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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
G03G21/16 109
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020117616
(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公開番号】P2021121847
(43)【公開日】2021-08-26
【審査請求日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2019167918
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020024679
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 真吉
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-077459(JP,A)
【文献】特開2014-191294(JP,A)
【文献】特開2017-167523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 21/16-21/18
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を担持し、回転可能に支持される感光体と、
前記感光体に現像剤を供給することで前記静電潜像を現像する現像部材を有する現像ユニットと、
前記現像部材が前記感光体に近づくように前記現像ユニットを押圧可能な第1押圧部を有し、前記第1押圧部が前記現像ユニットを押圧する第1押圧位置と、前記第1押圧部が前記現像ユニットから離間する第1離間位置と、の間で移動可能な第1押圧部材と、
前記現像部材が前記感光体に近づくように前記現像ユニットを押圧可能な第2押圧部を有すると共に、前記第2押圧部が前記現像ユニットを押圧する第2押圧位置と、前記第2押圧部が前記現像ユニットから離間する第2離間位置と、の間で移動可能であり、前記感光体の軸線方向において前記第1押圧部材とは異なる位置に配置される第2押圧部材と、
前記軸線方向に移動して、前記第1押圧部材と前記第2押圧部材を移動させる移動部と、
第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部と、を含み、前記第1押圧部材を前記第1押圧位置に付勢する第1付勢部材と、
第3の端部と、前記第3の端部の反対側の第4の端部と、を含み、前記第2押圧部材を前記第2押圧位置に付勢する第2付勢部材と、を備え、
前記第2の端部は、前記軸線方向において、前記第1の端部よりも前記第1押圧部材から離れており、かつ前記第1押圧部材と前記第2押圧部材との間に配置され、
前記第4の端部は、前記軸線方向において、前記第3の端部よりも前記第2押圧部材から離れており、かつ前記第1押圧部材と前記第2押圧部材との間に配置されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1付勢部材及び前記第2付勢部材は、圧縮バネである、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1付勢部材及び前記第2付勢部材は、引張りバネである、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1付勢部材は、引張りバネであり、
前記第2付勢部材は、圧縮バネである、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1押圧部材は、前記第1押圧位置と前記第1離間位置との間で前記軸線方向に交差する第1交差方向にスライド移動可能に設けられ、
前記第2押圧部材は、前記第2押圧位置と前記第2離間位置との間で前記軸線方向に交差する第2交差方向にスライド移動可能に設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1交差方向及び前記第2交差方向は、前記軸線方向に直交する方向である、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1押圧部材は、第1軸を中心に回動可能に設けられ、
前記第2押圧部材は、前記第1軸に平行な第2軸を中心に回動可能に設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1押圧部は、前記第1押圧部材が前記第1押圧位置に位置している状態で、前記第1軸よりも前記軸線方向において前記第2軸から遠い位置に位置し、
前記第2押圧部は、前記第2押圧部材が前記第2押圧位置に位置している状態で、前記第2軸よりも前記軸線方向において前記第1軸から遠い位置に位置している、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1押圧部は、前記第1押圧部材が前記第1離間位置に位置している状態で、前記第1軸よりも前記軸線方向において前記第2軸に近い位置に位置し、
前記第2押圧部は、前記第2押圧部材が前記第2離間位置に位置している状態で、前記第2軸よりも前記軸線方向において前記第1軸に近い位置に位置している、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記現像部材を回転可能に支持する第1軸受部材及び第2軸受部材を備え、
前記第1押圧部は、前記第1押圧部材が前記第1押圧位置に位置している状態で、前記軸線方向において前記第1軸受部材にオーバーラップし、
前記第2押圧部は、前記第2押圧部材が前記第2押圧位置に位置している状態で、前記軸線方向において前記第2軸受部材にオーバーラップする、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記移動部は、前記第1押圧部材に係合する第1スライド部材と、前記第2押圧部材に係合する第2スライド部材と、を含み、
前記第1スライド部材及び前記第2スライド部材に連結され、前記第1スライド部材及び前記第2スライド部材を互いに前記軸線方向における反対方向に連動させる連動部材と、
前記第2スライド部材を前記軸線方向に駆動させる駆動部材と、を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記移動部を前記軸線方向に駆動させる駆動部材を備え、
前記移動部は、前記第1押圧部材及び前記第2押圧部材に係合する、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記現像ユニットは、前記第1押圧部に押圧される第1被押圧部と、前記第2押圧部に押圧される第2被押圧部と、を有し、
前記第1被押圧部及び前記第2被押圧部は、前記現像ユニットの上部に配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
トナー像を担持する中間転写体と、
前記感光体に形成されたトナー像を前記中間転写体に転写する転写部と、を備え、
前記第1押圧部材及び前記第2押圧部材は、前記中間転写体、前記感光体及び前記現像ユニットで囲まれた空間内に配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記第1押圧部及び前記第2押圧部は、前記現像ユニットを前記軸線方向に直交する方向に押圧する、
ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光体であるドラムと、現像ローラを含む現像ユニットと、ドラムをクリーニングするクリーニングユニットと、を一体的に組み付けたカートリッジを備えた画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。現像ユニットは、当接離間機構によってドラムに近づく方向に付勢されており、当接離間機構は、第1押圧部材及び第2押圧部材と、スライド部材と、第1現像加圧バネ及び第2現像加圧バネと、離間レバーと、離間カムと、を有している。
【0003】
第1押圧部材及び第2押圧部材は、ドラムの軸線方向における両端部分にそれぞれ設けられており、第1押圧部材及び第2押圧部材の押圧面は、第1現像加圧バネ及び第2現像加圧バネによって現像ユニットの被押圧部に向けてそれぞれ付勢されている。第1押圧部材及び第2押圧部材は、スライド部材によって連結されており、スライド部材に接続される離間レバーが離間カムによって回動すると、スライド部材が軸線方向にスライド移動する。これにより、第1押圧部材及び第2押圧部材は、第1現像加圧バネ及び第2現像加圧バネの付勢力に抗して回動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-167523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、より小型な画像形成装置が求められている。そこで、本発明は、より小型な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、画像形成装置において、静電潜像を担持し、回転可能に支持される感光体と、前記感光体に現像剤を供給することで前記静電潜像を現像する現像部材を有する現像ユニットと、前記現像部材が前記感光体に近づくように前記現像ユニットを押圧可能な第1押圧部を有し、前記第1押圧部が前記現像ユニットを押圧する第1押圧位置と、前記第1押圧部が前記現像ユニットから離間する第1離間位置と、の間で移動可能な第1押圧部材と、前記現像部材が前記感光体に近づくように前記現像ユニットを押圧可能な第2押圧部を有すると共に、前記第2押圧部が前記現像ユニットを押圧する第2押圧位置と、前記第2押圧部が前記現像ユニットから離間する第2離間位置と、の間で移動可能であり、前記感光体の軸線方向において前記第1押圧部材とは異なる位置に配置される第2押圧部材と、前記軸線方向に移動して、前記第1押圧部材と前記第2押圧部材を移動させる移動部と、第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部と、を含み、前記第1押圧部材を前記第1押圧位置に付勢する第1付勢部材と、第3の端部と、前記第3の端部の反対側の第4の端部と、を含み、前記第2押圧部材を前記第2押圧位置に付勢する第2付勢部材と、を備え、前記第2の端部は、前記軸線方向において、前記第1の端部よりも前記第1押圧部材から離れており、かつ前記第1押圧部材と前記第2押圧部材との間に配置され、前記第4の端部は、前記軸線方向において、前記第3の端部よりも前記第2押圧部材から離れており、かつ前記第1押圧部材と前記第2押圧部材との間に配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態に係るプリンタを示す全体概略図。
図2】(a)はプリンタを示す斜視図、(b)はプロセスカートリッジが収納される収納部を示す斜視図。
図3】(a)はプロセスカートリッジを示す斜視図、(b)は現像ローラを示す斜視図。
図4】各プロセスカートリッジ及び押圧ユニットを示す断面図。
図5】(a)は押圧ユニットを示す斜視図、(b)は押圧ユニットを示す平面図、(c)は押圧ユニットの第1スライドプレート及び第2スライドプレートを示す平面図、(d)は押圧ユニットの離間動作を示す平面図。
図6】(a)は第1押圧部材及び第2押圧部材が当接位置に位置している様子を示す模式図、(b)は第1押圧部材及び第2押圧部材が離間位置に位置している様子を示す模式図。(c)は比較例に係る押圧ユニットを示す模式図、(d)は比較例に係る押圧ユニットの第1押圧部材及び第2押圧部材が離間位置に位置している様子を示す模式図。
図7】(a)は変形例に係る押圧ユニットを示す模式図、(b)は変形例に係る押圧ユニットの第1押圧部材及び第2押圧部材が離間位置に位置している様子を示す模式図。
図8】(a)は第2の実施の形態に係る押圧ユニットを示す平面図、(b)は押圧ユニットのスライドプレートを示す平面図。
図9】(a)は第3の実施の形態に係る押圧ユニットを示す斜視図、(b)は押圧ユニットを示す平面図、(c)は離間位置に位置する第1押圧部材及び第2押圧部材を示す平面図。(d)は当接位置に位置する第1押圧部材を示す拡大平面図、(e)は離間位置に位置する第1押圧部材を示す拡大平面図。
図10】(a)は第4の実施の形態に係る押圧ユニットを示す斜視図、(b)は押圧ユニットを示す平面図、(c)は押圧ユニットのスライドプレートを示す平面図。(d)は当接位置に位置する第1押圧部材を示す拡大平面図。
図11】(a)は比較例に係るプロセスカートリッジ及び押圧ユニットを示す斜視図、(b)は押圧ユニットを示す平面図、(c)は押圧ユニットの離間動作を示す平面図。
図12】(a)は比較例に係るプロセスカートリッジ及び押圧ユニットを示す斜視図、(b)は押圧ユニットを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施の形態>
〔全体構成〕
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態に係る画像形成装置としてのプリンタ1は、電子写真方式のレーザビームプリンタである。以下の説明において、プロセスカートリッジPY,PM,PC,PKの長手方向LD(図2(b)参照)とは、現像部材である現像ローラ5の軸線方向に平行な方向である。また、長手方向LDに関して、プロセスカートリッジPY,PM,PC,PKのプリンタ本体1A側から駆動が伝達される側を駆動側(本体背面側)と称し、その反対側を非駆動側(本体正面側)と称する。
【0012】
プリンタ1は、図1に示すように、給送ユニットU1と、画像形成ユニットU2と、定着器20と、排出ローラ対21と、を有している。画像形成ユニットU2は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を形成する4つのプロセスカートリッジPY,PM,PC,PKと、レーザスキャナ8と、を備えている。
【0013】
なお、4つのプロセスカートリッジPY,PM,PC,PKは、形成する画像の色が異なること以外は同じ構成である。そのため、プロセスカートリッジPYの構成及び画像形成プロセスのみを説明し、プロセスカートリッジPM,PC,PKの説明は省略する。
【0014】
プロセスカートリッジPYは、感光体ユニット33と、現像ユニット34と、を有している。感光体ユニット33は、静電潜像を担持し、回転可能に支持される感光体としての感光ドラム3と、帯電ローラ4と、クリーニングブレード6と、を有している。現像ユニット34は、感光ドラム3に現像剤を供給して感光ドラム3上の静電潜像を現像する現像部材としての現像ローラ5を有している。
【0015】
また、画像形成ユニットU2には、駆動ローラ16及びテンションローラ17に巻き掛けられた中間転写体としての中間転写ベルト15が設けられている。また、中間転写ベルト15の内側には、転写部としての1次転写ローラ18Y,18M,18C,18Kが設けられている。また、中間転写ベルト15を挟むように、駆動ローラ16に対向して2次転写ローラ19が設けられており、中間転写ベルト15及び2次転写ローラ19は、搬送されるシートSに画像を転写する画像形成部としての2次転写部N1を形成している。
【0016】
給送ユニットU1は、シートSを収容するカセット10と、カセット10に収容されたシートSを給送するピックアップローラ11と、ピックアップローラ11と共にシートを1枚ずつに分離する分離部12と、を有している。定着器20は、不図示のヒータを内蔵する定着ローラ20aと、定着ローラ20aに圧接する加圧ローラ20bと、を有し、これら定着ローラ20a及び加圧ローラ20bによって形成される定着部N2においてシートSに熱及び圧力を付与する。
【0017】
次に、このように構成されたプリンタ1の画像形成動作について説明する。不図示のパソコン等から画像信号がレーザスキャナ8に入力されると、レーザスキャナ8から、画像信号に対応したレーザ光がプロセスカートリッジPYの感光ドラム3上に照射される。このとき感光ドラム3は、帯電ローラ4により表面が予め所定の極性・電位に一様に帯電されており、レーザスキャナ8からレーザ光が照射されることによって表面に静電潜像が形成される。感光ドラム3に形成された静電潜像は、現像ローラ5により現像され、感光ドラム3上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0018】
同様にして、プロセスカートリッジPM,PC,PKの各感光ドラムにもレーザスキャナ8からレーザ光が照射され、各感光ドラムにマゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナー像が形成される。各感光ドラム上に形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ18Y,18M,18C,18Kにより中間転写ベルト15に転写され、駆動ローラ16によって回転する中間転写ベルト15により2次転写部N1まで搬送される。なお、各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト15上に一次転写された上流のトナー像に重ね合わせるタイミングで行われる。また、1次転写ローラ15Yによってトナー像が転写された後に感光ドラム3に残ったトナーは、クリーニングブレード6によって回収される。
【0019】
この画像形成プロセスに並行して、カセット10に収容されたシートSがピックアップローラ11により給送される。ピックアップローラ11によって給送されたシートSは、分離部12により1枚ずつに分離される。また、分離部12の代わりに、ピックアップローラ11に対向する分離パッドや分離ローラによってシートを1枚ずつに分離してもよい。
【0020】
そして、シートSは、停止状態のレジストレーションローラ対13のニップ部に突き当たり、シートSの先端が該ニップ部に倣うことでシートSの斜行が補正される。そして、レジストレーションローラ対13は、中間転写ベルト15上のトナー像にタイミングを合わせて駆動が開始され、シートSは2次転写部N1に向けて搬送される。
【0021】
シートSには、2次転写ローラ19に印加された二次転写バイアスによって、2次転写部N1において中間転写ベルト15上のフルカラーのトナー像が転写される。中間転写ベルト15に残存したトナーは、不図示のクリーニング装置によってクリーニングされる。トナー像が転写されたシートSは、定着部N2において所定の熱及び圧力が付与されて、トナーが溶融固着(定着)される。定着部N2を通過したシートSは、排出ローラ対21によって排出トレイ22に排出される。
【0022】
[プロセスカートリッジ]
図2(a)(b)に示すように、プリンタ1は、プリンタ本体1Aに回転軸25を中心に開閉可能に支持される前面ドア2を有しており、前面ドア2は、装置正面側に把持部2aを有している。ユーザは、把持部2aを把持しながら前面ドア2を開き操作する。また、前面ドア2には、前面ドア2と連動して開閉するカートリッジドア23が設けられており、カートリッジドア23が開かれることで、プロセスカートリッジPY,PM,PC,PKが収納される収納部1Bが露出する。
【0023】
各プロセスカートリッジPY,PM,PC,PKは、収納部1Bから独立して感光ドラム3の軸線方向としての長手方向LDに着脱可能に設けられている。また、収納部1Bに各プロセスカートリッジPY,PM,PC,PKが装着されると、各プロセスカートリッジPY,PM,PC,PKにプリンタ本体1Aからの駆動が伝達可能になっている。
【0024】
プロセスカートリッジPYは、図3(a)に示すように、感光体ユニット33と、現像ユニット34と、を有しており、現像ユニット34は、感光体ユニット33の枠体30に回転中心35を中心に回転可能に支持されている。現像ユニット34の現像ユニットフレーム38内には、現像ローラ5が収容されており、現像ローラ5は、図3(b)に示すように、現像ユニットフレーム38の非駆動側及び駆動側の端部に配設された軸受部材31,32に回転可能に支持されている。
【0025】
また、現像ユニットフレーム38は、非駆動側及び駆動側の端部にそれぞれ被押圧部36,37を有しており、これら被押圧部36,37が後述する押圧ユニット40によって押圧されることで、現像ローラ5が感光ドラム3に対して位置決めされる。これにより、現像ローラ5と感光ドラム3との距離が規定される。被押圧部36,37は、長手方向LDにおいて、第1軸受部材及び第2軸受部材としての軸受部材31,32と略同位置に配置されている。つまり、長手方向LDについて、被押圧部36,37の位置と、第1軸受部材及び第2軸受部材としての軸受部材31,32の位置が、少なくとも一部オーバーラップする。言い換えれば、長手方向LDにおいて、被押圧部36及び後述の押圧部50bは軸受部材31にオーバーラップし、被押圧部37及び後述の押圧部51bは軸受部材32にオーバーラップしている。したがって、長手方向LDと直交する方向に見たとき、被押圧部36及び後述の押圧部50bは軸受部材31にオーバーラップし、被押圧部37及び後述の押圧部51bは軸受部材32にオーバーラップしている。
【0026】
このため、被押圧部36,37が押圧ユニット40から受けた押圧力を損失することなく現像ローラ5に伝えることができ、現像ユニットフレーム38を補強する必要がない。よって、現像ユニットフレーム38を小型かつ低コストに構成できる。
【0027】
また、図4に示すように、押圧ユニット40は、プロセスカートリッジPY,PM,PC,PKに対してそれぞれ1つずつ設けられている。このため、以下では、プロセスカートリッジPYの現像ユニット34を押圧可能な押圧ユニット40のみを説明し、他の押圧ユニットの説明を省略する。押圧ユニット40は、中間転写ベルト15とそれぞれのプロセスカートリッジPY,PM,PC,PKによって囲まれた空間SP内に収容されている。
【0028】
本実施の形態において、押圧ユニット40は、現像ユニットフレーム38(現像ユニット34)の上部に位置する被押圧部36,37を押圧するように構成される。より具体的には、図4に示すように、鉛直方向について押圧ユニット40は現像ユニット34の回転中心35の上側に位置している。また、水平方向について、回転中心35を通る鉛直線の一方側に感光ドラム3が配置され、他方側に押圧ユニット40が配置されている。また、感光ドラム3に接触する側における中間転写ベルト15の移動方向(図1の矢印方向)について、押圧ユニット40は、現像ローラ5や感光ドラム3の上流側に位置する。このため、押圧ユニット40を例えばプロセスカートリッジPYの下方に配置する場合に比して、省スペースで押圧ユニット40を配設することができ、装置を小型化できる。
【0029】
なお、このように空間SPに押圧ユニット40を収容するためには、押圧ユニット40及びプロセスカートリッジPYが小型である必要がある。例えば、上述したように押圧ユニット40が、長手方向LDにおいて現像ローラ5の軸受部材31,32に対応する位置に配置された被押圧部36,37以外の箇所を押圧した場合には、現像ユニットフレーム38を補強する必要がある。現像ユニットフレーム38を補強すると、プロセスカートリッジPYが大型化し、押圧ユニット40を空間SP内に収容するのが困難となる。
【0030】
また、現像ユニットフレーム38を補強しない場合には、現像ユニットフレーム38の剛性に合わせて押圧ユニット40の押圧力を抑制せざるを得ず、現像ローラ5を感光ドラム3に向けて適切な力で付勢することができない。
【0031】
[押圧ユニット]
次に、押圧ユニット40の構成について詳述する。押圧ユニット40は、図5(a)~図5(d)に示すように、第1押圧部材50と、第2押圧部材51と、スライド部材52F,52Bと、を有している。また、押圧ユニット40は、第1現像加圧バネ53Fと、第2現像加圧バネ53Bと、第1スライドプレート54と、第2スライドプレート55と、センターカム56と、離間カム57と、カムギヤ58と、を有している。これら押圧ユニット40の各部材は、プリンタ本体1Aに固定された現像加圧ステイ500に支持されている。
【0032】
第1押圧部材50は、第1軸としての回動軸50aを中心に現像加圧ステイ500に回動可能に支持されており、下方に突出する第1押圧部としての押圧部50bを有している。押圧部50bは、現像加圧ステイ500に形成された略扇形状の孔を下方に貫通しており、現像ローラ5が感光ドラム3に近づくように現像ユニットフレーム38の第1被押圧部としての被押圧部36(図3(a)参照)を押圧する。
【0033】
第1押圧部材50は、押圧部50bが現像ユニットフレーム38の被押圧部36を押圧する第1押圧位置としての当接位置と、押圧部50bが被押圧部36から離間する第1離間位置としての離間位置と、の間で移動可能である。また、第1押圧部材50は、連結部50cにおいてスライド部材52Fに連結しており、スライド部材52Fは、圧縮バネから構成される第1付勢部材としての第1現像加圧バネ53Fによって付勢されている。第1現像加圧バネ53Fは、第1の端部53F1と、第1の端部53F1の反対側の第2の端部53F2と、を含んでいる。より具体的には、第2の端部53F2は、第1現像加圧バネ53Fの変形方向について、第1の端部53F1の反対側に配置されており、長手方向LDについて、第1の端部53F1の内側に位置する。また、第2の端部53F2は、第1の端部53F1よりも第1押圧部材50から離れた位置に位置している。第1の端部53F1は、スライド部材52Fを介して第1押圧部材50を押圧する。第2の端部53F2は、現像加圧ステイ500に支持されている。
【0034】
同様にして、第2押圧部材51は、第2軸としての回動軸51aを中心に現像加圧ステイ500に回動可能に支持されており、下方に突出する第2押圧部としての押圧部51bを有している。押圧部51bは、現像加圧ステイ500に形成された略扇形状の孔を下方に貫通しており、現像ローラ5が感光ドラム3に近づくように現像ユニットフレーム38の第2被押圧部としての被押圧部37(図3(a)参照)を押圧する。
【0035】
第2押圧部材51は、押圧部51bが現像ユニットフレーム38の被押圧部37を押圧する第2押圧位置としての当接位置と、押圧部51bが被押圧部37から離間する第2離間位置としての離間位置と、の間で移動可能である。また、第2押圧部材51は、連結部51cにおいてスライド部材52Bに連結しており、スライド部材52Bは、圧縮バネから構成される第2付勢部材としての第2現像加圧バネ53Bによって付勢されている。第2現像加圧バネ53Bは、第3の端部53B1と、第3の端部53B1の反対側の第4の端部53B2と、を含んでいる。より具体的には、第4の端部53B2は、第2現像加圧バネ53Bの変形方向について、第3の端部53B1の反対側に配置されており、長手方向LDについて、第3の端部53B1の内側に位置する。また、第4の端部53B2は、第3の端部53B1よりも第2押圧部材51から離れた位置に位置している。第3の端部53B1は、スライド部材52Bを介して第2押圧部材51を押圧する。第4の端部53B2は、現像加圧ステイ500に支持されている。
【0036】
これら第1押圧部材50及び第2押圧部材51は、長手方向LDにおいて押圧ユニット40の両端部に配置されている。言い換えれば、第1押圧部材50及び第2押圧部材51は、長手方向LDにおいて互いに異なる位置に配置されている。そして、第1現像加圧バネ53F、第2現像加圧バネ53B、及びスライド部材52F,52Bの全ては、長手方向LDにおいて第1押圧部材50と第2押圧部材51との間に配置されている。言い換えれば、第2の端部53F2は、長手方向LDにおいて、第1押圧部材50と第2押圧部材51との間(第1押圧部材50と第2押圧部材51の内側)に配置されている。第4の端部53B2は、長手方向LDについて、第1押圧部材50と第2押圧部材51との間(第1押圧部材50と第2押圧部材51の内側)に配置されている。
【0037】
更に、押圧ユニット40の駆動側の端部には、カムギヤ58が配置されており、カムギヤ58は、プリンタ本体1A(図1参照)に設けられた駆動モータMの駆動力によって回転する。駆動部材としての離間カム57は、カムギヤ58に隣接して配置されており、回動軸57aを中心に現像加圧ステイ500に回動可能に支持されている。離間カム57は、カムギヤ58のカム部58aに押圧されることで回動軸57aを中心に回動する。
【0038】
離間カム57は、第2スライドプレート55に連結部57bにおいて連結されており、第2スライドプレート55は、センターカム56に連結部55aにおいて連結している。センターカム56は、回転中心56aを中心に現像加圧ステイ500に回転可能に支持されており、センターカム56の回転中心56aを挟んで連結部55aの反対側には、第1スライドプレート54に連結する連結部54aが設けられている。
【0039】
このように、連動部材としてのセンターカム56を介して第1スライドプレート54及び第2スライドプレート55は、互いに長手方向LDにおいて反対方向に連動するように連結されている。そして、第2スライド部材としての第2スライドプレート55は、係合部55bにおいて第2押圧部材51に係合しており、第1スライド部材としての第1スライドプレート54は、係合部54bにおいて第1押圧部材50に係合している。第1スライドプレート54及び第2スライドプレート55は、第1押圧部材50及び第2押圧部材51を移動させる移動部545を構成する。言い換えれば、移動部545は、第1スライドプレート54及び第2スライドプレート55を含む。第1押圧部材50と第2押圧部材51の移動を、長手方向LDに平行な回転軸を有する部材で行った場合には、長手方向LDに直交する方向において、その部材が移動するためのスペースが必要になる。その点、長手方向LDに移動する第1スライドプレート54と第2スライドプレート55によって、第1押圧部材50と第2押圧部材51を移動させることで、長手方向LDに直交する方向において、装置を小型化できる。
【0040】
[当接離間動作]
次に、第1押圧部材50の押圧部50b及び第2押圧部材51の押圧部51bが現像ユニットフレーム38の被押圧部36,37に対してそれぞれ当接又は離間する当接離間動作について説明する。第1押圧部材50の押圧部50b及び第2押圧部材51の押圧部51bが被押圧部36,37に対して当接する時は、駆動モータMが停止状態で、カムギヤ58は、図5(a)乃至図5(c)に示すように当接ポジションに位置する。このとき、カムギヤ58のカム部58aは、離間カム57に対して離間している。
【0041】
この時、スライド部材52F,52Bは、第1現像加圧バネ53F及び第2現像加圧バネ53Bによって、長手方向LDにおいてセンターカム56から離れる方向に付勢されている。そして、第1押圧部材50は、スライド部材52Fによって押圧されることで、回動軸50aを中心に回動し、第1押圧部材50の押圧部50bが図5(a)に示す押圧力P1で現像ユニットフレーム38の被押圧部36(図3(a)参照)を押圧する。
【0042】
また、第2押圧部材51は、スライド部材52Bによって押圧されることで、回動軸51aを中心に回動し、第2押圧部材51の押圧部51bが図5(a)に示す押圧力P2で現像ユニットフレーム38の被押圧部37(図3(a)参照)を押圧する。これら押圧力P1,P2は、長手方向LDに直交する短手方向SDに沿った力である。
【0043】
被押圧部36と被押圧部37が押圧部50bと押圧部51bにそれぞれ押圧されることで、現像ユニット34が変位し、現像ローラ5が感光ドラム3に対して変位する。本実施形態においては、被押圧部36と被押圧部37が押圧部50bと押圧部51bに押圧されることで、現像ローラ5が感光ドラム3に当接する。なお、プロセスカートリッジPYを、被押圧部36と被押圧部37が押圧部50bと押圧部51bに押圧されることで、現像ユニット34の現像ローラ5と感光ドラム3が所定の隙間を介して対向する構成としてもよい。その結果、精度良く感光ドラム3上の静電潜像を現像することができる。
【0044】
次に、第1押圧部材50及び第2押圧部材51の離間動作について説明する。例えば、画像形成動作が終了した時に、駆動モータMが駆動し、図5(a)に示すようにカムギヤ58が矢印R1方向に回転する。なお、前面ドア2又はカートリッジドア23が開かれると、駆動モータMが駆動し、図5(a)に示すようにカムギヤ58が矢印R1方向に回転し始めるように構成してもよい。そして、カムギヤ58のカム部58aが図5(d)に示すように離間カム57を矢印Q1方向に回動させる。なお、駆動モータM及びカムギヤ58は、例えば前面ドア2又はカートリッジドア23が閉じられるまでは、図5(d)に示す位置で停止する。
【0045】
第2スライドプレート55は、矢印Q1方向に回動する離間カム57によって矢印V2方向にスライド移動し、センターカム56の作用によって第1スライドプレート54が矢印V2方向とは反対の矢印V1方向にスライド移動する。矢印V1方向及び矢印V2方向は、長手方向LDに平行な方向である。
【0046】
このとき、第2スライドプレート55は、第2現像加圧バネ53Bの付勢力に抗して第2押圧部材51を押圧し、第2押圧部材51は、回動軸51aを中心に図5(b)に示す第2方向T2に回動する。これにより、第2押圧部材51は、図5(d)の破線で示す離間位置に位置する。
【0047】
同様にして、第1スライドプレート55は、第1現像加圧バネ53Fの付勢力に抗して第1押圧部材50を押圧し、第1押圧部材50は、回動軸50aを中心に図5(b)に示す第1方向T1方向に回動する。第2方向T2は、第1方向T1とは反対の方向である。これにより、第1押圧部材50は、図5(d)の破線で示す離間位置に位置する。
【0048】
このようにして、第1押圧部材50及び第2押圧部材51が離間位置に位置することで、現像ローラ5の感光ドラム3への当接状態が解除され、プロセスカートリッジPYを着脱する際に現像ローラ5及び感光ドラム3の破損を低減できる。プロセスカートリッジPYの着脱作業が終了し、画像形成動作が行われるときに、駆動モータMが駆動してカムギヤ58が当接ポジションに移動する。また、例えば前面ドア2又はカートリッジドア23が閉じられると、駆動モータMが駆動してカムギヤ58が当接ポジションに移動するように構成してもよい。これにより、現像ローラ5は感光ドラム3に押圧された当接状態となる。
【0049】
ここで、図6(a)~(d)を参照して、本実施の形態の要部について詳しく説明する。図6(a)(b)は、本実施の形態の押圧ユニット40の動作を示す模式図であり、図6(c)(d)は、比較例に係る押圧ユニット540の動作を示す模式図である。
【0050】
図6(a)に示すように、押圧部50b,51bは、第1押圧部材50及び第2押圧部材51がそれぞれ当接位置に位置する際に、現像ユニットフレーム38(図3(a)参照)の被押圧部36,37を押圧する。また、図6(b)に示すように、押圧部50b,51bは、第1押圧部材50及び第2押圧部材51がそれぞれ離間位置に位置する際に、現像ユニットフレーム38(図3(a)参照)の被押圧部36,37から離間する。
【0051】
ここで、現像ユニットフレーム38の長手方向LDにおける距離は、距離L1となっており、上述したように現像ユニットフレーム38を補強せずに設けるには距離L1を縮めることは難しい。なお、より具体的には、距離L1は被押圧部36が押圧される位置と被押圧部37が押圧される位置の間の距離である。一方で、長手方向LDにおける現像ユニット34や現像ユニットフレーム38の大きさは、プリンタ1が対応するシートSの大きさによってある程度決められる。一方で、現像ユニット34が安定して押圧されるためには、距離L1はなるべく長いことが好ましい。したがって、被押圧部36と被押圧部37は、長手方向LDにおいて、現像ユニット34の両端部の近くに配置されることが好ましい。このため、所定の大きさのシートSに対応するために現像ユニット34に要求される大きさの範囲内で、距離L1をなるべく長くすることが好ましい。一方で、押圧ユニット40は、距離L1内に収めることが装置の小型化のためには好ましい。
【0052】
比較例における押圧ユニット540は、図6(c)に示すように、第1押圧部材550及び第2押圧部材551の回動方向が互いに同方向となっている。そして、第1押圧部材550及び第2押圧部材551が当接位置に位置する時、押圧ユニット540の長手方向LDにおいて最も外側には、第1押圧部材550の回動軸550aと第2押圧部材551の押圧部551bが位置している。回動軸550aと押圧部551bの長手方向LDにおける距離は、距離L3となっている。
【0053】
また、図6(d)に示すように、第1押圧部材550及び第2押圧部材551が離間位置に位置する時、押圧ユニット540の長手方向LDにおいて最も外側には、押圧部550b,551b又は回動軸550a,551aが位置している。そして、押圧部550b、551dの長手方向LDにおける距離は、距離L1と同等の距離L1’となっている。
【0054】
比較例における押圧ユニット540は、第1押圧部材550及び第2押圧部材551が当接位置及び離間位置の何れの位置においても、被押圧部36よりも長手方向LDにおける外側に距離L4だけ突出している。このため、押圧ユニット540は、現像ユニットフレーム38の被押圧部36,37の間の距離L1内には収まらず、装置が長手方向LDに大型化してしまっている。
【0055】
一方で、本実施の形態における押圧ユニット40の第1押圧部材50及び第2押圧部材51の回動方向は、当接離間動作において互いに逆方向となっている。すなわち、第1押圧部材50が当接位置から離間位置に回動する際に、第1方向T1に回動し、第2押圧部材51が当接位置から離間位置に回動する際に、第2方向T2に回動する。
【0056】
図6(a)に示すように、第1押圧部材50及び第2押圧部材51が当接位置に位置する時、押圧ユニット40の長手方向LDにおいて最も外側には、押圧部50b,51bが位置している。言い換えれば、押圧部50bは、回動軸50aよりも長手方向LDにおいて回動軸51aから遠い位置に位置し、押圧部51bは、回動軸51aよりも長手方向LDにおいて回動軸50aから遠い位置に位置している。そして、押圧部50b,51bの長手方向LDにおける距離は、距離L1と同等である。
【0057】
また、図6(b)に示すように、押圧部50b,51bは、第1押圧部材50及び第2押圧部材51が当接位置から離間位置に移動する際に、長手方向LDにおける内側に回動する。すなわち、第1押圧部材50の押圧部50bは、長手方向LDにおいて回動軸51aに近づく方向に移動し、第2押圧部材51の押圧部51bは、長手方向LDにおいて回動軸50aに近づく方向に移動する。第1押圧部材50及び第2押圧部材51が離間位置に位置する時、押圧ユニット40の長手方向LDにおいて最も外側には、押圧部50b,51b又は回動軸50a,51aが位置している。押圧部50b、51bの長手方向LDにおける距離は、距離L1よりも短い距離L2となっている。
【0058】
このように、本実施の形態では、第1押圧部材50及び第2押圧部材51が当接位置及び離間位置に位置するのに拘わらず、押圧ユニット40は被押圧部36,37間の距離である距離L1内に収まっている。そして、被押圧部36,37よりも長手方向LDにおける外側に突出していない。このため、押圧ユニット40を含む装置を長手方向LDに小型化することができる。
【0059】
[変形例]
次に、本実施の形態における変形例を図7(a)(b)を参照しながら説明する。図7(a)に示すように、本実施の形態の変形例における押圧ユニット140の第1押圧部材150及び第2押圧部材151の回動方向は、当接離間動作において互いに逆方向となっている。
【0060】
そして、押圧部150b,151bは、第1押圧部材150及び第2押圧部材151が当接位置に位置する際に、それぞれ回動軸150a,151aから長手方向LDに直交する短手方向SDに沿って延びている。言い換えれば、押圧部150b及び被押圧部36の当接部分と回動軸150aを通る直線若しくは押圧部151b及び被押圧部37の当接部分と回動軸151aを通る直線は、長手方向LDに対して直交する。
【0061】
第1押圧部材150及び第2押圧部材151が当接位置に位置する時、押圧ユニット140の長手方向LDにおいて最も外側には、押圧部150b,151b又は回動軸150a,151aが位置している。そして、押圧部150b,151bの長手方向LDにおける距離は、距離L1となっている。
【0062】
図7(b)に示すように、第1押圧部材150及び第2押圧部材151は、当接位置から離間位置に移動する際に、長手方向LDにおける内側に回動する。第1押圧部材150及び第2押圧部材151が離間位置に位置する時、押圧ユニット140の長手方向LDにおいて最も外側には、回動軸150a,151aが位置している。言い換えれば、押圧部150bは、回動軸150aよりも長手方向LDにおいて回動軸151aに近い位置に位置し、押圧部151bは、回動軸151aよりも長手方向LDにおいて回動軸150aに近い位置に位置している。回動軸150a,151aの長手方向LDにおける距離は、距離L1となっている。
【0063】
このように、本変形例では、押圧部150b,151bの回動軌跡が、被押圧部36,37間の距離である距離L1内に位置しており、押圧ユニット140を含む装置を長手方向LDに小型化することができる。
【0064】
[比較例]
更に、図11(a)乃至図12(b)を用いて、他の比較例について説明する。図11(a)乃至図11(c)に示すように、比較例に係る押圧ユニット640は、プロセスカートリッジPYの下部に配置されている。押圧ユニット640は、第1押圧部材650、第2押圧部材651、第1現像加圧バネ653F、第2現像加圧バネ653B、スライドプレート655及び離間カム657を有している。
【0065】
第1押圧部材650及び第2押圧部材651は、長手方向LDにおいて互いに異なる位置に配置されている。第1押圧部材650は、回動軸650aを中心に回動可能に支持されており、第1現像加圧バネ653Fにより付勢されている。第2押圧部材651は、回動軸651aを中心に回動可能に支持されており、第2現像加圧バネ653Bにより付勢されている。圧縮バネである第1現像加圧バネ653F及び第2現像加圧バネ653Bにそれぞれ付勢されることで、第1押圧部材650及び第2押圧部材651は同方向に回動し、現像ユニットフレーム638を押圧する。
【0066】
離間カム657は、連結部657aにおいてスライドプレート655に連結しており、スライドプレート655は、係合部655a,655bにおいて第1押圧部材650及び第2押圧部材651にそれぞれ係合している。不図示のモータが回転すると、離間カム657が回動する。そして、スライドプレート655が図11(c)に示す矢印方向にスライド移動する。すると、第1押圧部材650及び第2押圧部材651は、それぞれ第1現像加圧バネ653F及び第2現像加圧バネ653Bの付勢力に抗して回動し、当接位置から離間位置に移動する。
【0067】
第1現像加圧バネ653Fは、長手方向LDにおいて第1押圧部材650及び第2押圧部材651の間の領域に配置されている。一方で、第2現像加圧バネ653Bは、図12(a)(b)に示すように、長手方向LDにおいて第2押圧部材651よりも外側に突出して配置されている。このため、押圧ユニット640は、第2現像加圧バネ653Bの長さL5の分だけ長手方向LDに大型化してしまっている。また、押圧ユニット640は、プロセスカートリッジPYの下方に配置されているため、装置が高さ方向に大型化してしまう。
【0068】
[本実施の形態のバネの配置]
一方で、本実施の形態における第1現像加圧バネ53F及び第2現像加圧バネ53Bの全ては、図5(a)~(d)に示すように、長手方向LDにおいて第1押圧部材50と第2押圧部材51との間の領域に配置されている。これにより、押圧ユニット40を長手方向LDに小型化することができる。
【0069】
以上のように、本実施の形態では、中間転写ベルト15とプロセスカートリッジPYによって囲まれた空間SP内に押圧ユニット40が配置されているため、省スペースで押圧ユニット40を配設することができ、装置を高さ方向に小型化できる。これは、押圧ユニット40が、長手方向LDにおいて現像ローラ5の軸受部材31,32に対応する位置に配置された被押圧部36,37を押圧するように構成されているため、現像ユニットフレーム38を補強せずに小型に形成していることに起因する。すなわち、現像ユニットフレーム38を小型に形成するため、空間SPを押圧ユニット40が収まるだけ確保することができる。
【0070】
また、押圧ユニット40の第1押圧部材50及び第2押圧部材51が当接離間動作する際には、互いに逆方向に回動するため、装置を長手方向LDに小型化できる。また、第1現像加圧バネ53F及び第2現像加圧バネ53Bの全てが、長手方向LDにおける第1押圧部材50と第2押圧部材51との間の領域に配置されているため、装置を長手方向LDに小型化することができる。
【0071】
また、第1押圧部材50及び第2押圧部材51を離間動作させる第1スライドプレート54及び第2スライドプレート55を、センターカム56によって互いに逆方向に移動させるように構成したので、装置を簡単化しコストダウンできる。より詳しくは、1つの駆動モータMによって第1押圧部材50及び第2押圧部材51を互いに逆方向に回動させることができるので、駆動モータMを2つ設ける場合に比して簡単化かつコストダウンできる。
【0072】
また、第1現像加圧バネ53F及び第2現像加圧バネ53Bを、圧縮バネで構成したので、安価、単純構成かつ安定した押圧力を発生させる押圧ユニット40を構成することができる。また、押圧部50b,51bの押圧力P1,P2を、長手方向LDに直交する短手方向SDに沿った力とすることで、第1現像加圧バネ53F及び第2現像加圧バネ53Bからの押圧力の損失を最小限にすることができる。
【0073】
<第2の実施の形態>
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明するが、第2の実施の形態は、第1の実施の形態の押圧ユニットの構成を変更したものであり、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0074】
[押圧ユニット]
第2の実施の形態に係る押圧ユニット240は、第1の実施の形態の押圧ユニット40の第1押圧部材50、第1スライドプレート54及び第2スライドプレート55の構成を変更したものであり、他の構成については第1の実施の形態と同様である。
【0075】
押圧ユニット240は、図8(a)に示すように、回動軸60aを中心に現像加圧ステイ500に回動可能に支持される第1押圧部材60と、移動部材(移動部)としてのスライドプレート61を有している。スライドプレート61は、離間カム57に連結されると共に、第1押圧部材60及び第2押圧部材51に係合する。第1押圧部材60は、当接離間動作において、第2押圧部材51と同方向に回動する。
【0076】
第1押圧部材60は、現像ユニットフレーム38の被押圧部36(図3(a)参照)を押圧する押圧部60bと、スライドプレート61に係合する被係合部60cと、を有している。第1現像加圧バネ53F及び第2現像加圧バネ53Bの全ては、長手方向LDにおける第1押圧部材60と第2押圧部材51との間の領域に配置されている。
【0077】
[当接離間動作]
第1押圧部材60の当接動作及び第2押圧部材51の当接離間動作は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。図8(b)に示すように、カムギヤ58に押圧されて離間カム57が矢印Q1方向に回動すると、スライドプレート61が矢印V2方向にスライド移動する。
【0078】
すると、スライドプレート61は、第2現像加圧バネ53Bの付勢力に抗して第2押圧部材51を押圧し、第2押圧部材51は、離間位置に位置する。また、スライドプレート61は、第1現像加圧バネ53Fの付勢力に抗して第1押圧部材60の被係合部60cを押圧し、第1押圧部材60は矢印方向に回動する。これにより、第1押圧部材60が離間位置に移動する。
【0079】
以上のように構成しても、第1現像加圧バネ53F及び第2現像加圧バネ53Bの全てを、長手方向LDにおける第1押圧部材60と第2押圧部材51との間の領域に配置することができるため、装置を長手方向LDに小型化することができる。また、長手方向LDに移動するスライドプレート61によって、第1押圧部材60と第2押圧部材51を移動させることで、長手方向LDに直交する方向において、装置を小型化できる。
【0080】
<第3の実施の形態>
次いで、本発明の第3の実施の形態について説明するが、第3の実施の形態は、第1の実施の形態の押圧ユニットの構成を変更したものであり、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0081】
[押圧ユニット]
第3の実施の形態に係る押圧ユニット340は、第1の実施の形態の押圧ユニット40の第1押圧部材50、第2押圧部材51及びスライド部材52F,52Bの構成を変更したものであり、他の構成については第1の実施の形態と同様である。特に、図9(a)~(e)では、第1スライドプレート54及び第2スライドプレート55が省略されている。
【0082】
押圧ユニット340は、図9(a)~(e)に示すように、第1押圧部材70と、第2押圧部材71と、スライド部材72F,72Bと、を有している。第1現像加圧バネ53Fの第1の端部53F1は、スライド部材72Fを介して第1押圧部材70を押圧する。第2現像加圧バネ53Bの第3の端部53B1は、スライド部材72Bを介して第2押圧部材71を押圧する。スライド部材72Fは、第1現像加圧バネ53Fによって長手方向LDに付勢されており、ボス72aFを有している。第1押圧部材70は、ボス72aFが挿入される長孔70aと、現像ユニットフレーム38の被押圧部36(図3(a)参照)を押圧する押圧部70bと、短手方向SDに延びる案内溝70cと、を有している。
【0083】
案内溝70cには、現像加圧ステイ73に設けられた曲げ部73aが貫通しており、第1押圧部材70は、案内溝70c及び曲げ部73aの係合によって短手方向SDにスライド移動可能に構成されている。長孔70aは、長手方向LD及び短手方向SDに交差する方向に延びている。
【0084】
スライド部材72Bは、第1現像加圧バネ53Bによって長手方向LDに付勢されており、ボス72aBを有している。第2押圧部材71は、ボス72aBが挿入される長孔71aと、現像ユニットフレーム38の被押圧部37(図3(a)参照)を押圧する押圧部71bと、短手方向SDに延びる案内溝71cと、を有している。
【0085】
案内溝71cには、現像加圧ステイ73に設けられた曲げ部73bが貫通しており、第2押圧部材71は、案内溝71c及び曲げ部73bの係合によって短手方向SDにスライド移動可能に構成されている。長孔71aは、長手方向LD及び短手方向SDに交差する方向に延びている。
【0086】
[当接離間動作]
次に、第1押圧部材70の押圧部70b及び第2押圧部材71の押圧部71bが現像ユニットフレーム38の被押圧部36,37(図3(a)参照)に対してそれぞれ当接又は離間する当接離間動作について説明する。
【0087】
第1押圧部材70の押圧部70b及び第2押圧部材71の押圧部71bが被押圧部36,37に対して当接する時は、駆動モータM(図5(a)参照)が停止状態で、カムギヤ58は、図9(a)(b)に示すように当接ポジションに位置する。このとき、カムギヤ58のカム部58aは、離間カム57に対して離間している。
【0088】
この時、スライド部材72F,72Bは、第1現像加圧バネ53F及び第2現像加圧バネ53Bによって、長手方向LDにおいてセンターカム56から離れる方向に付勢されている。そして、第1押圧部材70は、図9(d)に示すように、スライド部材72Fのボス72aFによって押圧される。ここで、ボス72aF及び長孔70aの係合によって、第1現像加圧バネ53Fの長手方向LDにおける付勢力が、短手方向SDに変換され、押圧部70bは、押圧力P1で現像ユニットフレーム38の被押圧部36(図3(a)参照)を押圧する。
【0089】
また、第2押圧部材71は、スライド部材72Bのボス72aBによって押圧される。ここで、ボス72aB及び長孔71aの係合によって、第2現像加圧バネ53Bの長手方向LDにおける付勢力が、短手方向SDに変換され、押圧部71bは、押圧力P2で現像ユニットフレーム38の被押圧部37(図3(a)参照)を押圧する。
【0090】
次に、第1押圧部材70及び第2押圧部材71の離間動作について説明する。カムギヤ58、離間カム57及び不図示の第1スライドプレート及び第2スライドプレートにより、スライド部材72F,72Bは第1現像加圧バネ53F及び第2現像加圧バネ53Bの付勢力に抗してセンターカム56に近づく方向に移動する。
【0091】
そして、ボス72aF及び長孔70aの係合によって、第1現像加圧バネ53Fの長手方向LDにおける付勢力が、短手方向SDに変換され、図9(c)(e)に示すように、第1押圧部材70は当接位置から離間位置に移動する。すなわち、第1押圧部材70は、矢印S1方向にスライド移動する。
【0092】
また、ボス72aB及び長孔71aの係合によって、第2現像加圧バネ53Bの長手方向LDにおける付勢力が、短手方向SDに変換され、図9(c)に示すように、第2押圧部材71は当接位置から離間位置に移動する。すなわち、第2押圧部材71は、矢印S1方向にスライド移動する。
【0093】
以上のように構成しても、第1現像加圧バネ53F及び第2現像加圧バネ53Bの全てを、長手方向LDにおける第1押圧部材70と第2押圧部材71との間の領域に配置することができる。言い換えれば、第2の端部53F2は、長手方向LDについて、第1押圧部材70と第2押圧部材71との間(第1押圧部材70と第2押圧部材71の内側)に配置されている。第4の端部53B2は、長手方向LDについて、第1押圧部材70と第2押圧部材71との間(第1押圧部材70と第2押圧部材71の内側)に配置されている。このため、装置を長手方向LDに小型化することができる。また、長手方向LDに移動する第1スライドプレート54及び第2スライドプレート55によって、第1押圧部材70と第2押圧部材71を移動させることで、長手方向LDに直交する方向において、装置を小型化できる。
【0094】
なお、本実施の形態において、第1押圧部材70及び第2押圧部材71は短手方向SDに移動可能に設けられていたが、これに限定されない。すなわち、第1押圧部材70及び第2押圧部材71は、長手方向LDに交差する方向である第1交差方向及び第2交差方向にそれぞれスライド移動可能に設けられてもよい。
【0095】
<第4の実施の形態>
次いで、本発明の第4の実施の形態について説明するが、第4の実施の形態は、第1の実施の形態の押圧ユニットの構成を変更したものであり、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0096】
[押圧ユニット]
第4の実施の形態に係る押圧ユニット440は、第1の実施の形態の押圧ユニット40の第1押圧部材50、第1現像加圧バネ53F、第2現像加圧バネ53B、第1スライドプレート54及び第2スライドプレート55の構成を変更したものである。また、他の構成については第1の実施の形態と同様である。
【0097】
押圧ユニット440は、図10(a)に示すように、回動軸80aを中心に現像加圧ステイ500に回動可能に支持される第1押圧部材80と、第1現像加圧バネ81Fと、第2現像加圧バネ81Bと、スライドプレート82と、を有している。第1押圧部材80は、当接離間動作において、第2押圧部材51と同方向に回動する。スライドプレート82は、本実施形態に係る移動部材(移動部)である。
【0098】
第1押圧部材80は、現像ユニットフレーム38の被押圧部36(図3(a)参照)を押圧する押圧部80bと、第1現像加圧バネ81Fに接続される接続部80cと、を有している。第1現像加圧バネ81Fは、引張りバネであり、第2現像加圧バネ82Bは、圧縮バネである。第1押圧部材80は、第1現像加圧バネ81Fによって図10(b)に示す矢印方向の反対方向に付勢されている。同様にして、第2押圧部材51は、第2現像加圧バネ81Bによって図10(b)に示す矢印方向の反対方向に付勢されている。
【0099】
第1現像加圧バネ81Fは、第1の端部81F1と、第1の端部81F1の反対側の第2の端部81F2と、を含んでいる。より具体的には、第2の端部81F2は、第1現像加圧バネ81Fの変形方向について、第1の端部81F1の反対側に配置されており、長手方向LDについて、第1の端部81F1の内側に位置する。また、第2の端部81F2は、第1の端部81F1よりも第1押圧部材80から離れた位置に位置している。第1の端部81F1は第1押圧部材80に取り付けられている。第2の端部81F2は、現像加圧ステイ500に支持されている。
【0100】
第2現像加圧バネ81Bは、第3の端部81B1と、第3の端部81B1の反対側の第4の端部81B2と、を含んでいる。より具体的には、第4の端部81B2は、第2現像加圧バネ81Bの変形方向について、第3の端部81B1の反対側に配置されており、長手方向LDについて、第3の端部81B1の内側に位置する。また、第4の端部81B2は、第3の端部81B1よりも第2押圧部材51から離れた位置に位置している。第4の端部81B2は、現像加圧ステイ500に支持されている。
【0101】
スライドプレート82は、図10(c)に示すように、離間カム57に連結されると共に、第1押圧部材80及び第2押圧部材81にそれぞれ係合する係合部82a,82bを有している。第1現像加圧バネ81F及び第2現像加圧バネ81Bの全ては、長手方向LDにおける第1押圧部材80と第2押圧部材51との間の領域に配置されている。言い換えれば、第2の端部81F2は、長手方向LDについて、第1押圧部材80と第2押圧部材51との間(第1押圧部材80と第2押圧部材51の内側)に配置されている。第4の端部81B2は、長手方向LDについて、第1押圧部材80と第2押圧部材51との間(第1押圧部材80と第2押圧部材51の内側)に配置されている。
【0102】
[当接離間動作]
次に、第1押圧部材80の押圧部80b及び第2押圧部材51の押圧部51bが現像ユニットフレーム38の被押圧部36,37(図3(a)参照)に対してそれぞれ当接又は離間する当接離間動作について説明する。第2押圧部材51の当接離間動作は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0103】
第1押圧部材80の押圧部80b及び第2押圧部材51の押圧部51bが被押圧部36,37に対して当接する時は、駆動モータM(図5(a)参照)が停止状態で、カムギヤ58は、図10(a)(b)に示すように当接ポジションに位置する。このとき、カムギヤ58のカム部58aは、離間カム57に対して離間している。
【0104】
この時、第1押圧部材80は、引張りバネから構成される現像加圧バネ81Fによって図10(b)に示す矢印方向とは反対方向に付勢されている。これにより、第1押圧部材80の押圧部80bは、押圧力P1で現像ユニットフレーム38の被押圧部36(図3(a)参照)を押圧する。
【0105】
次に、第1押圧部材80の離間動作について説明する。矢印Q1方向に回動する離間カム57によってスライドプレート82が図10(d)に示す矢印V2方向にスライド移動すると、スライドプレート82の係合部82aは第1押圧部材80を第1現像加圧バネ81Fの付勢力に抗して押圧する。これにより、第1押圧部材80は、図10(b)に示す矢印方向に回動する。すなわち、第1押圧部材80は、当接位置から離間位置に移動する。
【0106】
以上のように構成しても、第1現像加圧バネ81F及び第2現像加圧バネ81Bの全てを、長手方向LDにおける第1押圧部材80と第2押圧部材51との間の領域に配置することができるため、装置を長手方向LDに小型化することができる。また、第1現像加圧バネ81Fが引張りバネ、第2現像加圧バネ82Bが圧縮バネであるため、センターカム56を用いることなく、スライドプレート82によって第1押圧部材80と第2押圧部材51を移動させることができる。また、長手方向LDに移動するスライドプレート82によって、第1押圧部材80と第2押圧部材51を移動させることで、長手方向LDに直交する方向において、装置を小型化できる。
【0107】
なお、第1現像加圧バネ81F及び第2現像加圧バネ81Bを引張りバネから構成した場合、バネ内径が小さいものを適用したとしても、第1現像加圧バネ81F及び第2現像加圧バネ81Bが座屈し難く、組立性を向上することができる。
【0108】
<他の実施の形態>
なお、押圧ユニットは、現像ユニットフレーム38の上部ではなく、他の箇所、例えば下部を押圧するように構成してもよい。また、既述の実施の形態を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1:画像形成装置(プリンタ)/3:感光体(感光ドラム)/5:現像部材(現像ローラ)/15:中間転写体(中間転写ベルト)/18Y:転写部(1次転写ローラ)/31:第1軸受部材(軸受部材)/32:第2軸受部材(軸受部材)/34:現像ユニット/36:第1被押圧部(押圧部)/37:第2被押圧部(押圧部)/50,60,70,80:第1押圧部材/50a,60a,80a,150a:第1軸(回動軸)/50b,60b,80b,150b:第1押圧部(押圧部)/51,71:第2押圧部材/51a,151a:第2軸(回動軸)/51b,151b:第2押圧部(押圧部)/53B:第2付勢部材(第2現像加圧バネ)/53F:第1付勢部材(第1現像加圧バネ)/53B1,81B1:第3の端部/53B2,81B2:第4の端部/53F1,81F1:第1の端部/53F2,81F2:第2の端部/54:第1スライド部材(第1スライドプレート)/55:第2スライド部材(第2スライドプレート)/56:連動部材(センターカム)/57:駆動部材(離間カム)/61,82:移動部(スライドプレート)/545:移動部/LD:軸線方向(長手方向)/T1:第1方向/T2:第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
図12