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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】積層剥離容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20241007BHJP
   B65D 1/32 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
B65D1/02 111
B65D1/02 221
B65D1/32
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023014697
(22)【出願日】2023-02-02
(62)【分割の表示】P 2018012069の分割
【原出願日】2018-01-26
(65)【公開番号】P2023041869
(43)【公開日】2023-03-24
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】細越山 広
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-082916(JP,A)
【文献】特表2013-529580(JP,A)
【文献】特開2008-189315(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0040306(US,A1)
【文献】特開2003-192031(JP,A)
【文献】特開2001-105478(JP,A)
【文献】特開2014-046956(JP,A)
【文献】特開平08-198233(JP,A)
【文献】特許第5168572(JP,B2)
【文献】実開昭62-203857(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/02
B65D 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形により形成された外プリフォームの内側に、前記外プリフォームとは別に射出成形により形成された内プリフォームを組み込んだプリフォーム組立体をブロー成形して形成された合成樹脂製の積層剥離容器であって、
筒状の外口部と該外口部に連なる有底筒状の胴部とを備えた外層体と、
前記外口部の内側に配置された筒状の内口部と前記胴部の内面に剥離可能に積層された減容変形自在の収容部とを備えた内層体と、
前記外層体と前記内層体との間に外気を導入するための外気導入口と、を有し、
前記外気導入口が、前記外口部を径方向に貫通する貫通孔、又は、前記外口部の上端と前記内口部の上端との間に設けられて外部に開口する隙間であり、
前記外口部の内周面または前記内口部の外周面に、前記内口部から前記収容部に跨って前記積層剥離容器の軸線に沿って連続して延びて設けられ、前記外口部の内周面と前記内口部の外周面との間に隙間を生じさせて前記外層体と前記内層体との間に外気の通気路を形成する縦リブが一体に設けられ、
前記収容部に、それぞれ前記胴部の軸線に沿って延びるとともに該収容部の肉厚を他の部分よりも厚くする少なくとも2本の肉厚リブが一体に設けられており、
前記肉厚リブは前記内口部には設けられていないことを特徴とする積層剥離容器。
【請求項2】
前記胴部が、前記外口部の下端に連なる肩部、該肩部の下端に連なる筒状の胴本体部及び該胴本体部の下端を閉塞する底部を有し、
それぞれの前記肉厚リブが、少なくとも前記胴本体部の下端に対応する位置から上端に対応する位置にまで延びている、請求項1に記載の積層剥離容器。
【請求項3】
それぞれの前記肉厚リブが、前記底部に対応する位置から前記肩部に対応する位置にまで延びている、請求項2に記載の積層剥離容器。
【請求項4】
2本の前記肉厚リブが、前記胴部の軸心を挟んで対称に設けられている、請求項1~3の何れか1項に記載の積層剥離容器。
【請求項5】
前記外気導入口が前記外口部を径方向に貫通する貫通孔である場合において、一対の前記外気導入口が、前記外口部に該外口部の軸心を挟んで対称に設けられており、
それぞれの前記外気導入口が、隣り合う2本の前記肉厚リブの間の前記胴部の軸心を中心とした周方向中心位置に向けて開口している、請求項4に記載の積層剥離容器。
【請求項6】
4本の前記肉厚リブが、前記胴部の軸心を中心として周方向に等間隔に並べて設けられている、請求項1~3の何れか1項に記載の積層剥離容器。
【請求項7】
前記外層体及び前記内層体が、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂製である、請求項1~6の何れか1項に記載の積層剥離容器。
【請求項8】
前記胴部に、該胴部の外面を覆うとともに前記肉厚リブに対して周方向にずれた位置において上下方向に延びて前記収容部に収容された内容液を視認可能とする残量確認用の窓部を備えた加飾ラベルが装着されている、請求項7に記載の積層剥離容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外プリフォームの内側に内プリフォームを組み込んだプリフォーム組立体をブロー成形して形成された合成樹脂製の積層剥離容器に関する。
【背景技術】
【0002】
醤油等の食品調味料、飲料、化粧料、シャンプー、リンス、液体石鹸などを内容液として収納する容器として、外プリフォームの内側に内プリフォームを組み込んだプリフォーム組立体をブロー成形することにより、筒状の外口部と外口部に連なる有底筒状の胴部とを備えた外層体と、外口部の内側に配置された筒状の内口部と胴部の内面に剥離可能に積層された減容変形自在の収容部とを備えた内層体と、を有する二重構造に形成された合成樹脂製の積層剥離容器(デラミネーション容器)が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような積層剥離容器は、例えば、逆止弁を備えた注出キャップと組み合わされたスクイズ式の注出容器、あるいはポンプと組み合わされたポンプ付き容器として使用され、外層体の胴部をスクイズ(圧搾)したりポンプを操作したりすることで内容液を外部に注出することができる。一方、内容液の注出後には、外層体に設けた外気導入口から外層体と内層体との間に外気が導入されることにより、外層体を元の形状に復元ないし維持したまま内層体の収容部のみを減容変形させることができる。したがって、積層剥離容器によれば、内層体の収容部に収容されている内容液を外気と置換することなく外部に注出させて、内層体の内部に収容されている内容液への外気の接触を減らし、当該内容液の劣化や変質等を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-196822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の積層剥離容器では、外プリフォームの内側に内プリフォームを組み込んだプリフォーム組立体をブロー成形して形成するようにしているため、内層体の収容部の全体が胴部の内面に対して剥離可能な構成となっている。そのため、内容液の注出の際に収容部が外層体の胴部から不規則に剥離しつつ減容変形する場合があり、これにより、収容部の上下方向の中間部分においてその内面同士が密着して内容液の注出経路が狭められたり閉塞されたりして、内容液を最後まで注出することができなくなってしまう虞があった。
【0006】
このような問題に対し、押出しブロー成形により形成される積層剥離容器のように、外層体と内層体との間に胴部の軸方向に沿って延びる接着帯を設け、当該接着帯により内層体を外層体に部分的に接着させることで内層体の収容部の減容変形を制御するようにすることが考えられる。しかし、外プリフォームの内側に内プリフォームを組み込んだプリフォーム組立体をブロー成形して形成される積層剥離容器において外層体と内層体との間に接着層を設けるためには、外プリフォームと内プリフォームとの間に接着層を構成する帯状の部材を組み込む必要があり、プリフォーム組立体の部品点数や組み付け工数が増加し、積層剥離容器の製造コストが高くなってしまうという問題が生じることになる。
【0007】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、収容部の減容変形を制御して内容液の残量を低減させることができる積層剥離容器を低コストで提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の積層剥離容器は、射出成形により形成された外プリフォームの内側に、前記外プリフォームとは別に射出成形により形成された内プリフォームを組み込んだプリフォーム組立体をブロー成形して形成された合成樹脂製の積層剥離容器であって、筒状の外口部と該外口部に連なる有底筒状の胴部とを備えた外層体と、前記外口部の内側に配置された筒状の内口部と前記胴部の内面に剥離可能に積層された減容変形自在の収容部とを備えた内層体と、前記外層体と前記内層体との間に外気を導入するための外気導入口と、を有し、前記外気導入口が、前記外口部を径方向に貫通する貫通孔、又は、前記外口部の上端と前記内口部の上端との間に設けられて外部に開口する隙間であり、前記外口部の内周面または前記内口部の外周面に、前記内口部から前記収容部に跨って前記積層剥離容器の軸線に沿って連続して延びて設けられ、前記外口部の内周面と前記内口部の外周面との間に隙間を生じさせて前記外層体と前記内層体との間に外気の通気路を形成する縦リブが一体に設けられ、前記収容部に、それぞれ前記胴部の軸線に沿って延びるとともに該収容部の肉厚を他の部分よりも厚くする少なくとも2本の肉厚リブが一体に設けられており、前記肉厚リブは前記内口部には設けられていないことを特徴とする。
【0009】
本発明の積層剥離容器は、上記構成において、前記胴部が、前記外口部の下端に連なる肩部、該肩部の下端に連なる筒状の胴本体部及び該胴本体部の下端を閉塞する底部を有し、それぞれの前記肉厚リブが、少なくとも前記胴本体部の下端に対応する位置から上端に対応する位置にまで延びているのが好ましい。
【0010】
本発明の積層剥離容器は、上記構成において、それぞれの前記肉厚リブが、前記底部に対応する位置から前記肩部に対応する位置にまで延びているのがさらに好ましい。
【0011】
本発明の積層剥離容器は、上記構成において、2本の前記肉厚リブが、前記胴部の軸心を挟んで対称に設けられているのが好ましい。
【0012】
本発明の積層剥離容器は、上記構成において、前記外気導入口が前記外口部を径方向に貫通する貫通孔である場合において、一対の前記外気導入口が、前記外口部に該外口部の軸心を挟んで対称に設けられており、それぞれの前記外気導入口が、隣り合う2本の前記肉厚リブの間の前記胴部の軸心を中心とした周方向中心位置に向けて開口しているのが好ましい。
【0013】
本発明の積層剥離容器は、上記構成において、4本の前記肉厚リブが、前記胴部の軸心を中心として周方向に等間隔に並べて設けられているのが好ましい。
【0014】
本発明の積層剥離容器は、上記構成において、前記外層体及び前記内層体が、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂製であるのが好ましい。
【0015】
本発明の積層剥離容器は、上記構成において、前記胴部に、該胴部の外面を覆うとともに前記肉厚リブに対して周方向にずれた位置において上下方向に延びて前記収容部に収容された内容液を視認可能とする残量確認用の窓部を備えた加飾ラベルが装着されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、収容部の減容変形を制御して内容液の残量を低減させることができる積層剥離容器を低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態である積層剥離容器を、その一部を切り欠いて示す側面図である。
図2図1に示す積層剥離容器の平面図である。
図3図1に示す積層剥離容器の外口部の部分の一部切欠き断面図である。
図4図1におけるA-A線に沿う断面図である。
図5図4において一点鎖線で囲んだ部分の拡大図である。
図6図4に対応する断面図であって、収容部が胴部から剥離した状態を示す断面図である。
図7図1に示す積層剥離容器を形成するためのプリフォーム組立体を、その一部を切り欠いて示す側面図である。
図8図7に示す内プリフォームを、その一部を切り欠いて示す側面図である。
図9図8におけるB-B線に沿う断面図である。
図10図8におけるC-C線に沿う断面図である。
図11】収容部に4本の肉厚リブを設けた変形例の積層剥離容器の断面図である。
図12図11に示す変形例の積層剥離容器を形成するための内プリフォームを、その一部を切り欠いて示す側面図である。
図13図12におけるD-D線に沿う断面図である。
図14図12におけるE-E線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明をより具体的に例示説明する。
【0019】
図1に示す本発明の一実施の形態である積層剥離容器1は、デラミネーション容器(デラミ容器)とも呼ばれる合成樹脂製のものであり、外層体10と内層体20とを有する二重構造となっている。以下では、積層剥離容器1を、醤油等の食品調味料などを内容液として収容するスクイズ式の注出容器として用いられるものとした場合について説明する。
【0020】
なお、本明細書、特許請求の範囲及び図面においては、上下方向は、図1に示すように積層剥離容器1を正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとし、径方向は、積層剥離容器1の軸心Oを通り、軸心Oに垂直な直線に沿う方向を意味するものとする。
【0021】
外層体10は積層剥離容器1の外殻を構成する部分であり、外口部11と、外口部11の下端に一体に連なる有底筒状の胴部12とを備えたボトル形状となっている。
【0022】
図1図2に示すように、外口部11は円筒状であり、その外周面には雄ねじ11aが一体に設けられている。外口部11には、雄ねじ11aにねじ結合させて注出口を備えた注出キャップ(不図示)を装着することができる。
【0023】
なお、外口部11は、雄ねじ11aに替えて円環状の突起を備え、注出キャップが打栓によって当該突起にアンダーカット状に係合して装着される構成とすることもできる。この場合、外口部11は、円筒状に限らず、筒状であれば、例えば角筒状や楕円筒状であってもよい。
【0024】
外口部11には一対の外気導入口13が設けられている。一対の外気導入口13は、それぞれ外口部11を径方向に貫通するとともに周方向に延びる長孔形状の貫通孔となっており、外口部11の軸心Oを挟んだ両側に互いに対称に配置されている。一対の外気導入口13は、それぞれ外層体10と内層体20との間に連通しており、これらの外気導入口13を通して外層体10と内層体20との間に外気を導入することができる。
【0025】
外口部11の外気導入口13よりも下方側にはネックリング14が一体に設けられている。ネックリング14は外口部11の全周に亘って円環状に延びており、外口部11の外周面から径方向外側に向けて突出している。
【0026】
胴部12は、肩部12a、胴本体部12b及び底部12cを有している。
【0027】
肩部12aは外口部11の下端に一体に連なり、下方に向けて徐々に拡径して外口部11に対して径方向外側に向けて張り出している。胴本体部12bは、括れた部分を有する断面略円形の筒状に形成されており、その上端において肩部12aの下端に一体に連なっている。底部12cは、胴本体部12bの下端に一体に連なり、胴本体部12bの下端を閉塞している。底部12cは、円環状の外周縁の内側が凹んだ形状となっており、底部12cを接地させることで積層剥離容器1を正立姿勢で配置することができる。
【0028】
胴本体部12bは可撓性を有しており、スクイズ(圧搾)されることで弾性変形して凹むことができるとともに、当該弾性力によって凹んだ状態から元の形状に自力で復元することができる。胴本体部12bをスクイズにより弾性変形可能な構成としたことにより、積層剥離容器1をスクイズ式の注出容器として用いる場合に、内容液の注出操作を容易に行い得るようにすることができるとともに、内容液の注出後に胴本体部12bが元の形状に容易に復元することで、外層体10と内層体20との間に外気導入口13を通して外気が確実に導入されるようにして、積層剥離容器1としての機能を確実に発揮させることができる。
【0029】
肩部12aには、上下方向に延びる複数(18本)の凹リブ15が周方向の全周に亘って等間隔に並べて設けられている。なお、図1図2においては、便宜上、1つの凹リブ15にのみ符号を付している。肩部12aに複数の凹リブ15を設けることで、肩部12aの部分において内層体20を外層体10から剥離し易くすることができる。なお、凹リブ15を設けない構成とすることもできる。
【0030】
内層体20は内口部21と収容部22とを有している。
【0031】
図3に示すように、内口部21は外口部11よりも小径の円筒状となっており、外口部11の内側に当該外口部11と同軸に配置されている。外口部11の内周面と内口部21の外周面との間には所定の間隔の隙間23が設けられている。内口部21の上端には拡径部24が一体に連ねて設けられており、拡径部24の外周面が外口部11の内周面に全周に亘って当接することで、外口部11と内口部21との間の隙間23は、外口部11ないし内口部21の上端部分において外部に対して閉塞されている。拡径部24の上端には径方向外側に向けて延びるフランジ部25が一体に設けられ、フランジ部25が外口部11の上端に当接することで内口部21は外口部11に対して軸方向に位置決めされている。
【0032】
なお、内口部21は、円筒状に限らず、筒状であればよく、例えば外口部11が角筒状や楕円筒状に形成された場合には、同様に、角筒状や楕円筒状に形成することができる。
【0033】
図1に示すように、収容部22は胴部12よりも薄肉の袋状に形成され、内口部21の下端に一体に連なるとともに胴部12の内面に剥離可能に積層されている。収容部22の内部は内容液の収容空間Sとなっており、内口部21を通して収容部22に内容液を充填することができるとともに内口部21を通して収容部22に収容されている内容液を外部に注出することができる。収容部22は、内容液の注出に伴い、胴部12の内面から剥離しつつ減容変形(内容積を減少させるように変形)することができる。収容部22の減容変形に伴い、外気導入口13から外層体10と内層体20との間に外気が導入されることで、胴本体部12bを元の形状に維持ないし復元させたまま、収容部22のみが胴部12の内面から容易に剥離し、減容変形することができる。
【0034】
図3に示すように、外気導入口13から胴部12と収容部22との間に向けた外気の気道を確保するために、内層体20の外面には、縦リブ26が一体に設けられている。詳細は図示しないが、本実施の形態の積層剥離容器1において、内層体20の外面には、一方の外気導入口13を中心とした周方向の所定の範囲に3本の縦リブ26が周方向に間隔を空けて並べて設けられるとともに、他方の外気導入口13を中心とした周方向の所定の範囲に3本の縦リブ26が周方向に間隔を空けて並べて設けられている。それぞれの外気導入口13には、これらの縦リブ26の少なくも1本が対向している。それぞれの縦リブ26は、内層体20の外面から径方向外側に向けて突出するとともに内口部21から収容部22に跨って軸心Oに沿う方向に延び、外層体10と内層体20の間に、外気導入口13からネックリング14を超えて肩部12aと収容部22との間の部分にまで達する外気の通気路を形成している。これにより、外気導入口13から導入した外気の通気路を、確実に肩部12aと収容部22との間にまで導入することができる。
【0035】
なお、縦リブ26は外口部11の内周面に設けるようにしてもよい。さらに、外口部11と内口部21の何れにも縦リブ26を設けない構成とすることもできる。
【0036】
本実施の形態においては、外層体10及び内層体20は、何れも、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)製となっている。外層体10及び内層体20を、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂製とすることで、積層剥離容器1を軽量で透明性の高い容器とすることができる。
【0037】
収容部22の減容変形を制御して収容空間Sに残留する内容液の残量を低減させるために、内層体20の収容部22には、2本の肉厚リブ30が一体に設けられている。
【0038】
図1図4に示すように、2本の肉厚リブ30は、それぞれ胴部12の軸心(積層剥離容器1の軸心O)を挟んで互いに対称に配置され、胴部12の軸線(軸心O)に沿って上下方向に延びている。これらの肉厚リブ30は、それぞれ収容部22の、底部12cの中心(軸心O)に対応する位置から、胴本体部12bを経て、肩部12aの上下方向の略中央位置にまで真っ直ぐに延びて設けられている。
【0039】
なお、図2に示すように、外口部11に設けられた一対の外気導入口13は、それぞれ隣り合う2本の肉厚リブ30の間の胴部12の軸心Oを中心とした周方向の中心位置に向けて開口するように配置されている。すなわち、それぞれの外気導入口13が開口する方向は、一対の肉厚リブ30が設けられる方向に対して、軸心Oを中心として周方向に90度ずらされている。
【0040】
図4図5に示すように、2本の肉厚リブ30は、それぞれ収容部22の内周面から径方向内側に向けて突出しており、収容部22の肉厚リブ30が設けられた部分における肉厚は、収容部22の肉厚リブ30が設けられない他の部分における肉厚よりも厚くなっている。これにより、収容部22の当該肉厚リブ30が設けられた部分における剛性は、肉厚リブ30が設けられない他の部分における剛性よりも高くなっている。したがって、収容部22は、その肉厚リブ30が設けられた軸心Oを挟んだ両側部において、収容部22の肉厚リブ30が設けられない他の部分よりも減容変形のための径方向内側へ向けた変形がし難く、すなわち胴本体部12bの内面から剥離し難くなっている。肉厚リブ30の横断面形状は、周方向の両側から徐々に突出高さが高くなるとともに、最も突出高さが高い頂点部分が滑らかに湾曲する形状となっている。
【0041】
上記構成を有する本実施の形態の積層剥離容器1は、外口部11に注出キャップを装着することでスクイズ容器に構成することができる。この場合、注出キャップとしては、例えば、外気導入口13への外気の導入を許容するとともに外気導入口13から外部に向けた外気の流出を阻止する外気用逆止弁と、内口部21を通した内容液の外部への注出を許容するとともに収容部22の内部への外気の逆流を阻止する内容液用逆止弁とを備えた構成のものを用いることができる。
【0042】
スクイズ容器に構成された積層剥離容器1では、外層体10の胴本体部12bがスクイズ(圧搾)されると、収容部22が減容変形し、内容液が注出キャップから押し出されて外部に注出される。内容液が注出された後、胴本体部12bのスクイズが解除されると、胴本体部12bが元の形状に復元しようとするが、このとき、外気導入口13から外層体10と内層体20との間に外気が導入されつつ内層体20の収容部22が胴部12の内面から剥離することで、収容部22が減容変形したまま胴本体部12bのみが元の形状に復元する。これにより、収容部22に収容された内容液を外気と置換させることなく注出させて、収容部22に収容された内容液への外気の接触を減らし、その劣化や変質を抑制することができる。
【0043】
ここで、本実施の形態の積層剥離容器1では、収容部22に2本の肉厚リブ30を一体に設けるようにしたので、図6に示すように、内容液の注出に伴って収容部22が減容変形する際に、収容部22を、2本の肉厚リブ30が設けられた部分においては胴本体部12bの内面から剥離せず、肉厚リブ30が設けられない部分が軸心Oを挟んだ両側から互いに接近するように減容変形させることができる。このとき、収容部22は、胴本体部12bに対応する部分において、胴部12の軸心Oの方向(上下方向)について断面形状が略一様となるように扁平状に規則的に減容変形することになる。したがって、内容液の残量が減っても、収容部22の収容空間Sに、肉厚リブ30に隣接して、底部12cから胴本体部12bを経て肩部12aに向けて上下に延びる内容液の流通路Pが維持され易くなるので、内容液を最後まで注出することができるようにして内容液の残量を低減させることができる。
【0044】
このように、本実施の形態の積層剥離容器1によれば、収容部22に2本の肉厚リブ30を一体に設けるだけの簡素な構成で、外層体10と内層体20とを部分的に接着する接着帯を設けることなく、収容部22の減容変形を制御し、胴部12の軸心Oの方向について断面形状が略一様となるように扁平状に規則的に減容変形させることができる。したがって、収容部22が、その上下方向の中間部分において内面同士が密着して内容液の注出経路が狭められたり閉塞されたりして、内容液を最後まで注出することができなくなってしまうことを防止して、積層剥離容器1の内部に残留する内容液の残量を低減させることができる。
【0045】
また、本実施の形態の積層剥離容器1では、2本の肉厚リブ30を、胴部12の軸心Oを挟んで互いに対称に配置するようにしたので、収容部22の肉厚リブ30が設けられない部分の胴部12の軸心Oを挟んだ両側部分を、互いに均等に減容変形させることができる。これにより、収容部22が、より確実に規則的に減容変形されるようにして、積層剥離容器1の内部に残留する内容液の残量をさらに確実に低減させることができる。
【0046】
本実施の形態の積層剥離容器1では、2本の肉厚リブ30は、少なくとも、収容部22の胴本体部12bの下端に対応する位置から胴本体部12bの上端に対応する位置にまで延びているのが好ましい。このような構成により、収容部22の大部分が、上記した通りに規則的に減容変形されるようにして、積層剥離容器1の内部に残留する内容液の残量をさらに確実に低減させることができる。特に、本実施の形態のように、2本の肉厚リブ30を、それぞれ収容部22の底部12cに対応する位置から肩部12aに対応する位置にまで延びる構成とすることで、底部12cに対応する部分においても収容部22の減容変形を制御しつつ収容部22の肩部12aに対応する部分を含むさらに大部分を上記した通りに規則的に減容変形されるようにして、積層剥離容器1の内部に残留する内容液の残量をさらに確実に低減させることができる。さらに、上記の通り、2本の肉厚リブ30が、それぞれ収容部22の底部12cに対応する位置にまで達することにより、収容部22の当該肉厚リブ30が設けられた部分を底部12cの内面から剥離し難くすることができる。これにより、収容部22の底部12cに対応する部分が当該扁平形状に沿って底部12cに固定されるようにして、収容部22の底部12cに対応する部分が不規則に減容変形することを防止することができる。よって、収容部22の全体を扁平状に規則的に減容変形させることができる。
【0047】
さらに、本実施の形態の積層剥離容器1では、図2に示すように、外口部11に設けられた一対の外気導入口13を、それぞれ隣り合う2本の肉厚リブ30の間の胴部12の軸心Oを中心とした周方向の中心位置に向けて開口させるようにしたので、外気導入口13から導入された外気がより効率良く収容部22の肉厚リブ30が設けられない部分と胴本体部12bとの間に供給されるようにして、収容部22の肉厚リブ30が設けられる部分よりも肉厚リブ30が設けられない部分がより積極的に胴本体部12bの内面から剥離されるようにすることができる。これにより、収容部22が、より確実に規則的に減容変形されるようにして、積層剥離容器1の内部に残留する内容液の残量をさらに確実に低減させることができる。
【0048】
上記構成の積層剥離容器1は、図7に示す合成樹脂製のプリフォーム組立体40をブロー成形して形成することができる。このプリフォーム組立体40は、外層体10を形成するための合成樹脂製の外プリフォーム50の内側に、内層体20を形成するための合成樹脂製の内プリフォーム60を組み込んだ二重構造となっている。
【0049】
外プリフォーム50は、外層体10と同一の合成樹脂材料を、金型を用いて射出成形することにより外層体10に対応した所定形状に形成されている。本実施の形態では、外プリフォーム50は、外層体10と同様にポリエチレンテレフタレート樹脂製である。
【0050】
外プリフォーム50は外層体10の外口部11と同一形状の外口部51を有している。すなわち、外口部51は円筒状であり、その外周面には雄ねじ51aが一体に設けられ、それぞれ外口部51を径方向に貫通する一対の外気導入口52が外口部51の軸心を挟んだ両側に互いに対称に設けられている。また、外口部51の下端には、底部が半球状となった略試験管状の延伸部53が一体に設けられている。延伸部53の厚みは外口部51の厚みよりも厚くなっている。外口部51と延伸部53との間には、フランジ状のネックリング54が一体に設けられている。
【0051】
内プリフォーム60は、内層体20と同一の合成樹脂材料を、金型を用いて射出成形することにより内層体20に対応した所定形状に形成されている。本実施の形態では、内プリフォーム60は、内層体20と同様にポリエチレンテレフタレート樹脂製である。
【0052】
内プリフォーム60は、内層体20の内口部21と同一形状の内口部61を有している。すなわち、内口部61は外口部51よりも小径の円筒状となっており、外口部51の内側に当該外口部51と同軸に配置されている。内口部61の上端には拡径部62が一体に連ねて設けられ、拡径部62の外周面が外口部51の内周面に全周に亘って当接することで外口部51と内口部61との間の隙間の上端部分が外部に対して閉塞されている。拡径部62の上端には径方向外側に向けて延びるフランジ部63が一体に設けられ、フランジ部63が外口部51の上端に当接することで内口部61は外口部51に対して軸方向に位置決めされている。内口部61の下端には、底部が半球状となった略試験管状の延伸部64が一体に設けられている。延伸部64の外径は内口部61の外径よりも小径となっている。延伸部64の外周面と延伸部53の内周面との間には隙間が設けられ、内プリフォーム60を外プリフォーム50の内部に組み込む際に、延伸部64の外周面と延伸部53の内周面とに傷が付かないようになっている。
【0053】
図8に示すように、内プリフォーム60の外面には、複数の縦リブ26に対応する複数の縦リブ65が設けられている。詳細は図示しないが、内プリフォーム60の外面には、一方の外気導入口52を中心とした周方向の所定の範囲に3本の縦リブ65が周方向に間隔を空けて並べて設けられるとともに、他方の外気導入口52を中心とした周方向の所定の範囲に3本の縦リブ65が周方向に間隔を空けて並べて設けられている。それぞれの縦リブ65の形状は、図9に示す通りである。
【0054】
さらに、図8図10に示すように、内プリフォーム60の延伸部64の内面には、延伸部64の肉厚を他の部分よりも厚くするように当該延伸部64の内周面から径方向内側に向けて突出する2本の肉厚形成リブ66が延伸部64の軸心を挟んで対称に一体に設けられている。これらの肉厚形成リブ66は、それぞれプリフォーム組立体40がブロー成形されたときに、延伸部64とともに延伸されて肉厚リブ30に成形される部分である。肉厚形成リブ66は、それぞれ略半円形の断面形状を有し、延伸部64の上端側近傍から下端近傍にまで、当該延伸部64の軸心に沿って真っ直ぐに延びている。
【0055】
このような構成のプリフォーム組立体40をブロー成形することにより、図1に示す積層剥離容器1を製造することができる。本実施の形態においては、ブロー成形として二軸延伸ブロー成形が採用されている。
【0056】
より具体的には、プリフォーム組立体40の二軸延伸ブロー成形は、ブロー成形装置を構成するブロー成形用の金型(不図示)に、外口部51及び内口部61が金型のキャビティから突出するとともにネックリング54が金型の上面に支持されて延伸部53、64がキャビティの内部に位置するようにプリフォーム組立体40をセットし、この状態で、延伸部53、64を延伸ロッドで軸方向に延伸させつつ内口部61を通してプリフォーム組立体40の内部に加圧空気や加圧液体等の加圧媒体を供給し、延伸部53、64をキャビティの内面に沿った形状にブロー成形する。このように、射出成形により形成された外プリフォーム50の内側に射出成形により形成された内プリフォーム60を組み込んだプリフォーム組立体40を二軸延伸ブロー成形することで、上記構成を有する積層剥離容器1を容易に製造することができる。
【0057】
図11は、収容部に4本の肉厚リブを設けた変形例の積層剥離容器の断面図であり、図12は、図11に示す変形例の積層剥離容器を形成するための内プリフォームを、その一部を切り欠いて示す側面図である。また、図13は、図12におけるD-D線に沿う断面図であり、図14は、図12におけるE-E線に沿う断面図である。なお、図11図14においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
【0058】
図11に示すように、積層剥離容器1は、収容部22に、4本の肉厚リブ30が、胴部12の軸心Oを中心として周方向に等間隔に並べて設けられた構成とすることもできる。この変形例の構成においても、内容液の注出に伴って収容部22が減容変形する際に、収容部22を、2本の肉厚リブ30が設けられた部分においては胴本体部12bの内面から剥離しないようにして、収容部22を、胴本体部12bに対応する部分において、胴部12の軸心Oの方向(上下方向)について断面形状が略一様となるように規則的に減容変形させることができる。したがって、収容部22に、2本の肉厚リブ30を設けた場合と同様に、収容部22が、その上下方向の中間部分において内面同士が密着して内容液の注出経路が狭められたり閉塞されたりして、内容液を最後まで注出することができなくなってしまうことを防止して、積層剥離容器1の内部に残留する内容液の残量を低減させることができる。
【0059】
図11に示す変形例の積層剥離容器1は、外プリフォーム50の内側に内プリフォーム60を組み込んだプリフォーム組立体40をブロー成形して形成することができる。この場合、内プリフォーム60として、図12図13に示すように、延伸部64の内周面に4本の肉厚形成リブ66が周方向に等間隔に並べて設けられたものが用いられる。
【0060】
なお、図12に示す内プリフォーム60では、図14に示すように、内口部61の外周面に、全周に亘って8つの縦リブ65が設けられている。
【0061】
本実施の形態の積層剥離容器1は、胴部12に、胴部12の外面を覆う加飾ラベルが装着された構成とすることができる。詳細は図示しないが、加飾ラベルとしては、例えばシュリンクラベル等の種々の構成のものを用いることができる。
【0062】
ここで、本実施の形態の積層剥離容器1では、外層体10と内層体20とが共にポリエチレンテレフタレート樹脂で形成された透明な容器となっているので、収容空間Sに収容された内容液を外部から視認することができるが、加飾ラベルにより胴部12の外面が覆われると、収容空間Sに収容された内容液を外部から視認することが困難となる。そこで、本実施の形態の透明な積層剥離容器1に装着される加飾ラベルは、当該加飾ラベルの周方向の一部において上下方向に延びて収容部22に収容されている内容液を視認可能とする残量確認用の窓部が設けられたものとされる。この場合、窓部は、加飾ラベルの一部を透明とすることで形成されたものでもよく、あるいは加飾ラベルの一部を切り欠いて形成されたものでもよい。また、このような構成の加飾ラベルは、窓部が肉厚リブ30に対して周方向にずれた位置において上下方向に延びるように胴部12に装着される。これにより、肉厚リブ30に沿って形成されて内容液の残量が少なくなっても常に内容液が充満されている流通路Pが窓部から視認されて誤った残量が認識されることをなくして、収容部22の内部に収容された内容液の正確な残量を窓部から視認可能とすることができる。
【0063】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0064】
例えば、前記実施の形態では、収容部22に2本ないし4本の肉厚リブ30を設けるようにしているが、少なくとも2本の肉厚リブ30が設けられていれば、その本数は適宜変更可能である。
【0065】
また、前記実施の形態では、肉厚リブ30を、底部12cから肩部12aにまで達するように設けているが、これに限らず、例えば、肉厚リブ30を内口部21の下端に達するまで延ばすなど、その上下方向の長さは種々変更可能である。
【0066】
さらに、前記実施の形態では、外口部11に一対の外気導入口13を設けるようにしているが、外気導入口13は少なくとも1つ設けられていればよい。
【0067】
また、外気導入口13は、外口部11に設けられて外口部11を貫通する貫通孔とされているが、これに限らず、例えば、外口部11の上端と内口部21の上端との間に設けられて外部に開口する隙間として構成してもよい。あるいは、外気導入口13を、肩部12a、胴本体部12bないし底部12cに設けた構成とすることもできる。
【0068】
さらに、外層体10の材質としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂に限らず、例えばポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、シクロオレフィンコポリマー樹脂(COC樹脂)、シクロオレフィンポリマー樹脂(COP樹脂)などの他の合成樹脂材料を採用することもできる。
【0069】
さらに、内層体20の材質としても、ポリエチレンテレフタレート樹脂に限らず、例えばポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、シクロオレフィンコポリマー樹脂(COC樹脂)、シクロオレフィンポリマー樹脂(COP樹脂)、エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH樹脂)などの他の合成樹脂材料を採用することもできる。内層体20の材質としてエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂を用いる場合には、バリア性及び柔軟性を考慮して、適切なエチレン含有率のものを採用することができる。また、内層体20は、バリア性を確保するために、例えば一対のポリエチレンテレフタレート樹脂層の間にMXナイロン樹脂層などのバリア層を設けた多層構造とすることもできる。
【0070】
さらに、外口部11はネックリング14を備えない構成としてもよく、また、肩部12a、胴本体部12b及び底部12cの形状も種々変更可能である。
【0071】
さらに、前記実施の形態では、積層剥離容器1を、注出口を備えた注出キャップが外口部11に装着され、胴部12がスクイズされることで内容液を注出するスクイズ式の注出容器に用いられるものとした場合を示したが、胴部12が容易にスクイズ変形しない所定の剛性を有し、ポンプ式注出具が外口部11に装着されるポンプ付き容器に用いられるものとすることもできる。
【0072】
さらに、前記実施の形態では、肉厚形成リブ66を内プリフォーム60の延伸部64の内周面に当該内周面から径方向内側に向けて突出するように設けているが、肉厚形成リブ66を内プリフォーム60の延伸部64の外周面に当該外周面から径方向外側に向けて突出するように設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 積層剥離容器
10 外層体
11 外口部
11a 雄ねじ
12 胴部
12a 肩部
12b 胴本体部
12c 底部
13 外気導入口
14 ネックリング
15 凹リブ
20 内層体
21 内口部
22 収容部
23 隙間
24 拡径部
25 フランジ部
26 縦リブ
30 肉厚リブ
40 プリフォーム組立体
50 外プリフォーム
51 外口部
51a 雄ねじ
52 外気導入口
53 延伸部
54 ネックリング
60 内プリフォーム
61 内口部
62 拡径部
63 フランジ部
64 延伸部
65 縦リブ
66 肉厚形成リブ
O 軸心
S 収容空間
P 流通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14