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特許7566487転倒防止装置、シート給送装置及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】転倒防止装置、シート給送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20241007BHJP
   B41J 29/06 20060101ALI20241007BHJP
   B65H 1/04 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
G03G15/00 550
B41J29/06
B65H1/04 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020083169
(22)【出願日】2020-05-11
(65)【公開番号】P2021179467
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中屋敷 雄司
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-252475(JP,A)
【文献】登録実用新案第3201230(JP,U)
【文献】特開平10-236670(JP,A)
【文献】特開2006-214450(JP,A)
【文献】特開2016-090804(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0308533(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
G03G 15/00
G03G 21/16-21/18
B41J 29/00-29/70
H04N 1/00
H05K 5/00- 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動用の車輪ユニットを有する装置の転倒を防止する転倒防止装置において、
前記装置の枠体の底面部に設けられた保持部材と、
前記保持部材に保持される転倒防止部材と、を有し、
前記車輪ユニットは、車軸を中心に回転する車輪と、前記車輪の最上部より上方で前記底面部に取付けられた取付部と、前記取付部から下方に延び、上方から見て前記車軸が回動可能な状態で前記車輪を支持する支軸部と、を有しており、
前記転倒防止部材は、上方から見て前記底面部の外側に突出した突出部と、上方から見て前記底面部の内側であって前記支軸部に対して前記突出部の反対側で前記保持部材に保持される被保持部と、前記底面部の外側から内側に向かって所定の装着方向に前記転倒防止部材が挿入されるときに前記車輪ユニットの前記支軸部を受け入れるように前記装着方向に形成された溝形状と、を有し、上下方向における前記車輪の最上部と前記取付部との間を介して前記突出部と前記被保持部とが接続されている、
ことを特徴とする転倒防止装置。
【請求項2】
前記被保持部には、前記装着方向と交差する方向に弾性変形可能な爪形状が設けられ、
前記転倒防止部材は、前記装着方向に向かって所定の装着位置まで挿入された状態では、前記爪形状が前記保持部材と係合することで前記保持部材からの脱落が規制される、
ことを特徴とする請求項に記載の転倒防止装置。
【請求項3】
前記転倒防止部材は、上方から見て矩形状である前記底面部の四隅に設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の転倒防止装置。
【請求項4】
前記転倒防止部材は、合成樹脂で形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の転倒防止装置。
【請求項5】
前記転倒防止部材の前記突出部及び前記被保持部は、一体に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の転倒防止装置。
【請求項6】
前記保持部材は、前記底面部の下面にネジ部材を用いて固定されている、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の転倒防止装置。
【請求項7】
前記保持部材は、前記底面部の下面に対して加締め加工により固定されている、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の転倒防止装置。
【請求項8】
前記保持部材及び前記底面部は、1枚の金属板から絞り加工により一体に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の転倒防止装置。
【請求項9】
シートを収納するシート収納部を収容する装置本体と、
前記装置本体の底部に設けられた請求項1乃至のいずれか1項に記載の転倒防止装置と、
を備え、前記シート収納部に収納されているシートを給送するシート給送装置。
【請求項10】
請求項に記載のシート給送装置と、
前記シート給送装置の上面に着脱可能に装着され、前記シート給送装置から給送されるシートに画像を形成する画像形成装置本体と、
を備える画像形成装置。
【請求項11】
シートに画像を形成する画像形成手段を収容する装置本体と、
前記装置本体の底部に設けられた請求項1乃至のいずれか1項に記載の転倒防止装置と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置の転倒を防止するための転倒防止装置、並びに、転倒防止装置を備えたシート給送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置を例とする電子機器、書類を保存するキャビネット、及びその他の装置に対し、装置の転倒を防止するための転倒防止装置が用いられている。転倒防止装置は、装置の枠体に支持された転倒防止部材を有し、外力によって装置が傾こうとする際に装置の設置面と接触して装置の傾きを抑制する。特許文献1には、シートを収納する収納装置において、装置底部の四隅にキャスターを取り付けるとともに、装置底部の四隅に転倒防止部材を装着した構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-11708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献では、収納装置底面の下方に取付られた取付構造の底部にキャスターの取付座面が固定され、取付構造の天面と底部の間の空間に転倒防止部材が挿入される構成となっていた。この構成では、キャスターの取付座面と収納装置の底部との間に転倒防止部材を装着するための空間があることで、装置全体の高さが増大し、転倒を防止する観点では不利な構成となっていた。
【0005】
そこで、本発明は、装置高さの増大を抑制しつつ装置の転倒を抑制可能な転倒防止装置、シート給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、移動用の車輪ユニットを有する装置の転倒を防止する転倒防止装置において、前記装置の枠体の底面部に設けられた保持部材と、前記保持部材に保持される転倒防止部材と、を有し、前記車輪ユニットは、車軸を中心に回転する車輪と、前記車輪の最上部より上方で前記底面部に取付けられた取付部と、前記取付部から下方に延び、上方から見て前記車軸が回動可能な状態で前記車輪を支持する支軸部と、を有しており、前記転倒防止部材は、上方から見て前記底面部の外側に突出した突出部と、上方から見て前記底面部の内側であって前記支軸部に対して前記突出部の反対側で前記保持部材に保持される被保持部と、前記底面部の外側から内側に向かって所定の装着方向に前記転倒防止部材が挿入されるときに前記車輪ユニットの前記支軸部を受け入れるように前記装着方向に形成された溝形状と、を有し、上下方向における前記車輪の最上部と前記取付部との間を介して前記突出部と前記被保持部とが接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置高さの増大を抑制しつつ装置の転倒を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係る大容量給送装置の斜視図。
図2】実施例1に係る大容量給送装置の枠体を示す斜視図。
図3】実施例1に係る転倒防止部材の斜視図。
図4】実施例1に係る大容量給送装置の下フレームとキャスター及び転倒防止部材保持部との関係を説明するための図。
図5】実施例1に係る転倒防止部材の構成を説明するための大容量給送装置の断面図(a~c)。
図6】実施例1に係る転倒防止部材の構成を説明するための大容量給送装置の下面図。
図7】実施例1に係る転倒防止部材の作用を説明するための大容量給送装置の断面図。
図8】実施例2に係る転倒防止部材の斜視図。
図9】実施例2に係る大容量給送装置の下フレームを示す斜視図。
図10】実施例2に係る転倒防止部材の構成を説明するための大容量給送装置の下面図。
図11】実施例2に係る転倒防止部材の構成を説明するための大容量給送装置の断面図(a、b)。
図12】シート給送装置を備えた画像形成装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
以下の説明において、装置の「上下方向」とは、特に断らない限り装置が水平な設置面に設置された状態における鉛直方向を指すものとする。
【実施例1】
【0011】
実施例1に係る転倒防止装置を備えた大容量給送装置10について説明する。まず、図1及び図12を用いて、大容量給送装置10と画像形成装置1の概略について説明する。図1は、シート給送装置の一例である大容量給送装置10の全体構成を示す斜視図であり、図12は大容量給送装置10を備えた画像形成装置1の概略図である。
【0012】
図1に示すように、大容量給送装置10は、給送装置本体11と、収納庫12と、給送ユニット13と、を備えている。給送装置本体11は大容量給送装置10の装置本体(筐体)であり、後述の枠体49を構成するフレーム部材及び枠体49に対して固定された外装部材等を含んでいる。給送装置本体11は略直方体状であり、底部の四隅に移動用の車輪ユニット(キャスター)および転倒防止部材31,32,33,34(図1には一部のみ図示)が配置されている。車輪ユニットおよび転倒防止部材の詳細は後述する。
【0013】
収納庫12は、記録材として用いるシートPを収納するシート収納部であり、給送装置本体11に引き出し可能に収容されている。シートPとしては、普通紙及び厚紙等の紙、プラスチックフィルム、布、コート紙のような表面処理が施されたシート材、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート材等、サイズ及び材質の異なる多様なシートを使用可能である。
【0014】
給送ユニット13は、収納庫12に収納されているシートPを一枚ずつ大容量給送装置10の外部に給送する給送手段として機能する。本実施例において、給送ユニット13から給送されるシートPは給送装置本体11の上面に設けられた排出口から排出され、給送装置本体11の上部に装着される上部装置に受け渡される。
【0015】
大容量給送装置10は、単独でも画像形成装置として機能する画像形成装置本体の下部に連結されるオプションユニットとして使用可能である。この場合、大容量給送装置10は画像形成装置本体からの指令に基づいて給送ユニット13を作動させ、画像形成装置本体へ向けてシートPを供給する。
【0016】
また、大容量給送装置10の上部に小容量の給送装置を装着し、さらに小容量の給送装置の上部に画像形成装置本体を装着することも可能である。さらに、大容量給送装置10の上部に両面印刷用のシート反転装置を装着することも可能である。つまり、大容量給送装置10は、画像形成装置その他のシートを取り扱う装置(システム)の構成に応じて、上部装置を給送装置本体11の上面に装着した状態で使用可能である。なお、大容量給送装置10からのシートの排出方向を例えば水平方向として、上部装置の下部に連結しない構成とすることも可能である。
【0017】
<画像形成装置>
大容量給送装置10の使用例として、図12に示すように、単独でもモノクロレーザービームプリンタとして機能する画像形成装置本体1Aの下部に連結されるオプションユニットとして使用する場合について説明する。つまり、図12の画像形成装置1は、大容量給送装置10と、大容量給送装置10の上面に着脱可能に装着された画像形成装置本体1Aとによって構成される。
【0018】
図12の画像形成装置本体1Aは、電子写真ユニットである画像形成部2と、画像形成装置本体1Aに内蔵されたシート給送装置であるシート給送部5と、を備えている。画像形成装置1に対して画像形成の指令が入力されると、画像形成部2が画像形成プロセスを開始する。即ち、帯電ローラ2bが像担持体(電子写真感光体)である感光ドラム2aの表面を帯電させ、レーザスキャナ3が印刷すべき画像データに基づいて変調されたレーザ光を感光ドラム2aに照射してドラム表面に静電潜像を書き込む。現像ローラ2cは感光ドラム2aに帯電したトナー粒子を供給し、静電潜像をトナー像に現像する。現像により消費されたトナーは、トナー容器2dから補充される。
【0019】
画像形成プロセスに並行して、シート給送部5又は大容量給送装置10からシートPが1枚ずつ給送される。シート給送部5の給送ユニット5fは、画像形成装置本体1Aに対して引き出し可能に装着されたシート収納部であるカセット5aに積載されているシートPを給送する。大容量給送装置10の給送ユニット13は、収納庫12に収納されているシートPを給送する。各給送ユニット5f,13は、ピックアップローラ6と、フィードローラ7と、分離ローラ8とを有する。ピックアップローラ6によってカセット5a又は収納庫12から繰り出されたシートPは、フィードローラ7及び分離ローラ8によって1枚ずつに分離されて搬送される。なお、収納庫12に対してシートPを積載可能な最大高さはカセット5aに対してシートPを積載可能な最大高さより大きいため、収納庫12はカセット5aよりも大量のシートPを収納することが可能である。
【0020】
上記分離ローラ8には、トルクリミッタが内蔵されており、フィードローラ7及び分離ローラ8によって形成される分離ニップにシートが1枚搬送された際には、分離ローラ8がフィードローラ7に従動回転するようにトルクリミッタのリミット値が設定される。また、分離ニップに複数枚のシートが進入したときは、分離ローラ8はフィードローラ7に従動回転せずに停止する。なお、フィードローラ7によるシート搬送方向とは逆方向にシートを搬送するように、分離ローラ8に駆動を入力してもよい。また、給送ユニット5f,13は給送手段の一例であり、例えば通気孔が開けられたベルト部材の内側に負圧を発生させてベルト部材にシートを吸着して搬送する搬送ユニットを用いてもよい。
【0021】
シート給送部5又は大容量給送装置10から給送されたシートPは、搬送ローラ対9,19を経由して搬送され、停止状態のレジストレーションローラ対14に突き当てられて斜行補正される。レジストレーションローラ対14は、画像形成部2による画像形成プロセスに同期したタイミングで、感光ドラム2aと転写ローラ4との間の転写部にシートPを送り込む。そして、転写ローラ4にバイアス電圧が印加されることにより、感光ドラム2aからシートPにトナー像が転写される。ドラム上に残った残トナー等の付着物は、クリーニングブレード2eによって除去され、廃トナー容器2fに回収される。
【0022】
トナー像が転写されたシートPは、定着装置15に搬送される。定着装置15は、加熱ローラ及び加圧ローラによってシートPを挟持して搬送しながら、シート上のトナー像に熱及び圧力を付与する。これにより、トナーが溶融し、その後固着するため、画像がシートPに定着する。定着装置15を通過したシートPは、排出ローラ対16によって排出トレイ17に排出される。
【0023】
上記画像形成部2は画像形成手段の一例であり、像担持体に形成したトナー像を中間転写ベルト等の中間転写体を介してシートに転写する中間転写方式の電子写真ユニットに置き換えてもよい。また、インクジェット方式やオフセット印刷方式等の電子写真以外の画像形成ユニットを画像形成手段としてもよい。
【0024】
<枠体概略>
次に、図2を用いて、大容量給送装置10の枠体構成について説明する。図2は大容量給送装置10の枠体49を示す斜視図であり、収納庫12及び外装等を取り外した状態を表している。
【0025】
枠体49は、給送装置本体11の底面(下面)を構成する下フレーム50と、給送装置本体11の天面(上面)を構成する天板55と、下フレーム50の四隅と天板55の四隅を接続してそれぞれ上下方向に延びる支柱51,52,53,54と、を含む。天板55には、上部装置を大容量給送装置10に連結する際の位置関係を保証するための位置決めピン55a,55b,55cが設けられている。収納庫12は、これら下フレーム50、天板55及び支柱51~54に囲まれた略直方体状の空間に収容される。以下、収納庫12が引き出される方向を給送装置本体11の前方とし、その反対方向を給送装置本体11の後方とする。
【0026】
下フレーム50は、上下方向に略垂直に広がる板状部材である。下フレーム50には、好ましくは絞り加工等によって面外方向の凹凸である曲げ形状50aが形成される。曲げ形状50aを設けることで、下フレーム50の剛性が向上する。曲げ形状50aのパターンは、図示した矩形状に限らず、必要な強度を得られるように適宜変更してもよい。
【0027】
<大容量給送装置の底部の構造>
図3図6を用いて大容量給送装置10の底部に設けられた構造を説明する。図3は転倒防止部材31の斜視図である。図4は給送装置本体11の下フレーム50と、下フレーム50に装着される保持部材41~44及び車輪ユニット21,22,23,24との関係を示す斜視図である。図5(a~c)は図6のB-B線で大容量給送装置10を切断した様子を表す。図6は転倒防止部材31~34が装着された大容量給送装置10を下方から見た図である。
【0028】
図1図6に示すように、大容量給送装置10の底部には、大容量給送装置10の転倒を防止するための転倒防止装置として4つの転倒防止部材31~34及び保持部材41~44を含む構造が設けられている。保持部材41~44は、下フレーム50とともに給送装置本体11の底面部を構成している。保持部材41~44は、転倒防止部材31~34をそれぞれ保持する保持部(転倒防止部材支持部)として機能する。なお、図6において、大容量給送装置10の前方右側の転倒防止部材31は給送装置本体11から取り外された状態で図示している。その他の3か所の転倒防止部材32~34については給送装置本体11に装着された状態を示している。
【0029】
各転倒防止部材31~34の構成は実質的に同一であるため、図3の転倒防止部材31を用いて転倒防止部材31~34の構成を説明する。転倒防止部材31は、被保持部31c、接続部31f及び着地部31eを備えている。
【0030】
被保持部31cは、給送装置本体11の保持部材41によって保持される部分である。被保持部31c,31cは、転倒防止部材31の装着時に、給送装置本体11に設けられた保持部材41と下フレーム50との間の装着空間C(図5(b))に挿入される部分である。以下、装着空間Cに被保持部31c,31cが挿入されるように給送装置本体11に対して転倒防止部材31が移動する方向を、転倒防止部材31の装着方向D1とする。
【0031】
被保持部31c,31cは、着地部31eから装着方向D1に向かって延びており、スリット31aは被保持部31c,31cの間で装着方向D1に延びる溝形状である。装着方向D1に見て被保持部31c,31cは実質的に水平に並んでいる。スリット31aの幅は、車輪ユニット21の主軸部21cを収容可能な幅に設定される。腕部31b,31bは、装着方向D1における被保持部31c,31cの先端部に設けられている。転倒防止部材31は例えば強度に優れた合成樹脂で、一体に形成され、各腕部31bは装着方向D1に交差する変形方向D2(本実施例では、装着方向D1に見て水平方向)に弾性変形可能である。当接部31d,31dは、被保持部31c,31cから装着方向D1に交差する方向であって、好ましくは腕部31b,31bの変形方向D2と同方向に突出している。以上説明した転倒防止部材31と同様の構成を、他の転倒防止部材32~34も備えている。
【0032】
着地部31eは、上面視で下フレーム50の外側で大容量給送装置10の設置面と対向するように下フレーム50の外側に突出する突出部である(図1図5(a))。着地部31eは、少なくとも図1で前方から右側方までの範囲から装置の底部を見た場合に車輪ユニット21を覆い隠すように形成されている。
【0033】
接続部31fは、上面視で車輪ユニット21の主軸部21cよりも下フレーム50の内側で保持部材41に保持される被保持部31cと、下フレーム50の外側に突出している着地部31eとを接続している部分である。本実施例の転倒防止部材31は、それぞれ装着方向D1に延びて被保持部31c,31cに連続する2つの接続部31f,31fを有している。また、上記のスリット31aは接続部31f,31fの間にも形成されている。接続部31f,31f及び被保持部31c,31cは、上面視で下フレーム50の外側に突出する着地部31eに対し、下フレーム50の内側に位置する転倒防止部材31の本体部を構成する。接続部31f,31f及び被保持部31c,31cのうちスリット31aの縁となる部分は、例えば上下方向に対して略垂直に広がる板状に形成される。
【0034】
給送装置本体11に対する転倒防止部材31~34の装着方向D1~D4は互いに異なっており、例えば上面視で装着方向D1~D4は90度ずつ異なっている。また、給送装置本体11に対する転倒防止部材31~34の突出方向も互いに異なっており、各転倒防止部材31~34は例えば自身の装着方向D1~D4とは反対方向に突出するように配置されている。
【0035】
図4及び図6に示すように、車輪ユニット21~24は下フレーム50の下面の四隅に設けられたネジ穴50b(図4)に対して複数のビスを用いて固定されている。また、図4及び図6に示すように、下フレーム50の下面の四隅であって、車輪ユニット21~24の装着位置の近傍には、転倒防止部材31~34を保持する保持部材41,42,43,44が設けられている。各保持部材41~44は、下フレーム50に設けられたネジ穴50cに対して複数のビスを用いて固定された部材である(図6では保持部材42のビス81,82,83,84,85のみを図示している)。
【0036】
<転倒防止部材の詳細>
図5(a~c)、図6図7を用いて転倒防止部材31~34と周辺部品との位置関係をさらに詳しく説明し、転倒防止部材31~34の働きを説明する。図5(a~c)は、図6のB-B線の位置で大容量給送装置10を切断した断面を表す。このうち、図5(b)は転倒防止部材31が給送装置本体11から取り外された図6の状態を表し、図5(a)は転倒防止部材31が装着された状態を表している。図5(c)は図5(a)の一部を拡大した拡大図である。
【0037】
まず、転倒防止部材31~34の近傍に配置される車輪ユニット21~24について説明する。各車輪ユニット21~24の構成は実質的に同一であるため、図5(a)の車輪ユニット21を用いて車輪ユニット21~24の構成を説明する。車輪ユニット21は、設置面100と接する車輪21aと、車輪21aを回転可能に支持する車軸21bと、車軸21bを支持する支軸部としての主軸部21cと、主軸部21cと一体的に設けられた支持板21dと、を備える。車輪21aは、略水平に延びる車軸21bを中心に回転(自転)可能であるとともに、略上下方向に延びる主軸部21cを中心に回動可能(公転可能)である。支持板21dは、下フレーム50にビス固定される取付部(座面部)である。
【0038】
ここで、図5(c)に示すように主軸部21cは車輪21aの最上部の高さよりも上方に延びている。また、支持板21dも車輪21aの最上部よりも上方に位置し、支持板21dの下方には車輪21aの公転を可能とする空間が確保されている。車輪21aの最上部と支持板21dとの間には上下方向の隙間が空いている。
【0039】
図5(a)及び図6に示すように、車輪ユニット21は下フレーム50の隅部の直下に配置され、下フレーム50を挟んで支柱51(図2)と対向するように配置されている。例えば、上方から見て、支柱51及び下フレーム50の接続部と、車輪ユニット21の支持板21dとが重なる位置関係にある。同様に、大容量給送装置10の底部において、車輪ユニット22~24は下フレーム50の隅部の直下に配置され、下フレーム50を挟んで支柱52~54(図2)と対向するように配置されている。
【0040】
車輪ユニット21~24及び支柱51~54は、大容量給送装置10の重量(収納庫12に収納されたシートの重量を含む)及び上部装置の重量を支持する支持構造の主要部分である。そのため、給送装置本体11の枠体49は、一般的に下フレーム50を含む車輪ユニット21近傍に十分な剛性を持たせるように設計される。
【0041】
図6に示すように、転倒防止部材31~34を保持する保持部材41~44の各々は、対応する転倒防止部材31~34の装着方向D1~D4に関して、最も近い車輪ユニット21~24の位置(特に、主軸の位置)より給送装置本体11の内側に配置される。
【0042】
各保持部材41~44は、対応する転倒防止部材31~34の装着方向D1~D4に見て上方に開いた概ねコ字状(角ばったC字状)の形状を有している。そのため、給送装置本体11の底部には、上下方向における下フレーム50の下面と保持部材41~44との間に、装着方向D1~D4に延びる装着空間C(図5(b))が形成される。つまり、下フレーム50及び保持部材41~44は、給送装置本体11の外側から内側に向かって所定の装着方向D1~D4に転倒防止部材31~34を挿入することが可能な装着空間Cを形成している。
【0043】
なお、本実施例において、保持部材41~44は下フレーム50の曲げ形状50aの外側に配置されている(図6)。また、各保持部材41~44の底部には上方に突出した凸部pが設けられ(図4)、凸部pは、略矩形状の曲げ形状50aの角部qと当接した状態で角部qとビス固定されている(図5(a)も参照)。このような構成は、下フレーム50及び保持部材41~44からなる構造体(給送装置本体11の底面部)の剛性を高める利点がある。
【0044】
以下、転倒防止部材31を例に転倒防止部材31~34の装着方法を説明する。図5(b)及び図6に示すように、転倒防止部材31を装着する場合、作業者は被保持部31c,31cを装着方向D1の下流側に向けた状態で転倒防止部材31を把持し、スリット31aが車輪ユニット21の主軸部21cと対向するように位置合わせする。そして、転倒防止部材31を給送装置本体11の外側から内側に向かって装着方向D1に移動させる。
【0045】
転倒防止部材31が装着方向D1に押し込まれる過程で、スリット31aに車輪ユニット21の主軸部21cが入り込む。つまり、スリット31aが主軸部21cを受け入れつつ、スリット31aの両側において、被保持部31c,31cが上下方向における車輪21aの最上部と支持板21dの間を介して移動する。また、転倒防止部材31の腕部31b,31bが保持部材41の装着方向D1上流側の端部である前側端部41a,41aと接触し、内側に向かって(つまり、互いに接近するように)弾性変形する。
【0046】
転倒防止部材31がさらに押し込まれると、主軸部21cはスリット31aの奥側に相対的に移動し、腕部31b,31bは保持部材41の側面部に摺動しながら移動する。そして、転倒防止部材31の当接部31d,31dが保持部材41の前側端部41a,41aと当接することで、転倒防止部材31の装着方向D1への移動が規制される。当接部31d,31dが保持部材41の前側端部41a,41aと当接したときの転倒防止部材31の位置を、転倒防止部材31の装着位置とする。
【0047】
転倒防止部材31は、被保持部31c,31cを保持部材41によって保持されることで装着位置に維持され、給送装置本体11に支持された状態となる。この状態において、腕部31b,31bは保持部材41を装着方向D1に抜けた位置にあり、保持部材41の装着方向D1下流側の端部である後側端部41b,41bと係合している。腕部31b,31bは、変形方向D2に関して後側端部41b,41bより大きな最大幅を有する爪形状であり、後側端部41b,41bと係合することで転倒防止部材31が保持部材41から装着方向D1の上流側に脱落することを防いでいる。言い換えれば、転倒防止部材31の腕部31b,31b及び保持部材41の後側端部41b,41bは、転倒防止部材31の脱落を防止するスナップフィット機構を構成している。
【0048】
図5(c)に示すように、設置面100が水平であるものとして、給送装置本体11に外力が加わっていない状態では転倒防止部材31の着地部31eと設置面100との間に所定の隙間Zが空くように、転倒防止部材31の形状等が設計されている。これにより、大容量給送装置10を設置面100に設置した状態のままで転倒防止部材31の着脱を行うことが可能となる。また、転倒防止部材31が装着されている状態で、大容量給送装置10を車輪ユニット21~24によって移動させることができる。
【0049】
図7は、大容量給送装置10に外力が加わったときの様子を表している。図7において、給送装置本体11は、外力によって車輪ユニット21と設置面100の接触部を中心にして図中時計回り方向(矢印Y)が傾こうとしている。このとき、給送装置本体11が僅かに傾いたことで転倒防止部材31の着地部31eが設置面100と接触するため、転倒防止部材31によって給送装置本体11の枠体49が支えられて転倒が防がれる。つまり、転倒防止部材31が設置面100から受ける反力により、給送装置本体11の傾きが規制される。
【0050】
以上説明したように、本実施例は、下フレーム50に対する車輪ユニット21の主軸部21cよりも装着方向D1の内側に、転倒防止部材31を保持する保持部材41を配置している。つまり、転倒防止部材31は、上方から見て下フレーム50の外縁の内側であって主軸部21cに対して着地部31eの反対側で保持部材41に保持されている。そして、下フレーム50の外側に突出する着地部31eと、主軸部21cより内側で保持部材41に保持される被保持部31cとが、上下方向における車輪21aの最上部と支持板21dとの間の隙間を介して延びる接続部31fによって接続されている。
【0051】
この構成により、車輪ユニット21の取付位置と、転倒防止部材31の保持部材41とが上下方向に重なることを回避することが可能となる。つまり、本実施例の構成により、転倒防止装置を設けたことにより大容量給送装置10の高さが増大することを抑制できる。なお、車輪21aの最上部と支持板21dとの隙間は、通常、車輪21aの公転を可能とするために比較的余裕がある設計となっており、本実施例の転倒防止部材31は一般的な車輪ユニットと共に使用可能である。
【0052】
また、車輪ユニット21の主軸部21cより給送装置本体11の内側に保持部材41を配置することにより、枠体49の中で十分な剛性を得やすい箇所で転倒防止部材31を支持することができる。そのため、転倒防止部材31に負荷がかかった場合においても枠体49の変形等を最小限に抑えることが可能である。
【0053】
また、本実施例では、転倒防止部材31の被保持部31c及び接続部31fを、車輪ユニット21の主軸部21cを受け入れる空間部としてのスリット31aを有する形状としている。これにより、転倒防止部材31を給送装置本体11の外側から内側に向かって装着方向D1に挿入する単純な操作により、転倒防止部材31を保持部材41に保持させることが可能となる。特に、本実施例では被保持部31c,31cの先端に設けた腕部31b,31bによるスナップフィット機構により転倒防止部材31を保持部材41に保持させることができ、装着方向D1への挿入という一動作によって転倒防止部材31の装着を完了できる。
【0054】
(変形例)
なお、上記実施例では保持部材41~44を下フレーム50の下側からネジ部材(ビス81~85)を用いて固定する構成を説明したが、他の締結方法で保持部材41を下フレーム50に固定してもよい。例えば、加締め加工によって保持部材41~44を下フレーム50に対して固定してもよい。また、保持部材41~44が枠体49に対して固定された状態で給送装置本体11の底面の一部を構成するものであれば、保持部材41~44が下フレーム50以外の部材に固定されていてもよい。
【実施例2】
【0055】
以下、実施例2について図8図11を用いて説明する。本実施例は、転倒防止部材の形状、及び、保持部材が給送装置本体の下フレームと一体に形成される点で実施例1と異なっている。以下、実施例1と共通の符号を付した要素は実施例1と実質的に同一の構成及び作用を有するものとし、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
【0056】
図8は本実施例に係る転倒防止部材の1つを表す斜視図である。図9は本実施例の下フレーム500を下側から見た斜視図である。図10は転倒防止部材61~64が装着された大容量給送装置10を下方から見た図である。図11(a、b)は図10のE-E線で大容量給送装置10を切断した様子を表し、図11(a)は転倒防止部材61が装着された状態、図11(b)は転倒防止部材61が取り外された状態を示している。
【0057】
各転倒防止部材61~64の構成は実質的に同一であるため、図8の転倒防止部材61を用いて転倒防止部材61~64の構成を説明する。転倒防止部材61は、被保持部61c、接続部61f及び着地部61eを備えている。
【0058】
被保持部61cは、給送装置本体11の保持部材501によって保持される部分である。被保持部61c,61cは、転倒防止部材61の装着時に、下フレーム500に設けられた保持部材501と下フレーム500の主面500aとの間の装着空間F(図11(b))に挿入される部分である。以下、装着空間Fに被保持部61c,61cが挿入されるように給送装置本体11に対して転倒防止部材61が移動する方向を、転倒防止部材61の装着方向D1とする。
【0059】
転倒防止部材61は、スリット61a、腕部61b,61b、当接部61d,61dを有している。これらの形状は、腕部61b,61bが被保持部61c,61cの先端ではなく当接部61d,61dから延びていることを除き、実施例1と同様である。腕部61b,61bは、当接部61d,61dから外側に張り出した後に装着方向D1の下流に向かって延びており、先端部に保持部材501と係合するための爪形状を有している。
【0060】
着地部61e及び接続部61f,61fも、実施例1の着地部31e及び接続部31f,31fと同様の形状である。つまり、着地部61eは、上面視で下フレーム500の外側で大容量給送装置10の設置面と対向するように下フレーム500の外側に突出する突出部である。接続部61fは、上面視で車輪ユニット21の主軸部21cよりも下フレーム500の内側で保持部材501に保持される被保持部61cと、下フレーム500の外側に突出している着地部61eとを接続している部分である。
【0061】
図9及び図10に示すように、車輪ユニット21~24は下フレーム500の下面の四隅に設けられたネジ穴50bに対して複数のビスを用いて固定されている。
【0062】
また、図9に示すように、本実施例の保持部材501,502,503,504は、車輪ユニット21~24を取り付けるために下フレーム500の四隅に設けられたネジ穴50bの近傍に設けられている。保持部材501~504は、下フレーム500を構成する1枚の金属板から、絞り加工等によって下フレーム500の主面500aよりも下方に張り出すように形成されている。
【0063】
各保持部材501~504は、対応する転倒防止部材61~64の装着方向D1~D4に見て上方に開いた概ねコ字状(角ばったC字状)の形状を有している。そのため、保持部材501~504の上方側で下フレーム500の主面500aの高さより下方側に、所定の装着方向D1~D4に転倒防止部材61~64を挿入することが可能な装着空間F(図11(b))を形成している。
【0064】
なお、本実施例において、下フレーム500には実施例1とは異なるパターン(十字状)の曲げ形状500bが形成されており、保持部材501~504は曲げ形状500bから離れた位置に設けられている。
【0065】
以下、転倒防止部材61を例に転倒防止部材61~4の装着方法を説明する。図11(b)及び図10に示すように、転倒防止部材61を装着する場合、作業者は被保持部61c,61cを装着方向D1の下流側に向けた状態で転倒防止部材61を把持し、スリット61aが車輪ユニット21の主軸部21cと対向するように位置合わせする。そして、転倒防止部材61を給送装置本体11の外側から内側に向かって装着方向D1に移動させる。
【0066】
すると、スリット61aが主軸部21cを受け入れつつ、スリット61aの両側において被保持部61c,61cが上下方向における車輪21aの最上部と支持板21dの間を介して移動する。また、転倒防止部材61の腕部61b,61bが保持部材501の装着方向D1上流側の端部である前側端部501b,501bと接触し、外側に向かって(つまり、互いに離れるように)弾性変形する。
【0067】
転倒防止部材61がさらに押し込まれると、主軸部21cはスリット61aの奥側に相対的に移動し、腕部61b,61bは保持部材501の側面部に摺動しながら移動する。そして、転倒防止部材61の当接部61d,61dが保持部材501の前側端部501b,501bと当接することで、装着位置において転倒防止部材61の装着方向D1への移動が規制される。
【0068】
転倒防止部材61は、被保持部61c,61cを保持部材501によって保持されることで装着位置に維持され、給送装置本体11に支持された状態となる。この状態において、腕部61b,61bは保持部材501の側面に設けられた凹部501a,501aに係合することで、転倒防止部材61が保持部材01から装着方向D1の上流側に脱落することを防いでいる。言い換えれば、転倒防止部材61の腕部61b,61b及び保持部材501の凹部501a,501aは、転倒防止部材61の脱落を防止するスナップフィット機構を構成している。
【0069】
図11(a)に示すように転倒防止部材61が装着された状態で、転倒防止部材61の着地部61eと設置面100との間に所定の隙間が空くように設計される点は実施例1と同様である。大容量給送装置10に外力が加わって給送装置本体11が傾こうとすると、着地部61eが設置面100と接触するため、転倒防止部材61によって給送装置本体11の枠体49が支えられて転倒が防がれる。
【0070】
以上説明したように、本実施例においても、下フレーム500に対する車輪ユニット21の主軸部21cよりも装着方向D1の内側に、転倒防止部材61を保持する保持部材501を配置している。そして、下フレーム500の外側に突出する着地部61eと、下フレーム500の内側で保持部材501に保持される被保持部61cとが、上下方向における車輪21aの最上部と支持板21dとの間の隙間を介して延びる接続部61fによって接続されている。この構成により、車輪ユニット21の取付位置と、転倒防止部材61の保持部材501とが上下方向に重なることを回避することが可能となり、転倒防止装置を設けたことによる大容量給送装置10の高さの増大を抑制できる。
【0071】
また、本実施例では、下フレーム500及び保持部材501~504を一体の部材として形成するため、より簡易な構成となっている。
【0072】
(その他の実施形態)
上記の実施例1、2においては、画像形成装置等にシートを供給する大容量給送装置に設けられる転倒防止装置について説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、図12の画像形成装置本体1Aの底部に各実施例で説明した転倒防止装置を配置してもよい。また、画像形成装置において記録材を収納する目的の装置に限らず、例えば書類や消耗品を収納するための収納装置(キャビネット)に各実施例で説明した転倒防止装置を配置してもよい。その他、車輪ユニットを備えた任意の装置に本技術を適用可能である。
【0073】
また、転倒防止部材の配置は適宜変更してもよい。実施例1、2では給送装置本体11の底部の四隅に転倒防止部材が配置され、底部の対角線方向に転倒防止部材が突出する構成としたが、突出方向を変更したり、底部の角部と角部の中央部に転倒防止部材を移動させてもよい。また、転倒防止部材の数を3つ以下又は5つ以上としてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…画像形成装置/1A…装置本体(画像形成装置本体)/2…画像形成手段(画像形成部)/10…シート給送装置(大容量給送装置)/11…装置本体(給送装置本体)/21,22,23,24…車輪ユニット/21a…車輪/21b…車軸/21c…支軸部(主軸部)/21d…取付部(支持板)/31,32,33,34,61,62,63,64…転倒防止部材/31a,61a…溝形状(スリット)/31b,61b…爪形状(腕部)/31c,61c…被保持部/31e,61e…突出部(着地部)/31f,61f…接続部/41,42,43,44,501,502,503,504…保持部材/49…枠体/50,500…底面部(下フレーム)/D1,D2,D3,D4…装着方向
図1
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