(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システム
(51)【国際特許分類】
G02B 15/20 20060101AFI20241007BHJP
H04N 23/55 20230101ALI20241007BHJP
H04N 23/69 20230101ALI20241007BHJP
【FI】
G02B15/20
H04N23/55
H04N23/69
(21)【出願番号】P 2020160477
(22)【出願日】2020-09-25
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】篠原 健志
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-109240(JP,A)
【文献】特開2014-186098(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102073130(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
H04N 5/222 - 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、複数のレンズ群を含む後続群を有し、
広角端から望遠端へのズーミングに際して、
前記第1レンズ群が物体側へ移動し、前記第2レンズ群が像側へ移動し、且つ隣り合うレンズ群の間隔が変化し、
前記第2レンズ群は、1枚の負レンズからなり、
広角端から望遠端へのズーミングに際しての前記第1レンズ群の
物体側への移動量をM1、
広角端から望遠端へのズーミングに際しての前記第2レンズ群の
像側への移動量をM2、前記負レンズのアッベ数をνd2n、
広角端から望遠端へのズーミングに際しての前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の移動量の符号は物体側に移動する場合をマイナス、像側に移動する場合をプラスとするとき、
-7.5<M1/M2<-2.5
55<νd2n<90
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記ズームレンズの望遠端におけるレンズ全長をLTt、前記ズームレンズの望遠端における焦点距離をftとするとき、
0.10<LTt/ft<0.65
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
-2.7<f1/f2<-1.7
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第3レンズ群の焦点距離をf3とするとき、
0.8<f2/f3<1.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記負レンズの屈折率をNd2nとするとき、
1.45<Nd2n<1.65
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記負レンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR2nf、前記負レンズの像側のレンズ面の曲率半径をR2nrとするとき、
0.9<(R2nf+R2nr)/(R2nf-R2nr)<1.6
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記第3レンズ群の少なくとも一部を光軸方向に直交する方向へ移動させることで、被写体像の像面移動を補正することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
前記後続群は、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して移動する負レンズ群を含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項9】
前記負レンズ群は、最も像側に配置されたレンズ群であることを特徴とする請求項8に記載のズームレンズ。
【請求項10】
前記後続群は、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して移動する2つのレンズ群を含み、
前記2つのレンズ群はそれぞれ、異なる軌跡で移動することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項11】
前記後続群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群、正の屈折力の第7レンズ群、負の屈折力の第8レンズ群からなることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項12】
前記後続群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群、負の屈折力の第7レンズ群からなることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載のズームレンズと、
該ズームレンズによって形成される像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項14】
請求項1乃至12の何れか一項に記載のズームレンズと、ズーミングに際して前記ズームレンズを制御する制御部とを有することを特徴とする撮像システム。
【請求項15】
前記制御部は、前記ズームレンズとは別体として構成されており、前記ズームレンズを制御するための制御信号を送信する送信部を有することを特徴とする請求項14に記載の撮像システム。
【請求項16】
前記制御部は、前記ズームレンズとは別体として構成されており、前記ズームレンズを操作するための操作部を有することを特徴とする請求項14又は15に記載の撮像システム。
【請求項17】
前記ズームレンズのズームに関する情報を表示する表示部を有することを特徴とする請求項14乃至16の何れか一項に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズに関し、デジタルカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンのカメラとは異なる、焦点距離の長い望遠レンズ又は望遠まで撮影可能なズームレンズが求められている。また、近年、クイックリターンミラーがない、いわゆるミラーレスカメラが提案されているが、ミラーレスカメラは本体が薄く、小型かつ軽量であるため、ミラーレスカメラに適した小型かつ軽量の交換レンズが求められている。
【0003】
ミラーレスカメラでは、クイックリターンミラーを配置するスペースが不要であるため、従来の交換レンズほどバックフォーカスを確保する必要がない。そのため、レンズの構成等も従来の交換レンズとは異なり設計の自由度が増えるため、小型かつ軽量のレンズを設計することが可能となる。
【0004】
特に望遠レンズは、バックフォーカスが長くなり易いが、望遠ズームレンズの広角端のバックフォーカスが短くなる構成とすることでミラーレスカメラ用の交換レンズとしては小型化が可能となる。
【0005】
特許文献1,2には、物体側より順に正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、複数のレンズ群を有するズームレンズが開示されている。特許文献1のズームレンズは、第1及び第2レンズ群を別方向へ移動させることで第1レンズ群のみを繰り出すズームレンズに比べて、望遠端でのレンズ全長を小型化している。また、特許文献2のズームレンズでは、第2及び第3レンズ群を別軌跡で移動させることで、変倍時の諸収差の変動を抑制しつつレンズ全長を小型化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-39260号公報
【文献】特開2009-80483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のズームレンズは、ショートバックに対応しておらず、より望遠寄りのズームレンズを実現しようとするとレンズ全長が大型化してしまう。
【0008】
また、特許文献2のズームレンズは、倍率は十分ではあるが、広角寄りの焦点距離域に適した構成であり、望遠端における焦点距離が短く、望遠レンズとしては必ずしも十分ではない。
【0009】
本発明は、高倍率の望遠ズームに対応し、ズーム全域で光学性能が良好なズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面としてのズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、複数のレンズ群を含む後続群を有し、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群が物体側へ移動し、第2レンズ群が像側へ移動し、且つ隣り合うレンズ群の間隔が変化し、第2レンズ群は、1枚の負レンズからなり、広角端から望遠端へのズーミングに際しての第1レンズ群の物体側への移動量をM1、広角端から望遠端へのズーミングに際しての第2レンズ群の像側への移動量をM2、負レンズのアッベ数をνd2n、広角端から望遠端へのズーミングに際しての第1レンズ群と第2レンズ群の移動量の符号は物体側に移動する場合をマイナス、像側に移動する場合をプラスとするとき、
-7.5<M1/M2<-2.5
55<νd2n<90
なる条件式を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高倍率の望遠ズームに対応し、ズーム全域で光学性能が良好なズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例1のズームレンズの広角端における断面図である。
【
図2】(A),(B),(C)実施例1のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
【
図3】実施例2のズームレンズの広角端における断面図である。
【
図4】(A),(B),(C)実施例2のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
【
図5】実施例3のズームレンズの広角端における断面図である。
【
図6】(A),(B),(C)実施例3のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
【
図7】実施例4のズームレンズの広角端における断面図である。
【
図8】(A),(B),(C)実施例4のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
【
図9】実施例5のズームレンズの広角端における断面図である。
【
図10】(A),(B),(C)実施例5のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
【
図11】実施例6のズームレンズの広角端における断面図である。
【
図12】(A),(B),(C)実施例6のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
図1,3,5,7,9,11は、それぞれ実施例1乃至6のズームレンズの広角端における断面図である。各実施例のズームレンズは、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等の撮像装置に用いられるズームレンズである。
【0015】
各断面図において左方が物体側で、右方が像側である。各実施例のズームレンズは複数のレンズ群を有して構成されている。本願明細書においてレンズ群とは、ズーミングに際して一体的に移動又は静止するレンズのまとまりである。すなわち、各実施例のズームレンズでは、ズーミングに際して隣接するレンズ群同士の間隔が変化する。なお、レンズ群は1枚のレンズから構成されていてもよいし、複数のレンズから成っていてもよい。また、レンズ群は開口絞りを含んでいてもよい。
【0016】
各断面図において、Liはレンズ群のうち物体側から数えてi番目(iは自然数)のレンズ群を表している。
【0017】
また、SPは開口絞りである。IPは像面であり、各実施例のズームレンズをデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例のズームレンズを銀塩フィルム用カメラの撮影光学系として使用する際には像面IPにはフィルム面に相当する感光面が置かれる。
【0018】
また、各実施例のズームレンズでは、ズーミングに際して、少なくとも第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2が移動するように構成されている。各断面図に示した矢印は、広角端から望遠端へのズーミングに際してのレンズ群の移動方向を表している。
【0019】
図2,4,6,8,10,12は、それぞれ実施例1乃至6のズームレンズの収差図である。各収差図において、(A)は広角端における収差図、(B)は中間のズーム位置における収差図、(C)は望遠端における収差図である。
【0020】
球面収差図においてFnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図においてΔSはサジタル像面における非点収差量、ΔMはメリジオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図においてd線に対する歪曲収差量を示している。色収差図ではg線における色収差量を示している。ωは撮像半画角(°)である。
【0021】
次に、各実施例のズームレンズにおける特徴的な構成について述べる。
【0022】
各実施例のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、負の屈折力の第3レンズ群L3、複数のレンズ群を含む後続群を有する。
【0023】
高倍率のズームレンズでは、ズーミングに際しての各レンズ群の移動量が大きい。特に第2レンズ群が固定で第1レンズ群が物体側に繰り出すタイプのズームレンズでは、ズーミングに際して、繰り出し量が大きくなり、また、軸上光束と軸外光束のレンズ内を通過する高さが大きく変化するため、諸収差の発生量が大きく変化する。
【0024】
各実施例のズームレンズは、第1レンズ群L1を物体側に繰り出し、第2レンズ群L2を像側に繰り込むことで、ズーミングに際しての第1レンズ群L1の移動量を減らしている。各レンズ群の移動量が小さくなると、直進筒が短くなり、更に第1レンズ群L1が物体側に繰り出した際のレンズの自重による鏡筒の倒れを抑制することができる。また、各実施例のズームレンズは、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の移動量比を後述するように適切に設定することで、諸収差の発生量の変化を抑えている。
【0025】
各実施例のズームレンズでは、第2レンズ群L2は、1枚の負レンズからなる。第2レンズ群L2の負レンズとして、分散の小さい材料が使用されている。低分散材を使用することで、特に広角側の倍率色収差の補正が容易となり、最小枚数でありながら効果的に色収差補正を行うことができる。一方、低分散材を使用することは、望遠側の倍率色収差補正に対して不利であり、適切な硝種を選択する必要がある。また、低分散材に使用される硝種は屈折率が低く、第1レンズ群L1で発生したコマ収差をキャンセルさせることが難しい。更に、ペッツバール和に対して不利な方向となるため、像面湾曲を良好に補正する上でも適切な硝種を選択する必要がある。
【0026】
各実施例のズームレンズでは、第3レンズ群L3により第2レンズ群L2で補正不足となっている球面収差やコマ収差等の収差補正が行われる。また、各実施例のズームレンズは、ズーミングに際して、第3レンズ群L3の像側に配置された複数のレンズ群を含む後続群を移動させることで、ズーミングに際しての諸収差の変動を抑えつつ高倍率化を達成している。
【0027】
前述したように、各実施例のズームレンズでは、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の移動量比を適切に設定すること、及び第2レンズ群L2の硝種を適切に選択することが重要となる。
【0028】
各実施例のズームレンズは、ズーミングに際しての第1レンズ群L1の移動量をM1、ズーミングに際しての第2レンズ群L2の移動量をM2とするとき、以下の条件式(1)を満足する。ここで、ズーミングに際して第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の移動量の符号は物体側に移動する場合をマイナス、像側に移動する場合をプラスとする。
【0029】
-7.5<M1/M2<-2.5 (1)
条件式(1)は、ズーミングに際しての第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の移動量比を規定している。条件式(1)の上限値を上回って第2レンズ群L2の移動量が大きくなると、変倍時の諸収差、特にコマ収差の変動が大きくなるため好ましくない。条件式(1)の下限値を下回って第1レンズ群L1の移動量が大きくなると、変倍比を稼ぐには有利であるが、望遠端のレンズ全長が長くなるため好ましくない。
【0030】
各実施例のズームレンズは、負レンズのアッベ数をνd2nとするとき、以下の条件式(2)を満足する。
【0031】
55<νd2n<90 (2)
条件式(2)は、第2レンズ群L2の負レンズのアッベ数を規定している。条件式(2)の上限値を上回ると、広角側の倍率色収差を補正する上で有利となるが、望遠側の倍率色収差を補正する上で不利となる。条件式(2)の下限値を下回ると、ズーミングに際しての色収差変動を抑えることが困難となる。
【0032】
なお、条件式(1),(2)の数値範囲を以下の条件式(1a),(2a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0033】
-7.0<M1/M2<-2.5 (1a)
60<νd2n<90 (2a)
また、条件式(1),(2)の数値範囲を以下の条件式(1b),(2b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0034】
-6.5<M1/M2<-2.7 (1b)
65<νd2n<85 (2b)
上述した構成により、諸収差の悪化を抑えつつ、高倍率の望遠ズームに対応し、ズーム全域で光学性能が良好なズームレンズを実現することができる。
【0035】
次に、各実施例のズームレンズにおいて、満足することが好ましい構成について述べる。
【0036】
各実施例のズームレンズは、ズームレンズの望遠端におけるレンズ全長をLTt、ズームレンズの望遠端における焦点距離をftとするとき、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
【0037】
0.10<LTt/ft<0.65 (3)
条件式(3)は、ズームレンズの望遠端におけるレンズ全長と望遠端における焦点距離との比を規定している。条件式(3)の下限値を下回ると、レンズ全長が短くなるが、各レンズ群の屈折力を強める必要があり、諸収差を良好に補正することが困難となる。条件式(3)の上限値を上回ると、レンズ全長が長くなるため好ましくない。
【0038】
各実施例のズームレンズは、第1レンズ群L1の焦点距離をf1、第2レンズ群L2の焦点距離をf2とするとき、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0039】
-2.7<f1/f2<-1.7 (4)
条件式(4)は、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の焦点距離比を規定している。条件式(4)の下限値を下回ると、第1レンズ群L1の屈折力が弱まるため望遠側の球面収差を補正する上で有利であるが、ズーミングに際しての第1レンズ群L1の繰り出し量が大きくなり、レンズ全長が長くするため好ましくない。条件式(4)の上限値を上回ると、第2レンズ群L2の屈折力が弱まり、変倍時のコマ収差や倍率色収差の変動を抑えることが困難となる。
【0040】
各実施例のズームレンズは、第3レンズ群L3の焦点距離をf3とするとき、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0041】
0.8<f2/f3<1.5 (5)
条件式(5)は、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の焦点距離比を規定している。条件式(5)の下限値を下回ると、第2レンズ群L2の屈折力が強まるため小型化に対して有利となるが、ズーミングに際してのコマ収差変動を抑えることが困難となる。条件式(5)の上限値を上回ると、第2レンズ群L2の屈折力が弱まるため、ズーミングに際しての移動量が大きくなりレンズ全長が長くするため好ましくない。
【0042】
各実施例のズームレンズは、第2レンズ群L2の負レンズの屈折率をNd2nとするとき、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
【0043】
1.45<Nd2n<1.65 (6)
条件式(6)は、第2レンズ群L2の負レンズの屈折率を規定している。条件式(6)の下限値を下回ると、内向性のコマが強まり補正することが困難となる。条件式(6)の上限値を上回ると、外向性のコマが強まり補正ことが困難となる。
【0044】
各実施例のズームレンズは、第2レンズ群L2の負レンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR2nf、第2レンズ群L2の負レンズの像側のレンズ面の曲率半径をR2nrとするとき、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
【0045】
0.9<(R2nf+R2nr)/(R2nf-R2nr)<1.6 (7)
条件式(7)は、第2レンズ群L2の負レンズの形状を規定している。条件式(7)の下限値を下回ると、負レンズの両凹形状が強まって外向性のコマが強まり補正することが困難となる。条件式(7)の上限値を上回ると、負レンズのメニスカス形状が強まって内向性のコマが強まり補正することが困難となる。
【0046】
なお、条件式(3)乃至(7)の数値範囲を以下の条件式(3a)乃至(7a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0047】
0.20<LTt/ft<0.65 (3a)
-2.6<f1/f2<-1.8 (4a)
0.9<f2/f3<1.5 (5a)
1.45<Nd2n<1.60 (6a)
0.9<(R2nf+R2nr)/(R2nf-R2nr)<1.5 (7a)
また、条件式(3)乃至(7)の数値範囲を以下の条件式(3b)乃至(7b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0048】
0.30<LTt/ft<0.65 (3b)
-2.5<f1/f2<-1.9 (4b)
0.9<f2/f3<1.4 (5b)
1.47<Nd2n<1.60 (6b)
0.9<(R2nf+R2nr)/(R2nf-R2nr)<1.4 (7b)
各実施例のズームレンズは、第3レンズ群L3の少なくとも一部を光軸方向に直交する方向へ移動させることで、被写体像の像面移動を補正することが好ましい。これにより、ズームレンズ全体が振動した際の撮影画像のブレを補正することができる。
【0049】
次に、各実施例のズームレンズについて詳細に述べる。
【0050】
実施例1乃至4,6のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正、負、負、正、負、正、正、負の屈折力の第1乃至8レンズ群L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8を有する。開口絞りSPは、第5レンズ群L5の物体側に位置しており、ズーミングに際して第5レンズ群L5と一体的に移動する。
【0051】
また、実施例1乃至4,6のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1が物体側に移動、第2レンズ群L2が像側に移動、第4乃至7レンズ群L4,L5,L6,L7が物体側に移動する。また、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第8レンズ群L8が像側に凸の軌跡で移動することで、ズーミングに伴う像面変動が補正される。また、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第3レンズ群L3は像面に対して固定である。
【0052】
また、実施例1乃至4,6のズームレンズは、第6レンズ群L6と第8レンズ群L8(負レンズ群)を光軸に沿って移動させてフォーカシングを行うフローティングフォーカス方式を採用している。
図1,3,5,7,11に示される、実線の曲線8aと点線の曲線8bはそれぞれ、無限遠物体と近距離物体にフォーカスしている場合のズーミングに伴う像面変動を補正するための第8レンズ群L8の移動軌跡である。第8レンズ群L8を像側に凸の軌跡で移動させることで、第7レンズ群L7と撮像素子との間の空間の有効利用を図り、レンズ全長の短縮化を実現することができる。また、
図1,3,5,7,11に示される、実線の曲線6aと点線の曲線6bはそれぞれ、無限遠物体と近距離物体にフォーカスしている場合のス―ミングに伴う像面変動を補正するための第6レンズ群L6の移動軌跡である。第6レンズ群L6を物体側に移動させることで第5レンズ群L5と第7レンズ群L7との間の空間の有効利用を図り、レンズ全長の短縮化を実現することができる。
【0053】
また、望遠端において無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは、矢印6c,8cに示されるように、第6レンズ群L6及び第8レンズ群L8を異なる軌跡で後方に繰り込むことで行われる。なお、第1レンズ群L1は、フォーカシングの際には光軸方向において固定であるが、収差補正上必要に応じて移動させてもよい。
【0054】
実施例5のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正、負、負、正、負、正、負の屈折力の第1乃至7レンズ群L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7を有する。開口絞りSPは、第5レンズ群L5の物体側に位置しており、ズーミングに際して第5レンズ群L5と一体的に移動する。
【0055】
また、実施例5のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1が物体側に移動、第2レンズ群L2が像側に移動、第4乃至6レンズ群L4,L5,L6が物体側に移動する。また、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第7レンズ群L7が像側に凸の軌跡で移動することで、ズーミングに伴う像面変動が補正される。また、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第3レンズ群L3は像面に対して固定である。
【0056】
また、実施例5のズームレンズは、第7レンズ群L7(負レンズ群)を光軸に沿って移動させてフォーカシングを行うリアフォーカス方式を採用している。
図9に示される、実線の曲線7aと点線の曲線7bはそれぞれ、無限遠物体と近距離物体にフォーカスしている場合のズーミングに伴う像面変動を補正するための第7レンズ群L7の移動軌跡である。第7レンズ群L7を像側に凸の軌跡で移動させることで、第6レンズ群L6と撮像素子との間の空間の有効利用を図り、レンズ全長の短縮化を実現することができる。
【0057】
また、望遠端において無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは、矢印7cに示されるように、第7レンズ群L7を後方に繰り込むことで行われる。なお、第1レンズ群L1は、フォーカシングの際には光軸方向において固定であるが、収差補正上必要に応じて移動させてもよい。
【0058】
次に、各レンズ群のレンズ構成について説明する。
【0059】
実施例1,3乃至6では、第1レンズ群L1は、物体側から順に配置された、物体側のレンズ面が凸形状の負メニスカスレンズと物体側のレンズ面が凸形状の正レンズとを接合した接合レンズ、物体側のレンズ面が凸形状の正レンズからなる。実施例2では、第1レンズ群L1は、物体側から順に配置された、物体側のレンズ面が凸形状の正レンズ、物体側のレンズ面が凸形状の負メニスカスレンズと物体側のレンズ面が凸形状の正レンズとを接合した接合レンズからなる。各実施例のズームレンズでは、小型化のために、第1レンズ群L1の屈折力を適切な範囲で強めている。第1レンズ群L1の屈折力を強めると、第1レンズ群L1で諸収差、特に望遠側において球面収差が多く発生する。そこで、各実施例のズームレンズでは、第1レンズ群L1の正の屈折力を2枚の正レンズに分散させることで、諸収差の発生を低減している。また、負レンズに部分分散比の小さい硝材を使用すると共に、正レンズに部分分散比の大きい硝材を使用することで、特に望遠側での軸上色収差を良好に補正する。
【0060】
各実施例では、第2レンズ群L2は、像側のレンズ面が凹形状の1枚の負レンズからなる。各実施例のズームレンズでは、高変倍比とレンズ全長の短縮を行うために、第2レンズ群L2の屈折力を適切な範囲で強めている。第2レンズ群L2の屈折力を強めると、第2レンズ群L2で諸収差、特に広角側において像面湾曲や倍率色収差が多く発生する。そこで、各実施例のズームレンズでは、第2レンズ群L2の負レンズに低分散材を使用することで、最小枚数で各諸収差を良好に補正している。
【0061】
実施例1乃至4では、第3レンズ群L3は、物体側から順に配置された、像側のレンズ面が凹形状の負レンズ、両側のレンズ面が凹形状の負レンズと物体側のレンズ面が凸形状の正レンズとを接合した接合レンズからなる。実施例5,6では、第3レンズ群L3は、物体側から順に配置された、物体側のレンズ面が凸形状の正レンズ、像側のレンズ面が凹形状の負レンズ、両側のレンズ面が凹形状の負レンズと物体側のレンズ面が凸形状の正レンズとを接合した接合レンズからなる。各実施例のズームレンズでは、撮影画像のブレを補正する際の移動量を小さくするために、第3レンズ群L3の屈折力を適切な範囲で強めている。第3レンズ群L3の屈折力を強めると、第3レンズ群L3で諸収差、特に広角側において像面湾曲や倍率色収差が多く発生する。そこで、各実施例のズームレンズでは、第3レンズ群L3の負の屈折力を2枚の負レンズに分散させることで、像面湾曲の発生を低減している。また、正レンズに高分散のガラスを使用することで、倍率色収差を抑制する。
【0062】
各実施例では、第4レンズ群L4は、物体側から順に配置された、両側のレンズ面が凸形状の正レンズ、両側のレンズ面が凸形状の正レンズと物体側のレンズ面が凹形状の負レンズとを接合した接合レンズからなる。各実施例のズームレンズでは、小型化のために、第4レンズ群L4の屈折力を適切な範囲で強めている。第4レンズ群L4の屈折力を強めると、第4レンズ群L4で諸収差、特に広角端の球面収差、コマ収差、及び軸上色収差が多く発生する。そこで、各実施例のズームレンズでは、第4レンズ群L4の屈折力を2枚の正レンズに分散させることで、球面収差やコマ収差の発生を低減している。また、接合レンズに含まれる正レンズに異常分散性の大きい硝材を使用することで、軸上色収差の発生を低減する。
【0063】
実施例1乃至4では、第5レンズ群L5は、物体側から順に配置された、両側のレンズ面が凸形状の正レンズと物体側のレンズ面が凹形状の負レンズとを接合した接合レンズ、両側のレンズ面が凹形状の負レンズ、両側のレンズ面が凹形状の負レンズからなる。実施例6では、第5レンズ群L5は、物体側から順に配置された、両側のレンズ面が凸形状の正レンズと物体側のレンズ面が凹形状の負レンズとを接合した接合レンズ、物体側のレンズ面が凸形状の正レンズ、両側のレンズ面が凹形状の負レンズからなる。実施例5では、第5レンズ群L5は、物体側から順に配置された、実施例6の構成に加え、物体側のレンズ面が凸形状の正レンズからなる。各実施例のズームレンズでは、小型化のために、第5レンズ群L5の屈折力を適切な範囲で強めている。第5レンズ群L5の屈折力を強めると、第5レンズ群L5で諸収差、特にコマ収差や像面湾曲が多く発生する。そこで、各実施例のズームレンズでは、第5レンズ群L5の屈折力を2枚の負レンズに分散させることで、諸収差の発生を低減している。
【0064】
実施例1乃至4,6では、第6レンズ群L6は、物体側のレンズ面が凸形状の1枚の正レンズからなる。これらの実施例のズームレンズでは、小型化のために、第6レンズ群L6の屈折力を適切な範囲で強めている。第6レンズ群L6の屈折力を強めると、第6レンズ群L6で諸収差、特に像面湾曲や倍率色収差が多く発生する。そこで、これらの実施例のズームレンズでは、第6レンズ群L6の正レンズに低分散材を使用することで、各諸収差の発生を低減している。
【0065】
また、実施例5では、第6レンズ群L6は、物体側から順に配置された、両側のレンズ面が凸形状の正レンズ、両側のレンズ面が凸形状の正レンズと物体側のレンズ面が凹形状の負レンズとを接合した接合レンズからなる。実施例5のズームレンズでは、変倍比を稼ぐために、第6レンズ群L6の屈折力を適切な範囲で強めている。第6レンズ群L6の屈折力を強めると、第6レンズ群L6で諸収差、特に像面湾曲が多く発生する。そこで、実施例5のズームレンズでは、第6レンズ群L6の屈折力を2枚の正レンズに分散させることで、像面湾曲の発生を抑制している。
【0066】
実施例1乃至3,6では、第7レンズ群L7は、物体側から順に配置された、両側のレンズ面が凸形状の正レンズ、両側のレンズ面が凸形状の正レンズと物体側のレンズ面が凹形状の負レンズとを接合した接合レンズからなる。実施例4では、第7レンズ群L7は、物体側から順に配置された、物体側のレンズ面が凹形状の正メニスカスレンズ、両側のレンズ面が凸形状の正レンズと物体側のレンズ面が凹形状の負レンズとを接合した接合レンズからなる。これらの実施例のズームレンズでは、変倍比を稼ぐために、第7レンズ群L7の屈折力を適切な範囲で強めている。第7レンズ群L7の屈折力を強めると、第7レンズ群L7で諸収差、特に像面湾曲が多く発生する。そこで、これらの実施例のズームレンズでは、第7レンズ群L7の屈折力を2枚の正レンズに分散させることで、像面湾曲の発生を抑制している。
【0067】
また、実施例5では、第7レンズ群L7は、物体側から順に配置された、2つの接合レンズからなる。物体側の接合レンズは、両側のレンズ面が凸形状の正レンズと両側のレンズ面が凹形状の負レンズとを接合した接合レンズである。像側の接合レンズは、両側のレンズ面が凹形状の負レンズと両側のレンズ面が凸形状の正レンズとを接合した接合レンズである。実施例5のズームレンズでは、小型化のために、第7レンズ群L7の屈折力を適切な範囲で強めている。第7レンズ群L7の屈折力を強めると、第7レンズ群L7で諸収差、特に倍率色収差が多く発生する。そこで、実施例5のズームレンズでは、接合レンズを複数配置することで、倍率色収差の発生を抑制している。
【0068】
実施例1乃至4,6では、第8レンズ群L8は、物体側から順に配置された、2つの接合レンズからなる。物体側の接合レンズは、両側のレンズ面が凸形状の正レンズと両側のレンズ面が凹形状の負レンズとを接合した接合レンズである。像側の接合レンズは、両側のレンズ面が凹形状の負レンズと両側のレンズ面が凸形状の正レンズとを接合した接合レンズである。各実施例のズームレンズでは、小型化のために、第8レンズ群L8の屈折力を適切な範囲で強めている。第8レンズ群L8の屈折力を強めると、第8レンズ群L8で諸収差、特に倍率色収差が多く発生する。そこで、各実施例のズームレンズでは、接合レンズを複数配置することで、倍率色収差の発生を抑制している。
【0069】
以下に、実施例1乃至6にそれぞれ対応する数値実施例1乃至6を示す。
【0070】
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表している。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd,NF,NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
【0071】
なお、各数値実施例において、d、焦点距離(mm)、Fナンバー、半画角(度)は全て各実施例のズームレンズが無限遠物体に焦点を合わせたときの値である。「バックフォーカス」は、レンズ最終面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。「レンズ全長」は、ズームレンズの最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。「レンズ群」は、複数のレンズから構成される場合に限らず、1枚のレンズから構成される場合も含むものとする。
【0072】
[数値実施例1]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 152.702 3.30 1.80610 33.3
2 101.329 0.00
3 101.329 8.03 1.43875 94.7
4 1711.317 0.20
5 127.661 7.42 1.43875 94.7
6 15637.898 (可変)
7 985.467 2.00 1.59522 67.7
8 48.928 (可変)
9 54.058 1.50 1.76385 48.5
10 43.204 4.86
11 -58.720 1.00 1.69680 55.5
12 68.385 4.04 1.77830 23.9
13 -236.253 (可変)
14 56.432 6.41 1.49700 81.5
15 -93.560 0.15
16 40.389 6.93 1.49700 81.5
17 -136.096 1.00 1.80610 33.3
18 249.681 (可変)
19(絞り) ∞ 3.91
20 92.802 7.48 1.74951 35.3
21 -32.449 1.70 1.74100 52.6
22 -907.194 0.50
23 -417.736 2.26 1.43875 94.7
24 84.028 2.00
25 -55.065 1.70 2.00100 29.1
26 38.034 (可変)
27 29.566 5.56 1.54814 45.8
28 -228.252 (可変)
29 116.015 4.23 1.48749 70.2
30 -33.138 0.15
31 56.217 5.96 1.62588 35.7
32 -20.419 1.00 1.91082 35.3
33 402.986 (可変)
34 208.961 5.21 1.76200 40.1
35 -25.833 1.00 1.43875 94.7
36 49.001 4.51
37 -27.734 1.00 2.00100 29.1
38 35.554 7.18 1.80518 25.4
39 -59.100 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 9.51
広角 中間 望遠
焦点距離 61.50 164.60 585.00
Fナンバー 4.46 5.94 8.16
半画角(°) 19.38 7.49 2.12
レンズ全長 258.90 302.70 346.50
BF 30.00 49.79 90.50
d 6 2.60 59.37 116.14
d 8 40.52 27.55 14.58
d13 53.17 30.40 4.17
d18 3.23 4.57 8.81
d26 1.11 1.35 1.35
d28 9.67 7.73 5.71
d33 16.43 19.78 3.07
d39 30.00 49.79 90.50
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 209.18 18.95
2 7 -86.56 2.00
3 9 -94.31 11.39
4 14 47.28 14.49
5 19 -25.87 19.54
6 27 48.12 5.56
7 29 64.44 11.34
8 34 -57.70 18.90
[数値実施例2]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 183.129 6.91 1.43875 94.7
2 24879.790 0.20
3 118.850 3.30 1.80610 33.3
4 84.437 0.00
5 84.437 9.64 1.43875 94.7
6 1075.520 (可変)
7 -1231.085 2.00 1.53775 74.7
8 50.589 (可変)
9 104.201 1.50 1.76385 48.5
10 61.145 4.27
11 -53.299 1.00 1.69680 55.5
12 106.569 3.70 1.77830 23.9
13 -118.656 (可変)
14 61.544 6.21 1.49700 81.5
15 -88.862 0.15
16 40.677 6.73 1.49700 81.5
17 -144.186 1.00 1.80610 33.3
18 315.133 (可変)
19(絞り) ∞ 3.91
20 106.939 7.53 1.74951 35.3
21 -30.666 1.70 1.74100 52.6
22 413.792 0.50
23 1517.099 2.26 1.43875 94.7
24 181.070 2.00
25 -56.460 1.70 2.00100 29.1
26 38.128 (可変)
27 30.431 5.44 1.54814 45.8
28 -230.933 (可変)
29 129.182 4.77 1.48749 70.2
30 -32.993 0.15
31 68.824 6.18 1.62588 35.7
32 -20.636 1.00 1.91082 35.3
33 -2113.572 (可変)
34 147.954 5.20 1.76200 40.1
35 -27.244 1.00 1.43875 94.7
36 39.793 4.78
37 -28.309 1.00 2.00100 29.1
38 34.493 7.23 1.80518 25.4
39 -58.713 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 9.51
広角 中間 望遠
焦点距離 61.50 164.61 585.00
Fナンバー 4.65 6.20 8.16
半画角(°) 19.38 7.49 2.12
レンズ全長 265.69 309.49 353.29
BF 30.00 50.76 90.33
d 6 3.30 62.73 122.17
d 8 45.87 30.23 14.59
d13 52.78 30.22 4.50
d18 3.62 4.77 8.81
d26 1.12 1.34 1.03
d28 10.91 8.71 5.75
d33 15.14 17.78 3.15
d39 30.00 50.76 90.33
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 223.70 20.05
2 7 -90.31 2.00
3 9 -94.31 10.47
4 14 46.95 14.09
5 19 -26.13 19.60
6 27 49.42 5.44
7 29 64.36 12.10
8 34 -56.24 19.20
[数値実施例3]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 187.982 3.30 1.80610 33.3
2 116.551 0.00
3 116.551 10.44 1.43875 94.7
4 -1064.938 0.20
5 121.807 8.85 1.43875 94.7
6 2210.556 (可変)
7 2781.702 2.00 1.59522 67.7
8 51.516 (可変)
9 56.232 1.50 1.76385 48.5
10 45.270 5.28
11 -63.375 1.00 1.69680 55.5
12 71.468 3.56 1.80810 22.8
13 -427.635 (可変)
14 56.457 5.98 1.49700 81.5
15 -121.217 0.15
16 47.313 7.03 1.49700 81.5
17 -124.896 1.00 1.80610 33.3
18 375.770 (可変)
19(絞り) ∞ 3.91
20 83.318 7.13 1.74951 35.3
21 -32.585 1.70 1.74100 52.6
22 222.730 1.20
23 -305.843 2.26 1.43875 94.7
24 153.244 2.00
25 -68.101 1.70 2.00100 29.1
26 44.396 (可変)
27 30.942 5.90 1.51742 52.4
28 -280.694 (可変)
29 269.219 4.34 1.48749 70.2
30 -37.996 0.15
31 50.149 6.57 1.60342 38.0
32 -22.744 1.00 1.91082 35.3
33 -1821.738 (可変)
34 152.187 5.16 1.70154 41.2
35 -28.063 1.00 1.43875 94.7
36 39.949 4.92
37 -30.679 1.00 2.00100 29.1
38 32.606 7.67 1.80518 25.4
39 -57.062 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 9.74
広角 中間 望遠
焦点距離 70.00 185.35 682.00
Fナンバー 4.76 6.20 8.16
半画角(°) 17.18 6.66 1.82
レンズ全長 271.00 316.00 361.00
BF 31.22 50.94 97.50
d 6 3.20 59.51 115.81
d 8 36.19 24.89 13.58
d13 53.37 30.23 3.97
d18 4.91 6.37 10.92
d26 1.53 2.01 1.74
d28 10.62 8.45 6.73
d33 22.07 25.71 2.86
d39 31.22 50.94 97.50
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 203.26 22.78
2 7 -88.21 2.00
3 9 -94.31 11.34
4 14 52.78 14.16
5 19 -30.26 19.90
6 27 54.21 5.90
7 29 66.63 12.06
8 34 -54.68 19.75
[数値実施例4]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 190.206 3.30 1.83400 37.3
2 110.793 0.00
3 110.793 11.14 1.43875 94.7
4 -1209.175 0.20
5 115.951 9.89 1.43875 94.7
6 -8422.816 (可変)
7 1017.932 2.00 1.55032 75.5
8 48.181 (可変)
9 45.422 1.50 1.76385 48.5
10 40.510 5.25
11 -66.136 1.00 1.69680 55.5
12 67.904 3.17 1.80810 22.8
13 ∞ (可変)
14 51.362 6.15 1.49700 81.5
15 -145.300 0.15
16 52.054 6.02 1.49700 81.5
17 -236.450 1.00 1.80610 33.3
18 190.778 (可変)
19(絞り) ∞ 3.91
20 72.055 6.80 1.74951 35.3
21 -33.759 1.70 1.74100 52.6
22 398.281 1.20
23 -470.467 2.26 1.43875 94.7
24 244.552 2.00
25 -59.486 1.70 2.00100 29.1
26 44.856 (可変)
27 30.050 6.12 1.51742 52.4
28 -233.029 (可変)
29 -121.124 3.53 1.48749 70.2
30 -34.871 0.15
31 49.785 6.83 1.60342 38.0
32 -21.874 1.00 1.91082 35.3
33 -239.161 (可変)
34 -15846.525 4.96 1.70154 41.2
35 -26.108 1.00 1.43875 94.7
36 49.867 4.49
37 -31.156 1.00 2.00100 29.1
38 31.732 7.60 1.80518 25.4
39 -51.243 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 9.61
広角 中間 望遠
焦点距離 81.60 211.55 784.00
Fナンバー 5.23 6.70 9.18
半画角(°) 14.85 5.84 1.58
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 274.33 322.67 371.01
BF 32.48 51.83 105.97
d 6 3.20 59.66 116.12
d 8 29.80 21.68 13.56
d13 54.00 30.58 3.93
d18 6.01 7.61 12.73
d26 1.50 2.11 1.66
d28 11.82 9.47 7.50
d33 28.51 32.71 2.52
d39 32.48 51.83 105.97
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 200.76 24.52
2 7 -91.97 2.00
3 9 -94.31 10.92
4 14 57.64 13.33
5 19 -33.81 19.57
6 27 51.85 6.12
7 29 77.32 11.51
8 34 -54.21 19.05
[数値実施例5]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 234.818 3.30 1.80610 33.3
2 130.176 0.00
3 130.176 8.98 1.43875 94.7
4 -344.362 0.20
5 103.273 5.82 1.43875 94.7
6 280.174 (可変)
7 395.489 2.00 1.53775 74.7
8 51.629 (可変)
9 77.880 3.97 1.80518 25.4
10 -749.621 5.00
11 -3441.813 1.50 1.76385 48.5
12 63.257 4.03
13 -52.761 3.39 1.73800 32.3
14 -26.473 1.00 1.73400 51.5
15 3711.908 (可変)
16 48.305 5.34 1.49700 81.5
17 -93.680 0.15
18 49.228 6.35 1.49700 81.5
19 -61.667 1.00 1.80610 33.3
20 8776.729 (可変)
21(絞り) ∞ 3.91
22 74.928 6.05 1.74951 35.3
23 -27.708 2.00 1.74100 52.6
24 236.332 0.50
25 43.192 2.26 1.43875 94.7
26 49.536 2.00
27 -80.879 2.40 2.00100 29.1
28 33.761 4.48
29 33.221 3.21 1.54814 45.8
30 145.888 (可変)
31 131.443 4.65 1.48749 70.2
32 -35.655 0.15
33 54.624 6.03 1.62588 35.7
34 -25.263 1.00 1.91082 35.3
35 750.715 (可変)
36 68.011 5.28 1.76200 40.1
37 -32.245 1.00 1.43875 94.7
38 36.004 3.64
39 -34.722 1.00 2.00100 29.1
40 26.340 6.66 1.80518 25.4
41 -120.657 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 9.51
広角 中間 望遠
焦点距離 61.50 164.14 585.00
Fナンバー 4.67 6.20 8.16
半画角(°) 19.38 7.51 2.12
レンズ全長 258.90 302.70 346.50
BF 30.50 49.13 88.03
d 6 2.60 61.15 119.71
d 8 39.01 24.25 9.50
d15 49.66 28.34 3.98
d20 3.62 5.17 8.59
d30 11.05 8.50 5.66
d35 14.22 17.92 2.80
d41 30.50 49.13 88.03
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 218.23 18.30
2 7 -110.65 2.00
3 9 -79.43 18.88
4 16 48.22 12.84
5 21 -61.69 26.81
6 31 57.02 11.84
7 36 -57.84 17.58
[数値実施例6]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 232.859 3.30 1.80610 33.3
2 126.594 0.00
3 126.594 8.37 1.43875 94.7
4 -514.585 0.20
5 112.116 6.86 1.43875 94.7
6 805.347 (可変)
7 1346.067 2.00 1.49700 81.5
8 47.775 (可変)
9 108.424 4.18 1.80518 25.4
10 -203.619 5.00
11 741.235 1.50 1.76385 48.5
12 73.271 4.69
13 -54.143 1.00 1.73400 51.5
14 56.002 2.97 1.73800 32.3
15 431.032 (可変)
16 54.559 5.25 1.49700 81.5
17 -84.661 0.15
18 38.238 6.23 1.49700 81.5
19 -130.857 1.00 1.80610 33.3
20 211.161 (可変)
21(絞り) ∞ 3.91
22 73.870 5.70 1.74951 35.3
23 -28.110 1.70 1.74100 52.6
24 59.924 0.50
25 55.757 2.26 1.43875 94.7
26 179.168 2.00
27 -54.372 1.70 2.00100 29.1
28 36.978 (可変)
29 34.422 4.45 1.54814 45.8
30 955.287 (可変)
31 134.934 5.16 1.48749 70.2
32 -31.900 0.15
33 54.291 6.89 1.62588 35.7
34 -23.183 1.00 1.91082 35.3
35 -670.755 (可変)
36 106.255 5.47 1.76200 40.1
37 -30.416 1.00 1.43875 94.7
38 39.097 5.14
39 -30.250 1.00 2.00100 29.1
40 33.215 7.20 1.80518 25.4
41 -71.470 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 9.51
広角 中間 望遠
焦点距離 61.50 164.37 585.00
Fナンバー 4.65 6.20 8.16
半画角(°) 19.38 7.50 2.12
レンズ全長 258.90 301.86 344.81
BF 30.00 49.89 89.39
d 6 2.60 57.91 113.22
d 8 34.21 21.85 9.50
d15 52.03 29.41 3.99
d20 3.86 5.31 8.81
d28 3.27 3.25 3.18
d30 8.79 7.36 5.70
d35 16.22 18.95 3.11
d41 30.00 49.89 89.39
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 209.58 18.73
2 7 -99.72 2.00
3 9 -90.56 19.34
4 16 45.18 12.63
5 21 -25.48 17.77
6 29 65.03 4.45
7 31 48.38 13.20
8 36 -56.55 19.82
各数値実施例における種々の値を、以下の表1にまとめて示す。
【0073】
【0074】
[撮像装置]
次に、本発明のズームレンズを撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)10の実施例について、
図13を用いて説明する。
図13において、13はカメラ本体、11は実施例1乃至6で説明したいずれかのズームレンズによって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体13に内蔵され、撮影光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体13はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでもよいし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでもよい。
【0075】
このように本発明のズームレンズをデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、レンズが小型である撮像装置を得ることができる。
[撮像システム]
なお、各実施例のズームレンズと、ズームレンズを制御する制御部とを含めた撮像システム(監視カメラシステム)を構成してもよい。この場合、制御部は、ズーミングやフォーカシング、像ブレ補正に際して各レンズ群が上述したように移動するようズームレンズを制御することができる。このとき、制御部がズームレンズと一体的に構成されている必要はなく、制御部をズームレンズとは別体として構成してもよい。例えば、ズームレンズの各レンズを駆動する駆動部に対して遠方に配置された制御部(制御装置)が、ズームレンズを制御するための制御信号(命令)を送る送信部を備える構成を採用してもよい。このような制御部によれば、ズームレンズを遠隔操作することができる。
【0076】
また、ズームレンズを遠隔操作するためのコントローラーやボタンなどの操作部を制御部に設けることで、ユーザーの操作部への入力に応じてズームレンズを制御する構成を採ってもよい。例えば、操作部として拡大ボタン及び縮小ボタンを設けてもよい。この場合、ユーザーが拡大ボタンを押したらズームレンズの倍率が大きくなり、ユーザーが縮小ボタンを押したらズームレンズの倍率が小さくなるように、制御部からズームレンズの駆動部に信号が送られるように構成すればよい。
【0077】
また、撮像システムは、ズームレンズのズームに関する情報(移動状態)を表示する液晶パネルなどの表示部を有していてもよい。ズームレンズのズームに関する情報とは、例えばズーム倍率(ズーム状態)や各レンズ群の移動量(移動状態)である。この場合、表示部に示されるズームレンズのズームに関する情報を見ながら、操作部を介してユーザーがズームレンズを遠隔操作することができる。このとき、例えばタッチパネルなどを採用することで表示部と操作部とを一体化してもよい。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群