(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】全身用乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/31 20060101AFI20241007BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20241007BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20241007BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20241007BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20241007BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20241007BHJP
A61K 8/63 20060101ALI20241007BHJP
A61K 8/98 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/36
A61K8/06
A61K8/92
A61Q5/00
A61Q19/00
A61K8/63
A61K8/98
(21)【出願番号】P 2020138962
(22)【出願日】2020-08-19
【審査請求日】2023-06-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイト掲載日:2020年6月5日 ウェブサイトのアドレス:https://www.kracie.co.jp/release/10162215_3833.html
(73)【特許権者】
【識別番号】306018376
【氏名又は名称】クラシエ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】ブリアド ヘルレンチメグ
【審査官】河村 明希乃
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0206531(US,A1)
【文献】特開平05-039225(JP,A)
【文献】特開2013-001685(JP,A)
【文献】特開2012-167061(JP,A)
【文献】国際公開第2004/071472(WO,A1)
【文献】特開2012-240944(JP,A)
【文献】特開2010-209043(JP,A)
【文献】特開2003-104835(JP,A)
【文献】特開2015-086192(JP,A)
【文献】特開平11-292732(JP,A)
【文献】特開2008-037812(JP,A)
【文献】国際公開第2009/136633(WO,A1)
【文献】特開平01-163110(JP,A)
【文献】特開2018-030784(JP,A)
【文献】国際公開第2007/031793(WO,A2)
【文献】特開昭60-139607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.ワセリン
B.ミネラルオイル
C.シア脂
D.乳由来成分
E.グリチルリチン酸塩
F.水、0質量%超55質量%以下
G.パラオキシ安息香酸エステル(パラベン)、0.3質量%以下
を含む乳化系化粧料であって、前記A成分と前記B成分の合計配合割合が化粧料全体に対し、20~35質量%で、その比率がA/B=3:1~1:3であり、かつ前記C成分は液状であり、カチオン性界面活性剤を含有しないことを特徴とする
毛髪および皮膚に使用される全身用乳化化粧料。
【請求項2】
前記D成分が、乳由来成分であり、生、又は、精製、フリーズドライ、発酵、加熱、凝固、脱脂、抽出、濃縮、熟成、添加、加水分解のいずれかの加工プロセスを得た物である成分群から選ばれる1種または2種以上を含む請求項
1記載の全身用乳化化粧料。
【請求項3】
前記D成分が、乳、乳糖、乳酸、ホエイ、ラクトフェリン、ヨーグルト液、カゼイン、生クリーム、脱脂粉乳、スキムミルク、コンデンスミルク、チーズ、乳脂、バターから選ばれる1種または2種以上を含む前記請求項
1又は
2に記載の全身用乳化化粧料。
【請求項4】
前記D成分が、豆乳、アーモンドミルク、オートミルク、カシューミルク、ヘンプミルク、ピーミルク、フラックスミルク、甘酒、粥(ライスミルク)、ココアミルク、ココナッツミルクから選ばれる植物由来の乳代替用加工物、及び/又はその由来植物の抽出物、汁、オイル、パウダー、エキスから選ばれる1種または2種以上を含む請求項
1~
3のいずれか一項に記載の全身用乳化化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な使用感(伸び感、べたつきのなさ、うるおい感)と、安全性を有し、かつ毛髪に対し絡まり抑制効果をもつ、毛髪や皮膚に使用可能なオールマイティな全身用乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者に提供する化粧品製剤には、毛髪用やボディー用、顔用、口腔用、手足用など人間の体の部位それぞれ指定の製剤が多い。それはもちろん、それぞれに求める機能が異なるためであり、望ましい使用感や安全性が異なるためである。
【0003】
しかし、近年では、時短や使用利便性、環境保全目的等を考慮したオールマイティな製剤が注目を集めている。例えば、全身用シャンプーや、全身用ボディーソープ、全身用クリーム、髪以外にも爪や手足にも使用可能なオイルなどが挙げられる。また、体の使用部位以外にさまざまなダメージにも提供できる製剤や、年齢や性別関係なく使用できる製剤等のマルチ機能を有した化粧品もその例の一つである。
【0004】
これらの中で、特に大人や子供を問わずに使用できる製剤は、その安全性が一番課題となることが考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、毛髪に適した化粧料が皮膚に適しているとはいえず、また、大人に適した化粧料が子供に適しているとはいえないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記状況を鑑みて、全身の肌や毛髪にも使用でき、かつ子供と大人を問わず使用可能な、良好な使用感(伸び感、べたつきのなさ、うるおい感)と、充分な安全性を有し、かつ毛髪に対し絡まり抑制効果を有する化粧料を提供することを目的としている。ここで、本願発明において子供とは12歳以下の乳幼児及び学童をいう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、下記成分A~Cを特定の比率で組み合わせることにより、上記問題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
A.ワセリン
B.ミネラルオイル
C.シア脂
を含む、乳化化粧料であって、A成分とB成分の合計配合割合が化粧料全体に対し、20~35質量%で、その比率がA/B=3:1~1:3であり、かつ、C成分のシア脂は液状であり、カチオン性界面活性剤を含有しない全身用乳化化粧料。
【0008】
第一の発明は、
A.ワセリン
B.ミネラルオイル
C.シア脂
を含む、乳化化粧料であって、A成分とB成分の合計配合割合が化粧料全体に対し、20~35質量%で、その比率がA/B=3:1~1:3であり、かつ、C成分のシア脂は液状であり、カチオン性界面活性剤を含有しないことを特徴としている全身用乳化化粧料で
ある。
【0009】
第二の発明は、さらに、D成分として乳由来成分、E成分としてグリチリチン酸塩を含む第一の発明に記載の全身用乳化化粧料である。
【0010】
第三の発明は、さらに乳由来成分を含有し、生、若しくは、精製、フリーズドライ、発酵、加熱、凝固、脱脂、抽出、濃縮、熟成、添加、加水分解等の加工プロセスを得た物である第一又は第二の発明に記載の全身用乳化化粧料である。
【0011】
第四の発明は、前記乳由来成分が、乳、乳糖、乳酸、ホエイ、ラクトフェリン、ヨーグルト液、カゼイン、生クリーム、脱脂粉乳、スキムミルク、コンデンスミルク、チーズ、乳脂、バターから選ばれることが望ましく、また、豆乳、アーモンドミルク、オートミルク、カシュ―ミルク、ヘンプミルク、ピーミルク、フラックスミルク、甘酒、粥(ライスミルク)、ココアミルク、ココナッツミルクから選ばれる植物由来の乳代替用加工物、及び、若しくはその由来植物の抽出物、汁、オイル、パウダー、エキスから選ばれる第三の発明に記載の全身用乳化化粧料である。
【0012】
第五の発明は、さらにパラベン類を含有し、その含有量が化粧料全量に対して0.3質量%以下である第一から第四の発明のいずれかに記載の全身用乳化化粧料である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の化粧料によれば、全身の肌や毛髪にも使用でき、かつ子供と大人を問わず使用可能な、良好な使用感(伸び感、べたつきのなさ、うるおい感)と、充分な安全性を有し、かつ毛髪に対し絡まり抑制効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の全身用乳化化粧料について詳細に説明する。
【0015】
(A成分)
本発明の(A)成分であるワセリンとは、半固形状の炭化水素類であり、その肌なじみや安全性が良いことが知られており、化粧品のみならず、医療品等にも広く使用されている油性成分である。ワセリンは、うるおいを目的として配合する。ワセリンは、特に限定するものではないが、市販のものを使用することができる。
【0016】
(B成分)
本発明の(B)成分のミネラルオイルとは、流動パラフィンとも呼ばれる炭化水素化合物の一種である。非揮発性で、安定性が高く、安価であるゆえ、化粧品を含め、いろいろな業界で広く使用されている。ミネラルオイルは、伸びとうるおいを目的として配合する。ミネラルオイルは、特に限定するものではないが、市販のものを使用することができる。
【0017】
本発明においては、成分(A)と成分(B)の配合割合がその合計配合割合が化粧料全体に対し、20~35質量%で、その比率A/Bが3:1~1:3の範囲であり、好ましくは20~30質量%でA/Bが3:1~1:3の範囲である。合計配合割合が20質量%未満の場合、うるおい感が足りなく、35質量%以上の場合、べたつきが生じる等の使用感に適さない場合がある。また、その比率が当該範囲であることで、毛髪と肌への伸び感、うるおい効果等のバランスが成立する。
【0018】
(C成分)
本発明の(C)成分であるシア脂とは、シアの木の種子から抽出した植物油脂である。
シア脂は、絡まり防止を目的として配合する。優れた保湿効果、保護効果があり、スキンケア、ヘアケア、ボディケア製品で好適に使用している。シア脂は、特に限定するものではないが、古くから市場に汎用で出まわっている半固形ペースト状のバターと違った、その組成や抽出方法は異なる液状シアバターを特に好ましく使用することができる。
【0019】
本発明においては、成分(C)の配合割合は、本発明の効果を発揮する限りにおいて特に限定するものではないが、好ましくは0.01~5質量%、さらに好ましくは0.1~1質量%である。この範囲であれば、べたつく等の使用感を邪魔しなく、かつ絡まり抑制効果が期待できる
【0020】
(D成分)
本発明の(D)成分である水は、イオン交換水、精製水、水道水、自然水等を用いることが可能であり、本発明の組成物の剤形と形態に応じて、その0質量%超55質量%以下であれば、自由に配合することができる。具体的には、上記の成分の配合量(質量%)と、全身用乳化化粧料の剤形と形態を考慮した他の成分の配合量(質量%)の残分として配合することが典型的である。D成分の配合量が、0質量%超55質量%以下において、系の全体バランスが成り立ち、毛髪かつ皮膚にうるおいを付与できる効果が増す。
【0021】
(E成分)
本発明の(E)成分である乳由来成分とは、特に限定するものではないが、乳汁やミルクとも言われる、動物のうち哺乳類の母体が作り出す分泌液である。また本来の動物由来ではない、その代替品として知られるそれ以外のもので、豆乳、粥(ライスミルク)、アーモンドミルクやココナッツミルクなど植物由来の「白い液体」もその例に挙げられ、好ましく使用することができる。
【0022】
本発明の(E)成分の乳由来成分は、特に限定するものではないが、生、若しくは、精製、フリーズ、ドライ、発酵、加熱、凝固、脱脂、抽出、濃縮、熟成、添加、加水分解等の加工プロセスを得た物である成分群から選ばれてもよく、その1種もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。その配合量は、本発明の効果を発揮する限りにおいて特に特に限定するものではないが、好ましくは0.001~5質量%、より好ましくは0.01~1質量%である。この範囲であれば、うるおいと良好な使用感、そして絡まり抑制効果が期待できる。
【0023】
本発明の(E)成分の乳由来成分は、特に限定するものではないが、その具体例として、乳、乳糖、乳酸、ホエイ、ラクトフェリン、ヨーグルト液、カゼイン、生クリーム、脱脂粉乳、スキムミルク、コンデンスミルク、チーズ、乳脂、バターから選ばれることが望ましく、また、豆乳、アーモンドミルク、オートミルク、カシュ―ミルク、ヘンプミルク、ピーミルク、フラックスミルク、甘酒、粥(ライスミルク)、ココアミルク、ココナッツミルクから選ばれる植物由来の乳代替用加工物、及び、若しくはその由来植物の抽出物、汁、オイル、パウダー、エキス等を挙げることができ、肌や毛髪において、伸び、うるおい等の使用感と、絡まり抑制効果の観点から好ましく使用することができる。
【0024】
(F成分)
本発明の(F)成分のグリチルリチン酸塩とは、グリチルリチン酸ジカリウムのことを指すことが一般的であり、皮膚コンディショニング剤や抗炎症剤としても良く知られる、広く使用されている成分である。F成分は、皮膚でのべたつき低減、うるおいを目的として配合する。
【0025】
本発明においては成分(F)の配合割合は、本発明の効果を発揮する限りにおいて特に限定するものではないが、好ましくは0.001~0.1質量%、より好ましくは0.0
1~0.05質量%である。この範囲であれば、上記効果が発揮できる。
【0026】
(G成分)
本発明において、さらに成分(G)を配合することが好ましい。(G)成分でパラベン類としては、抗菌作用を有し保存料として食品、化粧品、医薬品等のさまざまな製品に広く使われている有機化合物である防腐剤である。特に限定するものではないが、パラオキシ安息香酸エステルは、その具体例として、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ベンジルパラベン、メチルパラベンNa等を挙げることができ、安全性の観点から、特にメチルパラベンとエチルパラベンを好ましく使用することができる。
【0027】
本発明の(G)成分は、特に限定するものではないが、その1種または2種以上を組み合わせて使用することができるが、安全性の観点から、その合計配合量は化粧料全体に対して0.3%以下であることが望ましい。
【0028】
本発明において、カチオン性界面活性剤を含有しないことが好ましい。別名、陽イオン性界面活性剤は、その水溶液においてイオンに解離し、界面活性を示す原子団がカチオンとなる界面活性剤である。カチオン性界面活性剤には、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩等のアルキルアミン塩型や、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩型があり、主に分散剤、乳化剤、殺菌剤、柔軟剤、ヘアリンス基剤、静電防止剤等の用途で広く使われている成分である。しかし、軽度毒性をもっているとされ、刺激性が懸念されている成分である。そのため、従来は、毛髪用化粧料には、毛髪での優れた使用感やコンディショニング効果等を出す目的で、カチオン性界面活性剤が汎用的に使用されていたが、一方で、安全性的な面では、肌に使う化粧料において、望ましくなかった。本発明において、特定の成分と特定の割合で配合することによって、カチオン性界面活性剤を用いなくても、懸念される使用感の低下なしに、子供と大人、そして肌と毛髪に使用可能である。
【0029】
(乳化化粧料)
本発明において、乳化化粧料は、常温において流動性を有するミルクタイプ、エッセンスタイプ、セラムタイプや非流動性のクリームタイプ、ワックスタイプ、フォームタイプ等のいずれかであっても良い。
【0030】
(その他の成分)
さらに、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて、さらに通常化粧料等に用いられている他の追加成分を配合することができる。これらの追加成分としては、例えばアミノ酸類、抽出エキス類、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ビタミン類、感触調整剤、油脂類、植物油類、香料等を配合することができる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。なお、実施例に記載の毛髪や皮膚に使用可能なオールマイティな使用感として、伸び感、べたつきのなさ、うるおい感、安全性、かつ毛髪の絡まり抑制効果に関する試験法を下記に示す。また、以下の表に示す乳化化粧料の配合量は、それぞれ質量%で示す。
【0032】
(良好な伸び感)
5名の専門パネルが、成人女性毛髪の毛束(長さ10cm、重さ2gのバージン毛髪)及び各専門パネルの両腕に実施例及び比較例で示した乳化化粧料1gを塗布し、その時の
使用感(伸び感)について官能試験を行い、以下に示す判定基準により評価を行った。
【0033】
判定基準(良好な伸び感で満足できる)
◎:伸び感が良く、満足できるが5名
〇:伸び感が良く、満足できるが4名
△:伸び感が良く、満足できるが3名
×:伸び感が良く、満足できるが2名以下
【0034】
(べたつきのなさ:大人)
5名の専門パネルが、成人女性毛髪の毛束(長さ10cm、重さ2gのバージン毛髪)に実施例及び比較例で示した乳化化粧料1gを塗布し、その時の使用感(べたつきのなさ)について官能試験を行い、以下に示す判定基準により評価を行った。
【0035】
(べたつきのなさ:子供)
30cm以上の髪の長さを有する12歳以下の女児5名をパネルとして、各女児の髪の毛先10cmに実施例及び比較例で示した乳化化粧料1gを塗布し、その時の使用感について官能試験を行い、以下に示す判定基準により評価を行った。
【0036】
判定基準(べたつかない)
◎:毛髪塗布後にべたつきがないが5名
〇:毛髪塗布後にべたつきがないが4名
△:毛髪塗布後にべたつきがないが3名
×:毛髪塗布後にべたつきがないが2名以下
【0037】
(うるおい感)
5名の専門パネルが、成人女性毛髪の毛束(長さ10cm、重さ2gのバージン毛髪)及び各専門パネルの両腕に実施例及び比較例で示した乳化化粧料1gを塗布し、その時の使用感(うるおい感)について官能試験を行い、以下に示す判定基準により評価を行った。
【0038】
判定基準(うるおい感を感じる)
◎:うるおい感を感じるが5名
〇:うるおい感を感じるが4名
△:うるおい感を感じるが3名
×:うるおい感を感じるが2名以下
【0039】
(安全性)
大人とその子供(12歳以下の男女児童)20組を対象に、実施例及び比較例で示した乳化化粧料一定量を毎日毛髪と肌に連続2週間使用し、その後、刺激有無のアンケート実施と評価を実施した。
【0040】
判定基準(刺激を感じた、感じていない)
〇:何らかの刺激を感じた被験者なし
×:何らかの刺激を感じた被験者が1組以上
【0041】
(毛髪への絡まり抑制効果)
実施例及び比較例で示した乳化化粧料3gを各毛束(長さ10cm、重さ2gのバージン毛髪)に塗布し、クシ通し時にかかる加重を測定した。尚、測定器はIMADA digitalForce gauge DPS-5R。
【0042】
◎:引っ張り加重が、0.2kg以下
〇:引っ張り加重が、0.21~0.5kg
△:引っ張り加重が、0.51~0.8kg
×:引っ張り加重が、0.81kg以上
【0043】
【0044】
表1から明らかなように実施例1~6の本発明の乳化化粧料は、毛髪や皮膚に使用可能なオールマイティな使用感として、伸び感、べたつきのなさ、うるおい感、安全性、かつ毛髪の絡まり抑制効果の各項目についていずれも優れていた。
【0045】
以下、本発明の組成物のその他の処方例を実施例として挙げる。なお、これらの実施例の組成物についても、上記の毛髪や皮膚に使用可能なオールマイティな使用感として、伸び感、べたつきのなさ、うるおい感、安全性、かつ毛髪の絡まり抑制効果について各項目
を検討したところ、いずれの実施例においても、優れた特性を有しており良好であった。
【0046】
実施例15 (ヘアエッセンス)
配合量(質量%)
(1)ワセリン 8.0
(2)ミネラルオイル 12.0
(3)液状シアバター 1.0
(4)セテスー5 4.0
(5)ステアリン酸グリセリル 1.0
(6)コメヌカロウ 0.5
(7)モノステアリン酸ポリエチレングリコール 2.5
(8)トリイソステアリン酸PEG-10グリセリル 2.0
(9)ポリオキシエチレン2-ヘキシルデシルエーテル 0.5
(10)パルミチン酸 0.3
(11)ステアリン酸 2.0
(12)セテアリルアルコール 2.5
(13)キャンデリラロウ 0.1
(14)BG 5.0
(15)ジグリセリン 1.0
(16)コハク酸ビスエトキシジグリコール 0.5
(17)ベタイン 5.0
(18)ポリオキシプロピレン(52)ブチルエーテル 2.5
(19)カルボマー 0.2
(20)TEA 0.2
(21)乳糖 0.01
(22)ホエイ 0.05
(23)加水分解カゼイン 0.01
(24)スキムミルク 0.01
(25)ココナッツミルクパウダー 0.01
(26)ローヤルゼリーエキス 0.1
(27)ザクロ果実エキス 0.1
(28)グリチルリチン酸2K 0.01
(29)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 適量
(30)香料 適量
(31)メチルパラベン 0.2
(32)純水 残量
合計 100.0
【0047】
(製法)(1)~(13)を均一溶解混合してA相とし、(14)~(32)を均一溶解混合してB相とし、A相とB相を混合乳化し、容器に充填し、ヘアエッセンスを調製した。
【0048】
実施例16(ヘアクリーム)
配合量(質量%)
(1)ミネラルオイル 20.0
(2)ワセリン 10.0
(3)ジメチコン 3.0
(4)DPG 3.0
(5)ミツロウ 3.0
(6)ステアリン酸グリセリル(SE) 1.0
(7)ステアリン酸PEG-45 3.0
(8)セテスー30 0.5
(9)セテスー5 0.5
(10)トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル 2.0
(11)フェノキシエタノール 0.5
(12)液状シアバター 0.5
(13)セテアリルアルコール 3.0
(14)ステアリン酸 1.5
(15)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 0.5
(16)パラベン 0.3
(17)カルボマー 0.05
(18)水酸化K 適量
(19)エタノール 0.1
(20)グリコシルトレハロース 0.5
(21)グリチルリチン酸2K 0.05
(22)グルタミン酸ナトリウム 0.01
(23)バラ抽出液 0.3
(24)サクラエキス 0.3
(25)ヨーグルト液 1.0
(26)ラクトフェリン 1.0
(27)BG 0.5
(28)アーモンドエキス 0.01
(29)コメエキス 0.01
(28)香料 適量
(29)純水 残量
合計 100.0
【0049】
(製法)(1)~(3)、(5)~(15)を均一溶解混合してA相とし、4と(16)~(29)を均一溶解混合としてB相として、A相とB相を混合乳化して、冷却し、容器に充填し、ヘアクリームを調製した。