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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】プラグコネクタシステム
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/10 20060101AFI20241007BHJP
   H01R 13/11 20060101ALN20241007BHJP
   H01R 13/04 20060101ALN20241007BHJP
【FI】
H01R13/10 A
H01R13/11 301D
H01R13/04 A
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020091003
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2020198302
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】10 2019 114 646.1
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】マンデル,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ベルクナー,ベルト
(72)【発明者】
【氏名】ルシュ,クリスティアン
【審査官】塩澤 正和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06692286(US,B1)
【文献】特開2010-135296(JP,A)
【文献】特開2002-075543(JP,A)
【文献】特表2018-530139(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0304598(US,A1)
【文献】特開平11-214059(JP,A)
【文献】特開平10-189163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/10
H01R 13/11
H01R 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプラグコネクタ(100)および第2のプラグコネクタ(200)を有するプラグコネクタシステム(10)であって、
前記第1のプラグコネクタ(100)は、シールドスリーブ(110)を有し、
前記第2のプラグコネクタ(200)は、シールドブッシング(210)を有し、
前記シールドスリーブ(110)は、外面(130)に、少なくとも部分的に円周方向のビード(140)を有し、
前記シールドブッシング(210)は、複数のばね要素(230)を有し、
前記ばね要素(230)は、前記シールドブッシング(210)の径方向(212)に撓むことができ、
前記第1のプラグコネクタ(100)は、前記シールドスリーブ(110)が前記シールドブッシング(210)内に部分的に受け取られ、前記ビード(140)が前記ばね要素(230)に接触するように、前記第2のプラグコネクタ(200)に接続することができ、
前記ばね要素(230)は、前記シールドブッシング(210)の長手方向(211)に向けられたビームとして形成され、
各前記ばね要素(230)は、前記シールドブッシング(210)の開端(220)から反対側を向いている第1の長手方向端(231)と、前記シールドブッシング(210)の前記開端(220)の方を向いている第2の長手方向端(232)とを有しており、
前記第2のプラグコネクタ(200)は、外側ハウジング(300)を有し、
前記シールドブッシング(210)は、前記外側ハウジング(300)内に配置され、
前記外側ハウジング(300)は、前記シールドブッシング(210)の方を向いている面(310)に突出部(320)を有し、
それぞれの前記ばね要素(230)の前記第2の長手方向端(232)が前記外側ハウジング(300)の前記突出部(320)に当たるように、前記シールドスリーブ(110)を前記外側ハウジング(300)内に配置された前記シールドブッシング(210)に押し込むことによって、前記ばね要素(230)を撓ませることができる、
プラグコネクタシステム(10)。
【請求項2】
前記ばね要素(230)は、応力を受けない状態で屈曲している、
請求項1に記載のプラグコネクタシステム(10)。
【請求項3】
各前記ばね要素(230)は、前記第1の長手方向端(231)で締め付けられている、
請求項1または2に記載のプラグコネクタシステム(10)。
【請求項4】
それぞれの前記ばね要素(230)は、前記第2の長手方向端(232)で締め付けられている、
請求項1~3のいずれか一項に記載のプラグコネクタシステム(10)。
【請求項5】
れぞれの前記ばね要素(230)の前記第2の長手方向端(232)は自由である、
請求項1~3のいずれか一項に記載のプラグコネクタシステム(10)。
【請求項6】
前記シールドブッシング(210)は、前記開端(220)に、外方屈曲部(240)を有し、
それぞれの前記ばね要素(230)の前記第2の長手方向端(232)は、前外方屈曲部(240)に当たっている、
請求項に記載のプラグコネクタシステム(10)。
【請求項7】
前記プラグコネクタシステム(10)は、高周波信号を伝送するように形成されている、
請求項1からのいずれか一項に記載のプラグコネクタシステム(10)。
【請求項8】
前記プラグコネクタシステム(10)は、指定の最大周波数で高周波信号を伝送するように形成され、
前記ビード(140)は、ベース(150)に前記シールドスリーブ(110)の長手方向端(120)から間隔(165)を有し、
前記間隔(165)は、前記プラグコネクタシステム(10)内で伝導される前記最大周波数の波長の5分の1未満である、
請求項に記載のプラグコネクタシステム(10)。
【請求項9】
前記間隔(165)は、前記プラグコネクタシステム(10)内で伝導される前記最大周波数の波長の10分の1未満である、
請求項8に記載のプラグコネクタシステム(10)。
【請求項10】
シールドスリーブ(110)を有する第1のプラグコネクタ(100)であって、
前記シールドスリーブ(110)は、外面(130)に、少なくとも部分的に円周方向のビード(140)を有し、
前記第1のプラグコネクタ(100)は、前記シールドスリーブ(110)が第2のプラグコネクタ(200)のシールドブッシング(210)内に部分的に受け取られ、前記ビード(140)がばね要素(230)に接触するように、前記第2のプラグコネクタ(200)に接続することができ、
前記第1のプラグコネクタ(100)は、指定の最大周波数で高周波信号を伝送することができ、
前記ビード(140)は、前記ビード(140)のベース(150)に前記シールドスリーブ(110)の長手方向端(120)から間隔(165)を有し、
前記間隔(165)は、前記指定の最大周波数の波長の5分の1未満である、
第1のプラグコネクタ(100)。
【請求項11】
シールドブッシング(210)を有する第2のプラグコネクタ(200)であって、
前記シールドブッシング(210)は、複数のばね要素(230)を有し、
前記第2のプラグコネクタ(200)は、前記シールドブッシング(210)が第1のプラグコネクタ(100)のシールドスリーブ(110)を部分的に受け取り、ばね要素(230)が前記シールドスリーブ(110)のビード(140)に接触するように、前記第1のプラグコネクタ(100)に接続することができ、
前記ばね要素(230)は、前記シールドブッシング(210)の長手方向(211)に向けられたビームとして形成され、
各前記ばね要素(230)は、前記シールドブッシング(210)の開端(220)から反対側を向いている第1の長手方向端(231)と、前記シールドブッシング(210)の前記開端(220)の方を向いている第2の長手方向端(232)とを有しており、
それぞれの前記ばね要素(230)の前記第2の長手方向端(232)は自由であり、
前記シールドブッシング(210)は、前記開端(220)に外方屈曲部(240)を有し、
それぞれの前記ばね要素(230)の前記第2の長手方向端(232)は、前記外方屈曲部(240)に当たっている、
第2のプラグコネクタ(200)。
【請求項12】
第1のプラグコネクタ(100)および第2のプラグコネクタ(200)を有するプラグコネクタシステム(10)であって、
前記第1のプラグコネクタ(100)は、シールドスリーブ(110)を有し、
前記第2のプラグコネクタ(200)は、シールドブッシング(210)を有し、
前記シールドスリーブ(110)は、外面(130)に、少なくとも部分的に円周方向のビード(140)を有し、
前記シールドブッシング(210)は、複数のばね要素(230)を有し、
前記第1のプラグコネクタ(100)は、前記シールドスリーブ(110)が前記シールドブッシング(210)内に部分的に受け取られ、前記ビード(140)が前記ばね要素(230)に接触するように、前記第2のプラグコネクタ(200)に接続することができ、
前記ばね要素(230)は、前記シールドブッシング(210)の長手方向(211)に向けられたビームとして形成され、
各前記ばね要素(230)は、前記シールドブッシング(210)の開端(220)から反対側を向いている第1の長手方向端(231)と、前記シールドブッシング(210)の前記開端(220)の方を向いている第2の長手方向端(232)とを有しており、
それぞれの前記ばね要素(230)の前記第2の長手方向端(232)は自由であり、
前記シールドブッシング(210)は、前記開端(220)に外方屈曲部(240)を有し、
それぞれの前記ばね要素(230)の前記第2の長手方向端(232)は、前記外方屈曲部(240)に当たっている、
プラグコネクタシステム(10)。
【請求項13】
第1のプラグコネクタ(100)および第2のプラグコネクタ(200)を有するプラグコネクタシステム(10)であって、
前記第1のプラグコネクタ(100)は、シールドスリーブ(110)を有し、
前記第2のプラグコネクタ(200)は、シールドブッシング(210)を有し、
前記シールドスリーブ(110)は、外面(130)に、少なくとも部分的に円周方向のビード(140)を有し、
前記シールドブッシング(210)は、複数のばね要素(230)を有し、
前記第1のプラグコネクタ(100)は、前記シールドスリーブ(110)が前記シールドブッシング(210)内に部分的に受け取られ、前記ビード(140)が前記ばね要素(230)に接触するように、前記第2のプラグコネクタ(200)に接続することができ、
前記ばね要素(230)は、前記シールドブッシング(210)の長手方向(211)に向けられたビームとして形成され、
各前記ばね要素(230)は、前記シールドブッシング(210)の開端(220)から反対側を向いている第1の長手方向端(231)と、前記シールドブッシング(210)の前記開端(220)の方を向いている第2の長手方向端(232)とを有しており、
各前記ばね要素(230)は、前記第1の長手方向端(231)で締め付けられており、
それぞれの前記ばね要素(230)は、前記第2の長手方向端(232)で締め付けられており、
前記シールドブッシング(210)は、前記開端(220)に外方屈曲部(240)を有している、
プラグコネクタシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、第1のプラグコネクタおよび第2のプラグコネクタを有するプラグコネクタシステム、ならびに第1のプラグコネクタおよび第2のプラグコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
シールドハウジングを有するプラグコネクタシステムが、従来技術で知られている。そのようなプラグコネクタシステムのプラグコネクタはシールドを有し、これらのシールドは、プラグコネクタ同士が接続されると互いに導電接続される。従来技術から知られているそのようなプラグコネクタシステムの変形形態の場合には、プラグコネクタのうちの一方が、ばね要素を含むシールドブッシングを有する。他方のプラグコネクタは、シールドスリーブを有し、このシールドスリーブを相手プラグコネクタのシールドブッシングに押し込むことができる。この場合には、シールドブッシングのばね要素の先端に配置されたコンタクトビードが、シールドスリーブに電気的に接触する。
しかし、この知られている設計には、シールドスリーブのうちコンタクト領域を越えて突出する部分が、シールドの内部に位置するスプール線を形成するという欠点があり、このスプール線の長さは、シールドスリーブの差込み深さに依存する。この結果、電気特性にとって不利、たとえば高周波特性にとって不利になる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明によって対処する課題は、プラグコネクタシステム、第1のプラグコネクタ、および第2のプラグコネクタを提供することからなる。これらの課題は、請求項1に記載の特徴を有するプラグコネクタシステム、請求項13に記載の第1のプラグコネクタ、および請求項14に記載の第2のプラグコネクタによって解決される。様々な発展形態は、従属請求項に記載する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
プラグコネクタシステムは、第1のプラグコネクタおよび第2のプラグコネクタを備える。第1のプラグコネクタは、シールドスリーブを有する。第2のプラグコネクタは、シールドブッシングを有する。シールドスリーブは、外面に、少なくとも部分的に円周方向のビードを有する。シールドブッシングは、複数のばね要素を有する。第1のプラグコネクタは、シールドスリーブがシールドブッシング内に部分的に受け取られ、ビードがばね要素に接触するように、第2のプラグコネクタに接続することができる。
【0005】
有利には、このプラグコネクタシステムの場合には、第1のプラグコネクタのシールドスリーブと第2のプラグコネクタのシールドブッシングとの間の導電接続が、シールドブッシング内に配置されたシールドスリーブの外面の少なくとも部分的に円周方向のビードによって形成される。その結果、このプラグコネクタシステム内には、シールド内に位置するスプール線が形成されておらず、特に寸法がシールドブッシング内のシールドスリーブの差込み深さに依存するスプール線がない。したがって、このプラグコネクタシステムは、有利には、管理が簡単でありかつプラグコネクタの公差に依存しない電気特性を有することができる。
【0006】
さらなる利点は、ばね要素のコンタクト領域が、ばね要素の内面に配置され、その結果として保護されることからなる。
【0007】
このプラグコネクタシステムのさらなる利点は、ばね要素が第2のプラグコネクタのシールドブッシングに形成されることによる。第2のプラグコネクタのシールドブッシングは第1のプラグコネクタのシールドスリーブを受け取るため、シールドブッシングは、その一部を、第2のプラグコネクタの外側ハウジング内に配置することができる。この場合には、シールドブッシングのばね要素は、有利には、損傷から保護される。
【0008】
一実施形態では、ばね要素は、シールドブッシングの径方向に撓むことができる。その結果、有利には、第1のプラグコネクタのシールドスリーブを第2のプラグコネクタのシールドブッシングに簡単に差し込むことができる。この場合には、シールドブッシングのばね要素は、シールドスリーブの外面の少なくとも部分的に円周方向のビードに押し付けられ、その結果、シールドブッシングとシールドスリーブとの間に導電接続が形成される。
【0009】
一実施形態では、ばね要素は、応力を受けない状態で屈曲している。有利には、その結果、シールドブッシングのばね要素がシールドスリーブのビードに及ぼす押圧力を指定することができる。特定の利点は、シールドスリーブをシールドブッシングに差し込む際に、ばね要素がビードに及ぼす押圧力が実質的に一定のままでありまたは所望の値範囲内にあるように、ばね要素を屈曲させることができる。
【0010】
一実施形態では、ばね要素は、シールドブッシングの長手方向に向けられたビームとして形成される。この場合には、各ばね要素は、シールドブッシングの開端から反対側を向いている第1の長手方向端と、シールドブッシングの開端の方を向いている第2の長手方向端とを有している。有利には、ばね要素のそのような設計は、ばね要素によってシールドスリーブのビードへの導電接続を形成するのに特に非常に好適である。
【0011】
一実施形態では、各ばね要素は、その第1の長手方向端で締め付けられている。これは、各ばね要素が、その第1の長手方向端で、シールドブッシングの他の部分に実質的に均一に密着して接続されていることを意味する。有利には、この結果、シールドブッシングの簡単で頑強な設計が得られる。
【0012】
一実施形態では、各ばね要素は、その第2の長手方向端で締め付けられている。これは、各ばね要素が、その第2の長手方向端で、シールドブッシングの他の部分に実質的に均一に密着して接続されていることを意味する。有利には、この結果、シールドブッシングの簡単で頑強な設計が得られる。
【0013】
一実施形態では、各ばね要素の第2の長手方向端は自由である。これは、ばね要素が、その第2の長手方向端で、シールドブッシングの他の部分から分離されていることを意味する。次いで、ばね要素の第2の長手方向端は、シールドブッシングの他の部分に対して少なくとも部分的に撓むことができる。
【0014】
一実施形態では、シールドブッシングは、その開端に、外方屈曲部を有する。この場合には、第2の長手方向端は、各ばね要素の場合に屈曲部に当たっている。シールドブッシングの屈曲部は、有利には、挿入保持具として働くことができ、第1のプラグコネクタのシールドスリーブを第2のプラグコネクタのシールドブッシングに挿入することを簡略化することができる。シールドブッシングのばね要素の第2の長手方向端がシールドブッシングの屈曲部に当たることで、ばね要素の第2の長手方向端の可撓性を制限し、それによって有利には、第1のプラグコネクタのシールドスリーブを第2のプラグコネクタのシールドブッシングに差し込む際、シールドブッシングのばね要素がシールドスリーブの少なくとも部分的に円周方向のビードに及ぼす力が、差込み深さの変化とともにそれほど変動しないようにすることができる。
【0015】
一実施形態では、第2のプラグコネクタは、外側ハウジングを有する。この場合には、シールドブッシングは、外側ハウジング内に配置される。各ばね要素の第2の長手方向端が外側ハウジングに当たるように、シールドスリーブをシールドブッシングに押し込むことによって、ばね要素を撓ませることができる。有利には、第2のプラグコネクタの外側ハウジングは、第2のプラグコネクタのばね要素に対する保護を与えることができる。有利には、ばね要素の第2の長手方向端が外側ハウジングに当たることで、シールドスリーブをシールドブッシングに差し込む際、ばね要素がシールドスリーブのビードに及ぼす押圧力が、差込み深さの変化とともにそれほど変化しないようにすることができる。
【0016】
一実施形態では、外側ハウジングは、シールドブッシングの方を向いている面に突出部を有する。この場合には、各ばね要素の第2の長手方向端は、外側ハウジングの突出部に当たるようになっている。有利には、この実施形態の場合には、突出部を成形することによって、シールドブッシングのばね要素がシールドスリーブのビードに及ぼす押圧力の経路を構成することが可能である。
【0017】
プラグコネクタシステムの一実施形態では、プラグコネクタシステムは、高周波信号を伝送するように形成されている。有利には、このプラグコネクタの場合には、高周波信号の伝送は、シールドスリーブおよびシールドブッシングによってシールドをもたらすことによって可能になる。
【0018】
プラグコネクタシステムの一実施形態では、プラグコネクタシステムは、指定の最大周波数で高周波信号を伝送するように形成される。この場合には、ビードは、ベースにシールドスリーブの長手方向端から間隔を有する。この間隔は、プラグコネクタシステム内で伝導される最大周波数の波長の5分の1未満、好ましくは波長の10分の1未満である。有利には、このプラグコネクタシステムの場合には、シールドのない領域に実質的なスプール線は形成されない。
【0019】
以下、本発明の上記の特性、特徴、および利点について、図に関連してより詳細に説明する。これらの図で、各場合において概略図で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】シールドスリーブを含む第1のプラグコネクタと、シールドブッシングを含む第2のプラグコネクタとを有するプラグコネクタシステムの部分側面図である。
図2】第1のプラグコネクタのシールドスリーブの斜視図である。
図3】第2のプラグコネクタのシールドブッシングの斜視図である。
図4】第1のプラグコネクタおよび第2のプラグコネクタを相互に差し込んだ際のプラグコネクタシステムの一部分の部分側面図である。
図5】第1のプラグコネクタおよび第2のプラグコネクタを相互に差し込んだ際のプラグコネクタシステムの一部分の部分側面図である。
図6】第1のプラグコネクタおよび第2のプラグコネクタを相互に差し込んだ際のプラグコネクタシステムの一部分の部分側面図である。
図7】第1のプラグコネクタおよび第2のプラグコネクタを相互に差し込んだ際のプラグコネクタシステムの一部分の部分側面図である。
図8】第2のプラグコネクタのシールドブッシングのさらなる変形形態の斜視図である。
図9】第2のプラグコネクタのシールドブッシングのさらなる変形形態の斜視図である。
図10】第1のプラグコネクタのシールドスリーブのさらなる変形形態の斜視図である。
図11】シールドスリーブのこの変形形態の側面図である。
図12】第1のプラグコネクタのシールドスリーブのさらなる変形形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、第1のプラグコネクタ100および第2のプラグコネクタ200を有するプラグコネクタシステム10の概略部分側面図を示す。見やすいように、第1のプラグコネクタ100の一部および第2のプラグコネクタ200の一部のみが図1に示されている。この図は、シールドを保証するプラグコネクタシステム10のシールドハウジングに実質的に制限されている。たとえば、プラグコネクタシステム10は、高周波信号を伝送することを想定することができる。
【0022】
プラグコネクタシステム10の第1のプラグコネクタ100は、シールドスリーブ110を有する。図1は、シールドスリーブ110の一部のみを示す。図2は、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110の一部の斜視図を示す。
【0023】
シールドスリーブ110の基本的な形状は、シールドスリーブ110の長手方向111に沿って延びる中空の円筒管である。この場合には、シールドスリーブ110は、たとえば図2に示すように、円形の断面を有することができる。別法として、シールドスリーブ110はまた、長円形の断面、矩形の断面、または別の断面を有することもできる。シールドスリーブ110の長手方向端120で、シールドスリーブ110は開いている。シールドスリーブ110は、導電性材料、たとえば金属を有する。
【0024】
管状シールドスリーブ110の外側面は、シールドスリーブ110の外面130を形成する。この外面130に、シールドスリーブ110は、円周方向のビード140を有する。ビード140は、厚くした部分として形成され、シールドスリーブ110の外面130の他の部分より上に立ち上がっている。この場合には、ビード140は、外面130の周りに環状に延びており、シールドスリーブ110の長手方向111に対して直角に向けられている。ビード140は、シールドスリーブ110のコンタクト領域を形成する。ビード140は、閉じた環状で外面130を囲むことができる。別法として、ビード140は、円周方向に1つまたは複数の切れ目を有することができ、したがってビード140は、一部のみ円周方向に形成される。
【0025】
ビード140は、シールドスリーブ110の長手方向端120の可能な限り近くに配置されると好都合である。図1および図2に示す例では、ビード140の幅160は、ビード140のベース150で長手方向111に測定される。この場合には、ビード140のベース150は、ビード140のうちシールドスリーブ110の他の外面130に一体になる領域として示されている。さらに、図1および図2の例におけるビード140は、シールドスリーブ110の長手方向端120から間隔165を有し、間隔165は、ビード140のベース150とシールドスリーブ110の長手方向端120との間で長手方向111に測定される。
【0026】
間隔165は、間隔165がプラグコネクタシステム10内で最大周波数で伝導される波長の5分の1未満、またはさらにはこの波長の10分の1未満になるように、プラグコネクタシステム10によって伝送される高周波信号の最大周波数に適合されると好都合である。この場合には、プラグコネクタシステム10によって伝送される高周波信号の最大周波数は、プラグコネクタシステム10内で単一モードで伝送することができる最高周波数とすることができる。
【0027】
プラグコネクタシステム10の第2のプラグコネクタ200は、図1に完全には示されていないシールドブッシング210を有する。図3は、シールドブッシング210の斜視図を示す。
【0028】
シールドブッシング210の基本的な形状は、シールドブッシング210の長手方向211に沿って延びる中空の円筒管である。中空の円筒管の長手方向端は、シールドブッシング210の開端220を形成する。シールドブッシング210は、たとえば図3に示すように、シールドスリーブ110に整合する断面、したがって円形の断面を有する。
【0029】
図1で、第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210は、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110よりやや大きい直径を有することがわかる。その結果、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110を第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210内に少なくとも部分的に受け取ることができる。第1のプラグコネクタ100および第2のプラグコネクタ200が相互に差し込まれることによって、プラグコネクタシステム10の第1のプラグコネクタ100および第2のプラグコネクタ200が互いに接続されている場合、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110は、第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210に部分的に差し込まれる。この場合には、シールドスリーブ110の長手方向端120は、シールドブッシング210の開端220に貫入する。
【0030】
第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210は、複数のばね要素230を有する。ばね要素230は、シールドブッシング210の開端220に配置される。ばね要素230は、シールドブッシング210の長手方向211に沿って向けられたビームとして形成される。この場合には、シールドブッシング210の各ばね要素230が、第1の長手方向端231および第2の長手方向端232を有する。ばね要素230の第1の長手方向端231は、シールドブッシング210の開端220から反対側を向いている。ばね要素230の第2の長手方向端232は、シールドブッシング210の開端220の方を向いている。第1の長手方向端231で、ばね要素230は、シールドブッシング210の他の部分に接続される。その結果、各ばね要素230は、その第1の長手方向端231で締め付けられる。ばね要素230の第2の長手方向端232は、互いにもシールドブッシング210の他の部分にも接続されておらず、その結果として自由である。
【0031】
第1のプラグコネクタ100を第2のプラグコネクタ200に接続する際に、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110が第2のプラグコネクタ200シールドブッシング210内へ押し込まれた場合、シールドスリーブ110の外面130に配置されたビード140が、シールドブッシング210のばね要素230の領域内で、シールドブッシング210の内面225に接触する。これを図1に示す。その結果、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110と第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210との間に導電接続が形成される。
【0032】
第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210のばね要素230は、シールドブッシング210の径方向212に撓ませることができる。第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110のビード140の外径および第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210の内径は、シールドスリーブ110をシールドブッシング210に差し込む際にばね要素230がシールドブッシング210の径方向212に弾性的に撓むように互いに適合される。その結果、シールドブッシング210のばね要素230とシールドスリーブ110のビード140との間の確実な接触を保証することができる。
【0033】
シールドブッシング210のばね要素230がシールドスリーブ110のビード140に及ぼすばね力は、シールドブッシング210へのシールドスリーブ110の差込み深さに対してそれほど変化しないと好都合である。この場合には、シールドブッシング210に差し込む際、シールドブッシング210のばね要素230がシールドスリーブ110のビード140に及ぼす力は、シールドブッシング210内のシールドスリーブ110のすべての位置で実質的に同じままである。シールドブッシング210のばね要素230がシールドスリーブ110のビード140に及ぼすばね力は、接触力と呼ぶこともできる。
【0034】
差込み深さに実質的に依存しない接触力は、たとえば、シールドブッシング210のばね要素230が簡単なビーム形状から逸脱した形状で形成されることから実現することができる。たとえば、シールドスリーブ110をシールドブッシング210に差し込む際のばね要素230の径方向212の撓みが、すべての差込み深さで実質的に一定のままであるように、シールドブッシング210の内面225にばね要素230の外形を作ることができる。別の可能性は、差込み深さに実質的に依存しないばね要素230の復元力を実現するために、その長手方向に沿って可変の厚さまたは幅を有するばね要素230を形成することからなる。
【0035】
図4図7は、第2のプラグコネクタ200のさらに可能な設計を示し、それによって、シールドブッシング210のばね要素230とシールドスリーブ110のビード140との間で、シールドブッシング210へのシールドスリーブ110の差込み深さに実質的に依存しない接触力を実現することができる。各場合には、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110の一部および第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210のばね要素230が示されている。
【0036】
この変形形態では、第2のプラグコネクタ200は、一部のみ示されている外側ハウジング300をさらに有する。シールドブッシング210は、外側ハウジング300内に配置される。外側ハウジング300は、シールドブッシング210の方を向いている内面310を有する。外側ハウジング300の内面310に突出部320が配置されているが、これは省略することもできる。
【0037】
図4図7は、第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210への第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110の差込み深さが図4の図から図7の図へ増分的に増大するように、第1のプラグコネクタ100および第2のプラグコネクタ200を相互に差し込む手順を示す。図4の図では、シールドスリーブ110は、シールドブッシング210にまだ少しも貫入していない。図7に示す配置は、終了位置に対応することができ、したがって第1のプラグコネクタ100および第2のプラグコネクタ200が相互に完全に差し込まれた状態に対応することができる。
【0038】
図5図6、および図7で、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110のビード140が、第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210のばね要素230を第2のプラグコネクタ200の径方向212に撓ませることがわかる。この場合には、ばね要素230の第2の長手方向端232は、外側ハウジング300の内面310に配置された突出部320に当たる。突出部320が存在しない場合、ばね要素230の第2の長手方向端232は、外側ハウジング300の内面310に直接当たるはずである。
【0039】
シールドブッシング210のばね要素230の第2の長手方向端232が外側ハウジング300の内面310に当たる結果、ばね要素230の第2の長手方向端232がシールドブッシング210の径方向212にさらに撓まないことが実現される。その結果、ばね要素230は、シールドブッシング210へのシールドスリーブ110の差込み深さがさらに増大すると、3点変形に応じて変形する。その結果、シールドブッシング210のばね要素230がシールドスリーブ110のビード140に及ぼす接触力が、さらに増大する差込み深さに対して実質的に一定のままであることが実現される。
【0040】
図8は、プラグコネクタシステム10の第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210のさらに可能な設計の図を示す。図を簡単にするために、図8は、伸ばされた状態でシールドブッシング210を示し、シールドブッシング210の円筒形の基本的な形状の側面を伸ばして平板を形成している。実際には、シールドブッシング210は、長手方向211に平行な軸の周りで屈曲して中空の円筒形を形成する。
【0041】
図8に示すシールドブッシング210の変形形態でも、ばね要素230は、第1の長手方向端231で締め付けられており、第2の長手方向端232で自由である。この場合には、ばね要素230は、シールドブッシング210の他の部分からスロット260によって分離される。図8に示すシールドブッシング210の変形形態では、図1および図3に示すシールドブッシング210の変形形態とは対照的に、各場合に隣接するばね要素230間にウエブ270が配置される。その結果、図8に示すシールドブッシング210の変形形態は、大きいねじれ剛性を有することができる。
【0042】
図8に示すシールドブッシング210の変形形態と、図1および図3に示すシールドブッシング210の変形形態とのさらなる違いは、図8に示すシールドブッシング210の変形形態のばね要素230が、応力を受けない状態で、第1の長手方向端231と第2の長手方向端232との間に配置されたばね要素230の中間部分がシールドブッシング210の内部へ突出するように屈曲していることである。
【0043】
図8に示すシールドブッシング210の変形形態は、その開端220に、外方屈曲部240をさらに有する。この外方屈曲部240は、たとえば、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110を第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210に挿入することを容易にする保持具250を形成することができる。
【0044】
図8に示すシールドブッシング210の変形形態のばね要素230は、ばね要素230の第2の長手方向端232が屈曲部240に当たるように屈曲している。その結果、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110をシールドブッシング210に押し込む際、ばね要素230の第2の長手方向端232がシールドブッシング210の径方向212にさらに撓まないことが実現される。その結果、図8に示すシールドブッシング210の変形形態の場合にも、シールドスリーブ110をシールドブッシング210に差し込む際、ばね要素230が3点変形に応じて変形することが実現される。これにより、シールドブッシング210のばね要素230がシールドスリーブ110のビード140に及ぼす接触力が、シールドブッシング210内のシールドスリーブ110の差込み深さにほぼ依存しないことを可能にすることができる。
【0045】
図9は、第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210のさらなる変形形態の図である。図8の図と同様に、図を簡単にするために、図9のシールドブッシング210は、伸ばした形状で示されている。
【0046】
図9に示すシールドブッシング210の変形形態は、ばね要素230の第2の長手方向端232が自由ではなく締め付けられていることから、図1図3、および図8に示すシールドブッシング210の変形形態とは異なる。したがって、ばね要素230の第2の長手方向端232は、第1の長手方向端231と同様に、互いにかつシールドブッシング210の他の部分に実質的に均一に密着して接続される。ばね要素230は、第1の長手方向端231と第2の長手方向端232との間でのみ、スロット260によって互いから分離される。
【0047】
図9に示すシールドブッシング210の変形形態の場合には、応力を受けない状態にあるばね要素230は、第1の長手方向端231と第2の長手方向端232との間に配置されたばね要素230の中間部分が、シールドブッシング210によって囲まれた空間へ突出するように屈曲している。図9に示すシールドブッシング210の変形形態の場合には、ばね要素230間にウエブは形成されない。しかし、ばね要素230間に配置された屈曲していないウエブを有する図9に示すシールドブッシング210の変形形態を形成することも可能である。ばね要素230間にウエブが配置されていない図9に示す変形形態には、シールドブッシング210のばね要素230とシールドスリーブ110のビード140との間に大きいコンタクト領域が形成されるという利点がある。
【0048】
図9に示すシールドブッシング210の変形形態もまた、その開端220に、外方屈曲部240を有する。これは、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110を第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210に挿入することを容易にする働きをすることができる。
【0049】
図10および図11は、プラグコネクタシステム10の第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110のさらに可能な設計の概略図を示す。この場合には、図10は斜視図を示し、図11は側面図を示す。
【0050】
図10および図11に示すシールドスリーブ110の変形形態は、図10および図11に示すシールドスリーブ110の変形形態のビード140が、円周方向に閉じた形状で形成されていないことから、図1および図2に示すシールドスリーブ110の変形形態とは異なる。代わりに、ビード140は、シールドスリーブ110の外面130の一部のみにわたって円周方向に延びる。図10および図11に示す例では、ビード140は2つの部分を備え、2つの部分は、各場合に90°の角度を囲み、各場合に90°の間隙によって互いから隔置される。しかし、ビード140はまた、異なる形でシールドスリーブ110の外面130の周りに部分的に延びる異なる数の部分に細分することもできる。
【0051】
ビード140に加えて、シールドスリーブ110は、図10および図11に示す変形形態では、さらなるビード145を有する。さらなるビード145も同様に、シールドスリーブ110の外面130の周りに円周方向に部分的に延びる。さらなるビード145は、ビード140に対して平行かつシールドスリーブ110の長手方向111に対して直角に向けられている。この場合には、さらなるビード145は、さらなるビード145がビード140よりシールドスリーブ110の長手方向端120から遠くに離れて隔置されるように、シールドスリーブ110の長手方向111にビード140からずれている。
【0052】
図示の例では、さらなるビード145のいくつかの部分は、ビード140のいくつかの部分に対して相補形になるように形成され、したがってさらなるビード145の個々の部分は、シールドスリーブ110の円周方向において、ビード140が間隙を有する角度範囲を正確に覆い、逆も同様である。したがって、図10および図11に示す例では、さらなるビード145は同様に、2つの部分を有し、2つの部分は、各場合に90°の角度を囲み、各場合に90°の間隙によって互いから隔置される。しかし、異なる形でシールドスリーブ110の外面130の周りに部分的に延びる異なる数の部分および異なる寸法の部分を有するさらなるビード145を形成することも可能である。
特に、ビード140のいくつかの部分およびさらなるビード145のいくつかの部分がシールドスリーブ110の円周方向に重複すること、またはシールドスリーブ110の外面130が円周方向に角度部分を有し、これらの角度部分にビード140のいくつかの部分もしくはさらなるビード145のいくつかの部分がどちらも配置されないことも可能である。
【0053】
プラグコネクタシステム10の第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110が、図10および図11に示すように形成された場合、第1のプラグコネクタ100を第2のプラグコネクタ200に接続する際に、第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210のばね要素230のうちのいくつかは、ビード140のいくつかの部分に接触するが、対照的に第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210の他のばね要素230は、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110のさらなるビード145のいくつかの部分に接触する。第1のプラグコネクタ100および第2のプラグコネクタ200を相互に差し込む際、ビード140のいくつかの部分に接触するばね要素230は、さらなるビード145のいくつかの部分に接触するばね要素230より早い段階で撓む。その結果、第1のプラグコネクタ100および第2のプラグコネクタ200を相互に差し込む際に作用する力が、差込み深さにそれほど依存しないことが実現される。
【0054】
図12は、プラグコネクタシステム10の第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110のさらに可能な設計の概略斜視図を示す。
【0055】
図12に示すシールドスリーブ110の変形形態の場合には、ビード140は、シールドスリーブ110の外面130に、円周方向に閉じた形状で形成される。しかし、この変形形態のビード140は、シールドスリーブ110の長手方向111に対して直角に向けられていない。代わりに、ビード140は、シールドスリーブ110の円周方向において、ビード140のいくつかの部分がビード140の他の部分よりシールドスリーブ110の長手方向端120の近くに配置されるように形成される。
【0056】
プラグコネクタシステム10の第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110が、図12に示す例と同様に形成された場合、第1のプラグコネクタ100および第2のプラグコネクタ200を相互に差し込む際、第2のプラグコネクタ200のシールドブッシング210のばね要素230のいくつかは、シールドブッシング210の他のばね要素230より早い段階で、第1のプラグコネクタ100のシールドスリーブ110のビード140によって撓む。その結果、図12に示すシールドスリーブ110の構成でも、第1のプラグコネクタ100および第2のプラグコネクタ200を相互に差し込む際に生じる力が、相互に差し込む際にそれほど変化しないことが実現される。
【0057】
また、記載する第1のプラグコネクタを、記載する第2のプラグコネクタ以外のプラグコネクタに接続して、プラグコネクタシステムを形成することもできる。
【0058】
また、記載する第2のプラグコネクタを、記載する第1のプラグコネクタ以外のプラグコネクタに接続して、プラグコネクタシステムを形成することもできる。
【符号の説明】
【0059】
10 プラグコネクタシステム
100 第1のプラグコネクタ
110 シールドスリーブ
111 シールドスリーブの長手方向
120 シールドスリーブの長手方向端
130 外面
140 ビード
145 さらなるビード
150 ベース
160 幅
165 間隔
200 第2のプラグコネクタ
210 シールドブッシング
211 シールドブッシングの長手方向
212 シールドブッシングの径方向
220 シールドブッシングの開端
225 内面
230 ばね要素
231 第1の長手方向端
232 第2の長手方向端
240 屈曲部
250 保持具
260 スロット
270 ウエブ
300 外側ハウジング
310 内面
320 突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12