特許 7566444 Ｌ字型フック

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-10-04

(45)【発行日】2024-10-15

(54)【発明の名称】Ｌ字型フック

(51)【国際特許分類】

   A47G 29/00 20060101AFI20241007BHJP

【ＦＩ】

A47G29/00 C

A47G29/00 H

【請求項の数】 2

(21)【出願番号】P 2024018332

(22)【出願日】2024-02-09

【審査請求日】2024-02-13

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】524055377

【氏名又は名称】大山 倫空

(74)【代理人】

【識別番号】100152180

【弁理士】

【氏名又は名称】大久保 秀人

(73)【特許権者】

【識別番号】524055388

【氏名又は名称】國頭 カイリ

(74)【代理人】

【識別番号】100152180

【弁理士】

【氏名又は名称】大久保 秀人

(72)【発明者】

【氏名】大山 倫空

(72)【発明者】

【氏名】國頭 カイリ

【審査官】新井 浩士

(56)【参考文献】

【文献】中国実用新案第２１０１６４７７２（ＣＮ，Ｕ）

【文献】特開２０１９－１２０３０１（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２０１０／０２３９３８６（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許第０５２０７４０４（ＵＳ，Ａ）

【文献】米国特許第０４８５６９５３（ＵＳ，Ａ）

【文献】実開平０６－０８２４１９（ＪＰ，Ｕ）

【文献】米国特許第０１３６５５０８（ＵＳ，Ａ）

【文献】中国実用新案第２１８７１８０６４（ＣＮ，Ｕ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ａ４７Ｇ ２９／００

Ｆ１６Ｂ ２３／００－３５／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

棒状のフック横部と、フック横部に連結させることでＬ字型になる、棒状のフック縦部と、によって構成されるＬ字型フックであって、前記フック横部は、ネジ頭と、壁にねじ込むためのネジ山が形成されたネジ部と、前記フック縦部を連結させるためのネジ溝が形成された貫通孔と、からなり、前記フック縦部は、フック横部の前記貫通孔にねじ込んで前記フック横部と連結させるためのネジ山が先端に形成されたひっかけ部と、ひっかけ部とネジ山の間のツバと、からなり、前記ひっかけ部は、フック横部の前記貫通孔の内径よりも太さが細く形成されており、これにより、ネジ頭の溝が無くなってしまってドライバーが使えなくなったり、そもそもドライバーが無い場合でも、フック縦部のひっかけ部をフック横部の貫通孔に差し込んだ状態でフック縦部をテコの原理で回転させて、フック横部を壁にねじ込むことができ、前記ツバは、ひっかけ部とネジ山の間に形成されており、これにより、フック縦部の座面が広くなることから、フック横部との連結の際に座金を組み込む必要がなく、フック横部との摩擦による緩み止め効果も期待でき、フック横部をねじ込んで壁に取り付けた後、フック横部の貫通孔に形成されたネジ溝に、フック縦部のネジ山をねじ込み、フック縦部がフック横部に連結されてＬ字型フックになることを特徴とするＬ字型フック。

【請求項2】

ネジ頭と、壁にねじ込むためのネジ山が形成されたネジ部と、前記フック縦部を連結させるためのネジ溝が形成された貫通孔と、からなる棒状のフック横部と、フック横部に連結させることでＬ字型になる、フック横部の前記貫通孔にねじ込んで前記フック横部と連結させるためのネジ山が先端に形成されたひっかけ部と、ひっかけ部とネジ山の間のツバと、からなる棒状のフック縦部と、によって構成されるＬ字型フックを、フック横部をねじ込むようにして壁に取り付けた後、フック横部の貫通孔に形成されたネジ溝に、フック縦部のネジ山をねじ込むことで、フック縦部をフック横部に連結し、ネジ頭の溝が無くなってしまってドライバーが使えなくなったり、そもそもドライバーが無い場合でも、フック縦部のひっかけ部をフック横部の貫通孔に差し込んだ状態でフック縦部をテコの原理で回転させることで、フック横部を壁にねじ込むことができ、フック縦部がツバを有することで、フック横部との連結の際に座金を組み込む必要がなく、フック横部との摩擦による緩み止め効果が期待できる、ことを特徴とするＬ字型フックの設置方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、フックを壁に取り付けるときに、フックを回転させる空間がなくても取り付けやすいＬ字型フックに関する。

【背景技術】

【0002】

従来から、壁にねじ込んで取り付けるＬ字型の形状をしたフックが知られている。
このＬ字型フックは、Ｌ字型フック自体をねじ込むようにして回転させながら壁に取り付ける。
そのため、Ｌ字型フックを壁に取り付けるためには、Ｌ字型フックを回転させるスペースが必要である。

【0003】

しかし、例えば、特許文献１のようなＬ字型の形状をしたフックは、例えば、部屋の角部のように、フックを取り付ける正面の壁と、その正面の壁のすぐ側方に壁があるような場所では、荷物をかけることができるＬ字型の屈曲部から延びたフック部分が、フックを正面の壁にねじ込む際に、その正面の壁のすぐ側方の壁に当たってしまい、フックを回転させることができない。
このように、従来のＬ字型フックは、例えば、部屋の角部のように、フックを取り付ける正面の壁のすぐ側方に壁があるような場所では、取り付けられないという問題があった。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【文献】特開2023-000650号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

そこで、本発明は、例えば、部屋の角部のように、フックを取り付ける正面の壁のすぐ側方に壁がある場所でも、フック部分が、側方の壁に当たることなく、取り付けることができるＬ字型フックを提供することを課題とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明のＬ字型フックは、棒状のフック横部と、フック横部に連結させることでＬ字型になる、棒状のフック縦部と、によって構成されるＬ字型フックであって、前記フック横部は、ネジ頭と、壁にねじ込むためのネジ山が形成されたネジ部と、前記フック縦部を連結させるためのネジ溝が形成された貫通孔と、からなり、前記フック縦部は、フック横部の前記貫通孔にねじ込んで前記フック横部と連結させるためのネジ山が先端に形成されたひっかけ部と、ひっかけ部とネジ山の間のツバと、からなり、前記ひっかけ部は、フック横部の前記貫通孔の内径よりも太さが細く形成されており、これにより、ネジ頭の溝が無くなってしまってドライバーが使えなくなったり、そもそもドライバーが無い場合でも、フック縦部のひっかけ部をフック横部の貫通孔に差し込んだ状態でフック縦部をテコの原理で回転させて、フック横部を壁にねじ込むことができ、前記ツバは、ひっかけ部とネジ山の間に形成されており、これにより、フック縦部の座面が広くなることから、フック横部との連結の際に座金を組み込む必要がなく、フック横部との摩擦による緩み止め効果も期待でき、フック横部をねじ込んで壁に取り付けた後、フック横部の貫通孔に形成されたネジ溝に、フック縦部のネジ山をねじ込み、フック縦部がフック横部に連結されてＬ字型フックになることを特徴とする。さらに、本発明のＬ字型フックの設置方法は、ネジ頭と、壁にねじ込むためのネジ山が形成されたネジ部と、前記フック縦部を連結させるためのネジ溝が形成された貫通孔と、からなる棒状のフック横部と、フック横部に連結させることでＬ字型になる、フック横部の前記貫通孔にねじ込んで前記フック横部と連結させるためのネジ山が先端に形成されたひっかけ部と、ひっかけ部とネジ山の間のツバと、からなる棒状のフック縦部と、によって構成されるＬ字型フックを、フック横部をねじ込むようにして壁に取り付けた後、フック横部の貫通孔に形成されたネジ溝に、フック縦部のネジ山をねじ込むことで、フック縦部をフック横部に連結し、ネジ頭の溝が無くなってしまってドライバーが使えなくなったり、そもそもドライバーが無い場合でも、フック縦部のひっかけ部をフック横部の貫通孔に差し込んだ状態でフック縦部をテコの原理で回転させることで、フック横部を壁にねじ込むことができ、フック縦部がツバを有することで、フック横部との連結の際に座金を組み込む必要がなく、フック横部との摩擦による緩み止め効果が期待できる、ことを特徴とする。

【0007】

本発明のＬ字型フックは、Ｌ字型フックを、フック縦部とフック横部に分離できる構成にすることで、例えば、部屋の角部のように、フックを取り付ける正面の壁のすぐ側方に壁がある場所でも、フック部分が、側方の壁に当たることなく、取り付けることができる。

【0008】

本発明のＬ字型フックは、フック横部を壁にねじ込んでから、フック縦部をフック横部に連結させて、取り付けが完了するが、フック横部を壁にねじ込む際は、フック横部の先端のネジ頭にドライバーを差し込み、ドライバーを使って取り付けることができる。
また、ネジ頭の溝が無くなってしまってドライバーが使えなくなったり、そもそもドライバーが無い場合でも、フック横部のひっかけ部の太さを、フック横部の貫通孔よりも細い形状にすることで、フック縦部のひっかけ部をフック横部の貫通孔に差し込んだ状態でフック縦部をテコの原理で回転させて、フック横部を壁にねじ込むことができる。

【0009】

フック横部の貫通孔に形成されたネジ溝は、貫通孔のいずれの孔からフック縦部をねじ込んでもフック縦部と連結できるように、ネジ溝が形成されている。

【発明の効果】

【0010】

本発明のＬ字型フックは、フック縦部とフック横部が分離した構成になっていることで、例えば、部屋の角部のように、フックを取り付ける正面の壁のすぐ側方に壁があるような角部ギリギリの場所でも、取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】Ｌ字型フックの右側面図

【図2】Ｌ字型フックの上方斜視図

【図3】フック横部の平面図

【図4】フック縦部の上方斜視図

【発明を実施するための形態】

【0012】

本発明にかかるＬ字型フックは、棒状のフック横部１と、フック横部１に連結させることでＬ字型になる、棒状のフック縦部２と、によって構成されている。

【0013】

棒状のフック横部１は、ネジ頭３と、壁にねじ込むためのネジ山が形成されたネジ部４と、フック縦部２を連結させるためのネジ溝が形成された貫通孔５と、からなる。
フック縦部２は、フック横部１の貫通孔５にねじ込んでフック横部１と連結させるためのネジ山が先端に形成されたひっかけ部６からなる。

【0014】

本発明にかかるＬ字型フックは、フック横部１をねじ込むようにして壁に取り付けた後、フック横部１の貫通孔５に形成されたネジ溝に、フック縦部２のネジ山をねじ込み、フック縦部２がフック横部１に連結される。

【0015】

フック縦部２のひっかけ部６は、フック横部１の貫通孔５の内径よりも細くすることができる。
フック縦部２のひっかけ部６の太さを細くすることで、フック横部１のネジ頭３の溝が無くなってしまってドライバーが使えなくなったり、そもそもドライバーが無い場合でも、フック縦部２のひっかけ部６をフック横部１の貫通孔５に差し込んだ状態でフック縦部２をテコの原理で回転させることで、フック横部１を壁にねじ込むことができる。

【0016】

フック縦部２は、ひっかけ部６とネジ山の間にツバ７を形成することもできる。
ひっかけ部６とネジ山の間にツバは、フック縦部２のネジ山を、フック横部１の貫通孔５に差し込んで、フック縦部２をフック横部１に連結させる際、ねじ込み過ぎて、フック縦部２が、フック横部１の貫通孔５を貫通して落下してしまうおそれがあるが、ひっかけ部６とネジ山の間にツバ７を形成することで、これを回避できる。
なお、フック縦部２は、ツバ７を形成すれば、フック横部１との連結の際に座金を組み込む必要がない。
ツバ７がある分だけ、フック縦部２の座面が広くなり、フック横部１との摩擦による緩み止め効果も期待できる。

【0017】

本発明にかかるＬ字型フックは、例えば、金属を使用することができるが、フック横部１とフック縦部２を同じ材質にする必要はなく、フック横部１は壁にねじ込みやすい材質を選択する必要はあるが、フック縦部２のみ樹脂などの素材を選択することもできる。

【符号の説明】

【0018】

１ フック横部
２ フック縦部
３ ネジ頭
４ ネジ部
５ 貫通孔
６ ひっかけ部
７ ツバ

【要約】      （修正有）

【課題】本発明は、例えば、部屋の角部のように、フックを取り付ける正面の壁のすぐ側方に壁がある場所でも、フック部分が、側方の壁に当たることなく、取り付けることができるＬ字型フックを提供する。
【解決手段】本発明は、棒状のフック横部と、フック横部に連結させることでＬ字型になる、棒状のフック縦部と、によって構成されており、フック横部は、ネジ頭と、壁にねじ込むためのネジ山が形成されたネジ部と、フック縦部を連結させるためのネジ溝が形成された貫通孔と、からなり、フック縦部は、フック横部の貫通孔にねじ込んでフック横部と連結させるためのネジ山が先端に形成されたひっかけ部からなる、ことを特徴とするＬ字型フックである。
【選択図】図１

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】