量室の容積を調節可能な計量キャップを実現できれば望ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、計量室の容積を調節可能な計量キャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の計量キャップは、容器本体の口部に取り付けられることで計量吐出容器を形成する計量キャップであって、計量室と貯留室を有し、前記計量吐出容器を正立姿勢から倒立姿勢にすることで、内容物の一部が前記容器本体内から前記計量室内に移動した第1状態にすることができ、前記計量吐出容器を前記第1状態から前記正立姿勢にすることで、前記計量室の容積に応じた量の前記内容物が前記計量室内から前記貯留室内に移動した第2状態にすることができ、前記計量吐出容器を前記第2状態から前記倒立姿勢にすることで、前記貯留室内の前記内容物を前記計量吐出容器の外部に吐出させることができ、前記計量室の底面を形成前記計量室の前記容積を調節可能な可動部と前記可動部よりも径方向外側の部分である天壁本体と一体に有する天壁と、前記天壁本体から前記正立姿勢での下方に突出するとともに前記計量室の周面を形成する筒壁と、前記筒壁よりも前記径方向外側において前記天壁本体から前記正立姿勢での前記下方に突出する周壁と、前記周壁から径方向内側に向けて延びるとともに、前記筒壁内に入り込む前記内容物の通過口を形成する底壁とを有し、前記可動部が、前記天壁本体に一体に連なり前記計量室の前記容積を変化させるように弾性変形可能な変形部を有する計量キャップである。
【0007】
また、本発明の計量キャップは、上記構成において、前記可動部が、前記天壁本体にヒンジ部を介して回動可能に連なる回動片と、前記回動片の外周縁における前記ヒンジ部を除く部分全体を前記天壁本体に一体に連ねる隔膜状をなす前記変形部と、前記回動片に一体に連なる被操作部とを有する計量キャップであるのが好ましい。
【0008】
また、本発明の計量キャップは、上記構成において、前記変形部が、前記計量室外に向けて突出する外向き凸状と前記計量室内に向けて突出する内向き凸状との間で形状が反転するように弾性変形可能である計量キャップであるのが好ましい。
【0009】
また、本発明の計量キャップは、上記構成において、前記変形部を前記外向き凸状と前記内向き凸状との間で段階的に変形させる蛇腹部を有する計量キャップであるのが好ましい。
【0010】
また、本発明の計量キャップは、上記構成において、前記可動部が被操作部を有する計量キャップであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、計量室の容積を調節可能な計量キャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態の計量キャップを示す縦断面図である。
図2図1に示す計量キャップの天壁の上面図である。
図3】本発明の第2実施形態の計量キャップを示す縦断面図である。
図4図3に示す計量キャップの天壁の上面図である。
図5】本発明の第3実施形態の計量キャップを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0015】
図1図2に示すように、本発明の第1実施形態において、計量キャップ1は、容器本体2の口部2aに取り付けられることで計量吐出容器3を形成している。
【0016】
容器本体2は、中心軸線Oを中心とする円筒状の口部2aと、口部2aの下端に連なる胴部2bと、胴部2bの下端に連なる底部(不図示)と、を有するボトル状をなしている。なお、口部2aは角筒状など、円筒状以外の筒状であってもよい。
【0017】
なお、本実施形態において、上下方向とは口部2aの中心軸線Oに沿う方向を意味し、上方とは底部から口部2aに向かう方向を意味し、下方とはその反対方向を意味し、径方向とは中心軸線Oに直交する直線に沿う方向を意味し、周方向とは中心軸線Oを周回する方向を意味し、縦断面とは中心軸線Oを含む断面を意味している。
【0018】
容器本体2内には内容物(不図示)が収容されている。内容物は特に限定されないが、本実施形態では粉状である。なお、内容物は粉状以外の例えば液状であってもよい。内容物の一例としては、洗剤、食品などが挙げられる。
【0019】
計量キャップ1は、計量室4、貯留室5及び吐出口6を形成するキャップ本体7と、吐出口6を開閉可能な蓋8と、を有している。キャップ本体7は周壁9、底壁10、天壁11及び筒壁12を有している。蓋8は周壁9の上端にヒンジ部(以下、第1ヒンジ13ともいう)を介して回動可能に連なっている。
【0020】
計量キャップ1は、本実施形態では、内側部品1aと内側部品1aに一体に取り付けられる外側部品1bとの2部品で形成されている。各々の部品は合成樹脂製であり、射出成形によって形成されている。なお、各々の部品の材質及び製法はこれに限らない。
【0021】
内側部品1aは周壁9の一部と底壁10を有し、外側部品1bは周壁9の残りの一部、天壁11、筒壁12及び蓋8を有している。なお、計量キャップ1は、本実施形態と異なる部分で2部品に分割された構成としてもよい。また、計量キャップ1を形成するための部品数は2つに限らない。例えば、蓋8を周壁9と別体に形成してもよい。
【0022】
周壁9は中心軸線Oを中心とする筒状をなし、周壁9の下端部は口部2aに係止部14を介して取り付けられている。係止部14はねじ状をなしており、より具体的に、周壁9の下端部に設けられた雌ねじ部14aと口部2aに設けられた雄ねじ部14bとからなっている。なお、係止部14はねじ状に限らない。
【0023】
底壁10は、周壁9における係止部14よりも上側の部分から径方向内側に延びている。底壁10は、中心軸線Oを中心とする円環状をなすとともに貯留室5の底面を形成する底壁底部10aと、底壁底部10aの内周縁から上方に突出する底壁筒部10bと、を有している。底壁筒部10bは、中心軸線Oを中心とする円錐状部と円錐状部の上端から上方に延びる円筒状部とからなっており、底壁筒部10bの上端部は内容物の通過口10cを形成している。なお、底壁筒部10bは円錐状部と円筒状部とからなる形状に限らず、また、中心軸線Oから偏心するように設けてもよい。
【0024】
天壁11は、周壁9の上端部から径方向内側に向けて延びている。筒壁12は上面視で略D字形状の筒状をなしており、周壁9よりも径方向内側において天壁11から口部2aに向けて突出している。つまり、周壁9は筒壁12よりも径方向外側において天壁11から口部2aに向けて突出している。
【0025】
また、通過口10cは筒壁12内に入り込んでおり、底壁筒部10bの外周面と筒壁12の内周面との間には、内容物が通過可能な上面視環状の連通路15が形成されている。なお、連通路15の形状は環状に限らない。つまり、底壁筒部10bと筒壁12の形状と配置は、連通路15がC字形状など、環状以外の形状になるように設定してもよい。
【0026】
天壁11は、筒壁12よりも径方向外側において天壁11を貫通する上面視円形状の吐出口6を形成している。周壁9の上端部における上面視で吐出口6の反対側に位置する部分には第1ヒンジ13が設けられている。蓋8は頂壁8aと外周壁8bとからなる有頂筒状の蓋本体を有しており、第1ヒンジ13は外周壁8bの(閉蓋時の)下端部に一体に連なっている。閉蓋時には外周壁8bの内周面の下端部が周壁9の上端部に設けられた環状段部の外周面に嵌合し、開蓋時にはこの嵌合が外れるようになっている。また、蓋8は、閉蓋時に吐出口6を閉塞する栓体8cを有している。栓体8cは有頂筒状をなし、上端部が頂壁8aによって形成されている。なお、栓体8cの形状は有頂筒状に限らない。また、栓体8cは吐出口6の形状に合わせ、底面視円形状をなしている。なお、栓体8cと吐出口6の形状は円形状に限らず適宜設定できる。また、栓体8cを設けない構成としてもよい。また、蓋8を設けない構成としてもよい。
【0027】
計量室4は、天壁11における筒壁12よりも径方向内側の部分と、筒壁12における通過口10cよりも上方の部分とによって形成されている。また、天壁11における筒壁12よりも径方向内側の部分は、計量室4の容積を調節可能な可動部16として形成されている。つまり、計量室4の計量時の底面は可動部16の下面によって形成され、計量室4の側面は筒壁12における通過口10cよりも上方の部分の内周面によって形成されている。
【0028】
可動部16は、天壁11における可動部16よりも径方向外側の部分である天壁本体11aにヒンジ部(以下、第2ヒンジ16aともいう)を介して回動可能に連なる回動片16bと、回動片16bに一体に連なる被操作部16cと、回動片16bの外周縁におけるヒンジ部を除く部分全体を天壁本体11aに一体に連ねる隔膜状をなすとともに、計量室4の容積を変化させるように弾性変形可能な変形部16d(図2において網掛けで示す部分)と、を有している。
【0029】
回動片16bは略D字形状の板状をなしており、外周縁における直線状部分が第2ヒンジ16aに連なり、外周縁における曲線部分が変形部16dに連なっている。被操作部16cは、回動片16bの上面から突出する摘まみ状をなしている。より具体的に、被操作部16cは、回動片16bに垂直な板状の突片16eと、突片16eと回動片16bとの両方に垂直なリブ16fと、を有している。変形部16dは、計量室4外に向けて突出する外向き凸状(図1において実線で示す形状)と計量室4内に向けて突出する内向き凸状(図1において二点鎖線で示す形状)との間で形状が反転するように弾性変形可能である。
【0030】
したがって、可動部16は、開蓋状態において被操作部16cを摘まんで操作することで、図1において実線で示す第1位置と、図1において二点鎖線で示す第2位置との間で移動することができる。第1位置では回動片16bは水平よりも上側に回動した位置にあり、変形部16dは外向き凸状をなす。第2位置では回動片16bは水平位置にあり、変形部16dは内向き凸状をなす。したがって、可動部16が第1位置にある時よりも、可動部16が第2位置にある時の方が、計量室4の容積は小さい。また、変形部16dは外向き凸状と内向き凸状との間で非段階的に反転変形することができる。したがって、可動部16は、被操作部16cが引き上げられると第2位置から第1位置に移動し、第1位置に保持され、また、被操作部16cが押し下げられると第1位置から第2位置に移動し、第2位置に保持される。
【0031】
このように、計量室4の容積は、使用者の希望に応じ、可動部16を第1位置に移動させた時の大容積と、可動部16を第2位置に移動させた時の小容積との間で調節可能である。
【0032】
貯留室5は、周壁9の下部と底壁10によって形成されている。つまり、貯留室5は上面視で環状をなし、貯留室5の底面は底壁底部10aの上面によって形成され、貯留室5の径方向内側の側面は底壁筒部10bの外周面によって形成され、貯留室5の径方向外側の側面は周壁9の内周面の下部によって形成されている。
【0033】
使用者は、蓋8を開き、計量吐出容器3を正立姿勢から倒立姿勢にすることで、内容物の一部が容器本体2内から通過口10cを通って容積が可動部16によって調節された計量室4内に移動した第1状態にすることができる。この時、内容物は計量室4内の内容物の鉛直方向上面が通過口10cに達するまで計量室4内に導入される。計量室4内の内容物の鉛直方向上面が通過口10cに達すると、容器本体2内に内容物に置換される空気が流入しにくくなるため、計量室4内への内容物の流入が停止する。
【0034】
そして、使用者は、計量吐出容器3を第1状態から正立姿勢にすることで、計量室4の容積に応じた量の内容物が計量室4内から連通路15を通って貯留室5内に移動した第2状態にし、計量吐出容器3を第2状態から倒立姿勢にすることで、貯留室5内の内容物を吐出口6を通して計量吐出容器3の外部に吐出させることができる。
【0035】
また、使用者は、上記のように計量吐出容器3を第2状態から倒立姿勢にすることで、貯留室5内の内容物を吐出させるのと並行して、計量吐出容器3を第1状態にすることができる。したがって、使用者は、例えば第2状態で可動部16を操作し、次の計量のための計量室4の容積を調節することができる。
【0036】
本実施形態によれば、可動部16によって計量室4の容積を調節することにより、一度に吐出される内容物の量を調節することができる。
【0037】
本実施形態では可動部16は回動片16bを有しているが、可動部16は回動片16bを有する構成に限らない。例えば、図3図4に示す第2実施形態のように、計量室4の容積を調節可能な可動部16は、天壁本体11aに外周縁が全周に亘って連なり中心軸線Oを中心とするドーム状をなすとともに計量室4の容積を変化させるように弾性変形可能な変形部16dと、変形部16dの上面から突出する被操作部16cと、を有する構成であってもよい。
【0038】
第2実施形態では、変形部16dは、計量室4外に向けて突出する外向き凸状(図3において実線で示す形状)と計量室4内に向けて突出する内向き凸状(図3において二点鎖線で示す形状)との間で形状が反転するように弾性変形可能である。また、被操作部16cは、変形部16dの上面視中央部から変形部16dに垂直に上方に突出する棒状部16gと、棒状部16gの上端部に一体に連なるとともに棒状部16gに垂直な円板部16hと、を有している。
【0039】
したがって、可動部16は、開蓋状態において被操作部16cを摘まんで操作することで、図3において実線で示す第1位置と、図3において二点鎖線で示す第2位置との間で移動することができる。第1位置では変形部16dは外向き凸状をなし、第2位置では変形部16dは内向き凸状をなす。したがって、可動部16が第1位置にある時よりも、可動部16が第2位置にある時の方が、計量室4の容積は小さい。また、変形部16dは外向き凸状と内向き凸状との間で非段階的に反転変形することができる。したがって、可動部16は、被操作部16cが引き上げられると第2位置から第1位置に移動し、第1位置に保持され、また、被操作部16cが押し下げられると第1位置から第2位置に移動し、第2位置に保持される。
【0040】
このように、計量室4の容積は、使用者の希望に応じ、可動部16を第1位置に移動させた時の大容積と、可動部16を第2位置に移動させた時の小容積との間で調節可能である。
【0041】
また、吐出口6と栓体8cの形状は第1実施形態では円形状であるが、第2実施形態では略D字形状である。また、筒壁12の形状は第1実施形態では略D字形状であるが、第2実施形態では円形状である。第2実施形態における上記以外の部分の構成は第1実施形態と同様である。
【0042】
第2実施形態によれば、第1実施形態の場合と同様に、可動部16によって計量室4の容積を調節することにより、一度に吐出される内容物の量を調節することができる。
【0043】
第1実施形態と第2実施形態では変形部16dは外向き凸状と内向き凸状との間で非段階的に変形するように構成されているが、変形部16dは、例えば図5に示す第3実施形態のように、外向き凸状と内向き凸状との間で段階的に変形するように構成してもよい。
【0044】
第3実施形態は、変形部16dが、変形部16dを外向き凸状と内向き凸状との間で段階的に変形させる蛇腹部16iを有している点で第2実施形態と異なり、その他の点では第2実施形態と同様の構成となっている。
【0045】
蛇腹部16iは、ドーム状の変形部16dの外周部を形成しており、蛇腹部16iの内周縁には頂壁部16jが連なっている。つまり、第3実施形態では、変形部16dは蛇腹部16iと頂壁部16jを有している。蛇腹部16iは、円錐台状の2つの環状部16kが頂壁部16jの外周縁から天壁本体11aまで径方向に、折り返し変形可能な折り目部16lを介して順次連なることで構成されている。このように、蛇腹部16iは2つの環状部16kと3つの折り目部16lとからなっている。
【0046】
第3実施形態によれば、計量室4の容積を段階的に調節することにより、一度に吐出される内容物の量を段階的に調節することができるので、より肌理の細かい吐出量の調節を可能にすることができる。
【0047】
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0048】
したがって、前述した実施形態の計量キャップ1は、例えば以下に述べるような種々の変更が可能である。
【0049】
前述した実施形態の計量キャップ1は、容器本体2の口部2aに取り付けられることで計量吐出容器3を形成する計量キャップ1であって、計量室4と貯留室5を有し、計量吐出容器3を正立姿勢から倒立姿勢にすることで、内容物の一部が容器本体2内から計量室4内に移動した第1状態にすることができ、計量吐出容器3を第1状態から正立姿勢にすることで、計量室4の容積に応じた量の内容物が計量室4内から貯留室5内に移動した第2状態にすることができ、計量吐出容器3を第2状態から倒立姿勢にすることで、貯留室5内の内容物を計量吐出容器3の外部に吐出させることができ、計量室4の底面を形成する天壁11が、計量室4の容積を調節可能な可動部16を有する計量キャップ1である限り、種々変更可能である。
【0050】
例えば、可動部16は、計量室4の容積を変化させるように弾性変形可能な変形部16dを有する構成に限らない。可動部16は、例えば、計量室4の容積を変化させるように上下方向に摺動可能に筒壁12の内周面に取り付けられる摺動部材によって形成してもよいし、或いは、計量室4の容積を変化させるように上下方向に移動可能に筒壁12の内周面にねじ付けられる螺合部材によって形成してもよい。また、計量キャップ1は周壁9が係止部14を介して口部2aに取り付けられる構成に限らず、例えば、底壁10が係止部14を介して口部2aに取り付けられる構成としてもよい。
【0051】
なお、前述した実施形態の計量キャップ1は、上記構成において、可動部16が、計量室4の容積を変化させるように弾性変形可能な変形部16dを有する計量キャップ1であるのが好ましい。
【0052】
また、前述した実施形態の計量キャップ1は、上記構成において、変形部16dが、計量室4外に向けて突出する外向き凸状と計量室4内に向けて突出する内向き凸状との間で形状が反転するように弾性変形可能である計量キャップ1であるのが好ましい。
【0053】
また、前述した実施形態の計量キャップ1は、上記構成において、変形部16dを外向き凸状と内向き凸状との間で段階的に変形させる蛇腹部16iを有する計量キャップ1であるのが好ましい。
【0054】
また、前述した実施形態の計量キャップ1は、上記構成において、可動部16が被操作部16cを有する計量キャップ1であるのが好ましい。
【0055】
また、前述した実施形態の計量キャップ1は、上記構成において、天壁11から口部2aに向けて突出するとともに計量室4の周面を形成する筒壁12と、筒壁12よりも径方向外側において天壁11から口部2aに向けて突出する周壁9と、周壁9から径方向内側に向けて延びるとともに、筒壁12内に入り込む内容物の通過口10cを形成する底壁10と、を有する計量キャップ1であるのが好ましい。
【符号の説明】
【0056】
1 計量キャップ
1a 内側部品
1b 外側部品
2 容器本体
2a 口部
2b 胴部
3 計量吐出容器
4 計量室
5 貯留室
6 吐出口
7 キャップ本体
8 蓋
8a 頂壁
8b 外周壁
8c 栓体
9 周壁
10 底壁
10a 底壁底部
10b 底壁筒部
10c 通過口
11 天壁
11a 天壁本体
12 筒壁
13 第1ヒンジ
14 係止部
14a 雌ねじ部
14b 雄ねじ部
15 連通路
16 可動部
16a 第2ヒンジ
16b 回動片
16c 被操作部
16d 変形部
16e 突片
16f リブ
16g 棒状部
16h 円板部
16i 蛇腹部
16j 頂壁部
16k 環状部
16l 折り目部
O 中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5