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特許7566573回転機械における光学的測定のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】回転機械における光学的測定のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/14 20060101AFI20241007BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20241007BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20241007BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20241007BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
G01B11/14 Z
F02C7/00 A
F01D25/00 V
G01M99/00 A
G01H17/00 A
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020174731
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2021076592
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】16/669,455
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】カート・クラマー・シュレイフ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・デイビッド・エリス
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-133056(JP,A)
【文献】特開2002-285803(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0224049(US,A1)
【文献】特開2015-001414(JP,A)
【文献】特開平01-299403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/14
F02C 7/00
F01D 25/00
G01M 99/00
G01H 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定システム(27)を備えるシステム(10)であって、前記測定システム(27)が、
湾曲した上面(100)を有するセンサマウント(82)と、
前記センサマウント(82)に取り付けられた光源(16)と、
前記センサマウント(82)に取り付けられ、ロータ(30、46)の回転軸を中心として前記光源(16)から周方向に間隔を空けて配置された光センサ(18)と、
前記光源(16)及び前記光センサ(18)に結合したコントローラ(14)であって、前記ロータ(30、46)とケーシング(48)との間のクリアランス(119)を、前記ケーシング(48)の曲面(70)を横切る割線として前記光源(16)から前記光センサ(18)に送出された光(120)の遮断に少なくとも部分的に基づいて判定するように構成される、コントローラ(14)と
を備えており、前記センサマウント(82)が、前記ケーシング(48)の前記曲面(70)に結合されている、システム(10)。
【請求項2】
前記ロータ(30、46)及び前記ケーシング(48)と、圧縮機(20)と、タービン(22)とを有するガスタービン(12)を備えており、前記ロータ(30、46)が前記圧縮機(20)及び前記タービン(22)を通って延び、前記ケーシング(48)が前記圧縮機(20)又は前記タービン(22)の少なくとも一部を取り囲み、前記測定システム(27)が前記ガスタービン(12)に結合される、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記ロータ(30、46)が、前記圧縮機(20)又は前記タービン(22)においてロータブレード(44)を備え、前記クリアランス(119)が、前記ロータブレード(44)の先端と前記ケーシング(48)の前記曲面(70)との間である、請求項2に記載のシステム(10)。
【請求項4】
前記センサマウント(82)が、前記ケーシング(48)の前記曲面(70)に沿って周方向のトラック(102)に取り付けられるように構成される、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項5】
前記測定システム(27)の前記センサマウント(82)が、前記光源(16)と前記光センサ(18)との間に周方向に配置された透明材料(123)を備える、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項6】
前記曲面(70)が前記ケーシング(48)の円周に沿って延びる、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項7】
前記コントローラ(14)が、前記光源(16)から前記光センサ(18)に送出された光(120)の前記遮断の持続時間に少なくとも部分的に基づいて、かつ前記ロータ(30、46)の回転速度に少なくとも部分的に基づいて、前記ロータ(30、46)と前記ケーシング(48)との間の前記クリアランス(119)を判定するように構成される、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項8】
前記光源(16)がレーザを含み、前記光(120)がコリメート光を含み、前記光センサ(18)が光ファイバセンサを含む、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項9】
前記測定システム(27)が、前記ロータ(30、46)の前記回転軸を中心として周方向に間隔を空けて異なる周方向位置に配置された複数のセンサアセンブリ(88)を備え、前記複数のセンサアセンブリ(88)のそれぞれが、前記コントローラ(14)に結合され、前記複数のセンサアセンブリ(88)のそれぞれが、前記光源(16)のうちの1つ及び前記光センサ(18)のうちの1つを有する、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項10】
前記コントローラ(14)が、前記異なる周方向位置における前記クリアランス(119)を監視して比較するように構成される、請求項に記載のシステム(10)。
【請求項11】
前記コントローラ(14)が、経時的に前記クリアランス(119)を監視し、経時的な前記クリアランス(119)の振動を含む経時的な前記クリアランス(119)の変動、経時的な前記クリアランス(119)の傾向、又はそれらの組み合わせを特定するように構成される、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項12】
ロータ(30、46)とケーシング(48)との間の回転経路に沿った前記ケーシング(48)の曲面(70)を横切る割線として光源(16)から光センサ(18)に光(120)を送出するステップであって、前記光源(16)及び前記光センサ(18)が前記ケーシング(48)に配置されている、ステップと、
前記光源(16)及び前記光センサ(18)に結合されたコントローラ(14)を使用して、前記ロータ(30、46)による前記光(120)の遮断の持続時間及び前記ロータ(30、46)の回転速度に基づいて、前記ロータ(30、46)と前記ケーシング(48)との間のクリアランス(119)を判定するステップ
を含む、方法(158、198、238)。
【請求項13】
前記コントローラ(14)に結合された複数のセンサアセンブリ(88)を使用して、異なる周方向位置における前記クリアランス(119)を監視して比較することであって、各センサアセンブリ(88)が前記光源(16)及び前記光センサ(18)のうちの少なくとも1つを有する、ことを含む、請求項12に記載の方法(158、198、238)。
【請求項14】
前記コントローラ(14)を使用して、経時的に前記クリアランス(119)を監視することと、経時的な前記クリアランス(119)の振動を含む経時的な前記クリアランス(119)の変動、経時的な前記クリアランス(119)の傾向又はそれらの組み合わせを特定することとを含む、請求項12に記載の方法(158、198、238)。
【請求項15】
前記光源(16)及び前記光センサ(18)が、前記ケーシング(48)の前記曲面(70)に沿って周方向のトラック(102)に取り付けられるように構成されたセンサマウント(82)に取り付けられる、請求項12に記載の方法(158、198、238)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題は、クリアランス測定に関し、より具体的には、ガスタービンエンジンの圧縮機などの回転機械における回転部品と静止部品との間のクリアランスの測定に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機は、空気などのガスを圧縮するために様々な産業およびシステムで使用されている。例えば、ガスタービンエンジンは、通常、燃焼および冷却のために圧縮空気を供給するための圧縮機を備える。圧縮機は、ロータアセンブリとステータアセンブリとを備える。多段圧縮機では、ロータアセンブリは複数の列(例えば、ロータ段)を備えることができ、各列が、シャフトを画定する1つまたは複数のロータホイールに取り付けられた複数のロータブレードを有する。同様に、ステータアセンブリは、複数の列(例えば、ステータ段)を備えることができ、各列が、ロータブレードを取り囲むケーシングに取り付けられた複数のステータベーンを有する。ロータアセンブリは、ステータアセンブリに対して回転するように設計されており、吸気した流体が圧縮機を通過するときにこの流体を圧縮する。ロータアセンブリとステータアセンブリとの間のクリアランスは、圧縮機の効率に関連し得る。しかしながら、クリアランスの測定に使用されるセンサに、取り付けのために半径方向の孔を必要とし、この孔は潜在的なリークパスをもたらす。
【発明の概要】
【0003】
出願時の特許請求の範囲に記載される主題と範囲において同等である特定の実施形態が、以下に要約される。これらの実施形態は、特許請求される発明の範囲を限定することを意図しておらず、むしろ、これらの実施形態は、本主題の可能な形態の概要を提供することのみを意図している。実際に、本システムは、以下に記載される実施形態に類似してもよく、あるいは異なってもよい様々な形態を含むことができる。
【0004】
第1の実施形態では、システムが、光源と、光センサと、光源および光センサに結合されたコントローラとを有する測定システムを備える。コントローラは、光源から光センサに送出された光の遮断に少なくとも部分的に基づいて、ロータとステータとの間のクリアランスを判定するように構成される。
【0005】
第2の実施形態では、システムが、湾曲した上面を有するセンサマウントと、第1の位置のセンサマウントに配置された光源と、第2の位置のセンサマウントに配置された光センサとを有する測定システムを備え、第1の位置および第2の位置が、周方向に互いに間隔を空けて配置される。測定システムは、センサマウントの湾曲した上面を横切る割線として光源から光センサに光をロータの経路内に送出するように構成される。
【0006】
第3の実施形態では、方法が、ロータとステータとの間にある曲面を横切る割線として光源から光センサに光を送出することを含む。本方法は、ロータによる光の遮断の持続時間およびロータの回転速度に基づいて、ロータとステータとの間のクリアランスを判定することをさらに含む。
【0007】
本主題のこれらの、ならびに他の特徴、態様および利点は、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読めば、よりよく理解されよう。添付の図面では、図面の全体にわたって、類似する符号は類似する部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】コントローラに結合されたセンサアセンブリを備えた多段軸流圧縮機を有するガスタービンシステムの実施形態のブロック図である。
図2】多段軸流圧縮機のロータアセンブリのブレードおよびステータアセンブリのベーンの段を示す、図1のガスタービンエンジンの実施形態の側断面図である。
図3】ケーシングの内面に結合された複数のセンサマウントを示す、図1の圧縮機のケーシングの一部の実施形態の斜視図である。
図4】ケーシングに結合された図3のセンサマウントのうちの1つの周方向端部を示す、図3のケーシングの実施形態の4-4線内で取った部分斜視図である。
図5】ケーシングの内周に沿って移動して光源と光センサとの間の光路を横切るロータアセンブリのブレードを示す、図3のケーシングにおけるセンサマウントのうちの1つに結合された光源および光センサを有するセンサアセンブリの実施形態の概略断面図である。
図6】ケーシングとロータアセンブリのブレードとの間のクリアランスを判定するために使用される光路の妨害の持続時間を示す、図5のセンサアセンブリから取得されたデータの実施形態を表すグラフである。
図7図5のケーシングとロータアセンブリのブレードとの間のクリアランスを測定するプロセスの実施形態のフローチャートである。
図8】ケーシングの内周に沿って移動して光源と光センサとの間の1つまたは複数の光路を横切るロータアセンブリのブレードを示す、図3のケーシングにおけるセンサマウントのうちの1つに結合された複数の光源および複数の光センサを有するセンサアセンブリの実施形態の概略断面図である。
図9図8のセンサアセンブリから取得されたデータに基づいてケーシングとブレードとの間のクリアランスを測定するために使用され得るルックアップテーブルの実施形態である。
図10】ケーシングの内周に沿って移動して光源と光センサとの間の1つまたは複数の光路を横切るロータアセンブリのブレードを示す、図3のケーシングにおけるセンサマウントのうちの1つに結合された複数の光源および複数の光センサを有するセンサアセンブリの実施形態の概略断面図である。
図11図10に示されるように、ケーシングとブレードとの間のクリアランスおよびケーシングの真円度を測定するプロセスの実施形態のフローチャートである。
図12】ケーシングの内周に沿って移動して共通光源と光センサとの間の光路の少なくとも一部を横切るロータアセンブリのブレードを示す、図3のケーシングにおけるセンサマウントのうちの1つに結合された共通光源および複数の光センサを有するセンサアセンブリの実施形態の概略断面図である。
図13】ケーシングの内周に沿って移動して共通光源と光センサとの間の光路の少なくとも一部を横切るロータアセンブリのブレードを示す、図3のケーシングにおけるセンサマウントのうちの1つに結合された共通光源および複数の光センサを有するセンサアセンブリの実施形態の概略断面図である。
図14】ケーシングとロータアセンブリのブレードとの間のクリアランスを判定するために使用され得る図12および図13のセンサアセンブリから取得されたデータの実施形態を表すグラフである。
図15】密に配置された列またはアレイに構成された光センサを示す、図12および/または図13のセンサアセンブリの複数の光センサの実施形態の概略図である。
図16】密に配置されたクラスタまたは二次元の束に構成された光センサを示す、図12および/または図13のセンサアセンブリの複数の光センサの実施形態の概略図である。
図17図12および図13のケーシングとロータアセンブリのブレードとの間のクリアランスを測定するプロセスの実施形態のフローチャートである。
図18】ロータアセンブリ(例えば、ロータ、ブレード、またはその両方)とロータアセンブリを取り囲むケーシングとの間のクリアランスを測定するために利用され得る測定システムの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で、本主題の1つまたは複数の具体的な実施形態を説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供しようと努力しても、実際の実施のすべての特徴を本明細書に記載することができるというわけではない。エンジニアリングまたは設計プロジェクトなどの実際の実施態様の開発においては、開発者の特定の目的を達成するために、例えばシステム関連および事業関連の制約条件への対応など実施態様に特有の決定を数多くしなければならないし、また、これらの制約条件は実施態様ごとに異なる可能性があることを理解されたい。さらに、このような開発努力は、複雑で時間がかかるが、それでもなお本開示の利益を有する当業者にとっては、設計、製作、および製造の日常的な仕事であることを理解されたい。
【0010】
本発明の主題の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「1つの(a、an)」、「この(the)」、および「前記(said)」は、1つまたは複数の要素が存在することを意味するように意図されている。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図し、列挙された要素以外にもさらなる要素が存在してもよいことを意味する。
【0011】
開示される実施形態は、圧縮機、ポンプ、タービン、または別の回転機械などの機械のロータアセンブリ(例えば、ロータ、ブレード、またはその両方)とステータアセンブリ(例えば、ケーシング、ベーン、またはその両方)との間のクリアランスを測定することを対象とする。例えば、開示される実施形態は、圧縮機のロータブレードとケーシングとの間のクリアランスの光学的すなわち光ベースの測定を含む。
【0012】
特定の実施形態では、タービンシステムの圧縮機は、ガス(例えば、空気)を圧縮するように回転するように構成されたロータブレードの複数の段または列を備えることができ、ガス(例えば、空気)は、その後で、燃焼プロセスのために燃料ノズルおよび/または燃焼器に送られる。回転中、ロータブレード(例えば、圧縮機ブレード)の先端は、圧縮機のケーシングの内面から比較的短い距離を空けて配置される。特に、ロータブレードがケーシングに接触せずに空気を効率的に圧縮するように、圧縮機ブレード先端とケーシングとの間の間隔またはクリアランスは最小であり得る。
【0013】
場合によっては、ロータブレードとケーシングとの間のクリアランスは、時間の経過とともに変化し得る。例えば、通常の動作中に、クリアランスは、機械の回転部分および静止部分、例えば、ケーシング、ブレードなどの熱膨張および収縮に起因して変化し得る。クリアランスはまた、ロータまたはケーシングの形状が円形でなくなってくると、つまり真円ではない状態になってくると、ロータが1回転するたび変化し得る。真円ではない状態の程度がより大きくなると、ロータの1回転あたりのクリアランスの変動が大きくなる。クリアランスの変動の他の原因としては、ロータブレードの劣化、圧縮機の振動(vibration)または振動(oscillation)、ロータブレードの亀裂または破損した先端、およびロータブレードの先端が部分的に欠けることにつながる摩擦状態が挙げられる。
【0014】
場合によっては、ロータブレードとケーシングとの間のクリアランスを検出するために、オペレータは、圧縮機の長手方向軸に向かって半径方向に角度を付けられた穴を開けることができる。その後、オペレータは、センサ(例えば、近接センサ)を穴に挿入して、半径方向のブレード先端クリアランスを検出することができる。しかしながら、このようなクリアランス測定方法は不正確で非効率的である場合がある。つまり、穴およびセンサの半径方向の向き、ならびに穴およびセンサの周方向の位置を確保することが難しい場合がある。そのため、センサの向きおよび位置の不一致により、収集された測定データの較正が困難になり得る。さらに、半径方向の穴はケーシングに潜在的なリークパスを形成し、このことはさらなるメンテナンスの問題を引き起こし得る。ケーシングにおいて半径方向の穴が多すぎることは、ケーシングの構造的完全性にも影響を与え得る。
【0015】
したがって、以下でさらに詳細に論じられるように、開示される実施形態は、圧縮機のケーシングの内部トラック内に配置され、割線に向きを合わせたセンサおよび光源を使用して圧縮機のブレード先端クリアランスを判定するためのシステムおよび方法を含む。例えば、特定の実施形態では、本システムは、ケーシングの内面に沿って周方向に配置されたトラック(例えば、チャネル)を利用することができる。トラックは、ブレード先端クリアランスを判定するために利用されるように構成されたセンサアセンブリを保持し得るアーチ状のマウントを受け入れるように構成され得る。センサアセンブリは、1つまたは複数の光源と1つまたは複数の光センサとを備えることができ、コントローラに通信可能に結合され得る。つまり、センサアセンブリおよびコントローラは、ブレード先端クリアランスを判定するように構成された測定システムを集合的に形成し得る。光源および光センサは、ブレード先端クリアランスを示すデータを収集するように構成され、コントローラは、収集されたデータに基づいてブレード先端クリアランスおよび他の測定値を判定するように構成される。
【0016】
説明上、光源は、ケーシングの内面上の第1の位置(例えば、第1の周方向位置または領域)からケーシングの内面上の第2の位置(例えば、第2の周方向位置または領域)に光を向けるように構成される。実際には、光センサは、光を検出するために第2の場所に配置され得る。換言すれば、1つまたは複数の光源は、1つまたは複数の光センサに向かって、ケーシングの内面(例えば、曲面または内周)を横切る割線として1つまたは複数の光を放出することができる。
【0017】
特定の実施形態では、光源は、対応する光センサに向かってコリメート光を放出することができる。コリメート光は、コリメート光を通過する個々のロータブレードによって遮断され得る(例えば、ブロックされ得る)。したがって、ケーシングの内面に対するブレード先端クリアランスは、コリメート光が遮られる、すなわち遮断される時間の持続時間に基づくことができる。さらに、特定の実施形態では、複数の光源が、半径方向に互いに平行に積み重ねられた複数のコリメート光(例えば、異なる半径方向高さの平行な光のビーム)を、ケーシングの内面を横切って、複数の同様に積み重ねられた光センサに向かって放出することができる。積み重ねられたコリメート光は、コリメート光を通過するロータブレードによって遮られ得る。したがって、ケーシングの内面に対するブレード先端クリアランスは、ロータブレードによって遮られるコリメート光のそれぞれの位置に基づくことができる。
【0018】
さらにまた、特定の実施形態では、光源は、センサのグループ(例えば、アレイ)に向かって光を放出することができる。光は、円錐形の光ビームなどの発散光であり得る。光の一部が、光を通過するロータブレードによって遮られ得る。したがって、ブレード先端クリアランスは、センサのグループのうち、ロータブレードが光を通過するときに光を検出しないセンサの数に基づくことができる。
【0019】
さらに、いくつかの実施形態では、ブレード先端クリアランスに加えて、測定システムは、ケーシングの真円度または湾曲、例えば、真円ではない状態(例えば、円形からの逸脱)およびそのような状態の程度を検出することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ケーシングの湾曲は、通常の動作中に経る応力に起因して、時間とともに変化する(例えば、変形する)場合がある。以下でさらに詳細に説明するように、測定システムは、そのような真円度の変化を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、測定システムは、経時的にブレード先端クリアランスおよびケーシングの湾曲を監視することができ、経時的なブレード先端クリアランスおよび湾曲の変動を特定することができる。ブレード先端クリアランスおよびケーシングの湾曲のこれらの変動を評価して、圧縮機の振動(oscillation)および/または振動(vibration)を検出することができる。
【0020】
図1は、ガスタービンエンジン12とコントローラ14(例えば、電子および/またはプロセッサベースのコントローラ)とを備えるタービンシステム10の実施形態のブロック図である。図示のガスタービンエンジン12は、圧縮機20(例えば、多段軸流圧縮機または圧縮機セクション)と、タービン22(例えば、多段タービンまたはタービンセクション)と、1つまたは複数の燃焼器26(例えば、燃焼器セクション)に結合された燃料ノズル24とを備える。圧縮機20およびタービン22は、ロータブレードおよびステータベーンの任意の数の段(例えば、列)をそれぞれ有し得る(例えば、1から20)。コントローラ14は、圧縮機20のケーシングに配置された光源16(例えば、レーザ)および光センサ18(例えば、光ファイバセンサ/検出器)の組に通信可能に結合され得る。
【0021】
例えば、光センサ18によって収集されたデータは、圧縮機20のロータブレードとケーシングとの間のクリアランスを判定するために使用され得る。以下で詳細に説明するように、コントローラ14は、光センサ18からのデータを受信し、収集されたデータに基づいて、圧縮機20のブレード先端クリアランスおよび他の動作パラメータを判定(例えば、計算または測定)することができる。本明細書で論じられるように、光センサ18、光源16、およびコントローラ14は、集合的に測定システム27を形成する。以下の説明は、圧縮機20との関連で測定システム27の実施形態を提示するが、測定システム27(例えば、光源16、光センサ18、およびコントローラ14)は、タービン22、ポンプ、蒸気タービン、水力タービン、またはそれらの任意の組み合わせなどの任意の回転機械に結合され得る。測定システム27の詳細を提示する前に、以下の議論は、ガスタービンエンジン12およびその動作の簡単な説明を提供する。
【0022】
動作中、圧縮機20は、圧縮性流体(例えば、空気、酸素、および/または排気ガスなどのガス)を圧縮し、圧縮された流体を燃料ノズル24および/または燃焼器26に送達するように構成される。圧縮性流体は任意の適切なガスを含み得るが、以下の議論は、一般に、圧縮性流体を1つの非限定的な例として酸化剤(例えば、空気)と呼ぶことができる。燃料ノズル24は、燃料(例えば、1つまたは複数の燃料供給部からの燃料)を1つまたは複数の燃焼器26(例えば、燃焼室内の燃焼器)に供給するように構成され、燃焼器26は、燃料を酸化剤(例えば、空気)とともに燃焼させて、タービン22を駆動するための高温の燃焼ガスを発生させる。燃料ノズル24は、予混合燃料ノズル24および/または拡散燃料ノズル24として設計され得る。予混合燃料ノズル24は、燃料を酸化剤(例えば、空気)と混合して、予混合タイプの火炎を生成する。拡散燃料ノズル24は、燃料を酸化剤と予混合しないため、拡散タイプの火炎を生成する。火炎のタイプに関係なく、高温の燃焼ガスは、燃焼器26からタービン22に流れ、それにより、軸32に沿ってタービンロータおよびシャフト30に結合されたタービンブレードの1つまたは複数の段の回転を駆動する。最終的に、高温の燃焼ガスは、排気出口28(例えば、排気スタック、排気端)を通ってタービン22を出る。
【0023】
図示の実施形態では、シャフト30の回転が圧縮機20および負荷36の回転も駆動するように、シャフト30は圧縮機20および負荷36に結合される。圧縮機20は、空気吸気口34を介して酸化剤(例えば、空気)を取り入れることができ、空気吸気口34は、フィルタ、熱制御システム、または任意の他の前処理システムを備え得る。負荷36は、発電機、回転機械、航走体の推進システム、または任意の他の適切な装置を含み得る。
【0024】
圧縮機20は、以下でより詳細に説明するように、複数の段に配置され得る回転するブレードと静止ベーン(例えば、翼形部)とが交互に配置された列を備え得る。酸化剤(例えば、空気)は、空気が圧縮機20内を下流に移動するにつれて、回転するブレードおよび対応するステータベーンの段または列において漸進的に圧縮され得る。図示の実施形態では、圧縮機20は、ブレードおよびベーンの列または段を少なくとも2つ有する多段軸流圧縮機20である。例えば、特定の実施形態では、多段軸流圧縮機20は、圧縮機ブレードおよびベーンの列または段を、任意の数(例えば、2から14またはそれ以上の任意の数)有し得る。
【0025】
ガスタービンエンジン12の特定の構成要素のより詳細な図を説明することは有益な場合がある。したがって、図2は、図1のガスタービンエンジン12の圧縮機20の実施形態の側断面図である。図2の説明を通して、一組の軸を参照する。これらの軸は、円筒座標系に基づいており、軸方向38(例えば、下流)、半径方向40、および周方向42を向いている。例えば、軸方向38は、軸32に略平行に圧縮機20を通って下流に延び、半径方向40は、軸32から離れるように延び、周方向42は、軸32を中心として延びる。
【0026】
動作中、空気は、空気吸気口34を通って圧縮機20に軸方向38に入り、多段軸流圧縮機20で加圧され得る。次に、圧縮空気は、タービン22を駆動して、シャフト30を周方向42に回転させ、ひいては多段軸流圧縮機20および負荷36を回転させるために、燃焼器26内で燃焼するための燃料と混合され得る。シャフト30の回転はまた、多段軸流圧縮機20内の1つまたは複数のブレード44(例えば、圧縮機ロータブレード)に、空気吸気口34によって受け取られた空気を引き込ませ、加圧させる。
【0027】
多段軸流圧縮機20は、複数のステータベーン50を有する静止ケーシング48(例えば、ステータ、ハウジング、または外壁)によって取り囲まれた複数のロータブレード44を有するロータアセンブリ46を備え得る。いくつかの実施形態では、圧縮機20の静止ケーシング48または空気吸気口34は、圧縮機20への流れを制御し得る1組または複数組の入口ガイドベーン52(IGV)(例えば、可変IGVステータベーン)を有し得る。圧縮機20は、2から30、2から25、2から20、2から14、または2から10の列もしくは段、またはそれらの間の任意の特定の数または範囲などの複数の列または段54を備え得る。各段において、多段軸流圧縮機20は、2から1000、5から500、または10から100のロータブレード44と、2から1000、5から500、または10から100の対応し隣接するステータベーン50の組とを備え得る。
【0028】
特に、多段軸流圧縮機20の図示の実施形態は、14段(54aから54nとして示されている)を含むが、より多いまたはより少ない段54を使用することもできる。各段54は、第1の軸方向位置に配置されたロータブレード44の組と、圧縮機20の長さに沿ってロータブレード44の組に隣接して第2の軸方向位置に配置されたステータベーン50の組とを有することが理解されよう。換言すれば、各段54は、圧縮機20において圧縮機20の長さに沿ってロータブレード44とステータベーン50とが交互に配置されるように、ロータブレード44とステータベーン50とが互いに軸方向にずらされている。ロータブレード44の各組は、シャフト30を中心として周方向42に(例えば、間隔を空けた構成で)延び、ステータベーン50の各組は、静止ケーシング48内で周方向42に(例えば、間隔を空けた構成で)延びる。
【0029】
使用中、ロータブレード44は、軸32を中心として、静止ケーシング48およびステータベーン50に対して周方向に回転することができる。ロータブレード44が回転すると、空気が空気吸気口34に入ることができる。その後、空気は、圧縮機20の様々な段54を横断し、軸方向38に多段軸流圧縮機20の下流に移動するにつれて圧縮される。次に、圧縮空気は、多段軸流圧縮機20の出口56を通って出ることができる。出口56は、一組の出口ガイドベーン58(EGV)を有し得る。圧縮機20を出る圧縮空気は、燃料と混合されても、燃焼器26に向けられても、タービン22に向けられても、タービンシステム10の他の場所で使用されてもよい。
【0030】
空気が圧縮機20を通過するときの空気の圧縮は、少なくとも部分的に、圧縮機20のロータ(例えば、ロータブレード44)とステータ(例えば、ケーシング48およびステータベーン50)との間のクリアランスに基づくことができる。これらのクリアランスを最小化することにより、より多くの空気を圧縮することができる。より具体的には、ロータブレード44とケーシング48の内面70との間のクリアランスは、圧縮機20の空気圧縮効率と直接的な相関関係を有し得る。実際、ロータブレード44と内面70との間のクリアランスが小さいほど、空気を圧縮する際の圧縮機20の効率が高くなる。そのため、ロータブレード44とケーシング48の内面70との間のクリアランス(例えば、ブレード先端クリアランス)が監視され得る。いくつかの実施形態では、圧縮機20の動作は、圧縮機20の効率を高めるためにブレード先端クリアランスに基づくことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ブレード先端クリアランスに基づいて、ロータブレード44の位置を調整したり圧縮機20に対してメンテナンスを実行したりできる。
【0031】
本明細書で論じられるように、圧縮機20のケーシング48は、ロータブレード44とケーシング48の内面70との間のクリアランスを示すデータを収集するために使用される光センサ18および光源16を収容するように構成される。これを念頭に置いて、図3は、圧縮機20のケーシング48の実施形態の斜視図である。特に、図3は、圧縮機20のケーシング48のケーシング部分80の斜視図である。実際、いくつかの実施形態では、ケーシング48は、ケーシング48を形成するために一緒に結合され得る複数のケーシング部分80から構成され得る。例えば、ケーシング48は、ケーシング48の全周を形成するために、軸32を中心として周方向42に配置された2つ、3つ、4つまたはそれ以上のケーシング部分80を備え得る。ケーシング48は、圧縮機20のロータアセンブリ46の周囲で周方向42に延びる。
【0032】
図3に示されるように、ケーシング48は、ケーシング48の内面70に結合された1つまたは複数のマウント82(例えば、アーチ状のマウント、インサート)を備え得る。さらに、ケーシング48は、内面70の周囲で周方向42に延び、軸方向38に沿って交互に配置されるロータブレード領域83とステータベーン領域84とを備え得る。ロータブレード領域83は、この領域に沿ってロータブレード44(図2)の先端が通過するように構成される領域であり得る。換言すれば、ケーシング48がロータアセンブリ46に結合されている場合、ロータブレード領域83は、軸方向38および半径方向40にロータブレード44と整列され得る。明示的に示されていないが、ステータベーン領域84は、ケーシング48の内面70から延びるステータベーン50(図2)を備え得る。実際、本明細書で論じられるように、特定の態様に注意を集中するために、図は意図的に簡略化されていることに留意されたい。つまり、ケーシング48は、例示的な図に明示的に示されていない追加の要素(例えば、ステータベーン50)を備え得る。
【0033】
マウント82は、ロータブレード領域83においてケーシング48の内面70に結合され得る。いくつかの実施形態では、マウント82の位置が、ロータブレード領域83を規定し得る。マウント82は、センサアセンブリ88(例えば、光センサ18および/または光源16)にハウジングを提供するように構成されたハウジング構造86をさらに備え得る。ハウジング構造86は、センサアセンブリ88がケーシング48の内面70の下方に配置され得るように、マウント82内に埋め込まれ得る。換言すれば、センサアセンブリ88は、ケーシングの内面70とケーシング48の外面90との間に半径方向40に配置され得る。したがって、理解されるように、センサアセンブリ88は、ロータブレード44がマウント82に沿って通過するときに、ロータブレード44の存在およびクリアランスを検出するように構成される。
【0034】
マウント82の湾曲は、ケーシング48の内面70の湾曲と実質的に一致し得る。このようにして、マウント82が(図示のように)ケーシング48に結合されるとき、マウント82の上面100は、ケーシング48の内面70と実質的に同一平面になり得る。特に、ケーシング48の内面70は、マウント82を受け入れるように構成されたトラック102(例えば、チャネル)を備え得る。特に、各トラック102は、ケーシング48の内面70に沿ってロータブレード領域83内などの周方向42に配置され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、各トラック102は、複数のマウント82を受け入れるように構成され得る。つまり、各マウント82は、両端にある周方向端部104を備え得る。いくつかの実施形態では、隣接するマウント82の周方向端部104は、マウント82がトラック102に挿入されるときに、接触してもよいし、一緒に結合されてもよい。実際、図示のように、各マウント82は、周方向端部104間に延びる任意の適切なそれぞれのアーチ状の長さを備え得る。このようにして、任意の適切な数のマウント82が各トラック102に挿入され得る。例えば、各ケーシング部分80は、例えば、ケーシング部分80の周方向42の長さに実質的に一致するようにサイズ決めされた、各トラック102内の単一のマウント82を備え得る。あるいは、各ケーシング部分80は、ケーシング部分80の各トラック102内に集合的に嵌合するようにサイズ決めされた等しいまたは異なる周方向42の長さの2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上のマウント82を備え得る。さらに、開示される実施形態は、複数の異なるマウント82群を含むことができ、各群は、以下でさらに詳細に論じられるように、センサアセンブリ88の特定の構成のために設計される。
【0036】
さらに、いくつかの実施形態では、マウント82は、センサアセンブリ88に結合されたワイヤ(例えば、導体)を整理および配線するように構成された上面100とは反対側に(例えば、底面110内に)配置された周方向のスロットを備え得る。このようにして、1つのトラック102内のマウント(複数可)82のハウジング86の複数の位置からのワイヤは、一緒にグループ化され得る。そのため、1つのトラック102内に配置されたセンサアセンブリ88からのワイヤは、ケーシング48にある単一すなわち共通の孔を通って、例えばコントローラ14に配線され得る。個々のセンサごとに半径方向の孔を必要とするセンサとは対照的に、開示される実施形態は、孔の数の実質的な削減を可能にし、ひいては、ケーシング48における潜在的なリークパスの数の削減を可能にする。さらに説明するために、図4は、破線4-4内で取られた、図3のケーシング48の部分切り欠き斜視図であり、マウント82のうちの1つの周方向端部104を示している。
【0037】
図示のように、マウント82は、マウント82の上面100がケーシング48の内面70と実質的に同一平面になり、かつ内面70に一致するような(例えば、内面70と実質的に同じ内部湾曲を有するような)輪郭を有するように、トラック102に結合され得る。トラック102と結合するために、マウント82は、トラック102の両側にある凹部114と係合するように構成された両側にあるフランジ112を備え得る。図示の実施形態では、両側にあるフランジ112および両側にある凹部114は、軸方向38に上流方向および下流方向に延びると同時に、マウント82およびトラック102の長さに沿って周方向42にも延びる。
【0038】
さらに、図示のように、マウント82の底面110は、周方向のスロット116を備え得る。上記のように、スロット116は、ハウジング86内に配置されたセンサアセンブリ88からのワイヤ118を配線するように構成され得る。いくつかの実施形態では、スロット116は、マウント82の底面110とトラック102との間、かつ両側にあるフランジ112間に配置された空間によって画定され得る。いくつかの実施形態では、スロット116は、マウント82の壁がスロット116を取り囲むように、マウント82の内部に全体が配置され得る。このようにして、それぞれのトラック102内に配置されたセンサアセンブリ88の一部または全部からのワイヤ118は、一緒にグループ化され、ケーシング部分80を通る単一の出口を通って配線されて、コントローラ14などの外部装置に通信可能に結合され得る。
【0039】
理解されるように、マウント82のハウジング86により、光源16が光を内面70の円周を横切る割線(例えば、幾何学的弦)として光センサ18に向かって送出するように光センサ18および光源16を向けることができる。換言すれば、センサアセンブリ88は、光が圧縮機20の軸32に向かって半径方向40に向けられないように、内面70を横切る光を送ったり受けたりすることができる。特定の実施形態では、各マウント82の一部または全部は、ケーシング48の内部湾曲にも適合しながら、光源16と光センサ18との間で光を透過するように構成された透明材料で構築され得る。
【0040】
一般に、センサアセンブリ88は、ケーシング48の内面70を実質的に直線的に横切る光を送ったり受けたりするように構成される。光の一部は、マウント82の透明材料を通過することができ、光の残りの部分(例えば、大部分)は、クリアランス測定を容易にするために、接線方向にケーシング48の内部容積を直接通過することができる。ロータブレード44は、光を通過(例えば、遮断、ブロック)することができる。光センサ18は、光を通過するロータブレード44の結果として様々なデータを収集することができる。次に、コントローラ14は、データを受信し、光センサ18から受信した様々なデータに基づいて、ブレード先端クリアランス、真円度、振動、および他のパラメータを計算することができる。例えば、受信したデータは、光源16と光センサ18との間の各光のビームの光ブロックの持続時間、1つまたは複数の光源16と複数の光センサ18との間のブロックされた光ビームの数および位置、またはそれらの組み合わせを含み得る。コントローラ14はまた、ロータおよび/またはロータブレード44の回転速度などの他の動作データを取得することができる。
【0041】
図5は、ケーシング48の内周70に沿って移動して光源16と光センサ18との間の光路120(例えば、内周70に沿った割線)を横切るロータアセンブリ46のブレード44を示す、図3のケーシング48におけるセンサマウント82のうちの1つに結合された光源16および光センサ18を有する測定システム27のセンサアセンブリ88の実施形態の概略断面図である。センサアセンブリ88は、ロータアセンブリ46のロータブレード44のブレード先端クリアランス119を検出するように構成される。簡単のために、図5は、ロータアセンブリ46の1つのロータブレード44を示している。ただし、ロータアセンブリ46は、中央のロータ、ハブ、またはシャフトに結合された複数のロータブレード44を備え、ロータブレード44は、軸32を中心として周方向42に間隔を空けて配置される。ブレード先端クリアランス119は、ロータブレード44の遠位端121からケーシング48の内面70および/またはマウント82の上面100までの、半径方向40に測定される距離として定義され得る。
【0042】
現在の実施形態に示されるように、センサアセンブリ88は、少なくとも1つの光源16(例えば、単一の光源16)と少なくとも1つの光センサ18(例えば、単一の光センサ18)とを備え得る。特に、センサアセンブリ88は、マウント82を介して提供されるハウジング86に配置され得る。いくつかの実施形態では、光源16および光センサ18は、それぞれの別個のハウジング86に配置され得る。いくつかの実施形態では、光源16および光センサ18は、共通のハウジング86に配置され得る。光源16および光センサ18は、ケーシング48および/またはマウント82の内面70(例えば、内周)に対して実質的に同一平面にあり得る、または凹状にされ得る。
【0043】
さらに、マウント82は、光源16と光センサ18との間の光路に沿って延びる透明部分123を備え得る。例えば、図示の実施形態および本明細書に開示される各実施形態では、マウント82全体が透明材料で形成されてもよいし、マウント82が、光源16と光センサ18との間に延びる凹部またはスロット125に透明部分123(例えば、透明インサートまたは注入された透明材料)を備えてもよい。透明部分123の外面は、ケーシング48および/またはマウント82の内面70(例えば、内周)の湾曲に実質的に一致するような輪郭を有するようにされてもよい。
【0044】
図示のように、光源16は、光120(例えば、光ビーム、コリメート光、レーザ光)を光路に沿って光センサ18に向けるように構成される。本明細書の文脈上、参照番号120は、光源16によって生成された光、または光源16と光センサ18との間の光路のいずれかを指す。本明細書で論じる場合、光120は、実質的に発散がなく、実質的に平行な光線を有する光などのコリメート光であり得る。光センサ18は、光センサ18が光120を受けているか否かを検出するように構成される。つまり、ロータブレード44は、光120を通過することができ、それにより、ロータブレード44が光120の経路内に配置されている間(すなわち、光をブロック、妨害、または遮断している間)、光センサ18が光120を受けるのを妨げる。
【0045】
説明上、ロータブレード44は、ロータ経路122に沿って移動するように構成され得る。ロータ経路122は、ケーシング48の内面70と実質的に同心であり得る。しかしながら、以下で論じられるように、いくつかの実施形態では、ロータアセンブリ46は、振動(oscillate)または振動(vibrate)する場合があり、これにより、ロータ経路122にも変動が生じ得る。ロータブレード44は、ロータ経路122に沿って、順次、第1の位置124から第2の位置126、第3の位置128、第4の位置130、第5の位置132、第6の位置134、および第7の位置136を通って連続的に移動するように構成される。実際、別個の位置として示されているが、ロータブレード44は、クリアランス測定中、実質的に一定の回転速度で第1の位置124から第7の位置136まで連続的に移動し得ることを理解されたい。さらに、ロータ経路122は、ケーシング48全体に沿って周方向42に延び得ることに留意されたい。
【0046】
図示のように、ロータブレード44は、第1の位置124にある間、光120の外側に配置され得る(例えば、光120を妨害またはブロックしない)。次に、ロータブレード44は、第2の位置126から第6の位置134にある間、光120内に配置され得る(例えば、光120を妨害またはブロックする)。ロータブレード44が光の光路120内に配置されている間(例えば、ブロックまたは遮断している間)、光センサ18は、光120を受けない(例えば、検出しない)。そして、ロータブレード44は、第7の位置136にある間、光120の外側に配置され得る。
【0047】
光センサ18は、信号をコントローラ14に送信(例えば、通信、伝送)することができ、信号は、光センサ18が光を受けている持続時間、および/または光を受けていない持続時間を示す。例えば、光センサ18は、光の存在または欠如を示す信号をコントローラ14に送信することができ、次に、コントローラ14は、信号(例えば、光の存在または不在)を、光の存在の持続時間および光の不在の持続時間を示すクロックに相互に関連付けることができる。コントローラ14はまた、圧縮機20の回転速度など、タービンシステム10のパラメータを測定する1つまたは複数の追加のセンサからのセンサデータを受信することができる。次に、コントローラ14は、光センサ18から取得された光の欠如の持続時間をロータブレード44の回転速度と比較して、ブレード先端クリアランス119を計算することができる。実際、ロータブレード44が光120を遮っている時間の持続時間は、ブレード先端クリアランス119に直接相互に関連付けられ得る。
【0048】
つまり、光120がロータブレード44によってブロックされる時間が長いほど、ブレード先端クリアランス119が小さいことを示し、光120がロータブレード44によってブロックされる時間が短いほど、ブレード先端クリアランス119が大きいことを示す。例えば、光センサ18が、ロータブレード44の回転速度を考慮したときに、光源16から光センサ18までの全距離に対応する持続時間の光の欠如を検出した場合、コントローラ14は、ブレード先端クリアランス119が最小である(例えば、略ゼロまたは実質的にゼロに近い)と計算する。対照的に、光センサ18が、ロータブレード44の回転速度を考慮したときに、光源16から光センサ18までの無視できる距離(例えば、全距離の0.01パーセント)に対応する持続時間の光の欠如を検出した場合、コントローラ14は、ブレード先端クリアランス119が測定システム27によって検出可能な最大である(例えば、内面70と光の光路120との間の半径方向40の距離)と計算する。同様に、コントローラ14は、光の欠如の持続時間が上記の例の間のどこかにあるとき、最小と最大との間のブレード先端クリアランス119を計算するように構成される。
【0049】
特定の実施形態では、コントローラ14は、ビーム高さ127を、光源16から光センサ18までの光の光路120に沿った各位置に相互に関連付けるデータ、光源16と光センサ18との間の周方向距離、および特定のビーム高さ127と、光の光路120の遮断の開始点129と終了点131との間の周方向距離との間の相関関係を格納することができる。この相関関係、回転速度、および光の欠如の測定された持続時間に基づいて、コントローラ14は、ブレード先端クリアランス119を計算するようにプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、コントローラ14は、回転速度、光の欠如の測定された持続時間、および様々な既知のパラメータに基づいてブレード先端クリアランス119を判定するように構成されたルックアップテーブル、方程式、コンピュータモデル、または他の計算技法を含み得る。
【0050】
センサアセンブリ88のそれぞれは、ケーシング48の内面70に沿ったそれぞれのクリアランス位置144(例えば、周方向42に間隔を空けて配置された光源16および光センサ18を有する領域)におけるブレード先端クリアランス119を示すデータを収集するように構成され得る。現在図示の実施形態では、クリアランス位置144は、光源16と光センサ18との間のケーシング48の内面70に沿った周方向距離(例えば、角距離または弧長)によって定義され得る。そのため、コントローラ14は、ケーシング48のクリアランス位置144に含まれる周方向距離に対するブレード先端クリアランス119の近似値(例えば、平均)を判定することができる。
【0051】
例えば、特定の実施形態では、各クリアランス位置144の角距離は、1から15度、1から10度、または1から5度であり得る。特定の実施形態では、各クリアランス位置144の弧長は、ゼロより大きく、かつケーシング48の内面70の円周の1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、または5パーセント未満であり得る。測定システム27は、光源16と光センサ18との間に等しいまたは異なる周方向距離(例えば、角距離または弧長)を有するセンサアセンブリ88を備えることができ、光源16と光センサ18とは、ケーシングの48の内面70の円周の周囲に間隔を空けて配置された異なる周方向位置に配置され得る。いくつかの実施形態では、クリアランス位置144は、ケーシング48の2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ以上の等間隔に配置された周方向位置に配置され得る。例えば、クリアランス位置144は、ケーシング48の4つの周方向に間隔を空けて配置された位置、例えば、3時の位置、6時の位置、9時の位置、および12時の位置などに配置され得る。
【0052】
コントローラ14は、センサデータを監視し、ロータブレード44のブレード先端クリアランス119を経時的に測定するように構成されて、クリアランス119の傾向を判定し、一回転ごとに各段の複数またはすべてのロータブレード44のクリアランス119を比較し、ロータブレード44および/またはケーシング48の振動(oscillation)または振動(vibration)を特定し、壊滅的な事象(例えば、ブレード先端の破損)を示す突然の変化を特定し、圧縮機20の異なる段間でクリアランス119を比較し、将来のクリアランス119および圧縮機20効率への影響を予測し、許容できないクリアランス119の問題を修正するためにメンテナンスまたは修理をスケジュールし、測定されたクリアランス119に基づいてシステム10を制御する。
【0053】
図6は、ケーシング48とロータアセンブリ46のブレード44との間のクリアランス119を判定するために使用される光路120の妨害の持続時間を示す、図5のセンサアセンブリ88から取得され、コントローラ14によって受信されたデータの実施形態を表すグラフ150である。グラフ150は、光センサ18が光を受けているか否かを示す光検出軸152を備え得る。グラフ150は、時間を示す時間軸154をさらに備え得る。図示のように、光検出軸152は2値であり得る。つまり、光センサ18は、光を受けている「1」で示される場合と、光を受けていない「0」で示される場合とのいずれかであり得る。図示のように、時間軸154の「t1」から「t2」まで、光センサ18は光を受けていない場合がある。特に、「t1」から「t2」まで、ロータブレード44は光をブロックする場合がある。コントローラ14は、光センサ18が光120を受けていない持続時間、速度センサによって測定されたロータブレード44の回転速度、およびセンサアセンブリ88の既知のパラメータ(例えば、光源16と光センサ18との間の周方向距離、ケーシング48の内周の半径、および/または光の光路120に沿ったビーム高さ127)に基づいて、ブレード先端クリアランス119を判定することができる。
【0054】
図7は、図5の測定システム27(例えば、光センサ18、光源16、およびコントローラ14)を使用してケーシング48とロータアセンブリ46のブレード44との間のクリアランス119を測定するプロセス158の実施形態のフローチャートである。ブロック160において、光のビーム(例えば、光120)は、ロータ(例えば、ロータアセンブリ46のロータブレード44)を取り囲むケーシング(例えば、ケーシング48)に沿って、光源(例えば、光源16)から光センサ(例えば、光センサ18)に送出され得る。本明細書で論じる場合、ロータは、シャフト30または他の回転物体などの任意の適切なロータであり得る。実際、理解されるように、本明細書で論じられる実施形態は、任意の適切なロータと対応するケーシング(例えば、ハウジング)との間のクリアランス119の判定に広く適用可能であり得る。
【0055】
ブロック162において、プロセス158は、光のビーム120の遮断の持続時間を検出する。特に、プロセス158は、光センサ18が光のビーム120を受けるのをロータ(例えば、ロータブレード44)がブロックする持続時間を測定する。いくつかの実施形態では、持続時間は、光センサ18および/またはコントローラ14によって測定され得る。ブロック164において、プロセス158は、遮断の持続時間およびロータの回転速度に少なくとも部分的に基づいて、クリアランス119を計算する。いくつかの実施形態では、回転速度は、直接測定されたパラメータ(例えば、回転速度センサを介して)であってもよいし、事前に定められてもよい。つまり、ロータは、事前に定められた回転速度で回転されていてもよい。
【0056】
さらに、いくつかの実施形態では、クリアランス119は、ロータの振動(oscillation)または振動(vibration)をさらに計算するために使用され得る。例えば、ブロック166において、ロータのクリアランスは、経時的に監視され得る。特に、いくつかの実施形態では、ロータとケーシング48との間のクリアランス119は、ケーシングにおける1つまたは複数のクリアランス位置(例えば、それぞれのクリアランス位置144)に対して監視され得る。より具体的には、ロータ上の特定の点のクリアランス119は、ケーシング48のいくつかのクリアランス位置に関して監視され得る。加えて、いくつかの実施形態では、ロータの複数の点(例えば、複数のロータブレード44)は、ケーシング48の複数のクリアランス位置に関して監視され得る。理解されるように、特定のロータ点のクリアランス119は、クリアランス位置144を通る連続する回転にわたって変化し得る、および/または別個のクリアランス位置144に対して変化し得る。換言すれば、ロータは、クリアランス119が経時的に変化し得るように、ケーシング48に対して振動(oscillate)および/または振動(vibrate)し得る。
【0057】
ブロック168において、プロセス158は、経時的なクリアランス119の変動を特定し得る。例えば、上で論じたように、ロータのクリアランス119のインスタンスが、ケーシング48に沿ったクリアランス位置144に対して監視され得る。したがって、クリアランス119の各監視された(例えば、測定された)インスタンス間の変動(例えば、差分、クリアランスの傾向)が、時間に関して監視され得る。ブロック170において、ブロック168で特定された変動が評価されて、ある期間中のクリアランス119の振動を判定することができる。特に、経時的なロータのクリアランス119の変動は、ロータが1つまたは複数の周波数で振動していることを示し得る。したがって、いくつかの実施形態では、振動の周波数が判定され得る。
【0058】
ブロック172において、ロータのクリアランス、変動、および振動が、出力装置に出力され得る。例えば、いくつかの実施形態では、出力装置は、ユーザインターフェースを有するコンピュータ(例えば、コントローラ14)であり得る。クリアランス、変動、および/または振動を示すデータは、ユーザインターフェース(例えば、電子ディスプレイまたはモニタ)を介して表示され得る。いくつかの実施形態では、データは、グラフ(例えば、時間に対するクリアランス、変動、および/または振動)、ロータのグラフィック表現(例えば、2Dまたは3D画像)、または任意の他の適切な方式の形態で描写され得る。
【0059】
ブロック174において、システム10の動作は、ブロック172の出力に基づいて制御(例えば、調整)され得る。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、コントローラ14)は、システム10(例えば、圧縮機20)の動作を制御して、ロータの望ましくないクリアランス、変動、および/または振動を修正または補償することができる。いくつかの実施形態では、動作の制御は、ロータのメンテナンスまたはメンテナンス要求の処理を介して実施され得る。
【0060】
図8は、ケーシング48の内周70に沿って移動して光源16と光センサ18との間の1つまたは複数の光路120(例えば、内周70に沿った割線)を横切るロータアセンブリ46のブレード44を示す、図3のケーシング48におけるセンサマウント82のうちの1つに結合された複数の光源16および複数の光センサ18を有する測定システム27のセンサアセンブリ88の実施形態の概略断面図である。センサアセンブリ88は、ロータアセンブリ46のロータブレード44のブレード先端クリアランス119を検出するように構成される。簡単のために、図8は、ロータアセンブリ46の1つのロータブレード44を示している。ただし、ロータアセンブリ46は、中央のロータ、ハブ、またはシャフトに結合された複数のロータブレード44を備え、ロータブレード44は、軸32を中心として周方向42に間隔を空けて配置される。
【0061】
現在の実施形態に示されるように、センサアセンブリ88は、複数の光源16と少なくとも対応する数の光センサ18(例えば、光源16と光センサ18とが1:1の比率)とを備え得る。センサアセンブリ88は、光源16および光センサ18を複数の対に配置し、各対は、光源16を光センサ18と整列させて、光の光路120を規定する。複数の対の光の光路120は、実質的に平行であり、半径方向に(例えば、半径方向に積み重ねられた光のビーム120における)わずかな距離だけ互いにずらされてもよく、光の光路120は、ケーシング48の半径178に垂直であり、ケーシング48の内面70に沿った内周に実質的に接してもよい。図示の実施形態は、光路120aから120eを規定する、5つの光センサ18と整列された5つの光源16の5対を含む。ただし、センサアセンブリ88の実施形態は、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、20、25、30またはそれ以上の光源16および対に構成された光センサ18を備えてもよい。
【0062】
センサアセンブリ88は、マウント82を介して提供されるハウジング86に配置され得る。いくつかの実施形態では、光源16および光センサ18のそれぞれは、それぞれの別個のハウジング86に配置され得る。いくつかの実施形態では、光源16および/または光センサ18のうちの2つ以上は、共通のハウジング86に配置され得る。
【0063】
光源16および光センサ18は、ケーシング48および/またはマウント82の内面70(例えば、内周)に対して実質的に同一平面にあり得る、または凹状にされ得る。さらに、マウント82は、光源16と光センサ18との間の光路に沿って延びる透明材料123(例えば、連続的な、またはセグメント化された一片の透明材料)を備え得る。例えば、図示の実施形態および本明細書に開示される各実施形態では、マウント82全体が透明材料で形成されてもよいし、マウント82が、光源16と光センサ18との間に延びる凹部またはスロット125に透明部分123(例えば、透明インサートまたは注入された透明材料)を備えてもよい。透明部分123の外面は、ケーシング48および/またはマウント82の内面70(例えば、内周)の湾曲に実質的に一致するような輪郭を有するようにされてもよい。
【0064】
図示のように、光源16のそれぞれは、光路に沿ってそれぞれの光120をそれぞれの光センサ18に向けるように構成される。上記のように、光120のそれぞれは、実質的に発散がなく、実質的に平行な光線であるなど、実質的にコリメート光であり得る。光センサ18のそれぞれは、それぞれの光120を検出する(例えば、受ける)ように構成される。実際、いくつかの実施形態では、各光源16は、対応する光センサ18と半径方向高さ180が等しくてもよい(例えば、光源16と光センサ18との間の光の光路120に沿った中間点から測定した場合)。半径方向高さ180は、クリアランス位置144においてケーシング48の内面70から半径方向40に測定され得る。
【0065】
現在図示の実施形態では、クリアランス位置144は、光源16および光センサ18の特定の対、例えば最も外側の対において、光源16と光センサ18との間のケーシング48の内面70に沿った周方向距離(例えば、角距離または弧長)によって定義され得る。光源16および光センサ18の各対の半径方向高さ180は、光の光路120と内面70との間の最大半径方向高さとして定義され得、最大半径方向高は、特定の対の光源16と光センサ18と間の中間点における半径方向高さに対応し得る。半径方向高さ180は、光源16および光センサ18の一連の対において、ある対から次の対へと漸進的に増加し得、半径方向高さの増分変化(例えば、増加)は、ブレード先端クリアランス119のより細かい(またはより高い精度の)測定を提供するために比較的小さくなり得る。
【0066】
したがって、複数の光源16から複数の光センサ18に向けられた複数の光の光路120は、(例えば、半径方向に積み重ねられた平行な光ビームを形成する)複数の半径方向高さ180における曲面(例えば、内周70または上面100)から半径方向に間隔を空けて配置され得る。これらの半径方向高さ180は、システム10の動作中にブレード先端クリアランス119を計算する際に使用するために、正確に測定され、コントローラ14のメモリに格納され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、各それぞれの光源16は、それぞれの光120を別個のそれぞれの波長(例えば、光の色)で送出することができる。したがって、いくつかの実施形態では、各それぞれの光センサ18は、対応する光源16(例えば、光センサ18と同じ半径方向高さ180にある光源16)から放出される光120のそれぞれの波長のみを検出するように構成され得る。しかしながら、測定システム27の実施形態はまた、各光センサ18が任意の光源16からの光を検出することを可能にして、特定の光センサ18での光120(または予期しない光センサ18での光120)の波長の予期しない検出が、真円ではない状態(例えば、ケーシング48の内周が円形ではない)、振動状態、ミスアライメント状態、または他の何らかの問題を示し得るようにしてもよい。
【0068】
例えば、センサアセンブリ88は、第1の半径方向高さにある第1の対、第1の半径方向高さよりも大きい第2の半径方向高さにある第2の対、第2の半径方向高さよりも大きい第3の半径方向高さにある第3の対、第3の半径方向高さよりも大きい第4の半径方向高さにある第4の対、および第4の半径方向高さよりも大きい第5の半径方向高さにある第5の対における光源16および光センサ18を備える。第3の組の光センサ18が第1、第2、第4、または第5の組の光源16からの光を受けた場合、光センサ18またはコントローラ14は、光センサ18が受けた光の波長に応じて、(例えば、予期しない波長に起因して)予期せず光120を受けたことを特定し、ミスアライメントまたは真円ではない状態およびその程度を特定することができる。例えば、コントローラ14は、受けた波長(例えば、第3の組の光センサ18で受けた波長)が、光源16および光センサ18の第4の組ではなく第5の組、またはさらに外側の第6の組、第7の組、または第8の組に対応する場合、ミスアラインメントまたは真円ではない状態の程度がますます大きいことを推定するように構成され得る。
【0069】
ロータブレード44は、ロータ経路122に沿って回転するように構成される。ロータブレード44がロータ経路122に沿って移動するとき、ロータブレード44は、クリアランス位置144を通って移動し、光源16から光センサ18に向かって送出されている光の光路120のうちの1つまたは複数を妨害し得る。したがって、ロータブレード44がロータ経路122に沿って移動し、光の光路120(例えば、互いに半径方向にずらされた平行な光路)のうちの1つまたは複数を遮るとき、その妨害に起因して、光センサ18のうちの1つまたは複数は光120を検出しない(例えば、受けない)場合がある。センサアセンブリ88における各光センサ18の位置および検出状態(例えば、光を検出しているか光を検出していないか)はブレード先端クリアランス119を示す。これは、光源16と光センサ18との各対の間の光の光路120が、異なる半径方向高さ180(例えば、光源16と光センサ18との各対の間の最大半径方向高さ)に配置されているためである。
【0070】
図示の実施形態では、センサアセンブリ88は、5つの異なる光路に沿って、例えば、第1の光の光路120a、第2の光の光路120b、第3の光の光路120c、第4の光の光路120d、および第5の光の光路120eに沿って光120を送ったり受けたりするための5対の光源16および光センサ18を備える。しかしながら、センサアセンブリ88の実施形態は、光の光路120がケーシング48の内面70から離れるように順次より大きな半径方向高さ180に構成された、光源16および光センサ18の任意の数の対(例えば、2から1000またはそれ以上の任意の数)を備えて、ブレード先端クリアランス119が、より大きな半径方向高さ180にわたって、および/またはより狭い間隔の光の光路120によってより高い精度で測定され得るようにすることもできる。より大きなブレード先端クリアランス119を有するロータブレード44は、より大きな半径方向高さ180に関連付けられた光の光路120(例えば、内面70からより遠くに配置された光源16および光センサ18の対)のみを通過することができる。対照的に、より小さなブレード先端クリアランス119を有するロータブレード44は、より小さい半径方向高さ180に関連する光、ならびにより大きな半径方向高さ180に関連付けられた光120を通過することができる。
【0071】
図8に示されるクリアランス位置144において、図示のロータブレード44は、光センサ18によって感知される光の光路120a、120b、120c、および120dを遮るが、光センサ18によって感知される光の光路120eを遮らない。結果として、半径方向に最も内側の(すなわち、回転軸32に最も近く、内面70から最も遠い)4つの光センサ18は光が遮られていることを示し、半径方向に最も外側の(すなわち、回転軸32から最も遠く、内面70に最も近い)1つの光センサ18は、光が遮られていないことを示す。よって、コントローラ14は、光センサ18からの信号を受信して処理して、光が遮られていることおよびそれらの対応する位置(例えば、半径方向高さ180)、ならびに光が通過していることおよびその対応する位置(例えば、半径方向高さ180)を特定して、ブレード先端クリアランス119を測定または推定する。例えば、コントローラ14は、ブレード先端クリアランス119を、ロータブレード44によって遮られない唯一の光路である光の光路120eに対応する半径方向高さ180に等しいと計算または推定することができる。
【0072】
しかしながら、複数の光センサ18が光源16からの光120を受ける場合、コントローラ14は、光センサ18からの信号を受信して処理して、ブレード先端クリアランス119を、遮られていない光の光路120の最大半径方向高さ180に等しいと計算または推定することができる。別の例として、ロータブレード44が第1の光の経路120aおよび第2の光の経路120bを遮断していることを光センサ18が検出すると同時に、ロータブレード44が第3の光の経路120c、第4の光の経路120d、および第5の光の経路120eを遮断していないことも光センサ18が検出する場合、コントローラ14は、光センサ18からの信号を受信して処理して、ロータブレード44のブレード先端クリアランス119を、光の光路120cに対応する半径方向高さ180(すなわち、3つの遮られていない光の経路120c、120d、および120eの最大半径方向高さ180)に等しいと計算または推定することができる。
【0073】
ブレード先端クリアランス119の測定の精度は、光源16および光センサ18の異なる対の間の光の光路120間の半径方向の間隔に少なくとも部分的に依存する。したがって、半径方向の間隔が近いほど、ブレード先端クリアランス119の測定の精度が高くなる。特定の実施形態では、コントローラ14は、図8について説明した測定技法と組み合わせて、図5図7を参照して上記した方式と同様に、光の光路120の遮断の持続時間をさらに測定して、精度を改善することができる、および/またはブレード先端クリアランス119の測定に冗長性をもたせることができる。
【0074】
図9は、図8のセンサアセンブリ88から取得されたデータに基づいて、コントローラ14がケーシング48とブレード44との間のブレード先端クリアランス119を判定するために利用できるルックアップテーブル159の実施形態である。コントローラ14は、ルックアップテーブル159をメモリに格納し、メモリに格納され、プロセッサ上で実行可能な測定コードを実行して、ルックアップテーブルおよびセンサデータに基づいてブレード先端クリアランス119を判定することができる。上記のように、光源16および光センサ18の各対は、ブレード先端クリアランス119、182(例えば、半径方向高さ180)に関連付けられた光の光路120を有する。例えば、第1の光120aは第1のクリアランス182aに関連付けられてもよく、第2の光120bは第2のクリアランス182bに関連付けられてもよく、第3の光120cは第3のクリアランス182cに関連付けられてもよく、第4の光120dは第4のクリアランス182d関連付けられてもよく、第5の光120eは第5のクリアランス182eに関連付けられてもよい。図示のように、クリアランス182は、第1のクリアランス182aが第2のクリアランス182bよりも大きくなるというように、降順であり得る。
【0075】
コントローラ14は、(光センサ18から)それぞれの光センサ18がそれぞれの光120を受けている(例えば、検出している)か受けていないかを示すデータを受信することができる。次に、コントローラ14は、データに基づいてルックアップテーブル159を利用して、クリアランス182を判定することができる。例えば、光センサ18からの受信データは、光センサ18が第1の光120a、第2の光120b、および第3の光120cを少なくとも一時的に検出しなかったが、光センサ18が第4の光120dおよび第5の光120eを検出したことを示し得る。したがって、コントローラ14は、ブレード先端クリアランス119が第3のクリアランス182cより小さく、少なくとも第4のクリアランス182dに等しく、第3のクリアランス182cと第4のクリアランス182dとの間である可能性があると判定することができる。
【0076】
図10は、ケーシング48の内周70に沿って移動して光源16と光センサ18との間の1つまたは複数の光路120(例えば、内周70に沿った割線)を横切るロータアセンブリ46のブレード44を示す、図3のケーシング48におけるセンサマウント82のうちの1つに結合された複数の光源16および複数の光センサ18を有する測定システム27のセンサアセンブリ88の実施形態の概略断面図である。以下に説明するように、センサアセンブリ88の図示の実施形態は、図8および図9を参照して上で説明したのと実質的に同様であるが、さらにケーシング48の真円度(または真円ではない状態)を測定するための特徴を含んで、ブレード先端クリアランス119を測定するように構成され得る。簡単のために、図10は、ロータアセンブリ46の1つのロータブレード44を示している。ただし、ロータアセンブリ46は、中央のロータ、ハブ、またはシャフトに結合された複数のロータブレード44を備え、ロータブレード44は、軸32を中心として周方向42に間隔を空けて配置される。
【0077】
現在の実施形態に示されるように、センサアセンブリ88は、光源16および光センサ18の複数の対を備え、各対は、光源16を光センサ18と整列させて、光の光路120を規定する。光源16および光センサ18の各対の整列、および対応する光の光路120は、ケーシング48の内面70(例えば、内周)およびマウント82の上面100の湾曲(例えば、環状表面)に対して割線を定義し得る。つまり、光路120は、内面70の湾曲と2点で交差し得る。
【0078】
さらに、光源16および光センサ18の複数の対およびそれらの対応する光の光路120は、実質的に平行であり、介在する間隙(例えば、半径方向間隙)によって互いに半径方向に間隔を空けて配置され得、それにより、内面70に対して複数の半径方向高さにある半径方向に積み重ねられた光のビーム120を規定する。介在する間隙は、複数の光の光路120間で均一(または可変)であり得る。
【0079】
上記のように、光源16および光センサ18(例えば、センサアセンブリ88)は、ケーシング48のトラック102と係合するマウント82に結合され得る。いくつかの実施形態では、センサアセンブリ88は、マウント82のインセット190(例えば、凹部)に結合され得る。マウント82のインセット190は、マウント82の上面100の下に延びるマウント82の空間によって画定されてもよく、上面100は、ケーシング48の内周の湾曲に一致するような輪郭を有する。いくつかの実施形態では、マウント82のインセット190は、上記のように、凹部またはスロット125内の透明部分123(例えば、透明インサートまたは注入された透明材料)などの透明材料192を備え得る。透明材料192は、光120が透過され得る固体媒体であり得る。光源16は、インセット190に配置されて、光の光路120を、少なくとも部分的にインセット190を通って(例えば、透明材料192を通って)光センサ18に向かって送出することができる。
【0080】
例えば、図示の実施形態では、光源16は、インセット190の第1の側193に配置され、光センサ18は、インセット190の第2の側195に配置され、第1の側193と第2の側195とは、光源16と光センサ18との間の間隔が半径方向40で均一であるように、互いに平行であり得る。しかしながら、特定の実施形態では、第1の側193と第2の側195とは、光源16と光センサ18との間の間隔が半径方向40に変化するように、互いに対して角度を付けられ得る(例えば、半径方向内向き方向に発散または収束する)。
【0081】
さらに、いくつかの実施形態では、マウント82のインセット190は、上面100を超えて延びることなく(例えば、上面100と同一平面にある)、透明材料192の基部191および凹部125から半径方向内向きに延びる隆起部分194を備え得る。隆起部分194は、光源16から光センサ18に向かって送出される光の光路120のうちの1つまたは複数をブロックするように構成され得る。つまり、ケーシング48の内周の真円状態では、隆起部分194は、1つまたは複数の光源16から送出される光120を1つまたは複数の光センサ18が受けるのをブロックするように構成され得る。さらに、図示のように、いくつかの実施形態では、センサアセンブリ88は、対応する光源16と直接対にされていない1つまたは複数の補助光センサ196を備え得る。いくつかの実施形態では、隆起部分194によってブロックされた光の光路120に対応する光センサ18は、同様に、補助光センサ196と見なされ得る。しかしながら、補助光センサ18、196の数は、隆起部分194に向けられた対応する光源16の数よりも多くてもよい。補助光センサ196を単独で、または光センサ18と組み合わせて利用して、ケーシング48の真円度の変化を検出することができる。さらに、現在図示されている実施形態は、3つの補助光センサ196を含むが、本明細書で論じられる実施形態は、任意の適切な数の補助光センサ196を備え得ることに留意されたい。
【0082】
いくつかの実施形態では、ケーシング48の真円度は、時間とともに変化し得る。ケーシング48の真円度は、ケーシング48の形状(例えば、内周70)が数学的に完全な円の形状にどれだけ接近しているかの尺度として定義され得る。ケーシング48の真円度は、ケーシング48が圧縮機20の動作中に熱膨張および収縮、熱応力、または他の問題を経るにつれて変化し得る。いくつかの実施形態では、ケーシング48の真円度が変化すると、光120が送出される角度(例えば、ケーシング48に対する送出角)も同様に変化し得る。特に、そのような実施形態では、光120の角度は、補助光センサ196または意図されていない光センサ18が光120のうちの1つまたは複数を検出し得るように変化し得る。実際、補助光センサ196における光120の検出は、ケーシング48の真円度の変化を示し得る。さらに、いくつかの実施形態では、ケーシング48の真円度が変化すると、特定の光源16からの光を検出するように配置された光センサ18は、その代わりに異なる光源16からの光を検出し得、このことは、ケーシング48の真円度の変化をさらに示し得る。
【0083】
例えば、上記のように、いくつかの実施形態では、各光120は、それぞれの波長に関連付けられてもよく、光センサ18は、対応して、それぞれの波長を検出するように構成されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ケーシング48の真円度が変化し、光120の角度が変化すると、それぞれの光センサ18が受け得る波長が同様に変化し得る(例えば、光センサ18は、予期しない波長の光120を受けることがある)。よって、ケーシング48の真円度の変化は、光120を検出する補助光センサ196および/または光120の送出角の変化に起因する予期しない光源16からの光120を検出する光センサ18によって判定され得る。
【0084】
コントローラ14は、様々な光センサ18および196からの感知された信号を処理し、感知された光120の波長に基づいて光源16および予期される位置を特定し、光の光路120の偏差に基づいて真円度の偏差量を計算することによって、真円ではない状態およびその程度を判定するように構成され得る。例えば、ケーシング48の真円状態おいて、特定の光センサ18において特定の波長の光120が予期される場合に、その特定の波長の光120を、予期されるセンサ位置からある数の位置(または距離)離れた光センサ18または196が受けた場合、上記の数の位置(または半径方向距離)は、コントローラ14によって、真円ではない状態の程度を判定するために使用され得る。位置(または半径方向の距離)の数が多いほど、真円度の偏差が大きい(つまり、真円ではない状態の程度がより大きい)ことを示し得、位置の数が少ない(または半径方向の距離が短い)ほど、真円度の偏差が小さい(つまり、真円ではない状態の程度がより小さい)ことを示し得る。
【0085】
図11は、図10の測定システム27(例えば、光センサ18、光源16、およびコントローラ14)を使用してケーシング48とブレード44との間のクリアランス119およびケーシング48の真円度を測定するプロセス198の実施形態のフローチャートである。ブロック200において、複数の光のビーム(例えば、光の光路120)は、ロータ(例えば、ロータアセンブリ46のロータブレード44)を取り囲むケーシング(例えば、ケーシング48)に沿って、複数の光源(例えば、光源16)から複数の光センサ(例えば、光センサ18)に向かって送出され得る。本明細書で論じる場合、ロータは、シャフト30または他の回転物体などの任意の適切なロータであり得る。実際、理解されるように、本明細書で論じられる実施形態は、任意の適切なロータと対応するケーシング(例えば、ハウジング)との間のクリアランスの判定に広く適用可能であり得る。
【0086】
ブロック202において、プロセス198は、複数の光のビーム120の遮断を検出する。特に、プロセス198は、光センサ18が複数の光ビーム120を受けているか否か、または光のビーム120が複数のセンサ18に到達する前に遮断されている(例えば、ブロックされている)か否かを検出する。ブロック204において、プロセス198は、センサ18に正常に到達した光のビーム120のアイデンティティおよび位置に基づいてクリアランスを計算または推定し、光センサ18および既知の位置からの信号(例えば、光源16および光センサ18の各対に対する光の光路120の既知の半径方向高さ、および各光センサ18に対する既知のブレード先端クリアランスなど)に基づいて、センサ18に到達するのをブロックされた光のビーム120のアイデンティティおよび位置を計算または推定する。例えば、プロセス198は、図9のルックアップテーブル159を使用することができる。
【0087】
プロセス198は、ロータのクリアランス119が、遮断され、したがって予期される光センサ18によって検出されない光のビーム120に関連付けられた半径方向高さよりも小さいと判定し得、プロセスは、ロータのクリアランス119が、予期される光センサ18によって正常に送ったり受けたりされた光のビーム120に関連付けられた半径方向高さに少なくとも等しいと判定し得る。プロセス198が、予期される光のビームを正常に受ける複数の光センサ18を特定すると、プロセス198は、ブレード先端クリアランス119を、これらの光センサ18に関連付けられた最大半径方向高さに等しいと計算または推定することができる。
【0088】
ブロック206において、プロセス198は、光のビーム120の遮断および位置、より具体的には、光のビーム120を放出する光源16の位置および光のビーム120を受ける光センサ18の位置に基づいて、ケーシング48の真円度を評価する。上で論じたように、ケーシング48の真円度は、光のビーム120の送出角に影響を及ぼし得る。したがって、光のビーム120を受ける光センサ18は、光のビーム120の調整された送出角に基づいて変化し得る。次に、真円度は、どの光センサ18がどの光ビーム120を受けたかに基づいて判定され得る。いくつかの実施形態では、光の各ビーム120は、それぞれの別個の波長(例えば、光の色)を含み得る。したがって、光のビーム120の送出角および光のビーム120を受けるセンサ18が変化するにつれて、センサ18が検出し得るそれぞれの波長も同様に変化し得る。よって、いくつかの実施形態では、真円度は、光を受けるセンサ18の位置およびセンサ18が受ける波長に基づくことができ、波長は、それぞれの波長の光源16の位置を示し得る。
【0089】
ブロック208において、プロセス198は、ある期間中、ロータのクリアランス119およびケーシング48の真円度を監視する。特に、いくつかの実施形態では、ロータとケーシング48との間のクリアランス119は、ケーシング48における1つまたは複数のクリアランス位置(例えば、それぞれのクリアランス位置144)に対して監視され得る。より具体的には、ロータ上の特定の点のクリアランス119は、ケーシング48のいくつかのクリアランス位置に関して監視され得る。加えて、いくつかの実施形態では、ロータの複数の点(例えば、複数のロータブレード44)は、ケーシング48の複数のクリアランス位置に関して監視され得る。理解されるように、特定のロータ点のクリアランス119は、クリアランス位置を通る連続する通過にわたって変化し得る、および/または別個のクリアランス位置に対して変化し得る。換言すれば、ロータは、クリアランス119が経時的に変化し得るように、ケーシング48に対して振動(oscillate)および/または振動(vibrate)し得る。同様に、いくつかの実施形態では、ケーシング48の真円度は、ケーシング48に沿った複数の点で監視され得、複数の点は、上で論じられたクリアランス位置に対応し得る。
【0090】
ブロック210において、プロセス198は、経時的なクリアランス119の変動および/または真円度の変動を特定し得る。例えば、上で論じたように、ロータのクリアランス119およびケーシング48の真円度のインスタンスが、ケーシング48に沿ったクリアランス位置に対して監視され得る。したがって、クリアランス119および/または真円度の各監視された(例えば、測定された)インスタンス間の変動(例えば、差分、クリアランスおよび/または真円度の傾向)が、時間に関して監視され得る。ブロック212において、ブロック210で特定された変動が評価されて、ある期間中のクリアランスおよび/または真円度の振動を判定することができる。特に、経時的なロータのクリアランス119の変動は、ロータが1つまたは複数の周波数で振動していることを示し得る。同様に、経時的なケーシング48の真円度の変動は、ケーシング48の真円度が振動していることを示し得る。したがって、いくつかの実施形態では、振動の周波数が判定され得る。
【0091】
ブロック214において、ロータおよび/またはケーシング48のクリアランス119、真円度、変動、および振動が、出力装置に出力され得る。例えば、いくつかの実施形態では、出力装置は、ユーザインターフェースを有するコンピュータ(例えば、コントローラ14)であり得る。クリアランス119、真円度、変動、および/または振動を示すデータは、ユーザインターフェース(例えば、電子ディスプレイまたはモニタ)を介して表示され得る。いくつかの実施形態では、データは、グラフ(例えば、時間に対するクリアランス、真円度、変動、および/または振動)、ロータおよび/またはケーシング48のグラフィック表現(例えば、2Dまたは3D画像)、または任意の他の適切な方式の形態で描写され得る。
【0092】
ブロック216において、動作は、ブロック214の出力に基づいて制御(例えば、調整)され得る。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、コントローラ14)は、システム10(例えば、圧縮機20)の動作を制御して、ロータおよび/またはケーシングの望ましくないクリアランス、真円度、変動、および/または振動を修正または補償することができる。いくつかの実施形態では、動作の制御は、ロータのメンテナンスまたはメンテナンス要求の処理を介して実施され得る。
【0093】
図12は、ケーシング48の内周70に沿って移動して共通光源16と光センサ18との間の光の光路120の少なくとも一部(例えば、内周70に沿った割線)を横切るロータアセンブリ46のブレード44を示す、図3のケーシング48におけるセンサマウント82のうちの1つに結合された共通光源16および複数の光センサ18を有するセンサアセンブリ88の実施形態の概略断面図である。共通光源16(例えば、単一すなわち共有光源)は、光120を複数の光センサ18に向かって同時に放出するように構成される。図示のように、光120は、発散光または円錐形の光であり得る。いくつかの実施形態では、光源16および光センサ18は、マウント82のハウジング(複数可)86に配置され得る。理解されるように、ブレード先端クリアランス119は、光120を検出する、および/またはロータブレード44が光120を遮断するときに光120を検出しない特定の光センサ18(または光センサの総数)に基づくことができる。例えば、コントローラ14は、複数の光センサ18からの信号を監視し、ブレード先端クリアランス119が、光120を検出する特定の光センサ18(または光センサの総数)に基づくクリアランス値に少なくとも等しいと判定することができる。
【0094】
動作中、ロータブレード44は、ケーシング48のクリアランス位置144に近接するロータ経路122に沿って移動することができる。実際、上記のように、センサアセンブリ88は、ケーシング48のクリアランス位置144においてブレード先端クリアランス119を検出するために、マウント82に配置され得る。特に、クリアランス位置144は、光源16と光センサ18との間のケーシング48の内面70のアーチ状の長さによって定義され得る。いくつかの実施形態では、クリアランス位置144は、光源16と光センサ18との間のアーチ状の長さの中点に配置され得る。ロータブレード44がロータ経路122に沿って移動するとき、ロータブレード44は、図示のように、光センサ18のうちの1つまたは複数が光120を検出しない(例えば、受けない)ように、光120の一部を遮断し得る。
【0095】
例えば、ロータブレード44がクリアランス位置144を通って移動する前に、光センサ18のすべて(または所定の量)が光120を検出し得る。ロータブレード44がクリアランス位置144を通って移動するとき、光センサ18のいくつかは、光120を受けることからブロックされ得る。換言すれば、ロータブレード44が光源16からの拡散光120を通って移動するとき、ロータブレード44は、光センサ18のうちの1つまたは複数に影を落とす。ロータブレード44がクリアランス位置144を通り、そしてクリアランス位置144から出て移動し続けると、すべての光センサ18は再び光120を受けることができる。ブレード先端クリアランス119は、通過するロータブレード44によって投影される影の高さの関数、および/またはロータブレード44を回避する光120の高さの関数である。したがって、ブレード先端クリアランス119は、ロータブレード44がクリアランス位置144を通って移動するとき、光120を受けている(すなわち、光120の正常な伝達)光センサ18の数、位置、および/もしくはアイデンティティ、または光120を受けていない(すなわち、光120の遮断)光センサ18の数、位置、および/もしくはアイデンティティに基づいて判定され得る。
【0096】
実際、光120を検出する光センサ18の数および/またはロータブレード44がクリアランス位置144を通って移動するときに光120を検出しない光センサ18の数は、クリアランス位置144におけるブレード先端クリアランス119と直接相互に関連付けられ得る。例えば、ブレード先端クリアランス119が小さいほど、光120を検出し得る光センサ18の数が少なくなり、光120を検出しない光センサ18の数が多くなる。例えば、ブレード先端クリアランス119が大きいほど、光120を検出し得る光センサ18の数が多くなり、光120を検出しない光センサ18の数が少なくなる。光センサ18は、光120を検出しているか否かを示すデータをコントローラ14に送信することができる。次に、コントローラ14は、光センサ18から受信したデータ(例えば、光120を受けているおよび/または受けていない光センサ18の数)に基づいて、ブレード先端クリアランス119を判定することができる。
【0097】
代替的または追加的に、ロータブレード44がクリアランス位置144を通って移動するときに光120を検出する光センサ18の特定のアイデンティティは、クリアランス位置144におけるブレード先端クリアランス119と直接相互に関連付けられ得る。例えば、他の測定技法、数学的計算、コンピュータモデルなどを使用してコントローラ14をプログラミングする場合、ブレード先端クリアランス119が計算され、光120を受ける光センサ18ごとにコントローラ14のメモリに格納され得る。したがって、後の動作中に、特定の光センサ18が光120を受けた場合、コントローラ14は、特定の光センサ18のアイデンティティおよびコントローラ14のメモリに格納されたクリアランスデータに基づいて、対応するブレード先端クリアランス119を判定することができる。複数の光センサ18が光120を受ける場合、コントローラ14は、ブレード先端クリアランスが、それらの光センサ18に関連付けられた最大ブレード先端クリアランス119であると判定することができる。
【0098】
代替的または追加的に、複数の光センサ18が光120を受けない場合、コントローラ14は、ブレード先端クリアランスが、それらの光センサ18に関連付けられた最小ブレード先端クリアランス119であると判定することができる。特定の実施形態では、光センサ18から受信されたデータは、(例えば、光センサ18が受けた光をフィルタリングすることによって)光の色または波長、センサデータに埋め込まれた識別子もしく位置データ、またはその他のタイプの識別情報に基づいて、その特定の光センサ18のアイデンティティをコントローラ14に提供し得る。
【0099】
図示の実施形態では、光センサ18は、ハウジング86内で光120の投影方向(例えば、光120の中心線)と交差する方向に積み重ねることができる。例えば、光センサ18は、側部195に沿って積み重ねることができ、側部195は、光源16を有する側部193に対して平行、発散、または収束し得る。光センサ18を有する側部195は、ケーシング48の半径と直接整列させることもできるし、側部195は、半径に対してわずかに角度を付ける(例えば、0から30度)こともできる。いずれの場合も、光センサ18は、ケーシング48の内周70に沿って単一の周方向位置(例えば、1つに整列して積み重ねられたセンサ18または半径方向に積み重ねられたセンサ18)に配置されると説明され得る。
【0100】
図示の実施形態では、半径方向に積み重ねられた光センサ18は、センサマウント82の上面100の下方に凹んで、光センサ18が上面100の下方の複数の深さ(例えば、半径方向の深さ)に配置される。さらに、図示のように、光センサ18および/または光源16は、マウント82のインセット190内に配置され得る。上で論じたように、インセット190は、透明材料192を含み得る。透明材料192は、光120が透過され得る固体媒体であり得る。いくつかの実施形態では、マウント82の上面100は、透明材料192の上面によって少なくとも部分的に定義され得、それらの上面の両方とも、ケーシング48の内面70(例えば、内周)の湾曲に一致するような輪郭を有するようにされてもよい。
【0101】
図13は、ケーシング48の内周70に沿って移動して共通光源16と光センサ18との間の光路120の少なくとも一部(例えば、内周70に沿った割線)を横切るロータアセンブリ46のブレード44を示す、図3のケーシング48におけるセンサマウント82のうちの1つに結合された共通光源16および複数の光センサ18を有するセンサアセンブリ88の実施形態の概略断面図である。センサアセンブリ88の図示の実施形態は、図12を参照して上で説明したのと実質的に同様に、ブレード先端クリアランス119を測定するように構成され得る。しかしながら、図12に示されるような積み重ねられた光センサ18ではなく、図13に示す実施形態は、ケーシング48の内周70に沿って周方向42に互いに間隔を空けて配置された複数の光センサ18(すなわち、周方向距離上の複数の周方向位置)を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、図13に示されるように、光センサ18は、光センサ18がマウント82の上面100に沿って周方向42に間隔を空けて配置されるように、マウント82のハウジング86に配置され得る。図12を参照して上で論じたように、ブレード先端クリアランス119は、ロータブレード44がクリアランス位置144を通って移動するとき、光120を受けている(すなわち、光120の正常な伝達)光センサ18の数、位置、および/もしくはアイデンティティ、または光120を受けていない(すなわち、光120の遮断)光センサ18の数、位置、および/もしくはアイデンティティに基づいて判定され得る。コントローラ14は、光センサ18からのセンサデータを受信して処理し、どのくらいの光120がブロックされるか、および/またはロータブレード44を回避するかに応じて、クリアランス119を判定する。
【0103】
図12および図13を参照して論じられたいくつかの実施形態は、図10を参照して論じられ、図示された特徴のうちの1つまたは複数を組み込むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、センサアセンブリ88は、補助光センサ196および/または隆起部分194のうちの1つまたは複数を備え得る。補助光センサ196および隆起部分194は、上記と同様に機能し得る。つまり、補助光センサ196は、ケーシング48の真円度の変化に起因して光120の送出角が変化するときに光120を検出するように構成され得る。さらに、上記のように、マウント82の隆起部分194は、光120の一部をブロックするように構成され得る。このようにして、ケーシング48の真円度が変化すると、隆起部分194がブロックする光120の部分も同様に変化し得、これが光センサ18によって検出され得る。動作中、コントローラ14は、隆起部分194に対する光120の遮断または透過に少なくとも部分的に基づいて、内周70の真円度を判定するように構成され得る。加えて、コントローラ14は、複数の光センサ18のうちの1つまたは複数の予期しない光センサ18への光120の透過に少なくとも部分的に基づいて、内周70の真円度を判定するように構成され得る。
【0104】
図14は、ケーシング48とロータアセンブリ46のブレード44との間のクリアランス119を判定するために使用され得る、図12および図13のセンサアセンブリ88から取得されたデータの実施形態を表すグラフ220である。グラフ220は、光120を検出する光センサ18の数を示す光検出軸222を備え得る。グラフ220は、時間を示す時間軸224をさらに備える。上記のように、ブレード先端クリアランス119は、ロータブレード44が光源16と光センサ18との間を通過する期間(例えば、ブレード感知持続時間)中に光120を検出する光センサ18の数(例えば、最小数)に基づいて判定することができ、このとき、光120を検出する光センサ18の数は、減少し、極小値226に到達した後、増加する。ブレード先端クリアランス119は、グラフ220に示される極小値226に対応する。この極小値226において、コントローラ14は、光120を検出する光センサ18の数と既知のブレード先端クリアランス119との間の相関関係に基づいて(例えば、以前の試験、測定、数学的計算、コンピュータモデルなどに基づいて)ブレード先端クリアランス119を判定するように構成される。
【0105】
図12および図13に示されるように、光センサ18の軸は、マウント82内で互いに平行に配置されて、光の光路120もまた互いに平行であるようにし得る。いくつかの実施形態では、光センサ18の軸間の横方向の距離または間隔(または光の光路120間の距離)は、光センサ18の構造に依存し得る。例えば、光センサ18は、光センサ18の軸間の間隔を最小にするように互いに直接接触して配置され得る、および/または光センサ18は、互いに間隔を空けて(例えば、光センサの18の側壁間に間隙を有して)配置され得る。光センサ18は、整然とおよび/またはクラスタで配置され得る。
【0106】
図15は、密に配置されたアレイ228(例えば、一次元の列または行の配置230)に構成された光センサを示す、図12および/または図13のセンサアセンブリ88の光センサ18の配置の実施形態の概略断面図である。図示の実施形態では、光センサ18の両側にある側面227は、介在する間隔なしに互いに直接隣接し、光センサ18は、単一の列または行230に配置されている。しかしながら、光センサ18は、光センサ18の側面227の間に介在する間隔を有し得る、および/または光センサ18は、グリッドなどの複数の行および列230に配置されて、それぞれの半径方向40の位置に追加の光センサ18を提供し得る。グリッドの実施形態では、光センサ18は、グリッドの行および列の両方で互いに直接整列させることができる。センサアセンブリ88の分解能は、光センサ18の軸間の間隔に依存し、また、光センサ18および/または光センサ18内の光ファイバの直径229に依存し得る。特定の実施形態では、各光センサ18(例えば、光ファイバ光センサ)の直径は、約1000分の3インチ、1000分の4インチ、1000分の5インチ、1000分の6インチ、1000分の7インチ、1000分の8インチ、1000分の9インチ、または1000分の10インチ以下であり得る。
【0107】
図16は、密に配置されたアレイ228(例えば、二次元の束またはクラスタ232)に構成された光センサ18を示す、図12および/または図13のセンサアセンブリ88の複数の光センサ18の実施形態の概略断面図である。図示の実施形態では、光センサ18は、一般に、両方の次元で、例えば半径方向40および軸方向38で、互いに対して互い違いに配置されている。クラスタ232における光センサ18のこの互い違いの配置は、センサ18を他の隣接するセンサ18の間の中間位置(例えば、互いに直接隣接するセンサ18の軸の間の中間)に半径方向40および軸方向38に配置することによって、センサアセンブリ88の分解能を改善し得る。よって、半径方向40および軸方向38における光センサ18の互い違いの配置は、ブレード先端クリアランス119測定の精度を著しく改善し得る。例えば、センサ18を半径方向40にずらす量が大きいほど、センサアセンブリ88の分解能が高くなり、ひいてはブレード先端クリアランス119の測定の精度が高くなる。
【0108】
いくつかの実施形態では、光センサ18のクラスタ232を利用して、ブレード先端クリアランス119を監視することに加えて、ロータブレード44の形状を監視することができる。例えば、ロータブレード44が光120を通過するときにロータブレード44によって光センサ18に投じられる影は、半径方向40および軸方向38においてロータブレード44のシルエットを形成し得る。したがって、光センサ18による光120の検出は、ロータブレード44の影の形状に基づくことができ、ロータブレード44の形状を示すデータをコントローラ14に出力することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ14は、データを利用して、ロータブレード44の画像(例えば、プロファイル)を作成することができる。例えば、コントローラ14は、電子ディスプレイまたはコンピュータモニタを介してロータブレード44の画像を表示することができる。特定の実施形態では、コントローラ14は、ロータブレード44の測定された形状をロータブレード44のベースライン形状(例えば、元の形状)と比較し、測定された形状とベースライン形状との間の偏差を特定し得る。例えば、測定された形状とベースライン形状との間の比較に基づいて、コントローラ14は、摩耗、摩擦、亀裂、表面欠陥、または他の構造上の問題を経ているロータブレード44の領域(例えば、先端、側部など)を特定し得る。
【0109】
図17は、図12および図13の測定システム27(例えば、光センサ18、光源16、およびコントローラ14)を使用してケーシング48とロータアセンブリ46のブレード44との間のクリアランス119およびケーシング48の真円度を測定するプロセス238の実施形態のフローチャートである。ブロック240において、発散光(例えば、光120)は、ロータ(例えば、ロータアセンブリ46のロータブレード44)を取り囲むケーシング(例えば、ケーシング48)に沿って、光源(例えば、光源16)から複数の光センサ(例えば、光センサ18、検出器アレイ)に向かって送出され得る。本明細書で論じる場合、ロータは、シャフト30または他の回転物体などの任意の適切なロータであり得る。実際、理解されるように、本明細書で論じられる実施形態は、任意の適切なロータと対応するケーシング(例えば、ハウジング)との間のクリアランスの判定に広く適用可能であり得る。
【0110】
ブロック242において、発散光120の遮断が、光センサ18およびコントローラ14によって特定され得る。特に、光センサ18は、光センサ18が発散光120を受けているか否か、または発散光120が複数のセンサ18に到達する前に遮断されている(例えば、ブロックされている)か否かを検出することができる。ブロック244において、クリアランス119は、コントローラ14によって、光120を検出していない光センサ18の数に基づいて判定され得る。実際、ブレード先端クリアランス119が大きいほど、光120を検出し得る光センサ18の数が多くなる。いくつかの実施形態では、ブレード先端クリアランス119は、光センサ18の位置、およびそれらが光120を検出するか否かに基づいて判定することができる。換言すれば、ブレード先端クリアランス119は、光120を受けることをブロックされる光センサ18の位置に直接関係し得る。
【0111】
ブロック246において、ケーシング48の真円度は、コントローラ14によって、光120の遮断に基づいて評価され得る。上で論じたように、ケーシング48の真円度は、発散光120の送出角に影響を及ぼし得る。したがって、発散光120を受けるセンサ18は、発散光120の調整された送出角に基づいて変化し得る。次に、真円度は、センサ18のどれが光120を受けたかに基づいて、コントローラ14によって判定され得る。
【0112】
さらに、いくつかの実施形態では、クリアランス119および真円度は、ロータおよび/またはケーシング48の振動(oscillation)/振動(vibration)をさらに計算するために使用され得る。例えば、ブロック248において、ロータのクリアランス119およびケーシング48の真円度が経時的に監視され得る。特に、いくつかの実施形態では、ロータとケーシング48との間のクリアランス119は、ケーシング48における1つまたは複数のクリアランス位置(例えば、それぞれのクリアランス位置144)に対して監視され得る。より具体的には、ロータ上の特定の点のクリアランス119は、ケーシング48のいくつかのクリアランス位置に関して監視され得る。加えて、いくつかの実施形態では、ロータの複数の点(例えば、複数のロータブレード44)は、ケーシング48の複数のクリアランス位置に関して監視され得る。理解されるように、特定のロータ点のクリアランス119は、クリアランス位置を通る連続する通過にわたって変化し得る、および/または別個のクリアランス位置に対して変化し得る。換言すれば、ロータは、クリアランス119が経時的に変化し得るように、ケーシング48に対して振動(oscillate)および/または振動(vibrate)し得る。同様に、いくつかの実施形態では、ケーシング48の真円度は、ケーシング48に沿った複数の点で監視され得、複数の点は、上で論じられたクリアランス位置に対応し得る。
【0113】
ブロック250において、経時的なクリアランス119の変動および真円度が、コントローラ14によって特定され得る。例えば、上で論じたように、ロータのクリアランス119およびケーシング48の真円度のインスタンスが、ケーシング48に沿ったクリアランス位置に対して監視され得る。したがって、クリアランス119および/または真円度の各監視された(例えば、測定された)インスタンス間の変動(例えば、差分、クリアランス119および/または真円度の傾向)が、コントローラ14によって時間に関して監視され得る。ブロック252において、ブロック250で特定された変動がコントローラ14によって評価されて、ある期間中のクリアランス119および/または真円度の振動を判定することができる。特に、経時的なロータのクリアランス119の変動は、ロータが1つまたは複数の周波数で振動していることを示し得る。同様に、経時的なケーシング48の真円度の変動は、ケーシング48の真円度が振動していることを示し得る。したがって、いくつかの実施形態では、振動の周波数が判定され得る。
【0114】
ブロック254において、ロータおよび/またはケーシング48のクリアランス119、真円度、変動、および振動が、出力装置に出力され得る。例えば、いくつかの実施形態では、出力装置は、ユーザインターフェース(例えば、電子ディスプレイまたはコンピュータモニタ)を有するコンピュータ(例えば、コントローラ14)であり得る。クリアランス119、真円度、変動、および/または振動を示すデータは、ユーザインターフェースを介して表示され得る。いくつかの実施形態では、データは、グラフ(例えば、時間に対するクリアランス119、真円度、変動、および/または振動)、ロータおよび/またはケーシング48のグラフィック表現(例えば、2Dまたは3D画像)、または任意の他の適切な方式の形態で描写され得る。
【0115】
ブロック256において、システム10の動作は、コントローラ14によって、ブロック254の出力に基づいて制御(例えば、調整)され得る。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、コントローラ14)は、圧縮機20の動作を制御して、ロータおよび/またはケーシング48の望ましくないクリアランス、真円度、変動、および/または振動を修正することができる。いくつかの実施形態では、動作の制御は、圧縮機20のロータおよび/またはケーシング48のメンテナンスまたはメンテナンス要求の処理を介して実施され得る。
【0116】
図18は、ロータアセンブリ46(例えば、ロータ262、ブレード44、シャフト30など)とロータアセンブリ46を取り囲むケーシング48との間のクリアランス260(例えば、ブレード先端クリアランス119)を測定するために利用され得る測定システム27の実施形態の概略図である。測定システム27は、図5図17を参照して上記したように、1つまたは複数の光源16と、1つまたは複数の光センサ18と、コントローラ14とを備え得る。光源16は、光120を光センサ18に向かって送出するように構成される。いくつかの実施形態では、光源16は、広帯域光(例えば、白色光)を光センサ18に向かって送出するように構成された広帯域光源270を含み得る。広帯域光源270は、コリメート光および/または発散光を送出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、光源16は、単色または単一波長の光源272を含み得る。単一波長光源272は、特定の光の色などの単一波長のコリメート光を光センサ18に向けるように構成され得る。
【0117】
光120(例えば、1つまたは複数のコリメート光、1つまたは複数の光ビーム、発散光)は、光源16から光センサ18に向かって送出され得る。同時に、ロータ262(例えば、ブレード44)は、ロータ経路122に沿って移動して、光120または光120の一部をブロック(例えば、遮断)することができる。したがって、図5図17を参照して上で詳細に論じたように、ロータのクリアランス260は、コントローラ14によって、ロータ262(例えば、ブレード44)による光120の遮断および光120の遮断を様々なクリアランス260値と相互に関連付ける既知の情報(例えば、以前の測定値)に基づいて判定され得る。
【0118】
光センサ18は、光源16から送出された光120を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、光センサ18は、光ファイバセンサ(複数可)を含み得る。いくつかの実施形態では、光センサ18は、1つまたは複数の分光計280を備え得る。分光計280は、光120を検出するように構成され、より具体的には、光120の色または波長を検出することができる。いくつかの実施形態では、光センサ18は、1つまたは複数の光学フィルタ282を備え得る。光学フィルタ282は、光センサ18が受けた光をフィルタリングするように構成される。特に、複数の光センサ18を含む実施形態などのいくつかの実施形態では、各光センサ18は、それぞれの光学フィルタ282を備え得る。それぞれの光センサ18が受けた光120は、光学フィルタ282を通して分光計280へとフィルタリングされ得る。つまり、光学フィルタ282は、光120の1つまたは複数の特定の色または波長をフィルタリングして取り出すように構成され得る。次に、分光計280は、分光計280が受けるフィルタリングされた光に基づいて、光センサ18のどれが光120を受けているかを判定することができる。
【0119】
光センサ18は、コントローラ14に通信可能に結合され得る。このようにして、光センサ18は、光120の検出を示すデータを送信することができる。特に、データは、光センサ18が光を検出しているか否か、検出された光の色もしくは波長、光検出の持続時間、光センサの位置、またはそれらの組み合わせを示し得る。次に、本明細書で説明されているように、コントローラ14は、図5図17を参照して上記した技法のいずれかを使用して、光センサ18から受信したデータに基づいてロータのクリアランス260を判定することができる。
【0120】
本開示の技術的効果は、ロータ(例えば、ブレード44)とロータを取り囲むケーシング48との間のクリアランス119を判定するためのシステムおよび方法を含む。システムは、光120を光センサ18に向かって送出するように構成された光源16を有する光測定システム27を備え得る。光120は、ケーシング48のアーチ状の表面に対する割線として送出され得る。ロータ(例えば、ブレード44)は、光120が光センサ18に到達するのを遮断するように、光120を通って回転することができる。光センサ18は、遮断を示すデータをコントローラ14に出力することができる。次に、コントローラ14は、データに基づいてクリアランス119を判定することができる。このようにして、クリアランス119は正確に判定され得る。場合によっては、クリアランス119は、圧縮機20の動作を制御する際にさらに利用され得る。
【0121】
本明細書は、本主題を最良の態様を含めて開示するとともに、あらゆる装置またはシステムの製作および使用ならびにあらゆる組み込まれた方法の実行を含む本主題の実施を当業者にとって可能にするために、いくつかの実施例を使用している。本主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者であれば想到できる他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図されている。図1図18の特徴は、任意の適切な方式で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0122】
10 タービンシステム
12 ガスタービンエンジン
14 コントローラ
16 光源
18 光センサ
20 圧縮機
22 タービン
24 燃料ノズル
26 燃焼器
27 測定システム
28 排気出口
30 シャフト
32 軸
34 空気吸気口
36 負荷
38 軸方向
40 半径方向
42 周方向
44 ロータブレード
46 ロータアセンブリ
48 静止ケーシング
50 ステータベーン
52 入口ガイドベーン
54 段
56 出口
58 出口ガイドベーン
70 内面、内周
80 ケーシング部分
82 センサマウント
83 ロータブレード領域
84 ステータベーン領域
86 ハウジング構造、ハウジング
88 センサアセンブリ
90 外面
100 上面
102 トラック
104 周方向端部
110 底面
112 フランジ
114 凹部
116 スロット
118 ワイヤ
119 ブレード先端クリアランス
120 発散光、ビーム、光路
120a 第1の光、光路、経路
120b 第2の光、光路、経路
120c 第3の光、光路、経路
120d 第4の光、光路、経路
120e 第5の光、光路、経路
121 遠位端
122 ロータ経路
123 透明部分、透明材料
124 第1の位置
125 凹部、スロット
126 第2の位置
127 ビーム高さ
128 第3の位置
129 開始点
130 第4の位置
131 終了点
132 第5の位置
134 第6の位置
136 第7の位置
144 クリアランス位置
150 グラフ
152 光検出軸
154 時間軸
158 プロセス
159 ルックアップテーブル
160 ブロック
162 ブロック
164 ブロック
166 ブロック
168 ブロック
170 ブロック
172 ブロック
174 ブロック
178 半径
180 半径方向高さ
182 ブレード先端クリアランス
182a 第1のクリアランス
182b 第2のクリアランス
182c 第3のクリアランス
182d 第4のクリアランス
182e 第5のクリアランス
190 インセット
191 基部
192 透明材料
193 第1の側、側部
194 隆起部分
195 第2の側、側部
196 補助光センサ
198 プロセス
200 ブロック
202 ブロック
204 ブロック
206 ブロック
208 ブロック
210 ブロック
212 ブロック
214 ブロック
216 ブロック
220 グラフ
222 光検出軸
224 時間軸
226 極小値
227 側面
228 密に配置されたアレイ
229 直径
230 列または行、列または行の配置
232 束またはクラスタ
238 プロセス
240 ブロック
242 ブロック
244 ブロック
246 ブロック
248 ブロック
250 ブロック
252 ブロック
254 ブロック
256 ブロック
260 クリアランス
262 ロータ
270 広帯域光源
272 単一波長光源
280 分光計
282 光学フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18