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特許7566560スイッチング電源を監視するシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】スイッチング電源を監視するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
H02M1/08 A
【請求項の数】 21
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020167648
(22)【出願日】2020-10-02
(65)【公開番号】P2021061740
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】16/593,157
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599158797
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies AG
【住所又は居所原語表記】Am Campeon 1-15, 85579 Neubiberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イェンス バレンシェーン
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ボーグス
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ハイリング
(72)【発明者】
【氏名】ベンノ ケップル
(72)【発明者】
【氏名】マークス ツァノート
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-333561(JP,A)
【文献】特開2014-147189(JP,A)
【文献】特開2019-97286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブパターンに従いドライバ回路を用いて予め定められた負荷をドライブするステップと、
少なくとも1つの外部素子に接続されるように構成されたスイッチング電源(SMPS)を用いて、前記ドライバ回路に電力を供給するステップと、
前記予め定められた負荷のドライブ中に前記スイッチング電源の機能を検証するステップと、
を含む方法であって、
前記機能を検証するステップは、
前記ドライブパターンと前記少なくとも1つの外部素子とに依存する、前記スイッチング電源の少なくとも1つの動作パラメータを監視するステップと、
前記少なくとも1つの動作パラメータを、少なくとも1つの予期される動作パラメータと比較して、第1の比較結果を形成するステップと、
前記第1の比較結果に基づきエラーコンディションを通知するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記予め定められた負荷をドライブするステップは、さらに、前記ドライバ回路の出力側に接続されたスイッチングトランジスタを用いて、前記予め定められた負荷をドライブするステップを含み、前記ドライバ回路は、前記スイッチングトランジスタを、第1の状態から第2の状態へと遷移させる、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記エラーコンディションの通知に応答して、前記スイッチングトランジスタをディアクティベートするステップをさらに含む、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの動作パラメータを監視するステップは、前記スイッチングトランジスタが前記第1の状態から前記第2の状態へ遷移したときに、前記少なくとも1つの動作パラメータにおける変化を監視するステップを含む、
請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記スイッチングトランジスタが前記第1の状態から前記第2の状態へ遷移したことに応答した、前記スイッチング電源の出力電圧の遷移応答を含む、
請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記遷移応答の整定時間を含む、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記スイッチング電源のスイッチング信号のデューティサイクルまたは前記スイッチング電源の出力電圧を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ドライブパターンは、複数のサイクルを含み、
前記方法は、前記比較の前に前記複数のサイクルのうち少なくとも1つのサイクルにわたり、前記少なくとも1つの動作パラメータを積分または平均化するステップをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記予め定められた負荷をドライブするステップは、モータをドライブするステップを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記スイッチング電源(SMPS)を用いて前記ドライバ回路に電力を供給するステップは、前記少なくとも1つの外部素子に接続されたスイッチングトランジスタをターンオンおよびターンオフするステップを含み、前記少なくとも1つの外部素子は、インダクタを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項11】
コントローラが設けられたシステムであって、
前記コントローラは、少なくとも1つの外部素子に接続されるように構成されたインタフェース端子を有するスイッチング電源(SMPS)に接続されるように構成されており、前記コントローラは、前記スイッチング電源から電力を受け取るドライバ回路に接続されるように構成されており、
前記コントローラは、さらに、
前記ドライバ回路に対し、予め定められた負荷をドライブパターンに従いドライブするよう指示し、
前記ドライブパターンと前記少なくとも1つの外部素子とに依存する、前記スイッチング電源の少なくとも1つの動作パラメータを監視し、
前記少なくとも1つの動作パラメータを、少なくとも1つの予期される動作パラメータと比較して、第1の比較結果を形成し、
前記第1の比較結果に基づきエラーコンディションを通知する、
ように構成されているシステム。
【請求項12】
前記システムは、前記スイッチング電源と前記ドライバ回路とをさらに含む、
請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの外部素子は、前記インタフェース端子に接続された電源スイッチングトランジスタを含み、
前記少なくとも1つの外部素子は、インダクタを含む、
請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、前記ドライバ回路と前記予め定められた負荷との間に接続されたスイッチングトランジスタをさらに含む、
請求項12記載のシステム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記エラーコンディションの通知に応答して、前記スイッチングトランジスタをディアクティベートするように構成されている、
請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記システムは、前記予め定められた負荷をさらに含み、前記予め定められた負荷は、モータを含む、
請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記スイッチング電源のスイッチング信号のデューティサイクルまたは前記スイッチング電源の出力電圧を含む、
請求項11記載のシステム。
【請求項18】
モータシステムであって、前記モータシステムは、
電源スイッチングトランジスタ、前記電源スイッチングトランジスタの出力側に接続されたインダクタおよび制御電源出力端子を含むスイッチング電源(SMPS)と、
前記スイッチング電源の前記制御電源出力端子に接続された電源入力側を有するドライバ回路と、
前記ドライバ回路の出力側に接続された制御端子、およびモータに接続されるように構成された出力端子を有するスイッチングトランジスタと、
前記スイッチング電源に接続されたコントローラと、
を含み、
前記コントローラは、
前記ドライバ回路に対し、前記スイッチングトランジスタをドライブパターンに従いドライブするよう指示し、
前記ドライブパターンと前記インダクタとに依存する、前記スイッチング電源の少なくとも1つの動作パラメータを監視し、
前記スイッチング電源の前記少なくとも1つの動作パラメータを、少なくとも1つの予期される動作パラメータと比較して、第1の比較結果を形成し、前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記スイッチング電源のスイッチング信号のデューティサイクルまたは前記スイッチング電源の出力電圧を含み、
前記第1の比較結果に基づきエラーコンディションを通知する、
ように構成されているモータシステム。
【請求項19】
前記モータシステムは、前記モータをさらに含む、
請求項18記載のモータシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの動作パラメータを監視することは、前記スイッチングトランジスタが第1の状態から第2の状態へ遷移したときに、前記少なくとも1つの動作パラメータにおける変化を監視することを含む、
請求項18記載のモータシステム。
【請求項21】
前記コントローラは、前記エラーコンディションの通知に応答して前記ドライバ回路に対し、前記スイッチングトランジスタをディアクティベートするよう指示するようにさらに構成されている、
請求項18記載のモータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、スイッチング電源を監視するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3相モータなどのような交流モータは、自動車、工業用およびHVAC(暖房、換気および空調)などの用途において需要が高まっている。慣用のモータにおいて使用されてきた機械的な整流子を電子デバイスと置き換えることによって、改善された信頼性、改善された耐久性および小さいフォームファクタが達成される。交流モータの付加的な利点として挙げられるのは例えば、いっそう良好な速度対トルク特性、いっそう高速なダイナミックレスポンス、およびいっそう高い速度レンジである。一般に、交流モータ(例えば3相モータ)は、パルス幅変調(PWM)信号を生成するコントローラを有しており、このパルス幅変調信号は、モータのそれぞれ異なる相に接続された電力スイッチのためのドライブ信号を生じさせるために用いられる。これらのPWM信号によって、モータのコイルに供給される平均電圧および平均電流を決定することができ、したがってこれによりモータの速度およびトルクが制御される。
【0003】
電力スイッチをアクティベートするために用いられるドライブ信号の電圧レベルは、モータ制御システムに供給される電圧レベルよりも高いことが多い。例えば、12Vの車載バッテリからモータへ電流を供給するハイサイド電力スイッチは、車載バッテリにより供給される12Vを上回るドライブ電圧を必要とする場合がある。したがって多くのシステムでは、電力スイッチをアクティベートするために用いられるいっそう高い電圧レベルを生成するために、付加的な昇圧回路が使用される。この昇圧回路として例えば、スイッチング電力変換器、チャージポンプ、および/または昇圧キャパシタを挙げることができる。
【0004】
自動車用途などセーフティクリティカルなモータの用途の場合には、この昇圧回路における故障に加え、モータならびにモータに接続された種々の制御回路における故障を検出するために、セーフティ回路を実装することができる。このセーフティ回路は、故障が検出されたならば、モータをシャットダウンするように、かつ/またはモータに接続された大電流経路をディアクティベートするように、構成されていることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つの実施形態によれば、本発明による方法は、ドライバ回路を用いてドライブパターンに従い予め定められた負荷をドライブするステップと、少なくとも1つの外部素子に接続されるように構成されたスイッチング電源(SMPS)を用いてドライバ回路に電力を供給するステップと、さらに予め定められた負荷のドライブ中、SMPSの機能を検証するステップとを含む。機能を検証するステップは、ドライブパターンと少なくとも1つの外部素子とに依存するSMPSの少なくとも1つの動作パラメータを監視するステップと、少なくとも1つの動作パラメータを少なくとも1つの予期される動作パラメータと比較して、第1の比較結果を形成するステップと、さらに第1の比較結果に基づきエラーコンディションを通知するステップと、を含む。
【0006】
別の実施形態によれば、システムはコントローラを含み、この場合、コントローラは、少なくとも1つの外部素子に接続されるように構成されたインタフェース端子を有するスイッチング電源(SMPS)に接続されるように構成されており、さらにこの場合、コントローラは、SMPSから電力を受け取るドライバ回路に接続されるように構成されている。コントローラはさらに以下のように構成されている。すなわちドライバ回路に対し、予め定められた負荷をドライブパターンに従いドライブするよう指示し、ドライブパターンと少なくとも1つの外部素子とに依存するSMPSの少なくとも1つの動作パラメータを監視し、少なくとも1つの動作パラメータを少なくとも1つの予期される動作パラメータと比較して、第1の比較結果を形成し、さらに第1の比較結果に基づきエラーコンディションを通知するように構成されている。
【0007】
さらなる実施形態によれば、モータシステムは、電源スイッチングトランジスタ、電源スイッチングトランジスタの出力側に接続されたインダクタ、および制御電源出力端子を有するスイッチング電源(SMPS)と、SMPSの制御電源出力端子に接続された電源入力側を有するドライバ回路と、ドライバ回路の出力側に接続された制御端子、およびモータに接続されるように構成された出力端子を有するスイッチングトランジスタと、さらにSMPSに接続されたコントローラと、を含む。コントローラは以下のように構成されている。すなわちドライバ回路に対し、スイッチングトランジスタをドライブパターンに従いドライブするよう指示し、ドライブパターンとインダクタとに依存するSMPSの少なくとも1つの動作パラメータを監視し、SMPSの少なくとも1つの動作パラメータを少なくとも1つの予期される動作パラメータと比較して、第1の比較結果を形成し、ただし少なくとも1つの動作パラメータは、SMPSのスイッチング信号のデューティサイクルまたはSMPSの出力電圧を含み、さらに第1の比較結果に基づきエラーコンディションを通知するように構成されている。
【0008】
現時点で好ましい実施形態の製造および使用について、以下で詳しく説明する。ただし自明のとおり、本発明は、多種多様な特定の状況において具現化することができる数多くの適用可能な発明概念を提供することができる。ここで説明する特定の実施形態は、本発明を製造および使用するための特定の態様を例示したにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】1つの実施形態によるスイッチングシステムを示すブロック図である。
図2A図1の実施形態によるスイッチングシステムの動作を表す波形図を示す図である。
図2B図1の実施形態によるスイッチングシステムの動作を表す波形図を示す図である。
図2C図1の実施形態によるスイッチングシステムの動作を表す波形図を示す図である。
図3A】1つの実施形態によるスイッチング電源を概略的に示す図である。
図3B】1つの実施形態によるスイッチング電源を概略的に示す図である。
図4A】1つの実施形態による動作パラメータ測定および監視回路を概略的に示す図である。
図4B】1つの実施形態による動作パラメータ測定および監視回路を概略的に示す図である。
図4C】1つの実施形態による動作パラメータ測定および監視回路を概略的に示す図である。
図5】1つの実施形態によるモータシステムを概略的に示す図である。
図6】1つの実施形態による方法を示すブロック図である。
図7】1つの実施形態によるシステムおよび方法を具現化するために使用可能な処理システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
それぞれ異なる図面において対応する番号および符号は通常、特段の記載がない限りは、対応する部分を指す。図面は、好ましい実施形態の関連する態様をわかりやすく示すように描かれており、必ずしも原寸に比例して描かれているわけではない。特定の実施形態をいっそうわかりやすく示すために、同じ構造、材料またはプロセスステップのバリエーションを表す文字が、図番に続いている場合もある。
【0011】
現時点で好ましい実施形態の製造および使用について、以下で詳しく説明する。ただし自明のとおり、本発明は、多種多様な特定の状況において具現化することができる数多くの適用可能な発明概念を提供することができる。ここで説明する特定の実施形態は、本発明を製造および使用するための特定の態様を例示したにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0012】
以下では本発明を、特定の事例における好ましい実施形態、モータ制御回路の事例においてスイッチングトランジスタを監視するためのシステムおよび方法に関して説明する。ただし本発明を、1つまたは複数のトランジスタのスイッチング状態を制御する他のタイプの回路に適用することができ、これには、以下に限定されるものではないが、スイッチング電源システム、電力システム、産業用制御システム、オーディオシステム、および処理システムが含まれる。
【0013】
1つの実施形態によれば、スイッチドライブシステムへ電力を供給するために使用されるスイッチング電源回路の動作完全性が、スイッチング電源の1つまたは複数の動作パラメータを測定することにより、かつ/または1つまたは複数の動作パラメータにおける変化を監視することにより、監視される。かかる動作パラメータとして例えば、出力電圧、出力電流、スイッチング電力変換器の出力電圧、スイッチング信号のデューティサイクル、またはスイッチング信号のスイッチング期間を挙げることができる。
【0014】
スイッチドライブシステムがモータなど予め定められた負荷をドライブする実施形態の場合、スイッチング電源の種々の動作パラメータが、スイッチドライブシステムのスイッチングサイクルに関して周期的に変動する可能性がある。例えば、スイッチドライブシステムが状態を変化させる(例えばスイッチドライバ回路がスイッチングトランジスタをターンオンまたはターンオフする、かつ/またはスイッチングトランジスタを第1の状態から第2の状態へ遷移させる)ことに応答して、スイッチング電源の出力電圧が一時的に減少するか、または他の遷移挙動をとる場合がある。同様に、種々のドライバ回路および他の回路により電流が引き出されることに応答して、スイッチング電源のスイッチング信号のデューティサイクルが、スイッチドライブシステムの1つのスイッチングサイクルの間に変化する可能性がある。しかしながら、スイッチドライブシステムが予め定められた負荷をドライブするならば、1つのサイクルにおける動作パラメータの変動および軌跡は、先行および後続のサイクルにおける種々の動作パラメータの変動および軌跡と同じまたは類似していると言える。よって、それらの動作パラメータの公称変動からの逸脱は、スイッチング電源の故障、誤動作または性能劣化を表す可能性がある。かかる故障または誤動作を、スイッチング電源における種々の回路の機能不全または信号接続の切断であると判定することができる。その一方で、スイッチング電力変換器の能動素子または受動素子(例えば外部のキャパシタまたはインダクタ)のパラメータにおける変位など、性能の劣化はもっと捉えにくい可能性がある。
【0015】
レンジから逸脱した動作パラメータの検出に応答して、種々のアクションをとることができる。システムがスイッチング電源の機能不全を検出したケースでは、エラーコンディションを生成することができ、このエラーコンディションに応答して、ドライブシステムを安全にディアクティベートすることができる。スイッチング電源がまだ正常に動作可能であるときに、システムが動作パラメータにおける変位を検出したならば、スイッチドライブシステムを即座にシャットダウンせずに、システムコントローラに通知を送信することができる。この通知を使用して例えば、メンテナンスが必要であることをユーザまたはオペレータに警告することができる。自動車の用途であるならば、この警告に応答して運転者のダッシュボードにおいてメンテナンスランプを点灯することができる。
【0016】
実施形態の有利な態様にはさらに、正常動作中にスイッチング電源における潜在的に危険な故障モードを迅速に検出する能力に加え、受動素子または能動素子のパラメータにおけるさほど壊滅的ではない変位を検出する能力も含まれる。付加的な利点として、(例えば経年変化、熱または環境によるストレスに起因する)デバイスと素子との間の接続または絶縁の劣化を検出可能であることが挙げられる。
【0017】
図1には、本発明の1つの実施形態によるスイッチングシステム2が示されている。図示されているように、スイッチングシステム2は集積回路10を含んでおり、この集積回路10は、ハイサイドスイッチングトランジスタ18とローサイドスイッチングトランジスタ19とを含むハーフブリッジ回路15に接続されている。ハーフブリッジ回路15は、任意のタイプの負荷を表すことができる負荷20に接続されて示されており、そのような負荷には、以下に限定されるものではないが、モータ、スイッチング電源内のインダクタまたはトランスが含まれる。集積回路10には、電源14、デジタルインタフェース22、コントローラ24、ハイサイドスイッチングトランジスタ18のゲートまたは制御端子をドライブするように構成されたドライバ回路32、さらにはローサイドスイッチングトランジスタ19のゲートまたは制御端子をドライブするように構成されたドライバ回路34が含まれている。任意選択的な外部コントローラ26を、集積回路10のデジタルインタフェース22に接続することができる。一部の実施形態において、集積回路10の種々の回路を、単一の半導体基板などのような単一のモノリシック半導体集積回路上に、かつ/または他の開示されたシステム素子と同じモノリシック半導体集積回路上に、配置することができる。択一的な実施形態において、集積回路10を、ドライバ回路32またはドライバ回路34のうちの一方が省略されるよう、単一のトランジスタをドライブするように構成することができる。例えば一部の実施形態において、ハーフブリッジ回路の代わりにハイサイドスイッチだけを使用することができる。
【0018】
ハイサイドスイッチングトランジスタ18のゲートをドライブするため、ドライバ回路32に十分に高い電源電圧を供給する目的で、電源14は、入力電圧ノードVBAT(「電源入力端子」とも称する)の電圧を、制御電源出力端子とすることができる昇圧給電ノードHSSにおけるいっそう高い電圧まで、増大または上昇させるように構成されている。例えば1つの実施形態の場合、入力電圧ノードVBATは、約12Vの電圧を有するように構成されている一方、昇圧給電ノードHSSは、約22Vの電圧を有するように構成されている。択一的に、特定の実施形態およびその仕様に応じて、入力電圧ノードVBATおよび昇圧給電ノードHSSに対し他の電圧を使用してもよい。自動車用途向けの実施形態などのような一部の実施形態において、入力電圧ノードVBATを、バッテリ電圧またはバッテリ電圧から導出された電圧とすることができる。択一的な実施形態において、入力電圧ノードVBATを他の電源に接続することができる。図示の実施形態の場合には、電源14は、インダクタを使用する昇圧変換器アーキテクチャを採用したスイッチング電源(SMPS)14を用いて実装されている。ただし、従来技術において公知の他の電源回路を用いてもよく、そのような電源回路として、以下に限定されるものではないが、他のスイッチング電源アーキテクチャおよびチャージポンプが挙げられる。
【0019】
昇圧変換器トポロジの実施例と共に示されているように、電源14は、スイッチングトランジスタ23に接続されたコントローラ16を含んでいる。スイッチングトランジスタ23には、外部のインダクタLおよびキャパシタCが接続されている。インダクタLは、入力電圧ノードVBATと出力ノードVSとの間に接続されており、キャパシタCは、入力電圧ノードVBATと昇圧給電ノードHSSとの間に接続されている。入力電圧ノードVBAT、出力ノードVSおよび昇圧給電ノードHSSを、インタフェース端子と称する場合もあり、インダクタLおよびキャパシタCを、外部素子と称する場合もある。ダイオードDが、出力ノードVSと昇圧給電ノードHSSとの間に接続されて示されている。動作中、コントローラ16は、ノードVGを介してスイッチングトランジスタ23をアクティベートする。スイッチングトランジスタ23がアクティベートされると、電流ILがインダクタLを介して流れ、それによってインダクタLが励磁される。一部の実施形態において、電流ILが予め定められた電流レベルに達すると、コントローラ16がスイッチングトランジスタ23をターンオフする。一部の実施形態において、コントローラ16は、シャント抵抗R両端間の電圧を測定することによって、トランジスタ23を流れる電流量を特定する。したがって、シャント抵抗R両端間の電圧が予め定められた電圧閾値に達したならば、スイッチングトランジスタ23がターンオフされる。他の実施形態において、トランジスタ23の最大アクティベート時間を決定するように、コントローラ16を構成することができ、シャント抵抗を介した電流を過電流保護のために用いることができる。
【0020】
スイッチングトランジスタ23がターンオフされた後、電流ILはインダクタLを介して流れ続ける。ただしスイッチングトランジスタ23を介して流れる代わりに、電流ILは、ダイオードDと昇圧給電ノードHSSにおける充電キャパシタCとを介して流れる。一部の実施形態において、複数のスイッチングサイクルの後、キャパシタC両端間の電圧VCAPが予め定められた電圧まで充電される。この予め定められた電圧を、従来技術において公知のスイッチング電源制御回路およびスイッチング電源制御システムを利用して、コントローラ16により制御することができる。種々の実施形態において、コントローラ16は、ノードVGにおいてトランジスタ23のゲートをドライブするスイッチング信号VGのタイミングを変化させることにより、昇圧給電ノードHSSにおける電圧を制御することができる。このタイミングを例えば、スイッチング信号VGのデューティサイクルを調節することによって、かつ/またはスイッチング信号VGのスイッチング期間またはスイッチング周波数を調節することによって、調節することができる。
【0021】
種々の実施形態において、コントローラ16は、電源14の種々の動作パラメータを測定するようにも構成されている。それらのパラメータとして例えば、昇圧給電ノードHSSにおける電圧(電圧HSSとも称する)、スイッチング信号VGに関するデューティサイクル、スイッチング期間、スイッチング周波数またはその他のタイミングパラメータ、および/またはスイッチングトランジスタ23を流れる測定電流を挙げることができる。これらの動作パラメータを、動作中の電源14の機能を検証するために使用することができ、また、集積回路10と、インダクタLおよびキャパシタCを含む外部素子と、の間の接続の完全性を検証するために、使用することができる。一部の実施形態の場合にはコントローラ16によって、これらの動作パラメータの測定および分析が行われる。択一的に、電源14の動作パラメータを、コントローラ16、コントローラ24および/または外部コントローラ26の中に設けられた回路を用いて、測定し特定することができる。例えば一部の実施形態において、コントローラ16は、電源14内部の種々の電圧信号および電流信号における電圧、電流および/またはタイミングの測定を実施することができる一方、コントローラ24および/または外部コントローラ26は、コントローラ16によりなされた種々の測定電圧、測定電流および/またはタイミングの測定に基づき、計算を実施する。これらの計算として例えば、平均、フィルタリングおよび予め定められた値およびレンジとの比較を含む種々の信号処理計算を挙げることができる。種々の実施形態において、電源14の動作パラメータは、以下でもっと詳しく説明するように、ハーフブリッジ回路15の1つのスイッチングサイクルにわたり分析される。かかる実施形態において、ハーフブリッジ回路15のスイッチングサイクルと同期した種々の信号がコントローラ24によって生成され、動作パラメータ測定を導出するために外部コントローラ26によって使用される。これらの信号は、例えばサンプリング信号SAMPLEを含むことができ、この信号は、ドライブ入力端子DHおよびDLの側縁遷移に対し遅延させられたサンプリングパルスを含んでいる。
【0022】
測定された動作パラメータを分析して制限する計算を実施することに加え、コントローラ16、コントローラ24および/または外部コントローラ26は、予め定められたレンジおよび公称動作限界値を格納および/または導出することができ、これらは電源14の測定された動作パラメータを分析して制限するために用いられる。これらの予め定められたレンジおよび公称動作限界値によって、ハーフブリッジ回路15のスイッチングサイクルにわたる動作パラメータのダイナミックな挙動を指定することもでき、負荷20の種々の動作モード、集積回路10の種々の動作モードに加え、公称動作レンジを特定する際の温度などの環境条件を考慮することができる。公称動作限界値に対する測定パラメータの比較を、外部コントローラ26内部、コントローラ24内部および/または電源14のコントローラ16内部において実施することができる。図示の実施形態の場合、外部コントローラ26は、電源14の測定された動作パラメータがエラーコンディションを表しているならば、エラー信号ERRORをアサートするように構成されている。付加的にまたは択一的に、このエラーコンディションの存在を、外部コントローラ26によって判定することができ、あるいはコントローラ16および/または集積回路10のコントローラ24によって判定することができる。エラー信号ERRORのアサートに応じて、集積回路10またはスイッチングシステム2は、ハイサイドスイッチングトランジスタ18および/またはローサイドスイッチングトランジスタ19を、予め定められた状態に設定することができる。例えば予め定められた状態を、ハイサイドスイッチングトランジスタ18またはローサイドスイッチングトランジスタ19の一方または両方が遮断されている、というものとすることができる。
【0023】
一部の実施形態において、外部コントローラ26は、公称動作限界値を集積回路10内部のレジスタに書き込むことができる。この通信を、デジタルインタフェース22を介して実施することができる。一部の実施形態において、外部コントローラ26は、測定値を処理するために統計的手法および/またはフィルタを、例えばメジアンフィルタまたはヒストグラム関数を、使用することができる。これらの手法を、それぞれ異なるタイムフレームにわたって測定された値の勾配を分析するために、または測定誤差に対処するために、用いることができる。
【0024】
ドライバ回路32は、ドライブ入力端子DHおよびハイサイドスイッチングトランジスタ18のゲートに接続されたドライブ出力端子GHを含んでいる。同様にドライバ回路34は、ドライブ入力端子DLおよびローサイドスイッチングトランジスタ19のゲートに接続されたライブ出力端子GLを含んでいる。動作中、ドライバ回路32は、ドライブ入力端子DHにおける第1のドライブ入力信号に基づき、ドライブ出力端子GHにおいて第1のドライブ出力信号を生成する。第1のドライブ出力信号を、ハイサイドスイッチングトランジスタ18の状態を変化させるように構成することができる(例えばハイサイドスイッチングトランジスタ18をターンオンおよびターンオフする)。同様にドライバ回路34は、ドライブ入力端子DLおよびローサイドスイッチングトランジスタ19のゲートに接続されたドライブ出力端子GLを含んでいる。動作中、ドライバ回路34は、ドライブ入力端子DLにおける第2のドライブ入力信号に基づき、ドライブ出力端子GLにおいて第2のドライブ出力信号を生成する。第2のドライブ出力信号を、ローサイドスイッチングトランジスタ19の状態を変化させるように構成することができる(例えばローサイドスイッチングトランジスタ19をターンオンおよびターンオフする)。
【0025】
1つの実施例の場合、ドライブ信号DHがアサートされると(アクティブハイまたはアクティブローのいずれか)、ドライバ回路32は、ハイサイドスイッチングトランジスタ18がターンオンされるように、ドライブ信号GHの電圧を上昇させる。ハイサイドスイッチングトランジスタ18がターンオンされると、電流が負荷20および出力ノードSHへ、ハイサイドスイッチングトランジスタ18のソースを介して供給される。DHがディアサートされると、ドライバ回路32は、ハイサイドスイッチングトランジスタ18がターンオフされるように、ドライブ信号GHの電圧を低下させる。同様に、ドライブ信号DLがアサートされると(アクティブハイまたはアクティブローのいずれか)、ドライバ回路34は、ローサイドスイッチングトランジスタ19がターンオンされるように、ドライブ信号GLの電圧を上昇させる。ローサイドスイッチングトランジスタ19がターンオンされると、電流が負荷20および出力ノードSHから、ローサイドスイッチングトランジスタ19のドレインを介して引き出される。ドライブ信号DLがディアサートされると、ドライバ回路34は、ローサイドスイッチングトランジスタ19がターンオフされるように、ドライブ信号GLの電圧を低下させる。pチャネルデバイスまたはPNPデバイスを活用する実施形態であるならば、種々のドライブ信号は、電圧が低下するとスイッチングトランジスタをターンオンすることになり、電圧が上昇するとスイッチングトランジスタをターンオフすることになる。
【0026】
一部の実施形態において、ドライブ信号DHおよびDLは、ハイサイドスイッチングトランジスタ18とローサイドスイッチングトランジスタ19のうちの一方だけがある特定の時点でアクティブになるよう、交互にアサートされる。ドライブ信号DHおよびDLの生成を、図示されているようにコントローラ24を用いて実施してもよいし、またはそれらの信号を集積回路10の外部で生成してもよい。かかるドライブ信号生成回路として、以下に限定されるものではないが、パルス幅変調回路、パルス周波数変調回路、ノンオーバーラップ信号生成回路、およびドライブ信号を生成するように構成された従来技術において公知のその他の回路を挙げることができる。1つの実施形態において、ドライブ信号DHおよびDLは、0Vと論理値ハイのレベルとの間で切り替わる論理信号であり、例えば0Vと、1.2V、2.0V、3.3V、5.0Vまたは他の論理値ハイのレベルと、の間で切り替わる論理信号である。ドライバ回路32およびドライバ回路34を、従来技術において公知のスイッチングトランジスタドライバを用いて実装することができ、ドライブ信号GHおよびGLを、ハイサイドスイッチングトランジスタ18およびローサイドスイッチングトランジスタ19を実装するために使用される特定のトランジスタ技術に適合させることができる。
【0027】
種々の実施形態において、ハイサイドスイッチングトランジスタ18、ローサイドスイッチングトランジスタ19、および/またはスイッチングトランジスタ23を例えば、IGBTトランジスタ、MOSトランジスタ(NMOSおよび/またはPMOS)、バイポーラトランジスタ、あるいは他のタイプのトランジスタといったトランジスタを使用して、実装することができる。一部の実施形態において、ハイサイドスイッチングトランジスタ18およびローサイドスイッチングトランジスタ19を、大電流および大電力の用途をサポートするために、電力用IGBT、電力用MOSFET、または電力用バイポーラトランジスタとすることができる。一部の実施形態において、ハイサイドスイッチングトランジスタ18およびローサイドスイッチングトランジスタ19は、スイッチング電源において、またはモータをドライブするために使用されるスイッチングトランジスタとして動作することができる。一部の実施形態において、スイッチングシステム2を、単一のスイッチングトランジスタのドライブをサポートするよう適合させることができる。例えば、ドライバ回路34およびローサイドスイッチングトランジスタ19を省略することができる。
【0028】
ドライバ回路32および34を、従来技術において公知のドライブ回路アーキテクチャを使用して実装することができ、これらのドライバ回路32および34は、バッファ、レベルシフタ、アイソレーション、および本明細書の実施形態に関していっそう詳細に説明する回路などのような、補助回路およびサポート回路を含むことができる。ハイサイドスイッチングトランジスタ18をドライブするために使用されるドライバ回路32を、フローティングハイサイドドライブ回路を含む従来技術において公知のハイサイドスイッチドライブ回路を使用して、実装することができる。図示されているように、ドライバ回路は、昇圧給電ノードHSSから昇圧された電源電圧を受け取る。
【0029】
コントローラ24を、回路10の制御機能を提供することに加えて、パルス幅変調信号および/またはパルス周波数変調信号をドライバ回路32および34へ供給するように、構成することができる。デジタルインタフェース22は、n個の信号ピンを有するデジタルバスDBUSに接続されているように示されており、このデジタルインタフェース22を、集積回路10の動作を制御、コンフィギュレーションおよび監視するために、使用することができる。種々の実施形態において、デジタルインタフェース22を、シリアルバスインタフェース回路、パラレルバスインタフェース回路とすることができ、かつ/またはCMOSまたはTTLレベルロジック、LVDSまたは従来技術において公知のその他のものなど様々な物理層を利用して、以下に限定されるものではないが、SPI、CAN、I2C、LVDSおよびUSBを含む任意のバス標準に準拠させることができる。したがってデジタルバスDBUSの信号ピンの個数nを、実装されたバスプロトコルに適した任意の個数とすることができる。一部の実施形態において、デューティサイクル、パルス幅、周波数およびその他のパラメータなど、パルス幅変調またはパルス周波数変調のパラメータを、デジタルインタフェース22を介してデジタルバスDBUSから受け取ることができ、ドライブ信号DHおよびDLの生成を制御する目的で、コントローラ24および/またはコントローラ16の内部のレジスタへ転送することができる。
【0030】
図2Aには、キャパシタC両端間の電圧VCAPと、インダクタ電流ILと、電源14内のスイッチングトランジスタ23をドライブするために使用されるスイッチング信号VGと、の間の関係を表す波形図が示されている。時点tにおいて、スイッチング信号VGがアサートされ、これによってスイッチングトランジスタ23がターンオンさせられ、電流ILがインダクタLを通って流れるようになる。図示されているように、電流ILは時点t~時点tの間、線形に上昇する。時点tにおいて電流ILは、ここに示された実施例では約170mAである電流Ipeakに達する。電流ILがいったん電流Ipeakに達したならば、スイッチング信号VGがディアサートされ、これによってスイッチングトランジスタ23がターンオフされる。種々の実施形態において、電流ILが電流Ipeakに達したことに応答して、スイッチング信号VGがディアサートされる。スイッチングトランジスタ23がいったんターンオフされると、電流はスイッチングトランジスタ23の負荷経路を介してもはや流れず、そうではなくキャパシタCへと向かわせられる。時点t~tの間、インダクタLを流れる電流ILは、時点tにおいて0mAに達するまで、線形に減少する。スイッチング信号VGは時点tまでディアサートされたままであり、この時点tにおいてスイッチング信号VGは再びアサートされて、新たなスイッチングサイクルが始まる。ここに示された実施例は非連続導通モードを表しており、このモードの場合、インダクタLを流れる電流ILは0まで減少し、所定の期間にわたりそのレベルに留まる。別の実施形態において、インダクタ電流が0に達した直後にスイッチング信号VGがアサートされる臨界導通モードで、電源14を動作させることができ、またはインダクタ電流が0に達する前にスイッチング信号VGがアサートされる連続導通モードを使用することができる。一部の実施例おいて、スイッチングトランジスタ23のスイッチング周波数は、100kHzまたはこれよりも高いレンジにある。一部のケースでは、寄生作用に起因して、周波数が高くなるにつれてスイッチング損失が増加する。しかしながら、周波数が高くなるにつれて小型化したインダクタLを、コストをあまりかけずに実装することができ、これにより結果として、場合によってはいっそう低コストのスイッチング電源が得られる。
【0031】
図2Aに示されているように、スイッチング信号VGは、約130nsであるtの期間にわたりアサートされる。電流ILはt~tの間の期間にわたり0mAまで減少するので、電源14は非連続導通モード(DCM)で動作していると言われる。スイッチング信号VGは、約1μsの周期Tと、D=(t/T)*100%=(130ns/1μs)*100%=13%のデューティサイクルと、を有する。ここで理解されたいのは、図2Aに示した電流、電圧および期間の組み合わせは、実施形態による電力変換器回路のための電圧、電流およびタイミングの数多くの可能な組み合わせのうち、1つの特定の実施例にすぎない、ということである。
【0032】
種々の実施形態において、スイッチング信号VGが動作するときのデューティサイクルは、電源14の動作に作用する種々のパラメータを表す。例えば理想的なケースでは、電源14がDCMで動作するときのデューティサイクルDDCMを、以下のように表現することができる。すなわち、
【数1】
ただしVHSSは昇圧給電ノードHSSにおける電圧、VBATは入力電圧ノードVBATにおける電圧、Ioutは電源14の出力電流、LはインダクタLのインダクタンス、さらにTはスイッチング信号VGのスイッチング期間である。抵抗損失およびダイオード電圧降下を考慮するならば、デューティサイクルDDCMを以下のように表現することができる。すなわち、
【数2】
ただしVはダイオードDの順方向バイアス電圧であり、Rtotは電流経路中の素子の抵抗を表す。電源14が臨界導通モード(CCM)で動作するならば(例えば時点tと時点tとの間の期間がゼロ)、デューティサイクルDCCMを以下のように表現することができる。すなわち、
【数3】
種々の実施形態において、式(1)、(2)および(3)を、スイッチング信号VGのデューティサイクルを設定するために、かつ/または測定されたデューティサイクルと比較する公称動作限界値を決定するために、スイッチングシステム2によって使用することができる。一部の実施形態において、これらのデューティサイクルの計算を、従来技術において公知の処理回路を用いて外部コントローラ26により実施することができる。択一的に、コントローラ16、コントローラ24および/または外部コントローラ26の内部のメモリまたはルックアップテーブルに格納される限界値を導出するベースのために、これらの式を使用することができる。一部の実施形態において、デューティサイクルおよびデューティサイクル限界値の導出を、温度およびその他の環境条件に対して調節することもできる。例えば、デューティサイクルを計算する目的で、ダイオード電圧Vに対して使用される値を、温度に従って調整することができ、電圧VBATに対して使用される値を、スイッチングシステム2によりなされた電圧測定に従って調節することができる。
【0033】
図2Bには、コントローラ24内で内部的に生成されるPWMタイマ計数値と、ハーフブリッジ回路15のドライブ状態を表すドライブ信号DRV(例えばドライブ信号DLまたはドライブ信号DHのいずれかがアサートされれば、DRVがアサートされる)と、昇圧給電ノードHSSの昇圧給電電圧VHSSと、スイッチング信号VGのデューティサイクルと、コントローラ24により生成されるサンプリング信号SAMPLEと、を表す波形図が示されている。1つの実施形態の場合、コントローラ24は、スイッチングサイクルの位相を表すデジタル信号とすることのできるPWMタイマ信号を生成する。このPWMタイマ信号を、例えばアップダウンカウンタを使用して生成することができる。動作中、PWMカウンタの値が、どのPWMタイマ信号値のところでドライブ信号DRVがアサートされるのかを表すPWM比較値と比較される。図示されているように、PWMタイマの値がPWM比較値を上回ったならば、ドライブ信号DRVがアサートされる。PWMタイマの値がPWM比較信号を下回ったならば、ドライブ信号DRVがディアサートされる。図示の実施例の場合、いっそう大きいPWM比較値は、ドライブ信号DRVに対しいっそう小さいデューティサイクルをもたらし、いっそう小さいPWM比較値はドライブ信号DRVに対しいっそう大きいデューティサイクルをもたらす。択一的な実施形態において、PWMタイマ信号の計数を反転させることができる。さらに別の実施形態において、PWMタイマ信号をアナログ信号とすることができ、PWM比較値を、PWMタイマ信号と比較されるアナログ閾値とすることができる。一部の実施例において、信号DRVの周波数は20kHのレンジ内にある(約10kHz~約30kHzの間)。択一的に、このレンジ外の他の周波数を使用してもよい。
【0034】
動作中、ドライブ信号DRVがアサートされると、ドライバ回路32は、ドライブ出力端子GHを介してハイサイドスイッチングトランジスタ18のゲートを充電し、ハイサイドスイッチングトランジスタをターンオンする。ハイサイドスイッチングトランジスタ18のゲートを充電することにより、電源14から電流が引き出され、昇圧給電ノードHSSの出力電圧VHSSにおいて一時的な減少または遷移が引き起こされる。これに続いて、ドライブ信号DRVがディアサートされると、ドライバ回路32は、ドライブ出力端子GHを介してハイサイドスイッチングトランジスタ18のゲートを放電させ、ハイサイドスイッチングトランジスタ18をターンオフする。一部の実施形態において、スイッチングトランジスタ18または19の一方のターンオンに必要とされる電荷を、負荷20を流れる負荷電流と共に変化させることができる。一部の実施形態において、信号DRVのパルスパターンを、負荷20を流れる負荷電流に依存して変化させることができ、したがってトランジスタ18および19のアクティベート回数がそれぞれ異なるようになり、また、HSSに対する電流要求もそれぞれ異なるようになる。ハイサイドスイッチングトランジスタ18のゲートを放電させることによっても、電源14から電流が引き出され、昇圧給電ノードHSSの出力電圧VHSSにおいて異なる一時的な減少または遷移応答が引き起こされる。種々の実施形態において、この遷移応答の整定時間tSTLは、既知の負荷条件を有するモータなどのように負荷20が予め定められた負荷であるケースでは、どのようなスイッチングサイクルであろうと一貫している。したがって種々の実施形態において、各スイッチングサイクルにわたりコントローラ16によって整定時間tSTLが測定される。整定時間tSTLが予め定められたレンジ外であるならば、エラーコンディションを通知することができる。
【0035】
図示されているように、スイッチング信号VGのデューティサイクルは、スイッチング信号VGの側縁遷移に応答して、各スイッチングサイクルにわたり変化する。スイッチング信号VGのデューティサイクルにおけるこの変化は例えば、ハーフブリッジドライバ回路15へのゲートドライブ電流の供給に応答して、スイッチングサイクルが経過する中でドライバ回路32および電源14から電力を引き出す他の回路による電流消費が増加することに起因して、発生する可能性がある。図示の実施例の場合、デューティサイクルは、スイッチングサイクルの種々の部分中にピークに達する。なお、図2Bに示されているスイッチング信号VGのデューティサイクルの形状は、スイッチング信号VGのデューティサイクルの挙動について単純化された例である、ということを理解されたい。種々の実施形態において、スイッチング信号VGのデューティサイクルの変化の度合いに加え、スイッチング信号VGのデューティサイクルの形状および軌跡も、図示されているものとは異なる可能性があり、かつ/またはそれよりも複雑な可能性がある。一部の実施形態において、スイッチング信号VGのデューティサイクルは、各スイッチングサイクル中に1回または複数回測定され、デューティサイクル値の予期されるレンジと比較される。図示されている実施形態の場合、スイッチング信号VGの測定されたデューティサイクルは、サンプリング信号SAMPLEがアサートされたときに動作パラメータがサンプリングされた場合に、予期される値のレンジ内に収まっている。択一的な実施形態において、デューティサイクルを、他の方法を使用して測定し定量化することができる。例えば、連続する測定同士のデューティサイクルの差、1つのスイッチングサイクルが経過する中で見られる最小デューティサイクルおよび最大デューティサイクル、またはこれらの組み合わせを、測定し特定することができる。デューティサイクルをDRVの遷移前または遷移後に測定すれば、両方のデューティサイクルの関係を考察することができる。
【0036】
一部の実施形態において、1つまたは複数の動作パラメータが、スイッチングサイクル内の予め定められた時点でサンプリングされる。1つの実施形態において、これら1つまたは複数の動作パラメータは、サンプリング信号SAMPLEがアサートされたときにサンプリングされ、このサンプリング信号SAMPLEを、PWMの値を予め定められた値と比較することにより、コントローラ24によって生成することができる。図2Bに示されているように、整定時間tSTLおよびデューティサイクルは、ドライブ信号DRVの各側縁遷移後、時間遅延dtのところでサンプリングされる。一部の実施形態において、ドライブ信号DRVの側縁遷移のときに加え、スイッチングサイクル中の他の時点でも、動作パラメータをサンプリングすることができる。
【0037】
図2Cには、PWMタイマ計数値と、ハーフブリッジ回路15のスイッチングを表すドライブ信号DRVと、昇圧給電ノードHSSの昇圧給電電圧VHSSと、スイッチング信号VGのデューティサイクルと、サンプリング信号SAMPLEと、を表す波形図が示されている。図2Cは、スイッチング信号VGのデューティサイクル値が、時点87でサンプリングされたときに、予期されるレンジの境界を越えている点を除き、図2Bと類似している。種々の実施形態において、コントローラ16、24および/または26のうちの1つがエラーコンディションを通知し、補正アクションをとる。特定の動作パラメータおよび予期されるレンジからのその偏差の程度に応じて、スイッチングシステムは補正アクションとる前に、予め定められた期間内に予め定められた回数だけ、測定された動作パラメータが予期されるそのレンジから逸脱するまで、待機することができる。
【0038】
図3Aには、外部キャパシタCおよび外部インダクタLとインタフェースを介して接続された電源14のいっそう詳細な実施例を含むシステム100が示されている。種々の実施形態において、図3Aに示された電源14を、図1に示された電源14を実装するために用いることができる。図示されているように、電源14内部のコントローラ16はコントローラおよびパラメータ測定回路105を含んでおり、この回路は、アナログ/デジタル変換器102、任意選択的なバレー検出器104、ゲートドライブバッファ106、比較器108、およびデジタル/アナログ変換器110とインタフェースを介して接続されている。コントローラおよびパラメータ測定回路105は、電源コントローラ112、整定時間測定回路114、デューティサイクル測定回路116、およびテストロジック118を含んでいる。動作中、アナログ/デジタル変換器102は、昇圧給電ノードHSSにおける電圧を測定し、測定された電圧をデジタルワードADCDATAに変換する。一部の実施形態において、アナログ/デジタル変換器102は、昇圧給電ノードHSSにおける電圧と入力電圧ノードVBATにおける電圧(例えば電圧VCAP)との差を測定して変換する。
【0039】
比較器108は、シャント抵抗R両端間の電圧をデジタル/アナログ変換器110により生成された電圧と比較するように構成されている。スイッチングトランジスタ23を流れる電流を表すこの比較の結果に加え、昇圧給電ノードHSSにおける電圧を表すデジタルワードADCDATAが、電源コントローラ112へ供給され、この電源コントローラ112は、電源制御システムおよび従来技術において公知の方法を用いて電源スイッチング信号PSDRVを生成する目的で、この情報を使用する。一部の実施形態において、スイッチングトランジスタ23のドレインにおける電圧がいつ極小値になるのかについて、電源コントローラ112へ通知する目的で、任意選択的なバレー検出器104は、スイッチングトランジスタ23のドレインにおける電圧を測定する。一部の実施形態において、スイッチング損失を低減する目的で、電源コントローラ112は、スイッチングトランジスタ23両端間における電圧が極小値に達したことをバレー検出器104が通知したときに、スイッチングトランジスタ23をターンオンするように構成されている。スイッチングトランジスタ23のゲート(または制御ノード)をドライブするために、ゲートドライブバッファ106を使用することができ、これを従来技術において公知のゲートドライバ回路を用いて実装することができる。一部の実施形態において、ゲートドライブバッファ106を省略することができる。
【0040】
1つの実施形態において、電源コントローラ112は、デジタル/アナログ変換器の入力ワードDACDATAを生成して、デジタル/アナログ変換器110の入力側へ供給する。デジタル/アナログ変換器110により供給された出力電圧は例えば、インダクタLを流れる最大電流ILを設定する基準電圧として用いられる。図2Aを参照しながら上述の記載で説明したように、電源コントローラ112は、スイッチングトランジスタ23を流れる電流が設定された電流閾値Ipeakを上回ると、スイッチングトランジスタ23をターンオフするように構成されている。一部の実施形態において、デジタル/アナログ変換器110により生成される基準電圧を択一的に、バンドギャップベースの電圧発生器などアナログ電圧基準を利用して生成することができる。さらなる実施形態において、スイッチングトランジスタ23を流れる電流を、シャント抵抗R両端間の電圧を測定することに加え、他の方法を用いて測定することができる。例えば、スイッチングトランジスタ23と並列に接続された電流測定トランジスタを使用して、電流を測定することができる。
【0041】
動作中、整定時間測定回路114は、スイッチングシステムがハーフブリッジ回路15のスイッチング状態を変更することに応答して、昇圧給電ノードHSSにおける電圧の整定時間tSTLを特定し、デジタル整定時間測定値STIMEをテストロジック118へ供給する(図2Bを参照)。種々の実施形態において、整定時間測定回路114は、整定時間tSTLを特定するために、アナログ/デジタル変換器102により実施された測定シーケンスを分析する。一部の実施形態において、スイッチング信号DRVに側縁遷移が生じるたびに、整定時間測定がリセットされる。
【0042】
デューティサイクル測定回路116は、スイッチング信号VGのデューティサイクルおよび/またはスイッチング期間Tを測定し、デューティサイクルおよび/またはスイッチング期間の測定に基づき、デジタルデューティサイクル測定信号DUTYを供給するように構成されている。一部の実施形態において、付加的な測定回路を、コントローラおよびパラメータ測定回路105に含めることができる。例えば、スイッチングトランジスタ23のドレイン電流ID、入力電圧ノードVBATに対する測定値、および昇圧給電ノードHSSに対する直接的な出力電圧測定値を供給するように構成された付加的な測定回路も含めることができる。一部の実施形態において、デジタルデューティサイクル測定信号DUTYの値は、電力変換器14を介してVCAPへ転送されるエネルギー量を表す。他の実施形態において、同じことを表すために別のパラメータを用いることができ、例えばスイッチ23のオフ時間またはインダクタLを流れる平均電流を用いることができる。
【0043】
テストロジック118は、種々の動作パラメータ測定回路と、コントローラ24および外部コントローラ26など外部のデジタル回路と、の間のデジタルインタフェースを提供するように構成されている(図1を参照)。例えばテストロジック118に対するデジタルインタフェースは、サンプリング信号SAMPLEおよびドライブ信号DRVをテストロジック118および種々の動作パラメータ測定回路へ供給することができ、その目的は、動作パラメータ測定を実施するための、および動作パラメータの結果をコントローラ24および/または外部コントローラ26が利用できるようにするための、タイミングパルスおよびサンプリングパルスを供給するためである。一部の実施形態において、動作パラメータの結果はテストロジック118内部のレジスタに格納され、デジタルインタフェース22を介して外部コントローラ26(図1を参照)によりアクセスされる。
【0044】
図3Bには、本発明の1つの択一的な実施形態に従い、外部キャパシタCおよび外部インダクタLとインタフェースを介して接続された電源14のいっそう詳細な実施例を含むシステム130が示されている。種々の実施形態において、図3Bに示された電源14を、図1に示された電源14を実装するために用いることができる。図示されているように、アナログ/デジタル変換器132は、昇圧給電ノードHSSにおける電圧、入力電圧ノードVBATにおける電圧、およびスイッチングトランジスタ23のソースに接続されたシャント抵抗R両端間の電圧を測定するように構成されている。コントローラおよびパラメータ測定回路136は、アナログ/デジタル変換器132およびゲートドライブバッファ106とインタフェースを介して接続されており、電源コントローラ134、整定時間測定回路114、デューティサイクル測定回路116、およびテストロジック118を含んでいる。システム130の動作は、シャント抵抗R両端間の電圧の測定が比較器108ではなくアナログ/デジタル変換器132によって実施される点を除き、図3Aに示したシステム100の動作と類似している。かくして電源コントローラ134は、昇圧給電ノードHSSの電圧、入力電圧ノードVBATの電圧、およびシャント抵抗R両端間の電圧のデジタル表現に基づき、電源スイッチング信号PSDRVを生成する。一部の実施形態において、アナログ/デジタル変換器132への入力が多重化される。なお、図3Aおよび図3Bに示した電源14の例示的な実装は、電源14の考えられる多数の実装例のうちの2つであるにすぎない、ということを理解されたい。本発明の択一的な実施形態において、これら以外のコンフィギュレーションを実現することができる。例えば他の実施形態において、キャパシタVCAPを昇圧給電ノードHSSとアースGNDとの間に接続することができる。
【0045】
実施形態において、図3Aおよび図3Bに示した種々の回路ブロックを実装するために用いられる回路を、従来技術において公知の回路を用いて実装することができる。例えばアナログ/デジタル変換器102および132を、シグマデルタアナログ/デジタル変換器、逐次比較型アナログ/デジタル変換器、フラッシュ型アナログ/デジタル変換器、または従来技術において公知の他の任意の適切なアナログ/デジタル変換器アーキテクチャなど、種々のアナログ/デジタル変換器アーキテクチャを用いて実装することができる。デジタル/アナログ変換器110を、従来技術において公知のデジタル/アナログ変換器回路およびデジタル/アナログ変換器システムを用いて実装することができ、これには、以下に限定されるものではないが、電流ステアリングおよび抵抗ラダーベースのデジタル/アナログ変換器が含まれ、さらに比較器108を、従来技術において公知の増幅器および比較器回路を用いて実装することができる。
【0046】
図4Aには、整定時間測定回路114の例示的な実装が示されており、この整定時間測定回路114は、昇圧給電ノードHSSの電圧の整定時間を測定するように構成されている。図示されているように、整定時間測定回路114は、デジタル減算回路202、比較器204およびカウンタ206を含んでいる。動作中、デジタル減算回路は、アナログ/デジタル変換器出力信号ADCDATAから基準値REFERENCEを減算することにより、エラー信号ERRを形成する。種々の実施形態において、基準値REFERENCEは、電源14の目標出力電圧を表し、アナログ/デジタル変換器出力信号ADCDATAは、昇圧給電ノードHSSの電圧に対応する電源14の出力電圧を表す。一部の実施形態において、エラー信号ERRは、電源コントローラ112(図3A)または電源コントローラ134(図3B)により生成される。比較器204は、エラー信号ERRをエラー閾値信号E_THRESHOLDと比較する。エラー信号ERRがエラー閾値信号E_THRESHOLDを上回ると、カウンタ206の出力がクロック信号CLKHFに従いインクリメントされる。一部の実施形態において、クロック信号CLKHFは、電源スイッチング信号PSDRVのスイッチング周波数よりも少なくとも10倍高い周波数を有する。一部の実施形態において、クロック信号CLKHFの最低可能周波数は、ADCDATAを供給するアナログ/デジタル変換器(例えばアナログ/デジタル変換器132)の変換レートと等しい。このため、エラー信号ERRが閾値信号E_THRESHOLDを長く上回れば上回るほど、カウンタ206の出力値が大きくなる。したがって、カウンタ206の出力側で見られるデジタル整定時間測定値STIMEは、昇圧給電ノードHSSの電圧の整定時間に近づくことができる。一部の実施形態において、閾値信号E_THRESHOLDは、上限閾値と下限閾値とを含み、これによってエラーレンジが規定される。かかる実施形態の場合、カウンタ206は、エラー信号ERRが規定されたエラーレンジから外れた値を有するときは、必ずインクリメントされる。
【0047】
1つの実施形態において、カウンタ206は、ドライブ信号DRVが側縁遷移を有するたびに、規定された値にリセットまたはセットされる。このリセットのパルスを例えば、ドライブ信号DRVが正の側縁遷移を有するときにリセットパルスを生成するためにワンショット回路208を用い、ドライブ信号DRVが負の側縁遷移を有するときにリセットパルスを生成するためにインバータ212およびワンショット回路210を用いることで、生成することができる。リセット信号RSTをカウンタ206へ供給するために、ORゲート214を用いてワンショット回路208および210の出力が組み合わせられる。
【0048】
図4Bには、デューティサイクル測定回路116の例示的な実装が示されており、このデューティサイクル測定回路116は、電源14の動作中、電源スイッチング信号PSDRVのデューティサイクルを測定するように構成されている。図示されているように、デューティサイクル測定回路116は、カウンタ222、カウンタ224、デューティサイクル計算器228、レジスタ230、ワンショット回路226、インバータ232、および任意選択的なフィルタ236を含んでいる。動作中、電源スイッチング信号PSDRVがアサートされたときに、カウンタ222がインクリメントされて、ハイレベル時間測定信号T_HIGHが供給され、電源スイッチング信号PSDRVがディアサートされたときに、カウンタ224がインクリメントされて、ローレベル時間測定信号T_LOWが供給される。各電源スイッチングサイクルの開始時にカウンタ222および224をリセットするリセット信号RSTAを供給するために、ワンショット回路226が用いられる。デューティサイクル計算器228は、ハイレベル時間測定信号T_HIGHとローレベル時間測定信号T_LOWとに基づき、デューティサイクルを計算する。一部の実施形態において、デューティサイクル計算器228を、組み合わせロジック、ルックアップテーブル回路、プロセッサ、または従来技術において公知のその他の適切なデジタル回路を用いて実装することができる。一部の実施形態において、デューティサイクル計算器228は、ハイレベル時間測定信号T_HIGHとローレベル時間測定信号T_LOWとの比に従って、デューティサイクルを特定する。択一的に、デューティサイクル計算器228を省略することができ、ハイレベル時間測定信号T_HIGH、ローレベル時間測定信号T_LOW、またはT_HIGHおよびT_LOWの両方の和が、デューティサイクルの測定基準として用いられる。例えば、ローレベル時間測定信号T_LOWは、電源14がDCMで動作するシステムにおいて、十分な動作パラメータを供給することができる。種々の実施形態において、電源スイッチング信号PSDRVの各周期後、デューティサイクル計算器228の出力がレジスタ230に格納される。デューティサイクル計算器228およびレジスタ230により生成されたデューティサイクル値をローパスフィルタリングして、デューティサイクル動作パラメータDUTYを生成するために、任意選択的なフィルタ236を使用することができる。任意選択的なフィルタ236を、平均化フィルタおよび/または従来技術において公知のデジタルローパスフィルタ構造例えばIIRフィルタまたはFIRフィルタなどを用いて、実装することができる。
【0049】
図4Cには、テストロジック118の例示的な実装が示されており、このテストロジック118は、デューティサイクル測定値DUTYおよび整定時間測定値STIMEをサンプリングして、サンプリングされた測定値を個々の閾値および/またはレンジと比較するように構成されている。図示されているように、レジスタ252は、PWM計数値に応じてコントローラ24により生成されたサンプリング信号SAMPLEに従い、デューティサイクル測定信号DUTYをサンプリングする(図2Aを参照)。比較器258は、サンプリングされたデューティサイクル測定値を、デューティサイクル上限値を規定する閾値D_THRESHOLD_Hおよびデューティサイクル下限値を規定する閾値D_THRESHOLD_Lと比較する。サンプリングされたデューティサイクル測定値DUTYが、D_THRESHOLD_Hよりも大きければ、またはD_THRESHOLD_Lよりも小さければ、デューティサイクルエラー信号D_ERRORがアサートされる。
【0050】
同様に、レジスタ262は、サンプリング信号SAMPLEに従い整定時間測定信号STIMEをサンプリングし、比較器264は、サンプリングされた整定時間測定値を、整定時間上限値を規定する閾値S_THRESHOLD_Hおよび整定時間下限値を規定する閾値S_THRESHOLD_Lと比較する。サンプリングされた整定時間測定値STIMEが、S_THRESHOLD_Hよりも大きければ、またはS_THRESHOLD_Lよりも小さければ、整定時間エラー信号S_ERRORがアサートされる。
【0051】
一部の実施形態において、閾値E_THRESHOLD、D_THRESHOLD_H、D_THRESHOLD_L、S_THRESHOLD_HおよびS_THRESHOLD_Lを、レジスタ266内にローカルで格納することができる。動作中、レジスタ266の内容を、電源14が動作している動作条件の特性に応じて、コントローラ24および/または外部コントローラ26により更新することができ、またはプログラミングして周期的に更新することができる。一部の実施形態において、テストロジック118の機能の一部または全てを、コントローラ24および/または外部コントローラ26によって実施することができる。
【0052】
種々の実施形態において、図4A図4Bおよび図4Cを参照しながら上述の記載で説明したレジスタ、カウンタ、比較器、デジタルゲートおよびワンショット回路を、従来技術において公知のレジスタ、カウンタ、比較器、デジタルゲートおよびワンショット回路ならびにシステムを用いて実装することができる。やはりここでも理解されたいのは、図4A、4Bおよび4Cのデジタル回路の特定の実装は、考えられる多数の回路の実装のうち1セットの例であるにすぎない、ということである。本発明の択一的な実施形態において、他の論理的または機能的に類似した、あるいは等価の回路を使用することができる。さらなる実施形態において、図4A、4Bおよび4Cに示したデジタル回路の機能の一部または全てを、プログラミング可能なプロセッサを用いて実装することができる。
【0053】
図5にはモータシステム300が示されており、このモータシステム300は、3つのハーフブリッジドライバ回路318を介して3相モータ316に接続された集積回路302を含んでいる。集積回路302は、3つの並列のハーフブリッジドライバチャネル(「モータ制御回路」とも称する)が単一のチャネルの代わりに実装されている点を除き、構造および動作に関して、図1に示した集積回路10と類似している。例えば制御ロジック304は、信号DH_ONxおよびDL_ONxにより表される入力ドライブ信号の3つのチャネルを提供するように構成されている。ドライブ出力端子GHxおよびGLxを介して、3つのハーフブリッジドライバ回路318各々のドライブおよびアクティベートをサポートするために、3つのレベルシフタ306、3つのハイサイドドライバ回路32、および3つのローサイドドライバ回路34が設けられている。
【0054】
図示されているように、各ハーフブリッジドライバ回路318は、3つの電流検知フィードバック回路340による電流検知のための任意選択的な抵抗324、さらにはハイサイドスイッチングトランジスタ18およびローサイドスイッチングトランジスタ19、ならびに任意選択的な抵抗124を含んでいる。電流検知フィードバック回路340は、1つまたは複数のアンプ、1つまたは複数の比較器、および/またはアナログ/デジタル変換器など、従来技術において公知の電流監視回路を含むことができる。電流検知フィードバック回路340の出力CSOUTxは、制御ロジック304に供給され、従来技術において公知のスイッチ制御アルゴリズムのためのフィードバック入力として、この出力CSOUTxを制御ロジック304により使用することができる。動作中、3つのハーフブリッジドライバ回路318のハイサイドスイッチングトランジスタ18およびローサイドスイッチングトランジスタ19は、3相モータ316へドライブ電流を供給する。電源14は、上述の記載で説明したように、図1図2A図2B図3A図3B図4A図4Bおよび図4Cに従って動作する。
【0055】
種々の実施形態において、制御ロジック304は、3相入力ドライブ信号DH_ONxおよびDL_ONxを生成するように構成されており、これらの信号は、従来技術において公知の3相モータドライブ方法に従い3相モータ316をドライブするように構成されている。一部の実施形態において、入力ドライブ信号DH_ONxおよびDL_ONxの各相は、3相パルス幅変調信号を供給するように構成されており、これらの信号によって、互いに約120°ずつ位相シフトされたモータドライブ信号が供給される。一部の実施形態において、各パルス幅変調信号は、パルス幅および/またはパルス密度が単一のモータドライブサイクルにわたり増加および減少する、複数のパルスサイクルを有する。かかる実施形態の場合、各チャネルのピークパルス幅は、他のチャネルに対し120°シフトされている。別の実施形態において、各パルス幅変調信号は、単一のモータドライブサイクルに対し単一のパルスサイクルを有する。かかる実施形態の場合、各チャネルの単一のパルスサイクル各々は、他のチャネルに対し120°シフトされている。
【0056】
図6には、1つの実施形態による方法のブロック図が示されている。ステップ602において、ドライブパターンに従いドライバ回路を使用して、予め定められた負荷がドライブされる。種々の実施形態において、予め定められた負荷を、複数のスイッチングサイクルが経過する中で同様の負荷特性を維持するモータまたは他の負荷とすることができる。予め定められた負荷を例えば、ドライバ回路32および34ならびにハーフブリッジ回路15および318を使用してドライブすることができ、予め定められたパターンを、図1図2A図2B図2Cおよび図4を参照しながら上述の記載で説明したように、PWMカウンタに従い設定することができる。予め定められた負荷を、モータまたは他の回路とすることができる。一部の実施形態において、ゲートドライバユニットのための電源のパラメータの分析を、短絡または開放接続といった故障を検出するために、負荷の情報なしで使用することができる。これらのケースでは、パラメータ値が、既知の負荷と関連づけられた予期されるパラメータ値から大きく逸脱したときに、故障が判明する。
【0057】
ステップ604において、少なくとも1つの外部素子に接続されるように構成されたスイッチング電源(SMPS)を使用して、ドライバ回路へ電力が供給される。少なくとも1つの外部素子を例えば、SMPSに接続されたキャパシタおよび/またはインダクタとすることができる。
【0058】
ステップ606において、SMPSの少なくとも1つの動作パラメータが監視され、この場合、SMPSの少なくとも1つの動作パラメータは、ドライブパターンに依存しており、かつ少なくとも1つの外部素子に依存している。少なくとも1つの動作パラメータは例えば、SMPSのスイッチング信号のデューティサイクル、SMPSの出力電圧の整定時間、ならびにSMPSの他の電流および電圧を含むことができる。一部の実施形態において、図3A図3B図4A図4Bおよび図4Cに開示された回路を、少なくとも1つの動作パラメータを監視するために使用することができる。
【0059】
ステップ608において、少なくとも1つの動作パラメータが少なくとも1つの予期される動作パラメータと比較され、第1の比較結果が形成される。一部の実施形態において、この比較を、比較器258および254などのようなデジタル比較器回路によって実施することができ、少なくとも1つの予期される動作パラメータは、例えば上述の図4Cを参照しながら説明したように、閾値およびレンジを含むことができる。択一的に、この比較を、プログラミング可能なプロセッサを使用して実施してもよい。ステップ610において、第1の比較結果に基づきエラーコンディションが通知される。このエラーコンディションを例えば、図4Cを参照しながら上述の記載で説明したように、比較器258および254によって通知することができ、あるいはコントローラ24または外部コントローラ26によって通知することができる。
【0060】
図7を参照すると、本発明の1つの実施形態に従い処理システム800のブロック図が呈示されている。処理システム800は、汎用プラットフォームおよび一般的な素子および機能を表しており、これらを用いて、実施形態によるスイッチングシステムの一部分、および/または実施形態によるスイッチングシステムとインタフェースを介して接続された外部コンピュータまたは処理デバイスを実装することができる。例えば処理システム800を用いて、図1および図5に示したコントローラ16、24または外部コントローラ26の一部分を実装することができる。一部の実施形態において、処理システム800を用いて、実施形態による動作パラメータを特定および評価することができ、さらにそれらの動作パラメータと比較される限界値、閾値およびレンジを特定することができる。
【0061】
処理システム800は例えば、バス808に接続された中央処理ユニット(CPU)802およびメモリ804を含むことができ、上述のプロセスを実施するようにこの処理システム800を構成することができる。処理システム800はさらに、望ましいならばまたは必要とされるならば、ローカルディスプレイ812に対するコネクティビティを提供するディスプレイアダプタ810、さらにはマウス、キーボード、フラッシュドライブまたはこれらに類するものなど、1つまたは複数の入/出力デバイス816のための入出力インタフェースを提供する入/出力(I/O)アダプタ1014を含むことができる。
【0062】
処理システム800は、ネットワークアダプタを用いて実装可能なネットワークインタフェース818も含むこともでき、このネットワークアダプタは、ネットワーク820と通信するために、ネットワークケーブル、USBインタフェースまたはこれに類するものなど有線リンクにかつ/またはワイヤレス/セルラリンクに接続されるように構成されている。ネットワークインタフェース818は、ワイヤレス通信のための適切な受信機および送信機を有することもできる。なお、処理システム800はその他の素子も含むことができる、ということに留意されたい。例えば処理システム800は、外部で実装されるのであれば、ハードウェア素子の電源、ケーブル、マザーボード、リムーバブルストレージ媒体、ケースおよびこれらに類するものを含むことができる。これらその他の素子は、図示されていないとはいえ、処理システム800の一部分であると見なされる。一部の実施形態において、処理システム800を、単一のモノリシック半導体集積回路上に、かつ/または他の開示されたシステム素子と同じモノリシック半導体集積回路上に、実装することができる。
【0063】
以下、本発明の実施形態について要約する。これら以外の実施形態も、本明細書全体および本願において提出した特許請求の範囲から理解することができる。
【0064】
実施例1:方法は以下のステップを含む。すなわち、ドライブパターンに従いドライバ回路を用いて予め定められた負荷をドライブするステップと、少なくとも1つの外部素子に接続されるように構成されたスイッチング電源(SMPS)を用いて、ドライバ回路に電力を供給するステップと、さらに予め定められた負荷のドライブ中にSMPSの機能を検証するステップとを含む。この場合、機能を検証するステップは以下のステップを含む。すなわち、ドライブパターンと少なくとも1つの外部素子とに依存するSMPSの少なくとも1つの動作パラメータを監視するステップと、少なくとも1つの動作パラメータを、少なくとも1つの予期される動作パラメータと比較して、第1の比較結果を形成するステップと、さらに第1の比較結果に基づきエラーコンディションを通知するステップと、を含む。
【0065】
実施例2:予め定められた負荷をドライブするステップはさらに、ドライバ回路の出力側に接続されたスイッチングトランジスタを用いて、予め定められた負荷をドライブするステップを含み、ドライバ回路はスイッチングトランジスタを、第1の状態から第2の状態へと遷移させる、実施例1の方法。
【0066】
実施例3:エラーコンディションの通知に応答して、スイッチングトランジスタをディアクティベートするステップをさらに含む、実施例1または2の方法。
【0067】
実施例4:少なくとも1つの動作パラメータを監視するステップは、スイッチングトランジスタが第1の状態から第2の状態へ遷移したときに、少なくとも1つの動作パラメータにおける変化を監視するステップを含む、実施例1から3までのいずれか1つの実施例の方法。
【0068】
実施例5:少なくとも1つの動作パラメータは、スイッチングトランジスタが第1の状態から第2の状態へ遷移したことに応答した、SMPSの出力電圧の遷移応答を含む、実施例1から4までのいずれか1つの実施例の方法。
【0069】
実施例6:少なくとも1つの動作パラメータは遷移応答の整定時間を含む、実施例5の方法。
【0070】
実施例7:少なくとも1つの動作パラメータは、SMPSのスイッチング信号のデューティサイクルまたはSMPSの出力電圧を含む、実施例1から6までのいずれか1つの実施例の方法。
【0071】
実施例8:ドライブパターンは複数のサイクルを含み、この方法はさらに、比較の前に複数のサイクルのうち少なくとも1つのサイクルにわたり、少なくとも1つの動作パラメータを積分または平均化するステップを含む、実施例1から7までのいずれか1つの実施例の方法。
【0072】
実施例9:予め定められた負荷をドライブするステップは、モータをドライブするステップを含む、実施例1から8までのいずれか1つの実施例の方法。
【0073】
実施例10:スイッチング電源(SMPS)を用いてドライバ回路に電力を供給するステップは、少なくとも1つの外部素子に接続されたスイッチングトランジスタをターンオンおよびターンオフするステップを含み、ただし少なくとも1つの外部素子はインダクタを含む、実施例1から9までのいずれか1つの実施例の方法。
【0074】
実施例11:システムはコントローラを含み、この場合、コントローラは、少なくとも1つの外部素子に接続されるように構成されたインタフェース端子を有するスイッチング電源(SMPS)に接続されるように構成されており、さらにこの場合、コントローラは、SMPSから電力を受け取るドライバ回路に接続されるように構成されており、ここでコントローラはさらに以下のように構成されている。すなわちドライバ回路に対し、予め定められた負荷をドライブパターンに従いドライブするよう指示し、ドライブパターンと少なくとも1つの外部素子とに依存するSMPSの少なくとも1つの動作パラメータを監視し、少なくとも1つの動作パラメータを、少なくとも1つの予期される動作パラメータと比較して、第1の比較結果を形成し、さらに第1の比較結果に基づきエラーコンディションを通知するように構成されている。
【0075】
実施例12:SMPSとドライバ回路とをさらに含む、実施例11のシステム。
【0076】
実施例13:少なくとも1つの外部素子は、インタフェース端子に接続された電源スイッチングトランジスタを含み、さらに少なくとも1つの外部素子はインダクタを含む、実施例11または12のシステム。
【0077】
実施例14:ドライバ回路と予め定められた負荷との間に接続されたスイッチングトランジスタをさらに含む、実施例11から13までのいずれか1つの実施例のシステム。
【0078】
実施例15:コントローラは、エラーコンディションの通知に応答して、スイッチングトランジスタをディアクティベートするように構成されている、実施例14のシステム。
【0079】
実施例16:予め定められた負荷をさらに含み、予め定められた負荷はモータを含む、実施例14または15のシステム。
【0080】
実施例17:少なくとも1つの動作パラメータは、SMPSのスイッチング信号のデューティサイクルまたはSMPSの出力電圧を含む、実施例11から16までのいずれか1つの実施例のシステム。
【0081】
実施例18:モータシステムは以下を含む。すなわち、電源スイッチングトランジスタ、電源スイッチングトランジスタの出力側に接続されたインダクタ、および制御電源出力端子を含むスイッチング電源(SMPS)と、SMPSの制御電源出力端子に接続された電源入力側を有するドライバ回路と、ドライバ回路の出力側に接続された制御端子、およびモータに接続されるように構成された出力端子を有するスイッチングトランジスタと、さらにSMPSに接続されたコントローラと、含む。このコントローラは以下のように構成されている。すなわちドライバ回路に対し、スイッチングトランジスタをドライブパターンに従いドライブするよう指示し、ドライブパターンとインダクタとに依存するSMPSの少なくとも1つの動作パラメータを監視し、SMPSの少なくとも1つの動作パラメータを、少なくとも1つの予期される動作パラメータと比較して、第1の比較結果を形成し、ただし少なくとも1つの動作パラメータは、SMPSのスイッチング信号のデューティサイクルまたはSMPSの出力電圧を含み、さらに第1の比較結果に基づきエラーコンディションを通知するように構成されている。
【0082】
実施例19:モータをさらに含む、実施例18のモータシステム。
【0083】
実施例20:少なくとも1つの動作パラメータを監視することは、スイッチングトランジスタが第1の状態から第2の状態へ遷移したときに、少なくとも1つの動作パラメータにおける変化を監視することを含む、実施例18または19のモータシステム。
【0084】
実施例21:コントローラはさらに、エラーコンディションの通知に応答してドライバ回路に対し、スイッチングトランジスタをディアクティベートするよう指示するように構成されている、実施例18から20までのいずれか1つの実施例のモータシステム。
【0085】
本発明について例示的な実施形態を参照しながら説明してきたけれども、本明細書はそれらに限定するという趣旨で解釈されることを意図したものではない。例示的な実施形態の種々の変形および組み合わせに加え、本発明のその他の実施形態も、本明細書を参照すれば当業者には明らかになるであろう。よって、添付の特許請求の範囲は、かかる変形または実施形態のいずれも包含することを意図したものである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7