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特許7566580配信装置、制御方法、配信システム、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】配信装置、制御方法、配信システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241007BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
G06F3/12 351
G06F3/12 304
G06F3/12 332
G06F3/12 375
G06F3/12 382
G06F3/12 324
B41J29/38
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020179685
(22)【出願日】2020-10-27
(65)【公開番号】P2022070562
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 裕彦
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-212842(JP,A)
【文献】特開2015-176399(JP,A)
【文献】特開2003-091475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を用いた印刷に関するデータであり、印刷装置によって実行される印刷において利用されるデータである用紙データを複数管理する配信装置のコンピュータを、
複数の前記用紙データのうち少なくとも1つを選択する第1選択手段と、
前記選択された前記用紙データの配信先となる前記印刷装置を選択する第2選択手段と、
前記選択された前記用紙データを前記選択された前記印刷装置に配信する時間である配信時間を設定する設定手段と、
前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データが対応していない場合、前記選択された前記用紙データの少なくとも一部を、前記選択された前記印刷装置に基づいて変換することで、変換後用紙データを生成する変換処理を、前記設定された前記配信時間が第1の時間帯の場合に前記第1の時間帯の直前のタイミングで実行し、前記設定された前記配信時間が前記第1の時間帯とは異なる第2の時間帯の場合に前記第2の時間帯とは独立した所定の時間帯に実行する処理手段と、
前記設定された前記配信時間に基づいて、前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データまたは、前記変換処理によって生成された前記変換後用紙データを配信する配信手段と、
として動作させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記第2選択手段は、前記選択された前記用紙データの配信先となる前記印刷装置を複数選択可能であり、
前記設定された前記配信時間に基づいて、前記選択された複数の前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データまたは、前記変換処理によって生成された前記変換後用紙データが配信されることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記用紙データは、1つの用紙種に対応するデータであることを特徴とする請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記配信装置は、1または複数の前記用紙データを含む用紙ファイルを管理し、
前記第1選択手段は、前記用紙ファイルを選択することで、少なくとも1つの前記用紙データを選択することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記変換後用紙データが配信された後に、前記変換後用紙データを削除する削除手段としてさらに動作させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データが対応している場合、前記設定された前記配信時間に基づいて、前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データが、前記変換処理が実行されることなく配信されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
複数の前記用紙データには、所定の数の色の印刷を実行可能な前記印刷装置に対応し、前記所定の数の色の印刷を実行可能でない前記印刷装置に対応しない用紙データが含まれることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
複数の前記用紙データには、所定の種類の色の印刷を実行可能な前記印刷装置に対応し、前記所定の種類の色の印刷を実行可能でない前記印刷装置に対応しない用紙データが含まれることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記用紙データの配信先は、ロール紙による印刷を実行可能な印刷装置であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
用紙を用いた印刷に関するデータであり、印刷装置によって実行される印刷において利用されるデータである用紙データを複数管理する配信装置であって、
複数の前記用紙データのうち少なくとも1つを選択する第1選択手段と、
前記選択された前記用紙データの配信先となる前記印刷装置を選択する第2選択手段と、
前記選択された前記用紙データを前記選択された前記印刷装置に配信する時間である配信時間を設定する設定手段と、
前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データが対応していない場合、前記選択された前記用紙データの少なくとも一部を、前記選択された前記印刷装置に基づいて変換することで、変換後用紙データを生成する変換処理を、前記設定された前記配信時間が第1の時間帯の場合に前記第1の時間帯の直前のタイミングで実行し、前記設定された前記配信時間が前記第1の時間帯とは異なる第2の時間帯の場合に前記第2の時間帯とは独立した所定の時間帯に実行する処理手段と、
前記設定された前記配信時間に基づいて、前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データまたは、前記変換処理によって生成された前記変換後用紙データを配信する配信手段と、
を有することを特徴とする配信装置。
【請求項11】
用紙を用いた印刷に関するデータであり、印刷装置によって実行される印刷において利用されるデータである用紙データを複数管理する配信装置の制御方法であって、
複数の前記用紙データのうち少なくとも1つを選択する第1選択ステップと、
前記選択された前記用紙データの配信先となる前記印刷装置を選択する第2選択ステップと、
前記選択された前記用紙データを前記選択された前記印刷装置に配信する時間である配信時間を設定する設定ステップと、
前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データが対応していない場合、前記選択された前記用紙データの少なくとも一部を、前記選択された前記印刷装置に基づいて変換することで、変換後用紙データを生成する変換処理を、前記設定された前記配信時間が第1の時間帯の場合に前記第1の時間帯の直前のタイミングで実行し、前記設定された前記配信時間が前記第1の時間帯とは異なる第2の時間帯の場合に前記第2の時間帯とは独立した所定の時間帯に実行する処理ステップと、
前記設定された前記配信時間に基づいて、前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データまたは、前記変換処理によって生成された前記変換後用紙データを配信する配信ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項12】
用紙を用いた印刷に関するデータであり、印刷装置によって実行される印刷において利用されるデータである用紙データを複数管理する配信装置と、前記印刷装置とを含む配信システムであって、
複数の前記用紙データのうち少なくとも1つを選択する第1選択手段と、
前記選択された前記用紙データの配信先となる前記印刷装置を選択する第2選択手段と、
前記選択された前記用紙データを前記選択された前記印刷装置に配信する時間である配信時間を設定する設定手段と、
前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データが対応していない場合、前記選択された前記用紙データの少なくとも一部を、前記選択された前記印刷装置に基づいて変換することで、変換後用紙データを生成する変換処理を、前記設定された前記配信時間が第1の時間帯の場合に前記第1の時間帯の直前のタイミングで実行し、前記設定された前記配信時間が前記第1の時間帯とは異なる第2の時間帯の場合に前記第2の時間帯とは独立した所定の時間帯に実行する処理手段と、
前記設定された前記配信時間に基づいて、前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データまたは、前記変換処理によって生成された前記変換後用紙データを配信する配信手段と、
前記配信された前記用紙データまたは前記変換後用紙データに基づいて、前記用紙データまたは前記変換後用紙データを前記印刷装置に設定する設定手段と、
前記設定された前記用紙データまたは前記変換後用紙データに基づいて、印刷を実行する印刷手段と、
を有することを特徴とする配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷装置における用紙データを管理可能な配信装置、制御方法、配信システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
大判プリンタなどの、多種類の用紙に印刷可能な印刷装置では、用紙の種類ごとに、最適な印刷を行うために必要な種々の属性や画像処理データを含む用紙データを保持している。
【0003】
特許文献1には、プリントショップ管理システムによって管理されている複数のプリンタに対して、用紙属性を一律に指定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-163722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、印刷装置に用紙データを配信することで、印刷装置に用紙データを設定させることが可能な配信装置がある。印刷装置に用紙データを配信する配信装置が普及するにつれ、印刷装置への用紙データの配信の利便性を向上させることが要望されている。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、印刷装置への用紙データの配信の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態によるプログラムは、用紙を用いた印刷に関するデータであり、印刷装置によって実行される印刷において利用されるデータである用紙データを複数管理する配信装置のコンピュータを、複数の前記用紙データのうち少なくとも1つを選択する第1選択手段と、前記選択された前記用紙データの配信先となる前記印刷装置を選択する第2選択手段と、前記選択された前記用紙データを前記選択された前記印刷装置に配信する時間である配信時間を設定する設定手段と、前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データが対応していない場合、前記選択された前記用紙データの少なくとも一部を、前記選択された前記印刷装置に基づいて変換することで、変換後用紙データを生成する変換処理を、前記設定された前記配信時間が第1の時間帯の場合に前記第1の時間帯の直前のタイミングで実行し、前記設定された前記配信時間が前記第1の時間帯とは異なる第2の時間帯の場合に前記第2の時間帯とは独立した所定の時間帯に実行する処理手段と、前記設定された前記配信時間に基づいて、前記選択された前記印刷装置に、前記選択された前記用紙データまたは、前記変換処理によって生成された前記変換後用紙データを配信する配信手段と、として動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷装置への用紙データの配信の利便性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の管理装置を備えた管理システムのブロック構成図。
図2】印刷装置のハードウェア構成のブロック図。
図3】印刷装置のソフトウェア構成のブロック図。
図4】管理装置のハードウェア構成のブロック図。
図5】管理装置のハードウェア構成のブロック図。
図6】印刷装置を識別するための装置識別情報を示す図。
図7】用紙ファイルを識別するためのファイル識別情報を示す図。
図8】用紙ファイルに含まれる情報を示す図。
図9】用紙データに含まれる情報を示す図。
図10】設定処理の処理内容を示すフローチャート。
図11】設定情報の管理画面を示す図。
図12図10の設定処理での設定情報に基づく配信処理の処理内容を示すフローチャート。
図13】用紙データを識別するためのデータ識別情報を示す図。
図14】更新処理の処理内容を示すフローチャート。
図15】他の実施形態の設定処理の処理内容を示すフローチャート。
図16】配信の種別が「削除」の設定情報に基づく配信処理の処理内容を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照しながら、配信装置(以下、管理装置とも称する。)、制御方法、配信システム(以下、管理システムとも称する。)、およびプログラムの実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を限定するものではなく、また、実施形態で説明されている特徴の組み合わせのすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、実施形態に記載されている構成要件の相対位置および形状などは、あくまで例示であり、特に断りのない限り、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
なお、以下の説明において、「印刷」には、文字、図形などの有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く印刷媒体上に画像、模様、パターンなどを形成する、または媒体の加工を行う場合を含む。また、「印刷」とは、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かは問わない。さらに、実施形態では、「印刷媒体」として、用紙を想定しているが、カット紙、布、プラスチックフィルムなどであってもよい。
【0012】
(第1実施形態)
まず、図1乃至図12を参照しながら、第1実施形態による管理装置を備えた管理システムについて説明する。
【0013】
<管理システムの構成>
図1は、実施形態による管理装置を備えた管理システムのブロック構成図である。図1の管理システム10は、管理装置12がネットワーク14を介して印刷装置16と接続されている。管理装置12は、例えば、サーバや汎用のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。なお、管理装置12は、本実施形態では1台の情報処理装置によって構成されるものとして説明するが、この形態に限定されない。管理装置12が複数台の情報処理装置によって構成されることにより、以下に説明する、管理装置12によって実行される処理が、複数台の情報処理装置によって連携されたり分担されたりして実行されても良い。管理装置12は、印刷装置16によって使用される用紙データを複数管理する。用紙データとは、普通紙、光沢紙などの用紙種ごとに設定された、印刷に必要な属性や画像処理データ、つまり、用紙種に応じた印刷に関する情報を含む情報である。
【0014】
管理システム10では、印刷装置16が複数設けられている。本実施形態では、1つの管理システム10に印刷装置16a、16b、16cの3つが含まれており、それぞれがネットワーク14を介して管理装置12に接続されている。印刷装置16は、自身に入力された印刷ジョブによって指定された用紙に対し、自身に設定された用紙データのうち指定された用紙に対応する用紙データを用いて印刷を行う。例えば、印刷装置16が使用可能な用紙種が、普通紙と光沢紙である状況を想定する。この状況において印刷装置16が、普通紙に印刷する場合(指定された用紙が普通紙である場合)、普通紙に対応する用紙データを用いて印刷を行う。同様に、印刷装置16が光沢紙に印刷する場合(指定された用紙が光沢紙である場合)、光沢紙に対応する用紙データを用いて印刷を行う。このように、印刷装置16は、用紙種に応じた複数の用紙データの中から、印刷に用いる用紙種に対応する用紙データを用いて印刷を行う。
【0015】
本実施形態では、印刷装置16a、16b、16cは、例えば、ロール紙に対して印刷を行い、その後ロール紙をカットすることで、大判サイズの印刷物を出力可能なインクジェットプリンタであるものとする。しかしながら、この形態に限定されず、例えば、ロール紙でない定型紙(カット紙)の用紙に対して印刷可能なプリンタでもよい。また、印刷装置16の印刷方式としては、インクジェット方式に限定されるものではなく、例えば電子写真方式や熱昇華方式であっても良い。また、印刷装置16a、16b、16cは、互いに同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。例えば、印刷装置16a、16b、16cが全て、大判サイズの印刷物を出力可能なインクジェットプリンタである場合であっても、それぞれ装置の種別や型番、印刷能力(対応している用紙やインク等)が異なっていても良い。より具体的には例えば、印刷装置16aが、12色のインクを用いて、60インチ幅サイズのロール紙に印刷可能であり、印刷装置16b、16cが、12色のインクを用いて、44インチ幅サイズのロール紙に印刷可能であってもよい。また、例えば、印刷装置16aは、12色のインクを用いて印刷可能であり、印刷装置16bは、8色のインクを用いて印刷可能であり、印刷装置16cは、5色のインクを用いて印刷可能であってもよい。
【0016】
管理システム10としては、管理装置12の機能を、印刷装置16a、16b、16cのいずれかに保持させる形態としてもよい。また、管理装置12に接続される印刷装置16の数(管理システム10に含まれる印刷装置16の数)は、3つに限定されるものではない。さらに、印刷装置16は、単に、外部から入力された情報に基づいて印刷するプリンタに限定されず、備えられた読取装置で読み取った情報を複写する機能を備えた複合機など、印刷媒体に印刷することが可能な公知の種々の装置としてもよい。
【0017】
<印刷装置のハードウェア構成>
図2は、印刷装置16のハードウェア構成のブロック図である。印刷装置16は、CPU200、ROM202、RAM204、HDD206、通信インターフェース(I/F)208、印刷部210、および操作部212を備えている。CPU200は、システムバス214を介して上記した各構成に接続されており、各構成は、CPU200により制御される。
【0018】
CPU200は、ROM202またはHDD206に記憶された制御プログラムに基づいて動作する。CPU200は、システムバス214を介して印刷部(プリンタエンジン)210に出力情報としての画像信号を出力する。また、CPU200は、通信I/F208を介して、管理装置12との通信可能であり、印刷装置16の情報を管理装置12に送信可能であり、管理装置12から出力された情報を受信することが可能である。さらに、CPU200は、通信I/F208を介して、例えば、ホスト装置(不図示)に接続されており、ホスト装置から出力される印刷ジョブを通信I/F208を介して受信することができる。
【0019】
RAM204は、CPU200の主メモリやワークエリアなどとして機能する。RAM204は、増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。また、RAM204は、印刷ジョブに基づく印刷の際に、出力情報展開領域や環境データ格納領域などに用いられる。
【0020】
HDD(Hard Disk Drive)206は、フォントデータ、用紙データになどの情報を記憶する。印刷部210は、CPU200から出力された情報に基づいて、用紙に対してヘッドからインクを吐出して画像を印刷する。操作部212は、印刷装置16を操作するための構成であり、例えば、タッチパネルである。ユーザは、タッチパネルを操作して、印刷装置16に対して各種の設定などを実行することができる。
【0021】
<印刷装置のソフトウェア構成>
図3は、印刷装置16のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。印刷装置16は、印刷装置通信部300、印刷ジョブ管理部302、印刷制御部304、用紙データ管理部306、およびキャリブレーション制御部308を備えている。
【0022】
印刷装置通信部300は、ネットワーク14を介し、管理装置12との通信データの送受信、および不図示のホスト装置から送信される印刷ジョブデータ(以下、単に「印刷ジョブ」とも称する。)を受信する。印刷ジョブ管理部302は、受信した印刷ジョブの全データをスプールし、その後、印刷制御部304へ受信した印刷ジョブを転送する。そして、印刷ジョブ管理部302は、印刷制御部304を介して、印刷順の制御、印刷のキャンセル、印刷の一時停止などの印刷ジョブに基づく印刷の制御を行う。なお、印刷ジョブ管理部302は、受信した印刷ジョブを、逐次、印刷制御部304に転送する形態としてもよい。
【0023】
印刷制御部304は、印刷ジョブ管理部302から転送された印刷ジョブに基づき印刷媒体である用紙に印刷するよう制御する。また、印刷制御部304は、キャリブレーション制御部308から出力される情報に基づいてキャリブレーションを実行する。
【0024】
用紙データ管理部306は、用紙種に対応する印刷に関する情報を含む用紙データを管理する。用紙データ管理部306で管理される用紙データは、ROM202またはHDD206などの記憶領域に記憶される。用紙データ管理部306は、管理装置12から出力される情報に基づいて、管理する用紙データを、追加、更新、復元、削除する。追加は、管理装置12から指示された用紙データを、用紙データ管理部306が管理する用紙データとして新たに追加・設定する処理である。更新は、用紙データ管理部306が既に管理している用紙データの内容を、管理装置12から指示された内容に更新する処理である。復元は、用紙データ管理部306が以前管理していた用紙データ(削除された用紙データ)のうち、管理装置12から指示された用紙データを、用紙データ管理部306が管理する用紙データとして復元する処理である。削除は、用紙データ管理部306が管理している用紙データのうち、管理装置12から指示された用紙データを削除し、当該用紙データを、用紙データ管理部306が管理していない状態とする処理である。
【0025】
用紙データには、当該用紙データに対応する用紙に対して印刷・搬送を実行する際に用いられる機械的なパラメータ群、キャリブレーションの目標値、キャリブレーションの実行条件、画像処理に必要な画像処理データが含まれる。機械的なパラメータ群には、印刷時のヘッドの高さ、用紙搬送時の紙送り調整値などの情報が含まれる。また、キャリブレーションの目標値とは、印刷装置16においてキャリブレーションを実行する際の補正目標とする値である。画像処理データは、色変換などの画像処理時に必要な各種のパラメータなどの情報である。用紙データは、1つの用紙種ごとに1つ用意される。言い換えれば1つの用紙データは、1つの用紙種の用紙に対応している。
【0026】
キャリブレーション制御部308は、印刷制御部304に対してキャリレーションを実行するよう制御する。印刷装置16の上記したソフトウェア構成の各部は、プログラムモジュールとして構成可能である。この場合、各プログラムモジュールは、ROM202あるいは、HDD206に記憶される。CPU200によりRAM204に読み出された各プログラムモジュールは、CPU200により実行制御される。
【0027】
<管理装置のハードウェア構成>
図4は、管理装置12のハードウェア構成のブロック図である。管理装置12は、CPU400、ROM402、RAM404、HDD406、キーボードコントローラ408、CRTコントローラ410、および通信I/F412を備えている。CPU400は、システムバス414を介して各構成に接続されており、本実施形態では、特に断りのない限り、各構成は、CPU400により制御される。また、管理装置12には、ユーザによる操作が可能なキーボード416と、各種の情報を表示するためのCRTディスプレイ418とが接続されている。
【0028】
CPU400は、ROM402またはHDD406に記憶されている制御プログラム、システムプログラム、およびアプリケーションプログラムなどの各種プログラムをRAM404に読み出す。また、CPU400は、RAM404に読み出した各種プログラムを実行して各種データ処理を行う。CPU400は、ASICなどの専用回路であってもよい。CPU400は、HDD406に保持されている各種データをRAM404に一時的に保存する。また、CPU400は、RAM404に一時的に保存された各種データに対し処理を行い、処理したデータを通信I/F412を介して印刷装置16に送信する。
【0029】
RAM404は、CPU400の主メモリやワークエリアなどとして機能する。また、RAM404は、増設ポートに接続されるオプションRAMなどによりその容量を拡張できるように構成されている。キーボードコントローラ408は、キーボード416や、管理装置12に接続されたポインティングデバイス(不図示)などからの入力を制御する。CRTコントローラ410は、CRTディスプレイ418の表示を制御する。なお、本実施形態では、表示装置としてCRTディスプレイ418を用いるようにしたが、これに限定されるものではなく、表示装置としては、液晶ディスプレイなど公知の種々の表示装置を用いることができる。
【0030】
<管理装置のソフトウェア構成>
図5は、管理装置12のソフトウェア機能構成のブロック図である。当該ソフトウェア機能を司るプログラムは、管理装置12が備えるメモリ内に保持される。管理装置12は、印刷装置管理部500、管理装置通信部502、用紙ファイル管理部504、用紙ファイル保存部506、用紙データ管理部508、および用紙データ配信部510を備えている。
【0031】
管理装置通信部502は、ネットワークを介して印刷装置16との各種データの送受信を行う。また、管理装置通信部502は、印刷装置管理部500からの指示に基づき、検索プロトコル、例えば、SNMPプロトコルを用いてネットワーク14により接続された印刷装置16を検索する。検索プロトコルは、SNMPプロトコルに限らず、印刷装置16を検索できるプロトコルであればよい。
【0032】
印刷装置管理部500は、管理装置12にネットワーク14を介して接続される印刷装置16を管理する。具体的には、印刷装置16を識別するための装置識別情報を用いて、印刷装置データベース(DB)516(後述する)において各印刷装置16を識別可能に管理する。印刷装置管理部500は、管理装置通信部502を介して取得した印刷装置16のアクセス先情報、例えば、IPアドレスをリスト化して、印刷装置DB516で管理する。
【0033】
用紙ファイル管理部504は、印刷装置16に配信する用紙データを1つ以上含む用紙ファイルを管理する。用紙ファイルは、少なくとも1つ以上の用紙データを含む。用紙ファイル管理部504は、具体的には、用紙ファイルを識別するためのファイル識別情報を用いて、用紙ファイルDB512(後述する)において各用紙ファイルを識別可能に管理する。また、用紙ファイル管理部504は、用紙データを含む複数の情報を保持する用紙ファイルを、用紙ファイル保存部506に保存する。
【0034】
用紙ファイル保存部506は、用紙ファイルを保持する。なお、用紙ファイルには、用紙データが含まれているため、用紙ファイル保存部506には、用紙データも保持されている。用紙ファイル保存部506は、例えば、管理装置12のオペレーティングシステムのファイルシステムの所定のフォルダとなる。用紙データ管理部508は、用紙ファイル管理部504で管理される用紙ファイルに含まれる用紙データ、および印刷装置16に保持される用紙データを管理する。具体的には、用紙データを識別するためのデータ識別情報を用いて、管理リストDB514(後述する)において各用紙データを識別可能に管理する。
【0035】
用紙データ配信部510は、印刷装置管理部500においてアクセス先情報などが管理された印刷装置16に、用紙ファイルなどから選択された用紙データの配信の設定を行うとともに、当該設定に応じた情報の配信を行う。また、用紙データ配信部510は、用紙データを追加、更新、復元する際に、対象となる印刷装置16に配信する用紙データを、当該印刷装置16に適合するように変換する用紙データ変換部518を備えている。用紙データ変換部518が実行する変換処理については後述する。さらに、用紙データ配信部510は、用紙データを削除する際に、削除する用紙データを選択可能に提示する用紙データ提示部520を備えている。
【0036】
管理装置12のソフトウェア構成の各部は、プログラムモジュールとして構成可能である。この場合、各プログラムモジュールは、ROM402あるいは、HDD406に記憶される。CPU400によりRAM404に読み出された各プログラムモジュールは、CPU400により実行制御される。
【0037】
<印刷装置DB>
次に、管理装置12の印刷装置管理部500で管理される印刷装置DB516について説明する。図6は、印刷装置DB516において保持される、印刷装置16を識別するための装置識別情報を示す図である。
【0038】
印刷装置DB516で保持する装置識別情報600は、印刷装置ID602、製品ID604、製品グループID606、製品名608、およびシリアル番号610を保持する。さらに、装置識別情報600は、ファームウェアバージョン612、IPアドレス614、基準印刷装置616、および配信状態618を含む。即ち、印刷装置管理部500では、上記情報を含む装置識別情報600に基づいて、管理装置12の管理対象となるすべての印刷装置16を識別可能に管理する。なお、装置識別情報600に含まれる情報としては、上記情報に限定されるものではなく、適宜にその種類を増減してもよい。
【0039】
印刷装置ID602は、印刷装置DB516において、印刷装置16を一意に識別可能なIDであり、例えば、GUID(Globally Unique Identifier)である。製品ID604は、印刷装置16の製品を識別可能なIDである。例えば、インク色が12色で、60インチロール幅の用紙に対して印刷可能な印刷装置16では「1」、インク色が12色で、44インチロール幅の用紙に対して印刷可能な印刷装置16では「2」のように設定される。製品ID604については、予め各印刷装置16に保持されている値である。
【0040】
製品グループID606は、印刷装置16の製品グループを識別可能なIDである。例えば、インク色が12色の印刷装置16では「1」、インク色が8色の印刷装置16では「2」のように設定される。製品グループID606についても、製品ID604と同様に、予め印刷装置16に保持されている値である。製品名608は、製品ID604に対応する文字列として認識可能な情報である。例えば、「製品A」のように設定される。シリアル番号610は、印刷装置16の個体を一意に識別可能なIDである。製品名608およびシリアル番号610についても、製品ID604などと同様に、予め印刷装置16に保持されている情報である。
【0041】
ファームウェアバージョン612は、印刷装置16で稼働するファームウェアのバージョンを示す情報である。ファームウェアバージョン612は、印刷装置16においてファームウェアの更新が実施されると更新される。IPアドレス614は、印刷装置16のアクセス先情報としてのIPアドレスである。基準印刷装置616は、印刷装置16における用紙データを、用紙データ管理部508で管理するか否かを指定する情報である。基準印刷装置616が、「On」であればその用紙データを用紙データ管理部508で管理し(管理リストDB514に入れ)、「Off」であればその用紙データを用紙データ管理部508で管理しない(管理リストDB514に入れない)。
【0042】
配信状態618は、用紙データの配信の実行結果および時刻を示す。一度も用紙データが配信されたことがなければ「未配信」が登録され、時刻は登録されない。また、用紙データの配信に成功、失敗した場合には、それぞれ配信結果として「成功」、「失敗」が登録され、当該配信を実行した時刻が登録される。
【0043】
<用紙ファイルDB>
次に、管理装置12の用紙ファイル管理部504で管理される用紙ファイルDB512について説明する。図7は、用紙ファイルDB512において保持される、用紙ファイルを識別するためのファイル識別情報を示す図である。
【0044】
用紙ファイルDB512で保持するファイル識別情報700は、用紙ファイルID702、ファイル名704、製品ID706、製品グループID708、および種別710を含む。即ち、用紙ファイル管理部504では、上記情報を含むファイル識別情報700に基づいて、用紙ファイルを識別可能に管理する。なお、ファイル識別情報700に含まれる情報については、上記情報に限定されるものではなく、適宜にその種類を増減してもよい。
【0045】
用紙ファイルID702は、用紙ファイルDB512において、用紙ファイルを一意に認識可能なIDであり、例えば、GUIDである。ファイル名704は、用紙ファイルの名称である。製品ID706は、用紙ファイルの製品ID806(後述する)をコピーした情報である。製品グループID708は、用紙ファイルの製品グループID808(後述する)をコピーした情報である。種別710は、用紙ファイルの種別804をコピーした情報である。
【0046】
<用紙ファイル>
次に、用紙ファイル保存部506に保存される用紙ファイルについて説明する。上記したように、用紙ファイル保存部506に保存される用紙ファイルについては、用紙ファイル管理部504における用紙ファイルDB512で、ファイル識別情報700を用いて管理されている。図8は、用紙ファイルに含まれる情報を示す図である。図8は、ある用紙ファイルの情報を示している。また、図8の用紙ファイルは、図7の用紙ファイルIDで一意に識別されるファイルである。
【0047】
用紙ファイルは、フォーマットバージョン802、種別804、製品ID806、製品グループID808、用紙リスト810、および用紙データ812を含む。用紙ファイルに含まれる情報としては、これらの情報にのみ限定されるものではなく、適宜にその種類を増減してもよい。
【0048】
フォーマットバージョン802は、用紙ファイルのフォーマットバージョンを示す情報である。種別804は、用紙ファイルの種別を示す情報である。種別804では、「基本用紙」、「カスタム用紙」、「バックアップ用紙」に区分される。「基本用紙」は、印刷装置16の製造者が提供する用紙ファイルである。「カスタム用紙」は、印刷装置16を利用するユーザが、種別804が「基本用紙」となる用紙ファイルの用紙データを基に、用紙データに含まれる属性などの情報をカスタマイズした用紙データを含む用紙ファイルである。「バックアップ用紙」は、管理装置12がバックアップ処理を実行したタイミングにおいて印刷装置16に設定されている用紙データのすべてをバックアップした用紙ファイルである。なおバックアップ処理は、管理装置12による指示や、印刷装置16による指示によって任意のタイミングで実行される処理であり、印刷装置16に設定されている用紙データに関する通信を、管理装置12と印刷装置16の間で実行する処理である。
【0049】
製品ID806は、この用紙ファイルを、変換処理を実行することなくそのまま利用可能な印刷装置16のグループを識別可能なIDである。すなわち、当該グループに含まれる装置は、この用紙ファイルを、変換処理を実行することなくそのまま利用可能な印刷装置16であれば良く、それぞれ型番や種別が異なっていてもよい。製品ID806は、製品ID604と同様にして表される。製品グループID808は、この用紙ファイルを、変換処理を実行することで、または変換処理を実行することなくそのまま利用可能な印刷装置16の製品グループを識別可能なIDである。製品グループID808によって識別されるグループは、例えば、印刷に使用できる色の数や、印刷に使用できる色の種類に応じて分類される。例えば、印刷に12色を使用できる装置のグループや、印刷に5色のみ使用できる装置のグループはそれぞれ区別される。また、例えば、印刷に12色を使用できる装置のグループのなかでも、12色に含まれる色の種別によってグループが分類される。製品グループID808は、製品グループID606と同様にして表される。用紙リスト810は、この用紙ファイルに含まれる用紙データの数、用紙ID910(後述する)、用紙ID910ごとの表示/非表示属性を示す。この表示/非表示属性は、印刷装置16の操作部212に用紙データを表示するか否かを指定する情報である。用紙データ812は、1用紙種分の用紙データである。用紙データの詳細については、後述する。
【0050】
<用紙データ>
次に、用紙ファイルに含まれる、1用紙種分の用紙データについて説明する。用紙データには、対象となる用紙種に印刷するために必要な属性としての各種パラメータや画像処理時に用いる画像処理データが含まれる。図9は、用紙データに含まれる情報を示す図である。
【0051】
用紙データは、フォーマットバージョン902、種別904、製品ID906、製品グループID908、用紙ID910、分類ID912、基準用紙ID914、および用紙データ名916を含む。用紙データはさらに、インク使用量918、用紙カット920、カラーキャリブレーション922、紙送り調整値924、ヘッドの高さ926、および画像処理データ928を含む。なお、上記した各種の情報については、用紙データに含む情報の一例であり、用紙データに含まれる情報はこれらのみに限定されるものではない。
【0052】
フォーマットバージョン902は、用紙データのフォーマットバージョンを示す。種別904は、用紙データの種別を示す。種別は、「基本用紙」および「カスタム用紙」となる。種別804が「基本用紙」の用紙ファイルに含まれる用紙データは、種別904が「基本用紙」となる。また、ユーザによりカスタマイズされた用紙データは、種別904が「カスタム用紙」となる。なお、種別904には、用紙ファイルの種別804にある「バックアップ用紙」は用いられない。本実施形態では、用紙データに含まれる上記の項目のうち、項目916~926について、ユーザはカスタイマイズ(変更)することが可能であり、それ以外の項目はカスタマイズすることができないものとする。ユーザは、「基本用紙」の用紙ファイルに含まれる用紙データのうちいずれかの項目をカスタマイズした場合は、当該用紙ファイルを「カスタム用紙」のファイルに設定し、新たに保存する。これにより、「カスタム用紙」の用紙ファイルが新たに生成される。
【0053】
製品ID906は、この用紙データを利用可能な印刷装置16を識別可能なIDであり、用紙ファイルの製品ID806と一致する。製品ID906は、製品ID604と同様にして表される。製品グループID908は、この用紙データを利用可能な印刷装置16の製品グループを識別可能なIDであり、用紙ファイルの製品ID808と一致する。製品グループID908は、製品ID606と同様にして表示される。
【0054】
用紙ID910は、この用紙データの用紙種を一意に識別するIDであり、例えば、GUIDである。また、例えば、ユーザが用紙データに含まれる項目をカスタマイズした場合は、カスタマイズされることにより生成される用紙データを識別するIDがこの項目に設定される。分類ID912は、この用紙の分類、つまり、用紙種を示す情報である。図9では、「光沢紙」として分類されている。基準用紙ID914は、用紙データがカスタマイズされた際に、基にした用紙データを判別するための情報であって、基にした用紙データの用紙IDが示される。従って、基準用紙ID914は、種別904が「カスタム用紙」となる用紙データに登録される情報であり、種別904が「基本用紙」となる用紙データでは空欄となる。用紙データ名916は、この用紙データの名称であり、印刷装置16の操作部212に表示される。
【0055】
インク使用量918は、インクの打ち込み量を示す値である。用紙カット920は、ロール紙を用いた印刷の際の、ロール紙のカット方法を示す情報である。本実施形態では、自動でカットする「自動」および手動でカットする「手動」が設定される。カラーキャリブレーション922は、カラーキャリブレーションが実行可能か否かを示す情報である。例えば、インクを吐出するヘッドの特性を適切に反映できる用紙種では「可」が設定され、それ以外では「不可」が設定される。紙送り調整値924は、紙厚や摩擦などに応じた用紙送り量の調整値を示す情報である。ヘッド高さ926は、紙厚に応じたヘッドの高さの調整値を示す情報である。画像処理データ928は、色変換などの画像処理に用いられる各種パラメータなどの画像処理データを示す。
【0056】
紙送り調整値924、ヘッド高さ926、画像処理データ928などの情報については、印刷装置16の印刷機構、ヘッドの特性、使用するインクの特性などに応じて変化する。即ち、これらの情報ついては、製品ID906ごと、用紙ID910あるいは基準用紙ID914ごとに固有の情報となる。言い換えれば、これらの情報は、用紙データに対応する用紙の種別と、用紙データが配信される(設定される)印刷装置の種別やグループの組み合わせによって決定される。そのため、用紙データには、いずれの印刷装置に対応したものであるかが設定されており、設定された印刷装置(あるいはそのグループ)に応じて、これらの情報が決定される。そして、設定された印刷装置(あるいはそのグループ)に対応しない印刷装置に用紙データが配信される場合は、配信先の印刷装置に適合するように、これらの情報が変換される(変換処理が実行される)。なお、配信先の印刷装置の種別によっては、管理装置12は、配信先の印刷装置に適合するように用紙データを変換できない。具体的には、管理装置12は、用紙データに設定されている製品グループIDに対応しない印刷装置に適用するように用紙データを変換できない。そのため、そのような印刷装置に対しては、用紙データは配信されないように制御される。なお、変換処理によって変換された用紙データは、変換前の用紙データとは別に、管理装置12のメモリに保存される。言い換えれば、変換処理が行われたとしても、変換前の用紙データは管理装置12のメモリに維持される。そして、変換処理によって生成された変換後の用紙データは、印刷装置へ配信された後に削除されるが、変換前の用紙データは削除されずに維持される。最適な印刷のため、例えば、印刷装置16の機構、ヘッドの特性、インクの特性の少なくとも1つに依存する上記した情報は、製品IDごとに異なる用紙データが用いられる。
【0057】
<設定処理>
以上の構成において、ユーザは、管理装置12を介して、印刷装置16に対して用紙データを新たに追加(新たに設定)したり、既に設定されている用紙データを更新したり、削除された用紙データを復元したりすることができる。具体的には、まず、設定処理により、どの印刷装置16に対して、どのような種別(追加・更新または復元)で、どのような用紙データを配信するのかを設定する。その後、設定処理での設定内容に基づいて、対象となる印刷装置16に対して、設定された用紙データを配信する配信処理を行う。以下、設定処理および配信処理について詳細に説明する。なお、設定処理を実行する前に、ユーザは、各種の用紙ファイルを、管理装置12の用紙ファイルDB512、用紙ファイル保存部506に登録しておく。
【0058】
図10は、設定処理の詳細な処理内容を示すフローチャートである。図10のフローチャートで示される一連の処理は、CPU400がROM402(またはHDD406)に記憶されているプログラムコードをRAM404に展開して実行されることにより行われる。あるいはまた、図10におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電気回路などのハードウェアで実行してもよい。なお、各処理の説明において符号Sは、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する(以下、本明細書において同様である。)。また、この設定処理については、図5に示す管理装置12のソフトウェア構成では、用紙データ配信部510で実行されることとなる。
【0059】
設定処理が開始されると、まず、CPU400は、用紙データの配信の対象とする印刷装置16を選択する(S1002)。なお、S1002では、印刷装置16を複数選択可能である。即ち、S1002では、例えば、CPU400が、CRTディスプレイ418に選択可能な印刷装置16を1または複数表示し、当該表示がされた表示画面におけるユーザの選択に基づいて印刷装置16を選択する。なお、表示される印刷装置16は、管理装置12とネットワーク14を介して接続しており、ネットワーク14上における検索処理によって発見される印刷装置である。ユーザの選択に基づいて選択する印刷装置16については、1つでもよいし、複数でもよい。本実施形態では、CPU400が、用紙データを配信する対象となる印刷装置16を選択する第2選択部として機能している。
【0060】
次に、CPU400は、配信の種別を選択する(S1004)。即ち、S1004では、例えば、CPU400が、CRTディスプレイ418に配信の種別として「追加・更新」および「復元」を選択可能に表示し、当該表示がされた表示画面におけるユーザの選択に基づいて配信の種別を選択する。本実施形態では、追加と更新とを1つにまとめているが、別々としてもよい。配信の種別とは、配信した用紙データを用いて実行する処理を表す。種別「追加」は、印刷装置16に新たに用紙データを追加・設定する情報であり、種別「更新」は、印刷装置16に設定されている用紙データを更新する情報であり、種別「復元」は、印刷装置16に設定されていた用紙データを復元する情報である。
【0061】
その後、CPU400は、選択した配信の種別に応じて、配信する用紙データを含む用紙ファイルを選択する(S1006)。即ち、S1006では、CPU400が、CRTディスプレイ418に、選択可能な用紙ファイルを表示し、当該表示がされた表示画面におけるユーザの選択に基づいて、配信する用紙データを含む用紙ファイルを選択する。本実施形態では、CPU400が、用紙データを選択する第1選択部として機能している。
【0062】
ここで、表示画面に選択可能に表示される用紙ファイルについては、製品IDまたは製品グループIDによりフィルタリングされる。具体的には、S1004で「追加・更新」が選択された場合、種別804が「基本用紙」および「カスタム用紙」の用紙ファイルが選択可能に表示される。表示画面に表示される「基本用紙」の用紙ファイルは、用紙ファイル管理部504で管理される用紙ファイルのうち、その製品ID806が、配信対象として選択した印刷装置16の製品ID604と一致する用紙ファイルとなる。また、表示画面に表示される「カスタム用紙」の用紙ファイルは、用紙ファイル管理部504で管理される用紙ファイルのうち、その製品グループID808が、配信対象として選択した印刷装置16の製品グループID606と一致する用紙ファイルとなる。一方、S1004で「復元」が選択された場合、種別804が「バックアップ用紙」の用紙ファイルが選択可能に表示される。表示画面に表示される「バックアップ用紙」のファイルは、用紙ファイル管理部504で管理される用紙ファイルのうち、その製品ID806が、配信の対象として選択した印刷装置16の製品ID604と一致する用紙ファイルとなる。なお、印刷装置16の情報については、印刷装置DB516から取得する。このように、本実施形態では、配信する用紙データを、用紙ファイル単位で設定することとなる。また、上記した説明では、用紙ファイルの製品ID806および製品グループID808を用いる場合を説明したが、用紙ファイルDB512のファイル識別情報における製品ID706、製品グループID708を用いるようにしてもよい。
【0063】
選択可能に用紙ファイルを表示する表示方法としては、上記に限定されるものではない。即ち、種別804に基づく用紙ファイルをすべて表示するようにしてもよい。具体的には、「追加・更新」が選択された場合、用紙ファイル管理部504で管理される用紙ファイルのうち、種別804が「基本用紙」および「カスタム用紙」の用紙ファイルをすべて表示する。また、「復元」が選択された場合には、用紙ファイル管理部504で管理される用紙ファイルのうち、種別804が「バックアップ用紙」の用紙ファイルをすべて表示する。
【0064】
そして、「基本用紙」、「バックアップ用紙」の用紙ファイルが選択されると、当該用紙ファイルの製品ID806と、配信対象となる印刷装置16の製品ID604とが一致する場合にのみ当該用紙ファイルを選択できるようにする。また、「カスタム用紙」の用紙ファイルが選択されると、当該用紙ファイルの製品グループID808と、配信対象となる印刷装置16の製品グループID606とが一致する場合にのみ当該ファイルを選択できるようにする。なお、製品IDや製品グループIDが一致しない場合には、こうした用紙ファイルを選択しても、当該用紙ファイルを選択できない、あるいは、配信できない旨を通知し、再度用紙ファイルの選択を行うように促す通知を行う。
【0065】
こうして用紙ファイルの選択が終了すると、次に、CPU400は、S1006で選択した用紙ファイルを、S1002で選択した印刷装置16に配信する配信時間としてのスケジュールを決定する(S1008)。このとき、「今すぐ」や、「所定時間後」など、選択肢を提示してユーザに選択させ、選択された選択肢に応じた配信時間をスケジュールとして設定してもよい。あるいは、配信を実行する具体的な時間をユーザに入力させて、入力された配信時間をスケジュールとして設定してもよい。本実施形態では、CPU400が、用紙データの配信時間を設定する設定部として機能している。
【0066】
その後、S1002からS1008で選択(および決定)した情報を設定情報として登録する(S1010)。設定情報は、例えば、RAM404などの記憶領域に保持される。そして、CPU400は、他の配信の設定を行うか否かを判定し(S1012)、当該設定を行うと判定されるとS1002に戻る。また、当該設定を行わないと判定されると、この設定処理を終了する。
【0067】
このように、設定処理により登録された設定情報には、配信対象の印刷装置16に関する情報、配信種別に関する情報、配信する用紙データを含む用紙ファイル、つまり、用紙データに関する情報、配信スケジュールに関する情報が含まれる。登録した設定情報は、CRTディスプレイ418に表示され、ユーザは当該設定情報を管理画面で確認可能となる。こうした管理画面のCRTディスプレイ418へ表示は、CPU400により制御される。本実施形態では、CPU400が、設定処理で設定された各種情報を表示装置に表示する表示部として機能している。
【0068】
図11は、設定情報の管理画面1100を示す図である。管理画面1100では、配信する用紙データを含む用紙ファイルに関する情報として、ファイル名欄1102に用紙ファイルのファイル名704が示される。また、管理画面1100では、配信種別に関する情報として、タイプ欄1104に「基本用紙」、「カスタム用紙」、「バックアップ用紙」のいずれかが示される。さらに、管理画面1100では、配信対象となる印刷装置16に関する情報として、配信可能機種欄1106に、印刷装置16の製品名608が示される。さらにまた、管理画面1100では、配信スケジュールに関する情報として、更新日時欄1108に配信処理を実行する日時が示される。
【0069】
なお、この管理画面1100は、図示はしないが、例えば、新たな設定情報を追加するボタン、登録されている設定情報を削除するボタン、各設定情報を選択するボタンなどを設けるようにしてもよい。このような管理画面1100を用いることで、設定情報を管理しやすくなる。
【0070】
なお、本実施形態では、管理装置12は、配信される用紙データを配信先の印刷装置に対応した用紙データに変換するための変換処理を実行可能である。変換処理とは上述したように、用紙データ内の少なくとも一部の情報を、配信先の印刷装置に適合するように変換する処理である。ところで、変換処理には、変換処理を実行するCPU400や、変換処理においてデータが展開されるメモリ(ROMやRAM)のリソースが多く利用されるため、変換処理によって管理装置12にかかる負荷が大きい。この課題は特に本実施形態のように、一度の設定で、複数の印刷装置に用紙データを配信可能な形態ではより顕著に生じうる。そのため、管理装置12をユーザが使用しており、ユーザの指示によって直ちに処理を管理装置12が実行する可能性の高い時間帯には、変換処理が実行されることは好ましくない。
【0071】
また、変換処理は、配信先の印刷装置毎に実行されるが、配信の設定後ただちに配信が行われないことがある。具体的には、配信の設定によって、配信の設定時より時間がある程度経過した後の時間が、スケジュールとして設定されることがある。変換処理が、配信の設定後ただちに実行される形態では、配信の設定後ただちに配信が行われない場合、管理装置12は、変換後の用紙データを配信まで保持し続けなければならないという課題がある。この課題は特に本実施形態のように、一度の設定で、複数の印刷装置に用紙データを配信可能な形態(すなわち、一度の設定で、変換後の用紙データが複数生成されうる形態)ではより顕著に生じうる。
【0072】
そのため、本実施形態では、管理装置12は、配信のスケジュールや配信先の印刷装置、配信される用紙データをユーザの指示によって設定したとしても、変換処理を、ただちには実行しない。そして、管理装置12は、変換処理を、設定された配信スケジュールに基づいて、配信直前に実行する。これは、例えば、一般に、配信スケジュールとして、深夜の時間帯等、ユーザが管理装置12を利用しない可能性が高い時間が設定されるためである。また、これによって、変換後の用紙データを保持する時間を短くできるためである。なお、変換処理の実行タイミングが配信スケジュールに基づく形態に限定されず、例えば、深夜の時間帯等、ユーザが管理装置12を利用しない可能性が高い時間に必ず変換処理が実行される形態としても良い。また、例えば、設定された配信スケジュールが深夜の時間帯等の所定の時間帯であるならば、設定された配信スケジュールに基づいて配信直前に変換処理を実行する。一方、設定された配信スケジュールが当該所定の時間帯でないならば、設定された配信スケジュールに基づかず、所定の時間帯において変換処理を実行する形態でも良い。
【0073】
なお、上述の課題は、一度の設定で、1つの印刷装置に用紙データを配信する形態においても生じうるため、本実施形態における制御は当然、一度の設定で、1つの印刷装置に用紙データを配信する形態においても適用可能である。
【0074】
<配信処理>
CPU400は、設定情報を管理し、設定情報における配信スケジュールに基づいて、設定情報に設定された印刷装置16に対して、設定情報に設定された用紙ファイルに含まれる用紙データを配信する配信処理を実行する。本実施形態では、CPU400が、設定処理で設定された各種の情報に基づいて用紙データを配信する配信部として機能している。
【0075】
図12は、配信処理の詳細な処理内容を示すフローチャートである。図12のフローチャートに示される一連の処理は、CPU400がROM402(またはHDD406)に記憶されているプログラムコードをRAM404に展開して実行されることにより行われる。あるいはまた、図12におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電気回路などのハードウェアで実行してもよい。また、この配信処理については、図5に示す管理装置12のソフトウェア構成では、用紙データ配信部510および用紙データ変換部518で実行されることとなる。また、本フローチャートの処理は、上述のようにして設定されたスケジュールに対応する時間が到来したことに基づいて、設定されたスケジュールに対応するタイミングで実行されるものとする。しかしながら、この形態に限定されず、配信までに必要な各種処理にかかる時間を考慮して、設定されたスケジュールに対応する時間よりも所定時間前のタイミングに開始されても良い。
【0076】
ここで、設定情報において、配信対象の印刷装置16が複数設定されている場合には、CPU400は、各印刷装置16に対して、並行して用紙データを配信する処理を実行してもよいし、順番に用紙データを配信する処理を実行するようにしてもよい。また、例えば、配信対象の印刷装置16が数百台、数千台など多数の場合には、例えば、当該印刷装置16を20台ごとにグループ化し、グループ化した20台分は並行して用紙データを配信する処理を行う。そして、1グループへの処理が終了すると、次のグループへの処理を行うようにする。
【0077】
配信処理が開始されると、まず、配信対象の印刷装置16が、用紙データを受信可能な状態か否かを判定する(S1202)。具体的には、配信対象の印刷装置16が、通信可能か否か、あるいは、印刷処理を実行中でないか否かを判定する。つまり、電源がOFFなどの要因で通信できない、あるいは、印刷処理を実行中であるなどの場合には、CPU400は、配信対象の印刷装置16が、用紙データを受信可能な状態ではないと判定する。
【0078】
S1202において、配信対象の印刷装置16が用紙データを受信可能な状態ではないと判定されると、後述するS1212に進む。また、S1202において、配信対象の印刷装置16が用紙データを受信可能な状態であると判定されると、設定情報に設定された用紙ファイルに含まれる用紙データが、配信対象の印刷装置16に適合するか否かを判定する(S1204)。なお、S1204では、設定情報に設定された用紙ファイルに含まれる用紙データのうち、未だ印刷装置16に配信されていない用紙データについて、上記判定を行うこととなる。
【0079】
ここで、用紙データには、印刷装置16の機構、ヘッドの特性、インクの特性などに依存する情報が含まれている。このため、一方の印刷装置16において設定された用紙データを、特性が異なる他方の印刷装置16に適用し、当該用紙データに基づいて印刷を行っても、適正に印刷することができない虞がある。即ち、一方の印刷装置16の用紙データを、他方の印刷装置16に適用して適正な印刷が可能となるのは、製品グループIDのみならず、製品IDまで一致する場合となる。ところが、設定処理では、種別804が「カスタム用紙」の用紙ファイルについて、配信対象の印刷装置16と製品グループIDが一致するものを選択するようにしたが、製品IDが一致するか否かは判定していない。
【0080】
そこで、S1204では、種別804が「カスタム用紙」の用紙ファイルについて、製品ID806と配信対象の印刷装置16の製品ID604とが一致するか否かを判定する。そして、この判定において、一致しないと判定されると、当該用紙ファイルに含まれる用紙データが当該印刷装置16に適合しないと判定し、一致すると判定されると、当該用紙ファイルに含まれる用紙データが当該印刷装置16に適合すると判定する。
【0081】
具体的には、まず、配信する用紙ファイルの種別804が「カスタム用紙」であるか否かを判定する。当該判定において、「カスタム用紙」でないと判定されると、用紙データが印刷装置16に適合すると判定し、後述するS1208に進む。即ち、種別804が「基本用紙」および「バックアップ用紙」の用紙ファイルについては、設定処理時に、配信対象の印刷装置16と製品IDが一致するものが選択されているため、用紙データは印刷装置16に適合する。一方、上記判定において、「カスタム用紙」であると判定されると、配信する用紙ファイルの製品ID806と、配信対象の印刷装置16の製品ID604とが一致するか否かを判定する。当該判定で、製品ID806と製品ID604とが一致すると判定されると、用紙データが印刷装置16に適合すると判定し、後述するS1208に進む。また、当該判定で、製品ID806と製品ID604とが一致しないと判定されると、用紙データが印刷装置16に適合しないと判定し、S1206に進み、CPU400は、用紙データの変換を行う。
【0082】
S1206では、CPU400は、配信対象の印刷装置16に適用するように用紙データの変換を行い(上述の変換処理を実行し)、その後、S1208に進む。ところで、種別804が「カスタム用紙」となる用紙ファイルは、種別804が「基本用紙」となる用紙ファイルにおける用紙データの少なくとも一部の情報をカスタマイズして作成されることとなる。ここで、製品IDが「1」、種別804が「基本用紙」となる用紙ファイルを基に、所定の用紙データの一部の情報を変更して、種別804が「カスタム用紙」となる用紙ファイルを作成したものとする。この場合、種別「カスタム用紙」の用紙ファイルにおける所定の用紙データに対応する用紙データの基準用紙データIDは、基にした、種別804が「基本用紙」の用紙ファイルにおける所定の用紙データの用紙データIDとなる。
【0083】
こうした種別「カスタム用紙」の用紙ファイルを、製品IDが「2」となる印刷装置16に配信する場合には、S1206では、まず、用紙ファイルDB512から、製品ID706が「2」、種別710が「基本用紙」のファイル識別情報を取得する。次に、取得したファイル識別情報における用紙ファイルID702に基づいて、用紙ファイル保存部506から、製品ID806が「2」、種別804が「基本用紙」の用紙ファイルにおける用紙データをCPU400が自動で取得する。なお、配信対象となる印刷装置16を指定後、配信する用紙データを指定し、引き続き、用紙データを印刷装置16に配信する構成では、配信対象の印刷装置16が複数台に渡る場合は、印刷装置16毎に同じ手順を繰り返す必要があり、ユーザには負担であった。本実施形態では、複数台の印刷装置16に対して配信が行われる場合において、ユーザビリティを向上させることができる。
【0084】
その後、種別「カスタム用紙」の用紙ファイルの用紙データにおいて、印刷装置16の機構、ヘッドの特性、インクの特性に依存する情報(所定情報)を、取得した用紙データにおける当該情報に変換する。上記取得した用紙データとは、配信対象の印刷装置と製品IDが一致する種別「基本用紙」の用紙ファイルから取得した用紙データである。なお、印刷装置16の機構、ヘッド特性、インクの特性に依存する情報とは、紙送り調整値924、ヘッドの高さ926、画像処理データ928などである。用紙データの変換の際に、変換の対象とする情報については、例えば、印刷装置16の製品グループID606ごとに異なっていてもよく、製品グループIDごとに当該情報をテーブルとして予め保持させるようにしてもよい。
【0085】
S1208では、CPU400は、用紙データを配信する。具体的には、S1206で変換された用紙データ(変換後用紙データ)、あるいは、S1206で変換してない用紙データを、配信対象の印刷装置16に配信する。なお、S1208では、用紙データとともに、S1004で選択された配信の種別に関する情報についても配信される。従って、用紙データとともに配信の種別に関する情報を受信した印刷装置16では、例えば、設定部としても機能するCPU200が、種別に関する情報に基づいて、用紙データを設定することとなる。例えば、種別に関する情報が、「追加・更新」であれば、用紙データを追加または更新し、「復元」であれば、該当する用紙データを配信された用紙データで置き換えて復元する。
【0086】
その後、CPU400は、設定情報に設定された用紙ファイル内に未送信の用紙データがあるか否かを判定し(S1210)、当該用紙ファイル内に未送信の用紙データがあると判定されると、S1204に戻る。S1210において、当該用紙ファイル内に未送信の用紙データがないと判定されると、CPU400は、印刷装置DB516の配信状態618に、配信結果および配信時刻を登録し(S1212)、この配信処理を終了する。S1212では、用紙ファイルに含まれるすべての用紙データの配信が成功したときに、「成功」と登録され、用紙データの配信が1つでも失敗しているときには、「失敗」と登録される。配信時刻については、用紙データの配信を開始した時刻でもよいし、当該配信が終了した時刻でもよい。また、S1202で、印刷装置16が用紙データを受信可能な状態にないと判定されたときには、S1212では、配信結果として「未送信」が登録され、配信時刻は空白となる。
【0087】
以上において説明したように、第1実施形態による管理装置を備えた管理システム10では、配信対象とする印刷装置16、配信する用紙データを含む用紙ファイル、配信の種別を選択し、用紙データを印刷装置16に配信するスケジュールを決定するようにした。そして、こうして選択および決定した情報に基づいて、用紙データを配信するようにした。これにより、印刷装置16に対して個別に、配信する用紙データを設定および配信することができるようになる。
【0088】
また、種別「カスタム用紙」の用紙ファイルを選択した際に、当該用紙ファイルの製品IDと異なる製品IDを持つ印刷装置16に用紙データを配信する場合、印刷装置16の製品IDに対応した用紙データを取得して、配信する用紙データを変換するようにした。これにより、用紙データを指定し配信するフローを、配信台数分繰り返す必要がある従来技術と比較して、複数の製品IDの印刷装置16にスケジュール配信できる構成となっているので、複数台、複数製品IDの用紙データ管理のおけるユーザの負担が軽減される。
【0089】
従って、第1実施形態による管理装置を備えた管理システム10では、様々な種類の印刷装置16が混在していても、用紙データの一元的な配信管理を、容易に行うことができるようになる。
【0090】
(第2実施形態)
次に、図13乃至図16を参照しながら、第2実施形態による管理装置について説明する。なお、以下の説明では、上記した第1実施形態と同一または相当する構成については、第1実施形態で用いた符号と同一の符号を用いることにより、その詳細な説明を省略する。
【0091】
第2実施形態では、設定処理において、配信の種別について、「追加・更新」、「復元」に加えてさらに、「削除」を選択可能とするようにした点において、上記した第1実施形態と異なっている。
【0092】
<管理リストDB>
まず、用紙データ管理部508で管理される管理リストDB514について説明する。図13は、管理リストDB514において保持する、用紙データを識別するためのデータ識別情報を示す図である。
【0093】
管理リストDB514で保持するデータ識別情報1300は、用紙ID1302、用紙データ名1304、ソース種別1306、ソースID1308、および名前1310を含む。即ち、用紙データ管理部508では、上記情報を含むデータ識別情報に基づいて、用紙データが管理される。なお、データ識別情報に含まれる情報については、上記情報に限定されるものではなく、適宜にその種類を増減してもよい。
【0094】
用紙ID1302は、用紙データの用紙ID910と一致する。用紙データ名1304は、用紙データの用紙データ名916と一致する。ソース種別1306は、管理対象となる用紙データの登録元の種別を判別可能な情報である。具体的には、用紙データの登録元が用紙ファイルまたは基準印刷装置のいずれであるかを判別可能な情報となっている。用紙データが用紙ファイルから取得されたものであれば「用紙ファイル」が登録される。また、用紙データが基準印刷装置から取得したものであれば「基準印刷装置」が登録される。ソース種別1306の更新方法については、後述する。
【0095】
ソースID1308は、用紙データの登録元である用紙ファイルまたは印刷装置16を識別可能な情報である。ソース種別1306が「基準印刷装置」であれば、ソースID1308は、基準印刷装置となる印刷装置16の印刷装置ID602が設定される。また、ソース種別1306が「用紙ファイル」であれば、ソースID1308は、用紙ファイルID702が設定される。名前1310は、用紙データの登録元である用紙ファイルまたは印刷装置16の名称を示す情報である。ソース種別1306が「基準印刷装置」であれば、名前1310は、基準印刷装置となる印刷装置16の製品名608が設定される。また、ソース種別1306が「用紙ファイル」であれば、名前1310は、ファイル名704が設定される。
【0096】
なお、管理リストDB512には、用紙データのデータ識別情報1300のみを保持するようにしてもよいし、データ識別情報1300とともに用紙データを保持するようにしてもよい。
【0097】
<管理リストDBの更新処理>
用紙ファイル管理部504において用紙ファイルが登録されると、用紙ファイル管理部504が用紙データ管理部508を呼び出す。また、印刷装置管理部500において印刷装置16の基準印刷装置616が「ON」に設定されると、印刷装置管理部500が用紙データ管理部508を呼び出す。そして、用紙データ管理部508は、用紙ファイル管理部504および印刷装置管理部500からの呼び出しに応じて、管理リストDB514におけるデータ識別情報を更新する更新処理を開始する。
【0098】
図14は、更新処理の詳細な処理内容を示すフローチャートである。図14のフローチャートに示される一連の処理は、CPU400がROM402(またはHDD406)に記憶されているプログラムコードをRSM404に展開して実行されることにより行われる。あるいはまた、図14におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電気回路などのハードウェアで実行してもよい。
【0099】
更新処理が開始されると、まず、CPU400は、用紙ファイルが登録されたか否かを判定する(S1402)。即ち、S1402では、用紙ファイル管理部504から呼び出しがあったか否かを判定する。用紙ファイル管理部504から呼び出しがあったと判定されると、用紙ファイルが登録されたと判定する。また、印刷装置管理部500から呼び出しがあったと判定されると、基準印刷装置616が「ON」に設定されたと判定し、用紙ファイルが登録されなかったと判定する。
【0100】
S1402において、用紙ファイルが登録されたと判定されると、CPU400は、登録された用紙ファイルに含まれる用紙データについて、データ識別情報1300を作成して管理リストDB514に登録し(S1404)、この更新処理を終了する。具体的には、まず、用紙ファイル管理部504を介して用紙ファイル保存部506に保持された用紙ファイルを展開する。次に、保持された用紙ファイルから、新たに登録された用紙ファイルを取得する。そして、取得した用紙ファイルに含まれる用紙データについてのデータ識別情報を作成して管理リストDB514に登録する。このとき、管理リストDB514に用紙データも登録するようにしてもよい。
【0101】
一方、S1402において、用紙ファイルが登録されていないと判定されると、CPU400は、基準印刷装置616が「ON」に設定された印刷装置16に設定されている用紙データについて、管理リストDB514に登録する(S1406)。そして、この更新処理を終了する。具体的には、S1406では、まず、印刷装置管理部500の印刷装置DB516において、基準印刷装置616が「ON」となった印刷装置16の印刷装置ID602に基づいて、印刷装置16を特定する。そして、特定した印刷装置16にアクセスして、当該印刷装置16に設定されている用紙データを取得する。その後、取得した用紙データについてのデータ識別情報1300を作成して管理リストDB514に登録する。このとき、管理リストDB514に用紙データも登録するようにしてもよい。
【0102】
<設定処理>
以上の構成において、ユーザは、管理装置12を介して、印刷装置16に対して用紙データを新たに追加したり、設定されている用紙データを更新したり、復元したりすることのほかに、印刷装置16に設定されている用紙データを削除したりすることができる。以下、本実施形態における設定処理および配信処理について詳細に説明する。
【0103】
図15は、第2実施形態における管理装置12で実行する設定処理の詳細な処理内容を示すフローチャートである。図15のフローチャートで示される一連の処理は、CPU400がROM402(またはHDD406)に記憶されているプログラムコードをRAM404に展開して実行されることにより行われる。あるいはまた、図15におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電気回路などのハードウェアで実行してもよい。なお、この設定処理については、図5に示す管理装置12のソフトウェア構成では、用紙データ配信部510および用紙データ提示部520で実行されることとなる。また、図15の設定処理では、図10の設定処理と処理内容が一致する箇所については、同じステップ番号を用いることにより、その詳細な説明は適宜に省略する。
【0104】
設定処理が開始され、S1002において用紙データの配信対象となる印刷装置16が選択されると、CPU400は、配信の種別を選択する(S1502)。即ち、S1504では、例えば、CPU400が、CRTディスプレイ418に、種別として「追加・更新」、「復元」、および「削除」を選択可能に表示し、当該表示がされた表示画面におけるユーザの選択に基づいて種別を選択する。なお、種別「削除」は、用紙データを削除する情報である。
【0105】
次に、CPU400は、S1502において種別として「削除」が選択されたか否かを判定する(S1504)。S1504において、「削除」が選択されていないと判定されると、「追加・更新」または「復元」が選択されていることになり、S1006に進み、以降、上記第1実施形態と同様の処理を実行することとなる。なお、本実施形態では、「追加・更新」または「復元」が選択された際には、上記第1実施形態と同様の処理を実行することに限定されず、公知の種々の技術を用いて、印刷装置16に設定された用紙データに対する処理を行うようにしてもよい。
【0106】
一方、S1504において、「削除」が選択されたと判定されると、ユーザに対してソース種別を選択するよう促し(S1506)、CPU400は、当該選択において「用紙ファイル」が選択されたか否かを判定する(S1508)。具体的には、S1506では、削除する用紙データを、管理装置12で管理されている用紙ファイルに含まれる用紙データとするのか、基準印刷装置とされた印刷装置16に設定された用紙データとするのかを選択するように促す。S1506では、例えば、CPU400がCRTディスプレイ418に、「用紙ファイル」と「基準印刷装置」とを選択可能に表示する。そして、S1508では、管理装置12で管理されている用紙ファイルに含まれる用紙データから選択することを示す「用紙ファイル」を選択した否かを判定する。
【0107】
S1508において、「用紙ファイル」が選択されたと判定されると、CPU400は、対象となる用紙ファイルを選択可能に表示する(S1510)。即ち、S1510では、用紙ファイル管理部504で管理される用紙ファイルを選択可能に表示し、当該用紙ファイルの選択をユーザに促すこととなる。具体的には、S1510では、まず、管理リストDB514において、ソース種別1306が「用紙ファイル」となるデータ識別情報1300をすべて取得する。そして、取得した各データ識別情報1300において、ソースID1308を取得する。ここで、データ識別情報1300では、ソース種別1306が「用紙ファイル」であるため、ソースID1308は、ファイル識別情報700の用紙ファイルID702と一致している。このため、用紙ファイルDB512に保持される、取得した各ソースID1308と一致する用紙ファイルID702となるファイル識別情報700を取得し、取得したファイル識別情報700のファイル名704をCRTディスプレイ418に選択可能に表示する。
【0108】
次に、CPU400は、用紙ファイルが選択されたか否かを判定する(S1512)。S1512において、用紙ファイルが選択されたと判定されると、CPU400は、選択されたファイル名を含むファイル識別情報700で識別される用紙ファイルにおける用紙データを、管理リストDB514から取得して選択可能に表示する(S1514)。S1514では、例えば、取得した用紙データの用紙データ名1304が、CRTディスプレイに選択可能にリスト表示される。
【0109】
その後、CPU400は、ユーザにより選択された用紙データを、削除する用紙データとして選択して、削除する用紙データの用紙ID910を取得する(S1516)。こうして削除する用紙データの用紙IDを取得するとS1008に進み、取得した情報を配信するためのスケジュールを決定して、S1010で、これまでの処理で選択および決定した情報を設定情報として登録する。具体的には、S1010では、S1002、S1502、S1516で選択した情報、およびS1008で決定した情報を設定情報として登録する。そして、S1012で、他の配信の設定を行うか否かを判定し、当該設定を行わないと判定されると、この設定処理を終了する。
【0110】
また、S1508において、「用紙ファイル」が選択されなかった、つまり、「基準印刷装置」が選択されたと判定されると、CPU400は、対象とする印刷装置16を選択可能に表示する(S1518)。即ち、S1518では、印刷装置管理部500で管理される印刷装置16を選択可能に表示する。具体的には、S1518では、まず、管理リストDB514において、ソース種別1306が「基準印刷装置」となるデータ識別情報1300を取得する。そして、取得したデータ識別情報1300において、ソースID1308を取得する。ここで、データ識別情報1300では、ソース種別1306が「基準印刷装置」であるため、ソースID1308は、装置識別情報600の印刷装置ID602と一致している。このため、印刷装置DB516に保持される、取得したソースID1308と一致する印刷装置ID602となる装置識別情報600を取得し、取得した装置識別情報600の製品名608を、CRTディスプレイ418に選択可能に表示する。
【0111】
次に、CPU400は、印刷装置16が選択されたか否かを判定する(S1520)。S1520において、印刷装置16が選択されたと判定されると、CPU400は、選択された製品名を含む装置識別情報600で識別される印刷装置における用紙データを、管理リストDB514から取得して選択可能に表示する(S1522)。S1522では、例えば、取得した用紙データの用紙データ名1304が、CRTディスプレイに選択可能に表示される。その後、S1516に進み、以降、S1508で用紙ファイルが選択されたときと同様の処理が行われる。
【0112】
<配信処理>
CPU400は、設定情報を管理し、設定情報における配信スケジュールに基づいて、設定情報に設定された印刷装置16に対して、設定情報に基づいて設定された用紙ファイルに含まれる用紙データを配信する配信処理を実行する。本実施形態では、CPU400が、設定処理で設定された各種の情報に基づいて用紙データを配信する配信部として機能している。また、本実施形態では、配信の種別が「追加・更新」および「復元」となる設定情報の配信処理については、上記第1実施形態で説明した処理、あるいは、公知の処理が適用される。このため、以下の説明では、配信の種別が「削除」となる設定情報を配信する配信処理について説明する。
【0113】
図16は、配信の種別が「削除」となる設定情報に基づいて用紙データを配信する配信処理の詳細な処理内容を示すフローチャートである。図16のフローチャートに示される一連の処理は、CPU400がROM402(またはHDD406)に記憶されているプログラムコードをRAM404に展開して実行されることにより行われる。あるいはまた、図16におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電気回路などのハードウェアで実行してもよい。また、この配信処理については、図5に示す管理装置12のソフトウェア構成では、用紙データ配信部510で実行されることとなる。
【0114】
図16に示す配信処理についても、図12に示す配信処理と同様に、複数の印刷装置16に対して、並行して用紙データを配信するようにしてもよいし、順番に用紙データを配信するようにしてもよい。また、数百台、数千台の印刷装置16に対して配信処理を行う場合には、一定の台数単位で順番に処理を実行することとなる。
【0115】
配信処理が開始されると、まず、配信対象の印刷装置16が、用紙データを受信可能な状態か否かを判定する(S1602)。S1602の具体的な処理内容は、上記S1202と同じであるためその説明を省略する。
【0116】
S1602において、配信対象の印刷装置16が用紙データを受信可能な状態ではないと判定されると、後述するS1608に進む。また、S1602において、配信対象の印刷装置16が用紙ファイルを受信可能な状態であると判定されると、設定情報に設定された用紙データを、配信対象の印刷装置16に配信する(S1604)。具体的には、S1604では、まだ配信されていない用紙データについて、用紙データに関する情報として用紙ID1302を配信する。また、S1604では、配信の種別に関する情報である「削除」が配信される。従って、用紙データとともに配信の種別に関する情報を受信した印刷装置16では、受信した用紙データを「削除」することとなる。
【0117】
その後、CPU400は、設定情報に設定された用紙データに未送信の用紙データがあるか否かを判定し(S1606)、未送信の用紙データがあると判定されると、S1604に戻る。S1606において、未送信の用紙データがないと判定されると、CPU400は、印刷装置DB516の配信状態618に配信結果および配信時刻を登録し(S1608)、この配信処理を終了する。S1608の具体的な処理内容は、上記S1212と同じであるためその説明を省略する。
【0118】
なお、図16の配信処理では、未送信の用紙データを1つずつ、配信の種別に関する情報とともに、印刷装置16に配信するようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、配信する用紙データのリストを作成し、当該リスト用紙データに関する情報として、配信の種別に関する情報とともに印刷装置16に配信するようにしてもよい。あるいは、印刷装置16に設定されている用紙データのリストを作成し、当該リストから、設定情報で設定された用紙データを除外したリストを、印刷装置16へ配信するようにしてもよい。
【0119】
以上において説明したように、第2実施形態による管理装置を備えた管理システム10では、用紙ファイルが登録されるタイミングで、当該用紙ファイルに含まれる用紙データを用紙データ管理部508で管理するようにした。また。印刷装置16が基準印刷装置として設定されるタイミングで、当該印刷装置16に設定されている用紙データを用紙データ管理部508で管理するようにした。そして、用紙データを削除する際には、対象とする印刷装置16、配信の種別などとともに、用紙データ管理部508で管理される用紙データから、削除する用紙データを選択するようにした。これにより、上記第1実施形態による作用効果に加えてさらに、対象とした印刷装置16から特定の用紙データを選択的に削除することが容易に可能となる。
【0120】
(他の実施形態)
上記第2実施形態では、配信の種別として削除を選択する場合について説明したが、例えば、同様の処理を行って、キャリブレーションを実行する用紙データを設定することができる。具体的には、配信の種別で、「キャリブレーション」を選択可能とする。そして、「キャリブレーション」が選択されると、キャリブレーションを実行する用紙データを選択して、配信の種別として「キャリブレーション」が設定され、キャリブレーションを実行する用紙データが設定された設定情報を登録する。その後、設定情報の配信スケジュールに基づいて、配信処理が実行され、配信対象の印刷装置16が通信可能であると、当該印刷装置16に対して、用紙データとともに種別に関する情報として「キャリブレーション」を配信する。受信した印刷装置16では、用紙データに対して、キャリブレーションを実行するように設定することとなる。なお、キャリブレーションの実行にのみ限定されず、キャリブレーションを実行する間隔など、キャリブレーションの実行条件を指定するようにしてもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、用紙データを配信するスケジュールを決定するようにしたが、こうした機能については、特に設けなくてもよく、配信対象の印刷装置16、配信の種別、用紙データ(用紙ファイル)を選択後に直ちに配信が実行される形態としてもよい。
【0122】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークまたは記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0123】
12 管理装置
16 印刷装置
400 CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16