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特許7566502撮像装置、画像撮影処理方法、プログラムおよび記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】撮像装置、画像撮影処理方法、プログラムおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20241007BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20241007BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20241007BHJP
【FI】
H04N23/60 300
G03B17/18
H04N23/60 100
H04N23/63
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020108404
(22)【出願日】2020-06-24
(65)【公開番号】P2022006256
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 砂都子
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-257918(JP,A)
【文献】特開2005-031235(JP,A)
【文献】特開2015-162897(JP,A)
【文献】特開2007-166250(JP,A)
【文献】特開2012-042720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
H04N 23/63
G03B 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の情報処理装置と通信する通信手段と、
前記通信を介して、撮像処理を制御するための指示を前記第1の情報処理装置から受信する第1受信手段と、
前記通信を介して、前記撮像処理により得られたライブビュー画像を前記第1の情報処理装置へ送信する送信手段と、
前記ライブビュー画像に重畳して表示された図形画像と対応するガイドラインに関する補助情報を前記第1の情報処理装置から受信する第2受信手段と、
撮影指示に応答して、前記撮像処理により得られた画像データを含む画像ファイルを生成する生成手段と、
前記生成された画像ファイルを、前記補助情報に関連付けて記憶する記憶手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記図形画像は、グリッド線または水準線である
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記補助情報は、前記図形画像の種別、測距または焦点の情報のうち少なくとも1つを示す情報である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記生成された画像ファイルに、前記補助情報に加えて、前記第1の情報処理装置から前記撮影指示を受けて撮影されたことを示すフラグをメタデータとして記憶する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記画像ファイルは、前記第1の情報処理装置とは異なる第2の情報処理装置により受信され、
前記補助情報と対応する構図を示す情報が前記第2の情報処理装置により、前記第1の情報処理装置及び前記第2の情報処理装置とは異なる第3の情報処理装置へ配信される
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記通信手段は、さらに、前記第2の情報処理装置と通信し、
前記送信手段は、前記画像ファイルを、前記第2の情報処理装置または、前記第2の情報処理装置と通信可能な前記第3の情報処理装置へ送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
第1の情報処理装置と通信するステップと、
前記通信を介して、撮像処理を制御するための指示を前記第1の情報処理装置から受信するステップと、
前記通信を介して、前記撮像処理により得られたライブビュー画像を前記第1の情報処理装置へ送信するステップと、
前記ライブビュー画像に重畳して表示された図形画像と対応するガイドラインに関する補助情報を前記第1の情報処理装置から受信するステップと、
撮影指示に応答して、前記撮像処理により得られた画像データを含む画像ファイルを生成するステップと、
前記生成された画像ファイルを、前記補助情報に関連付けて記憶手段に記憶するステップ
を備えることを特徴とする画像撮影処理方法。
【請求項8】
コンピュータを請求項1から6のいずれか項に記載の撮像装置の各手段として機能させるプログラム。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から6のいずれか項に記載の撮像装置の各手段として機能させるプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、画像撮影処理方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォンなどの普及によって、誰でも手軽に撮影ができるようになった。また、ソーシャルネットワークサービス(SNS)の普及によって、ユーザは、撮影したコンテンツを気軽にインターネット経由で共有できるようになった。そのため、綺麗で見栄えのよい画像を撮影してアップロードしたいという要望が高まっている。Web上では、ユーザが撮影画像をアップロードし、撮影テクニックを説明するサイトが提供されている。
【0003】
撮影テクニックを支援する技術として、例えば、特許文献1は、被写体の構図を決定する際に参照する構図テンプレートを当該被写体の画像に重畳して表示する技術を開示する。また、特許文献2は、画像の画素情報の分布から分割線を検出し、対称度から画像の構図を構図パターンに分類する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-166250号公報
【文献】特開2012-42720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザは、構図テンプレート等を利用することにより構図を工夫して撮影しても、撮影した画像を見て、撮影時の状況および構図の意図を思い出しながら、画像の構図の説明をするのは難しい。すなわち、ユーザがどの構図テンプレートを使用して撮影したか覚えていない場合には、後で撮影画像の構図を分かりやすく説明することは困難である。また、撮影画像の画素情報の分布から構図を解析しても、撮影時の構図に関するユーザの意図は、解析結果に反映されない場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、撮影者が撮影画像の撮影時に意図していた構図をより正確に再現する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、
第1の情報処理装置と通信する通信手段と、
前記通信を介して、撮像処理を制御するための指示を前記第1の情報処理装置から受信する第1受信手段と、
前記通信を介して、前記撮像処理により得られたライブビュー画像を前記第1の情報処理装置へ送信する送信手段と、
前記ライブビュー画像に重畳して表示された図形画像と対応するガイドラインに関する補助情報を前記第1の情報処理装置から受信する第2受信手段と、
撮影指示に応答して、前記撮像処理により得られた画像データを含む画像ファイルを生成する生成手段と、
前記生成された画像ファイルを、前記補助情報に関連付けて記憶する記憶手段と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮影者が撮影画像の撮影時に意図していた構図をより正確に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1に係るシステムの構成を例示する図である。
図2】実施形態1に係る撮像装置の構成を例示する図である。
図3】実施形態1に係る情報処理装置の構成を例示する図である
図4】実施形態1に係る画像撮影処理を例示するフローチャートである。
図5】実施形態1に係るガイドライン情報を説明する図である。
図6】実施形態1に係る画像公開準備処理を例示するフローチャートである。
図7】実施形態1に係る構図情報入力画面の例である。
図8】実施形態1に係るガイドライン情報を説明する図である。
図9】実施形態1に係る構図情報入力画面の他の例である。
図10】実施形態2に係るシステムの構成を例示する図である。
図11】実施形態2に係るPCの構成を例示する図である
図12】実施形態2に係るPCの動作を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、本発明が適用される装置の構成および各種条件によって適宜修正または変更されてもよい。
【0011】
<実施形態1>
(システム構成)
図1は、実施形態1に係るシステムの構成を例示する図である。画像の撮影者であるユーザ110は、デジタルカメラなどの撮像装置200で画像を撮影する。ユーザ110は、画像を公開するためのアプリケーションプログラム(以下、画像公開アプリとも称する)により、撮影画像をインターネット101を経由して情報処理装置300上にアップロードする。ユーザ110は、パーソナルコンピュータ(PC)102上で、画像をアップロードしたり、画像の説明を入力して公開したりすることができる。
【0012】
画像の閲覧者である閲覧ユーザ111は、表示装置としてのPC103またはスマートフォン等のモバイルデバイス104で、インターネット101を経由して、情報処理装置300にアクセスする。閲覧ユーザ111は、公開された画像および構図の説明等をPC103によって受信し、表示することで閲覧することができる。
【0013】
(撮像装置のハードウェア構成)
図2は、実施形態1に係る撮像装置200の構成を例示する図である。撮像装置200は、例えば、カメラ、スマートフォン、タブレットデバイスまたはパーソナルコンピュータなどの撮像機能を搭載した電子機器である。
【0014】
制御部201は、撮像装置200全体を制御する。制御部201は、入力された信号、および不揮発性メモリ203に記録されたプログラムに従って撮像装置200の各部を制御する。なお、制御部201に代えて、複数のハードウェアが処理を分担することにより撮像装置200全体を制御してもよい。
【0015】
撮像部202は、レンズユニットによって結像される被写体光をアナログの電気信号に変換し、当該アナログの電気信号に対してA/D変換等を行うことによってデジタルの信号を生成する。撮像部202は、生成されたデジタルの信号に対してノイズ低減処理等を行うことによって画像ファイルを生成し、生成した画像ファイルを出力する。撮像部20
2から出力される画像ファイルは、バッファメモリとして機能する作業用メモリ204に一時的に保持される。制御部201は、画像ファイルに対して所定の画像処理を行い、所定の画像処理が施された画像ファイルを記録媒体210に記録する。
【0016】
不揮発性メモリ203は、電気的に記録および消去可能な不揮発性のメモリである。不揮発性メモリ203は、制御部201が実行する基本的なソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)、およびOSと協働して応用的な機能を実現するアプリケーションを記録する。不揮発性メモリ203は、画像ファイルを編集するためのアプリケーションプログラム(以下、画像編集アプリとも称する)を格納する。
【0017】
作業用メモリ204は、撮像部202から出力される画像ファイルを一時的に保持し、表示部206に表示するための作業用メモリとして使用される。また、作業用メモリ204は、制御部201の作業領域等として使用される。
【0018】
操作部205は、撮像装置200に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部205は、例えば、ユーザが撮像装置200の電源のON/OFFを指示するための電源ボタン、および表示部206に備えられるタッチパネルなどの操作部材を含む。
【0019】
操作部205の一つであるタッチパネルは、表示部206に対する接触を検知することができる。タッチパネルは、表示部206と一体的に構成することができる。例えば、タッチパネルは、光の透過率が表示部206の表示を妨げないように構成され、表示部206の表示面の上層に取り付けられる。タッチパネルにおける入力座標は、表示部206上の表示座標と対応付けられる。これにより、ユーザが表示部206上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIが実現される。制御部201は、タッチパネルへの以下の操作、あるいは状態を検出できる。
・タッチパネルを指やペンで触れたこと(以下、タッチダウンと称する)。
・タッチパネルを指やペンで触れている状態であること(以下、タッチオンと称する)。・タッチパネルを指やペンで触れたまま移動していること(以下、ムーブと称する)。
・タッチパネルへ触れていた指やペンを離したこと(以下、タッチアップと称する)。
・タッチパネルに何も触れていない状態(以下、タッチオフと称する)。
【0020】
これらの操作・状態や、タッチパネル上に指やペンが触れている位置座標は内部バスを通じて制御部201に通知され、制御部201は通知された情報に基づいてタッチパネル上にどのような操作が行われたかを判定する。ムーブについてはタッチパネル上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。
【0021】
フリックは、タッチパネル上に指を触れたまま、ある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作である。フリックは、言い換えればタッチパネル上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる。
【0022】
ドラッグは、所定距離以上を、所定速度未満でムーブする操作である。タップ操作は、指やペンなどで軽くタッチパネルをたたく操作である。タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものであってもよい。
【0023】
表示部206は、画像データ、対話的な操作のための文字などを表示する。なお、撮像装置200は、表示部206を備えていなくてもよい。この場合、撮像装置200は、表
示部を有する外部装置に接続され、外部装置の表示部への表示処理を制御する表示制御機能を有していればよい。
【0024】
記録媒体210は、画像ファイルなどを記録することができる。記録媒体210は、撮像装置200に着脱可能に構成されてもよく、撮像装置200に内蔵されていてもよい。すなわち、撮像装置200は少なくとも記録媒体210にアクセスする手段を有していればよい。なお、画像ファイル(撮影画像のファイル)は、メタデータ(メタ情報)、サムネイル画像データ、原画像データ(撮影画像)等を含む。原画像データは例えば、RAW形式のデータ、またはサムネイル画像データよりも大きなサイズのJPEG形式のデータである。
【0025】
通信部211は、外部装置と接続するためのインタフェースである。撮像装置200は、通信部211を介して、外部装置とデータのやりとりを行うことができる。通信部211は例えばアンテナである。制御部201は、アンテナを介して外部装置と接続することができる。通信部211は、IEEE802.11の規格に従った、いわゆる無線LANで、外部装置と通信するためのインタフェースを含む。制御部201は、通信部211を制御することで外部装置との無線通信を実現する。なお、通信部211による通信方式は、無線LANに限定されるものではなく、例えば赤外通信方式も含む。
【0026】
通信部212は、外部装置と接続するためのインタフェースである。撮像装置200は、通信部212を介して、外部装置とデータのやりとりを行うことができる。例えば、外部装置は、撮像装置200が生成した画像ファイルを、通信部212を介して受信することができる。通信部212は、IEEE802.15.1の規格に従った、いわゆるBluetooth(登録商標)で、外部装置と通信するためのインタフェースを含む。制御部201は、通信部212を制御することで外部装置との無線通信を実現する。なお、通信方式は、Bluetoothに限定されるものではなく、例えば、IEEE802.11の規格で知られる無線LAN、または赤外通信方式を含んでもよい。また、撮像装置200と外部装置との間の接続は、無線接続に限定されるものではなく、有線接続であってもよい。例えば、USBケーブル、HDMI(登録商標)ケーブル、IEEE1394ケーブル等によって、撮像装置200と外部装置とを有線接続してもよい。
【0027】
公衆網接続部213は、公衆無線通信を行う際に用いられるインタフェースである。スマートフォン等の通話機能を有する撮像装置200は、公衆網接続部213を介して、他の機器との通話およびデータ通信をすることができる。制御部201は、マイク214やスピーカ215を介して音声信号の入力や出力を行うことによって、音声通話を実現する。公衆網接続部213は、例えばアンテナである。制御部201は、公衆網接続部213を介して、公衆網に接続することができる。なお、通信部211および公衆網接続部213は、それぞれ独立したハードウェア構成である場合に限られず、例えば、1つのアンテナを共用する構成であってもよい。
【0028】
(情報処理装置のハードウェア構成)
図3は、実施形態1に係る情報処理装置300の構成を例示する図である。情報処理装置300は、単一のコンピュータ装置で実現されてもよく、複数のコンピュータ装置に各機能を分散して実現されるようにしてもよい。情報処理装置300が複数のコンピュータ装置で構成される場合、各コンピュータ装置は、互いに通信可能となるようにLocal
Area Network(LAN)などの通信回線で接続される。
【0029】
制御部301は、情報処理装置300全体を制御する。制御部301は、例えばCentral Processing Unit(CPU)である。Read Only Memory(ROM)302は、変更されないプログラムおよびパラメータを格納する。
Random Access Memory(RAM)303は、外部装置などから供給されるプログラムおよびデータを一時的に記憶する。
【0030】
記憶装置304は、情報処理装置300に固定して設置されたハードディスクまたはメモリカードなどであり、Operating System(OS)およびアプリケーションソフトウェアなどのプログラムを格納する。また、記憶装置304は、ユーザがアップロードした画像ファイル、およびユーザが入力または編集した撮影画像の説明等を格納する。また、記憶装置304は、撮像装置200の機種ごとのガイドラインに関する情報を格納する。
【0031】
入力インタフェース305は、ユーザからの操作およびデータの入力を受け付けるポインティングデバイスまたはキーボードなどの入力装置を接続するためのインタフェースである。
【0032】
Bit Move Unit(BMU)306は、メモリ間のデータ転送、メモリと各I/Oデバイスとの間のデータ転送等、種々のデータ転送を制御する。メモリ間のデータ転送は、例えば、Video RAM(VRAM)307と他のメモリとの間のデータ転送である。メモリと各I/Oデバイスとの間のデータ転送は、例えば、メモリとネットワークインタフェース309との間のデータ転送である。
【0033】
VRAM307は、表示部311に表示する画像を記録する。VRAM307に記録された画像は、所定の規定に従って表示部311に転送されることにより、表示部311に表示される。なお表示部311は、外部の表示装置であってもよい。例えば、アプリケーションソフトウェアの各画面は、インターネット101を経由して、PC102、PC103またはモバイルデバイス104に送信され、それぞれの表示部に表示される。
【0034】
ネットワークインタフェース309は、インターネットなどの通信回線310を介して、撮像装置200等の外部装置に接続するためのインタフェースである。システムバス312は、各デバイス間の信号の送受信に使用される。
【0035】
(画像撮影処理)
図4および図5を参照して、画像撮影処理について説明する。ユーザは、撮像装置200でガイドラインを利用して構図を決定し撮影することができる。本実施形態において、ガイドラインは、ユーザが構図を決定しやすくするために、撮影準備処理中に撮像装置200の表示部206に表示される、画面を複数の領域に分割するグリッド線や任意の線や図形などの撮影補助の情報(以下、撮影補助情報)である。撮像装置200は、ユーザが構図決定のために使用したガイドラインを示すガイドライン情報を、撮影画像の画像ファイルにメタデータとして記録する。メタデータが記録された画像ファイルは、情報処理装置300に送信(アップロード)される。画像ファイルに記録されたメタデータは、情報処理装置300により撮影画像の構図の判定に用いられる。なお、撮影補助情報は、画像ファイルに関連付けて記録されていればよく、上述のようなメタデータに限らず、画像ファイルとは独立したデータとして、画像ファイルに関連付けて記録されていてもよい。
【0036】
図4は、撮像装置200の画像撮影処理の動作を例示するフローチャートである。図4に示す画像撮影処理は、撮像装置200に電源が供給され、ユーザから操作部205により撮影設定のメニューが表示された後、開始される。
【0037】
ステップS401では、制御部201は、撮影準備処理中に使用するガイドラインを設定する。具体的には、制御部201は、複数のガイドラインのうちいずれかを操作部205によるユーザの操作に応答して設定する。制御部201は、表示部206に図5(A)
に示すガイドライン設定画面500を表示する。
【0038】
図5を参照して、ガイドライン設定画面500および撮影準備処理中に使用されるガイドラインの情報(以下、ガイドライン情報とも称する)について説明する。図5は、実施形態1に係る撮像装置200のガイドライン情報を説明する図である。ここで、ガイドライン情報は、ガイドラインの種別や、ガイドラインを表す線の角度および位置を示す座標などを示す情報である。図5(A)は、撮像装置200のガイドライン設定画面500を例示する。ユーザは、ガイドライン設定画面500で、撮影準備処理中に使用するガイドラインを設定する。
【0039】
ユーザは、ガイドライン表示の設定候補502から設定候補507までの選択肢から撮影したい構図に適したガイドラインの種別を選択する。ユーザは、選択したガイドラインを、撮影に使用するガイドラインとして設定することができる。
【0040】
設定候補502は、ガイドラインを使用しないことを設定する。設定候補503は、十字線のガイドラインを使用することを設定する。設定候補504は、9分割のガイドラインを使用することを設定する。設定候補505は、24分割のガイドラインを使用することを設定する。設定候補506は、対角線のガイドラインを使用することを設定する。設定候補507は、ポートレート用にガイドラインとして中心に円を表示することを設定する。なお、ガイドラインの設定候補は、これらの6つに限られない。ガイドラインの設定候補は、画面を格子状の線で区切るグリッド表示、水準線表示等を含んでも良い。
【0041】
プレビュー領域501は、ユーザが設定したガイドラインの種別と対応する図形画像をサンプル画像に合成した合成画像を表示する領域である。図5(A)の画面例では対角線の設定候補506が選択されており、プレビュー領域501は、サンプル画像に対角線のガイドラインと対応する図形画像を合成して表示する。図形画像は、例えば、プレビュー領域501の画面を分割するグリッド線、画面に表示される円または三角形である。
【0042】
図5(B)は、情報処理装置300で用意されているサンプル構図を説明する図である。図5(C)は、撮像装置200のガイドラインと情報処理装置300のサンプル構図との対応関係を説明する図である。サンプル構図は、撮影画像とともに閲覧ユーザ111に提示される撮影画像の構図を示す情報である。閲覧ユーザ111は、サンプル構図を参考にして撮影することで、所望の撮影画像と同様の構図の撮影画像を新たに得ることができる。
【0043】
ユーザが撮影に使用するガイドラインの種別は、撮像装置200によって異なる。これに対し、情報処理装置300は、撮影に使用した撮像装置200の機種に関わらず共通のサンプル構図を用いて提示する。情報処理装置300は、共通のサンプル構図を用いるために、各撮像装置200に用意されたガイドラインの設定候補と、サンプル構図との対応関係の情報を記憶装置304に保持する。
【0044】
図5(B)は、情報処理装置300で用意されているサンプル構図の一覧を例示する。構図511は、特定の構図情報がない場合である。構図512は、上下に三分割する構図である。構図513は、左右に三分割する構図である。構図514は、中央に配置される円で分割する日の丸の構図である。構図515は、縦に二分割する構図である。構図516は、横に二分割する構図である。構図517は、右上から左下への斜線で斜めに分割する構図である。構図518は、左上から右下への斜線で斜めに分割する構図である。構図519は中央に配置される山型の三角形で分割する構図である。構図520は、中央に配置される谷型の三角形で分割する構図である。
【0045】
図5(C)は、各撮像装置200で用意されているガイドラインと、情報処理装置300用意されているサンプル構図との対応関係を例示する対応テーブル530である。対応テーブル530は、撮像装置200の機種ごとに定義され、記憶装置304(記憶部)に格納される。対応テーブル530の「ガイドライン設定」の列は、撮像装置200で設定可能なガイドラインの設定候補を格納する。「構図」の列は、情報処理装置300で準備されているサンプル構図の種別のうち、撮像装置200のガイドライン設定に対応する構図の種別を格納する。
【0046】
例えば、撮像装置200の対角線のガイドライン(設定候補506)は、右上から左下への斜線で斜めに分割する構図517、左上から右下への斜線で斜めに分割する構図518、中央に配置される円で分割する日の丸の構図514に対応づけられる。情報処理装置300は、これらの対応関係に基づいて、撮影画像の構図を判定する。
【0047】
図4のステップS402では、制御部201は、撮影準備処理を実行してライブビュー画像を取得し、ステップS401で設定されたガイドラインと対応する図形画像を重畳して表示部206に表示する。以下の画像撮影処理では、ガイドライン設定画面500で、対角線のガイドラインが設定されたものとして説明する。なお、ここで、撮影準備処理は、撮像装置200の操作部205に含まれるシャッターボタンが半押しされた場合に、撮像装置200で行われる処理のことである。撮影準備処理では、制御部201により、撮像部208の撮像素子、A/D変換部、光学系が制御され、オートフォーカス処理、オート露出処理が行われる。また、撮影準備処理には、例えばフラッシュプリ発光処理、オートホワイトバランス処理、防振処理等も含まれる。
【0048】
制御部201は、ユーザがガイドライン設定画面500で設定したガイドラインの情報を不揮発性メモリ203に記録する。図5(A)の例では、制御部201は、対角線のガイドラインを示すガイドライン情報を不揮発性メモリ203に記録する。
【0049】
制御部201は、ファインダーまたはライブビュー表示画面等の表示部206に、ステップS402で設定された対角線ガイドラインを合成したライブビュー画像を表示する。ユーザは、ガイドラインとともにライブビュー画像全体の構図を見て、撮像装置200の位置を変更したり、ズーム倍率を変更したりしながら、被写体の位置をガイドラインに合わせて変更することで、容易に所望の構図で撮影することができる。
【0050】
ステップS403では、制御部201は、撮像処理を実行する。ここで、撮像処理とは、撮像装置の200の操作部205に含まれるシャッターボタンが全押しされた場合に行われる処理である。撮像処理では、撮像部202において撮像素子から出力されたアナログデータがA/D変換部でデジタルデータに変換された後、圧縮処理等を実行して撮影画像データが生成され、当該撮影画像データを含む画像ファイルが作業用メモリ204に記録される。なお、撮影画像データには、撮影準備処理中に重畳して表示されていたガイドラインの図形画像は合成されていない。
【0051】
ステップS404では、制御部201は、撮像装置200に関する情報や撮影日時等の撮影情報およびガイドライン情報を、作業用メモリ204に記録された画像ファイルのメタデータとして記録する。すなわち、画像ファイルは、撮像装置200の種別および撮影準備処理中に使用されたガイドラインの種別の情報を含む。また、制御部201は、撮影画像のサムネイル画像もメタデータとして画像ファイルに記録する。そして、制御部201は、メタデータが記録された画像ファイルを記録媒体210に保存する。
【0052】
ステップS405では、制御部201は、ユーザから操作部205により画像のアップロードの指示を受け付け、メタデータが記録された画像ファイルを情報処理装置300に
アップロード(送信)する。制御部201は、作業用メモリ204または記録媒体210に記録されたメタデータを含む画像ファイルを、情報処理装置300にアップロードすればよい。制御部201は、通信部211または公衆網接続部213からインターネットを経由して、画像ファイルを情報処理装置300にアップロードすることができる。画像ファイルのアップロードが完了すると、図4に示す画像撮影処理は終了する。なお、制御部201は、通信部211を介してPC102に接続して画像ファイルを送信し、PC102が画像ファイルを情報処理装置300にアップロードしてもよい。
【0053】
(画像公開準備処理)
図6を参照して、画像公開準備処理について説明する。画像公開準備処理では、情報処理装置300は、アップロードされた画像ファイルを解析し、ガイドライン情報に基づき、撮影画像の構図を判定する。ユーザは、情報処理装置300による構図の判定結果から、撮影時に意図していた構図を容易に思い出すことができ、撮影画像の構図に関する情報を入力することができる。ユーザが構図の説明の入力を完了すると、情報処理装置300は、公開が許可された撮影画像とその構図に関する情報をネットワークを介して他のユーザのPCに配信することによって公開する。
【0054】
図6は、実施形態1に係る情報処理装置300の画像公開準備処理を例示するフローチャートである。情報処理装置300の制御部301は、所定のアプリケーションソフトウェアを、記憶装置304からRAM303に読み出して起動する。制御部301は、所定のアプリケーションソフトウェアの指示に従い、RAM303上の画像ファイルおよび対応テーブル530等を参照して、画像公開準備処理を実行する。図6に示す画像公開準備処理は、ユーザから操作部205により画像公開の指示を受け付けることにより開始される。
【0055】
ステップS601では、制御部301は、インターネット101等の通信回線を経由して、公開対象の画像ファイルを撮像装置200またはPC102から受信する。制御部301は、受信した画像ファイルをRAM303に記録する。
【0056】
ステップS602では、制御部301は、受信した画像ファイルに記録されたメタデータを解析する。制御部301は、画像ファイルのメタデータから、撮像装置200の情報およびガイドライン情報、サムネイル画像を取得する。制御部301は、メタデータから取得した情報をRAM303に記録する。
【0057】
なお、サムネイル画像は、図4のステップS404で撮像装置200が生成して画像ファイルに記録するものとして説明するが、これに限られない。サムネイル画像は、撮像装置200では生成されず、情報処理装置300が受信した画像ファイルの撮影画像から生成してもよい。
【0058】
ステップS603では、制御部301は、ステップS602で取得した情報に基づいて撮影画像の構図を判定する。具体的には、制御部301は、RAM303に記録された撮像装置200の情報から撮像装置200の種別を取得する。制御部301は、撮像装置200の種別に応じた対応テーブル530を参照して、ガイドライン情報に対応するサンプル構図の候補を判定結果として取得する。すなわち、制御部301は、ステップS603において、撮影画像の構図の種別を判定する。
【0059】
図5(C)に例示する対応テーブル530では、撮影準備処理中に使用したガイドラインが対角線のガイドラインである場合、サンプル構図の候補は、日の丸構図514、斜め構図(右上・左下)517、斜め構図(左上・右下)518である。
【0060】
ステップS604では、制御部301は、表示部311に構図情報入力画面を表示し、ステップS603で判定結果として取得したサンプル構図の候補を、撮影画像の想定される構図として識別可能な態様で表示する。これにより、制御部301は、サンプル構図の候補がユーザに分かるように提示することができる。すなわち、制御部301は、ステップS602で画像ファイルのメタデータから取得した撮像装置200の情報およびガイドライン情報等に基づき、撮影画像の想定される構図を、構図情報入力画面に初期値として表示する。
【0061】
図7は、実施形態1に係る情報処理装置300の構図情報入力画面700の例である。構図情報入力画面700は、ユーザが公開する画像の構図に関する情報を入力するための画面である。構図情報入力画面700には、ステップS602で取得した撮像装置200の情報およびガイドライン情報が予め表示される。ユーザは、構図情報入力画面700に表示された内容を参照して、公開する撮影画像の構図に関する情報を編集および入力することができる。
【0062】
タイトル701は、公開する画像のタイトルを入力する欄である。タイトル701は、初期値として、画像ファイルのファイル名を表示してもよい。説明のテーマ702は、公開する撮影画像について説明する撮影補助の情報の種別を表示する。構図情報入力画面700では、説明のテーマ702は、「構図」を表示する。
【0063】
撮影カメラ703は、撮影画像を撮影した撮影デバイスの機種名を表示する。撮影デバイスの機種名は、ステップS602で画像ファイルのメタデータから取得した撮像装置200の情報から取得可能である。
【0064】
ガイドライン704は、撮影画像の撮影に使用されたガイドラインの種別を表示する。ガイドラインの種別は、ステップS602で画像ファイルのメタデータから取得したガイドライン情報に含まれる。
【0065】
画像表示領域705は、撮影画像のサムネイルと、サンプル構図一覧706で選択された構図を表す図形画像とを合成した合成画像を表示する。なお、サンプル構図を表す図形画像は、あらかじめ記憶装置304に記録されているものとする。
【0066】
サンプル構図一覧706は、情報処理装置300が提供するサンプル構図の一覧を表示する。サンプル構図一覧706では、ステップS603で判定された撮影画像の構図(サンプル構図の候補)が初期値として選択された状態で表示される。選択された構図は、例えば、図7に示すように太く強調表示することで、ユーザに識別可能に提示することができる。ユーザは、提示されたサンプル構図を参考にして撮影時の構図の説明を入力したり、サンプル構図一覧706の中から他のサンプル構図へ選択を変更したりすることができる。なお、ユーザがサンプル構図一覧706の選択を変更した場合、変更後の構図は、撮影画像と対応付けてRAM303(記憶装置304)に記録される。
【0067】
なお、ステップS603で判定されたサンプル構図の候補が複数ある場合、サンプル構図一覧706は、複数の構図のうちのいずれかを選択状態とし、他の候補についても候補であることが分かる態様で表示する。例えば、他の候補は、太字による強調表示に加え、点滅表示されるようにしてもよい。また、サンプル構図の候補に含まれない構図は、ユーザによる構図選択の入力補助を目的として、グレーアウト表示により選択されないようにしてもよい。なお、複数の候補のうち選択状態とする構図は、例えば、撮影画像の画素値の分布から構図を解析し、解析した構図と最も一致度の高いサンプル構図とすることができる。
【0068】
画像公開ボタン707は、ユーザが画像の公開を指示するための操作ボタンである。構図708は、サンプル構図一覧706で選択された構図の種別名を表示する。説明入力欄709は、撮影時の構図の意図および被写体と構図との関係等の説明をユーザが入力する欄である。ユーザは、サンプル構図一覧706で初期値として選択されたサンプル構図の候補から、撮影時の構図の意図を容易に思い出すことができる。したがって、ユーザは、公開する撮影画像に対して構図に関する適切な説明を入力することができる。
【0069】
図6のステップS605では、制御部301は、サンプル構図一覧706の入力状態を監視し、ユーザからの構図に関する入力を待機する。制御部301は、ユーザの入力が完了したか否かを判定する。例えば、制御部301は、サンプル構図一覧706に対してユーザから所定時間操作がなかった場合、または選択中の構図が変更された場合に、ユーザの入力が完了したと判定することができる。また、構図情報入力画面700に構図選択完了を指示するボタン(不図示)を表示し、制御部301は、構図選択完了を指示するボタンの操作を受け付けた場合にユーザの入力が完了したと判定するようにしてもよい。ユーザの入力が完了すると、制御部301は、選択中の構図の情報をRAM303に記録する。ユーザの入力が完了した場合、処理はステップS606に進み、ユーザの入力が完了していない場合、処理はステップS605に戻る。
【0070】
ステップS606では、制御部301は、ステップS605でサンプル構図一覧706の構図が変更された場合、ユーザに選択された構図を強調表示する。また、制御部301は、画像表示領域705に表示している画像のサムネイルを、変更後の構図を表す図形画像と合成して画像表示領域705に表示する。また、制御部301は、構図708にサンプル構図一覧706で選択されている構図の種別を表示する。
【0071】
ステップS607では、制御部301は、画像公開ボタン707の操作を受け付けた場合に、撮影画像および構図の説明の情報について公開を許可する状態であることを示す情報に関連付けて記憶装置304に記憶する。なお、ユーザが、サンプル構図一覧706から候補以外の構図を選択した場合、制御部301は、警告を表示して、ユーザに構図の確認を求めてもよい。
【0072】
以上、制御部301は、画像および構図の説明等を公開を許可する状態にして、図6に示す画像公開準備処理を終了する。情報処理装置300は、第三者(閲覧ユーザ111)のPC103から画像公開の要求があった場合、公開が許可されている撮影画像および構図の説明の情報をネットワークを介してPC103に送信することによって、ユーザ111に提示することができる。
【0073】
なお、ステップS603において、サンプル構図の候補が複数存在し、ユーザがいずれの候補も選択せずに画像公開を指示した場合、制御部301は、複数の候補の構図から確度の高いものを自動で選択してもよい。また、例えば、図5(C)に示す対応テーブル530に優先度の列を追加して、ガイドラインごとにサンプル構図の優先度を設定し、複数の候補のうち優先度の高い候補が自動で選択されるようにしてもよい。また、撮影画像の画素値の分布から構図を解析し、解析した構図と最も一致度の高い候補が自動で選択されるようにしてもよい。
【0074】
また、制御部301は、ステップS603でガイドライン情報に基づいて撮影画像の構図を判定するが、これに限られない。例えば、制御部301は、画像ファイルに記録された顔、人体および物体の認識結果を示すガイド枠などの情報を組み合わせて撮影画像の構図を判定してもよい。構図の判定に用いられる情報は、画像ファイルに記録されていればよい。
【0075】
また、構図の判定は、ステップS603で情報処理装置300が判定する場合に限られない。撮影画像の構図は、撮像装置200によって判定されてもよい。この場合、撮像装置200は、設定可能なガイドラインとサンプル構図との対応テーブル530を記録媒体210に保持することで、撮影画像の構図を判定することができる。撮像装置200は、判定した構図の情報を画像ファイルに記録する。情報処理装置300は、ステップS603において画像ファイルに記録された構図の情報に基づいて、撮像画像の構図を判定することができる。
【0076】
なお、ガイドライン情報の他、測距点および焦点等の撮影補助情報もメタデータとして画像ファイルに記録してもよい。そして、情報処理装置300は、ガイドライン情報だけでなく、撮影補助情報に基づいて、撮影画像の構図を判定するようにしてもよい。また、情報処理装置300は、サンプル構図として、ユーザ110が所有する撮像装置200で設定可能なガイドラインをそのまま提示するようにしてもよい。
【0077】
図8を参照して、撮像装置200の表示部206に表示されるガイドライン設定画面800および撮影準備処理中に使用されたガイドライン情報について説明する。ユーザは、ガイドライン表示の設定候補802から設定候補807までの選択肢から撮影したい構図に適したガイドラインを選択する。ユーザは、選択したガイドラインを撮影に使用するガイドラインとして設定することができる。
【0078】
設定候補802は、ガイドラインを使用しないことを設定する。設定候補803は、十字線のガイドラインを使用することを設定する。設定候補804は、9分割のガイドラインを使用することを設定する。設定候補805は、24分割のガイドラインを使用することを設定する。設定候補806は、対角線のガイドラインを使用することを設定する。設定候補807は、9分割および対角線のガイドラインを合わせて使用することを設定する。なお、ガイドラインの設定候補は、これらの6つに限られない。ガイドラインの設定候補は、6分割のガイドラインを含んでもよく、対角線のガイドラインを十字線または24分割のガイドラインと組み合わせたものを含んでもよい。
【0079】
プレビュー領域801は、ユーザが設定したガイドラインの種別と対応する図形画像をサンプル画像に合成した合成画像を表示する領域である。図8(A)の画面例では対角線の設定候補806が選択されており、プレビュー領域801は、サンプル画像に対角線のガイドラインと対応する図形画像を合成して表示する。
【0080】
図8(B)は、情報処理装置300で用意されている各撮像装置のサンプル構図を説明する図である。情報処理装置300は、撮像装置200の機種ごとに設定可能なガイドラインの情報を保持する。すなわち、情報処理装置300は、複数の撮像装置200のガイドラインに関する情報を記憶装置304に保持する。
【0081】
対応テーブル810は、撮像装置200ごとに定義されたガイドライン情報の格納先を示す対応表である。対応テーブル810は、記憶装置304(記憶部)に格納される。811は、撮像装置200の機種名である。ガイドライン812~ガイドライン816は、撮像装置200で設定可能なガイドラインである。ガイドライン812~ガイドライン816は、それぞれのサムネイル情報の格納先(サムネイルのパス)と対応付けられる。各ガイドラインの画像のサムネイルは、図9で説明する構図情報入力画面において、撮影画像のサムネイル画像に重ねて表示される。
【0082】
なお、ガイドライン情報は、図8(B)に示すガイドライン812~ガイドライン816に限定されない。ガイドライン情報は、図8(B)に示すガイドラインとは異なる分割数のガイドライン、または複数のガイドラインを組み合わせたものであってもよい。
【0083】
図9は、情報処理装置300の構図情報入力画面900の例である。構図情報入力画面900には、撮像装置200の情報およびガイドライン情報等が予め表示される。ユーザは、構図情報入力画面900に表示された内容を参照して、公開する撮影画像の構図に関する説明を編集および入力することができる。
【0084】
タイトル901は、公開する画像のタイトルを入力する欄である。タイトル901は、初期値として、画像ファイルのファイル名を表示してもよい。説明のテーマ902は、公開する撮影画像について説明する撮影補助の情報の種別を表示する。構図情報入力画面900では、説明のテーマ902は、「構図」を表示する。
【0085】
撮影カメラ903は、撮影画像を撮影した撮影デバイスの機種名を表示する。撮影デバイスの機種名は、画像ファイルのメタデータから取得した撮像装置200の情報から取得可能である。
【0086】
ガイドライン904は、撮影画像の撮影準備処理中に使用されたガイドラインの種別を表示する。ガイドラインの種別は、画像ファイルのメタデータから取得したガイドライン情報に含まれる。ガイドライン904に表示される種別は、撮影に用いられた撮像装置200の機種で用意されているガイドラインの種別である。
【0087】
画像表示領域905は、撮影画像のサムネイルと、構図一覧907で選択された撮像装置200のガイドラインの画像とを合成した図を表示する。撮影画像のサムネイルは、撮像装置200で撮影画像から生成され画像ファイルに記録される。
【0088】
ガイドライン表示906は、ユーザが撮影時にガイドライン表示を利用したか否かをチェックボックスのON/OFFにより示す。ガイドライン表示906がONの場合、ガイドライン表示906は、チェックボックスの隣に使用された構図の情報を表示してもよい。
【0089】
構図一覧907は、撮像装置200で設定可能なガイドラインの種別の一覧を表示する。構図一覧907は、ユーザが撮影に使用したガイドラインを強調表示する。構図一覧907に表示される撮像装置200で設定可能なガイドラインの情報は、図8(B)の対応テーブルから取得される。また、撮影準備処理中に使用されたガイドラインは、画像ファイルのメタデータから取得可能である。
【0090】
説明入力欄908は、撮影時の構図に関する説明である。ユーザは、構図一覧907で強調表示されているガイドライン(撮影に使用されたガイドライン)から、構図の意図および被写体と構図との関係等を思い出し、その補足となる説明を詳細に入力することができる。画像公開ボタン909は、ユーザが画像の公開を指示するための操作ボタンである。
【0091】
なお、撮影準備処理中にガイドラインが利用されていたとしても、ユーザは、ガイドライン表示906をOFFにすることによって、ガイドライン情報やそれに基づく構図を表示せずに公開することができる。また、構図一覧907は、撮影準備処理中に実際に使用されたガイドラインをユーザに提示するための一覧であるが、実際に使用したガイドラインが構図の意図にそぐわない場合、ユーザは、異なるガイドラインに変更して公開することも可能である。
【0092】
<実施形態2>
実施形態2は、撮像装置のファインダーまたはライブビューにガイドラインを表示して
撮影する処理を、リモート撮影のアプリケーション(以下、リモート撮影アプリとも称する)を利用して、撮像装置と通信可能なPC等で実行する実施形態である。
【0093】
(リモート撮影のシステム構成)
図10は、実施形態2に係るリモート撮影のシステム構成を示す図である。リモート撮影のシステムは、撮像装置200およびPC(パーソナルコンピュータ)1002を含む。PC1002と撮像装置200とは、ケーブル1001により相互に接続される。PC1002と撮像装置200とは、ケーブル1001を介して各種データを送受信する。PC1002は、リモート撮影アプリにより、撮像装置200による撮影を制御する。なお、ケーブル1001の代わりに無線通信で接続されていてもよい。
【0094】
撮像装置200は、ケーブル1001を介してPC1002へ撮像したライブビュー画像を送信する。撮像装置200は、撮影を制御するための各種指示をPC1002から受信し、受信した指示にしたがって撮影動作を実行する。撮像装置200は、撮影した画像を生成して記録媒体に記録する。
【0095】
PC1002は、ケーブル1001を介して撮像装置200からライブビュー画像を受信する。PC1002は、受信したライブビュー画像を表示部に表示する。PC1002は、ライブビュー画像にガイドライン情報等の撮影補助情報を重ねて表示させることができる。PC1002は、撮影を制御するための各種指示を撮像装置200に送信することにより、撮影処理を制御することができる。PC1002は、撮像装置200から受信した画像を表示する表示部を備え、撮像装置200の画像撮影処理を制御することができればよく、PCに限られずスマートフォン、タブレット端末等の電子機器であってもよい。
【0096】
なお、図10の例では、PC1002と撮像装置200とは、ケーブル1001で接続される例を示すが、無線通信等で接続されるようにしてもよい。
【0097】
実施形態2の全体のシステム構成は、図1と同様の構成に対し、撮像装置200を制御するPC1002が追加された構成である。撮像装置200および情報処理装置300のハードウェア構成は、実施形態1と同じであるため説明は省略する。なお、PC1002は、撮影者であるユーザ110が画像のアップロード等に使用するPC102と同一のコンピュータにより実現されてもよい。
【0098】
(リモート撮影PCのハードウェア構成)
図11は、実施形態2に係るのリモート撮影に用いられるPC1002の構成を例示する図である。制御部1101は、PC1002全体を制御する。制御部1101は、例えばCPUである。ROM1102は、変更されないプログラムおよびパラメータを格納する。RAM1103は、外部装置などから供給されるプログラムおよびデータを一時的に記憶する。
【0099】
記憶装置1104は、PC1002に固定して設置されたハードディスクまたはメモリカードなどであり、OSおよびリモート撮影アプリなどのプログラムを格納する。入力インタフェース1105は、ユーザからの操作およびデータの入力を受け付けるポインティングデバイスまたはキーボードなどの入力装置を接続するためのインタフェースである。
【0100】
BMU1106は、メモリ間のデータ転送、メモリと各I/Oデバイスとの間のデータ転送等、種々のデータ転送を制御する。メモリ間のデータ転送は、例えば、Video RAM(VRAM)1107と他のメモリとの間のデータ転送である。メモリと各I/Oデバイスとの間のデータ転送は、例えば、メモリとネットワークインタフェース1109との間のデータ転送である。
【0101】
VRAM1107は、表示部1111に表示する画像をする。VRAM1107に記録された画像は、所定の規定に従って表示部1111に転送されることにより、表示部1111に表示される。
【0102】
ネットワークインタフェース1109はインターネットなどのネットワーク回線1110を介して、撮像装置200等の外部装置に接続するためのインタフェースである。システムバス1112は、各デバイス間の信号の送受信に使用される。
【0103】
(リモート撮影処理)
図12を参照して、PC1002上で稼働するリモート撮影アプリでガイドラインを設定し、撮像装置200を制御して撮影するリモート撮影処理について説明する。図12は、実施形態2に係るリモート撮影処理を例示するフローチャートである。図12に示すリモート撮影処理は、ユーザから入力インタフェース1105を介してリモート撮影開始の指示を受け付けることにより開始される。
【0104】
ステップS1201では、制御部1101は、ネットワークインタフェース1109を介して、撮像装置200と接続する。ステップS1202では、制御部1101は、表示部1111にガイドライン設定画面を表示する。ユーザは、ガイドライン設定画面で、リモート撮影でのガイドラインとして画面を区切るグリッド表示または水準線を設定することができる。水準線は、角度および座標により設定できるようにしてもよい。制御部1101は、入力インタフェース1105からガイドラインの設定指示を受け付けると、設定されたガイドライン情報をRAM1103に記録する。
【0105】
ステップS1203では、制御部1101は、ネットワークインタフェース1109を介して、RAM1103に記録されたガイドライン情報を撮像装置200に送信する。ステップS1204では、制御部1101は、入力インタフェース1105からの撮影指示を受け付けると、ネットワークインタフェース1109を介して、撮像装置200に撮影指示を送信する。
【0106】
PC1002から撮影指示を受信した撮像装置200は、撮影指示に応答して、画像撮影処理を実行する。撮像装置200は、得られた画像の画像ファイルに撮像装置200の機種や撮影日時を示す通常の撮影情報に加えて、リモート撮影が実施されたことを示すフラグ、およびガイドライン情報をメタデータとして記録する。なお、撮像装置200は、さらに測距点、焦点等の撮影補助情報を、メタデータとして画像ファイルに記録してもよい。
【0107】
なお、ガイドライン情報は、撮像装置200によって画像ファイルに記録される場合に限らない。例えば、PC1002(リモート撮影アプリ)が、画像ファイルを撮像装置200から受信し、ガイドライン情報を画像ファイルのメタデータに記録するようにしてもよい。
【0108】
ステップS1205では、画像ファイルを撮像装置200から受信した後、制御部1101は、ユーザから入力インタフェース1105を介して、画像ファイルのアップロードの指示を受け付ける。制御部1101は、ガイドライン情報がメタデータに記録された画像ファイルを情報処理装置300にアップロード(送信)する。
【0109】
実施形態2は、実施形態1において、画像撮影処理をリモート撮影とすることで実現される。実施形態2に係る画像公開準備処理は、実施形態1と同様の処理であるため説明は省略する。
【0110】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0111】
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
【0112】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
【0113】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0114】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0115】
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータがコンピュータプログラムをダウンロードして実行するような方法も考えられる。
【0116】
<その他の実施形態>
【0117】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0118】
200:撮像装置、201:制御部、202:撮像部、206:表示部、210:記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12