(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】Web会議システム、処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/56 20060101AFI20241007BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
H04M3/56 Z
G06F3/12 378
G06F3/12 302
G06F3/12 323
(21)【出願番号】P 2020124529
(22)【出願日】2020-07-21
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】安部 孝一
(72)【発明者】
【氏名】中村 敦
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-223423(JP,A)
【文献】特開2004-334874(JP,A)
【文献】特開2000-293466(JP,A)
【文献】特開2014-168184(JP,A)
【文献】特開2012-074040(JP,A)
【文献】特開2017-163471(JP,A)
【文献】特開2001-177813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J29/00-29/70
G06F3/01
3/048-3/04895
3/09-3/12
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z99/00
H04L13/00-13/18
51/00-101/695
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04N7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Web会議サービスを提供するサーバと、Web会議を行うための第1のアプリケーションを含む第1の装置と、Web会議を行うための第2のアプリケーションを含み且つ画像を印刷するプリンタと接続可能な第2の装置と、を含むWeb会議システムであって、
前記サーバは、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの、Web会議への参加要求を受け付ける受付手段と、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付手段が受け付けたことに基づいて、前記第1のアプリケーションから送信された音声データを前記第2のアプリケーションに送信し、且つ前記第2のアプリケーションから送信された音声データを前記第1のアプリケーションに送信する第1の送信手段と、
を有し、
前記第2の装置は、
前記第1の送信手段により前記音声データが送信された場合に、前記第2のアプリケーションを用いて、当該音声データに基づく音声を出力する第1の出力手段と、
前記第2のアプリケーションを用いて、前記第2の装置にプリンタが接続されているか否かを示す第1の情報、または当該第2の装置に接続されているプリンタに関する設定を示す第2の情報を、前記サーバに送信する第2の送信手段と、
を有し、
前記第1の装置は、
前記第1の送信手段により前記音声データが送信された場合に、前記第1のアプリケーションを用いて、当該音声データに基づく音声を出力する第2の出力手段と、
前記第1のアプリケーションを用いて、前記第2の装置に接続されているプリンタに関するプリンタ情報を表示画面に表示する表示制御手段と、
前記第1のアプリケーションを用いて、前記サーバを介して、前記第2の装置に印刷を指示する印刷指示手段と、
を有し、
前記サーバの前記第1の送信手段はさらに、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付手段が受け付けたことに基づいて、前記第1の情報または前記第2の情報を前記第1のアプリケーションに送信し、
前記第1の装置の前記表示制御手段は、前記第1の送信手段により送信された前記第1の情報または前記第2の情報に基づいて、前記プリンタ情報を前記表示画面に表示することを特徴とするWeb会議システム。
【請求項2】
前記第2の装置は、前記印刷指示手段による印刷指示に応じて、前記第2のアプリケーションにより前記プリンタに印刷を実行させる印刷制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のWeb会議システム。
【請求項3】
前記第2の装置はプリンタドライバを備え、前記印刷制御手段は、前記印刷指示手段による印刷指示に応じて、前記プリンタドライバを介して前記プリンタに印刷を実行させることを特徴とする請求項2に記載のWeb会議システム。
【請求項4】
前記印刷制御手段は、前記印刷指示手段による印刷指示に応じて、印刷対象のコンテンツを外部のサーバに要求し、当該要求に応じて受信した当該印刷対象のコンテンツを前記プリンタに印刷させることを特徴とする請求項2または3に記載のWeb会議システム。
【請求項5】
前記外部のサーバは、前記Web会議サービスを提供する前記サーバであることを特徴とする請求項4に記載のWeb会議システム。
【請求項6】
前記第2の装置には、印刷対象のコンテンツの所在を示す所在情報が送信され、前記印刷制御手段は、当該所在情報に基づいて、印刷対象のコンテンツを外部のサーバに要求することを特徴とする請求項4または5に記載のWeb会議システム。
【請求項7】
前記第1の装置は、
前記第1のアプリケーションにより、スキャナに原稿を読み取らせる読取制御手段と、
前記読取制御手段により前記スキャナが原稿を読み取ることで得られたスキャン画像を前記サーバに送信する第3の送信手段と、
をさらに有し、
前記印刷制御手段は、前記第3の送信手段により送信されたスキャン画像を前記プリンタに印刷させることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のWeb会議システム。
【請求項8】
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付手段が受け付けたことに基づいて、前記第1の装置に記憶されているファイルに含まれているデータを、前記第2のアプリケーションに表示させる第2の表示制御手段をさらに有し、
前記第2の装置の前記印刷制御手段は、前記ファイルの前記データが前記第2の表示制御手段により表示されていることに基づいて、当該ファイルの印刷を前記プリンタに実行させることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載のWeb会議システム。
【請求項9】
前記第2の装置の前記印刷制御手段は、前記ファイルに含まれている所定のページが前記第2の表示制御手段により表示されていることに基づいて、当該所定のページのデータの印刷を前記プリンタに実行させることを特徴とする請求項8に記載のWeb会議システム。
【請求項10】
前記第2の表示制御手段は、前記第1の装置が有し、
前記第1の装置は前記第2の表示制御手段により、前記ファイルに含まれているデータを前記表示画面に表示させ且つ前記サーバを介して当該データを前記第2のアプリケーションに送信することで前記第2のアプリケーションに当該データを表示させ、
前記第1の装置の前記印刷指示手段が、前記第2の表示制御手段により前記ファイルが表示されていることに基づいて、当該ファイルに含まれているデータの印刷指示を行うことを特徴とする請求項8または9に記載のWeb会議システム。
【請求項11】
前記第2の表示制御手段は、前記サーバが有し、
前記第1の装置の前記印刷指示手段は、前記ファイルを前記サーバに送信し、
前記サーバが、前記第2の表示制御手段により前記ファイルが表示されていることに基づいて、当該ファイルに含まれているデータの印刷指示を前記第2の装置に行うことを特徴とする請求項8または9に記載のWeb会議システム。
【請求項12】
前記第2の情報が示す前記設定は、前記第2の装置に接続されているプリンタに対する印刷を拒否する設定であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のWeb会議システム。
【請求項13】
Web会議サービスを提供するサーバと、Web会議を行うための第1のアプリケーションを含む第1の装置と、Web会議を行うための第2のアプリケーションを含み且つ画像を印刷するプリンタと接続可能な第2の装置とを含むWeb会議システムにおける処理方法であって、
前記サーバにより、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの、Web会議への参加要求を受け付ける受付工程と、
前記サーバが、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付工程において受け付けたことに基づいて、前記第1のアプリケーションから送信された音声データを前記第2のアプリケーションに送信し、且つ前記第2のアプリケーションから送信された音声データを前記第1のアプリケーションに送信する第1の送信工程と、
前記第1の送信工程において前記音声データが送信された場合に、前記第2の装置が前記第2のアプリケーションを用いて、当該音声データに基づく音声を出力する第1の出力工程と、
前記第1の送信工程において前記音声データが送信された場合に、前記第1の装置が前記第1のアプリケーションを用いて、当該音声データに基づく音声を出力する第2の出力工程と、
前記第2の装置が前記第2のアプリケーションを用いて、前記第2の装置にプリンタが接続されているか否かを示す第1の情報、または当該第2の装置に接続されているプリンタに関する設定を示す第2の情報を、前記サーバに送信する第2の送信工程と、
前記第1の装置が前記第1のアプリケーションを用いて、前記第2の装置に接続されているプリンタに関するプリンタ情報を表示画面に表示する表示制御工程と、
前記第
1の装置が前記第1のアプリケーションを用いて、前記サーバを介して、前記第2の装置に印刷を指示する印刷指示工程と、
を有し、
前記サーバはさらに、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求が前記受付工程において受け付けられたことに基づいて、前記第1の情報または前記第2の情報を前記第1のアプリケーションに送信し、
前記第1の装置は前記表示制御工程において、
前記サーバにより送信された前記第1の情報または前記第2の情報に基づいて、前記プリンタ情報を前記表示画面に表示することを特徴とする処理方法。
【請求項14】
Web会議を行うための第1のアプリケーションを含む第1の装置と、Web会議を行うための第2のアプリケーションを含み且つ画像を印刷するプリンタと接続可能な第2の装置と通信可能であり、且つWeb会議サービスを提供するサーバにより実行されるプログラムであって、
前記サーバを、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの、Web会議への参加要求を受け付ける受付手段と、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付手段が受け付けたことに基づいて、前記第1のアプリケーションから送信された音声データを前記第2のアプリケーションに送信し、且つ前記第2のアプリケーションから送信された音声データを前記第1のアプリケーションに送信する第1の送信手段と、
として機能させ、
前記第2の装置は、
前記第1の送信手段により前記音声データが送信された場合に、前記第2のアプリケーションを用いて、当該音声データに基づく音声を出力する第1の出力手段と、
前記第2のアプリケーションを用いて、前記第2の装置にプリンタが接続されているか否かを示す第1の情報、または当該第2の装置に接続されているプリンタに関する設定を示す第2の情報を、前記サーバに送信する第2の送信手段と、
を有し、
前記第1の装置は、
前記第1の送信手段により前記音声データが送信された場合に、前記第1のアプリケーションを用いて、当該音声データに基づく音声を出力する第2の出力手段と、
前記第1のアプリケーションを用いて、前記第2の装置に接続されているプリンタに関するプリンタ情報を表示画面に表示する表示制御手段と、
前記第1のアプリケーションを用いて、前記サーバを介して、前記第2の装置に印刷を指示する印刷指示手段と、
を有し、
前記サーバの前記第1の送信手段はさらに、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付手段が受け付けたことに基づいて、前記第1の情報または前記第2の情報を前記第1のアプリケーションに送信し、
前記第1の装置の前記表示制御手段により、前記第1の送信手段により送信された前記第1の情報または前記第2の情報に基づいて、前記プリンタ情報が前記表示画面に表示されることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
Web会議を行うための第2のアプリケーションを含み且つ画像を印刷するプリンタと接続可能な第2の装置とWeb会議サービスを提供するサーバを介して通信可能な第1の装置により実行される第1のアプリケーションに対応するプログラムであって、
前記サーバは、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの、Web会議への参加要求を受け付ける受付手段と、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付手段が受け付けたことに基づいて、前記第1のアプリケーションから送信された音声データを前記第2のアプリケーションに送信し、且つ前記第2のアプリケーションから送信された音声データを前記第1のアプリケーションに送信する第1の送信手段と、
を有し、
前記第2の装置は、
前記第1の送信手段により前記音声データが送信された場合に、前記第2のアプリケーションを用いて、当該音声データに基づく音声を出力する第1の出力手段と、
前記第2のアプリケーションを用いて、前記第2の装置にプリンタが接続されているか否かを示す第1の情報、または当該第2の装置に接続されているプリンタに関する設定を示す第2の情報を、前記サーバに送信する第2の送信手段と、
を有し、
前記第
1のアプリケーションに対応する前記プログラムは、前記第1の装置を、
前記第1の送信手段により前記音声データが送信された場合に、当該音声データに基づく音声を出力する第2の出力手段と、
前記第2の装置に接続されているプリンタに関するプリンタ情報を表示画面に表示する表示制御手段と、
前記サーバを介して、前記第2の装置に印刷を指示する印刷指示手段と、
として機能させ、
前記サーバの前記第1の送信手段により、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付手段が受け付けたことに基づいて、前記第1の情報または前記第2の情報が前記第1のアプリケーションに送信され、
前記プログラムは、前記第1の装置を、前記第1の送信手段により送信された前記第1の情報または前記第2の情報に基づいて、前記プリンタ情報を前記表示画面に表示する前記表示制御手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
Web会議を行うための第1のアプリケーションを含む第1の装置とWeb会議サービスを提供するサーバを介して通信可能であり且つ画像を印刷するプリンタと接続可能な第2の装置により実行される第2のアプリケーションに対応するプログラムであって、
前記サーバは、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの、Web会議への参加要求を受け付ける受付手段と、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付手段が受け付けたことに基づいて、前記第1のアプリケーションから送信された音声データを前記第2のアプリケーションに送信し、且つ前記第2のアプリケーションから送信された音声データを前記第1のアプリケーションに送信する第1の送信手段と、
を有し、
前記第1の装置は、
前記第1の送信手段により前記音声データが送信された場合に、前記第1のアプリケーションを用いて、当該音声データに基づく音声を出力する第2の出力手段と、
前記第1のアプリケーションを用いて、前記第2の装置に接続されているプリンタに関するプリンタ情報を表示画面に表示する表示制御手段と、
前記第1のアプリケーションを用いて、前記サーバを介して、前記第2の装置に印刷を指示する印刷指示手段と、
を有し、
前記第2のアプリケーションに対応する前記プログラムは、前記第2の装置を、
前記第1の送信手段により前記音声データが送信された場合に、前記第2のアプリケーションを用いて、当該音声データに基づく音声を出力する第1の出力手段と、
前記第2のアプリケーションを用いて、前記第2の装置にプリンタが接続されているか否かを示す第1の情報、または当該第2の装置に接続されているプリンタに関する設定を示す第2の情報を、前記サーバに送信する第2の送信手段と、
として機能させ、
前記サーバの前記第1の送信手段によりさらに、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付手段が受け付けたことに基づいて、前記第1の情報または前記第2の情報が前記第1のアプリケーションに送信され、
前記第1の装置の前記表示制御手段により、前記第1の送信手段により送信された前記第1の情報または前記第2の情報に基づいて、前記プリンタ情報が前記表示画面に表示されることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Web会議サービスを提供するWeb会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遠隔地にいるメンバー間で会議を行うためのWeb会議システムが存在する。Web会議システムでは、離れた場所にいる複数人が所有する複数の情報処理装置が、インターネットを介してオンラインで接続される。そして、同一空間で会議を行う場合と同等な会議を行うための各種の機能がWeb会議システムに設けられている。そのような機能として、資料を表示している発表者の情報処理装置の画面を共有するための機能(デスクトップ共有)、参加者間の音声会話を実現する機能(ボイスチャット)、また参加者が相互に視認できるようにするためのビデオ映像共有機能がある。
【0003】
一方で、近年プリンタは普及品として自宅を含めた様々なロケーションに存在し、パーソナルコンピュータ(PC)等からUSB、または無線LAN等のネットワークを介して印刷を行うことができる。またプリンタを、ローカルネットワークおよびルーターを介してインターネットに接続することも可能である。
【0004】
特許文献1には、プリンタがクラウド上のコンテンツの印刷を行うこと、またプリンタとは別のロケーションに位置する端末からインターネットを経由して、当該プリンタに印刷を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のようなWeb会議システムを用いた会議において、表示画面を共有するだけでなく、複数の参加者が印刷された情報を共有することが必要な場合がある。このような情報共有が必要な時に各参加者はWeb会議システムを利用している場合があるため、Web会議システムの少なくとも一部を利用して情報共有するのが望ましい。
【0007】
本発明は上記の点に鑑み、Web会議システムにおいて、複数の参加者が印刷された情報を容易に共有することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、Web会議サービスを提供するサーバと、Web会議を行うための第1のアプリケーションを含む第1の装置と、Web会議を行うための第2のアプリケーションを含み且つ画像を印刷するプリンタと接続可能な第2の装置と、を含むWeb会議システムであって、前記サーバは、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの、Web会議への参加要求を受け付ける受付手段と、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付手段が受け付けたことに基づいて、前記第1のアプリケーションから送信された音声データを前記第2のアプリケーションに送信し、且つ前記第2のアプリケーションから送信された音声データを前記第1のアプリケーションに送信する第1の送信手段と、を有し、前記第2の装置は、前記第1の送信手段により前記音声データが送信された場合に、前記第2のアプリケーションを用いて、当該音声データに基づく音声を出力する第1の出力手段と、前記第2のアプリケーションを用いて、前記第2の装置にプリンタが接続されているか否かを示す第1の情報、または当該第2の装置に接続されているプリンタに関する設定を示す第2の情報を、前記サーバに送信する第2の送信手段と、を有し、前記第1の装置は、前記第1の送信手段により前記音声データが送信された場合に、前記第1のアプリケーションを用いて、当該音声データに基づく音声を出力する第2の出力手段と、前記第1のアプリケーションを用いて、前記第2の装置に接続されているプリンタに関するプリンタ情報を表示画面に表示する表示制御手段と、前記第1のアプリケーションを用いて、前記サーバを介して、前記第2の装置に印刷を指示する印刷指示手段と、を有し、前記サーバの前記第1の送信手段はさらに、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションからの参加要求を前記受付手段が受け付けたことに基づいて、前記第1の情報または前記第2の情報を前記第1のアプリケーションに送信し、前記第1の装置の前記表示制御手段は、前記第1の送信手段により送信された前記第1の情報または前記第2の情報に基づいて、前記プリンタ情報を前記表示画面に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、Web会議システムにおいて、複数の参加者が印刷された情報を容易に共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理装置を含むWeb会議システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】パーソナルコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【
図3】パーソナルコンピュータのソフトウェア構成を示す図である。
【
図4】パーソナルコンピュータ上で実行されているWeb会議システムのクライアントアプリケーションのメイン画面を表した図である。
【
図5】パーソナルコンピュータ上で実行されているWeb会議システムのクライアントアプリケーションの入出力機器の設定画面を表した図である。
【
図8】会議参加者のリスト並びに各人の入出力機器のステータス表示を示す図である。
【
図9】チャットの様子を示すチャットウインドウを示す図である。
【
図10】読み取り中であることを知らしめるダイアログボックスを示す図である。
【
図11】アプリケーション140から見た印刷処理を示すフローチャートである。
【
図12】アプリケーション240から見た印刷処理を示すフローチャートである。
【
図13】アプリケーション140から見たスキャン処理を示すフローチャートである。
【
図14】アプリケーション240から見たスキャン処理を示すフローチャートである。
【
図15】アプリケーション140が表示するメッセージダイアログを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は、情報処理装置を含むWeb会議システムの構成の一例を示す図である。情報処理システム100および200は、クライアント端末110、210ならびに周辺機器を含むシステムである。クライアント端末110、210は例えば、一般的なパーソナルコンピュータ(以下の説明において、PCまたはコンピュータと略す場合がある)や、スマートフォン、タブレット等である。なお、クライアント端末110、210が異なる種類のデバイスでもよく、例えばクライアント端末110がパーソナルコンピュータであり、クライアント端末210がスマートフォンであってもよい。以降、クライアント端末110、210がともにパーソナルコンピュータである場合を例に説明を行う。また、クライアント端末110、クライアント端末210について、「パーソナルコンピュータ110」、「パーソナルコンピュータ210」とも記載する。
【0013】
情報処理システム100並びに200において、パーソナルコンピュータ110、210は一般的なパーソナルコンピュータである。プリンタ120および220は、上記の周辺機器として、パーソナルコンピュータの近傍に配置されているプリンタ装置であり、パーソナルコンピュータとはUSBや有線LAN、または無線LANで接続されている。スキャナ130および230は、上記の周辺機器として、パーソナルコンピュータの近傍に配置されているスキャナ装置であり、パーソナルコンピュータとはUSBや有線LAN、または無線LANで接続されている。パーソナルコンピュータ110と210はそれぞれローカルネットワークを経由してインターネットに接続されている。
図1ではパーソナルコンピュータとプリンタ装置、スキャナ装置が直接接続されているが、パーソナルコンピュータとプリンタ装置、スキャナ装置が1つのアクセスポイント(無線LANルータ等)を介して接続されてもよい。そして、パーソナルコンピュータ、プリンタ装置、スキャナ装置が、そのアクセスポイントを介して、インターネットに接続されてもよい。この場合、パーソナルコンピュータ、プリンタ装置、スキャナ装置がそれぞれ、後述するWeb会議サーバ300にインターネットを介して接続されることになる。
【0014】
Web会議サーバ300は、インターネット上に存在するサーバであり、Web会議サービスを提供する。また、Web会議サーバ300は、1または複数のサーバ装置を含むサーバシステムである。Web会議サーバ300が複数のサーバ装置を含む場合、当該複数のサーバ装置が連携して処理を実行することで、後述するWeb会議サーバ300の機能が実現される。
【0015】
Web会議サーバ300によるWeb会議サービスを利用するために、会議の参加者のパーソナルコンピュータに、同Web会議サービス対応のクライアントアプリケーション(以降の記載において、アプリケーションと略す場合がある)がインストールされる。会議の参加者は、所定のクライアントアプリケーションをコンピュータにインストールし、実行することで、Web会議に参加することが可能になる。図中、140並びに240はこのWeb会議システム用のクライアントアプリケーションを指す。310は、Web会議サーバ300が実行するWeb会議アプリケーションであり、330、340はそれぞれWeb会議サーバ300が利用するデータベース、ファイルストレージである。
【0016】
図1に示したWeb会議システムにおいて、情報処理システム100および200がそれぞれ、遠隔地に設けられていることが想定される。例えば、情報処理システム100および200が、2人の参加者の自宅もしくは職場に設けられる。なお、情報処理システムは2つに限らず、例えば会議への参加者が10人でそれぞれの自宅からWeb会議に参加する場合、10個の情報処理システムが設けられることが考えられる。
【0017】
Web会議サーバ300は、複数の情報処理システムのそれぞれのパーソナルコンピュから受信した、ユーザの音声データを他のパーソナルコンピュータに送信する。例えば、3つ以上のパーソナルコンピュータが存在する場合に、各情報処理システムのいずれかのパーソナルコンピュータからユーザの音声データがWeb会議サーバ300に送信されたとする。このとき、Web会議サーバ300は、2つ以上の他のパーソナルコンピュータに音声データを送信する。これにより、3人以上の参加者が3つ以上のパーソナルコンピュータを操作する場合に、いずれかの参加者の音声が他の参加者に届けるため、Web会議を行うことができる。なお、この音声データの受信、送信を含む音声制御処理は、
図1のWeb会議アプリケーション310により実行される。上述のように、クライアント端末110、210は、Web会議サーバ300を介して通信可能に接続される。
【0018】
図2は、パーソナルコンピュータのハードウェア構成の一例を表す図である。パーソナルコンピュータ110及び210は、
図2に示すようなハードウェアを含んで構成されている。
図2に示す通り、パーソナルコンピュータ110及び210は、ランダムアクセスメモリ部であるRAM201、ハードディスクドライブ部であるHDD202、キーボード部であるKBD203、CPU204を含む。また、パーソナルコンピュータ110及び210は、表示用ディスプレイであるLCD205、ネットワークボードであるNB207をさらに含む。また、パーソナルコンピュータ110及び210は、少なくとも
図2に示す各ブロックを互いに通信可能に接続するバス206を含む。尚、HDD202は、例えば、パーソナルコンピュータ110及び210の記憶部としてのハードディスクドライブである。なお、ハードディスクドライブの代わりに、可搬性CD-ROMまたは内部据付のROM等がパーソナルコンピュータ110及び210の記憶部であっても良い。KBD203は、例えば、パーソナルコンピュータ110及び220の入力部である。
【0019】
CPU204は、例えば、パーソナルコンピュータ110及び210の制御部である。LCD205は、例えば、パーソナルコンピュータ110及び210の表示部である。NB207は、例えば、パーソナルコンピュータ110及び210の通信制御部であり、外部装置に接続される。なお、複数のプロセッサが、後述するCPU204による処理を実行してもよい。また、KBD203、LCD205はそれぞれ、パーソナルコンピュータ110及び220が内部に備えなくてもよく、外部の入力装置、表示装置としてパーソナルコンピュータ110及び220に接続されていてもよい。
【0020】
クライアントアプリケーション140、240、Webブラウザ83等のアプリケーションや、
図3に示す各モジュール(ソフトウェア)は、例えばHDD202に記憶され、必要に応じてRAM201に読み出されてCPU204により実行される。これにより、CPU204が、クライアントアプリケーション140、240、Webブラウザ83等のアプリケーションや、
図3に示す各モジュール(ソフトウェア)の機能を実現する。また、
図3で後述する各種のソフトウェアモジュールが、パーソナルコンピュータ110及び210に含まれている複数の記憶部に分散して記憶されていてもよい。つまり、後述するパーソナルコンピュータ110及び210による各種の処理が、複数のプロセッサにより、複数の記憶部に記憶された複数のソフトウェアモジュールが実行されることで、実現されてもよい。なお、以降の記載において、クライアントアプリケーション140、クライアントアプリケーション240については、単に「アプリケーション140」、「アプリケーション240」と記載する場合もある。
【0021】
図3は、パーソナルコンピュータのソフトウェアのモジュール構成の一例を表す図である。
図3の(a)において、モジュール92は、Ethernet(登録商標)を制御するEthernet(登録商標)制御スタックである。モジュール91は、IP Networkを制御するIP Network制御スタックである。モジュール90は、ネットワーク上のデバイス探索の仕組みを提供するWSD(Web Service on Devices)を制御するWSD制御スタックである。モジュール88は、ネットワークのプラグアンドプレイを制御するPnP-X制御スタックである。尚、PnP-Xとは、ネットワーク接続デバイスに対するサポートを提供する、プラグアンドプレイの一連の拡張機能であるPlug and Play Extensionsの略称である。またPnP-XはWindows(登録商標) 10オペレーティングシステム(以降において、OSと略す場合がある)に標準搭載されている機能である。モジュール85は、デバイスドライバ群であり、OSに標準で同梱されている標準ドライバ群87と、IndependentHardwareVendor(IHV)から提供されるIHV製ドライバ群86とを含んで構成される。
【0022】
モジュール84は、アプリケーション/DDIインタフェースであり、ApplicationProgramingInterface(API)、DeviceDriverInterface(DDI)を含んで構成される。モジュール140は例えばWeb会議システム用のクライアントアプリケーション、モジュール83は例えばWebブラウザアプリケーションである。モジュール82は、アプリケーション群であり、クライアントアプリケーション140、Webブラウザ83等を含む。
【0023】
図3の(b)において、93はプリンタ120や220を制御するプリンタドライバ、94はスキャナ130や230を制御するスキャナドライバである。
【0024】
なお、
図1のWeb会議サーバ300に含まれている1または複数のサーバ装置のそれぞれも、1または複数のプロセッサおよび1または複数の記憶部を備える。そして、その1または複数のプロセッサが、1または複数の記憶部に記憶されているプログラム(Web会議アプリケーション310等)を実行することで、Web会議サービスを提供する。
【0025】
図4は、パーソナルコンピュータ上で実行されているWeb会議システムのクライアントアプリケーション140、240のメイン画面1400を表したものである。141はWeb会議に参加しているメンバーのリストと各人のデバイス状態を表すウィンドウである。142はWeb会議に参加しているメンバーのビデオ画面の表示部である。参加メンバーが使用しているパーソナルコンピュータに接続されている(もしくは内蔵されている)カメラを通じて、参加者の映像が配信されて142の表示部に表示される。143はWeb会議に参加しているメンバーのうち、表示の権限を与えられたメンバーのコンピュータ画面が、会議参加者に配信表示されるウィンドウである。例えば、情報処理システム100の発表者がプレゼンテーションを行う場合、その発表者がデスクトップ表示の権限を取得し、発表資料のデータを自身のパーソナルコンピュータの画面上に表示する。すると、クライアントアプリケーション140およびWeb会議アプリケーション310により、パーソナルコンピュータが表示中の画面が、情報処理システム200のクライアント端末(パーソナルコンピュータ)に表示される。この場合、情報処理システム100のクライアントアプリケーション140からWeb会議アプリケーション310に、リアルタイムに画面の表示データが送信される。即ち発表者は、プレゼンテーション資料をデスクトップ画面上に表示し、その画面を配信表示することでプレゼンテーション資料を配信する。このとき発表者が発表資料のうちの表示対象のページを変更すると、変更後のページが、
図4の143のウィンドウにリアルタイムに表示されることになる。
【0026】
144は、参加者が操作可能なボタンである。具体的には、1441は参加者自身のWeb会議への参加または退室を指示するボタンである。1444は、自装置であるパーソナルコンピュータのカメラ撮像によるビデオ配信機能のオン/オフを切り替えるボタンである。1443は、音声通話機能のオン/オフを切り替えるボタンである。1442は、デスクトップ共有機能のオン/オフを制御するボタンである。なお、上述したような、発表データの表示(他の参加者との共有)は、1442のボタンに対する操作で実行可能である。
【0027】
145は、144のボタンに対する参加者の操作に応じて、自装置も含めた参加者全員の装置におけるビデオ配信、音声通話、デスクトップ共有のオンオフ状態を表示するステータス表示部である。146は、Web会議を行っている参加者間で、テキストメッセージおよびファイルの送信および受信、またスキャン画像の参加者間の送信および受信、印刷データの送信および受信を行う為の操作画面である。
【0028】
147は、Web会議システムにおいて、各参加者が印刷に使用するプリンタのステータスを表示する表示部である。会議の参加者それぞれのパーソナルコンピュータに接続されたプリンタの状態が表示される。1461はテキストメッセージおよびファイルの送信および受信、スキャン画像の参加者間の送信および受信、印刷データの送信を行う際の相互通信の内容が表示されるメッセージ表示部(チャットウインドウ)である。1462はファイルの送信および受信を行う際の対象ファイルを選択するためのファイル選択ボタンである。1463は、Web会議システムにおいて他の参加者が所有するプリンタに印刷を実行させるためのプリントデータ選択ボタンである。1464は、参加者が操作するパーソナルコンピュータに接続されているスキャナを用いて原稿をスキャンし、そのスキャン画像を自身が操作しているクライアントアプリケーションに取り込むためのアイコンボタンである。1465はテキストメッセージおよびファイルの送信および受信、またスキャン画像の参加者間の送信および受信、印刷データの送信を行うための送信ボタンである。1466はテキストメッセージを送信する際にテキストメッセージを入力するためのメッセージ入力ダイアログボックスである。
【0029】
図5はパーソナルコンピュータ上で実行されているWeb会議システムのクライアントアプリケーション140、240により表示される、入出力機器の設定画面を表したものである。150はWeb会議システムのクライアントアプリケーション140、240の入出力機器の設定画面である。151はクライアントアプリケーションの設定項目一覧のメニューである。152は設定項目のうち、プリンタおよびスキャナの設定画面を呼び出すメニュー選択ボタンである。153は自装置のクライアントアプリケーションが印刷を行わせるプリンタを選択する為のプリンタ選択メニューである。154は自装置のクライアントアプリケーションが原稿を読み取らせるスキャナを選択する為のスキャナ選択メニューである。
【0030】
155はテスト印刷を行うためのボタンであり、155のボタンが操作されることで、クライアントアプリケーションから、153に示すメニューで選択されているプリンタに、印刷指示と、予め決められたデータが送信される。このデータが該プリンタにより印刷された場合、ユーザは、該プリンタに対してクライアントアプリケーションからの印刷指示および該プリンタの印刷動作が正常に行われることを確認することができる。なお、上記の予め決められたデータは、クライアントアプリケーションがインストールされるときに、同時にパーソナルコンピュータに保存され、155のボタンへの操作に応じて、クライアントアプリケーションにより読み出される。また上記のテスト印刷は、クライアントアプリケーションによる通常の印刷と同様に、選択中のプリンタに対応するプリンタドライバを介して実行される。
【0031】
156はテストスキャンを行うためのボタンであり、156のボタンが操作されることで、クライアントアプリケーションから、154に示すメニューで選択されているスキャナに、スキャン指示が行われる。このスキャン指示を受け、該スキャナによりスキャンが行われ、スキャン画像がスキャナからクライアントアプリケーションに送信されて、クライアントアプリケーションにより表示される。ユーザはこの表示を確認することで、クライアントアプリケーションによるスキャン指示および選択中のスキャナによるスキャン動作が正常に行われることを確認することができる。
【0032】
157は、クライアントアプリケーションからスキャン指示を行った際に、スキャン画像の画質調整、台形補正、クロッピングなどの画像最適化処理を自動で行うか否か、を設定する選択ボタンである。158は、クライアントアプリケーションからスキャン画像を会議参加者に送信する際に、スキャン画像をファイルとして送信するか、プリンタへの出力を行うか、を選択する選択ボタンである。159は、会議を行う際に他の参加者により印刷データが送信された場合に、その印刷データに基づく印刷を実行するか否かを予め設定できるボタンである。
【0033】
図6はWeb会議システムを用いて印刷対象のデータの送信を行う際に表示されるファイル選択ダイアログ160を示す図である。ファイル選択ダイアログ160は、1463に示したプリントデータ選択ボタンを押下した際に表示される。
【0034】
図8は本実施形態におけるWeb会議システムのクライアントアプリケーション上に表示される、会議参加者のリスト並びに各人の入出力機器のステータス表示である。
【0035】
[処理シーケンス]
(アプリへのプリンタ装置とスキャナ装置の登録処理)
Web会議参加者が情報処理システム100を使ってWeb会議サービスを使用する前に行う事前準備について説明する。なお、この事前準備は、情報処理システム200や、情報処理システム100および200と同様の構成を備える、不図示の他の情報処理システムにおいても同様に実行可能である。
【0036】
まず、Web会議サービスに参加するためにはWeb会議サービスへの加入、すなわちサービスのアカウント作成が必要になる。このアカウント作成の結果としてサービスを利用するためのアカウントIDが付与される。Web会議サービスを利用する際に、各参加者は、それぞれ自分のアカウントIDとパスワードで、Web会議サービスにサインインする。
【0037】
次に、前述のように本実施形態のWeb会議サービスを利用するためにはクライアントアプリケーションのセットアップが必要になる。Web会議サービスがインターネット上の所定のサーバに公開しているインストールプログラムを使用者がダウンロードして実行することにより、クライアントアプリケーションがインストールされる。インストールプログラムの実行が完了すると、OS上でクライアントアプリケーションの実行が可能となる。
【0038】
次に、クライアントアプリケーションを会議で使用する準備として、情報処理システムが具備するデバイスに関する事前設定について説明する。特にWeb会議で使用するプリンタ装置、スキャナ装置の登録と初期設定についての説明を行う。使用者がクライアントアプリケーションを使用してWeb会議に参加する前に、クライアントアプリケーションが使用するハードウエアデバイスを設定する必要がある。設定にはインストールされたクライアントアプリケーションを起動し、
図5の150に示した設定画面を表示させる。151はクライアントアプリケーションの設定項目一覧のメニューである。ユーザは、151のメニューから所望のメニュー項目を選択することで設定画面を切り替えることができ、切換え後の設定画面においてアプリケーションの設定を行う。Web会議上の音声通話に関連する設定は「オーディオ」設定メニュー上で行われる。具体的には、「オーディオ」設定メニュー上で、アプリケーションが使用するシステム上のスピーカーデバイスまたはヘッドホンデバイス、マイクロフォンデバイスの選択が行われる。また、これらのデバイスのテストの実行指示や、音量調整やマイクの初期状態をミュート状態にするか否かの設定も、「オーディオ」設定メニュー上で行われる。アプリケーションが使用するシステム上のWebカメラデバイスの選択やそのテスト、音量調整やマイクの初期状態をミュート状態にするか否か、などのWeb会議上の音声通話に関連する設定は「ビデオ」設定メニュー上で行う。Web会議を行う際に使うアカウント情報の設定は「アカウント」設定メニュー上で行う。
【0039】
152の「スキャナ・プリンタ」項目メニューは本アプリケーションの設定項目のうち、プリンタおよびスキャナ設定画面を呼び出すメニュー選択ボタンである。152のメニューボタンを押下することにより、プリンタおよびスキャナに関する設定を行うための設定画面150が表示される。この設定画面において、153は上述のように、クライアントアプリケーションから印刷を行わせるプリンタを選択する為のプリンタ選択メニューである。具体的には、153はプルダウンメニューであり、その選択肢には情報処理システム100に接続されて、OSに登録されているプリンタドライバに対応するプリンタの名称が表示される。使用者は選択肢に表示されるプリンタ名称の一覧の中から、会議中に印刷に使用したいプリンタを選択する。クライアントアプリケーション140は、選択されたプリンタに対して正常に印刷を行う事が出来るか否かの確認を行う為に、該選択されたプリンタにテスト印刷を実行させることができる。テスト印刷ボタン155は、そのテスト印刷を指示するためのボタンである。該ボタンの押下により、クライアントアプリケーションからテスト印刷用のデータが選択したプリンタドライバインスタンスに転送される。プリンタドライバ経由でプリンタ装置に印刷出力が行われることで、アプリケーションからプリンタ装置への正常印刷が確認可能である。
【0040】
同様に、154は上述のように、クライアントアプリケーションにスキャン画像を取り込む際に使用するスキャナ装置を選択する為のスキャナ選択メニューである。154も153と同様にプルダウンメニューであり、その選択肢には情報処理システム100に接続されて、OSに登録されているスキャナドライバに対応するスキャナの名称が表示される。使用者は選択肢に表示されるスキャナ名称一覧の中から、会議中に使用するスキャナとして使用したいスキャナ装置を選択する。上述のように、ユーザは、クライアントアプリケーションが、選択されたスキャナに対して正常にスキャン動作の指示を発行し、スキャン画像の取り込みを行う事が出来るか否かを確認することができる。具体的には、その確認を行う為にテストスキャンを指示するテストスキャンボタン156が用意されている。該ボタンの押下により、クライアントアプリケーション140は、スキャナに対してスキャン動作の指示を行い、スキャン画像の取り込みを行って表示する。これにより、ユーザは、スキャナ装置からアプリケーションにスキャン画像を正常に取り込めることを確認することができる。
【0041】
157と158はアプリケーションのスキャン動作に関する設定を行うボタンであり、159は、アプリケーションの印刷動作に関する設定を行うボタンである。具体的には、157は、クライアントアプリケーションからスキャン指示を行った際に、スキャン画像の画質調整、台形補正、クロッピングなどの画像に対する最適化処理を自動で行うか否か、を設定する選択ボタンである。また158は、クライアントアプリケーション140からスキャン画像を会議参加者に送信する際に、他の参加者のクライアントアプリケーションに、常に印刷を実行させるか否かを切り替えるためのボタンである。
図5に示すように158にチェックが入っていると、クライアントアプリケーション140は、スキャン画像に加えて、該スキャン画像の印刷指示を、Web会議アプリケーション310に送信する。そして、他の参加者のクライアントアプケーションは、Web会議アプリケーション310を介して該スキャン画像と印刷指示を受信すると、プリンタドライバを介してプリンタに該スキャン画像を印刷させる。一方、158にチェックを入れずに原稿スキャンが行われると、上記の印刷指示は送信されず、該スキャン画像が他の参加者のクライアントアプリケーションの画面に表示され、印刷は実行されない。この場合、該他の参加者のクライアントアプリケーションにおいて、該他の参加者の指示により、表示中のスキャン画像を印刷することは可能である。159は、会議を行う際に他の参加者から送信される印刷データの印刷出力を常時拒絶することを設定できる、印刷ミュート(印刷拒否)設定ボタンである。例えば、158でチェックが入れられた状態でクライアントアプリケーション140がスキャン画像と印刷指示を送信したとする。この場合に、該印刷指示を受信したクライアントアプリケーションにおいて、印刷がミュート(印刷拒否)状態になっていた場合、印刷は実行されない。
【0042】
(会議への参加処理)
通常、Web会議サービスを使ったオンライン会議が会議の主催者により設定されるとその会議を特定するIDが設定される。一般的にこのIDはURIの形で付与され、会議の主催者は会議の開催を連絡する際にこのURIを会議の参加者に共有することで、参加者の会議への参加を可能にする。会議参加者のWeb会議への参加は、前述のクライアントアプリケーションを実行することで可能になる。例えば予定された会議の日時に、招待を受けた参加者がアプリケーションを使い、会議IDとして設定されているURIを用いてWeb会議サーバ300にアクセスする。このとき、Web会議サーバ300のWeb会議アプリケーション310は、必要に応じて、クライアントアプリケーションに対して上述したアカウントIDとパスワードの入力を求める。そして、適正なアカウントIDとパスワードがクライアントアプリケーションからWeb会議アプリケーション310に入力されると、参加者はWeb会議に参加することが可能になる。具体的には、Web会議アプリケーション310はクライアントアプリケーションに対して当該Web会議への許可を示す情報をクライアントアプリケーションに送信する。
【0043】
上記の参加許可処理が、Web会議アプリケーション310により、複数の参加者(複数のクライアントアプリケーション)に対して実行される。このように、Web会議サーバ300のWeb会議アプリケーション310は、複数のクライアントアプリケーションからのWeb会議への参加要求を受け付ける受付処理、および参加許可処理を行う。
【0044】
図4に示した、パーソナルコンピュータ上で実行されているWeb会議システムのクライアントアプリケーション140、240のメイン画面について再び説明する。参加者の操作によりWeb会議への参加処理が完了すると、該参加者が操作するアプリケーションおよび他の参加者が操作するアプリケーションのメイン画面において、該参加者の情報が追加される。具体的には、メイン画面1400の141に示すリストのように、Web会議に参加しているメンバーがリスト表示されるが、ここに該参加者の情報(例えばアカウントID)が表示される。また147の領域には、各人のデバイス状態が表示される。145において、各メンバーの入出力機能のステータスが表示され、それぞれの参加者の端末において、ビデオ配信、音声通話、デスクトップ共有の動作状態が表示され参加者間で共有される。また147の領域には、デバイスの情報として、参加者が利用するプリンタに関する表示が行われる。具体的には、クライアントアプリケーションからアクセス可能なデバイス(カメラ、マイク、プリンタ等)が接続されている場合は、デバイス表すアイコンが表示される。これにより、参加者それぞれのクライアントアプリケーションにおけるビデオ配信、音声通話、印刷等の機能に関する状態を、参加者で共有することができる。
【0045】
なお、147の領域における情報は、Web会議アプリケーション310により表示される。具体的には、Web会議アプリケーション310は、Web会議に参加中の参加者を管理しているため、その情報をクライアントアプリケーションに送信することで、141のリストが表示される。また、上記のデバイスの情報も、各クライアントアプリケーションからの情報に従って、Web会議アプリケーション310が表示する。
【0046】
例えば、クライアントアプリケーションは、パーソナルコンピュータのOSの設定を参照することにより、該パーソナルコンピュータに印刷を実行可能なプリンタが接続されているか判定することができる。そして、クライアントアプリケーションは、そのようなプリンタの存在を確認すると、Web会議アプリケーション310にプリンタの存在を示す情報を送信する。Web会議アプリケーション310は、その情報により、各クライアントアプリケーションに、プリンタアイコンを表示させる指示を行う。これにより、複数のクライアントアプリケーションそれぞれにおけるプリンタの存在が、複数のクライアントアプリケーションで共有されることになる。また、上述のように、クライアントアプリケーションにおける印刷ミュート設定により、プリンタによる印刷を拒否することも可能である。クライアントアプリケーションがプリンタの存在を確認した場合に、印刷ミュート設定が行われているか否かについてもクライアントアプリケーションからWeb会議アプリケーション310に送信される。そして、Web会議アプリケーション310は、ミュート設定に応じたプリンタアイコン表示指示を、各クライアントアプリケーションに送信する。各クライアントアプリケーションは、その表示指示に応じて異なるプリンタアイコンを表示する表示制御を行う。例えば色の異なるプリンタアイコンを表示してもよいし、ミュート設定の場合にはプリンタアイコンに斜線が重なったアイコンが表示されてもよい。以上の処理により、各クライアントアプリケーション(言い換えると各参加者)において、印刷が可能であるか否か、また印刷を許可しているか否かについて、複数の参加者で共有することができる。詳細は
図8を用いて後述する。なお、ここでは印刷、プリンタを例に説明したが、原稿スキャン、スキャナについても同様の処理を行われてもよい。この場合、各参加者においてスキャンが可能か否か、またスキャン機能を有効にしているか否かがスキャナアイコンで表現される。この場合、プリンタアイコンとスキャナアイコンの両方が表示されてもよい。
【0047】
さらに、参加者の情報処理システム内にビデオカメラ機能が具備されていない場合、またマイクやスピーカー、ヘッドセットなどの音声入出力装置が備わっていない場合には参加者名の隣に位置する該当するデバイスアイコンはグレーアウトされる。同様に、情報処理システム内においてパーソナルコンピュータにプリンタが接続されていない場合、プリンタアイコンがグレーアウトされる。
【0048】
144は自身のWeb会議への参加または退室、自身のカメラ撮像のビデオ配信機能の御オフ、音声通話機能のオンオフ、デスクトップ共有機能のオンオフを制御する制御スイッチである。1441は会議への参加および退室を制御するボタン、1442は自身のパソコン画面の会議参加者への画面共有開始および終了を制御するボタンである。1443および1444はそれぞれ自身のパソコンのマイク入力の音声共有またはビデオ入力のビデオ共有の開始および停止を制御ボタンである。各デバイスがアプリケーションにより使用できる状態であるものの、参加者が自分の顔を撮影して他の参加者にビデオ共有したくない場合や、自身の音声共有を停止、一時停止(ミュート)、再開する場合に使用する。この制御によるマイク機能の状態やビデオ機能の制御状態は前述した145の入出力機能のステータスに表示されることで、他の参加者にも状態が共有される。会議が開始されるとメイン画面1400上で142のWeb会議に参加しているメンバーのビデオ画面の表示部に、メンバーのパーソナルコンピュータに接続されているカメラを通じて、参加者の映像が参加者に配信される。143のウィンドウ部には1442の制御によりコンピュータ画面の表示の権限を取得した参加者のパーソナルコンピュータ画面が配信表示される。通常資料を使った発表を行う場合などにはこの画面の表示権を取得して、プレゼンテーション資料などが表示された自身のパーソナルコンピュータ画面を参加者に表示しながら発表を行う。発表ならびに会議で行われる会話における各人の発言の音声は各参加者のコンピュータに接続されたマイクを通して参加者全員に共有され、スピーカーまたはヘッドセットを通して聞こえる。発表者が発表を行っている最中や、会議の参加者に聞こえてほしくない会話を行う際など、自分の音声を共有したくない場合は1444の音声制御ボタンを押下してマイク音声入力機能をミュートにすることができる。また、複数の参加者がそれぞれ146のメッセージ表示部1461とファイル選択ボタン1462、送信ボタン1465を使い、Web会議を行っている参加者間で、必要に応じてテキストメッセージおよびファイルの送信および受信を行う。
【0049】
(任意の参加者のプリンタに印刷データを送信する場合の処理)
以下、Web会議を行っている参加者間で印刷データの送信および受信を行う操作について説明する。ここでは、情報処理システム100に含まれているパーソナルコンピュータを使って会議に参加している参加者Aと、情報処理システム200に含まれているパーソナルコンピュータを使って会議に参加している参加者BがWeb会議に参加しているとする。このときWeb会議の進行中に参加者Aが、自身のパーソナルコンピュータに格納されているファイルを印刷出力による紙媒体の形で共有するために、参加者Bに印刷を実行させるとする。このように紙媒体の形で情報共有するユースケースには、たとえばデジタル情報漏洩を防止するセキュリティ上の理由等から紙面出力の形態で情報共有を行いたい場合がある。他にも、行数、列数の多い表データまたは多ページ構成となっている文書データの場合、コンピュータ画面上では閲覧が難しいことがある。そこでこのようなデータを印刷された紙を各参加者が閲覧することで、参加者間で情報共有を行いたい場合がある。
【0050】
そのための操作について、まず参加者Aの操作について説明する。パーソナルコンピュータ210のクライアントアプリケーションにより
図4に示すメイン画面1400が表示されているとする。そして、
図4の146は、Web会議を行っている参加者間で、テキストメッセージおよびファイルの送信および受信、またスキャン画像の参加者間の送信および受信、印刷データの送信および受信を行う為の操作領域である。147の領域には、会議の参加者それぞれのパーソナルコンピュータに接続されたプリンタの状態が表示される。参加者Aは参加者一覧から参加者Bを選択して押下することで、参加者Aと参加者B間のチャットセッションが開催され、両者のメッセージが表示されるメッセージ表示部1461が表示される。また、ファイル選択ボタン1462、送信ボタン1465を操作することで、参加者Aからは参加者Bへ、参加者Bからは参加者Aへテキストチャット、ファイル送信に加えてプリント出力を行うことができる。
【0051】
本実施形態におけるこの操作を行うことによるチャットの様子を示すメッセージ表示部1461を
図7に表す。ここで、テキストチャットを行っている最中に、参加者Aが参加者Bにドキュメントファイルを印刷出力の形で共有したいとする。まず参加者Aは、
図4に示す画面中の147の領域に含まれるプリンタアイコンにより、参加者Bの端末においてプリンタデバイスが出力可能であり、かつ印刷を許可していることを確認する。
【0052】
図8に本実施形態におけるこのステータス表示部を示す。プリンタがパーソナルコンピュータに利用可能に接続されている場合に、プリンタ情報としてプリンタアイコンが表示される。一方、利用可能なプリンタが接続されていない場合、プリンタアイコンが非表示もしくはグレーアウトとなる。また利用可能なプリンタがパーソナルコンピュータに接続されているものの、印刷不許可(ミュート)の設定が行われている場合、斜線が重なったプリンタアイコンがプリンタ情報として表示される。なお、プリンタアイコンのデータ自体はクライアントアプリケーションが管理しており、Web会議アプリケーション310からの情報により、クライアントアプリケーションがプリンタアイコンの表示を制御する。
図8の例では参加者Aと参加者Bのプリンタは出力可能であり、許可されている一方で、参加者Cのプリンタは出力不可、参加者Dのプリンタは接続されているものの印刷不許可(ミュート)になっていることが表示されている。これにより、各参加者は、参加者Bのプリンタは出力可能であり、かつ、印刷受領不許可になっていないことで確認できる。
【0053】
次に、参加者Aは参加者Bに共有したい情報データを選択する。この説明では、共有したいデータは参加者AのコンピュータのHDD202に保存されているデジタルファイル、具体的には文書ファイルとする。参加者Aは
図4に示す画面において、クライアントアプリケーション上でプリントデータを選択するためにチャット操作部内のプリントデータ選択ボタン1463を押下する。これによりファイル選択ウィンドウが開く。このファイル選択ウィンドウを
図6に示す。ファイル選択ウィンドウにはコンピュータのHDD202に保存されているユーザーファイル一覧が表示される。所望する文書ファイルが保存されているディレクトリをユーザが選択すると、クライアントアプリケーションが該ディレクトリにアクセスする。ユーザは該当ファイルを選択して確認のボタンを押下することで、参加者Bに印刷させたいファイルを設定することができる。なお、ディレクトリの一覧表示やファイルの選択は、クライアントアプリケーションにより指示を受けたOSにより実行されてもよい。
【0054】
上記の手順によりファイルが選択されたのちに、参加者Aが
図4に示す送信ボタン1465を押下する。これに応じて、選択した文書ファイルが印刷指示とともに、参加者AのクライアントアプリケーションからWeb会議サーバ300を介して、参加者Bのクライアントアプリケーションに送信される。当該文書ファイルと印刷指示を受信したクライアントアプリケーションは、該文書ファイル内のデータをプリンタドライバに渡し、該プリンタドライバが該データを印刷データに変換することで、プリンタに対して印刷を実行させる。また印刷指示を受信したクライアントアプリケーションは、プリンタから印刷完了通知を受信することも可能であり、この通知に応じて上記文書ファイルを削除してもよい。これにより、該文書ファイルが、送信先のパーソナルコンピュータで印刷は実行されるが、ファイルとして保存されることを防ぐことができる。そのため、例えばメール等で文書ファイルを送信する場合に比べて、該文書ファイルの改ざんや、該文書ファイルの漏洩を防ぐことができる。
【0055】
なお、参加者Aから参加者Bに対して印刷データが送信されていることを示す情報が、参加者AのクライアントアプリケーションからWeb会議アプリケーション310に送信される。そして、Web会議アプリケーション310は、参加者A、参加者Bの各クライアントアプリケーションに対して通知を行う。これにより、
図7の1466に示されているように、印刷データの送信についてのメッセージが表示される。
【0056】
(参加者から印刷データを受信した場合の処理)
次に、本実施形態における参加者Bの情報処理システム200における挙動について説明する。上記の参加者Aによる参加者Bとのチャットセッションの開始により、参加者Bのアプリケーション上にも同様に、参加者Aとのチャットセッションウインドウが表示される。そして参加者Bは、同ウィンドウを使い、参加者Aとテキストチャット、ファイル送信に加えてプリント出力を行うことができる。その状態で、上記ように参加者Aのファイル選択と同ファイルの送信操作が行われると、パーソナルコンピュータ110からWeb会議サーバ300を介してパーソナルコンピュータ210のクライアントアプリケーション240宛に印刷データが送信される。参加者Bのクライアントアプリケーションのチャットウインドウには参加者Aから印刷データが送信されたことを知らせる旨のチャットメッセージが表示される。また、クライアントアプリケーション240がWeb会議サーバ300から受信した印刷データは、
図5の153の設定において、印刷に使用されるプリンタとして設定されているプリンタ(例えばプリンタ220)のプリンタドライバに入力される。そして、プリンタドライバがOSを介して、プリンタ220に印刷を実行させる。印刷が正常に完了した際には、プリンタ220から印刷完了通知がクライアントアプリケーション240に通知される。そして、クライアントアプリケーション240がWeb会議アプリケーション310に対して印刷完了を通知する。これにより
図7の1467に示されるように、Web会議アプリケーション310から参加者Aのクライアントアプリケーション140および参加者Bのクライアントアプリケーション240に、印刷が正常に完了したことが通知される。
【0057】
(複数の参加者、または参加者全員のプリンタに印刷データを送信する場合の処理)
前述の説明ではWeb会議に参加している一人の参加者から、一人の参加者に対して印刷データが送信されるケースについて説明を行った。これに限らず、Web会議システムに具備されているチャットシステムでは、
図4に示す会議参加者リスト141から任意に選択された複数の参加者間でのチャット、並びに全参加者を対象にしたチャットを行う事が可能である。さらに、印刷データの送信および印刷指示も、任意に選択された複数の参加者もしくは全参加者に行うことが可能である。
【0058】
複数の参加者間でのチャットセッション、または参加者全員でのチャットセッションを開始した状態で、上記(任意の参加者のプリンタに印刷データを送信する場合の処理)で説明した手順でファイルを送信することができる。複数の参加者間でのチャットセッションである場合は、対象参加者のうちプリンタが接続されていて、かつ出力可能な状態になっている(プリンタ設定が印刷ミュートでない)参加者のプリンタにより、送信されたデータが印刷される。また、参加者全員のチャットセッションである場合は、参加者全員のうち、プリンタが未接続または接続されているが出力が許可されていない(ミュート)状態になっている参加者を除く参加者のプリンタにより、送信されたデータが印刷される。
【0059】
(任意の参加者または参加者全員に紙媒体のスキャン画像を送信する場合の処理)
以下、Web会議を行っている参加者間で印刷データの送信および受信を行う操作について説明する。具体的には、Web会議の進行中に、情報処理システム100を使って会議に参加している参加者Aが、自身の手元にある紙媒体の情報を、会議に参加している参加者Bに対して、印刷出力による紙媒体の形で共有するケースを例に説明する。
【0060】
紙媒体の情報を共有したいケースとしては、例えば手書きメモや手書きスケッチなどのデジタル化されていない情報の共有や、印刷された図面に手書きでコメントや校正を記載した紙媒体上の情報を共有する場合が考えられる。参加者Aが手書きで描いたスケッチを参加者Bに共有したい場合の動作手順について説明する。
【0061】
まず、参加者Aの操作について説明する。パーソナルコンピュータ110のクライアントアプリケーション140で、146の操作画面が表示される。146の操作画面は、Web会議を行っている参加者間で、テキストメッセージおよびファイルの送信および受信、またスキャン画像の参加者間の送信および受信、印刷データの送信および受信を行う為の操作画面である。147はWeb会議システムの相互印刷に使用されるプリンタのステータスを表示する表示部である。会議の参加者それぞれのクライアントアプリに接続されたプリンタの状態が表示される。参加者Aは参加者一覧から参加者Bを選択して押下することで、参加者Aと参加者B両者間のチャットセッションが開催され、両者のチャットウインドウ146が表示される。また、ファイル選択ボタン1462、送信ボタン1465を操作することで、参加者Aからは参加者Bへ、参加者Bからは参加者Aに対して、テキストチャット、ファイル送信に加えてプリント出力を行うことができる。
【0062】
図9は、参加者Aのスキャナが原稿をスキャンし、参加者Bのプリンタが印刷を行う際の、チャットウインドウ146を示す。まず、テキストチャットを行っている最中に、参加者Aが参加者Bに紙媒体の形で所有している手描きスケッチを、参加者Bに対して印刷出力の形で共有したいとする。まず参加者Aは
図4の147の領域を見ることで、参加者Bのプリンタが出力可能であり、かつ印刷を許可していることを確認する。
図8に本実施形態におけるこのステータス表示部を示す。この例では参加者Aと参加者Bのプリンタは出力可能であり、許可されている一方で、参加者Cのプリンタは出力不可、参加者Dのプリンタは接続されているものの印刷不許可(ミュート)になっていることが表示されている。これにより、147において参加者Bのプリンタは出力可能であり、かつ、印刷許可になっていることが確認できる。
【0063】
次に、参加者Aは参加者Bに共有したい情報データを、スキャナ装置を使いデジタルデータ化する。この説明では、共有したいデータは参加者Aの手元にある用紙に描画された手描きスケッチとする。参加者Aはクライアントアプリケーション上で手描きスケッチをスキャナ装置でデジタルファイル化するために、該当するスキャナ130の原稿台に原稿をセットする。その後に参加者Aは、
図4に示すスキャン画像を取り込むためのアイコンボタン1464を押下する。クライアントアプリケーション140は、オペレーティングシステムの所定の方法に従い、
図5に示す154で事前に設定されたスキャナ装置(例えばスキャナ230)の該当スキャナドライバに対して読み取り要求を行う。スキャナドライバはこの要求を受け、スキャナ130に原稿読み取り動作を実行させる。この際、クライアントアプリケーション140はスキャナ130から読み取り中であるステータス情報を受け取る。そして、このステータス情報に基づいてクライアントアプリケーション140には、
図10に示すように、読み取り中であることを知らせるダイアログボックス170が表示される。
【0064】
上記の手順により原稿である手描きスケッチの読み取りが完了のちに、参加者Aが送信ボタン1465を押下する。これに応じて、読み取られた原稿のスキャン画像が印刷指示とともに、クライアントアプリケーション140からWeb会議サーバ300を介して参加者Bのクライアントアプリケーション240に送信される。そして、クライアントアプリケーション240は、スキャン画像と印刷指示の受信に応じて、該スキャン画像をプリンタ220に印刷させる。また、
図9の1468に示されるように、参加者Bに対してスキャンされたデータが印刷データとして送信されていることが、参加者A、参加者Bに通知される。また1469に示されるように、参加者Bのプリンタが印刷を完了したことが、参加者A、参加者Bに対して通知される。1468、1469の通知も、
図7の1466、1467の通知と同様に、クライアントアプリケーションからの情報に基づいて、Web会議アプリケーション310により実行される。具体的には、クライアントアプリケーション140がスキャン画像の送信開始に応じて自動的にWeb会議アプリケーション310にメッセージを通知する。またクライアントアプリケーション240が印刷完了に応じてWeb会議アプリケーション310にメッセージを通知する。そして、参加者A、Bの両者のチャットウインドウに反映される。
【0065】
(参加者から印刷データを受信した場合の処理)
次に、本実施形態における参加者Bの情報処理システム200における挙動について説明する。上記の参加者Aによる参加者Bとのチャットセッションの開始により、参加者Bのクライアントアプリケーション240にも同様に、参加者Aとのチャットセッションウインドウが表示される。参加者Bは、同ウィンドウを使い、参加者Aとテキストチャット、ファイル送信に加えてプリント出力を行うことができる。その状態で、参加者Aが
図4に示す1464を操作することで、スキャン指示を行う。すると、参加者Aが操作するパーソナルコンピュータに接続されているスキャナにより原稿がスキャンされる。さらに1465の送信ボタンが操作されることで、そのスキャン画像が参加者AのパーソナルコンピュータからWeb会議サーバ300に送信される。そしてWeb会議サーバ300は、情報処理システム200のクライアントアプリケーション宛に、印刷データとしてのスキャン画像と印刷指示が送信される。そして、参加者Bのクライアントアプリケーションのチャットウインドウには参加者Aからスキャン画像が印刷データとして送信されたことを知らせる旨のチャットメッセージ1468が表示される。クライアントアプリケーション240がWeb会議サーバ300から受信した印刷データは、前述のように予め印刷対象プリンタとして設定されたプリンタドライバに入力され、プリンタドライバがOSを介してプリンタ220に印刷出力を実行させる。印刷が正常に完了した際には
図9の1469に表示されるように、参加者Aに対して印刷データ印刷が正常に完了したことがシステムから参加者Aにテキスト通知される。
【0066】
(複数の参加者、または参加者全員のプリンタにスキャン画像を送信する場合の処理)
前述の説明ではWeb会議に参加している一人の参加者から、一人の参加者に対して印刷による紙媒体形式の情報共有を行うケースについて説明を行った。Web会議システムに具備されているチャットシステムでは会議参加者リスト141から任意に選択した複数の参加者間でのチャット、並びに全参加者を対象にしたチャットを行う事が可能である。本実施形態では同様に、紙媒体をスキャンしたデータの複数の参加者に対する印刷配信、並びに全参加者を対象に印刷配信を行うことが可能である。複数参加者間のチャットセッション、または参加者全員のチャットセッションを開始した状態で、上記(任意の参加者のプリンタに印刷データを送信する場合の処理)で説明した手順で原稿読み取りデータが送信される。これにより、複数参加者間でのチャットセッションである場合は、対象参加者のうちプリンタが接続されていて、かつ出力可能な状態になっている参加者のプリンタから送信データが印刷出力される。また参加者全員でのチャットセッションである場合は、参加者全員のうちプリンタが未接続または接続されているが出力が許可されていない(ミュート)状態になっている参加者を除く参加者のプリンタから、送信データが印刷出力される。今回の事例では
図6に示されているように、参加者Bプリンタは出力可能であり、かつ印刷送信が許可されているため、参加者Aから送信されたスキャン画像は印刷出力される。また、参加者Cのプリンタは出力不可、参加者Dのプリンタは接続されているものの印刷受領不許可(ミュート)となっている。この場合、参加者CおよびDへの情報共有は参加者Aのクライアントアプリケーション140の設定画面150において、設定項目158の設定状態に応じて挙動が変わる。設定項目158において、参加者Aがチェックボックスをチェックして、印刷出力以外のスキャン画像共有を許可していない場合においては参加者CおよびDへのデータ送信は行われず、情報共有は行われない。
【0067】
一方、設定項目158において、参加者Aがチェックボックスのチェックを外し、印刷出力以外のスキャン画像共有を許可しているとする。この場合においては参加者CおよびDには印刷出力が行われないものの、ファイルとしてデータ送信が行われることでスキャン画像の情報共有が行われる。
【0068】
図15は、アプリケーション140が表示するメッセージダイアログである。
図15の(a)において、1501は「この会議で使用する資料を会議の参加者のプリンタで印刷しますか?」というメッセージを表示するメッセージダイアログ、1502は[OK]ボタン、1503は[キャンセル]ボタンである。
図15の(b)において、1504は「この資料を印刷しようとしています。よろしいですか?」というメッセージを表示するメッセージダイアログ、1505は[OK]ボタン、1506は[キャンセル]ボタンである。
図5(a)のメッセージは、印刷データの送信を行うクライアントアプリケーションにおいて、その送信の前に表示される。例えば
図5(a)のメッセージは、印刷対象のファイルが選択されたのち、送信ボタン1465が押下されたときに表示される。ここで1502が押下された場合に送信が開始される。
図5(b)のメッセージは、印刷データの受信を行うクライアントアプリケーションにおいて、その印刷データの印刷の前に表示され、ここで1505が押下された場合に印刷が開始される。
【0069】
図11は、アプリケーション140における印刷処理を示すフローチャートであり、
図12は、アプリケーション240における印刷処理を示すフローチャートである。
図11のフローチャートに係るプログラム、
図12のフローチャートに係るプログラムはそれぞれ、情報処理システム100、情報処理システム200のそれぞれのパーソナルコンピュータにより実行される。例えば、各パーソナルコンピュータのHDD202に必要なプログラムが記憶されており、RAM201に読み出され、CPU204により実行される。同様に、Web会議サーバ300は、1または複数のプロセッサにより、Web会議アプリケーション310を実行することで、
図11、
図12に示す処理を実行する。ただし以下の説明では、クライアントアプリケーション140、クライアントアプリケーション240、Web会議アプリケーション310が処理の主体として記載する。
【0070】
参加者Aが送信ボタン1465を押下すると、S1102でクライアントアプリケーション140が
図11のフローチャートに従った処理を開始する。S1103において、クライアントアプリケーション140は、認証トークンを引数としてWeb会議アプリケーション310に印刷ジョブ生成と認可トークンを要求する。S1104において、Web会議アプリケーション310は、印刷ジョブIDを発行して印刷ジョブを生成し、認可トークンを生成する。S1105において、Web会議アプリケーション310は、印刷ジョブIDと認可トークンをクライアントアプリケーション140に送信する。S1106において、クライアントアプリケーション140は、印刷ジョブIDと認可トークンを受信してRAM201またはHDD202に保存する。S1107において、クライアントアプリケーション140は、表示部147に表示されている会議の参加者それぞれのクライアントアプリケーションに接続されているプリンタの状態を示す印刷対象プリンタ情報を取得する。印刷対象のプリンタ情報は、各参加者の情報処理システムで印刷可能なプリンタが存在するか否かを示す情報と、また各プリンタに対するクライアントアプリケーションの印刷ミュート設定の状態を示す情報が含まれる。なお、S1107において、印刷対象プリンタ情報は、
図11に示す処理の実行前にWeb会議アプリケーション310から受信され、
図8で説明したようにプリンタアイコンとして表示されていたプリンタ情報が取得される。しかしこれに限らず、S1107において、Web会議アプリケーション310から最新の印刷対象プリンタのプリンタ情報が取得されてもよい。またS1107において、印刷対象プリンタのプリンタ情報として、各参加者または各クライアントアプリケーションを示す情報も含むプリンタ情報が取得される。
【0071】
S1108において、アプリケーション140は、S1107で取得した印刷対象プリンタ情報から印刷対象プリンタを示す印刷対象プリンタリストを作成し、このリストをWeb会議アプリケーション310に送信する。このリストの作成において、印刷対象のプリンタ情報が示す印刷ミュート設定の状態がクライアントアプリケーション140により確認され、印刷不許可(ミュート)になっているプリンタは、このリスト内の印刷対象プリンタには含まれない。さらに、印刷対象プリンタリストには、印刷対象プリンタ情報に含まれていた、参加者またはクライアントアプリケーションを示す情報が含まれる。
【0072】
S1109において、Web会議アプリケーション310は、印刷対象プリンタ情報リストを受信する。S1110において、Web会議アプリケーション310は、印刷対象プリンタ情報リスト内の各印刷対象プリンタに対して、認可トークンを生成して、それぞれに割り当てる。具体的には、印刷対象プリンタリストが示す参加者またはクライアントアプリケーションに応じて、情報処理システム内において印刷が許可されているプリンタに接続可能なクライアントアプリケーションを特定する。そして、Web会議アプリケーション310内において、そのクライアントアプリケーションに対して認可トークンを割り当てる。
【0073】
S1111において、クライアントアプリケーション140は、印刷コンテンツすなわち参加者Aがファイル選択ダイアログ160で選択したファイル(文書ファイル等)を取得する。S1112において、クライアントアプリケーション140は、S1106で保存した認可トークンとS1111で取得した印刷コンテンツをWeb会議アプリケーション310に送信する。S1113において、Web会議アプリケーション310は、認可トークンと印刷コンテンツを受信する。S1114において、Web会議アプリケーション310は印刷コンテンツを配信するために必要なURLを、S1110において認可トークンが割り当てられた印刷対象プリンタの数だけ生成する。S1115において、Web会議アプリケーション310は、印刷コンテンツをファイルストレージ340に保存して、前記それぞれのURLを割り当てる。S1116において、Web会議アプリケーション310は、印刷対象プリンタが接続されているアプリケーション240等のクライアントアプリケーションに印刷ジョブ通知を送信し、処理がAへ進む。この印刷ジョブ通知には、認可トークンと印刷コンテンツURLが含まれている。この認可トークンは、S1110において、当該印刷ジョブが通知されるクライアントアプリケーションに対して割り当てられた認可トークンである。印刷コンテンツURLは、印刷コンテンツの所在を示す所在情報である。
【0074】
S1117において、クライアントアプリケーション140は、Web会議アプリケーション310に印刷状態を要求する。S1118において、Web会議アプリケーション310は、クライアントアプリケーション240等の各クライアントアプリケーションから、印刷対象プリンタにおける印刷状態を取得する。S1119において、Web会議アプリケーション310は、印刷状態をクライアントアプリケーション140に送信する。
【0075】
S1120において、アプリケーション140は、各印刷対象プリンタにおける印刷状態を取得し、
図7に示すようにメッセージ表示部1461に表示する。S1121において、アプリケーション140は、全ての印刷対象プリンタにおいて印刷が完了しているか否かを確認する。そして、全ての印刷対象プリンタにおける印刷が完了していると判断された場合、S1122へ処理が進み、完了していない印刷対象プリンタがあると判断された場合、S1117へ処理が戻る。S1122において、クライアントアプリケーション140は、印刷処理を終了する。
【0076】
なお、S1112においてクライアントアプリケーション140は、
図4に示す画面においてユーザにより選択された参加者を示す情報を、認可トークン、印刷コンテンツとともにWeb会議アプリケーション310に送信してもよい。そしてS1116においてWeb会議アプリケーション310は、その情報が示す参加者のクライアントアプリケーションに対して、印刷ジョブを通知してもよい。これにより、クライアントアプリケーション140のユーザが選択した参加者においてのみ、印刷が実行される。
【0077】
図11のAへ処理が進むと、
図12に示す処理が実行される。クライアントアプリケーション240が
図12のフローチャートに従ってAからその処理を実行する。S1201において、クライアントアプリケーション240は、印刷ジョブ通知を受信する。S1202において、クライアントアプリケーション240は、前記印刷ジョブ通知から、その中に含まれている認可トークンと印刷コンテンツURLを取得する。S1203において、クライアントアプリケーション240は、認可トークンと印刷コンテンツURLを引数として、Web会議サーバ300に印刷コンテンツを要求する。S1204において、Web会議アプリケーション310は、認可トークンを検証し、認可トークンが有効であると判断された場合、S1205へ処理が進み、無効であると判断した場合、クライアントアプリケーション240にエラーを返す(不図示)。クライアントアプリケーション240は、エラーを受信した場合、「印刷コンテンツの受信に失敗しました。」というエラーメッセージを表示して、S1214へ処理が進み、印刷処理を終了する。
【0078】
S1206において、クライアントアプリケーション240は、印刷コンテンツを受信する。S1207において、クライアントアプリケーション240は、受信した印刷コンテンツのファイル形式に関連付けられているアプリケーション(不図示)を起動して、この印刷コンテンツを開く。S1208において、クライアントアプリケーション240は、OSに対して印刷ジョブの生成を要求し、OSが印刷ジョブを生成する。OSはプリンタ220に対して印刷ジョブを送信し、プリンタ220は印刷ジョブを受信すると印刷を開始する。
【0079】
即ちS1208においてクライアントアプリケーション240は、プリンタ220に、S1206において受信された印刷コンテンツの印刷を実行させる印刷制御を行う。なお、S1208におけるクライアントアプリケーション240による印刷制御は種々の方法で実行されてよい。例えば、クライアントアプリケーション240により起動されたアプリケーション(不図示)が、自動的にプリンタドライバに上記ファイルの印刷を指示して、該プリンタドライバおよびOSにより、該ファイルの印刷ジョブをプリンタ220に送信する。そして、印刷ジョブを受信したプリンタ220が、該ファイルのデータの印刷を実行する。この場合、上記のように起動されるアプリケーションは、上記ファイルと同様のファイル形式のファイルを作成可能なアプリケーションである。
【0080】
また例えば、クライアントアプリケーション240が、OS標準の印刷アプリケーションを起動し、また印刷対象のファイルのファイルパスを該印刷アプリケーションに通知してもよい。そして、該印刷アプリケーションは、通知されたファイルパスに従ってファイルを読み出し、そのファイルを印刷対象として、OSを介してプリンタ220に送信してもよい。そして、該ファイルを受信したプリンタ220が、該ファイルのデータの印刷を実行する。なお、上記の印刷アプリケーションは、プリンタドライバを介さずに、上記ファイルを送信し、該ファイル内のデータを印刷用のデータに変換する処理は、プリンタ220において実行されてもよい。
【0081】
S1209において、クライアントアプリケーション240は、OSを介してプリンタの印刷状態を取得する。S1210において、クライアントアプリケーション240は、印刷状態をWeb会議サーバ300に送信し、S1213へ処理が進む。ここで送信される情報としては、「オンライン」、「オフライン」、「印刷中」、「印刷完了」、「印刷キャンセル」を含む。他にも、「紙無しエラー」、「紙ジャムエラー」、「インク残量少警告」、「インク無しエラー」、「通信エラー」、「その他のエラー」等が含まれる。S1211において、Web会議アプリケーション310は、印刷状態を受信する。S1212において、Web会議サーバ300は、印刷状態をデータベース330に保存する。ここで保存される印刷状態としては、「オンライン」、「オフライン」、「印刷中」、「印刷完了」、「印刷キャンセル」、「紙無しエラー」、「紙ジャムエラー」、「インク残量少警告」、「インク無しエラー」、「通信エラー」、「その他のエラー」等がある。これらの情報がデータベース330に保存される。S1212においてWeb会議アプリケーション310に保存される印刷状態が、S1119における印刷状態の送信に使用される。
【0082】
S1213において、クライアントアプリケーション240は、印刷が完了しているか否か判定し、印刷が完了していると判断された場合、S1214へ処理が進み、印刷が完了していないと判断された場合、S1209へ処理が戻る。S1214において、クライアントアプリケーション240は、印刷処理を終了する。
【0083】
なお、S1213において印刷完了と判定された場合、クライアントアプリケーション240はが、S1206において受信された印刷コンテンツを削除してもよい。あるいは、S1213において所定時間、印刷完了と判定されない場合、印刷コンテンツを削除してもよい。これにより、印刷が完了した場合、もしくは印刷が失敗した場合に、情報処理システム200において印刷コンテンツが残り続けることを防ぐことができる。従って、例えば情報を紙により共有する場合に、情報処理システム200のパーソナルコンピュータにおいて内容が改ざんされたデータが作成されることや、情報処理システム200から意図しない外部に情報が漏洩するリスクを低減することができる。
【0084】
図13は、アプリケーション140におけるスキャン処理を示すフローチャートであり、
図14は、アプリケーション240におけるスキャン処理を示すフローチャートである。
図13のフローチャートに係るプログラム、
図14のフローチャートに係るプログラムはそれぞれ、情報処理システム100、情報処理システム200のそれぞれのパーソナルコンピュータにより実行される。例えば、各パーソナルコンピュータのHDD202に必要なプログラムが記憶されており、RAM201に読み出され、CPU204により実行される。同様に、Web会議サーバ300は、1または複数のプロセッサにより、Web会議アプリケーション310を実行することで、
図13、
図14に示す処理を実行する。ただし以下の説明では、クライアントアプリケーション140、クライアントアプリケーション240、Web会議アプリケーション310が処理の主体として記載する。
【0085】
参加者Aが
図4のアイコンボタン1464を押下すると、クライアントアプリケーション140が
図13のフローチャートに従ってS1301からその処理を実行する。S1302において、クライアントアプリケーション140は、スキャナ130に原稿のスキャンを実行させ、スキャン画像を取り込む読取制御を実行する。スキャン画像の取り込みが完了すると、そのスキャン画像をRAM201またはHDD202に保存する。なお、S1302におけるクライアントアプリケーション140による読取制御は、種々の方法で実行される。例えば、クライアントアプリケーション140がスキャナ130に対応するスキャナドライバに対してスキャンを指示し、該スキャナドライバがスキャナ130にスキャン命令を発行する。或いは、OS標準のスキャンアプリケーションに対してクライアントアプリケーション140がスキャンを指示し、該スキャンアプリケーションがスキャナ130にスキャン命令を発行してもよい。また、S1303以降の処理が、S1302でのスキャン画像の保存に応じて自動的に実行されてもよいし、S1302でのスキャン画像の保存の後に
図4の送信ボタン1465が押下されたことに応じて実行されてもよい。S1302でのスキャン画像の保存の後ユーザによるS1303において、クライアントアプリケーション140は、認証トークンを引数としてWeb会議アプリケーション310にスキャンジョブ生成と認可トークンを要求する。S1304において、Web会議アプリケーション310は、スキャンジョブIDを発行してスキャンジョブを生成し、認可トークンを生成する。S1305において、Web会議アプリケーション310は、スキャンジョブIDと認可トークンをクライアントアプリケーション140に送信する。S1306において、クライアントアプリケーション140は、スキャンジョブIDと認可トークンを受信してRAM201またはHDD202に保存する。
【0086】
S1307において、クライアントアプリケーション140は、S1107と同様に、印刷対象プリンタ情報を取得する。
【0087】
S1308において、クライアントアプリケーション140は、S1307で取得した印刷対象プリンタ情報からスキャン画像の送信先を示す送信先リストを作成し、この送信先リストをWeb会議アプリケーション310に送信する。この時、送信先リストには、スキャン画像の送信先として2つのリストが含まれている。1つ目のリストは、プリンタでの印刷を伴わないリストで、その会議の参加者全員のクライアントアプリケーションの情報が含まれている。2つ目のリストは、プリンタでの印刷を伴うリストで、上記の1つ目のリストから、印刷可能なプリンタが接続されていない、もしくは印刷不許可(ミュート)になっているプリンタが接続されているクライアントアプリケーションが除かれている。上記の2つ目のリストは、印刷対象プリンタ情報が示すプリンタの状態に応じて作成される。
【0088】
S1309において、Web会議アプリケーション310は、送信先情報リストを受信する。S1310において、Web会議アプリケーション310は、S1110と同様の処理で、送信先情報リスト内の各参加者のクライアントアプリケーションに対して、認可トークンを生成して、それぞれに割り当てる。S1311において、アプリケーション140は、S1306で保存した認可トークンとS1302で保存したスキャン画像をWeb会議アプリケーション310に送信する。S1312において、Web会議アプリケーション310は、認可トークンとスキャン画像を受信する。S1313において、Web会議アプリケーション310は、スキャン画像を配信するために必要なURLを送信先のクライアントアプリケーションの数だけ生成する。S1314において、Web会議サーバ300は、スキャン画像をファイルストレージ340に保存して、前記それぞれのURLを割り当てる。S1315において、Web会議アプリケーション310は、送信先であるアプリケーション240等のクライアントアプリケーションにスキャンジョブ通知を送信し、処理がBへ進む。このスキャンジョブ通知には、認可トークンと、スキャン画像の所在を示す所在情報であるコンテンツURLが含まれている。なお、S1311、S1315では、S1111、S1115について上述した方法と同様に、クライアントアプリケーション140においてユーザが選択した参加者のクライアントアプリケーションにのみ、スキャンジョブ通知が送信されてもよい。
【0089】
S1316において、アプリケーション140は、Web会議アプリケーション310にスキャン画像受信状態を要求する。S1317において、Web会議アプリケーション310は、アプリケーション240等の各クライアントアプリケーションから、スキャン画像受信状態を取得する。S1318において、Web会議アプリケーション310は、スキャン画像受信状態をアプリケーション140に送信する。S1319において、クライアントアプリケーション140は、クライアントアプリケーション240等の各クライアントアプリケーションにおけるスキャン画像受信状態を取得し、
図9に示すようにメッセージ表示部1461に表示する。S1320において、クライアントアプリケーション140は、スキャン画像送信先である全てのクライアントアプリケーションにおいてスキャン画像の受信が完了しているか否かを確認する。そして、全てのクライアントアプリケーションにおけるスキャン画像の受信が完了していると判断された場合は、S1321へ処理が進み、完了していないクライアントアプリケーションがあると判断された場合、S1316へ処理が戻る。S1321において、アプリケーション140は、スキャン処理を終了する。
【0090】
図14は、S1401において、クライアントアプリケーション240は、スキャンジョブ通知を受信する。S1402において、クライアントアプリケーション240は、前記スキャンジョブ通知から、その中に含まれている認可トークンとスキャン画像URLを取得する。S1403において、クライアントアプリケーション240は、認可トークンとスキャン画像URLを引数として、Web会議アプリケーション310にスキャン画像を要求する。S1404において、Web会議アプリケーション310は、認可トークンを検証し、認可トークンが有効であると判断された場合、S1405へ処理が進む。一方、無効であると判断された場合、Web会議アプリケーション310は、アプリケーション240にエラーを返す(不図示)。クライアントアプリケーション240は、エラーを受信した場合、「スキャン画像の受信に失敗しました。」というエラーメッセージを表示して
図14に示す処理を終了する。
【0091】
S1406において、クライアントアプリケーション240は、スキャン画像の受信を開始する。S1407において、クライアントアプリケーション240は、スキャン画像受信状態を取得する。S1408において、クライアントアプリケーション240は、スキャン画像受信状態をWeb会議アプリケーション310に送信する。ここで送信される情報としては、「スタンバイ」、「画像受信中」、「画像受信完了」、「画像受信キャンセル」「画像受信エラー」、「通信エラー」、「その他のエラー」等が含まれる。S1409において、Web会議アプリケーション310は、スキャン画像受信状態を受信する。S1410において、アプリケーション240は、スキャン画像受信状態をデータベース330に保存する。ここで保存される画像受信状態としては、「スタンバイ」、「画像受信中」、「画像受信完了」、「画像受信キャンセル」「画像受信エラー」、「通信エラー」、「その他のエラー」等があり、これらの情報がデータベース330に保存される。またS1410において保存された情報が、S1317において利用される。
【0092】
S1411において、クライアントアプリケーション240は、スキャン画像の受信が完了しているか否かを判定し、受信が完了していると判断された場合、S1412へ処理が進み、受信が完了していないと判断された場合、S1407へ処理が戻る。S1412において、クライアントアプリケーション240は、スキャン画像を表示する。S1413において、アプリケーション240は、スキャン画像をアプリケーション240内のホワイトボードに表示する。ホワイトボードに表示されている情報は、Web会議アプリケーション310を介して、このWeb会議に参加している参加者のクライアントアプリケーション内のホワイトボードにも表示される。S1414において、アプリケーション240は、スキャン画像(JPEGファイル、PDFファイル等)のファイル形式に関連付けられているアプリケーション(不図示)を起動して、このクライアントアプリケーションでスキャン画像を表示する。
【0093】
S1415において、クライアントアプリケーション240は、
図12のS1207とS1208と同様な印刷制御を実行して、OSに対して印刷ジョブの生成を要求し、OSが印刷ジョブを生成する。OSはプリンタ220に対して印刷ジョブを送信し、プリンタ220は印刷ジョブを受信すると印刷を開始する。これにより、スキャン画像がプリンタ220で印刷される。なお、S1415においてクライアントアプリケーション240は、S1208と同様に、プリンタドライバを用いる方法や、OS標準の印刷アプリケーションを用いる方法など、種々の印刷制御を行うことができる。
【0094】
S1416において、アプリケーション240は、スキャン処理を終了する。
【0095】
なお、S1412、S1413、S1414、S1415の処理は、必ずしもこれら全ての処理を実行する必要はなく、参加者の目的に応じて、これらの処理の内のいくつかを組み合わせて実行したり、単独で処理を実行したりすることを想定している。例えば、S1413における処理が行われずに、S1414におけるスキャン画像の表示が行われ、その後、クライアントアプリケーション240のユーザが指示した場合に、S1415における印刷が行われてもよい。
【0096】
また、上記の実施形態のWeb会議システムにおいて、資料を画面で共有する方法として、発表者のパーソナルコンピュータの画面(デスクトップ画面共有)が表示される場合について説明した。しかしこれに限らず、発表データのファイルが呼び出され、当該ファイルのデータが、情報処理システム200のクライアント端末(パーソナルコンピュータ)に表示されてもよい(以降、ファイル共有と呼ぶ)。この場合、表示制御処理がクライアントアプリケーション140で実行されてもよいし、Web会議アプリケーション310で実行されてもよい。前者の場合、クライアントアプリケーション140はデータの表示制御処理を行うとともに、その表示データをWeb会議アプリケーション310にリアルタイムに送信する。そして、Web会議アプリケーション310がその表示データをクライアントアプリケーション240に送信することで、クライアントアプリケーション240がその表示データを表示する。このとき発表者が発表資料のうちの表示対象のページを変更すると、変更後のページがリアルタイムに表示されることになる。一方、後者の場合、情報処理システム100の発表者は、クライアントアプリケーション140の画面において発表データ(ファイル等)を選択する。すると、クライアントアプリケーション140はOSを介して該発表データをHDD202から読み出し、Web会議アプリケーション310にそのデータ(ファイル等)を、表示指示とともに送信する。Web会議アプリケーション310は、当該データ(ファイル等)と表示指示を受信すると、当該ファイルの表示データを作成し、当該表示データを全参加者のクライアントアプリケーションに送信する。即ち、Web会議アプリケーション310の表示制御により、全参加者の表示画面に共通のファイルが表示される。情報処理システム100において発表者が、クライアントアプリケーション140の画面により、ページ切り替え指示や発表終了指示を行うと、クライアントアプリケーション140はその指示をWeb会議アプリケーション310に送信する。Web会議アプリケーション310は、その指示に応じて、表示中のデータについてページ切り替えや表示の終了処理を実行する。即ち、Web会議アプリケーション310の表示制御により、ファイル内の同一の内容(例えば同一のページ)が、全参加者の表示画面にリアルタイムに表示される。
【0097】
また、上記の実施形態では、ユーザが
図6に示す画面において選択したファイルが印刷対象となる。しかしこれに限らず、発表者が指定し、現在各参加者のクライアントアプリケーションの画面上で共有されている資料が、印刷対象として自動的に指定されてもよい。または当該資料の複数ページのうち、現在表示中のページのみが、印刷対象として自動的に指定されてもよい。例えば、上記「ファイル共有」がクライアントアプリケーション140による表示制御処理により行われているとする。この場合、クライアントアプリケーション140は、現在ファイル共有により各クライアントアプリケーションで表示中のファイルのファイルパスや、表示中のページのページ番号を認識可能である。そのため、
図11のS1111においてクライアントアプリケーション140は、そのファイルパスに従って表示中のファイルを特定する。そしてクライアントアプリケーション140はS1112で、その特定されたファイルを読み出して、印刷コンテンツとしてWeb会議アプリケーション310に送信する。或いは、クライアントアプリケーション140はS1112で、該特定されたファイルのうち、現在表示中のページ番号のページを特定し、そのページのみを印刷コンテンツとしてWeb会議アプリケーション310に送信してもよい。
【0098】
またWeb会議アプリケーション310がファイル共有の表示制御処理を行っている場合、クライアントアプリケーション140はS1111において、Web会議アプリケーション310から現在共有中のファイルのファイル名を受信する。または、クライアントアプリケーション140は、当該ファイル名と、当該ファイルにおける表示中のページ番号を受信する。そして、クライアントアプリケーション140は、当該ファイル名で表示中のファイルを特定して読み出し、当該ファイルもしくは当該ファイル内の表示中のページを、Web会議アプリケーション310に送信する。もしくは、S1112においてクライアントアプリケーション140は、表示中の資料全体もしくは表示中のページを印刷する印刷指示を、Web会議アプリケーション310に送信する。Web会議アプリケーション310は、当該資料の表示処理を行っているため、当該資料のファイルや表示中のページを特定可能である。そのため、Web会議アプリケーション310は、当該印刷指示を受信した場合に、S1113において表示対象のファイルもしくは当該ファイルの表示中のページを特定し、S1116では、当該特定されたファイルもしくはページの印刷ジョブを送信する。
【0099】
[他の実施形態]
上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0100】
上述の実施形態では、クライアントアプリケーション140からクライアントアプリケーション240に、Web会議アプリケーション310を介して印刷指示が送信される。
図11~
図14においては、印刷指示として、印刷コンテンツのURLが送信されていた。しかしこれに限らず、印刷コンテンツを含む印刷ジョブが、印刷指示としてクライアントアプリケーション240に送信されてもよい。
【0101】
また、印刷コンテンツは、Web会議サーバ300に格納されてもよいし、別の外部サーバに格納されてもよい。即ち、クライアントアプリケーションは、印刷指示に応じて、Web会議サーバ300以外の外部サーバに、通知されたURLに従って印刷コンテンツを要求してもよい。
【0102】
さらに、以上の実施形態では、クライアント端末210からWeb会議サーバ300にプリンタ情報が送信され、そのプリンタ情報が
図8に示すようにクライアント端末110に表示されていた。そして、そのプリンタ情報は、クライアント端末210に利用可能なプリンタが接続されているか否かを示す情報と、該プリンタに対する設定に関する情報(ミュート設定が行われているか否か等)の両方が含まれていた。しかしこれに限らず、そのどちらか一方のみがプリンタ情報に含まれていてもよい。或いは、プリンタのステータス(インク残量、用紙がプリンタにセットされているか否か、エラーの有無)もプリンタ情報に含まれてもよい。そして、プリンタのステータスを示す情報が、クライアント端末110のクライアントアプリケーション140により、
図8に示す画面において表示されてもよい。
【0103】
また、Web会議システムの構成は上述した実施形態のものに限られない。例えば、クライアントアプリケーションの代わりに、クライアント端末内のWebブラウザで操作可能なWebアプリケーションで構成されてもよい。或いは、クライアントアプリケーションに組み込むことができるプラグインソフトウェアにより構成されてもよい。
【0104】
また、上述した実施形態では、情報処理装置としてパーソナルコンピュータを想定した。しかしながら、携帯電話、携帯情報端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯ミュージックプレーヤー、ゲーム、セットトップボックス、インターネット家電等、同様な使用方法が可能な任意の情報処理装置(端末)を用いても良い。
【0105】
また、上述した実施形態では、OSに例としてWindows(登録商標) 10と同等のOSを使用したが、このOSに限られることなく、任意のOSを使用することができる。また、上述した実施形態では、ネットワーク4の構成例としてEthernet(登録商標)を用いたが、この例に限られることなく、例えば、無線LAN、IEEE1394、Bluetooth(登録商標)等、他の任意のネットワーク構成であってもよい。
【0106】
また、上述した実施形態では、プリンタ、スキャナ装置がそれぞれ独立している異なる2つの装置で構成される例を説明したが、この例に限られることなく、プリンタとスキャナ装置が一体となっているマルチファンクションプリンタで構成してもよい。
【0107】
また、上述した実施形態では、パーソナルコンピュータとプリンタ、スキャナ装置をUSBで接続して、パーソナルコンピュータからプリンタで印刷したり、スキャンしたりする構成の例を説明したが、この例に限られない。例えば、パーソナルコンピュータを介さずに、プリンタが印刷コンテンツをインターネット経由で直接受信して印刷したり、スキャナ装置がスキャン画像をインターネット経由で直接送信したりする構成でも実現することができる。
【0108】
また、上述した実施形態では、
図8の表示部147に記載されているように、自プリンタに対する印刷を拒否するミュート機能を備える例を挙げたが、この例に限られない。例えばプリンタがオフラインの時もミュート機能オンと同等な状態として、印刷拒否としてもよい。あるいは、オフラインはミュート機能とは連動せずに、クライアントアプリケーション140からWeb会議サーバ300を介してクライアントアプリケーション240にコンテンツが送信されてもよい。そして、情報処理システム200のプリンタ220がオフラインである場合、クライアントアプリケーション240が「プリンタがオフラインです。プリンタの電源を入れてください。」という警告メッセージ(不図示)を表示して、印刷を促してもよい。この場合、各クライアントアプリケーションは、プリンタの状態として、オンライン、オフライン、ミュートを判定し、その状態がWeb会議アプリケーション310に通知されてもよい。そして、各クライアントアプリケーションは、別の参加者のプリンタの状態として、オンライン、オフライン、ミュートでそれぞれ異なるアイコンを表示してもよい。
【0109】
また、参加者がWeb会議サービスにサインインして、あるWeb会議に参加すると、会議の参加者宛にその会議で使用する資料が自動的に印刷されることで、さらに操作性に優れたWeb会議システムを提供することもできる。具体的な実施形態の一例として、ある会議に参加した時に、クライアントアプリケーション140は、その会議で使用する資料の印刷を促す
図15の(a)のメッセージダイアログ1501を表示する。参加者が[OK]ボタン1502を押下すると、この会議の資料を選択した状態で、
図11のS1101から印刷処理が開始され、各参加者のプリンタで前記資料がプリントアウトされる。参加者が[Cancel]ボタン1503を押下すると、前記資料はプリントアウトされない。
【0110】
また、ある会議の参加者Aが、その会議に参加している他の参加者のプリンタでその会議の資料をプリントアウトするとする。この場合に、ある参加者が送信ボタン1465を押下した時に、各参加者に共有されてウィンドウ143で表示されている前記資料(印刷コンテンツ)の表示が切り替わったり、消えたりしないように、表示状態を維持する表示ロックのための制御が行われてもよい。この制御は、表示処理が送信者のクライアントアプリケーションで行われている場合は、該クライアントアプリケーションにより実行される。一方、表示処理がWeb会議アプリケーション310により実行される場合、上記表示ロックのための制御が、Web会議アプリケーション310により実行される。
【0111】
また、参加者Aが送信ボタン1465を押下した時に、クライアントアプリケーション140が、
図15の(b)のメッセージダイアログ1504を表示してもよい。そして、参加者Aが[OK]ボタン1505を押下すると、プリンタ120で印刷処理が実行され、[キャンセル]ボタン1506を押下すると、プリンタ120で印刷処理が実行されず、もとの表示に戻ってもよい。
【0112】
また、印刷コンテンツとして、ミーティング参加者名簿のリスト、チャットログ、議事録、ホワイトボード画面、Web会議のアンケート結果等も考えられる。例えば、これらを印刷コンテンツとして選択して、参加者のプリンタで印刷することで、さらに操作性に優れたWeb会議システムを提供することもできる。
【0113】
また、クライアントアプリケーションがスキャン画像を別のクライアントアプリケーションに送信する際に、印刷の要否を、スキャン画像を受信した各クライアントアプリケーションが判断してもよい。例えば、印刷拒否(ミュート)となっているクライアントアプリケーションは、スキャン画像を受信して表示し、印刷許可となっているクライアントアプリケーションは、スキャン画像を受信して、OSに対して印刷ジョブの生成を要求する。これにより参加者の要望にそれぞれ適切に応えるWeb会議システムを提供することもできる。
【0114】
以上、各実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0115】
また、各実施形態を組合せることで、それぞれの実施形態が持つ効果をさらに高めることができ、ユーザの操作性に優れたWeb会議システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0116】
140、240 クライアントアプリケーション
204 CPU
201 RAM
202 HDD
120、220 プリンタ
130、230 スキャナ装置